JP5433251B2 - 感活性光線性または感放射線性樹脂組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

感活性光線性または感放射線性樹脂組成物及びそれを用いたパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、さらにその他のフォトファブリケーション工程に使用される感活性光線性または感放射線性樹脂組成物、およびそれを用いたパターン形成方法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、250nm以下、好ましくは220nm以下の遠紫外線および電子線を露光光源とする場合に好適な感活性光線性または感放射線性樹脂組成物、およびそれを用いたパターン形成方法に関するものである。
なお、本発明において「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。
半導体のフォトリソグラフィープロセスなどに用いる化学増幅型レジスト組成物などの感光性組成物として、特にArFエキシマレーザー(波長193nm)を光源に用いる場合は、透明性とドライエッチング耐性の観点から、脂環炭化水素基を有する樹脂が用いられている。
脂環炭化水素基を有する樹脂を含む感光性組成物には、より強い酸が求められ、トリフェニルスルホニウムトリフロロメタンスルホネート等のようなパーフロロアルキルスルホン酸を発生する化合物が用いられている。
しかし、パーフロロアルキルスルホン酸は疎水性が高く、これを発生する酸発生剤を用いた感光性組成物は水系現像液に対する親和性が低くなり、現像性の悪化による感度低下、あるいは現像欠陥が発生するといった問題があった。
これに対して、フッ素原子を含有する特定の酸を発生する化合物を用いた感光性組成物が特許文献1に記載されている。
しかしながら、パターンの更なる微細化に伴い、諸性能、特に露光ラチチュード及びラインエッジラフネス性能の更なる向上が求められていた。
化学増幅レジストを液浸露光に適用すると、露光時にレジスト層が浸漬液と接触することになるため、レジスト層が変質することや、レジスト層から浸漬液に悪影響を及ぼす成分が滲出することが指摘されている。特許文献2では、ArF露光用のレジストを露光前後に水に浸すことによりレジスト性能が変化する例が記載されており、液浸露光における問題と指摘している。
特開2007−155925号公報 国際公開第2004/068242号パンフレット
本発明の目的は、遠紫外光、EUV、電子線等、特にArFエキシマレーザー光を使用するミクロフォトファブリケ−ション本来の性能向上技術の課題を解決することであり、現像欠陥の発生が抑制され、且つ、露光ラチチュード及びラインエッジラフネス性能に優れた感活性光線性または感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記に示す本発明を完成するに至った。
(1) (A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、(B)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂および、(C)疎水性樹脂を含有する感活性光線性または感放射線性樹脂組成物であって、(A)活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物が、下記一般式(1)で表される酸を発生する化合物であることを特徴とする感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
Figure 0005433251
〔一般式(1)において、R1〜R8は各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子または水酸基を表す。Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アシル基または−SORsを表す。Aはヘテロ原子を含む2価の連結基または単結合を表す。Rsはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表す。m1〜m4は各々独立に0〜12の整数を表す。但し、m3+m4≧1である。m5は1〜3の整数を表す。m1〜m5のいずれかが2以上のときに複数となるR1〜R8、又はAは、各々、同一でも異なっていてもよい。〕
(2) 上記(C)疎水性樹脂が、塩基存在下において水に対する親和性が向上する基を有することを特徴とする、(1)に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
(3) 上記塩基存在下において水に対する親和性が向上する基が、活性プロトンを有する基または、アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基であることを特徴とする、(2)に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
(4) 上記(C)疎水性樹脂が、下記一般式(2)から(4)で表される繰り返し単位の少なくとも1種以上を含むことを特徴とする、(1)から(3)のいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
Figure 0005433251
〔一般式(2)〜(4)において、R1は各々独立に、水素原子、フッ素原子、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。R2は水素原子、−R3−CO2H又は−R3−OHを示す。R3はフッ素を含んでもよい2価の有機基を示す。R4はメチレン基、酸素原子または硫黄原子を示す。R5は水素原子、直鎖状又は分岐状のアルキル基又は−CO27を示す。R6は水素原子、直鎖状又は分岐状のアルキル基、シアノ基、又は−CO27を示す。R7は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基、またはシクロアルキル基を示す。R8a、R8bは各々独立に、単結合又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。〕
(5) 上記(B)酸の作用によってアルカリ現像液への溶解速度が増大する樹脂が、下記一般式(5−1)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする、(1)から(4)のいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
Figure 0005433251
〔一般式(5−1)において、Aは、エステル結合(−COO−)又はアミド結合(−CONH−)を表す。Rは、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表し、複数ある場合は、同じでも異なっていてもよい。R10は複数個ある場合にはそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アシルオキシ基、シアノ基、水酸基、−CO2、又はアルコキシ基を表し、複数個ある場合には2つのR10が結合し、環を形成していてもよい。Rは水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基、またはシクロアルキル基を示す。Zは、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、またはウレア結合を表し、複数ある場合は、同じでも異なっていてもよい。Xは、アルキレン基、酸素原子または硫黄原子を表す。mは、置換基数であって、0〜5の整数を表す。nは繰り返し数であり、0〜5の整数を表す。Rは、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。〕
(6) 上記(B)酸の作用によってアルカリ現像液への溶解速度が増大する樹脂が、下記一般式(6)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
Figure 0005433251
〔一般式(6)において、R13はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。nは1又は2を示す。n=1の場合、Xは単結合、−O−、−C(=O)−O−R14−又は−C(=O)−NH−R14−であり、R14は単結合、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基、又はシクロアルキレン基であり、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。n=2の場合、X
Figure 0005433251
であり、R14aは、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状アルキレン基、又はシクロアルキレン基から水素原子が1個脱離した基であり、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。R11は単結合、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキレン基、又はシクロアルキレン基であり、R12は水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基、又はR11と結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜10の環(但し、芳香環は除く)を形成してもよく、環の中にエーテル基、又はフッ素で置換されたアルキレン基を有していてもよい。〕
(7) (D)分子内に酸素原子を有する塩基性化合物を含むことを特徴とする、(1)から(6)のいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
(8) (1)〜(7)のいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物を用いて、膜を形成した後、該膜を液浸露光し、現像することを特徴とするパターン形成方法。
(9) 液浸液として純水を介して液浸露光することを特徴とする、(8)に記載のパターン形成方法。
本発明により、活性光線性または放射線、特にArFエキシマレーザー光を使用した際に、露光ラチチュード、ラインエッジラフネス性能に優れ、現像欠陥を生じない感活性光線性または感放射線性樹脂組成物が提供される。
以下、本発明について詳細に説明する。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
〔1〕活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物((A)成分)
本発明の活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「光酸発生剤」ともいう)は、水酸基または水酸基に由来する酸素原子を有することを特徴とする。ここで水酸基に由来する酸素原子とはエーテル、エステル結合に含まれる酸素原子を表し、上記エステルとしてはカルボン酸エステル、炭酸エステル、硫酸エステル、スルホン酸エステル、スルフィン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、硝酸エステル等が挙げられ、特にカルボン酸エステル、炭酸エステル、スルホン酸エステルが好ましい。
上記酸を発生する化合物としては、下記一般式(1)で表される酸を発生する化合物であることが好ましい。
Figure 0005433251
一般式(1)において、R1〜R8は各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子または水酸基を表す。Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アシル基、−SORsを表す。Aはヘテロ原子を含む2価の連結基または単結合を表す。Rsはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基を表す。m1〜m4は各々独立に0〜12の整数を表す。但し、m3+m4≧1である。m5は1〜3の整数を表す。m1〜m5のいずれかが2以上のときに複数となるR1〜R8、又はAは、各々、同一でも異なっていてもよい。
ここでアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基は置換基としてフッ素原子を有していてもよい。
Aのヘテロ原子を含む2価の連結基としてはとしては酸素原子、−CO−、−CONR−、−SO2NR−、−CONRCO−、−SO2NRCO−、−SO2NRSO2−、または−OCONR−が挙げられる。ここでRは水素原子またはアルキル基、シクロアルキル基を表す。
1〜R8は各々独立に、水素原子、パーフルオロアルキル基、フッ素原子が好ましく、パーフルオロアルキル基、フッ素原子がさらに好ましい。Aは単結合または酸素原子であることが好ましい。R9は−CORxで表されるアシル基であることが好ましい。Rxはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表し、シクロアルキル基、アリール基であることが好ましい。一般式(1)において、SOHの隣の炭素原子がフッ素原子またはトリフルオロメチル基で置換されていることが好ましい。
上記一般式(1)で表される構造を有する酸を発生する化合物としては、下記一般式(1−A)で表される構造であることが好ましい。
Figure 0005433251
一般式(1−A)において、R1〜R、A、及びm1〜m5は、各々、一般式(1)におけるR1〜R、A、及びm1〜m5と同義であり、Mは有機対カチオンを表す。
により表わされる有機対イオンは、ヨードニウムまたはスルホニウムイオンであることが好ましく、スルホニウムイオンであることが特に好ましい。
により表わされる有機対イオンとして、下記一般式(VIII)で表されるスルホニウムイオンが挙げられる。
Figure 0005433251
式(VIII)中、R1b〜R3bは、互いに独立に、直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1〜30のアルキル基又は炭素数3〜30の環式炭化水素基を表す。
1b〜R3bのいずれかが直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基である場合には、水酸基、炭素数1〜12の鎖式又は脂環式アルコキシ基又は炭素数3〜12の環式炭化水素基の一つ以上を置換基として含んでいてもよく、R1b〜R3bが環式炭化水素基である場合には、水酸基、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、又は炭素数1〜12の鎖式又は脂環式アルコキシ基の一つ以上を置換基として含んでいてもよい。
該アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
該アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基などが挙げられる。
該環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ビシクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル、ビフェニル基などが挙げられる。
一般式(VIII)で表わされるスルホニウムイオンの好ましい一形態として、下記一般式(IIIa)で表わされるスルホニウムイオンが挙げられる。
一般式(1−A)中、Mは特に下記一般式(IIIa)〜(IIId)であることが好ましい。
Figure 0005433251
式(IIIa)中、P1a〜P1e、P2e〜P2e、P3a〜P3eは、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。P1aとP3e、P1eとP2a、P2eとP3aは、各々、単結合、メチレン、エーテル結合、スルフィド結合により互いに結合していてもよい。
アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ドデシル、2−エチルヘキシル、イソプロピル、sec-ブチル、t-ブチル、iso-アミル等が挙げられる。該アルキル基は更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、一般式(I)中のRにより表される鎖式アルキル基が有し得る置換基と同様の基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロドデカニル、シクロベンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクタジエニル、ビシクロ[4.3.0]ノナニル、デカヒドロナフタレニル、トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカニル、ボルニル、イソボルニル、ノルボルニル、アダマンチル、ノルアダマンチル、1,7,7-トリメチルトリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプタニル、3,7,7-トリメチルビシクロ[4.1.0]ヘプタニル等が挙げられ、特にシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、ノルボルニル、アダマンチル、ノルアダマンチルが好ましい。該シクロアルキル基は更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、一般式(I)中のRにより表される鎖式アルキル基が有し得る置換基と同様の基が挙げられる。
アルコキシ基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、また脂環式骨格を有していてもよい。鎖状アルコキシとしては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、イソプロピルオキシ、sec-ブチルオキシ、t-ブチルオキシ、iso-アミルオキシ等が挙げられる。環状アルコキシとしては、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロへプチルオキシ、シクロオクチルオキシ、シクロドデカニルオキシ、シクロベンテニルオキシ、シクロヘキセニルオキシ、シクロオクタジエニルオキシ基等があげられ、特にシクロプロポキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロオクチルオキシ基が好ましい。該アルコキシ基は更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、一般式(I)中のRにより表される鎖式アルキル基が有し得る置換基と同様の基が挙げられる。
Figure 0005433251
式(IIIb)中、P、Pは、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、又はハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)を表わす。
アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ドデシル、2−エチルヘキシル、イソプロピル、sec-ブチル、t-ブチル、iso-アミル等が挙げられる。該アルキル基は更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、一般式(I)中のRにより表される鎖式アルキル基が有し得る置換基と同様の基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロドデカニル、シクロベンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクタジエニル、ビシクロ[4.3.0]ノナニル、デカヒドロナフタレニル、トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカニル、ボルニル、イソボルニル、ノルボルニル、アダマンチル、ノルアダマンチル、1,7,7-トリメチルトリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプタニル、3,7,7-トリメチルビシクロ[4.1.0]ヘプタニル等が挙げられ、特にシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、ノルボルニル、アダマンチル、ノルアダマンチルが好ましい。該シクロアルキル基は更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、一般式(I)中のRにより表される鎖式アルキル基が有し得る置換基と同様の基が挙げられる。
アルコキシ基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、また脂環式骨格を有していてもよい。鎖状アルコキシとしては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、イソプロピルオキシ、sec-ブチルオキシ、t-ブチルオキシ、iso-アミルオキシ等が挙げられる。環状アルコキシとしては、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロへプチルオキシ、シクロオクチルオキシ、シクロドデカニルオキシ、シクロベンテニルオキシ、シクロヘキセニルオキシ、シクロオクタジエニルオキシ基等があげられ、特にシクロプロポキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロオクチルオキシ基が好ましい。該アルコキシ基は更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、一般式(I)中のRにより表される鎖式アルキル基が有し得る置換基と同様の基が挙げられる。
Figure 0005433251
式(IIIc)中、P、Pは、互いに独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基を表す。あるいは、PとPが互いに結合して炭素数3〜12の2価の炭化水素基を形成してもよい。
は水素原子を表し、Pは炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基もしくは芳香環基を表す。あるいは、PとPが結合して炭素数3〜12の2価の炭化水素基を形成してもよい。
ここで、2価の炭化水素基に含まれる炭素原子は、いずれも、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子に置換されていてもよい。
また、P、P及びPとしてのアルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ドデシル、2−エチルヘキシル、イソプロピル、sec-ブチル、t-ブチル、iso-アミル等が挙げられる。該アルキル基は更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、一般式(I)中のRにより表される鎖式アルキル基が有し得る置換基と同様の基が挙げられる。
、P及びPとしてのシクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロドデカニル、シクロベンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクタジエニル、ビシクロ[4.3.0]ノナニル、デカヒドロナフタレニル、トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカニル、ボルニル、イソボルニル、ノルボルニル、アダマンチル、ノルアダマンチル、1,7,7-トリメチルトリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプタニル、3,7,7-トリメチルビシクロ[4.1.0]ヘプタニル等が挙げられ、特にシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、ノルボルニル、アダマンチル、ノルアダマンチルが好ましい。該シクロアルキル基は更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、一般式(I)中のRにより表される鎖式アルキル基が有し得る置換基と同様の基が挙げられる。
としての芳香環基は、フェニル、ナフチル、アントラセニル、テトラセニル、ビフェニル、フェナントレニル、フラニル等が挙げられ、フェニル、ナフチル、アントラセニル等が好ましい。該芳香環基は更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、一般式(I)中のRにより表される鎖式アルキル基が有し得る置換基と同様の基が挙げられる。
Figure 0005433251
式(IIId)中、P10〜P21は、互いに独立に、水素原子、水酸基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、又はハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)を表す。Yは、硫黄原子又は酸素原子を表す。mは、0又は1を表す。
アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ドデシル、2−エチルヘキシル、イソプロピル、sec-ブチル、t-ブチル、iso-アミル等が挙げられる。該アルキル基は更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、一般式(I)中のRにより表される鎖式アルキル基が有し得る置換基と同様の基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロドデカニル、シクロベンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクタジエニル、ビシクロ[4.3.0]ノナニル、デカヒドロナフタレニル、トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカニル、ボルニル、イソボルニル、ノルボルニル、アダマンチル、ノルアダマンチル、1,7,7-トリメチルトリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプタニル、3,7,7-トリメチルビシクロ[4.1.0]ヘプタニル等が挙げられ、特にシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、ノルボルニル、アダマンチル、ノルアダマンチルが好ましい。該シクロアルキル基は更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、一般式(I)中のRにより表される鎖式アルキル基が有し得る置換基と同様の基が挙げられる。
アルコキシ基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、また脂環式骨格を有していてもよい。鎖状アルコキシとしては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、イソプロピルオキシ、sec-ブチルオキシ、t-ブチルオキシ、iso-アミルオキシ等が挙げられる。環状アルコキシとしては、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロへプチルオキシ、シクロオクチルオキシ、シクロドデカニルオキシ、シクロベンテニルオキシ、シクロヘキセニルオキシ、シクロオクタジエニルオキシ基等があげられ、特にシクロプロポキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロオクチルオキシ基が好ましい。該アルコキシ基は更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、一般式(I)中のRにより表される鎖式アルキル基が有し得る置換基と同様の基が挙げられる。
上記一般式(IIIa)で表わされるスルホニウムイオンの好ましい一形態として、下記一般式(IIIe)で表わされるスルホニウムイオンが挙げられる。
Figure 0005433251
式中、P22〜P24は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基は置換基を有していてもよい。
アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ドデシル、2−エチルヘキシル、イソプロピル、sec-ブチル、t-ブチル、iso-アミル等が挙げられる。該アルキル基は更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、一般式(I)中のRにより表される鎖式アルキル基が有し得る置換基と同様の基が挙げられる。
上記一般式(VIII)および(IIIa)〜(IIIe)で示されるカチオンの具体例としては下記式で示されるカチオンが挙げられる。
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
一般式(1)で表される酸としては下記一般式(1−B)〜(1−D)で表される構造であることがより好ましい。
Figure 0005433251
一般式(1−B)〜(1−D)において、Rは一般式(1)におけるRと同義であり、m5は0〜2の整数を表す。
一般式(1)で表される酸を発生する化合物としては、下記一般式(1−E)〜(1−G)で表される構造であることが特に好ましい。
Figure 0005433251
一般式(1−E)〜(1−G)において、R及びMは上記一般式(1−A)におけるR及びMと同義である。
以下に、(A)成分の光酸発生剤の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、下記具体例中、M+は上記有機対カチオンを表す。
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
上記(A)光酸発生剤は単独で使用しても、複数を組み合わせて使用してもよい。
上記(A)光酸発生剤は下記併用しうる酸発生化合物と合わせ、本発明の組成物中の全固形分量に対して1〜60質量%含まれることが好ましく、3〜50質量%含まれることがより好ましく、3〜35質量%含まれることが特に好ましい。
〔(A)成分以外の併用しうる光酸発生剤〕
本発明においては、成分(A)以外に、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物を併用してもよい。本発明の成分(A)と併用しうる光酸発生剤の使用量は、モル比(成分(A)/その他の酸発生剤)で、通常100/0〜20/80、好ましくは100/0〜40/60、更に好ましくは100/0〜50/50である。そのような併用可能な光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
また、これらの活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号明細書、独国特許第3914407号明細書、特開昭63−26653号公報、特開昭55−164824号公報、特開昭62−69263号公報、特開昭63−146038号公報、特開昭63−163452号公報、特開昭62−153853号公報、特開昭63−146029号公報等に記載の化合物を用いることができる。
さらに米国特許第3,779,778号明細書、欧州特許第126,712号明細書等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
光酸発生剤の内で好ましい化合物として、下記一般式(ZI)、(ZII)、(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0005433251
上記一般式(ZI)において、
201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
-は、非求核性アニオンを表す。
-としての非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これによりレジストの経時安定性が向上する。
スルホン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなどが挙げられる。
カルボン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなどが挙げられる。
脂肪族スルホン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボルニル基等を挙げることができる。
芳香族スルホン酸アニオンにおける芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
脂肪族スルホン酸アニオン及び芳香族スルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。脂肪族スルホン酸アニオン及び芳香族スルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基の置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数2〜15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7〜20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5〜20)、シクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8〜20)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基としてさらにアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族部位としては、脂肪族スルホン酸アニオンおけると同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができる。
芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香族基としては、芳香族スルホン酸アニオンにおけると同様のアリール基を挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルブチル基等を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、置換基を有していてもよい。脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基の置換基としては、例えば、芳香族スルホン酸アニオンにおけると同様のハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基等を挙げることができ、フッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、フッ素化燐、フッ素化硼素、フッ素化アンチモン等を挙げることができる。
-の非求核性アニオンとしては、スルホン酸のα位がフッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、より好ましくは炭素数4〜8のパーフロロ脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、更により好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
またZ-の非求核性アニオンとしては下記一般式(Xa)または一般式(Xb)で表される構造であってもよい。
Figure 0005433251
一般式(Xa)中、Rは、水素原子又は有機基を表し、好ましくは、炭素数1〜40の有機基であり、より好ましくは、炭素数3〜20の有機基であり、下記式(XI)で表される有機基であることが最も好ましい。
Rの有機基としては、炭素原子を1つ以上有していればよく、好ましくは、一般式(Xa)に示すエステル結合における酸素原子と結合する原子が炭素原子であり、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ラクトン構造を有する基が挙げられ、鎖中に、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を有していてもよい。また、これらを相互に置換基として有していてもよく、水酸基、アシル基、アシルオキシ基、オキシ基(=O)、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよい。
Figure 0005433251
式(XI)中、Rcは、環状エーテル、環状チオエーテル、環状ケトン、環状炭酸エステル、ラクトン、ラクタム構造を含んでも良い炭素数3〜30の単環または多環の環状有機基を表す。Yは、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアシル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基を表す。m=0〜6であり、複数Yが存在する場合、互いに同一でも異なっても良い。n=0〜10である。
式(XI)で表されるR基を構成する炭素原子の総数は好ましくは40以下である。
n=0〜3であり、Rcが7〜16の単環または多環の環状有機基であることが好ましい。
Figure 0005433251
一般式(Xb)中、Rは、水素原子又は多環式骨格を有さない有機基を表し、好ましくは、水素原子または多環式骨格を有さない炭素数1〜40の有機基であり、より好ましくは、水素原子または多環式骨格を有さない炭素数3〜20の有機基である。またRは互いに異なっていてもよく、互いに結合し環を形成していてもよい。Rの有機基としては、炭素原子を1つ以上有していればよく、好ましくは、一般式(Xb)に示すアミド結合における窒素原子と結合する原子が炭素原子であり、例えば、多環式骨格を有さないアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ラクトン構造を有する基が挙げられ、鎖中に、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を有していてもよい。また、これらを相互に置換基として有していてもよく、水酸基、アシル基、アシルオキシ基、オキシ基(=O)、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよい。
一般式(Xa)および、一般式(Xb)で表される非求核性アニオン部位の分子量は、一般的には300〜1000であり、400〜800が好ましく、500〜700がさらに好ましい。
201、R202及びR203としての有機基としては、例えば、後述する化合物(ZI−1)、(ZI−2)、(ZI−3)における対応する基を挙げることができる。
尚、一般式(ZI)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくとも1つが、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくとも一つと結合した構造を有する化合物であってもよい。
更に好ましい(ZI)成分として、以下に説明する化合物(ZI−1)、(ZI−2)、及び(ZI−3)を挙げることができる。
化合物(ZI−1)は、上記一般式(ZI)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニウム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基又はシクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。アリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基としては、例えば、ピロール残基(ピロールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、フラン残基(フランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、チオフェン残基(チオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)、インドール残基(インドールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾフラン残基(ベンゾフランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾチオフェン残基(ベンゾチオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)等を挙げることができる。アリールスルホニウム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐アルキル基及び炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、化合物(ZI−2)について説明する。
化合物(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖又は分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくは2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは、2−オキソシクロアルキル基を挙げることができる。
2−オキソアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
2−オキソシクロアルキル基は、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
化合物(ZI−3)とは、以下の一般式(ZI−3)で表される化合物であり、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
Figure 0005433251
一般式(ZI−3)に於いて、
1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
x及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
Zc-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるZ-と同様の非求核性アニオンを挙げることができる。
1c〜R7cとしてのアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができ、シクロアルキル基としては、例えば炭素数3〜8個のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくは、R1c〜R5cの内のいずれかが直鎖又は分岐アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐もしくは環状アルコキシ基であり、更に好ましくは、R1c〜R5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
x及びRyとしてのアルキル基及びシクロアルキル基は、R1c〜R7cおけると同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができ、2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
2−オキソアルキル基及び2−オキソシクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基及びシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cおけると同様のアルコキシ基を挙げることができる。
x及びRyは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基又はシクロアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基又はシクロアルキル基である。
一般式(ZII)、(ZIII)中、
204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。R204〜R207のアリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基としては、例えば、ピロール残基(ピロールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、フラン残基(フランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、チオフェン残基(チオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)、インドール残基(インドールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾフラン残基(ベンゾフランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾチオフェン残基(ベンゾチオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)等を挙げることができる。
204〜R207におけるアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。R204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるZ-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
酸発生剤として、更に、下記一般式(ZIV)、(ZV)、(ZVI)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0005433251
一般式(ZIV)〜(ZVI)中、
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。R208、R209及びR210は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
酸発生剤の内でより好ましくは、一般式(ZI)〜(ZIII)で表される化合物である。
また、酸発生剤として、スルホン酸基又はイミド基を1つ有する酸を発生する化合物が好ましく、さらに好ましくは1価のパーフルオロアルカンスルホン酸を発生する化合物、または1価のフッ素原子またはフッ素原子を含有する基で置換された芳香族スルホン酸を発生する化合物、または1価のフッ素原子またはフッ素原子を含有する基で置換されたイミド酸を発生する化合物であり、更により好ましくは、フッ化置換アルカンスルホン酸、フッ素置換ベンゼンスルホン酸、フッ素置換イミド酸又はフッ素置換メチド酸のスルホニウム塩である。使用可能な酸発生剤は、発生した酸のpKaがpKa=−1以下のフッ化置換アルカンスルホン酸、フッ化置換ベンゼンスルホン酸、フッ化置換イミド酸であることが特に好ましく、感度が向上する。
酸発生剤の中で、特に好ましい例を以下に挙げる。
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
〔2〕酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂((B)成分)
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂(B)を含有する。
酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂(酸分解性樹脂)は、樹脂の主鎖又は側鎖、あるいは、主鎖及び側鎖の両方に、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基(以下、「酸分解性基」ともいう)を有する。
樹脂(B)は好ましくはアルカリ現像液に不溶又は難溶性である。
酸分解性基は、アルカリ可溶性基を酸の作用により分解し脱離する基で保護された構造を有することが好ましい。
アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
好ましいアルカリ可溶性基としては、カルボキシル基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホン酸基が挙げられる。
酸分解性基として好ましい基は、これらのアルカリ可溶性基の水素原子を酸で脱離する基で置換した基である。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01〜R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
酸分解性基としては好ましくは、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、第3級のアルキルエステル基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基である。
樹脂(B)が含有し得る、酸分解性基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AI)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 0005433251
一般式(AI)に於いて、
Xa1は、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又は−CH2−R9で表わされる基を表す。R9は、1価の有機基を表し、例えば、炭素数5以下のアルキル基、アシル基、ヒドロキシ基が挙げられ、好ましくは炭素数3以下のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基である。Xa1は好ましくは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Rx1〜Rx3は、それぞれ独立に、アルキル基(直鎖若しくは分岐)又はシクロアルキル基(単環若しくは多環)を表す。
Rx1〜Rx3の少なくとも2つが結合して、シクロアルキル基(単環若しくは多環)を形成してもよい。
Tの2価の連結基としては、アルキレン基、−COO−Rt−基、−O−Rt−基等が挙げられる。式中、Rtは、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
Tは、単結合又は−COO−Rt−基が好ましい。Rtは、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、−CH2−基、−(CH23−基がより好ましい。
Rx1〜Rx3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
Rx1〜Rx3のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx1〜Rx3の少なくとも2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx1がメチル基またはエチル基であり、Rx2とRx3とが結合して上述のシクロアルキル基を形成している様態が好ましい。
上記各基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基(炭素数1〜4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1〜4)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜6)などが挙げられ、炭素数8以下が好ましい。
酸分解性基を有する繰り返し単位の合計としての含有率は、樹脂中の全繰り返し単位に対し、20〜70mol%が好ましく、より好ましくは30〜50mol%である。
好ましい酸分解性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、Rx、Xa1は、水素原子、CH、CF、又はCHOHを表す。Rxa、Rxbはそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を表す。Zは、極性基を含む置換基を表し、複数存在する場合は各々独立である。pは0または正の整数を表す。
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
樹脂(B)は、一般式(AI)で表される繰り返し単位として、一般式(AI−1)で表される繰り返し単位及び一般式(AI−2)で表される繰り返し単位の少なくともいずれかを有する樹脂であることがより好ましい。
Figure 0005433251
式(AI−1)および(AI−2)中、
1、R3は、一般式(AI)におけるXa1と同義であり、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又は−CH2−R9(R9は1価の有機基を示す。)で表わされる基を表す。
2は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
4、R5、R6は、各々独立して、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rは、各々独立して、炭素原子とともに脂環構造を形成するのに必要な原子団を表す。
1は、好ましくは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
2におけるアルキル基は、直鎖型でも分岐型でもよく、置換基を有していてもよい。
2におけるシクロアルキル基は、単環でも多環でもよく、置換基を有していてもよい。
2におけるアリール基は、単環でも多環でもよく、例えばフェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられ、置換基を有していてもよい。
2は好ましくはアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは1〜5のものであり、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基が挙げられる。
Rは、各々独立して、炭素原子とともに脂環構造を形成するのに必要な原子団を表す。Rが形成する脂環構造としては、好ましくは、単環又は多環の脂環構造であり、単環の場合は炭素数3〜7が好ましく、炭素数5又は6がより好ましい。多環の場合は炭素数7〜17が好ましく、炭素数7〜13がより好ましい。
3は好ましくは水素原子またはメチル基であり、より好ましくはメチル基である。
4、R5、R6におけるアルキル基は、直鎖型でも分岐型でもよく、置換基を有していてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
4、R5、R6におけるシクロアルキル基は、単環でも多環でもよく、置換基を有していてもよい。シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
一般式(AI−1)で表される繰り返し単位が、以下の一般式(AI−3)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
Figure 0005433251
式中、R11は水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基を示す。R12は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又は炭素数6〜20の置換されていてもよいアリール基を示す。R13〜R18、R21及びR22はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15のヘテロ原子を含んでもよい1価の炭化水素基を示し、R19、R20は水素原子を示す。あるいは、R13とR14、R15とR17、又はR16とR18は互いに環を形成していてもよく、その場合には炭素数1〜15のヘテロ原子を含んでもよい2価の炭化水素基を示す。またR15とR17は隣接する炭素に結合するもの同士で何も介さずに結合し、二重結合を形成してもよい。
以下に(AI−3)で表されるユニットの具体例を示すがこれに限定されるものではない。
Figure 0005433251
(R11,R12は上記と同様の置換基を表す。)
樹脂(B)が酸分解繰り返し単位を併用する場合の、好ましい組み合わせとしては、以下に挙げるものが好ましい。
Figure 0005433251
Figure 0005433251
樹脂(B)は、下記一般式(5)で表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。
Figure 0005433251
式(5)中、
Aは、エステル結合(−COO−で表わされる基)またはアミド結合(−CONH−で表わされる基)を表す。
は、複数個ある場合にはそれぞれ独立にアルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表す。
Zは、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、又はウレア結合を表し、エーテル結合またはエステル結合であることが好ましい。
8は、ラクトン構造を有する1価の有機基を表す。
nは、式(5)で表わされる繰り返し単位内における−R−Z−で表わされる構造の繰り返し数であり、0〜5の整数を表す。nは1であることが好ましい。
は、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
のアルキレン基、シクロアルキレン基は置換基を有してよい。
Zは好ましくは、エーテル結合、エステル結合であり、特に好ましくはエステル結合である。
のアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。Rにおけるアルキル基は置換されていてもよく、置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子やメルカプト基、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、ベンジルオキシ基等のアルコキシ基、アセチル基、プロピオニル基等のアセトキシ基が挙げられる。Rは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基が好ましい。
における好ましい鎖状アルキレン基としては炭素数が1〜10の鎖状のアルキレンが好ましく、より好ましくは炭素数1〜5であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。好ましい環状アルキレンとしては、炭素数1〜20の環状アルキレンであり、例えば、シクロヘキシレン、シクロペンチレン、ノルボルニレン、アダマンチレン等が挙げられる。本発明の効果を発現するためには鎖状アルキレン基がより好ましいく、メチレン基であることが更に好ましい。
8で表されるラクトン構造を有する置換基は、ラクトン構造を有していれば限定されるものではなく、具体例として後述する一般式(LC1−1)〜(LC1−16)で表されるラクトン構造が挙げられ、これらのうち(LC1−4)で表わされる構造が特に好ましい。また、(LC1−1)〜(LC1−16)におけるn2は2以下のものがより好ましい。
また、R8はシアノ基を置換基として有するラクトン構造(シアノラクトン)を有する1価の有機基がより好ましい。
以下に一般式(5)で表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
下記具体例中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基またはハロゲン原子を表し、好ましくは、水素原子、メチル基、置換基を有するアルキル基であるヒドロキシメチル基、アセトキシメチル基を表す。
Figure 0005433251
ラクトン構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(5−1)で表される繰り返し単位がより好ましい。
Figure 0005433251
一般式(5−1)に於いて、
、A、R、Z、及びnは、上記一般式(5)と同義である。
10は、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アシルオキシ基、−CO2、シアノ基、水酸基又はアルコキシ基を表し、複数個ある場合には2つのR10が結合し、環を形成していてもよい。Rは水素原子、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基、またはシクロアルキル基を示す。
Xは、アルキレン基、酸素原子または硫黄原子を表す。
mは、置換基数であって、0〜5の整数を表す。mは0〜1であることが好ましい。
10のアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、がより好ましく、メチル基が最も好ましい。シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基を挙げることができる。アシルオキシ基としては、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、バレリルオキシ、ピバロイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、オクタノイルオキシ、デカノイルオキシ、ラウロイルオキシ、ミリストイルオキシ、パルミトイルオキシ、ステアロイルオキシ、トリフルオロアセトキシ、ペンタフルオロプロピオニルオキシ、ヘプタフルオロブチリルオキシ等が挙げられる。−CO2としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n- ブトキシ、イソブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、n-ヘプチルオキシ、n-オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ヘキサフルオロイソプロピルオキシ基等が挙げられる。R10としてのこれらの基は置換基を有していてもよく、該置換基としてはヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、シアノ基、フッ素原子などのハロゲン原子を挙げることができる。R10としては、−COが好ましく、特にメトキシカルボニル基であることが好ましい。
また、R10のうち少なくとも1つはラクトンのカルボニル基のα位またはβ位にあることが好ましく、特にα位にあることが好ましい。
Xのアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基等が挙げられる。
Xはメチレン基又は酸素原子であることが好ましい。
一般式(5−1)で表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
一般式(5)で表わされる繰り返し単位の含有率は、複数種類含有する場合は合計して樹脂中の全繰り返し単位に対し、15〜60mol%が好ましく、より好ましくは20〜60mol%、更に好ましくは30〜50mol%である。
樹脂(B)は、一般式(5)で表わされる単位以外にも、ラクトン基を有する繰り返し単位を含有していてもよい。
ラクトン基としては、ラクトン構造を有していればいずれでも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。下記一般式(LC1−1)〜(LC1−16)のいずれかで表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。また、ラクトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)であり、特定のラクトン構造を用いることでLWR、現像欠陥が良好になる。
Figure 0005433251
ラクトン構造部分は、置換基(Rb2)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb2)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基などが挙げられる。より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、酸分解性基である。nは、0〜4の整数を表す。nが2以上の時、複数存在する置換基(Rb2)は、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在する置換基(Rb2)同士が結合して環を形成してもよい。
一般式(5)で表わされる単位以外のラクトン構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AII’)で表される繰り返し単位も好ましい。
Figure 0005433251
一般式(AII’)中、
Rb0は、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基であり、水素原子、メチル基が特に好ましい。
Vは、一般式(LC1−1)〜(LC1−16)の内のいずれかで示される構造を有する基を表す。
一般式(5)で表わされる単位以外のラクトン基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。具体例中、RxはH,CH,CHOH,またはCFを表す。最適なラクトン基を選択することにより、パターンプロファイル、疎密依存性が良好となる。
Figure 0005433251
ラクトン基を有する繰り返し単位は、通常光学異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)が90以上のものが好ましく、より好ましくは95以上である。
一般式(5)で表わされる繰り返し単位以外のラクトンを有する繰り返し単位の含有率は、複数種類含有する場合は合計して樹脂中の全繰り返し単位に対し、15〜60mol%が好ましく、より好ましくは20〜50mol%、更に好ましくは30〜50mol%である。
樹脂(B)は、水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。これにより基板密着性、現像液親和性が向上する。水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位は、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位であることが好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造に於ける、脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルナン基が好ましい。好ましい水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造としては、下記一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造が好ましい。
Figure 0005433251
一般式(VIIa)〜(VIIc)に於いて、
2c〜R4cは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R2c〜R4cの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくは、R2c〜R4cの内の1つ又は2つが、水酸基で、残りが水素原子である。一般式(VIIa)に於いて、更に好ましくは、R2c〜R4cの内の2つが、水酸基で、残りが水素原子である。
一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AIIa)〜(AIId)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 0005433251
一般式(AIIa)〜(AIId)に於いて、
1cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
2c〜R4cは、一般式(VIIa)〜(VIIc)に於ける、R2c〜R4cと同義である。
水酸基又はシアノ基 を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(B)中の全繰り返し単位に対し、5〜40mol%が好ましく、より好ましくは5〜30mol%、更に好ましくは10〜25mol%である。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 0005433251
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物に用いられる樹脂は、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を有してもよい。アルカリ可溶性基としてはカルボキシル基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、ビスルスルホニルイミド基、α位が電子求引性基で置換された脂肪族アルコール(例えばヘキサフロロイソプロパノール基)が挙げられ、カルボキシル基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を含有することによりコンタクトホール用途での解像性が増す。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、さらにはアルカリ可溶性基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましく、連結基は単環または多環の環状炭化水素構造を有していてもよい。特に好ましくはアクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位である。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の好ましい一形態として、下記一般式(6)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 0005433251
一般式(6)において、R13はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。nは1又は2を示す。n=1の場合、Xは単結合、−O−、−C(=O)−O−R14−又は−C(=O)−NH−R14−であり、R14は単結合、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基、又はシクロアルキレン基であり、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。n=2の場合、X
Figure 0005433251
であり、R14aは、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状アルキレン基、又はシクロアルキレン基から水素原子が1個脱離した基であり、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。R11は単結合、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキレン基、又はシクロアルキレン基であり、R12は水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基、又はR11と結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜10の環(但し、芳香環は除く)を形成してもよく、環の中にエーテル基、又はフッ素で置換されたアルキレン基を有していてもよい。
14、R14a、R11におけるアルキレンとしては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。シクロアルキレンとしては、好ましくは炭素数1〜20の環状アルキレンであり、例えば、シクロヘキシレン、シクロペンチレン、ノルボルニレン、アダマンチレン等が挙げられる。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(B)中の全繰り返し単位に対し、0〜20mol%が好ましく、より好ましくは3〜15mol%、更に好ましくは5〜10mol%である。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
本発明の樹脂(B)は、更に極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を有することができる。このような繰り返し単位としては、一般式(7)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 0005433251
一般式(7)中、Rは少なくとも一つの環状構造を有し、水酸基及びシアノ基のいずれも有さない炭化水素基を表す。
Raは水素原子、アルキル基又は−CH2−O−Ra2基を表す。式中、Ra2は、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Raは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
が有する環状構造には、単環式炭化水素基及び多環式炭化水素基が含まれる。単環式炭化水素基としては、たとえば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基などの炭素数3から12のシクロアルキル基、シクロへキセニル基など炭素数3から12のシクロアルケニル基が挙げられる。好ましい単環式炭化水素基としては、炭素数3から7の単環式炭化水素基であり、より好ましくは、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
多環式炭化水素基には環集合炭化水素基、架橋環式炭化水素基が含まれ、環集合炭化水素基の例としては、ビシクロヘキシル基、パーヒドロナフタレニル基などが含まれる。架橋環式炭化水素環として、例えば、ピナン、ボルナン、ノルピナン、ノルボルナン、ビシクロオクタン環(ビシクロ[2.2.2]オクタン環、ビシクロ[3.2.1]オクタン環等)などの2環式炭化水素環及び、ホモブレダン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[4.3.1.12,5]ウンデカン環などの3環式炭化水素環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、パーヒドロ−1,4−メタノ−5,8−メタノナフタレン環などの4環式炭化水素環などが挙げられる。また、架橋環式炭化水素環には、縮合環式炭化水素環、例えば、パーヒドロナフタレン(デカリン)、パーヒドロアントラセン、パーヒドロフェナントレン、パーヒドロアセナフテン、パーヒドロフルオレン、パーヒドロインデン、パーヒドロフェナレン環などの5〜8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環も含まれる。
好ましい架橋環式炭化水素環として、ノルボルニル基、アダマンチル基、ビシクロオクタニル基、トリシクロ[5、2、1、02,6]デカニル基、などが挙げられる。より好ましい架橋環式炭化水素環としてノルボニル基、アダマンチル基が挙げられる。
これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していても良く、好ましい置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護されたヒドロキシル基、保護基で保護されたアミノ基などが挙げられる。好ましいハロゲン原子としては臭素、塩素、フッ素原子、好ましいアルキル基としてはメチル、エチル、ブチル、t−ブチル基が挙げられる。上記のアルキル基はさらに置換基を有していても良く、更に有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護されたヒドロキシル基、保護基で保護されたアミノ基を挙げることができる。
保護基としては、たとえばアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、置換メチル基、置換エチル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。好ましいアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基、好ましい置換メチル基としてはメトキシメチル、メトキシチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシメチル、2−メトキシエトキシメチル基、好ましい置換エチル基としては、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、好ましいアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6の脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基としては炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の含有率は、樹脂(B)中の全繰り返し単位に対し、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜20モル%である。
極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH、CHOH、又はCFを表す。
Figure 0005433251
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物に用いられる樹脂は、上記の繰り返し構造単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにレジストの一般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を有することができる。
このような繰り返し構造単位としては、下記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これにより、本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物に用いられる樹脂に要求される性能、特に、
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、
等の微調整が可能となる。
このような単量体として、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物に用いられる樹脂(B)において、各繰り返し構造単位の含有モル比はレジストのドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物が、ArF露光用であるとき、ArF光への透明性の点から本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物に用いられる樹脂(B)は芳香族基を有さないことが好ましい。
また、本発明の樹脂(B)は、疎水性樹脂(C)との相溶性の観点から、フッ素原子及び珪素原子を含有しないことが好ましい。
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物に用いられる樹脂(B)として好ましくは、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート系繰り返し単位で構成されたものである。この場合、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがアクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位とアクリレート系繰り返し単位とによるもののいずれのものでも用いることができるが、アクリレート系繰り返し単位が全繰り返し単位の50mol%以下であることが好ましい。より好ましくは、酸分解性基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位20〜50モル%、ラクトン基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位20〜50モル%、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位5〜30モル%、更にその他の(メタ)アクリレート系繰り返し単位を0〜20モル%含む共重合ポリマーである。
本発明の樹脂(B)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種および開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのような本発明の組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
本発明の樹脂(B)の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、より好ましくは2,000〜20,000、更により好ましくは3,000〜15,000、特に好ましくは3,000〜10,000である。重量平均分子量を、1,000〜200,000とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、且つ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防ぐことができる。
分散度(分子量分布)は、通常1〜3であり、好ましくは1〜2.6、更に好ましくは1〜2、特に好ましくは1.4〜2.0の範囲のものが使用される。分子量分布の小さいものほど、解像度、レジスト形状が優れ、且つレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物の樹脂の組成物全体中の配合量は、全固形分中50〜99.9質量%が好ましく、より好ましくは60〜99.0質量%である。
また、本発明の樹脂(B)は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
〔3〕疎水性樹脂((C)成分)
感活性光線性または感放射線性樹脂組成物からなる膜を、液浸媒体を介して露光する場合には、必要に応じてさらに疎水性樹脂(C)を添加することができる。これにより、感活性光線性または感放射線性樹脂組成物膜表層に疎水性樹脂(C)が偏在化し、液浸媒体が水の場合、膜とした際の水に対する膜表面の後退接触角を向上させ、液浸水追随性を向上させることができる。疎水性樹脂(C)としては、表面の後退接触角が添加することにより向上する樹脂であれば何でもよいが、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する樹脂であることが好ましい。感活性光線性または感放射線性樹脂組成物膜の後退接触角は60°〜90°が好ましく、更に好ましくは70°以上である。添加量は、膜の後退接触角が前記範囲になるよう適宜調整して使用できるが、感活性光線性または感放射線性樹脂組成物の全固形分を基準として、0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。疎水性樹脂(C)は前述のように界面に遍在するものであるが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくても良い。
後退接触角とは、液滴-基板界面での接触線が後退する際に測定される接触角であり、動的な状態での液滴の移動しやすさをシミュレートする際に有用であることが一般に知られている。簡易的には、針先端から吐出した液滴を基板上に着滴させた後、その液滴を再び針へと吸い込んだときの、液滴の界面が後退するときの接触角として定義でき、一般に拡張収縮法と呼ばれる接触角の測定方法を用いて測定することができる。
液浸露光工程に於いては、露光ヘッドが高速でウェハ上をスキャンし露光パターンを形成していく動きに追随して、液浸液がウェハ上を動く必要があるので、動的な状態に於ける膜に対する液浸液の接触角が重要になり、液滴が残存することなく、露光ヘッドの高速なスキャンに追随する性能がレジストには求められる。
疎水性樹脂(C)に於けるフッ素原子又は珪素原子は、樹脂の主鎖中に有していても、側鎖に置換していてもよい。
疎水性樹脂(C)は、フッ素原子を有する部分構造として、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、または、フッ素原子を有するアリール基を有する樹脂であることが好ましい。
フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環または多環のシクロアルキル基であり、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、さらに他の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、または、フッ素原子を有するアリール基として、好ましくは、下記一般式(F2)〜(F4)で表される基を挙げることができるが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 0005433251
一般式(F2)〜(F4)中、
57〜R68は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R57〜R61、R62〜R64およびR65〜R68の内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。R57〜R61及びR65〜R67は、全てがフッ素原子であることが好ましい。R62、R63及びR68は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)が好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることがさらに好ましい。R62とR63は、互いに連結して環を形成してもよい。
一般式(F2)で表される基の具体例としては、例えば、p−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニル基等が挙げられる。
一般式(F3)で表される基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロブチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、ノナフルオロブチル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロヘキシル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロ(トリメチル)ヘキシル基、2,2,3,3-テトラフルオロシクロブチル基、パーフルオロシクロヘキシル基などが挙げられる。ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基が好ましく、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基が更に好ましい。
一般式(F4)で表される基の具体例としては、例えば、−C(CF32OH、−C(C252OH、−C(CF3)(CH3)OH、−CH(CF3)OH等が挙げられ、−C(CF32OHが好ましい。
以下、フッ素原子を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、X1は、水素原子、−CH3、−F又は−CF3を表す。
2は、−F又は−CF3を表す。
Figure 0005433251
疎水性樹脂(C)は、珪素原子を有する部分構造として、アルキルシリル構造(好ましくはトリアルキルシリル基)、または環状シロキサン構造を有する樹脂であることが好ましい。
アルキルシリル構造、または環状シロキサン構造としては、具体的には、下記一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基などが挙げられる。
Figure 0005433251
一般式(CS−1)〜(CS−3)に於いて、
12〜R26は、各々独立に、直鎖もしくは分岐アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)またはシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)を表す。
3〜L5は、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、フェニレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、またはウレイレン基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを挙げられる。
nは、1〜5の整数を表す。
以下、一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基を有する繰り返し単位の具体例を挙げるが、本発明は、これに限定されるものではない。なお、具体例中、X1は、水素原子、−CH3、−F又は−CF3を表す。
Figure 0005433251
更に、疎水性樹脂(C)は、塩基存在下において水に対する親和性が向上する基を有していてもよい。塩基存在下において水に対する親和性が向上する基とは、特に制限は無いが、
(x)活性プロトンを有する基、
(y)アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基
である。
(x)活性プロトンを有する基としては、pKaが15以下である基を有するものが好ましい。活性プロトンを有する基としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、α位が電子求引性基で置換された脂肪族アルコール(例えばヘキサフロロイソプロパノール基)、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
(x)活性プロトンを有する基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位などが挙げられ、さらにはアルカリ可溶性基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入することもでき、いずれの場合も好ましい。
(y)アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基とは例えば、活性カルボン酸エステル基、ラクトン構造を有する基、酸無水物基、酸イミド基などが挙げられ(ここで活性カルボン酸エステル基とはpKa13以下のアルコール等から得られるエステル、例えばフェノール、チオールα位が電子求引性基で置換された脂肪族アルコール(例えばヘキサフロロイソプロパノール基)等のエステルを表す。)好ましくはラクトン構造を有する基である。
アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルによる繰り返し単位のように、樹脂の主鎖にアルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)が結合している繰り返し単位、あるいはアルカリ現像液中での溶解度が増大する基(y)を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましい。
更に、疎水性樹脂(C)は、塩基存在下において水に対する親和性が向上する基を有する繰り返し単位として、下記一般式(2)〜(4)で表される構造の少なくとも1種を含有することが好ましい。
Figure 0005433251
一般式(2)〜(4)において、R1は各々独立に、水素原子、フッ素原子、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。R2は水素原子、−R−COH又は−R−OHを示す。Rはフッ素を含んでもよい2価の有機基を示す。Rはメチレン基、酸素原子または硫黄原子を示す。Rは水素原子、直鎖状又は分岐状のアルキル基又は−CO2を示す。Rは水素原子、直鎖状又は分岐状のアルキル基、シアノ基、又は−CO2である。Rは水素原子、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基、またはシクロアルキル基を示す。R8a、R8bは各々独立に、単結合、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基、又はシクロアルキレン基を示す。上記置換基は、更に置換基を有していてもよい。
以下に塩基存在下において水に対する親和性が向上する基を有する繰り返し単位の具体例を示す。
Figure 0005433251
Figure 0005433251
式中、R1bは水素原子、フッ素原子、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。アルキル基は置換基としてフッ素原子、又はヒドロキシ基を有していてもよい。R7は水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基、又はシクロアルキル基を示す。Rとしてのアルキル基、シクロアルキル基は、それぞれ置換基としてフッ素原子を有していてもよい。
さらに、塩基存在下において水に対する親和性が向上する基を有する繰り返し単位を提供するモノマーの具体例を示す。具体例中、Yは水素原子を表し、Rは水素原子またはメチル基を表す。
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
Figure 0005433251
塩基存在下において水に対する親和性が向上する基を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜50mol%が好ましく、より好ましくは3〜35mol%、更に好ましくは5〜20mol%である。
疎水性樹脂(C)は、さらに(z)酸の作用により分解する基を有していてもよい。
疎水性樹脂(C)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位は、(B)成分の樹脂で挙げた酸分解性基を有する繰り返し単位と同様のものに加え、下記具体例が挙げられる。
Figure 0005433251
疎水性樹脂(C)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位の含有量は、ポリマー中の全繰り返し単位に対し、1〜80mol%が好ましく、より好ましくは10〜80mol%、更に好ましくは20〜60mol%である。
疎水性樹脂(C)は、更に、下記一般式(III)で表される繰り返し単位を有していてもよい。
Figure 0005433251
一般式(III)に於いて、
4は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基を有する基を表す。
6は、単結合又は2価の連結基を表す。
一般式(III)に於ける、R4のアルキル基は、炭素数3〜20の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましい。
シクロアルキル基は、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましい。
アルケニル基は、炭素数3〜20のアルケニル基が好ましい。
シクロアルケニル基は、炭素数3〜20のシクロアルケニル基が好ましい。
6の2価の連結基は、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜5)、オキシ基が好ましい。
疎水性樹脂(C)がフッ素原子を有する場合、フッ素原子の含有量は、疎水性樹脂(C)の分子量に対し、5〜80質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。また、フッ素原子を含む繰り返し単位が、疎水性樹脂(C)中10〜100質量%であることが好ましく、30〜100質量%であることがより好ましい。
疎水性樹脂(C)が珪素原子を有する場合、珪素原子の含有量は、疎水性樹脂(C)の分子量に対し、2〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。また、珪素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(C)中10〜100質量%であることが好ましく、20〜100質量%であることがより好ましい。
疎水性樹脂(C)の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000で、より好ましくは1,000〜50,000、更により好ましくは2,000〜15,000である。
疎水性樹脂(C)は、(B)成分の樹脂同様、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、残留単量体やオリゴマー成分が0〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0〜5質量%、0〜1質量%が更により好ましい。それにより、液中異物や感度等の経時変化のない感活性光線性または感放射線性樹脂組成物が得られる。また、解像度、パターン形状、レジストパターンの側壁、ラフネスなどの点から、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、1〜5の範囲が好ましく、より好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2の範囲である。
疎水性樹脂(C)は、各種市販品を利用することもできるし、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種および開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのような感活性光線性または感放射線性樹脂組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは感活性光線性または感放射線性樹脂組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは30〜50質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
反応終了後、室温まで放冷し、精製する。精製は、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法や、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈澱法やろ別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等の通常の方法を適用できる。たとえば、上記樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒(貧溶媒)を、該反応溶液の10倍以下の体積量、好ましくは10〜5倍の体積量で、接触させることにより樹脂を固体として析出させる。
ポリマー溶液からの沈殿又は再沈殿操作の際に用いる溶媒(沈殿又は再沈殿溶媒)としては、該ポリマーの貧溶媒であればよく、ポリマーの種類に応じて、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトロ化合物、エーテル、ケトン、エステル、カーボネート、アルコール、カルボン酸、水、これらの溶媒を含む混合溶媒等の中から適宜選択して使用できる。これらの中でも、沈殿又は再沈殿溶媒として、少なくともアルコール(特に、メタノールなど)または水を含む溶媒が好ましい。
沈殿又は再沈殿溶媒の使用量は、効率や収率等を考慮して適宜選択できるが、一般には、ポリマー溶液100質量部に対して、100〜10000質量部、好ましくは200〜2000質量部、さらに好ましくは300〜1000質量部である。
沈殿又は再沈殿する際の温度としては、効率や操作性を考慮して適宜選択できるが、通常0〜50℃程度、好ましくは室温付近(例えば20〜35℃程度)である。沈殿又は再沈殿操作は、攪拌槽などの慣用の混合容器を用い、バッチ式、連続式等の公知の方法により行うことができる。
沈殿又は再沈殿したポリマーは、通常、濾過、遠心分離等の慣用の固液分離に付し、乾燥して使用に供される。濾過は、耐溶剤性の濾材を用い、好ましくは加圧下で行われる。乾燥は、常圧又は減圧下(好ましくは減圧下)、30〜100℃程度、好ましくは30〜50℃程度の温度で行われる。
尚、一度、樹脂を析出させて、分離した後に、再び溶媒に溶解させ、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒と接触させてもよい。即ち、上記ラジカル重合反応終了後、該ポリマーが難溶あるいは不溶の溶媒を接触させ、樹脂を析出させ(工程a)、樹脂を溶液から分離し(工程b)、改めて溶媒に溶解させ樹脂溶液Aを調製(工程c)、その後、該樹脂溶液Aに、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒を、樹脂溶液Aの10倍未満の体積量(好ましくは5倍以下の体積量)で、接触させることにより樹脂固体を析出させ(工程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)ことを含む方法でもよい。
以下に疎水性樹脂(C)の具体例を示す。また、下記表1に、各樹脂における繰り返し単位のモル比(各繰り返し単位と左から順に対応)、重量平均分子量、分散度を示す。
Figure 0005433251
Figure 0005433251
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〔5〕塩基性化合物((D)成分)
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、塩基性化合物を含有することが好ましい。塩基性化合物としては特に限定はされないが、分子内に酸素原子を有する塩基性化合物が好ましく、特に以下の一般式(B)−1で表される化合物が好ましい。
Figure 0005433251
上記式中、n=1、2又は3である。複数存在する場合の側鎖Xは同一でも異なっていてもよく、X同士が結合して環を形成してもよい。Xは、下記一般式(X)−1〜(X)−3で表すことができる。複数存在する場合の側鎖Yは同一でも異なっていてもよく、水素原子、又は直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜20のアルキル基を示し、エーテル基もしくはヒドロキシル基を含んでもよい。
Figure 0005433251
式(X)−1〜(X)−3中、R300、R302、R305は各々独立に、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R301、R304は各々独立に、水素原子、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、ラクトン環、フッ素原子を1あるいは複数含んでいてもよい。R303は単結合、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R306は炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、ラクトン環、フッ素原子を1あるいは複数含んでいてもよい。
上記一般式(B)−1で表される化合物として具体的には、トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン、4,7,13,18−テトラオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.5.5]エイコサン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザビシクロオクタデカン、1−アザ−12−クラウン−4、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6、トリス(2−ホルミルオキシエチル)アミン、トリス(2−アセトキシエチル)アミン、トリス(2−プロピオニルオキシエチル)アミン、トリス(2−ブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−イソブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−バレリルオキシエチル)アミン、トリス(2−ピバロイルオキシエチル)アミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(アセトキシアセトキシ)エチルアミン、トリス(2−メトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス(2−tert−ブトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス[2−(2−オキソプロポキシ)エチル]アミン、トリス[2−(メトキシカルボニルメチル)オキシエチル]アミン、トリス[2−(tert−ブトキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス[2−(シクロヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス(2−メトキシカルボニルエチル)アミン、トリス(2−エトキシカルボニルエチル)アミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−ヒドロキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−アセトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(4−ヒドロキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(4−ホルミルオキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(2−ホルミルオキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−メトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチル]アミン、N−メチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−エチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−メチルビス(2−ピバロイルオキシエチル)アミン、N−エチルビス[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、N−エチルビス[2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、トリス(メトキシカルボニルメチル)アミン、トリス(エトキシカルボニルメチル)アミン、N−ブチルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、N−ヘキシルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、β−(ジエチルアミノ)−δ−バレロラクトンが例示される。
Figure 0005433251
Figure 0005433251
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Figure 0005433251
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Figure 0005433251
Figure 0005433251
更に、塩気性化合物として下記一般式(B)−2に示される環状構造を持つ含窒素有機化合物が例示される。
Figure 0005433251
上記式中、Xは前記一般式(B)−1におけるXと同義であり、R307は炭素数2〜20の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、カルボニル基、エーテル基、エステル基、又はスルフィド基を1個あるいは複数個含んでいてもよい。
上記一般式(B)−2として具体的には、1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ピロリジン、1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ピペリジン、4−[2−(メトキシメトキシ)エチル]モルホリン、1−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]ピロリジン、1−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]ピペリジン、4−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]モルホリン、酢酸2−(1−ピロリジニル)エチル、酢酸2−ピペリジノエチル、酢酸2−モルホリノエチル、ギ酸2−(1−ピロリジニル)エチル、プロピオン酸2−ピペリジノエチル、アセトキシ酢酸2−モルホリノエチル、メトキシ酢酸2−(1−ピロリジニル)エチル、4−[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]モルホリン、1−[2−(t−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]ピペリジン、4−[2−(2−メトキシエトキシカルボニルオキシ)エチル]モルホリン、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸メチル、3−ピペリジノプロピオン酸メチル、3−モルホリノプロピオン酸メチル、3−(チオモルホリノ)プロピオン酸メチル、2−メチル−3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸メチル、3−モルホリノプロピオン酸エチル、3−ピペリジノプロピオン酸メトキシカルボニルメチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−ヒドロキシエチル、3−モルホリノプロピオン酸2−アセトキシエチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、3−モルホリノプロピオン酸テトラヒドロフルフリル、3−ピペリジノプロピオン酸グリシジル、3−モルホリノプロピオン酸2−メトキシエチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、3−モルホリノプロピオン酸ブチル、3−ピペリジノプロピオン酸シクロヘキシル、α−(1−ピロリジニル)メチル−γ−ブチロラクトン、β−ピペリジノ−γ−ブチロラクトン、β−モルホリノ−δ−バレロラクトン、1−ピロリジニル酢酸メチル、ピペリジノ酢酸メチル、モルホリノ酢酸メチル、チオモルホリノ酢酸メチル、1−ピロリジニル酢酸エチル、モルホリノ酢酸2−メトキシエチル、2−メトキシ酢酸2−モルホリノエチル、2−(2−メトキシエトキシ)酢酸2−モルホリノエチル、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸2−モルホリノエチル、ヘキサン酸2−モルホリノエチル、オクタン酸2−モルホリノエチル、デカン酸2−モルホリノエチル、ラウリン酸2−モルホリノエチル、ミリスチン酸2−モルホリノエチル、パルミチン酸2−モルホリノエチル、ステアリン酸2−モルホリノエチルが例示される。
更に、塩下記一般式(B)−3〜(B)−6で表されるシアノ基を含む含窒素有機化合物が例示される。
Figure 0005433251
上記式中、X、R307、nは前記一般式(B)−1及び(B)−2におけるX、R307、nと同義であり、R308、R309は各々独立に、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基である。
上記一般式(B)−3〜(B)−6で表されるシアノ基を含む含窒素有機化合物として具体的には、3−(ジエチルアミノ)プロピオノニトリル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−シアノエチル)−N−エチル−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(3−ホルミルオキシ−1−プロピル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−テトラヒドロフルフリル−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、ジエチルアミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−シアノメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−アセトキシエチル)−N−シアノメチル−3−アミノプロピオン酸メチル、N−シアノメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミノアセトニトリル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(シアノメチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−ホルミルオキシエチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−メトキシエチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−[2−(メトキシメトキシ)エチル]アミノアセトニトリル、N−(シアノメチル)−N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)アミノアセトニトリル、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)−N−(シアノメチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(3−ホルミルオキシ−1−プロピル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(シアノメチル)アミノアセトニトリル、1−ピロリジンプロピオノニトリル、1−ピペリジンプロピオノニトリル、4−モルホリンプロピオノニトリル、1−ピロリジンアセトニトリル、1−ピペリジンアセトニトリル、4−モルホリンアセトニトリル、3−ジエチルアミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、3−ジエチルアミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、1−ピロリジンプロピオン酸シアノメチル、1−ピペリジンプロピオン酸シアノメチル、4−モルホリンプロピオン酸シアノメチル、1−ピロリジンプロピオン酸(2−シアノエチル)、1−ピペリジンプロピオン酸(2−シアノエチル)、4−モルホリンプロピオン酸(2−シアノエチル)が例示される。
更に、下記一般式(B)−7で表されるイミダゾール骨格及び極性官能基を有する含窒素有機化合物が例示される。
Figure 0005433251
上記式中、R310は炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としては水酸基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基、シアノ基、アセタール基のいずれかを1個あるいは複数個含む。R311、R312、R313は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
更に、下記一般式(B)−8で示されるベンズイミダゾール骨格及び極性官能基を有する含窒素有機化合物が例示される。
Figure 0005433251
上記式中、R314は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基である。R315は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としてエステル基、アセタール基、シアノ基のいずれかを一つ以上含み、その他に水酸基、カルボニル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基のいずれかを一つ以上含んでいてもよい。
上記一般式(B)−8で表される化合物として具体的には以下の化合物が挙げられる。
Figure 0005433251
更に、下記一般式(B)−9及び(B)−10で示される極性官能基を有する含窒素複素環化合物が例示される。
Figure 0005433251
上記式中、Aは窒素原子又は≡C−R322である。Bは窒素原子又は≡C−R323である。R316は炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としては水酸基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基、シアノ基又はアセタール基を一つ以上含む。R317、R318、R319、R320は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又はアリール基であるか、又はR317とR318、R319とR320はそれぞれ結合してベンゼン環、ナフタレン環あるいはピリジン環を形成してもよい。R321は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又はアリール基である。R322、R323は各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又はアリール基である。R321とR323は結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成してもよい。
更に、下記一般式(B)−11〜(B)−14で示される芳香族カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物が例示される。
Figure 0005433251
上記式中、R324は炭素数6〜20のアリール基又は炭素数4〜20のヘテロ芳香族基であって、水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアシルオキシ基、又は、炭素数1〜10のアルキルチオ基で置換されていてもよい。R325はCO2326、OR327又はシアノ基である。R326はエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜10のアルキル基である。R327はエーテル結合を含んでていてもよい炭素数1〜10のアルキル基又はアシル基である。R328は単結合、メチレン基、エチレン基、硫黄原子又は−O(CH2CH2O)n−基である。n=0,1,2,3又は4である。R329は水素原子、メチル基、エチル基又はフェニル基である。Xは窒素原子又はCR330である。Yは窒素原子又はCR331である。Zは窒素原子又はCR332である。R330、R331、R332はそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はフェニル基であるか、あるいはR330とR331又はR331とR332が結合して、炭素数6〜20の芳香環又は炭素数2〜20のヘテロ芳香環を形成してもよい。
更に、下記一般式(B)−15で示される7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物が例示される。
Figure 0005433251
上記式中、R333は水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基である。R334及びR335はそれぞれ独立に、エーテル、カルボニル、エステル、アルコール、スルフィド、ニトリル、アミン、イミン、アミドなどの極性官能基を1個又は複数個含んでいてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基であって、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよい。R334とR335は互いに結合して、炭素数2〜20のヘテロ環又はヘテロ芳香環を形成してもよい。
上記一般式(B)−1〜(B)−15で表される塩基性化合物は、その他の塩基性化合物と併用して用いてもよい。併用できる塩基性化合物としては、例えば特開2007−156450号公報の段落0262〜0269に記載の塩基性化合物等が挙げられる。
なお、本発明の組成物に含有され得る全塩基性化合物の配合率は、ベース樹脂(B)100質量部に対して0.001〜2質量部、特に0.01〜1質量部が好適である。配合率が0.001質量部以上であれば十分な配合効果が得られ、2質量部以下であれば感度が低下するおそれが少ない。また、全塩基性化合物中で一般式(B)−1〜(B)−15で表される化合物の割合は、50〜100質量%が好ましく、80〜100質量%がより好ましい。
〔5〕溶剤
前記各成分を溶解させて感活性光線性または感放射線性樹脂組成物を調製する際に使用することができる溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4〜10)、環を含有しても良いモノケトン化合物(好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキル等の有機溶剤を挙げることができる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましく挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルを好ましく挙げられる。
乳酸アルキルエステルとしては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチルを好ましく挙げられる。
アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、例えば、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチルを好ましく挙げられる。
環状ラクトンとしては、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−オクタノイックラクトン、α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが好ましく挙げられる。
環を含有しても良いモノケトン化合物としては、例えば、2−ブタノン、3−メチルブタノン、ピナコロン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−メチル−3−ペンタノン、4,4−ジメチル−2−ペンタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2,2,4,4−テトラメチル−3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、5−メチル−3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−メチル−3−ヘプタノン、5−メチル−3−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、2−ノナノン、3−ノナノン、5−ノナノン、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、5−ヘキセン−2−オン、3−ペンテン−2−オン、シクロペンタノン、2−メチルシクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、2,2−ジメチルシクロペンタノン、2,4,4−トリメチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、4−メチルシクロヘキサノン、4−エチルシクロヘキサノン、2,2−ジメチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、2−メチルシクロヘプタノン、3−メチルシクロヘプタノンが好ましく挙げられる。
アルキレンカーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネートが好ましく挙げられる。
アルコキシ酢酸アルキルとしては、例えば、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、酢酸−3−メトキシ−3−メチルブチル、酢酸−1−メトキシ−2−プロピルが好ましく挙げられる。
ピルビン酸アルキルとしては、例えば、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピルが好ましく挙げられる。
好ましく使用できる溶剤としては、常温常圧下で、沸点130℃以上の溶剤が挙げられる。具体的には、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、乳酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、プロピレンカーボネートが挙げられる。
本発明に於いては、上記溶剤を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明においては、有機溶剤として構造中に水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤を使用してもよい。
水酸基を含有する溶剤としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル等を挙げることができ、これらの内でプロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルが特に好ましい。
水酸基を含有しない溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、これらの内で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが特に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノンが最も好ましい。
水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤であることが好ましい。
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物には、更に界面活性剤を含有することが好ましく、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することがより好ましい。
本発明の組成物が上記界面活性剤を含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0276]に記載の界面活性剤が挙げられ、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431、4430(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)、GF−300、GF−150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS−393(セイミケミカル(株)製)、エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、352、EF801、EF802、EF601((株)ジェムコ製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520(OMNOVA社製)、FTX−204G、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218D、222D((株)ネオス製)等である。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C37基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体等を挙げることができる。
また、本発明では、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0280]に記載の、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。
これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また、いくつかの組み合わせで使用してもよい。
界面活性剤の使用量は、感活性光線性または感放射線性樹脂組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物には、必要に応じ、任意成分として更に、溶解阻止剤、カルボン酸化合物、アセチレンアルコール誘導体などの他の成分を添加してもよい。なお、任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物に添加することができる溶解阻止剤としては、重量平均分子量が100〜1,000、好ましくは150〜800で、かつ分子内にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物の該フェノール性水酸基の水素原子を酸不安定基により全体として平均0〜100モル%の割合で置換した化合物又は分子内にカルボキシ基を有する化合物の該カルボキシ基の水素原子を酸不安定基により全体として平均50〜100モル%の割合で置換した化合物を配合する。
なお、フェノール性水酸基の水素原子の酸不安定基による置換率は、平均でフェノール性水酸基全体の0モル%以上、好ましくは30モル%以上であり、その上限は100モル%、より好ましくは80モル%である。カルボキシ基の水素原子の酸不安定基による置換率は、平均でカルボキシ基全体の50モル%以上、好ましくは70モル%以上であり、その上限は100モル%である。
この場合、かかるフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物又はカルボキシ基を有する化合物としては、下記式(D1)〜(D14)で示されるものが好ましい。
Figure 0005433251
上記式中、R201とR202は、それぞれ水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示し、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基、エチニル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
203は、水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基、あるいは−(R207hCOOH(式中、R207は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。hは0又は1である。)を示し、例えば、R201、R202と同様なもの、あるいは−COOH、−CH2COOHが挙げられる。
204は、−(CH2i−(i=2〜10)、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示し、例えば、エチレン基、フェニレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。
205は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示し、例えば、メチレン基、あるいはR204と同様なものが挙げられる。
206は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、又はそれぞれ水酸基で置換されたフェニル基又はナフチル基を示し、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基、エチニル基、シクロヘキシル基、それぞれ水酸基で置換されたフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
208は、水素原子又は水酸基を示す。
jは0〜5の整数である。u、hは0又は1である。s、t、s’、t’、s’’、t’’はそれぞれs+t=8、s’+t’=5、s’’+t’’=4を満足し、かつ各フェニル骨格中に少なくとも1つの水酸基を有するような数である。αは式(D8)、(D9)の化合物の重量平均分子量を100〜1,000とする数である。
溶解阻止剤の酸不安定基としては、種々用いることができるが、具体的には前記一般式(L1)〜(L4)で示される基、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基の炭素数がそれぞれ1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基等を挙げることができる。なお、それぞれの基の具体例については、先の説明と同様である。
上記溶解阻止剤の配合量は、感活性光線性または感放射線性樹脂組成物中のベース樹脂(B)100質量部に対し、好ましくは0〜50質量部、より好ましくは0〜40質量部、更に好ましくは0〜30質量部であり、単独又は2種以上を混合して使用できる。配合量が50質量部以下であれば、パターンの膜減りが生じて、解像度が低下するおそれが少ない。
なお、上記のような溶解阻止剤は、フェノール性水酸基又はカルボキシ基を有する化合物に対し、有機化学的処方を用いて酸不安定基を導入することにより合成される。
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物に添加することができるカルボン酸化合物としては、例えば下記[I群]及び[II群]から選ばれる1種又は2種以上の化合物を使用することができるが、これらに限定されるものではない。本成分の配合により、レジストのPED(Post Exposure Delay)安定性が向上し、窒化膜基板上でのエッジラフネスが改善されるのである。
[I群]
下記一般式(A1)〜(A10)で示される化合物のフェノール性水酸基の水素原子の一部又は全部を−R401−COOH(R401は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基)により置換してなり、かつ分子中のフェノール性水酸基(C)と≡C−COOHで示される基(D)とのモル比率がD/(C+D)=0.1〜1.0である化合物。
[II群]
下記一般式(A11)〜(A15)で示される化合物。
Figure 0005433251
Figure 0005433251
上記式中、R408は水素原子又はメチル基を示す。
402、R403はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示す。R404は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基、あるいは−(R409h−COOR’基(R’は水素原子又は−R409−COOH)を示す。hは2〜10の整数を示す。
405は−(CH2i−(i=2〜10)、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示す。
406は炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示す。
407は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、それぞれ水酸基で置換されたフェニル基又はナフチル基を示す。
409は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。
410は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基又は−R411−COOH基(式中、R411は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。)を示す。
412は水素原子又は水酸基を示す。
jは0〜3の数であり、s1、t1、s2、t2、s3、t3、s4、t4は、それぞれs1+t1=8、s2+t2=5、s3+t3=4、s4+t4=6を満足し、かつ各フェニル骨格中に少なくとも1つの水酸基を有するような数である。
s5、t5は、s5≧0、t5≧0で、s5+t5=5を満足する数である。
uは、1≦u≦4を満足する数であり、hは、1≦h≦4を満足する数である。
κは式(A6)の化合物を重量平均分子量1,000〜5,000とする数である。
λは式(A7)の化合物を重量平均分子量1,000〜10,000とする数である。
本成分として、具体的には下記一般式(AI−1)〜(AI−14)及び(AII−1)〜(AII−10)で示される化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0005433251
Figure 0005433251
(上記式中、R’’は水素原子又はCH2COOH基を示し、各化合物においてR’’の10〜100モル%はCH2COOH基である。κとλは上記と同様の意味を示す。)
なお、上記分子内に≡C−COOHで示される基を有する化合物の添加量は、ベース樹脂(B)100質量部に対して0〜5質量部、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.1〜3質量部、更に好ましくは0.1〜2質量部である。5質量部以下であれば感活性光線感放射線性樹脂組成物の解像度が低下するおそれが少ない。
本発明の感活性光線感放射線性樹脂組成物に添加することができるアセチレンアルコール誘導体としては、下記一般式(S1)、(S2)で示されるものを好適に使用することができる。
Figure 0005433251
上記式中、R501、R502、R503、R504、R505はそれぞれ水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、X、Yは0又は正数を示し、下記値を満足する。0≦X≦30、0≦Y≦30、0≦X+Y≦40である。
アセチレンアルコール誘導体として好ましくは、サーフィノール61、サーフィノール82、サーフィノール104、サーフィノール104E、サーフィノール104H、サーフィノール104A、サーフィノールTG、サーフィノールPC、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485(Air Products and Chemicals Inc.製)、サーフィノールE1004(日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
上記アセチレンアルコール誘導体の添加量は、感活性光線性または感放射線性樹脂組成物100質量%中0.01〜2質量%、より好ましくは0.02〜1質量%である。0.01質量%以上であれば塗布性及び保存安定性の改善効果が十分に得られ、2質量%以下であれば感活性光線または感放射線性樹脂組成物の解像性が低下するおそれが少ない。
〔パターン形成方法〕
本発明の感活性光線又は感放射線樹脂組成物は、解像力向上の観点から、膜厚30〜250nmで使用されることが好ましく、より好ましくは、膜厚30〜200nmで使用されることが好ましい。感活性光線又は感放射線樹脂組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性、製膜性を向上させることにより、このような膜厚とすることができる。
感活性光線又は感放射線樹脂組成物中の全固形分濃度は、一般的には1〜10質量%、より好ましくは1〜8.0質量%、さらに好ましくは1.0〜6.0質量%である。
本発明の感活性光線又は感放射線樹脂組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターのポアサイズは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、更に好ましくは0.03μm以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
例えば、感活性光線又は感放射線樹脂組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布、乾燥し、レジスト膜を形成する。
当該レジスト膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射し、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像、リンスする。これにより良好なパターンを得ることができる。
活性光線又は放射線としては、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、X線、電子線等を挙げることができるが、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下、特に好ましくは1〜200nmの波長の遠紫外光、具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線、電子ビーム等であり、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV(13nm)が好ましい。
尚、本発明においては、紫外光やX線などの電磁波も、放射線に含むものとする。
レジスト膜を形成する前に、基板上に予め反射防止膜を塗設してもよい。
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
現像工程では、アルカリ現像液を次のように用いる。ポジ型レジスト組成物のアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
さらに、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
さらに、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
リンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
また、現像処理または、リンス処理の後に、パターン上に付着している現像液またはリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
活性光線又は放射線の照射時にレジスト膜とレンズの間に空気よりも屈折率の高い液体(液浸媒体)を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。用いる液浸媒体としては空気よりも屈折率の高い液体であればいずれのものでも用いることができるが好ましくは純水である。
液浸露光する際に使用する液浸液について、以下に説明する。
液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつレジスト膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
また、さらに屈折率が向上できるという点で屈折率1.5以上の媒体を用いることもできる。この媒体は、水溶液でもよく有機溶剤でもよい。
液浸液として水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させるために、ウエハ上のレジスト膜を溶解させず、且つレンズ素子の下面の光学コートに対する影響が無視できる添加剤(液体)を僅かな割合で添加しても良い。その添加剤としては水とほぼ等しい屈折率を有する脂肪族系のアルコールが好ましく、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。水とほぼ等しい屈折率を有するアルコールを添加することにより、水中のアルコール成分が蒸発して含有濃度が変化しても、液体全体としての屈折率変化を極めて小さくできるといった利点が得られる。一方で、193nm光に対して不透明な物質や屈折率が水と大きく異なる不純物が混入した場合、レジスト膜上に投影される光学像の歪みを招くため、使用する水としては、蒸留水が好ましい。更にイオン交換フィルター等を通して濾過を行った純水を用いてもよい。
水の電気抵抗は、18.3MQcm以上であることが望ましく、TOC(有機物濃度)は20ppb以下であることが望ましく、脱気処理をしていることが望ましい。
また、液浸液の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を高めるような添加剤を水に加えたり、水の代わりに重水(D2O)を用いてもよい。
本発明の感活性光線又は感放射線樹脂組成物によるレジスト膜と液浸液との間には、レジスト膜を直接、液浸液に接触させないために、液浸液難溶性膜(以下、「トップコート」ともいう)を設けてもよい。トップコートに必要な機能としては、レジスト上層部への塗布適正、放射線、特に193nmに対する透明性、液浸液難溶性である。トップコートは、レジストと混合せず、さらにレジスト上層に均一に塗布できることが好ましい。
トップコートは、193nm透明性という観点からは、芳香族を豊富に含有しないポリマーが好ましく、具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、フッ素含有ポリマーなどが挙げられる。前述の疎水性樹脂(C)はトップコートとしても好適なものである。トップコートから液浸液へ不純物が溶出すると光学レンズを汚染するという観点からは、トップコートに含まれるポリマーの残留モノマー成分は少ない方が好ましい。
トップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、レジスト膜への浸透が小さい溶剤が好ましい。剥離工程がレジスト膜の現像処理工程と同時にできるという点では、アルカリ現像液により剥離できることが好ましい。アルカリ現像液で剥離するという観点からは、トップコートは酸性が好ましいが、レジスト膜との非インターミクス性の観点から、中性であってもアルカリ性であってもよい。
トップコートと液浸液との間には屈折率の差がない方が、解像力が向上する。ArFエキシマレーザー(波長:193nm)において、液浸液として水を用いる場合には、ArF液浸露光用トップコートは、液浸液の屈折率に近いことが好ましい。屈折率を液浸液に近くするという観点からは、トップコート中にフッ素原子を有することが好ましい。また、透明性・屈折率の観点から薄膜の方が好ましい。
トップコートは、レジスト膜と混合せず、さらに液浸液とも混合しないことが好ましい。この観点から、液浸液が水の場合には、トップコートに使用される溶剤は、ポジ型レジスト組成物に使用される溶媒に難溶で、かつ非水溶性の媒体であることが好ましい。さらに、液浸液が有機溶剤である場合には、トップコートは水溶性であっても非水溶性であってもよい。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
樹脂(B)の合成
<樹脂(RA−1)の合成>
窒素気流下シクロヘキサノン60.32gを3つ口フラスコに入れこれを80℃に加熱した。これにモノマーAを12.37g、モノマーBを14.01g、モノマーCを2.95g、モノマーDを1.08gおよび開始剤V−601 1.44g(モノマーに対し5.0mol%、和光純薬製)をシクロヘキサノン112.02gに溶解させた溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後、メタノール900ml/水100mlの混合液に20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると樹脂(RA−1)が18g得られた。得られた樹脂の重量平均分子量は標準ポリスチレン換算で10700、分散度(Mw/Mn)は1.81であった。
Figure 0005433251
<樹脂(RA−2)〜(RA−8)の合成>
他の樹脂(RA−2)〜(RA−8)についても同様の手法を用いて合成した。重量平均分子量は開始剤の量を変更することで調製した。
以下に各樹脂における繰り返し単位(モル比)、重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を示す。
Figure 0005433251
Figure 0005433251
<レジスト調製>
下記表4に示す成分を溶剤に溶解させ固形分濃度5質量%の溶液を調製し、これを0.03μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターでろ過してポジ型レジスト溶液を調製した。調製したポジ型レジスト溶液を下記の方法で評価し、結果を同表に示した。
<レジスト評価>
《露光条件(1):ArF液浸露光(トップコート)》
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製したポジ型レジスト組成物を塗布し、130℃で、60秒間ベークを行い、膜厚120nmのレジスト膜を形成した。その上にレジスト保護膜溶液を塗布し、120℃で60秒間ベークした。得られたウエハーをArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製 XT1250i、NA0.85)を用い、65nm 1:1ラインアンドスペースパターンの6%ハーフトーンマスクを通して露光した。液浸液としては超純水を使用した。その後130℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
レジスト保護膜溶液はポリマーP1.0gを、ジイソペンチルエーテル23g、及び2−メチル−1−ブタノール2gの混合溶媒に溶解させ、それぞれ0.2μmのポアサイズを有するポリプロピレンフィルターで濾過し、レジスト保護膜溶液を作製した。
Figure 0005433251
《露光条件(2):ArF液浸露光》
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚98nmの反射防止膜を形成した。その上に調製したポジ型レジスト組成物を塗布し、130℃で、60秒間ベークを行い、膜厚120nmのレジスト膜を形成した。得られたウエハーをArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製 XT1250i、NA0.85)を用い、65nm 1:1ラインアンドスペースパターンの6%ハーフトーンマスクを通して露光した。液浸液としては超純水を使用した。その後130℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
〔露光ラチチュード〕
65nm 1:1ラインアンドスペースのマスクパターンを再現する露光量を最適露光量とし、露光量を変化させた際にパターンサイズが85nm±10%を許容する露光量幅を求め、この値を最適露光量で割って百分率表示した。値が大きいほど露光量変化による性能変化が小さく、露光ラチチュードが良好である。
〔ラインエッジラフネス〕
ラインエッジエッジラフネスの測定は、測長SEM((株)日立製作所S−9260)を使用して、最適露光量における120nmの孤立パターンを観察し、ラインパターンの長手方向のエッジが5μmの範囲についてエッジのあるべき基準線からの距離を50ポイント測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
〔現像欠陥〕
ケー・エル・エー・テンコール社製の欠陥検査装置KLA2360(商品名)を用い、欠陥検査装置のピクセルサイズを0.16mに、また閾値を20に設定して、ランダムモードで測定し、比較イメージとピクセル単位の重ね合わせによって生じる差異から抽出される現像欠陥を検出して、単位面積あたりの現像欠陥数を算出した。値が0.5未満のものを○、0.5以上0.8未満のものを△、0.8以上のものを×とした。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
Figure 0005433251
使用した各成分は、以下の通りである。
〔光酸発生剤〕
下記に示すPAG1〜PAG14を使用した。
Figure 0005433251
〔樹脂(B)〕
樹脂(RA−1)〜(RA−8)は、上記で調製したものである。
〔疎水性樹脂(C)〕
HR−26、HR−74〜HR−82は、先に例示したものである、
〔塩基性化合物(D)〕
Figure 0005433251
TPSA:トリフェニルスルホニウムアセテート
DIA:2,6−ジイソプロピルアニリン
DBA:N,N−ジブチルアニリン
PBI:2−フェニルベンズイミダゾール
〔界面活性剤〕
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
〔溶剤〕
S1:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)
S2:2−ヘプタノン
S3:シクロヘキサノン
S4:γ−ブチロラクトン
S5:プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)

Claims (20)

  1. (A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、(B)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂および、(C)疎水性樹脂を含有する感活性光線性または感放射線性樹脂組成物であって、(A)活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物が、下記一般式(1)で表される酸を発生する化合物であることを特徴とする感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。但し、下記一般式(a)及び(b−1)の繰り返し単位を有する高分子化合物を含むポジ型レジスト材料、及び、下記一般式(a)及び(b−2)の繰り返し単位を有する高分子化合物を含むポジ型レジスト材料を除く。
    Figure 0005433251
    〔一般式(1)において、R1〜R8は各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子または水酸基を表す。Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アシル基または−SORsを表す。Aはヘテロ原子を含む2価の連結基または単結合を表す。Rsはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表す。m1〜m4は各々独立に0〜12の整数を表す。但し、m3+m4≧1である。m5は1〜3の整数を表す。m1〜m5のいずれかが2以上のときに複数となるR1〜R8、又はAは、各々、同一でも異なっていてもよい。〕
    Figure 0005433251
    〔式中、R 1 、R 4 、R 6 は同一又は異種の水素原子又はメチル基を示す。R 2 は水素原子、シアノ基、−C(=O)O−CH 3 、又は−C(=O)O−CH 2 CH 3 、R 3 は水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ニトロ基、又はトリフルオロメチル基である。R 5 、R 7 は酸不安定基である。X 1 、X 2 は単結合、又はフェニレン基又はナフタレン基であり、炭素数1〜4のアルキレン基、エステル基又はエーテル基を含んでいてもよく、X 3 はフェニレン基又はナフタレン基であり、炭素数1〜4のアルキレン基、エステル基又はエーテル基を含んでいてもよい。繰り返し単位a中の半円は、ベンゼン環又はナフタレン環である。a、b1、b2は、0<a<1.0、0≦b1≦0.8、0≦b2≦0.8、0<b1+b2≦0.8の範囲である。〕
  2. (A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、(B)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂および、(C)疎水性樹脂を含有する感活性光線性または感放射線性樹脂組成物であって、(A)活性光線または放射線の照射により酸を発生する化合物が、下記一般式(1)で表される酸を発生する化合物であり、(B)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂が、下記一般式(5−1)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0005433251
    〔一般式(1)において、R 1 〜R 8 は各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子または水酸基を表す。R は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アシル基または−SO Rsを表す。Aはヘテロ原子を含む2価の連結基または単結合を表す。Rsはアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表す。m1〜m4は各々独立に0〜12の整数を表す。但し、m3+m4≧1である。m5は1〜3の整数を表す。m1〜m5のいずれかが2以上のときに複数となるR 1 〜R 8 、又はAは、各々、同一でも異なっていてもよい。〕
    Figure 0005433251
    〔一般式(5−1)において、Aは、エステル結合(−COO−)又はアミド結合(−CONH−)を表す。R は、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表し、複数ある場合は、同じでも異なっていてもよい。R 10 は複数個ある場合にはそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アシルオキシ基、シアノ基、水酸基、−CO 2 、又はアルコキシ基を表し、複数個ある場合には2つのR 10 が結合し、環を形成していてもよい。R は水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基、またはシクロアルキル基を示す。Zは、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、またはウレア結合を表し、複数ある場合は、同じでも異なっていてもよい。Xは、アルキレン基、酸素原子または硫黄原子を表す。mは、置換基数であって、0〜5の整数を表す。nは繰り返し数であり、0〜5の整数を表す。R は、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。〕
  3. 上記(B)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂が、下記一般式(AI)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0005433251
    〔式中、Xa 1 は、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又は−CH 2 −R 9 で表わされる基を表す。R 9 は、1価の有機基を表す。Tは、単結合又は2価の連結基を表す。Rx 1 〜Rx 3 は、それぞれ独立に、直鎖若しくは分岐アルキル基又は単環若しくは多環のシクロアルキル基を表す。Rx 1 〜Rx 3 の少なくとも2つが結合して、単環若しくは多環のシクロアルキル基を形成してもよい。〕
  4. 一般式(AI)において、Rx 1 〜Rx 3 の少なくとも2つが結合して単環のシクロアルキル基を形成していることを特徴とする、請求項3に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
  5. 一般式(AI)において、Rx 1 〜Rx 3 の少なくとも2つが結合して多環のシクロアルキル基を形成していることを特徴とする、請求項3に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
  6. 上記(B)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂が、少なくとも2種の一般式(AI)により表される繰り返し単位を含むことを特徴とする、請求項3から5のいずれか1項に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
  7. 上記(C)疎水性樹脂が、塩基存在下において水に対する親和性が向上する基を有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
  8. 上記塩基存在下において水に対する親和性が向上する基が、活性プロトンを有する基または、アルカリ現像液の作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基であることを特徴とする、請求項に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
  9. 上記(C)疎水性樹脂が、下記一般式(2)から(4)で表される繰り返し単位の少なくとも1種以上を含むことを特徴とする、請求項1からのいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0005433251
    〔一般式(2)〜(4)において、R1は各々独立に、水素原子、フッ素原子、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示す。R2は水素原子、−R3−CO2H又は−R3−OHを示す。R3はフッ素を含んでもよい2価の有機基を示す。R4はメチレン基、酸素原子または硫黄原子を示す。R5は水素原子、直鎖状又は分岐状のアルキル基又は−CO27を示す。R6は水素原子、直鎖状又は分岐状のアルキル基、シアノ基、又は−CO27を示す。R7は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基、またはシクロアルキル基を示す。R8a、R8bは各々独立に、単結合又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。〕
  10. 上記(C)疎水性樹脂の含有率が、感活性光線性または感放射線性樹脂組成物に含有される全固形分を基準として0.1〜10質量%であることを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
  11. 上記(B)酸の作用によってアルカリ現像液への溶解速度が増大する樹脂が、下記一般式(6)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0005433251
    〔一般式(6)において、R13はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。nは1又は2を示す。n=1の場合、Xは単結合、−O−、−C(=O)−O−R14−又は−C(=O)−NH−R14−であり、R14は単結合、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基、又はシクロアルキレン基であり、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。n=2の場合、X
    Figure 0005433251
    であり、R14aは、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状アルキレン基、又はシクロアルキレン基から水素原子が1個脱離した基であり、エステル基又はエーテル基を有していてもよい。R11は単結合、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキレン基、又はシクロアルキレン基であり、R12は水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はジフルオロメチル基、又はR11と結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜10の環(但し、芳香環は除く)を形成してもよく、環の中にエーテル基、又はフッ素で置換されたアルキレン基を有していてもよい。〕
  12. 上記(B)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂が芳香族基を有さないことを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
  13. 上記(B)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂がフッ素原子及び珪素原子を有さないことを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
  14. 上記(B)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増大する樹脂に含まれる繰り返し単位がすべて(メタ)アクリル系繰り返し単位であることを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
  15. 上記(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物が、下記一般式(1−E)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1から14のいずれか1項に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0005433251
    式中、
    は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アシル基または−SO Rsを表す。Rsは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表す。
    は有機対カチオンを表す。
  16. 一般式(1−E)において、R はアシル基であることを特徴とする、請求項15に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
  17. 更に、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物として下記一般式(ZI)で表される化合物を含有することを特徴とする、請求項1から16いずれか1項に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0005433251
    一般式(ZI)中、
    201 、R 202 及びR 203 は、各々独立に、有機基を表す。
    - は、下記一般式(Xa)で表される非求核性アニオンを表す。
    Figure 0005433251
    一般式(Xa)中、
    Rは、水素原子又は有機基を表す
  18. (D)分子内に酸素原子を有する塩基性化合物を含むことを特徴とする、請求項1から17のいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
  19. 請求項1から18のいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物を用いて、膜を形成した後、該膜を液浸露光し、現像することを特徴とするパターン形成方法。
  20. 液浸液として純水を介して液浸露光することを特徴とする請求項19に記載のパターン形成方法。
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