JP5428034B2 - 電子素子およびそれに有用なビピリジニウム骨格を有する高分子化合物 - Google Patents

電子素子およびそれに有用なビピリジニウム骨格を有する高分子化合物 Download PDF

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Description

本発明は電子素子に関し、詳しくは、2個の電極と、発光層または電荷分離層と、電荷注入層とを備える電子素子に関する。
電界発光素子や光電変換素子などの電子素子の特性を向上させるため、電界発光素子の発光層と電極との間または光電変換素子の電荷分離層と電極との間に様々な層を挿入することが検討されている。
例えば、高分子化合物からなる層を挿入した電子素子として、特表2003−530676号公報(特許文献1)には、電極と発光層との間に、エーテル鎖と、Na、SO などのカウンターイオンとイオン結合を形成するCOO、(NH イオンを主鎖または側鎖に含む高分子からなる層を挿入した有機/高分子電気発光(EL)素子が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載の有機/高分子電気発光(EL)素子においては、変換効率の点で未だ十分なものではなかった。
特表2003−530676号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、変換効率に優れた電子素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、4,4’−ビピリジニウム骨格を有する高分子化合物が電荷注入性に優れることを見出し、さらに、2個の電極間に発光層または電荷分離層を備える電子素子において、前記電極と前記発光層または前記電荷分離層との間に、4,4’−ビピリジニウム骨格を有する高分子化合物を含む電荷注入層を挿入することにより変換効率に優れた電子素子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の電子素子は、第一の電極と、第二の電極と、該第一の電極と該第二の電極との間に配置された発光層または電荷分離層と、該発光層または該電荷分離層と前記第一の電極または前記第二の電極との間に配置され、下記式(I):
Figure 0005428034
(式(I)中、XおよびXは、それぞれ独立にF、Cl、Br、I、OH、RSO 、RCOO、ClO、ClO 、ClO 、ClO 、SCN、CN、NO 、HSO 、HPO 、BF 、BR およびPF からなる群から選択される1種のイオンを表し、前記Rは炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜50のアリール基および炭素数2〜50の1価の複素環基からなる群から選択される1種の基を表し、前記アルキル基、アリール基および1価の複素環基は置換基を有していてもよく、*は他の構造との結合部位を表す。)
で表される構造を有する高分子化合物を含む電荷注入層とを備えることを特徴とするものである。
本発明の電子素子において前記高分子化合物としては、置換基を有していてもよい2価の芳香族基、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいオキシアルキレン基および置換基を有していてもよいジオキシアルキレン基からなる群から選択される少なくとも1種の基をさらに有する化合物が好ましく、下記式(II):
Figure 0005428034
(式(II)中、XおよびXは、それぞれ独立にF、Cl、Br、I、OH、RSO 、RCOO、ClO、ClO 、ClO 、ClO 、SCN、CN、NO 、HSO 、HPO 、BF 、BR およびPF からなる群から選択される1種のイオンを表し、前記Rは炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜50のアリール基および炭素数2〜50の1価の複素環基からなる群から選択される1種の基を表し、前記アルキル基、アリール基および1価の複素環基は置換基を有していてもよく、Arは置換基を有していてもよい2価の芳香族基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキレン基を表し、*は他の構造との結合部位を表し、nおよびnはそれぞれ独立に1〜20の整数である。)
で表される構造を有する化合物が特に好ましい。
また、前記高分子化合物の分子量としては1×10以上1×10以下が好ましい。
本発明の電界発光素子および光電変換素子は本発明の電子素子からなることを特徴とするものであり、前記第一の電極と前記第二の電極との間に、前者は発光層、後者は電荷分離層が配置されている。
本発明の高分子化合物は、下記式(II):
Figure 0005428034
(式(II)中、XおよびXは、それぞれ独立にF、Cl、Br、I、OH、RSO 、RCOO、ClO、ClO 、ClO 、ClO 、SCN、CN、NO 、HSO 、HPO 、BF 、BR およびPF からなる群から選択される1種のイオンを表し、前記Rは炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜50のアリール基および炭素数2〜50の1価の複素環基からなる群から選択される1種の基を表し、前記アルキル基、アリール基および1価の複素環基は置換基を有していてもよく、Arは置換基を有していてもよい2価の芳香族基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキレン基を表し、*は他の構造との結合部位を表し、nおよびnはそれぞれ独立に1〜20の整数である。)
で表される構造を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、変換効率に優れた電子素子を得ることが可能となる。また、本発明の高分子化合物は、本発明の電子素子に有用である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の電子素子について説明する。本発明の電子素子は、第一の電極と第二の電極と、該第一の電極と該第二の電極との間に配置された発光層または電荷分離層と、該発光層または該電荷分離層と前記第一の電極または前記第二の電極との間に配置され、下記式(I):
Figure 0005428034
で表される構造を有する高分子化合物を含む電荷注入層とを備えることを特徴とするものである。
前記式(I)において、*は他の構造との結合部位を表す。前記高分子化合物において、前記式(I)中の芳香環中の水素原子はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、1価の複素環基などの置換基で置換されていてもよい。
また、前記式(I)で表される構造が複数個存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよい。本発明の電子素子においては変換効率がより向上することから、前記高分子化合物としては前記式(I)で表される構造を複数個含有するものが好ましく、主鎖に複数個含有するものがより好ましい。
前記式(I)中のXおよびXは、それぞれ独立にF、Cl、Br、I、OH、RSO 、RCOO、ClO、ClO 、ClO 、ClO 、SCN、CN、NO 、HSO 、HPO 、BF 、BR およびPF からなる群から選択される1種のイオンを表す。前記Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基、ドデシル基などの炭素数1〜30のアルキル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基などの炭素数6〜50のアリール基、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基、イミダゾイル基などの炭素数2〜50の1価の複素環基を表す。これらのアルキル基、アリール基および1価の複素環基は置換基を有していてもよい。このような置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基などが挙げられ、前記置換基が複数個存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。
前記置換基であるアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、シクロアルキル基でもよい。アルキル基の炭素数は通常1〜20であり、1〜10が好ましい。このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基などが挙げられる。前記アルキル基中の水素原子はフッ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換されたアルキル基(ハロゲン化アルキル基)としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基などが挙げられる。
前記置換基であるアルコキシ基は、直鎖状でも分岐状でもよく、シクロアルキルオキシ基でもよい。また、置換基を有していてもよい。アルコキシ基の炭素数は通常1〜20であり、1〜10が好ましい。このようなアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ラウリルオキシ基などが挙げられる。前記アルコキシ基中の水素原子はフッ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換されたアルコキシ基(ハロゲン化アルコキシ基)としては、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基、パーフルオロオクチルオキシ基などが挙げられる。また、前記アルコキシ基中の水素原子はアルコキシ基で置換されていてもよい。アルコキシ基で置換されたアルコキシ基としては、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基などが挙げられる。
前記置換基であるアルキルチオ基は、直鎖状でも分岐状でもよく、シクロアルキルチオ基でもよい。また、置換基を有していてもよい。アルキルチオ基の炭素数は通常1〜20であり、1〜10が好ましい。このようなアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、ラウリルチオ基などが挙げられる。前記アルキルチオ基中の水素原子はフッ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換されたアルキルチオ基(ハロゲン化アルキルチオ基)としては、トリフルオロメチルチオ基などが挙げられる。
前記置換基であるアリール基は、芳香族炭化水素から水素原子1個を除いた原子団であり、縮合環を持つもの、あるいは独立したベンゼン環もしくは縮合環2個以上が直接またはビニレンなどの基によって結合したものも含まれる。前記アリール基はアルコキシ基などの置換基を有していてもよい。アリール基の炭素数は通常6〜60であり、7〜48が好ましい。このようなアリール基としては、フェニル基、C〜C12アルコキシフェニル基(C〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基などが挙げられる。前記アリール基中の水素原子はフッ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換されたアリール基(ハロゲン化アリール基)としては、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。これらのアリール基の中では、C〜C12アルコキシフェニル基、C〜C12アルキルフェニル基が好ましい。
前記アリール基であるC〜C12アルコキシフェニル基としては、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基、イソプロポキシフェニル基、ブトキシフェニル基、イソブトキシフェニル基、s−ブトキシフェニル基、t−ブトキシフェニル基、ペンチルオキシフェニル基、ヘキシルオキシフェニル基、シクロヘキシルオキシフェニル基、ヘプチルオキシフェニル基、オクチルオキシフェニル基、2−エチルヘキシルオキシフェニル基、ノニルオキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシフェニル基、ラウリルオキシフェニル基などが挙げられる。
前記アリール基であるC〜C12アルキルフェニル基としては、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、トリメチルフェニル基、メチルエチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、イソアミルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ドデシルフェニル基などが挙げられる。
前記置換基であるアリールオキシ基は、オキシ基(−O−)に前述のアリール基が結合したものである。また、置換基を有していてもよい。アリールオキシ基の炭素数は通常6〜60であり、7〜48が好ましい。このようなアリールオキシ基としては、フェノキシ基、C〜C12アルコキシフェノキシ基、C〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる。前記アリールオキシ基中の水素原子はフッ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換されたアリールオキシ基(ハロゲン化アリールオキシ基)としては、ペンタフルオロフェニルオキシ基などが挙げられる。これらのアリールオキシ基の中では、C〜C12アルコキシフェノキシ基、C〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
前記アリールオキシ基であるC〜C12アルコキシフェノキシ基としては、メトキシフェノキシ基、エトキシフェノキシ基、プロポキシフェノキシ基、イソプロポキシフェノキシ基、ブトキシフェノキシ基、イソブトキシフェノキシ基、s−ブトキシフェノキシ基、t−ブトキシフェノキシ基、ペンチルオキシフェノキシ基、ヘキシルオキシフェノキシ基、シクロヘキシルオキシフェノキシ基、ヘプチルオキシフェノキシ基、オクチルオキシフェノキシ基、2−エチルヘキシルオキシフェノキシ基、ノニルオキシフェノキシ基、デシルオキシフェノキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシフェノキシ基、ラウリルオキシフェノキシ基などが挙げられる。
前記アリールオキシ基であるC〜C12アルキルフェノキシ基としては、メチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、プロピルフェノキシ基、1,3,5−トリメチルフェノキシ基、メチルエチルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、ブチルフェノキシ基、イソブチルフェノキシ基、s−ブチルフェノキシ基、t−ブチルフェノキシ基、ペンチルフェノキシ基、イソアミルフェノキシ基、ヘキシルフェノキシ基、ヘプチルフェノキシ基、オクチルフェノキシ基、ノニルフェノキシ基、デシルフェノキシ基、ドデシルフェノキシ基などが挙げられる。
前記置換基であるアリールチオ基は、チオ基(−S−)に前述のアリール基が結合したものである。また、置換基を有していてもよい。アリールチオ基の炭素数は通常6〜60であり、6〜30が好ましい。このようなアリールチオ基としては、フェニルチオ基、C〜C12アルコキシフェニルチオ基、C〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基などが挙げられる。前記アリールチオ基中の水素原子はフッ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換されたアリールチオ基(ハロゲン化アリールチオ基)としては、ペンタフルオロフェニルチオ基などが挙げられる。
前記置換基であるアリールアルキル基は、前述のアルキル基中の水素原子が前述のアリール基に置換されたものである。また、置換基を有していてもよい。アリールアルキル基の炭素数は通常7〜60であり、7〜30が好ましい。このようなアリールアルキル基としては、フェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基、1−ナフチル−C〜C12アルキル基、2−ナフチル−C〜C12アルキル基などが挙げられる。前記アリールアルキル基中の水素原子はフッ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。
前記置換基であるアリールアルコキシ基は、前述のアルコキシ基中の水素原子が前述のアリール基に置換されたものである。また、置換基を有していてもよい。アリールアルコキシ基の炭素数は通常7〜60であり、7〜30が好ましい。このようなアリールアルコキシ基としては、フェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C〜C12アルコキシ基などが挙げられる。前記アリールアルコキシ基中の水素原子はフッ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。
前記置換基であるアリールアルキルチオ基は、前述のアルキルチオ基中の水素原子が前述のアリール基に置換されたものである。また、置換基を有していてもよい。アリールアルキルチオ基の炭素数は通常7〜60であり、7〜30が好ましい。このようなアリールアルキルチオ基としては、フェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルチオ基、2−ナフチル−C〜C12アルキルチオ基などが挙げられる。前記アリールアルキルチオ基中の水素原子はフッ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。
前記置換基であるアリールアルケニル基は、アルケニル基中の水素原子が前述のアリール基に置換されたものである。また、置換基を有していてもよい。アリールアルケニル基の炭素数は通常8〜60であり、8〜30が好ましい。このようなアリールアルケニル基としては、フェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルケニル基、1−ナフチル−C〜C12アルケニル基、2−ナフチル−C〜C12アルケニル基などが挙げられる。前記アリールアルケニル基中の水素原子はフッ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。これらのアリールアルケニル基の中では、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルケニル基が好ましい。
前記置換基であるアリールアルキニル基は、アルキニル基中の水素原子が前述のアリール基に置換されたものである。また、置換基を有していてもよい。アリールアルキニル基の炭素数は通常8〜60であり、8〜30が好ましい。このようなアリールアルキニル基としては、フェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキニル基、1−ナフチル−C〜C12アルキニル基、2−ナフチル−C〜C12アルキニル基などが挙げられる。前記アリールアルキニル基中の水素原子はフッ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。これらのアリールアルキニル基の中では、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキニル基が好ましい。
前記置換基である置換アミノ基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基および1価の複素環基からなる群から選択される1個または2個の基によって1個または2個の水素原子が置換されたアミノ基が好ましい。置換アミノ基の炭素数は通常1〜60であり、2〜48が好ましい。なお、前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基および1価の複素環基は置換基を有していてもよいが、前記炭素数にはこの置換基の炭素数を含めないものとする。このような置換アミノ基としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、s−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基、フェニル−C〜C12アルキルアミノ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルアミノ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルアミノ基、ジ(C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C〜C12アルキルアミノ基などが挙げられる。前記置換アミノ基中の水素原子はフッ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換された置換アミノ基(ハロゲン化置換アミノ基)としては、ジトリフルオロメチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基などが挙げられる。
前記置換基である置換シリル基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基および1価の複素環基からなる群から選択される1〜3個の基によって1〜3個の水素原子が置換されたシリル基が挙げられる。置換シリル基の炭素数は通常1〜60であり、3〜48が好ましい。なお、前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基および1価の複素環基は置換基を有していてもよいが、前記炭素数にはこの置換基の炭素数を含めないものとする。このような置換シリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリ−イソプロピルシリル基、ジメチル−イソプロピルシリル基、ジエチル−イソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基、フェニル−C〜C12アルキルシリル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルシリル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルシリル基、1−ナフチル−C〜C12アルキルシリル基、2−ナフチル−C〜C12アルキルシリル基、フェニル−C〜C12アルキルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などが挙げられる。
前記置換基であるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
前記置換基であるアシル基としては、炭素数が通常2〜20のものが挙げられ、炭素数が2〜18のものが好ましい。このようなアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基などが挙げられる。前記アシル基中の水素原子はフッ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換されたアシル基(ハロゲン化アシル基)としては、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基などが挙げられる。
前記置換基であるアシルオキシ基としては、炭素数が通常2〜20のものが挙げられ、炭素数が2〜18のものが好ましい。このようなアシルオキシ基としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。前記アシルオキシ基中の水素原子はフッ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換されたアシルオキシ基(ハロゲン化アシルオキシ基)としては、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基などが挙げられる。
前記置換基であるイミン残基は、イミン化合物(分子内に式:−N=C−で示される基を有する有機化合物であり、アルジミン、ケチミン、およびこれらのN原子上の水素原子がアルキル基などで置換された化合物が挙げられる。)から水素原子1個を除いた残基である。イミン残基の炭素数は通常2〜20であり、2〜18が好ましい。このようなイミン残基としては、下記式(式中、*は他の構造との結合部位を表す。)で表されるものが挙げられる。
Figure 0005428034
前記置換基であるアミド基としては、炭素数が通常2〜20のものが挙げられ、炭素数が2〜18のものが好ましい。このようなアミド基としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基などが挙げられる。前記アミド基中の水素原子はフッ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換されたアミド基(ハロゲン化アミド基)としては、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、ジペンタフルオロベンズアミド基などが挙げられる。
前記置換基である酸イミド基は、酸イミドから窒素原子に結合した水素原子を除いて得られる残基である。酸イミド基の炭素数は通常4〜20であり、4〜18が好ましい。このような酸イミド基としては、下記式(式中、*は他の構造との結合部位を表す。)で表されるものが挙げられる。
Figure 0005428034
前記置換基である1価の複素環基は、複素環式化合物(環式構造をもつ有機化合物のうち、炭素原子だけでなく、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子などのヘテロ原子を環内に含むもの)から水素原子1個を除いた残りの原子団である。1価の複素環基の炭素数は通常4〜60であり、4〜20が好ましい。なお、前記1価の複素環基は置換基を有していてもよいが、前記炭素数にはこの置換基の炭素数を含めないものとする。このような1価の複素環基としては、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基などが挙げられる。前記1価の複素環基中の水素原子はフッ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。これらの1価の複素環基の中では、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
前記置換基である置換オキシカルボニル基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基および1価の複素環基からなる群から選択される1個の基とオキシカルボニル基が結合したものが挙げられる。置換オキシカルボニル基の炭素数は通常2〜60であり、2〜48が好ましい。なお、前記アルキル基、アリール基、アリールアルキル基および1価の複素環基は置換基を有していてもよいが、前記炭素数にはこの置換基の炭素数を含めないものとする。このような置換オキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基などが挙げられる。前記置換オキシカルボニル基中の水素原子はフッ素原子などのハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換された置換オキシカルボニル基としては、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロエトキシカルボニル基、パーフルオロブトキシカルボニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基、パーフルオロオクチルオキシカルボニル基などが挙げられる。
また、本発明にかかる前記高分子化合物は、置換基を有していてもよい2価の芳香族基、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいオキシアルキレン基および置換基を有していてもよいジオキシアルキレン基からなる群から選択される少なくとも1種の基をさらに有するものであることが好ましい。
前記置換基を有していてもよい2価の芳香族基としては、2価の芳香族炭化水素基、2価の芳香族複素環基が挙げられる。このような2価の芳香族基としては、ベンゼン環、ピリジン環、1,2−ジアジン環、1,3−ジアジン環、1,4−ジアジン環、1,3,5−トリアジン環、フラン環、ピロール環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾ−ル環、アザジザゾ−ル環などの単環式芳香環から水素原子を2個除いた2価の基、これらの単環式芳香環からなる群からそれぞれ独立に選択された2個以上の芳香環が縮合した縮合多環式芳香環から水素原子を2個除いた2価の基、前記単環式芳香環からなる群からそれぞれ独立に選択された2個以上の芳香環を、単結合、エテニレン基またはエチニレン基で連結した連結多環式芳香環から水素原子を2個除いた2価の基、前記単環式芳香環からなる群からそれぞれ独立に選択された2個の芳香環を、メチレン基、エチレン基、カルボニル基、イミノ基などの2価の基で橋かけした構造を有する有橋多環式芳香環から水素原子を2個除いた2価の基などが挙げられる。
前記縮合多環式芳香環において、縮合する単環式芳香環の数としては、高分子化合物の溶解性の観点から、2〜4が好ましく、2〜3がより好ましく、2がさらに好ましい。前記連結多環式芳香環において、連結される単環式芳香環の数としては、溶解性の観点から、2〜4が好ましく、2〜3がより好ましく、2がさらに好ましい。前記有橋多環式芳香環において、橋かけされる単環式芳香環の数としては、高分子化合物の溶解性の観点から、2〜4が好ましく、2〜3がより好ましく、2がさらに好ましい。
前記単環式芳香環としては、下記式(1)〜(16)で表されるものが挙げられる。
Figure 0005428034
前記縮合多環式芳香環としては、下記式(17)〜(36)で表されるものが挙げられる。
Figure 0005428034
前記連結多環式芳香環としては、下記式(37)〜(47)で表されるものが挙げられる。
Figure 0005428034
前記有橋多環式芳香環としては、下記式(48)〜(57)で表されるものが挙げられる。
Figure 0005428034
このような芳香環のうち、前記高分子化合物の電子および/またはホール受容性の観点から、前記式(1)〜(16)、前記式(17)〜(27)、前記式(33)〜(36)、前記式(47)〜(48)、前記式(50)〜(51)、前記式(53)で表されるものが好ましく、前記式(1)〜(6)、前記式(15)〜(16)、前記式(33)、前記式(36)、前記式(47)〜(48)、前記式(50)〜(51)で表されるものがより好ましい。
また、本発明にかかる前記高分子化合物に含まれるアルキレン基、オキシアルキレン基およびジオキシアルキレン基の炭素数としては、1〜50が好ましい。このようなアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプタレン基、ノナレン基、デシレン基、ドデシレン基などが挙げられる。前記オキシアルキレン基としては、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシペンチレン基、オキシヘキシレン基、オキシへプタレン基、オキシノナレン基、オキシデシレン基、オキシドデシレン基などが挙げられる。前記ジオキシアルキレン基としては、ジオキシメチレン基、ジオキシエチレン基、ジオキシプロピレン基、ジオキシブチレン基、ジオキシペンチレン基、ジオキシヘキシレン基、ジオキシへプタレン基、ジオキシノナレン基、ジオキシデシレン基、ジオキシドデシレン基などが挙げられる。また、前記アルキレン基、オキシアルキレン基およびジオキシアルキレン基は置換基を有していてもよい。
このような高分子化合物のうち、本発明の電子素子においては、電荷注入性の観点から下記式(II):
Figure 0005428034
で表される構造を有する化合物がより好ましい。前記式(II)中、XおよびXは、それぞれ独立にF、Cl、Br、I、OH、RSO 、RCOO、ClO、ClO 、ClO 、ClO 、SCN、CN、NO 、HSO 、HPO 、BF 、BR およびPF からなる群から選択される1種のイオンを表す。これらのイオンのうち、前記高分子化合物の合成の容易さの観点から、F、Cl、Br、I、OH、RSO 、RCOO、BF 、BR およびPF が好ましい。Rは前記式(I)中のRと同義である。Arは置換基を有していてもよい2価の芳香族基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキレン基を表し、*は他の構造との結合部位を表し、nおよびnはそれぞれ独立に1〜20の整数である。前記nおよびnとしては、前記高分子化合物の合成の容易さの観点から、2〜10の整数が好ましい。
前記式(II)中のArで表される置換基を有していてもよい2価の芳香族基としては、本発明にかかる前記高分子化合物においてさらに含まれていてもよい基として例示した前記2価の芳香族炭化水素基や2価の芳香族複素環基などの置換基を有していてもよい2価の芳香族基が挙げられる。これらの2価の芳香族基のうち、前記高分子化合物の電荷注入性の観点から、前記式(1)〜(36)、前記式(41)〜(44)、前記式(47)〜(51)、前記式(53)〜(54)で表されるものが特に好ましい。
また、前記式(II)中のRおよびRで表されるアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプタレン基などが挙げられる。RおよびRは同一であっても異なっていてもよい。これらのアルキレン基のうち、前記高分子化合物の溶解性の観点から、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が特に好ましい。
本発明にかかる前記高分子化合物の分子量は、塗布による成膜性の観点から1×10以上1×10以下が好ましく、1×10以上1×10以下がより好ましく、1×10以上1×10以下がさらに好ましい。なお、前記高分子化合物の分子量は、H−NMR測定を行い、プロトン比(積分比)で換算することによって求めることができる。
前記式(II)で表される構造としては、下記式(58)〜(65)で表される構造が挙げられる。また、本発明の高分子化合物としては、下記式(58)〜(65)で表される構造を繰り返し単位として含有する高分子化合物が挙げられる。
Figure 0005428034
Figure 0005428034
次に、本発明にかかる前記高分子化合物の製造方法について説明する。前記高分子化合物を製造するための好適な方法としては、下記式(III):
Figure 0005428034
で表される4,4’−ビピリジル(芳香環の水素原子は置換基で置換されていてもよい。)を重合性化合物と縮合重合させる方法が挙げられる。前記重合性化合物としては、2個以上の重合性官能基を有するものであればよく、縮合重合の容易さの観点から下記式(IV):
−Q−Y (IV)
(式(IV)中、YおよびYは重合性官能基を表し、Qは単結合、または置換基を有していてもよい2価の芳香族基、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいオキシアルキレン基および置換基を有していてもよいジオキシアルキレン基からなる群から選択される少なくとも1種を含有する基である。)
で表される化合物が好ましい。
前記重合性官能基としては、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基、アリールアルキルスルホネート基、スルホニウムメチル基などが挙げられる。
前記重合性官能基であるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。また、前記アルキルスルホネート基としては、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基などが挙げられ、前記アリールスルホネート基としては、ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基などが挙げられ、前記アリールスルホネート基としては、ベンジルスルホネート基などが挙げられる。
前記式(IV)中のQに含まれる置換基を有していてもよい2価の芳香族基としては、本発明にかかる前記高分子化合物においてさらに含まれていてもよい基として例示した前記2価の芳香族炭化水素基や2価の芳香族複素環基などの置換基を有していてもよい2価の芳香族基が挙げられる。これらの2価の芳香族基のうち、前記高分子化合物の電荷注入性の観点から、前記式(1)〜(36)、前記式(41)〜(44)、前記式(47)〜(51)、前記式(53)〜(54)で表されるものが特に好ましい。
また、前記式(IV)中のQに含まれるアルキレン基、オキシアルキレン基およびジオキシアルキレン基としては、本発明にかかる前記高分子化合物においてさらに含まれていてもよい基として例示したアルキレン基、オキシアルキレン基およびジオキシアルキレン基が挙げられる。前記アルキレン基、オキシアルキレン基およびジオキシアルキレン基は置換基を有していてもよい。これらの2価の基のうち、前記高分子化合物の溶解性の観点からオキシアルキレン基およびジオキシアルキレン基が特に好ましい。
本発明にかかる前記高分子化合物を製造する場合、例えば、4,4’−ビピリジルと前記重合性化合物とを、必要に応じて有機溶媒に溶解した後、アルカリや適当な触媒を適宜用いて、有機溶媒の融点以上沸点以下の温度で反応させる重合方法を採用することができる。また、このような重合方法としては、例えば、J.Polym.Sci.Part A:Polymer Chemistry、第40巻、659頁(2002年)、およびOrg.Biomol.Chem.、第1巻、2661頁(2003年)などに記載された公知の方法を適宜採用することができる。
前記重合方法において用いられる有機溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの不飽和炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどのエーテル類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ピリジンなどのアミン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルモルホリンオキシドなどのアミド類が挙げられる。これらの有機溶媒は1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。これらの有機溶媒のうち、アミド類が好ましく、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドがより好ましい。
このような重合方法により得られた前記高分子化合物は、そのまま本発明の電子素子に用いてもよいし、金属塩によりイオン交換反応を行ってもよい。このとき用いられる金属塩としては、金属ハロゲン化物、金属水酸化物、スルホン酸金属塩、カルボン酸金属塩、次亜塩素酸金属塩、亜塩素酸金属塩、塩素酸金属塩、過塩素酸金属塩、チオシアン酸金属塩、金属シアン化物、硝酸金属塩、硫酸金属塩、リン酸金属塩、ホウ酸金属塩などが挙げられる。
次に、前記高分子化合物を含む電荷注入層の形成方法について説明する。前記高分子化合物を含む電荷注入層の好適な形成方法としては、前記高分子化合物を含有する溶液を用いた成膜方法が挙げられる。
前記高分子化合物を含有する溶液に用いる溶媒としては、水を除く、溶解度パラメーターが9.3以上の溶媒が好ましい。このような溶媒としては、メタノール(12.9)、エタノール(11.2)、2−プロパノール(11.5)、1−ブタノール(9.9)、t−ブチルアルコール(10.5)、アセトニトリル(11.8)、1,2−エタンジオール(14.7)、N,N−ジメチルホルムアミド(11.5)、ジメチルスルホキシド(12.8)、酢酸(12.4)、ニトロベンゼン(11.1)、ニトロメタン(11.0)、1,2−ジクロロエタン(9.7)、ジクロロメタン(9.6)、クロロベンゼン(9.6)、ブロモベンゼン(9.9)、ジオキサン(9.8)、炭酸プロピレン(13.3)、ピリジン(10.4)、二硫化炭素(10.0)、およびこれらの混合溶媒などが挙げられる。なお、前記括弧内の数値は当該溶媒の溶解度パラメーターの値を表す。また、例えば、溶媒1と溶媒2との混合溶媒の溶解度パラメーター(δ)は下記式:
δ=δ×φ+δ×φ
(式中、δは溶媒1の溶解度パラメーター、φは溶媒1の体積分率、δは溶媒2の溶解度パラメーター、φは溶媒2の体積分率を表す。)
により求めることができる。
前記成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法、ノズルコート法などが挙げられる。
本発明の電子素子において、前記高分子化合物を含む電荷注入層の膜厚としては、ピンホールが発生しないような厚さは必要であるが、使用する高分子化合物によって最適値が異なるため、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように適宜選択することが好ましい。このような膜厚としては、1nm〜1μmが好ましく、2nm〜500nmがより好ましく、2nm〜200nmがさらに好ましい。前記高分子化合物を含む電荷注入層の膜厚が前記下限未満になるとピンホールが発生しやすい傾向にあり、他方、前記上限を超えると電子素子の駆動電圧が高くなる傾向にある。
<電子素子>
次に、本発明の電子素子について説明する。本発明の電子素子は、第一の電極と、第二の電極と、該第一の電極と該第二の電極との間に配置された発光層または電荷分離層と、該発光層または該電荷分離層と前記第一の電極または前記第二の電極との間に配置された前記高分子化合物を含む電荷注入層とを備えるものである。
本発明の電子素子は、第一の電極と第二の電極との間に発光層を配置した場合には電界発光素子として使用することができ、第一の電極と第二の電極との間に電荷分離層を配置した場合には光電変換素子として用いることができる。
本発明にかかる前記高分子化合物は電荷注入性に優れるため、このような高分子化合物を含む層を電荷注入層として用いることによって変換効率に優れた電子素子を形成することが可能となる。その結果、電子素子が電界発光素子である場合には、高輝度で発光する素子が得られ、光電変換素子である場合には、光電変換効率が高い素子が得られる。
<電界発光素子>
本発明の電子素子が電界発光素子である場合(以下、「本発明の電界発光素子」という。)について説明する。本発明の電界発光素子は、陰極と、陽極と、該陰極と該陽極との間に配置された発光層と、前記陰極と該発光層との間または前記陽極と該発光層との間に配置された本発明にかかる前記高分子化合物を含む電荷注入層とを備えるものである。本発明の電界発光素子は、基板をさらに備えていてもよく、この基板の上に、前記陰極、前記陽極、前記発光層、前記高分子化合物を含む電荷注入層、および必要に応じてその他の層が配置されたものである。
本発明の電界発光素子の一態様としては、基板上に配置された陽極と、その上に配置された発光層と、さらにその上に配置された陰極とを備え、前記陽極と前記発光層との間または前記陰極と前記発光層との間に前記高分子化合物を含む電荷注入層を備える素子が挙げられる。また、他の態様としては、基板上に配置された陰極と、その上に配置された発光層と、さらにその上に配置された陽極とを備え、前記陰極と前記発光層との間または前記陽極と前記発光層との間に前記高分子化合物を含む電荷注入層を備える素子が挙げられる。本発明の電界発光素子は、前記陰極と前記発光層との間または前記陽極と前記発光層との間に前記高分子化合物を含まない電荷注入層(以下、「その他の電荷注入層」という。)をさらに備えていてもよい。これらの電界発光素子において、陽極と発光層との間に配置された電荷注入層は正孔注入層として作用し、陰極と発光層との間に配置された電荷注入層は電子注入層として作用する。また、本発明の電界発光素子は、保護層、バッファー層、反射層などその他の機能を有する層を備えていてもよい。
本発明の電界発光素子は、陽極と発光層との間に、さらにインターレイヤーおよび正孔輸送層のうちの1層以上を備えていてもよい。特に、正孔注入層が存在する場合には、発光層と正孔注入層との間にインターレイヤーおよび正孔輸送層のうちの1層以上が配置されていることが好ましい。
また、本発明の電界発光素子は、陰極と発光層との間に、さらに電子輸送層および正孔ブロック層のうちの1層以上を備えていてもよい。特に、電子注入層が存在する場合には、発光層と電子注入層との間に電子輸送層および正孔ブロック層のうちの1層以上が配置されていることが好ましい。
ここで、陽極は、正孔注入層、正孔輸送層、インターレイヤー、発光層などに正孔を供給するものであり、陰極は、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層、発光層などに電子を供給するものである。
発光層とは、電界を印加した際に、陽極側に隣接する層より正孔を受け取り且つ陰極側に隣接する層より電子を受け取る機能、受け取った電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる機能、電子と正孔の再結合の場を提供し且つこれを発光につなげる機能を有する層をいう。
電子注入層とは、主として陰極から電子を受け取る機能を有し、さらに必要に応じて電子を輸送する機能または陽極から注入された正孔を障壁する機能を有する層をいう。電子輸送層とは、主として電子を輸送する機能を有し、さらに必要に応じて陰極から電子を受け取る機能または陽極から注入された正孔を障壁する機能を有する層をいう。正孔ブロック層とは、主として陽極から注入された正孔を障壁する機能を有し、さらに必要に応じて陰極から電子を受け取る機能または電子を輸送する機能を有する層をいう。
正孔注入層とは、主として陽極から正孔を受け取る機能を有し、さらに必要に応じて正孔を輸送する機能、発光層へ正孔を供給する機能または陰極から注入された電子を障壁する機能を有する層をいう。正孔輸送層とは、主として正孔を輸送する機能を有し、さらに必要に応じて陽極から正孔を受け取る機能、発光層へ正孔を供給する機能、または陰極から注入された電子を障壁する機能を有する層をいう。
インターレイヤーとは、陽極から正孔を受け取る機能、正孔を輸送する機能、発光層へ正孔を供給する機能および陰極から注入された電子を障壁する機能のうちの少なくとも1種の機能を有し、通常、発光層に隣接して配置され、発光層と陽極、または発光層と正孔注入層もしくは正孔輸送層とを隔離する役割を有する層をいう。
なお、本発明においては、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼び、電子注入層と正孔注入層を総称して電荷注入層と呼ぶ。
このような電界発光素子の採光タイプとしては、基板側から採光するボトムエミッションタイプ、基板と反対側から採光するトップエミッションタイプ、両面採光型が挙げられる。
また、このような電界発光素子を封止膜または封止基板で覆うことにより、電界発光素子が外気から遮断された発光装置を形成することができる。
以下、本発明の電界発光素子の詳細な構成について説明する。
本発明の電界発光素子の層構成としては下記の層構成(a)が挙げられる。この層構成(a)においては、正孔注入層または電子注入層が前記高分子化合物を含む層である。また、本発明の電界発光素子の層構成としては、前記高分子化合物を含む正孔注入層または電子注入層を備えるものであれば、この層構成(a)から、正孔注入層、正孔輸送層、インターレイヤー、正孔ブロック層、電子輸送層および電子注入層のうちの1層以上を省略した層構成も挙げられる。
(a)陽極−正孔注入層−(正孔輸送層および/またはインターレイヤー)−発光層−(正孔ブロック層および/または電子輸送層)−電子注入層−陰極
ここで、符号「−」は各層が隣接して配置されていることを示す。
「(正孔輸送層および/またはインターレイヤー)」は、正孔輸送層のみからなる層、インターレイヤーのみからなる層、正孔輸送層−インターレイヤーの層構成、インターレイヤー−正孔輸送層の層構成、またはその他の、正孔輸送層およびインターレイヤーをそれぞれ1層以上含む任意の層構成を示す。
「(正孔ブロック層および/または電子輸送層)」は、正孔ブロック層のみからなる層、電子輸送層のみからなる層、正孔ブロック層−電子輸送層の層構成、電子輸送層−正孔ブロック層の層構成、またはその他の、正孔ブロック層および電子輸送層をそれぞれ1層以上含む任意の層構成を示す。これらは、以下の層構成の説明においても同様である。
また、本発明の電界発光素子は、1個の積層構造中に2層の発光層を備えていてもよい。この場合、電界発光素子の層構成としては下記の層構成(b)が挙げられる。この層構成(b)においては、陽極に隣接する正孔注入層または陰極に隣接する電子注入層が前記高分子化合物を含む層である。また、本発明の電界発光素子の層構成としては、前記高分子化合物を含む正孔注入層または電子注入層を備えるものであれば、この層構成(b)から、正孔注入層、正孔輸送層、インターレイヤー、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層および電極のうちの1層以上を省略した層構成も挙げられる。
(b)陽極−正孔注入層−(正孔輸送層および/またはインターレイヤー)−発光層−(正孔ブロック層および/または電子輸送層)−電子注入層−電極−正孔注入層−(正孔輸送層および/またはインターレイヤー)−発光層−(正孔ブロック層および/または電子輸送層)−電子注入層−陰極
さらに、本発明の電界発光素子は、1個の積層構造中に3層以上の発光層を備えていてもよい。この場合、電界発光素子の層構成としては下記の層構成(c)が挙げられる。この層構成(c)においては、陽極に隣接する正孔注入層または陰極に隣接する電子注入層が前記高分子化合物を含む層である。また、本発明の電界発光素子の層構成としては、前記高分子化合物を含む正孔注入層または電子注入層を備えるものであれば、この層構成(c)から、正孔注入層、正孔輸送層、インターレイヤー、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層および電極のうちの1層以上を省略した層構成も挙げられる。
(c)陽極−正孔注入層−(正孔輸送層および/またはインターレイヤー)−発光層−(正孔ブロック層および/または電子輸送層)−電子注入層−繰返し単位A−繰返し単位A・・・−陰極
ここで、「繰返し単位A」は、電極−正孔注入層−(正孔輸送層および/またはインターレイヤー)−発光層−(正孔ブロック層および/または電子輸送層)−電子注入層の層構成の単位を示す。
本発明の電界発光素子の層構成の好ましい例としては、下記のものが挙げられる。
(d)陽極−電荷注入層−発光層−陰極
(e)陽極−発光層−電荷注入層−陰極
(f)陽極−電荷注入層−発光層−電荷注入層−陰極
(g)陽極−電荷注入層−正孔輸送層−発光層−陰極
(h)陽極−正孔輸送層−発光層−電荷注入層−陰極
(i)陽極−電荷注入層−正孔輸送層−発光層−電荷注入層−陰極
(j)陽極−電荷注入層−発光層−電子輸送層−陰極
(k)陽極−発光層−電子輸送層−電荷注入層−陰極
(l)陽極−電荷注入層−発光層−電子輸送層−電荷注入層−陰極
(m)陽極−電荷注入層−正孔輸送層−発光層−電子輸送層−陰極
(n)陽極−正孔輸送層−発光層−電子輸送層−電荷注入層−陰極
(o)陽極−電荷注入層−正孔輸送層−発光層−電子輸送層−電荷注入層−陰極
また、これら構造の各一について、発光層と陽極との間に、発光層に隣接してインターレイヤーを配置した構造も挙げられる。なお、この場合、インターレイヤーが正孔注入層および/または正孔輸送層を兼ねてもよい。
本発明の電界発光素子は、さらに電極との密着性向上や電極からの電荷(すなわち、正孔または電子)の注入性の改善のために、電極に隣接して絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止などのために電荷輸送層(すなわち、正孔輸送層もしくは電子輸送層)または発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。積層する層の順番や数、および各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜設定することができる。
次に、本発明の電界発光素子を構成する各層の材料および形成方法について説明する。
<基板>
本発明の電界発光素子を構成する基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよく、例えば、ガラス基板、プラスチック基板、高分子フィルム、金属フィルム、シリコン基板、これらを積層したものなどが用いられる。前記基板としては、市販のものが入手可能であり、または公知の方法により製造することができる。
本発明の電界発光素子がディスプレイ装置の画素を構成する際には、当該基板上に画素駆動用の回路が設けられていてもよいし、当該駆動回路上に平坦化膜が設けられていてもよい。平坦化膜が設けられる場合には、この平坦化膜の中心線平均粗さ(Ra)がRa<10nmを満たすことが好ましい。なお、Raは、日本工業規格JISのJIS−B0601−2001に基づいて、JIS−B0651からJIS−B0656およびJIS−B0671−1などを参考に計測できる。
<陽極>
本発明の電界発光素子を構成する陽極は、正孔注入層、正孔輸送層、インターレイヤー、発光層などへの正孔供給性の観点から、陽極の発光層側表面の仕事関数が4.0eV以上のものが好ましい。
陽極の材料には、金属、合金、金属酸化物、金属硫化物などの電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。具体的には、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化モリブデンなどの導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケルなどの金属、およびこれらの導電性金属酸化物と金属との混合物などが挙げられる。
前記陽極は、これら材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。多層構造である場合は、仕事関数が4.0eV以上である材料を発光層側の最表面層に用いることがより好ましい。
陽極の作製方法としては、公知の方法が利用でき、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法などが挙げられる。これらの方法により作製された陽極には、必要に応じてUVオゾン、シランカップリング剤、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタンなどの電子受容性化合物を含む溶液などで表面処理を施してもよい。表面処理によってこの陽極に接する有機層との電気的接続を改善することができる。
陽極の膜厚は、通常10nm〜10μmであり、好ましくは50nm〜500nmである。また、短絡などの電気的接続の不良を防止する観点から、陽極の発光層側表面の中心線平均粗さ(Ra)はRa<10nmを満たすことが好ましく、Ra<5nmを満たすことがより好ましい。
本発明の電界発光素子において陽極を光反射電極として用いる場合には、この陽極は、高光反射性金属からなる光反射層と4.0eV以上の仕事関数を有する材料とを含む高仕事関数材料層を組み合わせた多層構造を有するものであることが好ましい。
このような陽極の構成例としては、
(i) Ag−MoO
(ii)(Ag−Pd−Cu合金)−(ITOおよび/またはIZO)
(iii)(Al−Nd合金)−(ITOおよび/またはIZO)
(iv)(Mo−Cr合金)−(ITOおよび/またはIZO)
(v)(Ag−Pd−Cu合金)−(ITOおよび/またはIZO)−MoO
などが挙げられる。十分な光反射率を得るためには、Al、Ag、Al合金、Ag合金、Cr合金などの高光反射性金属層の膜厚は50nm以上であることが好ましく、80nm以上であることがより好ましい。ITO、IZO、MoOなどの高仕事関数材料層の膜厚は、通常5nm〜500nmである。
<正孔注入層>
本発明の電界発光素子を構成する正孔注入層のうち、本発明にかかる前記高分子化合物を含まない正孔注入層、すなわち、その他の正孔注入層を形成する材料としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、スターバースト型アミン、フタロシアニン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、有機シラン誘導体、およびこれらの構造を含む重合体が挙げられる。また、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウムなどの導電性金属酸化物、ポリアニリン、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェンなどの導電性高分子およびオリゴマー、ポリ(3、4−エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルフォン酸、ポリピロールなどの有機導電性材料およびこれらを含む重合体、アモルファスカーボンなどを挙げることができる。さらに、テトラシアノキノジメタン誘導体(例えば、2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン)、1,4−ナフトキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、ポリニトロ化合物などのアクセプター性有機化合物、オクタデシルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤なども好適に使用できる。
前記材料は単一の成分で用いても複数の成分からなる組成物として用いてもよい。また、前記その他の正孔注入層は、前記材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。また、後述する正孔輸送層およびインターレイヤーで用いることができる材料として例示する材料も前記その他の正孔注入層で用いることができる。
前記その他の正孔注入層の成膜方法としては、公知の種々の方法が利用できる。無機化合物材料の場合は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられ、低分子有機材料の場合は、真空蒸着法、レーザー転写や熱転写などの転写法、溶液からの成膜による方法(高分子バインダーとの混合溶液を用いてもよい)などが挙げられる。また、高分子有機材料の場合は、溶液からの成膜による方法が挙げられる。
正孔注入材料が、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などの低分子化合物の場合には、真空蒸着法によりその他の正孔注入層を形成することができる。
また、本発明にかかる前記高分子化合物以外の高分子化合物バインダーと前記低分子正孔注入材料を分散させた混合溶液を用いて前記その他の正孔注入層を形成することもできる。混合する前記高分子化合物バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また、可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。前記高分子化合物バインダーとしては、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)およびその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)およびその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサンなどが挙げられる。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、前記正孔注入材料を溶解させるものであればよい。このような溶媒としては、水、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタンなどの含塩素溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテートなどのエステル溶媒が挙げられる。
溶液からの成膜方法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法などの印刷法といった塗布法を用いることができるが、パターン形成が容易であるという点で、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法などの印刷法やノズルコート法が好ましい。
前記その他の正孔注入層の膜厚としては、ピンホールが発生しないような厚さが必要であるが、使用する材料によって最適値が異なるため、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択することが好ましい。このような膜厚としては、1nm〜1μmが好ましく、2nm〜500nmがより好ましく、10nm〜100nmがさらに好ましい。前記その他の正孔注入層の膜厚が前記下限未満になるとピンホールが発生しやすい傾向にあり、他方、前記上限を超えると電界発光素子の駆動電圧が高くなる傾向にある。
本発明の電子発光素子において、本発明にかかる前記高分子化合物を含む正孔注入層や前記その他の正孔注入層に続いて、正孔輸送層、インターレイヤー、発光層などの有機層を形成する場合、特に、両方の層を塗布法によって形成する場合においては、先に塗布した層が後から塗布する層の溶液に含まれる溶媒に溶解して積層構造を形成できなくなることがある。この場合には、下層を溶媒に対して不溶化する方法を用いることが好ましい。溶媒に対して不溶化する方法としては、高分子化合物に架橋基を導入し、これを架橋させて不溶化する方法、芳香族ビスアジドに代表される芳香環を有する架橋基を持った低分子化合物を架橋剤として混合し、これを架橋させて不溶化する方法、アクリレート基に代表される芳香環を有しない架橋基を持った低分子化合物を架橋剤として混合し、これを架橋させて不溶化する方法、下層を紫外光に感光させて架橋させ、上層の形成に用いる溶媒に対して不溶化する方法、下層を加熱して架橋させ、上層の形成に用いる溶媒に対して不溶化する方法などが挙げられる。下層を加熱する場合の加熱の温度は通常100℃〜300℃であり、時間は通常1分〜1時間である。
また、架橋以外の方法で下層を溶解させずに積層する方法としては、隣り合った層の形成に異なる極性の溶液を用いる方法が挙げられる。例えば、下層に水溶性の高分子化合物を用い、上層に油溶性の高分子化合物を用いて、上層用の溶液を塗布しても下層が溶解しないようにする方法などが挙げられる。
<正孔輸送層およびインターレイヤー>
本発明の電界発光素子を構成する正孔輸送層およびインターレイヤーを形成する材料としては、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、有機シラン誘導体、およびこれらの構造を含む重合体が挙げられる。また、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェンなどの導電性高分子およびオリゴマー、ポリピロールなどの有機導電性材料も挙げられる。
前記材料は単一の成分で用いても複数の成分からなる組成物として用いてもよい。また、前記正孔輸送層および前記インターレイヤーは、前記材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。また、前記その他の正孔注入層で用いることができる材料として例示した材料も正孔輸送層で用いることができる。
また、特開昭63−70257号公報、特開昭63−175860号公報、特開平2−135359号公報、特開平2−135361号公報、特開平2−209988号公報、特開平3−37992号公報、特開平3−152184号公報、特開平5−263073号公報、特開平6−1972号公報、国際公開第2005/52027号パンフレット、特開2006−295203号公報などに記載された化合物が正孔輸送層およびインターレイヤーの材料として使用できる。中でも、繰り返し単位として2価の芳香族アミン残基を含む重合体が好ましい。
前記2価の芳香族アミン残基としては、下記式(V)で表される基が挙げられる。
Figure 0005428034
前記式(V)中、Ar、Ar、ArおよびArは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリーレン基または置換基を有していてもよい2価の複素環基を表し、Ar、ArおよびArは置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよい1価の複素環基を表し、mおよびnは、それぞれ独立に、0または1を表す。
前記アリーレン基、アリール基、2価の複素環基および1価の複素環基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基、アリールアルキルチオ基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、酸イミド基、イミン残基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、置換シリルチオ基、置換シリルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、1価の複素環基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールアルキルオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、カルボキシル基などが挙げられる。前記置換基は、ビニル基、アセチレン基、ブテニル基、アクリル基、アクリレート基、アクリルアミド基、メタクリル基、メタクリレート基、メタクリルアミド基、ビニルエーテル基、ビニルアミノ基、シラノール基、小員環(シクロプロピル基、シクロブチル基、エポキシ基、オキセタン基、ジケテン基、エピスルフィド基など)を有する基、ラクトン基、ラクタム基、またはシロキサン誘導体の構造を含有する基などの架橋基であってもよい。
繰り返し単位として2価の芳香族アミン残基を含む重合体は、さらに他の繰り返し単位を有していてもよい。他の繰り返し単位としては、フェニレン基、フルオレンジイル基などのアリーレン基などが挙げられる。なお、これらの重合体のうち、架橋基を含んでいるものがより好ましい。
正孔輸送層およびインターレイヤーの成膜方法としては、前記その他の正孔注入層の成膜方法と同様の方法が挙げられる。溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、バーコート法、スリットコート法、スプレーコート法、ノズルコート法などの塗布法、およびグラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、インクジェットプリント法などの印刷法が挙げられ、昇華性化合物材料を用いる場合には、真空蒸着法、転写法などが挙げられる。溶液からの成膜に用いる溶媒としては、前記その他の正孔注入層の成膜方法で例示した溶媒が挙げられる。
正孔輸送層およびインターレイヤーに続いて、発光層などの有機層を塗布法にて形成する際に、下層が後から塗布する層の溶液に含まれる溶媒に溶解する場合は、正孔注入層の成膜方法において例示した方法と同様の方法で下層を溶媒に対して不溶化することが好ましい。
正孔輸送層およびインターレイヤーの膜厚は、ピンホールが発生しないような厚さが必要であるが、使用する材料によって最適値が異なるため、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択することが好ましい。このような膜厚としては、1nm〜1μmが好ましく、2nm〜500nmがより好ましく、5nm〜100nmがさらに好ましい。前記正孔輸送層およびインターレイヤーの膜厚が前記下限未満になるとピンホールが発生しやすい傾向にあり、前記上限を超えると電界発光素子の駆動電圧が高くなる傾向にある。
<発光層>
本発明の電界発光素子において発光層が高分子化合物材料を含むものである場合、この高分子化合物材料としては、ポリフルオレン誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリジアルキルフルオレン、ポリフルオレンベンゾチアジアゾール、ポリアルキルチオフェンなどの共役高分子化合物が好ましい。
また、これらの高分子化合物材料を含む発光層は、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系色素化合物や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドンなどの低分子色素化合物を含有していてもよい。また、ナフタレン誘導体、アントラセンおよびその誘導体、ペリレンおよびその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエンおよびその誘導体、またはテトラフェニルブタジエンおよびその誘導体、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウムなどの燐光を発光する金属錯体を含有していてもよい。
本発明の電界発光素子を構成する発光層は、前記有機色素や前記金属錯体などの発光性有機化合物と非共役高分子化合物とを含む組成物によって構成されていてもよい。このような非共役高分子化合物としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂が挙げられる。
また、前記非共役高分子化合物は側鎖にカルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン化合物、ポルフィリン化合物および有機シラン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体または化合物から誘導される構造を有していてもよい。
一方、発光層が低分子化合物材料を含むものである場合、この低分子化合物材料としては、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、カルバゾール、キナクリドンなどの低分子色素化合物、ナフタレン誘導体、アントラセンおよびその誘導体、ペリレンおよびその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系、インジゴ系などの色素類、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、フタロシアニンおよびその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエンおよびその誘導体、テトラフェニルブタジエンおよびその誘導体などが挙げられる。
発光層が燐光を発光する金属錯体を含む場合、このような金属錯体としては、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム、チエニルピリジン配位子含有イリジウム錯体、フェニルキノリン配位子含有イリジウム錯体、トリアザシクロノナン骨格含有テルビウム錯体などが挙げられる。
発光層に用いられる高分子化合物材料としては、国際公開第97/09394号パンフレット、国際公開第98/27136号パンフレット、国際公開第99/54385号パンフレット、国際公開第00/22027号パンフレット、国際公開第01/19834号パンフレット、英国特許出願公開第2340304号明細書、英国特許第2348316号明細書、米国特許第573636号明細書、米国特許第5741921号明細書、米国特許第5777070号明細書、欧州特許第0707020号明細書、特開平9−111233号公報、特開平10−324870号公報、特開平2000−80167号公報、特開2001−123156号公報、特開2004−168999号公報、特開2007−162009号公報、「有機EL素子の開発と構成材料」(シーエムシー出版、2006年発行)などに開示されているポリフルオレン、その誘導体および共重合体、ポリアリーレン、その誘導体および共重合体、ポリアリーレンビニレン、その誘導体および共重合体、芳香族アミンおよびその誘導体の(共)重合体が挙げられる。
また、低分子化合物材料としては、特開昭57−51781号公報、「有機薄膜仕事関数データ集[第2版]」(シーエムシー出版、2006年発行)、「有機EL素子の開発と構成材料」(シーエムシー出版、2006年発行)などに記載されている化合物が挙げられる。
前記材料は単一の成分で用いても複数の成分からなる組成物として用いてもよい。また、前記発光層は、前記材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
発光層の成膜方法としては、前記その他の正孔注入層の成膜方法と同様の方法が挙げられる。溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、バーコート法、スリットコート法、スプレーコート法、ノズルコート法などの塗布法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、インクジェットプリント法などの印刷法が挙げられ、昇華性化合物材料を用いる場合には、真空蒸着法、転写法などが挙げられる。溶液からの成膜に用いる溶媒としては、前記その他の正孔注入層の成膜方法で例示した溶媒が挙げられる。
発光層に続いて、電子輸送層などの有機層を塗布法にて形成する際に、下層が後から塗布する層の溶液に含まれる溶媒に溶解する場合は、正孔注入層の成膜方法において例示した方法と同様の方法で下層を溶媒に対して不溶化にすることが好ましい。
発光層の膜厚は、ピンホールが発生しないような厚さが必要であるが、使用する材料によって最適値が異なるため、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択することが好ましい。このような膜厚としては、5nm〜1μmが好ましく、10nm〜500nmがより好ましく、30nm〜200nmがさらに好ましい。前記発光層の膜厚が前記下限未満になるとピンホールが発生しやすい傾向にあり、前記上限を超えると電界発光素子の駆動電圧が高くなる傾向にある。
<電子輸送層および正孔ブロック層>
本発明の電界発光素子を構成する電子輸送層および正孔ブロック層を形成する材料としては、公知のものが使用でき、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレンなどの芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体などが挙げられる。これらのうち、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、または8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体が好ましい。
前記材料は単一の成分で用いても複数の成分からなる組成物として用いてもよい。また、前記電子輸送層および前記正孔ブロック層は、前記材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。また、後述するその他の電子注入層で用いることができる材料として例示する材料も電子輸送層および正孔ブロック層で用いることができる。
電子輸送層および正孔ブロック層の成膜方法としては、前記その他の正孔注入層の成膜方法と同様の方法が挙げられる。溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、バーコート法、スリットコート法、スプレーコート法、ノズルコート法などの塗布法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、インクジェットプリント法などの印刷法が挙げられ、昇華性化合物材料を用いる場合には、真空蒸着法、転写法などが挙げられる。溶液からの成膜に用いる溶媒としては、前記その他の正孔注入層の成膜方法で例示した溶媒が挙げられる。
電子輸送層および正孔ブロック層に続いて、電子注入層などの有機層を塗布法にて形成する際に、下層が後から塗布する層の溶液に含まれる溶媒に溶解する場合は、正孔注入層の成膜方法において例示した方法と同様の方法で下層を溶媒に対して不溶化することが好ましい。
電子輸送層および正孔ブロック層の膜厚は、ピンホールが発生しないような厚さが必要であるが、使用する材料によって最適値が異なるため、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択することが好ましい。このような膜厚としては、1nm〜1μmが好ましく、2nm〜500nmがより好ましく、5nm〜100nmがさらに好ましい。前記電子輸送層および正孔ブロック層の膜厚が前記下限未満になるとピンホールが発生しやすい傾向にあり、他方、前記上限を超えると電界発光素子の駆動電圧が高くなる傾向にある。
<電子注入層>
本発明の電界発光素子を構成する電子注入層のうち、本発明にかかる前記高分子化合物を含まない電子注入層、すなわち、その他の電子注入層を形成する材料としては、公知のものが使用でき、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレンなどの芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体などが挙げられる。
前記材料は単一の成分で用いても複数の成分からなる組成物として用いてもよい。また、前記その他の電子注入層は、前記材料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。また、前記電子輸送層および前記正孔ブロック層で用いることができる材料として例示した材料も前記その他の電子注入層で用いることができる。
前記その他の電子注入層の成膜方法としては、前記その他の正孔注入層の成膜方法と同様の方法が挙げられる。溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、バーコート法、スリットコート法、スプレーコート法、ノズルコート法などの塗布法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、インクジェットプリント法などの印刷法が挙げられ、昇華性化合物材料を用いる場合には、真空蒸着法、転写法などが挙げられる。溶液からの成膜に用いる溶媒としては、前記その他の正孔注入層の成膜方法で例示した溶媒が挙げられる。
前記その他の電子注入層の膜厚は、ピンホールが発生しないような厚さが必要であるが、使用する材料によって最適値が異なるため、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択することが好ましい。このような膜厚としては、1nm〜1μmが好ましく、2nm〜500nmがより好ましく、5nm〜100nmがさらに好ましい。前記その他の電子注入層の膜厚が前記下限未満になるとピンホールが発生しやすい傾向にあり、他方、前記上限を超えると電界発光素子の駆動電圧が高くなる傾向にある。
<陰極>
本発明の電界発光素子において、陰極は、発光層、電子輸送層、正孔ブロック層、電子注入層などに隣接して、これらの層へ電子を供給する機能を有するものである。陰極は、単一の材料または複数の材料からなる単層構造であってもよいし、複数層からなる多層構造であってもよい。多層構造である場合、第一陰極層とカバー陰極層の2層構造または第一陰極層、第二陰極層およびカバー陰極層の3層構造が好ましい。ここで、第一陰極層は、陰極の中で最も発光層側にある層をいい、カバー陰極層は2層構造の場合は第一陰極層を、3層構造の場合は第一陰極層と第二陰極層を覆う層をいう。
前記陰極のうち、電子供給能の観点から、第一陰極層の材料の仕事関数が3.5eV以下のものが好ましい。第一陰極層の材料としては、仕事関数が3.5eV以下である、金属の酸化物、フッ化物、炭酸化物、複合酸化物などが好適に用いられる。また、カバー陰極層の材料には、抵抗率が低く、水分への耐腐食性が高い金属、金属酸化物などが好適に用いられる。
第一陰極層の材料としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属、前記金属を1種類以上含む合金、前記金属の酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物、複合酸化物、およびこれらの混合物などが挙げられる。前記アルカリ金属またはその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物、複合酸化物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化ルビジウム、酸化セシウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ルビジウム、フッ化セシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、モリブデン酸カリウム、チタン酸カリウム、タングステン酸カリウム、モリブデン酸セシウムなどが挙げられる。前記アルカリ土類金属またはその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物、複合酸化物としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸化バリウム、モリブデン酸バリウム、タングステン酸バリウムなどが挙げられる。前記アルカリ金属または前記アルカリ土類金属を1種類以上含む合金としては、Li−Al合金、Mg−Ag合金、Al−Ba合金、Mg−Ba合金、Ba−Ag合金、Ca−Bi−Pb−Sn合金などが挙げられる。また、第一陰極層の材料として例示した材料と電子注入層を構成する材料として例示した材料とを含む組成物も第一陰極層に使用できる。第二陰極層の材料としては、第一陰極層の材料と同様の材料が挙げられる。
カバー陰極層材料としては、金、銀、銅、アルミニウム、クロム、スズ、鉛、ニッケル、チタンなどの低抵抗金属およびこれらを含む合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化モリブデンなどの導電性金属酸化物、さらにこれらの導電性金属酸化物と金属との混合物などが挙げられる。
陰極が多層構造である場合の例としては、Mg/Al、Ca/Al、Ba/Al、NaF/Al、KF/Al、RbF/Al、CsF/Al、NaCO/Al、KCO/Al、CsCO/Alなどの第一陰極層/カバー陰極層の2層構造、LiF/Ca/Al、NaF/Ca/Al、KF/Ca/Al、RbF/Ca/Al、CsF/Ca/Al、Ba/Al/Ag、KF/Al/Ag、KF/Ca/Ag、KCO/Ca/Agなどの第一陰極層/第二陰極層/カバー陰極層の3層構造が挙げられる(ここで、符号「/」は各層が隣接している事を示す)。なお、第二陰極層の材料が第一陰極層の材料に対して還元作用を有することが好ましい。ここで、材料間の還元作用の有無・程度は、例えば、化合物間の結合解離エネルギー(ΔrH°)から見積もることができる。すなわち、第二陰極層を構成する材料による、第一陰極層を構成する材料に対する還元反応において、結合解離エネルギーが正であるような組み合わせである場合、第二陰極層の材料が第一陰極層の材料に対して還元作用を有するといえる。結合解離エネルギーは、例えば「電気化学便覧第5版」(丸善、2000年発行)、「熱力学データベースMALT」(科学技術社、1992年発行)などで参照できる。
陰極の作製においては公知の種々の方法が利用でき、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。金属、金属の酸化物、フッ化物、炭酸化物を用いる場合は真空蒸着法が多用され、高沸点の金属酸化物、金属複合酸化物や酸化インジウムスズ(ITO)などの導電性金属酸化物を用いる場合は、スパッタリング法、イオンプレーティング法が多用される。異種材料との組成物を成膜する場合には、共蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが用いられる。特に、低分子有機物と金属または金属の酸化物、フッ化物、炭酸化物とを含む組成物を成膜する場合には共蒸着法が適する。
陰極の膜厚は、用いる材料、層構造によって最適値が異なり、駆動電圧、発光効率、素子寿命が適度な値となるように選択すればよい。通常、第一陰極層の膜厚は0.5nm〜20nmであり、カバー陰極層の膜厚は10nm〜1μmである。第一陰極層にBaまたはCa、カバー陰極層にAlを用いる場合、BaまたはCaの膜厚は2nm〜10nm、Alの膜厚は10nm〜500nmであることが好ましく、第一陰極層にNaFまたはKF、カバー陰極層にAlを用いる場合、NaFまたはKFの膜厚は1nm〜8nm、Alの膜厚は10nm〜500nmであることが好ましい。
本発明の電界発光素子において陰極を光透過性電極として用いる場合には、カバー陰極層の可視光透過率が40%以上、好ましくは50%以上であることが好ましい。この可視光透過率は、カバー陰極層材料として酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化モリブデンなどの透明導電性金属酸化物を用いるか、或いは、金、銀、銅、アルミニウム、クロム、スズ、鉛などの低抵抗金属およびこれらを含む合金を用いたカバー陰極層の膜厚を30nm以下にすることで達成することができる。第一陰極層にBaを5nm、第二陰極層にAlを1nm、カバー陰極層にAgを15nm積層させた陰極構造の場合、陰極の可視光透過率は50%となる。
また、陰極側からの光透過率を向上させるために、陰極のカバー陰極層上に反射防止層を設けてもよい。反射防止層に用いられる材料としては、屈折率が1.8〜3.0である材料が好ましく、ZnS、ZnSe、WOなどが挙げられる。反射防止層の膜厚は、材料の組み合せによって異なるが、通常10nm〜150nmである。第一陰極層としてBaを5nm、第二陰極層としてAlを1nm、カバー陰極層としてAgを15nm積層させた場合、カバー陰極層に接して反射防止層としてWOを21nm積層させると、発光層側からの光透過率は10%程度向上する。
<絶縁層>
本発明の電界発光素子は、絶縁層を備えていてもよい。絶縁層の膜厚は5nm以下であり、このような絶縁層は、電極との密着性向上、電極からの電荷(即ち正孔または電子)注入改善、隣接層との混合防止などの機能を有するものである。前記絶縁層の材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料(ポリメチルメタクリレートなど)などが挙げられる。膜厚5nm以下の絶縁層を設けた電界発光素子としては、陰極に隣接して膜厚5nm以下の絶縁層を設けたもの、陽極に隣接して膜厚5nm以下の絶縁層を設けたものが挙げられる。
本発明の電界発光素子は、例えば、基板上に各層を順次積層することにより製造することができる。具体的には、基板上に陽極を形成し、その上に正孔注入層を形成し、必要に応じてその上に正孔輸送層、インターレイヤーなどの層を形成し、その上に発光層を形成し、必要に応じてその上に電子輸送層、正孔ブロック層などの層を形成し、その上に電子注入層を形成し、さらにその上に陰極を形成することにより製造することができる。
また、本発明の電界発光素子を用いることにより、高輝度のディスプレイ装置を製造することができる。このディスプレイ装置は、本発明の電界発光素子を1画素単位として備えるものである。画素単位の配列の態様は、テレビなどのディスプレイ装置で通常採られる配列とすることができ、多数の画素が共通の基板上に配列された態様とすることができる。このようなディスプレイ装置において、基板上に配列される画素は、バンクで規定される画素領域内に形成することができる。
前記ディスプレイ装置は、発光層などを挟んで基板と反対側に、封止部材を備えることができる。また、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターなどのフィルター、画素の駆動に必要な回路および配線などの、ディスプレイ装置を構成するための任意の部材を備えることができる。
<光電変換素子>
次に、本発明の電子素子が光電変換素子である場合(以下、「本発明の光電変換素子」という。)について説明する。本発明の光電変換素子は、陰極と、陽極と、該陰極と該陽極との間に配置された電荷分離層と、前記陰極と該電荷分離層との間または前記陽極と該電荷分離層との間に配置された本発明にかかる前記高分子化合物を含む電荷注入層とを備えるものである。
本発明の光電変換素子の電荷分離層には、電子供与性化合物と電子受容性化合物とが含まれている。電子供与性化合物としては、共役高分子化合物が挙げられ、チオフェンジイル基を含む高分子化合物、フルオレンジイル基を含む高分子化合物などが好ましい。また、電子受容性化合物としては、フラーレンおよびフラーレン誘導体などが挙げられる。
本発明の光電変換素子は、通常は支持基板上に形成される。このような支持基板としては有機光電変換素子としての特性を阻害しないものであればよく、ガラス基板やフレキシブルなフィルム基板やプラスチック基板を用いることができる。
本発明の光電変換素子は、公知の方法、例えば、Synth.Met.,102,982(1999)やScience,270,1789(1995)に記載の方法により製造することができる。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明を説明する。なお、重合体の構造分析および分子量測定は以下の方法により実施した。
<重合体の構造分析>
重合体を20mg/mLの濃度になるように重メタノールに溶解し、NMRスペクトロメーター(実施例1:日本電子(JEOL)(株)製「EX−270」、調製例1:Varian社製「300MHzNMRスペクトロメーター」)を用いてH−NMR測定を行った。
<重合体の分子量測定>
実施例1では、前記H−NMR測定において得られたNMRチャートから積分比を算出し、得られた積分比から重合体の分子量を求めた。調製例1では、重合体の濃度が約0.5質量%になるように重合体を含む溶液にテトラヒドロフランを添加して重合体を溶解させ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製「HLC−8220GPC」、カラム:TSKgel SuperMultipore HZ−M、TSKgel guard column Super MPHZ−M)を用いて標準ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量を求めた。GPCにおけるサンプル注入量は50μlとし、GPCの移動相としてはテトラヒドロフラン(流速:0.5ml/min)を用いた。
(実施例1)
ポリビオロゲン(高分子化合物1)の合成
ジエチレングリコール(3.4g、32mmol)、トリエチルアミン(1.62g、16mmol)を100mLのナスフラスコに入れ、ジクロロメタン(40ml)に溶解した後、p−塩化トルエンスルホニル(1.53g、8mmol)のジクロロメタン(20ml)溶液を前記ナスフラスコに滴下した。得られた溶液を室温で20時間攪拌した後、反応溶液を1mol/Lの硫酸水素カリウム水溶液と5質量%の炭酸水素ナトリウム水溶液で分液抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた溶液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液として酢酸エチル:ヘキサン=9:1の混合液を使用)により精製し、カラム処理液を減圧濃縮することにより透明なオイル(1.31g)を得た。
次に、このオイル(1.31g)とアントラルフィン(0.41g、1.7mmol)、トリフェニルホスフィン(1.31g、5.0mmol)を50mLのシュレンクフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴンで置換し、0℃に冷却した。このシュレンクフラスコにテトラヒドロフラン(10ml)を添加した後、テトラヒドロフラン5mlで希釈したアゾジカルボン酸ジエチルのトルエン溶液(2.2mol/l、2.3ml)を滴下し、1日間攪拌した。反応溶液を濃縮した後、ジクロロメタンを加えて水で分液抽出した。有機層を抽出後、抽出液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液として酢酸エチル:ヘキサン=5:1の混合液を使用)により精製し、カラム処理液を減圧濃縮することにより黄色粉末(0.53g)を得た。
次に、この黄色粉末(0.53g、0.7mmol)と4,4’−ビピリジル(0.11g、0.7mmol)を20mLのナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴンで置換した。このナスフラスコにN,N’−ジメチルホルムアミド(5ml)を添加し、80℃で5日間攪拌した。反応溶液を濃縮した後、濃縮液を酢酸エチルに添加した。生じた沈殿物を濾過により収集し、減圧乾燥することにより高分子化合物1(426mg)を得た。得られた高分子化合物1をH−NMR測定により同定し、下記式(P1):
Figure 0005428034
で表される繰り返し単位を有することを確認した。その結果を以下に示す。
H−NMR(270MHz、溶媒:重メタノール):2.34、2.66、2.69、2.89、3.33、3.36、3.76、3.78、3.9〜4.0(br)、4.1〜4.4(br)、4.78、7.18、7.21、7.32、7.35、7.38〜7.42(br)、7.68、7.71、7.75〜7.82(br)、7.88、7.90、8.2〜8.3(br)、8.3〜8.5(br)、8.99、9.02、9.08〜9.13(br)、9.17〜9.26(br)
また、得られたNMRチャートから高分子化合物1の分子量を算出したところ、1643であった。
(調製例1)
ポリウレタンナトリウム塩(高分子化合物2)の合成
1,3−ブタンジオール(1.0g)、ジブチルスズジラウレート(7.5mg)、ジメチルオールプロピオン酸(0.5g)を100mLのフラスコに入れ、ジメチルホルムアミド(50mL)を添加し、90℃で30分間撹拌した。得られた溶液にイソホロンジイソシアネート(3.3g)を添加し、90℃で3時間加熱した。この段階で、得られた重合体を含む溶液について前記方法に従ってGPC測定を行い、重合体の分子量を算出したところ、数平均分子量は1900であり、重量平均分子量は3000であった。その後、60℃に降温し、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和した。さらに60℃で1時間撹拌した後、溶媒を留去することにより白色固体のポリウレタンナトリウム塩(2.0g)(以下、「高分子化合物2」という。)を得た。得られた高分子化合物2をH−NMR測定により同定し、下記式(P2):
Figure 0005428034
で表される繰り返し単位を有することを確認した。その結果を以下に示す。
H−NMR(300MHz、溶媒:重メタノール):0.94、0.99、1.04、1.07、1.13、1.18、1.20、1.23、1.25、1.5〜1.7(br)、1.7〜1.8(br)、1.84、2.84、2.86、2.88、2.91、3.6〜3.8(br)、3.8〜3.9(br)、4.0〜4.2(br)、7.98、8.55
(実施例2)
電界発光素子の作製
陽極としてITOが成膜パターニングされたガラス基板のITO陽極上に、正孔注入材料溶液としてポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルフォン酸溶液(スタルクヴイテック(株)製「Baytron」)を用いて膜厚が60nmになるようにスピンコート法により塗布し、塗膜を形成した。この塗膜を形成した基板を空気中、200℃で10分間加熱して塗膜を不溶化させた。その後、基板を室温まで自然冷却させてITO陽極上に正孔注入層を形成した。
次に、正孔輸送性高分子材料である、繰り返し単位として2価の芳香族アミン残基および架橋基を含む重合体(国際公開第2005/052027号パンフレットの実施例1〜2に従って合成した重合体(P1))とキシレンとを混合し、正孔輸送性高分子材料を0.7質量%含有する正孔輸送層形成用組成物を得た。
正孔注入層を形成した前記基板の正孔注入層上に、この正孔輸送層形成用組成物をスピンコート法により塗布し、膜厚20nmの塗膜を形成した。この塗膜を形成した基板を不活性(窒素)ガス雰囲気下、190℃で20分間加熱し、塗膜を不溶化させた。その後、基板を室温まで自然冷却させて正孔注入層上に正孔輸送層を形成した。
次に、発光高分子材料(サメイション(株)製「BP361」)とキシレンとを混合し、発光高分子材料を1.4質量%含有する発光層形成用組成物を得た。
正孔輸送層を形成した前記基板の正孔輸送層上に、この発光層形成用組成物をスピンコート法により塗布し、膜厚80nmの塗膜を形成した。この塗膜を形成した基板を不活性(窒素)ガス雰囲気下、130℃で20分間加熱して溶媒を蒸発させた後、基板を室温まで自然冷却させて正孔輸送層上に発光層を形成した。
次に、電荷注入材料である前記高分子化合物1とメタノールとを混合し、高分子化合物1を0.2質量%含有する電荷注入層形成用組成物を得た。
発光層を形成した前記基板の発光層上に、この電荷注入層形成用組成物をスピンコート法により塗布し、膜厚10nmの塗膜を形成した。この塗膜を形成した基板を不活性(窒素)ガス雰囲気下、100℃で10分間加熱して溶媒を蒸発させた後、基板を室温まで自然冷却させて発光層上に高分子化合物1を含む電荷注入層を形成した。
高分子化合物1を含む電荷注入層を形成した前記基板を真空装置内に装入し、真空蒸着法によって膜厚80nmのアルミニウム膜を形成して電荷注入層上に陰極を作製し、電界発光素子1を得た。
得られた電界発光素子1を真空装置より取り出し、不活性(窒素)ガス雰囲気下で、封止ガラスと2液混合型エポキシ樹脂を用いて封止し、発光装置1を得た。
(比較例1)
高分子化合物1の代わりに高分子化合物2を用いた以外は実施例2と同様にして電界発光素子2を作製し、これを封止して発光装置2を得た。
(比較例2)
高分子化合物1を含む電荷注入層を形成しなかった以外は実施例2と同様にして電界発光素子3を作製し、これを封止して発光装置3を得た。
(比較例3)
高分子化合物1の代わりに低分子化合物1として1,1’−ジ−n−オクチル−4,4’−ビピリジニウムジブロミド(東京化成(株)製)を用いた以外は実施例2と同様にして電界発光素子4を作製し、これを封止して発光装置4を得た。
<性能評価>
実施例2および比較例1〜3で得た発光装置1〜4にそれぞれ10Vの順方向電圧を印加し、発光輝度と発光効率を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0005428034
表1に示した結果から明らかなように、本発明にかかる前記高分子化合物を含む層を備える電子素子(電界発光素子)(実施例2)は、従来の高分子化合物を含む層を備える電子素子(比較例1)および本発明にかかる前記高分子化合物を含む層が形成されていない電子素子(比較例2)に比べて発光輝度および発光効率ともに顕著に優れたものであった。このように、本発明の電子素子は発光効率に優れていることから、変換効率が優れたものであることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、電荷注入性に優れた高分子化合物を得ることができ、変換効率に優れた電子素子を得ることが可能となる。
したがって、本発明の電子素子である電界発光素子は、発光輝度が高く発光効率に優れているため、面状光源などの各種光源、セグメント表示装置およびドットマトリックス表示装置などの各種表示装置、液晶表示装置などのバックライト、各種照明などとして有用である。
また、本発明の電子素子である光電変換素子は、光電変換効率に優れているため、太陽電池などとして有用である。

Claims (5)

  1. 第一の電極と、第二の電極と、該第一の電極と該第二の電極との間に配置された発光層または電荷分離層と、該発光層または該電荷分離層と前記第一の電極または前記第二の電極との間に配置され、下記式(II):
    Figure 0005428034
    (式(II)中、X およびX は、それぞれ独立にF 、Cl 、Br 、I 、OH 、R SO 、R COO 、ClO 、ClO 、ClO 、ClO 、SCN 、CN 、NO 、HSO 、H PO 、BF 、BR およびPF からなる群から選択される1種のイオンを表し、前記R は炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜50のアリール基および炭素数2〜50の1価の複素環基からなる群から選択される1種の基を表し、前記アルキル基、アリール基および1価の複素環基は置換基を有していてもよく、Ar は置換基を有していてもよい2価の芳香族基を表し、R およびR はそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキレン基を表し、*は他の構造との結合部位を表し、n およびn はそれぞれ独立に1〜20の整数である。)
    で表される構造を有する高分子化合物を含む電荷注入層とを備えることを特徴とする電子素子。
  2. 前記高分子化合物の分子量が1×10以上1×10以下であることを特徴とする請求項に記載の電子素子。
  3. 請求項1または2に記載の電子素子からなり、前記第一の電極と前記第二の電極との間に発光層が配置されていることを特徴とする電界発光素子。
  4. 請求項1または2に記載の電子素子からなり、前記第一の電極と前記第二の電極との間に電荷分離層が配置されていることを特徴とする光電変換素子。
  5. 下記式(II):
    Figure 0005428034
    (式(II)中、XおよびXは、それぞれ独立にF、Cl、Br、I、OH、RSO 、RCOO、ClO、ClO 、ClO 、ClO 、SCN、CN、NO 、HSO 、HPO 、BF 、BR およびPF からなる群から選択される1種のイオンを表し、前記Rは炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜50のアリール基および炭素数2〜50の1価の複素環基からなる群から選択される1種の基を表し、前記アルキル基、アリール基および1価の複素環基は置換基を有していてもよく、Arは置換基を有していてもよい2価の芳香族基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキレン基を表し、*は他の構造との結合部位を表し、nおよびnはそれぞれ独立に1〜20の整数である。)
    で表される構造を有することを特徴とする高分子化合物。
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