JP5434751B2 - インバータ負荷模擬装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インバータの負荷を模擬するためのインバータ負荷模擬装置に関する。
インバータの試験のためにインバータの負荷を模擬する模擬負荷装置が従来から提案されている。たとえばモータ駆動用インバータの試験に模擬負荷装置を使用することによって、モータを使用せずともインバータの試験が可能となる。
たとえば特許文献1(特開2008−167655号公報)は、インバータに実際の負荷であるモータを接続することなく、モータの運転を模擬的に行ないながらインバータを試験することが可能なインバータ試験装置の構成を開示する。上記文献によれば、インバータ試験装置は、被試験用の第1のインバータの擬似負荷となる第2のインバータと、トランスと、制御手段とを備える。トランスの1次側には上記第1のインバータの交流出力が入力され、トランスの2次側には、上記第2のインバータの交流出力が入力される。制御手段は、第1のインバータの実負荷であるモータの角度センサを模擬する信号に応じて第1のインバータの出力電流を所定の値に制御する。制御手段は、モータ回転数とモータ定数と検出された第1のインバータの出力電圧・電流のいずれかまたは両方に基づいて第2のインバータの出力電圧の振幅・位相を所定に制御する。
また、特許文献2(特開2005−176427号公報)は、出力電圧の基本波成分を正確に検出または制御できるインバータを開示する。上記文献によれば、インバータは、出力電圧を検出する出力電圧検出手段を備える。出力電圧検出手段は、出力電圧を増幅する増幅手段と、上記増幅手段の出力電圧から基本波成分を取り出すローパスフィルタと、上記ローパスフィルタの出力信号を所定の位相値に基づいて三相/二相変換を行なう相変換手段と、上記相変換手段の基準となる位相値および相変換手段の出力信号の振幅に対してローパスフィルタの周波数特性の補正を行なう特性補正手段とを備える。
特開2008−167655号公報 特開2005−176427号公報
図6は、インバータ負荷模擬装置の動作確認試験の流れを示した模式図である。図6(a)を参照して、まず、インバータ負荷模擬装置(図中「ILS」と示す)110および供試体120の各々の単体での動作確認試験が行なわれる。供試体120は、被試験インバータであり、具体的には三相インバータである。インバータ負荷模擬装置110は三相の模擬負荷として機能する。
インバータ負荷模擬装置110の単体試験では、インバータ負荷模擬装置110が単体試験用負荷112に接続されて動作試験が行なわれる。たとえばインバータ負荷模擬装置110が電圧制御されて、相電圧Vu,Vv,Vwが互いに等しいこと、すなわち出力電圧が三相で平衡していることが確認される。
同じく供試体120の単体試験では、供試体120は単体試験用負荷114に接続されて動作試験が行なわれる。たとえば供試体120であるインバータが電流制御されて、各相の電流Iu,Iv,Iwが互いに等しいこと、すなわち出力電流が三相で平衡していることが確認される。
次に図6(b)に示されるように、インバータ負荷模擬装置110と供試体120とが組み合わされる。単体試験では出力電圧および出力電流ともに三相平衡の状態にあるのでインバータ負荷模擬装置110と供試体120とを組み合わせても出力電圧、出力電流ともに三相平衡の状態が保たれるものと考えられる。
しかしながら、インバータ負荷模擬装置110と供試体120とを組み合わせて運転した場合に、種々の理由によって出力電圧が三相で不平衡となる場合がある。このような三相不平衡のままインバータの実際の試験を行なった場合、インバータを正確に評価できない可能性が生じ得る。
さらに、インバータ負荷模擬装置110の運転時においては、インバータ負荷模擬装置110に内蔵される模擬負荷用インバータがスイッチング制御(たとえばPWM制御(パルス幅変調制御))される。このスイッチング制御のために、インバータ負荷模擬装置の出力電圧を検出するとともに、その検出結果をインバータ負荷模擬装置110にフィードバックする必要がある。
インバータ負荷模擬装置の出力電圧にはスイッチング制御による成分が含まれる。このためインバータ負荷模擬装置110の内部でのフィードバック制御のためには、インバータ負荷模擬装置の出力電圧からスイッチング制御による成分を取り除く必要がある。このため特許文献2に示されるように、ローパスフィルタによって、インバータ負荷模擬装置の出力電圧から基本波成分が取り出される。
しかしながらローパスフィルタに信号を通過させることによって、その信号の振幅が減衰する可能性がある。特許文献2は、ローパスフィルタを通過後の信号に対して、ローパスフィルタの特性を補正することを開示しているが、三相不平衡の状態を解消するための制御については開示されていない。また、特許文献1においても三相不平衡の状態を解消するための制御については開示されていない。三相不平衡の状態を解消するためにインバータ負荷模擬装置110の制御を変更する場合、その制御が複雑化する可能性がある。
この発明は上述の課題を解決するためのものであって、その目的は、インバータと接続された状態において、処理が複雑化するのを回避しつつ相電圧が平衡するように運転することが可能なインバータ負荷模擬装置を提供することである。
本発明は、被試験インバータに接続されて被試験インバータの負荷を模擬するインバータ負荷模擬装置であって、被試験インバータの模擬負荷となる負荷用インバータと、被試験インバータの出力電流を検出する電流検出部と、指令値生成部と、指令値補正部と、インバータ制御部と、ローパスフィルタ回路と、線間電圧検出部と、補正量算出部と、フィルタ処理部と、検出値補正部と、特性補正部とを備える。指令値生成部は、負荷用インバータの各相の相電圧を制御するための相電圧指令を生成する。指令値補正部は、指令値生成部によって生成された相電圧指令を、負荷用インバータの相電圧を各相の間で互いに平衡した状態にするための補正指令へと変換する。インバータ制御部は、補正指令に基づいて負荷用インバータをスイッチング動作させる。ローパスフィルタ回路は、負荷用インバータの線間電圧から基本波成分を取り出す。線間電圧検出部は、ローパスフィルタ回路によって取り出された線間電圧の基本波成分を用いて線間電圧を検出する。補正量算出部は、負荷用インバータの各相について、補正指令と相電圧指令との差としての補正量を算出する。フィルタ処理部は、ローパスフィルタ回路の周波数特性と実質的に同じ周波数特性を有し、負荷用インバータの各相について、補正量に対してフィルタ処理を実行する。検出値補正部は、フィルタ処理が実行された補正量と線間電圧検出部によって検出された線間電圧とを用いて、相電圧指令が補正量だけ変化したことによって、線間電圧検出部によって検出された線間電圧に含まれる、線間電圧の変化分を補正する。特性補正部は、検出値補正部によって補正された線間電圧に対して、ローパスフィルタ回路の特性の補正を行なう。指令値生成部は、模擬負荷を設定するための指令と電流検出部によって検出された出力電流とに基づいて負荷用インバータの出力電圧を制御するための基準電圧値を生成するとともに、特性補正部によって補正された線間電圧に基づく入力電圧値を基準電圧値に近づけるためのフィードバック制御を実行することにより、相電圧指令を生成する。
上記の構成によれば、指令値生成部は、負荷用インバータの出力電圧を制御するための基準電圧値を生成する。指令値生成部は、さらに、特性補正部によって補正された線間電圧に基づく入力電圧値を基準電圧値に近づけるためのフィードバック制御を実行することにより、負荷用インバータの各相の相電圧を制御するための相電圧指令を生成する。指令値補正部が、その相電圧指令を負荷用インバータの相電圧を各相の間で互いに平衡した状態にするための補正指令へと変換することによって、負荷用インバータの出力電圧を各相の間で互いに平衡した状態に調整できる。
一方、補正量算出部は、負荷用インバータの各相について、補正指令と相電圧指令との差としての補正量を算出する。フィルタ処理部は、負荷用インバータの各相について、補正量に対してフィルタ処理を実行する。フィルタ処理部の周波数特性がローパスフィルタ回路の周波数特性と実質的に同じであるので、フィルタ処理後の補正量は、ローパスフィルタ7を通過しかつ線間電圧検出部6によって検出された線間電圧のうち、相電圧指令の補正による補正量(調整分の電圧)と同じ大きさとなる。「実質的に同じ周波数特性」とは、ローパスフィルタとフィルタ処理部との間で周波数特性が厳密に一致する場合に限定されず、フィルタ処理部の周波数特性をローパスフィルタの周波数特性に近似させる場合も含む。ローパスフィルタの周波数特性を近似させるとは、たとえばローパスフィルタの周波数特性を近似する関数を用いることであり、たとえば指令値生成部におけるフィードバック制御が収束できるように指令値生成部の入力電圧値が生成できる程度に、ローパスフィルタの周波数特性と近似している場合を含む。
指令値生成部におけるフィードバック制御のためには、指令値生成部によって生成された相電圧指令に対する結果としての電圧値を入力しなければならない。このため線間電圧検出部によって検出された線間電圧を補正する必要がある。フィルタ処理が実行された補正量と線間電圧検出部によって検出された線間電圧とを用いて線間電圧を補正することによって、指令値生成部の入力電圧値を得るための処理が複雑化することを回避できる。
したがって、被試験インバータと接続された状態において、処理が複雑化するのを回避しつつ相電圧が平衡するように運転することが可能なインバータ負荷模擬装置を実現できる。
好ましくは、フィルタ処理部は、フィルタ処理を演算によって実行する。
上記の構成によれば、ローパスフィルタ回路と実質的に同じ周波数特性を有するフィルタ処理部を容易に実現できる。フィルタ処理部を電子部品(抵抗、コンデンサ等)によって構成した場合には、フィルタ処理部の構成部品の特性は、ローパスフィルタ回路の構成部品の特性と等しくなるとは限らないので、実質的に同じ周波数特性を得ることができないことも起こりうる。フィルタ処理を演算によって実行することで、フィルタ処理部を電子部品によって構成する場合に比べて、ローパスフィルタ回路と実質的に同じ周波数特性を容易に実現できる。
好ましくは、指令値補正部は、相電圧指令の値に所定の係数を乗じ、かつ、その乗算結果に所定のオフセット値を加算することによって、補正指令を生成する。インバータ負荷模擬装置は、所定の係数および所定のオフセット値を予め記憶する記憶部をさらに備える。
上記の構成によれば、記憶部に予め記憶されたパラメータ(係数およびオフセット値)を用いて、相電圧指令から補正指令に変換できる。これにより、相電圧が平衡となるようにインバータ負荷模擬装置を調整するための工数を削減することが可能となるので、被試験インバータの試験を効率よく行なうことが可能となる。
好ましくは、特性補正部は、検出値補正部によって補正された線間電圧に対して、ローパスフィルタ回路のゲイン特性による減衰分を補償する。
上記の構成によれば、ローパスフィルタ回路による線間電圧の減衰分が補償されることで、基本波成分を正確に検出することが可能になる。これにより、指令値生成部によるフィードバック制御のために指令値生成部に入力される電圧値の精度を高くすることができる。
好ましくは、被試験インバータは、モータ駆動用インバータである。インバータ負荷模擬装置は、モータ駆動用インバータの出力電流を検出する電流検出部と、電流検出部によって検出された出力電流を、d軸電流およびq軸電流に3相−2相変換する第1の変換部と、特性補正部によって補正された線間電圧を、指令値生成部に対する入力電圧値としてのd軸電圧およびq軸電圧に3相−2相変換する第2の変換部とをさらに備える。指令値生成部は、モータモデル演算部と、第1の増幅部と、第2の増幅部と、第3の変換部とを含む。モータモデル演算部は、モータ電圧方程式と、d軸電流およびq軸電流と、模擬負荷を設定するための指令としての回転速度指令とを用いてd軸電圧およびq軸電圧のそれぞれの基準電圧値となるd軸基準電圧およびq軸基準電圧を生成する。第1の増幅部は、d軸基準電圧とd軸電圧との間の偏差を増幅することによってd軸電圧指令を生成する。第2の増幅部は、q軸基準電圧とq軸電圧との間の偏差を増幅することによってq軸電圧指令を生成する。第3の変換部は、d軸電圧指令およびq軸電圧指令を2相−3相変換することによって、相電圧指令を生成する。
上記の構成によれば、インバータ負荷模擬装置を、モータ駆動用インバータを試験するための装置として用いることができる。さらにモータ駆動用インバータとインバータ負荷模擬装置とを接続した状態において、三相平衡の状態を得ることができる。
本発明によれば、インバータと接続された状態において処理が複雑化するのを回避しつつ相電圧が平衡するように運転することが可能なインバータ負荷模擬装置を実現できる。
本発明の実施の形態によるインバータ負荷模擬装置の構成の例を示した図である。 図1に示した電圧補正部の構成を示したブロック図である。 図1に示したローパスフィルタ7の特性を示した図である。 図1に示したインバータ負荷模擬装置の比較例の構成を示したブロック図である。 本発明の実施の形態によるインバータ負荷模擬装置によって三相間で相電圧が平衡した状態を示した図である。 インバータ負荷模擬装置の動作確認試験の流れを示した模式図である。
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態によるインバータ負荷模擬装置の構成の例を示した図である。図1を参照して、インバータ負荷模擬装置100は供試体1の模擬負荷として供試体1に接続される。供試体1は、被試験インバータであり、この実施形態ではモータ駆動用の三相インバータである。供試体1すなわち三相インバータの交流出力側はインバータ負荷模擬装置100のU、V、W端子に接続される。
インバータ負荷模擬装置100は、モータの任意の運転条件に応じて任意の負荷インピーダンスを設定することによって、モータの運転を模擬的に行ないながら供試体1を試験する。この実施形態では、インバータ負荷模擬装置100は、PMモータ(永久磁石同期モータ)の運転を模擬する。モータを用いなくともインバータの試験が可能であるので、騒音の低下、装置の発熱の抑制、試験時の安全性の確保の点で有利となる。
インバータ負荷模擬装置100は、線間電圧制御部25と、インバータ26と、出力リアクトル27とを備える。線間電圧制御部25は、入力されるU相、V相、W相の電圧指令(相電圧指令)に従って、三相交流の線間電圧を制御するためにインバータ26を制御する。この実施の形態では、線間電圧制御部25は、インバータ26をPWM(パルス幅変調)方式に従って駆動するための制御信号を生成する。
インバータ26は、供試体1の模擬負荷となる負荷用インバータである。インバータ26は、図示しない半導体スイッチング素子(たとえばIGBT)によって構成された三相インバータである。インバータ26の構成としては公知の構成を適用できるのでここでは詳細な説明を繰返さない。線間電圧制御部25からの制御信号は、インバータ26を構成する半導体スイッチング素子のゲートに入力される。この制御信号によって半導体スイッチング素子がオンオフされる。インバータ26の出力電流の振幅および位相を制御することにより、供試体1(三相インバータ)にモータが接続されているのと同等の状態で供試体1を試験することができる。
出力リアクトル27は、インバータ26の交流出力と供試体1である三相交流インバータの交流出力との間に接続されて、インバータ26から発生するノイズを除去するためのフィルタとして機能する。
インバータ負荷模擬装置100は、さらに、電流検出器2と、減算部3と、オフセット/ゲイン補正部4と、3相/2相変換部5とを備える。
電流検出器2は、供試体1(インバータ)の出力電流を検出する。この実施形態では、U相電流およびW相電流が電流検出器2によって直接的に検出され、V相電流は、減算部3によって算出される。減算部3は0からU相電流の検出値およびW相電流の検出値を減算することによって、V相電流の値を算出する。ただしインバータのU相、V相およびW相の各々の電流を電流検出器2によって直接的に検出してもよい。
オフセット/ゲイン補正部4は、電流検出器2および減算部3によって得られたU相電流、V相電流およびW相電流の各値をアナログ/デジタル変換するとともに、変換後のデジタル値に対して、アナログ/デジタル変換でのオフセットおよびゲインを補正する。3相/2相変換部5は、オフセット/ゲイン補正部4から出力されたU相電流Iu、V相電流Iv、およびW相電流Iwの値を、モータの回転角度に相当するθ(以後、回転角度θと呼ぶ)を用いて3相−2相変換する。これにより3相/2相変換部5はd軸電流Idおよびq軸電流Iqを算出する。
インバータ負荷模擬装置100は、さらに、ローパスフィルタ(LPF)7と、線間電圧検出部6と、電圧補正部22と、LPFゲイン補正部9Aと、LPF位相補正部9Bと、減算部8と、3相/2相変換部10とを備える。
ローパスフィルタ7は、インバータ26の線間電圧から基本波成分を取り出すためのものである。インバータ26はPWM制御されるため、インバータ26の出力電圧(すなわち線間電圧)にPWM制御による成分が含まれる。このため、ローパスフィルタ7は、U相−V相間の線間電圧VuvおよびW相−U相間の線間電圧Vwuから基本波成分を取り出す。線間電圧検出部6は、ローパスフィルタ7によって取り出された基本波成分を用いて線間電圧Vuv,Vwuを検出する。
ローパスフィルタ7は、ハードウェア(電子部品)によって構成される。ローパスフィルタ7の構成には公知の様々な構成を適用することができるので、ローパスフィルタ7の構成に関する詳細な説明はここでは繰返さない。一例を示すとローパスフィルタ7は、抵抗とコンデンサとを組み合わせたRCフィルタによって構成することができる。
線間電圧検出部6によって検出された線間電圧の値は、電圧補正部22によって補正されてLPFゲイン補正部9Aに送られる。電圧補正部22による線間電圧値の補正については後に詳細に説明する。
LPFゲイン補正部9Aは、ローパスフィルタ7を通過した信号を増幅することによって、ローパスフィルタ7による信号の減衰分を補償する。LPF位相補正部9Bは、回転速度ωに従って、ローパスフィルタ7の位相遅れを補正するための信号を出力する。
減算部8は、LPFゲイン補正部9Aによって補正された線間電圧VuvおよびVwuの値を0から減算することで、V相およびW相間の線間電圧を算出する。
3相/2相変換部10は、回転角度θを用いて、線間電圧Vuv,Vwu、およびV相−W相間の線間電圧を3相−2相変換して、d軸電圧Vdおよびq軸電圧Vqを算出する。
インバータ負荷模擬装置100は、さらに、相電圧指令を生成するための電圧指令生成部50を備える。電圧指令生成部50は、模擬モータ負荷を設定するための指令と電流検出器2によって検出された電流とに基づいて、インバータ26の出力電圧を制御するための基準電圧値を生成する。さらに電圧指令生成部50は、入力電圧値(具体的には、3相/2相変換部10によって算出されたd軸電圧Vdおよびq軸電圧Vq)を基準電圧値に近づけるためのフィードバック制御を実行することにより、インバータ26の出力電圧を制御するための相電圧指令を生成する。
具体的には、電圧指令生成部50は、回転速度設定部12と、角度算出部13と、減算部14〜16と、モータモデル演算部18と、減算部19A,19Bと、増幅部20A,20Bと、2相/3相変換部21とを備える。
回転速度設定部12は、モータの回転速度ωが入力されたときに、回転速度を0からωまで次第に大きくする。一方、回転速度設定部12は回転速度を0にする場合には、回転速度ωから0まで次第に小さくする。回転速度設定部12によって設定された回転速度ωは、角度算出部13、モータモデル演算部18、LPFゲイン補正部9AおよびLPF位相補正部9Bに送られる。回転速度ωは、模擬モータ負荷を設定するための指令である。
角度算出部13は、回転速度設定部12によって設定された回転速度ωを積分することによって回転角度θを算出する。減算部14は、供試体1との0°調整のための補正値Δθを回転角度θから減算することによって回転角度θを算出する。
減算部15は、回転角度θを30°だけ低下させる。この30°とは、線間電圧と相電圧との位相差に相当する。減算部16は、減算部15から出力された回転角度から、LPF位相補正部9Bによる補正分(すなわちローパスフィルタ7の位相遅れ分)を減算する。減算部16によって算出された回転角度は3相/2相変換部10に送られる。
モータモデル演算部18は、PMモータの電圧方程式に従って、d軸電圧およびq軸電圧のそれぞれの基準電圧値となるd軸基準電圧Vd_refおよびq軸基準電圧Vq_refを算出する。モータモデル演算部18は、3相/2相変換部5からd軸電流Idおよびq軸電流Iqを受けるとともに、回転速度設定部12から回転速度ωを受ける。PMモータの電圧方程式は、以下の式(1)および式(2)によって表わされる。
Vd=R×Id−ω×Lq×Iq ・・・(1)
Vq=ω×Ld×Id+R×Iq+ω×φ ・・・(2)
Rはモータの電機子抵抗であり、Ldはd軸上のモータインダクタンスであり、Lqはq軸上のモータインダクタンスであり、φはモータ誘起電圧定数である。これらは、電圧方程式を解くための定数としてモータモデル演算部18に予め記憶される。
減算部19Aは、q軸基準電圧Vq_refとq軸電圧Vqとの偏差(Vq_ref−Vq)を算出する。増幅部20Aは、q軸偏差(Vq_ref−Vq)を増幅してq軸電圧指令を生成する。
減算部19Bは、d軸基準電圧Vd_refとd軸電圧Vdとの偏差(Vd_ref−Vd)を算出する。増幅部20Bは、d軸偏差(Vd_ref−Vd)を増幅してd軸電圧指令を生成する。d軸電圧Vdおよびq軸電圧Vqは、電圧指令生成部50への入力電圧値に対応する。
2相/3相変換部21は、増幅部20A,20Bからそれぞれ出力されたq軸電圧指令およびd軸電圧指令を、回転角度θを用いて2相−3相変換することによって、相電圧指令を生成する。
2相/3相変換部21によって生成された相電圧指令は、相電圧を調整するために電圧補正部22によって補正される。電圧補正部22は、その補正指令を線間電圧制御部25に与える。
インバータ負荷模擬装置100は、さらに、角度センサ模擬制御部30を備える。角度センサ模擬制御部30は、モータの回転軸と共に回転する回転角度検出用のレゾルバの機能を模擬するものである。角度センサ模擬制御部30は、供試体1内の角度センサ(図示せず)からの励磁信号に応答して、帰還信号(レゾルバ信号)S1,S2を出力するように構成されている。これにより、インバータ負荷模擬装置100を、レゾルバ付きの模擬モータ負荷として機能させることができる。
具体的には、角度センサ模擬制御部30は、余弦波信号生成部31と、正弦波信号生成部32と、乗算部33〜36とを備える。余弦波信号生成部31は、回転角度θを受けて余弦波信号(cosθ)を生成する。正弦波信号生成部32は、回転角度θを受けて正弦波信号(sinθ)を生成する。
乗算部33は、余弦波信号(cosθ)にレゾルバ変圧比Kを乗じる。乗算部34は、正弦波信号(sinθ)にレゾルバ変圧比Kを乗じる。
乗算部35は、乗算部33の算出結果(=K×cosθ)に、供試体1からの励磁信号によって示される定数(R1)を乗じて帰還信号S1を生成する。乗算部36は、乗算部35の算出結果(=K×sinθ)に、定数(R1)を乗じて帰還信号S2を生成する。すなわちS1=K×R1×cosθ、S2=K×R2×sinθである。
図2は、図1に示した電圧補正部の構成を示したブロック図である。図2を参照して、電圧補正部22は、バランス調整設定部41と、オフセット/ゲイン補正部42と、減算部43A〜43Cと、フィルタ処理部44と、検出値補正部45とを含む。
2相/3相変換部21は、相電圧指令として、U相基準電圧Vu_ref、V相基準電圧Vv_ref、およびW相基準電圧Vw_refを出力する。オフセット/ゲイン補正部42は、各相の基準電圧(Vu_ref,Vv_ref,Vw_ref)に対してオフセット補正およびゲイン補正を行ない、補正指令を生成する。オフセット補正およびゲイン補正のためのパラメータはバランス調整設定部41からオフセット/ゲイン補正部42に与えられる。
具体的には、オフセット/ゲイン補正部42は、バランス調整設定部41から出力されたパラメータAu,Buを用いて、U相基準電圧Vu_refをAu×Vu_ref+Buへと補正する。同様にオフセット/ゲイン補正部42は、バランス調整設定部41から出力されたパラメータAv,Bvを用いて、V相基準電圧Vv_refをAv×Vv_ref+Bvへと補正する。さらにオフセット/ゲイン補正部42は、バランス調整設定部41から出力されたパラメータAw,Bwを用いて、W相電圧指令(W相基準電圧)Vw_refをAw×Vw_ref+Bwに補正する。すなわち、2相/3相変換部21から出力された相電圧指令に所定の係数(Au,Av,Aw)を乗じることがゲイン補正であり、そのゲイン補正された相電圧指令に所定のオフセット値(Bu,Bv,Bw)を加算することがオフセット補正である。
線間電圧制御部25は、オフセット/ゲイン補正部42から出力された補正指令(Au×Vu_ref+Bu、Av×Vv_ref+Bv、Aw×Vw_ref+Bw)に従って図1に示されたインバータ26を制御する。
減算部43A〜43Cの各々は、オフセット/ゲイン補正部42の出力値からオフセット/ゲイン補正部42の入力値を減算する。これによって、U、V、W相の各相について電圧指令の差分すなわち相電圧指令の補正量が算出される。具体的には、減算部43Aは、U相電圧指令の補正量Vuv_h(=Au×Vu_ref+Bu−Vu_ref)を算出する。減算部43Bは、V相電圧指令の補正量Vvw_h(=Av×Vv_ref+Bv−Vv_ref)を算出する。減算部43Cは、W相電圧指令の補正量Vwu_h(=Aw×Vw_ref+Bw−Vw_ref)を算出する。
バランス調整設定部41は、オフセット/ゲイン補正部42による電圧指令の補正のためのパラメータ(Au,Av,Aw,Bu,Bv,Bw)を記憶するとともに、その値をオフセット/ゲイン補正部42に出力する。バランス調整設定部41には、相電圧が平衡となるように実験などによって予め定められた値がパラメータとして記憶される。予め定められた値を用いることによって、インバータ負荷模擬装置100を調整するための工数を削減することが可能となるので、供試体1の試験を効率よく行なうことが可能となる。
フィルタ処理部44は、ローパスフィルタ7の特性と実質的に同じ特性を有するフィルタを、ソフトウェアを実行することによって実現する。フィルタ処理部44は、減算部43A〜43Cの各々によって算出された相電圧指令の補正量(Vuv_h,Vvw_h,Vwu_h)に対してフィルタ処理を実行する。フィルタ処理部44をローパスフィルタ7と同様に抵抗、コンデンサ等の電子部品によって構成した場合には、フィルタ処理部44の構成部品の特性がローパスフィルタ回路の構成部品の特性と等しくなるとは限らない。このため、ローパスフィルタ7と実質的に同じ周波数特性を得ることができないことも起こりうる。フィルタ処理を演算によって実行することで、フィルタ処理部44を電子部品によって構成する場合に比べて、ローパスフィルタ7と実質的に同じ周波数特性を容易に実現できる。「実質的に同じ周波数特性」とは、ローパスフィルタ7とフィルタ処理部44との間で周波数特性が厳密に一致する場合に限定されず、フィルタ処理部44の周波数特性をローパスフィルタ7の周波数特性に近似させる場合も含む。ローパスフィルタ7の周波数特性を近似させるとは、たとえばローパスフィルタ7の周波数特性を近似する関数を用いることであり、たとえば指令値生成部におけるフィードバック制御が収束できるように指令値生成部の入力電圧値が生成できる程度に、ローパスフィルタ7の周波数特性と近似している場合を含む。
図3は、図1に示したローパスフィルタ7の特性を示した図である。図3(a)は、ローパスフィルタ7のゲイン特性を示す。図3(b)は、ローパスフィルタ7の位相特性を示す。図3(a)に示すように、ローパスフィルタ7のゲインは、周波数が所定値(すなわちカットオフ周波数)に達するまではほぼ一定であるが、周波数がその所定値より高くなると、ゲインは周波数が高くなるにつれて低下する。一方、図3(b)を参照して、周波数が所定値に達するまでは位相のずれが0であるので、位相遅れが発生しない。周波数がその所定値より高い場合には、位相差が負の値となる。すなわち位相遅れが発生する。
図2に戻り、検出値補正部45は、減算部45Aと、加算部45B,46と、減算部47とを含む。減算部45Aは、線間電圧検出部6によって検出された線間電圧Vuvから、フィルタ処理が実行された補正量Vuv_hを減算する。加算部45Bは、減算部45Aの出力値(=Vuv−Vuv_h)に、フィルタ処理が実行された補正量Vvw_hを加算する。
加算部46は、線間電圧検出部6によって検出された線間電圧Vwvに、フィルタ処理が実行された補正量Vuv_hを加算する。減算部47は、加算部46の出力値(=Vwu+Vuv_h)から、フィルタ処理が実行された補正量Vwu_hを減算する。
加算部45Bの出力値は、以下の式(3)のように表わされる。
Vuv−Vuv_h+Vvw_h=Vuv−(Vuv_h−Vvw_h) ・・・(3)
(Vuv_h−Vvw_h)は、オフセット/ゲイン補正部42がU相およびV相の相電圧指令を補正することで生じた線間電圧Vuvの変化分に対応する。線間電圧検出部6によって検出された線間電圧Vuvからこの補正分を差し引くことによって、相電圧指令を補正しない場合における線間電圧Vuvの値を得ることができる。
同じく、減算部47の出力値は、以下の式(4)のように表わされる。
Vwu+Vuv_h−Vwu_h=Vwu−(Vwu_h−Vuv_h) ・・・(4)
(Vuv_h−Vvw_h)は、オフセット/ゲイン補正部42がU相およびW相の相電圧指令を補正することで生じた線間電圧Vwuの変化分に対応する。電圧Vwuからこの補正分を差し引くことによって、相電圧指令を補正しない場合における線間電圧Vwuの値を得ることができる。
図1を参照して、インバータ負荷模擬装置100は、基本的に、偏差(Vd_ref−Vd),(Vq_ref−Vq)を0に近づけるフィードバック制御を実行する。インバータ負荷模擬装置100は、電圧補正部22を備えることで、供試体であるインバータと接続された状態において、相電圧が平衡となるように運転することが可能となる。この点について、比較例の構成と本実施の形態に係る構成とを対比しながら説明する。
図4は、図1に示したインバータ負荷模擬装置の比較例の構成を示したブロック図である。図4を参照して、インバータ負荷模擬装置100Aは、図1に示したインバータ負荷模擬装置100から電圧補正部22を省略した構成を有する。図4には示していないがインバータ負荷模擬装置100Aの他の部分の構成は図1に示したインバータ負荷模擬装置100の対応する部分の構成と同じである。このため図4にはインバータ負荷模擬装置100と共通の部分について示していない。
図4に示した構成によれば、線間電圧検出部6によって、U相およびV相間の線間電圧Vuv_FBと、U相およびW相間の線間電圧Vwv_FBとがフィードバック制御のために検出される。このように相電圧ではなく線間電圧を検出することによって、配線の本数を少なくすることができる。LPFゲイン補正部9Aは、ローパスフィルタ7のゲイン特性(図3参照)による線間電圧の低下分を補正するために、回転速度ωを用いて線間電圧Vuv_FB,Vwv_FBに対してゲイン補正を実行する。減算部8は、0から線間電圧Vuv_FBおよびVwv_FBを減算することによって、V相およびW相間の線間電圧Vvw_FBを算出する。
上記の3つの線間電圧は3相−2相変換部10によってd軸電圧Vdおよびq軸電圧Vqに変換される。インバータ負荷模擬装置100Aは、d軸偏差(Vd_ref−Vd)およびq軸偏差(Vq_ref−Vq)を0に近づけるフィードバック制御を実行する。
しかしながら図5の実線の波形に示されるように、インバータ負荷模擬装置100Aと供試体1とを接続した段階で、供試体1の出力電圧(U相電圧Vu、V相電圧VvおよびW相電圧Vw)が三相不平衡となる場合が生じうる。この場合、3相/2相変換部10に入力される線間電圧も不平衡となる。その一方で、インバータ負荷模擬装置100Aではフィードバック制御が実行されることによって、偏差(Vd_ref−Vd),(Vq_ref−Vq)が、ある値(好ましくは0である)に収束する。したがって、供試体1の出力電圧が三相不平衡の状態であるものの、インバータ負荷模擬装置100Aの制御にとっては三相平衡であるのと同じ状態になる。
ここで、供試体1の出力電圧(U相電圧Vu、V相電圧VvおよびW相電圧Vw)を三相平衡にするための方法として、たとえば三相平衡の状態が得られるように、線間電圧制御部25に入力される相電圧指令のみを調整する方法が考えられる。しかしながら偏差(Vd_ref−Vd),(Vq_ref−Vq)が変化するためインバータ負荷模擬装置100Aは、偏差(Vd_ref−Vd),(Vq_ref−Vq)を収束させるためのフィードバック制御を実行する。この結果、供試体1の出力電圧が再び三相不平衡となる可能性がある。したがって、検出された線間電圧から、相電圧指令の補正による変化分を差し引くことによって、三相平衡の状態を保ちつつフィードバック制御を安定に実行することができると考えられる。
しかしながら、線間電圧検出部6の前段にローパスフィルタ7が設けられているため、線間電圧検出部6によって検出された電圧の値に対して、ローパスフィルタ7のゲインを考慮した補正を行なわなければならない。インバータ26がPWM制御されているため、インバータ26の出力電圧の波形がPWM波形となる。電圧波形がPWM波形のままでは線間電圧検出部6によって線間電圧を検出することが困難となる。このため、ローパスフィルタ7によって、インバータ26の出力電圧(線間電圧)から基本波成分が取り出される。
このように、インバータ負荷模擬装置100Aは、相電圧に対する指令を出力する一方で、線間電圧を検出する。さらに、インバータ負荷模擬装置100Aは、線間電圧検出部の検出結果に対して、ローパスフィルタの特性を補正する。したがって、三相平衡の状態が得られるように相電圧指令を補正し、かつ、線間電圧検出部によって検出された線間電圧から相電圧指令の補正分を差し引く場合には、演算が複雑化する可能性がある。この場合の課題として、処理時間が長くなることによる制御演算周波数の低下が生じることが想定される。
一方、図2に示すように、本発明の実施の形態においては、三相平衡の状態を得るために相電圧指令を補正するオフセット/ゲイン補正部42と、オフセット/ゲイン補正部42の出力値からオフセット/ゲイン補正部42の入力値を減算する減算部43A〜43Cと、フィルタ処理部44と、検出値補正部45(減算部45A、加算部45B,46および減算部47)とを備える。検出値補正部45は、フィルタ処理が実行された補正量と、線間電圧検出部6によって検出された線間電圧とを用いて、相電圧指令の補正量による線間電圧の変化分を補正する。
オフセット/ゲイン補正部42が2相/3相変換部10によって生成された相電圧指令を補正する。これによって、図5において破線の波形で示すように、U相電圧Vu、V相電圧VvおよびW相電圧Vwの大きさを互いに等しくすることができる。すなわち、三相平衡の状態を得ることができる。したがってインバータ負荷模擬装置100を運転して被試験インバータを評価した際に、正確な評価結果を得ることが可能となる。
減算部43A〜43Cの各々は、相電圧指令の補正量を算出する。フィルタ処理部44は、ローパスフィルタ7と実質的に同じ特性(ゲイン特性および位相特性)を有している。減算部43A〜43Cの各々によって算出された補正量に対してフィルタ処理部44が上記特性に従うフィルタ処理を実行することによって、ローパスフィルタ7を通過し、かつ線間電圧検出部6によって検出された線間電圧のうち、相電圧指令の補正による調整分と同じ大きさの電圧を演算によって求めることができる。
電圧指令生成部50におけるフィードバック制御のためには、電圧指令生成部50によって生成された相電圧指令に対する結果としての電圧値を入力しなければならない。このため線間電圧検出部6によって検出された線間電圧を補正する必要がある。
減算部45Aおよび加算部45Bによって、相電圧指令の補正による調整分に相当する電圧が線間電圧検出部6によって検出された線間電圧Vuvから差し引かれる。同様に、加算部46および減算部47によって、相電圧指令の補正による調整分に相当する電圧が線間電圧検出部6によって検出された線間電圧Vwuから差し引かれる。これにより、LPFゲイン補正部9Aには、検出された線間電圧から、オフセット/ゲイン補正部42による補正分が除かれた電圧値が入力される。したがって、三相平衡状態を得るために相電圧指令が補正されても、3相/2相変換部10に入力される電圧値はその影響を受けない。
これにより、三相平衡状態を得るために相電圧指令が補正されても、インバータ負荷模擬装置100におけるフィードバック制御への影響(d軸偏差およびq軸偏差の拡大)を小さくすることができる。このため、インバータ負荷模擬装置100と供試体1とを接続した状態で三相平衡となり、かつ、供試体1の試験のためにインバータ負荷模擬装置100を所定の試験条件に従って運転することができる。この結果、供試体1であるモータ駆動用インバータの試験において正確な評価結果を得ることが可能になる。
さらに、本発明の実施の形態によれば、電圧補正部22が相電圧指令の補正による線間電圧の変化分を演算によって算出するとともに、線間電圧検出部で検出された線間電圧からその変化分を減算する。このような処理によって、相電圧指令の補正による線間電圧の変化分を線間電圧検出部で検出された線間電圧の値から差し引く際の演算処理が複雑化することを回避することができる。
なお、図1に示した構成において、ローパスフィルタ7の前段に、線間電圧Vuv,Vwuを増幅するためのアンプ(たとえば絶縁アンプ)が設けられていてもよい。また、線間電圧検出部6が2つの線間電圧を検出するのであれば、U相−V相間の電圧、V相−W相間の電圧、およびW相−U相間の電圧のうちのいずれの2つの電圧を検出してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,120 供試体、2 電流検出器、3,8,14〜16,19A,19B,43A〜43C,45A,47 減算部、4,42 オフセット/ゲイン補正部、5,10 3相/2相変換部、6 線間電圧検出部、7 ローパスフィルタ、9A LPFゲイン補正部、9B LPF位相補正部、12 回転速度設定部、13 角度算出部、18 モータモデル演算部、20A,20B 増幅部、21 2相/3相変換部、22 電圧補正部、25 線間電圧制御部、26 インバータ、27 出力リアクトル、30 角度センサ模擬制御部、31 余弦波信号生成部、32 正弦波信号生成部、33〜36 乗算部、41 バランス調整設定部、44 フィルタ処理部、45 検出値補正部、45B,46 加算部、50 電圧指令生成部、100,100A,110 インバータ負荷模擬装置、112,114 単体試験用負荷。

Claims (5)

  1. 被試験インバータに接続されて前記被試験インバータの負荷を模擬するインバータ負荷模擬装置であって、
    前記被試験インバータの模擬負荷となる負荷用インバータと、
    前記被試験インバータの出力電流を検出する電流検出部と、
    前記負荷用インバータの各相の相電圧を制御するための相電圧指令を生成する指令値生成部と、
    前記指令値生成部によって生成された前記相電圧指令を、前記負荷用インバータの前記相電圧を各相の間で互いに平衡した状態にするための補正指令へと変換する指令値補正部と、
    前記補正指令に基づいて前記負荷用インバータをスイッチング動作させるインバータ制御部と、
    前記負荷用インバータの線間電圧から基本波成分を取り出すためのローパスフィルタ回路と、
    前記ローパスフィルタ回路によって取り出された前記線間電圧の前記基本波成分を用いて前記線間電圧を検出する線間電圧検出部と、
    前記負荷用インバータの各相について、前記補正指令と前記相電圧指令との差としての補正量を算出する補正量算出部と、
    前記ローパスフィルタ回路の周波数特性と実質的に同じ周波数特性を有し、前記負荷用インバータの各相について、前記補正量に対してフィルタ処理を実行するフィルタ処理部と、
    前記フィルタ処理が実行された前記補正量と前記線間電圧検出部によって検出された前記線間電圧とを用いて、前記相電圧指令が前記補正量だけ変化したことによって、前記線間電圧検出部によって検出された前記線間電圧に含まれる、前記線間電圧の変化分を補正する検出値補正部と、
    前記検出値補正部によって補正された前記線間電圧に対して、前記ローパスフィルタ回路の特性の補正を行なう特性補正部とを備え、
    前記指令値生成部は、前記模擬負荷を設定するための指令と前記電流検出部によって検出された前記出力電流とに基づいて前記負荷用インバータの前記出力電圧を制御するための基準電圧値を生成するとともに、前記特性補正部によって補正された前記線間電圧に基づく入力電圧値を前記基準電圧値に近づけるためのフィードバック制御を実行することにより、前記相電圧指令を生成する、インバータ負荷模擬装置。
  2. 前記フィルタ処理部は、前記フィルタ処理を演算によって実行する、請求項1に記載のインバータ負荷模擬装置。
  3. 前記指令値補正部は、前記相電圧指令の値に所定の係数を乗じ、かつ、その乗算結果に所定のオフセット値を加算することによって、前記補正指令を生成し、
    前記インバータ負荷模擬装置は、
    前記所定の係数および前記所定のオフセット値を予め記憶する記憶部をさらに備える、請求項1または2に記載のインバータ負荷模擬装置。
  4. 前記特性補正部は、前記検出値補正部によって補正された前記線間電圧に対して、前記ローパスフィルタ回路のゲイン特性による減衰分を補償する、請求項1から3のいずれか1項に記載のインバータ負荷模擬装置。
  5. 前記被試験インバータは、モータ駆動用インバータであり、
    前記インバータ負荷模擬装置は、
    前記電流検出部によって検出された前記出力電流を、d軸電流およびq軸電流に3相−2相変換する第1の変換部と、
    前記特性補正部によって補正された前記線間電圧を、前記指令値生成部に対する前記入力電圧値としてのd軸電圧およびq軸電圧に3相−2相変換する第2の変換部とをさらに備え、
    前記指令値生成部は、
    モータ電圧方程式と、前記d軸電流および前記q軸電流と、前記模擬負荷を設定するための指令としての回転速度指令とを用いてd軸電圧およびq軸電圧のそれぞれに対する前記基準電圧値となるd軸基準電圧およびq軸基準電圧を生成するモータモデル演算部と、
    前記d軸基準電圧と前記d軸電圧との間の偏差を増幅することによってd軸電圧指令を生成する第1の増幅部と、
    前記q軸基準電圧と前記q軸電圧との間の偏差を増幅することによってq軸電圧指令を生成する第2の増幅部と、
    前記d軸電圧指令および前記q軸電圧指令を2相−3相変換することによって、前記相電圧指令を生成する第3の変換部とを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のインバータ負荷模擬装置。
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