JP7083452B2 - 塩素強化注入運転装置および方法 - Google Patents
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Description
なお、循環水ポンプは、プラント停止中は点検のため停止していることが多い。
原子炉補機冷却水海水系は各水路に2台の補機冷却海水系ポンプが設置されており、タービン補機冷却水海水系は各水路に1台の補機冷却海水系ポンプが設置されている。
通常運転中は、原子炉補機冷却水海水系は各水路で補機冷却海水系ポンプを1~2台運転しており、タービン補機冷却水海水系は各水路で計3台の補機冷却海水系ポンプのうち2台だけ運転している。
定検中は、各補機冷却海水系ポンプは点検中で停止されていたり、原子炉建屋への冷却水を供給するために運転されたりしているが、点検や必要台数によって運転台数は各水路で異なっており、水路間では運転台数のアンバランス状態となっている。
この電流値は、放水口残留塩素濃度を手分析して決定しており、海水温度にほぼ比例して海中生物が発生していることの知見をもとに調整を行っている。定検中や長期運転停止中でも海水電解装置は運転しており、その際は各水路の塩素強化注入ラインを8時間のインターバルで注入切替を行いながら塩素を注入しているが、ポンプ運転台数と強化注入インターバルとの関係で放水口残留塩素濃度が一定値とならず上昇する現象がみられた。この原因として、塩素強化注入量および注入時間は各水路で同じであるものの、水路の運転ポンプ台数が異なる場合、放水口側へ放出される海水移動時間が異なるため、放水口に放出される残留塩素濃度が重畳または相殺されて一定値にならずに変動する現象が知見として得られている。
法令上では濃度管理でサンプリング装置より検出下限値(0.05ppm以下)で規制されるため、放水口へ放出される海水移動時間の多寡があっても検知できる濃度以下を維持する方法を開発する必要があった。
ここで、前記次亜塩素酸ナトリウム溶液を注入する水路が、前記取水槽注入切替弁によって2時間のインターバルで順次切り替えられてもよい。
前記通電電流値制御手段が、前記1→2台以上切替移行パターンの発生が検出されるとともに前記遅れ時間後の前記放水口残留塩素濃度ベース値が前記制御目標値よりも大きいと、前記通電電流値を通電電流制御値だけ下げ、前記1→2台以上切替移行パターンの発生が検出されるとともに前記遅れ時間後の前記放水口残留塩素濃度ベース値が前記制御目標値よりも小さいと、前記通電電流値を前記通電電流制御値だけ上げてもよい。
前記制御目標値が、海水温度が低下傾向になる直前の放水口残留塩素濃度ベース値であってもよい。
前記複数の水路が、3つの水路であり、前記海水電解装置が、該海水電解装置が設置された設備の定検中に前記次亜塩素酸ナトリウム溶液を製造して前記取水槽に注入するための定検用電解槽(13)を備え、前記海水ポンプが、前記定検中に前記取水槽から補機冷却水熱交換器(120)に冷却水を供給するための6台の原子炉補機冷却水ポンプ(41)および3台のタービン補機冷却水ポンプ(42)であり、前記3つの水路の各水路に、2台の前記原子炉補機冷却水ポンプおよび1台の前記タービン補機冷却水ポンプが備えられ、前記整流器が、前記定検用電解槽に接続された定検用整流器(14)であってもよい。
本発明の塩素強化注入運転方法は、海水を原料として製造した次亜塩素酸ナトリウム溶液を3つの水路に分割された取水槽(40)に注入する海水電解装置(10)に用いるための塩素強化注入運転方法であって、前記海水電解装置が、前記次亜塩素酸ナトリウム溶液を製造するための電解槽と、前記電解槽に接続された整流器と、前記次亜塩素酸ナトリウム溶液を前記取水槽の前記3つの水路に順次注入するための取水槽注入切替弁(30)とを備え、前記取水槽が、前記各水路に複数台の海水ポンプを備え、前記塩素強化注入運転方法が、前記3つの水路のうち前記次亜塩素酸ナトリウム溶液を注入する水路が前記海水ポンプの運転台数が1台の水路から2台以上の水路に前記取水槽注入切替弁によって切り替えられたことを示す1→2台以上切替移行パターンの発生を検出するための第1のステップと、前記1→2台以上切替移行パターンの発生が検出された発生検出時間を記憶する第2のステップと、前記発生検出時間後に前記3つの水路のうち前記次亜塩素酸ナトリウム溶液を注入する水路が前記2台以上の水路以外の水路に前記取水槽注入切替弁によって切り替えられてから所定の遅れ時間後の放水口残留塩素濃度ベース値を取得する第3のステップと、前記取得した放水口残留塩素濃度ベース値を制御目標値と比較して前記整流器の通電電流値を制御するための第4のステップとを具備することを特徴とする。
ここで、前記次亜塩素酸ナトリウム溶液を注入する水路が、前記取水槽注入切替弁によって2時間のインターバルで順次切り替えられてもよい。
前記第4のステップにおいて、前記第2のステップで前記1→2台以上切替移行パターンが検出されるとともに、前記第3のステップで取得された前記遅れ時間後の前記放水口残留塩素濃度ベース値が前記制御目標値よりも大きいと、前記通電電流値を通電電流制御値だけ下げ、前記第2のステップで前記1→2台以上切替移行パターンが検出されるとともに、前記第3のステップで取得された前記遅れ時間後の前記放水口残留塩素濃度ベース値が前記制御目標値よりも小さいと、前記通電電流値を前記通電電流制御値だけ上げてもよい。
(1)海水低流量時における残留塩素濃度上昇を低減して濃度の均一化を図りつつ海水電解装置からの必要量の塩素供給を行うことができる。
(2)コスト低減を図ることができる。
本発明の塩素強化注入運転装置および方法は、原子力発電所や火力発電所における海水電解装置において定検中に循環水ポンプを停止して補機冷却水海水系ポンプを運転している状態で放水口残留塩素濃度を検出限界以下に保ちつつ適切な塩素注入による海中生物の低減を図るために、以下の特徴を有する。
(1)上述の状態において塩素強化注入タイマを適切に設定して放水口残留塩素濃度上昇を抑制するとともに均一な放水口残留塩素濃度を保つ。
(2)海水状況に応じて適切な通電電流値制御(定検用整流器電流制御)および塩素強化注入インターバルを組み合わせて自動制御する。
また、各取水口2には、海水中に含まれる藻類や海中生物その他夾雑物を取り除くためのレイキ付きバースクリーンやロータリースクリーン等のスクリーンが設置されている。
定検用に使用される部分は、渦巻き式ストレーナ12と後述する脱気槽液位調節弁21を介して接続された低出力の定検用電解槽13と、定検用電解槽13に接続された定検用整流器14と、定検用整流器14に接続された出力電流設定器15とを備える。
通常運転中に使用される部分は、2台の高出力の電解槽16(電解槽(A)および電解槽(B))と、2台の電解槽16にそれぞれ接続された2台の整流器17(整流器(A)および整流器(B))と、2台の整流器17に接続された出力電流設定器18とを備える。
電解液は、電解槽流量スイッチ付流量計(FIS)24を介して各電解槽16に送液され、取水槽注入流量調節弁前弁25(電動)を通されたのち各取水口流量スイッチ付流量計(FIS)26および各取水口注入流量調節弁27(手動)を介して各取水口2に送液されるとともに、取水槽流量スイッチ付流量計(FIS)28、取水槽注入流量調節弁29(手動)および取水槽注入切替弁30(電動)を介して取水槽40に送液される。
取水槽注入切替弁30は、後述する塩素強化注入運転装置60の取水槽注入切替弁制御部62(図11参照)によって切替制御されて取水槽40のA、BおよびC水路に電解液を順次注入するためのものである。
放水口残留塩素濃度は、運用上から、週1回程度の放水接合槽150(図1参照)での手分析や、放水口残留塩素濃度サンプリング装置52(図3参照)による連続測定結果から海水電解装置10の定検用整流器14の通電電流値(電解電流値)を決定し、放水口残留塩素濃度をDPD法で0.02~0.04ppmの範囲内になるよう調整を行っている。そのため、通電電流値は、夏季では高く、冬季では低く運用される。
このように、従来では、通電電流値の手動制御によって放水口残留塩素濃度を制御するように運用していたが、前述したように定検中に取水槽40の各水路(以下、「A水路,B水路およびC水路」と称する。)での海水ポンプ運転台数がアンバランス状態となると、以下の現象が発生することが知見として得られている。
上記の特許文献3の段落0034には、塩素剤または海水電解液の1日当たりの添加時間は30分以上が好ましく24時間添加してもよく、より好ましい添加時間は1~24時間であり、添加は連続添加でもよく間欠添加でもよい旨が記載されている。
塩素強化注入インターバルを2時間、1時間および30分として、放水接合槽150付近に設けた連続サンプリング装置の残留塩素濃度計測装置による指示値を測定した。
なお、注入する塩素の絶対量を少なくすることは防汚効果の低下および塩素注入開始時の海水成分による塩素分解効果により防汚効果がなくなるおそれがあるため、塩素強化注入インターバルの下限値は30分とした。
A水路:原子炉補機冷却水ポンプ41運転中、タービン補機冷却水ポンプ42運転中
B水路:原子炉補機冷却水ポンプ41運転中
C水路:原子炉補機冷却水ポンプ41運転中
また、B水路(1台運転水路)からC水路(1台運転水路)への切替後の約3時間でピークを形成したのちに漸減する傾向がみられており、放水口残留塩素濃度は安定しないことが分かる。
この原因としては、通電電流値を増やせば、C水路(1台運転水路)の放水口残留塩素濃度ベース値の上昇によってA水路(2台運転水路)の放水口残留塩素濃度ピーク到達点が高くなると考えられる。
(1)定検用整流器電流制御の目的
放水口残留塩素濃度は、協定値が決まっており、検出限界(DPD法による手分析において0.05ppm)以下にする必要がある。このため、1週間に1度手動によるサンプリングを行い、放水口残留塩素濃度を協定値以下とするように通電電流値を決定し、手動で調整を行っている。
その際、海洋条件の変化により海中生物やスライムの発生が異なると塩素消費量も異なるため、海水温度が一定であっても必ずしも放水口残留塩素濃度が一定とならない可能性があるので、自動制御により海洋条件に合った通電電流値を自動制御する必要がある。
通電電流値は、現状ではワンポイントの手分析結果により通電電流設定値を決定し、例えば1週間を通してこの通電電流設定値で運用しているため、海中生物の繁茂状態や海水温度の変化等の海洋条件が変わると、必ずしも最適な通電電流値ではなくなる可能性があった。
手分析に比較し、連続サンプリング装置では海洋条件の変化に伴う残留塩素濃度がリアルタイムに出力されるため、通電電流値設定の入力条件として、より現実に即した定検用整流器電流制御が可能となる。よって、制御対象は、残留塩素濃度として、安定時の放水口残留塩素濃度の値(放水口残留塩素濃度ベース値)を制御対象とする定検用整流器電流制御とした。
図9(a),(b)に、放水口残留塩素濃度ベース値が現れる時期および海水温度の低下時期の放水口残留塩素濃度変化グラフの一例を示す。
実測データ期間中は、取水槽40の各水路間の海水ポンプアンバランス運転(以下、「取水槽水路間海水ポンプアンバランス運転」と称する。)が発生している状態である。
放水口残留塩素濃度ベース値と放水口残留塩素濃度ピーク値との関係性について説明する。
図9(a)に示す実測データによれば、海水温度が最高値となる8月では、通電電流170Aで放水口残留塩素濃度ベース値は約0.004ppmとなっている。その後、9月1日からは、海水温度が低下してきており、放水口残留塩素濃度ベース値は漸次上昇傾向となっている。
また、図9(b)に示す実測データによれば、10月15日からの海水温度の低下に伴い放水口残留塩素濃度ベース値が徐々に高くなっていることが確認され、10月19日には海水温度が11時間で約0.5℃程度の低下が発生して放水口残留塩素濃度ピーク値が顕著に高くなった。また、放水口残留塩素濃度ベース値が上昇したら放水口残留塩素濃度ピーク値も上昇する傾向がみられる。
以上の実測データから、放水口残留塩素濃度ベース値が上昇すると放水口残留塩素濃度ピーク値の上昇量が大きくなる傾向があることが分かる。
ただし、海水温度と放水口残留塩素濃度ピークの発生との関係性に着目してみると、海水温度は細かく変動しているが、放水口残留塩素濃度ピークの発生は規則性がない。
まとめると、海水温度低下→放水口残留塩素濃度ベース値上昇は強い相関があり、放水口残留塩素濃度ベース値上昇→放水口残留塩素濃度ピーク値上昇も強い相関があるが、海水温度低下→放水口残留塩素濃度ピーク値上昇は比較的弱い相関であることが分かった。
よって、放水口残留塩素濃度ピーク値上昇は放水口残留塩素濃度ベース値との相関性が大きいため、放水口残留塩素濃度ベース値に着目すればよいことが結論付けられる。
なお、放水口残留塩素濃度ベース値の制御目標値は、季節要因や海洋条件に変化が生じるが、例えば、海水温度が低下傾向になる直前の放水口残留塩素濃度ベース値(上述した実測データでは0.004ppm)とする。
海水温度の低下による放水口残留塩素濃度ベース値の上昇+海水ポンプ運転台数1→2台切替後、放水口残留塩素濃度ピーク発生の遅れ時間が2時間であることを考慮して、放水口残留塩素濃度ベース値が制御目標値(=0.004ppm)を上回っていたら通電電流値を10A下げる制御を行う。
これにより、図10の右側に示すように、次に海水ポンプ運転台数が1台から2台に切り替わるまでに通電電流値を下げられるため、その後の放水口残留塩素濃度ピーク値の上昇量を抑制することができる。
海水温度が上昇する場合は、この逆の制御となる。
塩素強化注入運転装置60は、海水ポンプ運転台数の1→2台以上切替移行パターン(1台から2台以上の切替行パターン)が発生した場合、その時間(発生検出時間)を記憶し、その後に2台以上運転水路(海水ポンプ運転台数が2台以上の水路)が取水槽注入切替弁30によって閉じられてから2時間後の放水口残留塩素濃度ベース値を取得して放水口残留塩素濃度ベース値の制御目標値と比較し、定検用整流器14の通電電流値の上げ下げ制御を行うものとする。
なお、1→2台以上切替移行パターン(すなわち、取水槽水路間海水ポンプアンバランス運転)が解消しているならば、制御を停止する。
(条件1)取水槽注入切替弁30の切替え順序がA水路→B水路→C水路→A水路の順となっている。
(条件2)3つの水路のうち循環水ポンプ43を除く海水ポンプ運転台数が0台である水路は1つの水路のみとする。
これは、運転していない水路に塩素が不必要に注入され、海水ポンプ再起動時に高濃度の塩素が放水口に放出されることを防止するためのインターロックである。
B水路の取水槽注入切替弁30が閉じられていると、AおよびC水路取水槽注入切替弁制御サブルーチンを起動して、CおよびA水路の取水槽注入切替弁30を2時間インターバルで交互に開閉させる(ステップS122)。
C水路の取水槽注入切替弁30が閉じられていると、AおよびB水路取水槽注入切替弁制御サブルーチンを起動して、AおよびB水路の取水槽注入切替弁30を2時間インターバルで交互に開閉させる(ステップS132)。
なお、ベース値制御トリガ設定部63の動作パターンは、1水路注入停止時および全水路注入時の2つに分かれ、2台運転水路の取水槽注入切替弁30が全閉されてから2時間後に現れる安定した放水口残留塩素濃度ベース値を取得する。
これにより、定検用整流器14の通電電流値が出力電流設定器15によって10Aほど下げられる。
これにより、定検用整流器14の通電電流値が出力電流設定器15によって10Aほど上げられる。
これにより、放水口残留塩素濃度ベース値を一定にするよう制御できるため、効果的かつ結果的に放水口残留塩素濃度ピーク値を抑制することができる。
また、通電電流値、遅延時間および制御目標値は、実機データの運転データを採取して決定するものであるから、ここで挙げた数値に汎用性はなく、発明者で確認した固有のものである。
海中生物は海水温度により繁殖が変化することについては上述したが、日中太陽光が海面に照射されてもプランクトン類が繁殖するため、海水温度に関らないことも予想される。
塩素強化注入インターバルが2時間であれば、日中も頻繁に切り替られることになり、8時間時と比べある水路に日中注入されないことはなく、効果的な防汚効果が期待できる。
例えば、定検用電解槽13と2つの電解槽16としているが、2つの電解槽16だけの場合でもよく、脱気槽19は電解液受槽と読み替えてもかまわない。
また、コストの観点を無視すれば塩素強化注入ラインの切替により一時的に注入ポンプ23の出口側が締切運転となることを防止するために、注入ポンプ23の最小流量を脱気槽19に導くミニマムフローラインを設けてもよい。
また、上述したとおり、塩素強化注入タイマの設定は例として挙げており、他の設定であっても同様に本発明に含まれる。
2 取水口
3 取水路
4 放水路
5 放水口
10 海水電解装置
11 海水取水ポンプ
12 渦巻き式ストレーナ
13 定検用電解槽
14 定検用整流器
15 出力電流設定器
16 電解槽
17 整流器
18 出力電流設定器
19 脱気槽
20 液位計
21 脱気槽液位調節弁
22 送風機
23 注入ポンプ
24 電解槽流量スイッチ付流量計
25 取水槽注入流量調節弁前弁
26 取水口流量スイッチ付流量計
27 各取水口注入流量調節弁
28 取水槽流量スイッチ付流量計
29 取水槽注入流量調節弁
30 取水槽注入切替弁
40 取水槽
41 原子炉補機冷却水ポンプ
42 タービン補機冷却水ポンプ
43 循環水ポンプ
51 海水電解装置制御盤
52 放水口残留塩素濃度サンプリング装置
53 取水槽温度計
60 塩素強化注入運転装置
61 海水ポンプ運転信号部
62 取水槽注入切替弁制御部
63 ベース値制御トリガ設定部
64 放水口残留塩素濃度ベース値取得・比較制御部
110 復水器
120 補機冷却水熱交換器
130 放水槽
140 補機海水系放水庭
150 放水接合槽
S11~S18,S21~S28,S31~S38,S41,S111,S112,S121,S122,S131,S132,S141,S211~S213,S221~S223,S231~S233,S241,S251,S261,S262,S311~S318 ステップ
Claims (8)
- 海水を原料として製造した次亜塩素酸ナトリウム溶液を複数の水路に分割された取水槽(40)に注入する海水電解装置(10)に用いるための塩素強化注入運転装置(60)であって、
前記海水電解装置が、
前記次亜塩素酸ナトリウム溶液を製造するための電解槽と、
前記電解槽に接続された整流器と、
前記次亜塩素酸ナトリウム溶液を前記取水槽の前記複数の水路に順次注入するための取水槽注入切替弁(30)とを備え、
前記取水槽が、前記各水路に複数台の海水ポンプを備え、
前記塩素強化注入運転装置が、
前記複数の水路のうち前記次亜塩素酸ナトリウム溶液を注入する水路が前記海水ポンプの運転台数が1台の水路から2台以上の水路に前記取水槽注入切替弁によって切り替えられたことを示す1→2台以上切替移行パターンの発生を検出するための切替移行パターン発生検出手段と、
前記切替移行パターン発生検出手段によって前記1→2台以上切替移行パターンの発生が検出された発生検出時間を記憶し、該発生検出時間後に前記複数の水路のうち前記次亜塩素酸ナトリウム溶液を注入する水路が前記2台以上の水路以外の水路に前記取水槽注入切替弁によって切り替えられてから所定の遅れ時間後の放水口残留塩素濃度ベース値を取得し、該取得した放水口残留塩素濃度ベース値を制御目標値と比較して、前記整流器の通電電流値を制御するための通電電流値制御手段と、
を具備することを特徴とする、塩素強化注入運転装置。 - 前記次亜塩素酸ナトリウム溶液を注入する水路が、前記取水槽注入切替弁によって2時間のインターバルで順次切り替えられることを特徴とする、請求項1記載の塩素強化注入運転装置。
- 前記通電電流値制御手段が、
前記1→2台以上切替移行パターンの発生が検出されるとともに前記遅れ時間後の前記放水口残留塩素濃度ベース値が前記制御目標値よりも大きいと、前記通電電流値を通電電流制御値だけ下げ、
前記1→2台以上切替移行パターンの発生が検出されるとともに前記遅れ時間後の前記放水口残留塩素濃度ベース値が前記制御目標値よりも小さいと、前記通電電流値を前記通電電流制御値だけ上げる、
ことを特徴とする、請求項1または2記載の塩素強化注入運転装置。 - 前記制御目標値が、海水温度が低下傾向になる直前の放水口残留塩素濃度ベース値であることを特徴とする、請求項1乃至3いずれかに記載の塩素強化注入運転装置。
- 前記複数の水路が、3つの水路であり、
前記海水電解装置が、該海水電解装置が設置された設備の定検中に前記次亜塩素酸ナトリウム溶液を製造して前記取水槽に注入するための定検用電解槽(13)を備え、
前記海水ポンプが、前記定検中に前記取水槽から補機冷却水熱交換器(120)に冷却水を供給するための6台の原子炉補機冷却水ポンプ(41)および3台のタービン補機冷却水ポンプ(42)であり、
前記3つの水路の各水路に、2台の前記原子炉補機冷却水ポンプおよび1台の前記タービン補機冷却水ポンプが備えられ、
前記整流器が、前記定検用電解槽に接続された定検用整流器(14)である、
ことを特徴とする、請求項1乃至4いずれかに記載の塩素強化注入運転装置。 - 海水を原料として製造した次亜塩素酸ナトリウム溶液を3つの水路に分割された取水槽(40)に注入する海水電解装置(10)に用いるための塩素強化注入運転方法であって、
前記海水電解装置が、
前記次亜塩素酸ナトリウム溶液を製造するための電解槽と、
前記電解槽に接続された整流器と、
前記次亜塩素酸ナトリウム溶液を前記取水槽の前記3つの水路に順次注入するための取水槽注入切替弁(30)とを備え、
前記取水槽が、前記各水路に複数台の海水ポンプを備え、
前記塩素強化注入運転方法が、
前記3つの水路のうち前記次亜塩素酸ナトリウム溶液を注入する水路が前記海水ポンプの運転台数が1台の水路から2台以上の水路に前記取水槽注入切替弁によって切り替えられたことを示す1→2台以上切替移行パターンの発生を検出するための第1のステップと、
前記1→2台以上切替移行パターンの発生が検出された発生検出時間を記憶する第2のステップと、
前記発生検出時間後に前記3つの水路のうち前記次亜塩素酸ナトリウム溶液を注入する水路が前記2台以上の水路以外の水路に前記取水槽注入切替弁によって切り替えられてから所定の遅れ時間後の放水口残留塩素濃度ベース値を取得する第3のステップと、
前記取得した放水口残留塩素濃度ベース値を制御目標値と比較して前記整流器の通電電流値を制御するための第4のステップと、
を具備することを特徴とする、塩素強化注入運転方法。 - 前記次亜塩素酸ナトリウム溶液を注入する水路が、前記取水槽注入切替弁によって2時間のインターバルで順次切り替えられることを特徴とする、請求項6記載の塩素強化注入運転方法。
- 前記第4のステップにおいて、
前記第2のステップで前記1→2台以上切替移行パターンが検出されるとともに、前記第3のステップで取得された前記遅れ時間後の前記放水口残留塩素濃度ベース値が前記制御目標値よりも大きいと、前記通電電流値を通電電流制御値だけ下げ、
前記第2のステップで前記1→2台以上切替移行パターンが検出されるとともに、前記第3のステップで取得された前記遅れ時間後の前記放水口残留塩素濃度ベース値が前記制御目標値よりも小さいと、前記通電電流値を前記通電電流制御値だけ上げる、
ことを特徴とする、請求項6または7記載の塩素強化注入運転方法。
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