JP4998693B2 - モータ模擬装置、およびモータ模擬方法 - Google Patents

モータ模擬装置、およびモータ模擬方法 Download PDF

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Description

本発明は、モータを模擬した模擬負荷装置によって、被試験体のインバータの試験を行うモータ模擬装置、およびモータ模擬方法に関するものである。
従来、モータを負荷とするインバータの試験において、制御の自由度に制約があり、構成が複雑になりがちなL(インダクタ)、R(抵抗)並びにスイッチ群の組み合わせからなる擬似負荷に代わり、インバータをもう一系統設けて、それを模擬負荷として出力電圧の振幅・位相を制御することにより、実際の負荷であるモータを模擬的に運転した状態を作り出し、任意の運転条件で任意の負荷におけるインバータの試験を行うことができるシステムが開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)。
ところで、インバータには、オープンループの(電流フィードバック系が無い)電圧制御型のインバータ(例えば、V/F制御型の汎用インバータ)と、クローズドループを設けてモータに流す電流を制御する電流制御型のインバータ(例えば、ベクトル制御インバータ)とがある。
上述した従来のインバータの試験装置においては、電流制御型のインバータに対しては、図4に示すような構成のインバータ試験装置が使用され、電圧型のインバータに対しては、図6に示すような構成のインバータ試験装置が使用されていた(特許文献2)。なお、上記従来技術のインバータ試験装置は、本発明のモータ模擬装置(インバータ試験装置)の構成と共通する部分が多いため、その概要について説明しておく。
図4に示す電流制御型のインバータのインバータ試験装置において、商用交流電源3からの交流電圧はトランス4を介して整流回路5で直流電圧に変換され、試験電圧調整用のチョッパ回路6で調整された後、被試験体のインバータ1に供給される。また、上記直流電圧は模擬負荷用のインバータ2にも供給される。
インバータ1の交流出力端子からは、PWM変調された矩形波電圧としてのPWM1信号が出力される。このPWM1信号は、リアクトル(インダクタンスL)からなるフィルタ7により正弦波に変換されてトランス41の1次側に加えられる。インバータ2の交流出力端子からは、PWM変調された矩形波電圧としてのPWM2信号が出力される。このPWM2信号は、インダクタンスL、コンデンサC、抵抗Rからなるフィルタ42を介して基本波の正弦波が取り出され、トランス41の2次側に加えられる。なお、フィルタ7のインダクタンスLは、インバータ1の実負荷となるモータのインダクタンスに略等しいものとする。
インバータ1から出力される上記PWM1信号のU相及びW相の各電流iu、iw(電流制御方式により所定の値に制御される)が変流器8で検出されて、iu´、iw´としてモータ模擬運転制御部11Cに加えられる。また、上記PWM1信号をフィルタ7を通じて得られる正弦波の電圧Vu´、Vw´が検出されてモータ模擬運転制御部11Cに加えられる。
モータ模擬運転制御部11Cには、模擬モータ負荷としてのモータの運転条件とモータ特性が入力され設定される。運転条件としては、所望のモータ回転速度N、トルク(負荷)、制御モード等である。モータ特性としては、モータ定数や電圧・電流方程式である。モータ定数は、モータ等価回路の各構成要素である。PMモータ(磁石型同期モータ)の場合のモータ定数としては、モータの電機子抵抗R、モータ回転子上のd、q座標軸におけるd軸上のモータインダクタンLdと、q軸上のモータインダクタンスLq、永久磁石による電機子鎖交磁束φa(モータ誘起電圧定数)、及びフィルタ7のインダクタンスLが入力される。また、モータ模擬運転制御部11Cには、角度センサ模擬制御部12Aが設けられている。
図4に示すインバータ試験装置により、電流制御方式によるインバータ1の試験を行う場合は、インバータ1の出力電流iu、iwは、インバータ2の出力電圧に関わらず所定の値に制御される。モータ模擬運転制御部11Cには、前述した運転条件であるNとモータ定数であるR、Ld、Lq、L、φaがオペレータにより入力設定される。角度セン サ模擬制御部12Aは、Nに応じた模擬角度センサ信号Sθを出力し、インバータ1はこの模擬角度センサ信号Sθに基づいて出力電流が所定の値に制御される。
また、モータ模擬運転制御部11Cは、運転条件N、モータ定数R、Ld、Lq、L、φaに基づいてインバータ2をスイッチングするゲート信号を生成して出力し、インバータ2はこのゲート信号に応じて動作する。即ち、インバータ2は、インバータ1の動作に応じた電圧・電流の振幅・位相となるように制御されることになる。モータ模擬運転制御部11Cは、インバータ1の出力電流iu、iw及び出力電圧Vu´、Vw´を見ながら制御を行う。出力電圧Vu´、Vw´の振幅・位相は、負荷により決まる。
即ち、インバータ1の出力電流が一定の状態において、出力電圧の振幅、位相が所望となるようにインバータ2の出力電圧の振幅・位相を制御することにより、インバータ1にあたかもモータが接続されているかのような状態でインバータ1の試験を行うことができる。以上により、モータの任意の運転条件に応じて任意の力率、負荷のインピーダンスを設定して、インバータ1の試験を行うことができる。なお、トランス41を設けることにより、インバータ1とインバータ2は絶縁されている。
また、インバータ1、2の各出力電圧はPWM波形であり、遅れなしでインバータ1の基本波電圧の振幅と位相を検出することが難しいため、フィルタ7によりPWM波形を正弦波状にして、トランス41の1次側の電圧Vu´、Vw´を検出する。ここで、フィルタ7のインダクタンスは実負荷となるモータのインダクタンスに略等しく設定されているので、フィルタ7からトランス41の1次側に供給される電圧(Vu´、Vw´等)は実際のモータに与えられる波形に等しくなり、負荷に供給されるべき波形を忠実に再現することが可能になる。このトランス41の1次側の電圧と電流iu、iwに基づいてインバータ1の出力電圧Vuを次式により算出する。
Vu=L・iu+Vu´、
負荷がPMモータの場合は、
Figure 0004998693
による電圧・電流方程式を満足するように制御が行われる。(1)式において、Vd,Vq:d、q軸の電機子電圧、id,iq:d,q軸の電機子電流、R:電機子抵抗、Ld,Lq:d,q軸インダクタンス、ω:角回転速度(Nに対応)、P:d/dt、φa:永久磁石による電機子鎖交磁束である。
図5は、上記(1)式による電圧・電流方程式をハード構成で実現した場合のモータ模擬運転制御部11Cを示すもので、加算器、乗算器、補正回路、微分回路、2/3回路(3相−2相変換回路)、PWM回路43等により図示のように構成されている。(1)式におけるpは微分演算子であり、pLd、pLqは過度項であり、実際の運転においては値が小さいので、図5に示す例では無視される。
図5において、上記入力されたR、Ld、Lq、θm(模擬角度センサ信号Sθが示す角度:Nに対応)、φa、L、及び電圧Vu´、Vw´、電流iu、iwを用いて図示の各演算が行われる。これにより、相電圧指令Vou、Vov、Vowを生成し、これに基づいてPWM回路43よりインバータ2のゲート信号が生成される。
また、図6は、電圧制御方式のインバータの試験装置の構成例を示している。図6において、制御回路51は、電圧指令と周波数指令に応じて被試験インバータ1を出力電圧を所定の値に制御する。
また、モータ模擬運転制御部11Dにおいて、インバータ1の出力電圧Vu、Vwから電圧位相検出回路52により電圧位相θを検出する。また、出力電流iu、iwをθに基づいて3相→2相変換してid、iqを得る。このid、iqと、負荷指令に基づいて決定される電流の振幅位相を持つid、iqとが比較されて電圧指令Vd、Vqが得られる。このVd、Vqがθに基づいて2相→3相変換されることにより、Vou、Vov、Vowが得られる。そして、この相電圧指令に基づいてPWM回路53によりインバータ2のゲート信号を生成することができる。
図6に示す構成によりインバータ1の出力電圧が所定の値の状態において、インバータ2の出力電流の振幅・位相を制御することにより、インバータ1にモータが接続されているのと同等の状態でインバータ1の試験を行うことができ、モータの任意の運転条件に応じて任意の負荷インピーダンスを設定して、インバータ1の試験を行うことができる。
また、図7は、図4に示す構成の主回路部分を、変形した例を示している。図7において、インバータ1、2間は///で3相を示し、インバータ1の入力側にはチョッパ回路6及びコンデンサC1を介してAC/DCコンバータとしての回生コンバータ(正弦波コンバータ)62が接続され、インバータ2の入力側にはコンデンサC2を介してAC/DCコンバータとしての回生コンバータ63が接続されている。
回生コンバータ62には、商用交流電源3からの3相交流電圧がトランス4、リアクトル(インダクタンス)64を通じて加えられ、コンデンサC1に得られるDC(直流)電圧がチョッパ回路6で調整された後、インバータ1に供給される。また、回生コンバータ63には、商用交流電源3からの3相交流電圧がトランス4、トランス61及びリアクトル(インダクタンス)65を通じて加えられ、コンデンサC2に得られるDC電圧がインバータ2に供給される。
上記のように図7に示す構成例おいては、図4に示す絶縁用のトランス41に代えてトランス61を用い、このトランス61によりインバータ1とインバータ2を交流電源側において分離し、直流的に絶縁するようにしている。また、回生コンバータ62、63はインバータ1、2に対して直流(DC)電圧を供給するために設けられる。この回生コンバータ62、63の動作については、本発明の実施の形態の項で説明する。また、インバータ1の出力電圧の検出には、PWM波形の電圧を検出する技術(特願2003−409315)の利用を前提としている。
以上、従来技術のインバータ試験装置について説明したが、図4、図6、および図7に示した構成例では、PMモータを負荷とするだけでなく、電圧方程式があれば、IMモータ(誘導電動機)等々どのようなモータでも模擬運転可能である。
特開2003−153546号公報 特開2003−153547号公報 特開2005−312265号公報
上述したように、従来のインバータの負荷試験装置では、被試験体となるインバータが、電圧制御型のインバータ(電圧源)である場合と、電流制御型のインバータ(電流源)である場合には、異なる構成のインバータ試験装置となっていた。例えば、電流制御型のインバータでは、図4に示すインバータ試験装置であり、電圧制御型のインバータでは、図6に示すインバータ試験装置であった。すなわち、被試験体のインバータの制御装置に対応して、異なるインバータ試験装置を用意する必要があった。
このため、被試験体のインバータの制御方法に依存しないモータ模擬装置(インバータ試験装置)の提供が望まれた。また、近時、オープンループの電圧制御、クローズドループによる電流制御のいずれにも属さない制御方法のインバータの開発も行われており、これらを含めて、将来の新しい制御方法にも対応可能なモータ模擬装置の提供が望まれていた。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、オープンループの電圧制御型(電流制御なし)のインバータ、クローズドループを持つ電流制御型のインバータの両方に、また、いずれにも属さない制御方法のインバータにも対応可能なモータ模擬装置、およびモータ模擬方法を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明のモータ模擬装置は、被試験体であるモータ駆動用インバータの出力に、模擬負荷装置を接続し、前記模擬負荷装置を前記モータ駆動用インバータの模擬モータ負荷とするモータ模擬装置であって、前記モータ駆動用インバータの出力電流を検出する電流検出部と、前記モータ駆動用インバータの出力電圧を検出する電圧検出部と、模擬モータ負荷について設定された運転条件及び模擬モータの特性のパラメータを保持すると共に、前記電圧検出部により検出したモータ駆動用インバータの出力電圧を基に、前記模擬モータの電圧・電流方程式に従い、模擬モータとして流れるべき電流の電流指令を算出し、前記電流指令と、前記電流検出部で検出した電流とが一致するように前記模擬負荷装置の出力電圧を制御するモータ模擬運転制部と、を備え、前記模擬負荷装置は、模擬負荷となる模擬負荷用インバータと、前記模擬負荷用インバータの交流出力側に接続されるリアクトルと、を有し、前記模擬負荷用インバータの交流出力側と前記モータ駆動用インバータの交流出力側とを前記リアクトルを介して接続して構成されたものであり、前記模擬負荷用インバータは、3相のモータ模擬負荷となるように構成されており、前記モータ模擬運転制御部は、前記モータ模擬運転制御部に入力される回転速度指令信号ωから模擬モータの回転子角度θを算出するモータ角度算出回路と、前記モータ駆動用インバータの3相出力電流と前記回転子角度θとを基に、前記3相出力電流を回転子のd、q軸上の電流id、iqに変換する第1の3相−2相変換回路と、前記モータ駆動用インバータの3相出力電圧と前記回転子角度θとを基に、前記3相出力電圧を回転子のd、q軸上の電圧Vd、Vqに変換する第2の3相−2相変換回路と、前記電圧Vd、Vqと、模擬モータの電圧・電流方程式とを基に、模擬モータに流れるべき電流を、d、q軸上の電流指令id 、iq として求める電流指令演算回路と、前記電流指令id 、iq と前記電流id、iqをそれぞれ比較し、d、q軸上の電圧指令Vdo 、Vqo を生成する誤差増幅回路と、前記d、q軸上の電圧指令Vdo 、Vqo を基に、前記模擬負荷用インバータの3相出力電圧の制御指令信号Vou 、Vov 、Vow を生成する2相−3相変換回路と、を備えることを特徴とする。
このような構成により、被試験体のモータ駆動用インバータの出力電圧と出力電流を検出する。そして、このモータ駆動用インバータの出力電圧を基に、模擬モータの電流・電圧方程式(状態方程式)に従い、模擬モータとして流れるべき電流の電流指令を算出する。そして、算出した電流指令と、被試験体のモータ駆動用インバータの出力電流とを比較し、モータ駆動用インバータから流れる電流が電流指令に一致するように模擬負荷装置の出力電圧を制御する。
これにより、オープンループ(電流制御なし)の電圧制御型のインバータ、およびクローズドループによる電流制御型のインバータの両方に、また、いずれにも属さない制御方法のインバータにも対応可能なモータ模擬装置を提供することができる。
また、本発明のモータ模擬装置は、前記模擬負荷装置は、模擬負荷となる模擬負荷用インバータと、前記模擬負荷用インバータの交流出力側に接続されるリアクトルと、を有し、前記模擬負荷用インバータの交流出力側と前記モータ駆動用インバータの交流出力側とを前記リアクトルを介して接続して構成されることを特徴とする。
このような構成により、模擬負荷装置をインバータとリアクトルで構成し、模擬負荷用インバータの交流出力側とモータ駆動用インバータの交流出力側とをリアクトルを介して接続する。
これにより、模擬負荷装置の出力電圧の振幅、位相を容易に制御することができる。また、リアクトルにより、2つのインバータ間の出力電圧差、位相差が大きい場合の突入電流を抑制することができる。
また、本発明のモータ模擬装置は、前記模擬負荷用インバータは、3相のモータ模擬負荷となるように構成されており、前記モータ模擬運転制御部は、前記モータ模擬運転制御部に入力される回転速度指令信号ωから模擬モータの回転子角度θを算出するモータ角度算出回路と、前記モータ駆動用インバータの3相出力電流と前記回転子角度θとを基に、前記3相出力電流を回転子のd、q軸上の電流id、iqに変換する第1の2/3相変換回路と、前記モータ駆動用インバータの3相出力電圧と前記回転子角度θとを基に、前記3相出力電圧を回転子のd、q軸上の電圧Vd、Vqに変換する第2の2/3相変換回路と、前記電圧Vd、Vqと、模擬モータの電圧・電流方程式とを基に、模擬モータに流れるべき電流を、d、q軸上の電流指令id、iqとして求める電流指令演算回路と、前記電流指令id、iqと前記電流id、iqをそれぞれ比較し、d、q軸上の電圧指令Vdo、Vqoを生成する誤差増幅回路と、前記d、q軸上の電圧指令Vdo、Vqoを基に、前記模擬負荷用インバータの3相出力電圧の制御指令信号Vou、Vov、Vowを生成する第3の2/3相変換回路と、を備えることを特徴とする。
このような構成により、モータ模擬運転制御部に入力される回転速度指令信号ωから模擬モータの回転子角度θを算出し、被試験体であるモータ駆動用インバータの3相出力電流と回転子角度θとを基に、d、q軸上の電流id、iqを求める。また、モータ駆動用インバータの3相出力電圧と回転子角度θとを基に、d、q軸上の電圧Vd、Vqを求める。そして、電圧Vd、Vqと、模擬モータの電流・電圧方程式(状態方程式)により、模擬モータに流れるべき電流を、d、q軸上の電流指令id、iqとして求める。この電流指令id、iqと電流id、iqのそれぞれを比較し、d、q軸上の電圧指令Vdo、Vqoを生成する。このd、q軸上の電圧指令Vdo、Vqoを基に、模擬負荷用インバータの3相出力電圧の制御指令信号Vou、Vov、Vowを生成する。
これにより、オープンループ(電流制御なし)の電圧制御型のインバータ、およびクローズドループを持つ電流制御型のインバータの両方に、また、いずれにも属さない制御方法のインバータにも対応可能なモータ模擬装置を提供することができる。
また、本発明のモータ模擬装置は、前記モータ角度算出回路に換えて、前記モータ駆動用インバータから、出力電圧の位相の情報を含む信号を取得し、該信号を基に、模擬モータの回転子の角度θおよび回転速度信号ωを生成する位相・周波数検出部を備えることを特徴とする。
このような構成により、例えば、被試験体であるモータ駆動用インバータが電圧型インバータである場合に、該インバータから出力電圧の位相情報を含む信号(電圧指令信号など)を取得し、これを基に、模擬モータの回転子の角度θおよび回転速度信号ωを生成する。
これにより、被試験体であるモータ駆動用インバータと、モータ模擬装置とを容易に同期して運転することができる。
また、本発明のモータ模擬装置は、前記モータ角度算出回路から得られる模擬モータの回転子角度θを基に、回転子角度センサの模擬信号を生成して前記モータ駆動用インバータに出力する角度センサ模擬制御部を備えることを特徴とする。
このような構成により、モータ角度算出回路から得られる模擬モータの回転子角度θを基に、例えば、回転子の回転角度検出用のレゾルバと同様な出力信号を生成する。
これにより、モータ模擬装置を回転子角度センサ付きの模擬モータとし機能させることができる。
また、本発明のモータ模擬装置は、前記模擬モータとしてPMモータを模擬する場合に、前記電流指令演算回路により、次式
Figure 0004998693
ここで、R:電機子抵抗、Ld,Lq:d,q軸インダクタンス、ω:角回転速度、φa:永久磁石による電機子鎖交磁束、L:モータ駆動用インバータと模擬負荷用インバータとの間に接続されるインダクタンス、p:微分演算子、
により、前記モータ駆動用インバータの出力電圧Vd、Vqからid、iqを求め、これを前記電流指令id、iqとするように求めるように構成されたことを特徴とする。
これにより、周知のPMモータの電圧・電流方程式により、d、q軸上の電圧Vd、Vqから模擬モータに流れるべき電流を、d、q軸上の電流指令id、iqとして容易に求めることができる。
また、本発明のモータ模擬装置は、前記模擬モータとしてPMモータを模擬する場合に、前記電流指令演算回路により、前記モータ駆動用インバータの出力電圧Vd、Vqから前記電流指令id、iqを求める際に、id={R・Vd+ω・Lq(Vq−ω・φa)}/(R+ω・Ld・Lq)、iq={−ω・Ld・Vd+R(Vq−ω・φa)}/(R2+ω2・Ld・Lq)、ここで、R:電機子抵抗、Ld,Lq:d,q軸インダクタンス、ω:角回転速度、φa:永久磁石による電機子鎖交磁束、として求めるように構成されたことを特徴とする。
これにより、周知のPMモータの電圧・電流方程式により、d、q軸上の電圧Vd、Vqから模擬モータに流れるべき電流を、d、q軸上の電流指令id、iqとして容易に求めることができる。
また、本発明のモータ模擬装置は、前記第1の2/3相変換回路で求めたd、q軸上の電流id、iqを基に、前記誤差増幅器により生成されたd、q軸上の電圧指令Vdo、Vqoのそれぞれに加算するための補償信号Vd´、Vq´を生成するフィードフォワード演算部をさらに備えることを特徴とする。
このような構成により、模擬負荷用インバータのd、q軸上の電圧指令Vdo、Vqoにフィードフォワード信号を加算し、模擬負荷用インバータの出力電圧の応答を早める。
これにより、モータ模擬装置の応答性を改善することができる。特に、被試験体であるモータ駆動用インバータが電流制御型のインバータである場合に効果がある。
また、本発明のモータ模擬装置は、前記フィードフォワード演算部により、電圧指令Vdo、Vqoのそれぞれに加算する補償信号Vd´、Vq´を、
Figure 0004998693
ここで、R:電機子抵抗、Ld,Lq:d,q軸インダクタンス、ω:角回転速度、φa:永久磁石による電機子鎖交磁束、L:モータ駆動用インバータと模擬負荷用インバータとの間に接続されるインダクタンス、p:微分演算子、
により求めるように構成されたことを特徴とする。
これにより、モータ駆動用インバータと模擬負荷用インバータと間に接続されたフィルタのリアクトル(インダクタンスL)の影響を考慮して、モータ模擬装置の応答性を改善することができる。
また、本発明のモータ模擬装置は、前記フィードフォワード演算部により、電圧指令Vdo、Vqoのそれぞれに加算する補償信号Vd´、Vq´を、Vd´=R・id−ω(Lq−L)iq、Vq´=ω・(Ld―L)・id+R・iq+ω・φa、ここで、R:電機子抵抗、Ld,Lq:d,q軸インダクタンス、ω:角回転速度、φa:永久磁石による電機子鎖交磁束、L:モータ駆動用インバータと模擬負荷用インバータと間に接続されるインダクタンス、により求めるように構成されたことを特徴とする。
これにより、モータ駆動用インバータと模擬負荷用インバータと間に接続されたフィルタのリアクトル(インダクタンスL)の影響を考慮して、モータ模擬装置の応答性を改善することができる。
また、本発明のモータ模擬装置は、前記第2の2/3相変換回路により、d、q軸上の電圧信号Vd、Vqを生成する際に、前記モータ駆動用インバータの3相線間電圧と、前記模擬モータの回転子角度に30°加算した位相信号と、を入力信号として、前記d、q軸上の電圧信号Vd、Vqを算出するように構成されたことを特徴とする。
このような構成により、入力した3相線間電圧を30°位相を進めることにより、相電圧として扱うようにする。
これにより、被試験体であるモータ駆動用インバータの線間電圧を基に、電圧信号Vd、Vqを生成することができる。すなわち、線間電圧から相電圧を生成する回路が不要となる。
また、本発明のモータ模擬方法は、被試験体であるモータ駆動用インバータの出力に、模擬負荷装置を接続し、前記模擬負荷装置を前記モータ駆動用インバータの模擬モータ負荷とするモータ模擬装置におけるモータ模擬方法であって、前記モータ駆動用インバータの出力電流を検出する電流検出手順と、前記モータ駆動用インバータの出力電圧を検出する電圧検出手順と、模擬モータ負荷について設定された運転条件及び模擬モータの特性のパラメータを保持すると共に、前記電圧検出部により検出したモータ駆動用インバータの出力電圧を基に、前記模擬モータの電圧・電流方程式に従い、模擬モータとして流れるべき電流の電流指令を算出する電流指令演算手順と、前記電流指令と、前記電流検出部で検出した電流とが一致するように前記模擬負荷装置の出力電圧を制御する出力電圧制御手順と、を含み、前記模擬負荷装置は、模擬負荷となる模擬負荷用インバータと、前記模擬負荷用インバータの交流出力側に接続されるリアクトルと、を有し、前記模擬負荷用インバータの交流出力側と前記モータ駆動用インバータの交流出力側とを前記リアクトルを介して接続して構成されたものであり、前記模擬負荷用インバータは、3相のモータ模擬負荷となるように構成されており、回転速度指令信号ωから前記模擬モータの回転子角度θを算出し、前記モータ駆動用インバータの3相出力電流と前記回転子角度θとを基に、d、q軸上の電流id、iqを求め、前記モータ駆動用インバータの3相出力電圧と前記回転子角度θとを基に、d、q軸上の電圧Vd、Vqを求め、電圧Vd、Vqと、模擬モータの電流・電圧方程式(状態方程式)により、前記模擬モータに流れるべき電流を、d、q軸上の電流指令id、iqとして求め、この電流指令id、iqと前記電流id、iqのそれぞれを比較し、d、q軸上の電圧指令Vdo、Vqoを生成し、このd、q軸上の電圧指令Vdo、Vqoを基に、前記模擬負荷用インバータの3相出力電圧の制御指令信号Vou、Vov、Vowを生成することを特徴とする。
このような手順により、被試験体のモータ駆動用インバータの出力電圧と出力電流を検出する。そして、このモータ駆動用インバータの出力電圧を基に、模擬モータの電流・電圧方程式(状態方程式)に従い、模擬モータとして流れるべき電流の電流指令を算出する。そして、算出した電流指令と、被試験体のモータ駆動用インバータの出力電流とを比較し、モータ駆動用インバータから流れる電流が電流指令に一致するように模擬負荷装置の出力電圧を制御する。
これにより、オープンループ(電流制御なし)の電圧制御型のインバータ、およびクローズドループによる電流制御型のインバータの両方に、また、いずれにも属さない制御方法のインバータにも対応可能なモータ模擬装置を提供することができる。
本発明のモータ模擬装置においては、オープンループの電圧制御(電流制御なし)のインバータ、クローズドループによる電流制御のインバータの両方に、また、いずれにも属さない制御方法のインバータにも対応可能なモータ模擬装置を提供することができる。
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は本発明によるモータ模擬装置の第1の実施の形態の構成例を示す図である。
図1に示すモータ模擬装置の主回路の構成は、図7に示した従来技術の構成例と同じである。すなわち、被試験体のモータ駆動用インバータであるインバータ1の電源入力側にはチョッパ回路6及びコンデンサC1を介してAC/DCコンバータとしての回生コンバータ(正弦波コンバータ)62が接続され、模擬負荷用インバータであるインバータ2の電源入力側にはコンデンサC2を介してAC/DCコンバータとしての回生コンバータ63が接続されている。
回生コンバータ62には、商用交流電源3からの3相交流電圧がトランス4、リアクトル(インダクタンス)64を通じて加えられ、コンデンサC1に得られるDC(直流)電圧がチョッパ回路6で調整された後、インバータ1に供給される。また、回生コンバータ63には、商用交流電源3からの3相交流電圧がトランス4、トランス61及びリアクトル(インダクタンス)65を通じて加えられ、コンデンサC2に得られるDC電圧がインバータ2に供給される。このトランス61によりインバータ1とインバータ2を交流電源側において分離し、直流的に絶縁するようにしている。
また、回生コンバータ62、63はインバータ1、2に対して直流(DC)電圧を供給するために設けられる。即ち、回生コンバータ62、63は入力交流電圧をAC/DC変換してコンデンサC1、C2に蓄積する。
モータの力行運転を模擬する場合は、回生コンバータ62を制御して交流電源電圧より振幅が大きく、かつ位相の遅れた電圧を発生させることにより、その差の電圧がインダクタンス64にかかり、交流電圧と同相の電流が流れ、コンデンサC1にエネルギーが蓄積され、チョッパ回路6を介してインバータ1に供給される。即ち、インバータ1が交流電源からエネルギーを供給されることになる。
一方、インバータ2はインバータ1から供給されたエネルギーをコンデンサC2に蓄積し、また、回生コンバータ63を制御して交流電源電圧より振幅が大きく、かつ位相の進んだ電圧を発生させることにより、コンデンサC2からインダクタンス65にかかる交流電圧と逆相の電流が流れ、この電流はトランス61を通じて交流電源側に戻される。
モータの回生運転を模擬する場合は、上記と逆に回生コンバータ62により交流電源電
圧より振幅が大きく、かつ位相の進んだ電圧を発生させることにより、インダクタンス64にかかる交流電圧と逆向きの電流が流れる。また、インバータ2は回生コンバータ63からのエネルギーをコンデンサC2に蓄積し、これをインバータ2からインバータ1に供給することになる。
上述したモータの力行運転、および回生運転は、インバータ1とモータ模擬負荷装置の運転状態によって決まる。
次に、本発明の特徴部分となるモータ模擬運転制御部11の構成と動作について説明する。
モータ模擬装置10中のモータ模擬運転制御部11には、インバータ1から出力されるPWM1信号のU相及びW相の各電流iu、iwが変流器8で検出されてモータ模擬運転制御部11に加えられる。また、上記PWM1信号をY(スター)接続抵抗15と絶縁アンプ14を通じて相電圧Vu、Vwが検出されてモータ模擬運転制御部11に取り込まれる。
また、モータ模擬運転制御部11には、負荷としてのモータの運転条件とモータ特性が入力され設定される。運転条件としては、所望のモータ回転速度ω、トルク(負荷)である。モータ特性としては、モータ定数や電圧・電流方程式(状態方程式)である。モータ定数は、モータ等価回路の各構成要素である。PMモータの場合のモータ定数としては、モータの電機子抵抗R、モータ回転子上のd、q軸におけるd軸上のモータインダクタンLdとq軸上のモータインダクタンスLq、モータ誘起電圧定数φa、及びフィルタ7のリアクトルのインダクタンスLが入力される。
モータ模擬運転制御部11中の2/3相変換回路(第1の2/3相変換回路)16Aでは、変流器8から取り込まれる電流信号iu、iwを基に、3相→2相変換を行い、d軸、q軸の直交座標系における電流id、iqを算出する。なお、3相→2相変換の演算に必要な模擬モータの回転子の回転角度θ(模擬角度信号)は、回転速度指令ωをモータ角度算出器17で積分することにより得られる。ここで、回転速度指令ωは例えば、特願2004−129428の図7に示す構成で決定される。
同様にして、2/3相変換回路(第2の2/3相変換回路)16Bでは、絶縁アンプ14から取り込まれる電圧信号Vu、Vwを基に、3相→2相変換を行い、d、q軸の直交座標系における電圧Vd、Vqを算出する。なお、3相→2相変換の演算に必要な模擬モータの回転子の回転子角度θは、回転速度指令ωをモータ角度算出器17で積分することにより得られる。このd、q軸における電圧Vd、Vqの信号は電流指令演算部18に出力される。
また、d軸、q軸で表されるモータの電圧・電流方程式は、PMモータの場合、以下のように表される。
Figure 0004998693
ここで、Vd,Vq:d,q軸の電機子電圧、id,iq:d,q軸の電機子電流、R:電機子抵抗、Ld,Lq:d,q軸インダクタンス、ω:角回転速度(Nに対応)、P:d/dt、φa:永久磁石による電機子鎖交磁束である。
また、簡単のために過渡項を無視する(微分演算子Pの項を無視する)と、以下の式となる。
Figure 0004998693
上式を変形すると、以下の式により、電圧Vd、Vqより、電流id、iqを求めることができる。
Figure 0004998693
すなわち、モータの電圧Vd、Vqが分かれば、モータのパラメータおよびモータの運転条件(例えば、回転数)を基に、モータ(実際には模擬モータとなるインバータ2)に流れるべき電流を決めることができる。
従って、電流指令演算部18では上記(3)式を基に、電圧Vd、Vqから、モータに流れるべき電流を電流指令idおよびiqとして求める。
また、電流指令演算部18で算出された電流指令idおよびiqは、2/3相変換回路16Aにより検出された実電流id、iqと比較され、誤差増幅器19A、19Bにより増幅されて、d、q軸上の電圧指令Vdo、およびVqoとなる。この、d、q軸上の電圧指令Vdo、およびVqoは2/3相変換回路(第3の2/3相変換回路)16Cに出力される。
2/3相変換回路16Cでは、d、q軸上の電圧指令Vdo、およびVqoに対し、2相→3相変換を行い、各相の電圧指令Vou、Vov、Vowを生成し、この電圧指令Vou、Vov、Vowに従い、インバータ2をPWM制御する。なお、3相→2相変換の演算に必要な回転子の回転角度θは、回転速度指令ωをモータ角度算出器17で積分することにより得られる。
このように、モータ模擬装置10では、モータ模擬負荷として動作する場合に、モータ電圧(インバータ1の出力電圧)を検出し、この電圧におけるモータ(インバータ2)に流れるべき電流を(3)式の電圧・電流方程式(状態方程式)により求め、この電流を流すように、インバータ2の出力電圧を制御する。
また、図1に示す構成例では、角度センサ模擬制御部12を備えている。この角度センサ模擬制御部12は、モータの回転軸と共に回転する回転角度検出用のレゾルバの機能を模擬するものであり、インバータ1内の角度センサI/Fからの励振信号に応答して、帰還信号(sinθ、cosθ)を出力するように構成されている。これにより、モータ模擬装置10をレゾルバ付きの模擬モータ負荷として機能させることができる。
[第2の実施の形態]
また、図2は本発明の第2の実施の形態を示す図である。図2に示す構成例は、モータ模擬装置10Aが、被試験体のインバータ1Aから出力電圧の位相θの情報を含む信号を受け取るように構成した例である。
図2に示す被試験体のインバータ1Aは、電圧型のインバータを示しており、ごく一般的な構成のものである。このインバータ1Aでは、周波数指令Fに対し、乗算器31により回転方向(正転:1または逆転:−1)を乗算し、これを積分器32により積分し電圧信号の位相θを求め、sin信号発生器33A、33B、33Cにより各相のsin信号(2π/3の位相差を持つ信号)を生成する。そして、乗算器34A、34B、34Cにより、各相のsin信号と電圧指令とを乗算し、各相の電圧指令信号Vu、Vv、Vwを生成し、この電圧指令信号Vu、Vv、VwをPWM回路35によりPWM変調し、主回路36のスイッチング素子(例えば、IGBTなど)をON・OFF制御する。
そして、インバータ1Aは、sin信号発生器33Aから生成されたU相のsinθ信号を、モータ模擬運転制御部11A内の位相・周波数検出部13に出力する。また、インバータ1Aは、回転方向信号生成回路37により回転方向信号(0:正転、1:逆転)を生成し、この回転方向信号を位相・周波数検出部13に出力する。
位相・周波数検出部13では、インバータ1Aから受け取ったU相のsinθ信号と回転方向の信号(0:正転、1:逆転)を基に、回転子の角度を模擬する回転子角度θと周波数ωの信号を生成する。なお、モータ模擬運転制御部11Aの他の構成部分は図1に示したものと同様である。
このように、被試験体となるインバータ1Aから位相θの情報を含む信号を得られる場合には、これを基に、モータ模擬運転制御部11Aとインバータ1Aの同期を取って、インバータの負荷シミュレータを行うことができる。
[第3の実施の形態]
また、図3は本発明のモータ模擬装置の第3の実施の形態を示す図である。図3に示す構成例は、図1に示す構成例と比較して、モータ模擬運転制御部11Bに、FF(フィードフォワード)演算部20を新たに追加した例であり、被試験体のインバータが電流制御型のインバータなどの場合に、模擬モータとしての応答性を改善するようにしたものである。また、2/3相変換回路16Bに入力する電圧信号を線間電圧Vuv、Vwuとし、かつモータ角度算出器17から得られる位相θ(模擬モータの回転子角度信号)に30°を加算し、線間電圧の位相を相電圧の位相に一致させるようにして、Y接続抵抗15(図1を参照)を省略した構成としている。
上記FF演算部20では、電流フィードバック信号id、iqより、以下の式に従い、フィードフォワード補償信号Vd´、Vq´を生成し、このフィードフォワード補償信号Vd´、Vq´を電圧指令信号Vdo、Vqoに加算する。
Figure 0004998693
すなわち、d,q軸のインダクタンスLd、LqのそれぞれからフィルタのインダクタンスLを引いた(4)式によりフィードフォワード補償信号Vd´、Vq´を生成し、これを電圧指令信号Vdo、Vqoに加算することにより、インバータ2の出力電圧の応答を早め、これにより、モータ模擬負荷としての応答性を改善することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明のモータ模擬装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明においては、オープンループ(電流制御なし)の電圧制御型のインバータ、クローズドループによる電流制御型のインバータの両方に対応可能なモータ模擬負荷を提供することができるので、本発明はモータ模擬装置等に有用である。
本発明のモータ模擬装置の第1の実施の形態の構成例を示す図である。 本発明のモータ模擬装置の第2の実施の形態の構成例を示す図である。 本発明のモータ模擬装置の第3の実施の形態の構成例を示す図である。 電流制御型インバータを試験するための従来のインバータ試験装置の構成例を示す図である。 電圧変換方程式をハード構成で実現した場合の例を示す図である。 電圧型インバータを試験するための従来のインバータ試験装置の構成例を示す図である。 従来のインバータ試験装置の他の構成例を示す図である。
符号の説明
1、1A インバータ(被試験体のモータ駆動用インバータ)
2 インバータ(模擬負荷用インバータ)
3 商用交流電源
4 トランス
5 整流回路
6 チョッパ回路
7 フィルタ
8 変流器
10、10A モータ模擬装置
11、11A、11B、11C、11D モータ模擬運転制御部
12、12A 角度センサ模擬制御部
13 位相・周波数検出部
14 絶縁アンプ
15 Y接続抵抗
16A、16B、16C 2/3相変換回路
17 モータ角度算出器
18 電流指令演算部
19A、19B 誤差増幅器
20 、FF(フィードフォワード)演算部
31 乗算器
32 積分器
33A、33B、33C sin信号発生器
34A、34B、34C 乗算器
35 PWM回路
36 主回路
37 回転方向信号生成回路
61 トランス
62 回生コンバータ
63 回生コンバータ
64 リアクトル(インダクタンス)
65 リアクトル(インダクタンス)

Claims (10)

  1. 被試験体であるモータ駆動用インバータの出力に、模擬負荷装置を接続し、前記模擬負荷装置を前記モータ駆動用インバータの模擬モータ負荷とするモータ模擬装置であって、
    前記モータ駆動用インバータの出力電流を検出する電流検出部と、
    前記モータ駆動用インバータの出力電圧を検出する電圧検出部と、
    模擬モータ負荷について設定された運転条件及び模擬モータの特性のパラメータを保持すると共に、
    前記電圧検出部により検出したモータ駆動用インバータの出力電圧を基に、前記模擬モータの電圧・電流方程式に従い、模擬モータとして流れるべき電流の電流指令を算出し、
    前記電流指令と、前記電流検出部で検出した電流とが一致するように前記模擬負荷装置の出力電圧を制御するモータ模擬運転制部と、を備え、
    前記模擬負荷装置は、
    模擬負荷となる模擬負荷用インバータと、
    前記模擬負荷用インバータの交流出力側に接続されるリアクトルと、を有し、
    前記模擬負荷用インバータの交流出力側と前記モータ駆動用インバータの交流出力側とを前記リアクトルを介して接続して構成されたものであり、
    前記模擬負荷用インバータは、3相のモータ模擬負荷となるように構成されており、
    前記モータ模擬運転制御部は、
    前記モータ模擬運転制御部に入力される回転速度指令信号ωから模擬モータの回転子角度θを算出するモータ角度算出回路と、
    前記モータ駆動用インバータの3相出力電流と前記回転子角度θとを基に、前記3相出力電流を回転子のd、q軸上の電流id、iqに変換する第1の3相−2相変換回路と、
    前記モータ駆動用インバータの3相出力電圧と前記回転子角度θとを基に、前記3相出力電圧を回転子のd、q軸上の電圧Vd、Vqに変換する第2の3相−2相変換回路と、
    前記電圧Vd、Vqと、模擬モータの電圧・電流方程式とを基に、模擬モータに流れるべき電流を、d、q軸上の電流指令id、iqとして求める電流指令演算回路と、
    前記電流指令id、iqと前記電流id、iqをそれぞれ比較し、d、q軸上の電圧指令Vdo、Vqoを生成する誤差増幅回路と、
    前記d、q軸上の電圧指令Vdo、Vqoを基に、前記模擬負荷用インバータの3相出力電圧の制御指令信号Vou、Vov、Vowを生成する2相−3相変換回路と、
    を備えることを特徴とするモータ模擬装置。
  2. 前記モータ角度算出回路に換えて、
    前記モータ駆動用インバータから、出力電圧の位相の情報を含む信号を取得し、該信号を基に、模擬モータの回転子の角度θおよび回転速度信号ωを生成する位相・周波数検出部を
    備えることを特徴とする請求項1に記載のモータ模擬装置。
  3. 前記モータ角度算出回路から得られる模擬モータの回転子角度θを基に、回転子角度センサの模擬信号を生成して前記モータ駆動用インバータに出力する角度センサ模擬制御部を
    備えることを特徴とする請求項1に記載のモータ模擬装置。
  4. 前記模擬モータとしてPMモータを模擬する場合に、前記電流指令演算回路により、次式
    Figure 0004998693
    ここで、R:電機子抵抗、Ld,Lq:d,q軸インダクタンス、ω:角回転速度、φa:永久磁石による電機子鎖交磁束、L:モータ駆動用インバータと模擬負荷用インバータとの間に接続されるインダクタンス、p:微分演算子、
    により、前記モータ駆動用インバータの出力電圧Vd、Vqからid、iqを求め、これを前記電流指令id、iqとするように求めるように構成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のモータ模擬装置。
  5. 前記模擬モータとしてPMモータを模擬する場合に、前記電流指令演算回路により、前記モータ駆動用インバータの出力電圧Vd、Vqから前記電流指令id、iqを求める際に、
    id={R・Vd+ω・Lq(Vq−ω・φa)}/(R+ω・Ld・Lq)、
    iq={−ω・Ld・Vd+R(Vq−ω・φa)}/(R+ω・Ld・Lq)、
    ここで、R:電機子抵抗、Ld,Lq:d,q軸インダクタンス、ω:角回転速度、φa:永久磁石による電機子鎖交磁束、
    として求めるように構成されたこと
    を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のモータ模擬装置。
  6. 前記第1の3相−2相変換回路で求めたd、q軸上の電流id、iqを基に、前記誤差増幅器により生成されたd、q軸上の電圧指令Vdo、Vqoのそれぞれに加算するための補償信号Vd´、Vq´を生成するフィードフォワード演算部を
    さらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のモータ模擬装置。
  7. 前記フィードフォワード演算部により、電圧指令Vdo、Vqoのそれぞれに加算する補償信号Vd´、Vq´を、
    Figure 0004998693
    ここで、R:電機子抵抗、Ld,Lq:d,q軸インダクタンス、ω:角回転速度、φa:永久磁石による電機子鎖交磁束、L:モータ駆動用インバータと模擬負荷用インバータとの間に接続されるインダクタンス、p:微分演算子、
    により求めるように構成されたことを特徴とする請求項6に記載のモータ模擬装置。
  8. 前記フィードフォワード演算部により、電圧指令Vdo、Vqoのそれぞれに加算する補償信号Vd´、Vq´を、
    Vd´=R・id−ω(Lq−L)iq、
    Vq´=ω・(Ld−L)・id+R・iq+ω・φa、
    ここで、R:電機子抵抗、Ld,Lq:d,q軸インダクタンス、ω:角回転速度、φa:永久磁石による電機子鎖交磁束、L:モータ駆動用インバータと模擬負荷用インバータとの間に接続されるインダクタンス、
    により求めるように構成されたこと
    を特徴とする請求項6に記載のモータ模擬装置。
  9. 前記第2の3相−2相変換回路により、d、q軸上の電圧信号Vd、Vqを生成する際に、
    前記モータ駆動用インバータの3相線間電圧と、
    前記模擬モータの回転子角度に30°加算した位相信号と、
    を入力信号として、
    前記d、q軸上の電圧信号Vd、Vqを算出するように構成されたこと
    を特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のモータ模擬装置。
  10. 被試験体であるモータ駆動用インバータの出力に、模擬負荷装置を接続し、前記模擬負荷装置を前記モータ駆動用インバータの模擬モータ負荷とするモータ模擬装置におけるモータ模擬方法であって、
    前記モータ駆動用インバータの出力電流を検出する電流検出手順と、
    前記モータ駆動用インバータの出力電圧を検出する電圧検出手順と、
    模擬モータ負荷について設定された運転条件及び模擬モータの特性のパラメータを保持すると共に、前記電圧検出部により検出したモータ駆動用インバータの出力電圧を基に、前記模擬モータの電圧・電流方程式に従い、模擬モータとして流れるべき電流の電流指令を算出する電流指令演算手順と、
    前記電流指令と、前記電流検出部で検出した電流とが一致するように前記模擬負荷装置の出力電圧を制御する出力電圧制御手順と、
    を含み、
    前記模擬負荷装置は、
    模擬負荷となる模擬負荷用インバータと、
    前記模擬負荷用インバータの交流出力側に接続されるリアクトルと、を有し、
    前記模擬負荷用インバータの交流出力側と前記モータ駆動用インバータの交流出力側とを前記リアクトルを介して接続して構成されたものであり、
    前記模擬負荷用インバータは、3相のモータ模擬負荷となるように構成されており、
    回転速度指令信号ωから前記模擬モータの回転子角度θを算出し、前記モータ駆動用インバータの3相出力電流と前記回転子角度θとを基に、d、q軸上の電流id、iqを求め、前記モータ駆動用インバータの3相出力電圧と前記回転子角度θとを基に、d、q軸上の電圧Vd、Vqを求め、電圧Vd、Vqと、模擬モータの電流・電圧方程式(状態方程式)により、前記模擬モータに流れるべき電流を、d、q軸上の電流指令id、iqとして求め、この電流指令id、iqと前記電流id、iqのそれぞれを比較し、d、q軸上の電圧指令Vdo、Vqoを生成し、このd、q軸上の電圧指令Vdo、Vqoを基に、前記模擬負荷用インバータの3相出力電圧の制御指令信号Vou、Vov、Vowを生成することを特徴とするモータ模擬方法。
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