JP5424903B2 - 融解解析のためのプライマー - Google Patents

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Description

優先権
本出願は、融解解析のためのプライマーと題され、2007年3月8日に出願された米国仮特許出願番号60/905,721に基づく優先権を主張し、その全内容は参照として本明細書に援用される。
ヒトゲノムプロジェクトは、ヒトDNAのほとんどの領域の配列解析に成功している。疾患関連遺伝子及び疾患関連配列変異を同定する作業は、速いペースで続けられている。連鎖研究を用いて、表現型を単純な配列反復または一塩基多型(SNPs)などの遺伝子マーカーと関連させて候補遺伝子を同定する。次いで、ミスセンス、フレームシフト、またはスプライシング変異を引き起こすSNPs、挿入、及び欠失を含む配列変異を用いて、遺伝子及び原因となる変異の範囲を特定することができる。
しかし、遺伝子の詳細が分かったとしても、主としてDNAを解析する方法が高価で複雑なため、この知識を通常の医療行為に利用することは難しい。費用を大きく引き下げ、そして方法を著しく単純にすれば、DNA解析は、効果的な疾患検出及びよりよい治療のために、日常的臨床診療において利用可能になるだろうと予測される。理想的なDNA解析は、速く、単純で、そして安価である。
疾患が限られた数の変異により引き起こされる場合、または数個の配列変異が疾患症例の大部分を構成する場合、直接的遺伝子型決定が実現可能である。従来の方法には、伝統的なPCR産物の制限酵素消化から閉管蛍光法(closed-tube fluorescent method)まである。DNA解析の閉管法は、簡単に行うことができる。一度PCRを始めれば、さらなる試薬の追加または分離は必要ない。しかし、閉管法は、主に用いられる蛍光プローブの費用のために、伝統的に高価である。多くの的確な設計があるが、プローブはしばしば複数の蛍光色素及び/または官能基との複合体である。例えば、一つの一般的なアプローチでは、それぞれがアレル特異的なプローブに共有結合した蛍光色素及びクエンチャーを用いる(1)。2つのこれら“TaqMan(登録商標)”プローブは一つのSNPを遺伝子型決定するために必要である。プローブが高価であるのみならず、ハイブリダイゼーション及びエキソヌクレアーゼ切断のために必要な時間もまた、PCRを行うことができる速さを制限する。
閉管法遺伝子型決定(closed-tube genotyping)の別の例は、DxS Ltdから入手可能なScorpion(登録商標)プライマーを用いる。もともと1999年に記載されたように、Scorpion(登録商標)プライマー、すなわち“自己プロービングアンプリコン”が、プローブエレメントを含む5'-伸長、自己相補ステム配列対(a pair of self complementary stem sequences)、フルオロフォア/クエンチャー対、及び5'-伸長のコピーを防ぐブロッキングモノマーが含まれるプライマーからPCR中に形成される(2)。図1に示されるように、もともとのステム-ループ型において、プローブエレメントはループを形成し、そしてステムはフルオロフォア及びクエンチャーを非常に接近させる。PCR後、プローブエレメントは伸長産物の部分とハイブリダイズし、ステムを開き、そしてクエンチャーからフルオロフォアを分離する。図1にも示されるが、追加の二本鎖型が後に開発され、この場合、Scorpion(登録商標)プライマー上のフルオロフォアがPCR前に二本鎖を形成する別個の相補的プローブ上のクエンチャーによって消光される(3)。PCR後、今やアンプリコンの一部となっているプローブエレメントは、消光プローブから分離し、そしてアンプリコンとハイブリダイズする。いずれの場合においても、プロービングは分子内反応である。
分子間プローブを超える分子内反応の利点がいくつかある。第一に、分子内ハイブリダイゼーションは速く、そして現在の最速のPCRプロトコルを用いた場合でさえ、制限的な工程ではない(4)。プローブエレメントは分子内反応により安定化され、プローブの融解温度を約5〜15℃上昇させ、それにより例えば高い配列変異の領域で、より短いプローブを使用することができる。ステムループ型において、単一のオリゴヌクレオチドは、プライマーの一方として及びプローブとしてのいずれとしても機能する。しかし、そのようなプローブは複雑で高価である可能性がある。高いコストは特定のプローブを製造するための高い複雑性によって引き起こされる。例えば、それぞれのScorpion(登録商標)プライマーは、オリゴヌクレオチドプライマーに対して三つの修飾(フルオロフォア、クエンチャー、及びブロッカー)を要する。Scorpion(登録商標)プライマーの利点を残すが複雑性とコストを削減する閉管法遺伝子型決定システムが、望ましいだろう。
さらに別の遺伝子型決定法である“スナップバック一本鎖高次構造多型、すなわちSSCP”が使用される。SSCPは特定の配列のプライマーを用いて、PCR産物へ二次構造を導入し、これが後に電気泳動によって分離されて、一本鎖高次構造多型("SSCP")を明らかにする(5)。スナップバックSSCPでは、相補的な8〜11 bpのプライマー尾部は、伸長産物においてその相補配列上に折り返ってループを形成し、一本鎖アンプリコン中にヘアピンを作り、これが後にゲル分離によって検出される。
上記のように、スナップバックプライマーを使用して、伸長産物中へ二次ループ構造を導入することができる。しかし、スナップバックプライマー及び本明細書で述べられる他の先行技術の方法は、増幅後ゲル分離に依存し、または高価な蛍光標識プライマーを用いる。対して、本発明の方法は、dsDNA色素及び融解解析を用いてヘアピンのハイブリダイゼーションをモニタリングする。本願の一側面によって、PCR、例えば非対称性PCR(これに限定されない)の後に、ヘアピンの分子内融解が遺伝子型決定を可能にする。分子内ハイブリダイゼーションは図2に例示される。この方法は、二つのPCRプライマーのみを必要とし、唯一の追加は少なくとも一つのプライマーのヌクレオチドの5'-尾部であるので、単純である。共有結合のフルオロフォア、クエンチャー、またはブロッカーが必要なく、合成及びアッセイ開発のコストを大きく削減する。よって、一つの例示的態様において、dsDNA色素は繋ぎ止められておらず、そして自由に結合でき、そして融解のみに基づいて核酸から自由に分離される。
遺伝子型決定のよりよい方法を妨げてきた一つの問題は、ほとんどの遺伝的な疾患が複雑であるという事実を中心に展開する。同一のまたは異なる遺伝子中の多くの異なる配列変異が、疾患の表現型の一因となる可能性がある。ほとんどのヒトの疾患は少数の配列変異によって引き起こされるという最初の希望は、正しくないことが証明された。多くの遺伝子が特定の表現型の一因となる可能性があり、そして遺伝子内の多くの異なる変異が同一または類似する疾患パターンを引き起こす可能性がある。したがって、遺伝子型とその結果の表現型との間のつながりを決定するために、遺伝子検査はしばしば多くのコード領域及び制御領域の同時平行的な解析を必要とする。異常についてのDNAをスクリーニングするいくつかの方法が利用可能であり、“スキャニング”法として知られている。“遺伝子型決定”が特定の配列変異の検出に焦点を合わせているのに対し、変異スキャニングは異常の存在を警告することができ、次いで遺伝子型決定または配列決定などの方法を通じてその異常を同定することができる。
配列決定は配列変異を同定するための現在の究極の判断基準である。コストが減少しているとはいえ、配列決定は特定の遺伝子診断または薬理遺伝学に応用する場合には速くなく、単純でなく、また安くない、依然として複雑なプロセスである。これは、ポロニー(6)またはエマルジョンPCR(7)を用いる方法において依然としてあてはまる。標準の配列決定は7つの工程を必要とする:1)PCRによる増幅、2)PCR産物の洗浄、3)サイクルシークエンシング試薬の添加、4)ジデオキシ停止反応のためのサイクルシークエンシング、5)終止産物の洗浄、6)キャピラリー電気泳動による分離、7)データ解析。この複雑性は自動化可能であり、いくつかの配列決定センターで自動化されているが、配列決定は本発明の方法よりまだとても複雑なままである。さらに、大きな遺伝子または複数の遺伝子を解析する場合、配列決定された産物の90%以上は正常という結果が出る。正常配列及び共通の変異を同定できる単純な方法は、配列決定の時間、コスト、及び労力を削減するだろう。
本発明のスナップバックプライマーを使用して、変異スキャニングと遺伝子型決定とを同じ反応において統合することができる。スキャニングは、高分解能のアンプリコン融解によって(8)、同じ反応で、そしてスナップバック遺伝子型決定のものと同じ融解曲線を用いて、行うことができる。スナップバック遺伝子型決定のための非対称性PCRは、異なる融解転移を有する二つの種、すなわち、ヘアピン構造の過剰の一本鎖と二本鎖PCR産物とをもたらし、好ましくはそれぞれの種が異なる温度で融解する。例えば、スナップバックヘアピンは低い温度で融解し、全長アンプリコンは高い温度で融解するだろう。ヘアピンは共通の変異についての標的化遺伝子型決定を提供し、一方で全長アンプリコンによりPCR産物内の任意の配列変異をスキャンすることができる。同様に、二つのスナップバックプライマーを用いる対称性PCRを使用して、一つの反応中で二つの既知の多型をスキャンし遺伝子型決定することができる。スナップバック遺伝子型決定により、正確なアンプリコン融解でよく性格付けされた遺伝子では、複雑な遺伝子疾患の解析における配列決定の必要性のうちの、少なくとも90%、おそらく99%も典型的には削減することができると考えられている。
PCR試薬及びdsDNA色素のみを必要とするので、スナップバックプライマーによるスキャニングと遺伝子型決定の組合せは魅力的である。高価な修飾オリゴヌクレオチド、分離、精製、または試薬添加の工程を必要としない。閉管解析は、PCR汚染の危険性を取り除く。さらに、スナップバックプライマーのアニーリングは、速く、そして最速のPCRプロトコルに適合する。
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したがって、様々な構造のスナップバックプライマーを本明細書に記載する。
本発明の一側面において、核酸解析の方法が提供され、この方法は標的核酸を増幅するために構成された第一のプライマー及び第二のプライマーと標的核酸とを混合して混合物を形成する工程であって、ここで第一のプライマーは標的核酸の部分に特異的なプローブエレメント及び鋳型特異的なプライマー領域を含み、プローブエレメントは鋳型特異的なプライマー領域の5'にある前記工程、標的核酸を増幅してアンプリコンを生成する工程、プローブエレメントを前記部分とハイブリダイズさせてヘアピンを形成する工程、混合物を加熱するにつれて、第一のプライマーに共有結合していないdsDNA結合色素からの蛍光を測定することによりプローブエレメントについての融解曲線を生成する工程、及び融解曲線の形状を解析する工程、を含む。この方法の多くのバリエーションを本明細書において提供する。
本発明の第二の側面において、標的核酸のスキャニング及び遺伝子型決定を同時に行うための方法を提供し、この方法は、標的核酸を増幅するために構成された第一のプライマー及び第二のプライマーと標的核酸とを混合して混合物を形成する工程であって、ここで第一のプライマーは標的核酸の部分に特異的なプローブエレメント及び鋳型特異的なプライマー領域を含み、プローブエレメントは鋳型特異的なプライマー領域の5'にある前記工程、標的核酸を増幅してアンプリコンを生成する工程、混合物を加熱するにつれて、dsDNA結合色素からの蛍光を測定することによりアンプリコンについての融解曲線を生成する工程、標的核酸と分子内結合したプローブエレメントによってヘアピン形成を促進するように混合物を調節する工程、及び混合物を加熱するにつれて、dsDNA結合色素からの蛍光を測定することによってプローブエレメントについての融解曲線を生成する工程、を含む。
本発明の第三の側面において、核酸解析のためのキットが提供され、このキットは、標的核酸を増幅するために構成された第一のプライマー及び第二のプライマーであって、ここで第一のプライマーは標的核酸の部分に特異的なプローブエレメント及び鋳型特異的なプライマー領域を含み、そしてプローブエレメントは鋳型特異的なプライマー領域の5'にあるもの、及びdsDNA結合色素を含む。別の例示において、キットは温度安定なポリメラーゼ及びdNTPをさらに含む。
本発明のさらなる特徴は、目下理解されるように、本発明を実施する最良の態様を例示する好ましい態様についての以下の詳細な説明を考慮する際に当業者にとって明らかになるだろう。
図1は、Scorpion(登録商標)プライマーの作用のスキーム図を示す。黒い丸はブロッカー、赤い丸はクエンチャー、小さな緑の丸は消光されたフルオロフォア、そして大きな緑の丸は消光されていないフルオロフォアである。 図2は、スナップバックプライマーの分子内ハイブリダイゼーションを示す。 図3は、飽和色素及び非標識オリゴヌクレオチドプローブを用いたSNP遺伝子型決定を示す。 図4は、スナップバックプライマーを用いた遺伝子型決定の図を示す。 図5Aは、スナップバックプライマーを用い、その後に対称性PCRを行った遺伝子型決定を示す。示される遺伝子型はC/C(青)、A/A(黒)、A/C(赤)である。図5Bは伸長ブロッカーをもつスナップバックプライマーを用いた遺伝子型決定を示す。 図6Aは、異なる長さのプローブエレメントを有するスナップバックプライマーを図示する。図6Bは、図6Aのプローブエレメントの増幅産物の微分融解プロットである。 図6C〜Fは、異なるプローブエレメント長を有するスナップバックプライマーを用いたSNP遺伝子型決定についての微分融解プロットを示す:図6Cは8塩基のプローブエレメントを有する;図6Dは14塩基のプローブエレメントを有する;図6Eは20塩基のプローブエレメントを有する;図6Fは24塩基のプローブエレメントを有する。 図6Gは、6から28 bpまでの範囲の異なるヘアピン二本鎖長についての予想融解温度及び観測融解温度を示す。塩基ミスマッチはスナップバックプライマーの5'-端には存在しなかった。予想融解温度(黒四角)は標準の最近接計算(nearest neighbor calculation)によって決定され、両端に懸垂端(dangling end)を含むがヘアピンループを考慮していない。非対称性PCR及び融解の後、観測Tm(黒丸)は正規化及び指数バックグラウンド除去(exponential background subtraction)後に、負の微分プロットの最大ピーク高として決定された。ヘアピン二本鎖のGC%は8.3〜32.1%のあいだで変化した。 図7A〜Bは、スナップバックプライマーによるPCRの阻害についての可能なメカニズムを図示し、図7Aはマイナー鎖の3'端からの可能な伸長を示し、そして図7Bは2塩基ミスマッチがどのようにこの伸長を防ぐかを示す。図7Cは、図7Bで図示したタイプの2塩基ミスマッチを有するスナップバックプライマーを用いた100例の臨床試料についての正規化した微分融解プロットを示す。遺伝子型はホモ型野生型(黒)、ヘテロ型(薄い灰色)、及びホモ型変異体(濃い灰色)であった。 図8Aは、ヘアピンからの伸長を防ぐための2塩基ミスマッチを有するスナップバックプライマーにおける8、12、16、及び20塩基のプローブエレメントの微分融解プロットを示す。図8Bは、ホモ型鋳型及びマッチしたヘテロ型鋳型による非対称性増幅後の12、及び20塩基のプローブエレメントの微分融解プロットを示す。 図9Aは、様々な長さのスナップバックアンプリコンを図示し、アンプリコン長は:1=120 bp、2=180 bp、3=221 bp、4=271 bp、5=321 bpである。図9Bは、図9Aのアンプリコンの微分融解プロットを示す。黒(120 bp)、赤(180 bp)、青(221 bp)、緑(271 bp)、及び黄(321 bp)。 図10Aは、様々なループサイズを有するスナップバックアンプリコンを図示する。ループ長は:0R=17塩基、1R=34塩基、2R=88塩基、3R=135塩基、4R=177塩基、及び5R=236塩基である。図10Bは、図10Aのアンプリコンの微分融解プロットを示す。指数バックグラウンド除去は行われず、微分曲線の下り坂を説明した。 図11Aは、スナップバックプライマーを使用して、それぞれが可変位置の異なる塩基のみについて変化する四つの異なるホモ型鋳型を増幅した場合の、微分融解プロットを示す。図11Bは、スナップバックプライマーを使用して、一つのマッチしたホモ型鋳型、及び一つのマッチしたアレルをそれぞれが共有する三つの異なるヘテロ型鋳型を増幅した場合の、微分融解プロットを示す。 図11Cは、スナップバックプライマーを使用して、一つのマッチしたホモ型鋳型、及びプローブエレメントと両方とものアレルがミスマッチである三つの異なるヘテロ型鋳型を増幅した場合の、微分融解プロットを示す。 図12A〜Bは、スナップバックプライマーが22塩基のプローブエレメントの両端近くにミスマッチを有する場合の、微分融解プロットを示す。図12Aは、位置2でのミスマッチを示し、一方、図12Bは、位置20でミスマッチを有する。図12C〜Dは、スナップバックプライマーが22塩基のプローブエレメントの中央付近にミスマッチを有する場合の、微分融解プロットを示す。図12Cは、位置8にミスマッチを有し、一方、図12Dは、位置14にミスマッチを有する。 図13は、スナップバックプライマーを用いた嚢胞性線維症G542X変異の微分融解プロットを示す。示される遺伝子型はホモ型野生型(青)、ヘテロ型(黒)、及びホモ型変異体(赤)である。 図14A〜Bは、CFTRエキソン10のF507〜F508領域を調べるスナップバックプライマーのプローブエレメントの微分プロット(図14A)及び正規化した融解曲線(図14B)を示す:野生型(黄)、F507del het型(黒)、F508del het(青)、F508C het(赤)、及びF508del homo(緑)。 図15は、CFTRエキソン10を調べる両側性スナップバックプライマーによる複数部分遺伝子型決定(multi-locus genotyping)の微分プロットを示す:野生型(丸)、合成F508del/Q493Xヘテロ型(結合した小さい菱形)、I506Vヘテロ型(小さい菱形)、F508Cヘテロ型(小さい四角)、I507delヘテロ型(大きい四角)、F508delヘテロ型(結合した大きい菱形)、及びF508delホモ型(結合した四角)。 図16は、5'-LCRed640-標識スナップバックプライマーを用いたLCGreen PlusからLCRed640への共鳴エネルギー移動の微分プロットを示す(赤い跡は72℃で融解)。対照的に、非結合LCRed640標識プローブからの融解曲線は青で示され、63℃の融解転移を有する。 図17は、スナップバックプライマーを用いた遺伝子型決定及びスキャニングのスキーム図である。 図18A〜Bは、対称性PCR及び一つのスナップバックプライマーを用いたCFTRエキソン4の同時の変異スキャニング及び遺伝子型決定を示す。図18Aは、水での希釈前の全長アンプリコンの融解曲線を示し、一方、図18Bは、水での10倍希釈後の微分曲線を示す。希釈後、試料は加熱によって変性され、冷却され、その後融解された:野生型(黒)及びR117Hヘテロ型(赤)。
SYBR(登録商標)Green I(Invitrogen Corp, Carlsbad, California)はPCR中に蛍光の大きな変化を示すので、融解解析のために広く用いられる色素である(10, 15)。SYBR(登録商標)Green Iを融解解析において最初に使用して、Tmが2℃以上相違する異なるPCR産物を区別した(21)。その後、SYBR(登録商標)Green Iを使用して欠失の同定(16)、ジヌクレオチド反復の遺伝子型決定(17)、及び様々な配列変位の同定(18-21)をした。しかし、遺伝子型の間のTmの差は小さい可能性があり、現在の機器の分解能を要求することができる。実際、SYBR(登録商標)Green Iは“通常の遺伝子型決定応用のために用いるべきでない”と示唆されている(22)。一般に用いられる二本鎖特異的DNA色素による融解曲線遺伝子型決定は、融解転移の拡大を伴うTmの上昇(23)、及び遺伝子型の間のTmの差の圧縮をもたらす可能性がある。これらの要因は、遺伝子型区別のためのSYBR(登録商標)Green Iの潜在力を低下させる。
ヘテロ型DNAは、変性及び冷却された際に、二つのホモ二本鎖及び二つのヘテロ二本鎖産物を作ることができる四本の異なる一本鎖から構成される。理論上は、四つの産物はすべて異なるTmを有し、そして融解曲線は四つの二本鎖から一本鎖への転移すべての混合物であるべきである。しかし、二本鎖特異的DNA色素は、融解のあいだに再分配することができ(24)、低融解性ヘテロ二本鎖からの色素の放出、及び高融解性ホモ二本鎖への再分配を引き起こす。SYBR(登録商標)Green Iは、PCRに適合した濃度では飽和しないので(10)、そのような再分配はもっともらしく思われ、そしてヘテロ二本鎖の転移が観測されないことと一致する。
近年、LCGreen(登録商標)I及びLCGreen(登録商標)Plus(Idaho Technology, Inc., Salt Lake City, UT)及び様々な他の飽和色素(saturation dye)が、遺伝子型決定及びスキャニングのためのものも含め、高分解能の応用のために開発された(同時係属する米国特許出願第10/531,966号、第10/827,890号、第11/485,851号、第11/931,174号参照、これらの全内容は参照として本明細書に援用される)。ただ一つのPCR産物を増幅し、そして配列がホモ型である場合、ホモ二本鎖のみが形成される。飽和色素では、異なるホモ二本鎖遺伝子型の間のTmの違いは圧縮されず、SNPsについてでさえ、遺伝子型の間の明確な区別が可能である。そのような飽和色素を使用して、一つの反応中に存在する複数の産物、例えば、複数部分の増幅またはホモ型である複数の標的から生成されるホモ二本鎖、を同定及び区別することができる。反対に、ほとんどの場合、おそらく色素の再分配のために、SYBR(登録商標)Green Iによってはほんのわずかな産物しか観測できない。
一つ以上のヘテロ型標的を増幅する場合、ヘテロ二本鎖産物は飽和色素により簡単に観測可能である。ヘテロ二本鎖を検出及び同定する能力は、ヘテロ型遺伝子型を検出するために、及び未知の変異をスキャンするために特に有用である。多くの状況で、これは、SYBR(登録商標)Green I、SYBR(登録商標)Gold及びエチジウムブロマイドなどの、リアルタイムPCRで用いられる従来のdsDNA色素では不可能であり、ヘテロ二本鎖産物は一般に観測可能ではない。
飽和色素では、全ての一塩基ヘテロ型をホモ型から区別することができる。ヘテロ型の検出において、DNA濃度の影響及び絶対融解温度(absolute melting temperature)は、ホモ型遺伝子型の間の区別に関する方法ほどは、重要ではない。ヘテロ二本鎖は、融解曲線の形状、特に“初期”の、転移の低温度部分に影響を与える。異なる融解曲線は、転移の“後期”の高温度部分を重ね合わせるためにX軸を変換することにより、温度に適合されたものであってもよい。次いで、ヘテロ二本鎖の存在または不存在は、より高い正確性により推測することができる。
非標識オリゴヌクレオチドを、閉管融解解析による遺伝子型決定のために飽和色素と組合せて用いることができる(11)。例えば、非標識プローブに相補的な産生鎖は、例えば5〜10倍過剰な相補的プライマーによる、非対称性PCRによって過剰生産される。非標識プローブは、3-端でブロックして伸長を防止することができるが、他の修飾は必要ない。図3は、ゲノムDNAからの非標識プローブ遺伝子型決定の典型的な結果を示す。嚢胞性線維症SNPのG542X変異を持つ部分は28塩基の非標識プローブの存在下で増幅された(11)。三つ全ての遺伝子型が、野生型(上部)または変異(下部)にそれぞれマッチするプローブを用いて示される(ホモ型野生型−黒い実線、ヘテロ型−赤い線、及びホモ型変異−破線)。非標識プローブを用いて、図3に示すように、プローブの下でこの領域を遺伝子型決定可能であり、そして、概してより高い融解転移を有するであろう全アンプリコンの融解曲線を用いて、アンプリコン中のどこかの変異をスキャンすることができる。
しかし、非標識プローブの3'-端をブロックして伸長を防ぐことが通常は望ましい。ブロッカーは追加費用である。くわえて、非標識プローブ遺伝子型決定は、二つのプライマー及び追加の非標識プローブという三つのオリゴヌクレオチドを必要とする。さらに、非標識プローブは、それらが比較的長く通常25〜35塩基である場合に、最も良いシグナルを与える(11)。最終的に、分子間ハイブリダイゼーションは二次構造の分子内ハイブリダイゼーションより通常遅いので、非標識プローブで要求される分子間ハイブリダイゼーションは、標的の二次構造によってブロックされる可能性がある。
本開示によるスナップバックプライマーは、多くのこれらの課題に対処する。まず、二つのオリゴヌクレオチドのみを必要とし、それは例えば標準プライマー及び統合されたプローブエレメントとしての短い尾部をもつプライマーである。次に、プローブエレメントはプライマーの5'-端の一部であり、そしてプライマーの伸長が望まれるので、3'-端ブロッキングが必要ない。最後に、スナップバックプライマーハイブリダイゼーションが分子内であり、よってハイブリダイゼーションが速く、そして内部構造がそれほど問題とならない。飽和色素が用いられる場合、飽和色素は、アンプリコン融解の際にヘテロ二本鎖を検出するのに十分な濃度で増幅中に存在することができる。よって、スナップバックプライマーと飽和色素との組合せは、閉管溶液核酸解析(closed-tube solution nucleic acid analysis)を提供する。しかし、本明細書中の実施例は飽和色素を用いる一方、特に、高分解能が不要である場合、または増幅後の色素添加が問題でない場合、スナップバックプライマーを他の色素と供に用いることができると理解される。
例示的なスナップバック遺伝子型決定プロトコルが図4に図示される。スナップバックプライマーは左に示され、このプライマーは標的核酸20とハイブリダイズしない尾部8を有する。標準プライマー12が右に示される。核酸は、例えば非対称性PCRによって、増幅され、より多くの鎖14が、相補鎖16の伸長により作製されるものよりも、スナップバックプライマー10の伸長から作られる。次いで、増幅産物は冷却され、いくつかの二本鎖全長アンプリコン40と供に、スナップバックプライマー10から分子内ヘアピン産物30の混合物を生産する。この増幅混合物の微分融解は、ヘアピン構造35の融解を示す低温度のピーク、及び全長アンプリコン40の融解を示す高温度のピークを作る。
PCRが本明細書中の実施例において用いられる増幅法である一方、プライマーを包含するいずれかの増幅法が適合し得ると理解される。そのような適した手順には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR);鎖置換増幅(SDA);核酸配列ベースの増幅(NASBA);カスケードローリングサークル増幅(CRCA);DNAのループ媒介性等温増幅(LAMP);核酸の等温及びキメラプライマー開始増幅(ICAN);標的ベース−ヘリカーゼ依存性増幅(HDA);転写媒介性増幅(TMA)、などが含まれる。したがって、PCRという用語が用いられる場合、別の増幅法も含まれると理解されなければならない。
さらに、増幅後の遺伝子型決定を参照する一方、本明細書中に記載のプライマーは検出及び/または定量のために用いることができると理解される。スナップバックプライマーは、当該技術分野において知られているように、そのような方法のためのプライマー及びプローブの両方として働く。
実施例1 対称性PCR後のスナップバックプライマーによる遺伝子型決定
40%GC含量のM13配列の操作されたプラスミド鋳型を鋳型として用いた(25)。一つの位置でそれぞれA、C、G、またはTのいずれかをもつ以外は同一であるプラスミドを、研究のために使用した。“A”鋳型及び“C”鋳型の両方、並びに“A”鋳型及び“C”鋳型の等量を混合することによって形成された“A/C”ヘテロ型が調べられた。それぞれのプラスミドの濃度は、260 nmでの吸光度(A260)によって決定し、1.0のA260が50μg/mLと仮定した。用いられたM13プライマーは、フォワード
Figure 0005424903
(SEQ ID NO: 1、尾部を大文字で示し、スナップバックヘアピンが形成された後の鋳型上の可変位置を太字で示す)、及びリバース5'-atgtttagactggatagcgt-3'(SEQ ID NO: 2)であり、約130 bpのPCR産物を形成する。
PCRは50 mM Tris(pH 8.3)、500μg/mlウシ血清アルブミン、3 mM MCl2、200μMずつのデオキシヌクレオチド三リン酸、0.4 UのKlen Taqポリメラーゼ(AB Peptides)、0.5×LCGreen(登録商標)Plus(Idaho Technology)、0.5μMプライマー、及び106コピーの“A”プラスミドまたは等濃度の“A”プラスミドと“C”プラスミドとの1:1混合物で、10 ul反応体積で行った。PCRは、95℃の変性(0秒保持)、50℃のアニーリング(0秒保持)、72℃の伸長温度までの2℃/秒の勾配、及び72℃で8秒保持を1サイクルとして、35サイクルを、LightCycler(登録商標)(Roche)で行った。PCR後、キャピラリー試料を94℃(0秒保持)で変性させ、そして40℃まで冷却した。温度間のすべての移行速度は、記載がない限り、20℃/秒でプログラムした。試料をLightCyclerから取り出して高分解能融解装置HR-1TM(Idaho Technology)中に置き、0.3℃/秒の勾配で50℃〜87℃で融解した。通常、指数バックグラウンドは融解曲線から差し引かれたが、例えば、その全内容が参照として本明細書中に援用される、PCT/US2006/036605に記載されているように、曲線は正規化され、そして微分プロットとして通常は表示される。結果として得られた微分融解曲線は図5Aに示される。
図5Aは、A/C SNPすべての遺伝子型についての微分融解曲線プロットを示す。アンプリコン融解転移(78〜82℃)及びスナップバックプローブ融解転移(66〜73℃)の両方ともが明らかである。まずアンプリコン領域を考慮すると、予測されるように、Cホモ型のピークはAホモ型よりも高い温度である。更に、ACヘテロ型は、へテロ二本鎖の影響により、より低い温度での広い転移を示す(12)。スナップバックプライマーのプローブエレメントの融解は、遺伝子型に依存する。完全にマッチしたA鋳型は、最も高い温度(71℃)で融解し、ミスマッチのC鋳型は68℃で融解し、そしてヘテロ型は両方の温度の融解ピークを示す。シグナル強度は低いが、スナップバックプライマーのプローブエレメントの融解を観察することによって遺伝子型決定する能力は、はっきりと明らかである。
実施例2 対称性PCRを用いた伸長ブロッカーによるスナップバックプライマー遺伝子型決定
スナップバックプライマーのループ形成及び微分プロット上のスナップバック遺伝子型決定ピーク(低温度のピーク)の高さを上昇させるために、伸長ブロッカーを鋳型特異的なプライマーとスナップバックプライマーのプローブエレメントとの間に組み込んだ。フォワードプライマー中に“X”として示されるように、用いられたブロッカーは、Glen Researchから入手可能なdSpacer CE ホスホロアミダイト(cat. no. 10-1914-90)として組み込まれる脱塩基テトラヒドロフラン誘導体であった。10個の隣接するdSpacerユニットが、ポリメラーゼのブロックを確実にするために組み込まれた。用いられたプライマーは、フォワード
Figure 0005424903
(SEQ ID NO: 3、尾部を大文字で示し、スナップバックヘアピンが形成された後の鋳型上の可変位置を太字で示す)、及びリバース5'-atgtttagactggatagcgt-3'(SEQ ID NO: 4)である。
実施例1の“A”鋳型及び“A/C”ヘテロ型の両方が調べられた。PCR及び融解は実施例1で概説したように行った。図5BはA遺伝子型及びA/C遺伝子型の両方についての微分融解曲線プロットを示す。アンプリコン融解転移(78〜82℃)及びスナップバックプローブ融解転移(68〜75℃)の両方ともが明らかである。アンプリコン領域を考慮すると、ACヘテロ型は、ホモ型と比較してより低い温度での広い転移を有する。スナップバックプライマーのプローブエレメントの融解は、遺伝子型に依存する。完全にマッチしたA鋳型は、高温(73℃)での一つの転移において融解し、一方、ヘテロ型の転移は二つの様式を有する。プローブエレメントのシグナルは、実施例1と比較して相対強度が上昇した。
スナップバックプライマー遺伝子型決定のために対称性PCRを用いる一つの利点は、二つのスナップバックプライマーを(それぞれの端に一つ)用いて、PCR産物内の二つの異なる部分を調べることができることである。各尾部は、一つの部分に対して相補的にし、そしてプローブエレメントは、長さ及び/またはGC含量について変化させて二つのプローブエレメントのアレルのTmを分離することができる。離れた部分(一つのプローブエレメントでは不都合であろう距離まで分離されている)を調べるための別の例示的方法は、単一のプローブエレメントをもつただ一つのスナップバックプライマーを用いることであるが、そのプローブエレメントを各部分が一つの部分に対して相補的である二つ以上の部分へ分割することである。鋳型DNAは部分の間にループを形成し、そしてハプロタイプ分析が可能である(13)。あるいは、例えば非対称性PCRで、一つのスナップバックプライマー及び一つの非標識プローブ(11)を用いることができる。別の選択肢は、いくつかのスナップバックプライマーを一緒に混ぜることであり、プライマーのそれぞれは同一の鋳型特異的なプライマー領域を有するが異なる部分を標的にする異なるプローブエレメントをもつ。
実施例3 非対称性PCR後のスナップバックプライマーのシグナルに対するプローブエレメントの長さの影響
異なるプローブエレメント長を非対称性PCRを用いて調べた。用いたM13プライマーを表1に示し、ここにおいて大文字はプローブエレメント尾部を示し、小文字は鋳型特異的なプライマー領域を定義し、そして太字の塩基はスナップバックヘアピンが形成された後の鋳型上の可変位置を示す。
Figure 0005424903
PCR及び融解は、45サイクルを用いたこと、制限フォワードプライマーの濃度を0.05μMとし、スナップバックリバースプライマーの濃度を0.5μMとしたこと以外は、実施例1のように行った。10:1の比を用いた一方、例えば2:1〜20:1または100:1の高さでも、当該技術分野で知られているように、他のプライマー比が適切であり得ると理解される。スナップバックプライマー法に対するプローブエレメント長の影響を決定するために、6〜28塩基の長さのプローブ領域を試験した(図6A)。結果として得られる融解曲線を図6Bに示す。スナップバックプライマーの融解曲線は、6塩基長の小さいプローブ領域でさえ可視である。6塩基対の小ささの二本鎖融解転移を見る能力は驚くべきものであった。同じ配列の非標識プローブと比べると(11)、融解転移は5〜10℃またはそれ以上安定であるように見える。1Fフォーワードプライマー及び1R26tailスナップバックリバースプライマーから生成されたアンプリコンを用いた融解と、1R26tailプローブエレメントと同じ配列を有する非標識プローブを用いた融解との比較は、分子内ハイブリダイゼーションによる10℃の安定化を確認した。短いヘアピン二本鎖をもたらすより短いプローブエレメントをもつスナップバックプライマーについて、安定化がさらに大きくなると示された。例えば、最近接解析(nearest neighbor analysis)によって予測されるTmより、6 bpのスナップバック二本鎖のTmは40℃高く、そして8 bpのスナップバック二本鎖は35℃高かった。図6Gに示される二本鎖長とTmとの間の直線関係は、融解温度が二本鎖長によって正確に予測可能であることを示唆する。
ヘアピン二本鎖のTmもまた、スナップバックプライマーのプローブエレメントへ意図的にミスマッチ、塩基アナログを導入することにより、または部分を安定化することによって調節可能である。例えば、鋳型にミスマッチをもたらす塩基は、ヘアピン二本鎖の全体のTmを低下させるために用いることができる。G:Tミスマッチ(プローブエレメント中のCをTに置換することによって得られる)は、安定なC:G対を壊すことによってヘアピン二本鎖のTmを低下させるが、G:T対は飽和色素からの蛍光を顕著に減少させないほどに十分に安定であるので、特に魅力的である。ミスマッチを使用して、良性の多型などの、最も無視される配列を隠すこともできる(26)。ヘアピン二本鎖のより高い安定性が望ましい場合、プローブエレメントへ固定核酸(locked nucleic acid)を組み込むことができ、または副溝バインダーを結合させて融解温度を上昇させることができる。
8、14、20、及び24 bpのプローブ領域がSNP遺伝子型決定のために選択された。ヘテロ型は適切なプラスミドを1:1の割合で混合することにより形成された。SNP型決定の結果は、図6C〜Fに示される。遺伝子型決定は、8塩基の短さのプローブエレメント長のプライマーを含む全てのスナップバックプライマーで可能であった。
実施例4 プローブエレメントのシグナルを増加させるための2塩基末端ミスマッチの使用:非対称性PCR後のプローブエレメント長の影響
ゲノムDNAからのスナップバック遺伝子型決定の最初のいくつかの試みは、特によく機能したわけではなかった。非対称性PCRでは、増幅が阻害されたようであり、例えば60サイクル以上の、多くのサイクル後にのみ弱いシグナルが見られた。生じるメジャー鎖及びマイナー鎖をさらに考慮することにより、可能な説明及び解決が提供された。図7Aにおいて、非対称性PCR後に生産されたメジャー鎖及びマイナー鎖は共に、スナップバック構造で示される。メジャー鎖はその5'-端から伸長できないが、マイナー鎖はハイブリダイズしてポリメラーゼ基質を形成できる3'-端を実際に有する。伸長がこの3'-端から生じる可能性があり、このことがプライマーアニーリングを阻害し、そしてメジャー鎖形成を妨げる。この問題に対する一つの解決は、スナップバックプライマーの5'-端の最後の2塩基をミスマッチにし、それによりマイナー鎖からの伸長を不可能にすることである(図7B)。2塩基を例示的なミスマッチのために用いる一方、1塩基のミスマッチはいくつかの伸長を阻害するだろうし、所望する場合にはより多くの塩基をミスマッチへ付加することができると理解される。ミスマッチは、増幅の連続するラウンドへ繰り越されるだろう。
スナップバックプライマーのプローブエレメントの5'-末端に組み込まれた2塩基ミスマッチは、強いプローブ融解シグナルをもたらす。上記のように、そのようなミスマッチは、さもなければPCR中のマイナー鎖の3'-端からの伸長の後に生じ得るPCR阻害を妨害する。2 bpの末端ミスマッチをもつ異なるプローブエレメント長を、非対称性PCRを用いて調べた。用いたM13プライマーを表2に示し、ここで大文字はプローブエレメントまたは尾部を表し、小文字は鋳型特異的なプライマー領域を定義し、小文字の斜体は標的に対してミスマッチである塩基を示し、そして太字の塩基はスナップバックヘアピンが形成された後の鋳型上の可変位置を示す。
Figure 0005424903
PCR及び融解は実施例3のように行った。それぞれ2塩基の末端ミスマッチをもつ8、12、16、及び20塩基のプローブエレメント長を調べた。図8Aは、完全にマッチした“A”鋳型を用いた非対称性PCR後の微分融解の分析結果を示す。全てのプローブエレメントのピークは大きくそして簡単に同定される。驚くべきことに、8塩基のプローブエレメントの下の領域はより長いプローブエレメントと同じように大きい。
遺伝子型の能力は、“A”鋳型及び“A/G”(ヘテロ型)鋳型の両方を用いて、図8Bに示される。“A”鋳型はプローブエレメントに対する完全なマッチを形成し、一方で“G”鋳型はA/Cミスマッチを形成し、完全なマッチより6〜8℃低い融解ピークをもたらす。
100個のすでに遺伝子型決定されている臨床試料を、384ウェルプレート上でPCR増幅し、そして384ウェルLightScanner(登録商標)(Idaho Technology)で融解した。16塩基のプローブエレメント及び2塩基の5'-端ミスマッチをもつスナップバックプライマーを、非対称性PCRに用いて、169 bpのPCR産物及び99塩基のループをもつヘアピンを生産した。ヘアピン二本鎖領域の正規化及びバックグラウンド除去後、曲線は負の微分プロット(negative derivative plot)上に示され、そして自動的にクラスタ化された。プローブエレメントは、変異アレルに対するG:Tミスマッチを有する。図7Cは、遺伝子型が簡単に区別可能であることを示す。図7C中の全試料の遺伝子型は、小さいアンプリコンの高分解能融解によって既に決定された遺伝子型と一致した。
実施例5 非対称性PCRを用いたプローブエレメントの5'-端上の2塩基ミスマッチをもつスナップバックプライマーシグナルに対するアンプリコン長の影響
実施例4のような2塩基末端ミスマッチを有するスナップバックプライマーを使用して、異なるアンプリコン長を調べた。スナップバックプライマーからSNP部位までの距離を一定にし(二次構造のループが同じであるようにする)、一方でアンプリコンの長さを変化させた。非対称性PCRを実施例3のように行った。用いたM13プライマーを表3に示し、ここで大文字はプローブエレメントまたは尾部を表し、小文字は鋳型特異的なプライマー領域を定義し、小文字の斜体は標的に対してミスマッチである塩基を示し、そして太字の塩基はスナップバックヘアピンが形成された後の鋳型上の可変位置を示す。
Figure 0005424903
実験計画を図9Aに図示する。全ての事例において、スナップバックプライマーは同じであり、よってプローブエレメントがアンプリコンにアニールする場合、同じループサイズを形成し、5'端に同じ2 bpミスマッチをもつ。しかし、アンプリコン長は120 bp〜321 bpまで変化する。
結果は図9Bに示される。アンプリコンが長くなると、それだけアンプリコンシグナルと比べてプローブエレメントシグナルの大きさが小さくなる。すなわち、より短いアンプリコンは一般にプローブエレメントからより強い相対シグナルをもたらすだろう。
実施例6 プローブエレメントシグナルに対するループ長の影響
ループ長を変えることの影響を、スナップバックプライマーと調べられる部分の間の距離を変えることによって調べた。実施例3のように非対称性PCRを行った。用いられたM13プライマーを表4に示し、ここで、大文字はプローブエレメントの尾部を表し、小文字は鋳型特異的なプライマー領域を定義し、そして太字の塩基はスナップバックヘアピンが形成された後の鋳型上の可変位置を示す。この事例では、プローブエレメントに隣接する2 bpの5'-ミスマッチを用いなかった。
Figure 0005424903
実験計画を図10Aに図示する。PCR前のプライマーの相対的位置を上部に示す。PCRと融解は実施例3のように行った。非対称性PCR後の伸長されたスナップバックプライマーのループ構造を、図10Aの下部に示す。ループサイズは17〜236 bpまで変化する。
六つの異なる産物の微分融解曲線を図10Bに示す。全長アンプリコンについてのTmはアンプリコンの大きさに直接関連することに注意する。全てのプローブ尾部が同じ大きさであるスナップバックプローブ尾部融解に関して、より小さなループが高い融解温度をもたらし、これは少なくとも17〜236塩基の間では分子内ハイブリダイゼーションの安定化がループサイズと逆に相関することを示す。この逆相関は、17〜150塩基の間の対数で見られ、Tmがログの大きさのログに反比例する。17塩基未満のループでは立体障害が問題となる可能性があるが、最小ループサイズは一般にプライマーサイズによって影響されるので、これはほとんどの場合問題とならないだろう。より大きなループを形成するスナップバックプライマーのシグナル強度は、実施例5において見られ、及び非標識プローブを用いて見られるように、アンプリコンシグナルに対して減少するだろう(11)。例えば、236 bp(5R)のループのループ長をもつ融解曲線は弱い。この例示的なアンプリコンでは、最高のシグナルは17〜177塩基の間のループサイズで得られ、そして良いシグナルは200塩基未満のループで得られるだろうと予測される。プローブエレメントの安定化及び大きい相対シグナルが一般に好まれるので、20〜50塩基の間のループサイズがよく機能すると予測される。
実施例7 一つのスナップバックプライマーによる全ての可能な一塩基変異の遺伝子型決定
一つのスナップバックプライマーを使用して、さまざまなプラスミド鋳型を増幅し、プローブエレメントの融解曲線の形状が増幅される配列に依存することを示す。四つの異なるM13プラスミドを標的として用い、ここでそれぞれのプラスミドは一つの位置のみA、C、G、またはTで異なる。本実施例では、ホモ型遺伝子型決定をシミュレートするために、わずか一つのマッチしたまたはミスマッチのプラスミドを用い、一方でヘテロ型をシミュレートするために、等しい割合で混合した二つのプラスミドを用いた。非対称性PCRは実施例3のように行った。用いたM13プライマーは1F tcattctcgttttctgaactg(SEQ ID NO: 5)及び1R22Tmis10
Figure 0005424903
(SEQ ID NO: 31)であり、ここで、大文字はプローブエレメントまたは尾部を表し、小文字は鋳型特異的なプライマー領域を定義し、小文字の斜体は標的に対してミスマッチである塩基を示し、そして太字の塩基はスナップバックヘアピンが形成された後の鋳型上の可変位置を示す。PCR産物は120 bpの長さであった。
可変部分が“A”のスナップバックプライマーを用いて、全ての可能なマッチした鋳型、部分的にマッチした鋳型、及び完全にミスマッチの鋳型を調べた。ホモ型鋳型では、一つのマッチした二本鎖及び三つのミスマッチの二本鎖が形成され(図11A)、すべてが単一の融解転移を示した。アンプリコン転移において、G及びCのPCR産物がA及びTのPCR産物よりもわずかにより安定である。プローブエレメント転移はA:Tマッチで最も安定であり、次にA:Gミスマッチ、A:Aミスマッチ、そして最後にA:Cミスマッチが続く。
図11Bは、すべての三つの部分的にマッチしたヘテロ型と供にマッチした鋳型を示す。図11Aのように、マッチした鋳型は約68℃の単一のプローブエレメント融解ピークを示す。三つのヘテロ型はすべて、一つのアレルがマッチしその他がミスマッチである合成プローブエレメント融解ピークを示し、一方のピークが68℃でその他のピークが特定のミスマッチに依存する、二つの別個のピークに通常分けられる。
図11Cは、両方のアレルがミスマッチである三つのヘテロ型と供にマッチした鋳型を示す。マッチした二本鎖は、最も安定であり、一方、ミスマッチのヘテロ型はプローブエレメントとより不安定な二本鎖を形成する。それぞれのヘテロ型は、別個のピークに分かれない二つのミスマッチ要素からできている独特な広い明らかに単一の転移で融解する。
実施例8 スナップバックプライマーのプローブエレメント内のミスマッチ位置の影響
異なるプローブエレメントをもつスナップバックプライマーを使用して、同じ標的配列を増幅した。プローブエレメントは、同じ長さのアンプリコンをもち、プローブエレメントに沿った異なる位置に可変塩基を置くように設計された。プローブエレメントの長さは22塩基であり、2、8、14、または20の位置に置かれた可変塩基をもち、26〜44塩基のループ長及び120 bpのアンプリコンの大きさをもたらす。ループ長は最大18塩基の差異まで変化させたが、これは絶対Tmにのみ影響するはずであり、ヘテロ型からホモ型を区別する能力に影響しない。非対称性PCRは実施例3のように行われた。用いられたM13プライマーは表5に示され、ここで、大文字はプローブエレメントまたは尾部を表し、小文字は鋳型特異的なプライマー領域を定義し、小文字の斜体は標的に対してミスマッチである塩基を示し、そして太字の塩基はスナップバックヘアピンが形成された後の鋳型上の可変位置を示す。
Figure 0005424903
ホモ型“A”鋳型及びヘテロ型“A/G”鋳型の両方を、プローブエレメントの異なる位置の下でヘテロ型を検出する能力を試験するために、別々に増幅した。可変塩基を22塩基のプローブエレメントの2番または20番の位置でプローブのいずれかの末端の近くに置いた場合、ホモ型からヘテロ型を区別することは難しかった(図12A〜B)。反対に、可変塩基が8番または14番の位置の中央付近であった場合、ヘテロ型は簡単に同定された(図12C〜D)。これらの結果は、本実施例の条件と同様である場合、最適な識別が望まれるなら、プローブは配列変異の領域の中央付近にあるべきであることを示唆する。いずれかのプローブエレメントの末端に近い配列変異は検出することができない。
実施例9 スナップバックプライマーによる嚢胞性線維症G542X変異の遺伝子型決定
スナップバックプライマー遺伝子型決定を、CFTR変異G542X、すなわちエキソン11におけるGからTへの一塩基変化、について行った。遺伝子型決定されたヒトゲノムDNA試料をCoriell Institute for Medical Research(Camden, NJ)から入手し、そしてPCRにおいて50 ng/μLで用いた。制限フォワードプライマーはtgtgcctttcaaattcagattg(SEQ ID NO: 36)(0.05μM)であり、そしてリバーススナップバックプライマーは
Figure 0005424903
(SEQ ID NO: 37)(0.5μM)であった。プローブエレメントの配列は野生型の標的配列にマッチした。アンプリコンの大きさは228 bpであった。PCRは、最初の変性を95℃で20秒行ったこと、アニーリング温度が53℃であったこと、55サイクル行ったこと、及び融解解析を55〜88℃で0.2℃/秒で行ったこと以外は、実施例3のように行った。スナップバックプライマーのループサイズは88塩基であり、そしてプローブエレメントは24塩基であった。
結果として得られるスナップバックプライマー遺伝子型決定は、図13に示される。微分融解曲線は、右側により高い温度のアンプリコン融解ピークにより示され、そしてより低い温度のプローブエレメントピークは左側にある。ミスマッチ鋳型からのプローブエレメントの融解は、約63℃で生じ、一方、マッチした鋳型は、約68℃で融解する。三つの遺伝子型はすべて、容易に識別される。
実施例10 スナップバックプライマーによる嚢胞性線維症エキソン10配列変異(F508del、F508del、及びF508C)の遺伝子型決定
スナップバックプライマー遺伝子型決定を、F507del、F508del、及びF508Cを含むエキソン10中のCFTR変異ホットスポットで行った。遺伝子型決定したヒトゲノムDNA試料を、Coriell Institute for Medical Research(Camden, NJ)から入手し、PCRにおいて50 ng/μlで用いた。制限フォワードプライマーはacttctaatgatgattatggg(SEQ ID NO: 38)(0.05μM)であり、そしてスナップバックリバースプライマーは
Figure 0005424903
(SEQ ID NO: 39)(0.5μM)であった。プローブエレメントの配列は野生型配列にマッチした。アンプリコンの大きさは231 bpであり、スナップバックプライマーのループサイズは58塩基であった。
結果として得られるスナップバックプライマープローブエレメントの融解曲線は、微分融解曲線プロット(図14A)及び正規化融解曲線プロット(図14B)の両方として、図14A〜Bに示される。野生型鋳型からのプローブエレメントの融解は、約72℃で起こり、一方、ミスマッチの鋳型はより低い温度で融解し、それぞれの遺伝子型は特徴的な融解曲線を有する。全ての遺伝子型は簡単に区別される。
実施例11 両側性スナップバックプライマーによる複数部位の遺伝子型決定
スナップバック遺伝子型決定を、他の融解技術と同様に、温度軸に沿って多重化することができる(9)。例えば、二つ以上のプライマーセット(それぞれ一つのスナップバックプライマーをもつ)を使用して、例えばそれぞれのプローブエレメントにより全てのアレルを融解温度で分けることにより、複数部分を増幅し、そして遺伝子型決定する。あるいは、アンプリコン内の複数の部分を、定常領域間の鋳型をループさせることにより一つより多くの部分をそれぞれ調べることができる、二つのスナップバックプライマーを用いた増幅、または一つのスナップバックプライマーと一つの非標識プローブを用いた増幅で、遺伝子型決定することができる(13)。
二つのスナップバックプライマーを使用して単一の標的核酸を増幅する場合、例えば、対称性PCRを使用して十分な濃度の両産物の鎖をもたらすことができる。本実施例では、CFTR遺伝子を、各プライマー0.5μMで用いる対称性PCRを用いて増幅した。プライマーには、二塩基5'-端ミスマッチ及び17塩基(スナップバック1)または28塩基(スナップバック2)プローブエレメントのいずれかが含まれ、69及び66塩基のヘアピンループをそれぞれもつCFTRのエキソン10の249 bpのPCR産物を生産した。鋳型DNA濃度は5 ng/μlであった。96ウェルプレート中の2μlの反応体積を、10〜15μLのミネラルオイル(Sigma)で覆い、プレートを遠心し(1500 gで3〜5分)、そしてPCRをPTC-200サーマルサイクラー(Bio-Rad)中で行った。最初の変性を95℃で3分で行い、その後95℃で15秒、55℃で10秒、及び72℃で15秒を1サイクルとして35サイクル行った。
二本鎖全長アンプリコンの形成は濃度に依存する分子間反応であり、そしてスナップバックのへアピンループ形成は一般に濃度に依存しない分子内反応であるので、PCR産物の希釈は、同一の非希釈PCR産物と比べて、スナップバックループ形成を促進するだろう。よって、この例示的な実施例では、PCR後、CFTR試料を水で希釈し(10×希釈のために18μl)、遠心し、LightScanner(登録商標)中で95℃まで加熱し(全長アンプリコンについての融解温度以上)、<40℃(室温、この実施例のヘアピンについての融解温度未満)まで冷却するために装置から取り出し、その後LightScanner(登録商標)で0.15℃/秒で加熱する間に蛍光を取得した。希釈後、蛍光取得融解前に、加熱及び冷却、例えば急速冷却(例えば少なくとも2℃/秒、また例えば少なくとも5℃/秒)により、スナップバックヘアピンから良好なシグナルが生産されたことが分かった。(i)希釈無しまたは(ii)希釈ありで融解中の蛍光取得前の加熱及び冷却無しで、対称性PCRにおいて、弱いヘアピン融解転移のみ観測された。pH調節などの他の方法を用いてスナップバックの分子内ループ形成を促進することができると理解される。
スナップバック1は、46〜60℃の間の融解移行をもつ、F508del、I507del、F508C、及びI506V変異をカバーした。より長いスナップバック2は、Q493X変異をカバーし、66〜72℃の間で融解した。データは正規化及びバックグラウンド除去後の負の微分プロットとして図15に示される。野生型(丸)、複合F508del/Q493Xヘテロ型(結合した小さい菱形)、I506Vヘテロ型(小さい菱形)、F508Cヘテロ型(小さい四角)、I507delヘテロ型(大きい四角)、F508delヘテロ型(結合した大きい菱形)、及びF508delホモ型(結合した四角)はすべて区別可能であった。
この実施例では10倍希釈が用いられたが、望ましい全長アンプリコンからのシグナルの最小化の程度に依存して、他の希釈比を用いることができると理解される。遺伝子型決定のみが望まれる場合、より高い希釈が適切であろうし、一方、遺伝子型決定とスキャニングの両方が望まれる場合は、より低い希釈が適切であろう。あるいは、試料を希釈しないでスキャニングのために融解することができ、次いで遺伝子型決定のために希釈後に再び融解することができる。さらに、この実施例ではPCR増副産物が希釈されたが、一方、PCR増幅をプラトー段階に達する前に止めて、それにより全長アンプリコンの量を制限して、結果としてより低いアンプリコン濃度とすることにより、同様の結果を得ることができるだろう。
対称性PCR後の全長アンプリコン二本鎖についてのスナップバックループ形成を促進する更なる方法が示された。例えば、このヘアピン形成は、変性後の急速冷却によって促進することができる。これは、-20℃/秒のプログラムした速度で冷却することによりLightCyclerのキャピラリー中で達成することができ、そして-10℃/秒及び-5℃/秒でも観測される。あるいは、ヘアピンを促進するのに十分な急速冷却は、MJ PTC-200などのブロックサーモサイクラーで冷却することによって得ることができ、ここで変性試料は60で<35℃まで冷却された。変性後のヘアピン形成は、キャピラリー中の変性試料を氷水に差し込むことによって冷却することにより非常に促進することができ、この場合2秒未満で<5℃の温度を得ることができる。試料を急速に冷却する場合、ヘアピンの量及び望まれる全長アンプリコン二本鎖の量に依存して、試料は対称性PCR後に必ずしも希釈される必要はない。
例えばpH 8.5〜11.0といった高いpHもまた、全長二本鎖アンプリコンについてのヘアピンの形成を促進する。PCRを高pHで行うか、またはPCR後に、例えばNaOHの希釈溶液または高pHバッファーを添加することにより、pHを上昇させることができる。例えば、PCR増幅後に、pH 8.9〜10.8のAMP(アミノメチルプロパノール)バッファー中でヘアピン形成を促進する。あるいは、PCRを10 mM Trisバッファー、pH 8.5中で行うことができ、そしてPCR後にpH 9〜11の間の10 mM AMPバッファーを添加して、溶液をより塩基性にすることができる。希釈非緩衝化NaOHを、直接添加することもでき、例えば、1〜9μlの0.01 M NaOHを10 mM Tris、pH 8.5で緩衝化された10μlのPCRの反応産物へ添加することができる。まとめると、増幅産物を以下の一つ以上の組合せによって調節して、分子間ハイブリダイゼーションについてのヘアピン形成促進することができる:1)より低い産物濃度、例えば生産されるPCR産物の量を制限すること(少ない数のサイクルまたは低いプライマー濃度)、またはPCR後に希釈すること、いずれかによって得られる濃度;2)変性後の急速冷却;3)高いpHでPCRを実行すること、またはPCRが完了した後で塩基性溶液を添加することのいずれかによって得られる、高いpH(例えば8.5〜11.0)。
実施例12 多色遺伝子型決定のためのエネルギー移動ドナーとしてのスナップバックプライマー
さまざまなプローブエレメントをさまざまなフルオロフォアで“色づけ”できれば、さらなる多重化が可能だろう。このアプローチはiFRET(誘導性蛍光共鳴エネルギー移動)で示され、ここで、DNA二本鎖の存在下のdsDNA色素(SYBR Green I)の溶液は、二本鎖の鎖に共有結合したアクセプター色素へドナー蛍光を提供する(14)。
共鳴エネルギー移動、及びスナップバックプライマーによる色素多重化の実現可能性を示すために、5'-末端に共有結合色素をもつスナップバックプライマーLCRed640(Roche Diagnostics)を、同じ配列の5'-標識プローブと比較した。スナップバック増幅のためにフォワードプライマー配列は1F(tcattctcgttttctgaactg(SEQ ID NO: 5))であり、スナップバックプライマーは
Figure 0005424903
(SEQ ID NO: 15)であった。対照として用いられた標識プローブ反応のために、フォワードプライマーはこの場合も1Fであり、リバースプライマーは1R(atgtttagactggatagcgt(SEQ ID NO: 40))であり、そして標識プローブは
Figure 0005424903
(SEQ ID NO: 41)であり、ここで、“P”は3'-リン酸である。伸長温度が74℃であり、50サイクル行い、フォワードプライマー濃度が0.1μMであり、リバースプライマー濃度(スナップバックまたは通常のもの)が0.5μMであり、そして(存在する場合)標識プローブが0.5μMであったこと以外は、PCRを、0.5×LCGreen Plusの存在下、実施例3で記載したように行った。融解解析を、0.2℃/秒で50〜87℃、F2(LCRed640)チャネルで、LightCycler(登録商標)で行った。
図16は、LCGreen Plus及び共有結合したLCRed640の間の共鳴エネルギー移動を示す、LCRed640チャネルにおける微分融解プロットを示す。分子内ループが分子間二本鎖と比較してスナップバック二本鎖を約9℃安定化するが、スナップバックプライマーまたは標識プローブのいずれかを用いて、LCRed640融解転移が一見して明らかである。同じdsDNA色素(例えばLCGreen Plus)によって励起される異なるフルオロフォアにより異なるスナップバックプライマーを標識することにより、色素多重化を達成することができる。色素補正法、好ましくはチャネル間のクロストークに対する温度の影響を明らかにする方法(9)を使用して、複合スペクトルシグナルを個々の成分を解析する。
図16において、標識プローブの対照反応は、63℃の融解ピーク、結合LCGreen Plusと標識プローブとの間のFRETの結果を示す。標識スナップバックプライマーは、分子内結合から約9℃安定化され、約72℃の融解温度を有する。
実施例13 スナップバック遺伝子型決定及びアンプリコンスキャニングの組合せ
スナップバックプライマーでの非対称性増幅は、遺伝子型決定のためのヘアピン及びアンプリコンスキャニングのための二本鎖産物の両方を生産する。したがって、同じ融解曲線からの遺伝子型決定及びスキャニングの両方が、スナップバックプライマーにより可能である。そのような方法についてのスキーム図を図17に示す。スナップバック遺伝子型決定は、通常非対称性PCRで行われるので、アンプリコンシグナルは対照の増幅でのものほど強力ではなく、そしてヘテロ型スキャニングの正確性は現在のところ未知である。にもかかわらず、一つのプロセス中で変異をスクリーニングし、そして特異的配列変異を遺伝子型決定する可能性は、魅力的であり、そして全遺伝子解析における配列決定についての負荷の99%を潜在的に削減する可能性がある。プライマー間の配列における任意の配列の違いは、アンプリコン融解転移を歪め、形成されるヘテロ型二本鎖のために温度を低下させる。くわえて、スナップバックヘアピンで、プローブエレメントについての共通変異を限定的に同定することができる。ホモ型変異もプローブエレメントによって同定されるが、アンプリコン融解を変化させることはできない。最終的に、アンプリコン転移がヘテロ型変異を示すがスナップバック転移が正常である場合、プローブ化された領域の外の稀なまたは新しい変異が示唆され、そして同定のための配列決定が必要とされる可能性がある。
非対称性PCRの代わりとして、スキャニング及び遺伝子型決定を、スナップバックプライマー及び対称性PCRを用いた二工程で、希釈ありまたは希釈無しで、行うことができる。上記のように、プラトー段階までの対称性PCRは全長二本鎖アンプリコンの形成を促進し、一方で希釈はスナップバックループの形成を促進する。プライマーはtctcagggtattttatgagaaataaatgaa(SEQ ID NO: 42)及び
Figure 0005424903
(SEQ ID NO: 43)であり、そしてCFTRのエキソン4を含む211 bpのPCR産物を増幅した。ヘアピンループは、18 bpの長さのヘアピン二本鎖をもつ46塩基であった。PCRを、2 mM Mg++及び各プライマー0.25μMとともに、5μlの体積を用いたこと以外は、実施例11のように行った。温度サイクリングには、95℃で5分の最初の変性と、その後の95℃で30秒、62℃で10秒、及び72℃で30秒を1サイクルとして36サイクルが含まれた。スキャニングのための融解取得は、あらゆる添加または希釈の前で60〜95℃であった。図18Aはいくつかの野生型試料及びGからAへの塩基変化に由来する単一R117Hヘテロ型のスキャニング融解曲線を示す。単一R117Hヘテロ型が明確に可視化され、これは、そのような希釈無しの対称性融解曲線をスキャニングのために使用できることを示す。図18Bは、融解データ取得前の上記のような45μlの水(10×希釈)で希釈し、そして加熱と冷却を行った後の、同一の増幅産物の微分プロットを示す。ここでも、R117Hヘテロ型はスナップバックプライマー遺伝子型決定により特異的同定のために容易に区別可能である。同一のヘテロ型が両方の曲線で見られると同時に、これは、スナップバックプライマーを用いた同一のPCR増幅によりスキャニング及び遺伝子型決定が可能であることを示す。
実施例14 スナップバックプライマーによるハプロタイプ決定
アレル特異的増幅とスナップバックプライマー遺伝子型決定とを組合せることによって、ハプロタイプ決定のための単純な方法を提供する。二つの遺伝子座、A及びB、それぞれが二つのアレル、A1、A2、及びB1、B2をもつものを考える。スナップバックプライマーのプライマーエレメントをA座とアニールするように設計し、そしてスナップバックプライマーのプローブエレメントをB座とアニールするように設計し、B座が二つのプライマーにより増幅されるように、第二のプライマーはB座に隣接するように設計する。スナップバックプライマーをA座のアレル1を伸長するためにのみ設計すれば(例えばA座の可変部位に3'末端を配置することによる)、プローブエレメントを融解することによって同定されるB座のタイプはA1アレル(と同一のハプロタイプ)と関連しなければならない。よって、プライマーエレメントがA1を伸長させ、プローブエレメントがB1とマッチし、そしてプローブ融解曲線がマッチすることを示す場合、A1B1ハプロタイプが存在する。プローブ融解曲線がミスマッチを示す場合、A1B2ハプロタイプが存在する。プライマーエレメントがA2を伸長させ、プローブエレメントがB1とマッチし、そしてプローブ融解曲線がマッチすることを示す場合、A2B1ハプロタイプが存在する。プローブ融解曲線がミスマッチを示す場合、A2B2ハプロタイプが存在する。
参考文献(それらの全内容が本明細書中に援用される)
Figure 0005424903
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Figure 0005424903
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本発明は、好ましい態様を参照して詳細に記載されるが、変形及び修飾が、以下の請求項において記載され及び定義される発明の範囲及び思想の内に存在する。

Claims (14)

  1. 標的核酸を増幅するために構成された第一のプライマー及び第二のプライマーと標的核酸とを混合して混合物を作る工程であって、ここで第一のプライマーは標的核酸の部分に特異的なプローブエレメント及び鋳型特異的なプライマー領域を含み、このプローブエレメントは鋳型特異的なプライマー領域の5’にある、前記工程、
    標的核酸を増幅してアンプリコンを生成する工程、
    プローブエレメントを前記部分とハイブリダイズさせてヘアピンを形成する工程、及び
    前記混合物を加熱するにつれて、第一のプライマーに共有結合していないdsDNA結合色素からの蛍光を測定することによりプローブエレメントについての融解曲線を生成する工程、
    を含む、核酸を解析する方法。
  2. 非対称性増幅のために、第一のプライマーが第二のプライマーより高い濃度で提供される、請求項1に記載の方法。
  3. 第一のプライマーがプローブエレメントの5’のミスマッチ領域をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 第一のプライマーが、共有結合した色素またはクエンチャーを全く有さないオリゴヌクレオチドである、請求項1に記載の方法。
  5. 第一のプライマーが伸長ブロッカー(extension blocker)を有さない、請求項4に記載の方法。
  6. 第一のプライマー及び第二のプライマーが本質的に同じ濃度で提供され、そして第二のプライマーが標的核酸の第二の部分に特異的なプローブエレメント及び鋳型特異的なプライマー領域を含み、ここで第二のプライマーのプローブエレメントは鋳型特異的なプライマー領域の5’にある、請求項1に記載の方法。
  7. 標的核酸を増幅した後、融解曲線を生成する前に、アンプリコンを希釈する工程をさらに含む、請求項6に記載の方法。
  8. ヘアピンが20〜50塩基の間のループを有する、請求項1に記載の方法。
  9. プローブエレメントが10塩基未満である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記部分が既知の一塩基多型を有し、そしてこの一塩基多型はプローブエレメントの端から8塩基以上離れて位置する、請求項1に記載の方法。
  11. 標的核酸が第二の部分をさらに含み、そして
    第一のプライマーの鋳型特異的なプライマー領域が第二の部分の特定のアレルが存在した場合のみ標的核酸を増幅するように構成されている、
    請求項1に記載の方法。
  12. 融解曲線の形状を解析する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  13. 混合物を、標的核酸を増幅した後、融解曲線を生成する前に、プローブエレメントのヘアピン形成を促進するように調節する、請求項1に記載の方法。
  14. 増幅をプラトー段階に達する前に終わらせ、アンプリコン濃度を制限する、請求項1に記載の方法。
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