JP5432480B2 - Si基板上のGaN系デバイスの熱処理方法 - Google Patents

Si基板上のGaN系デバイスの熱処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、III族窒化物半導体、特に窒化ガリウム系(以下、GaN系)半導体エピタキシャル薄膜等の熱処理方法に関する。また、本発明は、該熱処理方法を適用したGaN系半導体デバイスの製造方法に関する。
チャネル層にIII族窒化物半導体であるGaN系材料を用いた電界効果トランジスタ(GaN−FET)などでは、素子のアクセス抵抗あるいはオン抵抗を低減するために、ドーパントをイオン注入し、選択的にn層を形成することが行われている。イオン注入を行っただけでは、注入されたイオンは活性化されていないので、活性化させるために通常1300℃に近い温度での活性化アニールを行う必要がある。活性化アニールに際しては、高温で基板21GaN系材料22から窒素が脱離することを防ぐために、アニール保護膜23を試料トップ面に堆積する手法が一般に採用されている(図2)。
特許文献1では、III族窒化物半導体の製造方法において窒素もイオン注入する技術が公開されているが、同時に、III族窒化物半導体の上に保護膜を形成してから熱処理を行う技術も公開されている。III族窒化物半導体の上に保護膜を形成することにより窒素の脱離を防いでいる。なお、該特許文献では基板は熱安定性にも優れるサファイア基板等が使用されている。
特開2002−176004号公報
GaN系デバイスは、通常サファイア基板等の高価な基板上に形成されるが、近年では、低コスト化のためにSi基板上にGaN系デバイスを形成するための開発が盛んになってきている。しかし、この場合において問題となるのは、Si基板は1100℃付近から昇華をはじめ、更に1410℃で融解(融点)してしまうことである(図3)。なお、Siの蒸気圧P[MPa]は近似的に、
P=10A-B/T(K) (1)
で与えられる。ここで、A、Bは係数であり、Siの場合それぞれA=11.984、B=22592である。Tは温度(絶対温度、ケルビン)をあらわす。
しかし、上記特許文献1に記載の方法では、上面にのみ保護膜を形成しているため、Si基板の昇華を防ぐことはできない。
したがって、本発明の目的は、Si基板上のGaN系半導体層の活性化アニールにおいて、Si基板に影響を与えることなく安定に熱処理できる方法を提供することを目的とする。
本発明に係る熱処理方法は、
Si基板上に窒化ガリウム系半導体層を形成した試料の熱処理方法において、
前記試料の全面を熱処理温度において安定な保護膜で被覆し、熱処理することを特徴とする。
また、本発明に係るGaN系半導体デバイスの製造方法は、
(1)Si基板上に窒化ガリウム系半導体層をエピタキシャル形成する工程と、
(2)前記窒化ガリウム系半導体層にイオン注入を行う工程と、
(3)前記窒化ガリウム系半導体層に注入したイオンを活性化する熱処理を行う工程と、
を少なくとも含み、
前記熱処理工程(3)を上記の熱処理方法にて行う製造方法である。
上記で説明したように、Si基板上にGaN系半導体層を形成した試料の活性化アニール前にその全面を保護膜で覆うことにより、GaN系半導体からの窒素の脱離を防ぐとともにSi基板の昇華も防ぐことができる。
特に保護膜としてシリコン酸窒化膜Si2xy(x、yの範囲はおよそ0<x≦1、1<y<4)を用いた場合、該シリコン酸窒化膜はSiの融点1410℃でも昇華しないため、高温度(例えば1410℃)でも良好にアニール処理をすることができる。
かくして本発明の熱処理方法は、GaN系半導体デバイスの製造方法を大幅に進歩させることができ、電力制御用固体能動素子、あるいは高周波用固体能動素子などの発展に大きく寄与する。
本発明者らは、Si基板に形成したGaN系半導体の熱処理(アニール処理)方法について鋭意検討を行ったところ、図1に示すように、Si基板11上にGaN系半導体層12を形成した試料の全面を保護膜13で覆うことにより、熱処理時にSi基板11の昇華や融解等の問題が発生しないとこを見出し、本発明に至った。
そこで、本発明に係る熱処理方法は、
Si基板上にGaN系半導体層を形成した試料の熱処理方法において、
前記試料の全面を熱処理温度において安定な保護膜で被覆し、熱処理することを特徴とする。
以下、本発明について詳細に説明する。
上述のように、Si基板上にGaN等のGaN系半導体層を形成した後、イオン注入が行われる。イオン注入は、例えばGaNならば、Ga、N以外の元素がイオン注入され、例えばSi、Ge、Mg、Zn、Al又はIn等が注入される。その後、注入したイオンを活性化させるため、熱処理を行う。本発明は、その熱処理の際に、試料の全面を熱処理時の温度で安定な保護膜で被覆してから、熱処理を行うというものである。これにより、Si基板の昇華を防ぐことができる。
本発明をより具体的に説明すると、本発明は、Si基板の上にGaN系半導体層をエピタキシャル形成する工程と、GaN系半導体層にイオン注入を行う工程と、Si基板上にGaN系半導体層を形成した試料の全面を前記保護膜で被覆する工程と、熱処理を行う工程と、を有す。
熱処理は、アルゴンなどの不活性ガスあるいは、窒素、アンモニアなど試料からの窒素脱離を防げるガスの雰囲気中で行うことが好ましい。また、熱処理温度は、特に限定されるものではないが、例えば1300℃に近い温度で行われる。
(保護膜)
本発明における保護膜は、熱処理温度において安定な材料で構成される。ここで、「熱処理温度で安定な保護膜」とは、熱処理温度において昇華や融解等が起こらない材料で構成された保護膜を意味する。該保護膜で前記試料の全面を被覆することにより、Si基板の昇華、融解等による影響を防ぐことができる。
保護膜を構成する材料としては、熱処理温度において安定な材料であれば特に限定されずに用いることができるが、例えば、シリコン窒化物Si34、シリコン酸窒化物SiON、シリコン酸化物SiO2、窒素化合アルミニウムAlN及びアルミナAl23のうち少なくとも1種を含む材料等が挙げられる。これらの例示した材料のうち、堆積後の加工や除去のしやすさの観点から、シリコン窒化物Si34、シリコン酸窒化物SiON、シリコン酸化物SiO2が望ましい。しかし、シリコン酸化膜は1000℃以上の高温で軟化し始めるので、熱処理温度が高温の場合はシリコン窒化物又はシリコン酸窒化物を用いることが望ましい。
さらに、本発明においては、保護膜の材料としては、シリコン酸窒化物がより好ましく、シリコン酸窒化物Si2xy(x、yの範囲は、およそ0<x≦1、1<y<4)であることが特に好ましい。シリコン酸窒化物からなる膜(以下、シリコン酸窒化膜と略す)は、例えばCVD法などにて成膜することができる。酸素をほとんど含まないシリコン窒化物からなる膜では、ピンホールが発生しやすい場合があることが知られている。ピンホールが生ずるとそこからSi基板が昇華してしまう場合がある。一方、シリコン酸窒化膜はピンホールが発生し難いため好ましい。ピンホールが発生し難い理由は、特に本発明が限定されるものではないが、シリコン窒化膜は酸素を含むことによってSi−N、Si−O結合角に自由度が増えて膜中にピンホールが生成しにくくなり、膜のカバレッジ向上が達せられるためである。シリコン酸窒化膜Si2xyは、酸素の組成xがx=1、窒素の組成yがy=2のときが化学量論的組成であり、1300℃付近で熱力学上最も安定なSi2ON2となる(図4)。
(被覆方法)
本発明において、Si基板上にGaN系半導体層を形成した試料の全面を前記保護膜にて被覆する。つまり、試料の上面、下面及び側面に前記保護膜材料を堆積する。なお、構成上、上面はGaN系半導体層の上面であり、下面はSi基板の下面である。
また、上述のように、保護膜としては化学量論的なシリコン酸窒化膜であることが好ましい。このようなシリコン酸窒化膜は、Siの融点である1410℃でも昇華しないため、高温の熱処理においてもSi基板の昇華を防ぐことができる。例えば、Si基板上のGaNエピウエハを1410℃に達する直前の温度まで安定して活性化アニールすることができる。なお、該活性化アニールは、アルゴンなどの不活性ガスあるいは、窒素、アンモニアなど試料からの窒素脱離を防げるガスの雰囲気中で行うことができる。
また、試料の上面と下面とで保護膜の材料が異なっていても良い。例えば、上面をシリコン窒化膜とし、下面をシリコン酸窒化膜とすることができる。試料側面の保護膜は、通常、上面と下面の保護膜の成形時に同時に形成される。しかし、保護膜の形成効率を考慮すると、上面、下面及び側面の全てにおいて同一の保護膜材料を使用することが好ましい。
前記保護膜材料の堆積方法は、公知の方法により行うことができ、例えばプラズマCVD法や熱CVD法を用いることができる。例えばシリコン酸窒化膜Si2xy(0<x≦1、1<y<4)の堆積方法は、プラズマCVD法で十分であるが、熱CVD法で堆積すれば更に好ましい。
活性化アニール後、フッ酸等を用いることでGaN系半導体層表面の少なくとも一部の保護膜を除去し、オーミック電極を形成することで、GaN系デバイスを形成することができる。例えば、シリコン酸窒化膜Si2xy(0<x≦1、1<y<4)の除去を行う必要がある場合には、40%程度フッ化水素を含有するフッ酸で容易に除去することができる。その後GaN系半導体層表面を薄く、例えば、フッ素系ガスを用いたプラズマ処理等によりドライエッチングすれば、GaN系半導体層とオーミック金属とのオーミック接触も確実になる。
また、本発明においては、試料の反りに応じて、下面と上面の保護膜の組成や厚さを調節することによって、アニールによる試料の反りを低減することができる。この保護膜で被覆された試料を1300℃近くまでアニールすると、Si基板上のGaN系半導体エピタキシャル薄膜試料では、アニール中にそのSi基板が熱による塑性変形を生じるため、アニール後、保護膜を除去しても試料には反りの矯正効果が残る。
また、本発明におけるGaN系半導体は、2元半導体である窒化ガリウム(GaN)と、任意成分としての窒化アルミニウム又は窒化インジウムとの組み合わせとして表現することができる。例えば、GaN系半導体は、Inx Aly Ga1-x-y N(0≦x<1、0≦y<1、0≦x+y<1)なる化学式において組成比x及びyをそれぞれの範囲内で変化させたすべての組成の半導体を含むものとすることができる。例えば、InGaN(x=0.4、y=0)やAlGaNもGaN系半導体に含まれる。更に、本発明では、GaN系半導体層は単層に限定されず、組成の異なるGaN系半導体層の多層膜を用いてヘテロ接合を形成しても良い。
[実施例1]
3インチのSi基板上に、MOCVD法にて、i−Al0.15Ga0.85N/i−GaNヘテロ接合エピタキシャル膜を成長した。引き続く工程の目合わせマークを形成するため、本試料にレジストでパターニングした後、ドライエッチングによって試料表面にメサ段差を形成した。
試料を有機洗浄した後、試料に選択的にn+層を形成するため、レジストで試料にパターニングした後、傾斜角度7度にて28Siのイオン注入(加速エネルギー100keV、ドーズ量3E15cm-2)を行った。
このままでは注入したドーパント28Siは活性化していないので、活性化アニールを行う必要がある。まず、保護膜を形成するため、試料のレジストを除去した後、試料の上面、下面、及び側面にシリコン酸窒化膜Si2xy(x、yの範囲は、およそ0<x≦1、1<y<4)をプラズマCVD法で120nm堆積した。なお、本検討ではピンホールは全く生じなかった。
次に、1000℃以上1300℃未満の温度(1000℃、1050℃、1100℃、1150℃、1200℃、1250℃の6点)で、窒素雰囲気中で試料に活性化アニール(保持時間:30秒から5分程度)を施した。
次に、保護膜を除去するため、試料を濃厚なフッ酸(フッ化水素49%含有)に5分浸し、その後水洗した。
次に、試料にレジストでパターニングした後、塩酸で表面処理を行い、さらに、オーミック金属Ti/Al/Nb/Auを蒸着した。その後試料にリフトオフ処理を施し、さらに850℃30秒のRTAにてアロイ化を行って、オーミック電極を形成した。
さらに、試料にレジストでパターニングし、傾斜角7度で14Nイオンを注入(1回目:100keV、1E14cm-2、2回目:20keV、1E14cm-2の2段注入)することによってアイソレーションを形成した。レジストを除去した後、ホール測定やTLMパターンによる電気測定にて、試料の特性を評価した。
特性を評価したTEGの断面構造を図5に示した。図5において、51はSi基板、52aはGaN層、52bはAlGaN層、54はオーミック電極を示す。オーミック電極下及び両オーミック電極間にはn+の領域が形成されている。また、図6(a)には、シート抵抗の活性化アニール温度依存性を示した。活性化温度を上げるにつれ、シート抵抗は低下し、1250℃アニールでは、シート抵抗35Ω/sqと、良好な値を得た。また、図6(b)には、コンタクト抵抗の活性化アニール温度依存性を示した。活性化温度を上げるにつれ、コンタクト抵抗は低下し、1250℃アニール時には、コンタクト抵抗として、0.15Ω・mmと、良好な値を得た。
一方、従来方法に基づき、試料裏面に保護膜を堆積しなかった試料では、活性化アニール温度が1000℃以上では、Si基板からのSiの昇華が激しく、活性化アニールそのものが正常に行えなかった。
[実施例2]
3インチSi基板上に、MOCVD法にて、i−Al0.15Ga0.85N/i−GaNヘテロ接合エピタキシャル膜を成長した。引き続く工程の目合わせマークを形成するため、本試料にレジストでパターニングした後、ドライエッチングによって試料表面にメサ段差を形成した。
試料を有機洗浄した後、試料に選択的にn+層を形成するため、レジストで試料にパターニングした後、傾斜角度7度にて28Siのイオン注入(加速エネルギー100keV、ドーズ量3E15cm-2)を行った。
このままでは注入したドーパント28Siは活性化していないので、活性化アニールを行う必要がある。まず、保護膜を形成するため、試料のレジストを除去した後、試料の上面、下面、及び側面にシリコン酸窒化膜Si2xy(x、yの範囲はおよそ0<x≦1、1<y<4)をプラズマCVD法で120nm堆積した。次に、1000℃以上1300℃未満の温度(1000℃、1050℃、1100℃、1150℃、1200℃、1250℃の6点)で窒素雰囲気中で試料に活性化アニール(保持時間:30秒から5分程度)を施した。
次に、保護膜を除去するため、試料を濃厚なフッ酸(フッ化水素49%含有)に5分浸し、その後水洗した。
次に、試料にレジストでパターニングした後、塩酸で表面処理を行い、さらに、オーミック金属Ti/Al/Nb/Auを蒸着した。その後試料にリフトオフ処理を施し、さらに850℃30秒のRTAにてアロイ化を行った。
さらに、試料にレジストでパターニングし、傾斜角7度で14Nイオンを注入(1回目:100keV、1E14cm-2、2回目:20keV、1E14cm-2の2段注入)することによってアイソレーションを形成した。レジストを除去した後、ホール測定やTLMパターンによる電気測定にて、試料の特性を評価した。
試料の物理形状を見ると、GaN系エピタキシャル層に強い引っ張り応力が働き、試料は凹の反りを示している。例えば、厚さDがD=600μm、口径lがl=3インチのSi基板上に成長したi−Al0.15Ga0.85N/i−GaNヘテロ接合エピタキシャル膜のエピウエハの反り量δの値は、反りが大きい場合およそδ=20μmである。
上述のようにSi基板及びIII族窒化物半導体に反りが発生してしまう場合があるが、本発明においては、保護膜材料やその組成、上面及び下面の膜厚を調整することで、その反りの発生を抑えることができる。以下、この方法について、シリコン酸窒化膜における場合を例に説明する。
プラズマCVDでシリコン酸窒化物を成膜する場合、シリコンに対する窒素や酸素の組成比を調節することができる。そして、形成されるシリコン酸窒化物の組成によって、保護膜に発生する応力の値を制御することができる。図7には、プラズマCVDにおけるシリコン酸窒化膜の成膜において、アルゴンによって3%に希釈したシランガスの流量によって、堆積したシリコン酸窒化膜の単位厚さあたりの引っ張り応力(Tensile Stress)がどのように変化するかを示した。ここで、窒素流量は100SCCM、酸素流量は3SCCMにそれぞれ固定で、プラズマ放電中のガス圧は133Paに固定している。図7ではアンモニア(NH3)流量が、30、40、50SCCMの場合を示したが、例えば、希釈シランガス流量240SCCM、アンモニア流量50SCCMの場合に約300[MPa]の引っ張り応力を得ることができることがわかる。
また、膜厚によっても発生する応力が異なってくることもわかっている。これらの特性から次に説明するように、試料の反りを矯正してほぼフラットにするために、保護膜材料の組成や上面及び下面の保護膜の膜厚を設計することができる。試料(保護膜なし)の基板(この場合Si)のヤング率、ポアソン比をそれぞれ、Es、νsとする。試料の上面(GaN系エピタキシャル層側)又は下面(Si基板側)に厚さdのシリコン酸窒化膜を保護膜として堆積した場合、この保護膜に加わる単位厚さあたりの応力σを見積もると、近似的に、
Figure 0005432480
(σ:応力、Es:基板のヤング率、νs:基板のポアソン比、d:保護膜の厚さ、D:Si基板厚み、δ:基板の反り量、l:基板口径)
で与えられる(Ref.権田監修:「薄膜作製応用ハンドブック」、pp.172−174、(株)エヌ・ティー・エス、1995.)。材料の具体的な特性パラメータを式(2)に入力すると、応力σの具体的な値は、保護膜厚さd=100nmのとき、σ=3GPaとかなり大きい。しかし、d=1000nmのときは、σ=300MPaと算出され、ちょうどこの厚さdのとき、シリコン酸窒化膜の引っ張り応力の値とつりあうことになる。すなわち、試料の上面及び下面に堆積する保護膜の厚さは、下面のほうが上面よりd=1000nm厚ければよい。本実施例では、シリコン酸窒化膜を上面に50nm堆積し、下面にはそれよりd=1000nm厚くして1050nmを堆積した。かくして、保護膜の膜厚を最適化し、試料の反りを矯正した。
また、上面及び下面の保護膜の厚さで反りを矯正する方法を説明する図を図8に示す。(A)はSi基板及びGaN半導体層であり、凹状に反りが発生している状態を示している。(B)(A)の上面及び下面に保護膜を設けた図であり、下面の保護膜の方が厚く設けられている。保護膜としては例えばシリコン酸窒化物である。下面に厚く保護膜を設けたことにより、上面の応力よりも下面の応力が強く、反りが少し矯正されていることがわかる。(C)は、(B)の状態からさらに下面の保護膜を厚くした状態である。上面及びSi基板の応力と下面の応力とがつり合っており、反りが矯正されている。なお、図では側面の保護膜は説明の簡略化のため省略されている。
したがって、下面と上面の保護膜の膜厚、あるいは組成を調節することによって、膜応力を調節することができ、試料(ウエハ)の反りを防ぎ、かつ、反りを矯正することができる。
[実施例3]
3インチのSi基板上に、MOCVD法にて、i−Al0.15Ga0.85N/i−GaNヘテロ接合エピタキシャル膜を成長した。引き続く工程の目合わせマークを形成するため、本試料にレジストでパターニングした後、ドライエッチングによって試料表面にメサ段差を形成した。
試料を有機洗浄した後、試料に選択的にn+層を形成するため、レジストで試料にパターニングした後、傾斜角度7度にて28Siのイオン注入(加速エネルギー100keV、ドーズ量3E15cm-2)を行った。
このままでは注入したドーパント28Siは活性化していないので、活性化アニールを行う必要がある。まず、保護膜を形成するため、試料のレジストを除去した後、試料の上面、下面、及び側面にシリコン酸窒化膜Si2xy(x、yの範囲は、およそ0<x≦1、1<y<4)をプラズマCVD法で120nm堆積した。
次に、1000℃以上1300℃未満の温度(1000℃、1050℃、1100℃、1150℃、1200℃、1250℃の6点)で窒素雰囲気中で試料に活性化アニール(保持時間:30秒から5分程度)を施した。
次に、保護膜を除去するため、試料を濃厚なフッ酸(フッ化水素49%含有)に5分浸し、その後水洗した。
次に、試料にレジストでパターニングした後、塩酸で表面処理を行い、さらに、オーミック金属Ti/Al/Nb/Auを蒸着した。その後試料にリフトオフ処理を施し、さらに850℃30秒のRTAにてアロイ化を行った。
さらに、試料にレジストでパターニングし、傾斜角7度で14Nイオンを注入(1回目:100keV、1E14cm-2、2回目:20keV、1E14cm-2の2段注入)することによってアイソレーションを形成した。レジストを除去した後、ホール測定やTLMパターンによる電気測定にて、試料の特性を評価した。
試料の電気特性の評価及びSIMS分析から、活性化アニール温度が1100℃以上の場合には、試料表面にSi系の変性層(保護膜由来)の残渣が生ずる場合があることがわかった。
このような場合においても、活性化アニール後に保護膜としてのシリコン酸窒化膜を除去したのち、試料表面にCF4などのフッ素系のガスを用いてドライエッチングなどのプラズマ処理を施せば、試料とオーミック金属とのオーミック接触も良好にとれることが分かった。したがって、アニール後に保護膜の除去が必要な場合はフッ化水素酸(例えば40%)で容易に除去でき、その後表面を薄くドライエッチすれば試料上のオーミック接触性も良好とすることができる。
本発明の製造方法を説明するための概略図(Si基板及びIII族窒化物半導体を保護膜で被覆した構成の断面概略図)である。 従来の製造方法を説明するための概略図である。 Siにおける温度と蒸気圧の関係を表す図である。 シリコン酸窒化物の熱平衡図である(PO2は、酸素の分圧、PN2は窒素の分圧、をそれぞれ表す)。 実施例における評価用TEGの断面構造を表す概略図である。 実施例における評価用TEGの電気特性を表す図である((a)シート抵抗の活性化アニール温度依存性、(b)コンタクト抵抗の活性化アニール温度依存性)。 プラズマCVDで堆積したシリコン酸窒化膜の引っ張り応力の、(アルゴンで3%に希釈した)シランガス流量依存性を示す図である。 上面及び下面の膜厚の制御で反りを矯正する方法の説明図である。(A)Si基板及びGaN半導体層である。(B)(A)の上面及び下面に保護膜を設けた図である。(C)(B)の下面にさらに保護膜を設けた図である。
符号の説明
11 Si基板
12 GaN半導体層
13 保護膜
51 Si基板
52a GaN層
52b AlGaN層
54 オーミック電極
81 Si基板
82 GaN半導体層
83 保護膜(上面)
84 保護膜(下面)

Claims (8)

  1. Si基板上に窒化ガリウム系半導体層を形成した試料にイオン注入を行った後に熱処理して活性化アニールを行う熱処理方法において、
    前記試料の全面を熱処理温度において安定な、前記Si基板の昇華を防ぐための保護膜で被覆し、熱処理することを特徴とする熱処理方法。
  2. 前記保護膜は、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコン酸化物、窒素化合アルミニウム及びアルミナのうち少なくとも1種を含む材料からなる請求項1に記載の熱処理方法。
  3. 前記保護膜は、シリコン酸窒化物Si2xy(0<x≦1、1<y<4)からなる請求項1又は2に記載の熱処理方法。
  4. 前記熱処理温度は、1100℃以上である請求項1乃至3のいずれかに記載の熱処理方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の熱処理方法であって、
    前記Si基板上に前記窒化ガリウム系半導体層を形成した試料の反りに応じて、前記試料の上面及び前記試料の下面に形成する前記保護膜の膜厚又は前記保護膜の材料の組成を調節し、前記試料の反りを調節することを特徴とする熱処理方法。
  6. 窒化ガリウム系半導体装置の製造方法であって、
    (1)Si基板上に窒化ガリウム系半導体層をエピタキシャル形成する工程と、
    (2)前記窒化ガリウム系半導体層にイオン注入を行う工程と、
    (3)前記窒化ガリウム系半導体層に注入したイオンを活性化する熱処理を行う工程と、
    を少なくとも含み、
    前記熱処理工程(3)を請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱処理方法にて行う製造方法。
  7. 前記熱処理工程(3)の後に、少なくとも前記窒化ガリウム系半導体層表面の前記保護膜を除去し、前記窒化ガリウム系半導体層の表面にオーミック電極を形成する工程を有する請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記保護膜を除去後、前記窒化ガリウム系半導体層の表面をフッ素系のガスを用いてプラズマ処理した後、前記オーミック電極を形成する請求項7に記載の製造方法。
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