JP5440348B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
近年では、高画質の画像形成を実現するため、用紙のトナー像が形成された面(トナー面)に接触する定着ローラには、芯金の周面に弾性層が形成され、その表面にチューブやコーティング等の離型層(表層)が形成されたものが使用されている。
そこで、この定着ローラのキズに起因して光沢ムラが生じるのを解消するために、表面が一定の粗さに加工された摺擦部材(以下、リフレッシュローラ)を定着ローラに圧接して、定期的に定着ローラの表層を摺擦することにより、定着ローラの表面性状を回復させる技術が提案されている(例えば特許文献1)。
このように、リフレッシュローラにトナーが付着すると、表面の凹凸がなくなり表面粗さが不均一となるため、リフレッシュ処理により定着ローラの表面を均一に摺擦することができなくなり、リフレッシュ効果が低下する。
また、リフレッシュ処理時にはリフレッシュローラが定着ローラに接触することとなるが、リフレッシュローラにトナーが付着していると、このトナーが溶融されて定着ローラに再付着し、さらに用紙に転写することで画像を汚し、用紙に形成される画像の品質が劣化してしまう。
特許文献1に記載の定着装置では、定着ローラの表面をクリーニングするクリーニング部材とは別に、リフレッシュローラの表面をクリーニングするクリーニング部材を設け、定期的にリフレッシュローラに付着したトナーを除去するようにしている。
前記定着ローラの表面をクリーニングするクリーニング部材と、
所定の表面粗さを有し、前記定着ローラの表面を摺擦することにより前記定着ローラの表面性状を回復させる摺擦部材と、
前記摺擦部材に前記定着ローラの表面を摺擦させるリフレッシュモードと、前記摺擦部材の表面に付着したトナーを前記定着ローラに転写させて前記クリーニング部材で前記トナーを除去させるクリーニングモードと、を有し、モードに応じて各部材の状態を変更するように制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
前記制御部は、前記クリーニングモードにおける前記摺擦部材の回転方向を前記定着ローラに対して順方向に制御し、前記リフレッシュモードにおける前記摺擦部材の回転方向を前記定着ローラに対して逆方向に制御することを特徴とする。
本実施形態では、本発明に係る画像形成装置を、コピーやプリンタなどの機能を有するデジタル複合機(MFP:Multi Function Peripheral)に適用した例について説明する。なお、本発明に係る画像形成装置は、デジタル複合機に限定されるものではなく、用紙に画像形成する画像形成装置であれば、ファクシミリ装置、コピー又はプリンタ単体の装置などであってもよい。
画像形成装置1は、原稿に形成されているカラー画像を読み取って取得された画像データ、又は、ネットワークを介して外部の情報機器(例えばパーソナルコンピュータ)から入力された画像データに基づいて、用紙に色を重ね合わせて画像を形成する。画像形成装置1では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に対応する感光体ドラム23(23Y,23M,23C,23K)を連装し、一回の手順で各色トナー像を順次転写し、用紙にカラー画像を形成するタンデム方式を採用している。
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11、原稿画像走査装置12等で構成されている。自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。原稿画像走査装置12は、搬送された原稿dを光走査し、CCD(Charge Coupled Device)により光電変換して原稿画像を読み取る。ここで、画像には、図形や写真等のイメージデータの他、文字や記号等のテキストデータ等も含まれる。
なお、自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された多数枚の原稿dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることが可能となっている。読み取られた原稿画像のデータは画像形成部20内部の画像メモリ(図示略)に記憶され、順次出力用画像データとして読み出される。
クリーニング装置25は、1次転写後に感光体ドラム23の表面に残存するトナーを除去する。クリーニング装置27は、2次転写後に中間転写ベルト26aに残存するトナーを除去する。
そして、画像形成部20において、中間転写ベルト26aのトナー像が用紙の一方の面に一括して2次転写され、定着装置60により定着処理が施される。画像形成された用紙は、排紙ローラ104を備えた排紙装置33により機外の排紙トレイ33aに排紙される。
図2に示すように、定着装置60はベルトニップ方式の定着装置であり、定着ローラ61、加圧ユニット62、外部加熱ユニット63、クリーニングユニット64、リフレッシュローラ65等を備えて構成されている。
定着ローラ61は、例えば外径φ80の中空状のAl製芯金611に、シリコーンゴムからなる1.5mm厚の弾性層612が形成され、その上に50μm厚のPFAチューブからなる離型層613が形成された構成を有し、加熱源としてのハロゲンヒータ614が内蔵されている。なお、弾性層612上に離型材をコーティングして離型層613を形成するようにしてもよい。
定着ベルト625は、例えば70μm厚のポリイミド基材に、シリコーンゴムからなる180μm厚の弾性層が形成され、その上に50μm厚のPFAチューブからなる離型層が形成された構成を有する無端ベルトである。
分離ローラ621は、例えば外径φ20の中実状のSUS製ローラであり、ニップ部の出口において定着ベルト625を定着ローラ61に向けて押圧する。分離ローラ621は、定着ベルト625を押圧したときの軸方向の圧力分布を適正に保つために、軸方向端部から中央部に向けて増径するクラウン形状に成型されている。
固定押圧部材627の表面は、固定押圧部材627と定着ベルト625間の摺動抵抗を低減するために、例えば耐熱性樹脂からなる70μm厚の摺動シート628で被覆されている。摺動シート628は、固定押圧部材627の摺動面に沿うようにステー626に取り付けられている。
定着ベルト625が分離ローラ621と固定押圧部材627によって定着ローラ61に圧接されることにより、幅広のニップ部(例えばニップ幅:20mm)が形成される。
潤滑剤供給部材629は、ステー626に取り付けられ、例えばアラミド繊維等のフェルトからなるオイル含浸部材の上にPTFE多孔質体からなるオイル規制膜が袋状に形成された構成を有する。潤滑剤供給部材629は、オイル含浸部材から供給される潤滑剤を、オイル規制膜を介してインレットローラ622に塗布する。潤滑剤としては、例えば粘度100〜1000csのジメチルシリコンオイル、又は粘度100〜1000csのメチルフェニルシリコンオイル等のシリコンオイルが用いられる。
インレットローラ622のベルト搬送方向上流側に配設されたステアリングローラ623は、例えば一端を上下に移動させて、回転軸を揺動させることにより定着ベルト625の偏り(蛇行)を補正する。
定着ローラ61に付着したトナーは加熱ベルト633に転写され、クリーニングウェブ644により除去されることとなる。つまり、クリーニングユニット64は、定着ローラ61を間接的にクリーニングする。
クリーニングウェブ644を定着ローラ61に接触させて定着ローラ61を直接的にクリーニングする構成としてもよいが、定着ローラ61に擦れたキズが発生して画像品質の劣化を招く虞があるため、定着ローラ61を間接的にクリーニングする構成が望ましい。
図3において、制御部50は、CPU(Central Processing Unit)51、RAM(Random Access Memory)52、ROM(Read Only Memory)53等を備えて構成されている。CPU51は、ROM53から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM52に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロック(画像読取部10、画像形成部20、搬送部30、定着装置60等)の動作を集中制御する。
定着制御部66は、例えば定着ローラ61が所定の温度となるように加熱源(ハロゲンヒータ614、インレットローラ622に内蔵された加熱源、加熱ローラ631に内蔵された加熱源)を制御する。また、定着ローラ61やリフレッシュローラ65が所定の方向に所定の速度で回転するように、回転駆動部(図示略)を制御する。また、定着ベルト625、加熱ベルト633及びリフレッシュローラ65が、定着ローラ61に対して所定の圧接状態(押圧荷重)となるように、圧接状態調整部(図示略)を制御する。
特に、定着制御部66は、クリーニング処理時にはクリーニングモードに応じた設定で各定着ユニット61〜65の動作を制御し、リフレッシュ処理時にはリフレッシュモードに応じた設定で各定着ユニット61〜65の動作を制御する。
つまり、定着制御部66は、画像形成装置1がレディ状態となった場合には、定着ローラ61の温度がレディ温度となるように加熱源(ハロゲンヒータ614、インレットローラ622に内蔵された加熱源、加熱ローラ631に内蔵された加熱源)を制御する。なお、レディ温度は、画像形成装置1で画像形成の対象とされている紙種に応じて設定される(例えば180〜200℃)。
ここで、クリーニングモードの実行フラグは、例えばニップ部を通過した用紙の枚数が所定の通紙枚数に到達したとき(例えばA4サイズの通紙枚数が1000枚となったとき)、定着装置60で紙ジャムが発生したとき、又はユーザ操作によってキー入力部41からクリーニング処理の実行が指示されたときにオン状態とされる。
例えば、印刷ジョブに係る画像形成中に所定の通紙枚数に到達してクリーニングモードの実行フラグがオン状態になると、その印刷ジョブが完了して画像形成装置1がレディ状態となったときにクリーニング処理が実行される。
このように、クリーニング処理を定期的に行うことで、リフレッシュローラ65に付着したトナーがリフレッシュ処理時に定着ローラ61に再付着することはなくなるので、画像形成時に画像汚れが発生するのを防止できる。
このように、リフレッシュローラ65にトナーが付着する可能性の高い紙ジャムの発生時にクリーニング処理を行うことで、リフレッシュローラ65に付着したトナーがリフレッシュ処理時に定着ローラ61に再付着することはなくなるので、画像形成時に画像汚れが発生するのを防止できる。
具体的には、リフレッシュローラ65を定着ローラ61に所定の押圧荷重(例えば5.0N)で圧接させる。そして、定着ローラ61を所定方向(図2では時計回り)に線速400mm/secで回転させ、リフレッシュローラ65を定着ローラ61に対して順方向(図2では反時計回り)に線速400mm/secで回転させる。このとき、定着ローラ61の温度がリフレッシュ処理時よりも高くなるように加熱源を制御し(例えばレディ温度+10℃)、処理時間はリフレッシュ処理時間よりも長時間とする(例えば5min)。このように制御することで、リフレッシュローラ65を効率よくクリーニングすることができる。
そして、クリーニング処理が終了すると一連の処理が終了となり、レディ状態(画像形成を受け付ける状態)となる。クリーニング処理が終了すると、クリーニングモードの実行フラグがオフ状態とされる。
ここで、リフレッシュモードの実行フラグは、例えばニップ部を通過した用紙の枚数が所定の通紙枚数に到達したとき(例えばA4サイズの通紙枚数が1000枚となったとき)、又はユーザ操作によってキー入力部41からクリーニング処理の実行が指示されたときにオン状態とされる。
例えば、印刷ジョブに係る画像形成中に所定の通紙枚数に到達してリフレッシュモードの実行フラグがオン状態になると、その印刷ジョブが完了して画像形成装置1がレディ状態となったときにリフレッシュ処理が実行される。
また例えば、画像形成装置1がレディ状態となっているときに、ユーザ操作によりリフレッシュモードの実行フラグがオン状態になると、直ちにリフレッシュ処理が実行される。
なお、画像形成装置1がレディ状態に移行したときに、クリーニングモードの実行フラグとリフレッシュモードの実行フラグの両方がオン状態となっている場合には、まずクリーニング処理が実行され、リフレッシュローラ65の温度が元に戻った後(例えば次の印刷ジョブの終了後にレディ状態となったとき)にリフレッシュ処理が実行される。
具体的には、リフレッシュローラ65を定着ローラ61に所定の押圧荷重(例えば9.0N)で圧接させる。そして、定着ローラ61を所定方向(図2では時計回り)に線速50mm/secで回転させ、リフレッシュローラ65を定着ローラ61に対して逆方向(図2では時計回り)に線速400mm/secで回転させる。このとき、定着ローラ61の温度がレディ温度となるように加熱源を制御し、処理時間は例えば1minに設定される。
そして、リフレッシュ処理が終了すると一連の処理が終了となり、レディ状態(画像形成を受け付ける状態)となる。リフレッシュ処理が終了すると、リフレッシュモードの実行フラグがオフ状態とされる。
これにより、定着ローラ61用のクリーニングユニット64によりリフレッシュローラ65がクリーニングされるので、リフレッシュローラ65用にクリーニング部材を設ける必要がなくなる。したがって、定着装置60の構造が複雑化されることなく、低コスト化を図ることができる。
その結果、リフレッシュ処理後の画像形成において、画像汚れが多発した。No.1のクリーニング処理では、リフレッシュローラ65に付着したトナーをクリーニング処理で十分に除去しきれず、リフレッシュ処理時に定着ローラ61に再付着したと考えられる。
以上のような実験に基づいて、クリーニング処理の条件が最適化される。
これにより、リフレッシュローラ65に付着したトナーが容易に溶融され、定着ローラ61に転写されやすくなるので、クリーニング処理の効率が向上する。
例えば、本発明では、定着ローラ61をクリーニングするためのクリーニング部材として、クリーニングブレードを用いることもできる。
また、本発明は、定着ローラ61に加圧部材として加圧ローラを圧接させてニップ部を形成するローラニップ方式の定着装置に適用することもできる。
60 定着装置
61 定着ローラ
62 加圧ユニット
621 分離ローラ
622 インレットローラ
623 ステアリングローラ
624 支持ローラ
625 定着ベルト(加圧部材)
626 ステー
627 固定押圧部材
628 摺動シート
629 潤滑剤供給部材
63 外部加熱ユニット
631 加熱ローラ
632 支持ローラ
633 加熱ベルト
64 クリーニングユニット
641 元巻部
642 巻取部
643 押圧ローラ
644 クリーニングウェブ
65 リフレッシュローラ(摺擦部材)
Claims (10)
- 加熱源により所定の温度に加熱される定着ローラと、前記定着ローラに圧接される加圧部材を備え、前記定着ローラに前記加圧部材が圧接されることにより形成されたニップ部で、トナー像が形成された用紙を狭持搬送しながら、熱圧着により前記トナー像を前記用紙に定着させる定着装置であって、
前記定着ローラの表面をクリーニングするクリーニング部材と、
所定の表面粗さを有し、前記定着ローラの表面を摺擦することにより前記定着ローラの表面性状を回復させる摺擦部材と、
前記摺擦部材に前記定着ローラの表面を摺擦させるリフレッシュモードと、前記摺擦部材の表面に付着したトナーを前記定着ローラに転写させて前記クリーニング部材で前記トナーを除去させるクリーニングモードと、を有し、モードに応じて各部材の状態を変更するように制御する制御部と、を備えることを特徴とする定着装置。 - 前記制御部は、前記クリーニングモードにおける前記摺擦部材の温度が、前記リフレッシュモードにおける前記摺擦部材の温度よりも高くなるように制御することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記制御部は、前記クリーニングモードにおける前記定着ローラの設定温度を、前記リフレッシュモードにおける前記定着ローラの設定温度よりも高い温度に設定することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
- 前記制御部は、前記クリーニングモードにおける処理時間を、前記リフレッシュモードにおける処理時間よりも長く設定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の定着装置。
- 前記制御部は、前記クリーニングモードにおける前記定着ローラと前記摺擦部材の間の摩擦力が、前記リフレッシュモードにおける前記定着ローラと前記摺擦部材間の摩擦力よりも小さくなるように制御することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の定着装置。
- 前記摺擦部材は、前記定着ローラに対して接離可能に構成された回転ローラであり、
前記制御部は、前記クリーニングモードにおける前記摺擦部材の回転方向を前記定着ローラに対して順方向に制御し、前記リフレッシュモードにおける前記摺擦部材の回転方向を前記定着ローラに対して逆方向に制御することを特徴とする請求項5に記載の定着装置。 - 前記制御部は、前記ニップ部を通過した用紙の枚数が所定の通紙枚数に到達したことに基づいて前記クリーニングモードによる制御を行うことを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の定着装置。
- 前記制御部は、当該定着装置内でジャムが発生したことに基づいて前記クリーニングモードによる制御を行うことを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の定着装置。
- 前記制御部は、操作部からのクリーニング指示に基づいて前記クリーニングモードによる制御を行うことを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の定着装置。
- 請求項1から9の何れか一項に記載の定着装置を備え、この定着装置によって用紙上に形成されたトナー像を定着させることを特徴とする画像形成装置。
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