本発明に係る放射線画像撮影装置の好適な実施形態について、図1〜図30を参照しながら以下詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、第1実施形態に係る放射線画像撮影装置10Aは、ベッド(撮影台)12に横臥した臥位の被写体14に対して放射線16を出力する放射線源18を収容し、且つ、該放射線16を透過可能な材料からなる放射線源本体部20と、被写体14を透過した放射線16を放射線画像に変換する放射線検出器22(図3及び図4参照)を収容し、且つ、該放射線16を透過可能な材料からなるカセッテ本体部24と、ベッド12の天板26の一側部を挟み込むクリップ(設置部)28と、基端部がクリップ28に固定され且つ先端部に放射線源本体部20が取り付けられたアーム部(移動部)30とを有する。
なお、クリップ28及びアーム部30は取付機構29を構成し、取付機構29は、被写体14と天板26との間に配置されたカセッテ本体部24と、該被写体14とに対する放射線16の照射方向を設定可能である。
図1〜図4及び図6〜図8に示すように、カセッテ本体部24において、放射線検出器22を収容する筐体31は、略矩形状の形状であると共に、放射線16を透過可能な材料からなり、該筐体31における放射線源本体部20側の表面は、放射線16が照射される照射面32とされている。また、照射面32における放射線16の照射部分(照射野)には、撮影領域及び撮影位置の基準となるガイド線34が形成されている。ガイド線34の外枠部分(放射線16の照射野)は、図10に示すように、放射線検出器22に略対応している。また、筐体31の一つの側面35には、カセッテ本体部24を起動させるためのスイッチ36が配置されると共に、USBケーブル(第1のケーブル、第2のケーブル)38のコネクタ40が接続されている。また、側面35には、メモリカード33を装填するためのカードスロット37と、ACアダプタの入力端子39とがさらに設けられている。
天板26の底面には、図2の左右方向(被写体14が横臥する方向)に沿って導電性の2本のレール42、44が並行して敷設され、一方のレール(第1のレール)42にUSBケーブル38のコネクタ41の接続端子43が嵌合すると共に、他方のレール(第2のレール)44にコネクタ41の接続端子45が嵌合する(図2及び図3参照)。
なお、コネクタ41は、コネクタ40とは異なり、レール42、44と電気的に接続するために、該コネクタ41からピン状の接続端子43、45が突出した形状とされている。また、後述するように、レール42は、カセッテ本体部24と放射線源本体部20との間で有線により電力供給を行うための電源ライン(電力供給部)の一部とされ、レール44は、カセッテ本体部24と放射線源本体部20との間で有線により信号の送受信を行うための信号ライン(信号接続部)の一部とされている。
一方、クリップ28は、いわゆる大型のワニ口クリップの構造を有し、アーム部30が連結される固定側挟着片46の基端部に形成された軸受部48と、該固定側挟着片46に対向する可動側挟着片50の基端部に形成された軸受部52とを支軸54によって軸支することにより一体的に構成される。また、可動側挟着片50の先端部には、固定側挟着片46に対向するように、接続端子43、45と略同一形状の2つの接続端子56、58が設けられている。
クリップ28は、図6に示すように、天板26から離間した状態では、支軸54に取り付けられた捩りコイルばね51(図2参照)の作用によって、可動側挟着片50の先端部が固定側挟着片46の先端部に接触する。
一方、放射線画像撮影装置10Aを操作する医師又は技師(以下、操作者ともいう)82が、図7に示すように、固定側挟着片46の基端部を押さえながら、可動側挟着片50の基端部に上方向(固定側挟着片46の基端部に向かう方向)に向かう力を与えると、捩りコイルばね51の弾発力に抗して、可動側挟着片50及び軸受部52が支軸54を中心に回動するので、固定側挟着片46の先端部に対して可動側挟着片50の先端部が離間し、クリップ28が開いた状態となる。
そして、固定側挟着片46の先端部と可動側挟着片50の先端部との間隔が天板26の厚みよりも大きくなるまでクリップ28を開いた状態にしておいて、該クリップ28を天板26に接近させて、レール42に一方の接続端子(第1の接続部材)56を嵌合させると共に、レール44に他方の接続端子(第2の接続部材)58を嵌合させることにより、図4に示すように、天板26の一側部がクリップ28によって挟み込まれる。
なお、コネクタ41の接続端子43、45がレール42、44にそれぞれ嵌合し、且つ、クリップ28が天板26を挟み込むことにより接続端子56、58がレール42、44にそれぞれ嵌合すれば(図2〜図4参照)、接続端子43、56は、レール42を介して電気的に接続されると共に、接続端子45、58は、レール44を介して電気的に接続される。これにより、接続端子56、58は、レール42、44、接続端子43、45、コネクタ41、USBケーブル38及びコネクタ40を介してカセッテ本体部24と電気的に接続される。
また、前述のように、レール42、44は、図2の左右方向に沿って敷設されているので、接続端子43、45は、ケーブル38が届く範囲内、あるいは、被写体14に対する撮影の邪魔にならない範囲内であれば、レール42、44と嵌合することが可能である。接続端子56、58についても、被写体14に対する撮影の邪魔にならない範囲内において、レール42、44と嵌合することが可能である。
図1、図2、図4及び図6〜図8において、アーム部30は、被写体14及びカセッテ本体部24に対して放射線源本体部20を所望の位置及び方向に移動させることが可能な多関節型のアーム部であり、照明器具を所望の位置及び方向に移動させるスタンドライトの平行リンク機構(アーム機構)と略同一の構造を有する。
すなわち、アーム部30では、固定側挟着片46の上面にベース60が固定され、ベース60上に円筒62が配置され、円筒62に軸部材64が挿入されている。軸部材64は、上下方向に沿った軸を中心として回転可能である。該軸部材64に第1関節としての軸部材66が取り付けられ、該軸部材66は、アーム部材68を軸支する。アーム部材68の先端部には、第2関節としての軸部材70が装着され、該軸部材70は、アーム部材72を軸支する。アーム部材72の先端部74に装着された取付部材76に放射線源本体部20が取り付けられている。
そして、軸部材64は、モータ83(図8及び図13参照)に連結され、該モータ83による軸部材64の回転量は、ロータリーエンコーダ81により検出される。また、軸部材66もモータ86に連結され、該モータ86によるアーム部材68の回動量は、ロータリーエンコーダ88により検出される。さらに、軸部材70もモータ90に連結され、該モータ90によるアーム部材72の回動量は、ロータリーエンコーダ92により検出される。
従って、クリップ28が天板26の一側部を挟み込んだ状態で、モータ83の駆動作用下に軸部材64が上下方向に沿った軸を中心として回転し、モータ86の駆動作用下に軸部材66を中心にアーム部材68が回動し、モータ90の駆動作用下に軸部材70を中心にアーム部材72が回動することにより、カセッテ本体部24及び被写体14の上方において、放射線源本体部20を所望の位置及び方向に移動させることが可能となる。なお、上下方向に延在する取付部材76を軸として放射線源本体部20が回動するように該取付部材76を構成することも可能である。
図5は、操作者82による放射線画像撮影装置10Aの搬送状態を示している。
この場合、放射線源本体部20、カセッテ本体部24及び折り畳まれた状態の取付機構29は、コネクタ40、41が取り外されて、USBケーブル38による放射線源本体部20とカセッテ本体部24との電気的な接続が解除された状態で、アタッシュケース84の内部に収容されている。従って、操作者82は、取手85を把持した状態でアタッシュケース84を所望の場所、例えば、災害現場や在宅看護の現場、病院内の病室等に搬送し、搬送先において、アタッシュケース84から放射線源本体部20、カセッテ本体部24及び折り畳まれた状態の取付機構29を取り出して、図1〜図4に示す状態にまで組み立てることにより、災害現場の被災者や、在宅看護が必要とされる在宅者や、病室の患者等の被写体14に対して、放射線画像の撮影前に行われる撮影準備や、放射線画像の撮影を遂行することができる。
次に、放射線源本体部20及びカセッテ本体部24について、図1〜図12を参照しながら、より具体的に説明する。
図1、図2、図8及び図9に示すように、放射線源本体部20は、放射線16を透過可能な材料からなる円柱状の筐体110を有し、該筐体110の表面には、撮影に関わる情報を表示すると共に、操作者82が操作可能なタッチパネル方式の表示操作部78や、放射線16の照射を開始させるための曝射スイッチ80が設けられている。また、筐体110の側面には、図示しないUSBケーブルのコネクタと嵌合するUSB端子104が設けられている。
放射線源本体部20には、図9に示すように、前述した放射線源18、表示操作部78、曝射スイッチ80及びUSB端子104以外にも、照射光94を出力する照射野ランプ96、放射線源本体部20と被写体14又はカセッテ本体部24との間の距離を測定する測距部102と、外部から充電可能であると共に、放射線源本体部20内の各部に電力を供給するバッテリ114と、通信部116と、放射線源18を制御する線源制御部118と、放射線16を透過する材質からなるミラー124と、放射線16に対して非透過で且つ照射光94を透過する材質からなるコリメータ126と、接続検出部142と、放射線源18の焦点140と放射線検出器22との間の距離(撮影間距離)を線源受像画間距離(SID)に設定するためのSID設定部144とが配置されている。
放射線源18は、特許文献4と同様の電界放出型の放射線源である。
すなわち、この放射線源18は、回転機構128により回転する回転シャフト130に円盤状の回転陽極132が取り付けられ、該回転陽極132の表面には、Mo等の金属元素を主成分とする環状のターゲット層134が形成されている。一方、回転陽極132に対向して陰極136が配置され、該陰極136には、ターゲット層134と対向するように電界放出型電子源138が配設されている。
図2〜図4に示すように、接続端子43、56がレール42を介して電気的に接続され、且つ、接続端子45、58がレール44を介して電気的に接続されている状態では、放射線源本体部20は、接続端子56、58、レール42、44、USBケーブル38を介してカセッテ本体部24と電気的に接続される。これにより、バッテリ114は、接続端子56、レール42、接続端子43及びUSBケーブル38を介してカセッテ本体部24との間で、有線による電力供給(送電又は受電)を行うことが可能となる。一方、通信部116も、接続端子58、レール44、接続端子45及びUSBケーブル38を介してカセッテ本体部24との間で、有線による信号の送受信を行うことが可能となる。
接続検出部142は、バッテリ114及び通信部116を監視し、放射線源本体部20とカセッテ本体部24との間において、有線による電力供給及び信号の送受信が可能か否か、すなわち、放射線源本体部20とカセッテ本体部24との間が電気的に接続されているか否かを判断し、電気的に接続されていれば(電力供給及び信号の送受信が可能であれば)、その判断結果(検出結果)を線源制御部118に出力する。
この場合、接続検出部142は、例えば、通信部116から接続端子58、レール44、接続端子45、コネクタ41、USBケーブル38及びコネクタ40を介してカセッテ本体部24に至る信号ラインの接続確認を求める信号接続確認信号を、通信部116を介してカセッテ本体部24に送信すると共に、バッテリ114から接続端子56、レール42、接続端子43、コネクタ41、USBケーブル38及びコネクタ40を介してカセッテ本体部24に至る電源ラインの接続確認を求める電源接続確認信号を、バッテリ114を介してカセッテ本体部24に送信してもよい。
カセッテ本体部24は、前記信号接続確認信号を受信すれば、前記信号ラインの接続(形成)が確認できたことを示す信号接続応答信号を前記信号ラインを介して送信し、一方で、前記電源接続確認信号を受信すれば、前記電源ラインの接続(形成)が確認できたことを示す電源接続応答信号を前記電源ラインを介して送信する。従って、接続検出部142は、前記信号接続応答信号及び前記電源接続応答信号の受信により、電力供給及び信号の送受信が可能であると判断することができる。
なお、上記の各信号の送受信に基づく電力供給及び信号の送受信の確認方法以外にも、クリップ28の可動側挟着片50等に接触センサを配置し、クリップ28が天板26を挟み込んだときの天板26の底面と可動側挟着片50との接触を前記接触センサが検出し、その検出結果を接続検出部142に出力することにより、電力供給及び信号の送受信を確認してもよい。
あるいは、接続検出部142は、上記の確信信号及び応答信号の送受信に基づく判断に代えて、バッテリ114における電力供給(送電又は受電)や通信部116における信号の送受信が実際に行われているときに、電力供給及び信号の送受信が可能と簡易的に判断してもよい。
接続端子43、56がレール42を介して電気的に接続され、且つ、接続端子45、58がレール44を介して電気的に接続されている場合に、アーム部30のモータ83、86、90及びロータリーエンコーダ(移動量検出部)81、88、92は、バッテリ114及びカセッテ本体部24の双方から電力供給を受けることが可能である。一方、天板26からクリップ28が離間している場合に(図6及び図7参照)、モータ83、86、90及びロータリーエンコーダ81、88、92は、バッテリ114から電力供給を受ける。
線源制御部118は、操作者82による曝射スイッチ80の操作と、カセッテ本体部24から前記信号ラインを介して受信された同期制御信号とに従って、放射線16を出力させるように放射線源18を制御する。なお、前記同期制御信号とは、放射線源18からの放射線16の出力と、放射線検出器22における放射線16の検出及び放射線画像への変換との同期を取ることにより、被写体14に対する放射線画像の撮影を遂行するための制御信号である。
放射線源18では、線源制御部118からの制御に従って、回転機構128が回転シャフト130を回転させることにより回転陽極132が回転し、電源部122がバッテリ114からの電力供給に基づいて電界放出型電子源138に電圧(負電圧)を印加し、且つ、電源部120がバッテリ114からの電力供給に基づいて回転陽極132と陰極136との間に電圧を印加すると(回転陽極132に正電圧を印加し、陰極136に負電圧を印加すると)、電界放出型電子源138から電子が放出され、放出された電子は、回転陽極132と陰極136との間に印加された電圧により加速されてターゲット層134に衝突する。ターゲット層134における電子の衝突面(焦点140)からは、該衝突した電子に応じた放射線16が出力される。そして、放射線16は、ミラー124を通過し、コリメータ126により照射範囲が絞られた状態で放射線源本体部20から外部に出力される。
また、線源制御部118は、上述した電力供給及び信号の送受信が可能であることを示す判断結果が接続検出部142から入力されると、照射光94を出力させるように照射野ランプ96を制御すると共に、前記撮影間距離がSIDに設定されるように測距部102及びSID設定部144を制御する。
これにより、照射野ランプ96から出力された照射光94は、ミラー124でコリメータ126側に反射されて外部に出力され、照射面32に投光される。すなわち、照射面32には、放射線16の照射野が表示される。なお、放射線源18の焦点140とガイド線34(図8参照)の中心位置(十字状に交差するガイド線34の交点)とを結ぶ直線が照射面32に略直交しているときの撮影間距離がSIDに設定されている場合には、照射光94の投光により照射面32に表示された放射線16の照射野とガイド線34の外枠とが略一致する。また、筐体110における照射光94が通過する箇所は、例えば、該照射光94が透過可能な材質で構成されていることが望ましい。
さらに、測距部102は、レーザ、赤外線、超音波、電波等の公知の測距手段であり、被写体14又はカセッテ本体部24に向けて出射波98を送信してから、被写体14又はカセッテ本体部24で反射した出射波(反射波)100が測距部102にて受信されるまでの時間に基づいて、放射線源本体部20と被写体14又はカセッテ本体部24との間の距離を測定する。
SID設定部144は、測距部102にて測定された前記距離に基づいて撮影間距離を算出し、算出した該撮影間距離と、予め設定したSIDとが一致するか否かを判定する。前記撮影間距離と前記SIDとが一致する場合、SID設定部144は、両者が一致したことを示す情報を表示操作部78に表示させると共に、線源制御部118にも出力する。従って、線源制御部118は、前記情報の入力により、撮影間距離がSIDに設定されて放射線画像撮影装置10Aが撮影可能な状態にあることを把握することができる。
一方、撮影間距離とSIDとが一致しない場合、SID設定部144は、撮影間距離と前記SIDとが一致しないことを示す情報を表示操作部78に表示させると共に、通信部116を介してモータ83、86、90を駆動させ、撮影間距離がSIDに一致するまで放射線源本体部20を自動的に移動させる。ロータリーエンコーダ81、88、92は、検出した回動量又は回転量を通信部116を介してSID設定部144に出力する。
また、SID設定部144は、SIDと撮影間距離とが一致しないことを示す情報を線源制御部118にも出力する。線源制御部118は、前記情報の入力により、両者が一致していないので、放射線画像撮影装置10Aが撮影できない状態にあることを把握することができる。
なお、撮影間距離とSIDとが一致しない場合、表示操作部78は、撮影間距離をSIDに一致させるために放射線源本体部20が移動すべき方向を矢印等で表示する。あるいは、ロータリーエンコーダ81、88、92からSID設定部144に回動量又は回転量が出力されるので、SID設定部144は、これらの回動量又は回転量及び撮影間距離に基づいて、放射線源本体部20の現在位置と、前記撮影間距離がSIDに設定されるときの位置と、これらの位置の偏差とを算出し、算出した各位置及び偏差を表示操作部78に表示させてもよい。この場合、前記偏差は、前記撮影間距離から前記SIDにまで放射線源本体部20を移動させるために必要な距離(移動量)に対応する。
さらに、SID設定部144は、撮影間距離がSIDに設定されたと判断したときに、表示操作部78の表示内容を、矢印や各位置及び偏差の表示から、SIDの設定完了を示す情報の表示に切り替えることも可能である。
なお、線源制御部118は、撮影間距離とSIDとが一致していない場合には、操作者82により曝射スイッチ80が押され、あるいは、カセッテ本体部24から前記信号ラインを介して同期制御信号が送信されても、放射線源18からの放射線16の出力を行わせない(許可しない)。
また、線源制御部118は、撮影間距離とSIDとが一致した場合には、曝射スイッチ80が押されたことに起因して、カセッテ本体部24に対して同期制御信号の送信を要求し、該同期制御信号を受信できたときに、放射線源18からの放射線16の出力を許可するか、あるいは、既に同期制御信号を受信していれば、曝射スイッチ80の操作後、該同期制御信号に従って放射線源18からの放射線16の出力を行わせる(許可する)。この場合、線源制御部118は、SID設定部144を制御して、照射野ランプ96からの照射光94の出力停止と、測距部102における距離測定の停止とを行わせた後に、放射線源18からの放射線16の出力を行わせる。
カセッテ本体部24の内部には、図3、図4、図6及び図7に示すように、放射線源18から被写体14に放射線16を照射した際に、被写体14による放射線16の散乱線を除去するグリッド162、放射線検出器22、及び、放射線16のバック散乱線を吸収する鉛板164が、被写体14側の照射面32に対して順に配設される。なお、照射面32をグリッド162として構成してもよい。
この場合、放射線検出器22としては、例えば、被写体14を透過した放射線16をシンチレータにより可視光に一旦変換し、変換した前記可視光をアモルファスシリコン(a−Si)等の物質からなる固体検出素子(以下、画素ともいう。)により電気信号に変換する間接変換型の放射線検出器や、放射線16の線量をアモルファスセレン(a−Se)等の物質からなる固体検出素子により電気信号に直接変換する直接変換型の放射線検出器を採用することができる。
図10に示すように、カセッテ本体部24の側面35には、USBケーブル38のコネクタ40と嵌合するUSB端子172がさらに配設されている。
また、カセッテ本体部24の内部には、外部(例えば、図1〜図9の放射線源本体部20)からUSBケーブル38、コネクタ40及びUSB端子172を介して電力供給(送電又は受電)が可能であり、且つ、カセッテ本体部24の各部に電力を供給するバッテリ166と、バッテリ166から供給される電力により放射線検出器22を駆動制御するカセッテ制御部168と、放射線検出器22によって検出した放射線16の情報を含む信号をUSB端子172、コネクタ40及びUSBケーブル38を介して放射線源本体部20との間で送受信する通信部170とが収容されている。
なお、カセッテ制御部168及び通信部170には、放射線16が照射されることによる損傷を回避するため、カセッテ制御部168及び通信部170の照射面32側に鉛板等を配設しておくことが好ましい。また、バッテリ166は、カセッテ本体部24内の放射線検出器22、カセッテ制御部168及び通信部170に電力を供給する。なお、バッテリ166は、外部から入力端子39を介して充電を受けることも可能である。
そして、図11において模式的に示すように、放射線検出器22は、多数の画素180が図示しない基板上に配列され、これらの画素180に対して制御信号を供給する多数のゲート線182と、多数の画素180から出力される電気信号を読み出す多数の信号線184とが配列されている。
次に、一例として、間接変換型の放射線検出器22を採用した場合のカセッテ本体部24の回路構成に関し、図12を参照しながら詳細に説明する。
放射線検出器22は、可視光を電気信号に変換するa−Si等の物質からなる各画素180が形成された光電変換層186を、行列状のTFT188のアレイの上に配置した構造を有する。この場合、バッテリ166からバイアス電圧Vbが供給される各画素180では、可視光を電気信号(アナログ信号)に変換することにより発生した電荷が蓄積され、各行毎にTFT188を順次オンにすることにより前記電荷を画像信号として読み出すことができる。
各画素180に接続されるTFT188には、行方向と平行に延びるゲート線182と、列方向と平行に延びる信号線184とが接続される。各ゲート線182は、ライン走査駆動部190に接続され、各信号線184は、マルチプレクサ192に接続される。ゲート線182には、行方向に配列されたTFT188をオンオフ制御する制御信号Von、Voffがライン走査駆動部190から供給される。この場合、ライン走査駆動部190は、ゲート線182を切り替える複数のスイッチSW1と、スイッチSW1の1つを選択する選択信号を出力するアドレスデコーダ194とを備える。アドレスデコーダ194には、カセッテ制御部168からアドレス信号が供給される。
また、信号線184には、列方向に配列されたTFT188を介して各画素180に保持されている電荷が流出する。この電荷は、増幅器196によって増幅される。増幅器196には、サンプルホールド回路198を介してマルチプレクサ192が接続される。マルチプレクサ192は、信号線184を切り替える複数のスイッチSW2と、スイッチSW2の1つを選択する選択信号を出力するアドレスデコーダ200とを備える。アドレスデコーダ200には、カセッテ制御部168からアドレス信号が供給される。マルチプレクサ192には、A/D変換器202が接続され、A/D変換器202によってデジタル信号に変換された放射線画像がカセッテ制御部168に供給される。
なお、スイッチング素子として機能するTFT188は、CMOS(Complementary Metal−Oxside Semiconductor)イメージセンサ等、他の撮像素子と組み合わせて実現してもよい。さらにまた、TFTで言うところのゲート信号に相当するシフトパルスにより電荷をシフトしながら転送するCCD(Charge−Coupled Device)イメージセンサに置き換えることも可能である。
図13は、放射線画像撮影装置10Aのブロック図である。
なお、図13の説明では、図1〜図12において説明しなかった構成要素について説明すると共に、図1〜図12で説明した構成要素の一部について、より具体的に説明する。
カセッテ本体部24のカセッテ制御部168は、画像メモリ210と、アドレス信号発生部212と、カセッテIDメモリ214とを備える。
アドレス信号発生部212は、ライン走査駆動部190のアドレスデコーダ194及びマルチプレクサ192のアドレスデコーダ200に対してアドレス信号を供給する。画像メモリ210は、放射線検出器22によって検出された放射線画像を記憶する。カセッテIDメモリ214は、放射線画像撮影装置10A(のカセッテ本体部24)を特定するためのカセッテID情報を記憶する。
この場合、カセッテ制御部168は、通信部170からUSB端子172、USBケーブル38、コネクタ41、接続端子45、レール44及び接続端子58(信号ライン)を介して、カセッテIDメモリ214に記憶されたカセッテID情報と、放射線源18からの放射線16の出力、放射線検出器22における放射線16の検出及び放射線画像への変換との同期を取るための同期制御信号とを、放射線源本体部20に送信する。
また、カセッテ制御部168は、接続検出部142から前記信号ラインを介して信号接続確認信号を受信したときに、該信号接続確認信号に応答する信号(信号接続応答信号)を前記信号ラインを介して接続検出部142に送信する。さらに、カセッテ制御部168は、接続検出部142からバッテリ114、接続端子56、レール42、コネクタ41、USBケーブル38、コネクタ40及びバッテリ166(電源ライン)を介して電源接続確認信号を受信したときに、該電源接続確認信号に応答する信号(電源接続応答信号)を前記電源ラインを介して接続検出部142に送信する。
さらにまた、カセッテ制御部168は、画像メモリ210に記憶された放射線画像と、カセッテIDメモリ214に記憶されたカセッテID情報とを、カードスロット37に挿入されたメモリカード33に保存することも可能である。
第1実施形態に係る放射線画像撮影装置10Aは、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
ここでは、災害現場、在宅看護の現場、又は、病院内の病室等の現場に操作者82が出向く前に、撮影対象である被写体14に関わる被写体情報等の撮影条件(例えば、放射線源18の管電圧や管電流、放射線16の曝射時間、撮影部位、撮影方法)が放射線源本体部20及びカセッテ本体部24に予め登録されるものとして説明する。
すなわち、操作者82は、例えば、放射線源本体部20とカセッテ本体部24とを図示しないUSBケーブルで接続し、表示操作部78を操作して前記撮影条件を入力する。これにより、該撮影条件が線源制御部118に登録されると共に、放射線源本体部20から前記USBケーブルを介してカセッテ制御部168のカセッテIDメモリ214に登録される。また、操作者82は、表示操作部78を操作することによりSIDをSID設定部144に予め設定する。
なお、図14のフローチャートでは、信号接続要求信号、信号接続応答信号、電源接続要求信号及び電源接続応答信号の送受信により、接続検出部142が前記信号ライン及び前記電源ラインの形成の有無(放射線源本体部20とカセッテ本体部24との間での電気的接続の有無)を検出するものとして説明する。
また、図14では、バッテリ166がバッテリ114を充電する場合について説明する。
先ず、図14のステップS1において、操作者82は、災害現場、在宅看護の現場、あるいは、病院内の病室等にアタッシュケース84を搬送する。
次に、災害現場、在宅看護の現場、あるいは、病院内の病室等への到着後のステップS2において、操作者82は、アタッシュケース84から放射線源本体部20、カセッテ本体部24、取付機構29及びUSBケーブル38を取り出す。
次に、操作者82は、ベッド12の天板26における所定箇所にカセッテ本体部24を配置し、カセッテ本体部24のUSB端子172に対してUSBケーブル38のコネクタ40を嵌合させると共に、コネクタ41の接続端子43、45をレール42、44にそれぞれ嵌合させる。
次に、操作者82は、クリップ28の固定側挟着片46の基端部を押さえながら、可動側挟着片50の基端部に対して上方向に向かう力を加え、捩りコイルばね51の弾発力に抗して、支軸54を中心に可動側挟着片50及び軸受部52を回動させる(図6及び図7参照)。これにより、固定側挟着片46の先端部と可動側挟着片50の先端部とが離間して、クリップ28が開いた状態となる。
操作者82は、天板26の厚みよりも大きくなるまでクリップ28をさらに開きながら該クリップ28を天板26に接近させ、レール42、44に接続端子56、58をそれぞれ嵌合させた後に、可動側挟着片50に対する前記力の付与を解除する。これにより、天板26の一側部がクリップ28によって挟み込まれ、カセッテ本体部24は、コネクタ40、USBケーブル38、コネクタ41、接続端子43、45、レール42、44及び接続端子56、58を介して放射線源本体部20と電気的に接続される。この結果、放射線源本体部20とカセッテ本体部24との間で電力供給を行うための電源ラインと、信号の送受信を行うための信号ラインとがそれぞれ形成される。
そして、操作者82がスイッチ36を操作すると、バッテリ166からカセッテ本体部24内の各部に電力供給が行われると共に、バッテリ166から前記電源ライン(バッテリ166からUSB端子172、コネクタ40、USBケーブル38、コネクタ41、接続端子43、レール42及び接続端子56を介してバッテリ114に至るライン)を介してバッテリ114に電力供給が行われる。これにより、該バッテリ114は、放射線源本体部20内の各部やアーム部30内のモータ83、86、90及びロータリーエンコーダ81、88、92に電力供給を行うことが可能となる。
接続検出部142は、前記信号ライン(通信部116から接続端子58、レール44、接続端子45、コネクタ41、USBケーブル38、コネクタ40及びUSB端子172を介して通信部170に至るライン)が形成されているか否か、すなわち、放射線源本体部20とカセッテ本体部24との間で信号の送受信を行うことが可能であるか否かを確認するために、前記信号ラインを介してカセッテ制御部168に信号接続確認信号を送信する。また、接続検出部142は、前記電源ライン(バッテリ114から接続端子56、レール42、接続端子43、コネクタ41、USBケーブル38、コネクタ40及びUSB端子172を介してバッテリ166に至るライン)が形成されているか否か、すなわち、放射線源本体部20とカセッテ本体部24との間で電力供給を行うことが可能であるか否かを確認するために、前記電源ラインを介してカセッテ制御部168に電源接続確認信号を送信する。
この場合、前記電源ラインと前記信号ラインとが既に形成されているので、カセッテ制御部168は、前記電源ラインを介して前記電源接続確認信号を受信すると共に、前記信号ラインを介して前記信号接続確認信号を受信する。これにより、カセッテ制御部168は、前記電源ライン及び前記信号ラインがそれぞれ形成されていることを把握することができる。次に、カセッテ制御部168は、前記電源接続確認信号に対する応答としての電源接続応答信号を前記電源ラインを介して接続検出部142に送信すると共に、前記信号接続確認信号に対する応答としての信号接続応答信号を前記信号ラインを介して接続検出部142に送信する。また、バッテリ166は、カセッテ制御部168からの制御に従って、前記電源ラインを介してのバッテリ114への充電を開始する。
前述のように、前記電源ラインと前記信号ラインとが既に形成されているので、接続検出部142は、前記電源ラインを介して前記電源接続応答信号を受信すると共に、前記信号ラインを介して前記信号接続応答信号を受信する。これにより、接続検出部142は、前記電源ライン及び前記信号ラインがそれぞれ形成されていることを容易に判断(検出)することができる。そして、接続検出部142は、前記電源ライン及び前記信号ラインがそれぞれ形成されていることを示す判断結果を線源制御部118に出力する。
ステップS3において、線源制御部118は、接続検出部142から前記判断結果が入力されると、照射野ランプ96を制御して照射光94を出力させると共に、測距部102及びSID設定部144を制御して前記撮影間距離をSIDに設定させる。
これにより、照射野ランプ96から出力された照射光94は、ミラー124でコリメータ126側に反射して外部に出力され、カセッテ本体部24の照射面32に投光される。一方、測距部102は、カセッテ本体部24に向けて出射波98を送信してから、カセッテ本体部24で反射した反射波100が測距部102にて受信されるまでの時間に基づいて、放射線源本体部20とカセッテ本体部24との間の距離を測定する。
そして、SID設定部144は、測距部102にて測定された前記距離に基づいて撮影間距離を算出し、算出した該撮影間距離と、予め設定されたSIDとが一致すれば、両者が一致したことを示す情報を表示操作部78に表示させると共に、線源制御部118にも出力する。これにより、線源制御部118は、撮影間距離がSIDに設定されて放射線画像撮影装置10Aが撮影可能な状態にあることを把握することができる。また、操作者82は、表示操作部78の表示内容を視認することにより、撮影間距離とSIDとが一致して撮影可能状態に至ったことを認識することができる。
一方、撮影間距離とSIDとが一致しない場合、SID設定部144は、通信部116を介してモータ83、86、90を駆動させて、軸部材64を回転させ、及び/又は、アーム部材68、72を回動させることにより、前記撮影間距離が前記SIDに一致するまで放射線源本体部20を自動的に移動させる。前記撮影間距離と前記SIDとが一致するまでの間、SID設定部144は、アーム部30により放射線源本体部20の位置及び方向を調整していることを示す情報を表示操作部78に表示させる。これにより、操作者82は、表示操作部78の表示内容を視認することで、前記撮影間距離を前記SIDに一致させるための自動調整作業が現在行われていることを容易に把握することができる。
なお、表示操作部78に表示される情報としては、前述したように、放射線源本体部20が移動すべき方向を示す矢印や、SID設定部144にて算出された放射線源本体部20の現在位置、SIDに応じた位置、及び、これらの位置の偏差(移動量)等がある。
撮影間距離がSIDに設定された場合、SID設定部144は、表示操作部78の表示内容を、矢印や各位置及び偏差の表示から、SIDの設定完了を示す情報の表示に切り替えると共に、前記撮影間距離と前記SIDとが一致したことを示す情報を線源制御部118に出力する。これにより、操作者82及び線源制御部118は、撮影間距離とSIDとを一致させる自動調整作業が完了して放射線画像撮影装置10Aが撮影可能状態に至ったことを認識することができる。
次のステップS4において、操作者82は、天板26に被写体14を横臥させて、臥位の被写体14の撮影部位がガイド線34の外枠に入るように、該被写体14の位置決め(ポジショニング)を行う。
このようにして、撮影準備が完了した後のステップS5において、操作者82は、曝射スイッチ80を投入する。
これにより、次のステップS6において、線源制御部118は、前記信号ラインを介してカセッテ制御部168に同期制御信号の送信を要求する。カセッテ制御部168は、線源制御部118からの送信要求を受け取ることにより、放射線16の照射が行われることを把握して、バッテリ166を制御して前記電源ラインを介したバッテリ114に対する充電を停止させる。従って、ステップS2〜S5の期間のみ、バッテリ166からバッテリ114への充電が行なわれる。
また、カセッテ制御部168は、前記信号ラインを介して前記同期制御信号を線源制御部118に送信する。これにより、線源制御部118は、前記同期制御信号を受信すると、SID設定部144を制御して照射野ランプ96及び測距部102の動作を停止させると共に、前記同期制御信号及び前記撮影条件に従って、所定の線量からなる放射線16を被写体14に照射するように放射線源18を制御する。
カセッテ制御部168から前記信号ラインを介して前記同期制御信号を受信したときに、線源制御部118は、SID設定部144を制御して照射野ランプ96及び測距部102の動作を停止させると共に、前記同期制御信号及び前記撮影条件に従って、所定の線量からなる放射線16を被写体14に照射するように放射線源18を制御する。
これにより、放射線源18内では、線源制御部118からの制御に従って、回転機構128が回転シャフト130及び回転陽極132を回転させ、一方で、電源部122がバッテリ114からの電力供給に基づいて電界放出型電子源138に負電圧を印加すると共に、電源部120がバッテリ114からの電力供給に基づいて回転陽極132と陰極136との間に電圧を印加するので、電界放出型電子源138から放出された電子は、回転陽極132と陰極136との間に印加された電圧により加速されてターゲット層134に衝突し、ターゲット層134の電子の衝突面(焦点140)からは、該衝突した電子に応じた放射線16が出力される。
放射線16は、ミラー124を通過してコリメータ126により照射範囲が絞られた状態で放射線源本体部20から外部に出力されて、被写体14に照射される。この場合、撮影条件に基づく所定の曝射時間だけ被写体14に放射線16が照射されると、該放射線16は、被写体14を透過してカセッテ本体部24内の放射線検出器22に至る。
ステップS7において、放射線検出器22が間接変換型の放射線検出器である場合に、該放射線検出器22を構成するシンチレータは、放射線16の強度に応じた強度の可視光を発光し、光電変換層186を構成する各画素180は、可視光を電気信号に変換し、電荷として蓄積する。次いで、各画素180に保持された被写体14の放射線画像である電荷情報は、カセッテ制御部168を構成するアドレス信号発生部212からライン走査駆動部190及びマルチプレクサ192に供給されるアドレス信号に従って読み出される。
すなわち、ライン走査駆動部190のアドレスデコーダ194は、アドレス信号発生部212から供給されるアドレス信号に従って選択信号を出力してスイッチSW1の1つを選択し、対応するゲート線182に接続されたTFT188のゲートに制御信号Vonを供給する。一方、マルチプレクサ192のアドレスデコーダ200は、アドレス信号発生部212から供給されるアドレス信号に従って選択信号を出力してスイッチSW2を順次切り替え、ライン走査駆動部190によって選択されたゲート線182に接続された各画素180に保持された電荷情報である放射線画像を信号線184を介して順次読み出す。
選択されたゲート線182に接続された各画素180から読み出された放射線画像は、各増幅器196によって増幅された後、各サンプルホールド回路198によってサンプリングされ、マルチプレクサ192を介してA/D変換器202に供給され、デジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された放射線画像は、カセッテ制御部168の画像メモリ210に一旦記憶される(ステップS8)。
同様にして、ライン走査駆動部190のアドレスデコーダ194は、アドレス信号発生部212から供給されるアドレス信号に従ってスイッチSW1を順次切り替え、各ゲート線182に接続されている各画素180に保持された電荷情報である放射線画像を信号線184を介して読み出し、マルチプレクサ192及びA/D変換器202を介してカセッテ制御部168の画像メモリ210に記憶させる(ステップS8)。
画像メモリ210に記憶された放射線画像は、カセッテIDメモリ214に記憶されたカセッテID情報と共に、前記信号ラインを介して放射線源本体部20に送信され、放射線源本体部20の表示操作部78は、前記放射線画像を表示する(ステップS9)。
ステップS10において、操作者82は、表示操作部78に表示された放射線画像を視認して、適切な被写体14の放射線画像が得られたか否かを判断する。
ステップS10において、表示操作部78に表示された放射線画像が適切な放射線画像ではない場合、操作者82は、再撮影が必要と判断し(ステップS10:NO)、ステップS3に戻り再撮影を実行する。
一方、ステップS10において、表示操作部78に表示された放射線画像が適切な放射線画像であれば(ステップS10:YES)、操作者82は、適切な放射線画像が得られたために被写体14に対する撮影が完了したものと判断し、前記撮影から被写体14を解放すると共に、スイッチ36を押すことにより、カセッテ本体部24の動作を停止させて、バッテリ166からカセッテ本体部24内の各部への電力供給を停止させる(ステップS11)。
なお、表示操作部78の画面は、比較的小さいので(図1、図2及び図8参照)、ステップS9及びステップS10において、カセッテ本体部24から放射線源本体部20に送信され、表示操作部78に表示される放射線画像は、後述する医師による読影診断に供される放射線画像である必要はなく、撮影範囲内に被写体の撮影部位が写り込んでいるか否かを確認できる程度の画像(例えば、ローデータの画像)であればよい。
次に、操作者82は、クリップ28の固定側挟着片46の基端部を押さえながら、可動側挟着片50の基端部に上方向に向かう力を付与することにより、捩りコイルばね51の弾発力に抗して、支軸54を中心に可動側挟着片50及び軸受部52を回動させる。これにより、天板26に対してクリップ28が開いた状態となって、レール42、44と接続端子56、58との嵌合状態が解除されるので、放射線源本体部20とカセッテ本体部24との間の有線による電気的接続が解消され、この結果、前記信号ライン及び前記電源ラインの形成が解消される。
次に、操作者82は、天板26の厚みよりも大きくなるまでクリップ28を開いた状態で該クリップ28を天板26から離間させた後、可動側挟着片50の基端部から手を離す。これにより、捩りコイルばね51の弾発力により、固定側挟着片46の先端部と可動側挟着片50の先端部とが接触し、この結果、クリップ28は、図2、図4及び図8に示す状態→図7に示す状態→図6に示す状態へと変化する。
次に、操作者82は、レール42、44からコネクタ41を引き抜いて接続端子43、45とレール42、44との嵌合状態を解除させると共に、カセッテ本体部24からコネクタ40を引き抜いてUSB端子172とコネクタ40との嵌合状態を解除させる。
そして、操作者82は、図1〜図4に示す状態から分解された、放射線源本体部20、カセッテ本体部24、取付機構29及びUSBケーブル38をアタッシュケース84に収容する(ステップS12)。次に、操作者82は、アタッシュケース84を自己が所属する医療機関の部門(放射線科等)に持ち帰る。
操作者82は、持ち帰ったアタッシュケース84からカセッテ本体部24を取り出し、カセッテ本体部24の画像メモリ210内に記憶された放射線画像を、USB端子172及び図示しないUSBケーブルを介した有線通信により院内ネットワークのRIS(放射線科情報システム)やコンソールに送信する。あるいは、操作者82は、メモリカード33に前記放射線画像を保存し、保存後のメモリカード33をカードスロット37から取り出してRISやコンソールに提供する。これにより、医療機関において、放射線画像に対する詳細な読影診断を実施することが可能となる。
以上説明したように、第1実施形態に係る放射線画像撮影装置10Aによれば、放射線源本体部20は、取付機構29を介してベッド12の天板26に着脱可能に取り付けられるので、ベッド12に対して放射線源本体部20を確実且つ容易に固定することが可能になると共に、ベッド12に配置されたカセッテ本体部24やベッド12に横臥した臥位の被写体14に対して放射線源本体部20を自由にポジショニングすることが可能となる。
これにより、放射線検出器22に対する放射線源18の自由なポジショニングを確保すると共に、放射線源18の移動機構(取付機構29)を含めた放射線画像撮影装置10A全体の小型化を実現することができる。
この場合、取付機構29は、ベッド12の天板26に対して着脱可能なクリップ28と、基端部がクリップ28に連結され、且つ、先端部が放射線源本体部20に連結されると共に、該放射線源本体部20を移動可能なアーム部30とから構成されている。クリップ28を用いているので、取付機構29をベッド12の任意の箇所(天板26の一側部)に容易に取り付けることができ、使い勝手が良い。
また、アーム部30は、被写体14及び放射線検出器22に対する放射線16の照射方向を設定可能に回動する多関節型のアーム部であるため、ベッド12に横臥した臥位の被写体14及びカセッテ本体部24の上方において、放射線源本体部20を所望の位置及び方向に移動させることが可能となる。また、アーム部30が平行リンク機構(アーム機構)であるため、放射線源本体部20とカセッテ本体部24の照射面32とを対向配置させても、時間経過に伴う放射線源本体部20の位置ずれの発生を抑制することができる。
また、放射線源本体部20は、放射線源本体部20とカセッテ本体部24との間の距離を測定する測距部102を有し、SID設定部144は、前記距離に基づいて放射線源18の焦点140と放射線検出器22との間の撮影間距離を算出するので、現在の撮影間距離を容易に把握することができると共に、SIDと撮影間距離とが一致するか否かを確実に判断することも可能となる。
なお、被写体14の厚み等が予め分かっている場合、測距部102は、被写体14と天板26との間にカセッテ本体部24を配置した状態で、放射線源本体部20と被写体14との間の距離を測定し、SID設定部144は、前記距離及び被写体14の厚みに基づいて、前記撮影間距離を算出してもよい。
また、アーム部30にロータリーエンコーダ81、88、92を具備させることで、軸部材64の回転量及びアーム部材68、72の回動量を検出することができるので、SID設定部144は、アーム部30によって移動された放射線源本体部20の移動量や現在位置を算出することができる。
そして、放射線源本体部20に表示操作部78が設けられていることにより、SID、撮影間距離、放射線源本体部20の現在位置や、アーム部30により移動された放射線源本体部20の移動量(SIDに対応する位置と撮影間距離に対応する位置との偏位)を表示させて、操作者82に通知することが可能となる。すなわち、表示操作部78の表示内容は、カセッテ本体部24及び被写体14に対して放射線源本体部20を配置(移動)する際の目安となる。
この場合、アーム部30にモータ83、86、90を具備させることにより、撮影間距離がSIDとなるまで放射線源本体部20を自動的に移動させることが可能となり、撮影準備段階における操作者82の作業負担を軽減することができる。
また、表示操作部78は、撮影間距離がSIDとなるまでは、SID、撮影間距離、放射線源本体部20の現在位置や移動量を表示させる一方で、撮影間距離とSIDとが一致したときに、これまでの表示内容から、SIDの設定作業が完了したことを示す表示内容に切り替えて表示することで、SIDの設定が完了して、撮影可能状態に至ったことを操作者82に容易に認識させることができる。
さらに、放射線画像撮影装置10Aでは、取付機構29がベッド12に取り付けられたときに、カセッテ本体部24と放射線源本体部20との間での有線による電力供給を行うことが可能な電源ライン(電力供給部)が形成されるので、カセッテ本体部24及び放射線源本体部20のいずれか一方のバッテリから他方のバッテリへの大電流充電が可能となる。すなわち、いずれか一方のバッテリの充電が不足している場合には、他方のバッテリから前記一方のバッテリに対して急速充電を行なうことにより該一方のバッテリの充電不足を短時間で解消することができる。また、有線による電源ラインであるため、電力供給を確実に行うことが可能となる。
この場合、USBケーブル38、レール42及び接続端子56等により前記電源ラインが構成されるので、該電源ラインを容易に且つ短時間で形成することが可能となる。
さらにまた、放射線画像撮影装置10Aでは、取付機構29がベッド12に取り付けられたときに、カセッテ本体部24と放射線源本体部20との間で有線により信号の送受信を行うことが可能な信号ライン(信号接続部)が形成されるので、大容量の信号の送受信が可能となる。従って、例えば、カセッテ本体部24から前記信号ラインを介して放射線源本体部20に放射線画像を送信し、該放射線画像を表示操作部78に表示させることも可能となる。また、有線による信号ラインであるため、信号の送受信を確実に行うことができる。
この場合、USBケーブル38、レール44及び接続端子58等により前記信号ラインが構成されるので、該信号ラインを容易且つ短時間で形成することが可能となる。
また、放射線画像撮影装置10Aにおいて、ガイド線34の外枠は、撮影間距離がSIDに設定されたときの放射線16の照射野に対応するので、被写体14の撮影部位がガイド線34の外枠に納まっていれば、被写体14に対して放射線16を照射することにより、適切な放射線画像が得られる。
この場合、カセッテ制御部168から前記信号ラインを介して線源制御部118に同期制御信号が送信されるので、放射線画像の撮影時における放射線源18と放射線検出器22との時刻同期を確実に取ることができる。
なお、上記の説明では、カセッテ制御部168から前記信号ラインを介して線源制御部118に同期制御信号を送信すると共に、バッテリ166から前記電源ラインを介してバッテリ114を充電しているが、これに代えて、線源制御部118から前記信号ラインを介してカセッテ制御部168に前記同期制御信号を送信すると共に、バッテリ114から前記電源ラインを介してバッテリ166を充電してもよい。
さらに、上記の説明では、単に、バッテリ114とバッテリ166との間での前記電源ラインを介した電力供給について説明したが、少なくとも被写体14の撮影枚数に応じた充電量だけバッテリ114、166が充電されていればよいので、一方のバッテリが前記撮影枚数に応じた充電量に達していない場合には、充電量に余裕のある他方のバッテリが前記電源ラインを介し前記一方のバッテリに対して前記充電量に到達するまで充電を行なえばよい。これにより、撮影時に、前記撮影枚数分の撮影を確実に行うことができる。
また、図14のステップS2〜S5の時間帯にのみバッテリ114、166間での電力供給が行われるので、撮影時、及び、撮影後の放射線画像の送信時にはバッテリ114又はバッテリ166が充電されることはない。この結果、撮影中、電荷信号(アナログ信号)に充電に起因したノイズが重畳したり、又は、放射線画像の送信中に前記ノイズが当該放射線画像に重畳することを回避することができる。
また、上記の説明では、曝射スイッチ80の投入によって撮影が開始されるが、これに代えて、表示操作部78の画面上に曝射ボタン(曝射スイッチ)を表示させ、前記曝射ボタンを押すことにより、撮影が開始されてもよいし、あるいは、表示操作部78に表示される1つのボタンを曝射スイッチ専用とし、このボタンの投入によって撮影を開始してもよい。
さらに、カセッテ本体部24は、筐体の形状を有しているが、放射線検出器22等の箇所については、可撓性を有するシート状の形状としてもよい。シート状とすることでロール状に巻取可能となるので、カセッテ本体部24を含めた放射線画像撮影装置10A全体のさらなる小型化及び軽量化を実現することができる。
さらに、第1実施形態は、光読出方式の放射線検出器を利用して放射線画像を取得する場合にも適用することが可能である。この光読出方式の放射線検出器では、各固体検出素子に放射線が入射すると、その線量に応じた静電潜像が固体検出素子に蓄積記録される。静電潜像を読み取る際には、放射線検出器に読取光を照射し、発生した電流の値を放射線画像として取得する。なお、放射線検出器は、消去光を放射線検出器に照射することで、残存する静電潜像である放射線画像を消去して再使用することができる(特開2000−105297号公報参照)。
さらにまた、放射線画像撮影装置10Aでは、血液やその他の雑菌が付着するおそれを防止するために、例えば、装置全体を防水性、密閉性を有する構造とし、必要に応じて殺菌洗浄することにより、1つの放射線画像撮影装置10Aを繰り返し続けて使用することができる。
また、第1実施形態では、モータ83、86、90により自動的に撮影間距離をSIDに調整する場合について説明したが、図15に示すように、例えば、放射線源本体部20に取手220を設け、操作者82が表示操作部78の表示内容を見ながら取手220、アーム部材68、72及び軸部材64を操作することにより、撮影間距離をSIDに一致させるための調整作業を手動で行ってもよい。この場合でも、前記撮影間距離を前記SIDに一致させることが可能である。なお、この手動調整作業において、モータ83、86、90は、アーム部30に設けられていないか、あるいは、手動調整中はモータ83、86、90を動作させないようにすればよい。
さらに、第1実施形態では、医療機関内の必要な箇所に、図16に示すように、各バッテリ114、166の充電を行うクレードル230を配置すると好適である。
この場合、放射線源本体部20とクレードル230との間をコネクタ236、238を有するUSBケーブル234で電気的に接続し、カセッテ本体部24とクレードル230との間をコネクタ242、244を有するUSBケーブル240で電気的に接続する。
クレードル230は、バッテリ114、166の充電だけでなく、クレードル230の無線通信機能又は有線通信機能を用いて、医療機関内のコンソールやRISとの間で必要な情報の送受信を行うようにしてもよい。送受信する情報には、放射線画像撮影装置10Aに記録された放射線画像を含めることができる。
また、クレードル230に表示部232を配設し、この表示部232に対して、放射線画像撮影装置10Aの充電状態や、放射線画像撮影装置10Aから取得した放射線画像を含む必要な情報を表示させるようにしてもよい。
さらに、複数のクレードル230をネットワークに接続し、各クレードル230に接続されている放射線画像撮影装置10Aの充電状態をネットワークを介して収集し、使用可能な充電状態にある放射線画像撮影装置10Aの所在を確認できるように構成することもできる。
なお、上記の説明では、災害現場や在宅看護の現場や病院の病室における放射線画像の撮影について説明したが、第1実施形態は、これらの現場における撮影に限定されることはなく、検診車に搭載して、健康診断における被写体の撮影に適用することや、医療機関内での回診時における患者の撮影に適用することも可能である。あるいは、第1実施形態は、このような医療関連の放射線画像の撮影に限定されるものではなく、例えば、各種の非破壊検査における放射線画像の撮影にも適用可能であることは勿論である。
次に、第1実施形態の変形例である第2〜第11実施形態に係る放射線画像撮影装置10B〜10Kについて、図17〜図30を参照しながら説明する。
なお、これらの実施形態において、図1〜図16の第1実施形態に係る放射線画像撮影装置10Aと同じ構成要素については、同じ参照数字を付けて説明し、詳細な説明を省略する。
先ず、第2実施形態に係る放射線画像撮影装置10Bについて、図17〜図19を参照しながら説明する。
第2実施形態に係る放射線画像撮影装置10Bは、図17〜図19に示すように、放射線源本体部20とカセッテ本体部24との間で、非接触による電力供給(非接触給電)と、非接触による信号の送受信(非接触通信)とが行われる点で、図1〜図16の第1実施形態に係る放射線画像撮影装置10Aとは異なる。
すなわち、前記非接触給電を行うために、カセッテ本体部24には非接触給電部250が設けられ、一方で、放射線源本体部20には非接触受電部252が設けられる。
具体的に、前記非接触給電とは、(1)マイクロ波帯の電磁波を利用して非接触給電部250から非接触受電部252に対して電力供給を行うマイクロ波給電方式、(2)非接触給電部250に設けられたコイルと非接触受電部252に設けられたコイルとを近接させた状態で電磁誘導により電力供給を行う電磁誘導方式、(3)非接触給電部250と非接触受電部252との間での電磁界の共鳴現象を利用して電力供給を行う共鳴方式、等がある。
また、(3)の共鳴方式についても、非接触給電部250のコイルと非接触受電部252のコイルとの共鳴周波数を略同一とし、送信側の非接触給電部250のコイルがカセッテ本体部24周辺の所定空間に高周波電力による電磁界を形成し、一方で、受信側の非接触受電部252のコイルを前記電磁界内に配置することにより、前記高周波電力の受電を可能とする磁気共鳴方式等がある。
なお、非接触給電部250から非接触受電部252への非接触給電(マイクロ波給電方式、電磁誘導方式、共鳴方式、磁気共鳴方式)としては、公知の非接触給電方式を採用することが可能である。
従って、図17〜図19では、バッテリ166から非接触給電部250、電力伝送路(非接触伝送路)254及び非接触受電部252を介してバッテリ114を非接触で充電する場合について図示している。
なお、第2実施形態は、図17〜図19の例に限定されることはなく、放射線源本体部20及びカセッテ本体部24のうち、一方に非接触給電部250が配置され、他方に非接触受電部252が配置されていればよい。あるいは、放射線源本体部20及びカセッテ本体部24の双方に非接触給電部250及び非接触受電部252がそれぞれ配置され、電力伝送路254を介して双方向に電力供給を行ってもよい。
一方、前記非接触通信を行うために、カセッテ本体部24の通信部170と放射線源本体部20の通信部116とが非接触通信部として構成され、従って、通信部116、170間は、非接触で信号の送受信を行うための通信伝送路(非接触伝送路)255が形成される。
具体的に、前記非接触通信とは、(1)通信部116と通信部170との間で無線通信(電波)により信号の送受信を行う無線通信(電波通信)方式、(2)通信部116、170にコイルをそれぞれ設け、変調した信号を送信側のコイルから交流磁界として発生させ、該交流磁界内に配置された受信側のコイルで前記信号を受信し、該信号を復調することにより信号の送受信を行う磁気通信方式、(3)通信部116と通信部170との間で赤外線等により信号の送受信を行う光通信方式(光無縁通信方式)、等がある。
また、(1)の無線通信方式についても、例えば、UWB(Ultra Wide Band)、IEEE802.11.a/g/n等のWiFi(Wireless Fidelity)又はミリ波を用いた無線通信による信号の送受信がある。
このように、第2実施形態では、非接触給電部250、電力伝送路254及び非接触受電部252による非接触給電(非接触充電)と、通信部116、通信伝送路255及び通信部170による非接触通信とが行われるので、第1実施形態で説明したUSBケーブル38、レール42、44、クリップ28の接続端子56、58が設けられておらず、従って、有線による電源ライン及び信号ラインが不要である。
第2実施形態に係る放射線画像撮影装置10Bの特徴的な構成は、以上の通りであり、次に、放射線画像撮影装置10Bの特徴的な動作(非接触給電、非接触通信)について、第1実施形態で説明した図面(図1〜図16)も参照しながら説明する。
図14のステップS2において、先ず、操作者82が天板26の所定箇所にカセッテ本体部24を配置すると共に、クリップ28によって天板26の一側部を挟み込み、カセッテ本体部24の上方に放射線源本体部20を配置する(図17参照)。前述のように、第2実施形態では、非接触給電により電力供給を行うと共に、非接触通信により信号の送受信を行うので、USBケーブル38、レール42、44、クリップ28の接続端子56、58が不要である。従って、クリップ28を天板26に挟み込んだだけでは、カセッテ本体部24と放射線源本体部20との間で、電力供給が可能であるか否か、あるいは、信号の送受信が可能であるか否かは、容易に確認することができない。
そこで、第2実施形態においては、ステップS2において、操作者82がスイッチ36を操作すると、バッテリ166からカセッテ本体部24内の各部に電力供給が行われると共に、カセッテ制御部168は、カセッテIDメモリ214に記憶されたカセッテID情報を通信部170を介して非接触で送信する。通信部116が前記カセッテID情報を受信して接続検出部142に出力したときに、該接続検出部142は、放射線源本体部20の周辺にカセッテ本体部24が存在することを認識することができる。
次に、接続検出部142は、非接触通信による信号の送受信が可能か否かを確認するために、通信部116を介してカセッテ制御部168に信号接続確認信号を送信すると共に、非接触給電により放射線源本体部20とカセッテ本体部24との間で電力供給を行うことが可能であるか否かを確認するために、非接触受電部252を介してカセッテ制御部168に電源接続確認信号を送信する。
非接触受電部252と非接触給電部250との間に電力伝送路254が形成される場合には、該電力伝送路254を介しての信号の送受信も可能であるため、非接触受電部252は、前記電源接続確認信号を電力伝送路254を介して非接触給電部250に送信する。また、通信部116は、通信伝送路255を介して通信部170に前記信号接続確認信号を送信する。
カセッテ制御部168は、非接触受電部252、電力伝送路254及び非接触給電部250を介して前記電源接続確認信号を受信すると共に、通信部116、通信伝送路255及び通信部170を介して前記信号接続確認信号を受信したときに、非接触給電による電力供給や非接触通信による信号の送受信が可能であることを把握することができる。次に、カセッテ制御部168は、前記電源接続確認信号に対する応答としての電源接続応答信号を非接触給電部250に出力すると共に、前記信号接続確認信号に対する応答としての信号接続応答信号を通信部170に出力する。
これにより、非接触給電部250は、電力伝送路254、非接触受電部252及びバッテリ114を介して接続検出部142に前記電源接続応答信号を送信し、その後、電力伝送路254及び非接触受電部252を介してバッテリ114を非接触で給電(充電)することが可能となる。一方、通信部170は、通信伝送路255及び通信部116を介して接続検出部142に前記信号接続応答信号を送信する。接続検出部142は、前記電源接続応答信号及び前記信号接続応答信号の受信により、非接触通信による信号の送受信が可能であると共に、非接触給電による電力供給が可能であることを容易に判断(検出)することができる。そして、接続検出部142は、非接触通信による信号の送受信及び非接触給電による電力供給がそれぞれ可能であることを示す判断結果を線源制御部118に出力する。
以上がステップS2における第2実施形態の特徴的な動作である。
なお、バッテリ114、166間での非接触給電による電力供給は、第1実施形態と同様に、ステップS2〜S5の期間に行われる。
また、ステップS6において、線源制御部118は、通信部116、通信伝送路255及び通信部170を介してカセッテ制御部168に同期制御信号の送信を要求し、カセッテ制御部168は、前記送信の要求に従って、通信部170、通信伝送路255及び通信部116を介して線源制御部118に前記同期制御信号を送信する。
さらに、ステップS9において、カセッテ制御部168は、画像メモリ210に記憶された放射線画像と、カセッテIDメモリ214に記憶されたカセッテID情報とを、通信部170、通信伝送路255及び通信部116を介して放射線源本体部20に送信し、放射線源本体部20の表示操作部78は、前記放射線画像を表示する。この場合、前記放射線画像と前記カセッテID情報とは非接触通信により送信されるので、通信容量の観点から、送信される放射線画像は、ローデータであることが好ましい。
また、操作者82は、自己が所属する医療機関の部門にアタッシュケース84を持ち帰ると、(1)アタッシュケース84から取り出したカセッテ本体部24にUSBケーブルを接続して、有線通信により院内ネットワークのRISやコンソールに放射線画像を送信させるか、(2)メモリカード33に前記放射線画像を保存し、保存後のメモリカード33をカードスロット37から取り出してRISやコンソールに提供するか、(3)スイッチ36を押してカセッテ本体部24を起動させ、通信部170による非接触通信によりRISやコンソールに放射線画像を送信させる。
以上説明したように、第2実施形態に係る放射線画像撮影装置10Bによれば、ベッド12に対して着脱自在な取付機構29を具備することによる効果に加え、非接触給電部250、電力伝送路254及び非接触受電部252(電力供給部)による非接触給電により電力供給を行うと共に、通信部116、通信伝送路255及び通信部170(信号接続部)による非接触通信により信号の送受信を行うので、USBケーブル38、レール42、44、クリップ28の接続端子56、58(電源ライン、信号ライン)が不要となる。
このように、ケーブル等を用いずに電力供給や通信が行えるので、装置全体として封止構造にすることが可能となり、耐汚染性、防水性及び密閉性をさらに高めることができる。
また、USBケーブル38等が不要となるので、操作者82の作業に支障を来すおそれがない。従って、操作者82は、自己の作業を効率よく行うことが可能となる。また、USBケーブル38等を不要としたことにより、放射線画像撮影装置10Bの部品点数が削減されて、現場における組立作業が容易になる。
次に、第3実施形態に係る放射線画像撮影装置10Cについて、図20を参照しながら説明する。
第3実施形態に係る放射線画像撮影装置10Cは、吸盤(設置部)260によりアーム部30及び放射線源本体部20を天板26に対して着脱可能にした点で、第1及び第2実施形態に係る放射線画像撮影装置10A、10Bとは異なる。
この場合、操作者82は、吸盤260の皿部分を天板26側に向けた状態で該天板26に押し付けると、前記皿部分と天板26との間の空間の空気が外部に抜けて該空間が負圧状態となり、吸盤260を天板26に張り付けることができる。これにより、天板26の上方に放射線源本体部20を配置することが可能となる。
一方、天板26から吸盤260を含めた取付機構29を取り外す場合には、操作者82は、天板26と吸盤260との間に指等を差し込めばよい。これにより、前記空間に空気が進入して該空間の負圧状態が解消され、この結果、天板26から吸盤260を容易に離間させることができる。
以上説明したように、第3実施形態に係る放射線画像撮影装置10Cによれば、取付機構29が吸盤260を介して天板26に着脱可能であるため、天板26に対する取付機構29の着脱が一層容易となり、操作者82の作業効率をさらに高めることができる。
次に、第4実施形態に係る放射線画像撮影装置10Dについて、図21を参照しながら説明する。
第4実施形態に係る放射線画像撮影装置10Dは、吸盤(設置部)260をカセッテ本体部24に対して着脱可能にした点で、第3実施形態に係る放射線画像撮影装置10C(図20参照)とは異なる。この場合、吸盤260は、ガイド線34の枠外であって、且つ、被写体14の撮影の邪魔にならない位置に取り付けられる。
第4実施形態に係る放射線画像撮影装置10Dによれば、取付機構29が吸盤260を介してカセッテ本体部24に着脱可能であるため、第3実施形態に係る放射線画像撮影装置10Cの効果に加え、天板26が吸盤260による吸着に適さない材質で構成されていても、該取付機構29をカセッテ本体部24に取り付けて、被写体14及びカセッテ本体部24の上方で放射線源本体部20を確実に配置することができる。
次に、第5実施形態に係る放射線画像撮影装置10Eについて、図22を参照しながら説明する。
第5実施形態に係る放射線画像撮影装置10Eは、クランプ(設置部)270によりアーム部30及び放射線源本体部20を天板26に対して着脱可能にした点で、第1〜第4実施形態に係る放射線画像撮影装置10A〜10Dとは異なる。
クランプ270は、側面視で略C字状のフレーム272を有し、天板26の上面に接触するフレーム272の一端部にベース60が取り付けられ、天板26の底面から下方に離間した他端部に上下方向に貫通するねじ孔280が形成され、該ねじ孔280にねじ部274が螺合している。ねじ部274の基端部に把持部278が装着され、先端部に押圧部276が装着されている。皿状の押圧部276には、レール42、44と対向するように接続端子56、58が配置されている。
従って、図22に示すように、フレーム272の一端部と、該フレーム272の一端部と他端部とを連結する連結部分とを天板26の上面及び一側部に当接し、レール42、44と接続端子56、58とを対向させた状態で、操作者82が把持部278を回してねじ部274及び押圧部276を天板26側に進行させると、レール42、44と接続端子56、58とがそれぞれ嵌合し、レール42、44と接続端子56、58とをそれぞれ電気的に接続することができる。また、天板26の底面を押圧部276が押圧することにより、天板26の一側部は、フレーム272の一端部と押圧部276とによって挟み込まれることになり、この結果、天板26に対して取付機構29を確実に固定することができる。
一方、天板26からクランプ270を取り外す場合には、操作者82は、ねじ部274及び押圧部276を天板26側に進行させたときの把持部278の回転方向とは反対方向に該把持部278を回せばよい。これにより、ねじ部274及び押圧部276が天板26の底面から下方に向かって離間するので、クランプ270を天板26から容易に取り外すことができる。
以上説明したように、第5実施形態に係る放射線画像撮影装置10Eによれば、取付機構29がクランプ270を介して天板26に着脱可能であるため、第1〜第4実施形態に係る放射線画像撮影装置10A〜10Dと同様の効果が得られる。
次に、第6実施形態に係る放射線画像撮影装置10Fについて、図23を参照しながら説明する。
第6実施形態に係る放射線画像撮影装置10Fは、永久磁石(設置部)284を鉄等の磁性体を含み構成されたヘッドボード282に装着することにより、ベッド12に対して取付機構29及び放射線源本体部20を着脱可能にした点で、第1〜第5実施形態に係る放射線画像撮影装置10A〜10Eとは異なる。なお、図23では、ヘッドボード282に永久磁石284を取り付けているが、これに限定されるものではなく、ベッド12に磁性体の部材が配置されていれば、この部材に永久磁石284を吸引させればよい。
第6実施形態に係る放射線画像撮影装置10Fによれば、取付機構29が永久磁石284を介してヘッドボード282に着脱可能であるため、磁力の強い永久磁石284を使用すれば、ベッド12に取付機構29を確実に取り付けることが可能となり、撮影中の取付機構29及び放射線源本体部20の位置ずれを抑制することができる。
また、ベッド12中、磁性体の部材が配置されている箇所に永久磁石284を取り付けることができるので、鉄等の磁性体を多用しているベッド12に取り付ける際には取付場所の制約を受けることがない。
次に、第7実施形態に係る放射線画像撮影装置10Gについて、図24及び図25を参照しながら説明する。
第7実施形態に係る放射線画像撮影装置10Gは、面ファスナー(設置部)290によりベッド12に対して取付機構29及び放射線源本体部20を着脱可能にした点で、第1〜第6実施形態に係る放射線画像撮影装置10A〜10Fとは異なる。
この場合、面ファスナー290は、ベース60が取り付けられたフック面部292と、該フック面部292と略同一面積を有し且つ天板26に貼着されたループ面部294とから構成される。従って、フック面部292とループ面部294とを貼り合わせることにより、ベッド12の天板26に対して取付機構29及び放射線源本体部20を取り付けることが可能となる。
以上説明したように、第7実施形態に係る放射線画像撮影装置10Gによれば、面ファスナー290により天板26に対して取付機構29及び放射線源本体部20を取り付けるので、天板26に対する取付機構29の取り付けを一層容易なものとすることができる。
なお、フック面部292とループ面部294との貼着は、天板26上でなくても、カセッテ本体部24上でもよい。また、天板26又はカセッテ本体部24側にフック面部292を貼り付け、ベース60側にループ面部294を取り付けてもよい。
さらに、第7実施形態では、面ファスナー290に代替して、剥離可能な両面テープを用いてもよい。該両面テープであっても、面ファスナー290と同様の効果が得られる。
次に、第8実施形態に係る放射線画像撮影装置10Hについて、図26及び図27を参照しながら説明する。
第8実施形態に係る放射線画像撮影装置10Hは、ベース60の底面に上下方向に延在するロッド300が取り付けられ、天板26にロッド300が挿入可能な孔302が形成されている点で、第1〜第7実施形態に係る放射線画像撮影装置10A〜10Gとは異なる。この場合、ロッド300を孔302に挿入するだけで、天板26に対して取付機構29及び放射線源本体部20を取り付けることが可能となる。
以上説明したように、第8実施形態に係る放射線画像撮影装置10Hによれば、ロッド300と孔302とを嵌合するだけで、天板26に対して取付機構29及び放射線源本体部20を取り付けることができるので、天板26に対する取付機構29の取り付けをさらに容易なものとすることができる。
また、孔302は、カセッテ本体部24におけるガイド線34の枠外に設けて、ロッド300と孔302とを嵌合させてもよい。
さらには、ベース60を肉厚のブロックとして構成し、このブロックに孔302を形成する一方で、天板26又はカセッテ本体部24にロッド300を設けて、該ロッド300と孔302とを嵌合させることも可能である。
次に、第9実施形態に係る放射線画像撮影装置10Iについて、図28を参照しながら説明する。
第9実施形態に係る放射線画像撮影装置10Iは、アーム部30が蛇腹構造であり、該蛇腹構造のアーム部30内に歪みゲージ314が内蔵されている点で、第1〜第8実施形態に係る放射線画像撮影装置10A〜10Hとは異なる。
この場合、歪みゲージ314は、撮影間距離をSIDに設定する際に操作者82がアーム部30を曲げたときに、アーム部30の曲げ量に応じた該歪みゲージ314の電気抵抗値の変化量を検出し、SID設定部144(図13参照)は、該電気抵抗値の変化量に基づいて放射線源本体部20の移動量を算出する。
以上説明したように、第9実施形態に係る放射線画像撮影装置10Iによれば、アーム部30が蛇腹構造であるため、操作者82が手動でアーム部30を曲げて前記撮影間距離を前記SIDに一致させる作業を行う場合に、所望の位置及び方向に容易に曲げることができるので、放射線源本体部20の位置及び方向を調整する際の自由度を高めることができる。また、歪みゲージ314は、アーム部30の曲げ量を前記電気抵抗値の変化量として検出するので、SID設定部144は、該電気抵抗値の変化量に基づく放射線源本体部20の移動量を算出し、算出した移動量を表示操作部78に表示することが可能となる。
次に、第10実施形態に係る放射線画像撮影装置10Jについて、図29を参照しながら説明する。
第10実施形態に係る放射線画像撮影装置10Jは、アーム部30がテレスコピック構造である点で、第1〜第9実施形態に係る放射線画像撮影装置10A〜10Iとは異なる。
この場合、アーム部30内には、アーム324、326が伸張したことによるアーム部30の長さ(高さ)を検出するリニアエンコーダ330が内蔵されている。また、アーム326の先端部には軸部材328が取り付けられ、この軸部材328にはアーム部材320が軸支されている。アーム部材320は、先端部74及び取付部材76を介して放射線源本体部20に連結されている。また、軸部材328には、モータ332と、モータ332の駆動による軸部材328を中心としたアーム部材320の回動量を検出するロータリーエンコーダ334とが内蔵されている。
リニアエンコーダ330が検出したアーム部30の長さ、及び、ロータリーエンコーダ334が検出したアーム部材320の回動量は、SID設定部144(図13参照)に出力される。従って、SID設定部144は、これらの回動量及び長さに基づいて放射線源本体部20の移動量を算出することができる。
以上説明したように、第10実施形態に係る放射線画像撮影装置10Jによれば、アーム部30がテレスコピック構造であるため、撮影間距離をSIDに容易に調整することができる。
次に、第11実施形態に係る放射線画像撮影装置10Kについて、図30を参照しながら説明する。
第11実施形態に係る放射線画像撮影装置10Kは、アーム部30の各箇所に蛍光マーカ350〜358が取り付けられ、これらの蛍光マーカ350〜358をCCDカメラ360で撮影し、撮影した蛍光マーカ350〜358を含むアーム部30の光学画像をCCDカメラ360から放射線源本体部20の通信部116に非接触通信により送信する点で、第1〜第10実施形態に係る放射線画像撮影装置10A〜10Jとは異なる。
この場合、SID設定部144は、CCDカメラ360からの前記光学画像より蛍光マーカ350〜358の位置を特定し、特定した位置に基づいて放射線源本体部20の移動量を算出する。
以上説明したように、第11実施形態に係る放射線画像撮影装置10Kによれば、CCDカメラ360で撮影した蛍光マーカ350〜358の光学画像に基づいて、放射線源本体部20の移動量が算出されるので、この場合でも、撮影間距離をSIDに調整することが可能となる。
なお、第1〜第11実施形態に係る放射線画像撮影装置10A〜10Kは、上述した各構成も含めて、以下に列挙する構成を採り得る。
(1)取付機構29は、ベッド12又はカセッテ本体部24に対して着脱自在であればよい。
(2)アーム部30は、多関節型のアーム部材(平行リンク機構)、伸縮可能なテレスコピック構造、又は、蛇腹構造のいずれか1つから構成されていればよい。
(3)取付機構29をベッド12又はカセッテ本体部24に着脱可能にするための設置部は、クリップ28と、クランプ270と、吸盤260と、永久磁石284と、面ファスナー290と、ロッド300及び孔302とのうち、いずれか1つから構成されていればよい。
(4)SID設定部144は、アーム部30に内蔵されたロータリーエンコーダ81、88、92、334が検出したアーム部30の回動量と、リニアエンコーダ330が検出したアーム部30の長さと、歪みゲージ314が検出したアーム部30の曲げ量に応じた電気抵抗値の変化量と、CCDカメラ360が撮影した蛍光マーカ350〜358の画像とのうち、少なくとも1つに基づいて、放射線源本体部20の移動量を算出すればよい。
(5)放射線源本体部20とカセッテ本体部24との間の電力供給は、有線(電源ライン)による電力供給、あるいは、非接触給電による電力供給であればよい。
(6)放射線源本体部20とカセッテ本体部24との間の信号の送受信は、有線(信号ライン)による信号の送受信、あるいは、非接触通信による信号の送受信であればよい。
(7)立位状態にあるカセッテ本体部24の照射面32に被写体14が立位状態で対向し、立位の被写体14に放射線16を照射して撮影を行ってもよい。この場合、放射線源本体部20は、取付機構29を介してカセッテ本体部24に着脱可能に取り付けられる。
(8)立位型の撮影台にカセッテ本体部24が設けられ、該カセッテ本体部24の照射面32に被写体14が立位状態で対向し、立位の被写体14に放射線16を照射して撮影を行ってもよい。この場合、放射線源本体部20は、取付機構29を介してカセッテ本体部24に着脱可能に取り付けられるか、あるいは、取付機構29を介して前記立位型の撮影台に着脱可能に取り付けられる。
(7)及び(8)のような立位の被写体14に対する撮影であっても、上述した臥位の被写体14に対する撮影と同様の効果が得られることは勿論である。
なお、本発明は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは勿論である。