JP5436873B2 - グリース組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、グリース組成物に関する。
近年、機械技術が益々発展する中で、機器は高速・高温・高荷重条件下で運転されるようになってきている。このような箇所へ使用しているグリースは、劣化や異物の混入等によりグリースが軟化し、高温箇所へ垂れ落ちることを想定しなければならない。また、火元のあるような苛酷な条件下で、ころがり軸受、すべり軸受、ギヤー駆動部等へのグリース充填作業が行われるような場合もある。そこで、このような火災危険性のある箇所へ用いるグリースは、より難燃性であるとともに、例え着火したとしても継続燃焼しないこと、すなわち自己消火性に優れていることが望まれる。
このような箇所へ用いられるグリース組成物は、鉱油を基油とし、リチウム石けん、ウレア等を含有したグリースが使用されており、これらの難燃性向上のため、添加剤の配合技術(例えば、特許文献1参照)や増ちょう剤及び基油組成の改良(例えば、特許文献2、特許文献3参照)などが試みられている。
特開平8−199183号公報 特開平2004−67843号公報 特表平6−511277号公報
本発明は、着火の可能性のある種々の用途に使用できる、難燃性及び自己消火性に優れ、かつ貯蔵安定性にも優れたグリース組成物を提供するものである。
本発明者らは、上記目的を達成するために、鋭意検討を重ねた結果、グリース組成物における基油として、特定の縮合リン酸エステルを使用することにより、難燃性及び自己消火性に優れることを見出した。さらに、増ちょう剤として有機化ベントナイト系化合物を使用することにより長時間放置しても変質しにくい、すなわち貯蔵安定性に優れることを見出した。すなわち、本発明では、以下のグリース組成物が提供される。
<1> 増ちょう剤として、有機化ベントナイト系増ちょう剤、金属石けん系増ちょう剤、複合体金属石けん系増ちょう剤及びポリウレアの中から選ばれる少なくとも1種と、
基油として、下記一般式(1)で表される縮合リン酸エステルの少なくとも1種を含むリン含有系基油のみと、
を含有し、
かつ下記一般式(1)で表される縮合リン酸エステルの含有率がグリース組成物全量に対して20質量%以上であるグリース組成物。
(一般式(1)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜22の炭化水素基、Rは炭素数1〜6の炭化水素基、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15の炭化水素基を表し、nは1〜5の整数であり、mは0または1である。)
<2> 前記一般式(1)中、R、R、R及びRは炭素数6〜15の芳香族炭化水素基、Rは炭素数3の炭化水素基、R及びRはそれぞれ水素原子を表し、nは1〜4の整数であり、mは0または1である前記<1>に記載のグリース組成物。
<3> 前記リン含有系基油が、下記一般式(2)で表されるリン酸類化合物の少なくとも1種を更に含む請求項1または請求項2に記載のグリース組成物。
(RO)(RO)(R10O)P(O) (2)
(一般式(2)中、R、R及びR10は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜24の炭化水素基を表し、aは0または1である。)
<4> 前記増ちょう剤が、有機化ベントナイト系増ちょう剤である前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のグリース組成物。
本発明によれば、着火の可能性のある種々の用途に使用できる、難燃性及び自己消火性に優れ、かつ貯蔵安定性にも優れたグリース組成物が提供される。
以下、本発明に係るグリース組成物について具体的に説明する。但し、本発明のグリース組成物は、基油として、下記一般式(1)で表される縮合リン酸エステルの少なくとも1種を含むリン含有系基油のみを含む物である。
1.リン含有系基油
(1)縮合リン酸エステル
本発明にかかるグリース組成物はリン含有系基油を基油として含むもので、そのリン含有系基油成分として、下記一般式(1)で表される縮合リン酸エステル(以下、単に「縮合リン酸エステル」という場合がある。)の少なくとも1種を含有する。
一般式(1)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数が1〜22の炭化水素基であり、好ましくは炭素数が2〜18、より好ましくは6〜15である炭化水素基である。R、R、R及びRの炭素数が22以下であることで、自己消火性及び難燃性が向上する傾向にあり、1以上であることでグリース本来の性能である流動性を効果的に達成できる。
また、R、R、R及びRでそれぞれ表される炭化水素基の種類としては、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、及び芳香族炭化水素基が挙げられる。
熱酸化安定性の観点からは、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基が好ましい。芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ジプロピルフェニル基、ジイソプロピルフェニル基、ジブチルフェニル基、トリメチルフェニル基、トリエチルフェニル基、トリプロピルフェニル基、トリイソプロピルフェニル基、トリブチルフェニル基等が挙げられるが、熱酸化安定性の観点からフェニル基が特に好ましい。
一般式(1)中、Rは炭素数1〜6の炭化水素基であり、好ましくは炭素数2〜4、より好ましくは炭素数3の炭化水素基である。Rの炭素数が前記範囲内であることで良好な自己消火性及び難燃性を得ることができる。
として、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、フェニレン基などが挙げられる。
一般式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15の炭化水素基であり、水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基が好ましく、特に好ましいのは水素原子の場合である。R及びRの炭素数が15以下であることで良好な自己消火性及び難燃性を得ることができる。
及びRで表される炭化水素基としては、芳香族炭化水素基、脂環族炭化水素基および脂肪族炭化水素基のいずれでもよく、脂肪族炭化水素基は、直鎖又は分岐鎖のいずれでもよい。脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基等が挙げられる。また、上記芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基等が挙げられる。さらに脂環族炭化水素基としては、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
一般式(1)中、nは1〜5の整数であり、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3である。nが前記範囲内であることでグリース本来の性能である流動性を効果的に達成することができる。なお、流動性の観点からは、nが異なる縮合リン酸エステルの混合物であることが好ましい。
また一般式(1)中、mは0または1である。
本発明のグリース組成物に含有される前記縮合リン酸エステルの40℃の動粘度は、10mm/s以上であることが好ましく、100mm/s以上であることが好ましく、500mm/s以上であることが好ましい。また、グリースの基油として適度な流動性を確保しやすいという観点からは、5000mm/s以下であることが好ましく、4000mm/s以下であることが好ましく、3000mm/s以下であることが好ましい。
尚、40℃の動粘度はJIS K2283動粘度試験方法に準拠して測定される。
本発明のグリース組成物中における縮合リン酸エステルの含有量は、グリース組成物全量に対し20質量%以上であり、好ましくは40質量%以上である。含有量が20質量%未満では、難燃性及び自己消火性における所定の性能に及ばない場合がある。一方、縮合リン酸エステルの配合量の上限値は特に制限はなく、グリース組成物中の全基油成分量が、縮合リン酸エステルの配合量の上限値であってもよい。すなわち、全基油成分が一般式(1)で表される縮合リン酸エステルのみからなるものであってもよい。
(2)縮合リン酸エステル以外のリン含有系基油成分
本発明のグリース組成物は、前記したように、上記の一般式(1)で表される縮合リン酸エステルのみを基油とするものであってもよいが、リン含有系基油成分として縮合リン酸エステル以外の基油成分を使用してもよい。縮合リン酸エステル以外の基油成分を含有することで、グリース組成物の基油としてより好ましい動粘度が効果的に達成される。
このような縮合リン酸エステル以外のリン含有系基油成分としては、例えば、ホスフィン、ホスフィナイト、ホスホナイト、ホスファイト、ホスフィンオキサイド、ホスフィネート、ホスホネート、ホスフェート、アシッドホスフェート、チオホスフェート等が挙げられる。これらの中でも、下記一般式(2)で表される群の中から選ばれる少なくとも1種のリン酸類化合物が好ましい。
(RO)(RO)(R10O)P(O) (2)
一般式(2)中、R、R及びR10は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜24の炭化水素基を表し、aは0又は1である。
一般式(2)中、R、R及びR10で表される炭化水素基の炭素数がそれぞれ24以下であると、基油の流動性がより向上する。流動性の向上の観点から、上記炭化水素基R、R及びR10の各炭素数としては、好ましくは1〜18であり、より好ましくは2〜15である。また、R、R及びR10の炭素数の合計量は、好ましくは4〜45であり、より好ましくは6〜40である。
一般式(2)中、R、R及びR10で表される炭化水素基は、芳香族炭化水素基、脂環族炭化水素基、及び脂肪族炭化水素基のいずれであってもよいが、好ましくは脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又はこれらを組み合わせた基であり、より好ましくは芳香族炭化水素基、又は脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とを組み合わせた基であり、特に好ましくは芳香族炭化水素基である。
一般式(2)で表されるリン含有系基油成分の具体例としては、クレジルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシリルホスフェート、フェニル・イソプロピルホスフェート、ブチルフェニルホスフェート等が挙げられる。この中でも、耐火性の観点から、トリキシリルホスフェートが好ましい。
上記の縮合リン酸エステル以外のリン含有系基油成分の40℃における動粘度は、例えば1〜2000mm/sであり、好ましくは2〜1000mm/s、さらに好ましくは5〜600mm/sである。配合するリン含有系基油成分の動粘度が前記下限値以上であることで、所定の難燃性及び自己消火性がより効果的に達成され、またグリースとして必要とされる動粘度を好ましい態様に調整できる。一方、添加するリン含有系基油成分の動粘度が前記上限値以下であることで、グリース組成物としたときの動粘度が大きくなりすぎず、トルクの増大を効果的に抑制することができる。
上記の縮合リン酸エステル以外のリン含有系基油成分の配合量は特に制限はなく、併用する基油成分である縮合リン酸エステルの動粘度等との関係から、対象とするグリース組成物に適した潤滑性を得られるように適宜調整すればよい。好ましくはグリース組成物全量に対して10〜75質量%、より好ましくは20〜70質量%である。さらに貯蔵安定性の観点からは、グリース組成物全量に対して60質量%以下であることが好ましい。
なお、本発明に係るグリース組成物の難燃性及び自己消化性を低下させない程度の量であればリンを含有しない基油成分を含むこともできるが、難燃性及び自己消火性の観点からは、本発明のグリースに使用する基油としては、リンを含有しない基油成分は実質的に含有しないことが好ましい。
(3)基油の動粘度
本発明のグリース組成物に、基油として用いる縮合リン酸エステルを含有するリン含有系基油の40℃のおける動粘度(JIS K2283動粘度試験方法による)は、例えば50〜1000mm/sであり、好ましくは50〜800mm/sであり、より好ましくは50〜600mm/sであり、特に好ましくは60〜400mm/sである。
基油の40℃動粘度が50mm/s以上とすることで、難燃性および自己消火性がより向上する。またグリースとして求められる潤滑性をより効果的に達成することができる。一方、基油の40℃動粘度が1000mm/s以下であることで、グリースとして必要な流動性をより効果的に達成できる。
2.増ちょう剤
本発明のグリース組成物において使用される増ちょう剤は、有機化ベントナイト系増ちょう剤、金属石けん系増ちょう剤、複合体金属石けん系増ちょう剤及びポリウレアから選ばれる少なくとも1種である。この中で貯蔵安定性の観点から特に好ましい増ちょう剤は、有機化ベントナイト系増ちょう剤である。
有機化ベントナイト系増ちょう剤としては、粘土鉱物モンモリロナイトの結晶表面に4級アンモニウムカチオン等のアミン系界面活性剤によって親油性を付与したものが挙げられる。
金属石けん系増ちょう剤としては、リチウム−12−ヒドロキシステアレート等の水酸基を有する脂肪族カルボン酸リチウム塩、リチウムステアレート等の脂肪族カルボン酸リチウム塩またはそれらの混合物などが挙げられる。
複合体金属石けん系増ちょう剤としては、水酸基を有する1価の脂肪族カルボン酸金属塩と2価の脂肪族カルボン酸金属塩とのコンプレックス等が挙げられ、具体的には複合体リチウム石けんや複合体アルミニウム石けんが挙げられる。
ポリウレアとしては、脂環式ポリウレア、芳香族ポリウレア、脂肪族ポリウレア等が挙げられる。
有機化ベントナイト系増ちょう剤の平均の結晶サイズは、好ましくは2.0μm以下であり、更に好ましくは0.01μm以上1.0μm以下であり、特に好ましくは0.01μm以上0.7μm以下である。結晶サイズが前記2.0μm以下であることで、増ちょう剤の油中への分散性が良好になり、グリースとしての所定のちょう度を効果的に達成することができる。これにより、多量の増ちょう剤を必要とせず、結果として耐火性の有効成分であるリン含有系基油の配合量の減量を抑制し、耐火性がより向上する。
増ちょう剤の好ましい含有量は、グリース組成物全量に対して、1.5〜30質量%、より好ましくは3〜20質量%、特に好ましくは4〜16質量%である。含有量が1.5質量%以上であることで、グリースとしての所定のちょう度が効果的に達成できる。また30質量%以下であることで、グリースの流動性が低下することを抑制し、更にはグリースに耐火性を付与するリン含有系基油の配合量が相対的に増加し、耐火性がより効果的に向上する。
3.その他の添加剤
本発明のグリース組成物は、上記のリン含有系基油と増ちょう剤とを含有するものであるが、必要に応じて、各種添加剤を適宜含有していてもよい。
各種添加剤としては、特に制限はなく通常用いられる各種添加剤を適用することができる。例えば、アルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート、アルカリ土類金属サリシレートなどの金属系清浄剤;アルケニルこはく酸イミド、アルケニルこはく酸イミド硼素化変性物、ベンジルアミン、アルキルポリアミンなどの分散剤;亜鉛系、硫黄系、アミン系、エステル系などの各種摩耗防止剤;ポリメタクリレート系、エチレンプロピレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体の水素化物あるいはポリイソブチレン等の各種粘度指数向上剤;2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールなどのアルキルフェノール類、4,4’−メチレンビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)などのビスフェノール類、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピオネートなどのフェノール系化合物、およびナフチルアミン類やジアルキルジフェニルアミン類などの芳香族アミン化合物などの各種酸化防止剤;硫化オレフィン、硫化油脂、メチルトリクロロステアレート、塩素化ナフタレン、ヨウ素化ベンジル、フルオロアルキルポリシロキサン、ナフテン酸鉛などの極圧剤;ステアリン酸などのカルボン酸、ジカルボン酸、金属石鹸、カルボン酸アミン塩、重質スルホン酸の金属塩、多価アルコールのカルボン酸部分エステルなどの各種錆止め剤;ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾールなどの各種腐食防止剤;シリコーン油などの各種消泡剤などが挙げられる。添加剤は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1〜5、及び比較例1〜3)
実施例及び比較例では、以下に示す*1〜*8の各成分を表1〜表2に示した配合量(質量基準)の割合で含有させたグリース組成物を調製した。*1〜*8の内の増ちょう剤は、増ちょう剤自体を基油に混合するか、または増ちょう剤の原料を基油に混合して基油中でその原料を反応させて増ちょう剤にして、結果として*1〜*8の各成分を含有するグリース組成物を調製した。なお、グリース組成物は、*1〜*8の各成分を適宜混合し、ミル処理を行ってグリース組成物中に増ちょう剤を均一に分散させ、調製した。
得られたグリース組成物は、それぞれ燃焼性試験及び貯蔵安定性試験の評価を行った。
*1:有機化ベントナイト(耐熱容器に表中の各基油を入れ、4級アンモニウムカチオンによって親油油性が付与された有機化ベントナイト(豊順社製、商品名「エスベンC」、粒子径:0.5μm以下)とエタノールを入れ、40℃付近で約1時間攪拌させた。その後、約90℃付近まで加熱し、エタノールを蒸発させ、これに基油を添加し、冷却した後、ミル処理を行うことによりベントナイトの薄片状の結晶を最適なものとし、基油中に混合分散させたグリース組成物を調製した。)
*2:リチウム石けん(耐熱容器に表中の各基油とリチウム−12−ヒドロキシステアレート(堺化学製、商品名「S7000H」)を投入して加熱し、約200℃付近で溶解させ、基油を添加し、冷却した後、ミル処理を行うことによりリチウム−12−ヒドロキシステアレートの結晶を最適なものとし、基油中に混合分散させたグリース組成物を調製した。)
*3:脂環式ジウレア(耐熱容器に表中の各基油とジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートを投入し、加熱し、次に、シクロヘキシルアミンを約60℃付近で添加し、約40分間反応させ、その後、撹拌しながら110℃に加熱し、基油を添加し、冷却した後、ミル処理を行うことにより脂環式ジウレアの結晶を最適なものとし、基油中に混合分散させたグリース組成物を調製した。)
*4:縮合リン酸エステル1(商品名;大八化学社製「CR−741」 前記一般式(1)中、R、R、R、およびRはそれぞれ炭素数6の芳香族炭化水素基、Rは炭素数3の炭化水素基、R、およびRはそれぞれ水素原子、mは1、nは1〜3の混合物である。また、この縮合リン酸エステルの40℃動粘度は、1300mm/sである。)
*5:縮合リン酸エステル2(商品名;大八化学社製「CR−733S」 前記一般式(1)中、R、R、R、およびRはそれぞれ炭素数6の芳香族炭化水素基、Rは水素原子、mは0、nは1〜3の混合物である。また、この縮合リン酸エステルの40℃動粘度は、135mm/sである。)
*6:リン酸エステル:トリキシリルホスフェート(一般式(2)中、R、R、およびR10は全てキシリル基、aは0である。また、40℃動粘度は46mm/sである。)
*7:鉱油A:水素化精製鉱油(40℃動粘度:100mm/s)
<その他の添加剤>
*8:酸化防止剤:オクチル化ジフェニルアミン
−基油の40℃動粘度−
下記表1、表2に記載の組成を有する基油の40℃動粘度を、JIS K2283動粘度試験方法に準拠して測定した。結果を表1、表2に示した。
(評価方法)
−燃焼試験−
内径55mm、深さ30mmの筒型の鋼製容器に、調製したグリース組成物を15g入れ、950℃に加熱した直径19.05mmの鋼球を落下しグリース組成物と接触させ、着火の有無と、着火した場合は燃焼が終了するまでの時間を測定した。評価は、以下の評価基準で行った。
〜評価基準〜
◎:着火せず、または着火しても30秒未満で燃焼が終了(自己消火性あり)。
○:着火するが、30秒以上2分未満で燃焼が終了(自己消火性ほとんどなし)。
×:着火して、2分以上燃焼が継続(自己消火性なし)。
−貯蔵安定性試験−
200ml用のビーカーに試料を10g取り、室温で1か月間放置し、JIS K2220に準拠した混和ちょう度を測定した。評価は、試験前後の混和ちょう度の差により以下の基準で判断した。
試験前後の混和ちょう度の差が少ない程、グリース自体の変質が少なく貯蔵安定性に優れている。尚、下記評価基準では「△」が実用上の限界レベルである。
〜評価基準〜
◎:試験前後の混和ちょう度が±10未満であった。
○:試験前後の混和ちょう度が±10以上15未満であった。
△:試験前後の混和ちょう度が±15以上25未満であった。
×:試験前後の混和ちょう度が±25以上であった。

Claims (4)

  1. 増ちょう剤として、有機化ベントナイト系増ちょう剤、金属石けん系増ちょう剤、複合体金属石けん系増ちょう剤及びポリウレアの中から選ばれる少なくとも1種と、
    基油として、下記一般式(1)で表される縮合リン酸エステルの少なくとも1種を含むリン含有系基油のみと、
    を含有し、
    かつ下記一般式(1)で表される縮合リン酸エステルの含有率がグリース組成物全量に対して20質量%以上であるグリース組成物。


    (一般式(1)中、R、R、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜22の炭化水素基、Rは炭素数1〜6の炭化水素基、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15の炭化水素基を表し、nは1〜5の整数であり、mは0または1である。)
  2. 前記一般式(1)中、R、R、R及びRは炭素数6〜15の芳香族炭化水素基、Rは炭素数3の炭化水素基、R及びRはそれぞれ水素原子を表し、nは1〜4の整数であり、mは0または1である請求項1に記載のグリース組成物。
  3. 前記リン含有系基油が、下記一般式(2)で表されるリン酸類化合物の少なくとも1種を更に含む請求項1または請求項2に記載のグリース組成物。
    (RO)(RO)(R10O)P(O) (2)
    (一般式(2)中、R、R及びR10は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜24の炭化水素基を表し、aは0または1である。)
  4. 前記増ちょう剤が、有機化ベントナイト系増ちょう剤である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のグリース組成物。
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