JP5438976B2 - 光学活性2−アリールピペラジン誘導体の製造法 - Google Patents

光学活性2−アリールピペラジン誘導体の製造法 Download PDF

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Description

本発明は、医薬及び農薬の合成中間体として有用な光学活性2−アリールピペラジン誘導体の製造法に関する。
光学活性2−アリールピペラジン誘導体を製造する方法としては、以下のような方法が挙げられる。
(1)4−クロロフェナシルブロミドを不斉還元し、続いてエポキシ体に誘導、更にアミノ化する。続いてチアゾリジン化合物に誘導化後、アジド化、還元、環化、還元を経て、対応する(R)−4−ベンジル−2−(4−クロロフェニル)−ピペラジンを製造する方法(特許文献1)。
(2)2−ブロモ−5−フルオロトルエンとケトカルボン酸誘導体のカップリング反応後、エチレンジアミンを用いて環化し、更に水素化と還元を経ることで得られる2−(5−フルオロトルエン−2−イル)ピペラジンのラセミ体を、L−マンデル酸を用いて光学分割することにより、(S)−2−(5−フルオロトルエン−2−イル)ピペラジンを製造する方法(特許文献2)。
(3)光学活性な(S)−N−(tert−ブトキシカルボニル)フェニルグリシンとグリシン誘導体を脱水縮合することでアミド体を取得し、環化、還元することにより、対応する(S)−4−ベンジル−2−フェニルピペラジンを製造する方法(特許文献3)。
特開2006−521370 WO2002/081461 WO2003/022835
しかしながら、従来技術(1)は工程数が多い上、高価な不斉還元剤を化学量論量用いている点や、爆発危険性が高いアジド中間体を経るプロセスである点で、工業化に好適とは言いがたい。従来技術(2)は、高価なケトカルボン酸誘導体や還元剤を用いる点や、最後に光学分割を行うことによる生産性の低さの点に課題がある。従来技術(3)は、高価な縮合剤や還元剤を用いている点に課題があり、更にアリール基の置換基によっては出発原料に非天然型のアミノ酸が必要となるため、汎用性の高い製造法とは言いがたい。
上記に鑑み、本発明者らは鋭意検討の結果、光学活性スチレンオキサイド誘導体から製造した光学活性置換アミノジオール誘導体を、塩基存在下にスルホニル化剤で処理し、続いてアミン化合物と反応させることにより、光学活性2−アリールピペラジン誘導体が簡便且つ高収率で製造できることを見出した。特に、光学活性1−アリル−2−アリールピペラジン誘導体は、更に遷移金属触媒存在下に水を作用させることで脱アリル化が進行し、対応する光学活性1−無置換−2−アリールピペラジン誘導体が製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本願発明は、下記式(4);
(式中、Arは置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、又は置換基を有してもよい炭素数3〜20のヘテロアリール基を表す。R1は置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、又は置換基を有してもよい炭素数3〜20のヘテロアリール基を表す。*は不斉炭素原子を表す。)で表される光学活性置換アミノジオール誘導体を、塩基の存在下にスルホニル化剤で処理し、続いて下記式(5);
2NH2 (5)
(式中、R2は水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、又は置換基を有してもよい炭素数3〜20のヘテロアリール基を表す。)で表されるアミン化合物を作用させることを特徴とする、下記式(1);
(式中、Ar、R1、R2、*は前記と同じ。)で表される光学活性2−アリールピペラジン誘導体、又はその塩の製造法に関する。
また、本願発明は、下記式(2);
(式中、Arは置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、又は置換基を有してもよい炭素数3〜20のヘテロアリール基を表す。R3は水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有してもよい炭素数3〜20のヘテロアリール基、又はアミノ基の保護基を表す。*は不斉炭素原子を表す。)で表される光学活性1−アリル−2−アリールピペラジン誘導体、又はその塩に、遷移金属触媒存在下、水を作用させることを特徴とする、下記式(3);
(式中、Ar、R3、*は前記と同じ。)で表される光学活性1−無置換−2−アリールピペラジン誘導体、又はその塩の製造法に関する。
更に本願発明は、下記式(2);
(式中、Arは置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、又は置換基を有してもよい炭素数3〜20のヘテロアリール基を表す。R3は水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有してもよい炭素数3〜20のヘテロアリール基、又はアミノ基の保護基を表す。*は不斉炭素原子を表す。)で表される光学活性1−アリル−2−アリールピペラジン誘導体、又はその塩に関する。
本願発明によれば、安価且つ入手容易な原料から、工業的に実施可能な方法で、簡便且つ効率的に高品質の光学活性2−アリールピペラジン誘導体を製造することが可能となる。
まず、本発明で使用する原料並びに生成物について説明する。
本発明における光学活性アミノジオール誘導体や光学活性置換アミノジオール誘導体の原料である光学活性スチレンオキサイド誘導体は、下記式(6);
で表される。
ここで、Arは置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、又は置換基を有してもよい炭素数3〜20のヘテロアリール基を表す。アリール基としては例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。ヘテロアリール基としては例えば、ピリジル基、フラニル基、チエニル基、ピローリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピラゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチアゾリル基、インドリル基等が挙げられる。
置換基としては例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数7〜12のアラルキルアミノ基、炭素数7〜12のジアラルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニルアミノ基、スルホン酸基、スルホンアミド基、アジド基、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、炭素数1〜12のアシル基、炭素数7〜12のアロイル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜12のアルキルオキシ基、炭素数7〜12のアラルキルオキシ基、炭素数6〜12のアリールオキシ基、炭素数1〜12のアシルオキシ基、炭素数7〜12のアロイルオキシ基、炭素数3〜12のシリルオキシ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニルオキシ基、又は炭素数1〜12のアルキルチオ基等が挙げられ、置換基の数は0〜5個が挙げられる。
Arとして特に好ましくは、フェニル基、又は4−クロロフェニル基である。
*は不斉炭素原子を表す。なお両対掌体の内、僅かでも一方の対掌体が過剰なものは全て本発明に含まれる。
前記化合物(6)の入手方法に関しては特に限定されないが、具体的には例えば、特開2006−521370に記載の方法等が挙げられる。
また、本発明における光学活性置換アミノジオール誘導体の原料となるアミノエタノール誘導体は、下記式(7);
で表される。
ここで、R1は置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、又は置換基を有してもよい炭素数3〜20のヘテロアリール基を表す。
アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、又はtert−ブチル基等が挙げられる。シクロアルキル基としては例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、又はシクロヘキシル基等が挙げられる。アルケニル基としては例えば、ビニル基、アリル基、メタリル基等が挙げられる。アラルキル基としては例えば、ベンジル基、1−フェネチル基等が挙げられ、アリール基としては例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。ヘテロアリール基としては例えば、ピリジル基、フラニル基、チエニル基、ピローリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピラゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチアゾリル基、インドリル基等が挙げられる。置換基の例および数は、前記Arの説明における例示と同様である。
1として好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、又はtert−ブチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、又はメタリル基等のアルケニル基;ベンジル基、又は1−フェネチル基等のアラルキル基;フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基等のアリール基であり、更に好ましくは、メチル基、アリル基、フェニル基、又はベンジル基である。
また本発明で用いられる光学活性置換アミノジオール誘導体は、上記光学活性スチレンオキサイド誘導体とアミノエタノール誘導体を反応させることにより得られるものであって、下記式(4);
で表される。ここで、Ar、R1、*は前記に同じである。
また本発明で用いられる光学活性アミノジオール誘導体は、上記光学活性スチレンオキサイド誘導体とアミノエタノールを反応させることにより得られるものであって、下記式(4’);
で表される。ここで、Ar、*は前記に同じである。
また本発明で用いられるアミン化合物は、下記式(5);
2NH2 (5)
で表される。
ここで、R2は水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、又は置換基を有してもよい炭素数3〜20のヘテロアリール基を表す。
これらの基の具体例は、前記R1の説明における例示と同様である。また、上記基が有していてもよい置換基の例及び数も前記R1の場合と同様である。
2として好ましくは、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、メタリル基等のアルケニル基;ベンジル基、1−フェネチル基等のアラルキル基;フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等のアリール基であり、更に好ましくは、水素原子、メチル基、tert−ブチル基、アリル基である。
また、本発明における光学活性2−アリールピペラジン誘導体およびその塩は、上記光学活性置換アミノジオール誘導体から得られるものであって、下記式(1);
で表される。ここで、Ar、R1、R2、*は前記に同じである。
また本発明における光学活性1−アリル−2−アリールピペラジン誘導体およびその塩は、上記光学活性置換アミノジオール誘導体から得られるものであって、下記式(2);
で表される。
ここで、Ar、*は前記に同じである。R3は水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、又は置換基を有してもよい炭素数3〜20のヘテロアリール基、又はアミノ基の保護基を表す。
上記アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、及びヘテロアリール基の具体例としては、前記R1の説明における例示と同様である。アミノ基の保護基としては、JOHN WILEY & SONS,INC.(ジョン・ウイリー・アンド・サンズ)社、Theodora W.Greene(テオドラ・ダブリュー・グリーン)著のPROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS Third edition(プロテクティヴ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス第3版)の494〜653頁に記載の2級アミンの保護基が挙げられる。
上記基が有していてもよい置換基の例及び数も、前記R1の説明における例示と同様である。
3として好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、メタリル基等のアルケニル基;ベンジル基、1−フェネチル基等のアラルキル基;フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等のアリール基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジロキシカルボニル等のカルバメート保護基であり、更に好ましくは、水素原子、メチル基、アリル基、ベンジル基、フェニル基、エトキシカルボニル基である。
なお、この光学活性1−アリル−2−アリールピペラジン誘導体およびその塩は、文献未記載の新規化合物である。
また本発明における光学活性1−無置換−2−アリールピペラジン誘導体およびその塩は、上記1−アリル−2−アリールピペラジン誘導体や光学活性置換アミノジオール誘導体などから得られるものであって、下記式(3);
で表される。ここで、Ar、R3、*は前記に同じである。
次に、上記の光学活性置換アミノジオール誘導体や光学活性2−アリールピペラジン誘導体等の製造法について説明する。
本発明を図で表すと以下のようになり、各工程について順を追って説明する。
工程1
本工程では、前記式(6)で表される光学活性スチレンオキサイド誘導体と前記式(7)で表されるアミノエタノール誘導体を反応させることにより、前記式(4)で表される光学活性置換アミノジオール誘導体を製造する。
本反応は特に反応溶媒を必要としないが、基質の溶解度が低いために攪拌が困難な場合などに反応溶媒を添加してもよい。
反応溶媒としては、反応に影響を与えない限りにおいて特に制限はなく、例えば、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸tert−ブチル等のエステル系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ジメチルプロピレンウレア等のウレア系溶媒;ヘキサメチルホスホン酸トリアミド等のホスホン酸トリアミド系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒を用いることができる。
好ましくは、水;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸tert−ブチル等のエステル系溶媒であり、更に好ましくは水、テトラヒドロフラン、トルエンである。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その混合比は特に制限されない。
溶媒の使用量としては、多すぎるとコストや後処理の点で好ましくないため、前記化合物(6)に対して好ましくは50倍重量以下であり、更に好ましくは20倍重量以下である。
前記化合物(7)の使用量は、反応収率向上や経済性の観点から前記化合物(6)に対して好ましくは0.5〜10倍モル量であり、より好ましくは0.5〜5倍モル量であり、特に好ましくは0.5〜3倍モル量である。
本工程の反応温度は、反応時間を短縮する一方で、副反応を抑制する目的で、好ましくは0〜150℃であり、更に好ましくは20〜100℃である。
また、本工程の反応時間については特に制限はなく、適宜設定すればよい。好ましくは1〜24時間であり、更に好ましくは3〜12時間である。
反応の際の前記化合物(6)、前記化合物(7)、および反応溶媒の添加方法や添加順序は特に制限されない。
反応終了後、前記化合物(4)は単離せずにそのまま後続工程に用いてもよいが、本工程では通常、下記式(8);
(式中、Ar、R1は前記に同じ。)で表される前記化合物(4)の位置異性体が不純物として副生し、混入する。この不純物を除去する目的で、晶析、分別蒸留、又はカラムクロマトグラフィー等の一般的な精製を行ってもよい。好ましくは前記化合物(4)と酸から塩を形成させて溶媒から晶析することにより、該塩を結晶として分離して、前記位置異性体(8)を母液に除去するとよい。
ここで、塩を形成させる際に用いる酸としては、例えば、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸;蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ピバル酸、クロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、L−酒石酸、D−酒石酸、マンデル酸等のカルボン酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸等のスルホン酸が挙げられる。好ましくは塩化水素、臭化水素、硫酸、酢酸、ピバル酸、シュウ酸、L−酒石酸、D−酒石酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、又はカンファースルホン酸であり、より好ましくは塩化水素である。
酸の使用量としては前記化合物(4)に対し、好ましくは0.5〜5倍モル量であり、更に好ましくは0.5〜1.5倍モル量である。
溶媒として特に制限はなく、例えば、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸tert−ブチル等のエステル系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ジメチルプロピレンウレア等のウレア系溶媒;ヘキサメチルホスホン酸トリアミド等のホスホン酸トリアミド系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒を用いることができる。
好ましくは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸tert−ブチル等のエステル系溶媒であり、更に好ましくはイソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、又はトルエンである。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その混合比は特に制限されない。
溶媒の使用量としては、多すぎるとコストや後処理の点で好ましくないため、前記化合物(4)に対して好ましくは50倍重量以下であり、更に好ましくは20倍重量以下である。
晶析を行う方法としては特に限定されないが、例えば以下のような方法が挙げられる。
(a)前記化合物(4)と酸の水溶液または酸と水を有機溶媒中混合した後、濃縮して水分を留去することにより結晶化させる方法。この場合、水と共沸しうる有機溶媒(例えば、酢酸エチル、トルエン等)を使用すると、共沸効果により水分を留去することもできる。
(b)前記化合物(4)を、有機溶媒中で酸と混合することにより結晶化させる方法。
(c)前記化合物(4)と酸を有機溶媒中で混合後、冷却して結晶化させる方法。
上記結晶化方法は、酸の種類と有機溶媒の組み合わせにより、適切に選択すれば良い。例えば、塩化水素、又は臭化水素はその水溶液である塩酸、又は臭化水素酸で取り扱う方が容易であるため、(a)の方法が適しており、また、メタンスルホン酸、酢酸等の通常非含水物として使用し易い酸を用いる場合は、(b)の方法を選択するのが好ましい。
(a)、(b)又は(c)の方法で得られた塩は、さらに下記(d)、(e)の晶析方法に付してもよい。
(d)前記化合物(4)の塩を有機溶媒に溶解させた後、冷却して結晶化させる方法。
(e)前記化合物(4)の塩を有機溶媒に溶解させた後、貧溶媒を添加または貧溶媒に濃縮置換することにより結晶化させる方法。
(e)の方法で用いる貧溶媒としては例えば、トルエン、ヘキサン等が挙げられる。 (a)、(b)、(c)、(d)、(e)の方法は、適宜組み合わせて結晶化を行ってもよい。また、結晶化の際には種晶を加えてもよい。
上記(a)〜(e)の結晶化方法における実施温度は、特に限定されないが、塩の種類と使用する溶媒の種類により適宜選択すればよく、好ましくは使用する溶媒種又は混合溶媒種に、前記化合物(4)の塩が溶解する温度未満で、目標とする析出量と結晶の品質に応じて設定すればよい。
上記(a)〜(e)の結晶化方法により析出した前記化合物(4)の塩は、減圧濾過、加圧濾過、又は遠心分離等の方法により分離、取得することができる。また、取得結晶中に母液が残存して結晶の純度が低下する場合は必要に応じて、更に有機溶媒で洗浄することにより、品質を高めることもできる。
結晶の乾燥方法としては、熱分解や溶融を避けて約60℃以下で、減圧乾燥(真空乾燥)するのが望ましい。
上記方法によって取得した前記化合物(4)の塩は、更に水酸化アルカリ金属等の塩基で処理することにより前記化合物(4)を遊離させ、抽出、濃縮等の操作を行うことにより、化学純度の向上した前記化合物(4)として取得することもできる。
工程2
本工程では、前記式(6)で表される光学活性スチレンオキサイド誘導体と前記式(7)においてR1が水素原子であるアミノエタノール(7’)を反応させることにより、前記式(4’)で表される光学活性アミノジオール誘導体を製造する。
本工程における反応溶媒、試剤の使用量、反応温度、反応時間、試剤の添加順序、及び反応後の処理については、工程1で行った説明と同じである。
工程3
本工程では、工程2で製造した前記式(4’)で表される光学活性アミノジオール誘導体のアミノ基に置換基を導入することにより、前記式(4)で表される光学活性置換アミノジオール誘導体を製造する。
本工程は、R1の種類に応じてその導入方法が異なり、最適な導入方法を適宜選択すればよい。例えば、R1が置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜20のアルケニル基、又は置換基を有してもよい炭素数7〜20のアラルキル基の場合、塩基存在下に対応する有機ハライド化合物、有機スルホネート化合物、有機ホスフェート化合物などと反応させるとよい。
また、R1が置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、又は置換基を有してもよい炭素数3〜20のヘテロアリール基の場合、対応するフッ化アリール又はフッ化ヘテロアリールと反応させるか、又はパラジウム触媒存在下に対応する塩化アリール、臭化アリール、ヨウ化アリール、塩化ヘテロアリール、臭化ヘテロアリール、又はヨウ化ヘテロアリールと反応させればよい。
具体的には、例えばR1がアリル基の場合について説明すると、前記化合物(4’)を塩基存在下に、塩化アリル、臭化アリル、又はヨウ化アリル等のハロゲン化アリルと反応させればよい。
塩基としては、トリエチルアミン、トリn−ブチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の第3級アミン類;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の金属炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の金属炭酸水素塩等が挙げられる。好ましくはトリエチルアミン、トリn−ブチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の第3級アミン類であり、更に好ましくはトリエチルアミンである。
前記塩基の使用量として好ましくは、前記化合物(4’)に対して、0.1〜10倍モル量であり、更に好ましくは1〜5倍モル量である。
ハロゲン化アリルの使用量として好ましくは、前記化合物(4’)に対して、1〜10倍モル量であり、更に好ましくは1〜5倍モル量である。
本工程の反応温度は、反応時間を短縮する一方で、副反応を抑制する目的で、好ましくは−20〜80℃であり、更に好ましくは0〜50℃である。
また、本工程の反応時間について特に制限はないが、好ましくは1〜24時間であり、更に好ましくは3〜12時間である。反応の際の前記化合物(4’)、塩基、ハロゲン化アリル、及び溶媒の添加方法や添加順序は特に制限されない。
反応終了後の処理としては、反応液から生成物を取得するための一般的な処理を行えばよい。例えば、反応終了後の反応液に水、又は必要に応じて塩酸水溶液、硫酸水溶液等の酸水溶液を加えて中和し、一般的な抽出溶媒、例えば酢酸エチル、ジエチルエーテル、塩化メチレン、トルエン、ヘキサン等を用いて抽出操作を行う。得られた抽出液から減圧加熱等の操作により、反応溶媒及び抽出溶媒を留去すると目的物が得られる。このようにして得られた目的物は、後続工程に使用できる十分な純度を有しているが、後続工程の収率、若しくは後続工程で得られる化合物の純度をさらに高める目的で、晶析、分別蒸留、カラムクロマトグラフィー等の一般的な精製手法により、さらに純度を高めてもよい。また工程1で説明したように、酸との塩を形成させて溶媒から晶析することにより、純度を向上させてもよい。
工程4
本工程では、工程1又は3で製造した前記式(4)で表される光学活性置換アミノジオール誘導体を塩基存在下にスルホニル化剤で処理し、続いて前記式(5)で表されるアミン化合物を作用させることにより、前記式(1)で表される光学活性2−アリールピペラジン誘導体、又はその塩を製造する。
なお、本工程の立体化学については、アリール基の結合した2位の不斉炭素の立体が保持される。即ち、前記化合物(4)の絶対立体配置がSの場合は、生成物である前記化合物(1)の絶対立体配置はSとなり、前記化合物(4)の絶対立体配置がRの場合は、生成物である前記化合物(1)の絶対立体配置はRとなる。
通常、この種の反応は立体化学の反転を伴って進行するはずであるが、本工程では立体化学が保持される。その理由についてはよく分かっていないが、一つの可能性として下記図に示したようなアジリジニウム塩を経由していると仮定すれば、立体化学が2回反転、つまり立体化学の保持された生成物が得られることを説明できる。
本工程のスルホニル化剤として好ましくは、塩化メタンスルホニル、塩化エタンスルホニル、無水トリフルオロメタンスルホニル、塩化ベンゼンスルホニル、塩化4−メチルベンゼンスルホニル、塩化4−クロロベンゼンスルホニル、塩化2−ニトロベンゼンスルホニル、塩化3−ニトロベンゼンスルホニル、塩化4−ニトロベンゼンスルホニル等が挙げられる。更に好ましくは塩化メタンスルホニルである。
スルホニル化剤の使用量として好ましくは、前記化合物(4)に対して、2〜10倍モル量であり、更に好ましくは2〜5倍モル量である。
本工程のスルホニル化に使用する塩基としては、前記工程3の説明において例示した塩基を挙げることができる。好ましくはトリエチルアミン、トリn−ブチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の第3級アミン類であり、更に好ましくはトリエチルアミンである。
塩基の使用量として好ましくは、前記化合物(4)に対して、2〜20倍モル量であり、更に好ましくは2〜10倍モル量である。
本工程の反応溶媒としては、上記塩基を使用してもよいが、経済性の観点で塩基を最低必要量しか加えない場合は、流動性を確保する目的で更に反応溶媒を添加してもよい。
上記反応溶媒としては、エーテル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、スルホキシド系溶媒、アミド系溶媒、ウレア系溶媒、ホスホン酸トリアミド系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒等が上げられ、これらの具体例としては、前記工程1において反応溶媒として例示した溶媒が挙げられる。
好ましくは、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸tert−ブチル等のエステル系溶媒であり、更に好ましくはトルエン、又は酢酸エチルである。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その混合比は特に制限されない。
上記反応溶媒の使用量としては、多すぎるとコストや後処理の点で好ましくないため、前記化合物(4)に対して好ましくは50倍重量以下、更に好ましくは20倍重量以下である。
本工程のスルホニル化の反応温度は反応時間を短縮する一方で、副反応を抑制する目的で、好ましくは−40〜80℃であり、更に好ましくは−20〜50℃である。また、本工程のスルホニル化の反応時間については特に制限はなく、好ましくは0.1〜24時間であり、更に好ましくは0.5〜12時間である。
本工程のスルホニル化において、前記化合物(4)、塩基、スルホニル化剤、反応溶媒の添加順序や添加方法は特に制限されない。
本工程では、スルホニル化が終了した時点で、続いて前記式(5)で表されるアミン化合物を反応液に添加し、環化反応を行わせる。前記化合物(5)が常温で液体又は固体である場合はそのまま加えればよいが、常温で気体であるアンモニア、メチルアミン、又はエチルアミン等の場合は、直接ガスを吹き込んでもよいし、又は水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒に溶解させたものを用いても良い。
前記化合物(5)の使用量は、前記化合物(4)に対して好ましくは1〜100倍モル量であり、更に好ましくは1〜20倍モル量である。
本工程の環化の反応温度は、副生成物の生成を抑制する観点から好ましくは−40〜80℃であり、更に好ましくは−20〜50℃である。
また、本工程の環化の反応時間については特に制限はなく、好ましくは1〜24時間であり、更に好ましくは3〜12時間である。
反応終了後の処理としては、反応液から生成物を取得するための一般的な処理を行えばよい。例えば、反応終了後の反応液に水、又は必要に応じて塩酸水溶液、硫酸水溶液等の酸水溶液を加えて中和し、一般的な抽出溶媒、例えば酢酸エチル、ジエチルエーテル、塩化メチレン、トルエン、ヘキサン等を用いて抽出操作を行う。得られた抽出液から減圧加熱等の操作により、反応溶媒及び抽出溶媒を留去すると目的物が得られる。
このようにして得られた目的物は、後続工程に使用できる十分な純度を有しているが、後続工程の収率、若しくは後続工程で得られる化合物の純度をさらに高める目的で、晶析、分別蒸留、カラムクロマトグラフィー等の一般的な精製手法により、さらに純度を高めてもよい。
又は、前記化合物(1)と酸から塩を形成させて溶媒から晶析することにより、化学純度又は光学純度を高めてもよい。
ここで、塩を形成させるための酸としては、前記工程1において化合物(4)の塩形成の際に例示した酸と同様である。
酸の使用量としては前記化合物(1)に対し、好ましくは0.5〜10倍モル量であり、更に好ましくは0.5〜3倍モル量である。
晶析に用いる溶媒としては特に制限はなく、前記工程1において化合物(4)と酸との塩の晶析の際に例示した溶媒と同様である。
上記溶媒の使用量としては、多すぎるとコストや後処理の点で好ましくないため、前記化合物(1)に対して好ましくは50倍重量以下であり、更に好ましくは20倍重量以下である。
晶析を行う方法としては特に限定されないが、前記工程1において、化合物(4)の晶析方法として説明した、前記(a)〜(e)の方法を同様に用いることができる。酸と溶媒の組み合わせに対する適切な方法も、前記化合物(4)の場合と同様である。また、結晶化に際して種晶を加えてもよい。
上記(a)〜(e)の結晶化方法における実施温度は、特に限定されないが、塩の種類と使用する溶媒の種類により適宜選択すればよく、好ましくは使用する溶媒種又は混合溶媒種に、前記化合物(1)の塩が溶解する温度未満で、目標とする析出量と結晶の品質に応じて設定すればよい。
上記(a)〜(e)の結晶化方法により析出した前記化合物(1)の塩は、減圧濾過、加圧濾過、又は遠心分離等の方法により分離、取得することができる。また、取得結晶中に母液が残存して結晶の純度が低下する場合は必要に応じて、更に有機溶媒で洗浄することにより、品質を高めることもできる。
結晶の乾燥方法としては、熱分解や溶融を避けて約60℃以下で、減圧乾燥(真空乾燥)するのが望ましい。
上記方法によって取得した前記化合物(1)の塩は、更に水酸化アルカリ金属等の塩基で処理することにより前記化合物(1)を遊離させ、抽出、濃縮等の操作を行うことにより、化学純度又は光学純度の向上した前記化合物(1)を取得することもできる。
工程5
本工程では、前記式(2)で表される光学活性1−アリル−2−アリールピペラジン誘導体、又はその塩に、遷移金属触媒存在下、水を作用させることにより、前記式(3)で表される光学活性1−無置換−2−アリールピペラジン誘導体、又はその塩を製造する。この工程により、収率よく化合物(3)を得ることが可能となる。
本工程に使用する前記化合物(2)は、工程4でアリルアミンを使用して製造したものを用いるとよい。この場合、前記化合物(2)のR3は前記R1と同じになる。また、R3がアミノ基の保護基であるものに関しては、例えばカルバメート型保護基やアシル型保護基の場合、R1がベンジル基である前記化合物(2)に対して、クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸n−プロピル、クロロ炭酸イソプロピル等のハロ炭酸エステル、又は塩化アセチル、塩化ピバロイル、塩化ベンゾイル、塩化4−メチルベンゾイル等のハロゲン化アシルを作用させることにより、ベンジル基との置換反応が進行し、対応するカルバメート保護体、又はアシル保護体を容易に製造することができる。
また本工程では、R3がアリル基である前記化合物(2)を出発原料に用いると、同時に脱アリル化が行われ、R3が水素原子である前記化合物(3)を得ることができる。
本工程の脱アリル化の機構に関しては、遷移金属触媒の作用によりアリル基の二重結合が異性化してエナミンが生成し、これが加水分解されることにより達成される。二重結合の異性化と加水分解は2段階で行ってもよいが、プロセス簡略化の観点から、二重結合の異性化を水中で行えば、連続して加水分解が進行することになる。
上記遷移金属触媒としては、8属(鉄、ルテニウム、オスニウム)、9属(コバルト、ロジウム、イリジウム)、又は10属(ニッケル、パラジウム、白金)の遷移金属が挙げられる。具体的には、8属のルテニウム、9属のロジウム、10属のパラジウム、又は10属の白金である。
より具体的には、例えば、炭素に担持されたルテニウム、塩化ルテニウム(III)、二酸化ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)、クロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)、アセタトヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)、カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)、ジクロロビス(アセトニトリル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)、クロロ(シクロペンタジエニル)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)等の「ルテニウム」;
炭素に担持されたロジウム、塩化ロジウム(III)、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)、ヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)、カルボニルヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)、1,5−シクロオクタジエン(ジフェニルホスフィン)ロジウム(I)過塩素酸塩、ノルボルナジエン(ジフェニルホスフィン)ロジウム(I)過塩素酸塩、ジフェニルホスフィンロジウム(I)過塩素酸塩、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンロジウム(I)過塩素酸塩、1,3−ビス(ジイソプロピルホスフィノプロパン)ロジウム(I)過塩素酸塩等の「ロジウム」;
炭素に担持されたパラジウム、硫酸バリウムに担持されたパラジウム、炭酸バリウムに担持されたパラジウム、炭酸カルシウムに担持されたパラジウム、アルミナに担持されたパラジウム、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、トリフルオロアセチルパラジウム(II)、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム(II)、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム(II)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(アセトニトル)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリエチルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等の「パラジウム」;
炭素に担持された白金、硫酸バリウムに担持された白金、炭酸バリウムに担持された白金、炭酸カルシウムに担持された白金、アルミナに担持された白金、塩化白金(II)、臭化白金(II)、酢酸白金(II)、トリフルオロアセチルパラジウム(II)、ビス(アセチルアセトナト)白金(II)、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)白金(II)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)白金(II)、ジクロロビス(アセトニトル)白金(II)、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)白金(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金(II)、テトラキス(トリエチルホスフィン)白金、テトラキス(トリフェニルホスフィン)白金のようなテトラキス(トリアルキルホスフィン)白金等の「白金」等が挙げられる。
好ましくは炭素に担持されたルテニウム、塩化ルテニウム(III)、二酸化ルテニウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)、炭素に担持されたロジウム、塩化ロジウム(III)、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)、炭素に担持されたパラジウム、塩化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、炭素に担持された白金であり、好ましくは炭素に担持されたパラジウム、塩化ロジウム(III)、塩化ルテニウム(III)であり、より好ましくは塩化ルテニウム(III)である。
なお、この塩化ルテニウム(III)を用いた脱アリル化は、文献未記載の新規知見である。
上記遷移金属触媒の使用量としては、前記化合物(2)に対し、好ましくは0.0001倍モル量〜10倍モル量であり、更に好ましくは0.001倍モル量〜1倍モル量、より好ましくは0.001倍モル量〜0.1倍モル量である。
上記水の使用量としては特に制限されないが、好ましくは前記化合物(2)に対して50倍重量以下、更に好ましくは20倍重量以下である。
また、水に溶解しにくい原料は更に有機溶媒を添加して溶解を助けることで、反応を加速することができる。
有機溶媒としては特に制限されず、例えば、前記工程1において反応溶媒として例示した溶媒を用いることができる。
有機溶媒の使用量としては、多すぎるとコストや後処理の点で好ましくないため、前記化合物(2)に対して好ましくは50倍重量以下、更に好ましくは20倍重量以下である。
また、原料の水への溶媒度を高める目的とエナミンの加水分解を促進する目的のために、更に酸を添加するとよい。
酸としては、例えば、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸;蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ピバル酸、クロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、L−酒石酸、D−酒石酸、マンデル酸等のカルボン酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸等のスルホン酸が挙げられる。好ましくは塩化水素、臭化水素、硫酸、酢酸、ピバル酸、シュウ酸、L−酒石酸、D−酒石酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、又はカンファースルホン酸であり、より好ましくは塩化水素、酢酸であり、特に好ましくは塩化水素である。なお、塩化水素は気体で取り扱いにくいため、代わりに塩酸を用いてもよい。
酸の使用量としては前記化合物(2)に対し、好ましくは0.5〜10倍モル量であり、更に好ましくは0.5〜3.0倍モル量である。
本工程の反応温度は低すぎると反応が遅く、高すぎると副反応のために収率が低下するため、好ましくは20〜150℃であり、更に好ましくは50〜120℃である。また本工程では、反応に悪影響を与える物質や失活した触媒を除去する為に、反応系中に活性炭等の吸着剤を添加しても良い。前記活性炭の使用量としては、遷移金属触媒の種類にもよるが、好ましくは前記遷移金属触媒に対し0.1〜10倍重量であり、更に好ましくは1〜3倍重量である。
反応の際の前記化合物(2)、遷移金属触媒、水、有機溶媒、酸、及び活性炭の添加方法や添加順序は特に制限されない。
反応終了後の処理としては、反応液から生成物を取得するための一般的な処理を行えばよい。例えば、反応終了後の反応液に水、又は必要に応じて水酸化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液を加えて中和し、一般的な抽出溶媒、例えば酢酸エチル、ジエチルエーテル、塩化メチレン、トルエン、ヘキサン等を用いて抽出操作を行う。得られた抽出液から減圧加熱等の操作により、反応溶媒及び抽出溶媒を留去すると目的物が得られる。
このようにして得られた目的物は、当該化合物を用いて行われる後続工程に使用できる十分な純度を有しているが、後続工程の収率、若しくは後続工程で得られる化合物の純度をさらに高める目的で、晶析、分別蒸留、カラムクロマトグラフィー等の一般的な精製手法により、さらに純度を高めてもよい。
又は、前記化合物(3)と酸から塩を形成させて溶媒から晶析することにより、化学純度又は光学純度を向上させてもよい。
ここで、酸としては、前記工程1において、化合物(4)の塩形成の際に例示した酸を挙げることができる。好ましくは塩化水素、臭化水素、硫酸、酢酸、ピバル酸、シュウ酸、L−酒石酸、D−酒石酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、又はカンファースルホン酸であり、より好ましくは塩化水素である。
酸の使用量としては前記化合物(3)に対し、好ましくは0.5〜10倍モル量であり、更に好ましくは0.5〜3倍モル量である。
晶析に用いる溶媒としては特に制限はなく、前記工程1において化合物(4)と酸との塩の晶析の際に例示した溶媒を挙げることができる。好ましくは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸tert−ブチル等のエステル系溶媒であり、更に好ましくはイソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、又はトルエンである。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その混合比は特に制限されない。
溶媒の使用量としては、多すぎるとコストや後処理の点で好ましくないため、前記化合物(3)に対して好ましくは50倍重量以下であり、更に好ましくは20倍重量以下である。
晶析を行う方法としては特に限定されないが、前記工程1において、化合物(4)の晶析方法として説明した前記(a)〜(e)の方法を同様に用いることができる。酸と溶媒の組み合わせに対する適切な方法も、前記化合物(4)の場合と同様である。また、結晶化に際して種晶を加えてもよい。
上記(a)〜(e)の結晶化方法における実施温度は、特に限定されないが、塩の種類と使用する溶媒の種類により適宜選択すればよく、好ましくは使用する溶媒種又は混合溶媒種に、前記化合物(3)の塩が溶解する温度未満で、目標とする析出量と結晶の品質に応じて設定すればよい。
上記(a)〜(e)の結晶化方法により析出した前記化合物(3)の塩は、減圧濾過、加圧濾過、又は遠心分離等の方法により分離、取得することができる。また、取得結晶中に母液が残存して結晶の純度が低下する場合は必要に応じて、更に有機溶媒で洗浄することにより、品質を高めることもできる。
結晶の乾燥方法としては、熱分解や溶融を避けて約60℃以下で、減圧乾燥(真空乾燥)するのが望ましい。
上記方法によって取得した前記化合物(3)の塩は、更に水酸化アルカリ金属等の塩基で処理することにより前記化合物(3)を遊離させ、抽出、濃縮等の操作を行うことにより、化学純度又は光学純度の向上した前記化合物(3)を取得することもできる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明する。これらの実施例は無論本発明を何ら限定するものではない。尚、実施例に記載している各中間体の化学純度、2−アリールピペラジン誘導体の化学純度、及び光学純度は、以下のHPLC法により分析した。なお、化学純度の標記である「%」は重量%を意味し、「area%」は面積百分率を意味している。
[化学純度分析法]
カラム:コスモシル5C18ARII 250×4.6mm(ナカライ製)、移動相:KH2PO4バッファー(pH4.6)/アセトニトリル=50/50(v/v)、流速:1.5ml/min、検出:UV 210nm、カラム温度:40℃。
[光学純度分析法:(R)−3−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルメチル)ヘキサヒドロピラジン]
本方法では、(R)−3−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルメチル)ヘキサヒドロピラジンの4位のアミノ基をアセチル保護した後に測定を行う。
カラム:CHIRALCEL AD−H 250×4.6mm(ダイセル化学製)、移動相:ヘキサン/イソプロピルアルコール=95/5(v/v)、流速:1.0ml/min、検出:UV 210nm、カラム温度:30℃、
保持時間:(R)−3−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルメチル)ヘキサヒドロピラジンのアセチル保護体;18.7分、(S)−3−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルメチル)ヘキサヒドロピラジンのアセチル保護体;26.5分。
(実施例1) (R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(フェニルメチル)アミノ]−1−エタノールの製造
(R)−4−クロロ−スチレンオキサイド928mg(6.0mmol)にN−ベンジルエタノールアミン1.36g(1.5当量)を入れ、70℃で3時間撹拌した。室温まで冷却し、標題化合物の反応混合物2.56gを得た(収率86%、化学純度69.0area%、N−ベンジルエタノールアミン9.2area%、位置異性体10.4area%混入)。化学純度分析法での保持時間:3.8分。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)1.65(br,2H),2.04−2.74(m,3H),2.83−2.90(m,1H),3.63−3.70(m,3H),3.86(d,1H),4.62−4.66(m,1H),7.20−7.36(m,9H)。
(実施例2) (R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(フェニルメチル)アミノ]−1−エタノール塩酸塩の製造
実施例1で製造した(R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(フェニルメチル)アミノ]−1−エタノール粗製物2.56g(収率86%、化学純度69.0area%、N−ベンジルエタノールアミン9.2area%、位置異性体10.4area%混入)にイソプロパノール10mlを加えて溶解した。この溶液に28重量%塩化水素/イソプロパノール溶液1.55g(2.0当量)を加えると結晶が析出した。25℃、1時間攪拌後、結晶を減圧濾別し、イソプロパノール5mLで洗浄後、真空乾燥することにより標題化合物を白色結晶1.63gとして得た(収率93%、化学純度97.2area%、N−ベンジルエタノールアミン0.9area%、位置異性体0.2area%混入)。化学純度分析法での保持時間:3.8分。
1H−NMR(D2O):δ(ppm)3.37―3.62(m,4H),4.03(m,2H),4.49−4.65(m,2H),5.09(m,1H),7.29−7.48(m,4H),7.55(m,5H)。
(実施例3) (R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(フェニルメチル)アミノ]−1−エタノールの製造
実施例2で製造した(R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(フェニルメチル)アミノ]−1−エタノール塩酸塩1.63g(4.8mmol、化学純度97%)に、蒸留水20mlとトルエン20ml、30重量%水酸化ナトリウム水溶液1.60g(2.0当量)を加えて撹拌した。分液後に有機層を蒸留水20mlで2回洗浄、得られた有機層を濃縮し、真空乾燥する事により、標題化合物を淡黄色油状物質1.80gとして得た(収率98%、化学純度97.8area%)。化学純度分析法での保持時間:3.8分。
(実施例4〜7) (R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(フェニルメチル)アミノ]−1−エタノールの製造
実施例1の製法を、下記で表される溶媒、反応温度の条件で実施した。結果を表1に示す。尚、反応時間は20時間で実施した。
(実施例8) (R)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(フェニルメチル)アミノ]−1−フェニル−1−エタノール塩酸塩の製造
(R)−スチレンオキサイド2.43g(20.0mmol)にN−ベンジルエタノールアミン3.34g(1.05当量)を入れ、70℃で4時間、更に100℃で1時間撹拌した。室温まで冷却し、標題化合物の反応混合物を得た。(化学純度75.8area%、N−ベンジルエタノールアミン4.0area%、位置異性体16.4area%混入)。反応混合物にイソプロパノール35mlを加えて溶解し、28重量%塩化水素/イソプロパノール溶液2.83g(1.1当量)を滴下すると結晶が析出した。25℃、1時間攪拌後、結晶を減圧濾別、トルエン10mLで洗浄後、真空乾燥することにより標題化合物を白色結晶4.44gとして得た(収率72%、化学純度97.7area%、N−メチルエタノールアミン2.6area%、位置異性体8.9area%混入)。化学純度分析法での保持時間:2.4分。
1H−NMR(D2O):δ(ppm)3.49(m,4H),4.02(m,2H),4.52−4.64(m,2H),5.09(m,1H),7.35(d,2H),7.40(m,3H),7.55(m,5H)。
(実施例9) (R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]−1−エタノール塩酸塩の製造
(R)−4−クロロ−スチレンオキサイド1.55g(10.0mmol)にN−メチルエタノールアミン788mg(1.05当量)を入れ、100℃で15時間撹拌した。室温まで冷却し、標題化合物の反応混合物を得た。(化学純度79.8area%、N−メチルエタノールアミン0.5area%、位置異性体5.4area%混入)。反応混合物に28重量%塩化水素/イソプロパノール溶液1.55g(1.2当量)を加え、酢酸エチル25mlを滴下すると結晶が析出した。25℃、17時間攪拌後、結晶を減圧濾別、酢酸エチル10mLで洗浄後、真空乾燥することにより標題化合物を白色結晶2.26gとして得た(収率78%、化学純度91.5area%、N−メチルエタノールアミン不検出、位置異性体3.6area%混入)。化学純度分析法での保持時間:1.8分。
1H−NMR(D2O):δ(ppm)3.06(s,3H),3.43−3.49(m,4H),3.98−4.00(t,2H),5.22(m,1H),7.42−7.49(m,4H)。
(実施例10) (R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]−1−エタノールの製造
実施例9で製造した(R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]−1−エタノール塩酸塩2.03g(化学純度91.5area%、7.0mmol)に、蒸留水10mlとトルエン10ml、30重量%水酸化ナトリウム水溶液1.11g(1.1当量)を加えて撹拌した。分液後に有機層を蒸留水10mlで2回洗浄、得られた有機層を濃縮し、真空乾燥する事により、標題化合物を淡黄色油状物質1.47gとして得た。(収率91%、化学純度95.3area%)化学純度分析法での保持時間:1.8分。
(実施例11) (R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(フェニル)アミノ]−1−エタノールの製造
(R)−4−クロロ−スチレンオキサイド1.55g(10.0mmol)に2−アニリノエタノール1.44g(1.05当量)を入れ、60℃で15時間撹拌した。室温まで冷却し、標題化合物の反応混合物3.38を得た(化学純度52.1area%、2−アニリノエタノール1.5area%、位置異性体28.4area%混入)。反応混合物をカラムクロマトグラフィー(充填剤シリカゲル、展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/1)にて精製し、得られたフラクションを濃縮、真空乾燥することにより標題化合物を淡黄色油状物質1.68gとして得た(収率:49%、化学純度91.7area%、2−アニリノエタノール不検出、位置異性体4.7area%混入)。化学純度分析法での保持時間:5.6分。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)2.58(br,1H),3.23−3.31(m,1H),3.36−3.40(m,1H),3.62−3.66(m,1H),3.89−3.94(m,2H),4.09−4.14(m,2H),5.06−5.10(m,1H),6.81(t,1H),6.90(d,2H),7.04(d,2H),7.21−7.25(m,4H)。
(実施例12) (R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1−エタノールの製造
(R)−4−クロロ−スチレンオキサイド1.84g(11.9mmol)に2−アミノエタノール2.18g(3.0当量)を入れ、25℃で17時間撹拌し、標題化合物の反応混合物を得た(化学純度70.9area%)。反応混合物に酢酸エチル5mlと飽和食塩水5mlを加え、分液後に有機層を蒸留水5mlで2回洗浄、得られた有機層を濃縮し、真空乾燥することにより、標題化合物を粘性のある白色固体1.47gとして得た。ここに、50℃の加温条件下で酢酸エチル4mlとヘキサン10mlからなる溶液を加えて1時間撹拌し、25℃まで冷却した。結晶を減圧濾別し、ヘキサン3mlで洗浄後、真空乾燥することにより標題化合物を白色結晶993mgとして得た(収率39%、化学純度92.5area%)。化学純度分析法での保持時間:1.7分。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)2.69−2.84(m,4H),2.98(br,2H),3.68(t,2H),4.70−4.73(m,1H),7.23−7.32(m,4H)。
(実施例13) (R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−プロペニル)アミノ]−1−エタノールの製造
実施例12で製造した(R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1−エタノール755mg(3.5mmol)にジメチルアセトアミド5ml、トリエチルアミン532mg(1.5当量)と臭化アリル508mg(1.2当量)を加え、25℃で16時間撹拌した。トルエン5mlと蒸留水5mlを加え、分液後に有機層を蒸留水5mlで2回洗浄、得られた有機層を濃縮し、真空乾燥することにより、標題化合物を無色透明油状物質817mgとして得た(収率79%、化学純度92.2area%)。化学純度分析法での保持時間:2.0分。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)2.54−2.69(m,3H),2.80−2.85(m,1H),2.93−3.34(m,2H),3.64−3.70(m,2H),4.67−4.70(m,1H),5.17−5.22(m,2H),5.80−5.89(m,1H),7.26−7.31(m,4H)。
(実施例14) (R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−1−エタノールの製造
実施例12で製造した(R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1−エタノール1.62g(7.5mmol)を酢酸エチル10mlに溶解し、5℃で二炭酸ジtert−ブチル1.80g(1.1当量)を加え、1時間撹拌した。有機層を蒸留水10mlで2回洗浄、得られた有機層を濃縮し、真空乾燥する事により、標題化合物を無色透明油状物質2.70gとして得た(収率88%、化学純度91.5area%)。化学純度分析法での保持時間:4.7分。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)1.49(s,9H),2.96−3.12(m,1H),3.13−3.29(m,2H),3.44−3.98(m,5H),4.94−5.11(m,1H),7.31(m,4H)。
(実施例15) (R)−2−(4−クロロフェニル)−4−(フェニルメチル)−1−(2−プロペニル)ヘキサヒドロピラジンの製造
実施例3で製造した(R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(フェニルメチル)アミノ]−1−エタノール490mg(1.6mmol)にトルエン1.96g、トリエチルアミン406mg(2.5当量)を加え、−20℃に冷却した。ここに、塩化メタンスルホニル404mg(2.2当量)を滴下し、続いてアリルアミン549mg(6.0当量)を滴下した。25℃まで昇温した後に18時間撹拌して、10重量%炭酸ナトリウム水溶液5mlを加えた。分液後、更にトルエン5mlを加えて水層から抽出し、有機層を合わせ、これを蒸留水5mlで2回洗浄した。得られた有機層を濃縮し、真空乾燥することにより、標題化合物の粗製物を黄色油状物質590mg(収率68%、化学純度65.6area%)として得た。化学純度分析法での保持時間:18.3分。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)2.03−2.09(m,1H),2.23−2.37(m,2H),2.47−2.52(m,1H),2.73−2.86(m,2H),3.02(d,1H),3.09−3.14(m,1H),3.30−3.33(m,1H),3.49(s,2H),5.03−5.07(m,2H),5.69−5.79(m,1H),7.22−7.31(m,9H)。
(実施例16) (R)−2−(4−クロロフェニル)−4−(フェニルメチル)−1−(2−プロペニル)ヘキサヒドロピラジンの製造
実施例3の方法で製造した(R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(フェニルメチル)アミノ]−1−エタノール4.34g(14.2mmol)にトルエン17.38g、トリエチルアミン5.03g(3.5当量)を加え、−20℃に冷却した。ここに、塩化メタンスルホニル5.21g(3.2当量)を滴下し、続いてアリルアミン4.86g(6.0当量)を滴下、1.5時間撹拌した。25℃まで昇温した後に17時間撹拌して、10重量%炭酸ナトリウム水溶液35.00gを加えた。分液後、更にトルエン35.00gを加えて水層から抽出し、有機層を合わせ、これを蒸留水35.00gで2回洗浄した。得られた有機層を濃縮し、真空乾燥することにより、標題化合物の粗製物を黄色油状物質4.89g(収率82%、化学純度89.8area%)として得た。化学純度分析法での保持時間:18.3分。
(実施例17) (R)−2−(4−クロロフェニル)−4−(フェニルメチル)−1−(2−プロペニル)ヘキサヒドロピラジンの製造
実施例3の方法で製造した(R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(フェニルメチル)アミノ]−1−エタノール612mg(2.0mmol)にトルエン2.45g、トリエチルアミン709mg(3.5当量)を加え、5℃に冷却した。ここに、塩化メタンスルホニル733mg(3.2当量)を滴下し、続いてアリルアミン685mg(6.0当量)を滴下した。25℃まで昇温した後に17時間撹拌して、10重量%炭酸ナトリウム水溶液3.41gを加えた。分液後、更にトルエン3mlを加えて水層から抽出し、有機層を合わせ、これを蒸留水5mlで洗浄した。得られた有機層を濃縮し、真空乾燥することにより、標題化合物の粗製物を黄色油状物質522mg(収率80%、化学純度83.4area%)として得た。化学純度分析法での保持時間:18.3分。
(実施例18) (R)−2−(4−クロロフェニル)−4−(フェニルメチル)−1−(2−プロペニル)ヘキサヒドロピラジン二塩酸塩の製造
実施例16の方法で製造した(R)−2−(4−クロロフェニル)−4−(フェニルメチル)−1−(2−プロペニル)ヘキサヒドロピラジン粗製物4.89g(11.6mmol)にイソプロパノール30mlを加えて溶解した。この溶液に28重量%塩化水素/イソプロパノール溶液3.30g(2.2当量)を加えると結晶が析出した。25℃、30分攪拌後、5℃に冷却して更に30分熟成した。結晶を減圧濾別し、酢酸エチル10mLで洗浄後、真空乾燥することにより標題化合物を白色結晶4.55gとして得た(収率96%、化学純度98.3area%)。化学純度分析法での保持時間:18.3分。
1H−NMR(D2O):δ(ppm)3.39−3.47(m,2H),3.53−3.79(m,4H),3.89−3.95(m,2H),4.43−4.55(m,3H),5.40−5.54(m,2H),5.71−5.81(m,1H),7.47−7.58(m,9H)。
(実施例19) (R)−2−フェニル−4−(フェニルメチル)−1−(2−プロペニル)ヘキサヒドロピラジン二塩酸塩の製造
実施例8で製造した(R)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(フェニルメチル)アミノ]−1−フェニル−1−エタノール塩酸塩4.00g(12.7mmol)に、蒸留水40mlとトルエン40ml、30重量%水酸化ナトリウム水溶液1.70g(1.0当量)を加えて撹拌した。分液後に有機層を蒸留水20mlで2回洗浄、得られた有機層を濃縮し、真空乾燥することにより濃縮物3.95gを得た。この濃縮物に酢酸エチル13.22g、トリエチルアミン4.50g(3.5当量)を加え、5℃に冷却した。ここに、塩化メタンスルホニル4.66g(3.2当量)を滴下、続いてアリルアミン4.34g(6.0当量)を滴下して、1時間撹拌した。25℃まで昇温した後に4時間撹拌し、10重量%炭酸ナトリウム水溶液21.54gを加え、分液後に蒸留水20mlで2回洗浄した。得られた有機層を濃縮して、濃縮物に酢酸エチル20mlを加えて溶解、この溶液に28重量%塩化水素/イソプロパノール溶液3.60g(2.2当量)を加えると結晶が析出した。25℃、1時間攪拌後、結晶を減圧濾別し、イソプロパノール50mlで洗浄後、真空乾燥することにより標題化合物を白色結晶2.96gとして得た(収率71%、化学純度98.4area%)。化学純度分析法での保持時間:7.9分。
1H−NMR(D2O):δ(ppm)3.35−3.79(m,6H),3.97(t,2H),4.46−4.60(m,3H),5.45(d,1H),5.55(d,1H),5.72−5.81(m,1H),7.49−7.60(m,10H)。
(実施例20) (R)−2−(4−クロロフェニル)−4−メチル−1−(2−プロペニル)ヘキサヒドロピラジン二塩酸塩の製造
実施例10で製造した(R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]−1−エタノール1.47g(9.1mmol)に、トルエン10.02g、トリエチルアミン1.70g(3.5当量)を加え、−20℃に冷却した。ここに、塩化メタンスルホニル1.76g(3.2当量)を滴下、続いてアリルアミン1.71g(6.0当量)を滴下して、1時間撹拌した。25℃まで昇温した後に12時間撹拌し、10重量%炭酸ナトリウム水溶液10.02gを加え、分液後に蒸留水10mlで2回洗浄した。得られた有機層を濃縮して、濃縮物に28重量%塩化水素/イソプロパノール溶液1.42g(2.2当量)、アセトン20mlを加えると結晶が析出した。25℃、1時間攪拌後、結晶を減圧濾別し、アセトン5mLで洗浄後、真空乾燥することにより標題化合物を淡褐色結晶1.05gとして得た(収率60%、化学純度91.7area%)。化学純度分析法での保持時間:18.5分。
1H−NMR(D2O):δ(ppm)3.06(s,3H),3.43−3.49(m,2H),3.53−3.60(m,1H),3.64−3.69(m,1H),3.71−3.77(m,1H),3.90−3.96(m,3H),4.57−4.61(m,1H),5.41−5.73(m,2H),5.73−5.79(m,1H),7.51−7.61(m,4H)。
(実施例21) (R)−2−(4−クロロフェニル)−4−フェニル−1−(2−プロペニル)ヘキサヒドロピラジンの製造
実施例11で製造した(R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(フェニル)アミノ]−1−エタノール1.68g(4.94mmol)に、酢酸エチル10ml、トリエチルアミン1.75g(3.5当量)を加え、5℃に冷却した。ここに、塩化メタンスルホニル1.81g(3.2当量)を滴下、続いてアリルアミン1.69g(6.0当量)を滴下して5℃で1時間、25℃で2時間撹拌した。更に反応溶液をオートクレーブに移し、50℃で18時間撹拌した。室温まで冷却後、10重量%炭酸ナトリウム水溶液8.38gを加え、分液後に蒸留水10mlで2回洗浄した。得られた有機層を濃縮して、濃縮物を黄色油状物質1.11gとして得た(化学純度30.2area%)。この濃縮物をカラムクロマトグラフィー(充填剤シリカゲル、展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/9)にて精製し、得られたフラクションを濃縮、真空乾燥することにより標題化合物を無色透明油状物質307mgとして得た(収率19%、化学純度98.1area%)。化学純度分析法での保持時間:56.6分。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)2.39−2.46(m,1H),2.51−2.57(m,1H),2.69−2.75(m,1H),2.93−2.99(m,1H),3.15−3.22(m,2H),3.39−3.43(m,1H),3.48−3.52(m,1H),3.61−3.67(m,1H),5.08(m,1H),5.11(m,1H),5.73−5.83(m,1H),6.84(t,1H),6.90(d,2H),7.24(t,2H),7.31−7.37(q,4H)。
(実施例22) (R)−2−(4−クロロフェニル)−1,4−ジ(2−プロペニル)ヘキサヒドロピラジンの製造
実施例13で製造した(R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(2−プロペニル)アミノ]−1−エタノール724mg(2.5mmol)に、テトラヒドロフラン2.51g、トリエチルアミン868mg(3.5当量)を加え、5℃に冷却した。ここに、塩化メタンスルホニル899mg(3.2当量)を滴下、続いてアリルアミン839mg(6.0当量)を滴下し、25℃まで昇温した後に12時間撹拌した。10重量%炭酸ナトリウム水溶液4.15gを加え、分液後、更にトルエン5mlを加えて水層から抽出し、有機層を合わせ、これを蒸留水5mlで2回洗浄した。得られた有機層を濃縮し、真空乾燥することにより、標題化合物を淡黄色油状物質709mgとして得た(収率92%、化学純度81.7area%)。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)1.99(t,1H),2.21(m,1H),2.33(m,1H),2.47−2.53(m,1H),2.76−2.81(m,1H),2.88−2.92(m,1H),2.98(t,2H),3.03−3.07(m,1H),3.11−3.17(m,1H),3.29−3.33(m,1H),5.04−5.17(m,4H),5.81−5.88(m,2H),7.26−7.32(q,4H)。
(実施例23) (R)−2−(4−クロロフェニル)−1,4−ジ(2−プロペニル)ヘキサヒドロピラジン二塩酸塩の製造
実施例22で製造した(R)−2−(4−クロロフェニル)−1,4−ジ(2−プロペニル)ヘキサヒドロピラジン613mg(2.2mmol)をトルエン5mlに溶解し、28重量%塩化水素/イソプロパノール溶液615mg(2.2当量)を加えると結晶が析出した。25℃、1時間攪拌後、結晶を減圧濾別し、トルエン5mLで洗浄後、真空乾燥することにより標題化合物を白色結晶643mgとして得た(収率93%、化学純度92.7area%)。化学純度分析法での保持時間:7.4分。
1H−NMR(D2O):δ(ppm)3.38−3.52(m,3H),3.59−3.68(m,2H),3.90−3.98(m,5H),4.52−4.56(m,1H),5.43(d,1H),5.53(d,1H),5.61−5.66(m,2H),5.73−5.83(m,1H),5.88−5.98(m,1H),7.50−7.60(m,4H)。
(実施例24) (R)−エチル−3−(4−クロロフェニル)−4−(2−プロペニル)ヘキサヒドロ−1−ピラジンカルボキシレートの製造
実施例18で製造した(R)−2−(4−クロロフェニル)−4−(フェニルメチル)−1−(2−プロペニル)ヘキサヒドロピラジン二塩酸塩400mg(1.0mmol)を蒸留水5mlに溶解し、トルエン5mlと30重量%水酸化ナトリウム水溶液401mg(3.0当量)を加えた。分液後、有機層を蒸留水5mlで2回洗浄し、濃縮した。この濃縮物にヘキサン5mlとクロロ炭酸エチル163mg(1.5当量)を添加して、25℃で24時間攪拌し、更にクロロ炭酸エチル328mg(3.0当量)を追加後に、40℃で24時間撹拌した。5℃まで冷却後、析出した結晶を減圧濾別し、ヘキサン2mlで洗浄後、真空乾燥することにより標題化合物を白色結晶22.5mg(収率7%、化学純度92.5%)として得た。更に濾液を濃縮し、濃縮物にトルエン5mlを添加、トルエンを留去する操作を3回繰り返し、真空乾燥する事により、標題化合物を白濁油状物質212mg(収率69%、化学純度95.9%)として得た。化学純度分析法での保持時間:22.7分。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)1.27(t,3H),2.88(m,1H),3.25(m,1H),3.62(m,2H),3.83(m,2H),4.05−4.42(m,5H),5.36(d,1H),5.56(d,1H),5.98(m,1H),7.48(m,2H),7.84(m,2H)。
(実施例25) (R)−3−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルメチル)ヘキサヒドロピラジン二塩酸塩の製造
実施例15で製造した(R)−2−(4−クロロフェニル)−4−(フェニルメチル)−1−(2−プロペニル)ヘキサヒドロピラジン357mg(1.1mmol)にエタノール3ml、蒸留水0.2ml、塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム 30mg(0.05当量)を加え、95℃で18時間攪拌した。反応液を濃縮し、濃縮物に1規定塩酸5mlとトルエン5mlを加え、生じた不溶物を濾別した。分液後、得られた水層(収率63%、化学純度77.5area%、光学純度97.7%e.e.)を濃縮してアセトン10mlを加えると結晶が析出した。25℃で1時間攪拌後、5℃に冷却して、更に1時間撹拌した。結晶を減圧濾別し、アセトン5mLで洗浄後、真空乾燥することにより標題化合物を白色結晶134mgとして得た(収率44%、化学純度99.1area%、光学純度99.9%e.e.)。化学純度分析法での保持時間:3.1分。
1H−NMR(D2O):δ(ppm)3.28(t,1H),3.38−3.54(m,2H),3.65−3.76(m,3H),4.33(q,2H),4.58(d,1H),7.43(d,2H),7.50(m,5H),7.52(d,2H)。
(実施例26) (R)−3−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルメチル)ヘキサヒドロピラジン二塩酸塩の製造
実施例18で製造した(R)−2−(4−クロロフェニル)−4−(フェニルメチル)−1−(2−プロペニル)ヘキサヒドロピラジン二塩酸塩104mg(0.25mmol)と塩化ルテニウム3mg(0.04当量)を加え、100℃で24時間攪拌した。反応液に30重量%水酸化ナトリウム水溶液85mg(2.5当量)とトルエン2mlを加え、生じた不溶物を濾別、不溶物を蒸留水2mlとトルエン2mlで洗浄した。濾液を分液後、有機層を蒸留水4mlで2回洗浄した。得られた有機層を濃縮し、真空乾燥することにより、標題化合物の粗製物を淡褐色油状物質68mgとして得た(収率87%、化学純度93.5area%、光学純度98.1%e.e.)。化学純度分析法での保持時間:3.1分。
(実施例27〜32)
実施例26に記載した反応の塩化ルテニウムを、下記表2に示す触媒(0.04当量)に変えて、反応時間15時間で実施した。
(実施例33〜38)
実施例26に記載した反応の塩化ルテニウムを、下記表3に示す触媒に変えて実施した。
(実施例39) (R)−3−フェニル−1−(フェニルメチル)ヘキサヒドロピラジンの製造
実施例19で製造した(R)−2−フェニル−4−(フェニルメチル)−1−(2−プロペニル)ヘキサヒドロピラジン二塩酸塩328mg(1.0mmol)を蒸留水3mlに溶解し、塩化ルテニウム5mg(0.02当量)と活性炭6mgを加えて100℃で24時間攪拌した。30重量%水酸化ナトリウム水溶液295mg(2.2当量)とトルエン3mlを加え、生じた不溶物を濾別、不溶物をトルエン3mlで洗浄した。濾液を分液後、有機層を蒸留水6mlで2回洗浄した。有機層を濃縮し、真空乾燥することにより、標題化合物を淡褐色油状物質227mgとして得た(収率91%、化学純度94.8area%)。化学純度分析法での保持時間:2.4分。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)1.74(br,1H),2.06(t,1H),2.15−2.21(m,1H),2.82−2.92(m,2H),3.04−3.07(m,2H),3.54(s,2H),3.86−3.90(m,1H),7.22−7.37(m,10H)。
(実施例40) (R)−3−(4−クロロフェニル)−1−メチルヘキサヒドロピラジンの製造
実施例20で製造した(R)−2−(4−クロロフェニル)−4−メチル−1−(2−プロペニル)ヘキサヒドロピラジン二塩酸塩1.06g(3.0mmol)を蒸留水9mlに溶解し、塩化ルテニウム28mg(0.04当量)を加え、100℃で12時間攪拌した。トルエン9mlを加えた後、不溶物濾過を行い、不溶物をトルエン9mlと蒸留水9mlで洗浄した。濾液に30重量%水酸化ナトリウム水溶液918mg(2.5当量)を加えて分液し、得られた有機層を蒸留水9mlで2回洗浄し、濃縮、真空乾燥することにより、標題化合物を淡褐色油状物質448mgとして得た(収率65%、化学純度88.4area%)。化学純度分析法での保持時間:2.2分。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)1.71(br,1H),1.91−1.97(m,1H),2.05−2.08(m,1H),2.31(s,3H),2.80−2.84(m,2H),3.02−3.07(m,2H),3.83−3.86(m,1H),7.26−7.34(m,4H)。
(実施例41) (R)−3−(4−クロロフェニル)−1−フェニルヘキサヒドロピラジンの製造
実施例21で製造した(R)−2−(4−クロロフェニル)−4−フェニル−1−(2−プロペニル)ヘキサヒドロピラジン二塩酸塩285mg(0.87mmol)に蒸留水2mlと濃塩酸181mg(2.0当量)、塩化ルテニウム9mg(0.04当量)、活性炭9mgを加え、100℃で18時間攪拌した。トルエン4mlと30重量%水酸化ナトリウム水溶液258mg(2.2当量)を加え、生じた不溶物を濾別、不溶物をトルエン2mlで洗浄した。濾液を分液後、有機層を蒸留水6mlで2回洗浄した。有機層を濃縮し、真空乾燥することにより、標題化合物を褐色油状物質89mgとして得た(収率29%、化学純度83.8area%)。化学純度分析法での保持時間:3.7分。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)1.72(br,1H),2.63−2.69(m,1H),2.86−2.91(m,1H),3.12−3.25(m,2H),3.60(t,2H),3.94−3.97(m,1H),6.86(t,1H),6.93(d,2H),7.25(t,2H),7.31−7.40(d,4H)。
(実施例42) (R)−2−(4−クロロフェニル)ヘキサヒドロピラジンの製造
実施例23で製造した(R)−2−(4−クロロフェニル)−1,4−ジ(2−プロペニル)ヘキサヒドロピラジン二塩酸塩288mg(0.75mmol)を蒸留水2mlに溶解し、塩化ルテニウム15mg(0.08当量)を加え、100℃で68時間攪拌した。冷却後、反応液にトルエン5mlを加えて有機層を廃棄し、水層にトルエン5mlと蒸留水4ml、30重量%水酸化ナトリウム水溶液250mg(2.5当量)を加えた。生じた不溶物を濾別し、水層を除去、得られた有機層を蒸留水2mlで洗浄した。有機層を濃縮し、真空乾燥する事により、淡褐色油状物質82mgとして得た(収率39%)。更に、ヘキサン2mlを加えると結晶が析出した。25℃で1時間攪拌後、結晶を減圧濾別し、ヘキサン1mLで洗浄後、真空乾燥することにより標題化合物を淡紫色結晶35.6mgとして得た(収率43%、化学純度83.6area%)。化学純度分析法での保持時間:1.8分。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)1.68(br,2H),2.62−2.68(m,1H),2.85−3.00(m,4H),3.08−3.11(m,1H),3.71−3.74(m,1H),7.26−7.33(d,4H)。
(実施例43) (R)−エチル−3−(4−クロロフェニル)ヘキサヒドロ−1−ピラジンカルボキシレートの製造
実施例24で製造した(R)−エチル−3−(4−クロロフェニル)−4−(2−プロペニル)ヘキサヒドロ−1−ピラジンカルボキシレート212mg(0.69mmol)に蒸留水2mlと濃塩酸71mg(1.0当量)、塩化ルテニウム7mg(0.04当量)を加え、100℃で93時間攪拌した。トルエン2mlを加えた後、不溶物を濾別し、不溶物をトルエン2mlと蒸留水2mlで洗浄した。濾液に30重量%水酸化ナトリウム水溶液110mg(1.2当量)を加えて分液し、得られた有機層を蒸留水4mlで2回洗浄した。得られた有機層を濃縮し、真空乾燥することにより、標題化合物を淡褐色油状物質72mgとして得た(収率38%、化学純度92.6area%)。化学純度分析法での保持時間:2.9分。
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)1.27(t,3H),1.63(br,1H),2.71(m,1H),2.85−3.04(m,2H),3.08(d,1H),3.69(d,1H),3.95−4.25(m,4H),7.29−7.36(m,4H)。
(実施例44) (R)−3−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルメチル)ヘキサヒドロピラジンの製造
実施例3の方法で製造した(R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(フェニルメチル)アミノ]−1−エタノール490mg(1.6mmol)にトルエン1.96g、トリエチルアミン405mg(2.5当量)を加え、5℃に冷却した。ここに、塩化メタンスルホニル403mg(2.2当量)を滴下し、続いて5規定メタノール性アンモニア4ml(12.5当量)を滴下した。25℃まで昇温した後に17時間撹拌、反応液の濃縮後に蒸留水5mlとトルエン5ml、更に30重量%水酸化ナトリウム水溶液534mg(2.5当量)を加えて抽出した。分液後、有機層を蒸留水5mlで2回洗浄し、濃縮、真空乾燥することにより、標題化合物の粗製物を無色透明油状物質483mg(収率27%、化学純度61.3area%、光学純度98.7%e.e.)として得た。化学純度分析法での保持時間:3.1分。
(実施例45) (R)−3−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルメチル)ヘキサヒドロピラジン二塩酸塩の製造
実施例44で製造した(R)−3−(4−クロロフェニル)−1−(フェニルメチル)ヘキサヒドロピラジン197mg(0.17mmol、光学純度98.7%e.e.)をイソプロパノール2mlに溶解し、濃塩酸106mg(6.0当量)を加え撹拌した。この溶液を濃縮し、アセトン2.5mlを加えて50℃まで昇温、均一溶液を得た。この溶液を25℃まで冷却し、アセトン5mlと種結晶を加えると結晶が析出したので、元の液量まで濃縮し、25℃で1時間、更に5℃で1時間撹拌した。結晶を減圧濾別し、アセトン1.5mlで洗浄後、真空乾燥することにより、標題化合物を白色結晶11.1mgとして得た(収率17%、化学純度98.0area%、光学純度99.8%e.e.)。化学純度分析法での保持時間:3.1分。
(実施例46) (R)−2−(4−クロロフェニル)−1−メチル−4−(フェニルメチル)ヘキサヒドロピラジン二塩酸塩の製造
実施例3の方法で製造した(R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(フェニルメチル)アミノ]−1−エタノール610mg(2.0mmol)にトルエン2.44g、トリエチルアミン708mg(3.5当量)を加え、−20℃に冷却した。ここに、塩化メタンスルホニル734mg(3.2当量)を滴下し、続いて40重量%メチルアミン水溶液932mg(6.0当量)を滴下した。−20℃で1時間撹拌した後、25℃まで昇温して16時間撹拌した。反応液に10重量%炭酸ナトリウム水溶液3.39g(1.6当量)を加え、分液後に有機層を蒸留水3mlで2回洗浄、濃縮した。濃縮物にイソプロパノール8mlを加えて再び濃縮し、得られた濃縮物をイソプロパノール5mlに溶解し、この溶液に28重量%塩化水素/イソプロパノール溶液568mg(2.2当量)を加えると結晶が析出した。25℃、2時間攪拌後、結晶を減圧濾別し、イソプロパノール2mlで洗浄後、真空乾燥することにより標題化合物を白色結晶521mgとして得た(収率66%、化学純度98.6area%)。化学純度分析法での保持時間:7.7分。
1H−NMR(D2O):δ(ppm)2.71(s,3H),3.55−3.67(m,2H),3.74−3.80(m,2H),3.90−3.97(m,2H),4.46−4.57(m,3H),7.47−7.59(m,9H)。
(実施例47) (R)−2−(4−クロロフェニル)−1−(1,1−ジメチルエチル)−4−(フェニルメチル)ヘキサヒドロピラジン二塩酸塩の製造
実施例3の方法で製造した(R)−1−(4−クロロフェニル)−2−[(2−ヒドロキシエチル)(フェニルメチル)アミノ]−1−エタノール610mg(2.0mmol)にトルエン2.44g、トリエチルアミン708mg(3.5当量)を加え、5℃に冷却した。ここに、塩化メタンスルホニル734mg(3.2当量)を滴下し、続いてtert−ブチルアミン879mg(6.0当量)を滴下した。5℃で1時間撹拌した後、25℃まで昇温して16時間撹拌した。反応液に10重量%炭酸ナトリウム水溶液3.39g(1.6当量)を加え、分液後に有機層を蒸留水3mlで2回洗浄、濃縮した。濃縮物にイソプロパノール8mlを加えて再び濃縮し、得られた濃縮物をイソプロパノール5mlに溶解し、この溶液に28重量%塩化水素/イソプロパノール溶液570mg(2.2当量)を加えると結晶が析出した。25℃、3時間攪拌後、結晶を減圧濾別し、イソプロパノール2mlで洗浄後、真空乾燥することにより標題化合物を白色結晶192mgとして得た(収率18%、化学純度98.0area%)。化学純度分析法での保持時間:6.2分。
1H−NMR(D2O):δ(ppm)1.20(s,9H),3.37−3.57(m,4H),3.79(m,1H),3.98−4.04(m,1H),4.23−4.35(m,2H),4.70−4.74(m,1H),7.47(bs,5H),7.55(bs,4H)。

Claims (11)

  1. 下記式(4);
    (式中、Arは置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、又は置換基を有してもよい炭素数3〜20のヘテロアリール基を表す。R1は置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、又は置換基を有してもよい炭素数3〜20のヘテロアリール基を表す。*は不斉炭素原子を表す。)で表される光学活性置換アミノジオール誘導体を、塩基の存在下にスルホニル化剤で処理し、続いて下記式(5);
    2NH2 (5)
    (式中、R2は水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、又は置換基を有してもよい炭素数3〜20のヘテロアリール基を表す。)で表されるアミン化合物を作用させ下記式(1);
    (式中、Ar、R1、R2、*は前記と同じ。)で表される光学活性2−アリールピペラジン誘導体、又はその塩を製造する方法であって、
    前記化合物(4)の絶対立体配置がSの場合は前記化合物(1)の絶対立体配置がSとなり、前記化合物(4)の絶対立体配置がRの場合は前記化合物(1)の絶対立体配置がRとなることを特徴とする光学活性2−アリールピペラジン誘導体、又はその塩の製造法。
  2. 前記塩基がトリエチルアミンであり、前記スルホニル化剤が塩化メタンスルホニルである、請求項1に記載の製造法。
  3. 前記式(4)で表される光学活性置換アミノジオール誘導体が、下記式(6);
    (式中、Ar、*は前記に同じ。)で表される光学活性スチレンオキサイド誘導体と下記式(7);
    (式中、R1は前記に同じ。)で表されるアミノエタノール誘導体を反応させることにより製造されたものである、請求項1又は2に記載の製造法。
  4. 前記化合物(4)と酸から塩を形成させて溶媒から晶析することにより、該塩を結晶として分離し、前記化合物(6)と前記化合物(7)の反応に際して副生した位置異性体(8);
    (式中、Ar、R1は前記と同じ。)を母液に除去することを特徴とする、請求項に記載の製造法。
  5. 前記式(4)で表される光学活性置換アミノジオール誘導体が、下記式(6);
    (式中、Ar、*は前記に同じ。)で表される光学活性スチレンオキサイド誘導体と下記式(7’);
    で表されるアミノエタノールを反応させることにより、下記式(4’);
    (式中、Ar、*は前記に同じ。)で表される光学活性アミノジオール誘導体を製造し、続いてアミノ基に置換基を導入することにより製造されたものである、請求項1又は2に記載の製造法。
  6. 2 が水素原子、メチル基、tert−ブチル基、又はアリル基である、請求項1〜5のいずれかに記載の製造法。
  7. 下記式(2);
    (式中、Arは置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、又は置換基を有してもよい炭素数3〜20のヘテロアリール基を表す。R3前記R 1 に同じ。*は不斉炭素原子を表す。)で表される光学活性1−アリル−2−アリールピペラジン誘導体、又はその塩を請求項1〜6のいずれかに記載の方法によって製造し、
    得られた光学活性1−アリル−2−アリールピペラジン誘導体、又はその塩に、遷移金属触媒存在下、水を作用させることを特徴とする、下記式(3);
    (式中、Ar、R3、*は前記と同じ。)で表される光学活性1−無置換−2−アリールピペラジン誘導体、又はその塩の製造法。
  8. 前記遷移金属触媒が塩化ルテニウム(III)である、請求項7に記載の製造法。
  9. Arがフェニル基、又は4−クロロフェニル基であり、R1がメチル基、アリル基、ベンジル基、又はフェニル基である、請求項1〜のいずれかに記載の製造法。
  10. 下記式(2);
    (式中、Arは置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、又は置換基を有してもよい炭素数3〜20のヘテロアリール基を表す。R3は水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜20のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数7〜20のアラルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜20のアリール基、置換基を有してもよい炭素数3〜20のヘテロアリール基、又はアミノ基の保護基を表す。*は不斉炭素原子を表す。)で表される光学活性1−アリル−2−アリールピペラジン誘導体、又はその塩。
  11. Arがフェニル基、又は4−クロロフェニル基であり、R3が水素原子、メチル基、アリル基、ベンジル基、フェニル基、又はエトキシカルボニル基である、請求項10に記載の光学活性1−アリル−2−アリールピペラジン誘導体、又はその塩。
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