JP5434264B2 - サーボ制御装置 - Google Patents
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Description
図5は、負荷イナーシャを推定して制御パラメータを調整する方法を表すブロック図である。この図5において、速度指令値Nrが減算器1に入力され、この減算器1で速度実際値Nとの偏差ΔNが演算され、この偏差ΔNが速度調節器2に入力される。この速度調節器2では、PI(比例積分)演算が行われてトルク指令値u(n)が出力される。このトルク指令値u(n)はトルク制限部6に供給されて、その最大値が後述するトルク制限値演算部10から入力されるトルク制限値Tmaxに制限される。そして、最大値が制限されたトルク指令値u(n)′がトルク制御部4に供給される。このトルク制御部4では、トルク指令値u(n)′に基づいてサーボモータ等の機械系5が出力するトルクの制御を行う。
そして、速度調節器2から出力されるトルク指令値u(n)はトルク平均値演算部9にも供給され、このトルク平均値演算部9でトルク指令値u(n)の加減速時の発生トルクの平均値Tminを演算し、演算したトルク平均値Tminとトルク制限設定値Tm0とをトルク制限値演算部10に供給する。
J=Tmax/ΔN ・・・(1)
という関係があることに着目して、負荷イナーシャ推定部7は、負荷イナーシャJを推定演算する。なお、速度変化率N′は、
N′=(N(n+1)−N(n))/ts ・・・(2)
により算出する。ここで、tsはサンプリング時間である。
Kv=Jh/(gv・Tacr) ・・・(3)
ここで、gvは設定定数である。
Ti=Kv/(gi・Jh) ・・・(4)
すなわち、1/TiがKv/Jh以下になるように積分時間演算手段が積分時間Tiを自動的に決定する。
この構成によると、推定した負荷イナーシャの値と実際の値とで誤差が大きい場合でも、位相余裕を大きくすることで安定性を増すことができる。
この構成によると、推定した負荷イナーシャの値と実際の値とで誤差が大きい場合でも、位相余裕を大きくすることで安定性を増すことができる。
また、位相進み補償器のゲインが零となる周波数を速度調節器のカットオフ周波数に一致させることにより、負荷イナーシャの推定値と実査位置とが一致している場合において、位相進み補償器を接続する前とあとでカットオフ周波数の変化がないため、位相進み補償器を接続していない状態と同等の応答を得ることができる。
図1は本発明のサーボ制御装置の一実施形態を示すブロック図であり、図中、1は速度指令値Nrから実際の速度Nを減算して偏差ΔNを算出する減算器である。この減算器1から出力される偏差ΔNは速度調節器2に入力される。
この速度調節器2は、図2に示すにように、偏差ΔNが入力される伝達関数が“1”に設定された演算部2aと、偏差ΔNが入力される積分演算部2bと、演算部2a及び積分演算部2bの出力を加算する加算器2cと、この加算器2cの出力が入力される比例演算部2dとで構成されている。
Gv=Kv{1+1/(Ti・s)} ・・・(5)
そして、速度調節器2の可変パラメータとなる積分時間Ti及び比例ゲインKvが前述した従来例と同様に負荷イナーシャJを推定することにより演算される。すなわち、トルク平均値演算部9で速度調節器2から出力されるトルク指令値u(n)の加減速時の発生トルクの平均値Tminを算出し、算出したトルク平均値Tminと予め設定されたトルク制限値Tm0とをトルク制限値演算部10に供給してトルク制限値Tmaxを算出する。
さらに、負荷イナーシャ推定値Jhと速度調節器ゲインKvとを積分時間演算部11に供給して前記(4)式に従って積分時間Tiを演算する。
Gc(s)=KC{(1+αTCs)/(1+TCs)} ・・・(6)
ここで、KCはゲイン、TCは時定数、αは係数、sはラプラス演算子であって、ゲインKC、時定数TC及び係数αが可変パラメータとなる。
この位相進み補償器3のボード線図は、周波数ω[log]に対するゲインが、図3(a)に示すように、0[dB]から折点周波数1/αTCから一定の増加率で増加し、20log10α[dB]まで増加した折点周波数1/TCで一定値となるように設定されている。
ここで、時定数TCの設定は、基本的には速度調節器2のカットオフ周波数と位相進み補償器3のゲインが零となる折線周波数1/αTCが一致するように自動的に設定する。
また、位相進み補償器3のゲインが零となる周波数が複数存在する場合には、位相進み補償器3のゲインの最小値が零であれば、折線周波数1/αTCを速度調節器2のカットオフ周波数と一致するように時定数TCを設定し、位相進み補償器3のゲインの最大値が零である場合には、折線周波数1/TCが速度調節器2のカットオフ周波数に一致するように時定数TCを自動的に設定する。
信号処理部24A及び24Bは、正弦波発生部21で発生した測定用信号を抽出するバンドパスフィルタ26a及び26bと、このバンドパスフィルタ26a及び26bの出力が入力される絶対値演算部27a及び27bと、絶対値演算部27a及び27bから出力される絶対値を積分する積分演算部28a及び28bとを備えている。そして、信号処理部24A及び24Bは正弦波発生部21で測定用信号を発生している期間だけ作動状態に制御される。
次に、上記実施形態の動作を説明する。
今、速度指令信号Nrが減算器1に入力されて、この減算器1から速度偏差ΔNが速度調節器2に供給され、この速度調節器2でPI演算処理してトルク指令値u(n)を算出し、これが位相進み補償器3で位相進み補償されてトルク制御部4に供給され、このトルク制御部4で、機械系に含まれる電動機を駆動制御するフィードバック制御が行われているものとする。
このとき、信号処理部24A及び24Bも作動状態となり、信号処理部24Aによって加算部22で測定用信号が重畳された信号をバンドパスフィルタ26aに供給して、このバンドパスフィルタ26aで測定用信号を抽出し、抽出した測定用信号を絶対値演算部27aで絶対値化し、積分演算部28aで積分して、その積分出力を除算器25に供給する。
このため、除算器25で、測定信号の積分出力を一巡後測定信号の積分出力で除算することにより、閉ループゲインKを算出し、算出した閉ループゲインKを位相進み補償器3に供給する。
また、負荷イナーシャJが負荷イナーシャ推定値Jhに対して大きい場合には、ゲインが全体的に下がり、カットオフ周波数が下がる。このときは、位相進み補償器3によって、従来の構成よりも位相余裕を大きくすることができ、安定性を向上させて帰還速度の速度変動や位置偏差を小さくできる。
Claims (3)
- 速度指令値と帰還速度の偏差が入力される速度調節器と、該速度調節器から出力されるトルク指令値に基づいて機械系の出力トルクを制御するトルク制御部とを少なくとも備えたサーボ制御装置であって、
前記速度調節器とトルク制御部との間に位相進み補償器をカスケード接続し、該位相進み補償器は、自己のゲインが零となる周波数が一つのみ存在する場合に、当該周波数を前記速度調節器のカットオフ周波数と一致させるようにパラメータを自動調整することを特徴とするサーボ制御装置。 - 速度指令値と帰還速度の偏差が入力される速度調節器と、該速度調節器から出力されるトルク指令値に基づいて機械系の出力トルクを制御するトルク制御部とを少なくとも備えたサーボ制御装置であって、
前記速度調節器とトルク制御部との間に位相進み補償器をカスケード接続し、該位相進み補償器は、自己のゲインが零となる周波数が複数存在する場合に、ゲインが零で且つ位相補償量が最も大きくなる周波数を前記速度調節器のカットオフ周波数と一致させるようにパラメータを自動調整することを特徴とするサーボ制御装置。 - 速度指令値と帰還速度の偏差が入力される速度調節器と、該速度調節器から出力されるトルク指令値に基づいて機械系の出力トルクを制御するトルク制御部とを少なくとも備えたサーボ制御装置であって、
前記速度調節器とトルク制御部との間に位相進み補償器をカスケード接続し、該位相進み補償器は、前記位相進み補償器は、自己のゲインが零となる周波数が存在しない場合に、ゲインが零に最も近く、且つ位相補償量が最も大きくなる周波数を前記速度調節器のカットオフ周波数と一致させるようにパラメータを自動調整することを特徴とするサーボ制御装置。
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