JP5435502B2 - ガラス母材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、添加物を添加したガラス母材の製造方法に関するものである。
従来、光ファイバ母材等として用いられる添加物を添加したガラス母材は、以下のように製造される。すなわち、たとえば気相軸付法(VAD法)あるいは外付法(OVD法)などの気相合成法により多孔質ガラス母材を形成する。つぎに、形成した多孔質ガラス母材を、添加物を含む化合物が所定の溶媒に溶解した添加用溶液に浸漬し、多孔質ガラス母材内の微細な孔に添加用溶液を含浸させる。つぎに、多孔質ガラス母材を乾燥して溶媒を蒸発させ、添加物を孔内に残留させる。最後に、多孔質ガラス母材を焼結して透明ガラス化し、ガラス母材とする(特許文献1参照)。
また、たとえば光増幅用光ファイバを製造するために希土類元素を添加した光ファイバ母材を製造する場合に、ガラス母材の中心部に希土類元素を高濃度に添加する方法が開示されている(特許文献2参照)。
特公昭58−3980号公報 特開平7−109144号公報
ところで、近年の光ファイバの非線形現象の抑制をはじめとする高性能化や低コスト化への要求が高まるに伴い、より多量の添加物を光ファイバに添加する要求が高まっている。しかしながら、従来は、添加量を増大するには、添加用溶液の添加物濃度を高めるしかなく、添加物を効率的に添加するのが困難であるという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、添加物を効率的に添加した光ファイバ母材を製造することができる光ファイバ母材の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法は、原料ガスを酸水素火炎中で加水分解させてガラス微粒子を生成し、前記生成したガラス微粒子を堆積させて多孔質ガラス母材を形成する多孔質ガラス母材形成工程と、所望の添加物を含む化合物を添加用溶媒に溶解させた添加用溶液に前記多孔質ガラス母材を浸漬し、前記多孔質ガラス母材に前記添加用溶液を含浸させる含浸工程と、前記添加物の溶解度が前記添加用溶媒よりも小さく該添加用溶媒と混和性を有する置換用溶媒に、前記多孔質ガラス母材を前記添加用溶液が内部に残留した状態で浸漬し、前記内部に残留した添加用溶媒を置換用溶媒に置換する第一溶媒置換工程と、前記第一溶媒置換工程後に前記多孔質ガラス母材を乾燥する乾燥工程と、前記乾燥した多孔質ガラス母材を焼結して透明ガラス化する焼結工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法は、上記の発明において、前記第一溶媒置換工程において、前記置換用溶媒として前記添加用溶媒との前記添加物の溶解度の比が1/10以下の溶媒を用いることを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法は、上記の発明において、前記第一溶媒置換工程において、前記置換用溶媒として前記添加物が難溶性または不溶性を示す溶媒を用いることを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法は、上記の発明において、前記含浸工程において、前記添加物として希土類金属、遷移金属、アルミニウム、および燐の少なくとも1つを用いることを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法は、上記の発明において、前記含浸工程において、前記添加用溶媒として水またはアルコールを用いることを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法は、上記の発明において、前記第一溶媒置換工程において、前記置換用溶媒としてトルエンまたはキシレンを用いることを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法は、上記の発明において、前記第一溶媒置換工程と前記乾燥工程との間に、前記添加物の溶解度が前記添加用溶媒よりも小さく該置換用溶媒と混和性を有するとともに該置換用溶媒よりも沸点が低い乾燥用溶媒に、前記多孔質ガラス母材を前記置換用溶媒が内部に残留した状態で浸漬し、前記内部に残留した置換用溶媒を乾燥用溶媒に置換する第二溶媒置換工程をさらに含むことを特徴とする。
本発明によれば、添加物の溶解度が添加用溶媒よりも小さく、添加用溶媒と混和性を有する置換用溶媒に、多孔質ガラス母材を添加用溶液が内部に残留した状態で浸漬し、内部に残留した添加用溶媒を置換用溶媒に置換することによって、多孔質ガラス内に添加物をより高濃度に残留させることができるため、添加物を効率的に添加した光ファイバ母材を製造できるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態に係る光ファイバ母材の製造方法のフロー図である。 図2は、VAD法を用いた多孔質ガラス母材形成工程を説明する説明図である。 図3は、含浸工程を説明する説明図である。 図4は、第一溶媒置換工程を説明する説明図である。 図5は、第二溶媒置換工程を説明する説明図である。 図6は、乾燥工程を説明する説明図である。 図7は、焼結工程を説明する説明図である。 図8は、製造した光ファイバ母材の模式図である。 図9は、実施例1、比較例1の試料の作製方法を説明する説明図である。 図10は、例として湿潤した試料における切り出し部分を説明する説明図である。 図11は、湿潤した試料、比較例1および実施例1の試料の中心部、中間部、外周部の各試料におけるErの含有率を示す図である。
1 バーナ
1a 酸水素火炎
2 種棒
3 多孔質ガラス母材
4、6、8、10 容器
5 添加用溶液
7 置換用溶媒
9 乾燥用溶媒
11 ヒータ
12 光ファイバ母材
31、33 部分
32、32a〜32e、34、35 試料
S101〜S106 ステップ
以下に、図面を参照して本発明に係る光ファイバ母材の製造方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下では添加物として希土類金属元素の一種であるエルビウム(Er)を添加する場合について説明するが、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る光ファイバ母材の製造方法のフロー図である。図1に示すように、本実施の形態に係る光ファイバ母材の製造方法においては、はじめに多孔質ガラス母材形成工程を行ない(ステップS101)、つぎに含浸工程を行ない(ステップS102)、つぎに第一溶媒置換工程を行い(ステップS103)、つぎに第二溶媒置換工程を行い(ステップS104)、つぎに乾燥工程を行ない(ステップS105)、最後に焼結工程を行なう(ステップS106)。以下、各工程について具体的に説明する。
はじめに、ステップS101の多孔質ガラス母材形成工程ついて説明する。図2は、VAD法を用いた多孔質ガラス母材形成工程を説明する説明図である。図2に示すように、この多孔質ガラス母材形成工程においては、バーナ1に、多孔質ガラス母材の原料となるSi、Ge、Alの塩化物ガスであるSiCl、GeCl、AlClを含む原料ガスと、OガスとHガスとを供給し、この原料ガスを酸水素火炎1a中で加水分解させて石英ガラス微粒子を生成する。ここで、軸回りに回転しながら上昇する石英ガラスからなる種棒2の下端に、酸水素火炎1aを吹き付けることによって、生成した石英ガラス微粒子を種棒2の下端に順次堆積させる。その結果、種棒2の下方には石英ガラスからなり、内部に多数の微細な孔を有する多孔質ガラス母材3が形成される。なお、形成する多孔質ガラス母材3の平均嵩密度はたとえば0.3〜0.8g/cm程度とする。
つぎに、ステップS102の含浸工程について説明する。図3は、含浸工程を説明する説明図である。図3に示すように、この含浸工程においては、容器4内に貯留させた添加用溶液5に多孔質ガラス母材3を浸漬する。この添加用溶液5は、Erの塩化物の水和物であるErCl・6HOを添加用溶媒としてのメタノールに溶解させたものである。添加用溶液5におけるErの濃度は、最終的に製造するガラス母材に添加すべきErの濃度に応じて適宜選択し、たとえば0.01〜0.5mol/L程度とする。そして、この浸漬を数日程度継続させることによって、多孔質ガラス母材3に添加用溶液5を十分に含浸させる。
つぎに、ステップS103の第一溶媒置換工程について説明する。図4は、第一溶媒置換工程を説明する説明図である。図4に示すように、この第一溶媒置換工程においては、容器6内に貯留させた置換用溶媒7に、多孔質ガラス母材3を、添加用溶液5が内部に残留した状態、すなわち湿潤した状態で浸漬する。ここで、この置換用溶媒7はトルエンからなる。すなわち、置換用溶媒7は添加用溶液5の溶媒であるメタノールと混和性を有し、任意の比率で混合することができる。また、この置換用溶媒7は、ErCl・6HOの溶解度が室温で0.0000023g/mlであり、メタノールにおけるErClの溶解度である0.9g/mlよりもきわめて小さくなっている。
このように、置換用溶媒7とメタノールとが混和性を有し、置換用溶媒7とメタノールとでErClの溶解度差が大きい結果、多孔質ガラス母材3を添加用溶液5が内部に残留した状態で置換用溶媒7に浸漬した場合に、以下の現象が発生する。すなわち、多孔質ガラス母材3内のメタノールは、容器6内に大量に存在する置換用溶媒7と速やかに置換する。一方、多孔質ガラス母材3内でメタノールに溶解していたErClは、置換した置換用溶媒7に対する溶解度の差に起因して析出または沈殿し、そのまま多孔質ガラス母材3内に残留する。すなわち、このようにErClの析出または沈殿が生じる結果、ErClは多孔質ガラス母材3内により高濃度で残留するため、多孔質ガラス母材3にはより多くのErが添加されることとなる。なお、置換用溶媒7への浸漬は数日程度継続して行ない、多孔質ガラス母材3内のメタノールと置換用溶媒7とを十分に置換させることによって、より多くのErを添加することができる。
つぎに、ステップS104の第二溶媒置換工程について説明する。図5は、第二溶媒置換工程を説明する説明図である。図5に示すように、この第二溶媒置換工程においては、容器8内に貯留させた乾燥用溶媒9に、多孔質ガラス母材3を、置換用溶媒7が内部に残留した状態で浸漬する。ここで、この乾燥用溶媒9はn−ヘキサンからなる。すなわち、この乾燥用溶媒9はトルエンである置換用溶媒7と混和性を有する。また、この乾燥用溶媒9は、ErCl・6HOの溶解度が室温で0.0000018g/mlでありきわめて小さいので、ErClは多孔質ガラス母材3内において析出または沈殿したままとなる。
つぎに、ステップS105の乾燥工程について説明する。図6は、乾燥工程を説明する説明図である。図6に示すように、この乾燥工程においては、第二溶媒置換工程を行なった多孔質ガラス母材3を、乾燥用の容器10に収容し、容器10内にNガスを流しながら、容器10内を約60℃に昇温してたとえば数日間維持し、多孔質ガラス母材3を乾燥させる。
この乾燥工程において、乾燥用溶媒9は多孔質ガラス母材3の中心部から外周部に向かって移動し、外周部から蒸発する。しかしながら、乾燥用溶媒9はErClの溶解度がきわめて小さいので、乾燥用溶媒9が移動しても、これにともなってErClが外周部に向かって移動するということがない。ちなみに、含浸工程の後にただちに多孔質ガラス母材3を乾燥させた場合、乾燥中に多孔質ガラス母材3の中心部から外周部に向かって添加用溶液5が移動し、これにともなって溶解しているErClも外周部に向かって移動するので、乾燥後のErの添加濃度は、中心部においてきわめて低く、外周部においてきわめて高くなるような分布となる。したがって、Erを中心部に効率的に添加できず好ましくない。一方、本実施の形態のように含浸工程の後に第一溶媒置換工程を行なえば、多孔質ガラス母材3の中心部においてもErClが析出または沈殿し、移動せずに残留するので、Erを中心部に効率的に添加できるとともに、その添加濃度の径方向での分布をより均一にすることができる。
また、第二溶媒置換工程において置換する乾燥用溶媒9であるn−ヘキサンは沸点が68.7℃であり、沸点約110.63℃のトルエンである置換用溶媒7よりも蒸発しやすい。したがって、第一溶媒置換工程と乾燥工程との間に第二溶媒置換工程を行なうことで、乾燥工程において多孔質ガラス母材3をより速やかに乾燥させることができる。
つぎに、ステップS106の焼結工程について説明する。図7は、焼結工程を説明する説明図である。図7に示すように、この焼結工程においては、ヒータ11を備えた焼結炉内において、炉内温度が1500℃〜1600℃となるようにヒータ11の出力を調整した後、焼結炉内にヘリウムガスと塩素ガスとを供給しつつ、多孔質ガラス母材3を軸回りに回転させながらヒータ11内を下降させて焼結を行う。この焼結工程により、多孔質ガラス母材3は透明ガラス化され、図8に示すような種棒2が付いた透明な光ファイバ母材12となる。以上のように、本実施の形態に従って製造した光ファイバ母材12は、添加用溶液5におけるErClの濃度に比して、従来よりもより多くのErが添加されるため、Erが効率よく添加されたものとなる。
(実施例1および比較例1)
上記実施の形態にしたがって、原料ガスとしてSiCl、GeCl、AlClを用いて平均嵩密度が0.42g/cmの多孔質ガラス母材を形成した。この多孔質ガラス母材を、ErCl・6HOの濃度が0.095mol/Lのメタノール溶液に浸漬し、含浸工程を行なった。そして、この含浸工程を行なった多孔質母材を基にして、以下のようにして湿潤状態の試料と実施例1の試料と比較例1の試料とを作製した。
図9は、実施例1、比較例1の作製方法を説明する説明図である。図9に示すように、含浸工程までを行なった多孔質ガラス母材3を、湿潤した状態のまま切断し、種棒2の反対側の先端部から約50mmの位置で厚さ5mm程度の円板状の部分を取り出して湿潤した試料32とした。さらに、多孔質ガラス母材3の先端側の部分31についてはそのまま上記実施形態の乾燥工程を行い、乾燥した部分31の種棒2側から約20mmの位置で厚さ5mm程度の部分を円板状に切り出し、比較例1の試料34とした。さらに、多孔質ガラス母材3の種棒2側の部分33については、上記実施の形態のように、トルエンを置換用溶媒とした第一溶媒置換工程と、n−ヘキサンを乾燥用溶媒とした第二溶媒置換工程と、乾燥工程とを行い、乾燥した部分33の種棒2の反対側から約20mmの位置で厚さ5mm程度の部分を切り出し、実施例1の試料35とした。
つぎに、円板状の各試料32、34、35の中心部、外周部、中心と外周との中間部からそれぞれ短冊状の部分を切り出した。図10は、例として湿潤した試料32における切り出し部分を説明する説明図である。図10に示すように、試料32の中心点Oを含む10mm角の部分を中心部の試料32aとして切り出し、中心と外周との中間部の10mm角の部分を中間部の試料32b、32cとして切り出し、外周部の5mm×10mmの部分を外周部の試料32d、32eとして切り出した。そして、各試料をアルカリ融解し、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光法を用いて各試料におけるErの含有率を測定した。
図11は、湿潤した試料、比較例1および実施例1の試料の中心部、中間部、外周部の各試料におけるErの含有率を示す図である。なお、単位は%(質量分率)である。図11に示すように、比較例1の試料では、湿潤試料と比較して中心部でのErの含有率が顕著に低下し、外周部でのErの含有率が顕著に増加していた。これに対して、実施例1の試料では、湿潤試料と比較して中心部でのErの含有率の低下が小さかった。すなわち、実施例1の場合は、同一のErCl濃度の添加用溶液を用いた場合でも、比較例1よりも一層効率的に中心部にErを添加できることが確認された。また、実施例1の試料では、中心部から外周部までのErの含有率がより均一であった。
なお、実施例1の場合に、外周部でのErの含有率が比較例1の場合よりも顕著に小さくなっている。その理由は、第一溶媒置換工程において、置換用溶媒と置換したメタノールが、多孔質ガラス母材の周囲に存在するため、外周部に存在するErがこのメタノールに溶け出すためであると考えられる。
このように外周部でのErの含有率を小さくすることにより、外周部でのErを核とした結晶化が抑制され、焼結工程後のクラック等の発生を抑制することができる。
(実施例2および比較例2)
上記実施例1および比較例1と同様の方法で実施例2および比較例2の試料を作製した。ただし、多孔質ガラス母材として平均嵩密度が0.45g/cmのものを用いた点と、含浸工程おいて、添加用溶液としてErCl・6HOの濃度が0.050mol/L(実施例2)または0.067mol/L(比較例2)のメタノール溶液を用いた点が異なる。このように作製した実施例2および比較例2の試料のうち、中央部の試料についてICP発光分光法を用いてErの含有率を測定したところ、比較例1の試料では0.079%(m/m)であったのに対して、実施例1の試料では0.38%(m/m)であり、用いたメタノール溶液中のErClが比較例1よりも低濃度だったにもかかわらず、より含有率が高かった。
なお、上記実施の形態においては、乾燥工程を速やかに行なうために第二溶媒置換工程を行なっているが、第二溶媒置換工程を省略してもよい。
また、上記実施の形態においては、VAD法を用いて多孔質ガラス母材を形成しているが、OVD法を用いてもよい。
また、上記実施の形態においては、添加物としてErを用いているが、本発明は溶液によって含浸させることができる添加物であれば特に限定はされない。たとえば、添加物として他の希土類金属元素であるNd、Yb、Tm、Pr、Laや、他の遷移金属、アルミニウム、燐を1つまたは複数種類組み合わせて用いることができる。これらの添加物を添加したい場合は、所望の添加物の塩化物または酸化物などの化合物を添加用溶媒に溶解させて添加用溶液を作製し、これを含浸工程において用いればよい。
また、上記実施の形態においては、添加用溶媒としてメタノールを用いているが、所望の添加物を含む化合物を溶解できるものであれば特に限定されない。添加用溶媒としてはたとえば水や他のアルコールなどを用いることができる。
また、上記実施の形態においては、置換用溶媒としてトルエンを用いているが、所望の添加物に対する溶解度が添加用溶媒よりも小さく、添加用溶媒と混和性を有するものであれば特に限定されない。置換用溶媒としてはたとえばキシレンや他の芳香族炭化水素を用いることができる。なお、添加物の析出または沈殿を十分に発生させるためには、置換用溶媒として、添加用溶媒との添加物の溶解度の比が1/10以下、さらには1/1万以下の溶媒を用いることが好ましく、添加物が難溶性または不溶性を示す溶媒を用いることが特に好ましい。また、置換用溶媒に水が含まれる場合には、Erが、置換用溶媒に含まれる水に溶け出すおそれがある。これを確実に防止するために、置換用溶媒としては、この溶媒中に含むことができる水分量が1%未満の溶媒で、添加用溶媒と混和性を有するものが好ましい。
また、上記実施の形態においては、乾燥用溶媒としてn−ヘキサンを用いているが、所望の添加物の溶解度が添加用溶媒よりも小さく、置換用溶媒と混和性を有するとともに置換用溶媒よりも沸点が低いものであれば特に限定されない。乾燥用溶媒としてはたとえば他の直鎖状のアルカンを用いることができる。また、乾燥用溶媒に水が含まれる場合に、Erが乾燥用溶媒に含まれる水に溶け出すことを確実に防止するために、乾燥用溶媒としては、この溶媒中に含むことができる水分量が0.1%未満の溶媒で、置換用溶媒と混和性を有するものが好ましい。
本発明は、たとえば光ファイバ通信システムにおいて用いられる光ファイバを製造するための光ファイバ母材に好適に利用できる。

Claims (5)

  1. 原料ガスを酸水素火炎中で加水分解させてガラス微粒子を生成し、前記生成したガラス微粒子を堆積させて多孔質ガラス母材を形成する多孔質ガラス母材形成工程と、
    所望の添加物を含む化合物を水またはアルコールを用いた添加用溶媒に溶解させた添加用溶液に前記多孔質ガラス母材を浸漬し、前記多孔質ガラス母材に前記添加用溶液を含浸させる含浸工程と、
    前記添加物の溶解度が前記添加用溶媒よりも小さく該添加用溶媒と混和性を有するトルエンまたはキシレンを用いた置換用溶媒に、前記多孔質ガラス母材を前記添加用溶液が内部に残留した状態で浸漬し、前記内部に残留した添加用溶媒を置換用溶媒に置換する第一溶媒置換工程と、
    前記第一溶媒置換工程後に前記多孔質ガラス母材を乾燥する乾燥工程と、
    前記乾燥した多孔質ガラス母材を焼結して透明ガラス化する焼結工程と、
    を含むことを特徴とするガラス母材の製造方法。
  2. 前記第一溶媒置換工程において、前記置換用溶媒として前記添加用溶媒との前記添加物の溶解度の比が1/10以下の溶媒を用いることを特徴とする請求項1に記載のガラス母材の製造方法。
  3. 前記第一溶媒置換工程において、前記置換用溶媒として前記添加物が難溶性または不溶性を示す溶媒を用いることを特徴とする請求項1に記載のガラス母材の製造方法。
  4. 前記含浸工程において、前記添加物として希土類金属、遷移金属、アルミニウム、および燐の少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のガラス母材の製造方法。
  5. 前記第一溶媒置換工程と前記乾燥工程との間に、前記添加物の溶解度が前記添加用溶媒よりも小さく該置換用溶媒と混和性を有するとともに該置換用溶媒よりも沸点が低い乾燥用溶媒に、前記多孔質ガラス母材を前記置換用溶媒が内部に残留した状態で浸漬し、前記内部に残留した置換用溶媒を乾燥用溶媒に置換する第二溶媒置換工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載のガラス母材の製造方法。
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