本発明の鏡貼り装置1を、図を用いて以下に詳細に説明する。ここでは、円形のコンパクトの蓋の内側に円形の鏡を貼り付ける場合について説明する。図1に示すのが、本発明の鏡貼り装置1の平面図であり、図2が正面図、図3が側面図である。
本発明の鏡貼り装置1は、コンパクト等の部品(ここではコンパクトの蓋3の内側)に両面テープ4を用いて鏡2を貼り付ける装置であって、鏡2を供給する鏡供給装置5、前記コンパクトの蓋3を供給する部品供給装置6、前記コンパクトの蓋3に両面テープ4を貼り付ける両面テープ貼り付け装置7、前記鏡2を前記コンパクトの蓋3との貼り付け面を上方に向けた状態で移動させる回転テーブル8、前記鏡2が貼り付けられたコンパクトの蓋3を排出する排出装置9、前記コンパクトの蓋3を部品供給装置6から両面テープ貼り付け装置7へと移動し、さらに、前記コンパクトの蓋3を前記両面テープ貼り付け装置7から回転テーブル8へと移動させて前記鏡2の上に載せ、前記鏡2が貼り付けられた前記コンパクトの蓋3を前記回転テーブル8から排出装置9へと移動させる移動装置10、前記鏡2の上に載せられたコンパクトの蓋3を上から押圧して鏡2をコンパクトの蓋3に貼り付ける圧着装置11、および各装置の操作および制御を行う操作盤12から構成される。
前記鏡供給装置5は、図4,5に示すように、斜め下方に傾斜し、複数の鏡2を移動させる鏡供給コンベア13と、前記鏡供給コンベア13の先端に設けられ、最前列に位置する1枚の鏡2をセットする鏡分離治具14と、前記鏡分離治具14に保持された1枚の鏡2を前記鏡分離治具14に沿って上方へとスライドする鏡分離装置15と、上方へとスライドされた1枚の鏡2を貼り付け面が上になるように回転させて前記回転テーブル8上に設けられた台座50へと移動させる鏡移動装置16を備える。
前記鏡供給コンベア13は底部に並列に設けられた3つのタイミングベルト19と、前記タイミングベルト19を駆動するモータ20と、鏡2をガイドする2つの側壁21と、前記タイミングベルト19が進行方向に向かって下方へと落ち込む少し手前から前記鏡分離治具14へと延伸され、前記タイミングベルト19と交互に配置された鏡乗継フォーク22から構成されている。前記鏡乗継フォーク22により、前記タイミングベルト19の先端が下方へと落ち込んでいても、前記鏡2がタイミングベルト19に沿って下方に落下せずに前記鏡分離治具14の開口17へと運ばれる。
また、前記タイミングベルト19および前記鏡乗継フォーク22は、前記タイミングベルト19の進行方向に向かって斜め下方に傾斜するように配置されており、前記鏡2は前記タイミングベルト19に対して垂直に起立して貼り付け面が進行方向に向かった状態でセットされる。前記タイミングベルト19の進行方向は前記回転テーブル8の中心へと向かっており、前記鏡移動装置16によって前記回転テーブル8へとセットされる。前記鏡供給コンベア13の上方は開放されており、セットされている鏡2の後方に新たな鏡2を簡単に補充することができる。
前記鏡分離治具14には、図6に示すように、前記鏡供給コンベア13によって運ばれた鏡2が通過する開口17が設けられている。前記開口17の形状は鏡2の形状に合わせて形成しており、本実施形態では円形となっている。前記鏡2の形状を変更する場合には、鏡2の形状に合わせた開口を設けた別の鏡分離治具を用意する。そのために、前記鏡分離治具14は前記鏡供給コンベア13から容易に取り外しおよび取り付け可能な構造とする。
さらに、前記鏡分離治具14の前面には、後述する前記鏡分離装置15のスライド部18がセットされる凹部23を前記開口17の下方に設け、前記鏡2を上方へとスライドさせるための凹部23’を前記開口17の上方に設けており、前記凹部23、23’内を前記スライド部18および1枚の鏡2がスライドされる。
前記鏡分離装置15は、前記鏡分離治具14の開口17を通過した鏡2を1枚だけ保持するスライド部18と前記スライド部18を上下にスライドさせる駆動部24から構成されている。前記スライド部18は保持部25によって前記鏡2を下から保持し、前記鏡2を前記凹部23’内を上方へとスライドさせるが、前記保持部25の厚みを前記鏡2の1枚の厚さと同じに形成することで、前記スライド部18は前記鏡2を1枚だけ上方にスライドさせることができる。このような構造の前記鏡分離装置15を用いることで、従来のようなエアーを吹き付けて鏡を分離することなく、確実に1枚の鏡2を取り出すことができる。
前記鏡移動装置16は、前記鏡分離装置15によって上方にスライドさせられた鏡2を吸着する吸着パッド26と、前記吸着パッド26が先端に設けられ、バキュームホース27と接続されたアーム28と、前記アーム28をスライドさせるシリンダー29と、前記シリンダー29を回動させる駆動部から構成される。前記駆動部として、図4,5に示すように、前記シリンダー29を矢印Aの方向に回動させるロータリーアクチュエータ74と、前記ロータリーアクチュエータ74、シリンダー29等が取り付けられたプレート30をピニオンギア72とラックギア71を用いて矢印Bの方向にスライドさせるサーボモータ73を用いる。
前記鏡移動装置16は前記吸着パッド26を、前記鏡分離装置15によって上方にスライドさせられた鏡2の貼り付け面へと向かう方向(垂直より少し上に向いた方向)と、前記回転テーブル8上で下に向いた方向(垂直下向き)との間を移動させる。この移動は、ロータリーアクチュエータによりシリンダー29を矢印Aの方向に回動させる動きと、サーボモータによりプレート30を矢印Bの方向にスライドさせる動きを組み合わせることで行う。
そして、前記吸着パッド26を前記鏡2へと押し付ける動作、および前記鏡2を前記回転テーブル8にセットする動作を行うために、前記シリンダー29により矢印Cの方向に前記アーム28をスライドさせる。このような2つのスライド動作と1つの回動動作を組み合わせることで、前記鏡移動装置16は前記鏡2を前記鏡分離装置15から回転テーブル8へと移動させる。この時、図4(b)に示すように、前記吸着パッド26により鏡2が吸着されて前記鏡移動装置16により前記鏡2が保持されたら、前記鏡供給装置5のスライド部18を下方へとスライドさせて、鏡2を前記鏡分離治具14から移動可能な状態とする。
前記部品供給装置6は前記コンパクトの蓋3を搬送する部品供給コンベア31と、前記コンパクトの蓋3が落下するのを防ぐためのストッパー32を備える。前記コンパクトの蓋3は前記部品供給コンベア31上を鏡2を貼り付ける面が下向きとなる状態で搬送される。
本発明の鏡貼り装置1には、図3に示すように、前記部品供給装置6により運ばれてくるコンパクトの蓋3の外観に加飾(印刷、ホットスタンプ等)の不良等が無いかをチェックするためのCCDカメラ33を、前記部品供給コンベア31の上方に設けている。前記CCDカメラ33で前記コンパクトの蓋3を撮影し、モニター34に表示された画像が画像処理装置に送られることにより、前記コンパクトの蓋3の外観の良、不良を判別することができる。
前記両面テープ貼り付け装置7は、図8に示すように、片面に剥離紙35が付いている両面テープ4をロール状にしたものがセットされた送りリール36と、前記両面テープ4を所定の位置でハーフカットする両面テープカッター部37と、ハーフカットされた両面テープ4の上に前記コンパクトの蓋3をセットする両面テープ貼り付け台38と、両面テープ4をコンパクトの蓋3に貼り付けた後の剥離紙35を巻き取るための巻き取りリール39と、前記両面テープ4を送りリール36から両面テープカッター部37、前記テープ貼り付け台38、そして巻き取りリール39へと送る送り装置40を備える。前記送り装置40はモーター41およびガイド42から構成される。
両面テープカッター部37は、前記剥離紙35に付着した状態の両面テープ4をハーフカットするために回転しながら水平方向にスライドする円形カッター43と、前記円形カッター43と前記両面テープ4を挟んで対向し前記両面テープ4をハーフカットする際の台となる垂直に配置されたプレート44と、前記円形カッター43を回転させスライドさせる駆動部を備える。さらに、両面テープカッター部37には、両面テープ4のハーフカットの位置を調節するための高さ調節機構75が設けられており、前記円形カッター43と前記プレート44を一体的に両面テープ貼り付け装置7の本体に対して上下動させることができる。前記高さ調節機構75としてはネジ式の構造を用いている。これにより、従来であれば必要であった前記円形カッター43と前記プレート44との間隔を調節する必要が無くなり、段取り換えの時間短縮が可能となる。
前記両面テープ貼り付け台38には、剥離紙35が下で両面テープ4が上となった状態でハーフカットされた両面テープ4が送られ、前記コンパクトの蓋3が、貼り付け面が下となる向きで前記移動装置10によって上から押し付けられることにより、所定の長さにカットされた両面テープ4が前記コンパクトの蓋3に貼り付けられる。両面テープ4が貼り付けられたコンパクトの蓋3を回転テーブル8へと移動させる時には、両面テープ4をスムーズに剥離紙35から剥がす必要がある。
そこで、スムーズに剥離紙35が剥がれるように、シリンダー46により上下動可能なピン47を設ける(図9参照)。前記ピン47は、図9(b)に示すように、上にスライドした時に、前記コンパクトの蓋3を傾かせるように、2本配置されており、前記ピン47によって前記コンパクトの蓋3が傾いた状態で、前記移動装置10によって保持されて上方に持ち上げられると、両面テープ4が剥離紙35から剥離し易くなる。
前記回転テーブル8は、図10に示すように、モータにより回転する円板49と、前記円板49の円周上に等間隔で配置された4個の治具50からなり、前記治具50は、図11に示すように、底部51と、弾性体であるスプリング52によって前記底部51と所定の間隔で上下動可能に保持され、中央に前記コンパクトの蓋3を収容し保持する開口が形成された上部枠53と、前記上部枠53の下に固定された前記鏡2を収容し保持する開口が形成された鏡収容部54とを備え、各装置と連動して1工程で図10の矢印の方向に前記治具50を90°回転させる。治具50の数は特に4個に限定するものではなく、装置に構成に応じて増減させることが可能である。
前記上部枠53および前記鏡収容部54は、図11(b)に示すように、圧着装置11によって上方から加圧されると下方へと移動する。この時、前記底部51に設けられた台座55が前記上部枠53および前記鏡収容部54の開口内に位置する状態となり、前記台座55によって前記鏡4およびコンパクトの蓋3が支持された状態となり、前記圧着装置11によって前記鏡4とコンパクトの蓋3が貼り付けられる。
前記移動装置10は、図12に示すように、前記コンパクトの蓋3を部品供給装置6から両面テープ貼り付け装置7へと移動させる第1移動部材56、前記両面テープ貼り付け装置7で両面テープ4が貼り付けられた前記コンパクトの蓋3を前記両面テープ貼り付け装置7から鏡2がセットされた回転テーブル8の治具50へと移動させる第2移動部材57、前記鏡2が貼り付けられたコンパクトの蓋3を前記回転テーブル8の治具50から排出装置9へと移動させる第3移動部材58からなる
前記第1移動部材56と前記第2移動部材57は1つの第1垂直スライド部材59によって上下動され、前記第3移動部材58は別の第2垂直スライド部材60によって上下動される。さらに、前記第1垂直スライド部材59と前記第2垂直スライド部材60は、1つの水平スライド部材61によって水平方向にスライドされる。各スライド部材としてシリンダーを用いている。これにより、前記第1移動部材56、前記第2移動部材57および前記第3移動部材58は1つの水平スライド部材61よって水平方向に同時にスライドされる構造となる。
前記第1移動部材56、前記第2移動部材57および前記第3移動部材58はそれぞれ2つの吸着パッド62と前記吸着パッド62が取り付けられ、バキュームホース(図示せず)が接続されたアーム64を備える。そして、前記第1移動部材56のアーム64と前記第2移動部材57のアーム64は水平アーム70に保持されており、前記水平アーム70が前記第1垂直スライド部材59に取り付けられている。さらに、前記第2移動部材57は、前記アーム64を回転させるロータリーアクチュエータ65を備える。これにより、前記第2移動部材57に保持されたコンパクトの蓋3を回転させて向きを変えることができる。
前記移動装置10は、図3に示すように、鏡貼り装置1の土台66から前記回転テーブル8の上へと延びる支柱67に取り付けられているが、前記支柱67には、圧着装置11も配置されている。前記圧着装置11は、図12に示すように、支柱67に取り付けられたシリンダー68により圧着部69が上下動する構造となっている。
前記排出装置9として排出シューターを用いているが、その他に次工程に完成品を運ぶベルトコンベア等を用いることも可能である。
前記操作盤12には、各装置の制御を行う制御部が設けられ、前記制御部によって各装置が連動して作動するように制御されており、また、段取り換えの際の各装置の調節等を操作盤12によって行う。操作パネルとしてスイッチだけではなく、タッチパネルを用いることができる。
ここまで、部品として円形のコンパクトの蓋3を用いた場合について説明してきたが、部品の種類や形状および鏡の形状についてはこれに限定するものではなく、様々な種類や形状を用いることが可能である。そのために、前記鏡分離治具14および前記回転テーブル8の治具4を部品及び鏡の形状合わせたものを用意しておき、部品および鏡の形状に合わせて交換することで簡単に様々な部品及び鏡に対応することが可能となる。
次に、鏡貼り装置1の作動方法について説明しながら、さらに詳しく鏡貼り装置1について説明する。まず初めに、前記鏡供給装置5について説明する。
図4(a)に示すように、前記鏡供給装置5の鏡供給コンベア13に複数の鏡2をセットする。この時、貼り付け面が前に向き起立した状態で鏡2を鏡供給コンベア13にセットする。そして、前記鏡供給コンベア13の前記タイミングベルト19を作動させて、セットした鏡2を前方へと移動させて前記鏡分離治具14の開口17を通過させ、図4(a)および図6(c)に示すように、最前列の鏡2を前記鏡分離装置15のスライド部18に保持させる。
そして、図6(d)に示すように、前記鏡分離装置15の駆動部24によって前記スライド部18を前記鏡分離治具14の前面で上方へとスライドさせる。すると、前記スライド部18に保持された鏡2が前記鏡分離治具14の前面に設けられた凹部23’内を上方へと移動する。
前記鏡2の上方へのスライドが完了したら、前記スライド部18を上方でスライドした状態で停止させ、次に、前記鏡移動装置16を作動させる。前記駆動部30によって前記アーム28に設けた吸着パッド26の吸着面が前記鏡2の方に向くように、前記シリンダー29を回動させる。そして、図4(b)に示すように、前記シリンダー29によって前記吸着パッド26を前記スライド部18に保持された鏡2の前面(貼り付け面)に押し付け、バキュームを作動させて前記吸着パッド26で前記鏡2を吸着して保持する。
前記鏡2が前記吸着パッド26によって保持されたら、図6(e)に示すように、前記鏡分離装置15を作動しスライド部18を下方へとスライドさせる。前記スライド部18が下方へと移動したら、前記鏡供給コンベア13を作動させて次の鏡2を前記スライド部18にセットしておく。
前記スライド部18が下方へと移動し前記鏡2の前方がフリーな状態となったら、前記鏡移動装置16の駆動部30を作動し、図5(a)に示すように、前記回転テーブル8の治具50の上方で前記吸着パッド26が下向きとなるように前記シリンダー29を回動させる。そして、前記シリンダー29を作動させて前記吸着パッド26を下方へと移動させ、図5(b)および図13(a)に示すように、前記吸着パッド26に保持された鏡2を前記治具50の鏡収容部54内へ移動させる。そして、前記吸着パッド26による鏡2の保持を解除すると、前記鏡2は貼り付け面が上になった状態で前記治具50の鏡収容部54にセットされる。
前記治具50に鏡2がセットされたら、回転テーブル8を作動させて円板49を90度回転させ、前記治具50にセットされた鏡2を、図13(b)に示すように、前記コンパクトの蓋3を鏡2の上に載せる位置へと移動させる。同時に空の治具50が次の鏡2をセットする位置に移動される。このようにして鏡2をコンパクトの蓋3を載せる状態とするまでに、並行してコンパクトの蓋3を移動させて両面テープ4を貼り付けておく。そこで、次に、コンパクトの蓋3に両面テープ4を貼り付ける方法について説明する。
まずは、前記部品供給装置6の部品供給コンベア31を作動させてコンパクトの蓋3を貼り付け面が下向きとなった状態で運搬する。そして、前記ストッパー32によって前記コンパクトの蓋3を所定の位置に停止させる。この時、前記CCDカメラ33により前記コンパクトの蓋3の外観を撮影し、外観検査を行う。不良品が発見された場合には手作業あるいは前記ストッパー32よる停止を解除して不良品を排出する。
前記コンパクトの蓋3の搬送と同時に、前記両面テープ貼り付け装置7を作動させて両面テープ4をハーフカットして前記両面テープ貼り付け装置7の前記両面テープ貼り付け台38にセットする。送り装置40によって両面テープ4を前記送りリール36から前記プレート44と前記円形カッター43の間に送る。そして、前記円形カッター40によって前記両面テープ4をハーフカットし、前記剥離紙35はカットせずに前記両面テープ4だけをカットする。
そして、送り装置40により鏡2の貼り付けに使用する長さ分前記両面テープ4を送り、再び前記円形カッター43により両面テープ4をハーフカットする。これにより貼り付けに使用する両面テープ4が所定の長さにカットされて剥離紙35に順番に貼り付いた状態となる。そして、再び送り装置40によって所定の長さ分両面テープ4を送り、円形カッター43により両面テープ4をハーフカットする。この動作を何回か繰り返して最初にハーフカットした両面テープ4を前記両面テープ貼り付け台38に、前記剥離紙35が下で、両面テープ4が上になった状態でセットする。
このようにして、コンパクトの蓋3が前記部品供給装置6の所定の位置に貼り付け面が下向きになった状態でセットされ、前記両面テープ4が前記両面テープ貼り付け台38にセットされたら、前記移動装置10を作動させる。まず初めに、図16(a)に示すように、水平スライド部61を作動させて第1移動部材56の吸着パッド26を前記部品供給装置6の所定の位置にセットされたコンパクトの蓋3の上方に移動させる。この時、前記第2移動部材57の吸着パッド26は前記両面テープ貼り付け台38の上方に、前記第3移動部材59の吸着パッド26は鏡2とコンパクトの蓋3の貼り付けが完了し排出される位置にある治具50の上方に位置している。
そして、図16(b)に示すように、前記第1垂直スライド部材59を作動させて前記第1移動部材56の吸着パッド26下方へとスライドさせて前記コンパクトの蓋3に押し付けてバキュームにより、前記第1移動部材56で前記コンパクトの蓋3を保持する。前記コンパクトの蓋3を保持した状態で前記第1垂直スライド部材59により前記第1移動部材56を上方へとスライドさせる。
次に、前記水平スライド部材61を作動させて、第1移動部材56の吸着パッド26に保持されたコンパクトの蓋3を前記両面テープ貼り付け台38の上方に移動させる。この時、前記第2移動部材57の吸着パッド26は回転テーブル8の治具50の上方に位置し、前記第3移動部材59の吸着パッド26は排出装置9の上方に位置している。
前記第1移動部材56により前記コンパクトの蓋3が前記両面テープ貼り付け台38の上方に移動されたら、図17(a)に示すように、前記第1垂直スライド部材59を作動させて前記コンパクトの蓋3を下方へとスライドさせて、前記両面テープ貼り付け台38の上にセットされた両面テープ4に、前記コンパクトの蓋3の貼り付け面を押し付ける。これにより、前記コンパクトの蓋3の貼り付け面に前記両面テープ4が貼り付けられる。
前記コンパクトの蓋3に両面テープ4の貼り付けが完了したら前記第1移動部材56の吸着パッド26によるコンパクトの蓋3の保持を解除する。この時、前記両面テープ4はまだ剥離紙35に付着した状態である。そして、前記第1垂直スライド部材59を作動させて第1移動部材56を上方へと移動させる。この時、第1移動部材56の吸着パッド26は何も保持していない状態となっている。
次に、前記第2移動部材57により、両面テープ4が貼り付けられたコンパクトの蓋3を回転テーブル8の治具50へと移動させる。上述のように第1移動部材56の吸着パッド26を上方へとスライドさせた時に、第2移動部材57の吸着パッド26も前記回転テーブル8の治具50の上方でスライドしている。この状態で、前記水平スライド部材61を作動させて、前記第2移動部材57の吸着パッド26を前記両面テープ貼り付け台38の上方へと移動させる。
この時、前記第1移動部材56の吸着パッド26は部品供給コンベア31の上方に位置し、前記第3移動部材59の吸着パッド26は鏡2とコンパクトの蓋3の貼り付けが完了し排出される位置にある治具50の上方に位置しており、前記部品供給コンベア31の所定の位置には次に使用するコンパクトの蓋3をセットしておく。
前記第2移動部材57の吸着パッド26を前記両面テープ貼り付け台38の上方へと移動させた時に、前記両面テープ貼り付け台38のシリンダー46を作動させて、図9(c)に示すように、ピン47を上方にスライドさせ、前記両面テープ4が貼り付けられたコンパクトの蓋3を傾けておく。そして、図17(b)に示すように、前記第1垂直スライド部材59を作動させて前記第2移動部材57の吸着パッド26下方へとスライドさせて、前記両面テープ貼り付け台38の上にある前記コンパクトの蓋3に押し付けてバキュームにより吸着して保持する。この時、前記第1移動部材56の吸着パッド26も下方へとスライドし、次に使用するコンパクトの蓋3を吸着して保持する。
前記第2移動部材57の吸着パッド26により前記コンパクトの蓋3を保持したら、前記第1垂直スライド部材59を作動させて前記コンパクトの蓋3を上方に持ち上げて、前記コンパクトの蓋3に貼り付けられた両面テープ4を剥離紙35から引き剥がす。前記ピン47により前記コンパクトの蓋3を傾けておくことで両面テープ4が前記剥離紙35から剥離し易くなる。この時、上述のように、コンパクトの蓋3に貼り付ける鏡2は、前記回転テーブル8の治具50にセットされ、コンパクトの蓋3を載せる位置に配置されている。
前記第2移動部材57の吸着パッド26を上方にスライドさせたら、水平スライド部材61を作動させて、図18(a)に示すように、前記第2移動部材57によって保持する前記両面テープ4が貼り付けられたコンパクトの蓋3を、前記鏡2がセットされた回転テーブル8の治具50の上方に移動させる。同時に、前記ロータリーアクチュエータ65を作動させて、前記第2移動部材57のアーム64を回転させて、前記第2移動部材57に保持されているコンパクトの蓋3の向きを変える。この時、前記両面テープ貼り付け台38の上には新しい両面テープ4が送られてきており、前記第1移動部材56に保持された次に使用するコンパクトの蓋3が前記両面テープ貼り付け台38の上方へと移動されている。
次に、前記第1垂直スライド部材59を作動させ、同時に前記第2移動部材57に保持された前記コンパクトの蓋3を下方へと移動させて、図14(a)に示すように、前記回転テーブル8の治具50にセットされている鏡2と重なるように治具50の上部枠53にセットし、前記コンパクトの蓋3の保持を解除する。前記治具50にセットされた前記コンパクトの蓋3は前記鏡2の上に載せられているだけであり、前記コンパクトの蓋3と前記鏡2は完全に貼り付けられていはいない。
前記コンパクトの蓋3が治具50にセットされると同時に、前記第1移動部材56に保持された次に使用するコンパクトの蓋3は、前記両面テープ貼り付け台38にセットされて両面テープ4が貼り付けられる。また、次に使用する鏡2が前記鏡供給装置5によって治具50にセットされている。この後、第1垂直スライド部材59を作動させて第1移動部材56および第2移動部材57を上方へとスライドさせ、さらに、水平スライド部材61を作動させて、第1移動部材56を部品供給コンベア31の新しいコンパクトの蓋3の上に、また、第2移動部材57を両面テープ4の貼り付けが終わった次のコンパクトの蓋3がある両面テープ貼り付け台38の上に移動させる。
このようにして、前記治具50に前記鏡2と前記コンパクトの蓋3がセットされたら、回転テーブル8を作動させて円板49を90度回転させ、前記治具50にセットされた鏡2とコンパクトの蓋3を、圧着装置11の下方へと移動させる。同時に次に貼り付ける鏡2がセットされた治具50が、次のコンパクトの蓋3を次の鏡2の上に載せる位置へと移動させられる。
次に、図18(b)に示すように、圧着装置11のシリンダー68を作動させて圧着部69を前記治具50にセットされた鏡2の上にあるコンパクトの蓋3へと押し付ける。前記圧着部69は初めは前記治具50の上部枠53を押し付け、前記上部枠53が下方へとスライドすると、次に、前記コンパクトの蓋3が前記圧着部69によって鏡2へと押し付けられる。これにより、前記コンパクトの蓋3に鏡2が貼り付けられる。
このようにして前記コンパクトの蓋3に両面テープ4を用いて鏡2が貼り付けられたら、前記シリンダー68によって前記圧着部69を上方へとスライドさせる。すると、下方へとスライドしていた上部枠53はスプリング52によって上方へとスライドされて最初の位置に戻る。このような上部枠53によって、前記コンパクトの蓋3は鏡貼り装置1の動作中にコンパクトの蓋3と鏡2がずれるのが防止され、さらに、前記コンパクトの蓋3の厚みが異なる場合にも、平面形状が同じであれば1つの治具50で対応することが可能となっている。
前記圧着装置11が作動している間に、前記移動装置10によって、次に使用する両面テープ4が貼り付けられたコンパクトの蓋3を治具50に移動させ、また、新しいコンパクトの蓋3を両面テープ貼り付け台38へと移動させておき、各吸着パッド26を上方へとスライドさせておく。さらに、鏡供給装置5によって新しい鏡2を治具50にセットする。これにより、回転テーブル8の4つの治具50は、図14(b)に示すように、1つは圧着装置11の下で貼り付けが完了したコンパクトの蓋3と鏡2がセットされており、1つは鏡2の上に両面テープ4が貼り付けられたコンパクトの蓋3がセットされており、1つは新しい鏡2がセットされており、残りの一つは空の状態となっている。
次に、回転テーブル8を作動させて、4つの治具50を90度移動させる。すると、図15(a)に示すように、貼り付けが完了したコンパクトの蓋3と鏡2がセットされた治具50は排出位置へと移動され、鏡2の上に両面テープ4が貼り付けられたコンパクトの蓋3がセットされた治具50は圧着装置11の下へと移動され、新しい鏡2がセットされた治具50はコンパクトの蓋3を載せる位置へと移動され、空の治具50は鏡2をセットする位置へと移動される。
この時に、前記移動装置10は各吸着パッド26を上方へとスライドさせた状態で、前記水平スライド部材61によって、前記第1移動部材56の吸着パッド26を部品供給装置6の部品供給コンベア31にあるコンパクトの蓋3の上方に、前記第2移動部材57の吸着パッド26を前記両面テープ貼り付け装置7の両面テープ貼り付け台38の上方に、前記第3移動部材58の吸着パッド26を貼り付けが完了したコンパクトの蓋3と鏡2がセットされた治具50の上方へと移動させる。
そして、前記第2垂直スライド部材60を作動させて、図19(a)に示すように、前記第3移動部材58の吸着パッド26を貼り付けが完了したコンパクトの蓋3に押し付けてバキュームにより吸着して保持する。同時に、前記第1垂直スライド部材59を作動させて、前記第1移動部材56の吸着パッド26を部品供給コンベア31にあるコンパクトの蓋3に押し付けてバキュームにより吸着して保持し、前記第2移動部材57の吸着パッド26を両面テープ貼り付け台38にある両面テープ4が貼り付けられたコンパクトの蓋3に押し付けてバキュームにより吸着して保持する。
各吸着パッド26により保持が完了したら、前記第1垂直スライド部材59および前記第2垂直スライド部材60を作動させて、図19(b)に示すように、各吸着パッド26を上方へとスライドさせ、さらに、水平スライド部材61を作動させる。これにより、前記第3移動部材58の吸着パッド26に保持された貼り付けが完了したコンパクトの蓋3は、前記排出装置9の上方へと移動され、前記第2移動部材57によって保持された前記両面テープ4が貼り付けられたコンパクトの蓋3は鏡2がセットされた治具50の上方へ、前記第1移動部材56に保持されたコンパクトの蓋3が前記両面テープ貼り付け台38の上方へと移動される。
次に、第2垂直スライド部材60を作動させて、鏡2が貼り付けられたコンパクトの蓋3を下方へと移動させて吸着パッド26による吸着を解除すると、図15(b)に示すように、鏡2が貼り付けられたコンパクトの蓋3は排出装置9に排出される。このようにして、両面テープ4を用いたコンパクトの蓋3への鏡2の貼り付けが完了する。
前記第2垂直スライド部材60の作動と同時に、前記第1垂直スライド部材59を作動させることにより、前記第2移動部材57に保持された前記コンパクトの蓋3を下方へと移動させて吸着を解除して前記コンパクトの蓋3を前記回転テーブル8の治具50の上部枠53にセットし、前記第1移動部材56に保持されたコンパクトの蓋3を下方へと移動させて前記両面テープ貼り付け台38で両面テープ4を貼り付けて吸着を解除する。
前記移動装置10の作動に合わせて、前記鏡供給装置5を作動させて、鏡2を空の治具50にセットしておく。また、部品供給装置6を作動させてコンパクトの蓋3を所定の位置にセットし、両面テープ貼り付け装置7を作動して両面テープ4をハーフカットして両面テープ貼り付け台38にセットしておき、同時に、前記圧着装置11の作動によりコンパクトの蓋3と鏡2を貼り付けておく。
各装置の作動により、前記回転テーブル8の4つの治具50は、1つは鏡2の貼り付けが完了したコンパクトの蓋3が排出されて空の状態となり、1つは圧着装置11の下で貼り付けが完了したコンパクトの蓋3と鏡2がセットされており、1つは鏡2の上に両面テープ4が貼り付けられたコンパクトの蓋3がセットされており、1つは新しい鏡2がセットされている。この状態から回転テーブル8を作動して円板49を回転させて4つの治具50を次の工程へと移動させる。
上述の動作を繰り返して行うことで、鏡貼り装置1は、連続して鏡2をコンパクトの蓋3に貼り付けることができる。また、鏡2が少なくなってきたら、鏡貼り付け装置1を停止することなく作動したままの状態で新しい鏡2を前記鏡供給装置5の鏡供給コンベア13にセットするだけで簡単に補給することができる。
本発明の鏡貼り装置1を用いることで生産性が約10%向上する。さらに装置を停止することなく連続して鏡を補給することができるのでさらなる生産性の向上が可能となる。
本発明の鏡貼り装置1において、鏡を貼り付ける部品および鏡を変更する際に各形状が異なる場合には、前記鏡分離治具14および回転テーブル8の治具50をその形状に応じたものを用意して交換する。また、これにともない貼り付けに必要な両面テープ4の長さが変更となる場合には両面テープ4の送り量を変更する。その他にも、鏡2の幅に応じて側壁21の間隔の調節、あるいは、部品の厚さ等の変更に伴って、移動装置10の上下のスライド量を調節が必要となるが、これらの変更や調節は簡単に行うことができるので、段取り換えは従来に比べて大幅に容易となる。
段取り換えの際の調節は、前記操作盤12に設けたタッチパネルによって一括して行うことができる。これにより、調節時間を大幅に短縮することができるので、1つの装置で容易に様々な形状の部品や鏡に臨機応変に対応することが可能となる。