JP5430767B2 - 半導体素子付き織網基材、その製造方法及びその製造装置 - Google Patents

半導体素子付き織網基材、その製造方法及びその製造装置 Download PDF

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Description

本発明は半導体素子付き織網基材、その製造方法及びその製造装置に関し、特に受光又は発光機能を有する複数の球状半導体素子を、絶縁性の有る複数の縦糸と導電性の有る複数の横糸からなるメッシュ状の織網基材に組み込んだ半導体素子付き織網基材を利用可能にする技術に関する。
従来から、絶縁性或いは導電性の有るフレキシブルなシート上に、半導体薄膜を成膜した構造の太陽電池などの受光デバイス或いはELディスプレイなどの発光デバイスが開発されている。これらの半導体デバイスは、半導体薄膜と電極及び配線などを個別に順次形成することで、受光面積が小さいものから比較的大きなものまで製造可能であるが、いずれも平面型の半導体デバイスであり、共通のシート上に形成されるものである。
一方、球状半導体素子を用いた受光又は発光デバイスが提案されている。例えば、特許文献1には、p形球状シリコン結晶に球面状のpn接合を形成した球状半導体素子(球状太陽電池セル)を、絶縁膜を介して張り合わせた2枚のアルミニウムシートに貼り付け、これらアルミニウムシートに半導体素子のp形層とn形層を夫々接続した構造のフレキシブルな太陽電池が開示されている。
特許文献2には、多数の球状発光体(発光ダイオード)をフレキシブルなプラスチックフィルムの表面にXY方向にマトリックス状に配置して、球状発光体の電極をシート状の電極に夫々電気的に接続した発光ディスプレイとその製造方法が開示されている。
特許文献1,2は、太陽電池又は球状発光体を共通のフィルム上に設けて電気的に接続した構造を有するものである。つまり、共通のフィルムの片面に一括して受光層又は発光層を形成した構造、或いは、共通のフィルムの片面に個別に製造した複数の受光体又は複数の発光体を配置した構造であるため、受光又は発光機能はフィルムの片面にしか存在しない。
一方で、特許文献3には、デバイスの両面に受光又は発光機能がある構造が開示されている。具体的に、複数の球状半導体素子を、導電部材(導電線)によって電気的に接続し、樹脂封止したフレキシブルな受光又は発光デバイスが開示されている。このデバイスにおいて、列方向の各セルは、1対の導電線によって縦方向に並列接続され、行方向に隣接する導電線を直結することで直列接続された構造を有する。しかし、直列接続された方向に引っ張るとそのまま球状半導体素子が張力を受けるため、球状半導体素子が引き剥がされる虞がある。
特許文献4には、銀をガラスファイバーにコーティングした導線からなる導体を横糸とし、ガラスファイバーからなる不良導体を縦糸として平織りした網目様構造体(ガラス布)の複数の網目に、pn接合を形成した球状半導体素子を強固に押し込み、その状態で高温加熱して電極形成と共に網目様構造体と球状半導体素子の電気的接続を同時に行い、その後、網目様構造体の両面から樹脂フィルムでラミネーションした構造のフレキシブルな太陽電池モジュールが開示されている。
しかし、特許文献4の製造方法では、電極形成と、網目様構造体と球状半導体素子間の電気的接続とが同時に行われるため、球状半導体素子は網目様構造体の網目に押し込んだ電極形成した後でないと、球状半導体素子の機能を検査する試験が出来ないという問題がある。それ故、不良な球状半導体素子が混ざった場合でも検出することが出来ず、太陽電池モジュールの不良率が高くなる。
さらに、完成した太陽電池モジュールにおいては、その一方の表面に球状半導体素子が突出した構造になるため、太陽電池モジュールの裏面からの光を有効に活用できず、裏面側から入射する光に対する受光感度が低くなってしまう。また、太陽電池モジュールを機械的に折曲する場合のモジュールの可撓性が、両面側へ対称でなく片面側に偏るため、使い勝手が悪くなる。
そこで、特許文献5の製造方法では、絶縁性張力糸からなる縦糸と導電性張力糸からなる横糸とで平織した網目様構造の織布を用意し、織布の複数のメッシュ状の網目に、正極と負極を備えた受光又は発光機能を有する複数の球状半導体素子を電極の極性を揃えた状態で挿入し、1対の導電線を介して横方向(列方向)に並列接続し、行方向に隣接する導電線間を直列用導電線で接続することで縦方向(行方向)に直列接続し、これらを透明な樹脂シート内に封止することにより、透明で可撓性のあるシート状受光又はシート状発光モジュールを製造している。
この特許文献5の受光又は発光モジュールは、織布に球状半導体素子を一体的に組み込んだモジュールであるので、受光又は発光モジュールの片面に偏りがない両面受光又は両面発光の特性を有するモジュールであって、モジュールの両面が同じ外観で同じように折曲可能な対称性のあるフレキシブルなモジュールが得られる。
米国特許4691076号公報 米国特許5469020号公報 国際公開WO2004/001858号公報 特開平9−162434号公報 国際公開WO2005/041312号公報
ところで、上記の特許文献5のモジュールを製造する場合、予め平織した織布のメッシュ状の網目に、複数の球状半導体素子を挿入し、これら球状半導体素子の両端の正負電極と導電線からなる横糸とを、導電性ペーストで電気的に接続するために、球状半導体素子の直径と網目の間隔を一定に保持する必要がある。
しかし、織布の網目が常に開いた状態で上記の球状半導体素子を挿入する作業をするため、作業中に織布の自重などによって寸法や形状が崩れ、横糸間や縦糸間が狭まり過ぎて球状半導体素子が網目に詰まったり、またその逆に、横糸間や縦糸間が拡がり過ぎて球状半導体素子の正負電極を横糸に導電性ペーストで適切に接続できない、などの状態が生じる虞がある。
また、上記の特許文献5のモジュールの構成では、列毎に1対の横糸が配設され、各列の正電極用横糸と隣接する列の負電極用横糸との間に一定の間隔が空けられてモジュール化されている。このため、各列の複数の球状半導体素子と隣接する複数の球状半導体素子とを直列接続するためには、横糸の長さ方向両端部同士を、直列用導電線を介して接続する必要がある。つまり、モジュールの外部で別途新たな部材となる直列用導電線を設けなければならないので、部品点数が増加したり、配線作業などの手間がかかるなどで、製作コストが増加する。また、各列間に不要な間隔が設けられることで、引っ張り強度や曲げ強度が低くなってしまう虞がある。
ところで、太陽電池、太陽光モジュール、太陽光パネルなどにおいては、製品の発電効率や使い勝手、耐久性および経済性だけでは満足できない分野がある。例えば、外部から光を取り込み電気エネルギーを供給する受光デバイス、或いは、電気エネルギーを光に変換し外部に光を放射する発光デバイスでは、用途によってはヒュウーマンインターフェースとして人の感性に触れる要素を有するようになる。
太陽電池を、人目に触れる電子機器、建物、電車や乗用車、衣服や身の周り品に取り付けて使用する場合は、その存在がこれらの外観に大きな影響を及ぼすことが多い。このため、用途に応じて多様な形状や特性が要請され、例えば、薄い、軽い、フレキシブル、光透過性或いはシースルー性などが要請される場合がある。さらに、物理的要素のほか、色彩や柄模様といった意匠面での設計の自由度が高いことが望ましい。
本発明の目的は、織機を用いて織網基材を織りながら複数の球状半導体素子を組み込んで、安定した品質の半導体素子付き織網基材を製造可能な半導体素子付き織網基材の製造方法及びその製造装置を提供すること、受光又は発光機能を有する球状半導体素子を織網基材に組み込んでそれらの電極を導電線に接続した半導体素子付き織網基材を提供すること、種々の用途に利用可能な中間材的な半導体素子付き織網基材を提供すること、意匠性を向上させ得る半導体素子付き織網基材を提供すること、引っ張り強度や曲げ強度を向上させ得る半導体素子付き織網基材を提供することなどである。
請求項1の半導体素子付き織網基材の製造方法は、絶縁性を有する複数の縦糸と導電性を有する複数の横糸から織られたメッシュ状の織網基材に、受光又は発光機能を有し且つ各々が第1,第2電極を有する複数の球状半導体素子を組み込んだ半導体素子付き織網基材を製造する製造方法において、定間隔おきに平行に配置した複数の縦糸を含む第1群縦糸と、この第1群縦糸と平行且つ交互に位置する複数の縦糸を含む第2群縦糸とを綜絖機構により移動させて、第1,第2群縦糸の間に隙間を形成する第1工程と、前記第1,第2群縦糸の間の隙間にシャトル機構により横糸を供給する第2工程と、前記第2工程で供給された横糸を筬機構により筬打ちする第3工程と、前記第3工程で筬打ちされた横糸のうち、メッシュ状の網目の全部又は一部に対応する複数部位に導電接合材を塗布する第4工程と、前記第4工程で導電接合材が塗布された複数部位のうちの全部又は一部に対応する複数の球状半導体素子を組み込んで、複数の第1電極又は第2電極を横糸に夫々接続する第5工程と、前記第1工程から第5工程を複数回繰り返す第6工程と、を備えたことを特徴としている。
請求項9の半導体素子付き織網基材の製造装置は、絶縁性を有する複数の縦糸と導電性を有する複数の横糸から織られたメッシュ状の織網基材に、受光又は発光機能を有し且つ各々が第1,第2電極を有する複数の球状半導体素子を組み込んだ半導体素子付き織網基材を製造する製造装置であって、縦糸供給源から供給される複数の縦糸を整列状態に案内する供給側案内ローラと、定間隔おきに平行に配置した複数の縦糸を含む第1群縦糸と、この第1群縦糸と平行且つ交互に位置する複数の縦糸を含む第2群縦糸とを移動させて、第1,第2群縦糸の間に隙間を形成する綜絖機構と、前記綜絖機構により形成された第1,第2群縦糸の間の隙間に横糸を供給するシャトル機構と、前記シャトル機構で供給された横糸を筬打ちする筬機構と、前記横糸のうち、メッシュ状の網目の全部又は一部に対応する複数部位に導電接合材を塗布する塗布機構と、前記導電接合材が塗布された複数部位のうちの全部又は一部に対応する複数の球状半導体素子を組み込んで、複数の第1電極又は第2電極を横糸に夫々接続する半導体素子供給機構と、を備えたことを特徴としている。
請求項16の半導体素子付き織網基材は、受光又は発光機能を有する複数の球状半導体素子を組み込んだ半導体素子付き織網基材において、絶縁性を有する複数の縦糸と導電性を有する複数の横糸から織られ且つ複数行複数列の網目を有するメッシュ状の織網基材と、各々が受光又は発光機能と第1,第2電極を有する複数の球状半導体素子であって、前記第1,第2電極で規定される導電方向を縦糸と平行な縦方向に揃えた状態で、前記織網基材の複数の網目に組み込まれた複数の球状半導体素子とを備え、前記複数の球状半導体素子が、横方向に並ぶ複数の球状半導体素子からなる行方向素子群を単位として複数群にグループ化され、前記複数の行方向素子群は前記複数行に配列されると共に、隣接する行方向素子群の間に1又は複数の横糸からなる導電接続部材が配設され、各行方向素子群の複数の球状半導体素子は、1対の前記導電接続部材を介して電気的に並列接続され、隣接する行方向素子群をそれらの間に配設された前記1又は複数の横糸からなる導電接続部材でもって直列接続することにより、前記複数の行方向素子群は複数の導電接続部材を介して直列接続されたことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、織機を用いて絶縁性を有する複数の縦糸と導電性を有する複数の横糸とで織網基材を織りながら、その織網基材に複数の球状半導体素子を組み込んで、それらの第1,第2電極を横糸に導電接合材で電気的に接続するため、織網基材の製作と、球状半導体素子の組み込みと、導電接合材の塗布を自動化することができ、少ない工程数で能率的に安定した品質の半導体素子付き織網基材を製作することができ、半導体素子付き織網基材の製作コストを低減することもできる。
請求項9の発明によれば、基本的に請求項1と同様の効果を奏する上、次の効果を奏する。既存の織機の供給側案内ローラと綜絖機構と筬機構とを有効活用しながら、塗布機構と、半導体素子供給機構とを追加的に装備すればよいため、半導体素子付き織網基材の製造装置の設計、製作、製作コストの面で有利であり、半導体素子付き織網基材を自動的に製造する製造装置とすることができる。
請求項16の発明によれば、その半導体素子付き織網基材における、複数の球状半導体素子が、横方向に並ぶ複数の球状半導体素子からなる行方向素子群を単位として複数群にグループ化され、複数の行方向素子群は複数行に配列されると共に、隣接する行方向素子群の間に1又は複数の横糸からなる導電接続部材が配設され、各行方向素子群の複数の球状半導体素子は、1対の前記導電接続部材を介して電気的に並列接続され、複数の行方向素子群は複数の導電接続部材を介して直列接続されたため、受光用の半導体素子付き織網基材の場合、直列接続数を介して発電電圧を自由に設定し、並列接続数を介して発電電流を自由に設定することができる。
そして、受光用の半導体素子付き織網基材の場合、複数の球状半導体素子が縦方向に直列接続され且つ横方向に並列接続されているため、部分的に日陰となる部分が発生しても日陰でない他の部分の球状半導体素子の出力への影響を最小限に留めることができる。
しかも、この半導体素子付き織網基材は、その上下両面が同じ効率で受光又は発光可能である。この半導体素子付き織網基材は、可撓性、軽量、薄型、フレキシブル、シースルー、採光性がある中間材的製品であり、用途に応じて種々の製品に仕上げることが出来る。
また、この半導体素子付き織網基材の直列接続構造に対して、別途直列用導電線を設ける必要がないので、部品点数を減らすことができ製作コストを低減することができる。行方向素子群の間に不要な間隔を設けずに球状半導体素子をより密に配置することができるので、受光性能や発光性能を高めることができる上、引っ張り強度や曲げ強度を向上させることができる。
請求項1の構成に加えて、次のような種々の構成を採用してもよい。
(a)前記第1工程と第2工程を連続して少なくとも2度繰り返してから、前記第3工程に移行する。
(b)前記第5工程の後、前記第6工程の前に、前記導電接合材を加熱する加熱工程を備えている。
(c)前記第5工程の後、前記第6工程の前に、前記半導体素子付き織網基材を所定長さ引き出す引き出し工程を備えている。
(d)前記第5工程の後、前記第6工程の前に、前記半導体素子付き織網基材の両面を可撓性と光透過性のある絶縁性保護膜で被覆する被覆工程を備えている。
(e)前記第5工程の後、前記第6工程の前に、前記半導体素子付き織網基材の両面に可撓性と光透過性のある合成樹脂シート材を重ねて加熱加圧する重ね合わせ工程を備えている。
(f)前記第4工程において、前記横糸のうち、複数の球状半導体素子を接続する複数部位に第1導電接合材を塗布し、前記第5工程において、前記第1導電接合材が塗布された複数部位に対応する複数の球状半導体素子を組み込んで、前記複数部位に複数の第1電極を夫々接続し、前記第5工程の後、前記第6工程の前に、前記複数の球状半導体素子の複数の第2電極に第2導電接合材を塗布する塗布工程を備えている。
(g)前記第4工程において、前記横糸の上側から複数の導電接合材が塗布され、前記第5工程において、前記第4工程で塗布された複数の導電接合材の上側から複数の球状半導体素子が組み込まれる。
請求項9の構成に加えて、次のような種々の構成を採用してもよい。
(h)前記塗布機構は、第1回転ドラムと、この第1回転ドラムの外周面に軸心方向に定間隔おきに固定されたL形の複数のデスペンサーであって、先端部に導電接合材を吸着して分配可能な複数のデスペンサーとを備えている。
(i)前記半導体素子供給機構は、内部に負圧が導入される第2回転ドラムと、この第2回転ドラムの外周面に軸心方向に定間隔おきに固定されたL形のパイプ材からなる複数のエアピンセットとを備えている。
(j)前記導電接合材を加熱して乾燥させる加熱機構を設けられている。
(k)前記半導体素子付き織網基材を所定長さずつ引き出す引き出し機構を設けられている。
(l)前記半導体素子付き織網基材の両面を可撓性と光透過性のある絶縁性保護膜で被覆する保護膜被覆機構を備えている。
(m)前記半導体素子付き織網基材の両面に可撓性と光透過性のある合成樹脂シート材を重ねた状態で加熱加圧することにより半導体素子付き織網基材シートにする加熱加圧機構を備えている。
請求項16の構成に加えて、次のような構成を採用してもよい。
(n)前記各導電接続部材は、縦方向に接触可能に隣接して電気的に接続された2つの第1,第2横糸であって各々が複数の縦糸の表面と裏面とに交互に接触するジグザグ状態に織られる第1,第2横糸からなり、前記第1横糸と第2横糸とで縦糸を表面側と裏面側から挟持するように織られた。
(o)前記織網基材の縦糸の長さ方向の両端側部分には、前記網目より密に配置した複数の横糸と前記複数の縦糸とで織布状に形成した所定幅の第1織布部が形成され、前記織網基材の横糸の長さ方向の両端側部分には、前記網目より密に配置した複数の縦糸と前記複数の横糸とで織布状に形成した所定幅の第2織布部が形成されている。
(p)前記織網基材と複数の球状半導体素子の両面を、可撓性と光透過性のある絶縁性保護膜で被覆している。
(q)前記織網基材と複数の球状半導体素子を可撓性と光透過性のある合成樹脂シート材の中に埋設状態に封止し、前記合成樹脂シート材の両面に可撓性と光透過性のある合成樹脂フィルム層を形成している。
(r)前記縦糸が、ガラス繊維又は合成樹脂繊維の束で構成され、前記横糸がガラス繊維又は合成樹脂繊維の束の表面に金属細線をコイル状にカバーリングした導電線で構成されている。
(s)前記横糸が、導電性を有する炭素繊維の束からなる導電線、又は前記炭素繊維の束の表面に金属細線をコイル状にカバーリングした導電線で構成されている。
(t)前記織網基材の縦方向の途中部分には、横方向に前記網目より密に複数の絶縁線を配置した所定幅の絶縁分離帯が少なくとも1つ形成されている。
本発明の実施例1に係る半導体素子付き織網基材の平面図である。 図1のII-II線断面図である。 半導体素子付き織網基材の要部拡大平面図である。 球状太陽電池セルの断面図である。 導電線の部分拡大斜視図である。 絶縁線の部分拡大斜視図である。 半導体素子付き織網基材の製造装置の斜視図である。 半導体素子付き織網基材の製造装置の塗布機構と半導体素子供給機構の要部拡大断面図である。 本発明の実施例2に係る半導体素子付き織網基材の平面図である。 図9のX-X線断面図である。 半導体素子付き織網基材の製造装置の斜視図である。 半導体素子付き織網基材の製造装置の塗布機構と半導体素子供給機構の要部拡大断面図である。 本発明の実施例3に係る織網基材の製造装置の斜視図である。 織網基材の製造装置の要部拡大斜視図である。 半導体素子付き織網基材の製造装置の塗布機構と半導体素子供給機構の要部拡大断面図である。 半導体素子付き織網基材の製造装置の塗布機構と半導体素子供給機構の要部拡大断面図である。 本発明の実施例4に係る半導体素子付き織網基材の平面図である。 半導体素子付き織網基材の要部斜視図である。 半導体素子付き織網基材の要部拡大平面図である。 別変更形態に係る球状発光ダイオードセルの断面図である。 別変更形態に係る半導体素子付き織網基材の要部拡大平面図である。 別変更形態に係る半導体素子付き織網基材の要部拡大平面図である。 別変更形態に係る半導体素子付き織網基材の平面図である。 別変更形態に係る半導体素子付き織網基材の平面図である。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
先ず、本発明の半導体素子付き織網基材1の構成について説明する。
図1〜図3に示すように、半導体素子付き織網基材1(以下、素子付き織網基材1という)は、絶縁性を有する複数の縦糸21と導電性を有する複数の横糸22から織られ且つ複数行複数列のマトリックス状の網目23を有するメッシュ状の織網基材2と、この織網基材2の複数の網目23に組み込まれる複数の球状太陽電池セル3(球状半導体素子に相当する)と、この球状太陽電池セル3を横糸22(導電接続部材20)に接続するための複数の第1,第2導電接合材4,5とを備えている。この織網基材2と複数の球状太陽電池セル3の上下両面には、絶縁性保護膜6が形成されている。尚、図1の上下左右を上下左右として説明する。
この素子付き織網基材1は、後述する製造方法及び製造装置50により、長い帯状に連続的に織ることが可能である。素子付き織網基材1は、織網基材2に対する球状太陽電池セル3の組み込み数、配置パターン(模様)やサイズなど、仕様に応じて適宜設定して製造可能である。
この素子付き織網基材1は、フレキシブルであり、複数の球状太陽電池セル3を組み込む網目23と組み込まない網目23の比率を調整することで光透過性能(光透過率)を調整することができる。図1の素子付き織網基材1では、各行の左右方向に1つおきの網目23に球状太陽電池セル3が組み込まれ且つ各列の上下方向に1つおきの網目23に球状太陽電池セル3が組み込まれている。
次に、織網基材2について説明する。
図1〜図3に示すように、織網基材2は、列方向(図1の上下方向)に延びる平行な複数の縦糸21と、これら複数の縦糸21に直交するように且つ複数の縦糸21に織り込まれて行方向(図1の左右方向)に延びる複数の横糸22と、これら複数の縦糸21と複数の横糸22とで囲まれた複数行複数列の網目23とを備え、これら複数の縦糸21と複数の横糸22とで球状太陽電池セル3を組み込み可能な織網基材2が形成されている。各網目23は、平面視正方形状に形成され、一辺の長さが太陽電池セル3の直径と同じ約1.8mm程度に設定されている。
図1,2に示すように、この織網基材2の外周部分には、球状太陽電池セル3を組み込むことなく織り込んだマチ部分24が形成されている。このマチ部分24は、縦糸21の長さ方向の両端側部分にメッシュ状の網目23より密に配置した複数の横糸22と前記複数の縦糸21とで織布状に形成した所定幅の第1織布部25と、横糸22の長さ方向の両端側部分にメッシュ状の網目23より密に配置した複数の縦糸21と前記複数の横糸22とで織布状に形成された所定幅の第2織布部26とから形成されている。この第1織布部25において、横糸22同士間の間隔はメッシュ幅の約1/3程度であり、第2織布部26において縦糸21同士間の間隔はメッシュ幅の約1/3程度である。
このマチ部分24は、縦糸21と横糸22の織り込み密度が高くなるため、引っ張り強度や曲げ強度が向上し、織網基材2の耐久性も高くなる。また、織網基材2を長い帯状に製造した場合、所定の箇所に2組の連続する第1織布部25を設けることで、必要な長さに裁断する際にマチ部分24を設けた形で裁断することができ、裁断後における織網基材2の取り扱いにおいても、マチ部分24によって太陽電池セル3を保護することができる。
次に、縦糸21について説明する。
図6に示すように、縦糸21は、例えば、ガラス繊維又は合成樹脂繊維(例えば、ポリエステル、アラミド、ポリエチレン、液晶ポリマーなど)から構成される。本実施例では、縦糸21は、複数本のガラス繊維(例えば、直径0.3mm程度)の束ねた線又は縒り線で構成されている。尚、縦糸21と横糸22にガラス繊維を採用することにより、機械的強度が強く耐熱性に優れた縦糸21と横糸22にすることができる。
次に、横糸22について説明する
図5に示すように、横糸22は、例えば、ガラス繊維又は炭素繊維又は合成樹脂繊維(例えば、ポリエステル、アラミド、ポリエチレン、液晶ポリマーなど)の束を芯材22aにして銅などの金属細線22bをコイル状に2重に巻き付けて構成している。本実施例では、横糸22は、複数本のガラス繊維(例えば、直径0.3mm程度)からなる芯材22aの表面に銀メッキした直径0.05mmの金属細線22b(例えば、銅の細線)を2本コイル状にカバーリングすることで構成されている。2本の金属細線22bは、互いに交差するよう右巻きと左巻きに巻き付けられている。この横糸22は、2本の金属細線22bをコイル状に巻き付けた構造なので、どの方向にも折曲可能で且つ折曲を繰り返しても高い耐久性を有する。尚、金属細線22bの本数は、2本に限定する必要はなく、2本以上の複数の金属細線でコイル状にカバーリングしても良い。
次に、球状太陽電池セル3について説明する。
図3に示すように、複数の球状太陽電池セル3(以下、太陽電池セル3という)は、受光機能(発電機能)を有すると共に、正極31(第2電極)と負極32(第1電極)を有し、正極31と負極32とで規定される導電方向を縦糸21と平行方向に揃えた状態で織網基材2の複数の網目23に夫々組み込まれている。各太陽電池セル3の行方向左右両側に縦糸21が位置し、各太陽電池セル3の列方向上下両側に横糸22が位置している。
図4に示すように、太陽電池セル3は、p形の球状半導体33と、この球状半導体33の表面の一部に形成した平坦面34と、この球状半導体33の表層部にn形拡散層35を形成することで形成された球面状のpn接合36と、球状半導体33の中心を挟んで対向するように固定されてpn接合36の両端に電気的に接続された1対の正極31(第2電極),負極32(第1電極)と、これら正極31,負極32を除く部分に成膜された反射防止膜37とを有する。
ここで、太陽電池セル3の製造方法について簡単に説明する。
先ず、直径が約1.0mmから2.0mm程度(但し、本実施例では1.8mm)の小粒な球状のp形シリコン結晶(球状半導体33)を準備する。このp形シリコン結晶を製造するためには、例えば、小さなp形シリコン結晶の塊を溶融し、表面張力で出来た球状の液滴を冷却し凝固させることで製造する。尚、球状半導体のシリコン結晶は、単結晶でもよく、多結晶でもよい。
次に、この球状のシリコン結晶の一部分をカットして平坦面34を設け、この平坦面34とその外周近傍部の表面に拡散マスクとしてのSiO膜を形成する。その後、このSiO膜でマスクした部分を除いてp形シリコン結晶の表層部からn形不純物を拡散し、約0.5μmから1.0μm程度の深さまで、n形拡散層35に転換することで、球面状のpn接合36を形成する。
次に、不純物拡散後に出来た酸化膜を除去し、全面にSiOとSiを順次成膜して反射防止膜37を形成する。次に、上記の平坦面34に、ガラスフリットと銀を主成分とする導電性ペーストをドット状にプリントし、球状半導体33の中心を挟んで平坦面34と対向するn形拡散層35の頂面に、ガラスフリットとアルミニウムと銀を含む導電性ペーストをドット状にプリントする。
そして、不活性ガス雰囲気中にて、短時間(1〜2分間程度)の間約800℃に加熱する。この過程でガラスフリットを含んだ電極部材が、反射膜防止37を貫通して、p形半導体表面及びn形半導体表面にオーミックコンタクトする正極31と負極32が形成される。このようにして、複数の球状太陽電池セル3が製造される。
この球状の太陽電池セル3は、以下のような特徴を有するものである。
先ず、シリコン結晶の表面張力を利用して球状結晶を作り、少ない研磨加工ロスで球状太陽電池セル3に仕上げるため、原料シリコンの使用量が少なくてすむ。また、球状のシリコン結晶の中心線上にドット状の正極31と負極32を対向状に設けるため、両電極を結ぶ軸上からの光を除いてほぼ全方向からの光を受けて発電する。従って、直射光の方向が変化しても同じような出力が得られるほか、それ以外の反射光や散乱光も同時に受光できるため、平面受光型太陽電池セルよりも受光特性に優れている。その結果、大きな出力が得られる。
次に、第1,第2導電接合材4,5について説明する。
図3に示すように、複数の第1導電接合材4は、各太陽電池セル3の負極32を横糸22に電気的に夫々接続し、複数の第2導電接合材5は、各太陽電池セル3の正極31を横糸22に電気的に夫々接続している。導電接合材4,5は、銀ペースト(エポキシ樹脂に銀粉を混入したもの)からなる。この銀ペーストで太陽電池セル3と横糸22(導電接続部材20)を接続する場合は、例えば、銀ペーストを正極31と横糸22との接合部位や、負極32と横糸22との接合部位に塗布した後に、後述する加熱機構61により、銀ペーストを加熱して乾燥させることで銀ペーストを硬化させ、太陽電池セル3の正極31と負極32を横糸22に夫々電気的に接続し且つ固着することができる。
ここで、複数の太陽電池セル3の直並列接続構造について説明する。
図1〜図3に示すように、複数の太陽電池セル3は、横方向(行方向)に並ぶ複数の太陽電池セル3からなる行方向素子群3Aを単位として複数群にグループ化され、これら複数の行方向素子群3Aは複数行に配列されると共に、隣接する行方向素子群3Aの間に導電接続部材20が配設されている。本実施例の導電接続部材20は、1本の横糸22からなっている。各行方向素子群3Aの複数の太陽電池セル3は、1対の導電接続部材20を介して電気的に並列接続され、複数の行方向素子群3Aは複数の導電接続部材20を介して直列接続されている。
このように、1本の横糸22からなる導電接続部材20により隣接する行方向素子群3Aの複数の太陽電池セル3を直列接続可能なので、複数の行方向素子群3Aを、列方向に間隔を空けずに密に接触した状態で複数行に配設することができる。このため、多量の太陽電池セル3を組み込んだ素子付き織網基材1を製作することができ、素子付き織網基材1の受光性能を向上させることができる。尚、太陽電池セル3が発光ダイオードの場合は、発光性能を向上させることができる。
次に、絶縁性保護膜6について説明する。
図1,図2に示すように、この絶縁性保護膜6は、例えば、シランカップリング剤の被膜或いはパラキシレン系ポリマーであるパリレン(商品名、ユニオンカーバイト・ケミカルズ・アンド・プラスチック社製)の被膜で素子付き織網基材1の上下両面を例えば、厚さ25μm程度に被覆するものである。この絶縁性保護膜6は、可撓性と光透過性を有する。シランカップリング剤からなる絶縁性保護膜6は、素子付き織網基材1を製作した後に、後述する保護膜被覆機構62によりスプレイ法によって成膜可能である。尚、パリレンからなる絶縁性保護膜6は、素子付き織網基材1を製作した後に、図示外のパリレン用保護膜被覆機構により常温で化学蒸着法によって成膜する。
素子付き織網基材1を組み込んだ太陽電池モジュールや太陽電池パネルの内部において、3次元的に受光可能な太陽電池セル3は、直射や反射散乱する光を受光しやすいので、外部から入射する光の利用効率が高く且つ安定した高い出力が得られる。特に直射光の入射方向が変化する場合や空が曇った時の出力低下が少なく、受光が2次元的にとどまる平面型太陽電池モジュールと比較すると、総発電量が大きくなる。素子付き織網基材1は、着色した絶縁線を採用したり、太陽電池セル3と同じ大きさの着色した装飾用の球体を網目23に組み込む等により、意匠性に優れた素子付き織網基材に構成することができる。
また、素子付き織網基材1をその外部の機器と電気的、機械的に接続するため、下側第1織布部25の左右両端部における複数の横糸22を半田や銀ペーストで結合し、上側第1織布部25の左右両端部における複数の横糸22を半田や銀ペーストで結合することで、複数の横糸22が一体化した外部端子45,46とすることができる。この外部端子45,46を利用して、素子付き織網基材1を必要な数だけ並列接続及び/又は直列接続して、さらに大きな出力電力を持つ素子付き織網基材を実現することができる。尚、左右方向に延びる上下第1織布部25の複数箇所の複数の横糸22を、半田や銀ペーストで結合して一体化しても良い。この場合、第1織布部25の強度が向上する上、複数の太陽電池セル3からの出力電流は、結合された横糸22の束を通って外部端子45,46から出力されるので、第1織布部25の最も内側の横糸22であって複数の太陽電池セル3に隣接する横糸22の電流負荷を軽減することができる。
素子付き織網基材1は、織布と同様な構造の縦糸21と横糸22で囲まれた網目23の中に、太陽電池セル3を組み込んで、電気的、機械的に接続しているので、必要な部材の点数が少なくてすみ、材料や加工コストを節減することが出来る。その上、素子付き織網基材1が薄くて軽く、シースルーでフレキシブルな構造にすることが可能である。
次に、素子付き織網基材1を製造する製造装置50について説明する。
図7,図8に示すように、製造装置50は、上流側から下流側に向って材料を移動させながら、素子付き織網基材1を製造することができる。製造装置50は、最上流側の供給側案内ローラ51と、綜絖機構53と、シャトル機構54と、筬機構55と、第1塗布機構57兼第2塗布機構58である塗布機構56と、半導体素子供給機構59と、加熱機構61(図7には図示略)と、保護膜被覆機構62と、最下流側の引き出し機構63などを備えている。
この製造装置50は、絶縁性を有する複数の縦糸21と導電性を有する複数の横糸22から織られ且つ複数行複数列のマトリックス状の網目23を有するメッシュ状の織網基材2に、受光機能を有し且つ各々が正極31と負極32を有する複数の太陽電池セル3を組み込んだ素子付き織網基材1を製造するものである。尚、図7において、素子付き織網基材1のマチ部分24は図示省略している。
次に、供給側案内ローラ51について説明する。
図7に示すように、供給側案内ローラ51は、製造装置50の機枠に回転可能に支持され、ローラ駆動機構(図示略)により回転駆動される。この供給側案内ローラ51は、縦糸供給源(図示略)から供給される複数の縦糸21を、方向変換しつつ整列状態にして綜絖機構53の方に案内するものである。複数の縦糸21の両端側部分(第2織布部26に相当する密に配置された部分)の数本を除いた複数の縦糸21は、供給側案内ローラ51にその軸方向に約1.8mm程度の間隔を空けて配置されているが、特にこの間隔に限定する必要はなく、素子付き織網基材1の形状に応じて適宜変更可能である。尚、図示略の素子付き織網基材1の第2織布部26を形成する部分の縦糸21の間隔は、約0.6mm程度である。
この供給側案内ローラ51と下流側の綜絖機構53との間には、案内板52が設けられている。この案内板52は、1対の平板部52a,52bと、この1対の平板部52a,52b間に形成された縦糸21と直交する方向に長く伸びる開口部52cとを有する。この案内板52は、複数の縦糸21を、平板部52aの上側を通り開口部52cを挿通して平板部52bの下側を通る第1群縦糸21aと、平板部52aの下側を通り開口部52cを挿通して平板部52bの上側を通る第2群縦糸21bとからなる2つのグループに分けている。尚、本実施例では、複数の縦糸21について、図7の右端側から奇数番目の縦糸21を第1群縦糸21aとし、偶数番目の縦糸21を第2群縦糸21bとしている。
次に、綜絖機構53について説明する。
図7に示すように、綜絖機構53は、第1,第2綜絖部材53a,53bと、これら第1,第2綜絖部材53a,53bを相対的に上下往復移動させるための往復駆動部材53cとで構成されている。この綜絖機構53は、定間隔おきに平行に配置した複数の縦糸21を含む第1群縦糸21aと、この第1群縦糸21aと平行且つ交互に位置する複数の縦糸21を含む第2群縦糸21bとを上下に移動させて、第1,第2群縦糸21a,21bの間にシャトル54aを通過させるための隙間を形成するものである。
第1,第2綜絖部材53a,53bの各々は、細長い板状の上枠53dと、下枠53eと、これら上枠53dと下枠53eを結ぶ上下方向に延びる複数のヘルド53fとを備えている。ヘルド53fの中央部には、縦糸21を挿通するための糸穴53gが形成されている。綜絖機構53は、第1綜絖部材53aの複数のヘルド53f間に第2綜絖部材53bの複数のヘルド53fが位置するように第1,第2綜絖部材53a,53bが横方向(素子付き織網基材1の幅方向)にズレた状態に構成されている。第1綜絖部材53aの複数の糸穴53gに、第1群縦糸21aの複数の縦糸21が夫々挿通され、第2綜絖部材53bの複数の糸穴53gに、第2群縦糸21bの複数の縦糸21が挿通されている。尚、この綜絖機構53において、上枠53dと下枠53eとに上下1対のキャリアロッドを夫々設け、このキャリアロッドによりヘルド53fを支持するように構成しても良い。
往復駆動部材53cは、縦糸21と直交する方向に延びる回転軸53hと、回転軸53hの両端部に固着された1対のプーリ部材53iと、これらプーリ部材53iに係合し且つ第1、第2綜絖部材53a,53bの上端部に連結する1対のベルト材53jと、回転軸53hを往復回転させる往復回転機構(図示略)などで構成されている。往復駆動部材53cの往復駆動により、第1綜絖部材53aと第1群縦糸21aが上方に移動する時には、第2綜絖部材53bと第2群縦糸21bは相対的に下方に移動し、第1綜絖部材53aと第1群縦糸21aが下方に移動する時には、第2綜絖部材53bと第2群縦糸21bは相対的に上方に移動することで、第1,第2群縦糸21a,21bの間にシャトル部材54a通過用の隙間を形成する。尚、図7では省略するが、第1、第2綜絖部材53a,53bの下側において、往復駆動部材53cは、前記回転軸53hと同様な往復回転機構により往復回転される回転軸と、この回転軸の両端部に固着された前記1対のプーリ部材53iと同様な1対のプーリ部材と、これらプーリ部材に係合し且つ第1、第2綜絖部材53a,53bの下端部に連結する1対のベルト材などを有している。
次に、シャトル機構54について説明する。
図7に示すように、シャトル機構54は、横糸22の先端部が固定されたシャトル部材54aと、このシャトル部材54aを左右方向へ往復駆動可能なシャトル駆動機構(図示略)と、シャトル部材54aに横糸22を供給する横糸供給機構(図示略)などを備えている。このシャトル部材54aにより、綜絖機構53により形成された第1,第2群縦糸21a,21bの間の楔形の隙間に横糸22を供給する。具体的に、第1,第2群縦糸21a,21bの間の隙間に対して、図7の右側から左側に向けてシャトル部材54aを移動させて、横糸22を第1,第2群縦糸21a,21bと直交状態になるように配線し、第2織布部26に相当する部分を残しながら、左右両側において横糸22を切断する。
次に、筬機構55について説明する。
図7,図8に示すように、筬機構55は、横方向に長い鉛直向きの板状部材55aと、この板状部材55aを所定ストロークだけ前後移動させる筬駆動機構(図示略)を有し、この板状部材55aには、複数の縦長のスリット55bが等間隔に形成されている。筬機構55は、シャトル機構54で供給された横糸22を下流側へ押圧するように筬打ちし、横糸22を縦糸21に対して直交状態に整列させると共に下流側の太陽電池セル3に密着させるものである。複数のスリット55bのうち1つおきのスリット55bには、第1群縦糸21aの複数の縦糸21が挿通し、残りの1つおきのスリット55bには、第2群縦糸21bの複数の縦糸21が挿通している。
次に、第1塗布機構57兼第2塗布機構58である塗布機構56について説明する。
図7,図8に示すように、第1塗布機構57は、筬打ちされた横糸22のうち、複数の太陽電池セル3の複数の負極32を接続する複数部位に第1導電接合材4を塗布するものである。第2塗布機構58は、半導体素子供給機構59で組み込んだ複数の太陽電池セル3の複数の正極31に第2導電接合材5を塗布するものであるが、本実施例では、第1,第2塗布機構57,58は、共通の塗布機構56で構成されている。
図8に示すように、塗布機構56は、筬機構55より下流側で且つ複数の縦糸21と複数の横糸22から織られた織網基材2の下側に配設されている。但し、図7では、分解状態で図示してある。
塗布機構56は、所定角度(約270°)だけ回転駆動可能な第1回転ドラム56aと、この第1回転ドラム56aの外周面に軸心方向に定間隔おきに固定されたL形の複数のデスペンサー56bとを備えている。本実施例の複数のデスペンサー56bは、太陽電池セル3の直径に相当する1ピッチ分ずつ空けて固定されている。
第1回転ドラム56aは、製造装置50の図示外の機枠に回転可能に支持され、ドラム回転駆動機構(図示略)により往復回転駆動される。この第1回転ドラム56aは、第1,第2導電接合材4,5を吸着する吸着位置(図8の2点鎖線参照)と、この吸着位置から反時計回りに例えば、約270°回転して横糸22や太陽電池セル3に導電接合材4,5を塗布する塗布位置(図8の実線位置)とに切り換え可能である。尚、塗布機構56は、第1回転ドラム56aを、その軸心方向へ所定の小ストローク(例えば、1ピッチ分)だけ往復移動可能な往復駆動機構(図示略)を備えている。
図8に示すように、各デスペンサー56bはL形に形成されている。各デスペンサー56bは、その先端部に導電接合材4,5を吸着して分配可能に構成されている。複数のデスペンサー56bがこれら複数の導電接合材4,5を吸着する場合、各デスペンサー56bが吸着位置にある状態で、デスペンサー56bの先端部の下方位置に、図8の矢印方向にスライド可能な供給機構64により複数の導電接合材4,5が供給され、第1回転ドラム56aを反時計回り方向に僅かに回転させることで、複数のデスペンサー56bの先端部に導電接合材4,5を夫々吸着させる。尚、デスペンサー56bとしては、負圧により導電接合材4,5を吸着し、低圧の加圧エアにより導電接合材4,5を分配するものを採用しても良い。
次に、半導体素子供給機構59について説明する。
図8に示すように、半導体素子供給機構59は、筬機構55より下流側で且つ織網基材2の上側に配設されている。但し、図7には分解状態に図示してある。
半導体素子供給機構59は、所定の角度回転駆動可能で且つ内部に負圧が導入される第2回転ドラム59aと、この第2回転ドラム59aの外周面に軸心方向に定間隔おきに固定されたL形の複数のエアピンセット59bとを備えている。複数のエアピンセット59bは、太陽電池セル3の直径の約2倍の間隔おきに固定されている。半導体素子供給機構59は、第1導電接合材4が塗布された横糸22の複数部位に対応する複数の太陽電池セル3を織網基材2に組み込んで、上記の複数部位に複数の負極32を夫々接合するものである。
第2回転ドラム59aは、製造装置50の図示外の機枠に回転駆動可能に支持され、往復回転駆動機構(図示略)により往復回転駆動される。第2回転ドラム59aは、その内部に図示外の負圧発生機構により負圧を導入可能である。第2回転ドラム59aは、太陽電池セル3を外部の供給機構から受け取って保持する保持位置(図8の2点鎖線で図示)と、この保持位置から時計回り方向に例えば、約270°回転して太陽電池セル3を第1導電接合材4に接合させる投入位置(図8の最も右側の太陽電池セル3aの位置)とに切り換え可能である。尚、半導体素子供給機構59は、塗布機構56の第1回転ドラム56aと連動して第2回転ドラム59aを軸心方向に所定の小ストローク(例えば、太陽電池セル3の直径に等しい1ピッチ分)だけ往復移動するための往復駆動機構(図示略)を備えている。
図8に示すように、各エアピンセット59bは、L形のパイプ材から構成されている。各エアピンセット59bの先端部には、第2回転ドラム59aの内部に負圧導入通路を介して通ずるノズル59cが形成されている。エアピンセット59bにより太陽電池セル3を保持する場合、各エアピンセット59bの先端部に図示外の供給機構により所定の姿勢(負極32を上、正極31を下にした姿勢)に揃えた太陽電池セル3が供給され、第2回転ドラム59aの内部に負圧が導入されると、エアピンセット59bの先端部のノズル59cに負圧が発生するので、この負圧により先端部が太陽電池セル3の正極31側を吸着して保持する。
次に、加熱機構61について説明する。
図8に示すように、加熱機構61は、塗布機構56及び半導体素子供給機構59の近傍部に配設されている。この加熱機構61は、織網基材2に太陽電池セル3を組み込み後、太陽電池セル3と横糸22との接合部の導電接合材4,5を短時間に硬化させるものである。具体的に、加熱機構61は、温風又は赤外線を局部的に照射して導電接合材4,5を加熱して乾燥させて硬化させる。
次に、保護膜被覆機構62について説明する。
図7,図8に示すように、保護膜被覆機構62は、トンネル状の通過孔を有し、加熱機構61の下流側に配設されている。この通過孔を素子付き織網基材1が通過する間に、スプレイ法によって、素子付き織網基材1の上下両面を可撓性と光透過性のある絶縁性保護膜6(シランカップリング剤の被膜)で被覆する。
次に、引き出し機構63について説明する。
図7に示すように、引き出し機構63は、素子付き織網基材1を巻き取る巻取りローラ63aと、巻取りローラ63aの方向へ素子付き織網基材1を案内する案内ローラ63bなどを有し、製造装置50の最下流側に配設されている。巻取りローラ63aは、製造装置50の図示外の機枠に回転駆動可能に支持され、塗布機構56や半導体素子供給機構59など他の機構と連動して、引出し駆動機構(図示略)により素子付き織網基材1を間欠的に1ピッチずつ引き出しながら巻取りローラ63aで巻き取る。
次に、素子付き織網基材1を製造する製造方法について説明する。
この製造方法は、製造装置50により、絶縁性を有する複数の縦糸21と導電性を有する複数の横糸22から織られ且つ複数行複数列のマトリックス状の網目23を有するメッシュ状の織網基材2に、受光機能を有し且つ各々が正極31と負極32を有する複数の太陽電池セル3を組み込んだ素子付き織網基材1を製造するための製造方法である。
先ず、第1工程において、複数の縦糸21が、供給側案内ローラ51と案内板52を通過してから、綜絖機構53により、定間隔おきに平行に配置した複数の縦糸21を含む第1群縦糸21aと、この第1群縦糸21aと平行且つ交互に位置する複数の縦糸21を含む第2群縦糸21bとに分けられる。そして、第1群縦糸21aと第2群縦糸21bを綜絖機構53により上下に移動させて、第1,第2群縦糸21a,21bの間にシャトル通過用の隙間を形成する。尚、この第1工程が、請求項1の第1工程に相当するものである。
次に、第2工程において、第1,第2群縦糸21a,21bの間の隙間に、シャトル機構54のシャトル部材54aを縦糸21と直交する方向に通して横糸22を供給する。この1つの横糸22が、1つの導電接続部材20を構成する。尚、この第2工程が、請求項1の第2工程に相当するものである。
次に、第3工程において、第2工程で供給された横糸22を、筬機構55により下流側に押圧する筬打ちを行い、横糸22を縦糸21に対して直交状態に整列させる。このとき、1サイクル前の工程において、下流側に複数の太陽電池セル3が供給されている場合は、横糸22を太陽電池セル3の正極31に押圧する。このように、先ずは、絶縁性を有する複数の縦糸21と導電性を有する複数の横糸22から織られたメッシュ状の織網基材2が製作される。尚、この第3工程が、請求項1の第3工程に相当するものである。
次に、第4工程において、第3工程で筬打ちされた横糸22のうち、複数の太陽電池セル3を接続する複数部位に塗布機構56(第1塗布機構57)により、銀ペーストからなる第1導電接合材4を塗布する。尚、この第4工程が、請求項1,7の第4工程に相当するものである。
具体的に、先ずは、吸着位置にある複数のデスペンサー56bの先端部に、供給機構64により供給される第1導電接合材4を吸着させる。次に、複数のデスペンサー56bを反時計回りの方向に約270°回転させて、複数のデスペンサー56bを塗布位置に切り換え、第1導電接合材4を横糸22の複数の部位に塗布する。その後、複数のデスペンサー56bを時計回りの方向に270°回転させて吸着位置に退避させる。
次に、第5工程において、半導体素子供給機構59により、第4工程で第1導電接合材4が塗布された複数部位に対応する複数の太陽電池セル3を組み込み、複数の負極32を複数部位の第1導電接合材4に接合する。この第5工程で供給される複数の太陽電池セル3が、1つの行方向素子群3Aを構成する。尚、この第5工程が、請求項1,7の第5工程に相当するものである。
具体的に、先ずは、保持位置にあるエアピンセット59bの先端部に太陽電池セル3を供給し、ノズル59cに発生する負圧により太陽電池セル3をエアピンセット59bに保持させる。次に、エアピンセット59bを時計回りの方向に約270°回転して、エアピンセット59bを投入位置に切り換えて、太陽電池セル3aの負極32を第1導電接合材4が塗布された横糸22に接合する。その後、複数のエアピンセット59bを反時計回りに270°回転させて保持位置に退避させる。このとき、半導体素子供給機構59は、第1導電接合材4に接合後に太陽電池セル3を下流方向へ押圧するので、筬機構55と同様な効果を期待できる。
そして、第6工程において、引き出し機構63により太陽電池セル3の直径に相当する1ピッチ分織網基材2を下流側へ引き出す。尚、この第6工程が、第5工程の後に行なわれる請求項4の引き出し工程に相当するものである。
次に、第7工程において、第5工程で組み込んだ複数の太陽電池セル3の複数の正極31に塗布機構56(第2塗布機構58)により、銀ペーストからなる第2導電接合材5を塗布する。尚、この第7工程が、請求項7の塗布工程に相当するものである。
具体的に、先ずは、吸着位置にある複数のデスペンサー56bの先端部に、供給機構64により供給される第2導電接合材5を吸着させる。次に、複数のデスペンサー56bを反時計回りの方向に270°回転させて、複数のデスペンサー56bを塗布位置に切り換え、第2導電接合材5を複数の正極31に塗布する。その後、複数のデスペンサー56bを時計回りの方向に270°回転させて吸着位置に退避させる。
尚、上記の複数のデスペンサー56bの退避移動の間に、次に製織される1ピッチ分の織網基材2に複数の太陽電池セル3を組み込むため、綜絖機構53により第1群縦糸21aと第2群縦糸21bとを元の上下位置関係から逆の上下位置関係になるように移動させて(第1工程)、第1,第2群縦糸21a,21bの間の隙間に、シャトル部材54aを通して横糸22を供給し(第2工程)、筬機構55により供給された横糸22を筬打ちする(第3工程)。その後、塗布機構56と半導体素子供給機構59により複数の導電接合材4と複数の太陽電池セル3が供給される第4〜第5工程が実行される。
次に、第8工程において、第7工程の後に、塗布機構56及び半導体素子供給機構59の下流側に配設された加熱機構61により、温風又は赤外線などを行方向の導電接合材4,5に照射し、導電接合材4,5を乾燥させ、これら導電接合材4,5を短時間に硬化させる。これにより、横糸22と複数の太陽電池セル3を強固に接合して電気的に接続することができる。尚、加熱方法として、レーザ光、赤外線、集光ランプ照射、局部熱風吹き付け法の何れかを採用しても良い。この第8工程が、請求項3の加熱工程に相当するものである。
次に、第9工程において、第8工程の後に、加熱機構61の下流側に配設された保護膜被覆機構62のトンネル状の通過孔内を素子付き織網基材1が通過する間に、スプレイ法により、素子付き織網基材1の上下両面に可撓性と光透過性のある絶縁性保護膜6(シランカップリング剤の被膜)を被覆する。尚、この第9工程が、請求項5の被覆工程に相当するものである。
以上の第1工程から第9工程を複数回繰り返し実行することで、絶縁性保護膜6を形成した連続した素子付き織網基材1を製作することができる。尚、この繰り返し工程が、請求項1の第6工程に相当するものである。
そして、最終的に引き出し機構63により、素子付き織網基材1を間欠的に1ピッチずつ巻き取りながら収容する。
尚、素子付き織網基材1の長さ方向の両端部に、第1織布部25を夫々形成して良く、素子付き織網基材1の幅方向の両端部に、第2織布部26を夫々形成しても良い。また、素子付き織網基材1の長さ方向の途中部の適当長さ毎の位置に、2組の連続する第1織布部25を夫々形成しても良く、この2組の連続する第1織布部25の中間位置が分断可能な部位になる。
次に、本発明の半導体素子付き織網基材1、その製造装置50及びその製造方法の効果について説明する。
図7に示す織機(製造装置50)を用いて複数の縦糸21と複数の横糸22とで織網基材2を織りながら、その織網基材2に複数の太陽電池セル3(球状半導体素子)を組み込んで、それらの負極32と正極31を横糸22に導電接合材4,5で電気的に接続するため、織網基材2の製作と、太陽電池セル3の組み込みと、導電接合材4,5の塗布を自動化することができ、少ない工程数で能率的に安定した品質の素子付き織網基材1を製作することができ、素子付き織網基材1の製作コストを低減することもできる。
既存の織機の供給側案内ローラ51と綜絖機構53と筬機構55と引き出し機構63を有効活用しながら、塗布機構56(第1,第2塗布機構57,58)と、半導体素子供給機構59と、加熱機構61と、保護膜被覆機構62などを追加的に装備すれば良いため、素子付き織網基材1の製造装置50の設計、製作、製作コストの面で有利であり、素子付き織網基材1を自動的に製造する製造装置50とすることができる。
この素子付き織網基材1によれば、その素子付き織網基材1における、複数の太陽電池セル3が、横方向に並ぶ複数の太陽電池セル3からなる行方向素子群3Aを単位として複数群にグループ化され、複数の行方向素子群3Aは複数行に配列されると共に、隣接する行方向素子群3Aの間に1つの横糸22からなる導電接続部材20が配設され、各行方向素子群3Aの複数の太陽電池セル3は、1対の導電接続部材20を介して電気的に並列接続され、複数の行方向素子群3Aは複数の導電接続部材20を介して直列接続されたため、受光用の素子付き織網基材1の場合、直列接続される素子数を介して発電電圧を自由に設定し、並列接続される素子数を介して発電電流を自由に設定することができる。
そして、複数の太陽電池セル3が縦方向に直列接続され且つ横方向に並列接続されているため、受光用の素子付き織網基材1に部分的に日陰となる部分が発生しても日陰でない他の部分の太陽電池セル3の出力への影響を最小限に留めることができる。しかも、この素子付き織網基材1は、その上下両面が同じ効率で受光又は発光可能である。
また、この素子付き織網基材1は、可撓性、軽量、薄型、フレキシブル、シースルー、採光性がある、受光機能を有する素子付き織網基材1として利用できる。この素子付き織網基材1は、織網状に構成されるため、中間材的製品として用途に応じて種々の製品に仕上げることが出来る。この素子付き織網基材1の直列接続構造に対して、別途直列用導電線を設ける必要がないので、部品点数を減らすことができ、行方向素子群3Aの間に不要な間隔を設けないので、太陽電池セル3をより密に配置することができ、受光効率や発光効率を高めることができる。
本実施例では、前記実施例1の半導体素子付き織網基材1を部分的に変更した半導体素子付き織網基材1Aと、この半導体素子付き織網基材1Aを製造する為の上記の製造装置50を部分的に変更した製造装置50Aと半導体素子付き織網基材1Aの製造方法について説明するが、実施例1と同様の構成要素には同様の参照符号を付して説明を省略し、異なる構成要素についてのみ説明する。
先ず、半導体素子付き織網基材1Aについて説明する。
図9,図10に示すように、半導体素子付き織網基材1A(以下、素子付き織網基材1Aという)は、織網基材2と複数の太陽電池セル3からなる前記実施例1と同様の素子付き織網基材1を可撓性と光透過性のある上下1対の合成樹脂シート材40の間に埋設状態に封止したものである。尚、織網基材2、複数の太陽電池セル3及び複数の太陽電池セル3の直並列接続構造の詳細な説明は、前記実施例1と同様であるので説明は省略する。
具体的に、素子付き織網基材1Aにおいて、織網基材2と複数の太陽電池セル3の上下両面を、前記実施例1の絶縁性保護膜6(シランカップリング剤の被膜或いはパリレン膜)を被膜せずに、光透過性と可撓性を有する合成樹脂シート材40で挟んで加圧加熱成形することにより上下両面を平面状に成形する。合成樹脂シート材40は、EVAシート41(又は、PVBシートなど)の片面にPET樹脂フィルムなどの合成樹脂フィルム層42を形成した可撓性がありシースルーなシート材である。
この素子付き織網基材1Aにおいては、織網基材2と複数の太陽電池セル3を埋設状態に封止したEVAシート41の上下両面に透明なPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂フィルム、PVF(ポリフッ化ビニル樹脂)などの合成樹脂フィルム層42を設けたため、入射光のうちの太陽電池セル3の表面で直接吸収される光以外の光は、合成樹脂フィルム層42の内面と、太陽電池セル3、縦糸21や横糸22の表面との間で多重反射を繰り返しながら最終的に太陽電池セル3の表面で吸収される。このため、素子付き織網基材1A全体の出力向上が期待できる。
素子付き織網基材1Aを、その外部と電気的或いは機械的な接続を行い易くするため、下側第1織布部25の左右両端部における複数の横糸22を半田や銀ペーストで結合し、上側第1織布部25の左右両端部における複数の横糸22を半田や銀ペーストで結合することで、一体化した外部端子45A,46Aとする。これを利用して、素子付き織網基材1Aを必要な数だけ並列接続及び/又は直列接続して、さらに大きな出力電力を持つ素子付き織網基材1Aを製造することができる。素子付き織網基材1Aは、織布と同様な構造の縦糸21と横糸22で囲まれた網目23の中に、複数の太陽電池セル3を組み込んで、電気的、機械的に接続しているので、所要部材点数が少なくてすみ、材料や加工コストが抑制することが出来る。その上、織網基材シート1Aが薄くて軽く、シースルーでフレキシブルな構造が望める。
次に、素子付き織網基材1Aを製造する製造装置50Aについて説明する。
図11,図12に示すように、製造装置50Aは、上流側から下流側に向けて、供給側案内ローラ51と、案内板52と、綜絖機構53と、シャトル機構54と、筬機構55と、第1塗布機構57兼第2塗布機構58である塗布機構56と、半導体素子供給機構59と、加熱機構61と、加熱加圧機構65と、引き出し機構63とを備えているが、前記実施例1から保護膜被覆機構62を省略し、加熱加圧機構65を追加した以外は、前記実施例1と同様なので、前記実施例1と同様の構成要素に同じ符号を付して説明を省略し、加熱加圧機構65のみについて説明する。
図11に示すように、加熱加圧機構65は、織網基材2と複数の太陽電池セル3と上下両側から供給される合成樹脂シート材40を加圧加熱しながら移送可能な上下1対のローラ部材65a,65bを有し、加熱機構61(図示略)の下流側に配設されている。加熱加圧機構65は、織網基材2とこの織網基材2に組み込まれた複数の太陽電池セル3を、可撓性と光透過性のある合成樹脂シート材40を上下両面から重ねて加熱加圧することにより素子付き織網基材1Aにするものである。
次に、素子付き織網基材1Aを製造する製造方法について説明する。
前記実施例1の第1工程から第8工程は同様であるので説明は省略し、第8工程の後の、前記実施例1の第9工程に代わる工程において、加熱加圧機構65により、素子付き織網基材1の両面に可撓性と光透過性のある合成樹脂シート材40(例えば、EVA樹脂シート41の表面に合成樹脂フィルム層42を貼り付けたもの)を重ねて、1対のローラ部材65a,65bで加熱加圧することにより、EVA樹脂を軟化溶融させて織網基材2と複数の太陽電池セル3をEVA樹脂の中に埋設状態に封止した素子付き織網基材1Aを製造する。最後に、素子付き織網基材1Aを引き出し機構63の巻取りローラ63aで間欠的に巻き取りながら収容する。尚、この工程が、請求項6の重ね合わせ工程に相当するものである。その他の構成、作用及び効果は前記実施例1と同様であるので説明は省略する。
本実施例では、素子付き織網基材1,1Aを製造する上記の製造装置50,50Aを部分的に変更した製造装置50Bについて説明するが、前記実施例1,2と同様の構成要素には同様の参照符号を付して説明を省略し、異なる構成要素についてのみ説明する。尚、前記実施例1,2の製造装置50,50Aでは、素子付き織網基材1,1Aは水平方向に引き出されながら製織されるが、本実施例の製造装置50Bで製造される素子付き織網基材1,1Aは、下方に引き出されながら製織される。
先ず、製造装置50Bについて説明する。
図13,図14に示すように、製造装置50Bは、前記実施例1,2の製造装置50,50Aを実質的に鉛直姿勢にしたものであって、上流側(上方)から下流側(下方)に向けて、供給側案内ローラ51Bと、案内板52Bと、綜絖機構53Bと、シャトル機構54Bと、筬機構55Bと、塗布機構56Bと、半導体素子供給機構59Bと、加熱機構61Bと、引き出し機構(図示略)とを備えている。
供給側案内ローラ51Bと案内板52Bと綜絖機構53Bとシャトル機構54Bと筬機構55Bは、縦向きに配置されている以外、前記実施例1と同様である。また、素子付き織網基材1の加熱機構61Bより下流側部分を、鉛直姿勢の状態を維持したまま、引き出し機構に巻き取りながら収容しても良いし、水平姿勢になるように方向転換された後に、引き出し機構に巻き取りながら収容しても良い。尚、図13,図14に図示の製造装置50Bは、全体構成の一部を図示しているに過ぎず、実際には、縦糸21の数は数10本又は数100本である。
次に、塗布機構56Bについて説明する。
図13〜図16に示しように、塗布機構56Bは、筬打ちされた横糸22(導電接続部材20)のうち、メッシュ状の網目23の全部又は一部に対応する複数部位に導電接合材49を塗布するものである。塗布機構56Bは、筬機構55Bより下流側で且つ複数の縦糸21と複数の横糸22とから織られた織網基材2の右側に配設されている(図15,図16参照)。尚、太陽電池セル3の正極31を横糸22に接続する為の導電接合材49が、「第2導電接合材5」に相当し、太陽電池セル3の負極32を横糸22に接続する為の導電接合材49が、「第1導電接合材4」に相当するものである。
塗布機構56Bは、所定角度(約180°)だけ回転駆動可能な第1回転ドラム56aBと、この第1回転ドラム56aBの外周面に軸心方向に定間隔おきに固定されたL形の複数のデスペンサー56bBとを備えている。複数のデスペンサー56bBは、全ての網目23に対応するように固定されている。尚、複数のデスペンサー56bBは、第1回転ドラム56aBの外周面に一部の網目23(例えば、1つおきの網目23)に対応するように設けても良い。また、必要に応じて、塗布機構56Bの第1回転ドラム56aBをその軸心方向に所定の距離移動させるための移動駆動機構(図示略)を設けても良い。
第1回転ドラム56aBは、製造装置50Bの図示外の機枠に回転可能に支持され、ドラム回転駆動機構(図示略)により往復回転駆動される。この第1回転ドラム56aBは、供給機構64Bから導電接合材49を吸着する吸着位置(図16の2点鎖線参照)と、この吸着位置から反時計回りに、例えば、約180°回転して横糸22に上側から塗布する塗布位置(図15の実線位置)とに切り換え可能である。供給機構64Bは、その内部に形成された複数の供給路を介して複数の導電接合材49を供給可能であり、複数のデスペンサー56bBの先端部に選択的に供給可能である。
図15,図16に示すように、各デスペンサー56bBはL形に形成されている。各デスペンサー56bBは、その先端部に導電接合材49を吸着して分配可能に構成されている。複数のデスペンサー56bBが、導電接合材49を吸着する場合、各デスペンサー56bBが吸着位置にある状態で、デスペンサー56bBの先端部の上方位置に、矢印方向にスライド可能な供給機構64Bにより導電接合材49が供給され、この供給機構64Bが下方に移動することで、複数のデスペンサー56bBの先端部に導電接合材49を吸着させる。尚、デスペンサー56bBとしては、負圧により導電接合材49を吸着し、低圧の加圧エアにより導電接合材49を分配するものを採用しても良い。
次に、半導体素子供給機構59Bについて説明する。
図15,図16に示すように、半導体素子供給機構59Bは、導電接合材49が塗布された複数部位のうちの全部又は一部に対応する複数の太陽電池セル3を組み込んで、複数の正極31(第2電極)、又は、複数の負極32(第1電極)を横糸22に夫々接続するものである。半導体素子供給機構59Bは、筬機構55Bより下流側で且つ織網基材2の左側に配設されている(図15,図16参照)。
半導体素子供給機構59Bは、所定角度(約180°)だけ回転駆動可能で且つ内部に負圧が導入される第2回転ドラム59aBと、この第2回転ドラム59aBの外周面に軸心方向に定間隔おきに固定されたL形の複数のエアピンセット59bBとを備えている。複数のエアピンセット59bBは、第2回転ドラム59aBの外周面に全ての網目23に対応するように固定されている。尚、複数のエアピンセット59bBは、第2回転ドラム59aBの外周面に一部の網目23(例えば、1つおきの網目23)に対応するように設けても良い。また、必要に応じて、半導体素子供給機構59Bの第2回転ドラム59aBをその軸心方向に所定の距離移動させるための移動駆動機構(図示略)を設けても良い。
第2回転ドラム59aBは、製造装置50Bの図示外の機枠に回転駆動可能に支持され、往復回転駆動機構(図示略)により往復回転駆動される。第2回転ドラム59aBは、その内部に図示外の負圧発生機構により負圧を導入可能である。第2回転ドラム59aBは、太陽電池セル3を供給機構66Bから受け取って保持する保持位置(図15の実線で図示)と、この保持位置から時計回り方向に、例えば、約180°回転して太陽電池セル3を導電接合材49に上側から接合させる投入位置(図16に実線で図示)とに切り換え可能である。供給機構66Bは、負圧により複数の太陽電池セル3を先端部に保持可能であり、複数のエアピンセット59bBの先端部に選択的に供給可能である。
図15,図16に示すように、各エアピンセット59bBは、L形のパイプ材から構成されている。各エアピンセット59bBの先端部には、第2回転ドラム59aBの内部に負圧導入通路を介して通ずるノズル59cBが形成されている。エアピンセット59bBにより太陽電池セル3を保持する場合、各エアピンセット59bBの先端部に、供給機構66Bにより所定の姿勢(負極32を上、正極31を下にした姿勢)に揃えた太陽電池セル3が供給され、第2回転ドラム59aBの内部に負圧が導入されるとエアピンセット59bBの先端部のノズル59cBに負圧が発生するので、この負圧により先端部が太陽電池セル3の正極31側を吸着して保持する。
次に、加熱機構61Bについて説明する。
図13〜図16に示すように、加熱機構61Bは、塗布機構56Bの下側に配設されている。加熱機構61Bは、複数の太陽電池セル3と横糸22との接合部に接近・離隔駆動可能な本体部材61aBと、この本体部材61aBに定間隔おきに固定された直線状の複数の温風供給部61bBとを備えている。複数の温風供給部61bBは、本体部材61aBの外周部に全ての網目23に対応するように固定されている。尚、複数の温風供給部61bBの数は、全ての網目23に対応する必要はなく、一部の網目23に対応するような数であっても良い。また、必要に応じて、加熱機構61Bは、本体部材61aBをその長手方向に所定の距離移動させるための移動駆動機構(図示略)を設けても良い。
温風供給部61bBの先端部には、本体部材61aBの内部に通じるノズル61cBが形成されている。この加熱機構61Bは、織網基材2に複数の太陽電池セル3を組み込み後、複数の太陽電池セル3と横糸22(導電接続部材20)との接合部の導電接合材49を短時間に硬化させるものである。具体的に、加熱機構61Bは、複数の温風供給部61bBの先端部のノズル61cBを接合部に接近させて、複数のノズル61cBから温風を局部的に吹き付けて導電接合材49を加熱して乾燥させて硬化させる。尚、加熱機構61Bは、複数のノズル61cBから選択的に温風を吹き付け可能にしても良い。
尚、図示は省略するが、加熱機構61Bの下流側に、素子付き織網基材1の上下両面を、可撓性と光透過性のある絶縁性保護膜6(シランカップリング剤の被膜)で被覆するための保護膜被覆機構62を設けても良いし、素子付き織網基材1の上下両面を、可撓性と光透過性のある合成樹脂シート材40を上下両面から重ねて加熱加圧することにより素子付き織網基材1Aにするための加熱加圧機構65を設けても良い。
次に、素子付き織網基材1を製造装置50Bにより製造する製造方法について説明するが、第1工程〜第3工程については、綜絖機構53Bとシャトル機構54Bと筬機構55Bとを縦向きに配置して第1〜第3工程を実行する以外、前記実施例1と同様であるので説明は省略して、第4工程以降について説明する。
先ず、第4工程において、第3工程で筬打ちされた横糸22のうち、メッシュ状の網目23の全部に対応する複数部位に塗布機構56Bにより銀ペーストからなる導電接合材49を塗布する。尚、この第4工程が、請求項1の第4工程に相当するものである。
具体的に、先ずは、吸着位置にある複数のデスペンサー56bBの先端部に、供給機構64Bにより供給される導電接合材49を吸着させて、次に、複数のデスペンサー56bBを反時計回りの方向に約180°回転させて、複数のデスペンサー56bBを塗布位置に切り換え、導電接合材49を横糸22の全部の網目23に対応する複数部位に上側から塗布する。
その後、複数のデスペンサー56bBを時計回りの方向に180°回転させて吸着位置に退避させ、供給機構64Bにより次の導電接合材49が供給され、デスペンサー56bBの先端部に吸着される。尚、メッシュ状の網目23の一部に対応する複数部位に塗布機構56Bにより選択的に導電接合材49を塗布することも可能である。この場合、対応するデスペンサー56bBの先端部にのみ導電接合材49が供給される。
尚、この1サイクル前の第5工程において、つまり、1ピッチ下流側を製織した前の第5工程において、下流側に隣接する行方向素子群3Aの複数の太陽電池セル3が織網基材2に組み込まれている場合、導電接合材49は、塗布機構56Bにより横糸22の網目23の全部に対応する複数部位に塗布されると共に、前の第5工程で組み込まれた複数の太陽電池セル3の正極31にも塗布される。
次に、第5工程において、半導体素子供給機構59Bにより、第4工程で導電接合材49が塗布された複数部位のうちの一部(本実施例では左右方向に1つおきの網目23)に対応する複数の太陽電池セル3を組み込んで、複数の負極32を横糸22に夫々接続する。尚、この第5工程が、請求項1の第5工程に相当するものである。
具体的に、先ずは、保持位置にあるエアピンセット59bBの先端部に、供給機構66Bにより太陽電池セル3を供給し、ノズル59cBに発生する負圧により太陽電池セル3をエアピンセット59bBに保持させる。このとき、複数の太陽電池セル3は、対応するエアピンセット59bBの先端部にのみ供給される。次に、エアピンセット59bBを時計回りの方向に約180°回転して、エアピンセット59bBを投入位置に切り換えて、太陽電池セル3の負極32(第1電極)を導電接合材49が塗布された横糸22に上側から押圧して接合する。その後、複数のエアピンセット59bBは、太陽電池セル3の負極32を横糸22に押圧した状態を維持する。
尚、第5工程において、織網基材2の左右方向に1つおきの網目23に複数の太陽電池セル3が組み込まれ、次の1ピッチ分を製織する為の後の第5工程では、左右方向に1ピッチ分ズラした1つおきの網目23に複数の太陽電池セル3が組み込まれ、これを繰り返すことで、上下方向に1つおきの網目23に複数の太陽電池セル3が組み込まれていくが、複数の太陽電池セル3の配置パターンは特にこれに限定する必要はない。
次に、第6工程において、加熱機構61Bの複数のノズル61cBを接合部に接近させて、温風を全ての導電接合材49に吹き付け、導電接合材49を局部加熱して乾燥させ、複数の導電接合材49を短時間に硬化させる。これにより、横糸22と複数の太陽電池セル3の負極32を強固に接合して電気的に接続することができる。このとき、1ピッチ分下流側に行方向素子群3Aの複数の太陽電池セル3が組み込まれている場合は、横糸22と1つ下流側に隣接する複数の太陽電池セル3の正極31(第2電極)とを導電接合材49の硬化を介して強固に接合して電気的に接続することができる。尚、この第6工程が、請求項3の加熱工程に相当するものである。
その後、複数の太陽電池セル3が横糸22に強固に接合したので、複数のエアピンセット59bBによる複数の太陽電池セル3の保持を解除して、複数のエアピンセット59bBを反時計回りの方向に180°回転させて保持位置に退避させ、供給機構66Bにより次の複数の太陽電池セル3が供給されて、複数のエアピンセット59bBの先端部に複数の太陽電池セル3を保持する。
次に、第7工程において、引き出し機構(図示略)により、素子付き織網基材1を太陽電池セル3の直径に相当する1ピッチ分下方に引き出す。最終的に素子付き織網基材1の下流側部分を、上記の第7工程と連動して引き出し機構により間欠的に1ピッチずつ引き出しながら巻き取とって収容しても良いが、特に、素子付き織網基材1の収容方法はこれに限定する必要はない。尚、この第7工程が、請求項4の引き出し工程に相当するものである。
尚、実施例1と同様に、第7工程の後に、素子付き織網基材1の両面を可撓性と光透過性のある、例えば、シランカップリング剤の被膜などの絶縁性保護膜6で被覆する工程(請求項5の被覆工程に相当する)を備えても良いし、実施例2と同様に、素子付き織網基材1の両面に可撓性と光透過性のある合成樹脂シート材40を重ねて加熱加圧することにより半導体素子付き織網基材1Aとする工程(請求項6の重ね合わせ工程に相当する)を備えても良い。
以上の第1工程から第7工程を複数回繰り返し実行することで、連続した素子付き織網基材1を製作することができる。尚、この繰り返し工程が、請求項1の第6工程に相当するものである。
また、前記実施例1,2と同様に、素子付き織網基材1の長さ方向の両端部に、第1織布部25を夫々形成してもよく、素子付き織網基材1の幅方向の両端部に、第2織布部26を夫々形成しても良く、また、素子付き織網基材1の長さ方向の途中部の適当長さ毎の位置に、2組の連続する第1織布部25を夫々形成しても良い。この2組の連続する第1織布部25の中間位置が分断可能な部位になる。
このように、図13〜図16に示す織機(製造装置50B)を用いて複数の縦糸21と複数の横糸22とで織網基材2を織りながら、その織網基材2に複数の太陽電池セル3を組み込んで、それらの負極32と正極31を横糸22(導電接続部材20)に導電接合材49で電気的に接続するため、織網基材2の製作と、太陽電池セル3の組み込みと、導電接合材49の塗布を自動化することができ、少ない工程数で能率的に安定した品質の素子付き織網基材1を製作することができ、半導体素子付き織網基材1の製作コストを低減することもできる。
また、本実施例の素子付き織網基材1を製造する方法では、前記実施例1,2と比較して、製造装置50Bを縦向きに設置し、素子付き織網基材1を鉛直姿勢にて下方に引き出しながら製造するので、太陽電池セル3や導電接合材49が織網基材2から脱落するのを容易に防止し、織網基材2に複数の太陽電池セル3を組み込み易くすることができる。
さらに、横糸22に導電接合材49を1回塗布するだけで、行方向素子群3Aの複数の太陽電池セル3と下側に隣接する行方向素子群3Aの複数の太陽電池セル3を同時に横糸22に固着することができるので、前記実施例1,2と比較して導電接合材49を塗布する回数を2回から1回に減らすことができ、製造スピードを向上させることができる。また、製造装置50Bを縦向きに設置することで、省スペース化を図ることができる。
尚、その他の構成、作用及び効果は前記実施例1,2と同様であるので説明は省略する。
本実施例では、前記実施例1〜3の半導体素子付き織網基材1,1Aを部分的に変更した半導体素子付き織網基材1Cと、この半導体素子付き織網基材1Cを製造する為の製造方法について説明するが、前記実施例1〜3と同様の構成要素には同様の参照符号を付して説明を省略し、異なる構成要素についてのみ説明する。
先ず、半導体素子付き織網基材1Cについて説明する。
図17〜図20に示すように、半導体素子付き織網基材1C(以下、素子付き織網基材1C)は、絶縁性を有する複数の縦糸21と導電性を有する複数の横糸22とから織られ且つ複数行複数列のマトリックス状の網目23を有するメッシュ状の織網基材2Cと、この織網基材2Cの複数の網目23に組み込まれる複数の太陽電池セル3と、これら太陽電池セル3を横糸22に接続するための複数の第1,第2導電接合材4C,5Cとを備えている。尚、太陽電池セル3は、前記実施例1〜3と同様であるので詳細な説明は省略する。
次に、織網基材2Cについて説明する。
図17〜図20に示すように、織網基材2Cは、列方向(上下方向)に延びる平行な複数の縦糸21と、これら複数の縦糸21に直交するように且つ複数の縦糸21に織り込まれて行方向(左右方向)に延びる複数の横糸22と、これら複数の縦糸21と複数の横糸22とで囲まれた複数行複数列のマトリックス状の網目23とを備えている。この織網基材2Cは、各行の網目23と隣接する行の網目23の間に2つの第1,第2横糸22A,22Bが夫々配設されるように織られている。
この織網基材2Cの外周部分には、前記実施例1,2と同様にマチ部分24が形成されている。このマチ部分24は、織網基材2Cの縦糸21の長さ方向の両端側部分に形成した所定幅の第1織布部25と、織網基材2Cの横糸22の長さ方向の両端側部分に形成した所定幅の第2織布部26とから形成されている。
次に、第1,第2導電接合材4C,5Cについて説明する。
図20に示すように、複数の第1導電接合材4Cの各々は、各太陽電池セル3の負極32を第1,第2横糸22A,22B(導電接続部材20C)に電気的に接続し、複数の第2導電接合材5Cの各々は、各太陽電池セル3の正極31を第1,第2横糸22A,22B(導電接続部材20C)に電気的に接続する。これら導電接合材4C,5Cは、第1,第2横糸22A,22Bの両方に亙って塗布される。
導電接合材4C,5Cは、銀ペーストからなり、この銀ペーストで太陽電池セル3と横糸22(第1,第2横糸22A,22B)を接続する場合は、例えば、銀ペーストを正極31と横糸22との接合部位や、負極32と横糸22との接合部位に塗布した後に、銀ペーストを加熱して乾燥させることで銀ペーストを硬化させ、太陽電池セル3の正極31と横糸22、負極32と横糸22とを電気的に接続し且つ固着することができる。
ここで、複数の太陽電池セル3の直並列接続構造について説明する。
図17〜図19に示すように、複数の太陽電池セル3は、横方向(行方向)に並ぶ複数の太陽電池セル3からなる行方向素子群3Aを単位として複数群にグループ化され、これら複数の行方向素子群3Aは複数行に配列されると共に、隣接する行方向素子群3Aの間に導電接続部材20Cが配設されている。各行方向素子群3Aの複数の太陽電池セル3は、1対の導電接続部材20Cを介して電気的に並列接続され、複数の行方向素子群3Aは複数の導電接続部材20Cを介して直列接続されている。
図18に示すように、各導電接続部材20Cは、縦方向に接触可能に隣接して電気的に接続された2つの第1,第2横糸22A,22Bであって各々が複数の縦糸21の表面と裏面とに交互に接触するジグザグ状態に織られる第1,第2横糸22A,22Bからなり、第1横糸22Aと第2横糸22Bとで縦糸21を表面側と裏面側から挟持するように織られている。
このように、2つの第1,第2横糸22A,22Bからなる導電接続部材20Cにより行方向素子群3Aの複数の太陽電池セル3と隣接する行方向素子群3Aの複数の太陽電池セル3を直列接続可能なので、複数の行方向素子群3Aを、間隔を空けずに密に接触した状態で複数行に配設することができる。このため、多量の太陽電池セル3を組み込んだ素子付き織網基材1Cを製作することができ、素子付き織網基材1Cの受光効率を向上させることができる。尚、太陽電池セル3が発光ダイオードの場合は、発光効率を向上させることができる。
また、第1横糸22Aと第2横糸22Bとで縦糸21を表面側と裏面側から挟持するように織られているので、縦糸21をジグザグ状態にせずに真っ直ぐな状態を維持しながら編むことができ、素子付き織網基材1Cの縦方向(列方向)への引っ張り強度を向上させることができる。さらに、太陽電池セル3の正極31又は負極32に第1横糸22Aと第2横糸22Bの交差した部分が導電接合材4C,5Cを介して固着されるので、1つの横糸22のみが固着されている場合と比較して、太陽電池セル3が第1,第2横糸22A,22Bから剥がれるのを抑制し、素子付き織網基材1Cの横方向(行方向)への引っ張り強度を向上させることができる。第1,第2横糸22A,22Bで縦糸21を表面側と裏面側から挟持しているため、横方向への伸縮性が低下し、電気的結合部の安定性を確保できる。
2つの第1,第2横糸22A,22Bから導電接続部材20Cを形成するので、1つの横糸22からなる導電接続部材20Cと比較して、素子付き織網基材1Cの曲げ強度が向上する。また、2つの第1,第2横糸22A,22Bのうち一方が断線しても行方向素子群3Aの複数の太陽電池セル3の並列接続を維持するので、素子付き織網基材1Cの品質が向上する。
次に、素子付き織網基材1Cを製造する製造方法について説明するが、本実施例の製造方法は、前記実施例1〜3の製造装置50,50A,50Bの何れの製造装置を利用しても製造することができるが、以下の説明では、素子付き織網基材1Cは製造装置50Bにより製造されるとして説明する。
先ず、第1工程において、複数の縦糸21が、供給側案内ローラ51と案内板52を通過してから、綜絖機構53Bにより、定間隔おきに平行に配置した複数の縦糸21を含む第1群縦糸21aと、この第1群縦糸21aと平行且つ交互に位置する複数の縦糸21を含む第2群縦糸21bとに分けられる。そして、第1群縦糸21aと第2群縦糸21bを綜絖機構53Bにより左右に移動させて、第1,第2群縦糸21a,21bの間にシャトル通過用の隙間を形成する。
次に、第2工程において、第1,第2群縦糸21a,21bの間の隙間に、シャトル機構54Bのシャトル部材54aを縦糸21と直交する方向に通して横糸22(第1横糸22A)を供給する。次に、再び第1工程に戻り、綜絖機構53Bにより、第1群縦糸21aと第2群縦糸21bとを元の左右位置関係から逆の左右位置関係になるように左右に移動させて、第1,第2群縦糸21a,21bの間にシャトル通過用の隙間を形成し、再度第2工程にて、第1,第2群縦糸21a,21bの間の隙間に、シャトル機構54Bのシャトル部材54aを縦糸21と直交する方向に通して横糸22(第2横糸22B)を供給する。
このように、第1工程と第2工程を連続して2度繰り返してから、第3工程に移行することで、2つの第1,第2横糸22A,22Bからなる導電接続部材20Cを形成することができる。尚、第1工程と第2工程の繰り返しは2度に限定する必要はなく、導電接続部材20Cを形成する横糸22の本数に応じて、適宜変更可能である。この第1,第2工程を繰り返す工程が、請求項2に記載された工程に相当するものである。
次に、第3工程において、第2工程を2度繰り返すことで供給された2つの第1,第2横糸22A,22Bを、筬機構55Bにより下流側に押圧する筬打ちを行い、2つの第1,第2横糸22A,22Bを縦糸21に対して直交状態に整列させる。このとき、1サイクル前の工程にて下流側に複数の太陽電池セル3が供給されている場合は、2つの第1,第2横糸22A,22Bを複数の太陽電池セル3の正極31に押圧する。このように、先ずは、絶縁性を有する複数の縦糸21と導電性を有する複数の横糸22から織られたメッシュ状の織網基材2Cが製作される。
次に、第4工程において、第3工程で筬打ちされた2つの第1,第2横糸22A,22Bのうち、メッシュ状の網目23の全部に対応する複数部位に塗布機構56Bにより銀ペーストからなる導電接合材49を塗布する。尚、メッシュ状の網目23の一部に対応する複数部位に塗布機構56Bにより選択的に導電接合材49を塗布することも可能である。また、太陽電池セル3の正極31を横糸22に接続する為の導電接合材49が、「第2導電接合材5C」に相当し、太陽電池セル3の負極32を横糸22に接続する為の導電接合材49が、「第1導電接合材4C」に相当するものである。
尚、この1サイクル前の第5工程において、つまり、1ピッチ下流側を製織した前の第5工程において、下流側に隣接する行方向素子群3Aの複数の太陽電池セル3が織網基材2Cに組み込まれている場合、導電接合材49は、塗布機構56Bにより第1,第2横糸22A,22Bの網目23の全部に対応する複数部位に塗布されると共に、前の第5工程で組み込まれた複数の太陽電池セル3の正極31にも塗布される。
次に、第5工程において、半導体素子供給機構59Bにより、第4工程で導電接合材49が塗布された第1,第2横糸22A,22Bの複数部位のうちの一部(本実施例では左右方向に1つおきの網目23)に対応する複数の太陽電池セル3を組み込んで、複数の負極32を2つの第1,第2横糸22A,22Bに夫々接続する。
尚、第5工程において、織網基材2Cの左右方向に1つおきの網目23に太陽電池セル3が組み込まれ、次の1ピッチ分を製織する為の後の第5工程では、左右方向に1ピッチ分ズラした1つおきの網目23に太陽電池セル3が組み込まれ、これを繰り返すことで、上下方向に1つおきの網目23に太陽電池セル3が組み込まれていくが、太陽電池セル3の配置パターンは特にこれに限定する必要はない。
次に、第6工程において、加熱機構61Bの複数のノズル61cBを接合部に接近させて、温風を全ての導電接合材49に吹き付け、導電接合材49を局部加熱して乾燥させ、複数の導電接合材49を短時間に硬化させる。これにより、第1,第2横糸22A,22Bと複数の太陽電池セル3の負極32を強固に接合して電気的に接続することができる。このとき、1ピッチ分下流側に行方向素子群3Aの複数の太陽電池セル3が組み込まれている場合は、第1,第2横糸22A,22Bと1つ下流側に隣接する行方向素子群3Aの複数の太陽電池セル3の正極31を強固に接合して電気的に接続することができる。尚、この第6工程が、請求項3の加熱工程に相当するものである。
次に、第7工程において、引き出し機構(図示略)により、素子付き織網基材1Cを太陽電池セル3の直径に相当する1ピッチ分下方に引き出す。尚、最終的に素子付き織網基材1Cの下流側部分を、上記の第7工程と連動して引き出し機構により間欠的に1ピッチずつ引き出しながら巻き取とって収容しても良いが、特に、素子付き織網基材1Cの収容方法はこれに限定する必要はない。尚、この第7工程が、請求項4の引き出し工程に相当するものである。
尚、実施例1と同様に、第7工程の後に、素子付き織網基材1Cの両面を可撓性と光透過性のある、例えば、シランカップリング剤の被膜などの絶縁性保護膜6で被覆する工程(請求項5の被覆工程に相当する)を備えても良いし、実施例2と同様に、素子付き織網基材1Cの両面に可撓性と光透過性のある合成樹脂シート材40を重ねて加熱加圧することにより半導体素子付き織網基材1Aとする工程(請求項6の重ね合わせ工程に相当する)を備えても良い。
以上の第1工程から第7工程(第1,第2工程は2度連続繰り返して)を複数回繰り返し実行することで、連続した素子付き織網基材1Cを製作することができる。尚、この繰り返し工程が、請求項1の第6工程に相当するものである。
また、前記実施例1,2と同様に、素子付き織網基材1Cの長さ方向の両端部に、第1織布部25を夫々形成してもよく、素子付き織網基材1Cの幅方向の両端部に、第2織布部26を夫々形成しても良く、また、素子付き織網基材1Cの長さ方向の途中部の適当長さ毎の位置に、2組の連続する第1織布部25を夫々形成しても良い。この2組の連続する第1織布部25の中間位置が分断可能な部位になる。
このように、織機(製造装置50B)を用いて複数の縦糸21と複数の横糸22とで織網基材2Cを織りながら、その織網基材2Cに複数の太陽電池セル3を組み込んで、それらの負極32と正極31を2つの第1,第2横糸22A,22Bに導電接合材49で電気的に接続するため、織網基材2Cの製作と、太陽電池セル3の組み込みと、導電接合材49の塗布を自動化することができ、少ない工程数で能率的に安定した品質の素子付き織網基材1Cを製作することができる。
この素子付き織網基材1Cによれば、その素子付き織網基材1Cにおける、複数の太陽電池セル3が、横方向に並ぶ複数の太陽電池セル3からなる行方向素子群3Aを単位として複数群にグループ化され、複数の行方向素子群3Aは複数行に配列されると共に、隣接する行方向素子群3Aの間に2つの第1,第2横糸22A,22Bからなる導電接続部材20Cが配設され、各行方向素子群3Aの複数の太陽電池セル3は、1対の導電接続部材20Cを介して電気的に並列接続され、複数の行方向素子群3Aは複数の導電接続部材20Cを介して直列接続されたため、受光用の素子付き織網基材1Cの場合、直列接続される素子数を介して発電電圧を自由に設定し、並列接続される素子数を介して発電電流を自由に設定することができる。
その他の構成、作用及び効果は、前記実施例1〜3と同様であるので説明は省略する。
ここで、前記実施例を部分的に変更する例について説明する。
[1]実施例1〜4の球状太陽電池セル3において、球状のn形シリコン結晶にp形の拡散層を形成することでpn接合を形成しても良い。
[2]実施例1〜4において、上記の太陽電池セル3に代えて、発光機能を有し且つ各々が正極71と負極72を有する複数の球状発光ダイオードセル70を組み込んだ発光用の素子付き織網基材を製造しても良い。例えば、図20に示す球状発光ダイオードセル70は、n形の球状半導体73と、平坦面74と、球状のp形の拡散層75と、pn接合76と、全表面に形成された蛍光体被膜77などを有し、素子付き織網基材の導電線間に電圧を加えて発光ダイオードセル70に順方向電流を流すと発光ダイオードセル70が発光する。上記蛍光体被膜77の蛍光体の成分に応じて発光色が決まるため、種々の発光色の発光ダイオードセル70を採用することも可能である。
[3]実施例1〜4の導電接合材4,5,4C,5C,49として銀ペーストを使用しているが、これに限定する必要はなく、太陽電池セル3の正極31と負極32を半田ペースト(錫や銀半田ペーストなど)により横糸22に接続するようにしても良い。この場合、半田ペーストを横糸22に塗布後に、加熱機構61により、高温で加熱して溶融状態にし、太陽電池セル3の正極31及び負極32を横糸22に電気的に接続する。
[4]実施例1〜4の導電接合材4,5,4C,5C,49を硬化させるために、加熱機構61,61Bに代えて、横糸22にパルス大電流を流し、横糸22に発生するジュール熱を利用することで、導電接合材4,5,4C,5C,49を加熱硬化させても良い。また、横糸22にパルス大電流を通電する機構と加熱機構61,61Bを組み合わせて導電接合材4,5,4C,5C,49を加熱硬化させるようにしても良い。
[5]実施例1〜4において、前記縦糸21として、絶縁性の複数の合成樹脂繊維からなる縒り線を採用しても良く、または、縒り線以外の1本の線材又は帯材を採用しても良い。また、前記横糸22として、複数の金属細線からなる縒り線を採用しても良く、または、縒り線以外の1本の線材又は帯材を採用しても良い。
[6]実施例1〜4の横糸22は、ガラス繊維に金属細線を2本コイル状にカバーリングした構成を有するが、特にこれに限定する必要はなく、前記金属細線に代えて複数のガラス繊維の縒り線の表面に導電性被膜を形成した構造のものでも良い。また、横糸22は、導電性を有する炭素繊維の束からなる導電線、又は前記炭素繊維の束の表面に金属細線をコイル状にカバーリングした導電線で構成されても良い。
[7]実施例1〜4の導電接続部材20,20Cは、1又は2つの横糸22から形成されているが、これに限定する必要はなく、3つ以上の横糸から導電接続部材を形成するようにしても良い。
[8]実施例1,2の第1,第2塗布機構57,58は、共通の塗布機構56で構成されているが、第1,第2塗布機構57,58を別々に構成しても良い。
[9]実施例1の素子付き織網基材1の上下表面に透明樹脂膜を形成するための保護膜被覆機構62や、実施例2の素子付き織網基材1Aの上下両面を合成樹脂シート材40で挟んで加熱加圧するための加熱加圧機構65は、必ずしも必要ではなく、仕様に応じて省略しても良い。また、保護膜被覆機構62で素子付き織網基材1の上下両面に絶縁性保護膜6を形成した後に、加熱加圧機構65により、素子付き織網基材1を可撓性と光透過性のある合成樹脂シート材40の中に埋設状態に封止し、合成樹脂シート材40の上下両面に可撓性と光透過性のある合成樹脂フィルム層42を形成して素子付き織網基材1Aを製造しても良い。
[10]実施例1〜4において、太陽電池セル3の負極32を第1電極とし、正極31を第2電極としているが、これに限定する必要はなく、これとは逆に負極32を第2電極とし、正極31を第1電極としても良い。この場合、半導体素子供給機構59,59Bのエアピンセット59b,59bBは、太陽電池セル3の負極32側を吸着して保持し、エアピンセット59b,59bBの回転駆動後に太陽電池セル3の正極31を第1導電接合材4,4C又は導電接合材49が塗布された横糸22に接合する。
[11]実施例1〜4の織網基材2,2Cと複数の太陽電池セル3の両面に、パリレンからなる絶縁性保護膜6を成膜しても良い。この場合、パリレンは分子レベルで狭い間隙にも浸透するため素子付き織網基材1の全表面に均一に被膜を形成することができる。パリレンの屈折率は約1.64であり、太陽電池セル3の表面に被覆することによって、光が空気から直接入射する場合に較べて反射を防止する効果と電気的絶縁性を高める効果がある。水蒸気やガスの透過防止や耐薬品性、耐放射線性に優れた効果も期待できるなど、太陽電池セル3、複数の縦糸21や複数の横糸22及び導電接合材4,5,4C,5C,49の劣化防止の効果を期待できる。但し、絶縁性保護膜6は、シランカップリング剤の被膜或いはパリレンによる被膜以外の光透過性と可撓性を有する合成樹脂材料(例えば、シリコン樹脂の被膜)で構成しても良い。
[12]実施例1〜4において、図21に示すように、メッシュ状の網目23の全部に対応する複数部位に導電接合材49を塗布し、導電接合材49が塗布された複数部位のうちの全部に対応する複数の太陽電池セル3を組み込むことで、全ての網目23に太陽電池セル3を組み込んだ素子付き織網基材1Dを製織しても良い。また、図22に示すように、メッシュ状の網目23の一部に対応する複数部位に導電接合材49を塗布し、導電接合材49が塗布された複数部位のうちの全部に対応する複数の太陽電池セル3を組み込むことで、例えば、行方向に3つおきの網目23に太陽電池セル3が組み込まれ且つ列方向に1つおきの網目23に太陽電池セル3が組み込まれた素子付き織網基材1Eを製織しても良い。さらに、これら太陽電池セル3の配置パターンは、特にこれらに限定する必要はなく種々の配置パターンを採用して素子付き織網基材を製織しても良い。
[13]図23,図24に示すように、素子付き織網基材1F,1Gの織網基材2の縦方向の途中部分に、横方向に並ぶ複数の網目23に太陽電池セル3を組み込むことなく、複数の絶縁線86(例えば、2本の絶縁線86)を網目23より密に配置した所定幅の絶縁分離帯85を少なくとも1つ形成しても良い。素子付き織網基材1F,1Gは、この絶縁分離体85を境界にして、上側部分の第1領域81と下側部分の第2領域82に分断されている。第1領域81の複数の太陽電池セル3と第2領域82の複数の太陽電池セル3は、正極31と負極32で規定される導電方向が逆向きになるように織網基材2の複数の網目23に組み込まれている。尚、素子付き織網基材1F,1Gの長さ方向の途中部の適当長さ毎の位置に、複数の絶縁分離帯85を夫々設けて、複数の領域に分断しても良い。また、絶縁分離体85は、2つの絶縁線86から形成されることに限定する必要はなく、1又は3以上の複数の絶縁線86から形成されても良い。さらに、絶縁分離体85の縦幅は、仕様に応じて適宜設定することができる。
具体的に、図23では、第1領域81の太陽電池セル3は、その負極32を上方に正極31を下方に向けて組み込まれ、第2領域82の太陽電池セル3は、第1領域81の導電方向とは逆向きになるように、その正極31を上方に負極32を下方に向けて組み込まれている。尚、図24の複数の太陽電池セル3は、図23に対して導電方向が逆向きになるように第1,第2領域81,82に夫々配置されている。第1領域81の最上端と最下端の横糸22の両端部には、外部端子91,92が夫々形成されている。第2領域82の最上端と最下端の横糸22の両端部には、外部端子93,94が夫々形成されている。
この絶縁分離帯85を素子付き織網基材1F,1Gに製織するには、第2工程において、第1,第2群縦糸21a,21bの間の隙間に、シャトル機構54により導電線からなる横糸22を供給し、第3工程にて筬機構55により筬打ちした後、第4工程に移行する前に、再度第1工程に戻り、綜絖機構53により第1群縦糸21aと第2群縦糸21bとを元の上下位置関係から逆の上下位置関係になるように移動させて、第1,第2群縦糸21a,21bの間の隙間に、絶縁線86が連結されたシャトル部材54aを通して絶縁線86を供給する。これを複数回繰り返し、複数の絶縁線86と縦糸21(絶縁線)からなる絶縁分離帯85を製織した後に、最後に導電線からなる横糸22を供給して筬打ちして、第4工程に移行する。尚、第3工程の筬打ちは、絶縁分離帯85を製織した後に一度するようにしても良い。
このように、素子付き織網基材1F,1Gを絶縁分離帯85により第1,第2領域81,82に分断して、各領域81,82に外部端子91〜94を設けることで、素子付き織網基材1F,1Gの外側で、第1,第2領域81,82を外部端子91〜94を介して直列接続や並列接続することができる。このため、素子付き織網基材1F,1Gに複数の絶縁分離帯85を設けた場合、素子付き織網基材1F,1Gは複数の領域に分断され、これら領域に外部端子を夫々設けることで、直列接続数を介して発電電圧を自由に設定し、並列接続数を介して発電電流を自由に設定することができる。
また、第1,第2領域81,82の太陽電池セル3の導電方向を互いに逆向きに設定しているが、特に逆向きに限定する必要はなく、第1,第2領域81,82の導電方向を同じ向きに設定しても良いし、第1,第2領域81,82のうちの一方の太陽電池セル3を、球状のn形シリコン結晶にp形の拡散層を形成することでpn接合を形成した太陽電池セルに代えても良い。つまり、帯状に長い素子付き織網基材を、複数の絶縁分離帯85により複数の領域に分断することで、単位領域ごとに太陽電池セルの形状や導電方向を適宜設定することができる。また、設計仕様に応じて必要な出力電圧に設定する為に、素子付き織網基材に絶縁分離帯85を適宜設けて、各領域の出力電圧を調整することができる。
[14]実施例1〜3の製造装置50,50A,50Bにおいて、塗布機構56,56Bの複数のデスペンサー56b,56bB及び半導体素子供給機構59の複数のエアピンセット59b,59bBを、太陽電池セル3の配置パターンに応じて、太陽電池セル3が組み込まれる網目23に対応するように個々に独立して回転駆動可能に構成しても良い。また、太陽電池セル3の配置パターンに応じて、第1回転ドラム56a,56aB及び第2回転ドラム59a,59aBを、その軸心方向へ移動可能に構成しても良い。
[15]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例の種々の変更を付加した形態で実施可能で本発明はそのような変更形態を包含するものである。
本発明に係る半導体素子付き織網基材は、可撓性、採光性(又はシースルー)があり薄型で軽量な太陽電池パネルや発光パネルに適用可能なものであり、織物材だけでなく窓ガラスや建物の壁面に組み込んで意匠性に優れる太陽電池パネルを実現可能である。
1,1A,1C〜1G 半導体素子付き織網基材
2,2C 織網基材
3 球状太陽電池セル(受光機能付き球状半導体素子)
3A 行方向素子群
4,4C 第1導電接合材
5,5C 第2導電接合材
6 絶縁性保護膜
20,20C 導電接続部材
21 縦糸
21a 第1群縦糸
21b 第2群縦糸
22 横糸
22A 第1横糸
22B 第2横糸
23 網目
24 マチ部分
25 第1織布部
26 第2織布部
31 正極(第2電極)
32 負極(第1電極)
40 合成樹脂シート材
41 EVAシート
42 合成樹脂フィルム層
49 導電接合材
50,50A,50B 半導体素子付き織網基材の製造装置
51 供給側案内ローラ
53 綜絖機構
54 シャトル機構
55 筬機構
56,56B 塗布機構
56a,56aB 第1回転ドラム
56b,56bB デスペンサー
57 第1塗布機構
58 第2塗布機構
59,59B 半導体素子供給機構
59a,59aB 第2回転ドラム
59b,59bB エアピンセット
61,61B 加熱機構
62 保護膜被覆機構
63 引き出し機構
65 加熱加圧機構
70 球状発光ダイオードセル(発光機能付き球状半導体素子)
85 絶縁分離帯
86 絶縁線

Claims (23)

  1. 絶縁性を有する複数の縦糸と導電性を有する複数の横糸から織られたメッシュ状の織網基材に、受光又は発光機能を有し且つ各々が第1,第2電極を有する複数の球状半導体素子を組み込んだ半導体素子付き織網基材を製造する製造方法において、
    定間隔おきに平行に配置した複数の縦糸を含む第1群縦糸と、この第1群縦糸と平行且つ交互に位置する複数の縦糸を含む第2群縦糸とを綜絖機構により移動させて、第1,第2群縦糸の間に隙間を形成する第1工程と、
    前記第1,第2群縦糸の間の隙間にシャトル機構により横糸を供給する第2工程と、
    前記第2工程で供給された横糸を筬機構により筬打ちする第3工程と、
    前記第3工程で筬打ちされた横糸のうち、メッシュ状の網目の全部又は一部に対応する複数部位に導電接合材を塗布する第4工程と、
    前記第4工程で導電接合材が塗布された複数部位のうちの全部又は一部に対応する複数の球状半導体素子を組み込んで、複数の第1電極又は第2電極を横糸に夫々接続する第5工程と、
    前記第1工程から第5工程を複数回繰り返す第6工程と、
    を備えたことを特徴とする半導体素子付き織網基材の製造方法。
  2. 前記第第1工程と第2工程を連続して少なくとも2度繰り返してから、前記第3工程に移行することを特徴とする請求項1に記載の半導体素子付き織網基材の製造方法。
  3. 前記第5工程の後、前記第6工程の前に、前記導電接合材を加熱する加熱工程を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体素子付き織網基材の製造方法。
  4. 前記第5工程の後、前記第6工程の前に、前記半導体素子付き織網基材を所定長さ引き出す引き出し工程を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体素子付き織網基材の製造方法。
  5. 前記第5工程の後、前記第6工程の前に、前記半導体素子付き織網基材の両面を可撓性と光透過性のある絶縁性保護膜で被覆する被覆工程を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体素子付き織網基材の製造方法。
  6. 前記第5工程の後、前記第6工程の前に、前記半導体素子付き織網基材の両面に可撓性と光透過性のある合成樹脂シート材を重ねて加熱加圧する重ね合わせ工程を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体素子付き織網基材の製造方法。
  7. 前記第4工程において、前記横糸のうち、複数の球状半導体素子を接続する複数部位に第1導電接合材を塗布し、
    前記第5工程において、前記第1導電接合材が塗布された複数部位に対応する複数の球状半導体素子を組み込んで、前記複数部位に複数の第1電極を夫々接続し、
    前記第5工程の後、前記第6工程の前に、前記複数の球状半導体素子の複数の第2電極に第2導電接合材を塗布する塗布工程を備えたことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子付き織網基材の製造方法。
  8. 前記第4工程において、前記横糸の上側から複数の導電接合材が塗布され、前記第5工程において、前記第4工程で塗布された複数の導電接合材の上側から複数の球状半導体素子が組み込まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体素子付き織網基材の製造方法。
  9. 絶縁性を有する複数の縦糸と導電性を有する複数の横糸から織られたメッシュ状の織網基材に、受光又は発光機能を有し且つ各々が第1,第2電極を有する複数の球状半導体素子を組み込んだ半導体素子付き織網基材を製造する製造装置であって、
    縦糸供給源から供給される複数の縦糸を整列状態に案内する供給側案内ローラと、
    定間隔おきに平行に配置した複数の縦糸を含む第1群縦糸と、この第1群縦糸と平行且つ交互に位置する複数の縦糸を含む第2群縦糸とを移動させて、第1,第2群縦糸の間に隙間を形成する綜絖機構と、
    前記綜絖機構により形成された第1,第2群縦糸の間の隙間に横糸を供給するシャトル機構と、
    前記シャトル機構で供給された横糸を筬打ちする筬機構と、
    前記横糸のうち、メッシュ状の網目の全部又は一部に対応する複数部位に導電接合材を塗布する塗布機構と、
    前記導電接合材が塗布された複数部位のうちの全部又は一部に対応する複数の球状半導体素子を組み込んで、複数の第1電極又は第2電極を横糸に夫々接続する半導体素子供給機構と、
    を備えたことを特徴とする半導体素子付き織網基材の製造装置。
  10. 前記塗布機構は、第1回転ドラムと、この第1回転ドラムの外周面に軸心方向に定間隔おきに固定されたL形の複数のデスペンサーであって、先端部に導電接合材を吸着して分配可能な複数のデスペンサーとを備えたことを特徴とする請求項9に記載の半導体素子付き織網基材の製造装置。
  11. 前記半導体素子供給機構は、内部に負圧が導入される第2回転ドラムと、この第2回転ドラムの外周面に軸心方向に定間隔おきに固定されたL形のパイプ材からなる複数のエアピンセットとを備えたことを特徴とする請求項9に記載の半導体素子付き織網基材の製造装置。
  12. 前記導電接合材を加熱して乾燥させる加熱機構を設けたことを特徴とする請求項9に記載の半導体素子付き織網基材の製造装置。
  13. 前記半導体素子付き織網基材を所定長さずつ引き出す引き出し機構を設けたことを特徴とする請求項9に記載の半導体素子付き織網基材の製造装置。
  14. 前記半導体素子付き織網基材の両面を可撓性と光透過性のある絶縁性保護膜で被覆する保護膜被覆機構を備えたことを特徴とする請求項9に記載の半導体素子付き織網基材の製造装置。
  15. 前記半導体素子付き織網基材の両面に可撓性と光透過性のある合成樹脂シート材を重ねた状態で加熱加圧する加熱加圧機構を備えたことを特徴とする請求項9に記載の半導体素子付き織網基材の製造装置。
  16. 受光又は発光機能を有する複数の球状半導体素子を組み込んだ半導体素子付き織網基材において、
    絶縁性を有する複数の縦糸と導電性を有する複数の横糸から織られ且つ複数行複数列の網目を有するメッシュ状の織網基材と、
    各々が受光又は発光機能と第1,第2電極を有する複数の球状半導体素子であって、前記第1,第2電極で規定される導電方向を縦糸と平行な縦方向に揃えた状態で、前記織網基材の複数の網目に組み込まれた複数の球状半導体素子とを備え、
    前記複数の球状半導体素子が、横方向に並ぶ複数の球状半導体素子からなる行方向素子群を単位として複数群にグループ化され、
    前記複数の行方向素子群は前記複数行に配列されると共に、隣接する行方向素子群の間に1又は複数の横糸からなる導電接続部材が配設され、
    各行方向素子群の複数の球状半導体素子は、1対の前記導電接続部材を介して電気的に並列接続され、
    隣接する行方向素子群をそれらの間に配設された前記1又は複数の横糸からなる導電接続部材でもって直列接続することにより、前記複数の行方向素子群は複数の導電接続部材を介して直列接続されたことを特徴とする半導体素子付き織網基材。
  17. 前記各導電接続部材は、縦方向に接触可能に隣接して電気的に接続された2つの第1,第2横糸であって各々が複数の縦糸の表面と裏面とに交互に接触するジグザグ状態に織られる第1,第2横糸からなり、
    前記第1横糸と第2横糸とで縦糸を表面側と裏面側から挟持するように織られたことを特徴とする請求項16に記載の半導体素子付き織網基材。
  18. 前記織網基材の縦糸の長さ方向の両端側部分には、前記網目より密に配置した複数の横糸と前記複数の縦糸とで織布状に形成した所定幅の第1織布部が形成され、
    前記織網基材の横糸の長さ方向の両端側部分には、前記網目より密に配置した複数の縦糸と前記複数の横糸とで織布状に形成した所定幅の第2織布部が形成されたことを特徴とする請求項16又は17に記載の半導体素子付き織網基材。
  19. 前記織網基材と複数の球状半導体素子の両面を、可撓性と光透過性のある絶縁性保護膜で被覆したことを特徴とする請求項16又は17に記載の半導体素子付き織網基材。
  20. 前記織網基材と複数の球状半導体素子を可撓性と光透過性のある合成樹脂シート材の中に埋設状態に封止し、前記合成樹脂シート材の両面に可撓性と光透過性のある合成樹脂フィルム層を形成したことを特徴とする請求項16又は17に記載の半導体素子付き織網基材。
  21. 前記縦糸が、ガラス繊維又は合成樹脂繊維の束で構成され、前記横糸が、ガラス繊維又は合成樹脂繊維の束の表面に金属細線をコイル状にカバーリングした導電線で構成されたことを特徴とする請求項16又は17に記載の半導体素子付き織網基材。
  22. 前記横糸が、導電性を有する炭素繊維の束からなる導電線、又は前記炭素繊維の束の表面に金属細線をコイル状にカバーリングした導電線で構成されたことを特徴とする請求項16又は17に記載の半導体素子付き織網基材。
  23. 前記織網基材の縦方向の途中部分には、横方向に前記網目より密に複数の絶縁線を配置した所定幅の絶縁分離帯が少なくとも1つ形成されたことを特徴とする請求項16又は17に記載の半導体素子付き織網基材。

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