JP5438500B2 - 無段変速機 - Google Patents

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本発明は、自動車等の車両に搭載される無段変速機に関し、特にドライバからの操作に応じた変速比の選択が可能なものに関する。
自動車のエンジン等の走行用動力源の出力を変速する変速機として、実走行での燃料消費率が良好な無段変速機の採用が拡大している。このような無段変速機は、車両の運転状態やドライバからのトルク要求に応じて自動的に変速比を設定する自動変速を行うほか、ドライバからの変速操作に応じて予め設定された複数の変速比から任意の1つの選択を行ういわゆるマニュアルモードを備えたものが提案されている。
マニュアルモードは、一般に例えば5段から7段程度の変速比を予め設定し、ドライバからのシフトアップ操作及びシフトダウン操作に応じて次段の変速比へ順次変速するものである。
従来、このようなマニュアルモードを備えた無段変速機に関する従来技術として、例えば特許文献1には、入力回転数の最低値を車両の走行抵抗に応じて設定するとともに、入力回転数が最低値以下となる変速操作が継続して行われた場合には、このような変速操作を受け付けるようにしたものが記載されている。
また、特許文献2には、変速操作がなく制動要求があった場合に、所定の入力回転数を維持するよう変速比を制御するとともに、制動要求が低下した場合には現在の変速比を維持するようにしたマニュアルモード付き無段変速機が記載されている。
特開2005−195158号公報 特開2005−201320号公報
既存のマニュアルモード付き無段変速機において、例えば5段から7段程度の変速比から1つを選択する場合、多様な走行状態に応じて常に適切な変速比を設定できない場合があった。
例えば、コーナーからの立ち上がり加速を良好としたり、エンジンブレーキによる制動力を高める目的で、エンジン回転数を上昇させるためシフトダウンをした際に、1段シフトダウンしただけではエンジンの回転数が十分に上昇せず、2段シフトダウンするとエンジンの回転数が高くなりすぎるといった場合があった。
本発明の課題は、ドライバからの変速操作により適切な変速比を選択可能な無段変速機を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1の発明は、自動車の走行用動力源の回転出力を増減速するとともに変速比を無段階に変更可能な無段変速機構と、変速操作が入力される変速操作部と、前記変速操作部から入力される変速操作に応じて前記無段変速機構の変速比を変化させる変速制御部とを備える無段変速機であって、前記変速操作部は第1の変速操作及び前記第1の変速操作に引き続いて行われる第2の変速操作が入力可能であるとともに中立位置から前記第1の変速操作に対応する第1の位置、前記第2の変速操作に対応する第2の位置に順次移動可能な可動被操作部材を有し、前記可動被操作部材の前記第1の位置への移動によって前記第1の変速操作が入力されかつ前記第2の位置への移動によって前記第2の変速操作が入力され、前記変速制御部は、運転状態に基づいて、CVTの変速比を設定する自動モード、及び、複数段の変速比が予め設定されドライバからの変速操作に応じて前記変速比を切り換えるマニュアルモードを備えるとともに、前記マニュアルモードにおいては前記第1の変速操作に応じて前記無段変速機構に前記第1の変速操作開始時の変速比から次段の変速比への変速を行わせ、前記第2の変速操作に応じて前記無段変速機構に前記第1の変速操作開始時の変速比から次段の変速比と次々段の変速比との中間に設定される中間変速比への変速を行わせることを特徴とする無段変速機である。
これによれば、次段への変速では変速比の変化量が不足し、次々段まで変速すると変速比の変化量が過大となる場合に、第2の変速操作を行うと次段と次々段との中間変速比への変速が可能であり、適切な変速比を選択することができる。
また、可動被操作部材を第1の位置、第2の位置へ順次移動させることによって、簡単な操作によって第2の変速操作を入力することができる。
請求項2の発明は、前記変速操作部は、前記第1の変速操作を検出する第1のスイッチ、及び、前記第1の変速操作が行われたときのみ作動して前記第2の変速操作を検出する第2のスイッチを有することを特徴とする請求項1に記載の無段変速機である。
これによれば、第1及び第2の変速操作を適切に検出するとともに、誤操作によって第2の変速操作が入力されることを防止できる。
請求項の発明は、前記可動被操作部材の前記中立位置から前記第1の位置への移動方向と前記第1の位置から前記第2の位置への移動方向を異ならせて配置したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無段変速機である。
これによれば、ドライバが第1の変速操作を意図している際に、誤操作によって第2の変速操作が行われることを防止できる。
請求項の発明は、前記可動被操作部材における前記第1の位置から前記第2の位置への操作力は、前記中立位置から前記第1の位置への操作力よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の無段変速機である。
これによれば、誤操作を防止するとともに、ドライバが第2の変速操作が行われたか否かを適切に感知することができる。
請求項の発明は、前記変速操作部は、前記第2の変速操作の操作力、操作速度、操作加速度の少なくとも1つを検出し、前記変速制御部は、前記操作力、前記操作速度、前記操作加速度の少なくとも1つの増加に応じて前記変速機構部の変速速度を速くすることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の無段変速機である。
これによれば、ドライバが短時間に変速終了することを意図しているのか、あるいは時間がかかってもショック等が少ない変速を意図しているのかを変速機構部の制御に反映させることができ、よりドライバの意図に忠実な変速を行うことができる。
請求項の発明は、前記変速制御部は、前記第2の変速操作が所定時間以上にわたって持続した場合にのみ前記変速機構部に前記中間変速比への変速を行わせることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の無段変速機である。
これによれば、誤って短時間のみ第2の変速操作が行われた場合に、これに応じた中間変速比への変速を行わないことによって、誤操作をより確実に防止できる。
請求項の発明は、前記変速制御部は、前記第2の変速操作の持続時間が長くなることに応じて、前記中間変速比を前記次段の変速比側から前記次々段の変速比側へ推移させることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の無段変速機である。
これによれば、第2の変速操作の持続時間に応じて中間変速比を推移させることによって、ドライバの意図を反映させたより適切な中間変速比を選択することができる。
請求項の発明は、前記変速制御部は、前記第2の変速操作の持続時間が所定の上限時間以上となった場合に、前記中間変速比を所定の上限値に設定することを特徴とする請求項に記載の無段変速機である。
これによれば、ドライバが第2の変速操作を過度に長時間持続した場合であっても、際限なく変速比が変化することを防止できる。
請求項の発明は、前記変速制御部は、前記第2の変速操作の持続時間が所定の閾値以上である場合に、前記変速機構部に前記次々段の変速比への変速を行わせることを特徴とする請求項に記載の無段変速機である。
これによれば、ドライバが中間変速比よりもさらに変速比変化が大きい変速を意図している場合に、次々段の変速比への変速を行うことによって適切な変速比を選択することができる。
請求項10の発明は、前記変速操作部の前記可動被操作部材は、前記第2の変速操作が行われる際に所定範囲内で移動可能であり、前記変速制御部は、前記所定範囲内における前記可動被操作部材の位置に応じて前記中間変速比を設定することを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の無段変速機である。
これによれば、可動被操作部材の位置を変化させることによって、短時間で所望の中間変速比を選択することができる。
請求項11の発明は、前記変速制御部は、前記中間変速比として予め設定された複数の変速比を保持する中間変速比記憶手段と、前記中間変速比記憶手段に保持されている前記複数の変速比を書き換える書換手段とを備えることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の無段変速機である。
これによれば、ドライバの好みや車両固有の使用条件に応じて中間変速比の設定を書き換えることによって、より適切な変速比を選択することができる。
請求項12の発明は、前記変速制御部は、前記中間変速比として予め設定された複数の変速比の組み合わせを複数保持し、前記複数の変速比の組み合わせからユーザが任意の1つを選択する選択手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の無段変速機である。
これによれば、複数の変速比の組み合わせを走行状態等に応じてユーザが選択することによって、走行状態により適合した中間変速比を選択可能とし、適切な変速を行うことができる。
請求項13の発明は、車体に作用する減速加速度、降坂加速度、横加速度の少なくとも1つを検出する加速度検出手段を備え、前記変速制御部は、前記加速度検出手段が検出した加速度が所定値以上である場合に、前記第2の変速操作に応じたシフトダウン側への変速を制限することを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の無段変速機である。
これによれば、例えばブレーキング時、降坂時、コーナリング時などの車両が不安定になりやすい状態の際に、中間変速比への変速によって駆動力あるいはエンジンブレーキによる制動力が大きく変化して車両が不安定となることを防止できる。
以上のように、本発明によれば、ドライバからの変速操作により適切な変速比を選択可能な無段変速機を提供することができる。
本発明を適用した無段変速機の実施例1の構成を示す模式図である。 図1の無段変速機におけるシフトレバーのシフトパターンを示す図である。 図1の無段変速機におけるマニュアルモードの変速比設定を示す図である。 図1の無段変速機におけるマニュアルモード時のシフトダウン制御を示すフローチャートである。 本発明を適用した無段変速機の実施例2におけるシフトレバーのシフトパターンを示す図である。 本発明を適用した無段変速機の実施例3の構成を示す模式図である。 図6の無段変速機における整数段変速比と中間変速比の組み合わせを示す図である。 本発明を適用した無段変速機の実施例4におけるマニュアルモード時のシフトダウン制御を示すフローチャートである。 本発明を適用した無段変速機の実施例5におけるシフトレバーのシフトパターンを示す図である。 本発明を適用した無段変速機の実施例6におけるシフトレバーのシフトパターンを示す図である。
本発明は、ドライバからの変速操作により適切な変速比を選択可能な無段変速機を提供する課題を、複数段の変速比が設定されたマニュアルモード付き無段変速機において、次段変速比へのシフトアップ、ダウン操作である第1の変速操作に引き続き第2の変速操作が行われた場合には、次段と次々段との中間変速比を選択することによって解決した。
以下、本発明を適用した無段変速機の実施例1について説明する。実施例1の無段変速機は、例えば乗用車等の自動車に設けられ、エンジンの出力を変速(増減速)し、AWDトランスファ、前後アクスルのディファレンシャル装置等に伝達するものである。
図1に示すように、無段変速機1は、トランスミッションケース10、トルクコンバータ20、後退機構部30、プライマリプーリ40、セカンダリプーリ50、チェーン60、コントロールバルブ70、トランスミッション制御ユニット100等を備えて構成されている。
トランスミッションケース10は、無段変速機1の各機構部分が収容される筐体であって、例えばアルミニウム系合金を鋳造後、所定の機械加工を施して形成されている。
トランスミッションケース10の前端部(トルクコンバータ20側の端部)は、図示しないエンジンのシリンダブロックに固定されている。
また、実施例1においては、トランスミッションケース10の内部には、図示しないAWDトランスファ及びフロントディファレンシャルが収容されており、無段変速機1はいわゆるトランスアクスルとして構成されている。
AWDトランスファは、変速機構部(実施例1の場合にはセカンダリプーリ50)の出力を、前輪側及び後輪側に配分するものである。AWDトランスファは、例えば、プラネタリギア式センターディファレンシャル及びその差動制限を行うトランスファクラッチ等を備えて構成されている。
フロントディファレンシャルは、AWDトランスファの前輪側出力を、左右前輪に伝達するとともに、旋回時等の左右の差回転を吸収する差動装置である。
なお、AWDトランスファの後輪側出力は、図示しないプロペラシャフトを介して図示しないリアディファレンシャルに伝達され、ここから左右後輪に配分される。
トルクコンバータ20は、図示しないエンジンのクランクシャフト後端部に接続される流体継手である。トルクコンバータ20は、エンジン側に接続されたポンプインペラ、ポンプインペラからのフルード流によって駆動され後退機構部30側に接続されたタービンランナ、これらの間に配置されたステータ等を備えて構成されている。また、トルクコンバータ20は、高速走行時等に入出力部の差回転を拘束し、実質的に直結とするロックアップ機構を備えている。
後退機構部30は、後退時にトルクコンバータ20の出力回転を逆転するプラネタリギアセットを備えている。
プライマリプーリ40、セカンダリプーリ50、チェーン60は、協働してチェーン式無段変速機(CVT)の変速機構部を構成するものである。
プライマリプーリ40及びセカンダリプーリ50は、回転中心軸が平行に配置された状態で隣接して設けられている。チェーン60は、プライマリプーリ40及びセカンダリプーリ50に架け渡され、これらの間で動力伝達を行う。
プライマリプーリ40は、チェーン60を介してセカンダリプーリ50を駆動するドライブプーリである。プライマリプーリ40は、後退機構部30の出力側に接続されている。
セカンダリプーリ50は、プライマリプーリ40及びチェーン60によって駆動されるドリブンプーリである。セカンダリプーリ50は、AWDトランスファの入力側に接続されている。
プライマリプーリ40及びセカンダリプーリ50は、それぞれ軸方向に対向して配置された一対のテーパ面を備え、チェーン60はこれらのテーパ面によって挟持される。また、プライマリプーリ40及びセカンダリプーリ50は、対向するテーパ面の間隔(シーブ間隔)を変化させることによって、プーリの実効径を無段階に変化させ、変速比を連続的に変化させることができる。
コントロールバルブ70は、無段変速機1内における各種の制御油圧及び流量を調節するバルブ類をユニット化したものである。
トランスミッション制御ユニット(TCU)100は、エンジン回転数、アクセルペダルからの要求に基づくドライバ要求トルク等の運転状態に基づいて、CVTの変速比を設定する自動モード、及び、ドライバからの変速操作に応じてCVTの変速比を設定するマニュアルモードを備えた変速制御部である。
トランスミッション制御ユニット100は、無段変速機1のコントロールバルブ70を制御して変速比、ロックアップトルク、トランスファトルク等の制御、及び、前進・後退の切換え等を行う。
変速比の制御において、トランスミッション制御ユニット100は、実際の変速比をフィードバックしつつCVTの変速比が目標変速比となるように、各プーリのシーブ間隔を制御する。
また、トランスミッション制御ユニット100は、マニュアルモードにおける複数の変速比の組み合わせに関するデータを保持する変速比記憶手段101を備えている。
マニュアルモードにおける変速比については、後に詳しく説明する。
トランスミッション制御ユニット100には、ドライバがレンジ変更操作、及び、マニュアル変速操作を入力するシフトレバー110が接続されている。
シフトレバー110は、例えば車両のセンターコンソール等に設けられ、上端部が以下説明するシフトパターンに沿って前後及び左右にそれぞれ揺動可能となっている可動被操作部材である。
図2は、シフトレバー110のシフトパターンを示す図である。
シフトレバー110のシフトパターンは、レンジ選択領域R1、及び、マニュアルモード領域R2を備えている。
レンジ選択領域R1は、Pポジション、Rポジション、Nポジション、Dポジションを備えている。
Pポジションは、車両の駐車時等に用いられるものである。ポジションPが選択されると、無段変速機1の出力軸は機械的にロックされる。
Rポジションは、Pポジションからシフトレバー110を例えば左、後、右に順次移動させた位置に配置されている。
Rポジションは、車両の後退時に用いられるものである。Rポジションが選択されると、後退機構部30はトルクコンバータ20の出力を逆転させ、プライマリプーリ40、セカンダリプーリ50、チェーン60からなる変速機構部は、その変速比が最大減速側近傍に固定される。
Nポジションは、Rポジションからシフトレバー110を例えば後、右に順次移動させた位置に配置されている。
Nポジションは、車両の一時停止時等に用いられるものである。Nポジションが選択されると、無段変速機1の出力軸は、駆動力が伝達されないフリーな状態となる。
Dポジションは、Nポジションからシフトレバー110を例えば後に移動させた位置に配置されている。
Dポジションは、自動変速による前進走行に用いられるものである。Dポジションが選択されると、変速機構部の変速比は、エンジン回転数、アクセルペダルからの要求に基づくドライバ要求トルク等の運転状態に基づいて自動的に設定される。
マニュアルモード領域R2は、Mポジション、U1ポジション、U2ポジション、D1ポジション、D2ポジションを備えている。
なお、マニュアルモード領域R2においては、シフトレバー110はバネ要素によって付勢され、非操作状態(ドライバが手を離した状態)においてはMポジションに復帰するようになっている。
Mポジションは、上述したDポジションからシフトレバー110を例えば右に移動させた位置に配置されている。自動変速モードからマニュアルモードへの切換は、DポジションからMポジションへのシフトによって行われる。
Mポジションは、マニュアルモードにおいてドライバが変速操作を行わない場合にシフトレバー110が位置する中立位置である。
U1ポジションは、ドライバがシフトアップ方向への第1の変速操作を行うものである。U1ポジションは、Mポジションからシフトレバー110を例えば前に移動させた位置に配置されている。
U2ポジションは、ドライバがシフトアップ方向への第2の変速操作を行うものである。U2ポジションは、U1ポジションからシフトレバー110を例えば前に移動させた位置に配置されている。
D1ポジションは、ドライバがシフトダウン方向への第1の変速操作を行うものである。D1ポジションは、Mポジションからシフトレバー110を例えば後に移動させた位置に配置されている。
D2ポジションは、ドライバがシフトダウン方向への第2の変速操作を行うものである。D2ポジションは、D1ポジションからシフトレバー110を例えば後に移動させた位置に配置されている。
なお、第1の変速操作及び第2の変速操作については、後に詳細に説明する。シフトレバー110は、第1の変速操作及び第2の変速操作を検出するスイッチがそれぞれ設けられ、第2の変速操作を検出するスイッチは、第1の変速操作が行われた場合(D1ポジション又はU1ポジションを通過した場合)にのみ作動するようになっている。これらのスイッチの出力は、トランスミッション制御ユニット100に伝達される。
シフトレバー110は、Mポジションにあるとき以外は、Mポジション側へ付勢されているが、シフトレバー110がU1ポジションを超えてU2ポジション側にある場合、及び、D1ポジションを超えてD2ポジション側にある場合には、他の位置よりも付勢力が大きくされ、より大きい操作力が必要となっている。
また、シフトレバー110は、U1ポジションからU2ポジションへの移動時におけるドライバの操作力、及び、D1ポジションからD2ポジションへの移動時におけるドライバの操作力を検出する操作力センサを備えている。
また、トランスミッション制御ユニット100には、インジケータ120、エンジン制御ユニット(ECU)210、車速センサ220、前後加速度センサ230、横加速度センサ240が直接又は車載LAN等を介して間接的に接続されている。
インジケータ120は、マニュアルモード時において、現在選択されている変速比の段数を表示する表示装置、及び、変速時に変速が行われたことをドライバに音声によって報知する音声出力装置を有して構成される。
エンジン制御ユニット210は、図示しないエンジン及びその補機類を統括的に制御するものである。エンジン制御ユニット210は、エンジンの回転数、負荷等の運転状態、ドライバ要求トルク等に関する情報をトランスミッション制御ユニット100に提供する。
車速センサ220は、各車輪のハブ部に設けられ、車輪の回転速度に応じた車速信号を出力するものである。
前後加速度センサ230は、車体に作用する前後方向の加速度を検出するものである。
横加速度センサ240は、車体に作用する横方向の加速度を検出するものである。
以下、実施例1の無段変速機1におけるマニュアルモード時の変速比設定について説明する。
図3は、マニュアルモード時の変速比設定を示す図である。図3において、横軸は車速を示し、縦軸はエンジン回転数を示している。
無段変速機1は、例えば6段(1,2,・・6段)の整数段変速比が設定されている。各段の整数段変速比は、所定のステップ比において、低速側(減速側)から高速側(増速側)まで順次設定されている。
また、無段変速機1の各整数段変速比の中間には、中間変速比が設定されている。この中間変速比は、ある整数段の変速比と次段(1段上あるいは下)の変速比との間に、実施例1の場合には例えば2つ設定されている。ここで、理解を容易にするために、N段とN+1段との間の中間変速比を、N段側から、N+0.3段、N+0.7段と表記する。すなわち、図3に示す2段と3段の間には、2.3段、2.7段が設定されている。なお、この小数点以下の段数はあくまでも便宜上のものであって、実際の変速比を正確に反映したものである必要はない。
なお、実施例1においては、中間変速比は上述したように整数段変速比の間にステップ状に設定されているが、本発明においては、後述する実施例4、実施例6等のように、中間変速比をドライバからの第2の変速操作の態様に応じて連続的かつ無段階に選択可能とすることもできる。
なお、図3においては、整数段変速比及び中間変速比の線図をそれぞれ実線、破線で図示している(図7において同じ)が、図3では中間変速比は2−3速間のもののみ図示している。
以下、実施例1におけるマニュアルモード時の変速操作について、シフトダウンの場合を例にとって説明する。
図4は、マニュアルモード時のシフトダウン制御を模式的に示すフローチャートである。以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:マニュアルモード走行中判断>
トランスミッション制御ユニット100は、シフトレバー110がマニュアルモード領域R2に入っている場合には、マニュアルモード走行中であるものと判断し、ステップS02に進む。一方、シフトレバー110がレンジ選択領域R1に入っている場合には、一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS02:D1ポジションへのシフト有無判断>
トランスミッション制御ユニット100は、シフトレバー110において、MポジションからD1ポジションへのシフト(第1の変速操作)が行われたか否かを検出し、D1ポジションへのシフトが行われた場合はステップS03に進む。一方、D1ポジションへのシフトが行われなかった場合は一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS03:D2ポジションへのシフト有無判断>
トランスミッション制御ユニット100は、シフトレバー110において、D1ポジションからD2ポジションへのシフト(第2の変速操作)が行われたか否かを検出し、D2ポジションへのシフトが行われた場合はステップS05に進む。一方、D2ポジションへのシフトが行われなかった場合はステップS04に進む。
<ステップS04:シフトダウンN段→N−1段>
トランスミッション制御ユニット100は、コントロールバルブ70に指示を出し、無段変速機1の変速比を、N段に対応する変速比からN−1段に対応する変速比へ変更するシフトダウンを行う。例えば、図3に示す4速で走行中の場合には、3速へのシフトダウンを行う。
このとき、インジケータは選択された変速比の段数を表示するとともに、例えばブザー音等の信号音を出力する。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
<ステップS05:減速G・降板G・横G制限値以下判断>
トランスミッション制御ユニット100は、車速センサ220、前後Gセンサ230、横Gセンサ240の出力に基づいて、車体に作用してる減速加速度、降板加速度、横加速度を演算する。
例えば、減速加速度は、車速センサ220が検出した車速の時間あたり変化率に基づいて算出される。
また、降板加速度は、前後Gセンサ230の出力から、上述した減速加速度の影響を除外することによって算出される。
また、横加速度は、横Gセンサ240の出力から算出される。
そして、減速加速度、降板加速度、横加速度がいずれも予め設定された制限値以下である場合にはステップS06に進み、少なくとも1つが制限値を超過している場合はステップS04に進む。
<ステップS06:D2ポジション持続時間タイマ作動>
トランスミッション制御ユニット100は、シフトレバー110がD2ポジションにある持続時間を計測するタイマを起動し、タイマ値tを0にリセットする。その後、ステップS07に進む。
<ステップS07:タイマ値t=T1判断>
トランスミッション制御ユニット100は、現在のタイマ値tが予め設定された所定値であるT1と実質的に等しいか否か判断し、タイマ値t=T1である場合はステップS08に進む。一方、タイマ値t≠T1である場合はステップS09に進む。
<ステップS08:シフトダウンN段→N−1.3段>
トランスミッション制御ユニット100は、コントロールバルブ70に指示を出し、無段変速機1の変速比を、N−1.3段に対応する変速比へ変更する。例えば、当初図3に示す4速で走行中の場合には、2.7速へのシフトダウンを行う。
このとき、インジケータは選択された変速比の段数を表示するとともに、信号音を出力する。この信号音は、中間変速比が選択されたことをドライバに認知させるため、上述した整数段の変速とは異なった音とされる。
その後、ステップS09に進む。
<ステップS09:タイマ値t=T2判断>
トランスミッション制御ユニット100は、現在のタイマ値tが予め設定された所定値であるT2(T2>T1)と実質的に等しいか否か判断し、タイマ値t=T2である場合はステップS11に進む。一方、タイマ値t≠T2である場合はステップS10に進む。
<ステップS10:シフトダウンN段→N−1.7段>
トランスミッション制御ユニット100は、コントロールバルブ70に指示を出し、無段変速機1の変速比を、N−1.7段に対応する変速比へ変更する。例えば、当初図3に示す4速で走行中の場合には、2.3速へのシフトダウンを行う。
このとき、インジケータは選択された変速比の段数を表示するとともに、上述した中間変速比の信号音を出力する。
その後、ステップS11に進む。
<ステップS11:タイマ値t=T3判断>
トランスミッション制御ユニット100は、現在のタイマ値tが予め設定された所定値であるT3(T3>T2)と実質的に等しいか否か判断し、タイマ値t=T3である場合はステップS13に進む。一方、タイマ値t≠T3である場合はステップS12に進む。
<ステップS12:シフトダウンN段→N−2段>
トランスミッション制御ユニット100は、コントロールバルブ70に指示を出し、無段変速機1の変速比を、N−2段に対応する変速比へ変更する。例えば、当初図3に示す4速で走行中の場合には、2速へのシフトダウンを行う。
このとき、インジケータは選択された変速比の段数を表示するとともに、信号音を出力する。この信号音は、2段のシフトダウンが実行されたことをドライバに認知させるため、上述した1段の変速及び中間変速比への変速とは異なった音とされる。
その後、ステップS13に進む。
<ステップS13:D2ポジション解除判断>
トランスミッション制御ユニット100は、シフトレバー110がD2ポジションから、Mポジション等の他のポジションへ移動したか検出し、他のポジションへ移動した場合(D2ポジションが解除された場合)は一連の処理を終了(リターン)する。一方、シフトレバー110が引き続きD2ポジションにある場合には、ステップS14に進む。
<ステップS14:タイマ値tインクリメント>
トランスミッション制御ユニット100は、D2ポジション持続時間を計測するタイマのタイマ値tを所定値だけ加算する。
その後、ステップS07に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
なお、上述した中間変速比へのシフトダウン、及び、2段下の整数段変速比へのシフトダウンにおける変速速度(プライマリプーリ40、セカンダリプーリ50の可動シーブ移動速度)は、ドライバがシフトレバー110をD1ポジションからD2ポジションへ移動させた際の操作力に応じて設定され、具体的には操作力が大きくなるのに応じて変速速度が速くされる。
上述した制御により、ドライバがMポジションからD1ポジションへのシフト(第1の変速操作)を行った場合には、1段下(減速側)の整数段の変速比が選択される。また、ドライバがD1ポジションを経由してD2ポジションへのシフト(第2の変速操作)を行った場合、D2ポジションの持続時間に応じて1.3段下、1.7段下、2段下へのシフトダウンが順次行われるが、2段下までのシフトダウンが行われた後は、引き続きD2ポジションが持続したとしてもそれ以上の変速は行われないようになっている。
なお、無段変速機1における中間変速比の選択は、次回の第1の変速操作があった場合にキャンセルされる。すなわち、K+0.3段あるいはK+0.7段で走行中に、D1ポジションへのシフトがあった場合にはK段が選択され、U1ポジションへのシフトがあった場合にはK+1段が選択される。
なお、以上の制御はシフトダウンの場合を例として説明しているが、シフトアップの場合にも実質的に同様の制御が行われる。ただし、シフトアップの場合には、駆動力やエンジンブレーキによる制動力は小さくなる傾向であることから車両の挙動は乱れにくいため、減速加速度、降板加速度、横加速度等は必ずしも考慮しなくてもよい。
以上説明した実施例1によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)整数段変速比の次段への変速では変速比の変化が不足し、次々段まで変速すると変速比の変化が過大となる場合に、D2ポジション及びU2ポジションへのシフト(第2の変速操作)を行うことによって、次段と次々段の整数段変速比の中間に設定された中間変速比への変速が可能であり、適切な変速比を選択することができる。
(2)シフトレバー110をD1又はU1ポジションからD2又はU2ポジションへ順次移動させて第2の変速操作を行う構成としたことによって、簡単な操作によって第2の変速操作を入力することができる。
(3)D1ポジションからD2ポジションへ、及び、U1ポジションからU2ポジションへの操作力を、MポジションからD1又はU1ポジションへの操作力に対して大きくしたことによって、ドライバが第1の変速操作を意図している際に、誤操作によって第2の変速操作が行われる誤操作を防止するとともに、ドライバが第2の変速操作が行われたか否かを適切に感知することができる。
(4)D2又はU2ポジションへのシフト時の操作力に応じて変速速度を速くすることによって、ドライバが短時間に変速終了することを意図しているのか、あるいは時間がかかってもショック等が少ない変速を意図しているのかを変速制御に反映させることができ、よりドライバの意図に忠実な変速を行うことができる。
(5)D2又はU2ポジションへのシフトが行われた場合であっても、タイマ値tがT1に達するまでの間持続されない場合は中間変速比への変速を行わないことによって、誤操作をより確実に防止できる。
(6)D2又はU2ポジションの持続時間に応じて中間変速比を順次変化させることによって、ドライバの意図を反映させたより適切な中間変速比を選択することができる。
(7)タイマ値tがT3に達した後は、2段シフトダウン又はシフトアップを行ってそれ以上の変速を行わないことによって、D2又はU2ポジションを過度に長時間持続した場合であっても、際限なく変速比が変化することを防止できる。
次に、本発明を適用した無段変速機の実施例2について説明する。なお、以下説明する各実施例において、従前の実施例と実質的に共通する箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
実施例2の無段変速機は、図5に示すシフトパターン以外は、上述した実施例1と同様の構成を備えている。
実施例2においては、U2ポジション及びD2ポジションは、それぞれU1ポジション及びD1ポジションからシフトレバー110を右に移動させた位置に配置されている。
以上説明した実施例2によれば、上述した実施例1の効果と同様の効果に加えて、第1の変速操作と第2の変速操作の操作方向を異ならせたことによって、ドライバが第1の変速操作を意図した場合に誤って第2の変速操作が行われることを防止できる。
次に、本発明を適用した無段変速機の実施例3について説明する。
図6に示す実施例3の無段変速機3は、トランスミッション制御ユニット100の変速比記憶手段101に、整数段変速比及び中間変速比の組み合わせを複数組記憶するとともに、トランスミッション制御ユニット100に変速比選択スイッチ130及び通信装置140が接続されている。
図7は、変速比記憶手段101に蓄積された複数の整数段変速比及び中間変速比の組み合わせの一例を示すものである。
図7(a)は、上述した実施例1と同じ変速比であって、6段の整数段変速比を有し、各整数段変速比の間隔にそれぞれ2つの中間変速比が設定されている。
図7(b)は、整数段変速比は図7(a)と共通であるが、各整数段変速比の間隔にそれぞれ1つの中間変速比を設定したものである。このような組み合わせは、図7(a)の変速比では中間変速比の選択が煩雑である場合に好適である。
図7(c)は、整数段変速比の1段から6段を、図7(b)に対してクロスレシオ化するとともに、7段を追加し、各整数段変速比の間隔にそれぞれ1つの中間変速比を設定したものである。このような組み合わせは、整数段がクロスしていることからエンジンの回転数を高回転に保つことが容易であり、また整数段で所望のエンジン回転数が得られない場合には中間変速比を選択可能であることから、例えばサーキット走行などのスポーツ走行等に好適である。
変速比選択スイッチ130は、例えば車室内のインストルメントパネル等に設けられ、ドライバが上述した整数段変速比、中間変速比の複数の組み合わせから任意の一つを選択するものである。
通信手段140は、例えばインターネット等のネットワークを介して図示しないサーバと通信し、整数段変速比及び中間変速比の組み合わせに関するデータを取得するものである。トランスミッション制御ユニット100は、通信手段を介して取得されたデータによって、変速比記憶手段101内の整数段変速比及び中間変速比の組み合わせを書き換える機能を備えている。
以上説明した実施例3によれば、上述した実施例1の効果と実質的に同様の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(1)複数の整数段変速比及び中間変速比の組み合わせを走行状態等に応じてドライバが選択することによって、走行状態により適合した変速比を選択可能とし、適切な変速を行うことができる。
(2)ドライバの好みや車両固有の使用条件に応じて整数段変速比及び中間変速比の組み合わせを更新することによって、より適切な変速比を選択することができる。
次に、本発明を適用した無段変速機の実施例4について説明する。実施例4の無段変速機は、第2の変速操作の持続時間に応じて、中間変速比を無段階に設定するものである。
図8は、実施例4におけるマニュアルモード時のシフトダウン制御を模式的に示すフローチャートである。ステップS01乃至S06は上述した実施例1(図4)と共通であり、ステップS06に引き続き以下のステップS21が実行されるため、それ以降のステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS21:タイマ値t連動変速比にシフトダウン>
トランスミッション制御ユニット100は、中間変速比をタイマ値tに連動した変速比に設定する。この中間変速比は、タイマ値t=0の初期状態では整数段N−1段の変速比とされ、ここからタイマ値tの増加に応じて連続的にN―2段側へ推移する。
その後、ステップS22に進む。
<ステップS22:変速比N−2段到達判断>
トランスミッション制御ユニット100は、タイマ値tの増加に応じて推移する中間変速比が整数段N―2段の変速比に到達したか否かを判定し、到達した場合は一連の処理を終了(リターン)する。一方、到達していない場合はステップS23に進む。
<ステップS23:D2ポジション解除判断>
トランスミッション制御ユニット100は、シフトレバー110がD2ポジションから、Mポジション等の他のポジションへ移動したか検出し、他のポジションへ移動した場合(D2ポジションが解除された場合)は一連の処理を終了(リターン)する。一方、シフトレバー110が引き続きD2ポジションにある場合には、ステップS24に進む。
<ステップS24:タイマ値tインクリメント>
トランスミッション制御ユニット100は、D2ポジション持続時間を計測するタイマのタイマ値tを所定値だけ加算する。
その後、ステップS21に戻り、それ以降の処理を繰り返す。
以上説明した実施例4によれば、中間変速比をドライバが無段階に設定することができ、多様な走行状況下で適切な変速比を選択することができる。
次に、本発明を適用した無段変速機の実施例5について説明する。実施例5においては、次段と次々段の整数段変速比の間に設定された複数の中間変速比の選択を、実施例1等のような第2の変速操作の持続時間ではなく、第2の変速操作時のシフトレバーの位置(移動量)に基いて行っている。
図9は、実施例5におけるシフトレバー110のシフトパターンを示す図である。
実施例5においては、マニュアルモード領域R2のMポジションの前方側にU1ポジション、U1.3ポジション、U1.7ポジションが順次配置され、Mポジションの後方側にD1ポジション、D1.3ポジション、D1.7ポジションが順次配置されている。
シフトダウン時において、ドライバがシフトレバーをD1ポジション、D1.3ポジション、D1.7ポジションへ移動すると、それぞれ現在の整数段N段から、N−1段、N−1.3段、N−1.7段に相当する変速比へのシフトダウンが行われる。
シフトアップ時において、ドライバがシフトレバーをU1ポジション、U1.3ポジション、U1.7ポジションへ移動すると、それぞれ現在の整数段N段から、N+1段、N+1.3段、N+1.7段に相当する変速比へのシフトアップが行われる。
以上説明した実施例5によれば、より変化の大きい中間変速比を選択する場合に、所定の持続時間にわたって待つ必要がなく、短時間で所望の変速比を選択することができる。
次に、本発明を適用した無段変速機の実施例6について説明する。図10は、実施例6におけるシフトレバー110のシフトパターンを示す図である。
実施例6においては、U2ポジション及びD2ポジションは、その内部でシフトレバー110の移動が可能な所定の可動範囲Aが設けられている。シフトレバー110は、これらの可動範囲A内における位置を実質的に無段階に検出する位置エンコーダを備えている。
シフトダウン時においては、シフトレバー110がD1ポジションに移動すると、整数段N段の変速比からN−1段に相当する変速比へのシフトダウンが行われる。
また、シフトレバー110がD2ポジションの可動範囲A内に移動すると、可動範囲A内の位置に応じてN−1段からN−2段に相当する変速比の範囲内で中間変速比の設定が無段階に行われる。この中間変速比は、D1ポジションからの距離が大きくなるのに応じて、N−2段の変速比寄りに設定される。
シフトアップ時においては、シフトレバー110がU1ポジションに移動すると、整数段N段の変速比からN+1段に相当する変速比へのシフトアップが行われる。
また、シフトレバー110がU2ポジションの可動範囲A内に移動すると、可動範囲A内の位置に応じてN+1段からN+2段に相当する変速比の範囲内で中間変速比の設定が無段階に行われる。この中間変速比は、U1ポジションからの距離が大きくなるのに応じて、N+2段の変速比寄りに設定される。
なお、可動範囲A内においては、シフトレバー110の操作力は、D1ポジション又はU1ポジションからの距離に応じて連続的に大きくなるように設定されている。
以上説明した実施例6によれば、短時間で中間変速比を無段階に選択することができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)無段変速機の構成は上述した各実施例のものに限定されず、適宜変更することができる。例えば各実施例はチェーン式の無段変速機であったが、これに限らず、例えばベルト式、トロイダル式等の他の無段変速機であっても本発明は適用することができる。また、搭載位置(車両前後等)、搭載方向(縦置、横置)、駆動方式及びAWD車の場合のトランスファの構造等も特に限定されない。
(2)第1の変速操作、第2の変速操作を入力する入力部の構成は、上述した各実施例のようなシフトレバーに限定されず、適宜変更することができる。例えば、ステアリングコラムから径方向に突き出して設けられ、前後等に揺動することによって変速操作を行ういわゆるパドルを用いて第1及び第2の変速操作を入力してもよい。また、他の態様の変速操作部を用いてもよい。また、パドルシフト等とシフトレバーをともに設けて、どちらからでも第1、第2の変速操作が入力可能な構成としてもよい。
(3)実施例3では通信装置を利用して変速比記憶手段101内の整数段変速比及び中間変速比の組み合わせを書換可能としているが、本発明はこれに限らず、他の方法によって変速比記憶手段内のデータを更新するようにしてもよい。例えば、パーソナルコンピュータ等の情報処理端末を用いて、新たなデータを入手あるいはユーザ自身が作成し、情報処理端末と変速制御装置との通信や、変速制御装置に接続可能な情報格納媒体を介して変速比記憶手段内のデータを更新してもよい。
(4)各実施例では、第2の変速操作時の操作力に応じて変速速度を設定しているが、本発明はこれに限らず、例えば変速操作部材に作用する加速度や、変速操作の速度に応じて変速速度を設定してもよい。
(5)実施例1等では、第2の変速操作が持続した場合であっても次々段の変速比以上の変速を制限しているが、本発明はこれに限らず、所定の中間変速比以上の変速を制限するようにしてもよい。
1,3 無段変速機
10 トランスミッションケース 20 トルクコンバータ
30 後退機構部 40 プライマリプーリ
50 セカンダリプーリ 60 チェーン
70 コントロールバルブ
100 トランスミッション制御ユニット 101 変速比記憶手段
110 シフトレバー 120 インジケータ
130 変速比選択スイッチ 140 通信装置
R1 レンジ選択領域 R2 マニュアルモード領域
A 可動範囲

Claims (13)

  1. 自動車の走行用動力源の回転出力を増減速するとともに変速比を無段階に変更可能な無段変速機構と、
    変速操作が入力される変速操作部と、
    前記変速操作部から入力される変速操作に応じて前記無段変速機構の変速比を変化させる変速制御部と
    を備える無段変速機であって、
    前記変速操作部は第1の変速操作及び前記第1の変速操作に引き続いて行われる第2の変速操作が入力可能であるとともに中立位置から前記第1の変速操作に対応する第1の位置、前記第2の変速操作に対応する第2の位置に順次移動可能な可動被操作部材を有し、前記可動被操作部材の前記第1の位置への移動によって前記第1の変速操作が入力されかつ前記第2の位置への移動によって前記第2の変速操作が入力され、
    前記変速制御部は、運転状態に基づいて、CVTの変速比を設定する自動モード、及び、複数段の変速比が予め設定されドライバからの変速操作に応じて前記変速比を切り換えるマニュアルモードを備えるとともに、前記マニュアルモードにおいては前記第1の変速操作に応じて前記無段変速機構に前記第1の変速操作開始時の変速比から次段の変速比への変速を行わせ、前記第2の変速操作に応じて前記無段変速機構に前記第1の変速操作開始時の変速比から次段の変速比と次々段の変速比との中間に設定される中間変速比への変速を行わせること
    を特徴とする無段変速機。
  2. 前記変速操作部は、前記第1の変速操作を検出する第1のスイッチ、及び、前記第1の変速操作が行われたときのみ作動して前記第2の変速操作を検出する第2のスイッチを有すること
    を特徴とする請求項1に記載の無段変速機。
  3. 前記可動被操作部材の前記中立位置から前記第1の位置への移動方向と前記第1の位置から前記第2の位置への移動方向を異ならせて配置したこと
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無段変速機。
  4. 前記可動被操作部材における前記第1の位置から前記第2の位置への操作力は、前記中立位置から前記第1の位置への操作力よりも大きいこと
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の無段変速機。
  5. 前記変速操作部は、前記第2の変速操作の操作力、操作速度、操作加速度の少なくとも1つを検出し、
    前記変速制御部は、前記操作力、前記操作速度、前記操作加速度の少なくとも1つの増加に応じて前記変速機構部の変速速度を速くすること
    を特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の無段変速機。
  6. 前記変速制御部は、前記第2の変速操作が所定時間以上にわたって持続した場合にのみ前記変速機構部に前記中間変速比への変速を行わせること
    を特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の無段変速機。
  7. 前記変速制御部は、前記第2の変速操作の持続時間が長くなることに応じて、前記中間変速比を前記次段の変速比側から前記次々段の変速比側へ推移させること
    を特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の無段変速機。
  8. 前記変速制御部は、前記第2の変速操作の持続時間が所定の上限時間以上となった場合に、前記中間変速比を所定の上限値に設定すること
    を特徴とする請求項に記載の無段変速機。
  9. 前記変速制御部は、前記第2の変速操作の持続時間が所定の閾値以上である場合に、前記変速機構部に前記次々段の変速比への変速を行わせること
    を特徴とする請求項に記載の無段変速機。
  10. 前記変速操作部の前記可動被操作部材は、前記第2の変速操作が行われる際に所定範囲内で移動可能であり、
    前記変速制御部は、前記所定範囲内における前記可動被操作部材の位置に応じて前記中間変速比を設定すること
    を特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の無段変速機。
  11. 前記変速制御部は、前記中間変速比として予め設定された複数の変速比を保持する中間変速比記憶手段と、前記中間変速比記憶手段に保持されている前記複数の変速比を書き換える書換手段とを備えること
    を特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の無段変速機。
  12. 前記変速制御部は、前記中間変速比として予め設定された複数の変速比の組み合わせを複数保持し、前記複数の変速比の組み合わせからユーザが任意の1つを選択する選択手段を備えること
    を特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の無段変速機。
  13. 車体に作用する減速加速度、降坂加速度、横加速度の少なくとも1つを検出する加速度検出手段を備え、
    前記変速制御部は、前記加速度検出手段が検出した加速度が所定値以上である場合に、前記第2の変速操作に応じたシフトダウン側への変速を制限すること
    を特徴とする請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の無段変速機。
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