JP5429324B2 - 回胴式遊技機 - Google Patents

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本発明は、外周面に複数種類の図柄が描かれた複数の回胴を回転させ、該複数の回胴が
停止したときの図柄組合せに応じて、所定の特典が遊技者に付与される遊技を行う回胴式
遊技機に関する。
複数種類の図柄が描かれた複数の回胴を回転させ、全ての回胴が停止したときに所定の
図柄組合せが成立すると、所定の特典が遊技者に付与される遊技を行う回胴式遊技機が広
く知られている。こうした回胴式遊技機の前面扉には、回胴の回転を開始させるためのス
タートレバーや、回胴の回転を停止させるための停止ボタンなどが設けられており、遊技
者がこれらを操作すると、操作を検出した旨の操作信号が、前面扉の内側に設置された扉
基板を介して、遊技機の内部に搭載された主制御基板に伝達される。この主制御基板は、
スタートレバーや停止ボタンなどが操作された操作信号を受け取ると、何れの図柄組合せ
の成立を許容するか否かを決定したり、あるいは特定の図柄組合せが成立し易い遊技状態
に切り換えるなど、遊技の進行に関する各種の制御を行っている。
上述した遊技機に設置されている扉基板は、ネジ等で固定はされているものの交換や点
検を行うために着脱可能に取り付けられているものが一般的に知られている(特許文献1
)。また、前面扉に設けられたスタートレバーや停止ボタンなどは、故障時に交換できる
ように、扉基板に対して着脱可能に接続されているのが一般的である。
特開2003−310836号公報
しかしながら、特許文献1の遊技機では、扉基板が着脱可能に形成されているため、正
規の基盤とは異なる不正基板に交換されて不正行為が行われることがある。例えば、不正
基板の1つである「打ち込み機」と呼ばれる特殊な器具が扉基板に代えて装着されると、
遊技者がスタートレバーや停止ボタンなどを操作した場合と同じような操作信号が主制御
基板に供給されて、自動で遊技が行われる。そして、打ち込み機は、遊技者にとって有利
な遊技状態が成立すると(例えば、特定の遊技役の入賞が成立し易い遊技状態に切り換わ
るなど)、その時点で自動的に遊技を停止する機能を有している。このような打ち込み機
を用いた不正行為としては、遊技ホールが閉店している間に打ち込み機を取り付けて自動
で遊技を行わせ、有利な遊技状態が成立したら、打ち込み機を正規の扉基板に戻しておく
こと等が考えられる。その結果、翌日の遊技ホールの開店時には、有利な遊技状態で開始
される遊技機とそうでない遊技機が存在することになり、遊技の公平性が失われてしまう
という問題が発生していた。
また、打ち込み機は、スタートレバーや停止ボタンなどに代えて扉基板に接続されるこ
とがあり、この場合にも有利な遊技状態が成立するまで自動で遊技が行われるので、上記
と同様の問題が生じる。
本発明は、従来の技術における上述した課題を解決するためになされたものであり、打
ち込み機を用いた不正行為を効果的かつ簡便に防止することが可能な技術の提供を目的と
する。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の回胴式遊技機は次の構成を
採用した。すなわち、
外周面に複数の図柄が描かれた回胴を回転させ、該回胴が停止したときに表示される図
柄に応じて所定の特典を遊技者に付与する遊技を行う回胴式遊技機において、
遊技の進行に関する制御を実行する遊技制御手段と、
所定の遊技操作を受けたことを示す操作信号を前記遊技制御手段に向けて出力可能な遊
技操作手段と、
前記遊技操作手段から出力される前記操作信号を前記遊技制御手段へと中継する操作信
号中継手段と、
前記操作信号中継手段と前記遊技制御手段とを接続する第1接続手段と、
前記遊技操作手段と前記操作信号中継手段とを接続する第2接続手段と、
前記遊技制御手段が遊技の進行に関する制御を実行する際に必要となる種々の遊技情報
を記憶する遊技情報記憶手段と、
前記回胴式遊技機が動作するための電力を供給する主電力供給手段と、
前記主電力供給手段からの電力供給が停止している状態で、前記遊技情報記憶手段の記
憶内容を保持するための保持電力を、該遊技情報記憶手段に供給する保持電力供給手段と
を備え、
前記保持電力供給手段は、前記第1接続手段と前記第2接続手段の少なくとも一方によ
る接続が分断されることで前記遊技情報記憶手段に対する保持電力の供給を不能とする保
持電力供給経路によって、前記遊技制御手段に設けられる前記遊技情報記憶手段に保持電
力を供給し、
前記第2接続手段は、前記遊技操作手段と接続する第1の接続部位と、前記操作信号中
継手段と接続される第2の接続部位とを有し、
前記第1の接続部位と前記第2の接続部位は、前記第2の接続部位における前記操作信
号中継手段との接続を外さなければ、前記第1の接続部位における前記遊技操作手段との
接続を外すことができない配置構成を有することを特徴とする。
また、前記保持電力供給手段は、前記遊技操作手段に保持電力を供給しない前記保持電力供給経路によって、前記遊技制御手段に設けられる前記遊技情報記憶手段に保持電力を供給することを特徴とする。
これらの回胴式遊技機では、打ち込み機を外して元に戻す際に保持電力の供給経路が分
断され、その結果、保持電力の供給が途絶えて、打ち込み機を用いて遊技情報記憶手段に
記憶された有利な遊技情報は消去されるので、打ち込み機を用いた不正行為を効果的に防
止することが可能となる。
また、本発明の参考発明としては、外周面に複数種類の図柄が描かれた複数の回胴を回
転させ、該回胴の全てを停止させたときに所定の図柄組合せが成立した場合には、所定の
特典が遊技者に付与される遊技を行うとともに、該回胴の回転を開始するに際して、複数
の図柄組合せの中から何れの図柄組合せの成立を許容するか否かについての抽選を行う回
胴式遊技機において、
遊技の進行に関する制御を実行する遊技制御手段と、
前記遊技制御手段と電気的に接続され、遊技者の操作に基づく操作信号を該遊技制御手
段に対して出力可能な遊技操作手段と、
前記遊技制御手段が制御を実行する際に必要となる種々の遊技情報の書き込みや読み出
しが可能な遊技情報記憶手段と、
前記回胴式遊技機が動作するための電力を供給する主電力供給手段と、
前記主電力供給手段からの電力供給が停止したときに、前記遊技情報記憶手段に記憶さ
れている前記遊技情報を保持するための保持電力を、該遊技情報記憶手段に供給する保持
電力供給手段とを備え、
前記保持電力供給手段は、前記遊技制御手段と前記遊技操作手段とを分離可能に接続す
る接続部位を経由して、前記遊技情報記憶手段に前記保持電力を供給することを特徴とす
る。
かかる参考発明の回胴式遊技機においては、遊技者が所定の操作を行うと、遊技操作手
段から遊技制御手段に対して操作信号が出力される。遊技制御手段は、遊技情報記憶手段
に対して様々な遊技情報の書き込みや読み出しを行いながら、遊技の進行に関する制御を
実行している。ここで、遊技情報記憶手段に記憶された遊技情報を保持しておくためには
電力が必要であるため、回胴式遊技機への電力供給が停止した場合には、保持電力供給手
段から遊技情報記憶手段に保持電力を供給することによって、記憶された遊技情報を保持
している。そして、保持電力供給手段は、遊技操作手段と遊技制御手段とを分離可能に接
続する接続部位を経由して、保持電力を遊技情報記憶手段に供給するようになっている。
尚、「遊技者の操作」とは、遊技を開始するために遊技媒体を投入する操作(投入操作
)や、回胴の回転を開始させるための操作(回転開始操作)、回胴の回転を停止させるた
めの操作(回転停止操作)などを含むものである。そして、投入操作に基づく操作信号を
出力可能な遊技操作手段と、回転開始操作に基づく操作信号を出力可能な遊技操作手段と
、回転停止操作に基づく操作信号を出力可能な遊技操作手段とを備える場合には、これら
複数の遊技操作手段のそれぞれと、遊技制御手段とを分離可能に接続する接続部位のうち
少なくとも1つを経由して、保持電力供給手段から遊技情報記憶手段に保持電力を供給す
るようにすればよい。また、「遊技制御手段が制御を実行する際に必要となる種々の遊技
情報」としては、複数の図柄組合せの中から何れの図柄組合せの成立を許容するか否かに
ついての抽選結果を少なくとも含むものとする。
このように、保持電力供給手段から遊技情報記憶手段に保持電力を供給する経路に、遊
技操作手段と遊技制御手段とを分離可能に接続する接続部位を含めておけば、以下のよう
な理由から、「打ち込み機」と呼ばれる特殊器具を用いた不正行為を防止することが可能
となる。先ず、打ち込み機は操作信号と同様の信号を出力する機能を有している。打ち込
み機を用いた不正行為は、遊技操作手段と遊技制御手段との接続を外して、打ち込み機と
遊技制御手段とを接続することによって行なわれ、遊技制御手段に操作信号と同様の信号
を供給することで、自動的に遊技を行わせて、遊技者にとって有利な遊技情報(例えば、
所定の図柄組合せの成立が許容された情報など)を遊技情報記憶手段に記憶させる。そし
て、有利な遊技情報を記憶させた後は、打ち込み機を取り外して遊技操作手段と遊技制御
手段とを元通りに接続しておくことによって、不正行為が行われた事実の発見を困難にし
ている。この点で、本発明の回胴式遊技機では、保持電力供給手段から遊技情報記憶手段
への保持電力の供給を、遊技操作手段と遊技制御手段とを分離可能に接続する接続部位を
経由して行っているため、打ち込み機を外して元に戻す際には遊技操作手段と遊技制御手
段との接続が接続部位で分離された状態となって、保持電力の供給経路も分断されること
になる。その結果、保持電力の供給が途絶えて、打ち込み機を用いて遊技情報記憶手段に
記憶された有利な遊技情報は消去されるので、打ち込み機を用いた不正行為を効果的に防
止することが可能となる。
もちろん、遊技操作手段と遊技制御手段とを分離不能に接続しておけば、打ち込み機を
用いた不正行為の実施を極めて困難にすることができるが、その反面、遊技操作手段に故
障等が発生した際に交換しようとしても、遊技操作手段を取り外すことは容易でなく、交
換作業が複雑になってしまう。これに対して、遊技操作手段と遊技制御手段とを接続部位
によって分離可能に接続しておき、この接続部位を経由して保持電力を供給するようにす
れば、打ち込み機を用いた不正行為を効果的に防止できるとともに、遊技操作手段が故障
した場合には、簡単に交換することが可能である。
こうした回胴式遊技機では、次のようにしてもよい。先ず、遊技操作手段と遊技制御手
段との間に操作信号中継手段を設置し、第1の信号線によって遊技操作手段から操作信号
中継手段に操作信号を伝達するとともに、第2の信号線によって操作信号中継手段から遊
技制御手段に操作信号を伝達する。また、遊技操作手段と第1の信号線とを接続する第1
の接続部位、第1の信号線と操作信号中継手段とを接続する第2の接続部位と、操作信号
中継手段と第2の信号線とを接続する第3の接続部位、第2の信号線と遊技制御手段とを
接続する第4の接続部位のうち少なくとも1つを分離可能に構成しておく。そして、分離
可能な接続部位を経由して、保持電力供給手段から遊技情報記憶手段に保持電力を供給す
るようにしてもよい。
今日の回胴式遊技機では、遊技操作手段と遊技制御手段との間に、操作信号を中継する
操作信号中継手段を設けておくとともに、信号線によって操作信号を伝達するのが一般的
である。この場合、打ち込み機を用いた不正行為は、遊技操作手段と操作信号中継手段と
を結ぶ信号線(第1の信号線)の接続を外して、打ち込み機と操作信号中継手段とを接続
するか、あるいは操作信号中継手段と遊技性制御手段とを結ぶ信号線(第2の信号線)の
接続を外して、打ち込み機と遊技制御手段とを接続することによって行われる。しかし、
いずれにしても、第1の信号線の両端の接続部位(第1の接続部位と第2の接続部位)、
および第2の信号線の両端の接続部位(第3の接続部位と第4の接続部位)のうち分離可
能に設けられた接続部位を経由して、保持電力供給手段から遊技情報記憶手段に保持電力
を供給するようにしておけば、分離可能な接続部位の何れかで接続を分離する(外す)と
、保持電力の供給経路も分断されて、保持電力の供給が途絶える。その結果、遊技情報記
憶手段の遊技情報が消えてしまうので、打ち込み機を用いた不正行為を効果的に防止する
ことが可能となる。
また、こうした回胴式遊技機では、保持電力供給手段を遊技操作手段に設置することと
してもよい。
このような構成によれば、保持電力供給手段から遊技情報記憶手段に保持電力を供給す
る経路を最短にすることが可能となる。すなわち、遊技操作手段と遊技制御手段とを分離
可能に接続する接続部位が遊技操作手段側にある場合に、この分離可能な接続部位を経由
させて保持電力を供給するためには、保持電力供給手段から遊技操作手段まで導く経路が
必要となるところ、保持電力供給手段を遊技操作手段に設置しておけば、遊技操作手段ま
で導く必要がないので、分離可能な接続部位を最短で経由させることができる。その結果
、保持電力の供給経路を簡略化することが可能となる。
あるいは、保持電力供給手段を遊技操作手段に設置しないのであれば、次のようにして
もよい。すなわち、遊技操作手段と第1の信号線とを接続する第1の接続部位を分離不能
にしておくとともに、主電力供給手段、遊技制御手段、操作信号中継手段の何れかに設置
した保持電力供給手段から、第1の信号線と操作信号中継手段とを分離可能に接続する第
2の接続部位を一旦経由した後、遊技操作手段を介さずに折り返して再び第2の接続部位
を経由して、遊技情報記憶手段に保持電力を供給するようにしてもよい。
このような構成によれば、保持電力の供給経路は、遊技制御手段側から分離可能な接続
部位を経由した後に折り返して、再び同じ接続部位を経由することになる。よって、保持
電力の供給経路に遊技操作手段を介する必要がないので、遊技操作手段に接合する配線の
数を増やすなどの改修を行う必要はない。その結果、遊技操作手段を複雑な構成にするこ
となく、簡便な構成で効果的に前述した不正行為を防止することが可能となる。
また、遊技操作手段は、前述したように故障時に交換できるように取り付けられている
のが一般的であり、遊技操作手段を交換する場合には、分離可能な接続部位で接続を外す
ことになる。この点で、遊技操作手段と第1の信号線が分離不能になっていても、保持電
力の供給経路が、分離可能な第2の接続部位を経由した後に折り返して再び第2の接合部
位を経由するようになっていれば、この第2の接続部位を外すだけで保持電力の供給経路
の一部を切り離すことができ、遊技操作手段の交換が可能となる。従って、遊技操作手段
の交換作業を複雑にすることなく、打ち込み機を用いた不正行為をより確実に防止するこ
とが可能となる。
本実施例の遊技機の外観を示す正面図である。 前面扉を開いて遊技機の内部の構成を示した斜視図である。 3つの回胴の外周面に表示された図柄の配列を示す説明図である。 本実施例の遊技機の電気的構成を示す説明図である。 本実施例の遊技機に設定されている入賞ラインを示した説明図である。 本実施例の遊技機に設定されている遊技役を、遊技役を成立させる図柄組合せ、および遊技役によって付与される特典と対応付けて示した説明図である。 本実施例の遊技機において主制御基板が遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の前半部分を示すフローチャートである。 本実施例の遊技機において主制御基板が行う遊技制御処理の後半部分を示すフローチャートである。 通常遊技中に用いられる抽選テーブルを概念的に示した説明図である。 本実施例の遊技機における内部当選フラグの構成を例示した説明図である。 遊技状態フラグが設定される1バイト分の領域のデータ構造を例示した説明図である。 遊技制御処理の中で実行される遊技状態設定処理の流れを示すフローチャートである。 BB遊技用の抽選テーブルを概念的に示した説明図である。 RB遊技用の抽選テーブルを概念的に示した説明図である。 本実施例の遊技機に設けられたバックアップ電源から、主制御基板に搭載されたRAMへ電力が供給される様子を示した説明図である。 スタートレバー、回胴停止ボタン、メダルセレクタのそれぞれと、扉基板との接続が外された状態を示した説明図である。 第1変形例の遊技機において、バックアップ電源から主制御基板のRAMに電力が供給される様子を示した説明図である。 第2変形例の遊技機において、バックアップ電源から主制御基板のRAMに電力が供給される様子を示した説明図である。 第2変形例の遊技機において、扉基板とスタートレバーとをハーネスによって接続する様子を示した説明図である。 第2変形例の遊技機において、スタートレバーにハーネスを接合してコネクタカバーを装着した状態を示した説明図である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施
例を説明する。
A.回胴式遊技機の装置構成:
A−1.全体構成:
A−2.電気的構成:
B.遊技の概要:
C.回胴式遊技機の制御内容:
C−1.遊技制御処理:
C−1−1.遊技状態設定処理:
D.バックアップ電源からRAMへの電力供給:
E.変形例:
E−1.第1変形例:
E−2.第2変形例:
A.回胴式遊技機の装置構成 :
A−1.全体構成 :
図1は、回胴式遊技機1(以下、「遊技機1」と略記)の外観を示す正面図である。図
1に示すように、遊技機1には、箱状に形成された筐体3と、筐体3の前面側を覆うよう
にして設けられた前面扉2などが設けられている。前面扉2は、実際に遊技が行われる中
段の領域と、遊技の進行に応じて種々の演出が行われる上段の領域2uと、遊技メダルが
払い出される下段の領域2dとの大きく3つの領域から構成され、更に中段の領域は、遊
技の状態を表示するための遊技状態表示部2maと、遊技を行うための操作部2mbとか
ら構成されている。
上段の領域2uには、中央に演出表示装置10が設けられ、演出表示装置10の左右に
はスピーカ14が設けられ、演出表示装置10およびスピーカ14の上方には、各種のラ
ンプ類12が設けられている。演出表示装置10は、いわゆる液晶表示装置によって構成
されており、遊技の進行状況に合わせて種々の図柄を表示して演出を行うことが可能とな
っている。
前面扉2の中段に設けられた遊技状態表示部2maの中央には、大きな表示窓20が設
けられており、内部に設けられた3つの回胴20a,20b,20cが回転する様子を視
認可能となっている。また、表示窓20の左右および下方には、遊技の状態を表示する各
種の表示パネル類22が設けられている。
前面扉2の中段下方に設けられた操作部2mbは、手前に向かって突出した形状に形成
されており、上面には、遊技メダルを投入するための遊技メダル投入口30と、クレジッ
トとして貯留されている遊技メダルを3枚投入するための三枚投入ボタン34などが設け
られている。尚、遊技メダルの貯留とは、遊技メダル投入口30に投入された遊技メダル
の枚数が規定数(1ゲームに要する遊技メダル枚数の上限)を超えた場合にその超えた分
をデータとして記憶しておく、あるいは、遊技メダルを実際に払い出す代わりにメダルの
払い出し枚数をデータとして記憶しておくことをいう。また、操作部2mbの前面には、
遊技メダルの投入後に回胴20a,20b,20cの回転を開始するためのスタートレバ
ー36と、3つの回胴20a,20b,20cの回転をそれぞれ停止させるための回胴停
止ボタン38a,38b,38cなどが設けられている。また、操作部2mbには、上面
に精算ボタン40および返却ボタン42が設けられている。ここで、精算ボタン40とは
、遊技機1の内部に貯留されている遊技メダルを外部に払い出す際に操作するボタンであ
る。遊技メダルの投入後も、スタートレバー36を操作して回胴20a,20b,20c
の回転を開始するまでの間であれば、投入済みの遊技メダルも精算ボタン40を操作する
ことによって払い出すことが可能である。また、返却ボタン42とは、投入した遊技メダ
ルが遊技機1の内部で詰まった場合に、メダルの詰まりを解消するために操作されるボタ
ンである。
前面扉2の下段の領域2dには、遊技メダルが払い出される遊技メダル払出口50と、
払い出された遊技メダルを受け止める受け皿52などが設けられている。
図2は、前面扉2を開いて遊技機1の内部の構成を示した斜視図である。前面扉2の裏
面側上部には、演出表示装置10が取り付けられており、その左右には一対のスピーカ1
4が取り付けられている。
前面扉2のほぼ中央には表示窓20が設けられており、その下方には、後述する扉基板
240が設けられている。また、扉基板240の下方には、回胴停止ボタン38a,38
b,38cや、スタートレバー36が取り付けられている。
回胴停止ボタン38a,38b,38cの左側には、投入された遊技メダルの通路とな
るメダルセレクタ106が設けられており、その下方には、遊技メダルを遊技メダル払出
口50に導くためのコインシュータ108などが設けられている。メダルセレクタ106
は、遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルを主に寸法に基づいて選別し、規格
寸法に適合した遊技メダルだけを受け入れる機能を有している。遊技者がスタートレバー
36を操作する前に遊技メダルを投入すると、遊技メダルはメダルセレクタ106によっ
て選別され、規格を満足しているものだけがホッパー116内に投入され、規格を満たし
ていないメダルは、コインシュータ108を通って、遊技メダル払出口50に返却される
ようになっている。
これに対して、スタートレバー36が操作された後に遊技メダルが投入された場合は、
メダルセレクタ106内の通路が切り換わり、投入された遊技メダルはコインシュータ1
08を通って、遊技メダル払出口50に返却される。また、メダルセレクタ106の内部
には、図示しないメダルセンサが設けられており、寸法規格を満たして受け入れられた遊
技メダルが通過すると、メダルセンサによって検出されて、その信号が後述する主制御基
板200に供給されるようになっている。
一方、筐体3のほぼ中央には、3つの回胴20a,20b,20cが設けられており、
各回胴の外周面には、後述するように複数種類の図柄が表示されている。これら回胴の上
方には、遊技全体の制御を司る後述する主制御基板200が格納された主制御基板ユニッ
ト110が設けられており、回胴の背後には、各回胴を駆動するための後述する回胴基板
260が格納された回胴基板ユニット112が設けられている。また、回胴の左側には、
図1に示した演出表示装置10や、各種ランプ類12、スピーカ14などを用いて行われ
る各種演出の制御を司る後述するサブ制御基板220が格納されたサブ制御基板ユニット
111が設けられている。
3つの回胴20a,20b,20cの下方には、リアスピーカ114が設けられ、更に
その下方には、投入された遊技メダルが集められるホッパー116や、遊技メダルを払い
出すメダル払出装置118、遊技機1全体に電源を供給するための後述する電源基板28
0が格納された電源ユニット120などが搭載されている。メダル払出装置118から払
い出された遊技メダルは、コインシュータ108を通って、遊技メダル払出口50から払
い出されるようになっている。また、電源ユニット120の前面には、遊技機1の電源を
投入するための電源スイッチ120sも設けられている。
図3は、3つの回胴20a,20b,20cの外周面に表示された図柄の配列を示す説
明図である。各回胴には、何れも21個の図柄が外周面に表示されている。また、何れの
回胴についても、表示されている図柄の種類は同じであるが、図柄の配列については回胴
毎に異なる配列に設定されている。
A−2.電気的構成 :
図4は、本実施例に係る遊技機1の電気的構成を示す説明図である。図4に示すように
、遊技機1には、主制御基板200を中心として、サブ制御基板220、扉基板240、
回胴基板260、電源基板280、中継基板300等がデータをやり取り可能に接続され
て構成されている。
主制御基板200は、遊技機1で行われる遊技全体の進行や演出を司る基板である。こ
の主制御基板200には、CPU201、ROM202、RAM203などがバスによっ
て互いにデータをやり取り可能に接続されて搭載されており、前面扉2に搭載された扉基
板240から、スタートレバー36が操作されたことを示す信号などを受け取って、後述
する遊技制御処理を実行しながら、サブ制御基板220や、扉基板240、回胴基板26
0などに向かって制御コマンド(あるいは制御信号)を出力することにより、これら各種
基板の動作を制御している。尚、遊技の進行に関する制御は主制御基板200によって行
われていることから、本実施例の主制御基板200は、本発明の「遊技制御手段」の一態
様を構成している。
サブ制御基板220も、上述した主制御基板200と同様に、CPUや、ROM、RA
Mなどがバスによって互いにデータをやり取り可能に接続されて構成されている。また、
サブ制御基板220には、各種のランプ類12や、各種のスピーカ14,114、演出表
示装置10、回胴バックライト20Lなどが接続されている。ここで回胴バックライト2
0Lとは、各回胴20a,20b,20cの内部に設けられ、回胴の表面に描かれた図柄
(図3参照)を裏側から照らすライトである。サブ制御基板220は、主制御基板200
から受け取った制御コマンドを解析して、各種ランプ類12、各種スピーカ14,114
、演出表示装置10、回胴バックライト20Lにそれぞれ駆動信号を出力することにより
、各種の演出を行っている。
扉基板240には、メダルセレクタ106や、貯留されている遊技メダルを投入するた
めの三枚投入ボタン34、回胴の回転を開始するためのスタートレバー36、回転してい
る回胴を停止させるための回胴停止ボタン38a,38b,38c、貯留されている遊技
メダルや投入された遊技メダルを払い出して遊技を終了するための精算ボタン40、遊技
の状態を表示する各種の表示パネル22などが接続されている。また、扉基板240は、
前述した主制御基板200と、データをやり取り可能に接続されている。このため、前面
扉2に設けられたスタートレバー36や、回胴停止ボタン38a,38b,38c、三枚
投入ボタン34、精算ボタン40などを操作すると、扉基板240を介して、その信号を
主制御基板200に供給することが可能となっている。また、メダルセレクタ106が、
内蔵するメダルセンサによって遊技メダルの通過を検出した信号も、扉基板240を介し
て主制御基板200に供給されるようになっている。
尚、メダルセレクタ106に内蔵されたメダルセンサや、三枚投入ボタン34に内蔵さ
れたセンサによって遊技メダルの投入が検出されると、主制御基板200に向けて操作信
号(検出信号)が出力される。また、スタートレバー36に内蔵されたセンサによって回
胴の回転を開始させるための操作が検出された場合や、回胴停止ボタン38a,38b,
38cに内蔵されたセンサによって回胴の回転を停止させるための操作が検出された場合
にも、それぞれ操作信号が主制御基板200に向けて出力される。従って、本実施例のメ
ダルセレクタ106、三枚投入ボタン34、スタートレバー36、回胴停止ボタン38a
,38b,38cは、それぞれ本発明における「遊技操作手段」の一態様を構成している
回胴基板260には、3つの回胴20a,20b,20cをそれぞれ回転させるための
回胴モータ24a,24b,24cと、それぞれの回胴の回転位置を検出するための回胴
センサ26a,26b,26cなどが接続されている。回胴基板260は、回胴センサ2
6a,26b,26cによって、各回胴20a,20b,20cの回転位置を検出しなが
ら、回胴モータ24a,24b,24cを駆動することにより、それぞれの回胴20a,
20b,20cを、所望の位置で停止させることが可能となっている。尚、本実施例の遊
技機1では、回胴モータ24a,24b,24cには、いわゆるステッピングモータが使
用されている。
また、メダル払出装置118は、中継基板300を介して、主制御基板200に接続さ
れており、主制御基板200からの制御信号に基づいて、所定枚数の遊技メダルを払い出
す動作を行う。
これら各種制御基板、および基板で消費される電力は、電源基板280から供給されて
いる。図4では、電源基板280から電力が供給される様子を破線の矢印で表している。
図示されているように、主制御基板200およびサブ制御基板220には、電源基板28
0から直接電力が供給されており、各種基板(扉基板240、回胴基板260、中継基板
300)には、主制御基板200を介して電力が供給されている。電源基板280には1
00Vの交流電圧が供給されており、この電力を規定電圧の直流電圧に変換した後、それ
ぞれの制御基板および基板に供給している。尚、回胴式遊技機1が動作するための電力は
電源基板280によって供給されていることから、本実施例の電源基板280は、本発明
の「主電力供給手段」の一態様を構成している。
B.遊技の概要 :
以下では、上記の構成を有する回胴式の遊技機1において、遊技を進行するために行わ
れる制御の内容について説明するが、その準備として、回胴式遊技機で行われる遊技の概
要を説明しておく。
遊技を開始するにあたっては、遊技メダル投入口30から遊技メダルを投入して、メダ
ルのベットを行う。本実施例の遊技機1では、ベットする遊技メダル数は3枚に固定され
ている。尚、遊技メダルがクレジットとして予め内部に貯留されている場合は、三枚投入
ボタン34を押すことにより、3枚の遊技メダルをベットすることも可能である。
遊技メダルをベットして、スタートレバー36を操作すると、3つの回胴20a,20
b,20cが回転を開始する。図3を用いて前述したように、各回胴には、複数の図柄が
描かれているため、回胴が回転すると、表示窓20では、これら図柄が変動表示されるこ
とになる。また、図1を用いて前述したように、前面扉2の前面側には、それぞれの回胴
に対応して3つの回胴停止ボタン38a,38b,38cが設けられている。回胴20a
,20b,20cの回転中に回胴停止ボタン38a,38b,38cを押すと、押したボ
タンに対応する回胴が回転を停止し、これに伴って、変動表示されていた図柄が何れかの
図柄で停止表示される。このようにして、3つの回胴20a,20b,20cの回転を停
止させると、それぞれの回胴で何れかの図柄が停止表示される。本実施例の遊技機1では
、表示窓20の大きさは、各回胴あたり3つずつ、図柄が表示されるような大きさに設定
されている。結局、3つの回胴20a,20b,20cが停止表示されると、表示窓20
には、縦横3列ずつ、合計9つの図柄が表示されるようになっている。また、これら9つ
の図柄が表示される位置には、複数本の入賞ラインが予め設定されている。
図5は、本実施例の遊技機1に設定されている入賞ラインを示した説明図である。図示
されるように、本実施例の遊技機1では、上段の入賞ラインL1と、中段の入賞ラインL
2と、下段の入賞ラインL3と、右斜め上方向きの入賞ラインL4と、右斜め下方向きの
入賞ラインL5の、合計5本の入賞ラインが設定されている。遊技メダルを3枚ベットす
ることによって、これら5本全ての入賞ラインが有効となる。そして、3つの回胴20a
,20b,20cが停止すると、有効な入賞ライン上には、何某かの図柄組合せが得られ
ることになる。尚、ここでは、入賞ラインは図5に示した直線形状の5種類のみが設定さ
れているものとしているが、これに限らず、例えば、左回胴20aの上段位置と、中回胴
20bの中段位置と、右回胴20cの上段位置とを結ぶ入賞ラインや、あるいは、左回胴
20aの下段位置と、中回胴20bの中段位置と、右回胴20cの下段位置とを結ぶ入賞
ラインなどの、直線でない入賞ラインなどを加えて、より多種類の入賞ラインを設定して
おくこととしても良い。
そして、有効な入賞ライン上に揃った図柄組合せが、いわゆる「小役」と呼ばれる遊技
役に対応する図柄組合せであった場合には、その小役の入賞が成立し、小役の種類に応じ
た枚数の遊技メダルが払い出される。
また、「小役」の他に、「再遊技役」と呼ばれる遊技役も設けられている。回胴が停止
したときに有効な入賞ライン上に揃った図柄組合せが、「再遊技役」に対応する図柄組合
せであった場合には、遊技メダルが払い出されることはないが、新たな遊技メダルをベッ
トすることなく、もう一度遊技を行う権利が付与される。すなわち、再遊技役の入賞を成
立させた時にベットしていた遊技メダルと、同じ枚数の遊技メダルがベットされたものと
して、もう一度遊技を行うことが可能となる。
さらに、遊技役には、「レギュラーボーナス役(以下では、RB役)」や、「ビッグボ
ーナス役(以下では、BB役)」などの、いわゆる「ボーナス役」と呼ばれる遊技役も設
けられている。3つの回胴20a,20b,20cが停止したときに有効な入賞ライン上
に揃った図柄組合せが、RB役に対応する図柄組合せであった場合には、遊技者にとって
有利なレギュラーボーナス遊技(RB遊技)と呼ばれる遊技状態が開始される。RB遊技
とは、通常遊技に比べて遊技役の種類(遊技メダルが払い出される図柄組合せの種類)が
増加し、その増加した遊技役(増加役)の入賞が高い確率で成立する遊技状態のことであ
る。このRB遊技は、所定回数(例えば、12ゲーム)の遊技が行われるか、増加役の入
賞が所定回数(例えば、8回入賞)だけ成立すると終了となる。また、BB役に対応する
図柄組合せが揃った場合は、RB遊技よりも遊技者にとって更に有利な遊技状態であるビ
ッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される。BB遊技は、RB役の入賞が成立するまで
の導入遊技と、RB役の入賞成立によって実施されるRB遊技とから構成されており、B
B遊技中は、所定枚数(例えば、465枚)の遊技メダルが払い出されるまで、上述した
「RB遊技」を複数回行うことが可能である。そのため、BB遊技が開始されると、遊技
者は多量の遊技メダルを獲得することができる。
図6は、本実施例の遊技機1に設定されている遊技役の種類と、その遊技役の入賞を成
立させる図柄組合せとを対応付けて示した説明図である。図示されているように、BB役
の入賞を成立させる図柄組合せとしては、「赤セブン」と呼ばれる図柄が3つ揃った図柄
組合せ、および「青セブン」と呼ばれる図柄が3つ揃った図柄組合せが設定されている。
RB役の入賞を成立させる図柄組合せは、「バー」と呼ばれる図柄が3つ揃った図柄組合
せに設定されている。小役の入賞を成立させる図柄組合せは、「ベル」の図柄が3つ揃う
か、「スイカ」の図柄が3つ揃うか、あるいは左回胴20aの図柄が「チェリー」であれ
ば、中回胴20bおよび右回胴20cはどのような図柄であっても構わない図柄組合せに
設定されている。加えて、再遊技役を成立させる図柄組合せは、「再遊技」の図柄が3つ
揃った図柄組合せに設定されている。また、図6には、これらの遊技役の入賞が成立した
ときに遊技者に付与される特典も合わせて示されている。尚、「ベル」の図柄で入賞が成
立した小役は、「ベルの小役」と呼ばれ、「スイカ」の図柄で入賞が成立した小役は「ス
イカの小役」と、「チェリー」の図柄で入賞が成立した小役は「チェリーの小役」と呼ば
れることがある。
もちろん、回胴20a,20b,20cが停止したときに、何れかの遊技役の入賞が成
立するとは限らない。この場合は、再び3枚の遊技メダルをベットした後、スタートレバ
ー36を操作して回胴を回転させることによって、次のゲームを行う。本実施例の遊技機
1では、こうした操作を繰り返し行うことによってゲームが進行するようになっている。
こうした遊技の進行は、主制御基板200によって制御されている。以下では、主制御
基板200が遊技の進行を制御するために行っている処理内容について説明する。
C.回胴式遊技機の制御内容 :
C−1.遊技制御処理 :
図7は、本実施例の遊技機1において主制御基板200が遊技の進行を制御するために
行う遊技制御処理の前半部分を示すフローチャートである。また、図8は、本実施例の遊
技機1において主制御基板200が行う遊技制御処理の後半部分を示すフローチャートで
ある。この遊技制御処理は、遊技機1に電源が投入され、更に主制御基板200や、サブ
制御基板220に搭載されたROMのチェックサムなどの初期化処理が行われた後に実行
される処理である。
図7に示すように、遊技制御処理を開始すると、先ず初めに遊技状態設定処理(ステッ
プ100。以下、ステップを「S」と略記する)を行う。遊技状態設定処理の詳細につい
ては後述するが、この処理では、大まかには次のような処理を行う。前述したように、本
実施例の遊技機1では、ビックボーナス遊技(BB遊技)やレギュラーボーナス遊技(R
B遊技)といった特殊な遊技状態が設けられており、遊技状態に応じて遊技役の入賞し易
さや入賞する遊技役の種類が異なっている。遊技状態設定処理では、現在の遊技状態が何
れであるかを検出するとともに終了条件が満たされたか否かを判断し、終了条件が満たさ
れた場合には、その遊技状態を終了させて、遊技状態を切り換える処理を行う。こうして
遊技状態を切り換えることによって、遊技の印象を大きく変化させながら遊技が進行して
いく。
遊技状態設定処理に続いて、主制御基板200は、メダル投入確認処理を行う(S10
2)。メダル投入確認処理では、遊技メダル投入口30から遊技メダルが投入されたか否
か、あるいは遊技メダルがクレジットとして貯留されている場合に、三枚投入ボタン34
が操作されたか否かを確認する。前述したように、投入された遊技メダルは、メダルセレ
クタ106に内蔵されたメダルセンサによって検出され、その検出信号が主制御基板20
0に供給される。また、三枚投入ボタン34を操作した場合には、その操作信号が主制御
基板200に供給される。主制御基板200は、これらの信号に基づいて、遊技メダルが
投入されたか否かを判断することができる。そして、遊技メダルが投入されたら、遊技を
開始可能な状態になる。尚、三枚投入ボタン34が操作された場合には、遊技メダルの貯
留枚数から投入枚数を減算する処理も同時に行われる。
上述のようにして遊技メダルの投入が確認できたら、スタートレバー36を操作するこ
とによって何時でも遊技を開始することが可能となるが、その前に、精算ボタン40が操
作されたか否かの確認を行う(S104)。すなわち、遊技メダルをベットした後であっ
ても、スタートレバー36を操作して回胴20a,20b,20cを回転させる前であれ
ば、ベットした遊技メダルも含めてメダルを精算することが可能となっている。そして、
精算ボタン40が操作されていた場合には(S104:yes)、精算処理を行うことに
より、クレジットとして貯留されている遊技メダルおよび投入した遊技メダルを払い出す
処理を行う(S106)。遊技メダルの払い出しは、主制御基板200からメダル払出装
置118に向けて、払い出すべき遊技メダルの枚数を指示する制御信号を出力することに
よって行われる。こうして遊技メダルを払い出したら、遊技の開始前の状態(S100)
に戻って、以降の処理を行う。
一方、精算ボタン40が操作されていない場合には(S104:no)、スタートレバ
ー36が操作されたか否かを判断する(S108)。前述したように遊技者がスタートレ
バー36を操作すると、その操作信号が主制御基板200に供給されるので、主制御基板
200は、スタートレバー36の操作信号に基づいて、スタートレバー36が操作された
か否かを判断することができる。そして、スタートレバー36が操作されていない場合は
(S108:no)、遊技者が未だ遊技を開始していないものと判断されるので、精算ボ
タン40の操作の有無を確認しながら(S104)、スタートレバー36が操作されるま
で待機する。一方、スタートレバー36が操作されたら(S108:yes)、内部抽選
処理を開始する(S110)。
内部抽選処理では、図6を用いて前述した遊技役の何れかの入賞成立を許容するか否か
を、抽選によって決定する処理を行う。尚、かかる抽選で何れかの遊技役に当選したとし
ても、直ちに遊技役の入賞が成立するわけではなく、回胴停止ボタン38a,38b,3
8cを操作することにより、当選した遊技役に対応する図柄組合せを入賞ライン上に揃え
なければ遊技役の入賞を成立させることはできない。また逆に、抽選で当選した遊技役で
なければ、どのようなタイミングで回胴停止ボタン38a,38b,38cを操作したと
しても、入賞ライン上に対応する図柄組合せを揃えることはできないようになっている。
その意味で、かかる抽選は、図柄組合せを揃えて遊技役の入賞を成立させるための前提条
件として、内部的に行われる抽選であることから、内部抽選と呼ばれている。また、内部
抽選に当選した状態は、内部当選状態(あるいは単に、内部当選)と呼ばれている。
この内部抽選は、抽選テーブルと呼ばれる専用のテーブルを用いて行われており、この
テーブルには、遊技役と内部抽選用乱数との対応関係が設定されている。ここで内部抽選
用乱数とは、主制御基板200がスタートレバー操作信号を受け取ったときに取得する乱
数である。本実施例の遊技機1では、内部抽選用乱数は2バイトデータとなっており、0
〜65535の範囲の乱数値を取ることが可能となっている。尚、この抽選用の乱数は、
主制御基板200に搭載された専用の乱数発生回路を用いてハードウェア的に生成するこ
ともできるし、乱数発生用のプログラムを用いてソフトウェア的に生成することも可能で
ある。
図9は、最も一般的な遊技状態である通常遊技中に用いられる抽選テーブルを概念的に
示した説明図である。図9に示した通常遊技用の抽選テーブルでは、「ベルの小役」に対
しては0〜7000の乱数値が設定されている。これは、取得した乱数値がこの範囲にあ
った場合には、ベルの小役に内部当選することを表している。同様に、「スイカの小役」
に対しては7001〜7200の乱数値が設定され、「チェリーの小役」には7201〜
7300の乱数値が設定されている。また、「赤7のBB役」に対しては7301〜74
00の乱数値が設定され、「青7のBB役」には7401〜7500の乱数値が、「RB
役」には7501〜7600の乱数値が設定されている。さらに、「再遊技役」に対して
は7601〜20100の乱数値が設定されている。尚、20101〜65535の乱数
値には、何れの遊技役も設定されておらず、従って、取得した乱数値がこの範囲にあった
場合は「ハズレ」となる。
内部抽選処理では、以上のようにして、スタートレバー36が操作されたことを検出し
て内部抽選用乱数を取得するとともに、抽選テーブルを参照することにより、何れの遊技
役に内部当選したか、若しくは何れの遊技役にも内部当選しなかったかを判断する。そし
て、何れかの遊技役に内部当選したら、当選した遊技役を内部当選フラグにセットする。
ここで内部当選フラグとは、内部抽選の結果を記憶しておくために用いられるフラグであ
り、主制御基板200に搭載されたRAM203の所定アドレスに設定されている。
図10は、本実施例の遊技機1における内部当選フラグの構成を例示した説明図である
。図示されているように、本実施例の遊技機1では、RAM203上の所定アドレスに設
けられた1バイト(8ビット)データのうち、下位側の7ビットが内部当選フラグとして
用いられている。これら7ビット中の先頭のビットは、赤セブンのBB役に内部当選した
ことを記憶しておくためのビットであり、次のビットは青セブンのBB役に内部当選した
ことを記憶しておくためのビットであり、その次のビットはRB役に内部当選したことを
記憶しておくためのビットである。以下の4つのビットも同様に、それぞれ、ベルの小役
、スイカの小役、チェリーの小役、再遊技役に内部当選したことを記憶しておくためのビ
ットである。図7に示した内部抽選処理(S110)では、内部抽選用乱数を取得して、
抽選テーブルを参照しながら、何れかの遊技役に内部当選しているか否かを判断し、何れ
かの遊技役に内部当選していれば、図10に示した内部当選フラグの対応するビットに「
1」を設定する処理を行う。尚、本実施例の内部抽選結果は、本発明の「遊技情報」の1
つに相当しており、内部抽選結果はRAM203に記憶されることから、本実施例のRA
M203は、本発明の「遊技情報記憶手段」の一態様を構成している。
内部抽選処理を終了すると、主制御基板200は、続いて回胴回転始動処理を開始する
(S112)。回胴回転始動処理では、所定の条件が満足されているか否かを判断して、
条件が満たされている場合は、3つの回胴20a,20b,20cを回転させる処理を行
う。本実施例の回胴回転始動処理では、スタートレバー36が操作され、且つ、前回に回
胴20a,20b,20cの回転が開始されてから所定時間(例えば、4.1秒)を経過
した場合に回胴の回転を開始することとして、各回胴20a,20b,20cにそれぞれ
設けられた回胴モータ24a,24b,24cに対して駆動信号を出力することにより、
3つの回胴20a,20b,20cを回転させる。
こうして3つの回胴20a,20b,20cを回転させたら、主制御基板200は、回
胴の回転を停止させる処理(回胴回転停止処理)を行う(S114)。かかる処理では、
すべての回胴の回転速度が所定速度で安定したことを確認した後、各回胴に対応する回胴
停止ボタンの操作を有効化して、回胴停止ボタン38a,38b,38cが操作されると
、その操作信号が主制御基板200に供給される。主制御基板200は、各回胴停止ボタ
ンからの操作信号を受け取ると、各回転停止ボタンが操作された時に各回胴が何れの回転
位置にあったかを検出する。そして、その検出結果に基づいて、各回胴についての停止位
置を、回胴停止ボタンが操作された時の回胴の回転位置から190ms以内(図柄にして
4コマ分回転する間)の遅延範囲で決定し、決定した位置で回胴を停止させる制御を行う
。尚、各回胴の停止位置を決定するに際しては、先に行われた内部抽選の結果が参照され
、何れの遊技役にも内部当選していない場合には、どのようなタイミングで回胴停止ボタ
ンが操作されても、遊技役を成立させる図柄組合せが停止表示されないように、回胴の停
止位置が決定される。一方、ある遊技役に内部当選している場合には、よほどタイミング
が外れていない限り、内部当選した遊技役の入賞を成立させる図柄組合せが停止表示され
るように、各回胴の停止位置が決定されるようになっている。
3つの回胴20a,20b,20cを停止させたら、主制御基板200は、何れかの遊
技役の入賞が成立したか否かを判断する(S116)。ここで、「遊技役の入賞が成立す
る」とは、遊技役に対応する図柄組合せが、入賞ライン上に揃って表示されることをいう
。前述したように、本実施例の遊技機1では、内部抽選処理(S110)で何れかの遊技
役に内部当選していても、回胴停止ボタン38a,38b,38cを押すタイミングによ
っては、その遊技役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に揃うとは限らない。そこで、
主制御基板200は、回胴の回転を停止させた後、内部抽選で当選した遊技役の入賞が成
立しているか否かを判断するのである。
そして、何れの遊技役の入賞も成立していないと判断された場合は(S116:no)
、その遊技は終了となり、図7の遊技制御処理の先頭に戻って、遊技状態設定処理が行わ
れる(S100)。尚、本実施例の遊技機1では、前述した内部抽選処理(S110)で
ボーナス役(「BB役」または「RB役」)に当選した場合において、入賞ライン上に対
応する図柄組合せが停止表示されず、ボーナス役の入賞が成立しなかったときに限り、ボ
ーナス役の内部当選が持ち越され、次回の遊技以降もボーナス役に対応する内部当選フラ
グがセットされている状態で遊技が行われる。これに対して、他の遊技役(「小役」や「
再遊技役」)に内部当選した場合は、入賞ライン上に当選役に対応する図柄組合せを停止
表示させることができなければ、その内部当選は次遊技以降に持ち越されることなくリセ
ットされてしまう。
一方、何れかの遊技役の入賞が成立したと判断された場合は(S116:yes)、先
ず初めに、入賞の成立した遊技役が、再遊技役であるか否かを判断する(図8のS118
)。そして、再遊技役の入賞が成立していた場合は(S118:yes)、再遊技フラグ
をONに設定する(S120)。ここで、再遊技フラグとは、再遊技役の入賞が成立した
ことを記憶しておくためのフラグである。この再遊技フラグがONにセットされていると
、次回の遊技のメダル投入確認処理(図7のS102)において、遊技者によって投入さ
れなくても、遊技メダルが自動的に再投入される。こうして再遊技フラグをONにすると
、主制御基板200は、図7の遊技制御処理の先頭に戻って、新たな遊技を開始する。
これに対して、入賞した遊技役が再遊技役でなかった場合には(S118:no)、次
いで、入賞の成立した遊技役がBB役か否かを判断する(S122)。図6を用いて前述
したように、BB役は、入賞ライン上に「赤セブン」の図柄が揃うか、「青セブン」の図
柄が揃った場合に入賞が成立する遊技役である。そして、BB役の入賞が成立したと判断
された場合には(S122:yes)、BB遊技フラグをONに設定する。ここで、BB
遊技フラグとは、遊技状態を、前述したビッグボーナス遊技(BB遊技)と呼ばれる遊技
者にとって有利な遊技状態とするか否かを示すフラグである。また、前述したように、本
実施例の遊技機1には、BB遊技やRB遊技といった複数の遊技状態が設けられており、
これらの遊技状態を切り換えながら遊技が進行していく。そして、現在の遊技状態が何れ
であるかは、遊技状態フラグと呼ばれる専用のフラグの状態によって表されており、主制
御基板200に搭載されたRAM203の所定アドレスには、遊技状態フラグを設定する
ための1バイト分の領域が確保されている。
図11は、遊技状態フラグが設定される1バイト分の領域のデータ構造を例示した説明
図である。本実施例の遊技機1では、RAM203上の所定アドレスの1バイトデータの
うち、下位側の2ビットが遊技状態フラグとして用いられている。これら2ビットの先頭
のビットがBB遊技フラグに設定されており、BB遊技フラグをONにする場合には(S
124)、このビットに「1」を設定する。尚、上述した再遊技フラグも遊技状態フラグ
と同様に、主制御基板200に搭載されたRAM203の所定アドレスに設定されている
。本実施例の遊技機1では、遊技状態フラグとして用いられる2ビットの1つ上位のビッ
トが再遊技フラグとして用いられており、S120では、このビットに「1」を設定する
処理を行う。
こうしてBB遊技フラグがONにセットされた状態で遊技制御処理の先頭に戻って遊技
状態設定処理(S100)を開始すると、BB遊技フラグがONになっていることが検出
され、遊技状態がBB遊技に切り換わって、以降の上述した一連の処理が行われる。尚、
遊技状態設定処理の詳細については後述する。
以上では、入賞の成立した遊技役がBB役であった場合(S122:yes)に行われ
る処理について説明したが、入賞の成立した遊技役がBB役ではなかった場合には(S1
22:no)、入賞の成立した遊技役がRB役か否かを判断する(S126)。図6に示
したように、RB役は、入賞ライン上に「バー」の図柄が3つ揃った場合に入賞が成立す
る遊技役である。そして、RB役の入賞が成立したと判断された場合には(S126:y
es)、RB遊技フラグをONに設定する(S128)。ここで、RB遊技フラグとは、
遊技状態を、前述したレギュラーボーナス遊技(RB遊技)とするか否かを示すフラグで
ある。図11に示した遊技状態フラグの2ビットのうちの下位側のビットがRB遊技フラ
グに設定されており、RB遊技フラグをONにする場合には、このビットに「1」を設定
する。RB遊技フラグがONにセットされた状態で遊技制御処理の先頭に戻ると、遊技状
態設定処理(S100)において、遊技状態がRB遊技に切り換わって、以降の一連の処
理が行われる。
これに対して、入賞の成立した遊技役がRB役でないと判断された場合は(S126:
no)、再遊技役、BB役、RB役の何れでもないから、何れかの小役の入賞が成立した
ものと判断される。そこで、入賞の成立した遊技役に応じた枚数の遊技メダルを払い出す
処理を行う(S130)。すなわち、入賞の成立した遊技役がベルの小役であれば、15
枚の遊技メダルを払い出し、スイカの小役であれば10枚の遊技メダルを払い出し、チェ
リーの小役であれば2枚の遊技メダルを払い出す処理を行う。かかる処理は、主制御基板
200の内部で払い出すべき遊技メダルの枚数を求めた後、主制御基板200からメダル
払出装置118に対して制御信号を出力することによって行われる。こうして遊技メダル
を払い出したら、図7および図8に示した遊技制御処理の先頭に戻って、新たな遊技を開
始する。
以上に説明したように、本実施例の遊技機1では、遊技メダルを投入し、スタートレバ
ー36を操作すると、回胴20a,20b,20cの回転が開始され、回胴停止ボタン3
8a,38b,38cを押して回胴が停止したときに遊技役の入賞が成立しているか否か
によって遊技メダルが払い出されるという遊技を繰り返し行う。この遊技の基本的な操作
は共通であるが、本実施例の遊技機1では、複数の遊技状態が設けられており、何れの遊
技状態であるかに応じて、遊技役の入賞し易さや入賞する遊技役の種類を切り換えること
により、遊技の印象を大きく異ならせることができる。この遊技状態を切り換えるための
処理は、図7および図8に示した遊技制御処理の先頭で行われる遊技状態設定処理(S1
00)において行われている。以下では、遊技状態設定処理の内容について説明する。
C−1−1.遊技状態設定処理 :
図12は、本実施例の遊技機1が行う遊技状態設定処理の流れを示すフローチャートで
ある。遊技状態設定処理を開始すると、先ず初めに主制御基板200のCPU201は、
図11に示した遊技状態フラグを参照して、BB遊技フラグがONに設定されているか否
かを判断する(S200)。図8を用いて前述したように、BB遊技フラグは、入賞ライ
ン上にBB役に対応する図柄組合せが揃うことにより、BB役の入賞が成立したと判断さ
れた場合に(図8のS122:yes)、ONの状態に設定されるフラグである(S12
4)。
そして、BB遊技フラグがONに設定されていた場合は(S200:yes)、次いで
、BB遊技の終了条件が成立したか否かを判断する(S202)。前述したように本実施
例の遊技機1では、BB遊技中に払い出された遊技メダルの枚数が所定枚数(例えば、4
65枚)に達すると、そのBB遊技が終了するように設定されている。そこで、BB遊技
の開始後に所定枚数の遊技メダルが払い出されたか否かを判断し、払い出されていた場合
にはBB遊技の終了条件が成立したと判断し(S202:yes)、BB遊技を終了させ
るべく、BB遊技フラグをOFFに設定する(S204)。また、前述したように、BB
遊技は複数回のRB遊技から構成されており、BB遊技の終了条件が成立すると、BB遊
技の中で行われるRB遊技も終了となるため、この場合には、RB遊技フラグも同時にO
FFにセットする。
一方、BB遊技フラグがOFFに設定されていた場合や(S200:no)、BB遊技
の終了条件が未だ成立していないと判断された場合には(S202:no)、RB遊技フ
ラグがONに設定されているか否かを判断する(S206)。図8を用いて前述したよう
に、RB遊技フラグは、RB役の入賞が成立したと判断された場合に(図8のS126:
yes)、ONの状態に設定されるフラグである(S128)。
そして、RB遊技フラグがONに設定されていた場合は(S206:yes)、次いで
、RB遊技の終了条件が成立したか否かを判断する(S208)。前述したように、RB
遊技は、所定回数の遊技が行われるか(例えば、12回)、増加役の入賞が所定回数だけ
成立すると(例えば、8回入賞)終了するようになっている。そして、何れかの終了条件
が成立したと判断された場合には(S208:yes)、RB遊技を終了させるべく、R
B遊技フラグをOFFに設定する(S210)。
これに対して、RB遊技フラグがOFFに設定されていた場合や(S206:no)、
RB遊技の終了条件が未だ成立していないと判断された場合には(S208:no)、R
B遊技フラグをOFFにする処理(S210)を省略する。
以上のようにして、現在の遊技状態がボーナス遊技(BB遊技あるいはRB遊技)中で
あるか否かを判断するとともに、そのボーナス遊技の終了条件が満たされたか否かを判断
し、条件が満たされた場合にはそのボーナス遊技を終了させるための処理を行ったら、現
在の遊技状態フラグの設定に応じて抽選テーブルを選択する(S212)。前述したよう
に、抽選テーブルとは、内部抽選処理(図7のS110)において参照されるテーブルで
あり、内部抽選用の乱数と遊技役との対応関係が設定されている。また、遊技役に内部当
選する確率は、遊技状態によって異なるため、遊技状態毎にそれぞれ専用の抽選テーブル
が予め用意されている。S212では、複数の抽選テーブルの中から、現在の遊技状態フ
ラグの設定に応じて、適切な抽選テーブルを選択する処理を行う。
例えば、BB遊技フラグあるいはRB遊技フラグの何れもONにセットされていなけれ
ば、遊技状態は通常遊技である。そこで、図9に示した通常遊技用の抽選テーブルを選択
する。
これに対して、BB遊技フラグがONの場合には、遊技状態をBB遊技とするべく、B
B遊技用の抽選テーブルを選択する。図13は、本実施例の遊技機1で用いられるBB遊
技用の抽選テーブルを例示した説明図である。図9に示した通常遊技用の抽選テーブルと
比較すると、図13のBB遊技用の抽選テーブルでは、BB役に対して乱数範囲が設定さ
れておらず、BB遊技中は、BB役の入賞が成立し重ねてBB遊技が開始されることを避
けるようになっている。また、再遊技役に対して乱数範囲が設定されておらず、代わって
「JACIN」と呼ばれる特別な役に乱数値が設定されている。本実施例の遊技機1では
、JACINに内部当選して「再遊技役」の図柄が入賞ライン上に3つ揃うとBB遊技の
中でRB遊技が開始されるようになっている。
また、RB遊技フラグがONにセットされている場合には、遊技状態をRB遊技とする
ため、RB遊技用の抽選テーブルを選択する。尚、BB遊技の中でもRB遊技が行われる
ことから、RB遊技フラグとBB遊技フラグとが共にONにセットされる場合もあるが、
この場合も、RB遊技用の抽選テーブルを選択する。図14は、本実施例の遊技機1で用
いられるRB遊技用の抽選テーブルを例示した説明図である。図9の通常遊技用の抽選テ
ーブルと比べると、RB遊技用の抽選テーブルでは、ボーナス役(BB役およびRB役)
に対して乱数範囲が設定されておらず、RB遊技中はボーナス役の入賞が成立しないよう
になっている。また、再遊技役に乱数範囲が設定される代わりに、「JAC」と呼ばれる
役に広範囲の乱数値が設定されている。本実施例の遊技機1では、JACに内部当選して
「再遊技役」の図柄が入賞ライン上に3つ揃うと、所定枚数(例えば15枚)の遊技メダ
ルが払い出されるようになっている。このため、RB遊技用の抽選テーブルが選択された
状態で前述した内部抽選処理(図7のS110)以降の一連の処理が行われると、高い確
率でJACの入賞を成立させることができ、JACの入賞が成立する度に遊技メダルが1
5枚ずつ払い出されるので、遊技者は効率よく遊技メダルを獲得することができる。
以上に説明したように、遊技状態フラグ(BB遊技フラグ、RB遊技フラグ)の現在の
設定に基づいて、3種類の抽選テーブル(図9、図13、図14)の中から適切な抽選テ
ーブルを選択したら、図12の遊技状態設定処理を終了して、図7および図8に示した遊
技制御処理に復帰する。遊技制御処理では、こうして選択した抽選テーブルを用いて内部
抽選処理以降の一連の処理を行うことにより遊技が進行する。そして、遊技状態設定処理
で何れの抽選テーブルが選択されたかによって遊技状態が切り換わり、入賞の成立し得る
遊技役の種類や、遊技役の入賞の成立し易さが切り換わるようになっている。
ここで、前述したように、ある遊技役の入賞が成立するためには、スタートレバー36
の操作を契機として行われる内部抽選処理(図7のS110)において、その遊技役に内
部当選している必要がある。また、何れかの遊技役に内部当選すると、当選したことを記
憶しておくために、主制御基板200に搭載されたRAM203上に設定された内部当選
フラグ(図10)の対応するビットに「1」がセットされる。このようにRAM203に
は遊技に関する重要なデータが記憶されているが、一般に、RAMに記憶されているデー
タは、電力の供給が途絶えることによって消失してしまう。そこで、本実施例の遊技機1
では、バックアップ電源400を備えており、電源スイッチ120sのOFFなどによっ
て遊技機1に電力が供給されなくなっても、バックアップ電源400からRAM203へ
電力を供給することで記憶しているデータを保持しておくことが可能になっている。以下
では、バックアップ電源400からRAM203に電力を供給するための構成について説
明する。
D.バックアップ電源からRAMへの電力供給 :
図15は、本実施例の遊技機1に設けられたバックアップ電源400から、主制御基板
200に搭載されたRAM203へ電力が供給される様子を示した説明図である。図示さ
れているように、本実施例の遊技機1では、バックアップ電源400が扉基板240に設
けられている。この扉基板240と、RAM203が搭載された主制御基板200とは、
ハーネス320を介して様々なデータをやり取り可能に接続されている。本実施例のハー
ネス320の両端には、主制御基板200および扉基板240のそれぞれと接合するため
のコネクタ320aおよびコネクタ320bが設けられており、何れも脱着可能となって
いる。加えて、主制御基板200と電源基板280とは、ハーネス310を介して接続さ
れており、電源スイッチ120sがONにされている間(すなわち、遊技機1に電源が投
入されている間)は、電源基板280からハーネス310を介して主制御基板200に電
力が供給されるとともに、扉基板240で消費される電力は、ハーネス320を介して主
制御基板200から供給されている。尚、本実施例のバックアップ電源400には、コン
デンサが使用されており、電源基板280から電力が供給されている間に充電するように
なっている。もちろん、バックアップ電源400は、電力を供給可能なものであればよく
、必ずしもコンデンサに限定されるわけではない。例えば、ボタン電池のようなものも好
適に用いることができる。
また、図15に示されているように、扉基板240には、スタートレバー36、回胴停
止ボタン38a,38b,38c、メダルセレクタ106がそれぞれハーネス330、ハ
ーネス340、ハーネス350を介してデータをやり取り可能に接続されている。本実施
例のハーネス330は、コネクタ330aによって扉基板240と脱着可能に接合されて
おり、コネクタ330bによってスタートレバー36と脱着可能に接合されている。また
同様に、ハーネス340は扉基板240および回胴停止ボタン38a,38b,38cと
、ハーネス350は扉基板240およびメダルセレクタ106とそれぞれコネクタによっ
て脱着可能に接合されている。遊技者によってスタートレバー36や回胴停止ボタン38
a,38b,38cが操作されると、その操作が検出された旨の信号(操作信号)がハー
ネス330あるいはハーネス340を介して扉基板240に供給され、さらにハーネス3
20を介して主制御基板200に供給されるようになっている。同様に、メダルセレクタ
106に内蔵されたメダルセンサが遊技メダルの通過を検出した信号(検出信号)も、ハ
ーネス350を介して扉基板240に供給され、次いでハーネス320を介して主制御基
板200に供給される。
尚、扉基板240は、スタートレバー36(遊技操作手段)から主制御基板200(遊
技制御手段)へと操作信号を中継していることから、本実施例の扉基板240は、本発明
の「操作信号中継手段」の一態様を構成している。また、本実施例のハーネス330およ
びハーネス320に含まれる電線は、操作信号を伝達していることから、スタートレバー
36と扉基板240とを結ぶハーネス330は、本発明の「第2接続手段」に相当し、扉
基板240と主制御基板200とを結ぶハーネス320は、本発明の「第1接続手段」に
相当している。
そして、電源スイッチ120sがOFFにされる等によって主制御基板200に電力が
供給されなくなると、扉基板240に設けられたバックアップ電源400から、主制御基
板200に搭載されたRAM203に電力が供給されて、RAM203に記憶されている
様々な遊技データを保持しておくことが可能となっている。図15では、バックアップ電
源400からRAM203に電力が供給される様子を破線の矢印で表している。図示され
ているように、バックアップ電源400からの電力は、扉基板240と主制御基板200
とを接続するハーネス320を介して直ちにRAM203に供給されるのではなく、ハー
ネス330を介してスタートレバー36を一旦経由した後、ハーネス330、扉基板24
0、ハーネス320を介してRAM203に供給されるようになっている。尚、遊技機1
への電力の供給が停止すると、バックアップ電源400からRAM203(遊技情報記憶
手段)に電力が供給されることから、本実施例のバックアップ電源400は、本発明の「
保持電力供給手段」の一態様を構成している。
このように、本実施例の遊技機1では、電源が遮断されると、扉基板240に設けたバ
ックアップ電源400から、ハーネス330に沿ってスタートレバー36を一旦経由して
、RAM203に電力を供給する回路構成を採用しており、これによって、「打ち込み機
」と呼ばれる特殊な器具を用いた不正行為を効果的に防止することが可能となっている。
以下では、不正行為を防止可能な理由について説明するが、その準備として、まず初めに
、打ち込み機を用いて行われる不正行為について簡単に説明する。
先ず、打ち込み機は、投入された遊技メダルがメダルセレクタ106内のメダルセンサ
で検出されたり、遊技者によってスタートレバー36や回胴停止ボタン38a,38b,
38cが操作された場合に扉基板240を介して主制御基板200に供給される信号(検
出信号や操作信号)と同様の信号を出力する機能を有している。このような打ち込み機を
用いた不正行為は、遊技ホールが閉店している間に、主制御基板200と扉基板240と
の接続を外して、主制御基板200に打ち込み機を接続したり、あるいは、扉基板240
に接続されたスタートレバー36、回胴停止ボタン38a,38b,38c、メダルセレ
クタ106のそれぞれに代えて、打ち込み機を扉基板240と接続することによって行わ
れる。そして、どちらの場合にも、打ち込み機を取り付けた状態で電源スイッチ120s
をONにすると、検出信号や操作信号と同様の信号が打ち込み機から自動的に主制御基板
200に供給され、信号を受け取った主制御基板200が前述した遊技制御処理(図7お
よび図8参照)を実行することによって、遊技が自動的に行われる。こうして自動で遊技
を繰り返すうちに、例えば、前述した内部抽選処理(図7のS110)でボーナス役(B
B役あるいはRB役)に内部当選する等の遊技者にとって有利な状態になると、打ち込み
機は、その時点で信号の出力を停止するようになっている。その後、電源スイッチ120
sをOFFにして打ち込み機を取り外し、元通りに主制御基板200と扉基板240とを
接続したり、あるいは、扉基板240にスタートレバー36、回胴停止ボタン38a,3
8b,38c、メダルセレクタ106を接続する。
打ち込み機を取り外して元の状態に戻す際にも、従来の遊技機では、主制御基板200
に搭載されたRAM203に対してバックアップ電源400から電力が供給されており、
打ち込み機を用いてRAM203に記憶されたボーナス役の内部当選に関するデータ(内
部当選フラグの状態)は保持される。その結果、翌日の遊技ホールの開店時には、既にボ
ーナス役に内部当選している状態で遊技を開始できる遊技機と、そうでない遊技機とが存
在することになり、遊技の公平性が失われてしまっていた。
これに対して、本実施例の遊技機1では、扉基板240に設けられたバックアップ電源
400から主制御基板200のRAM203へ電力を供給する経路に、打ち込み機を装着
可能な部分(ハーネスのコネクタ)を含んでいるので(図15)、打ち込み機を用いた不
正行為を防止可能となっている。例えば、ハーネス330、ハーネス340、ハーネス3
50のそれぞれの扉基板240側のコネクタを外して、スタートレバー36、回胴停止ボ
タン38a,38b,38c、メダルセレクタ106のそれぞれに代えて打ち込み機を扉
基板240と接続し、ボーナス役に内部当選させたとしても、打ち込み機を外してスター
トレバー36、回胴停止ボタン38a,38b,38c、メダルセレクタ106を元通り
に接続する際には、図16に示すように、扉基板240とスタートレバー36とが接続さ
れていない状態(図16に示した例では、扉基板240とスタートレバー36とを繋ぐハ
ーネス330の扉基板240側のコネクタ330aが取り外された状態)となるので、バ
ックアップ電源からの電力がRAM203に供給されなくなる。その結果、打ち込み機を
用いてRAM203に記憶されたボーナス役の内部当選に関するデータ(内部当選フラグ
の状態)はクリアされる。
同様に、主制御基板200と扉基板240との接続(主制御基板200とハーネス32
0とを接合するコネクタ320a、あるいは扉基板240とハーネス320とを接合する
コネクタ320bの何れか)を外して主制御基板200に打ち込み機を接続した場合にも
、その後、打ち込み機を外して正規の扉基板240に戻そうとすると、バックアップ電源
400からRAM203への電力供給は途絶えてしまう。このように、本実施例の遊技機
1では、打ち込み機を取り付けてRAM203に不正に遊技データを記憶させても、その
遊技データはクリアされてしまうので、打ち込み機を用いて行われる不正行為を効果的に
防止することが可能となる。
尚、本実施例の遊技機1では、バックアップ電源400からRAM203へ電力を供給
する経路に、ハーネス330のコネクタ330a,330bを含むようにしているが、こ
れに限定されるわけではない。すなわち、扉基板240に対して打ち込み機を接続する場
合には、スタートレバー36、回胴停止ボタン38a,38b,38c、メダルセレクタ
106のそれぞれに代えて打ち込み機を接続することから、ハーネス330、ハーネス3
40、ハーネス350のうちの何れかの脱着可能なコネクタを通過する電力供給経路にし
ておけば、打ち込み機を用いてRAM203に記憶された遊技データは、電力供給経路に
含まれるコネクタを脱着する際に消去されることになり、結果として、打ち込み機を用い
た不正行為を防止することが可能となる。また、本実施例の遊技機1では、遊技メダルを
投入する代わりに三枚投入ボタン34を操作することによってもメダルのベットが可能で
あり、三枚投入ボタン34も扉基板240とデータをやり取り可能に接続されている(図
4参照)。従って、バックアップ電源400からRAM203への電力供給経路にハーネ
ス350のコネクタを含める場合には、三枚投入ボタン34と扉基板240とを接続する
図示しないハーネスのコネクタも含めておくことによって、より確実に打ち込み機を用い
た不正行為を防止することが可能となる。
E.変形例 :
E−1.第1変形例 :
以上に説明した実施例では、バックアップ電源400が扉基板240に設けられている
ものとして説明した。しかし、バックアップ電源400から主制御基板200のRAM2
03に電力を供給する経路内に、打ち込み機を装着可能な部分(操作信号や検出信号の供
給経路となるハーネスのコネクタ)が含まれていれば、バックアップ電源400を設ける
位置は、必ずしも扉基板240である必要はなく、例えば、電源基板280や主制御基板
200に設けておいてもよく、また、スタートレバー36、回胴停止ボタン38a,38
b,38c、あるいはメダルセレクタ106の何れかにバックアップ電源400を設ける
こととしてもよい。以下では、バックアップ電源400をスタートレバー36に設けた第
1変形例について説明する。
図17は、第1変形例の遊技機1において、バックアップ電源400から主制御基板2
00のRAM203に電力が供給される様子を示した説明図である。図示されているよう
に、第1変形例の遊技機1では、バックアップ電源400がスタートレバー36に設けら
れている。そして、図中に破線の矢印で示されているように、バックアップ電源400か
らの電力は、遊技者がスタートレバー36を操作したときに主制御基板200に供給され
る操作信号と同じくハーネス330、扉基板240、ハーネス320を介して、主制御基
板200のRAM203に供給されるようになっている。そのため、前述した実施例と同
様に、ハーネス320のコネクタ320a,320bの何れかを外して扉基板240に代
えて打ち込み機を主制御基板200に接続したり、あるいは、ハーネス330、ハーネス
340、ハーネス350のコネクタを外してスタートレバー36、回胴停止ボタン38a
,38b,38c、メダルセレクタ106のそれぞれに代えて打ち込み機を扉基板240
に接続することによってRAM203に有利な遊技データを記憶したとしても、打ち込み
機を取り外してコネクタを元通りに接合する際には、RAM203に電力が供給されなく
なる。結局、RAM203に記憶した有利な遊技データは消去されてしまうので、打ち込
み機を用いた不正行為を有効に防止することが可能となる。
また、前述した実施例の遊技機1では、バックアップ電源400からの電力を、一旦ス
タートレバー36を経由させてRAM203に供給していたのに対して、第1変形例の遊
技機1では、スタートレバー36自体にバックアップ電源400を設けているので、バッ
クアップ電源400からRAM203までの電力の供給経路を最短にする(ここでは、バ
ックアップ電源400とRAM203との間に介在するハーネスやコネクタなどの接続の
数を少なくする)ことができる。その結果、電力を供給するための回路構成を簡略化する
ことができるとともに、電源ノイズの発生を抑えることが可能となる。
尚、第1変形例の遊技機1では、スタートレバー36にバックアップ電源400を配置
するものとして説明した。しかし、前述したように、扉基板240に対して打ち込み機を
接続する場合には、スタートレバー36、回胴停止ボタン38a,38b,38c、メダ
ルセレクタ106のそれぞれに代えて打ち込み機を接続することから、回胴停止ボタン3
8a,38b,38c、あるいはメダルセレクタ106の何れかにバックアップ電源40
0を配置して、RAM203に電力を供給することとしてもよい。
E−2.第2変形例 :
前述した実施例では、扉基板240に設けたバックアップ電源400からの電力を、ハ
ーネス330を介して一旦スタートレバー36を経由させて、RAM203に供給するも
のとして説明した。しかし、スタートレバー36に対してハーネス330を脱着不能に接
合しておけば、必ずしもスタートレバー36を経由させる必要はない。以下では、スター
トレバー36とハーネス330とを脱着不能に接合しておく構成を採用した第2変形例に
ついて説明する。
図18は、第2変形例の遊技機1において、バックアップ電源400から主制御基板2
00のRAM203に電力が供給される様子を示した説明図である。前述した実施例と同
様に、第2変形例のバックアップ電源400も扉基板240に設けられている。しかし、
第2変形例の遊技機1では、図中に破線の矢印で示されているように、バックアップ電源
400からRAM203に電力を供給する経路は、扉基板240とスタートレバー36と
を繋ぐハーネス330の扉基板240側のコネクタ330aを通過したところで折り返し
、スタートレバー36を経由しないで再びコネクタ330aを通過する回路構成になって
いる。また、ハーネス330のスタートレバー36側のコネクタ330bは、接合した状
態でコネクタカバー332に覆われており、コネクタカバー332を取り外さない限り、
コネクタ330bの接合を外すことはできなくなっている。尚、コネクタカバー332を
不正に取り外し、打ち込み機を用いて不正行為を行った後に元に戻しておくことも考えら
れるため、コネクタカバー332を取り外すと、何らかの痕跡が残るようにしておくこと
が好ましい。例えば、コネクタカバー332を一度取り外したら、再度取り付けることが
不可能な構成にしておいたり、あるいは、コネクタカバー332を取り外す際に、特定部
材(いわゆる「封印シール」など)の破壊を伴うようにしておいてもよい。
図19は、第2変形例の遊技機1において、扉基板240とスタートレバー36とをハ
ーネス330によって接続する様子を示した説明図である。図示されているように、第2
変形例のハーネス330は、スタートレバー36側のコネクタ330bが3極であるのに
対して、扉基板240側のコネクタ330aは5極となっており、コネクタ330aの5
極のうちの3極は、コネクタ330bの3極とそれぞれ配線されている。一方、コネクタ
330aの残りの2極は、互いに配線されており、扉基板240内に設けられたバックア
ップ電源400から供給される電力を、再び扉基板240へと戻す経路として用いられて
いる。
図20は、第2変形例の遊技機1において、スタートレバー36にハーネス330を接
合してコネクタカバー332を装着した状態を示した説明図である。図示されているよう
に、コネクタカバー332には、スリット部332sが設けられており、ハーネス330
の配線だけを通して、コネクタ330bを通さないように形成されている。したがって、
コネクタカバー332を取り外さなければ、コネクタ330bの接合を外すことはできな
くなっている。これに加えて、コネクタカバー332には係合部332hが設けられてお
り、スタートレバー36にコネクタカバー332を一旦装着すると、係合部332hがス
タートレバー36の窪みに引っ掛かるようになっているため、コネクタカバー332を取
り外すことは容易なことではない。
このように、第2変形例の遊技機1では、ハーネス330のスタートレバー36側のコ
ネクタ330bの接合を外すことは容易でないため、スタートレバー36に代えて打ち込
み機を扉基板240に接続する場合には、ハーネス330の扉基板240側のコネクタ3
30aの接合を外して行われる。そして、前述したようにコネクタ330aは、バックア
ップ電源400からRAM203に電力を供給する経路内に含まれているので、打ち込み
機を取り外して元通りにコネクタ330aを接合する際には、RAM203への電力供給
が途絶える。結果として、打ち込み機を用いてRAM203に記憶された遊技データはク
リアされることから、打ち込み機を用いた不正行為を効果的に防止することが可能となる
また、第2変形例の遊技機1では、バックアップ電源400からRAM203に電力を
供給する経路内にスタートレバー36を含んでいない。このため、スタートレバー36に
バックアップ電源400を配置するスペースがない場合や、スタートレバー36と扉基板
240とを繋ぐハーネス330の配線を増やすことができない等の実装上の制約がある場
合であっても適用することができ、その結果、打ち込み機を用いた不正行為の防止が可能
となる。
尚、第2変形例の遊技機1では、スタートレバー36にコネクタカバー332を装着す
ることによって、スタートレバー36とハーネス330との接合を脱着不能としていた。
しかし、スタートレバー36とハーネス330とが脱着不能に接合されていれば、その態
様はどのようなものであってもよく、例えば、スタートレバー36にハーネス330を半
田付けしておいてもよい。また、ハーネス330のスタートレバー36側のコネクタ33
0bを外すためには、必ず扉基板240側のコネクタ330aを外さなければならないよ
うに構成しておいてもよく、例えば、コネクタ330aよりもコネクタ330bが構造的
に奥側に位置するようにスタートレバー36等を配置しておくことによって、コネクタ3
30aを外さなければ、コネクタ330bに触れることができなくしておいてもよい。
もちろん、上述したスタートレバー36とハーネス330との接合と同様に、扉基板2
40とハーネス330との接合も着脱不能にしておけば、スタートレバー36に代えて打
ち込み機を扉基板240に接続する不正行為を防止することができる。しかし、スタート
レバー36は、遊技を開始する度に操作されることから、故障する頻度が高い部品であり
、取り替えられるようにしておく必要がある。そこで、第2変形例のように、バックアッ
プ電源400からRAM203に電力を供給する経路が、ハーネス330の着脱可能なコ
ネクタ330aを通過した後に折り返して、再びコネクタ330aを通過する構成にして
おけば、故障時にスタートレバー36の交換が可能であるとともに、バックアップ電源4
00からRAM203に電力を供給する経路を短縮することが可能となる。
以上、本発明について各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず
、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知
識に基づく改良を適宜付加することができる。
1…回胴式遊技機(遊技機)、
20a,20b,20c…回胴、 36…スタートレバー(遊技操作手段)、
38a,38b,38c…回胴停止ボタン(遊技操作手段)、
106…メダルセレクタ(遊技操作手段)、
200…主制御基板(遊技制御手段)、 203…RAM(遊技情報記憶手段)
240…扉基板(操作信号中継手段)、 280…電源基板(主電力供給手段)
400…バックアップ電源(保持電力供給手段)

Claims (2)

  1. 外周面に複数の図柄が描かれた回胴を回転させ、該回胴が停止したときに表示される図
    柄に応じて所定の特典を遊技者に付与する遊技を行う回胴式遊技機において、
    遊技の進行に関する制御を実行する遊技制御手段と、
    所定の遊技操作を受けたことを示す操作信号を前記遊技制御手段に向けて出力可能な遊
    技操作手段と、
    前記遊技操作手段から出力される前記操作信号を前記遊技制御手段へと中継する操作信
    号中継手段と、
    前記操作信号中継手段と前記遊技制御手段とを接続する第1接続手段と、
    前記遊技操作手段と前記操作信号中継手段とを接続する第2接続手段と、
    前記遊技制御手段が遊技の進行に関する制御を実行する際に必要となる種々の遊技情報
    を記憶する遊技情報記憶手段と、
    前記回胴式遊技機が動作するための電力を供給する主電力供給手段と、
    前記主電力供給手段からの電力供給が停止している状態で、前記遊技情報記憶手段の記
    憶内容を保持するための保持電力を、該遊技情報記憶手段に供給する保持電力供給手段と
    を備え、
    前記保持電力供給手段は、前記第1接続手段と前記第2接続手段の少なくとも一方によ
    る接続が分断されることで前記遊技情報記憶手段に対する保持電力の供給を不能とする保
    持電力供給経路によって、前記遊技制御手段に設けられる前記遊技情報記憶手段に保持電
    力を供給し、
    前記第2接続手段は、前記遊技操作手段と接続する第1の接続部位と、前記操作信号中
    継手段と接続される第2の接続部位とを有し、
    前記第1の接続部位と前記第2の接続部位は、前記第2の接続部位における前記操作信
    号中継手段との接続を外さなければ、前記第1の接続部位における前記遊技操作手段との
    接続を外すことができない配置構成を有することを特徴とする回胴式遊技機。
  2. 外周面に複数の図柄が描かれた回胴を回転させ、該回胴が停止したときに表示される図
    柄に応じて所定の特典を遊技者に付与する遊技を行う回胴式遊技機において、
    遊技の進行に関する制御を実行する遊技制御手段と、
    所定の遊技操作を受けたことを示す操作信号を前記遊技制御手段に向けて出力可能な遊
    技操作手段と、
    前記遊技操作手段から出力される前記操作信号を前記遊技制御手段へと中継する操作信
    号中継手段と、
    前記操作信号中継手段と前記遊技制御手段とを接続する第1接続手段と、
    前記遊技操作手段と前記操作信号中継手段とを接続する第2接続手段と、
    前記遊技制御手段が遊技の進行に関する制御を実行する際に必要となる種々の遊技情報
    を記憶する遊技情報記憶手段と、
    前記回胴式遊技機が動作するための電力を供給する主電力供給手段と、
    前記主電力供給手段からの電力供給が停止している状態で、前記遊技情報記憶手段の記
    憶内容を保持するための保持電力を、該遊技情報記憶手段に供給する保持電力供給手段と
    を備え、
    前記保持電力供給手段は、前記第1接続手段と前記第2接続手段の少なくとも一方によ
    る接続が分断されることで前記遊技情報記憶手段に対する保持電力の供給を不能とする保
    持電力供給経路によって、前記遊技制御手段に設けられる前記遊技情報記憶手段に保持電
    力を供給するとともに、前記遊技操作手段に保持電力を供給しない前記保持電力供給経路によって、前記遊技制御手段に設けられる前記遊技情報記憶手段に保持電力を供給することを特徴とする回胴式遊技機。
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