JP5440458B2 - 冊子製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、両面に樹脂層を有する多数の紙材からなる積層体と、この積層体を覆うカバー紙とを有する冊子を製造するための冊子製造装置に関する。
近年、フォトブックと呼ばれるような写真紙からなる冊子が製本されている。このような冊子は昇華転写またはインクジェットにより片面印刷された写真を、台紙または写真裏面同士を貼り合わせる合紙製本、リング綴、ホチキスによる中綴または平綴、および、無線綴などの手法により製本される。
特開平3−108590号公報
しかし、片面写真では、1ページに対して写真紙が1枚となり、一冊当たりのコストが高くなるため、インクジェットや電子写真で両面印刷された写真をリング綴、ホチキスによる中綴または平綴製本することでコスト低減が図られている。インクジェット等で印刷された写真は、サーマルヘッドを用いた感熱昇華転写の写真よりも画質が劣るため、昇華転写で両面印刷が可能な写真プリンタと無線綴による製本機が望まれる。
しかし、一般に、昇華転写用の写真紙は基材となる紙の両面に受容層があり、受容層の外側に保護層があるので、写真紙1枚が厚くて腰がある。このように写真紙は1枚ごとに厚くて腰があるので、糊付け部分自体で支えきれないという問題があった。また、綴じ具またはアクリル系の両面テープを使用すると、接着資材のコストが高くなるとともに糊付け作業の負荷が生じていた。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、感熱昇華転写用の多数の写真紙(紙材)からなる積層体と、この積層体を覆うカバー紙とを有する冊子を容易かつ精度よく製本することができる冊子製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、両面に樹脂層を有する多数の紙材からなる積層体と、この積層体を覆うとともに、表面、裏面および背面を有するカバー紙とを有する冊子を製造するための冊子製造装置において、両面に樹脂層を有する多数の紙材からなる積層体を表面側および裏面側から挟持する一対のクランパと、一対のクランパを駆動するクランパ駆動機構と、積層体の表面および裏面のうち、積層体の一端部側を熱プレスして各紙材同士を熱融着させるとともに、カバー紙の表面および裏面を積層体の一端部へ熱融着させる一対の熱プレス機と、一対の熱プレス機を駆動する熱プレス機駆動機構と、積層体の背面側を支持可能な熱板および冷却板と、熱板および冷却板を順次積層体の背面側へ移動する熱板/冷却板駆動機構と、を備えたことを特徴とする冊子製造装置である。
本発明は、カバー紙を積層体の一端部と、一対の熱プレス機との間に挿入するカバー紙搬送機構を更に備えたことを特徴とする冊子製造装置である。
本発明は、カバー紙搬送機構は、複数のカバー紙を傾斜させて保持する傾斜板と、傾斜板に設けられ、カバー紙の一対の熱プレス機側端部を係止するストッパとを有することを特徴とする冊子製造装置である。
本発明は、多数の紙材からなる積層体を一対のクランパ間に挿入する積層体搬送機構を更に備えたことを特徴とする冊子製造装置である。
本発明は、熱プレス機駆動機構は冊子製造装置のフレームと、回転駆動部と、フレーム上を摺動するとともに各熱プレス機に連結されたスライド板と、各スライド板を駆動する回動レバーと、回動駆動部と各回動レバーとを連結するリンク機構と、回動駆動部から各スライド板までのいずれかに介在された弾性部材とを有することを特徴とする冊子製造装置である。
本発明は、弾性部材は、各スライド板と対応する回動レバーとの間に介在されていることを特徴とする冊子製造装置である。
本発明は、弾性部材は各リンク機構内に内蔵されていることを特徴とする冊子製造装置である。
本発明は、熱板/冷却板駆動機構は、冊子製造装置のフレームと、フレームに回動自在かつ昇降自在に設けられ、熱板と冷却板を保持する保持体と、保持体を回動させる受動歯車と、受動歯車に係合して受動歯車を駆動させる駆動歯車と、駆動歯車に同軸に設けられた駆動カムと、駆動カムに係合するとともに受動歯車に同軸に設けられ、駆動カムによって昇降する受動カムとを有することを特徴とする冊子製造装置である。
本発明は、熱板/冷却板駆動機構は、フレームに設けられ垂直端縁を含む位置決め板と、受動カムに取付けられ位置決め板の垂直端縁に係合する反転ストッパとを有することを特徴とする冊子製造装置である。
本発明は、受動カムと位置決め板と間に、反転ストッパを位置決め板の垂直端縁に当接させる引張スプリングを設けたことを特徴する冊子製造装置である。
本発明は、熱板/冷却板駆動機構は回転駆動部を更に有し、駆動歯車は連結歯車を介して回転駆動部に連結されていることを特徴とする冊子製造装置である。
以上のように本発明によれば、多数の紙材からなる積層体と、この積層体を覆うカバー紙とを有する冊子を容易かつ精度良く製本することができる。
図1(a)(b)(c)(d)(e)(f)は、本発明による冊子製造装置の概略工程を示す図。 図2は、本発明による冊子製造装置のプレス駆動機構を示す図。 図3は、プレス駆動機構のスライド板を示す図。 図4(a)は、冊子製造装置のプレス駆動機構の変形例を示す図、図4(b)は一方および他方のリンク機構の内部構造を示す図。 図5は、プレス駆動機構のスライド板を示す図。 図6は、本発明による冊子製造装置の熱プレス駆動機構を示す図。 図7(a)(b)は、熱プレス機を示す図。 図8(a)(b)(c)(d)は、熱プレス機の変形例を示す図。 図9(a)(b)は、カバー紙搬送機構を示す図。 図10(a)(b)(c)は、本発明による冊子製造装置の作用を示す図。 図11は、多数の紙材からなる積層体を示す図。 図12は、多数の紙材からなる積層体の変形例を示す図。 図13(a)(b)(c)(d)(e)(f)は、本発明による冊子製造装置の変形例を示す図。 図14(a)(b)(c)(d)は、カバー紙搬送機構の変形例を示す図。 図15は、クランパ駆動機構を示す図。 図16は、クランパ構造の変形例を示す図。 図17は熱板および冷却板の変形例を示す図。 図18(a)(b)(c)(d)は、熱板および冷却板の変形例を示す図。 図19(a)(b)は、カバー紙搬送機構の変形例を示す図。 図20(a)(b)は、カバー紙搬送機構の変形例を示す図。 図21(a)(b)(c)は、クリップ爪を示す図。 図22(a)(b)(c)は、クリップ爪の変形例を示す図。 図23(a)(b)(c)は、一対の熱プレス機構と、熱板、冷却板および熱板/冷却板駆動機構の変形例を示す図。 図24(a)(b)(c)(d)は、一対の熱プレス機構と、熱板、冷却板および熱板/冷却板駆動機構の変形例を示す図。 図25は、一対の熱プレス機構と、熱板、冷却板および熱板/冷却板駆動機構の変形例を示す図。
発明の実施の形態
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図15は本発明による冊子製造装置の実施の形態を示す図である。
まず、図11および図12により、多数の紙材からなる積層体について述べる。
図11および図12に示すように、両面に写真画像や文字が印刷された多数の写真紙(紙材)2を積層することにより紙材の積層体1が得られる。
このような積層体1を構成する各々の紙材2は、紙基材3と、紙基材3の両面に順次積層された樹脂層4、受容層5、および保護層6とを備えている。
このうち紙基材3は紙単体、樹脂フィルム単体、または紙と樹脂フィルムの積層体から構成される。
樹脂層4はオレフィン系樹脂、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂からなる。また受容層5は、塩化ビニル系樹脂、例えば、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂からなる。
また保護層6としては、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられる。
このような構成からなる多数の紙材2は互いに積層されて積層体1を構成し、このような積層体1は後述のように、その一端部1A側において一対の熱プレス材12a、12bにより熱プレスされ、同時にその背面1B側が熱板13により加熱される。
このようにして積層体1の一端部1A側において、積層体1の各紙材2同士が熱融着される。
なお、図11に示すような紙材2の代わりに、図12に示すような多数の紙材2を積層することにより、紙材の積層体1を作製してもよい。
図12において、各紙材2は、積層体1の一端部1A側において、保護層6が取除かれている。
このように積層体1の一端部1A側において、各紙材2から保護層6を取り除くことにより各紙材2は一端部1A側において受容層5が外方へ露出することになり、このため、各紙材2同士を容易に熱融着させることができる。
そして多数の紙材2からなる積層体1が表面8a、表面8bおよび背面8cを有するカバー紙8により覆われ、表面8aおよび裏面8bが積層体1の一端部1A側に熱融着された冊子10が得られる。この場合、カバー紙8の背面8cは積層体1に熱融着されていない。
この場合、カバー紙8は、紙単体、樹脂フィルム単体、または紙と樹脂フィルムの積層体から構成される。
次に冊子製造装置について述べる。図1に示すようにこのような冊子製造装置は多数の紙材2からなる積層体1と、この積層体1を覆うとともに表面8a、裏面8bおよび背面8cを有するカバー紙8とを有する冊子10を作製するものである。
このような冊子製造装置は、多数の紙材2からなる積層体1を表面1C側および裏面1D側から挟持する一対のクランパ11a、11bと、積層体1の表面1Cおよび裏面1Dのうち、積層体1の一端部1A側を熱プレスして各紙材2同士を熱融着させる一対の熱プレス機12a、12bと、積層体1の背面1B側を支持する熱板13および冷却板14とを備えている。
このうち、一対の熱プレス機12a、12bは、カバー紙8の表面8aおよび裏面8bを積層体1の一端部1A側に熱融着させる機能をもっている。
また一対のクランパ11a、11bは、図15に示すようなクランパ駆動機構11Aにより駆動される。
すなわち図15に示すように、一対のクランパ11a、11bにおいて、一方のクランパ11aに対して他方のクランパ11bが、案内ガイド11cに沿って離接自在に設けられている。この場合、一方のクランパ11aと他方のクランパ11bはスプリング17aを有するスプリング錠17を介して互いに連結されている。
また、一方のクランパ11aには、コ字状枠19が固着され、このコ字状枠19内に駆動ブロック20が設けられている。
そしてコ字状枠19を貫通して駆動用ボールネジ18が設けられ、この駆動用ボールネジ18は駆動ブロック20に係合し、モータ18aにより回転駆動されて駆動ブロック20を昇降させる。また駆動ブロック20とコ字状枠19との間にはスプリング21が介在されている。
図15において、一方のクランパ11aに対しての他方のクランパ11bがスプリング錠17の力に抗して開かれ、一方のクランパ11aと他方のクランパ11b間に多数の紙材2からなる積層体1が挿入される。
この場合、一対のクランパ11a、11b間に多数の紙材2からなる積層体1が図示しない積層体搬送機構により搬送されて挿入される。しかしながら積層体搬送機構を用いることなく、一対のクランパ11a、11b間に積層体1を操作者が手動で投入してもよい。
次に一対のクランパ11a、11bがスプリング錠17の力により閉じられ、その後ボールネジ18をモータ18aによって回動させることにより、積層体1を昇降させることができる。すなわち、積層体1を上昇させる場合は、ボールネジ18により上昇する駆動ブロック20によってコ字状枠19が上昇し、一対のクランパ11a、11bも上昇する。他方、積層体1を降下させる場合はボールネジ18により降下する駆動ブロック20によって、スプリング21を介してコ字状枠19を降下させ、一対のクランパ11a、11bを降下させる。
このように、積層体1を降下させることによって積層体1の一端部1Aが熱板13または冷却板14に当接するが、このとき駆動ブロック20からコ字状枠19に伝わる駆動力は、スプリング21が圧縮することにより吸収される。このため駆動ブロック20からの力が積層体1へ過度に伝わることはなく、積層体1の一端部1Aおよび背面1Bが熱板13または冷却板14によりつぶれてしまうことはない。
また一対の熱プレス機12a、12bは熱プレス機駆動機構25によって駆動される。以下、熱プレス機駆動機構12Aについて説明する。
ここで、図2および図3は熱プレス駆動機構を示す図である。図2および図3に示すように、一対の熱プレス機12a、12bを駆動する熱プレス機駆動機構12Aは、冊子製造装置のフレーム25と、フレーム25上に沿って摺動するとともに、離接自在に設けられ、互いの先端に熱プレス機12a、12bが取付けられた一対のスライド板26a、26bとを有している。このうち一方の熱プレス機12aは一方のスライド板26aの先端に取付けられ、他方の熱プレス機12bは他方のスライド板26bの先端に取付けられている。
また各スライド板26a、26bは回動軸28a、28bを中心に回動する回動レバー27a、27bにより駆動される。すなわち、各スライド板26a、26bの下方部に、スプリングボックス33a、33bが設けられ、このスプリングボックス33a、33b内にスプリング(弾性部材)31a、31bが内蔵されている。またスプリングボックス33a、33bには、スプリング31a、31bに連結された前進用受け32a、32bが設けられ、この前進用受け32a、32bはスプリングボックス33a、33bから外方へ突出している。なお、スプリング31a、31bの代わりに、弾性部材として板バネ、ゴム材等を用いることができるが、耐熱性の観点から金属製のスプリング(コイルバネ)を用いることが好ましい。
さらに各スライド板26a、26bには、戻り用受け29a、29bが設けられている。このため回動軸28a、28bを中心に回動する回動レバー27a、27bが前進用受け32a、32bに当接することにより、スプリング31a、31bを介してスライド板26a、26bが互いに前進し、これにより一対の熱プレス機12a、12bが閉じる。他方、回動レバー27a、27bが戻り用受け29a、29b当接することにより、スライド板26a、26bが互いに後退し、これにより一対の熱プレス機12a、12bが開く。
さらに回動軸28a、28bを中心に回動する各回動レバー27a、27bは、リンク機構30を介して駆動モータ(回転駆動部)31に連結されている。
このため駆動モータ31によりリンク機構30を介して回動レバー27a、27bを回動軸28a、28bを中心として回動させることにより、上述のように一対の熱プレス機12a、12bを閉じる方向に移動させ、あるいは開く方向に移動させることができる。
またスライド板26a、26bを前進させる際、回動レバー27a、27bが前進用受け32a、32bに当接し、スプリング31a、31bを介して回動レバー27a、27bからの駆動力が一対の熱プレス機12a、12bに伝わるので、一対の熱プレス機12a、12bを所望の弾性力をもって閉じることができる。
このため、多数の紙材2からなる積層体1の厚みが変化したり、積層体1とカバー紙8とからなる冊子10の厚みが変化しても、これら積層体1および冊子10の厚みの変化をスプリング31a、31bにより確実に吸収することができる。
なお、熱プレス機構駆動機構12Aとして図2および図3に示すものを示したが、これに限らず図4(a)(b)および図5に示すものを用いても良い。
すなわち、図4(a)(b)および図5に示す熱プレス機駆動機構12Aにおいて、各スライド板26a、26bにスプリングボックス33a、33bを取付ける代わりに、各スライド板26a、26bに駆動ボックス34a、34bが取付けられている。
そしてリンク機構30によって回動軸28a、28bを中心として回動する回動レバー27a、27bが駆動ボックス34a、34bに当接することにより各スライド板26a、26bが前進して互いに接近して一対の熱プレス機12a、12bが閉方向に移動する。他方、回動レバー27a、27bが戻り用受け29a、29bに当接することにより、各スライド板26a、26bが互いに離れて一対の熱プレス機12a、12bが開くようになっている。
なお、リンク機構30は、一方の熱プレス機12a用の一方のリンク機構30aと、他方の熱プレス機12b用の他方のリンク機構30bとからなっている。この場合、一方のリンク機構30aは、一方の熱プレス機12aを駆動するため回動レバー28aに連結され、他方のリンク機構30bは他方のプレス機12bを駆動するため回動レバー28bに連結されている。
次に各々のリンク機構30a、30bについて、図4(b)により説明する。図4(b)に示すように、各リンク機構30a、30bはその長さが異なるが各々同様の構造をもち、回動軸35aを中心に回動する一方のリンク部材35と、回動軸36aを中心に回動する他方のリンク部材36とを有している。
そして一方のリンク部材35と他方のリンク部材36とは、一方のリンク部材35に内蔵された連結ロッド37により連結され、さらに一方のリンク部材35内には連結ロッド37の周囲に掛け渡された圧縮スプリング38が設けられている。なお圧縮スプリング38の代わりに、弾性部材として板バネ、ゴム材等を用いることができるが、耐熱性の観点から金属製の圧縮スプリング(コイルバネ)を用いることが好ましい。
さらに一方のリンク部材35には、圧縮スプリング38が外れないよう、スプリング押さえ39が設けられている。
図4(a)(b)および図5に示す熱プレス機駆動機構12Aにおいて、各々リンク機構30a、30bの一方のリンク部材35内に圧縮スプリング38が内蔵されているので、回動レバー27a、27bを回動して一対のスライド板26a、26bを互いに接近させ一対の熱プレス機12a、12bを閉方向へ移動させる際、圧縮スプリング38を圧縮させることにより、所望の弾性力をもって一対の熱プレス機12a、12bを閉じることができる。また図4(a)(b)および図5に示す熱プレス機駆動機構12Aは、図2および図3に示す熱プレス機駆動機構12Aに比べて部品点数を減らすことができ、かつ略同等の機能をもつことができる。
ところで、一対の熱プレス機12a、12bは、図7(a)(b)に示すように、開口51bを有するアルミニウム製の熱プレス機本体51と、熱プレス機本体51の開口51b内に挿入されたニクロム線等の発熱体51aとを有している。
さらに一対の熱プレス機12a、12bの変形例について説明する。一対の熱プレス機12a、12bとして、スリット51cを有するアルミニウム製の熱プレス機本体51と、発熱体51aと、スリット51c内に挿入された平板状のニップ板52とを有するものを用いても良い(図8(a)(b))。また一対の熱プレス機12a、12bとして、スリットcを有するアルミニウム製の熱プレス機本体51と、発熱体51aと、スリット51c内に挿入された断面L字状のニップ板53とを有するものを用いても良い(図8(c)(d))。
また、熱プレス機本体51をアルミニウムにより形成する例を示したが、これに限らず熱プレス機本体51を真鍮により形成しても良い。
また、一対の熱プレス機12a、12bの先端部には、剥離性をもたせるためにSi、F系コートを施してもよい。
また一対の熱プレス機12a、12bの先端にSiゴムを設けて、熱プレス機12a、12bの先端に均一な荷重が加わるようにしてもよく、一対の熱プレス機12a、12bの先端に平滑仕上げを施しても良い。
上述したように熱板13および冷却板14は、積層体1の背面1B側を支持するものであり、熱板/冷却板駆動機構13Aによって積層体1の背面1B側へ移動するようになっている。
このような熱板/冷却板駆動機構13Aは、冊子製造装置のフレーム25と、フレーム25に回動自在および昇降自在に取付けられるとともに、熱板13と冷却板14を保持する保持体42と、保持体42を回動させる受動歯車45と、受動歯車45に係合して受動歯車45を駆動させる駆動歯車46とを有している。
このうち保持体42はフレーム25に回動自在に取付けられ、保持体42の一側に熱板13が保持され、保持体42の他側に冷却板14が保持されている。そして駆動歯車46によって保持板42が回動することにより、例えば熱板13が保持体42の上方に位置し、その後保持板42が更に180°回動することにより冷却14が保持体42の上方にくるようになっている。
また受動歯車45には、受動歯車45と同軸に受動カム48が設けられ、駆動歯車46には駆動歯車46と同軸に駆動カム49が設けられている。そして駆動カム49と受動カム48が係合し、駆動カム49の回動に伴って受動カム48が昇降する。
また受動カム48には反転ストッパ48aが取付けられている。そしてこの反転ストッパ48aはフレーム25に設けられた位置決め板43の垂直端縁43bに当接して、受動カム48がこれ以上回動することを阻止している。
またフレーム25に設けられた位置決め板43には、スプリング取付具43aが設けられ、位置決め板43のスプリング取付具43aと受動カム48の反転ストッパ48aとの間には引張スプリング50が延在している。そしてこの引張スプリング50によって受動カム48の反転ストッパ48aが常時、位置決め板43の垂直端縁43bに当接するようになっている。
また駆動歯車46は連結歯車47を介して、フレーム25に取付けられた駆動モータ(回転駆動部)41に連結されている。
図6において、駆動モータ41が回動すると、連結歯車47を介して駆動歯車46が回動し、これにより駆動歯車46に一体に設けられた駆動カム49も回動する。同時に駆動歯車46の回動により駆動歯車46に係合する受動歯車45が回動し、受動歯車45の回動に伴って熱板13と冷却板14を保持する保持体42が回動し、熱板13と冷却板14の位置が入れ替わるようになっている。
例えば、図6に示すように保持体42の上方部に冷却板14が保持され、保持体42の下方部に熱板13が保持されており、かつ駆動カム49によって受動カム48aが上方へ持ち上げられている。
このとき、受動歯車45は駆動歯車46から離間している。また冷却板14は後述のように積層体1の背面1B側を支持することができる。
次に駆動モータ41により連結歯車47を介して駆動歯車46が回動すると、駆動カム49によって受動カム48が降下し、受動歯車45は駆動歯車46に係合して受動歯車45が回動する。
この間、駆動モータ41により駆動歯車46が180°回動すると、受動歯車45が駆動歯車46によって180°回動して、保持体42を180°回動させて保持体42の上方部に熱板13をもってきて、かつ保持体4の下方部に冷却体14をもってくる。その後駆動カム49によって受動カム48を上方に持上げ、受動歯車45と駆動歯車46が離間する。
このようにして駆動歯車46が180°回動する間、保持体42を180°反転させ、かつ保持体42を上下方向へ昇降することができる。
この間、受動カム48に取付けられた反転ストッパ48aがフレーム25に設けられた位置決め板43の垂直端縁43bに当接する。そして、この反転ストッパ48aは、スプリング取付具43aと反転ストッパ48aとの間に延在する引張スプリング50により常時、位置決め板43の垂直端縁43bに当接することになる。このため、受動カム48が駆動カム49によって上下方向に昇降する間、受動カム48の回転方向の動きを規制することができる。
次に図9(a)(b)により、カバー紙8を多数の紙材2かなる積層体1の一端部1Aと、一対の熱プレス機12a、12bとの間に挿入するカバー紙搬送機構8Aについて述べる。
カバー紙搬送機構8Aは、図9(a)(b)に示すように冊子製造装置のフレーム25に取付けられた水平板25aと、水平板25a上に設けられ、カバー紙8を把持して積層体1の一端部1Aと一対の熱プレス機12a、12bとの間に挿入するクランパ(カバー紙クランパ)55とを有している。そしてクランパ(カバー紙クランパ)55により把持されたカバー紙8は、水平板25a上を走行して積層体1の一端部1Aと、一対の熱プレス機12a、12bとの間に挿入される。
なお、クランパ(カバー紙クランパ)55は、カバー紙8を把持して駆動モータ56により水平板25a上を走行するようになっている。
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
まず図1(a)に示すように、両面に写真画像や文字が印刷された多数の写真紙(紙材)2が積層されて紙材の積層体1が得られる。次に紙材の積層体1が、手動又は積層体搬送機構により一対のクランパ11a、11b間に挿入される。この場合、冷却板14は一対の熱プレス機12a、12bの直下にあり、積層体11の背面11Bは冷却板14に当接している。また一対のクランパ11a、11bは積層体1の表面1Cおよび裏面1Dを押圧して挟持する。
次に一対のクランパ11a、11bがクランパ駆動機構11Aによって上昇する。
その後、図1(b)に示すようにして、熱板/冷却板駆動機構13Aによって、保持体42が反転し、冷却板14が下方に位置し、熱板13が上方に位置するとともに、この熱板13が一対の熱プレス機12a、12bの直下まで上昇する。次に一対のクランパ11a、11bが降下して、積層体1の背面1Bが熱板13により支持される。
次に一対の熱プレス機12a、12bが閉方向に移動して、積層体1の表面1Cおよび裏面1Dのうち、一端部1A側が熱プレスされる。このとき各紙材2同士が積層体1の一端部1A側において熱溶融される。同時に積層体1の背面1Bも熱板13により熱融着される(図10(a)参照)。
この場合、積層体1が例えば15枚の紙材2を含むとき、一対の熱プレス機12a、12bおよび熱板13の温度は130℃〜170℃であることが好ましく、かつ熱溶着時間は60秒〜120秒となっている。さらに一対の熱プレス機12a、12bは50N〜100Nの荷重で積層体1の一端部1Aを挟持する。なお、一対の熱プレス機12a、12bの先端厚みは2〜5mmとなっている。熱プレス機の先端厚みがこれ以上大きくなると、製本強度は増すが、紙材2を十分に開くことがむずかしくなる。
次に図1(c)に示すように、一対の熱プレス機12a、12bが開放され、熱板/冷却板駆動機構13Aによって保持体42が反転し、冷却板14が上方にきて、熱板13が下方にくる。同時に冷却板14は一対の熱プレス機12a、12bの直下まで上昇する。
次に一対のクランパ11a、11bによって積層体1が上昇し、カバー紙搬送機構8Aによって表面8a、裏面8bおよび背面8cを有するカバー紙8が積層体1の一端部1Aと一対の熱プレス機12a、12bとの間に挿入される(図1(d))。
その後、図1(e)および図10(b)に示すように、一対のクランパ11a、11bによって積層体1が降下し、積層体1の背面1Bがカバー紙8の背面8cに当接し、積層体1の背面1Bおよびカバー紙8の背面8cは冷却板14によって支持される。
次に一対の熱プレス機12a、12bが閉方向に移動し、カバー紙8の表面8aおよび裏面8bが積層体1の一端部1A側に熱融着される(図10(c))。
カバー紙8の熱融着条件は、一対の熱プレス機12a、12bの温度120℃〜140℃、20秒〜30秒、加圧力は100Nとなっている。
このように積層体1の紙材2が積層体1の一端部1A側で熱融着され、カバー紙8の表面8aおよび裏面8bが積層体1の一端部1A側に熱融着されることにより冊子10が得られる。
次に一対の熱プレス機12a、12bが開き、一対のクランパ11a、11bにより冊子10が上昇し、その後冊子10は一対のクランパ11a、11bから外方へ取出される。
以上のように本実施の形態によれば、多数の紙材2からなる積層体1をその一端部1Aにおいて熱融着する際、一対の熱プレス機12a、12bと熱板13とによって積層体1の一端部1Aを3面から加熱することができ、各紙材2を容易に熱融着させることができる。また一端部1Aが熱融着された積層体1をカバー紙8で覆って、カバー紙8の表面8aおよび裏面8bを積層体1に熱融着させる場合は、一対の熱プレス機12a、12bによってカバー紙8の表面8aおよび裏面8bを挟持するとともに、カバー紙8の背面8cを冷却板14によって冷却するため、カバー紙8の背面8cの外表面が加熱されることはなく、これによりカバー紙8の背面8cの外表面が白化することもない。
次に本発明の変形例について、図13(a)(b)(c)(d)(e)(f)により説明する。
図13(a)〜(f)に示す変形例は、熱板13と冷却板14を反転することなく交互に移動させる点が異なるのみであり、他の構成は図1乃至図12および図15に示す実施の形態と略同一である。
まず図13(a)に示すように、両面に写真画像や文字が印刷された多数の写真紙(紙材)2が積層されて紙材の積層体1が得られる。次に紙材の積層体1が手動又は積層体搬送機構により一対のクランパ11a、11b間に挿入される。この場合、加熱板13は一対の熱プレス機12a、12bの直下にあり、積層体1の背面1Bは加熱板13に当接している。また一対のクランパ11a、11bは積層体1の表面1Cおよび裏面1Dを押圧して挟持する。
次に一対の熱プレス機12a、12bが閉方向に移動して、積層体1の表面1Cおよび裏面1Dのうち、一端部1A側が熱プレスされる。このとき各紙材2同士が積層体1の一端部1A側において熱溶融される。同時に積層体1の背面1Bも熱板13により熱融着される(図13(b)参照)。
この場合、積層体1が例えば15枚の紙材2を含むとき、一対の熱プレス機12a、12bおよび熱板13の温度は130℃〜170℃であることが好ましく、かつ熱溶着時間は60秒〜120秒となっている。さらに一対の熱プレス機12a、12bは50N〜100Nの荷重で積層体1の一端部1Aを挟持する。なお、一対の熱プレス機12a、12bの先端厚みは2〜5mmとなっている。熱プレス機の先端厚みがこれ以上大きくなると、製本強度は増すが、紙材2を十分に開くことがむずかしくなる。
次に図13(c)に示すように、一対の熱プレス機12a、12bが開放され、熱板13が下方へ移動し、外方へ待機していた冷却板14が一対の熱プレス機12a、12bの直下まで移動する。
次に一対のクランパ11a、11bによって積層体1が上昇し、カバー紙搬送機構8Aによって表面8a、裏面8bおよび背面8cを有するカバー紙8が積層体1の一端部1Aと一対の熱プレス機12a、12bとの間に挿入される(図13(d))。
その後、図13(e)に示すように、一対のクランパ11a、11bによって積層体1が降下し、積層体1の背面1Bがカバー紙8の背面8Cに当接し、積層体1の背面1Bおよびカバー紙8の背面8Cは冷却板14によって支持される。
次に一対の熱プレス機12a、12bが閉方向に移動し、カバー紙8の表面8aおよび裏面8bが積層体1の一端部1A側に熱融着される。
このように積層体1の紙材2が積層体1の一端部1A側で熱融着され、カバー紙8の表面8aおよび裏面8bが積層体1の一端部1A側に熱融着されることにより冊子10が得られる。
次に一対の熱プレス機12a、12bが開き、一対のクランパ11a、11bにより冊子10が上昇し、その後冊子10は一対のクランパ11a、11bから外方へ取出される。
以上のように本実施の形態によれば、多数の紙材2からなる積層体1をその一端部1Aにおいて熱融着する際、一対の熱プレス機12a、12bと熱板13とによって積層体1の一端部1Aを3面から加熱することができ、各紙材2を容易に熱融着させることができる。また一端部1Aが熱融着された積層体1をカバー紙8で覆って、カバー紙8の表面8aおよび裏面8bを積層体1に熱融着させる場合は、一対の熱プレス機12a、12bによってカバー紙8の表面8aおよび裏面8bを挟持するとともに、カバー紙8の背面8cを冷却板14によって冷却するため、カバー紙8の背面8cの外表面が加熱されることはなく、これによりカバー紙8の背面8cの外表面が白化することもない。
次に図14(a)(b)(c)(d)によりカバー紙搬送機構8Aの変形例について説明する。
図14(a)(b)(c)(d)に示すように、冊子製造装置のフレーム25は水平方向に対して斜めに傾斜している。そしてカバー紙搬送機構8Aは傾斜するフレーム25に設けられ、複数のカバー紙8を傾斜させて保持する傾斜板60と、傾斜板60に設けられカバー紙8の一対の熱プレス機12a、12b側端部を係止するストッパ62とを備えている。そして傾斜板60上のカバー紙8はガイド61により案内され、また積層体1の一端部1A側を通過したカバー紙8もガイド64により案内されてストッパ63により係止される。
まず図14(a)において、両面に写真画像や文字が印刷された多数の写真紙(紙材)2が積層されて紙材の積層体1が得られる。次に紙材の積層体1が手動又は積層体搬送機構により一対のクランパ11a、11b間に挿入される。この場合、冷却板14は一対の熱プレス機12a、12bの直下にあり、積層体11の背面11Bは冷却板14に当接している。また一対のクランパ11a、11bは積層体1の表面1Cおよび裏面1Dを押圧して挟持する。
このとき傾斜板60上の表紙8はストッパ62により係止されている。
その後、図14(b)に示すようにして、熱板/冷却板駆動機構13Aによって、保持体42が反転し、冷却板14が下方に位置し、熱板13が上方に位置するとともに、この熱板13が一対の熱プレス機12a、12bの直下まで上昇する。次に一対のクランパ11a、11bが降下して、積層体1の背面1Bが熱板13により支持される。
次に一対の熱プレス機12a、12bが回動レバー27a、27bにより閉方向に移動して、積層体1の表面1Cおよび裏面1Dのうち、一端部1A側が熱プレスされる。このとき各紙材2同士が積層体1の一端部1A側において熱溶融される。同時に積層体1の背面1Bも熱板13により熱融着される。
この場合、積層体1が例えば15枚の紙材2を含むとき、一対の熱プレス機12a、12bおよび熱板13の温度は130℃〜170℃であることが好ましく、かつ熱溶着時間は60秒〜120秒となっている。さらに一対の熱プレス機12a、12bは50N〜100Nの荷重で積層体1の一端部1Aを挟持する。なお、一対の熱プレス機12a、12bの先端厚みは2〜5mmとなっている。熱プレス機の先端厚みがこれ以上大きくなると、製本強度は増すが、紙材2を十分に開くことがむずかしくなる。
次に図14(c)に示すように、一対の熱プレス機12a、12bが開放され、積層体1が上昇する。その後、ストッパ62が開となってカバー紙8が自重により傾斜板60上を走行し、次にカバー紙8が積層体1の一端部1Aと一対の熱プレス機12a、12b間に挿入される。
次に熱板/冷却板駆動機構13Aによって保持体42が反転し、冷却板14が上方にきて、熱板13が下方にくる。同時に冷却板14は一対の熱プレス機12a、12bの直下まで上昇する(図14(d))。
なお、積層体1の一端部1Aを通過するカバー紙8は、ガイド64により案内されてストッパ63により係止される。
その後、図14(d)に示すように、一対のクランパ11a、11bによって積層体1が降下し、積層体1の背面1Bがカバー紙8の背面8cに当接し、積層体1の背面1Bおよびカバー紙8の背面8cは冷却板14によって支持される。
次に一対の熱プレス機12a、12bが閉方向に移動し、カバー紙8の表面8aおよび裏面8bが積層体1の一端部1A側に熱融着される。
カバー紙8の熱融着条件は、一対の熱プレス機12a、12bの温度190℃、20秒、加圧力は100Nとなっている。
このように積層体1の紙材2が積層体1の一端部1A側で熱融着され、カバー紙8の表面8aおよび裏面8bが積層体1の一端部1A側に熱融着されることにより冊子10が得られる。
次に一対の熱プレス機12a、12bが開き、一対のクランパ11a、11bにより冊子10が上昇し、その後冊子10は一対のクランパ11a、11bから外方へ取出される。
以上のように本実施の形態によれば、多数の紙材2からなる積層体1をその一端部1Aにおいて熱融着する際、一対の熱プレス機12a、12bと熱板13とによって積層体1の一端部1Aを3面から加熱することができ、各紙材2を容易に熱融着させることができる。また一端部1Aが熱融着された積層体1をカバー紙8で覆って、カバー紙8の表面8aおよび裏面8bを積層体1に熱融着させる場合は、一対の熱プレス機12a、12bによってカバー紙8の表面8aおよび裏面8bを挟持するとともに、カバー紙8の背面8cを冷却板14によって冷却するため、カバー紙8の背面8cの外表面が加熱されることはなく、これによりカバー紙8の背面8cの外表面が白化することもない。
本発明の変形例
次に本発明の更なる変形例について図16乃至図25により説明する。
このうち、図16乃至図18に示す変形例は、両面に樹脂層を有する多数の紙材2からなる積層体1の背面1Bを支持する熱板13および冷却板14の構造および積層体1のクランパ構造が異なるのみであり、他の構成は図1乃至図15に示す実施の形態と略同一である。
図16乃至図18において、図1乃至図15に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図16(a)に示すように、両面に樹脂層を有する多数の紙材2からなる積層体1が一対のクランパ11a、11bにより挟持されている。また積層体1の背面1Bが熱板13によって支持されており、かつ積層体1の一端部1Aが一対の熱プレス機12a、12bにより熱融着される。
この場合、冷却板14は熱板13の下方にあり、熱板13と冷却板14は、熱板/冷却板駆動機構13Aによって反転することができる。熱板13と冷却板14が熱板/冷却板駆動機構13Aによって反転すると、冷却板14が上方にくるとともに熱板13が下方にくる(図16(b))。
また図16(a)(b)に示すように、一対のクランパ11a、11bと一対の熱プレス機12a、12bとの間に、一対の追加クランパ69A、69Bが設けられ、この一対の追加クランパ69A、69Bによって積層体1をより堅固に保持することができる。
図16(a)(b)において、まず多数の紙材2からなる積層体1が一対のクランパ11a、11bにより挟持され、積層体1の背面1Bが熱板13により支持される。
次に一対の熱プレス機12a、12bが閉方向に移動して、積層体1の表面1Cおよび裏面1Dのうち、一端部1A側が熱プレスされる。このとき各紙材2同士が積層体1の一端部1A側において熱融着される。同時に積層体1の背面1Bも熱板13により熱融着される(図16(a))。
次に一対の熱プレス機12a、12bが開放され、熱板/冷却板駆動機構13Aによって熱板13と冷却板14が反転して冷却板14が上方にきて、熱板13が下方にくる。
また、一対のクランパ11a、11bによって積層体1が上昇し、表面8a、裏面8bおよび背面8cを有するカバー紙8が積層体1の一端部1Aと熱プレス機12a、12bとの間に挿入される。
次に一対のクランパ11a、11bによって積層体1が降下し、積層体1の背面1Bがカバー紙8の背面8cに当接し、積層体1の背面1Bおよびカバー紙8の背面8cは冷却板14によって支持される。また積層体1の表面1Cおよび裏面1Dとカバー紙8の表面8aおよび裏面8bが、一対の追加クランパ69A、69Bにより保持される。
次に一対の熱プレス機12a、12bが閉方向に移動し、カバー紙8の表面8aおよび裏面8bが積層体1の一端部1A側に熱融着される(図16(b))。
次に図17乃至図18により熱板13および冷却板14の変形例について述べる。
上記実施の形態において、熱板13および冷却板14として表面が平坦状の板材が用いられているが、これに限らず熱板13および冷却板14の表面に湾曲した断面形状をもつ凹部13a、14aを形成してもよい(図17参照)。
図17に示すように、熱板13および冷却板14の表面に湾曲した断面形状をもつ凹部13a、14aを形成することにより、多数の紙材2からなる積層体1の上端部に熱板13および冷却板14の凹部13a、14aに対応した形状をもつ湾曲した凹部70aを形成することができる。
このように積層体1の上端部に、湾曲した凹部70aを形成することにより、冊子10を構成する積層体1を見開く際、この凹部70aが指の引掛りとして機能するため、積層体1を容易に見開くことができる。
あるいはまた、熱板13および冷却板14の表面に三角形状の断面をもつ凹部13b、14bを各々設けてもよい(図18(a))。
この場合、積層体1の上端部に、凹部13b、14bに対応した三角形状の断面をもつ凹部70bを形成することができ、この凹部70bが指の引掛りとして機能するため、この凹部70bによって積層体1を容易に見開くことができる。
あるいはまた、熱板13および冷却板14の表面に傾斜面13c、14cを各々設けてもよい(図18(b))。
この場合、積層体1の上端部に、傾斜面13c、14cに対応した三角形状の断面をもつ傾斜面70cを形成することができ、この傾斜面70cが指の引掛りとして機能するため、この傾斜面70cによって積層体1を容易に見開くことができる。
あるいはまた、熱板13および冷却板14の表面に三角形状の断面をもつ凸部13d、14dを各々設けてもよい(図18(c))。
この場合、積層体1の上端部に、凸部13d、14dに対応した三角形状の断面をもつ凸部70dを形成することができ、この凸部70dが指の引掛りとして機能するため、この凸部70dによって積層体1を容易に見開くことができる。
あるいはまた、熱板13および冷却板14の表面に湾曲した断面をもつ凸部13e、14eを各々設けてもよい(図18(d))。
この場合、積層体1の上端部に、凸部13e、14eに対応した三角形状の断面をもつ凸部70eを形成することができ、この凸部70eが指の引掛りとして機能するため、この凸部70eによって積層体1を容易に見開くことができる。
次に図19によりカバー紙搬送機構8Aの変形例について述べる。
図19(a)に示すように、カバー紙搬送機構8Aは、冊子製造装置のフレーム25に取付けられた水平板25aと、カバー紙8を把持して水平板25a上へ送り、このカバー紙8を積層体1の一端部1Aと一対の熱プレス機12a、12bとの間に挿入するカバー紙クランパ55とを有している。
なお、カバー紙クランパ55は、駆動モータ56により駆動される駆動ベルト71に固定され、駆動ベルト71の走行に伴ってカバー紙8を水平板25a上へ送ることができる。
次に図19(b)によりカバー紙搬送機構8Aの他の変形例について述べる。
図19(b)に示すように、カバー紙搬送機構8Aは、冊子製造装置のフレーム25に取付けられた水平板25aと、カバー紙8を把持して水平板25a上へ送り、このカバー紙8を積層体1の一端部1Aと一対の熱プレス機12a、12bとの間に挿入するカバー紙クランパ55とを有している。
なお、カバー紙クランパ55は、駆動モータ56により駆動されるボールねじ72によって駆動される。そしてカバー紙クランパ55は、ボールねじ72により駆動されてカバー紙8を水平板25a上へ送ることができる。
次に図20乃至図22により、カバー紙搬送機構8Aの他の変形例について述べる。
図20(a)に示すように、カバー紙搬送機構8Aは、カバー紙8を把持して積層体1の一端部1Aと一対の熱プレス機12a、12bとの間に挿入するクリップ爪73を有している。
クリップ爪73は駆動モータ56により駆動されるボールねじ72によって駆動される。そしてクリップ爪73はボールねじ72によって駆動され、カバー紙8を走行させる。
ところでクリップ爪73は、爪本体73aと、爪本体73aにスプリング73cを介して取付けられた爪73bとを有している(図21(a)(b)(c))。
クリップ爪73の爪73bが開となった状態で、爪本体73aと爪73bとの間にカバー紙8が挿入される(図21(a))。
次にカバー紙8は爪本体73aと爪73bとの間で、スプリング73cの力によって挟持される(図21(b))。
そしてクリップ爪73がカバー紙8を積層体1の一端部1Aと一対の熱プレス機12a、12bとの間に挿入した後、クリップ爪73からカバー紙8が開放される(図21(c))。
なお、クリップ爪73としては、図21(a)(b)(c)に示す構造をもつものに限られることはなく、例えばクリップ爪73は爪本体73aと、この爪本体73に固着された板ばね式クリップ73dとを有していてもよい(図22(a)(b)(c))。
図22(a)に示すように、板ばね式クリップ73dが開いて、カバー紙8が板ばね式クリップ73d内に挿入される。次にカバー紙8は板ばね式クリップ73dの力によって挟持され(図22(b))、クリップ爪73がカバー紙8を積層体1の一端部と一対の熱プレス機12a、12bとの間に挿入した後、クリップ爪73からカバー紙8が開放される(図22(c))。
あるいは図20(b)に示すように、カバー紙搬送機構8Aは、カバー紙8を把持して積層体1の一端部1Aと一対の熱プレス機12a、12bとの間に挿入するクリップ爪73を有していてもよい。
次に図23(a)(b)(c)(d)により本発明の更なる変形例について述べる。
上記実施の形態において、一対のクランパ11a、11bによって保持された積層体1が上下方向に移動する例を示したが、これに限らず図23(a)(b)(c)(d)に示すように、一対のクランパ11a、11bによって保持された積層体1が上下方向に移動することなく、一対の熱プレス機12a、12bを上下方向に移動させてもよい。
図23(a)(b)(c)(d)において、冊子製造装置のフレーム25に取り付けられた水平板25a上に沿ってカバー紙8が走行するようになっている。また一対の熱プレス機12a、12bの直上に、一対のスライド板75a、75bが設けられ、この一対のスライド板75a、75bは一対の熱プレス機12a、12bと同時に上下方向へ移動するようになっている。また熱板/冷却板駆動機構13Aによって反転する熱板13および冷却板14も、熱プレス機12a、12bと同時に上下方向に移動可能となっている。
図23(a)に示すように、一対の熱プレス機12a、12bおよび熱板13によって積層体1の一端部1A側が熱プレスされた後、一対の熱プレス機12a、12bが開放され、熱板/冷却板駆動機構13Aによって冷却板14が上方にきて、熱板13が下方にくる。この状態で冷却板14、熱板13および熱板/冷却板駆動機構13Aと、一対の熱プレス機12a、12bと、一対のスライド板75a、75bとが降下して待機状態をとる。
次に、カバー紙搬送機構8Aによって表面8a、裏面8bおよび背面8cを有するカバー紙8が積層体1の一端部1Aと一対の熱プレス機12a、12bとの間に挿入される。
その後、図23(b)に示すように、冷却板14、熱板13および熱板/冷却板駆動機構13Aが上昇して、積層体1の背面1Bがカバー紙8の背面8cに当接し、積層体1の背面1Bおよびカバー紙8の背面8cは冷却板14によって支持される。
次に図23(c)に示すように、一対の熱プレス機12a、12bおよび一対のスライド板75a、75bが上昇し、一対のスライド板75a、75bによりカバー紙8がたわむ。
次に一対の熱プレス機12a、12bが閉方向に移動し、カバー紙8の表面8aおよび裏面8bが積層体1の一端部1A側に熱融着される(図23(d))。
カバー紙8の熱融着条件は、一対の熱プレス機12a、12bの温度120℃〜140℃、20秒〜30秒、加圧力は100Nとなっている。
このように積層体1の紙材2が積層体1の一端部1A側で熱融着され、カバー紙8の表面8aおよび裏面8bが積層体1の一端部1A側に熱融着されることにより冊子10が得られる。
次に一対の熱プレス機12a、12bが開き、冷却板14、熱板13および熱板/冷却板駆動機構13Aと、一対の熱プレス機12a、12bと、一対のスライド板75a、75bとが降下する。その後冊子10は一対のクランパ11a、11bから外方へ取出される。
次に図24(a)(b)(c)(d)および図25により本発明の更なる変形例について述べる。
上記実施の形態において、一対のクランパ11a、11bによって保持された積層体1が上下方向に移動する例を示したが、これに限らず図24(a)(b)(c)(d)および図25に示すように、一対のクランパ11a、11bによって保持された積層体1が上下方向に移動することなく、一対の熱プレス機12a、12bを水平状態から中央に向かって下方へ傾斜する傾斜状態へ移動させてもよい。
図24(a)(b)(c)(d)および図25において、冊子製造装置のフレーム25に取付けられた水平板25a上に沿ってカバー紙8が走行するようになっている。また一対の熱プレス機12a、12bは、水平状態から中央に向かって下方へ傾斜する傾斜状態へ移動可能となっている。
また熱板/冷却板駆動機構13Aによって反転する熱板13および冷却板14は上下方向へ移動自在となっている。
ところで図25に示すように、一対のクランパ11a、11bはクランパ筐体78aの内面に、クランパリンク78bを介して取付けられている。一対のクランパ11a、11b間に積層体1を挿入した場合、クランパリンク78bがクランパ11a、11bの自重で降下し、一対のクランパ11a、11bが内方へ移動して積層体1を挟持する。
図24(a)に示すように、一対の熱プレス機12a、12bおよび熱板13によって積層体1の一端部1A側が熱プレスされた後、一対の熱プレス機12a、12bが開放され、熱板/冷却板駆動機構13Aによって冷却板14が上方にきて、熱板13が下方にくる。この状態で冷却板14、熱板13および熱板/冷却板駆動機構13Aが降下し、一対の熱プレス機12a、12bが中央に向かって下方へ傾斜して傾斜状態(待機状態)をとる。
次に、カバー紙搬送機構8Aによって表面8a、裏面8bおよび背面8cを有するカバー紙8が積層体1の一端部1Aと一対の熱プレス機12a、12bとの間に挿入される。
その後、図23(b)に示すように、冷却板14、熱板13および熱板/冷却板駆動機構13Aが上昇して、積層体1の背面1Bがカバー紙8の背面8cに当接し、積層体1の背面1Bおよびカバー紙8の背面8cは冷却板14によって支持される。
次に図24(c)に示すように、一対の熱プレス機12a、12bが水平状態をとり、一対の熱プレス機12a、12bの先端によりカバー紙8がたわむ。
次に一対の熱プレス機12a、12bが閉方向に移動し、カバー紙8の表面8aおよび裏面8bが積層体1の一端部1A側に熱融着される(図24(d))。
カバー紙8の熱融着条件は、一対の熱プレス機12a、12bの温度120℃〜140℃、20秒〜30秒、加圧力は100Nとなっている。
このように積層体1の紙材2が積層体1の一端部1A側で熱融着され、カバー紙8の表面8aおよび裏面8bが積層体1の一端部1A側に熱融着されることにより冊子10が得られる。
次に一対の熱プレス機12a、12bが開き、冷却板14、熱板13および熱板/冷却板駆動機構13Aが降下する。その後冊子10は一対のクランパ11a、11bから外方へ取出される。
1 積層体
1A 一端部
1B 背面
1C 表面
1D 裏面
2 紙材
8 カバー紙
8a 表面
8b 裏面
8c 背面
11a、11b クランパ
11A クランパ駆動機構
12a、12b 熱プレス機
12A 熱プレス駆動機構
13 加熱板
13A 加熱板/冷却板駆動機構
14 冷却板
25 フレーム
26a、26b スライド板
27a、27b 回動レバー
30 リンク機構
30a 一方のリンク機構
30b 他方のリンク機構
35 一方のリンク部材
36 他方のリンク部材
37 連結ロッド
38 スプリング
43 位置決め板
43a スプリング取付具
43b 垂直端縁
45 従動歯車
46 駆動歯車
47 連結歯車
48 従動カム
49 駆動カム
50 スプリング
55 クランパ
60 傾斜板
62 ストッパ
63 ストッパ
69A、69B 追加クランパ
70a 凹部
70b 凹部
70c 傾斜面
70d 凸部
70e 凸部
71 駆動ベルト
72 ボールねじ
73 クリップ爪
75a、75b スライド板
78a クランパ筐体
78b クランパリンク

Claims (11)

  1. 両面に樹脂層を有する多数の紙材からなる積層体と、この積層体を覆うとともに、表面、裏面および背面を有するカバー紙とを有する冊子を製造するための冊子製造装置において、
    両面に樹脂層を有する多数の紙材からなる積層体を表面側および裏面側から挟持する一対のクランパと、
    一対のクランパを駆動するクランパ駆動機構と、
    積層体の表面および裏面のうち、積層体の一端部側を熱プレスして各紙材同士を熱融着させるとともに、カバー紙の表面および裏面を積層体の一端部へ熱融着させる一対の熱プレス機と、
    一対の熱プレス機を駆動する熱プレス機駆動機構と、
    積層体の背面側を支持可能な熱板および冷却板と、
    熱板および冷却板を順次積層体の背面側へ移動する熱板/冷却板駆動機構と、
    を備えたことを特徴とする冊子製造装置。
  2. カバー紙を積層体の一端部と、一対の熱プレス機との間に挿入するカバー紙搬送機構を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の冊子製造装置。
  3. カバー紙搬送機構は、複数のカバー紙を傾斜させて保持する傾斜板と、傾斜板に設けられ、カバー紙の一対の熱プレス機側端部を係止するストッパとを有することを特徴とする請求項2記載の冊子製造装置。
  4. 多数の紙材からなる積層体を一対のクランパ間に挿入する積層体搬送機構を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の冊子製造装置。
  5. 熱プレス機駆動機構は冊子製造装置のフレームと、回転駆動部と、フレーム上を摺動するとともに各熱プレス機に連結されたスライド板と、各スライド板を駆動する回動レバーと、回動駆動部と各回動レバーとを連結するリンク機構と、回動駆動部から各スライド板までのいずれかに介在された弾性部材とを有することを特徴とする請求項1記載の冊子製造装置。
  6. 弾性部材は、各スライド板と対応する回動レバーとの間に介在されていることを特徴とする請求項5記載の冊子製造装置。
  7. 弾性部材は各リンク機構内に内蔵されていることを特徴とする請求項5記載の冊子製造装置。
  8. 熱板/冷却板駆動機構は、冊子製造装置のフレームと、フレームに回動自在かつ昇降自在に設けられ、熱板と冷却板を保持する保持体と、保持体を回動させる受動歯車と、受動歯車に係合して受動歯車を駆動させる駆動歯車と、駆動歯車に同軸に設けられた駆動カムと、駆動カムに係合するとともに受動歯車に同軸に設けられ、駆動カムによって昇降する受動カムとを有することを特徴とする請求項1記載の冊子製造装置。
  9. 熱板/冷却板駆動機構は、フレームに設けられ垂直端縁を含む位置決め板と、受動カムに取付けられ位置決め板の垂直端縁に係合する反転ストッパとを有することを特徴とする請求項8記載の冊子製造装置。
  10. 受動カムと位置決め板と間に、反転ストッパを位置決め板の垂直端縁に当接させる引張スプリングを設けたことを特徴する請求項9記載の冊子製造装置。
  11. 熱板/冷却板駆動機構は回転駆動部を更に有し、駆動歯車は連結歯車を介して回転駆動部に連結されていることを特徴とする請求項8記載の冊子製造装置。
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