JP5442975B2 - ディスプレイマスク用エッチング液およびディスプレイマスクの製造方法 - Google Patents

ディスプレイマスク用エッチング液およびディスプレイマスクの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、大型のディスプレイパネルの製造に使用される該ディスプレイパネルの大きさに相当する原寸大の大型の図形マスク(以下、単に「ディスプレイマスク」という場合がある)を製造するために使用するエッチング液に関し、詳しくは、黒欠陥を生じない設計図面通りの優れた寸法再現性を有するディスプレイマスクが得られるディスプレイマスク用エッチング液(以下、単に「エッチング液」という場合がある)に関する。
近年、カラー液晶テレビ、プラズマテレビなどの大型化、薄型化、および高画質化に伴い、それらの表示装置に用いられるディスプレイパネルは大型で高画質化が求められている。そのために、上記ディスプレイパネルのカラーフィルター、アレイ側の配線や電極、抵抗体、および蛍光体などを製造する工程で、それらのパターンの設計図面を露光描画させるために使用されるディスプレイマスクは、効率化のため基板が大型化される中で、分割露光されることが多いが、分割ショット数を削減するために大型化している。
前記のディスプレイマスクは、一般に、大型の透明ガラス基板上に形成された遮光性金属薄膜面に感光性樹脂を塗布し、乾燥後、所望のパターンを活性エネルギー線で露光描画させた後、現像し、現像後、エッチング液にてレジスト膜で覆われていない金属薄膜をエッチングすることにより得られる。
上記のエッチング液には、前記のパターンの設計図面の寸法再現性が優れた高精度の大型のディスプレイマスクが得られる性能が要求される。上記の大型のディスプレイマスクとは、8インチ×8インチ以上のディスプレイマスクを意味する。
一般に、上記のエッチング液としては、酸性の酸化性エッチング液が使用されており、均一にエッチングできる濡れ性の向上を目的として界面活性剤が配合されている。しかしながら、従来の炭化水素系の界面活性剤を配合したエッチング液は、該界面活性剤がその強酸化性のエッチング剤に対して耐酸化性などの化学安定性が劣るなど、ディスプレイマスク用基材やレジストに対する濡れ性などの性能が充分でないために、ディスプレイマスク用基材の全体をばらつきなく均一にエッチングする精度が劣り、設計図面の寸法再現性が優れた高精度の大型のディスプレイマスクが得られない。
上記の炭化水素系の界面活性剤の問題点の改良として、ある種のフッ素系界面活性剤を配合したエッチング液(特許文献1)が提案されている。上記の特許文献1に開示のエッチング液は、被エッチング材(金属薄膜)やレジストに対する湿潤濡れ性は向上しており、安定した高精度のエッチング効果が得られる。
しかしながら、上記の特許文献1に開示のエッチング液は、エッチング液の調製中、あるいは取り扱いにおいてエッチング液を強く撹拌したり、輸送中の振動、あるいはディスプレイマスクを製造するエッチング工程における機械的な衝撃で不安定を伴い、エッチング液に泡が発生し易くなる。特に、ディスプレイマスクをスプレーエッチング法にて製造する場合に起泡が顕著になりやすい。
上記の泡の発生は、ディスプレイマスクを製造するエッチング工程中において、発生した泡が被エッチング材の表面に付着することにより、泡が付着した部分の被エッチング材表面はエッチングされずにエッチング残りの黒欠陥が部分的に生じる。この黒欠陥が発生したディスプレイマスクを使用して露光描画すると、黒欠陥の部分が露光時の光が透過しないためにパターン抜けが生じ、設計図面通りのディスプレイパネル製品が得られない。ディスプレイマスクが大型になればなるほど黒欠陥の頻度が高くなる。上記の泡とは、気泡、泡沫、分散気泡などを包含する。
上述のことから、黒欠陥を生じない設計図面通りの優れた寸法再現性を有する大型のディスプレイマスクが得られるエッチング液およびディスプレイマスクの製造方法が要望されている。
特許第3809044号公報
本発明は、黒欠陥を生じない設計図面通りの優れた寸法再現性を有する高精度の大型のディスプレイマスクが得られるエッチング液およびディスプレイマスクの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記のエッチング成分と特定の化合物(M)とを水中に含有してなるエッチング液が、起泡に伴う黒欠陥を生じないで設計図面通りの優れた寸法再現性を有する高精度の大型のディスプレイマスクが得られるエッチング液であることを見出した。上記の大型のディスプレイマスクとは8インチ×8インチ以上の大きさのディスプレイマスクを示す。すなわち、本発明は、少なくとも硝酸第二セリウムアンモニウムと、過塩素酸とを含有するエッチング液において、下記一般式(1)で表される化合物(M)を含有する、透明基板の片面に形成したクロム/酸化クロムの複合体、クロム/窒化クロムの複合体、または酸化クロム/クロム/酸化クロムの複合体からなる遮光性金属薄膜をエッチングしてディスプレイマスクを製造するために用いられることを特徴とするディスプレイマスク用エッチング液を提供する。
Figure 0005442975
(上記式中のRf1およびRf2は、アルキル基の水素の全部をフッ素で置き換えた炭素数がいずれも2、4、または6である鎖または分岐鎖を有するフッ化炭素基であり、Xは、カリウムイオン、リチウムイオン、またはナトリウムイオンである。)
また、本発明の好ましい実施形態では、前記化合物(M)が、ビスペルフルオロブタンスルフォンイミドのカリウム塩であり、前記化合物(M)が、エッチング液総量中に0.001質量%〜0.1質量%を占める量の割合で含有しており、エッチング液中の前記硝酸第二セリウムアンモニウムの濃度が、12質量%〜20質量%であり、さらに、硝酸を含有しており、前記硝酸第二セリウムアンモニウム(a)と、前記過塩素酸(b)との配合割合が、b/a=25/100〜50/100(質量比)であり、前記硝酸(c)の配合割合が、前記硝酸第二セリウムアンモニウム(a)と、前記過塩素酸(b)との総量に対してc/a+b=9/100〜15/100(質量比)であり、および表面張力が、18mN/m〜30mN/mであることが好ましい。
また、本発明は、前記のエッチング液を使用して、透明基板の片面にクロム/酸化クロムの複合体、クロム/窒化クロムの複合体、または酸化クロム/クロム/酸化クロムの複合体からなる遮光性金属薄膜が形成されたディスプレイマスク用基板の前記遮光性金属薄膜をエッチングすることを特徴とするディスプレイマスクの製造方法を提供する。この製造方法においては、前記ディスプレイマスクが、大型の、液晶ディスプレイ用、プラズマディスプレイ用、またはエレクトロルミネセンス用であることが好ましい。
本発明によれば、ディスプレイパネルの製造に使用される、黒欠陥を生じない設計図面通りの優れた寸法再現性を有する高精度の大型のディスプレイマスクが得られるエッチング液およびディスプレイマスクの製造方法が提供される。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明を主として特徴づける化合物(M)は、下記の一般式(1)で表される化合物系の界面活性剤である。
Figure 0005442975
(上記式中のRf1およびRf2は、アルキル基の水素の全部をフッ素で置き換えた炭素数が1〜6の直鎖のフッ化炭素基、または分岐鎖を有するフッ化炭素基であり、Xは、カリウムイオン、リチウムイオン、またはナトリウムイオンである。)
上記の化合物(M)は、単体で、あるいは2種以上を混合して使用することが出来る。
上記の化合物(M)は、前記一般式(1)に示すようにそれらを構成するフッ化炭素基の炭素数が1〜6のものであり、好ましくはRf1およびRf2のフッ化炭素基の炭素数が、いずれも2、4、および6である化合物から選ばれる少なくも1種の化合物など、とくに好ましくは上記のフッ化炭素基の炭素数が、いずれも4である化合物が挙げられる。
上記のフッ化炭素基の炭素数が多くなると、得られるエッチング液に対する溶解性が低下し、一方、炭素数が少なくなると、得られるエッチング液に対する溶解性は上昇するが、界面活性剤としての性能が劣り、いずれの場合も被エッチング材に対する濡れ性が低下するために、得られるエッチング液は、精度あるエッチング効果が得られない。
また、前記化合物(M)は、それらを構成する金属塩がカリウム、リチウム、またはナトリウムの塩であり、好ましくはカリウム塩が挙げられる。その他の金属からなる金属塩はエッチング液に対する溶解性が劣り、また、アンモニウム塩は得られるエッチング液が白濁する傾向があり好ましくない。
前記の化合物(M)としては、例えば、前記のフッ化炭素基を有するビスペルフルオロアルキルスルフォンイミドのカリウム塩、リチウム塩、およびナトリウム塩など、好ましくはビスペルフルオロブタンスルフォンイミドのカリウム塩、リチウム塩、およびナトリウム塩など、より好ましくは(C49SO22NKであるビスペルフルオロブタンスルフォンイミドのカリウム塩が挙げられる。上記の化合物(M)は、単独でも、あるいは2種以上を混合した混合物として使用することができる。
前記の化合物(M)は、エッチング液総量中に0.001質量%〜0.1質量%、好ましくは0.002質量%〜0.06質量%を占める量の割合で配合して使用する。上記化合物(M)の配合割合が、上記上限を超えると、化合物(M)のエッチング液中の溶解性が低下し、エッチング液中に化合物(M)が析出する危険性があり、それらが被エッチング材に付着してエッチングむらを発生する。一方、上記化合物(M)の配合割合が、上記下限未満であると、界面活性剤としての充分な効果が得られず、得られるエッチング液のレジストおよび被エッチング材に対する湿潤濡れ性が低下して充分なエッチング効果が得られない。
本発明のエッチング液は、必須成分として前記の化合物(M)以外に、少なくとも硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを含有する。上記のエッチング液中の硝酸第二セリウムアンモニウムの濃度は、好ましくは12質量%〜20質量%である。上記の硝酸第二セリウムアンモニウムの濃度が、上限濃度を超えると、得られるエッチング液中の硝酸第二セリウムアンモニウムの溶解性が低下するばかりか、各種の膜質に対するエッチング速度の差が大きくなって、例えば、多層膜のエッチングの場合には断面に段差が出来てしまう。一方、上記硝酸第二セリウムアンモニウムの濃度が、上記下限未満であると、エッチング速度が遅くなる問題がある。
上記の硝酸第二セリウムアンモニウム(a)と、過塩素酸(b)との配合割合は、好ましくはb/a=25/100〜50/100(質量比)である。上記の過塩素酸の割合が上記上限を超えると、エッチング液中の硝酸第二セリウムアンモニウムの溶解性が低下し、エッチング液中に析出する。一方、過塩素酸の割合が上記下限未満であると得られるエッチング液が経時的に不安定となる。
本発明のエッチング液は、さらに、硝酸を含有するのが好ましい。配合される硝酸は、前記エッチング液のエッチング速度を適度にコントロールする効果がある。大型の基板の場合、エッチング時開始に基板全面に一時に液を適用し、また、終了時には一時に全面ストップすることが難しい。また、エッチング速度を面内で均一にすることも難しいために、比較的ゆっくりとエッチングしたほうが寸法が面内で均一になりやすい。また、エッチング液が、より経時安定化する。上記硝酸(c)の配合割合は、好ましくは硝酸第二セリウムアンモニウム(a)と、過塩素酸(b)との総量に対してc/a+b=9/100〜15/100(質量比)である。上記硝酸の配合割合が多過ぎると、得られるエッチング液のエッチングスピードが遅くなり過ぎ、一方、上記硝酸の配合割合が少な過ぎると、効果がなくなり、上記範囲内が適切な効果が得られる。
本発明のエッチング液は、前記の硝酸第二セリウムアンモニウムと、過塩素酸と化合物(M)と、必要に応じて硝酸とを水中に適宜に配合し、好ましくは上記の各々の成分が前記配合数値内になるように配合して公知の方法で均一に混合溶解して調製する。上記の水としては、イオン交換水、軟水、蒸留水など、好ましくはイオン交換水が挙げられる。
本発明のエッチング液は、その表面張力が18mN/m〜30mN/mであるのが好ましい。上記表面張力が30mN/mを超えると、エッチング液の湿潤濡れ性が劣り、被エッチング材やレジストパターンに対する濡れ性が著しく低下して、精度を有するディスプレイマスクが得られない。一方、表面張力が18mN/m未満であると、エッチングに対してそれ以上の有効な効果が得られない。なお、本発明における表面張力は、エレクトロ平衡式法(白金板吊下げ法)による25℃条件下にて測定した値である。
本発明のエッチング液は、該エッチング液を使用して8インチ×8インチ以上の大型のディスプレイパネルの大きさに相当する原寸大のディスプレイマスク用基板をエッチングすることによりディスプレイマスクを製造することができる。
上記の本発明のエッチング液を使用したディスプレイマスクの製造方法としては、例えば、次の第1〜第5工程よりなっている。すなわち、透明基板の片面に遮光性金属薄膜を形成したディスプレイマスク用基板の金属薄膜面に、ナフトキノンジアジドタイプなどのポジ型感光性樹脂組成物を0.6μm〜1.2μm(乾燥膜厚)になるように公知の方法で塗布、乾燥して感光性樹脂の塗膜を形成する第1工程、該感光性樹脂塗膜に所望のパターンを紫外線(活性エネルギー線)で露光描画させる第2工程、露光後、アルカリ現像液にて現像処理してエッチング用レジストマスクを形成する第3工程、現像後、必要に応じてレジスト膜の耐エッチング性を向上させるためのベーキング工程を経た後、本発明のエッチング液を使用してスプレー法あるいは浸漬法によって40秒間〜90秒間エッチングを行い、レジストマスクで覆われていない金属薄膜をエッチング除去する第4工程、および、エッチング後、レジストマスクをアルカリ性剥離液または有機溶剤系剥離液により除去し、洗浄してディスプレイマスクを得る第5工程からなる。
上記のディスプレイマスク用基板としては、好ましくは透明基板の片面にクロム/酸化クロムの複合体、クロム/窒化クロムの複合体、または酸化クロム/クロム/酸化クロムの複合体からなる遮光性金属薄膜を形成したものが挙げられる。上記の複合体は、得られるディスプレイマスクを使用して、所望の設計図面などを精度よく露光描画させる際に、光反射の影響を極力抑えるのに有効である。上記の遮光性金属薄膜は、ガラスなどの透明基板の片面にスパッタリング法あるいは真空蒸着法などにより、厚み100nm〜150nm、好ましくは120nm〜130nmの金属薄膜を形成したものである。
上記の透明基板としては、公知の寸法安定性のある10mm程度の厚みを有する透明のディスプレイマスク用として使用出来るものであればいずれのものでもよく、例えば、ソーダライムガラス、ホワイトクラウン、ホウケイ酸ガラス、および無アルカリガラスなどの低膨張ガラス、アルミノケイ酸ガラスなどの高軟化点ガラス、石英ガラスなどのガラス、その他、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリメタアクリル、ポリエステルなどの高分子樹脂など、好ましくは石英ガラスが挙げられる。
上記の製造方法で得られたディスプレイマスクは、8インチ×8インチ以上のディスプレイパネルの大きさに相当する原寸大の大型のディスプレイマスクであり、近年、40インチ以上などの大型化している液晶ディスプレイパネル用、プラズマディスプレイパネル用、およびエレクトロルミネセンスパネル用の製造に好ましく使用される。すなわち、上記のディスプレイパネル用のカラーフィルター、アレイ側の配線や電極、抵抗体、および蛍光体などを製造する工程で、それらのパターンの設計図面を露光描画させるために使用される。
上記の本発明のディスプレイマスクを使用した事例として、例えば、液晶カラーフィルターの製造において、例えば、カラーフィルター用ガラス基板に遮光層性のパターン(ブラックマトリックス)が形成されたガラス基板に、公知の方法でネガ型の感光性着色組成物(着色レジスト)を塗布し、加熱乾燥して1〜3μm(乾燥厚み)の塗膜を得る。得られた塗膜に所望の画素を形成するため、その設計図面の通りに作成された本発明のディスプレイマスクを介して露光ギャップ150μm、高圧水銀灯あるいは超高圧水銀灯などにより紫外線を照射して露光描画する。露光後、光硬化した塗膜をアルカリ現像液を使用してスプレー法や浸漬法にて現像し、未露光部分を溶解除去して所望の画素を得る。上記の画素を得る工程をカラーフィルターに必要とされる色の数だけ繰り返すことによって所望とするカラーフィルターが得られる。
次に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。文中「部」または「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。なお、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜4](エッチング液U1〜U4)
表1に示すように各々の成分を配合し、均一に撹拌混合して本発明のエッチング液U1〜U4を調製した。なお、表1中の化合物(M)は下記の通りである。
・化合物(M):(C49SO22NKのビスペルフルオロブタンスルフォンイミドのカリウム塩。
[比較例1〜3](エッチング液V1〜V3)
表1に示すように各々の成分を配合し、均一に撹拌混合してエッチング液V1〜V3を調製した。なお、表1中の界面活性剤は下記の通りである。
・界面活性剤k
・k1:直鎖のフッ化炭素基を有するC817SO3Kの71部と分岐鎖のフッ化炭素基を有するC817SO3Kの29部との混合物。
・k2:直鎖のフッ化炭素基を有するC817SO3Naの71部と分岐鎖のフッ化炭素基を有するC817SO3Naの29部との混合物。
・k3:直鎖のフッ化炭素基を有するC817SO3Liの71部と分岐鎖のフッ化炭素基を有するC817SO3Liの29部との混合物。
Figure 0005442975
[実施例5〜8](ディスプレイマスクの製造例)
254mm角の洗浄処理された石英ガラス面上にスパッタ法によりガラス面側からクロム(90nm)/酸化クロム(30nm)とからなる総厚み120nmの金属薄膜の複合体を形成したディスプレイマスク用基板を作成し、該基板の金属薄膜面にナフトキノンジアジドタイプのポジ型レジスト(AZエレクトロニックマテリアルズ社製、AZ−1500)を1μm(乾燥膜厚)になるように公知の方法でコーティングし、乾燥後、ホール:スペースのピッチ比が1:1〜1:1.9の1.0μm、1.5μm、2.0μm、2.5μm、3.0μm角の各々のホールパターン、および1μm〜50μmの複数のラインパターンからなるテストパターンを超高圧水銀灯により紫外線露光し、アルカリ現像液(AZエレクトロニックマテリアルズ社製、AZ300MIFまたは東京応化工業製、NMD−3[2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液])にてスプレー現像し、エッチング用レジストマスクを形成した。次に、上記のエッチング用レジストマスクを、前記のU1〜U4のエッチング液を使用して、下記のスプレーエッチング法によりエッチングして、レジストマスクで覆われていない金属薄膜複合体をエッチング除去し、その後、レジストマスクをアルカリ性剥離液または有機溶剤により除去、洗浄してディスプレイマスクY1〜Y4を得た。
(スプレーエッチング)
滝沢産業(株)製のスプレー装置(ED−3000)を使用し、ノズルスキャン80回/分、試料台回転数150rpm、エッチング液流量250g/min、エッチング液温23℃、エッチング時間45秒(ジャストエッチ40秒+5秒オーバーエッチ)にてエッチングを行った。
[比較例4〜6](ディスプレイマスクの製造例)
前記のV1〜V3のエッチング液を使用して、前記実施例のディスプレイマスク製造例と同様にしてディスプレイマスクZ1〜Z3を得た。
前記の実施例および比較例のエッチング液を使用してディスプレイマスクを製造する際のエッチング液の起泡性(消泡時間)と表面張力、および得られたディスプレイマスクの精度と黒欠陥について下記の測定方法により評価した。評価結果を表2に示す。
(エッチング液の消泡時間)
下記の方法によりエッチング液の消泡時間を測定し、エッチング液の起泡性の状態を評価する。前記で得られた各々のエッチング液を、50mlの試験瓶(スクリューバイアル)に20ml入れ、50回振とうして起泡させ、上記試験瓶の上部に発生した泡の消泡時間を測定した。
(表面張力)
前記の各々のエッチング液を25℃の条件下でエレクトロ平衡式法(白金板吊下げ法)により判定した。
(ディスプレイマスクの精度)
下記の解像性および線幅バラツキを測定することによりディスプレイマスクの精度を測定した。上記の解像性は、ホールパターンのSEM画像を目視観察し、解像された最小パターンを測定する。また、線幅バラツキは、マスク寸法8μmのラインの標準偏差σ(μm)をレーザー顕微鏡(オリンパス(株)製、OLS1100)にて測定した。
(黒欠陥)
前記の各々のエッチング液を使用して前記スプレー法により得られたディスプレイマスクの黒欠陥を下記の評価方法により評価した。
○:ディスプレイマスク全面にエッチング残りが無く、黒欠陥が全く認められない。
×:ディスプレイマスクに部分的にエッチング残りが有り、黒欠陥が認められる。
Figure 0005442975
上記の評価結果より、本発明のエッチング液を使用することにより、起泡に伴う黒欠陥を生じない優れた設計図面通りの寸法再現性を有するディスプレイマスクが製造出来ることが実証された。一方、比較例に見られるように、従来のエッチング液を使用することによって製造されたディスプレイマスクは、その精度は実用範囲であるが、黒欠陥が発生しており、特に、ディスプレイマスクが大型になるほどこの現象が顕著になりやすく設計図面通りの原稿再現性が困難であった。
本発明のエッチング液を使用することにより、黒欠陥を生じない設計図面通りの寸法再現性が優れた大型のディスプレイマスクが製造出来ることから、大型の液晶カラーテレビ、プラズマテレビ、ELテレビなどに用いられるディスプレイパネルのカラーフィルター、アレイ側の配線や電極、抵抗体、および蛍光体などを製造する工程で、それらのパターンの設計図面を露光描画させるために使用される大型のディスプレイマスクを製造するエッチング液として有効に使用することができる。

Claims (11)

  1. 少なくとも硝酸第二セリウムアンモニウムと、過塩素酸とを含有するエッチング液において、
    下記一般式(1)で表される化合物(M)を含有する、透明基板の片面に形成したクロム/酸化クロムの複合体、クロム/窒化クロムの複合体、または酸化クロム/クロム/酸化クロムの複合体からなる遮光性金属薄膜をエッチングしてディスプレイマスクを製造するために用いられることを特徴とするディスプレイマスク用エッチング液。
    Figure 0005442975
    (上記式中のRf1およびRf2は、アルキル基の水素の全部をフッ素で置き換えた炭素数がいずれも2、4、または6である鎖または分岐鎖を有するフッ化炭素基であり、Xは、カリウムイオン、リチウムイオン、またはナトリウムイオンである。)
  2. 前記化合物(M)が、ビスペルフルオロブタンスルフォンイミドのカリウム塩である請求項1に記載のエッチング液。
  3. 前記化合物(M)が、エッチング液総量中に0.001質量%〜0.1質量%を占める量の割合で含有している請求項1または2に記載のエッチング液。
  4. エッチング液中の前記硝酸第二セリウムアンモニウムの濃度が、12質量%〜20質量%である請求項1に記載のエッチング液。
  5. さらに、硝酸を含有する請求項1に記載のエッチング液。
  6. 前記硝酸第二セリウムアンモニウム(a)と、前記過塩素酸(b)との配合割合が、b/a=25/100〜50/100(質量比)である請求項1に記載のエッチング液。
  7. 前記硝酸(c)の配合割合が、前記硝酸第二セリウムアンモニウム(a)と、前記過塩素酸(b)との総量に対してc/a+b=9/100〜15/100(質量比)である請求項5に記載のエッチング液。
  8. 表面張力が、18mN/m〜30mN/mである請求項1〜7のいずれか1項に記載のエッチング液。
  9. 前記化合物(M)の濃度が0.01質量%〜0.1質量%である場合の消泡時間が、20秒以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載のエッチング液。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のエッチング液を使用して、透明基板の片面にクロム/酸化クロムの複合体、クロム/窒化クロムの複合体、または酸化クロム/クロム/酸化クロムの複合体からなる遮光性金属薄膜が形成されたディスプレイマスク用基板の前記遮光性金属薄膜をエッチングすることを特徴とするディスプレイマスクの製造方法。
  11. 記ディスプレイマスクが、大型の、液晶ディスプレイ用、プラズマディスプレイ用、またはエレクトロルミネセンス用である請求項10に記載のディスプレイマスクの製造方法。
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