JP5442790B2 - 残留塩素濃度分析装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、残留塩素濃度分析装置及び方法に関する。
従来より、発電プラントにおいてタービンで用いられた蒸気を冷却して水にする復水器は、冷却水として海水を用いている。海水を用いると、復水器の冷却管内にムラサキイガイ等の海生生物が付着・繁殖することにより、冷却効率の低下や圧損の増加等の障害が発生し易い。このような障害を防止するために、復水器の入口近傍で海水に微量の塩素を注入して海生生物の繁殖を防止しているが、塩素が注入された海水は、注入された塩素の残量が環境保全協定値を超過しないようにする必要がある。このような塩素の処理において、注入された塩素の残量を測定するための技術や、注入する塩素の量を抑制するための技術を開示する特許文献1や特許文献2が知られている。
特許文献1には、各種生物付着防止剤の使用量を必要最小限に抑えつつ、十分な付着防止効果が得られる海生生物付着制御方法が開示されている。この海生生物付着制御方法は、生物付着防止剤が塩素剤からなる場合に、例えば、DPD比色法により残留塩素濃度を測定する。
特許文献2には、水生生物に対し薬液を用いて効果的にバイオアッセイを行う装置が開示されている。この装置は、薬液タンク中の残留塩素濃度を制御するために、塩素濃度制御装置が、電解装置に設けられ、残留塩素を測定することが記載されている。
特開2004−275970号公報 特開2007−043943号公報
ここで、環境保全協定に定める復水器冷却排水(海水)の残留塩素濃度の測定方法は、従来のo−トリジン法からDPD(ジエチル−p−フェニレンジアンモニウム)法に変更され、DPD法で冷却排水の残留塩素を分析した場合、海水中の濁度や溶解した重金属等が妨害物質となり、塩素無注入状態においても環境保全協定値を超過する結果となることがある。
そこで、塩素が注入され、冷却水として用いられた後の海水の残留塩素を正確に分析する装置が求められている。
本発明は、塩素が注入され、冷却水として用いられた後の海水の残留塩素を正確に分析する残留塩素濃度分析装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
(1) 取水口から取水した海水に塩素を注入し、塩素が注入された海水を復水器の冷却水として用い、冷却水として用いた後の海水を放水口から放水する発電プラントにおいて、放水された海水の残留塩素濃度を分析する残留塩素濃度分析装置であって、前記取水口で、塩素が注入される前の海水の塩素濃度である取水口濃度を、設定された取水口測定時刻に測定する取水口塩素測定手段と、前記放水口で、冷却水として用いられた後の海水の塩素濃度である放水口濃度を、設定された放水口測定時刻に測定する放水口塩素測定手段と、前記取水口測定時刻と前記放水口測定時刻との対応関係を、前記取水口測定時刻に前記取水口を通過した海水が前記放水口測定時刻に前記放水口に到達する対応関係となるように、設定する測定時刻設定手段と、前記取水口塩素測定手段によって測定された前記取水口濃度と、前記放水口塩素測定手段によって測定された前記放水口濃度との濃度差から残留塩素濃度を算出する残留塩素濃度算出手段と、を備える残留塩素濃度分析装置。
(1)の構成によれば、本発明に係る残留塩素濃度分析装置は、設定された取水口測定時刻に取水口濃度を測定し、取水口を通過した海水が放水口に到達する放水口測定時刻に放水口濃度を測定し、測定した取水口濃度と測定した放水口濃度との濃度差から残留塩素濃度を算出する。
したがって、本発明に係る残留塩素濃度分析装置は、塩素が注入される前の海水の塩素濃度と、塩素が注入され冷却水として用いられた後の海水の塩素濃度との濃度差から残留塩素濃度を算出するので、海水中の濁度や溶解した重金属等の妨害物質に関わらず、塩素が注入され、冷却水として用いられた後の海水の残留塩素を正確に分析することができる。
(2) 前記測定時刻設定手段は、前記取水口から前記放水口までの流路の距離と、前記流路を流れる速度とに基づいて、前記取水口測定時刻から前記放水口測定時刻を算出し、算出した前記放水口測定時刻を設定する、(1)に記載の残留塩素濃度分析装置。
したがって、(2)に係る残留塩素濃度分析装置は、取水口で測定され、塩素が注入された海水が冷却水として用いられた後に放水口に到達した時刻に、放水口で塩素濃度を測定し、取水口濃度と放水口濃度との濃度差から残留塩素を算出するので、海水中の濁度や溶解した重金属等の妨害物質に関わらず、海水の残留塩素をより正確に分析することができる。
(3) 前記測定時刻設定手段は、日付ごとの時刻と潮位とを対応付けた潮位表に基づいて、時刻ごとの潮位の差を算出し、算出した潮位の差のうち最も差が小さい時刻を前記取水口測定時刻として設定する、(1)又は(2)に記載の残留塩素濃度分析装置。
したがって、(3)に係る残留塩素濃度分析装置は、1日のうちで潮位の差が最も小さいことによって海水の濁度が小さいことが予想される時間帯に取水口濃度を測定して海水中の濁度による影響を小さくし、取水口濃度と放水口濃度との濃度差から残留塩素を算出するので、海水中の濁度や重金属等の妨害物質に関わらず、冷却水として用いられた後の海水の残留塩素をさらに正確に分析することができる。
(4) (1)に記載の残留塩素濃度分析装置が実行する方法であって、前記測定時刻設定手段が、前記取水口測定時刻と前記放水口測定時刻との対応関係を、前記取水口測定時刻に前記取水口を通過した海水が前記放水口測定時刻に前記放水口に到達する対応関係となるように、設定する測定時刻設定ステップと、前記取水口塩素測定手段が、前記取水口で、塩素が注入される前の海水の塩素濃度である取水口濃度を、設定された取水口測定時刻に測定する取水口塩素測定ステップと、前記放水口塩素測定手段が、前記放水口で、冷却水として用いられた後の海水の塩素濃度である放水口濃度を、設定された放水口測定時刻に測定する放水口塩素測定ステップと、前記残留塩素濃度算出手段が、前記取水口塩素測定ステップによって測定された前記取水口濃度と、前記放水口塩素測定ステップによって測定された前記放水口濃度との濃度差から残留塩素濃度を算出する残留塩素濃度算出ステップと、を備える方法。
したがって、本発明に係る方法は、(1)と同様に、冷却水として用いられた後の海水の残留塩素を正確に分析することができる。
本発明によれば、塩素が注入され、冷却水として用いられた後の海水の残留塩素を正確に分析することができる。さらに、本発明は、環境規制を遵守させ、業務処理の正確性を向上させるように、正確な残留塩素濃度を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る残留塩素濃度分析装置の機能構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る残留塩素濃度分析装置が対象とする発電プラントにおける復水器の冷却水の流れの例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る取水口濃度DBの例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る放水口濃度DBの例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る残留塩素濃度分析装置の処理内容を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る残留塩素濃度分析装置10の機能構成を示す図である。図2は、本発明の一実施形態に係る残留塩素濃度分析装置10が対象とする発電プラント1における復水器301の冷却水の流れの例を示す図である。
図2が示すように、発電プラント1において、取水口411から取水された海水は、塩素が注入され、循環ポンプ302によって、復水器301に冷却水として流入する。さらに、冷却水として復水器301に流入した海水は、冷却管を流れて熱交換により、ボイラー101からタービン102を経た蒸気を冷却し、復水器301の出口を経て放水口412で海に放水される。残留塩素濃度分析装置10は、放水された海水の残留塩素濃度を分析する。
図1において、残留塩素濃度分析装置10は、取水口塩素測定部11と、放水口塩素測定部12と、測定時刻設定部13と、残留塩素濃度算出部14とを備える。以下、各部ごとに詳述する。
取水口塩素測定部11は、取水口411で、塩素が注入される前の海水の塩素濃度である取水口濃度を、設定された取水口測定時刻に測定する。具体的には、取水口塩素測定部11は、取水口411の近傍に設置された塩素濃度測定器(取水口塩素測定器401という。)によって測定された塩素濃度であって、塩素が注入されていない海水の塩素濃度を、無線又は有線で受信する。塩素濃度は、JIS K0102−33.2のジエチル−p−フェニレンジアンモニウム(DPD)比色法に準拠した方法で測定される。取水口塩素測定器401は、取水口測定時刻に測定するように、例えば、タイマーと組み合わされていて、定期的に測定した塩素濃度を測定時刻と共に送信する。また、取水口塩素測定器401は、取水口塩素測定部11から取水口測定時刻に測定開始信号を受信して測定するとしてもよい。
取水口塩素測定部11は、受信した取水口濃度と、取水口測定時刻とを対応付けて記憶させる。例えば、図3が示す様に、取水口濃度DB31は、取水口測定時刻に取水口濃度を対応付けて記憶している。
放水口塩素測定部12は、放水口412で、冷却水として用いられた後の海水の塩素濃度である放水口濃度を、設定された放水口測定時刻に測定する。具体的には、放水口塩素測定部12は、取水口塩素測定部11と同様に、放水口412の近傍に設置された塩素濃度測定器(放水口塩素測定器402という。)によって測定された塩素濃度であって、冷却水として用いられた後の海水の塩素濃度を、無線又は有線で受信する。放水口塩素測定器402は、取水口塩素測定器401と同じ方法で、放水口測定時刻に測定するように、例えば、タイマーと組み合わされていて、定期的に測定した塩素濃度を測定時刻と共に送信する。また、放水口塩素測定器402は、放水口塩素測定部12から放水口測定時刻に測定開始信号を受信して測定するとしてもよい。
放水口塩素測定部12は、受信した放水口濃度と、放水口測定時刻とを対応付けて記憶させる。例えば、図4が示す様に、放水口濃度DB32は、放水口測定時刻に放水口濃度を対応付けて記憶している。
測定時刻設定部13は、取水口測定時刻と放水口測定時刻との対応関係を、取水口測定時刻に取水口411を通過した海水が放水口測定時刻に放水口412に到達する対応関係となるように、設定する。具体的には、測定時刻設定部13は、取水口411を通過した海水が放水口412に到達するまでの到達時間を、取水口411から放水口412までの流路の距離と、流路を流れる速度とに基づいて算出する。そして、測定時刻設定部13は、算出した到達時間と取水口測定時刻とから放水口測定時刻を算出し、算出した放水口測定時刻を設定する。取水口測定時刻は、例えば、発電プラント1における統計データに基づいて取水量が多い時刻に設定されるとしてもよい。
なお、到達時間は、取水口411から放水口412までの流路の距離と、流路を流れる平均速度とに基づいて、予め算出されているとしてもよい。また、流路に配置されている循環ポンプ302による流量と到達時間とを対応付けて記憶した到達時間表を備え、測定時刻設定部13は、循環ポンプ302からの流量データを受信して、受信した流量に対応する到達時間を到達時間表に基づいて求めるとしてもよい。
残留塩素濃度算出部14は、取水口塩素測定部11によって測定された取水口濃度と、放水口塩素測定部12によって測定された放水口濃度との濃度差から残留塩素濃度を算出する。すなわち、残留塩素濃度算出部14は、残留塩素濃度(mg/l)=放水口濃度−取水口濃度を算出する。具体的には、残留塩素濃度算出部14は、取水口濃度DB31に記憶された取水口濃度と、取水口濃度に対応付けられた取水口測定時刻とを取得する。次に、取得した取水口測定時刻に対応する放水口測定時刻を求め、求めた放水口測定時刻に放水口濃度DB32において対応付けられた放水口濃度を求め、取得する。そして、残留塩素濃度算出部14は、取得した取水口濃度と、取得した放水口濃度との濃度差から残留塩素濃度を算出する。残留塩素濃度算出部14は、算出した残留塩素濃度を、図4が示す様に、放水口濃度DB32に記憶させてもよい。
さらに、測定時刻設定部13は、潮位表40に基づいた時刻を、取水口測定時刻として設定する。潮位表40は、気象庁が予測している潮位の予測値(天文潮位)を記憶し、日付ごとの時刻に対応付けて潮位が予め算出されていて、例えば、インターネット通信により参照したり、ダウンロードすることができる。測定時刻設定部13は、潮位表40に基づいて、時刻ごとの潮位の1時間当たりの変化を算出し、算出した潮位の差のうち最も差が小さい時刻を求め、求めた時刻を取水口測定時刻として設定する。
そして、取水口塩素測定部11は、設定された取水口測定時刻に、測定開始信号を取水口塩素測定器401に送信し、送信された測定開始信号によって測定した取水口塩素測定器401から取水口濃度を受信する。
したがって、DPD法による取水口塩素測定器401は、1日のうちで潮位の差が最も小さいことによって海水の濁度が小さいことが予想される取水口測定時刻に、塩素濃度を測定することができる。
図5は、本発明の一実施形態に係る残留塩素濃度分析装置10の処理内容を示すフローチャートである。残留塩素濃度分析装置10は、コンピュータ及びその周辺装置が備えるハードウェア並びに該ハードウェアを制御するソフトウェアによって構成され、以下の処理は、残留塩素濃度分析装置10の制御部(例えば、CPU)が所定のソフトウェアに従い実行する処理である。
ステップS11において、残留塩素濃度分析装置10(測定時刻設定部13)は、取水口測定時刻と、放水口測定時刻とを設定する。より具体的には、残留塩素濃度分析装置10は、インターネット通信により潮位表を参照し、測定日の潮位の差のうち最も差が小さい時刻を求め、求めた時刻を取水口測定時刻として設定し、循環ポンプ302の流量を受信して海水が流れる速度を算出し、算出した速度により到達時間を算出し、算出した到達時間と設定した取水口測定時刻とから放水口測定時刻を求め、求めた放水口測定時刻を設定する。その後、残留塩素濃度分析装置10は、処理をステップS12に移す。
ステップS12において、残留塩素濃度分析装置10(取水口塩素測定部11)は、取水口濃度を測定する。より具体的には、残留塩素濃度分析装置10は、ステップS11で設定された取水口測定時刻になると、測定開始信号を取水口塩素測定器401に送信し、送信された測定開始信号によって測定した取水口塩素測定器401から、塩素が注入されていない海水の塩素濃度を受信し、取水口濃度DB31に記憶させる。その後、残留塩素濃度分析装置10は、処理をステップS13に移す。
ステップS13において、残留塩素濃度分析装置10(放水口塩素測定部12)は、放水口濃度を測定する。より具体的には、残留塩素濃度分析装置10は、ステップS11で設定された放水口測定時刻になると、測定開始信号を放水口塩素測定器402に送信し、送信された測定開始信号によって測定した放水口塩素測定器402から、冷却水として用いられた後の海水の塩素濃度を受信し、放水口濃度DB32に記憶させる。その後、残留塩素濃度分析装置10は、処理をステップS14に移す。
ステップS14において、残留塩素濃度分析装置10(残留塩素濃度算出部14)は、取水口濃度と、放水口濃度との濃度差から残留塩素濃度を算出する。より具体的には、残留塩素濃度分析装置10は、取水口濃度DB31に記憶された取水口濃度と、取水口濃度に対応付けられた取水口測定時刻とを取得し、取得した取水口測定時刻に対応する放水口測定時刻を求め、求めた放水口測定時刻に放水口濃度DB32において対応付けられた放水口濃度を取得し、取得した取水口濃度と、取得した放水口濃度との濃度差から残留塩素濃度を算出する。その後、残留塩素濃度分析装置10は、処理を終了する。
本実施形態によれば、残留塩素濃度分析装置10は、取水口測定時刻と放水口測定時刻との対応関係を、取水口測定時刻に取水口411を通過した海水が放水口測定時刻に放水口412に到達する対応関係となるように、設定し、取水口411で、塩素が注入される前の海水の塩素濃度である取水口濃度を、設定された取水口測定時刻に測定し、放水口412で、冷却水として用いられた後の海水の塩素濃度である放水口濃度を、設定された放水口測定時刻に測定し、測定した取水口濃度と、測定した放水口濃度との濃度差から残留塩素濃度を算出する。したがって、残留塩素濃度分析装置10は、塩素が注入される前の海水の塩素濃度と、塩素が注入され冷却水として用いられた後の海水の塩素濃度との濃度差から残留塩素濃度を算出するので、海水中の濁度や溶解した重金属等の妨害物質に関わらず、塩素が注入され、冷却水として用いられた後の海水の残留塩素を正確に分析することができる。
さらに、残留塩素濃度分析装置10は、取水口411から放水口412までの流路の距離と、流路を流れる速度(例えば、循環ポンプ302から受信した流量により求めた速度)とから算出した到達時間に基づいて、取水口測定時刻から放水口測定時刻を算出し、算出した放水口測定時刻を設定する。したがって、残留塩素濃度分析装置10は、取水口411で測定した海水の放水口412における塩素濃度をより正確に測定することができ、取水口濃度と放水口濃度との濃度差から、海水中の濁度や重金属等の妨害物質に関わらず、より正確に残留塩素濃度を算出することができる。
さらに、残留塩素濃度分析装置10は、潮位表に基づいて、時刻ごとの潮位の差を算出し、算出した潮位の差のうち最も差が小さい時刻を取水口測定時刻として設定する。したがって、残留塩素濃度分析装置10は、海水中の濁度による影響を小さくして測定した取水口濃度と、取水口濃度を測定した海水が放水口412に到達した時刻に測定した放水口濃度との濃度差から、海水中の濁度や重金属等の妨害物質に関わらず、より正確に残留塩素濃度を算出することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
1 発電プラント
10 残留塩素濃度分析装置
11 取水口塩素測定部
12 放水口塩素測定部
13 測定時刻設定部
14 残留塩素濃度算出部
31 取水口濃度DB
32 放水口濃度DB
40 潮位表
401 取水口塩素測定器
402 放水口塩素測定器

Claims (4)

  1. 取水口から取水した海水に塩素を注入し、塩素が注入された海水を復水器の冷却水として用い、冷却水として用いた後の海水を放水口から放水する発電プラントにおいて、放水された海水の残留塩素濃度を分析する残留塩素濃度分析装置であって、
    前記取水口で、塩素が注入される前の海水の塩素濃度である取水口濃度を、設定された取水口測定時刻に測定する取水口塩素測定手段と、
    前記放水口で、冷却水として用いられた後の海水の塩素濃度である放水口濃度を、設定された放水口測定時刻に測定する放水口塩素測定手段と、
    前記取水口測定時刻と前記放水口測定時刻との対応関係を、前記取水口測定時刻に前記取水口を通過した海水が前記放水口測定時刻に前記放水口に到達する対応関係となるように、設定する測定時刻設定手段と、
    前記取水口塩素測定手段によって測定された前記取水口濃度と、前記放水口塩素測定手段によって測定された前記放水口濃度との濃度差から残留塩素濃度を算出する残留塩素濃度算出手段と、
    を備える残留塩素濃度分析装置。
  2. 前記測定時刻設定手段は、前記取水口から前記放水口までの流路の距離と、前記流路を流れる速度とに基づいて、前記取水口測定時刻から前記放水口測定時刻を算出し、算出した前記放水口測定時刻を設定する、
    請求項1に記載の残留塩素濃度分析装置。
  3. 前記測定時刻設定手段は、日付ごとの時刻と潮位とを対応付けた潮位表に基づいて、時刻ごとの潮位の差を算出し、算出した潮位の差のうち最も差が小さい時刻を前記取水口測定時刻として設定する、
    請求項1又は2に記載の残留塩素濃度分析装置。
  4. 請求項1に記載の残留塩素濃度分析装置が実行する方法であって、
    前記測定時刻設定手段が、前記取水口測定時刻と前記放水口測定時刻との対応関係を、前記取水口測定時刻に前記取水口を通過した海水が前記放水口測定時刻に前記放水口に到達する対応関係となるように、設定する測定時刻設定ステップと、
    前記取水口塩素測定手段が、前記取水口で、塩素が注入される前の海水の塩素濃度である取水口濃度を、設定された取水口測定時刻に測定する取水口塩素測定ステップと、
    前記放水口塩素測定手段が、前記放水口で、冷却水として用いられた後の海水の塩素濃度である放水口濃度を、設定された放水口測定時刻に測定する放水口塩素測定ステップと、
    前記残留塩素濃度算出手段が、前記取水口塩素測定ステップによって測定された前記取水口濃度と、前記放水口塩素測定ステップによって測定された前記放水口濃度との濃度差から残留塩素濃度を算出する残留塩素濃度算出ステップと、
    を備える方法。
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