JP5428008B2 - ウェハレベルチップサイズパッケージの製造装置 - Google Patents

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Description

この発明は、半導体ウェハの状態(Wafer Level)で一括して検査可能な半導体ウェハの検査装置及びこれに用いるウェハ検査用治具に関し、特に、外形寸法がチップサイズと略同等な大きさのパッケージの総称であるチップサイズパッケージ(Chip Size Package:以下、CSPと称す)のうち、チップ自身の大きさで実現したリアルチップサイズのCSPであるウェハレベルCSPの製造装置に関する。
ウェハレベルCSPは、通常のウェハ処理工程(前工程)の終了後に、引き続き、再配置配線のためのメタル成膜を行ない、再配置配線や接続端子(はんだボールと接続するための端子)を形成する。そして、半導体ウェハに対して樹脂により封止した後に、接続端子に合わせてはんだボールを半導体ウェハ上に搭載する。そして、ダイシングにより複数のダイに切断して完成させる。
このように、ウェハレベルCSPは、ダイシングにより複数のダイに切断される時点で、前工程及び後工程が全て完了しているものであり、半導体ウェハの状態で一括してバーンイン(burn-in)検査が行なわれるものである。
例えば、従来の半導体集積回路の検査用基板は、プローブカードと配線基板との間に設けられた異方導電性ゴムシートの内部に、接続用電極と金属パターンとに架けて連なるように短円柱状の複数個の導電粒子が複数列を構成するように配置されている。この各導電粒子は、異方導電性ゴムシートの厚さ方向の長さが該厚さ方向に垂直な方向の長さよりも長い短柱形状を有している(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−126806号公報
従来の半導体集積回路の検査用基板は、繰り返し、複数の半導体ウェハの検査に使用され、バンプが半導体ウェハの外部電極に所定の押圧力で接触されるために、バンプに変形や傷が発生し、バンプ(検査用基板)の寿命が短いという課題があった。
特に、従来の半導体集積回路の検査用基板は、バンプの一部が半導体ウェハの外部電極に転写されることにより、バンプが酸化して汚染される(バンプの洗浄が必要になる)ことや、隣接する外部電極間の電気的短絡の原因となり正確な検査ができなくなるという課題があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、検査用基板のバンプの洗浄が不要であり、長期間の使用に耐え得るウェハ検査用治具、並びにこの治具を用いた半導体ウェハの検査装置及びウェハレベルCSPの製造装置を提供するものである。
また、この発明に係るウェハレベルCSPの製造装置においては、樹脂微粒子の表面に導電層が形成されている複数の導電性ボールを外部電極とするウェハレベルCSPの製造装置であって、前記複数の導電性ボールをそれぞれ吸着させる複数の吸着孔を有し、半導体ウェハに複数備えられたダイの表面にそれぞれ露出される接続端子に対して、当該吸着孔をそれぞれ対向させ、当該吸着孔にそれぞれ吸着される導電性ボールを前記接続端子にそれぞれ接触させるボール保持部と、前記ボール保持部の吸着孔を負圧又は真空状態にする減圧部と、前記ダイの電気的試験のための試験信号を、前記各導電性ボールを介して、前記ダイの接続端子に入力し、当該ダイからの出力特性を評価するダイ評価部と、前記ボール保持部の吸着孔における負圧又は真空状態を、前記半導体ウェハのダイ単位で解放する圧力調節部と、を備えているものである。
また、開示のウェハレベルCSPの製造装置は、ウェハ検査工程と実装(ボール搭載)工程とを連続して行なうことができ、電気的試験対象とするダイの評価結果に基づき、当該ダイの接続端子に接触する導電性ボールを、ウェハレベルCSPの外部電極として利用又は他のダイに再利用することができるという効果を奏する。特に、開示のウェハレベルCSPの製造装置は、電気的試験対象とするダイの評価結果が不良であれば、当該ダイの接続端子に接触する導電性ボールを、新たな電気的試験に使用する導電性ボールとして他のダイに再利用することができ、ウェハレベルCSPの製造コストを削減できるという効果を奏する。
第1の実施形態に係るWLCSP製造装置の概略構成を示す概念図である。 (a)は図1に示すボール保持部の保持部上部の表面を示す平面図であり、(b)は図1に示すボール保持部の保持部下部の裏面を示す平面図である。 (a)は図1に示すボール保持部の保持部上部の裏面を示す平面図であり、(b)は図3(a)に示す保持部上部の矢視A−A線の断面図である。 (a)は図1に示すボール保持部の保持部下部の表面を示す平面図であり、(b)は図4(a)に示す保持部下部の矢視B−B線の断面図である。 図3に示す保持部上部と図4に示す保持部下部との装着状態を示す断面図である。 連結部が屈曲したボール保持部の他の例を示す断面図である。 (a)はボール保持部の他の例を示す断面図であり、(b)はボール保持部のさらに他の例を示す断面図である。 第1の実施形態に係るWLCSP製造装置の処理動作を示すフローチャートである。 (a)は図8に示すフローチャートのステップS4を説明するための説明図であり、(b)は図8に示すフローチャートのステップS9を説明するための説明図であり、(c)は図8に示すフローチャートのステップS11を説明するための説明図である。
(本発明の第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るWLCSP製造装置の概略構成を示す概念図、図2(a)は図1に示すボール保持部の保持部上部の表面を示す平面図、図2(b)は図1に示すボール保持部の保持部下部の裏面を示す平面図、図3(a)は図1に示すボール保持部の保持部上部の裏面を示す平面図、図3(b)は図3(a)に示す保持部上部の矢視A−A線の断面図、図4(a)は図1に示すボール保持部の保持部下部の表面を示す平面図、図4(b)は図4(a)に示す保持部下部の矢視B−B線の断面図、図5は図3に示す保持部上部と図4に示す保持部下部との装着状態を示す断面図、図6は連結部が屈曲したボール保持部の他の例を示す断面図、図7(a)はボール保持部の他の例を示す断面図、図7(b)はボール保持部のさらに他の例を示す断面図、図8は第1の実施形態に係るWLCSP製造装置の処理動作を示すフローチャート、図9(a)は図8に示すフローチャートのステップS4を説明するための説明図、図9(b)は図8に示すフローチャートのステップS9を説明するための説明図、図9(c)は図8に示すフローチャートのステップS11を説明するための説明図である。
本実施形態に係るウェハレベルCSPの製造装置(以下、WLCSP製造装置100と称す)は、ウェハ検査工程と実装(ボール搭載)工程とを連続して行なうことができる装置であり、本実施形態に係る半導体ウェハの検査装置を兼ね備えた装置である。
WLCSP製造装置100は、図1に示すように、主要な構成として、後述する、載置部10、ダイ評価部20、減圧部30、圧力調節部40及びボール保持部50を備えている。
なお、本実施形態に係るウェハレベルCSPは、従来のはんだボールの替わりに、弾力性のある導電球体からなる導電性ボール1を外部電極として使用する点を除き、既存のウェハレベルCSPの構造と同様の構造である。このため、通常のウェハ処理工程(前工程)で形成される半導体素子、絶縁膜及び多層配線等、当該多層配線と接続端子201とを接続する再配置配線等、並びに半導体ウェハ200を封止する樹脂等については、詳細な説明及び図示を省略する。
導電性ボール1は、樹脂により形成されている基材微粒子(以下、樹脂微粒子1aと称す)の表面が1層以上の導電層1bに覆われてなる導電性微粒子を用いており、ハンダにより形成されるはんだボールよりも弾力性が実質的に高い。また、導電性ボール1は、上記導電層1bが上記樹脂微粒子1aの表面に直接形成されてもよく、上記導電層1bと上記樹脂微粒子1aとの間に金属下地層が形成されていてもよい。
なお、導電性ボール1の樹脂微粒子1aを構成する樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、ポリビニルエステル、ポリビニルエーテル、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、フェノール樹脂、アリル樹脂、フラン樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリル/スチレン樹脂、スチレン/ブタジエン樹脂、ABS樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、有機−無機ハイブリッド重合体等が挙げられる。なお、これらの樹脂は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
特に、樹脂微粒子1aは、後述する10%K値が1000MPa未満である樹脂微粒子1aであれば、圧縮変形させた場合に、樹脂微粒子1aが破壊されることがある。このため、樹脂微粒子1aは、10%K値の下限値として、1000MPaにすることが好ましい。
また、樹脂微粒子1aは、後述する10%K値が15000MPaを超える樹脂微粒子1aであれば、この樹脂微粒子1aを含む導電性微粒子を電極に当接させて圧縮変形させた場合に、導電性微粒子が電極を傷つけることがある。このため、樹脂微粒子1aは、10%K値の上限値として、15000MPaにすることが好ましい。
さらに、樹脂微粒子1aは、後述する10%K値の下限値が2000MPaであることが好ましく、上限値が10000MPaであることが好ましい。
なお、上記10%K値は、微小圧縮試験機(例えば、株式会社島津製作所製「型名:PCT−200」)を用い、直径50μmのダイヤモンド製円柱の平滑圧子端面で、圧縮速度2.6mN/秒であり、最大試験荷重10gの条件下において、樹脂微粒子1aを圧縮した場合の圧縮変位(mm)を測定し、下記式(1)により求めることができる。
〔式1〕
K値(N/mm2)=(3/√2)・F・S-3/2・R-1/2 ・・・(1)
F:樹脂微粒子1aの10%圧縮変形における荷重値(N)
S:樹脂微粒子1aの10%圧縮変形における圧縮変位(mm)
R:樹脂微粒子1aの半径(mm)
また、導電性ボール1の導電層1bを構成する金属は、例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、鉛、錫、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、カドミウム、珪素、錫−鉛合金、錫−銅合金、錫−銀合金等が挙げられる。特に、導電層1bとしては、ニッケル、銅、金、錫−鉛合金、錫−銅合金、錫−銀合金が好ましい。なお、これらの金属は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。特に、これらの金属のうち2種類以上を併用する場合には、1層毎に単独の金属を用いた多層構造を形成してもよく、合金として用いてもよい。
なお、本実施形態に係る導電性ボール1は、樹脂微粒子1aが、ジビニルベンゼンを主成分とする架橋共重合樹脂の真球形のプラスチック微粒子であり、樹脂微粒子1aに錫メッキを施した導電性微粒子(積水化学工業株式会社製「ミクロパールSOL」:登録商標)を用いている。
載置部10は、ウェハレベルCSPとなるダイが複数備えられる半導体ウェハ200を載置して保持するための既存のステージである。なお、以下の説明においては、一枚の半導体ウェハ200からダイシングにより切り出されるダイ(チップ、ペレット)を、半導体ウェハ200から切り出される前の状態においてもダイと称す。
ダイ評価部20は、半導体ウェハ200に備えられるダイの電気的試験のための試験信号を、ボール保持部50に保持された各導電性ボール1を介して、ダイの接続端子201に入力し、当該ダイからの出力特性を評価する。
特に、ダイ評価部20は、被測定デバイスであるダイに印加する、図示しない試料用電源、タイミングジュネレータ出力部及びパターンジェネレータ出力部、並びにデバイス出力を測定部に取込むための入力部から構成され、ダイの評価を行なうテスティング装置21と、半導体ウェハ200とテスティング装置21との間に介在して試験信号を伝達する既存の検査ボード22とを有する。
減圧部30は、密閉空間を負圧又は真空状態にする真空ポンプ等の減圧装置であり、圧力調節部40及び外部流路40aを介して連通するボール保持部50の吸着孔51を負圧又は真空状態にする。
圧力調節部40は、半導体ウェハ200のダイにおける電気的試験の評価結果が良である場合に、テスティング装置21による制御信号に基づき、当該評価結果が良であるダイの接続端子201に接触する導電性ボール1を吸着する吸着孔51における、負圧又は真空状態をダイ単位で解放する。
ボール保持部50は、図2乃至図5に示すように、連通する減圧部30により負圧又は真空状態にして複数の導電性ボール1をそれぞれ吸着させる複数の吸着孔51を有するウェハ検査用治具である。また、ボール保持部50は、半導体ウェハ200の表面にそれぞれ露出される接続端子201に対して、吸着孔51をそれぞれ対向させ、吸着孔51にそれぞれ吸着される導電性ボール1を接続端子201にそれぞれ接触させる。
なお、本実施形態に係るボール保持部50は、パッド52が備えられた保持部上部50aと、吸着孔51が配設された保持部下部50bとの2つの絶縁性基材から構成されている。特に、ボール保持部50は、図2に示すように、保持部上部50a及び保持部下部50bの表面及び裏面が略円形状である、略円柱状の絶縁性基板を用いているが、吸着孔51及びパッド52を所定の位置及び個数で配設できるのであれば、この形状に限られるものではない。
また、ボール保持部50は、図5に示すように、保持部上部50aと保持部下部50bとを固着した場合に、ダイ単位に配設された複数の吸着孔51に対して一体に給排気できるように、当該複数の吸着孔51と外部流路40aとを連通し、当該複数の吸着孔51同士が連通する内部流路50cを配設している。
保持部上部50aの表面には、ダイ評価部20の検査ボード22の各端子22aにそれぞれ接触させる複数のパッド52が、図2(a)に示すように、各ダイに対応する領域における隣接するパッド52の中心間の間隔(d1)を等間隔として備えられている。
なお、パッド52は、図2(a)に示すように、形状を略円形としているが、検査ボード22の各端子22aに接触させることができるのであれば、この形状に限られるものではない。また、保持部上部50aは、図2(a)に示すように、複数のパッド52を格子状に配置しているが、検査ボード22の各端子22aに接触させることができるのであれば、この配置に限られるものではなく、検査ボード22の各端子22aの配置を考慮して、適宜、各パッド52の配置を設定する。
また、保持部上部50aは、図3及び図5に示すように、各パッド52と各吸着孔51の導電部材51aとを電気的にそれぞれ接続する導電性の連結部53を備えている。なお、本実施形態に係るボール保持部50は、パッド52及び連結部53からなる導電部により、検査ボード22の端子22aと導電部材51aとを導通している。
この連結部53は、略円柱状の一端に、吸着孔51の開口部分に係合する先細りのテーパー部53aが形成され、吸着孔51と外部流路40aとの間に内部流路50cを確保するための切欠部53bが形成されている。
保持部下部50bは、図4及び図5に示すように、表面及び裏面間を貫通する貫通孔を有し、貫通孔の内壁の一領域又は全領域(ここでは、全領域)が、貫通孔の深さ方向に延在する、金属電極層である導電部材51aで被覆されてなる吸着孔51が備えられている。
吸着孔51は、図2(b)に示すように、各ダイに対応する領域における隣接する開口部分の中心間の間隔(d2)を等間隔として、保持部下部50bの表面及び裏面に配設されている。なお、保持部下部50bは、図2(b)に示すように、複数の吸着孔51を格子状に配置しているが、吸着させた導電性ボール1を半導体ウェハ200の接続端子201に接触させることができるのであれば、この配置に限られるものではなく、半導体ウェハ200の各接続端子201を考慮して、適宜、各吸着孔51の配置を設定する。
吸着孔51は、両端の開口部分に、連結部53のテーパー部53a及び導電性ボール1に係合し、導電部材51aと連結部53又は導電性ボール1との接触面積を確保する末広がりのテーパー部51b,51cがそれぞれ形成されている。
また、保持部下部50bは、半導体ウェハ200の接続端子201に導電性ボール1を圧接した場合に、導電性ボール1の高さを所定の高さに規制するための規制部54を裏面に備えている。なお、規制部54は、図2(b)に示すように、半導体ウェハ200の各ダイを包囲するように、規制部54がダイ単位で形成されているが、導電性ボール1の高さを所定の高さに規制することができるのであれば、この配置に限られるものではない。
また、保持部下部50bは、図5に示すように、保持部上部50aを固着した場合に、ダイ単位に備えられた複数の吸着孔51に対してのみ一体に給排気できるように、隣接するダイ単位に配設された複数の吸着孔51間を仕切るための仕切部55を表面に配設している。すなわち、仕切部55は、図2(b)に示すように、半導体ウェハ200の各ダイを包囲するように、仕切部55がダイ単位で形成されている。なお、仕切部55は、気密性を持たせるために、固定用シール材を用いることが考えられる。
なお、本実施形態に係るボール保持部50は、図5に示すように、隣接するパッド52の中心間の間隔(d1)と、吸着孔51の隣接する開口部分の中心間の間隔(d2)とを一致させているが、d1とd2とを異ならせてもよい。
特に、半導体ウェハ200の隣接する接続端子201間の間隔が微小であるために、既存の検査ボード22の各端子22aに対応させるためには、d2よりもd1を大きくすることが考えられる。このため、ボール保持部50は、屈曲させた吸着孔51及び/又は連結部53を備え、d1とd2との関係(d1=k×d2、例えば、k=1.5)を調整することが考えられる。
例えば、ボール保持部50は、図6に示すように、略垂直に備えられた吸着孔51及び連結部53を基準として、隣接するパッド52が離間するように、隣接する連結部53をそれぞれ屈曲させて配設することが考えられる。
なお、本実施形態に係るボール保持部50は、図5に示すように、吸着孔51と連結部53とをテーパー部51b,53aにより係合しているが、吸着孔51と連結部53との接触性を高めるために、図7(a)に示すように、連結部53のテーパー部53aを末広がりのテーパー形状とし、吸着孔51のテーパー部51bと連結部53のテーパー部53aとの間に、導電性ボール1を介在させてもよい。
また、図7(a)に示すボール保持部50においては、吸着孔51の負圧又は真空状態を解放する場合に、吸着孔51のテーパー部51bと連結部53のテーパー部53aとの間に介在させた導電性ボール1の密着性が高く、吸着孔51の負圧又は真空状態を解放することができない場合も考えられる。このため、ボール保持部50は、図7(b)に示すように、内部流路50cから吸着孔51に連通するバイパス56を備えることが好ましい。また、図7(a)に示すボール保持部50と比較して、吸着孔51と連結部53との接触性は劣るのであるが、吸着孔51のテーパー部51bに図示しない溝を形成して、導電性ボール1とテーパー部51bとの間に間隙を設け、内部流路50cと吸着孔51とを連通してもよい。
つぎに、本実施形態に係るWLCSP製造装置100によるウェハレベルCSPの製造方法について、図8及び図9を用いて説明する。なお、本実施形態に係るWLCSP製造装置100は、ウェハレベルCSPの製造工程のうち、ウェハ検査工程と実装(ボール搭載)工程における処理動作を特徴とするものであり、他の製造工程については、従来の製造工程と同様であるために、説明を省略する。
まず、WLCSP製造装置100は、ボール保持部50を待機位置にセットする(ステップS1)。この状態で、WLCSP製造装置100は、図示しない振動発生部を起動して、図示しないボール収容容器に収容された複数の導電性ボール1を跳躍させる(ステップS2)。
そして、WLCSP製造装置100は、ボール収容容器に向けて、ボール保持部50を下降させる(ステップS3)。
そして、WLCSP製造装置100は、減圧部30を起動して、ボール保持部50における全ての吸着孔51内のエアを吸引し、吸着孔51内を負圧又は真空状態にして、吸着孔51に導電性ボール1を吸着させる(ステップS4、図9(a))。
その後、WLCSP製造装置100は、ボール保持部50を上昇させ(ステップS5)、図示しない吸着検査装置により、ボール保持部50による導電性ボール1の吸着状態を検査し(ステップS6)、吸着不良が発生しているか否かを判断する(ステップS7)。
ステップS7において、吸着不良が発生していると判断した場合には、ボール保持部50から導電性ボール1を除去して(ステップS8)、前述したステップS1に戻る。
具体的には、WLCSP製造装置100は、ボール保持部50をボール収容容器上まで移動した後に、圧力調節部40を切り替えて、全ての吸着孔51からのエアの吸引を停止し、吸着孔51内の圧力を大気圧にすることで、ボール保持部50に吸着された導電性ボール1をボール収容容器内に落下させる。なお、ボール保持部50は、エアコンプレッサーにより、吸着孔51内に圧縮エアを供給して、吸着孔51内の圧力を正圧とすることで、ボール保持部50に吸着された導電性ボール1をボール収容容器内に落下させる構成としてもよい。
また、ステップS7において、吸着不良が発生していないと判断した場合には、ボール保持部50は、半導体ウェハ200の各接続端子201とボール保持部50に保持された各導電性ボール1とをそれぞれ対向させ、接続端子201と導電性ボール1とを接触させる(ステップS9、図9(b))。
これにより、半導体ウェハ200の各接続端子201は、導電性ボール1、保持部下部50bにおける吸着孔51の導電部材51a、保持部上部50aにおける連結部53及びパッド52を介して、検査ボード22の端子22aに電気的に接続することになる。なお、導電性ボール1は、弾力性があるために、高さを吸収して、必要な接触圧を得ることができ、ボール保持部50と半導体ウェハ200との間隙を精確に維持することができる。
そして、WLCSP製造装置100は、テスティング装置21で発生させたダイの電気的試験のための電圧及び試験信号を、検査ボード22、ボール保持部50及び導電性ボール1を介して、半導体ウェハ200のダイの接続端子201に入力し、ダイからの出力特性を評価するウェハ検査を行なう(ステップS10)。なお、導電性ボール1と導電部材51aとの接触面で接触不良が生じている場合には、図示しない振動発生部により、導電性ボール1に超音波振動を与え、導電性ボール1を回転させて導電部材51aとの接触面を変えることで、接触不良を改善することも考えられる。
そして、WLCSP製造装置100は、電気的試験の評価結果が良であるダイに対して、対応する圧力調節部40を切り替えて、当該評価結果が良であるダイの接続端子201に接触する導電性ボール1を吸着する吸着孔51における、負圧又は真空状態を解放し、導電性ボール1をダイに搭載する(ステップS11、図9(c))。
なお、ボール保持部50は、エアコンプレッサーにより、吸着孔51内に圧縮エアを供給して、吸着孔51内の圧力を正圧にし、吸着孔51から導電性ボール1に向けてエアを噴出することで、ボール保持部50に保持されていた導電性ボール1をダイに搭載させる構成としてもよい。
また、WLCSP製造装置100は、電気的試験の評価結果が不良であるダイに対しては、当該評価結果が不良であるダイの接続端子201に接触する導電性ボール1を吸着する吸着孔51における、負圧又は真空状態を維持することで、導電性ボール1をボール保持部50に保持したままとする。
そして、WLCSP製造装置100は、半導体ウェハ200に対して、ボール保持部50を上昇させて、ボール保持部50をボール収容容器上まで移動させる(ステップS12)。そして、WLCSP製造装置100は、圧力調節部40を切り替えて吸着孔51からのエアの吸引を停止し、吸着孔51内の圧力を大気圧にすることで、ボール保持部50に吸着された(ダイに搭載されなかった)導電性ボール1をボール収容容器内に落下させる。なお、ボール保持部50は、エアコンプレッサーにより、吸着孔51内に圧縮エアを供給して、吸着孔51内の圧力を正圧にすることで、ボール保持部50に吸着された導電性ボール1をボール収容容器内に落下させる構成としてもよい。
また、WLCSP製造装置100は、半導体ウェハ200のダイに搭載された導電性ボール1をリフローして溶融させ、冷却固化させてバンプを形成し(ステップS13)、ウェハ検査工程及びボール搭載工程を終了する。なお、半導体ウェハ200のダイに搭載された導電性ボール1をリフローして溶融させる前に、接続端子201の表面にフラックスを塗布してもよい。
以上のように、本実施形態に係るWLCSP製造装置100は、ウェハ検査工程と実装(ボール搭載)工程とを連続して行なうことができ、工程作業時間を短縮できるという作用効果を奏する。
特に、本実施形態に係るWLCSP製造装置100は、電気的試験対象とするダイの評価結果が良であれば、当該ダイの接続端子201に接触する導電性ボール1を、ウェハレベルCSPの外部電極として利用することができるという作用効果を奏する。
また、本実施形態に係るWLCSP製造装置100は、電気的試験対象とするダイの評価結果が不良であれば、当該ダイの接続端子201に接触する導電性ボール1を、新たな電気的試験に使用する導電性ボール1として他のダイに再利用することができ、ウェハレベルCSPの製造コストを削減できるという効果を奏する。
また、本実施形態に係るウェハ検査用治具であるボール保持部50及びこれを用いた半導体ウェハの検査装置であるWLCSP製造装置100は、プローブカードの触針として、容易に取替え可能な導電性ボール1を使用することで、導電性ボール1のフレッシュな金属表面を使用することができ、従来のプローブカードと比較して、長期間の使用に耐え得るという作用効果を奏する。
1 導電性ボール
1a 樹脂微粒子
1b 導電層
10 載置部
20 ダイ評価部
21 テスティング装置
22 検査ボード
22a 端子
30 減圧部
40 圧力調節部
40a 外部流路
50 ボール保持部
50a 保持部上部
50b 保持部下部
50c 内部流路
51 吸着孔
51a 導電部材
51b,51c テーパー部
52 パッド
53 連結部
53a テーパー部
53b 切欠部
54 規制部
55 仕切部
56 バイパス
100 WLCSP製造装置
200 半導体ウェハ
201 接続端子

Claims (2)

  1. 樹脂微粒子の表面に導電層が形成されている複数の導電性ボールを外部電極とするウェハレベルチップサイズパッケージの製造装置であって、
    前記複数の導電性ボールをそれぞれ吸着させる複数の吸着孔を有し、半導体ウェハに複数備えられたダイの表面にそれぞれ露出される接続端子に対して、当該吸着孔をそれぞれ対向させ、当該吸着孔にそれぞれ吸着される導電性ボールを前記接続端子にそれぞれ接触させるボール保持部と、
    前記ボール保持部の吸着孔を負圧又は真空状態にする減圧部と、
    前記ダイの電気的試験のための試験信号を、前記各導電性ボールを介して、前記ダイの接続端子に入力し、当該ダイからの出力特性を評価するダイ評価部と、
    前記ボール保持部の吸着孔における負圧又は真空状態を、前記半導体ウェハのダイ単位で解放する圧力調節部と、
    を備えていることを特徴とするウェハレベルチップサイズパッケージの製造装置。
  2. 前記請求項1に記載のウェハレベルチップサイズパッケージの製造装置において、
    前記ダイ評価部によるダイの電気的試験の評価結果が良である場合に、前記圧力調節部が、当該評価結果が良であるダイの接続端子に接触する導電性ボールを吸着する吸着孔における、負圧又は真空状態を解放することを特徴とするウェハレベルチップサイズパッケージの製造装置。
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