[実施例1]
以下、図面に示した実施例の可搬式のスクリーン装置1について説明する。ここで、以下の説明において、装置1について、正面又は前面とは装置1をスクリーン2の映像投影面側(プロジェクタ側)から見た面である。後面(背面)とはそれとは反対側の面である。前又は後とは装置1を正面側から見て前又は後である。左又は右とは装置1を正面側から見て左又は右である。上又は下とは重力方向に関して上又は下である。
(装置1の全体的概略構成)
装置1は、左右方向に長いケーシング(外殻)3を有する。ケーシング3は、本実施例においてはアルミニウムの引き抜き型材であり、横断面(図5)において、前面、底面、後面の3面を有し、上面側が長手に沿ってスクリーン出入り用の開口部304として開放されている。ケーシング3の左右の端部にはそれぞれエンドキャップ302・302がねじ止めなどの適宜の手段で定着されている。ケーシング3内には左右のキャップ302・302の内面間に支持されて左右方向に長い筒状リール30(図5)が配設されている。リール30には可撓性を有するスクリーン2が巻かれている。スクリーン2の下辺側(下端部)はリール30に係止されている。リール30はスプリングなど付勢装置(不図示:応力装置)により常に一方向に回転付勢されている。
スクリーン2の上辺側(上端部)は、本実施例においては、ケーシング3とは別部材であるサポートユニット4に具備させている上部コネクティングロッド401に対して固定板20(図5)により接続して固定されている。ロッド401は左右方向に長く、スクリーン2の幅寸法(左右方向の寸法)よりも少し長い寸法を有する。固定板20はスクリーン2の幅寸法とほぼ同じ長さ寸法を有しており、ロッド401内に固定して取り付けられる。この固定板20により、スクリーン2の上辺側をロッド401に接続させている。スクリーン2の上辺側とロッド401即ちユニット4はそのほかの方法で接続して固定することもできる。ロッド401即ちユニット4の長手方向の中央部(左右方向の中央部)にはハンドルユニット5が配設されている。ユニット5は、後述するように、ハンドルカバー6、ハンドル部7、ロック機構80などを有する。
ケーシング3の底面側には、ケーシング3の左側と右側との2箇所部に装置据え座としての脚部303・303が配設されている。脚部303・303は装置1を使用時に床面や机面などの設置面F(図3)に対して安定に据え置くためのものである。本実施例において脚部303・303は平面においてほぼ長方形の部材であり、その長手方向の中央部においてケーシング3の底面に対して回動可能に取り付けられている。
装置使用時は、図3のように、脚部303をその長手方向が前後方向になるようにケーシング3の底面に対して十字に回動させた状態にして装置1を設置面Fに据え置く。装置格納時は、脚部303をその長手方向が左右方向になるようにケーシング3の底面に対して回動さて、脚部303をケーシング底面の投影面内に納めた状態にして装置1をコンパクト化にすることができる。
脚部303・303は、ケーシング3の底面に対して左右方向にスライド移動可能にして、ケーシング3の底面に対する位置や相互の間隔を任意に調節可能に配設した構成のものにすることもできる。また、ケーシング3に対して着脱可能な構成のものにすることもできる。また、装置使用時にケーシング底面自体で装置1を設置面Fに対して安定に支持できれば脚部303・303を省略することもできる。
ケーシング3の前面の長手方向(左右方向)のほぼ中央部には前ベース部材12が設けられている。また、ケーシング3の後面の長手方向のほぼ中央部には後ベース部材13が設けられている。この前後のベース部材12・13に対してサポートユニット4に配設されているハンドルユニット5が対応する。前ベース部材12と後ベース部材13は本実施例においてはプラスチック成型品であり、ケーシング3に対してビス止めや接着剤等の適宜の定着手段で固着されている。
また、ケーシング後面の左端部側と右端部側にはそれぞれベースユニット23L・23Rが設けられている。ユニット23L・23Rは本実施例においてはプラスチック成型品であり、ケーシング3に対してビス止めや接着剤等の適宜の定着手段で固着されている。そして、スクリーン2の後面側において、左右のベースユニット23L・23Rとサポートユニット4の左右方向のほぼ中央部との間にL型折畳み式サポートアーム機構14が配設されている。機構14は、スクリーン2を展張状態に保持させるための、立ち上がり動作・折畳み動作可能で自立機能を有する。この機構14については後に詳述する。
図5はスクリーン収納状態時の装置1の要部の横断右側面図である。この状態時においては、スクリーン2がリール30の回転付勢力で十分に巻き込まれてケーシング3内に収納されている。ユニット4のロッド401がケーシング3の上面の開口部304に対応して開口部304を塞ぐように位置していて、開口部304の蓋部材として機能している。また、機構14はケーシング3の後面の投影面内に折畳まれている状態になっている。また、ハンドルユニット5が、その内部に設けられた後述するロック機構80のロック動作によりケーシング3側の前ベース部材12と後ベース部材13とに係止されてケーシング3に対してロック(掛け止め)された状態になっている。即ち、ハンドル部7がケーシング3に対してロックされた状態になっている。このロック状態において、ハンドル部7を握って装置1を設置面Fから引き上げてカバンを持ち運ぶように運搬することができる。図4の(a)は図1・図2のスクリーン展張状態時の装置1の平面図、(b)はスクリーン納状態時の装置1の一部切欠き平面図である。
図5のスクリーン収納状態の装置1を使用する場合には、脚部303・303を前後方向の姿勢に回動する。その装置1を使用場所の設置面Fに置き、ロック機構80の後述するロック解除用ボタン(ロック解除用操作部)801をロック解除方向に移動操作する。そうすると、ケーシング3側の前ベース部材12と後ベース部材13に対するハンドルユニット5のロックが解除される。そこで、ハンドル部7を握ってサポートユニット4をリール30のスクリーン巻き込み力に抗して上方に引き上げる。このユニット4の引き上げに伴って、スクリーン2がリール30を巻き込み方向とは逆方向に回転させながら開口部304からケーシング3の上方に引き出される。また、スクリーン2の後面側のサポートアーム機構14が折畳まれている状態から立ち上がり動作(伸び動作)する。機構14は後述するように自立機能を有している。即ち、スクリーン2の引き上げ・引き下げ範囲内の任意の立ち上がり高さ位置においてハンドル部7から手を離しても、ユニット4とスクリーン2の自重及びリール30のスクリーン巻き込み力と、機構14の後述する立ち上がり力と、の両者がバランスしている。これにより、スクリーン2を任意の立ち上がり高さ位置に安定に支持した状態に保持する。図1はスクリーン2が機構14の自立機能により使用可能な展張状態に保持されている状態の装置1の正面図である。図2は図1の状態の装置1の後面(背面)図である。図3は図1の状態の装置1の途中部分省略の拡大右側面図である。図8はスクリーンが引き上げ途中状態又は引き下げ途中状態であるスクリーン装置の後面図である。図10aはスクリーン2が最大限に引き出されて展張された状態の装置1の後面図である。
また、逆に、図1乃至図3や図10aのようにスクリーン展張状態の装置1を図5のスクリーン収納状態に戻す場合は、ユニット4のハンドル部7を握ってユニット4を下げ移動する。これにより、スクリーン2はリール30の巻き込み力によりリール30に巻き込まれて開口部304からケーシング3内に戻り移動して収納されていく。また、機構14が折畳まれる方向に動作する。そして、ユニット4をケーシング3に対して十分に下げ移動すると、ユニット4のロッド401がケーシング3の上面の開口部304に対応位置していて開口部304を閉鎖する。また、機構14がケーシング後面の投影面内に十分に折畳まれた状態になる。また、ハンドルユニット5がケーシング3側の前ベース部材12と後ベース部材13とに所定に対応位置した状態になる。そして、ユニット5を前ベース部材12と後ベース部材13に押し付けると、ロック機構80がロック動作して、ユニット5が前ベース部材12と後ベース部材13とに係合してロックされた状態になる。
(ハンドルユニット5)
図6の(a)はケーシング3に対してロック状態時のハンドルユニット5の斜視図、(b)は(a)においてロック解除用ボタン801をロック解除方向Bに移動操作してケーシング3に対してロックを解除した状態時のハンドルユニット5の斜視図である。図7の(a)と(b)はハンドルユニット5の分解斜視図であり、(a)は装置の前面側から見た斜視図、(b)は装置の後面側から見た斜視図である。
ハンドルユニット5は、ハンドルカバー6、ハンドル部7、ロック機構80などにより構成される。ロック機構80は、ロック部材8をカバー6に対して左右方向にスライド可能に支持させて取り付けるための前後側一対のホルダー9、ホルダー9をカバー6に取り付けためのビス10、リセットスプリング11などにより構成される。
ハンドル部7はカバー6の外側において、カバー6に対して起伏回動可能に取り付けられている。不使用時はカバー6に対して自重により倒れ込んでいる。装置1を運搬したり、スクリーン2を上げ下げしたりする時は、カバー6からハンドル部7を起こして握る。
ロック部材8はカバー6の内側において左右方向にスライド移動可能にホルダー9・9を介して配設されている。ホルダー9はビス10によりカバー6の内側に固定されている。ロック部材8の上面に設けられているロック解除用ボタン801がカバー6の中央部の四角形の貫通穴601に内側から嵌り込んでカバー6の外側に露出している。ロック部材8の前側と後側にはそれぞれ噛合い部(フック形状部)802が設けられている。前側の噛み合い部802はケーシング3の前ベース12側に設けられた被噛合い部1201に対応して係脱する。後側の噛み合い部802はケーシング3の後ベース13側に設けられた被噛合い部1301に対応して係脱する。
ロック部材8は、リセットスプリング11によりハンドルカバー6内を常時左方に移動付勢されている。このロック部材8の左方への移動付勢方向は噛み合い部802を被噛合い部1201・1301に対して係合させる方向である。プリング11がロック部材8を噛合い部802が被噛合い部1201・1301に対して係合する方向に移動付勢する付勢部材である。
ボタン801は、自由状態においては、図6の(a)の矢印Aようにカバー6の穴601内を左側に寄り移動して位置している。この位置がロック部材8のロック動作位置であり、ロック部材8の前側と後側の噛合い部802が、それぞれ、ケーシング3の前ベース12側の被噛合い部1201と後ベース13の被噛合い部1301とに係合する位置である。
ユニット5のロック状態において、ハンドル部7を利用して装置1を引き上げて運搬することができる。そして、図6の(a)のロック状態において、ユニット5のボタン801を図6の(b)のようにロック解除方向(右方)Bに移動操作する。そうすると、ロック部材8の前側と後側の噛合い部802が、それぞれ、ケーシング3の前ベース12側と後ベース13の被噛合い部1201・1301から外れてユニット5のケーシング3に対するロックが解除される。これにより、ハンドル部7を握ってロッド401即ちサポートユニット4をケーシング3から引き上げでスクリーン2を引き出す(広げる)ことができる。
ロック機構80を含むハンドルユニット5の組立と構造について図7を参照して今少し詳しく説明する。スプリング11の左端部をロック部材8の右側の半円形溝内に位置させ、ロック部材8のボタン801をカバー6の中央部にある四角形の貫通穴601に挿し込む。かつ、スプリング11の右端部をカバー6内の右側のスプリングストッパー602に押し込む。前後側一対のホルダー9・9の一方のホルダー9の中央部にある一つのスライドガイドピン901をロック部材8の片側にあるスライド溝803内に挿し込む。そして、ホルダー9の左右両側にある一対の貫通穴902を貫通するビス10をカバー6の内側にある左右対応の一対のねじ穴603に捻り込む。そして、もうひとつのホルダー9の中央部にあるスライドガイドピン901をロック部材8のもう一方の側にあるスライド溝803内に挿し込む。そして、当該ホルダー9の左右両端側にある一対の貫通穴902を貫通するビス10をカバー6の内側にあるそれ対応の一対のねじ穴603に捻り込む。
これにより、ロック部材8がカバー6の内側においてホルダー9・9を介して左右方向にスライド可能に配設される。そして、ロック部材8はスプリング11によりカバー6内をロック方向である左方向A(図6の(a))に常時移動付勢される。そして、ロック部材8はボタン801によりスプリング11の突っ張り力に抗してロック解除方向である右方向B(図6の(b))に移動操作することができる。カバー6の左右両側にはアーチ状の切欠き部604がある。その切欠き部604にハンドル部7の左右両端部に内向きに設けられたシャフト部を嵌入させてハンドル部7をカバー6に対して回動可能に軸受けさせる。そして、カバー6がビス(不図示)にてロッド401即ちサポートユニット4の長手方向の中央部に対して固定されている。
前述したように、スクリーン2を展張状態(図1乃至図3、図10a)から収納状態(図5)にするときには、ハンドルユニット5を押し下げる。これにより、リール30がスクリーン2を巻いてケーシング3内に収め、ユニット4が下に向いてケーシング3の前ベース12と後ベース13に対向して位置する。そして、ユニット5側のロック部材8の前側部の噛合い部802が前ベース12の被噛合い部1201に挿し込まれ、ロック部材8の後側部の噛合い部802が後ベース13の被噛合い部1301に挿し込まれる。そして、引き続き、ユニット5を押し下げれば、噛合い部802が被噛合い部1201・1301と押し合い、ロック部材8がスプリング11を圧縮しながらカバー6内を左側から右側に移動して噛合い部802が被噛合い部1201・1301に嵌入する。
そして、十分に嵌入すると、噛合い部802の被噛合い部1201・1301に対する押し合いが無くなって、ロック部材8がスプリング11の圧縮反力で右側から左側に戻り移動する。これにより、噛合い部802が被噛合い部1201・1301に対して係合して、カバー6がケーシング3に対してロックされた状態になる。
逆に、スクリーン2を収納状態(図5)から展張状態(図1乃至図3、図10a)にするときには、図6の(a)のロック状態にある装置1におけるユニット5のボタン801を図6の(b)のようにロック解除方向B(右方)に移動操作する。そうすると、スプリング11が圧縮されてロック部材8がカバー6内を左側から右側に移動して噛合い部802が被噛合い部1201・1301から十分に離れ移動する。そして、力を入れてハンドル部7を引き上げると、ロック部材8が前ベース12と後ベース13から離れて、ユニット5のケーシング3に対するロックが解除される。このロック解除状態においてロック部材8はスプリング11の圧縮反力で右側から左側に戻り移動(リセット移動)する。
(L型折畳み式サポートアーム機構14)
機構14は、スクリーン2の後面側において、左右のベースユニット23L・23Rとサポートユニット4の長手方向のほぼ中央部との間に配設されている。機構14は、スクリーン2を展張状態に保持させるための、立ち上がり動作・折畳み動作可能で自立機能を有しているスクリーン支持機構である。
本実施例の機構14は、下端部が左ベースユニット23Lに対して前後方向の軸23aを中心に回動可能にヒンジ結合された左側下部サポートアーム22Lを有する。また、下端部が右ベースユニット23Rに対して前後方向の軸23aを中心に回動可能に回動可能にヒンジ接合された右側下部サポートアーム22Rを有する。また、上端部がカバー6に対して前後方向の軸6aを中心に回動可能にヒンジ結合され、下端部が前記左側下部サポートアーム22Lの上端部と右ヒンジ接合部15Rにより回動可能に結合された右側上部サポートアーム21Rを有する。
また、上端部がカバー6に対して前後方向の軸6aを中心に回動可能にヒンジ結合され、下端部が前記右側下部サポートアーム22Rの上端部と左ヒンジ接合部15Lにより回動可能に結合された左側上部サポートアーム21Lを有する。
Cをスクリーン2の幅方向(左右方向)の中央部における垂直線(仮想線)とした時、カバー6の左右方向の中央部と、前ベース12および後ベース13の左右方向の中央部は垂直線C上にほぼ位置している。また、左右のベースユニット23L・23Rは垂直線Cを中にしてほぼ左右対称の位置にある。
左側下部サポートアーム22L、右側下部サポートアーム22R、左側上部サポートアーム21L、右側上部サポートアーム21Rは、それぞれ、剛性を有する棒状部材であり、例えば、横断面円筒形や方筒形の金属パイプ材を用いることができる。本実施例においては、左側下部サポートアーム22Lと右側下部サポートアーム22Rは、それぞれ、スクリーン2の幅寸法とほぼ同じ長さ寸法とされている。また、左側上部サポートアーム21Lと右側上部サポートアーム21Rは、それぞれ、スクリーン2の幅寸法の1/2とほぼ同じ長さ寸法とされている。左側上部サポートアーム21Lと右側上部サポートアーム21Rの上端部はハンドルカバー6の左右方向のほぼ中央部(垂直線C上)においてハンドルカバー6に対して回動可能にヒンジ接合されている。或はアーム21Lの上端部はカバー6の左右方向の中央部よりも少し左側において、アーム21Rの上端部はカバー6の左右方向の中央部よりも少し右側において、垂直線Cを中にしてほぼ左右対称な位置にカバー6に対して回動可能にヒンジ接合されている。
従って、左側下部サポートアーム22Lおよび右側上部サポートアーム21Lと、右側下部サポートアーム22Rおよび左側上部サポートアーム21Lは、垂直線Cを中にして左右ほぼ対称の配置関係にある。左側下部サポートアーム22Lと右側下部サポートアーム22Rは機構14の立ち上がり状態時(伸び状態時)にはほぼ垂直線C上において交差(クロス:図2、図10a)する関係となる。また、機構14の立ち上がり状態時(図1乃至図3、10a)も折畳み状態時(図5)も、左ヒンジ接合部15Lと左側上部サポートアーム21Lはスクリーン2の垂直線Cよりも常に左側に存在する。また、右ヒンジ接合部15Rと右側上部サポートアーム21Rはスクリーン2の垂直線Cよりも常に右側に存在する。この構造により、立ち上がり動作・折畳み動作可能なL型折畳み式サポートアーム機構14が構成される。
前述のように、サポートユニット4の長手方向(左右方向)の中央部に近づいているところにおいて、左右側の上部サポートアーム21L・21Rの上端部をそれぞれユニット4に対して前後方向の軸6aを中心に回動可能に接続する。これにより、スクリーン2の上下動作がより安定的でスムーズに行える。アーム21Lの上端部はカバー6の長手方向の中央部よりも少し左側において、アーム21Rの上端部はカバー6の長手方向の中央部よりも少し右側において、垂直線Cを中にしてほぼ左右対称な位置でカバー6に軸6aを中心に回動可能に接続することもできる。
また、ケーシング3の後面側においてケーシング3の左右両端部に近づいているところにおいて、左右側の下部サポートアーム22L・22Rの下端部を軸23aを中心に回動可能に接続する。これにより、スクリーン2の上下動作がより安定的でスムーズに行える。必要に応じて、ケーシング3の後面側の長手方向でやや中央部寄りのところにおいて、左右の下部サポートアーム22L・22Rの下端部を、前後方向の軸23aを中心に回動可能に接続することもできる。
より詳しく説明すると、以下の通りである。左右側の上部サポートアーム21L・21Rの上端部が、左右方向において、前後位置の重ならない状態で、ユニット4の長手方向の中央部において、上部サポートアーム21L・21Rの上端部を回動可能に接続できようにする。上記のユニット4の長手方向の中央部は、両端から離れてやや中央部寄りのところでもよい。かつ、左右側の下部サポートアーム22L・22Rが、左右方向において、前後位置の重ならない状態で、ケーシング3の後面の左右両端部において下部サポートアーム22L・22Rの下端部を回動可能に接続できるようにする。ケーシング3の後面の左右両端部は、両端から離れてやや中央部寄りのところでもよい。上記の構成とするために、以下の措置を採取する。
即ち、外部から嵌め込める補強用のヒンジ接合部15L・15Rを採用する。これにより、同一側において、左側上部サポートアーム21Lの下端部と右側下部サポートアーム22Rの上端部をヒンジ接合部15Lにて互いに接続させる。また、同一側において、右側上部サポートアーム21Rの下端部と左側下部サポートアーム22Rの上端部をヒンジ接合部15Rにて互いに接続させる。即ち、左右両側にある上部サポートアーム21L・21Rと左右両側にある下部サポートアーム22L・22Rを2つヒンジ接合部15L・15Lで接続させる。これにより、立ち上がり動作・折畳み動作可能なL型折畳み式サポートアーム機構14が構成される。
機構14の折畳み状態時(図5)も立ち上がり状態時(図1乃至図3、図10a)も、右側ヒンジ接合部15Rの回動中心であるネジ18とナット19(図15)がずっと右側(スクリーン2の垂直線Cよりも右側)に位置する。また、左側ヒンジ接合部15Lの回動中心であるネジ18とナット19がずっと左側(スクリーン2の垂直線Cよりも左側)に位置する。機構14の立ち上がり状態で、左右側の下部サポートアーム22L・22Rが互いにクロス(図2)していて、かつ、左右側2つのヒンジ接合部15L・15Rが前後方向において重ならないようにする。そのようになるように、機構14に対して、スクリーン2がケーシング3に収められたクリーン収納状態から最大限でのクリーン展張状態(図10a)まで設定する。外部からアーム21・22に嵌り込み、かつ、当該アームより直径が長いヒンジ接合部15L・15Rはクロスしないため、前後方向において、サポートアーム機構14にあるアーム21・22の位置が接近できる。かつ、ヒンジ接合部15L・15Rの回動範囲を制御することができて、耐久性も向上させることができる。
ヒンジ接合部15L・15Rは、図15のように、前述の上部サポートアーム21L・21Rの下端部内に差し込まれる円筒形状の上側ヒンジユニット16を有する。また、前述の下部サポートアーム22L・22Rの上端部内に差し込まれる円筒形状のヒンジユニット17を有する。また、上述の上側ヒンジユニット16と下側ヒンジユニット17を自由に回転できるように繋ぐネジ18とナット19を有する。図15の(a)はヒンジ接合部15(L・R)の横断面図、(b)はヒンジ接合部15(L・R)の分解斜視図である。ただし、そのほかの形式で構成されてもいい。
図11は機構14が折畳まれた状態のスクリーン装置の一部切欠き後面図である。図11に示すように、機構14が折畳まれた状態において、機構14が立ち上がっている状態(図2)で左側にある上部サポートアーム21Lと右側にある下部サポートアーム22Rを繋ぐヒンジ接合部15Lが左端に位置している。同時に、機構14が立ち上がっている状態で右側にある上部サポートアーム21Rと左側にある下部サポートアーム22Lを繋ぐヒンジ接合部15Rが右端に位置する。前述のように、アーム21・22の長さを設定する。そうすることにより、サポートアーム機構14が折畳まれるときに、左右方向で伸びるが、スクリーン2の左右両側から出なく、かつ、上下方向におけるスクリーン2の移動ストロークが長くなり、アーム21・22の長さも短くなる。ケーシング3が長手方向において長くなるが、ヒンジ接合部15L・15Rよりスクリーン2の左右両側に伸びる状態で実施することもできる。
機構14が折畳まれた状態(図5、図11)において、左右側の下部サポートアーム22L・22R、および左右側の上部サポートアーム21L・21Rは、ほぼ水平に畳み込まれて、ケーシング3の後面の投影面内に納まった状態になる。この状態において、左側のヒンジ接合部15Lが左側のベースユニット23L内に位置して納まった状態に、また、右側のヒンジ接合部15Rが右側のベースユニット23R内に位置して納まった状態になる。また、ほぼ水平の倒れ回動した左右側の下部サポートアーム22L・22Rの長手方向のほぼ中央部の下向き面が、それぞれ、後ベース13に具備させたホルダー1302により受け止められて支持される。機構14の重量支え:図5、図7の(b)、図9の(c)、図11。なお、このホルダー1302は省略することができる。
左側下部サポートアーム22Lと右側下部サポートアーム22Rには、この両アーム22L・22Rを引き寄せた状態に保持させるために、スライドコネクタ27で連結(スリップ接続)させている。これを図12で説明する。
左側下部サポートアーム22Lと右側下部サポートアーム22Rには、それぞれ、アームに外嵌させて環状の第1スライダ28と第2スライダ29が設けられている。第1スライダ28はアーム22Lに沿ってスライド自由である。第2スライダ29はアーム22Rに沿ってスライド自由である。第1スライダ28のヘッド2801が第2スライダ29の溝2901内に嵌り込み、第2スライダ29の溝エッジ2902が第1スライダ28のヘッド2801を挟んでいることで、第1スライダ28と第2スライダ29とが互いに連結されている。ヘッド2801は溝2901内において回転できる。このように、第1スライダ28と第2スライダ29はヘッド2801の首部(シャフト部)2802を中心に互いに回動可能に連結されている。即ち、左右両側の下部サポートアーム22L・22Rがスライドコネクタ27を介して繋がり、離れられない。このように、スライドコネクタ27を利用して、左右両側の下部サポートアーム22L・22Rを互いに自由に回転できるように繋ぐ。このスライドコネクタ27により、スクリーン2を展張状態から収納状態に変換するとき、左右両側の下部サポートアーム22L・22R(機構14)が任意な立ち上がり高さ位置において垂直線Cを対称軸線にして左右ほぼ対称の状態に保持される。また、逆にスクリーン2を収納状態から展張状態に変換するときも、左右両側の下部サポートアーム22L・22R(機構14)が任意な立ち上がり高さ位置において垂直線Cを対称軸線にして左右ほぼ対称の状態に保持される。これにより、、常に機構14の立ち上がり動作・折畳み動作が安定的に実行される。第1スライダ28に溝2901を具備させ、第2スライダ29にヘッド2801を具備させてもよい。
図13は機構14が立ち上がっている状態時の右ヒンジ接合部の切り欠き後面図、図14は機構14が折畳まれている状態時の右ヒンジ接合部の切り欠き後面図である。左ヒンジ接合部も同様の構成である。図13、図14に示すように、ヒンジ接合部15(L・R)の上側ヒンジユニット16には、開き位置制限用凸部1602が設けられており、下側ヒンジユニット17には開き位置制限用サポートユニット1702が設けられている。上側ヒンジユニット16と下側ヒンジユニット17がヒンジ接合部中心(ヒンジ接合部回動中心)であるネジ18の周りを開き方向に回動して、開き位置制限用凸部1602が開き位置制限用サポートユニット1702にぶつかる。そうすると、ヒンジ接合部15が回転を停止する。即ち、ヒンジ接合部15のそれ以上の開き方向への回転が阻止される。この時、機構14の左右両側の下部サポートアーム22L・22Rと左右両側の上部サポートアーム21L・21Rとの間の内角が最大値になる。そして、機構14のそれ以上の立ち上がり動作が阻止されて、スクリーン2が最大限に引き出されて展張された状態となる(図10a)。
なお、前述の制限点1602・1702は、図13、図14中に示す位置に限らない。実際の必要に応じて、開き位置制限用凸部1602と開き位置制限用サポートユニット1702の位置を設定する。これにより、機構14の左右両側の下部サポートアーム22L・22Rと左右両側の上部サポートアーム21L・21Rとの間の内角が180度以下になる時の異なる制限点1602・1702を任意に設定することができる。
左右両側のヒンジ接合部15L・15Rに制限点1602・1702が設けてあるので、スクリーン2の最大の引出し使用状態(図10a)を安定的に制限することができる。ただし、制限点1602・1702は左右のヒンジ接合部15L・15Rのうちの一つのヒンジ接合部において設置することもできる。また、開き位置制限用凸部1602を下側ヒンジユニット17側に、位置制限用サポートユニット1702を側ヒンジユニット16側に配設してもよい。
そして、スクリーン2が展張状態(図1乃至図3、図10a)から収納状態(図5、図11)に転換される場合、ハンドルユニット5を押し下げることにより、機構14が折畳み動作して、スクリーン2がケーシング3内のリール30に巻き込まれる。図9の(a)は十分に立ち上げ動作した状態の機構14の部分図、(b)は十分に畳み込まれる前状態の機構14の部分図、(c)は十分に畳み込まれた状態時の14機構の部分図である。
次に機構14の自立機能機構について、図10a乃至図10c、図11、図13、図14、図15により説明する。図10bは左ベースユニット部分の一部切欠き後面図、図10cは引っ張りコイルスプリングの上端部とテンションケーブルとの接続部の図である。本実施例においては、左右両側の下部サポートアーム22L・22Rの中空部に、それぞれ、機構14の自立機能機構としての立ち上げ付勢するための付勢装置(応力装置)が内蔵されている。左側下部サポートアーム22Lと右側下部サポートアーム22Rの中空部に内蔵の付勢装置は左右対称で同じ機構であるから、主として左側下部サポートアーム22Lの付勢装置を代表して説明する。
アーム22Lの下端部内部にはアーム22Lの回動中心である軸23aを中心に回動可能なスプリング固定部品25が配設されている。アーム22Lの内部には引っ張りコイルスプリング24が挿入されており、このスプリング24の下端部は上記の固定部品25に接続されている。即ち、スプリング24の下端部はアーム22Lに接続されている。スプリング24の上端部にはケーブルグリップ(ケーブルグリップ)2601を介して可撓性のあるテンションケーブル(テンションワイヤ)26の一端が接続されている。ケーブル26の他端側は延長されてヒンジ接合部15Rの下側ヒンジユニット17のケーブルガイド溝1701と上側ヒンジユニット16のU型ケーブルガイド溝1601を経由して上側ヒンジユニット16の端部に至る。そして、ストッパ2602により上側ヒンジユニット16に係止されている。即ち、アーム21Rに接続されている。スプリング24はケーブル26を所定の引っ張り力をもって常時緊張させている。右側下部サポートアーム22R側の付勢装置も上記の左側下部サポートアーム22Lの付勢装置と同様の構造である。
この構造により、左側下部サポートアーム22Lに対して右側上部サポートアーム21Rがスプリング24の引っ張り力によるケーブル26の緊張により右側ヒンジ接合部15Rを中心に開き方向に常時回動付勢されている。上記の開き方向はアーム21Rと22Lの内角を大きくする方向である。上記の開き方向はアーム21Rと22Lの内角を大きくする方向である。また、右側下部サポートアーム22Rに対して左側上部サポートアーム21Lがスプリング24の引っ張り力によるケーブル26の緊張により左側ヒンジ接合部15Lを中心に開き方向に常時回動付勢されている。開き方向はアーム21Lと22Rの内角を大きくする方向である。即ち、機構14がスプリング24の引っ張り力によるケーブル26の緊張により常時立ち上げ方向に付勢されている。
機構14は、スクリーン2の引き上げ・引き下げ範囲内の任意の立ち上がり高さ位置においてハンドル部7から手を離しても、その高さ位置に安定に支持した状態に保持される(自立機能)。即ち、ユニット4とスクリーン2の自重およびリール30のスクリーン巻き込み力と、機構14の上記の付勢装置24・26による立ち上がり力と、の両者がバランスする。そのため、スクリーン2は任意の立ち上がり高さ位置に安定に支持した状態に保持される。
図13、図14に示すように、ヒンジ接合部15R(15L)上にはケーブル26が通過する引っ張りガイド溝1601がある。その溝1601はU型偏心溝である。引っ張りガイド溝1601はU型底部で半円形溝aを形成し、U型の両側でストレート溝b・bを形成する。半円形溝a部分の溝底面からヒンジ接合部中心(ネジ)18までの距離が比較的に長い。ストレート溝b・b部分の溝底面からヒンジ接合部中心18までの距離が短い。即ち、ストレート溝b・b部分の溝底面からヒンジ接合部中心18までの距離が、半円形溝a部分の溝底面からヒンジ接合部中心18までの距離より短い。スクリーン2がゆっくりと下方に移動し、かつ、スクリーン2が任意の高さ位置で保持できるように、スプリング24の張力を設定する。機構14の立ち上がり動作・折畳み動作におけるヒンジ接合部15L・15Rの開き角度変化に伴い、スプリング24の伸び長さが異なれば、発生する張力が異なる。しかし、実際には、スプリング24の作用力、ヒンジ接合部15L・15Rにあるヒンジの摩擦力、および下部サポートアームのスクリーンなどの重量とスクリーンの回収作用力などをつり合わせれば、スクリーン2を任意な高さ位置に保持することができる。ヒンジ接合部15L・15R上にケーブル26を通す引っ張りガイド溝1601の半円形溝a部分はそのほか楕円形などの形に設定されてもいい。ケーブルが自由に回転するように、ストレート溝と半円形溝(或いは楕円形溝)を正接に設定する。そのほか、正接に設定しなくてもいい、2つのストレート溝の位置が平行しなくてもいい。
図15の(a)と(b)のように、ヒンジ接合部15(L・R)は、上側ヒンジユニット16、下側ヒンジユニット17、および上側ヒンジユニット16と下側ヒンジユニット17を自由に回転できるように繋ぐネジ18とナット19などにより構成される。ネジ18がスリーブ33とガスケット32を貫通する。ヒンジ接合部15(L・R)の接続面の間に、一対の摩擦板31、31を設ける。ネジ18とナット18を利用して、ヒンジ接合部15と摩擦板31を繋ぐ。ヒンジ接合部15上には、ケーブル26を通す引っ張りガイド溝1601・1701を設ける。上側ヒンジユニット16には、U型ケーブルガイド溝1601が備えてある。下側ヒンジユニット17には、ケーブルガイド溝1701が備えてある。ケーブル26は、上部ヒンジユニット16のU型ケーブルガイド溝1601と下部ヒンジユニット17のケーブルガイド溝1701を貫通する。
ここで、前述の取付け状態以外に次のような取付け形態にすることもできる。即ち、スプリング24は、その一端がスプリングの固定部品25により上部サポートアーム21(L・R)に取付けられ、もう一端がケーブル26を介してヒンジ接合部15(L・R)を経由して下部サポートアーム22に接続した形態にすることもできる。又は、その他の取り付け方式を採用することもできる。また、機構14を立ち上げ方向に付勢する付勢装置24・26は、左側下部サポートアーム22Lおよび右側上部サポートアーム21Rと、右側下部サポートアーム22Rおよび左側上部サポートアーム21Lの一方の側だけに配設した構成にすることもできる。
[実施例2]
図16は実施例1の装置1におけるスライドコネクタ27の他の構成例である。この実施例2のスライドコネクタ27Aは、鉄塊34と磁石35より構成される磁気デバイスである。左側の下部サポートアーム22Lと右側の下部サポートアーム22Rの相互の対向面にはそれぞれ、長手に沿って溝が形成されている。左側の下部サポートアーム22Lの溝には鉄片34が溝に沿ってスライド移動自由に嵌め込まれている。鉄片34は溝から外れないように配設されている。右側の下部サポートアーム22Rの溝には磁石35が溝に沿ってスライド移動自由に嵌め込まれている。磁石35も溝から外れないように配設されている。そして、その鉄片34と磁石35が磁力で吸着して互いにずれ回転可能に結合連している。即ち、左右両側の下部サポートアーム22L・22Rが鉄片34と磁石35によるスライドコネクタ27Aを介して繋がり、離れられない。このように、鉄片34と磁石35によるスライドコネクタ27Aを利用して、左右両側の下部サポートアーム22L・22Rを互いに自由に回転できるように繋ぐ。
このスライドコネクタ27Aによっても、スクリーン2を展張状態から収納状態に変換するとき、左右両側の下部サポートアーム22L・22R(機構14)が任意な立ち上がり高さ位置において垂直線Cを対称軸線にして左右ほぼ対称の状態に保持される。また、逆にスクリーン2を収納状態から展張状態に変換するときも、左右両側の下部サポートアーム22L・22R(機構14)が任意な立ち上がり高さ位置において垂直線Cを対称軸線にして左右ほぼ対称の状態に保持される。これにより、常にサポートアーム機構14の動作が安定的に実行される。
[実施例3]
図17は実施例1の装置1におけるスライドコネクタ27の更に他の構成例である。この実施例3のスライドコネクタ27Bはスライディングシャフト36を用いたものである。左側の下部サポートアーム22Lと右側の下部サポートアーム22Rの相互の対向面にはそれぞれ、長手に沿って溝は形成されている。スライディングシャフト36の両端部にはそれぞれヘッド3601・3061が設けられている。そのシャフト36の一方のヘッド3601を左側の下部サポートアーム22Lの溝に嵌入させ、他方のヘッド3601を左側の下部サポートアーム22Lの溝に嵌入させてある。溝のエッジが両端にあるヘッド3601を挟んでおり、ヘッド3601は溝から外れない。ヘッド3601は溝内においてサポートアームの長方向に沿って自由にスライド可能である。即ち、左右両側の下部サポートアーム22L・22Rがスライディングシャフト36によるスライドコネクタ27Bを介して繋がり、離れられない。このように、スライディングシャフト36によるスライドコネクタ27Bを利用して、左右両側の下部サポートアーム22L・22Rを互いに自由に回転できるように繋ぐ。
このスライドコネクタ27Bによっても、スクリーン2を展張状態から収納状態に変換するとき、左右両側の下部サポートアーム22L・22R(機構14)が任意な立ち上がり高さ位置において垂直線Cを対称軸線にして左右ほぼ対称の状態に保持される。また、逆にスクリーン2を収納状態から展張状態に変換するときも、左右両側の下部サポートアーム22L・22R(機構14)が任意な立ち上がり高さ位置において垂直線Cを対称軸線にして左右ほぼ対称の状態に保持される。これにより、常にサポートアーム機構14の動作が安定的に実行される。
上記の実施例1乃至実施例3のスクリーン装置1の構成をまとめると次のとおりである。
(1)スクリーン装置1を正面側から見て左右方向に長く、上面側が長手に沿ってスクリーン出入り用の開口部301として開放されているケーシング3を有する。ケーシング3の内部に配設されていて、左右方向に長く、一方向に回転付勢されているリール30を有する。下端部がリール30に係止されていて、リール30に巻かれる可撓性を有するスクリーン2を有する。左右方向に長く、スクリーン2の上端部を係止させた、開口部301に対応する上部コネクティングロッド401を有する。ロッド401の左右方向の中央部に配設されたハンドル部7を有する。スクリーン2の後面側において、ケーシング3とロッド401との間に配設された折畳み式サポートアーム機構14を有する。
機構14は、ケーシング3の左側端部部分に対して下端部が前後方向の軸23aを中心に回動可能に取り付けられた左側下部サポートアーム22Lを有する。また、ケーシング3の右側端部部分に対して下端部が前後方向の軸23aを中心に回動可能に取り付けられた右側下部サポートアーム22Rを有する。また、左側下部サポートアーム22Lの上端部に対して下端部が右ヒンジ接合部15Rを介して回動可能に結合され、上端部がロッド401の左右方向の中央部に前後方向の軸23aを中心に回動可能に取り付けられた右側上部サポートアーム21Rを有する。また、右側下部サポートアーム22Rの上端部に対して下端部が左ヒンジ接合部15Lを介して回動可能に結合され、上端部がロッド401の長手方向の中央部に前後方向の軸6aを中心に回動可能に取り付けられた左側上部サポートアーム21Lを有する。
上記の機構14を立ち上げ方向に付勢する付勢装置を有する。付勢装置は、左側下部サポートアーム22Lおよび右側上部サポートアーム21Rと、右側下部サポートアーム22Rおよび左側上部サポートアーム21Lの少なくとも一方の中空部に内蔵させた引っ張りスプリング24とテンションケーブル26を用いている。
そして、付勢装置による機構14の立ち上げ方向への付勢と、リール30のスクリーン巻き込み力、ロッド401やハンドル部7の自重による機構14の畳み込み方向への力がバランスしてスクリーン2を任意の立ち上がり高さ位置に支持する自立機能を有する。
(2)引っ張りスプリング24が左側下部サポートアーム22Lの中空部に内蔵されている。スプリング24の下端部が左側下部サポートアーム22Lに接続され、スプリング24の上端部にテンションケーブル26の一端が接続されている。ケーブル26の他端が右ヒンジ接合部15Rを経由して右側上部サポートアーム21Rに接続されている。
また、引っ張りスプリング24が右側下部サポートアーム22Rの中空部に内蔵されている。スプリング24の下端部が右側下部サポートアーム22Rに接続され、スプリング24の上端部にテンションケーブル26の一端が接続されている。ケーブル26の他端が左ヒンジ接合部15Lを経由して左側上部サポートアーム21Lに接続されている。
(3)左側下部サポートアーム22Lと右側下部サポートアーム22Rは、それぞれ、スクリーン2の幅寸法とほぼ同じ長さ寸法である。左側上部サポートアーム21Lと右側上部サポートアーム21Rは、それぞれ、スクリーン2の幅寸法の1/2とほぼ同じ長さ寸法である。
(4)左側下部サポートアーム22Lおよび右側下部サポートアーム22Rと、右側上部サポートアーム21Rおよび左側上部サポートアーム21Lは、スクリーン2の左右方向の中央部における垂直線Cを中にして左右ほぼ対称の配置関係にある。
左側上部サポートアーム21Lと右側上部サポートアーム21Rは機構14の立ち上がり状態時には垂直線Cの線上において交差する関係にある。
機構14の立ち上がり状態時も折畳み状態時も、右ヒンジ接合部15Rと右側上部サポートアーム21Rは垂直線Cよりも常に右側に存在し、左ヒンジ接合部15Lと左側上部サポートアーム21Lは垂直線Cよりも常に左側に存在する。
(5)左側下部サポートアーム22Lと右側下部サポートアーム22Rとを交差する部分において離間しないように、かつ、互いに自由に回転できるように繋ぐスライドコネクタ27を有する。このスライドコネクタ27は、機構14の立ち上がり動作および折畳み動作に伴って左側下部サポートアーム22Lと右側下部サポートアーム22Rとにそれぞれ長手に沿ってスライド移動するスライドコネクタを有する。
(6)スライドコネクタ27は、左側下部サポートアーム22Lと右側下部サポートアーム22Rとにそれぞれ長手に沿ってスライド移動可能に嵌着された第1のスライダ28と第2のスライダ29とを有する。第1のスライダ28と第2のスライダ29の一方には溝2901があり、他方にはヘッド2801がある。ヘッド2801はシャフト部2802でスライダに接続しており、溝2901のある側のスライダの溝内に収納されており、溝2901のエッジ2902が突き出てヘッド2801を抱え込んでいる。これにより、第1のスライダ28と第2のスライダ29とがシャフト部2802を中心に相対回転可能に連結されている。
(7)左ヒンジ接合部15Lおよび右ヒンジ接合部15Rはそれぞれテンションケーブル26を懸け回す引っ張りガイド溝1601を有する。引っ張りガイド溝1601が半円形溝aとストレート溝bにより構成されたU型偏心溝であり、ストレート溝bの溝底面からヒンジ接合部中心18までの距離が半円形溝aの溝底面からヒンジ接合部中心8までの距離より短い。
(8)左ヒンジ接合部15Lと右ヒンジ接合部15Rはそれぞれ上側ヒンジユニット16と下側ヒンジユニット17の二つの部分により構成されている。上側ヒンジユニット16と下側ヒンジユニット17にそれぞれテンションケーブル26を懸け回す引っ張りガイド溝1601・1701を有する。
(9)左ヒンジ接合部15Lと右ヒンジ接合部15Rの少なくとも一方の上側ヒンジユニット16と下側ヒンジユニット17とに機構14の立ち上がり上限高さを規定する制限用凸部1602と制限用サポートユニット1702が設けてある。
(10)上側ヒンジユニット17と下側ヒンジユニット17の接続面の間に摩擦板31があり、上側ヒンジユニット16と下側ヒンジユニット17および摩擦板31がネジ18とナット19で接続されている。
(11)ハンドル部7の側に噛合い部802が備えてある。ケーシング3の側に噛合い部802に対応する被噛合い部1201・1301がある。噛合い部802と被噛合い部1201・1301との係合によりハンドル部7の側がケーシング3の側に係止される。
(12)噛合い部802と被噛合い部1201・1301との係合をロック状態にする、および、ロック状態を解除することができるロック機構80を有する。
(13)ハンドル部7がハンドルカバー6の上にあり、ハンドルカバー6がロッド401の上に取り付けられており、ハンドルカバー6にロック機構80が配設されている。
(14)ロック機構80は、ハンドルカバー6にスライド移動可能に設けられていて、噛合い部802を有するロック部材8を有する。また、ロック部材8を噛合い部802が被噛合い部1201・1301に対して係合する方向に移動付勢する付勢部材11と、ロック部材8に設けられていて、ハンドルカバー6の外側に露出しているロック解除用操作部801と、を有する。
上述した本実施例のスクリーン装置1は、スクリーン2が引き上げられた(立てている)使用状態で、又はスクリーンが押し下げられた収納状態で、機構14の立ち上がり動作・折畳み動作により、スクリーン2を安定的に支持させることができる。
機構14を立ち上げ方向に付勢する付勢装置(応力装置)24・26がアーム22L・22Rに内蔵されているので、外観も美しくなる。
ケーブル26は、ヒンジ接合部15L・15Rのガイド溝a・bの周りを回って、張力をサポートアーム21L・22Rにかける。ガイド溝a・bがノーマルなガイド溝形式ではない。ガイド溝a・bは、スクリーン2の開き状態においてシャフト直径を長くして、サポートアームに十分な力を提供する。しかも、スクリーン2の収納状態において、シャフト直径を短くして、必要ない力を除去する。従って、ノーマルなガイド溝のように、L型折畳み式サポートアームの内角が小さいほど、スプリングが長く引っ張られて、ほぼ0度に折畳む時、強い張力が発生し、アームの変形、増大などの問題を引き起こすことはない。
しかも、機構14の上端ヒンジ部6a・6aがロッド401を有するサポートユニット4の長手方向のほぼ中央部にあるハンドルユニット5のハンドルカバー6上に接続し、ロック部材8もハンドルカバー6に設けられる。これにより、スクリーン収納状態において、スクリーン2をロックして、機構14からの上向きの弾力を相殺することができる。
機構14の上端ヒンジ部6a・6aがスクリーン2の幅方向におけるロッド401の左右両端部に設けられる場合と比べ、スクリーン2の張力が大きすぎるために、ロッド401がゆがめるなどの問題を解決することができる。
また、アーム21(L・R)、22(L・R)の断面積を増やす場合、又はそのほかの構造で変形を除去する場合と比べ、コストを節約して、装置の体積を低減するという長所を持っている。
左右両側にあるヒンジ接合部15(L・R)の少なくとも一つに、スクリーン開き位置の制限点1602・1702を設定することにより、当該制限点がスクリーン2の開きに使用される時、左右両側のサポートアームが伸びる。そして、ヒンジ接合部15(L・R)が指定の角度まで回転した後、上側ヒンジユニット16の制限用凸部1602が下側ヒンジユニット17の制限用サポートユニット1702にぶつかって、機構14のそれ以上の立ち上がり動作を止める。これにより、スクリーンの最大開き高さを確定する。制限点1602・1702がヒンジ接合部15(L・R)内に位置するので、外観も美しくなり、かつ、別途に制限ユニットを設計する必要がない。部品の数量を増加しなくて、目的を達成することができるので、製造と部品制御において長所を持っている。
左右両側の下部サポートアーム22L・22Rにスライドコネクタ27(27A・27B)を設けてあり、左右両側のサポートアームが繋がる。これにより、スクリーン2の使用状態でも、状態転換の動作過程においても、サポートアーム22L・22Rが前後方向で離れないので、スクリーン2のゆがみや変形と損害など問題の発生を低減し、装置1を長期に安定的に使用することができる。
そのほか、接続したスライドコネクタ27(27A・27B)を利用して、同一の揺れ角度で、左右のアームを揺り動かすことにより、確定した指定動作で、左右のサポートアームを操作することができる。かつ、統一的な動作状態で、左右のサポートアームを安定的に伸縮することができるので、それは簡略化した安定的な解決案である。
ロック機構80のロック部材8はハンドルユニット5内に取付けられている。ハンドルユニット5はロッド401のサポートユニット4に取付けられている。ハンドルカバー6を押し下げれば、ロック部材8の噛合い部802とケーシング3側にある被噛合い部1201・1301が噛み合う。これにより、ハンドルユニット5がケーシング3側にロックされる。ハンドル部7を引き上げれば、装置1の運搬ができる。スクリーン2の左右幅方向において、ロック解除用ボタン801を操作すればロックが解除されて、ハンドル部7を引き上げることでスクリーン2が広げられる。本設計は、短い時間内にスクリーンの使用状態と収納状態の転換が実現できるので、便利、手軽性、快速などの長所を持っている。
ここで、特許文献1のスクリーン装置においては。、L型折畳み式サポートアームには、L型折畳み式サポートアームの折畳みと反発のために、圧力を加えるユニットを設ける。2つのL型折畳み式サポートアームは、スクリーンの左右方向におけるほぼ中心部を挟んで固定した状態で、それぞれスクリーンのもう一端に接続する上部コネクティングロッドのサポートユニットをケーシング(外殻)の裏にあるベースユニットのヒンジと連結する。スクリーンの左右方向にある左側のL型折畳み式サポートアームのヒンジ接合部を、上部コネクティングロッドのサポートユニットの左右方向にある中心部に対してその右側に設置する。同時に、スクリーンの左右方向にある右側のL型折畳み式サポートアームのヒンジ接合部を、上部コネクティングロッドのサポートユニットの左右方向にある中心部に対してその左側に設置する。このように、左側にあるL型折畳み式サポートアームの上部サポートアームの上端ヒンジが上部コネクティングロッドのサポートユニットの左側に接続する。右側にあるL型折畳み式サポートアームの上部サポートアームの上端ヒンジが上部コネクティングロッドのサポートユニットの右側に接続する。上部サポートアームと下部サポートアームの取り付け位置が、スクリーンが広げられた時の高さに必要なアームの長さを効果的に満足させられる。
しかし、スクリーンが十分に収納された時、上部コネクティングロッドのサポートユニットの中心部が外殻中心部においてロックされ、左右両側にあるL型折畳み式サポートアームが付勢装置により上向きの弾力を保持している。上部コネクティングロッドのサポートユニットの両端が力を受けているため、跳ね上がる。上部コネクティングロッドのサポートユニットの厚さを増やすことにより、強度を強化することができるが、コストと重量が増加する。
本発明においては、以上の問題について、以下の解決案を提案している。一対の折畳み式弾力サポートアーム22L・21R、22R・21Lを採用して、上向きの支持力を提供し、スプリング24を付勢装置(応力装置)として採用する。スクリーン2がケーシング3内に十分に収納された時、ロッド401のサポートユニット4はケーシング3の開口部301に対応して位置する。また、ケーシング3の長手方向の中央部において、ロック機構80を設ける。ロッド401のサポートユニット4の中央部はケーシング3の中央部にてロックされる。一対の折畳み式弾力サポートアーム22L・21R、22R・21Lの上端がロッド401の中央部にあるハンドルカバー6に接続されている。スプリング24の引っ張り力により、折畳み式弾力サポートアーム22L・21R、22R・21Lはそのまま上向きの弾力を保持している。しかし、ハンドルカバー6がケーシング3にロックされたため、サポートアームの22L・21R、22R・21L弾力がハンドルカバー6に全部作用する。従って、ロッド401はロックされた状態で、弾力による影響を受けなくて、跳ね上がらない、製品の外観にも影響を与えない。
本発明のスクリーン装置1は、ケーシング3、L型折畳み式サポートアーム機構14、スクリーン2、上部コネクティングロッド401、リール30などの組立て部品により構成される。スクリーン2の一端がロッド401に接続され、もう一端がリール30の弾力を利用してリール上に巻いて取り付けられる。リール30はスクリーン2を巻くことに用いられ、一方向に回転付勢された状態で、ケーシング3内に取り付けられている。L型折畳み式サポートアーム機構14はそれぞれ上部サポートアーム21L・21Rと下部サポートアーム22L・22Rによりヒンジ接合部15L・15Rを利用して接続する。ヒンジ接合部15L・15Rは機構14の上下方向においてほぼ下端から2/3離れているところに位置している。ヒンジ接合部15L・15Rには、引っ張りガイド溝1601・1701が設けてある。スプリング24の一端が下部サポートアーム22L・22Rに接続し、そのもう一端にケーブル26が接続されている。ケーブル26は、ヒンジ接合部15L・15Rの引っ張りガイド溝の周りを回し、上部サポートアーム21L・21Rに接続される。スプリング24と引っ張りガイド溝1601の作用により、外部の付勢装置(応力装置)が必要なく、上部サポートアーム21L・21Rと下部サポートアーム22R・22Lは外向きの弾力を持つ。かつ、スクリーン2をケーシング3内に収める時、付勢装置と下部アーム22R・22Lとの角度が変化するため、上向きの支持力を失うことが発生しない。一対のL型折畳み式サポートアーム22L・21R、22R・21Lは、スクリーン2の左右方向におけるほぼ中心部(垂直線C)を挟んで、それぞれ左右両側に位置する。左側のL型折畳み式サポートアームの上部サポートアームヒンジが上部コネクティングロッドのサポートユニットの左右方向における中心部に接続し、下部サポートアームのヒンジがケーシングの裏の左側にあるベースユニットに接続する。上部サポートアームと下部サポートアームのヒンジ接合部が、上端サポートユニットの左右方向上の中心部に対して、その右側に設けられる。かつ、右側にあるL型折畳み式サポートアームの上部アーム・ヒンジが上部コネクティングロッドのサポートユニットの左右方向上の中心部に接続する。同時に、下部サポートアームヒンジがケーシングの裏の右側にあるベースユニットに接続する。上部サポートアームと下部サポートアームのヒンジ接合部が上端サポートユニットの左右方向上の中心部に対して、その左側に設けられる。
しかし、上述のL型折畳み式弾力サポートアームには、以下の問題が存在している。スクリーンが収められる過程中において、2つのサポートアームの内角が約120°から0°まで次第に減少する。同時に、スプリングがしだいに引っ張られて、発生する引っ張り力がますます強くなり、L型折畳み式サポートアームの開き弾力もますます強くなる。そうすると、スクリーンが十分に収められた時、上部コネクティングロッドの中心部が外殻の中央部にロックされる。しかも、当該アームの上端が上部コネクティングロッドのハンドルカバー或いはホルダーに接続し、上向きの弾力を持っている。
本発明は、ヒンジ接合部にある引っ張りガイド溝の形を設定することにより、上述の問題を解決する。引っ張りガイド溝の形は偏心溝を採用し、半円形溝とストレート溝により構成さる。半円形溝の両端が、その接線上にある直線ガイド溝に接続し、U型(不規則なU型でもいい)の形を形成する。ヒンジ接合部のシャフト中心が半円形の円心に位置しなく、その円心から離れている。ケーブルはガイド溝の周りを回し、ヒンジ接合部のシャフトを回転の中心点にする。また、ケーブルは引っ張りガイド溝の周りを回し、スプリングを引っ張って張力を伝送する。位置により、旋回半径が異なり、即ち、アームの長さが異なるので、スプリング張力の作用で、L型折畳み式弾力サポートアームより発生する外向きの弾力の強さも異なる。スクリーンが使用されている状態において、L型折畳み式サポートアームの2つのアームが開いてスクリーンをサポートし、ケーブルの応力点がヒンジ接合部上にシャフトから離れているところにある。即ち、旋回半径が大きくて、アームが長いので、スプリングにより発生する上向きのトルクが大きくなり、L型折畳み式サポートアームにある上向きの支持力がスクリーンを広げるのに必要な張力より強い。スクリーンがケーシング内に十分に収められた時、ヒンジ接合部の応力点がシャフトに近づいているところにある。即ち、旋回半径が小さくて、アームが短いので、スプリングより発生する上向きのトルクが小さくなり、L型折畳み式サポートアームにある上向きの支持力が最小に減少し、ハンドルカバーに作用する支持力も最小に減少する。
より詳しく説明すると、以下の通りである。スクリーンが十分に広げられた時、L型折畳み式サポートアームの2つのアームの内角が約120°であり、スプリングの張力が最も低い。ケーブルはヒンジ部の半円形溝部分に接続しているので、半円形溝の底面からヒンジ部のシャフト中心までの距離が長い、旋回半径が大きい。従って、スプリングの張力が最も低くても、L型折畳み式サポートアームが最適な外向きの弾力を持って、上部コネクティングロッドを支持することができる。一方、スクリーンが収められる時、L型折畳み式サポートアームの2つアームの内角がしだいに120°から0°に減少する。ケーブルがヒンジ部のストレート溝部分に接続しているので、直線ガイド溝の底面からヒンジ部のシャフト中心までの距離が短い、旋回半径が小さくなり、スプリングの張力が引っ張りガイド溝により正常より低くなる。L型折畳み式サポートアームの外向きの弾力も弱くなるため、スクリーンが広げられる時の必要なスプリング張力強さのみに対応して、L型折畳み式サポートアームを設計すればいい。別途にスクリーンが収められた時のスプリングによる張力強度を考慮する必要がない、かつ、コストと体積を低減することができる。
本発明は、L型折畳み式サポートアームの2つアームの内角が設定角度の以下に保持するように制限する。そのため、L型折畳み式サポートアームにあるヒンジ接合部の上側ヒンジユニットに一対の制限用凸部を設け、L型折畳み式サポートアームにあるヒンジ接合部の下側ヒンジユニットに一対の制限用サポートユニットを設ける。それにより、ヒンジ接合部が一定の角度に回転し、かつ、上側ヒンジユニットにある開き位置制限用の凸部が下側ヒンジユニットの開き位置制限用サポートユニットにぶつかった時、ヒンジ接合部が回転を停止する。そのため、L型折畳み式サポートアームが指定の角度を保持して、スクリーンの最大開き位置を確定することができる。制限ユニットの位置設定により、ヒンジ部の回転角度が変化できる。
本発明は、ヒンジ接合部の接続面の間において一対の摩擦板を設け、ネジとナットでヒンジ接合部と摩擦板を繋ぎ、また、摩擦力の大きさを調整する。そして、ナットの緩さを調整することにより、プリロードを設定する。ヒンジ接合部は上側ヒンジユニットと下側ヒンジユニットの二つ部分により構成される。上側ヒンジユニットと下側ヒンジユニットとの接続面の間には、摩擦板を設け、ネジとナットで上側ヒンジユニットと下側ヒンジユニットおよび摩擦板を繋ぐ。スクリーンの開き位置を変える時、スプリングの張力だけにより、スクリーンをある位置に固定させることに必要な力をつり合わせれば、スプリング張力のデザインが難しくなる。しかも、スプリング張力が大きいほど、L型折畳み式サポートアームは力受けによる変形が大きくなるので、上下部サポートアームの断面積を増やすことにより、強度を向上することができる。上述の問題を解決するため、ヒンジ部と摩擦板の間に摩擦力をかけることにより、スプリング張力のデザインにおける要求を簡略化して、スプリング張力を低減し、上下部サポートアームの変形を軽くする。
左右両側にあるL型折畳み式サポートアームの2つ下部アームの間に、自由に滑られるスライドコネクタを設置する。スライドコネクタは、内側スライドコネクタと外側スライドコネクタにより構成される。内側スライドコネクタには溝が備えてあり、溝のエッジが突き出ている。外側スライドコネクタの上にはヘッドが備えてある。ヘッドはシャフトで接続し、内側スライドコネクタの溝内に嵌り込む。内側スライドコネクタの溝エッジが外側スライドコネクタのヘッドをロックさせ、ヘッドが溝内において回転でき、かつサポートアームの長方向に沿って自由に滑られる。スクリーンが使用されている場合、又は、上下方向で姿が変化する場合、2つアームの間に、相対的な位置を保持する必要があり、離れなく、スクリーンを円滑で安定的にサポートすることができる。スライドコネクタの接続により、2つのアームの間の相対的な位置が保持でき、スクリーンが傾かなく、変形もしない。上部コネクティングロッドに対して、左右両側のL型折畳み式サポートアームに安定的に作用できる伸縮動作をかける。即ち、左右両側アームは、動作を統一して安定的に伸縮できるように、揺れ角を相対的に一致して、関連動作を実行する。上述スライドコネクタの取付け方式により、2つのアームの相対的な位置を効果的に保持することができる。また、上述のスライドコネクタ機能を実現するために、2つのL型折畳み式サポートアームにある下部アームのクロス部分の相対的面において、磁気デバイスを取付けてもいい。又は2つの下部サポートアームにおいて溝を設けて、両端にヘッドを備えるスライディングシャフト、両端のヘッドが下部サポートアームに嵌り込んだ溝などを採用することができる。
スクリーンの一端に接続する上部コネクティングロッドの中央部には、ハンドル部が備えてある。スクリーンのもう一端に接続する上部コネクティングロッドの中央部には、ケーシングに対応するロック機構が備えてある。ハンドル部は、ロック解除の時、スクリーンを広げるための取っ手として利用され、ロックした後、携帯用の取っ手として利用される。ハンドル部は、ハンドルカバー上にあり、ハンドルカバーが上部コネクティングロッド上に取り付けられる。上部コネクティングロッドの中央部にあるケーシング対応のロック機構は、スクリーンの左右方向でスライド可能なロック部材を備えている。しかも、前述の上部コネクティングロッドと前述のケーシングにおいて相応の噛合い部と被噛合い部が設けられている。ロック部材には、リセットスプリングを利用して、上部コネクティングロッドにある噛合い部がケーシングにある相応ユニットに固定する。ロック機構は、ロック部材、ロック解除用操作部、ホルダー、ビスおよびリセットスプリングなどにより構成される。リセットスプリングは、ロック部材にある半円形溝内に収めされる。ロック部材のロック解除用操作部がハンドルカバー中央部にある四角形の貫通穴に嵌り込む。リセットスプリングのもう一端がハンドルカバーのスプリングストッパーに押し込まれ、ホルダー中央部を通過してロック部材の片側にあるスライド溝内に収められる。ホルダーの左右両側には、一対の貫通穴が備えてあり、かつネジ接続でロック部材をハンドルカバーに固定させる。