JP5432022B2 - 揚鉱システム - Google Patents

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Description

本発明は、海底で採掘した鉱石などの有価物を海上まで揚鉱する揚鉱システムに関し、特に、フレキシブルライザーなどの移送管を用いて、有価物を含む海底海水を連続的に揚鉱する揚鉱システムに関する。
従来より、海底に存在する有用な資源を採取することが行われている。海底には、海底熱水鉱床と称される岩石の塊が存在しており、この岩石に有価金属が含まれていることが分かっている。その中でも、鉛,金,銅,ゲルマニウム,ガリウム,マンガンなどの希少金属(レアメタル)を海底熱水鉱床から採掘することができれば、世界的に見ても枯渇が問題視されているレアメタルの資源確保を期待できる。
海底を採掘して有価金属を揚鉱するための技術開発は、これまでも行われている。しかし、実際には、水中ブルドーザや浚渫機などを用いて水深100m以浅の海底を採掘した実績があるに止まっており、水深500〜2000mといった深海からの有価金属の揚鉱は、世界的に見ても実績がない。
水深500m以上の海底で採掘した鉱石を揚鉱するための技術として、ライザー管式揚鉱システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されている揚鉱システムは、深海底から海面にかけて鉛直保持したU字管、U字管内に海水の流れを形成するためのポンプ、及び海底で採掘した鉱石をU字管内に送り込む集鉱機を備えている。そして、揚鉱母船に設けたポンプでU字管の一端から他端に海水を輸送することによってU字管内に海水の循環流を形成し、この海水の上昇流を利用して鉱石を海上までスラリー輸送する。
但し、水深が深くなると、その分、U字管の長さが長くなり、且つ、鉱石を海上まで輸送するための管内流速が必要となるため、管内の圧力が海底の圧力よりも高圧となる。従って、特許文献1の揚鉱システムの場合、通常であれば、海底に配置した集鉱機からU字管内に鉱石を投入する際の圧力調整機構や、鉱石を投入するための開閉バルブを備えた隔離室が必要である。しかしながら、特許文献1には、集鉱機に連結された集鉱ホースを介してU字管内に投入する構造が図示されているに止まり、圧力調整がどのように行われているかの明記はない。
また、水深の深い海底の表面は、海水の浮力の影響により、地上に比べて表面が圧接されていない。さらに、装置自体も浮力の影響を受ける。そのため、海底で使用される装置を、海底に固定することは難しいという課題がある。その上、海底に配置される装置が、例えば特許文献2に開示されているように水中ポンプである場合、その駆動時の回転モーメントの影響で装置自体が回転したり、横移動したりする場合がある。装置を海底に載置せず、例えばクレーンを用いて装置を海底近傍に吊り下げた場合も同様の問題が生じる。
特開2003−269070号公報 特開平3−25128号公報
すなわち、本発明は、一例として挙げた上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、海底で採掘した有価物(例えば、鉱石)を揚鉱する揚鉱システムであって、特に回転駆動される機構を有する揚鉱装置を海底又は海底近傍に安定配置することのできる揚鉱システムを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、海底又は海底近傍に安定配置するための構成が簡素化されている揚鉱装置を備えた揚鉱システムを提供することにある。
本発明の揚鉱システムは、海上に配置される揚鉱基地と、揚鉱基地から海底まで配設され、海底で採掘された有価物を含む海底海水を揚鉱基地に移送する揚鉱用の移送管と、有価物と海底海水を分離するセパレータと、揚鉱基地から海底まで配設され、有価物が分離された海水を海底に戻す循環用の移送管と、有価物が分離された海水を循環用の移送管に送り込む循環ポンプと、海底に配置され、有価物を海底海水と共に吸込口から吸入して揚鉱用の移送管に送り込む水中ポンプを有する揚鉱装置と、を備え、前記揚鉱装置は、並列配置した複数の水中ポンプを含み、時計回りにインペラが回転する水中ポンプの数と、反時計回りにインペラが回転する水中ポンプの数を等しくしたことを特徴とする。
上記揚鉱装置は、循環用の移送管を通じて海底に戻される海水を駆動水とする複数のハイドロモーターをさらに含み、これらハイドロモーターを並列配置すると共に、内部の回転羽根が時計回りに回転するハイドロモーターの数と、内部の回転羽根が反時計回りに回転するハイドロモーターの数を等しくすることができる。この場合、前記インペラと回転羽根が同軸上に連結された水中ポンプとハイドロモーターの一式を、偶数式有するようにすることができる。
さらに、揚鉱装置に吸込まれる海水の水流や、装置外に放出する海水の水流によって装置が移動するのを抑えるために、前記水中ポンプの吸込口と前記ハイドロモーターの海水排出口を、揚鉱装置に対するそれぞれの水流の力が相殺するように配置することができる。
本発明によれば、有価物を海底海水と共に吸込口から吸入して揚鉱用の移送管に送り込む水中ポンプの複数(例えば、偶数個)を揚鉱装置に並列配置し、且つ、時計回りにインペラが回転する水中ポンプの数と、反時計回りにインペラが回転する水中ポンプの数を等しくしたことにより、インペラが回転することによって生じる装置への影響を、これら水中ポンプ同士で相殺することができる。その結果、装置自体が回転したり、横移動したりすることが抑えられ、海底に揚鉱装置を安定配置することが可能となる。
さらに、本発明によれば、装置に水中ポンプを並列配置し、時計回りにインペラが回転する水中ポンプと、反時計回りにインペラ回転する水中ポンプの数を同数にするという簡素な構成によって、海底に揚鉱装置を安定配置することを可能にしている。
本発明の第1実施形態による揚鉱システムの全体構成図である。 上記揚鉱システムの揚鉱装置である。 水中ポンプとハイドロモーターを2式備えた揚鉱装置である。 上記揚鉱システムの循環ポンプの配管系統図である。 水中ポンプとハイドロモーターを1式備えた揚鉱装置である。 上記揚鉱装置の作用図である。 水中ポンプとハイドロモーターを4式備えた揚鉱装置である。 水中ポンプとハイドロモーターを4式備えた揚鉱装置である。 本発明の第2実施形態による揚鉱システムの全体構成図である。
以下、本発明の好ましい実施形態による揚鉱システムについて、海底から鉱石を揚鉱する揚鉱システムを一例に挙げて、添付図面を参照しながら詳しく説明する。但し、以下に説明する実施形態によって本発明の技術的範囲は何ら限定解釈されることはない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に従う揚鉱システムの全体構成図である。本実施形態に従う揚鉱システム1は、海上に配置される揚鉱基地2、海底に配置される揚鉱装置3、揚鉱基地2と揚鉱装置3との間で海水を移送する移送管4を含む。揚鉱基地2から海底まで配設させる移送管4は、採掘した鉱石を海水と共に揚鉱基地2までスラリー移送する揚鉱用の移送管41と、揚鉱基地2にて鉱石を分離した海水を海底に戻す循環用(返送用)の移送管42を含んでいる。
海洋では潮流などの影響を受けるので、移送管4(41,42)としては、可撓性を有するライザー管(フレキシブルライザー)を用いるのが一般的である。従って、説明の便宜上、揚鉱用の移送管41を「揚鉱ライザー」と称し、循環用(返送用)の移送管42を「返送ライザー」と称する。但し、移送管4(41,42)がフレキブルライザーに限定されることはなく、直管ライザーであってもよく、一般的な配管やパイプラインなどであってもよい。
揚鉱基地2は、一般的には船(揚鉱母船)であり、目的とする海域の洋上に停泊させて揚鉱を行う。但し、船に限定されることはなく、海上に建設されたプラットホームなどであってもよい。
揚鉱基地2には、揚鉱ライザー41を介して海底からスラリー移送されてくる鉱石を、海水から分離するセパレータ21が配置されている。図1には、連続するオーバーフロー槽によって構成されたセパレータ21を一例として図示しているが、鉱石と海水を分離できればよく、オーバーフロー槽に限定されることはない。セパレータ21の他の例としては、サイクロン,濾過装置,篩などが挙げられる。生態系への影響を考慮すると、目的とする有価金属以外の物質や成分は、海水と共に返送ライザー42を通じて海底に戻すのが好ましい。
さらに揚鉱基地2には、セパレータ21で鉱石が分離された海水を、返送ライザー42に送り込む循環ポンプ22が配置されている。循環ポンプ22としては、スラリーポンプが好ましいが、特に限定されることはない。
続いて、海底に配置される揚鉱装置3について、図2及び図3を参照しながら詳しく説明する。本実施形態による揚鉱装置3は、図2に示すように、水中ポンプ31と、水中ポンプ31を駆動させるハイドロモーター32と、ハイドロモーター32から水中ポンプ31へ動力を伝達する連結機構33(例えば、回転軸)を含んでいる。一例として、公知のスラリー移送用の水中ポンプの電動機を、ハイドロモーターに置き換えたものを使用することができる。図2には、水中ポンプ31の一例として、浚渫用ポンプを用いた場合の概念図を示してある。
この場合において、水中ポンプ31は、例えば渦巻き形状(蝸牛形状)のケーシング31a内にインペラ31bが配置されており、そのサクション部(所謂、サクションノズル)31cを採掘された鉱石を海水と共に吸入するための吸込口とし、水中ポンプ31の吐出部(所謂、吐出ノズル)31dを揚鉱ライザー41に連結している。吸入する鉱石は、不図示の採鉱機によって熱水鉱床を粉砕したものである。
ハイドロモーター32は、電気を駆動源とする電気モーターとは異なり、水流を動力源とするモーターである。ハイドロモーター32としては、例えば水車を用いることができる。図2には、ハイドロモーター32の一例として、フランシス水車を用いた場合の概念図を示してある。そして本実施形態では、返送ライザー42を通じて海底に戻される海水(戻り海水)を、ハイドロモーター32の駆動水としている。ハイドロモーター32は、一例として、例えば渦巻き形状(蝸牛形状)のケーシング32aの内部に配置された回転羽根32bと、ケーシング32a内に動力水を導入するための導入口32cと、ケーシング32aから動力水を排出する排出口32dを含み、回転羽根32bが回転することによって連結機構33の回転軸を介して水中ポンプ31のインペラ31bが回転するように構成されている。連結機構33の回転軸は、一軸に限られず、例えば途中にギアなどを配置してもよい。さらに、水中ポンプ31とハイドロモーター32は、必ずしも図2のように一直線の同軸上に配置されていなくともよい。
なお、図2には、フランシス水車の一例として、いわゆる横軸単輪単流渦巻き型のフランシス水車を示してあるが、水車軸が立軸であってもよく、水車ライナーが二輪であってもよく、排出が複流であってもよい。さらに、ケーシングが前口,横口であってもよい。
本実施形態の揚鉱装置3は、連結機構33によって同軸上に配置された水中ポンプ31及びハイドロモーター32の一式を、複数式(例えば、2式,4式,6式,8式,或いはそれ以上)有する。偶数であることが好ましいが、奇数が除かれることもない。これら複数式の水中ポンプ31及びハイドロモーター32は、例えば立方状に形成された支持枠やケーシングなどの内部に固定配置されている。支持枠やケーシングなどを用いず、隣り合う水中ポンプ31のケーシング31a同士、及びハイドロモーター32のケーシング32a同士を、例えば連結部材を用いて固定するようにしてもよい。図3には、好ましい一例として、2式の水中ポンプ31(31A,31B)及びハイドロモーター32(32A,32B)を横方向に並列配置し、支持部材(不図示)によって支持枠34に固定した構成を示している。なお、図3には、支持枠34の外輪郭のみ図示している。
本実施形態の揚鉱装置3は、水中ポンプ31(31A,31B)及びハイドロモーター32(32A,32B)を横方向に並列配置したのに加えて、隣り合う水中ポンプ31のインペラ31bの回転方向を左右対称としており、さらに隣り合うハイドロモーター32の回転羽根32bの回転方向を左右対称としている。すなわち、時計回りにインペラ31bが回転する水中ポンプ31と、反時計回りにインペラ31bが回転する水中ポンプ31の数が等しく、回転羽根32bが時計回りに回転するハイドロモーター32と、回転羽根32bが反時計回りに回転するハイドロモーター32の数が等しくなっている。図3では、水中ポンプ31Aが反時計回りであり、水中ポンプ31Bが時計回りになっているが、左右どちら側を時計回り/反時計回りにするかについては特に限定されない。
隣り合う水中ポンプ31(31A,31B)は、左右対称の構造であることを除けば、ポンプ形式及びポンプ能力が同じであることが好ましい。同様に、隣り合うハイドロモーター32(32A,32B)は、左右対称の構造であることを除けば、モーター形式及びモーター容量が同じであることが好ましい。なお、図3は、好ましい一例としてインペラ31bと回転羽根32bのサイズも略同等となる水中ポンプ31とハイドロモーター32を配置しているが、これに限定されることはない。
各水中ポンプ31の吐出ノズル31dは、集合ヘッダーを介して1本の揚鉱ライザー41に連結されている。また、各ハイドロモーター32の導入口32cは、分配ヘッダーを介して1本の返送ライザー42に連結されている。ハイドロモーター32側の分配ヘッダーは、例えば各分岐路にバルブが配置されており、例えばバルブの開度を調節することによって駆動水が各ハイドロモーター32に均等に供給されるようにする。これにより、各ハイドロモーター32の回転羽根32bの回転数が均等となり、従って各水中ポンプ31のインペラ31bの回転数が均等となる。
説明を図1に戻し、揚鉱ライザー41と返送ライザー42は、バイパス管43によって海底側で連結されている。さらに、返送ライザー42とバイパス管43の連結部、及び揚鉱ライザー41とバイパス管43の連結部には、例えば三方バルブなどの切替バルブ44が配置されている。このような構成において、例えば揚鉱装置3の不具合,揚鉱ライザー41内での鉱石の閉塞などが発生した場合には、返送ライザー42によって海底に戻される海水がバイパス管43を通じて揚鉱ライザー41に供給されるように、切替バルブ44を制御する。切替バルブ44の制御は、例えば揚鉱基地2と切替バルブ44とを信号線で接続しておき、揚鉱基地2からの遠隔操作によって行うことができる。但し、バイパス管43及び切替バルブ44は、必ずしも備えていなくともよい。
続いて、循環ポンプ22の配管系統について、図4を参照しながら説明する。図4に示すように、循環ポンプ22のサクション部(所謂、サクションノズル)には、セパレータ21で鉱石が分離された海水を吸入する吸入ライン22aと、海面付近の海水を吸入するための吸入ライン22bが接続されている。海面付近の海水を吸入するための吸入ライン22bは、揚鉱装置3を構成している水中ポンプ31とハイドロモーター32の効率ロス分を補って、揚鉱装置3を安定駆動させるためのものである。
具体的には、循環ポンプ22によって返送ライザー42に送り込む海水の流量をV1、水中ポンプ31が揚鉱ライザー41に送り込む海水の流量(すなわち、揚鉱基地2に汲み上げられる海水の流量)をV2としたとき、V1がV2よりも多くなるように設定される。V1とV2の差分(ΔV=V1−V2)は、吸入ライン22bを通じて吸入する。
すなわち、揚鉱装置3は、海底に戻す海水を駆動水に利用し、水中ポンプ31とハイドロモーター32を用いて揚鉱する構造であるため、ポンプやモーターの効率が低下したり、鉱石量が変動したりした場合、汲み上げる海水の量と海底に戻す海水の量との均衡を維持することができなくなり、安定した揚鉱が行えなくなる。その対策として、本実施形態では、水中ポンプ31のポンプ効率によるロス分と、ハイドロモーター32のモーター効率によるロス分との和に見合う量(ΔV)と同じか、又はそれ以上の量の海水を返送ライザー42に送り込める構造としている。流量調節手段は、例えば、返送ライザー42や吸入ライン22a,22bに設けた流量調整バルブ(不図示)などである。循環ポンプ22の出力を制御するインバーターであってもよい。なお、吸入ライン22bは、ハイドロモーター32を初期駆動させる海水を吸入するためのものでもある。
上述の揚鉱システム1によって、海底から鉱石を揚鉱する手順について説明する。まず、揚鉱基地2に設置されているクレーン(不図示)を用いて、揚鉱装置3、揚鉱ライザー41、返送ライザー42が図1に示した配置となるようにする。揚鉱装置3は、例えばクレーンを用いて海底近傍に吊り下げるようにしてもよい。揚鉱する水深は、例えば800〜2000mである。水中ポンプ31で吸入する鉱石は、採鉱機で熱水鉱床を粉砕し、集鉱機で海底に集められた鉱石である。採鉱機および集鉱機は、公知のものを使用することができる。
限定されることはないが、一例として、口径が8インチのフレキシブルライザーを用い、20mm以下に粉砕した鉱石を各水中ポンプ31で吸入し、揚鉱ライザー41内を3.7m/sの流速で移送することができる。このとき、海水と鉱石の質量比が9:1程度のスラリー状で移送することができる。
各水中ポンプ31で吸入した鉱石は、例えば集合ヘッダーを介して揚鉱ライザー41に送り込まれ、揚鉱ライザー41を通じて揚鉱基地2まで移送される。揚鉱基地2まで揚鉱された鉱石を含む海水は、セパレータ21に供給される。図1に示したセパレータ21の場合、鉱石と海水の比重差によって、鉱石と海水を分離する。鉱石が分離された海水は、循環ポンプ22によって返送ライザー42に送り込まれ、返送ライザー42を通じて海底まで移送される。そして、分配ヘッダーによって流量が均等になるように分配された後、各ハイドロモーター32に駆動水として供給される。そして、最終的に、海水は元の深海へと戻されることになる。従って、海洋汚染を防止すると共に、生態系へ悪影響を及ぼすことが抑えられる。
以上の通り、本実施形態に従う揚鉱システム1によれば、海底に配置される揚鉱装置3に水中ポンプ31とハイドロモーター32を用いたことにより、揚鉱ライザー41への鉱石の投入を容易にできるという利点がある。但し、深海からの揚鉱をより安定して行うためには、揚鉱装置3が安定配置されていることが必要となる。例えば図5に示すように水中ポンプ31とハイドロモーター32を一式とした場合、高速で回転するインペラ31bと回転羽根32bの回転モーメントが一方向に作用することによって、揚鉱装置3自体が回転或いは横移動することが懸念される。
そこで、本実施形態に従う揚鉱装置3は、同軸上に連結された水中ポンプ31とハイドロモーター32を一式としたときに、2式の水中ポンプ31とハイドロモーター32を左右に並列配置すると共に、隣り合う水中ポンプ31のインペラ31bの回転方向を左右対称とし、隣り合うハイドロモーター32の回転羽根32bの回転方向を左右対称とした構成としている。これにより、図6に示すように、隣り合う水中ポンプ31同士で回転モーメントを相殺することができ、隣り合うハイドロモーター32同士で回転モーメントを相殺することができる。よって、揚鉱装置3自体に偏った回転モーメントが作用するのを抑制することができ、揚鉱装置3自体が回転或いは横移動するのを抑制することが可能となる。
図3には、揚鉱装置3が、2式の水中ポンプ31とハイドロモーター32を有する構成を示したが、例えば4式の水中ポンプ31とハイドロモーター32を有する場合、図7に示すような構成が一例として挙げられる。すなわち、4式の水中ポンプ31とハイドロモーター32の全部を横方向に並列配置するか、或いは2式の水中ポンプ31とハイドロモーター32を上下に配置することができる。さらに、4式の水中ポンプ31とハイドロモーター32の全部を横方向に並列配置した場合、隣り合うすべての水中ポンプ31及びハイドロモーター32についてインペラ31bとハイドロモーター32bの回転方向が対称となるように配置することもでき、或いは中心線を境にして左側に位置する水中ポンプ31とハイドロモーター32のグループと、中心線を境にして右側に位置する水中ポンプ31とハイドロモーター32のグループの回転方向が対称となるように配置することもできる。このとき、グループ内の水中ポンプ31とハイドロモーター32の回転方向は、同一方向なっている。このような構成であっても、装置全体でみれば回転モーメントが相殺されているので、上記の効果を得ることが可能である。4式以上でも同様である。
なお、図3に示した揚鉱装置3は、鉱石と海水を吸込む吸込口31cと、動力水を排出する排出口32dが同軸上に配置されているが、例えば排出口32dにU字管を連結することによって、排出口32dを吸込口31c側に向けるようにしてもよい。すなわち、海水の吸込方向と排出方向が互いに対向するように、吸込口31cと排出口32dの向きが設定された構成とする。このような構成とすれば、海水を排出するときに揚鉱装置3に作用する反力を、海水を吸込むときに揚鉱装置3に作用する引力で弱めることができる。その結果、回転モーメントの影響に加えて、揚鉱装置3に作用する水流の影響も抑えることができ、より確実に揚鉱装置3を安定配置することが可能となる。なお、4式の場合は、例えば図8のように配置することによって、海水を排出するときに装置に作用する反力を、海水を吸込むときに装置に作用する引力で弱めることができる。なお、図中の連結機構33の位置に記載した矢印は、回転軸の回転方向を示す。
以上のように、本実施形態に従う揚鉱装置3は、複数式の水中ポンプ31とハイドロモーター32を有する。この場合、水中ポンプ31とハイドロモーター32の数は増えるが、揚鉱ライザー41内の海水の流量が同じであれば、小型の水中ポンプ31及びハイドロモーター32を使用することができる。さらに、小型の水中ポンプ31とハイドロモーター32を用いてその数を増やしておくと、例えば海底で水中ポンプ31とハイドロモーター32の一つが故障しても、トータルの揚鉱能力の低下が抑えられるという利点がある。
なお、上述の揚鉱装置3は、海底に戻される海水を駆動源として活用するハイドロモーター32を備えている。ハイドロモーター32を有することにより、本実施形態の揚鉱システム1は、揚鉱に必要な動力を節約することが可能となる。但し、必ずしもハイドロモーター32によって駆動される水中ポンプ31でなくともよく、例えばモーターなどの電動機によって駆動される一般的な水中ポンプ31であってもよい。この場合も、隣り合う水中ポンプ31を左右対称に並列配置することによって、回転モーメントを相殺することができ、揚鉱装置3を安定配置させることが可能となる。
(第2実施形態)
本実施形態は、揚鉱装置3の変形例であり、集鉱機5と揚鉱装置3とを連結したことを除けば第1実施形態と同じ構成である。従って、第1実施形態と供給する構成については、同一の符号を付すことによって詳しい説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態に従う揚鉱装置3は、採鉱機で採掘した鉱石を集めるための集鉱機5が接続されており、集鉱機5が海底を移動しながら鉱石を集め、それを揚鉱装置3が海上まで揚鉱する構成である。
より具体的には、集鉱機5は、本体部51と、移動用のキャタピラー52と、鉱石を吸入するための吸込口を有する集鉱ヘッド53を有している。そして、例えばフレキシブルホースなどの集鉱ホース54及び分配ヘッダー(不図示)を介して、各水中ポンプ31のサクション部31cと集鉱ヘッド53が連結されている。従って、集鉱機5が海底を移動しながら、水中ポンプ31の吸込力を利用して、鉱石と海水を集鉱ヘッド53から吸入することができる。
本実施形態のように構成しても、揚鉱装置3が回転するのを抑制することができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態のように構成すれば、集鉱作業と揚鉱作業を同時に行うことができ、作業効率が向上する利点がある。
さらに、図9に示した集鉱機5に代えて、鉱石を採掘するための採掘機を揚鉱装置3と連結するようにしてもよい。採掘機の一例として、集鉱ヘッドに代えて採掘ヘッドを有した集鉱機5と同様の構造を有するものを使用することができる。よって、採掘ヘッドにフレキシブルホースなどの集鉱ホース54を接続することにより、採掘と揚鉱を同時に行うことが可能となる。
また、上述の実施形態は、海底から鉱石をスラリー状で揚鉱するのに適した揚鉱システムを例示している。但し、当該システムが、固体,液体を問わず海底に存在する有価物の揚鉱に適用可能であることは言うまでもない。
なお、ハイドロモーター32は、フランシス水車に限定されることはない。また、回転軸を通じてハイドロモーター32の駆動力を水中ポンプ31に伝達する構成に限らず、例えば水中式発電機一体型水車を用い、発電した電力を使って水中ポンプ31を駆動させるようにしてもよい。この場合、水中ポンプ31には電動機付きのものを用いる。さらには、発電した電力のすべてを水中ポンプ31に使用しなくともよく、例えば揚鉱装置3の他の動力(例えば制御機)や、集鉱機5或いは採鉱機の動力に使用してもよい。
以上、本発明を具体的な実施形態に則して詳細に説明したが、形式や細部についての種々の置換、変形、変更等が、特許請求の範囲の記載により規定されるような本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行われることが可能であることは、当該技術分野における通常の知識を有する者には明らかである。従って、本発明の範囲は、前述の実施形態及び添付図面に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められるべきである。
1 揚鉱システム
2 揚鉱基地
21 セパレータ
22 循環ポンプ
3 揚鉱装置
31(31A,31B) 水中ポンプ
31b インペラ
32(32A,32B) ハイドロモーター
32b 回転羽根
4 移送管
41 揚鉱ライザー
42 返送ライザー
43 バイパス管
5 集鉱機

Claims (4)

  1. 海上に配置される揚鉱基地と、
    揚鉱基地から海底まで配設され、海底で採掘された有価物を含む海底海水を揚鉱基地に移送する揚鉱用の移送管と、
    有価物と海底海水を分離するセパレータと、
    揚鉱基地から海底まで配設され、有価物が分離された海水を海底に戻す循環用の移送管と、
    有価物が分離された海水を循環用の移送管に送り込む循環ポンプと、
    海底に配置され、有価物を海底海水と共に吸込口から吸入して揚鉱用の移送管に送り込む水中ポンプを有する揚鉱装置と、を備え、
    前記揚鉱装置は、並列配置した複数の水中ポンプを含み、時計回りにインペラが回転する水中ポンプの数と、反時計回りにインペラが回転する水中ポンプの数を等しくしたことを特徴とする揚鉱システム。
  2. 前記揚鉱装置は、循環用の移送管を通じて海底に戻される海水を駆動水とする複数のハイドロモーターをさらに含み、これらハイドロモーターを並列配置すると共に、内部の回転羽根が時計回りに回転するハイドロモーターの数と、内部の回転羽根が反時計回りに回転するハイドロモーターの数を等しくしたことを特徴とする請求項1に記載の揚鉱システム。
  3. 前記インペラと回転羽根が同軸上に連結された水中ポンプとハイドロモーターの一式を、偶数式有することを特徴とする請求項2に記載の揚鉱システム。
  4. 前記水中ポンプの吸込口と前記ハイドロモーターの海水排出口は、海水の吸込方向と排出方向が揚鉱装置に対するそれぞれの水流の力が相殺するように配置されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の揚鉱システム。
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