JP5431129B2 - 助手席用エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車などの車両に備えられる助手席用エアバッグ装置に関する。
従来より、インフレータの作動によりエアバッグを膨張させ、助手席側の乗員を拘束する助手席用エアバッグ装置が使用されている。一般に助手席用エアバッグ装置は、車両衝突時等にガスを発生させるインフレータと、このインフレータのガスにより膨張展開するエアバッグと、このエアバッグを折り畳んだ状態で収容するリテーナとを有している。この助手席用エアバッグ装置は、インフレータ及びエアバッグを収容したリテーナにリッドを取り付けた状態で、インストルメントパネルの開口部に取り付けられる。
リテーナの車両前後方向に対応する前壁及び後壁には、係止板が固定されている。この係止板には、その延在方向に適宜な間隔をおいて複数の鉤状のフックが一体的に設けられている。またリッドには上記係止板の各フックに対応する位置に当該フックを係合可能な係合孔がそれぞれ設けられている。この係合孔に係止板のフックをそれぞれ係合させることにより、リテーナにリッドが取り付けられる。
このような構成の助手席用エアバッグ装置においては、車両の衝突時等にインフレータが作動するとエアバッグが膨張し、リッドを開放させてエアバッグが車両室内に展開する。一方で、エアバッグの展開不要な低速衝突時等には、乗員がその身体の一部、例えば頭部をインストルメントパネルやリッドにぶつけるおそれがある。このため、助手席用エアバッグ装置は、乗員がぶつかってきたときにリテーナを徐々に変形させて、ぶつかり時の衝撃を吸収する衝撃吸収機能を有する必要がある。
このようなリテーナに衝撃吸収機能を持たせた助手席用エアバッグ装置としては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。この助手席用エアバッグ装置では、リテーナ(ケーシング本体)の後壁における左右両側の角部に、左右一対のスリットが上下方向に複数段となるように形成されている。そして、乗員がインストルメントパネルやリッドにぶつかることでその衝撃がリテーナに伝わると、リテーナの後壁が各スリットを押し潰すようにして開口部内側に変形し、衝撃を吸収する。
特開平11−189120号公報
一般に、リテーナ後壁の左右両側の角部に左右一対となるスリットを形成した場合、後壁の剛性は左右一対のスリット同士の間の領域(以下「スリット間領域」と称する)において低下する。したがって、衝撃がリテーナに伝わると、後壁は上記スリット間領域において屈曲・座屈等を生じ、その結果変形する。
一方で、一般に係止板はリテーナを構成する壁部よりも厚みが大きく剛性が大きい。このため、後壁は係止板が固定された部分では屈曲、座屈等の変形をしにくくなる。このように、後壁の剛性は係止板が固定された領域(以下「係止板固定領域」と称する)においては増大する。
上記従来技術においては、上下方向に複数段形成されたスリットの一部が、係止板の固定部分と上下方向において一部重複する構成となっている。すなわち、上記スリット間領域と上記係止板固定領域とが上下方向において一部重複している。このため、重複部分においてはスリットによる剛性低下機能が相殺されてしまい、リテーナが衝撃吸収機能を十分に発揮できる構成であるとは言えなかった。
本発明の目的は、リテーナの衝撃吸収機能を向上できる助手席用エアバッグ装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1発明の助手席用エアバッグ装置は、車両の内壁を構成するインストルメントパネルに設けられた開口部から膨張展開するエアバッグと、折り畳まれた前記エアバッグを収納するリテーナと、前記リテーナの底部に取り付けられ、前記エアバッグにガスを供給するインフレータと、を有する助手席用エアバッグ装置であって、前記リテーナは、車両前後方向に対応する前壁及び後壁、並びに車両左右方向に対応する左壁及び右壁を備えるとともに前記後壁に前記車両左右方向に所定の間隔をおいて形成された複数の貫通孔を備えた略四角枠形状のリテーナ本体と、前記リテーナ本体の前記後壁と前記左壁及び右壁との角部にそれぞれ形成された左右一対のスリットと、前記開口部を塞ぐリッドに設けた係合孔に係合可能な複数の鉤状のフックを延在方向に所定の間隔をおいて備え、前記リテーナ本体の前記後壁に固定された係止板と、を有し、前記後壁における前記左右一対のスリット同士の間の領域であるスリット間領域と、前記後壁における前記係止板が固定された領域である係止板固定領域とが、重ならないように構成され、かつ前記貫通孔の少なくとも一部が前記スリット間領域内となるように形成されていることを特徴とする。
本願第1発明の助手席用エアバッグ装置においては、車両の衝突時等にはインフレータよりガスが供給されてエアバッグが膨張し、リッドを開放させてインストルメントパネルの開口部から車両室内に展開する。
一方、エアバッグの展開不要な低速衝突時等には、乗員がその身体の一部、例えば頭部をインストルメントパネルやリッドにぶつけるおそれがある。このような場合には、リテーナ本体の後壁が、当該後壁と左壁及び右壁との角部にそれぞれ形成された左右一対のスリット同士の間のスリット間領域において屈曲・座屈等の変形を生じ、これによりぶつかり時の衝撃を吸収する。
ここで本願第1発明においては、後壁における上記スリット間領域と、後壁における係止板が固定された領域である係止板固定領域とが、重ならないようにリテーナが構成されている。これにより、係止板固定領域における剛性増大の影響を受けることなく、スリットによる剛性低下機能を最大限に活かして、後壁をスリット間領域で変形させることができる。その結果、リテーナが衝撃吸収機能を十分に発揮できるので、衝撃吸収機能を向上できる。また、本願第1発明においては、リテーナ本体の後壁に車両左右方向に所定の間隔をおいて複数の貫通孔が形成されており、これらの貫通孔はその少なくとも一部がスリット間領域内となるように形成されている。これにより、スリット間領域内における貫通孔が形成された上下方向位置においては、後壁の実板部分がスリットに加えて貫通孔の分だけさらに少なくなるため、スリットによる剛性低下機能に加えてさらに貫通孔による剛性低下機能を相乗的に発揮させることができる。したがって、リテーナの衝撃吸収機能をさらに向上できる。
第2発明の助手席用エアバッグ装置は、上記第1発明において、前記リテーナは、前記スリット間領域の上端と、前記係止板固定領域の下端とが、概ね一致するように構成されていることを特徴とする。
本願第2発明においては、スリット間領域の上端と係止板固定領域の下端とが概ね一致するように、リテーナ本体にスリットが形成されると共に後壁に係止板が固定される。これにより、スリット間領域と係止板固定領域とが上下方向において互いに重ならないようにしつつ、リテーナ本体の上下方向長さを必要最小限とすることができる。その結果、リテーナの小型化を図ることができる。
第3発明の助手席用エアバッグ装置は、上記第1又は第2発明において、前記リテーナは、前記後壁の下側に固定されたリテーナ側固定部と、前記車両の強度部材に固定される車両側固定部とを備えた、前記リテーナを前記強度部材に対して固定支持する支持部材を有しており、前記スリットは、当該スリットの長手方向長さが最大となる上下方向位置が、前記後壁における前記リテーナ側固定部が固定された領域である支持部材固定領域と、前記係止板固定領域との間の領域に包含されるように、形成されていることを特徴とする。
例えばスリットの端部形状が円弧や三角形状である場合のように、スリットの長手方向長さが上下方向において一定でない場合、スリットの長手方向長さが最大となる上下方向位置が、後壁の実板部分が最も少なくなる位置、すなわち後壁の剛性が最も低下する位置となる。
そこで本願第3発明においては、スリットの長手方向長さが最大となる上下方向位置が、支持部材固定領域と係止板固定領域との間の領域に包含されるような構成とする。これにより、剛性が最小となる位置を、剛性が増大する領域である係止板固定領域及び支持部材固定領域以外の領域に位置させることができる。その結果、両領域における剛性増大の影響を受けることなく、スリットにより剛性が最小となる上下方向位置において、後壁をピンポイントに変形させることができる。
第4発明の助手席用エアバッグ装置は、上記第1又は第2発明において、前記リテーナは、前記後壁の下側に固定されたリテーナ側固定部と、前記車両の強度部材に固定される車両側固定部とを備えた、前記リテーナを前記強度部材に対して固定支持する支持部材を有しており、前記スリット間領域は、前記後壁における前記リテーナ側固定部が固定された領域である支持部材固定領域と、前記係止板固定領域との間の領域に、上下方向において包含されていることを特徴とする。
本願第4発明においては、リテーナは車両の強度部材に対して支持部材により支持固定される。一般にこの支持部材は、強度を確保するためにリテーナの後壁よりも厚みが大きくなっており、剛性が大きい。このため後壁は、係止板固定領域と同様に、支持部材のリテーナ側固定部が固定された支持部材固定領域においても剛性が増大する。
そこで本願第4発明においては、スリット間領域が、支持部材固定領域と係止板固定領域との間の領域に上下方向において包含された構成とする。これにより、スリット間領域を、剛性が増大する領域である係止板固定領域及び支持部材固定領域以外の領域に位置させることができる。その結果、リテーナを支持部材により車両の強度部材に支持固定する構造としつつ、上記両領域における剛性増大の影響を受けることなく、後壁をスリット間領域で変形させることができる。
発明の助手席用エアバッグ装置は、上記第1乃至第4発明において、前記複数の貫通孔は、上下方向位置が等しくなるように形成され、且つ、当該貫通孔の前記車両左右方向長さが最大となる上下方向位置が、前記スリット間領域に含まれるように、形成されていることを特徴とする。
例えば貫通孔の形状が円や長孔状である場合のように、貫通孔の車両左右方向長さが上下方向において一定でない場合、貫通孔の車両左右方向長さが大きい位置ほど後壁の実板部分が少なくなり、後壁の剛性が低下する。
そこで本願第発明においては、貫通孔の車両左右方向長さが最大となる上下方向位置がスリット間領域に含まれるように、同じ高さで貫通孔を形成する。これにより、貫通孔による剛性低下機能が最大となる上下方向位置を、スリット間領域内に位置させることができるので、貫通孔による剛性低下機能を最大限に活かして、後壁をスリット間領域で変形させることができる。
発明の助手席用エアバッグ装置は、上記第発明において、前記貫通孔は、当該貫通孔の前記車両左右方向長さが最大となる上下方向位置が、前記スリットの長手方向長さが最大となる上下方向位置と概ね一致するように、形成されていることを特徴とする。
本願第発明においては、貫通孔の車両左右方向長さが最大となる上下方向位置が、スリットの長手方向長さが最大となる上下方向位置と概ね一致するように、貫通孔が形成されている。これにより、当該上下方向位置では、後壁の実板部分が最も少なくなるため、後壁の剛性を最も低下させることができる。したがって、両領域における剛性増大の影響を受けることなく、スリット及び貫通孔により剛性が最小となる上下方向位置において、後壁をピンポイントに変形させることができる。
発明の助手席用エアバッグ装置は、上記第乃至第発明のいずれかにおいて、前記貫通孔は、上下方向に伸びた長孔形状を有しており、その上下方向中心位置が、前記係止板の下端位置と概ね一致するように、形成されていることを特徴とする。
貫通孔を上下方向に伸びた長孔形状に形成した場合、その上下方向中心位置では貫通孔の左右方向長さが確実に最大となる。したがって、本願第8発明のように、貫通孔の上下方向中心位置が係止板の下端位置と概ね一致する構成とすることで、剛性の高い係止板の下端位置を貫通孔により剛性が最大限に低下された位置に合わせ、剛性の高い係止板による突っ張り作用を利用してその下端位置近傍での後壁の変形を促進できる。
発明の助手席用エアバッグ装置は、上記第乃至第発明のいずれかにおいて、前記貫通孔は、前記係止板のフックと前記車両左右方向位置が概ね一致するように、形成されていることを特徴とする。
一般に係止板はリテーナ本体の後壁に対しスポット溶接等により固定される。このとき、係止板のフック部分に対応する車両左右方向位置においては、当該フックが邪魔となり溶接ができないことから、隣り合うフック間の隙間において溶接が行われる。
本願第発明においては、係止板のフックと車両左右方向位置がそれぞれ概ね一致するように、リテーナ本体の後壁に各貫通孔が形成されている。これにより、係止板における隣り合うフック間の隙間は、後壁における隣り合う貫通孔間の実板部分に対応することになる。その結果、当該フック間の隙間においてスポット溶接を行うことで、係止板を後壁に対し確実に固定できる。また、係止板を後壁に固定する際の溶接作業性を向上できる。
本発明によれば、リテーナの衝撃吸収機能を向上できる。
インストルメントパネルの内部に設置した状態での本実施形態の助手席用エアバッグ装置の概略構造を示す側断面図である。 助手席用エアバッグ装置の平常時の外観構成を表す側面図である。 助手席用エアバッグ装置を図2中矢印Y方向から見た後面図である。 図3中IV−IV断面による助手席用エアバッグ装置の側断面図である。 リテーナを乗員側である後方から見た後面図である。 リテーナが変形する様子を表す斜視図である。 後壁の斜め前側から見た変形後のリテーナの斜視図である。 スリット間領域とブラケット固定領域とが重ならない変形例のリテーナを乗員側である後方から見た後面図である。 スリット中心位置と孔幅最大範囲とが一致する変形例のリテーナを乗員側である後方から見た後面図である。
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において、車両前後方向及び車両左右方向とは、車両の助手席に着座した乗員から見た車両の前後方向及び左右方向をいう。また、空間内の方向を示す語句として、車両の助手席に着座した乗員から見た前後方向、上下方向、左右方向をそのまま用いる。
図1は、インストルメントパネル12の内部に設置した状態での本実施形態の助手席用エアバッグ装置10の概略構造を示す側断面図である。なお、図1(a)はエアバッグ14が膨張展開していない平常時の状態を示し、図1(b)はエアバッグ14の膨張展開時の状態を示している。また図2は、助手席用エアバッグ装置10の平常時の外観構成を表す側面図であり、図1(a)に示す助手席用エアバッグ装置10の拡大図に相当するものである。また図3は、助手席用エアバッグ装置10を図2中矢印Y方向から見た後面図である。また図4は、図3中IV−IV断面による助手席用エアバッグ装置10の側断面図である。
図1に示すように、助手席Sに着座している乗員Mの前方(図1中右方)には、車両としての自動車の内壁を構成するインストルメントパネル12(以下適宜、省略して「インパネ12」と称する)が配置されている。本実施形態の助手席用エアバッグ装置10は、このインパネ12の内部に設置される。助手席用エアバッグ装置10は、エアバッグ14と、リテーナ16と、略円盤型のインフレータ18とを有している。
図4に示すように、エアバッグ14は折り畳まれてエアバッグカバー19に包まれた状態でリテーナ16に収納されている。このエアバッグ14の下部には開口部(図示省略)が形成されており、この開口部にインフレータ18の上部が差し込まれた状態で、押えリング20によってリテーナ10に固定されている。インフレータ18が作動してガスが供給されると、エアバッグ14は膨張してエアバッグカバー19をティアライン(図示省略)から開裂させ、上記インパネ12に設けられた開口部21(以下適宜「パネル開口部21」と称する)から膨出してインパネ12と乗員Mとの間に展開する。
リテーナ16は、折り畳まれた状態のエアバッグ14を収納する。図2及び図3に示すように、このリテーナ16は、車両前後方向に対応する前壁22F及び後壁22B、並びに車両左右方向に対応する左壁22L及び右壁22Rを備えた略四角枠形状のリテーナ本体22と、複数の鉤状のフック24を延在方向に所定の間隔をおいて備えた2枚のフック板26,27とを有している。図2及び図4に示すように、フック板26は、リテーナ本体22の上記前壁22Fの下部に固定されている。一方、フック板27(係止板)は、リテーナ本体22の上記後壁22Bの上部に固定されている。これらフック板26,27の各フック24が、リッド28の脚部30に設けられた係合孔32にそれぞれ貫通して係合することにより、リテーナ16がリッド28に取り付けられる。このような係合用途のため、フック板26,27の厚みは、強度を確保するために、リテーナ本体22を構成する前壁22Fや後壁22Bの厚みより大きくなっている(図4参照)。
また図2及び図3に示すように、リテーナ本体22の後壁22Bと左壁22L及び右壁22Rとの角部には、それぞれ左右一対のスリット34が形成されている。また図3に示すように、後壁22Bにおけるスリット34同士の間には、車両左右方向(図3中左右方向)に所定の間隔をおいて複数の貫通孔36が形成されている。これらの貫通孔36は、フック板27のフック24と車両左右方向位置が概ね一致するように、形成されている。
またリテーナ16は、リテーナ本体11の車両左右方向の両側面(左面及び右面)にそれぞれサイドブラケット38を有している。このサイドブラケット38は、リテーナ本体22に固定されるリテーナ側固定部38aと、車両側に固定される車両側固定部38bとを備えている。リテーナ側固定部38aは、リテーナ本体11の左壁22L及び右壁22Rにそれぞれ溶接等により固定されている。一方、車両側固定部38bにはボルト孔38cが穿設されており、ボルト・ナット等(図示省略)によりインパネ15内に配置された車両側の強度部材(図示省略)に固定される。
さらにリテーナ16は、リテーナ本体11の下方の左右両側にそれぞれロアブラケット40(支持部材)を有している。このロアブラケット40は、中間部が屈曲された帯状の板片であり、その両端にリテーナ本体22に固定されるリテーナ側固定部40a,40bを備え、中間部に車両側に固定される車両側固定部40cを備えている。リテーナ側固定部40aは、リテーナ本体11の後壁22Bに溶接等により固定されており、リテーナ側固定部40bは、リテーナ本体11の底部22Dに溶接等により固定されている。一方、車両側固定部40cにはボルト孔40dが穿設されており、裏面側にはこのボルト孔40dに対応してナット42(図2参照)が溶接等により設けられている。車両側のボルト(図示省略)が上記ボルト孔40dを貫通してナット42に締結することにより、車両側固定部40cはインパネ15内に配置された車両側の強度部材に固定される。なお、このような固定支持用途のため、ロアブラケット40の厚みは、強度を確保するために、リテーナ本体22を構成する後壁22Bや底部22Dの厚みより大きくなっている。
以上のようにして、サイドブラケット38及びロアブラケット40を車両側の強度部材に取り付けることにより、リテーナ10を強度部材に対して固定支持することができる。なお、図1(a)及び図1(b)では、サイドブラケット38及びロアブラケット40の図示を省略している。
図4に示すように、インフレータ18は、リテーナ本体22の底部22Dに形成された開口部44(後述の図6も参照)に上部が嵌装されて取り付けられる。具体的には、インフレータ18は、その側周面に固定用のフランジ18aを有しており、このフランジ18aには複数のボルト孔(図示省略)が設けられている。また前述の押えリング21にも対応する箇所に複数のボルト孔(図示省略)が設けられている。さらに、リテーナ本体22の底部22Dの対応する箇所にも複数のボルト孔46(後述の図6参照)が設けられている。そして、ボルト48(図2及び図3参照)が、押えリング21のボルト孔、リテーナ本体22のボルト孔46及びインフレータ18のフランジ18aのボルト孔の順に挿通され、最終的にナット50(図2及び図3参照)に締結される。これにより、インフレータ18はリテーナ本体22の底部22Dに固定される。
リッド28は、上記パネル開口部21を塞ぐ蓋部52と、リテーナ16の前後方向を含む側方を覆う前述の脚部30とを備えている。蓋部52は、平常時には、図1(a)に示すようにパネル開口部21を閉塞し、インフレータ1の作動時には、図1(b)に示すようにエアバッグ14の膨張により開放される。また脚部30には、前述したようにフック板26,27の各フック24と対応する位置に、当該フック24を貫通させるための上記係合孔32がそれぞれ設けられている。
このように構成された助手席用エアバッグ装置10にあっては、平常時においては、図1(a)に示すように、エアバッグ14は折り畳まれてリテーナ16の内部に収納されている。そして、車両の衝突時等には、インフレータ18が図示しない制御装置から制御信号を入力されて作動することにより、内部の発火剤が点火してガスを噴出し、これにより内圧が上昇して折り畳み状態であったエアバッグ14が膨張を開始する。そして、図1(b)に示すように、エアバッグ14はその膨張力によりリッド28の蓋部52を開放させ、パネル開口部21より膨出して助手席Sに着座している乗員M側へ展開する。これにより、膨張展開したエアバッグ14が乗員Mの上半身を拘束する。
一方、エアバッグ14の展開が不要な低速衝突時等には、インフレータ18が作動されないためにエアバッグ14が膨張しない。このため、図1(a)中矢印Xに示すように、乗員Mが衝突の反動によりその身体の一部、例えば頭部をインパネ12やリッド28における蓋部52の後方側にぶつけるおそれがある。本実施形態の助手席用エアバッグ装置10では、このような場合には、リテーナ本体22の後壁22Bが変形を生じ、ぶつかり時の衝撃を吸収する。以下、この詳細について説明する。
図5は、リテーナ16を乗員側である後方から見た後面図である。なお、この図5ではサイドブラケット38の図示を省略している。
図5に示すように、リテーナ16が有するリテーナ本体22の後壁22Bの上部には、複数(この例では6本)のフック24を延在方向(図5中左右方向)に所定の間隔をおいて備えたフック板27が、この例では3箇所のスポット溶接54により固定されている。このフック板27は、その上端位置が後壁22Bの上端位置よりも上側となるように配置されており、フック24は後壁22Bの上端位置よりも上側において後方側(図5中紙面手前側)に突出している。また、フック板27は、その下端位置が後壁22Bの左右に形成された一対のスリット34の上端位置と概ね一致する(詳細には若干上側である)ように配置されている。
これにより、後壁22Bにおける左右一対のスリット34同士の間の領域であるスリット間領域SA(図5中斜線部)と、後壁22Bにおけるフック板27が固定された領域であるフック板固定領域PA(係止板固定領域。図5中斜線部)とが、上下方向(図5中上下方向)において重ならないような配置構成となっている。すなわち、上記スリット間領域SAにおいては、左右一対のスリット34により後壁22Bの実板部分が少なくなる分剛性が低下するが、フック板固定領域PAにおいては、後壁22Bよりも厚みが大きなフック板27が固定されることにより剛性が増大するため、これらの領域を分離した構成とすることで、フック板固定領域PAにおける剛性増大の影響を受けることなく、スリット34による剛性低下機能を最大限に活かして、後壁22Bをスリット間領域SAで変形できる構成となっている。
また前述したように、後壁22Bの下部には、その左右両側にロアブラケット40のリテーナ側固定部40aが、この例ではスポット溶接54によりそれぞれ固定されている。このリテーナ側固定部40aの上端位置は、後壁22Bの左右に形成された一対のスリット34の下端位置よりもやや上側となるように配置されており、後壁22Bにおけるリテーナ側固定部40aが固定された領域であるブラケット固定領域BA(支持部材固定領域。図5中斜線部)と、上記スリット間領域SAとは、上下方向においてやや重なった配置構成となっている。
より詳細には、スリット34はその両端が円弧状である長孔形状に形成されており、スリット34の幅方向中心位置C(以下「スリット中心位置C」と称する)が、スリット34の長手方向長さが最大となる上下方向位置となる。本実施形態では、このスリット中心位置Cが、後壁22Bにおける上記ブラケット固定領域BAと、フック板固定領域PAとの間の領域(図5中両矢印Zで示す上下範囲)に包含されるような配置構成となっている。すなわち、ブラケット固定領域BAにおいては、上述したフック板固定領域PAと同様に、後壁22Bよりも厚みが大きなリテーナ側固定部40aが固定されることにより剛性が増大する。そして、スリット中心位置Cは、スリットの長手方向長さが最大となる分、スリット34による後壁22Bの剛性低下機能が最大となる位置であることから、当該スリット中心位置Cを、剛性が増大する領域であるフック板固定領域PA及びブラケット固定領域BA以外の領域に位置させることで、両領域における剛性増大の影響を受けることなく、スリット34による剛性低下機能を最大限に活かした位置であるスリット中心位置C近傍において、後壁22Bを変形できる構成となっている。
また前述したように、後壁22Bにおけるスリット34同士の間には、車両左右方向(図5中左右方向)に所定の間隔をおいて複数(この例では6つ)の貫通孔36が形成されている。これらの貫通孔36は、全てが同じ形状且つ同じ高さに形成されており、その少なくとも一部(この例では下部)がスリット間領域SA内となるように形成されている。より詳細には、貫通孔36の車両左右方向(図5中左右方向)長さが最大となる上下方向位置が、スリット間領域SAに含まれるように形成されている。この例では、各貫通孔36は両端が円弧状である上下方向に伸びた長孔形状に形成されており、その上下両端を除く胴部分の範囲が車両左右方向長さが最大となる範囲(図5中両矢印Wで示す範囲。以下「孔幅最大範囲W」と称する)である。この孔幅最大範囲Wの下部がスリット間領域SAに含まれるような配置構成となっている。さらに、各貫通孔36の上下方向中心位置は、フック板27の下端位置と概ね一致するように構成されている。
すなわち、貫通孔36の車両左右方向長さが最大となる孔幅最大範囲Wでは、貫通孔36の幅が最大となる分、貫通孔36による後壁22Bの剛性低下機能が最大となる。これにより、当該上下方向位置をスリット間領域SAに含ませることにより、後壁22Bの実板部分がスリット34に加えて貫通孔36の分だけさらに少なくなるため、スリット34による剛性低下機能に加えて、貫通孔36による剛性低下機能を相乗的に最大限に発揮させ、後壁22Bをスリット間領域SAで変形し易くできる構成となっている。
図6は、上記構成であるリテーナ16が変形する様子を表す斜視図であり、図6(a)は後壁22Bが変形する前の状態、図6(b)は後壁22Bが変形した後の状態を示している。また図7は、後壁22Bの斜め前側から見た変形後のリテーナ16の斜視図である。なお、煩雑防止のため、図6においてはロアブラケット40の図示を省略し、図7においてはサイドブラケット38の図示を省略している。
図6(a)に示すように、リテーナ16におけるリテーナ本体22の後壁22Bは、通常は真っ直ぐな平板状となっている。一方、低速衝突時等に、乗員Mが衝突の反動により頭部等をインパネ12やリッド28の蓋部52の後方側にぶつけた場合には、その衝撃がインパネ12や蓋部52を介してリテーナ本体22の後壁22Bに伝わる。その結果、図6(b)に示すように、後壁22Bがフック板27と共にリテーナ本体22の外部方向(車両後方側、すなわち乗員側)に屈曲するように変形を生じ、ぶつかり時の衝撃を吸収する。
図7に示すように、後壁22Bは、スリット間領域SA内におけるスリット中心位置Cより上側の領域において屈曲する。特に、貫通孔36の車両左右方向長さが最大となる範囲である前述の孔幅最大範囲Wの下端Wd付近において、最も大きく変形する。これは、前述したように、この下端Wdの位置では、貫通孔36の幅が最大であることから複数の貫通孔36による後壁22Bの剛性低下機能が最大となる上に、スリット間領域SA内であることから左右一対のスリット34による剛性低下機能も相乗的に加わり、後壁22Bが最も変形し易くなるからである。
以上説明した実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。すなわち、本実施形態の助手席用エアバッグ装置10においては、エアバッグ14の展開不要な低速衝突時等に、乗員Mが頭部等をインパネ12やリッド28の蓋部52にぶつけた場合に、リテーナ本体22の後壁22Bが、当該後壁22Bと左壁22L及び右壁22Rとの角部にそれぞれ形成された左右一対のスリット34同士の間のスリット間領域SAにおいて屈曲による変形を生じ、これによりぶつかり時の衝撃を吸収する。このとき、リテーナ本体22の後壁22Bにおけるスリット間領域SAと、後壁22Bにおけるフック板27が固定された領域であるフック板固定領域PAとが、上下方向において重ならないようにリテーナ16が構成されている。これにより、フック板固定領域PAにおける剛性増大の影響を受けることなく、スリット34による剛性低下機能を最大限に活かして、後壁22Bをスリット間領域SAで変形させることができる。その結果、リテーナ16が衝撃吸収機能を十分に発揮できるので、衝撃吸収機能を向上できる。
また、本実施形態では特に、スリット34の上端位置とフック板27の下端位置とが概ね一致するように、言い換えれば、スリット間領域SAの上端とフック板固定領域PAの下端とが概ね一致するように、リテーナ本体22にスリット34が形成されると共に後壁22Bにフック板27が固定される。これにより、スリット間領域SAとフック板固定領域PAとが上下方向において互いに重ならないようにしつつ、リテーナ本体22の上下方向長さを必要最小限とすることができる。その結果、リテーナ16の小型化を図ることができる。
また、本実施形態では特に、スリット34の長手方向長さが最大となるスリット中心位置Cが、ブラケット固定領域BAとフック板固定領域PAとの間の領域に包含されるような構成とする。すなわち、このスリット中心位置Cは、スリット34により後壁22Bの実板部分が最も少なくなる位置であり、スリット34による剛性低下機能が最大となる位置である。したがって、このスリット中心位置Cを、剛性が増大する領域であるフック板固定領域PA及びブラケット固定領域BA以外の領域に位置させることで、両領域PA,BAにおける剛性増大の影響を受けることなく、スリット34による剛性低下機能を最大限に活かした位置であるスリット中心位置C近傍において、後壁22Bを変形させることができる。
また、本実施形態では特に、リテーナ本体22の後壁22Bに車両左右方向に所定の間隔をおいて複数の貫通孔36が形成されており、これらの貫通孔36はその少なくとも一部がスリット間領域SA内となるように形成されている。これにより、スリット間領域SA内における貫通孔36が形成された上下方向位置においては、後壁22Bの実板部分がスリット34に加えて貫通孔36の分だけさらに少なくなるため、スリット34による剛性低下機能に加えてさらに貫通孔36による剛性低下機能を相乗的に発揮させることができる。したがって、リテーナ16の衝撃吸収機能をさらに向上できる。
また、本実施形態では特に、貫通孔36の車両左右方向長さが最大となる孔幅最大範囲Wがスリット間領域SAに含まれるように、同じ高さで貫通孔36を形成する。すなわち、この孔幅最大範囲Wでは、複数の貫通孔36により後壁22Bの実板部分が最も少なくなる位置であり、貫通孔36による剛性低下機能が最大となる位置である。したがって、貫通孔36による剛性低下機能が最大となる上下方向位置を、スリット間領域SA内に位置させることができるので、貫通孔36による剛性低下機能を最大限に活かして、後壁22Bをスリット間領域SAで変形させることができる。
また、本実施形態では特に、貫通孔36の上下方向中心位置がフック板27の下端位置と概ね一致する構成とする。すなわち、本実施形態のように貫通孔36を上下方向に伸びた長孔形状に形成した場合、その上下方向中心位置では貫通孔36の左右方向長さが確実に最大となる。したがって、上記構成とすることで、剛性の高いフック板27の下端位置を貫通孔36により剛性が最大限に低下された位置に合わせ、剛性の高いフック板27の突っ張り作用を利用してその下端位置近傍での後壁22Bの変形を促進できる。
また、本実施形態では特に、リテーナ本体22の後壁22Bに、フック板27のフック24と車両左右方向位置がそれぞれ概ね一致するように、各貫通孔36が形成されている。これにより、以下の効果を得ることができる。すなわち、本実施形態のようにフック板27をリテーナ本体22の後壁22Bに対しスポット溶接により固定する場合、フック板27のフック24部分においては当該フック24が邪魔となり溶接作業ができないことから、隣り合うフック24間の隙間において溶接が行われる。そして、上記構成とすることにより、フック板27における隣り合うフック24間の隙間は、後壁22Bにおける隣り合う貫通孔36間の実板部分に対応することになる。その結果、当該フック24間の隙間においてスポット溶接を行うことで、フック板27を後壁22Bに対し確実に固定できる。また、フック板27を後壁22Bに固定する際の溶接作業性を向上できる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)スリット間領域SAとブラケット固定領域BAとが重ならない構成
上記実施形態では、スリット間領域SAとブラケット固定領域BAとが上下方向においてやや重なった配置構成としたが、これらが重ならないような構成としてもよい。
図8は、このような変形例であるリテーナ16Aの後面図である。なお、この図8ではサイドブラケット38の図示を省略している。図8に示すように、本変形例のリテーナ16Aでは、ロアブラケット40のリテーナ側固定部40aの上端位置が、スリット34の下端位置よりもやや下側となるように配置されており、ブラケット固定領域BAとスリット間領域SAとは、上下方向において重ならない配置構成となっている。言い換えれば、スリット間領域SAが、ブラケット固定領域BAとフック板固定領域PAとの間の領域に上下方向において包含された構成となっている。
これにより、スリット間領域SAを、剛性が増大する領域であるフック板固定領域PA及びブラケット固定領域BA以外の領域に位置させることができる。その結果、リテーナ16をロアブラケット40により車両の強度部材に支持固定する構造としつつ、上記両領域PA,BAにおける剛性増大の影響を受けることなく、後壁22Bをスリット間領域SAで変形させることができる。
(2)スリット中心位置Cと孔幅最大範囲Wとが一致する構成
上記実施形態では、スリット34の幅方向中心位置であるスリット中心位置Cが、貫通孔36の車両左右方向長さが最大となる範囲である孔幅最大範囲Wに含まれず、貫通孔36の車両左右方向長さが最大となる上下方向位置と、スリット34の長手方向長さが最大となる上下方向位置とが一致しない構成であったが、これらの位置が一致する構成としてもよい。
図9は、このような変形例であるリテーナ16Bの後面図である。なお、この図9ではサイドブラケット38の図示を省略している。図9に示すように、本変形例のリテーナ16Bでは、前述の実施形態よりも貫通孔36が上下方向に長く形成されており、貫通孔36の車両左右方向(図9中左右方向)長さが最大となる範囲である孔幅最大範囲Wの下端位置が、スリット34の幅方向(図9中上下方向)中心位置であるスリット中心位置Cと概ね一致している。すなわち、貫通孔36の車両左右方向長さが最大となる上下方向位置と、スリット34の長手方向長さが最大となる上下方向位置とが一致した構成となっている。
これにより、当該スリット中心位置Cでは、後壁22Bの実板部分が最も少なくなるため、後壁22Bの剛性を最も低下させることができる。したがって、フック板固定領域PA及びブラケット固定領域BAにおける剛性増大の影響を受けることなく、スリット34及び貫通孔36により剛性が最小となる上下方向位置において、後壁22Bをピンポイントに変形させることができる。
(3)その他
以上においては、後壁22Bとフック板27及びリテーナ側固定部40aとをスポット溶接54により固定するようにしたが、これに限らず、例えばボルト・ナット等の固定具を用いて固定してもよい。また、前壁22Fとフック板26との固定や、底部22Dとロアブラケット40のリテーナ側固定部40bとの固定、左・右壁22L,22Rとサイドブラケット38のリテーナ側固定部38aとの固定についても同様である。
また以上においては、スリット34や貫通孔36の形状を長孔状としたが、これに限らず、矩形状でもよいし、円形状や楕円形状でもよい。また、スリット34や貫通孔36の端部の形状を円弧状ではなく三角形状としてもよい。
また以上においては、本発明を円盤型のインフレータ(いわゆるディスク型)を用いた助手席用エアバッグ装置に適用した場合を一例として説明したが、円筒状のインフレータ(いわゆるシリンダ型)を用いたエアバッグ装置にも適用可能である。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
10 助手席用エアバッグ装置
12 インストルメントパネル
14 エアバッグ
16 リテーナ
16A リテーナ
16B リテーナ
18 インフレータ
21 開口部
22 リテーナ本体
22B 後壁
22F 前壁
22L 左壁
22R 右壁
22D 底部
24 フック
27 フック板(係止板)
28 リッド
32 係合孔
34 スリット
36 貫通孔
40 ロアブラケット(支持部材)
40a リテーナ側固定部
40c 車両側固定部
BA ブラケット固定領域(支持部材固定領域)
C スリット中心位置(上下方向位置)
PA フック板固定領域(係止板固定領域)
SA スリット間領域

Claims (8)

  1. 車両の内壁を構成するインストルメントパネルに設けられた開口部から膨張展開するエアバッグと、
    折り畳まれた前記エアバッグを収納するリテーナと、
    前記リテーナの底部に取り付けられ、前記エアバッグにガスを供給するインフレータと、を有する助手席用エアバッグ装置であって、
    前記リテーナは、
    車両前後方向に対応する前壁及び後壁、並びに車両左右方向に対応する左壁及び右壁を備えるとともに前記後壁に前記車両左右方向に所定の間隔をおいて形成された複数の貫通孔を備えた略四角枠形状のリテーナ本体と、
    前記リテーナ本体の前記後壁と前記左壁及び右壁との角部にそれぞれ形成された左右一対のスリットと、
    前記開口部を塞ぐリッドに設けた係合孔に係合可能な複数の鉤状のフックを延在方向に所定の間隔をおいて備え、前記リテーナ本体の前記後壁に固定された係止板と、を有し、
    前記後壁における前記左右一対のスリット同士の間の領域であるスリット間領域と、前記後壁における前記係止板が固定された領域である係止板固定領域とが、重ならないように構成され、かつ前記貫通孔の少なくとも一部が前記スリット間領域内となるように形成されている
    ことを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
  2. 請求項1記載の助手席用エアバッグ装置において、
    前記リテーナは、
    前記スリット間領域の上端と、前記係止板固定領域の下端とが、概ね一致するように構成されている
    ことを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の助手席用エアバッグ装置において、
    前記リテーナは、
    前記後壁の下側に固定されたリテーナ側固定部と、前記車両の強度部材に固定される車両側固定部とを備えた、前記リテーナを前記強度部材に対して固定支持する支持部材を有しており、
    前記スリットは、
    当該スリットの長手方向長さが最大となる上下方向位置が、前記後壁における前記リテーナ側固定部が固定された領域である支持部材固定領域と、前記係止板固定領域との間の領域に包含されるように、形成されている
    ことを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
  4. 請求項1又は請求項2記載の助手席用エアバッグ装置において、
    前記リテーナは、
    前記後壁の下側に固定されたリテーナ側固定部と、前記車両の強度部材に固定される車両側固定部とを備えた、前記リテーナを前記強度部材に対して固定支持する支持部材を有しており、
    前記スリット間領域は、
    前記後壁における前記リテーナ側固定部が固定された領域である支持部材固定領域と、前記係止板固定領域との間の領域に、上下方向において包含されている
    ことを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の助手席用エアバッグ装置において、
    前記複数の貫通孔は、
    上下方向位置が等しくなるように形成され、且つ、
    当該貫通孔の前記車両左右方向長さが最大となる上下方向位置が、前記スリット間領域に含まれるように、形成されている
    ことを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
  6. 請求項記載の助手席用エアバッグ装置において、
    前記貫通孔は、
    当該貫通孔の前記車両左右方向長さが最大となる上下方向位置が、前記スリットの長手方向長さが最大となる上下方向位置と概ね一致するように、形成されている
    ことを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
  7. 請求項乃至請求項のいずれか1項記載の助手席用エアバッグ装置において、
    前記貫通孔は、
    上下方向に伸びた長孔形状を有しており、
    その上下方向中心位置が、前記係止板の下端位置と概ね一致するように、形成されている
    ことを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
  8. 請求項乃至請求項のいずれか1項記載の助手席用エアバッグ装置において、
    前記貫通孔は、
    前記係止板のフックと前記車両左右方向位置が概ね一致するように、形成されている
    ことを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
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