JP5443046B2 - 液体循環装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体循環装置に関し、特に、互いに隔てられた二つの空間の間で液体を循環させる液体循環装置に関する。
従来、内燃エンジンと変速機との間で潤滑流体を循環させて、変速機およびエンジンの各部を潤滑および冷却する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。また、トランスミッションケースからのオイルを回収するオイルタンクを有し、オイルタンク内のオイルを吸い上げオイルミストを作成しトランスミッションケース内のギヤの噛み合い面を潤滑する、トランスミッション潤滑装置が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
また、ケース内の排気や吸気の機能を果たさせる換気手段としてのブリーザに関し、エアに随伴した油の漏出を阻止するブリーザの構造が提案されている(たとえば、特許文献3参照)。また、ケースの外部と内部とを連通するブリーザ回路に傾斜部を設けた構成が提案されている(たとえば、特許文献4参照)。また、オイルがエアブリーザ室内に進入するのを防止する遮蔽リブを設けた構成が提案されている(たとえば、特許文献5参照)。
特開平11−132318号公報 特開2000−274516号公報 実開平7−29373号公報 特開2002−31216号公報 特開2008−14406号公報
エンジンとトランスミッションとで潤滑および冷却用のオイルを共有し、エンジン側の空間とトランスミッション側の空間との間でオイルを循環させる場合、トランスミッション側からエンジン側へ戻るオイルの流量が低下する可能性がある。このオイル流量の低下は、エンジン側の空間とトランスミッション側の空間との内圧の差が変動することや、トランスミッション側の空間内部においてギヤによりオイルが攪拌されるときにオイル中に気泡が混ざること、オイルの粘度が変化することなどによる。
トランスミッション側からエンジン側へ戻るオイルの流量が低下して、トランスミッション側の空間にオイルが偏った場合、エンジン側のオイルが過少となり、エンジン内部に配置されたピストンなどの各機器の潤滑および冷却が不十分となる問題が発生する。また、トランスミッション側のオイルが過多となり、トランスミッション側の油面レベルが上昇すると、ギヤの回転に伴って攪拌されるオイルの量が増加し、油温が上昇して、トランスミッションに用いられるゴム製のオイルシールやベアリングシールが熱劣化したり、トランスミッションの駆動力伝達効率が悪化するなどの問題が発生する。
そのため、互いに隔てられた二つの独立した空間の間で液体を循環させる場合、液体がいずれか一方の空間内に偏らないようにする必要がある。しかし、各空間内の液体の貯留量は、液体の粘度、空間内の圧力、空間内に配置されたギヤの回転状態など、種々の要因によって変動する。そのため、各空間内に貯留される液体の量を安定させることは非常に困難であった。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、互いに隔てられた二つの空間の間で液体を循環させる場合に、各空間内の液体量を安定化させる、液体循環装置を提供することである。
本発明にかかる液体循環装置は、第一空間と、第一空間から隔てられた第二空間との間で液体を循環させる装置である。液体循環装置は、第一空間から第二空間へ向かって液体が流通する第一液体通路と、第一空間内の液体を第一液体通路へ移送するポンプと、第二空間から第一空間へ向かって液体が流通する第二液体通路と、第一空間と第二空間とを通気する通気路とを備える。第一空間に通気路が開口する第一空間側開口の気圧は、第二液体通路を流通する液体が第二液体通路から流出する第一空間側流出口の気圧よりも大きい。
上記液体循環装置において好ましくは、第二空間に通気路が開口する第二空間側開口は、第二液体通路へ液体が流入する第二空間側流入口に対して上方に形成されている。第一液体通路から液体が流出する第二空間側流出口は、第二空間側流入口に対して上方に形成されている。
上記液体循環装置において好ましくは、通気路は、水平方向に対して傾斜している傾斜部を有する。傾斜部の第一空間側の端部は、傾斜部の第二空間側の端部に対して上方に位置する。
上記液体循環装置において好ましくは、第二液体通路へ液体が流入する第二空間側流入口は、第二液体通路から液体が流出する第一空間側流出口に対して上方に形成されている。液体は、重力の作用により第二液体通路内を第二空間側流入口から第一空間側流出口へ向かって流通する。
上記液体循環装置において好ましくは、第二液体通路の径は、第一液体通路の径よりも大きい。
本発明の液体循環装置によると、互いに隔てられた二つの空間の間で、各空間内の液体量を安定化させて液体を循環させることができる。
本実施の形態に係る液体循環装置を搭載した車両を示す模式図である。 本実施の形態に係る液体循環装置の構成を示す模式図である。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
なお、以下に説明する実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下の実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、上記個数などは例示であり、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。
図1は、本実施の形態に係る液体循環装置を搭載した車両を示す模式図である。図1に示す車両は、FF(Front engine Front drive)方式の車両である。なお、本実施の形態の液体循環装置は、FF方式以外の車両に搭載されていてもよい。
図1に示すように、車両は、エンジン100と、トランスミッション200とを含む。エンジン100は、図示しないインジェクタから噴射された燃料と空気との混合気を、シリンダの燃焼室内で燃焼させる内燃機関である。燃焼によりシリンダ内のピストンが押し下げられて、クランクシャフトを回転させる。
トランスミッション200は、クラッチ300を介してエンジン100に連結される。トランスミッション200は、所望のギヤ段を形成することにより、クランクシャフトの回転数を所望の回転数に変速する。なお、ギヤ段を形成するトランスミッションの代わりに、変速比を無段階に変更するCVT(Continuously Variable Transmission)を搭載してもよい。
トランスミッション200から出力される駆動力は、ディファレンシャルギヤ400およびドライブシャフト500を経由して、左右の前輪601,602に伝達される。ディファレンシャルギヤ400は、旋回時や路面に凹凸がある場合などにドライブシャフト500に回転差を与えて、左右の前輪601,602に均等な駆動力を伝達し、車両の円滑な走行を可能とする。
図2は、本実施の形態に係る液体循環装置1の構成を示す模式図である。図2に示す液体循環装置1は、エンジン100およびトランスミッション200の潤滑および冷却のためのオイルを、循環する対象の液体の一例として用いている。液体循環装置1は、エンジンケース102内の空間101と、トランスミッションケース202内の空間201との間で、上記オイルを循環させる。エンジンケース102とは、クランクシャフトを収容するクランクケース、内部をピストンが往復するシリンダを一体にまとめたシリンダブロック、クランクケースの下方に設置されるオイルパンなど、エンジン100の外面を構成する複数の部材を総称している。トランスミッションケース202は、トランスミッション200を収容する。
エンジンケース102とトランスミッションケース202との間には、クラッチ300を収容するクラッチハウジング302が配置されている。第一空間としてのエンジンケース102の内部の空間101と、第二空間としてのトランスミッションケース202の内部の空間201とは、クラッチハウジング302の内部の空間301が間に形成されて隔てられている。空間101,201は、互いに隔てられた二つの独立した空間として設けられている。エンジンケース102とトランスミッションケース202とは、隔壁によって隔てられた一体の構造に形成されていてもよく、別体構造とされてもよい。
トランスミッションケース202の内部には、対をなすギヤ203が配置されている。ギヤ203は、回転軸204を回転中心として回転可能に設けられている。空間201の下部には、オイル貯留部205が形成されており、空間201に供給されたオイルはオイル貯留部205の内部に貯留される。ギヤ203の一部は、オイル貯留部205に貯留されたオイルに浸漬されている。ギヤ203の回転に伴って、オイル貯留部205内のオイルが巻き上げられることにより、空間201内にオイルが供給される。
ギヤ203は、オイルセパレータ206によって覆われている。オイルセパレータ206は、ギヤ203の回転によって巻き上げられるオイルの量を規制する。空間201内において、ギヤ203で攪拌されるオイルをオイルセパレータ206によって制限し、オイルセパレータ206の外側でのオイルレベルを安定させる。これにより、後述する開口231を経由して空間201から流出するオイルの量を安定させている。
空間101の内部には、ポンプ123が配置されている。ポンプ123の吸込み側には、管路124が接続されており、管路124の端部125を経由して空間101内の液体がポンプ123に供給される。ポンプ123の吐出側には流路126が接続されている。流路126の途中で、流路122が分岐している。流路122は、空間301内の流路321と接続されている。流路321の端部には、流路321が空間201に開口する開口221が形成されている。
流路122,321は、空間101から空間201へ向かってオイルが流通する、第一液体通路を形成している。ポンプ123は、空間101内の液体を第一液体通路へ移送する。開口221は、第一液体通路から空間201へオイルが流出する、第二空間側流出口を形成している。
空間101の内部には、油室133が設けられている。油室133内部の空間134の下部には、オイル貯留部135が形成されている。油室133には流路131が接続されている。流路131は、空間301内の流路331と接続されている。流路331の端部には、流路331が空間201に開口する開口231が形成されている。開口231を経て流路131へ流入し流路131内を流通するオイルは、流路131の端部に形成された開口132を経由して油室133の内部の空間134へ導かれ、オイル貯留部135に貯留される。
流路131,331は、空間201から空間101へ向かってオイルが流通する、第二液体通路を形成している。開口231は、第二液体通路へオイルが流入する第二空間側流入口を形成している。開口132は、第二液体通路を流通する液体が第二液体通路から流出する第一空間側流出口を形成している。オイル貯留部205にオイルが溜まり、開口231が形成されている位置に油面レベルが到達すると、オイルは開口231を経て流路331内へ流入する。
開口231は、開口132に対して上方に形成されている。流路331は、開口231が形成されている一方の端部から他方の端部へ向かって下降している。流路131は、水平に延びるように配置されている。流路131,331には、開口231から開口132へ向かう方向において水平面に対して仰角を形成する箇所が形成されていない。流路331が水平面に対して俯角を形成するように延びており、流路131が水平方向に延びているために、開口231から開口132へ向かって流れるオイルが流路131,331の内部で滞留することを回避できる。
流路131,331内でのオイルの滞留が抑制されているので、空間201内のオイル貯留部205から開口231を経て流路331へオイルが流入すると、オイルは、重力の作用により、流路131,331内を開口231から開口132へ向かって滞りなく流通する。そのため、流路131,331内にオイルを流通させるための動力を与えるポンプなどを設けることなく、空間201から空間101へ向かってオイルを流通させることができる。したがって、液体循環装置1の構成を簡略化できるので製造コストを低減することができ、また液体循環装置1を運転させるために必要な電力などのエネルギー消費量を低減できるのでランニングコストを低減することができる。
空間101,201はまた、空間101内に設けられた気体流路112および空間301内に設けられた気体流路311によって、連通されている。気体流路112が空間101に開口する開口114は、空間101内の気相部に開口するように、空間101の上方側に形成されている。気体流路311が空間201に開口する開口211は、空間201内の気相部に開口するように、空間201の上方側に形成されている。そのため、気体流路112,311を経由して、空間101,201間での空気の流通が可能とされている。
気体流路112,311は、空間101と空間201とを通気し、空間101,201間に空気を通わせる通気路を形成している。開口114は、通気路が空間101に開口する第一空間側開口を形成している。開口211は、通気路が空間201に開口する第二空間側開口を形成している。
本実施の形態の液体循環装置1は、空間201へオイルを供給するための油路を形成する流路122,321、空間201から空間101へオイルを戻すための油路を形成する流路131,331に加えて、空間101,201を通気する通気路としての気体流路112,311を備えている。
ここで、空間101,201間でオイルを循環させる際に、オイルが空間101,201のいずれかに偏らないようにするためには、空間201へ供給されるオイルの流量と、空間201から空間101へ戻されるオイルの流量とを均一にする必要がある。空間101の内圧と空間201の内圧との差が大きくなると、空間201へ流入するオイルと空間201から流出するオイルとの流量差が大きくなり、オイルの偏りの原因となる。つまり、オイルの偏りの発生を抑制するためには、空間101,201内の気体の圧力差を低減し、空間101の内圧と空間201の内圧との均一性を向上させる必要がある。
本実施の形態の液体循環装置1では、気体流路112,311が設けられているために、たとえば空間201内のエア量が減少して空間201の内圧が低下した場合に、気体流路112,311を経由して空気が空間101から空間201へ移動する。必要な場合に、空間101から空間201へ空気が供給されて、空間101,201の内圧の差を低減し、空間101,201内部の圧力を均一に近づけることができるので、空間201へ供給されるオイルと空間201から空間101へ戻されるオイルとの流量差を低減できる。そのため、空間101,201内のオイル量の変動を抑制し、空間101,201内のオイル量を安定化させることができるので、空間101内のオイル貯留部135および空間201内のオイル貯留部205の油面レベルを安定させることができる。
空間201内のオイルは、開口231を経て、流路331へ流入する。空間201からオイルが流出する出口となる開口231に対して、空間201へのオイルの入口を形成する開口221は上方に形成されている。このように開口221,231の位置を規定することにより、オイルを滞りなく開口221から空間201内へ流入させ、空間201から開口231を経て流路331へ流出させることができるので、空間101,201間でのオイルの循環を円滑にすることができる。
空間101,201を通気する気体流路311が空間201に開口する開口211は、空間201からオイルが流出する出口となる開口231に対して、上方に形成されている。このように開口211,231の位置を規定することにより、開口211を空間201内の気相部に確実に開口させることができ、気体流路311へのオイルの流入を抑制できるので、気体流路112,311を経由した気体の流通がオイルによって妨げられることを抑制することができる。
空間201から空間101へ向かうオイルが流れる流路131,331の径が、空間101から空間201へ向かうオイルが流れる流路122,321の径よりも大きいように、流路131,331は形成されている。このように、空間201から空間101へ向かうオイルの流路をより大径にし、流路131,331内を流れるオイルの流路抵抗を低減することにより、重力の作用に従って空間201から空間101へオイルを一層流れ易くすることができる。
車両に搭載されるエンジン100とトランスミッション200の場合、図2に示すように、一般的にエンジンケース102に対しトランスミッションケース202の容積が相対的に小さくなる。容積がより小さいトランスミッションケース202内部のオイルをエンジン100と循環させない場合、ギヤ203の回転に伴ってオイルが攪拌されるので、油温が上昇し易い。そのため、トランスミッション200に専用のオイルクーラを設置する必要があり、トランスミッション200のコスト増加の問題が発生する。
本実施の形態の液体循環装置1を用いて、エンジン100側の空間101とトランスミッション200側の空間201とでオイルを循環させることにより、エンジン100側に設置されるオイルクーラによって冷却されたオイルをトランスミッション200に供給することができる。したがって、トランスミッション200の冷却性能を確保することができるので、空間201内の部材の熱劣化を抑制することができる。また、トランスミッション200専用のオイルクーラを不要とできるので、コストの増加を回避することができる。
また、気体流路112,311によって、トランスミッション200側の空間201とエンジン100側の空間101とが通気されている。つまり、気体流路112,311は、空間201内の気体の膨張時に空間201から排気し、空間201内の気体の収縮時に空間201へ吸気して、空間201内の圧力を安定させるブリーザとして機能することができる。
エンジン100とトランスミッション200とで、潤滑および冷却用のオイルを共有する場合、エンジン100内を潤滑するオイル中に燃料が混入している可能性がある。法規制上、燃料を吸着できる吸着剤を通過させずに外部へ燃料を流出させることはできない。そのため、トランスミッションケース202にブリーザを設けて空間201と外部空間とを直接連通する場合、吸着剤を備えたフィルタ付きの特殊ブリーザが必要とされ、コスト上昇の原因となる。
本実施の形態の液体循環装置1では、空間101,201を連通する気体流路112,311に、トランスミッション200側の空間201に対する換気手段であるブリーザの機能を持たせている。空間201から排気される空気は、エンジン100側の空間101の内部へ流入する。したがって、トランスミッション200にフィルタ付きの高性能ブリーザを設置する必要がなく、トランスミッション200のコスト低減を達成することができる。
図2に示すように、本実施の形態の液体循環装置1では、空間101の内部にポンプ137が配置されている。ポンプ137の吐出側には管路138が接続されている。ポンプ137の吸込み側には管路136が接続されており、管路136の他端部は油室133に接続されている。そのため、ポンプ137を起動させることにより、油室133の内部の空間134が減圧される。空間134には、空間201から空間101へ向かって流れるオイルが流路131から流出する、開口132が開口している。
ポンプ137によって空間134内の圧力が低下することにより、開口132の気圧は、気体流路112が空間101に開口する開口114に対して、相対的に低くなる。開口114周辺の仮想の小空間113内の気圧は、開口132が開口している油室133内の空間134の気圧よりも、高くなっている。このように圧力差を形成することにより、気体流路112,311を経由させて空間101から空間201へ向かって空気を積極的に流通させることができる。
エンジン100の始動時など、空間101,201内部の油温が低く、オイルの粘度が高い場合には、流路131,331内をオイルが円滑に流れにくい。そのため、空間201から空間101へオイルが流れにくくなり、空間201内のオイル貯留量が増加し易い。そこで、開口114,132に圧力差を設けることにより、空間201内のオイルを流路131,331を経由して油室133内へ吸引することができる。そのため、開口231が形成された高さ以上に空間201内の油面が上昇しなくなり、空間201内の油面レベルをより安定させることができる。
さらに、本実施の形態の液体循環装置1では、気体流路311が水平方向に対して傾斜している。空間201に気体流路311が開口する開口211に対し、気体流路311が気体流路112と接続される連結部111は、上方に配置されている。空間101,201を通気する気体流路112,311は、水平方向に対して傾斜している傾斜部を有する。傾斜部を形成する気体流路311の空間101側の端部である連結部111は、気体流路311の空間201側の端部を形成する開口211に対して、上方に位置している。
車両が前後方向または左右方向に加速するときに発生する慣性力によって、ギヤ203の回転により巻き上げられ空間201内部に飛散したオイルの一部が、開口211から気体流路311内へ入り込む場合がある。上述したように傾斜部を有するように気体流路311を配置すれば、オイルが開口211から気体流路311内へ流入した場合に、流入したオイルが気体流路311内を空間101へ向かって流れることを抑制できる。オイルは、気体流路311内を重力の作用によって流れるので、開口211側が相対的に低い位置にあるように気体流路311を形成することによって、気体流路311を経て空間201から空間101へオイルが流れることを防止することができる。
図2に示す気体流路311は、その全体が水平方向に対して傾斜するように配置されているが、この構成に限られない。つまり、気体流路112,311の少なくとも一部において傾斜部が形成されていれば、空間201に対するブリーザとして機能する気体流路112,311を経由して空間101へオイルが流入することを防止する効果を、同様に得ることができる。
なお、これまでの説明においては、車両のエンジンケース102内の空間101とトランスミッションケース202内の空間201との間でオイルを循環させる液体循環装置1について説明したが、この構成に限られるものではない。たとえばトランスミッションとトランスファとが潤滑油を共有する場合など、任意の隔てられた二空間に液体を循環させる必要があり、当該二空間内の液体の量を規定したいときに、本発明の液体循環装置を好適に用いることが可能である。
また、流路122,321、流路131,331および気体流路112,311がいずれも空間101,301の内部に配置されている例について説明したが、この構成に限られるものではない。たとえば、空間101,201間で液体または気体をを流通させる経路の一部または全部が、エンジンケース102およびトランスミッションケース202を貫通して配置され、外部空間を通るように配置されていてもよい。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、たとえば車両に搭載されるエンジンケースとトランスミッションケースとの間で、潤滑および冷却用のオイルを循環させるための液体循環装置に、特に有利に適用され得る。
1 液体循環装置、100 エンジン、101,201,301 空間、102 エンジンケース、111 連結部、112,311 気体流路、114,132,211,221,231 開口、122,131,321,331 流路、123 ポンプ、133 油室、134 空間、200 トランスミッション、202 トランスミッションケース、203 ギヤ、300 クラッチ、302 クラッチハウジング。

Claims (6)

  1. 第一空間と、前記第一空間から隔てられた第二空間との間で液体を循環させる、液体循環装置であって、
    前記第一空間から前記第二空間へ向かって液体が流通する第一液体通路と、
    前記第一空間内の液体を前記第一液体通路へ移送するポンプと、
    前記第二空間から前記第一空間へ向かって液体が流通する第二液体通路と、
    前記第一空間と前記第二空間とを通気する通気路とを備え
    前記第一空間に前記通気路が開口する第一空間側開口の気圧は、前記第二液体通路を流通する液体が前記第二液体通路から流出する第一空間側流出口の気圧よりも大きい、液体循環装置。
  2. 前記第二空間に前記通気路が開口する第二空間側開口は、前記第二液体通路へ液体が流入する第二空間側流入口に対して上方に形成されており、
    前記第一液体通路から液体が流出する第二空間側流出口は、前記第二空間側流入口に対して上方に形成されている、請求項1に記載の液体循環装置。
  3. 前記通気路は、水平方向に対して傾斜している傾斜部を有し、
    前記傾斜部の前記第一空間側の端部は、前記傾斜部の前記第二空間側の端部に対して上方に位置する、請求項1または請求項2に記載の液体循環装置。
  4. 前記第二液体通路へ液体が流入する第二空間側流入口は、前記第二液体通路から液体が流出する第一空間側流出口に対して上方に形成されており、
    液体は、重力の作用により前記第二液体通路内を前記第二空間側流入口から前記第一空間側流出口へ向かって流通する、請求項1から請求項のいずれかに記載の液体循環装置。
  5. 前記第二液体通路の径は、前記第一液体通路の径よりも大きい、請求項1から請求項のいずれかに記載の液体循環装置。
  6. 前記第一空間の下部に、液体を貯留する第一液体貯留部が形成されており、
    前記第二空間の下部に、液体を貯留する第二液体貯留部が形成されており、
    前記第二液体通路へ液体が流入する第二空間側流入口は、前記第二液体貯留部の液面レベルを規定し、前記第二空間側流入口に液面レベルが到達すると液体は前記第二液体通路内へ流入し、
    前記第二液体通路は、前記第二空間側から見て略全長に渡って水平面に対し俯角を形成する、請求項1から請求項5のいずれかに記載の液体循環装置。
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