JP5424453B2 - 医療用パウチおよびドレープ - Google Patents

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Description

本発明は、医療用パウチおよび医療用パウチを備えるドレープに関する。
従来より、手術室において外科手術等の医療処置が行われる際には、不潔領域と定められる患者の体表や医療装置等の医療用物品の表面を医療用のドレープにて覆い、清潔領域を当該不潔領域から隔離することが行われている。患者を覆うドレープでは、患者の手術対象部位である術野をドレープから露出させるための開口が設けられている。
ところで、膀胱や前立腺等の下腹部の手術や開頭手術、あるいは、関節鏡を利用した膝関節の手術等では、術野に対して生理食塩水等を連続的あるいは断続的に付与しつつ手術が行われることがあり、このような手術に利用されるドレープでは、術野から流れ落ちる生理食塩水や血液等を受けて所定の廃液タンク等へと送る医療用パウチが、術野を露出させるための開口近傍に取り付けられている。
例えば、特許文献1の開頭用ドレープでは、手術用開口の下側に流出ポーチが設けられ、手術中に発生した流体物および固形物が流出ポーチにより受けられる。また、流出ポーチの下端部には、吸引装置が取り付けられるドレーンポートが設けられる。さらには、流水ポーチの上部開口とドレーンポートとの間には、固形物を受ける固形スクリーンが設けられることにより、固形物によるドレーンポートのブロック(すなわち、固形物による吸引の阻害)が防止される。開頭用ドレープでは、流出用ポーチの上部開口のエッジに延性材料(金属ワイヤとプラスチックとの複合材)が設けられることにより、上部開口が閉じてしまうことが防止される。
特許文献2では、下腹部の手術時に利用される流水袋付覆布が開示されている。流水袋付覆布では、流水袋の入口と底部とを仕切ってネットを設けることにより、流水袋に流入する洗浄液等に浮遊している生体組織の小片を捕捉して回収することが可能とされる。また、底部に排水用のホースを取り付けることにより、比較的小さい流水袋で大量の液体の処理が可能とされる。
特表2000−517215号公報 実公平3−13298号公報
ところで、特許文献2の流水袋では、ネットにて捕捉された生体組織の小片を回収する際に、医師や看護士が流水袋の入口から内部へと腕を差し入れ、手に持った鑷子(ピンセット)等により生体組織を挟んで流水袋から取り出すことになる。しかしながら、ネットは流水袋の入口から離れた位置に配置されるため、流水袋の内部に差し入れられた腕が流水袋の内側と接触し、流水袋の内側に付着した血液等が腕に付着してしまう。また、流水袋の入口とネットとの距離が比較的大きいため、ネット上の生体組織が小さい場合、鑷子にて当該生体組織を容易に挟むことができず、生体組織の取り出しに要する時間が増大するとともに作業者のストレスが増大してしまう。
さらには、特許文献1の流水ポーチや特許文献2の流水袋のような医療用パウチは、透明ポリプロピレン等の薄いシート部材により形成されているため、筒状のシート部材の互いに対向する部位がネット等の捕捉部近傍において密着してしまい、ネットにて捕捉された生体組織の取り出しがより困難となる上、作業者の腕にシート部材がまとわりついて血液等の腕への付着が増大してしまう。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、医療用パウチの捕捉部にて捕捉された固形物を容易に取り出すことを目的としている。
請求項1に記載の発明は、医療用パウチであって、上部の受液口にて術野からの液体を受けて前記液体を前記受液口よりも狭い流路を形成する下部へと導く略筒状のパウチ本体と、前記パウチ本体の前記下部の内側にて前記液体を下方へと通過させるとともに前記液体と共に流れる固形物を捕捉する捕捉部とを備え、前記パウチ本体が、前記捕捉部にて捕捉された固形物を取り出す際に、前記捕捉部の上方に固形物取り出し用の開口を形成する開口形成構造を有し、前記開口形成構造が、前記パウチ本体の前記上部と前記下部とを接続する面ファスナを有し、前記面ファスナを分離することにより、前記捕捉部の上方にて前記パウチ本体の前記上部から前記下部が分離されて前記捕捉部の上方に前記下部の全周に亘る前記開口が形成される
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の医療用パウチであって、前記開口と前記捕捉部との間の最短距離が1cm以上15cm以下である。
請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の医療用パウチであって、前記パウチ本体の前記下部および前記下部近傍の部位がシート状の部材により形成されており、未使用時に前記下部が平らにされて流路が閉じており、使用時に、前記パウチ本体の前記捕捉部近傍に取り付けられた保形部材が変形されて前記下部の形状が略筒状に維持される。
請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の医療用パウチであって、前記パウチ本体の前記下部の下端部に前記液体を排出する排液口が設けられ、前記排液口が、前記液体を吸引する吸引機構に接続される。
請求項に記載の発明は、手術の際に患者を覆うシート状のドレープであって、請求項1ないしのいずれかに記載の医療用パウチと、前記医療用パウチが固定されるドレープ本体とを備える。
本発明では、捕捉部にて捕捉された固形物を容易に取り出すことができる。また、捕捉部を別の場所へと移動して固形物を取り出すことができ
本発明では、さらに、開口を容易に形成することができ、一旦開口を形成した後、開口を閉じて医療用パウチの使用を継続することができる。また、請求項の発明では、受液口にて受けた液体を確実に捕捉部へと導くことができる。
図1は、本発明のの実施の形態に係る医療用パウチ1を示す図であり、図2は、医療用パウチ1を図1中のA−Aの位置にて切断した断面図である。医療用パウチ1は、患者の術野に対して生理食塩水等を連続的あるいは断続的に付与しつつ行われる手術の際に患者を覆うシート状のドレープに設けられ、手術時における術野からの液体(例えば、血液や体液、術野の洗浄に利用された生理食塩水等)を受ける、いわゆる受水袋である。本実施の形態では、膀胱や前立腺等の下腹部の手術(すなわち、泌尿器科手術)の際に利用されるドレープに設けられる医療用パウチ1について説明する。図1および図2では、医療用パウチ1の使用前(すなわち、未使用時)の状態を示している。
図3は、医療用パウチ1の使用時の状態を示す斜視図である。図1ないし図3に示すように、医療用パウチ1は、使用時に略筒状とされるパウチ本体2を備え、パウチ本体2は、上端に術野からの液体を受ける受液口201が設けられた上部21(以下、「本体上部21」という。)、および、本体上部21の下端部に取り付けられて受液口201よりも狭い流路を形成する下部22(以下、「本体下部22」という。)を備える。パウチ本体2では、受液口201にて受けられた液体が本体下部22へと導かれ、本体下部22の下端に設けられた排液口202から排出される。排液口202には外側(すなわち、下方)に突出する略円筒状の導管部24が設けられており、排液口202は導管部24を介して液体を吸引するポンプ等の吸引機構に接続される。
本体上部21は、ポリエチレン等の透明または半透明の柔軟な樹脂材料により形成されたほぼ同形状の2つのシート部材を重ね、図1中の左右方向の両側の側縁にて2つのシート状の部材(以下、単に「シート部材」という。)をヒートシール等により互いに接合することにより形成される。本体上部21の2つのシート部材は、上端縁および下端縁において互いに非接合とされる。また、本体下部22は、本体上部21と同様の材料により形成されたほぼ同形状の2つのシート部材を重ね、図1中の左右方向の両側の側縁にて2つのシート部材をヒートシール等により互いに接合することにより形成される。本体下部22の2つのシート部材は、上端縁において互いに非接合とされ、下端縁において排液口202を形成するように互いに接合される。図1および図2に示す未使用時の状態の医療用パウチ1では、パウチ本体2の本体上部21および本体下部22は平らにされて(すなわち、本体上部21の2つのシート部材が重ねられるとともに本体下部22の2つのシート部材も重ねられて)内部の流路は閉じている。
図1ないし図3に示すように、医療用パウチ1は、また、本体下部22の内側にて本体上部21から本体下部22に導かれた液体を下方へと(すなわち、排液口202の方へと)通過させるとともに液体と共に流れる病理検体等の非液状の固形物を捕捉する捕捉部3(例えば、メッシュ部材や多数の小さい穴が形成されたシート部材)を備える。捕捉部3は、パウチ本体2の本体上部21および本体下部22と同様に、柔軟な樹脂材料により形成され、捕捉部3の周縁部は、本体下部22の対向する2つのシート部材に全周に亘って接合される。
医療用パウチ1では、本体上部21の下端部が本体下部22の上部開口から本体下部22の内側に挿入されており、図1および図2に示すように、捕捉部3の上方(すなわち、本体上部21側)において、本体上部21の下端部の外側面、および、本体下部22の上端部の内側面に設けられた面ファスナ213,223により、本体上部21と本体下部22とが接続されている。以下の説明では、パウチ本体2において、本体上部21の下端部と本体下部22の上端部とが重なっている部位を「本体接続部23」という。
図1ないし図3に示すように、本体下部22の2つのシート部材にはそれぞれ、左右方向に伸びる帯状の保形部材25a,25b(図1および図3では、図示の都合上、保形部材25aのみを示す。)が捕捉部3近傍に取り付けられており、保形部材25a,25bの左右方向のおよそ中央には、把持可能なつまみ部251a,251bが接続されている。なお、図2では、図示の都合上、本体下部22の2つのシート部材、保形部材25a,25b、並びに、つまみ部251a,251bを離して描いている(図10ないし図12においても同様)。本実施の形態では、保形部材25a,25bは、面ファスナ213,223が設けられた本体接続部23よりも下方、かつ、捕捉部3の上端部近傍に設けられる。
保形部材25a,25bは、樹脂材料により形成された板状部材であり、本体下部22の2つのシート部材よりも高い剛性を有する。本実施の形態では、保形部材25a,25bのそれぞれの上下方向の幅は約1cm、厚さは約1mmとされる。つまみ部251a,251bはそれぞれ、一方の端部が保形部材25a,25bに接合された薄い樹脂フィルムである。
医療用パウチ1の使用時には、つまみ部251a,251bが施術者等により把持されて互いに離間する方向に引っ張られることにより、保形部材25a,25bが、左右方向の中央にて互いに離れるように折り曲げられる。これにより、保形部材25a,25bが取り付けられた本体下部22の2つのシート部材が互いに離間し、図3に示すように、本体下部22の形状が略筒状とされる。また、本体接続部23において本体下部22に接続された本体上部21の2つのシート部材も互いに離間し、本体上部21の捕捉部3近傍の部位の形状も略筒状とされる。保形部材25a,25bは、塑性変形が比較的生じやすい材料にて形成されており、それぞれの左右方向の中央部が互いに離れるように変形してその形状が維持される。これにより、本体上部21の捕捉部3近傍の部位および本体下部22の形状が略筒状に維持される(すなわち、本体上部21の捕捉部3近傍の部位および本体下部22が保形される)。
医療用パウチ1が使用される手術では、手術終了後等に、医療用パウチ1の捕捉部3にて捕捉された病理検体等の固形物が取り出される。このとき、医療用パウチ1では、図1および図2に示す本体接続部23において本体上部21に設けられた面ファスナ213と本体下部22に設けられた面ファスナ223とが分離されることにより、捕捉部3の上方にて本体下部22がパウチ本体2の本体上部21から分離され、図4および図5に示すように、捕捉部3の上方に本体下部22の全周に亘る固形物取り出し用の開口203(以下、「取出開口203」という。)が形成される。換言すれば、本体下部22の上部開口全体が取出開口203とされる。図1および図2に示す医療用パウチ1では、本体接続部23および面ファスナ213,223が、パウチ本体2に取出開口203(図4および図5参照)を形成する開口形成構造となっている。取出開口203と捕捉部3との間の最短距離(すなわち、取出開口203と捕捉部3の側縁との最短距離であり、図5中において符号Dを付して示す距離)は、好ましくは1cm以上15cm以下(より好ましくは、5cm以上10cm以下)とされる。
医療用パウチ1は、図1ないし図3に示すように、本体上部21の一方のシート部材の上端部近傍において左右方向に伸びる弾性部材26をさらに備える。弾性部材26は、本体上部21の左右方向の両側端から突出しており、弾性部材26の両端部は、図1および図3に示すように、リング状とされる。以下の説明では、弾性部材26の両端のリング状の部位261を、「リング部261」という。図2に示すように、弾性部材26が設けられるシート部材の上端部近傍の部位は下方に折り返されており、折り返された部位の下端部と当該下端部と対向する部位とがヒートシール等により接合されて2層構造を形成している。弾性部材26は、この2層構造内に保持されるとともに左右方向の中央部において本体上部21と接合される。
次に、医療用パウチ1が設けられる手術用のドレープ5について説明する。図6は、ドレープ5を示す図であり、図7.Aは、ドレープ5を図6中のB−Bの位置にて切断して中央部を拡大した断面図である。また、図7.Bは、ドレープ5の第2ドレープシート53(後述)近傍を拡大して示す側面図である。図6、図7.Aおよび図7.Bは、使用前の状態のドレープ5を示す。ドレープ5は、泌尿器科手術の際に、膝を屈曲させた開脚姿勢にて仰向けに手術台上に位置する(いわゆる砕石体位を取る)患者を覆うために使用される。
図6、図7.Aおよび図7.Bに示すように、ドレープ5は、患者を覆うシート状のドレープ本体51、および、ドレープ本体51に両面テープ等で固定される医療用パウチ1を備える。ドレープ本体51は、患者のほぼ全身を覆う第1ドレープシート52を備え、第1ドレープシート52には、図6に示すように、患者の手術対象部位である術野を露出させるためのドレープ開口521、および、ドレープ開口521近傍から一のエッジ(図6における下側のエッジ)に向かって直線状に伸びるスリット522が形成されている。
ドレープ本体51は、また、図7.Aおよび図7.Bに示すように、ドレープ5の使用時に患者に対向する面である第1ドレープシート52の下面にてスリット522に沿って接合された第2ドレープシート53を備える。第2ドレープシート53は、折り目がドレープ開口521側(すなわち、図7.B中における右側)となるように2つ折りにされた長方形状の部材であり、第2ドレープシート53の上端部は、図6および図7.Aに示すように、第1ドレープシート52のスリット522の左右両側の部位に、スリット522のほぼ全長に亘って接続される。すなわち、ドレープ本体51では、第1ドレープシート52のスリット522の下方に、第2ドレープシート53によるマチが形成されている。図6に示すように、ドレープ5では、スリット522のドレープ開口521側の端部近傍において、医療用パウチ1の上端部がドレープ本体51の第1ドレープシート52に接合されている。
図8は、使用状態のドレープ5の一部を示す図である。ドレープ5が使用される際には、ドレープ本体51のスリット522が左右に開かれ、第1ドレープシート52のスリット522の左右両側の部位により、膝を屈曲させた開脚姿勢の患者の両脚が覆われる。第2ドレープシート53は左右方向に広がり、広げられたスリット522から患者の体表等が露出することが防止される。また、医療用パウチ1は、患者の両脚の間においてドレープ開口521の下方に受液口201を上方に向けて配置される。
ドレープ5では、医療用パウチ1のパウチ本体2において本体上部21の一方のシート部材(すなわち、弾性部材26が接合されたシート部材とは異なるシート部材)の上端が、ドレープ開口521近傍において第1ドレープシート52の上面(すなわち、患者側とは反対側の面)に固定されており、本体上部21の他方のシート部材から左右に突出する弾性部材26の両端のリング部261が、患者の両側の足首よりも先の部位(例えば、土踏まず近傍の部位)にかけられる。これにより、医療用パウチ1の本体上部21の両シート部材の上端部が離間して受液口201が形成される。
また、図2に示す医療用パウチ1のつまみ部251a,251bが離間する方向に引っ張られて保形部材25a,25bが略V字状に変形し、図3に示すように、本体下部22の2つのシート部材が互いに離間した状態で保形される。これにより、パウチ本体2が受液口201から排液口202へと連続する筒状とされる。なお、弾性部材26に代えて、両端にリング部が設けられない紐状部材が設けられもよい。この場合、当該紐状部材の両端を患者の両側の足首よりも先の部位等に結びつけることにより、医療用パウチ1の受液口201が形成される。また、紐状部材の両端部は、患者の両脚の間に位置する施術者の首の後ろにて結ばれてもよい。
施術者は、患者の両脚の間において図8に示す医療用パウチ1の手前側(すなわち、医療用パウチ1を挟んでドレープ開口521の反対側)に腰掛ける等し、この状態で、ドレープ5のドレープ開口521から露出する術野に対して生理食塩水等を連続的あるいは断続的に付与しつつ手術が行われる。術野からの液体は、受液口201を介して医療用パウチ1に流入し、下方へと向かうに従って断面積が漸次減少する医療用パウチ1の内部空間である流路を通過して図1ないし図3に示す排液口202から排出され、導管部24に接続された吸引機構により吸引されて廃棄される。一方、上記液体と共に医療用パウチ1に流入した病理検体等の固形物は、捕捉部3により捕捉される。
手術が終了すると、医療用パウチ1の本体接続部23において、図1および図2に示す本体上部21に設けられた面ファスナ213と本体下部22に設けられた面ファスナ223とが分離されることにより、本体下部22が本体上部21から分離される。そして、図4および図5に示す本体下部22の上部開口である取出開口203を介して鑷子(ピンセット)が本体下部22に挿入され、捕捉部3に捕捉されている固形物が鑷子により挟まれて取出開口203を介して本体下部22から取り出される。
以上に説明したように、医療用パウチ1では、パウチ本体2が、受液口201の下方かつ捕捉部3の上方に固形物取り出し用の取出開口203を形成する開口形成構造(すなわち、本体接続部23および面ファスナ213,223)を有することにより、捕捉部3にて捕捉された病理検体等の固形物を、パウチ本体2の受液口201から取り出す場合に比べ、取出開口203を介して容易に取り出すことができるとともに、医療用パウチ1の内側に付着した液体が固形物の取り出しの際に腕等に付着することを防止して(あるいは、抑制して)固形物の清潔な取り出しが実現される。したがって、医療用パウチ1を備えるドレープ5は、術野に対して付与された液体と共に流れる病理検体等の固形物を回収する必要がある手術に特に適しているといえる。
パウチ本体2では、上述のように、取出開口203と捕捉部3との間の最短距離が15cm以下(より好ましくは、10cm以下)とされることにより、鑷子を持つ手を本体下部22にほとんど挿入することなく、より容易かつより清潔に固形物をパウチ本体2から取り出すことができる。一方、取出開口203と捕捉部3との間の最短距離が1cm以上(より好ましくは、5cm以上)とされることにより、捕捉部3にて捕捉された固形物が取出開口203からこぼれ落ちることが防止され、固形物を鑷子で挟むまで本体下部22内にて確実に保持することができる。また、本体接続部23の上下方向の長さを十分に確保することができ、本体上部21と本体下部22とがより強固に接続される。
医療用パウチ1では、上述の開口形成構造により、本体下部22がパウチ本体2の本体上部21から分離されて本体下部22の全周に亘る取出開口203が形成されることにより、捕捉部3が設けられた本体下部22を、医療用パウチ1が配置された患者の両脚の間から別の場所へと移動して固形物を取り出すことができる。これにより、固形物の取り出し時の作業性が向上され、固形物をより容易に取り出すことができる。また、本体下部22の上部開口全体が取出開口203とされることにより、固形物の形状や大きさに関わらず、固形物を取出開口203の周囲の部位に接触させてしまうことなく、パウチ本体2からより容易に取り出すことができる。さらに、パウチ本体2では、本体接続部23において本体上部21に設けられた面ファスナ213と本体下部22に設けられた面ファスナ223とを分離することにより、取出開口203を容易に形成することができる。
医療用パウチ1を備えるドレープ5が使用される手術には、摘出された病理検体を手術の途中で医療用パウチ1から取り出して検査を行うものもある。この場合、術野への生理食塩水等の付与を停止した後、医療用パウチ1の本体下部22が本体上部21から分離され、捕捉部3に捕捉されている病理検体が取り出される。その後、本体上部21の下端部が本体下部22の取出開口203から本体下部22の内部に挿入され、面ファスナ213,223が互いに止着されて本体下部22が本体上部21に再び取り付けられる。そして、術野への生理食塩水等の付与が再開されて手術が継続される。
このように、捕捉部3にて捕捉された固形物を手術中に取り出す場合であっても、上述のように、パウチ本体2が取出開口203を形成する開口形成構造を有することにより、固形物を医療用パウチ1から容易に取り出すことができる。また、本体下部22が本体上部21から分離されることにより、本体下部22を別の場所へと移動して固形物を取り出すことができるため、必要に応じて、術野に対する液体の付与を伴わない処置を行いつつ固形物の回収を行うことができる。
さらには、本体下部22と本体上部21とが面ファスナ213,223により接続されることにより、本体下部22と本体上部21とを分離して一旦取出開口203を形成した後、本体下部22を本体上部21に再度接続して取出開口203を閉じ、医療用パウチ1を使用しての処置(すなわち、術野に生理食塩水等の液体を付与しつつ行われる処理)を継続することができる。なお、本体下部22を本体上部21から分離した後、別の本体下部22が本体上部21に取り付けられてもよく、これにより、固形物の取り出しと並行して、医療用パウチ1を使用しての処置を行うことができる。
医療用パウチ1では、排液口202からの液体の排出により、本体下部22の排液口202近傍において負圧が生じ、本体下部22の2つのシート部材が、互いに近づく方向に引っ張られるが、上述のように、保形部材25a,25bにより本体下部22の形状が略筒状に維持される(すなわち、本体下部22の2つのシート部材が互いに離間した状態で保形される)ことにより、医療用パウチ1の使用時に、本体下部22の2つのシート部材が密着して排液口202からの液体の排出が阻害されることが防止される。これにより、受液口201にて受けた液体を確実に捕捉部3へと導くことができ、液体と共に流れる固形物が、捕捉部3に到達せずに本体上部21等に留まってしまうことが防止される。その結果、固形物を捕捉部3にてより確実に捕捉することができ、取出開口203から固形物を容易に取り出すことができる。また、医療用パウチ1では、パウチ本体2、捕捉部3、保形部材25a,25b、並びに、つまみ部251a,251bが樹脂により形成されているため、使用後の医療用パウチ1の廃棄の際に、医療用パウチ1の各構成を分解して分別廃棄する必要がなく、医療用パウチ1の廃棄を容易とすることができる。
上述のように、医療用パウチ1では、本体下部22の下端部に設けられた排液口202が吸引機構に接続されているため、受液口201から流入する液体を迅速に排出することができる。したがって、医療用パウチ1の構造は、比較的多量の液体により固形物を術野から流出させた後に回収する手術に使用される医療用パウチに特に適しているといえる。
次に、本発明の第1の関連技術に係る医療用パウチについて説明する。図9は、第1の関連技術に係る医療用パウチ1aを示す図であり、図10は、医療用パウチ1aを図9中のC−Cの位置にて切断した断面図である。図9および図10に示す医療用パウチ1aは、パウチ本体2aに設けられる開口形成構造が、上記実施の形態に係る医療用パウチ1とは異なる構造とされる点を除き、図1ないし図3に示す医療用パウチ1とほぼ同様の構造を有する。以下の説明では、医療用パウチ1aの医療用パウチ1と対応する構造に同符号を付す。
図9および図10に示すように、パウチ本体2aは、図10中の左側(すなわち、図9中の手前側)において上下に配置されるとともに本体接続部23にて接続される2つのシート部材271およびシート部材272を備え、図10中の右側においてシート部材271,272と対向する上下方向に連続した1つのシート部材273を備える。シート部材271〜273は、ポリエチレン等の透明または半透明の柔軟な樹脂材料により形成されており、シート部材271,272の図9中における左右両側の側縁は、シート部材273の左右両側の側縁にヒートシール等により接合されている。
パウチ本体2aでは、シート部材271とシート部材273のシート部材271と対向する部位(すなわち、シート部材273の上部)により本体上部21が形成され、シート部材272とシート部材273のシート部材272と対向する部位(すなわち、シート部材273の下部)により本体下部22が形成される。以下の説明では、シート部材271〜273をそれぞれ、「第1上部シート部材271」、「第1下部シート部材272」および「第2シート部材273」という。図9および図10に示すように、第1上部シート部材271の下端部は第1下部シート部材272の上端部の内側に位置しており、捕捉部3の上方(すなわち、本体上部21側)に位置する本体接続部23おいて、第1上部シート部材271の下端部の外側面、および、第1下部シート部材272の上端部の内側面に設けられた面ファスナ213,223により、第1上部シート部材271と第1下部シート部材272とが接続されている。
医療用パウチ1aでは、第1下部シート部材272および第2シート部材273の第1下部シート部材272に対向する部位に、上記実施の形態と同様の保形部材25a,25bおよびつまみ部251a,251bが取り付けられている。保形部材25a,25bは、面ファスナ213,223が設けられた本体接続部23よりも下方において、捕捉部3の上端部近傍に設けられる。
医療用パウチ1aの使用時には、つまみ部251a,251bが互いに離間する方向に引っ張られることにより、保形部材25a,25bが、左右方向の中央にて互いに離れるように変形してその形状が維持される。これにより、保形部材25a,25bが取り付けられた第1下部シート部材272と第2シート部材273とが離間して本体下部22の形状が略筒状に維持される。また、本体接続部23において第1下部シート部材272に接続された第1上部シート部材271も第2シート部材273から離間し、本体上部21の捕捉部3近傍の部位の形状も略筒状に維持される。
医療用パウチ1aが使用される際には、術野からの液体が、略筒状とされたパウチ本体2aの本体上部21の受液口201にて受けられ、本体上部21により形成された流路を通過して本体下部22に導かれる。当該液体は、本体下部22の内側に設けられた捕捉部3を通過し、本体下部22の下端部にて導管部24を介して吸引機構に接続された排液口202から排出される。また、液体と共に流れる固形物は、捕捉部3により捕捉される。
医療用パウチ1aが使用される手術では、手術中や手術終了後に、医療用パウチ1aの捕捉部3にて捕捉された固形物が取り出される。このとき、医療用パウチ1aでは、本体接続部23において第1上部シート部材271に設けられた面ファスナ213と第1下部シート部材272に設けられた面ファスナ223とが分離されることにより、図11に示すように、捕捉部3の上方にてパウチ本体2aの周方向の一部に固形物取り出し用の取出開口203aが形成される。第1の関連技術では、第1下部シート部材272のほぼ全幅に亘る(本体接続部23のほぼ全幅に亘る)取出開口203aが、第1上部シート部材271と第1下部シート部材272との間に形成される。医療用パウチ1aでは、本体接続部23および面ファスナ213,223が、パウチ本体2aに取出開口203aを形成する開口形成構造となっている。また、取出開口203aと捕捉部3との間の最短距離(すなわち、取出開口203aと捕捉部3の側縁との最短距離でありであり、図11中において符号Dを付して示す距離)は、上記実施の形態と同様に、好ましくは1cm以上15cm以下(より好ましくは、5cm以上10cm以下)とされる。
第1の関連技術に係る医療用パウチ1aでは、上記実施の形態と同様に、パウチ本体2aが、受液口201の下方かつ捕捉部3の上方に固形物取り出し用の取出開口203aを形成する開口形成構造(すなわち、本体接続部23および面ファスナ213,223)を有することにより、捕捉部3にて捕捉された病理検体等の固形物を、取出開口203aを介してパウチ本体2a内に挿入された鑷子により挟んで容易かつ清潔に取り出すことができる。
医療用パウチ1aでは、特に、取出開口203aがパウチ本体2aの周方向の一部に形成され、取出開口203aが形成された状態においても、本体上部21と本体下部22とが第2シート部材273により連続している。これにより、取出開口203aを容易に形成することができ、手術中であっても容易に固形物を取り出すことができる。また、取出開口203aを形成した状態においても、受液口201が設けられた本体上部21内の流路と排液口202が設けられた本体下部22内の流路とが連続するため、固形物の取り出しと並行して、必要に応じて術野への液体の付与を行いつつ手術を継続することができる。
医療用パウチ1aでは、上記実施の形態と同様に、本体接続部23において第1上部シート部材271に設けられた面ファスナ213と第1下部シート部材272に設けられた面ファスナ223とを分離することにより、取出開口203aをより容易に形成することができる。また、一旦取出開口203aを形成した後、第1下部シート部材272を第1上部シート部材271に再度接続して取出開口203aを閉じ、医療用パウチ1aを使用しての処置を継続することができる。
次に、本発明の第2の関連技術に係る医療用パウチについて説明する。図12は、第2の関連技術に係る医療用パウチ1bを示す断面図であり、上述の図11に対応する。図12に示す医療用パウチ1bは、パウチ本体2bに設けられる開口形成構造が、第1の関連技術に係る医療用パウチ1aとは異なる構造とされる点を除き、図9ないし図11に示す医療用パウチ1aとほぼ同様の構造を有する。以下の説明では、医療用パウチ1bの医療用パウチ1aと対応する構造に同符号を付す。
図12に示すように、医療用パウチ1bでは、パウチ本体2bの第1上部シート部材271と第1下部シート部材272とが接続されておらず、第1の関連技術と同様の形状を有する取出開口203aが、捕捉部3の上方にてパウチ本体2bの周方向の一部に常に形成された状態とされる。したがって、第1の関連技術とは異なり、第1上部シート部材271と第1下部シート部材272とを接続する面ファスナは設けられない。
パウチ本体2bでは、第1上部シート部材271の下端部2711が第1下部シート部材272の内側に位置しており、本体上部21および本体下部22内の流路と取出開口203aとを隔てることにより、流路を流れる液体が取出開口203aから漏出することが防止される。換言すれば、第1上部シート部材271の下端部2711は、取出開口203aの上側から取出開口203aの内側へと垂れ下がることにより、取出開口203aからの液体の漏出を防止する開口閉塞部となっている。医療用パウチ1bでは、取出開口203aおよび第1上部シート部材271の下端部2711(以下、「開口閉塞部2711」という。)が開口形成構造となっている。
医療用パウチ1bでは、図12中の左側に位置する保形部材25aが、第1上部シート部材271の開口閉塞部2711に設けられており、保形部材25aが変形されることにより、第1上部シート部材271の開口閉塞部2711および第1下部シート部材272が第2シート部材273から離間する。また、図12中の右側に位置する保形部材25bが変形することにより、第2シート部材273が第1上部シート部材271の開口閉塞部2711および第1下部シート部材272から離間する。これにより、本体上部21の開口閉塞部2711近傍の部位、および、本体下部22の形状が筒状に維持される。
第2の関連技術に係る医療用パウチ1bでは、上記実施の形態および第1の関連技術と同様に、パウチ本体2bが、受液口201の下方かつ捕捉部3の上方に開口形成構造(すなわち、取出開口203および開口閉塞部2711)を有することにより、捕捉部3にて捕捉された病理検体等の固形物を、取出開口203aを介してパウチ本体2b内に挿入された鑷子により挟んで容易かつ清潔に取り出すことができる。
医療用パウチ1bでは、特に、取出開口203aが予め形成されているため、鑷子等により開口閉塞部2711の下端部を押してパウチ本体2bの流路側へと移動することにより、手術中であっても容易に固形物を取り出すことができる。また、パウチ本体2bの流路と取出開口203aとが開口閉塞部2711により隔てられているため、固形物の取り出しと並行して、必要に応じて術野への液体の付与を行いつつ手術を継続することができる。取出開口203aと捕捉部3との間の最短距離は、上記実施の形態および第1の関連技術と同様に、好ましくは1cm以上15cm以下(より好ましくは、5cm以上10cm以下)とされる。
次に、本発明の第3の関連技術に係る医療用パウチについて説明する。図13は、第3の関連技術に係る医療用パウチ1cを示す図であり、図14は、医療用パウチ1cを図13中のD−Dの位置にて切断した断面図である。図13および図14に示す医療用パウチ1cは、図1ないし図3に示す医療用パウチ1の本体下部22に代えて、比較的高い剛性を有する筒状部材である本体下部22aを備える点を除き、医療用パウチ1とほぼ同様の構造を有する。以下の説明では、医療用パウチ1cの医療用パウチ1と対応する構造に同符号を付す。
図13および図14に示すように、本体下部22aは、下端部には底部が設けられたカップ状の樹脂成型品であり、当該底部には排液口202が形成される。ここでいう「カップ状」とは、上下方向に垂直な断面の形状が略円形である有底円筒状、半球面状や半球面の一部と等しい形状、あるいは、漏斗状等、液体を排液口202へと導く側面部(および底面部)を有する様々な形状を意味する。
本体下部22aの内側(すなわち、本体下部22aにより形成される流路内)には捕捉部3が設けられる。本体上部21の下端部は、本体下部22aの上部開口から本体下部22aの内側に挿入されており、捕捉部3の上方(すなわち、本体上部21側)の本体接続部23において、本体上部21の下端部の外側面、および、本体下部22aの上端部の内側面に設けられた面ファスナ213,223により、本体上部21と本体下部22aとが接続される。医療用パウチ1cでは、面ファスナ213,223が分離されることにより本体下部22aがパウチ本体2cの本体上部21から分離され、本体下部22aの上部開口である取出開口203を介して捕捉部3にて捕捉された固形物が取り出される。
第3の関連技術に係る医療用パウチ1cでは、上記実施の形態と同様に、パウチ本体2cが、受液口201の下方かつ捕捉部3の上方に取出開口203を形成する開口形成構造(すなわち、本体接続部23および面ファスナ213,223)を有することにより、捕捉部3にて捕捉された病理検体等の固形物を取出開口203を介して容易かつ清潔に取り出すことができる。
医療用パウチ1cでは、特に、本体下部22aが、比較的高い剛性を有する筒状部材とされることにより、医療用パウチ1cの使用時に、排液口202近傍の形状(すなわち、本体下部22aの形状)が維持され、流路が閉塞されることが防止される。これにより、受液口201にて受けた液体を確実に捕捉部3へと導くことができ、固形物を捕捉部3にてより確実に捕捉することができる。
次に、本発明の第4の関連技術に係る医療用パウチについて説明する。図15は、第4の関連技術に係る医療用パウチ1dの取出開口203aが形成された状態を示す断面図である。図15示す医療用パウチ1dは、パウチ本体2dに設けられる開口形成構造が、図13および図14に示す医療用パウチ1cとは異なる点を除き、医療用パウチ1cとほぼ同様の構造を有する。以下の説明では、医療用パウチ1dの医療用パウチ1cと対応する構造に同符号を付す。
図15に示すように、医療用パウチ1dでは、本体上部21の2つのシート部材のうち一方のシート部材の下端部には、第3の関連技術と同様に、面ファスナ213が設けられており、面ファスナ213は、捕捉部3の上方の本体接続部23にて、比較的高い剛性を有する本体下部22aの上端部の内側に設けられた面ファスナ223に接続される。また、本体上部21の2つのシート部材のうち他方のシート部材の下端部は、本体下部22aの上端部の内側に接着剤等により接合されている。
医療用パウチ1dでは、第1の関連技術と同様に、パウチ本体2dに開口形成構造(すなわち、本体接続部23および面ファスナ213,223)が設けられ、開口形成構造の面ファスナ213,223が分離されることにより、受液口201の下方かつ捕捉部3の上方において、パウチ本体2dの周方向の一部に取出開口203aが形成される。これにより、第1の関連技術と同様に、捕捉部3にて捕捉された固形物を、取出開口203aを介して容易かつ清潔に取り出すことができるとともに、取出開口203aを容易に形成して手術中であっても容易に固形物を取り出すことができる。
また、第3の関連技術と同様に、本体下部22aが、比較的高い剛性を有する筒状部材とされることにより、医療用パウチ1dの使用時に、排液口202近傍の形状(すなわち、本体下部22aの形状)が維持されるため、受液口201にて受けた液体を確実に捕捉部3へと導くことができ、固形物を捕捉部3にてより確実に捕捉することができる。
次に、本発明の第5の関連技術に係る医療用パウチについて説明する。図16は、第5の関連技術に係る医療用パウチ1eを示す断面図であり、上述の図15に対応する。図16に示す医療用パウチ1eは、パウチ本体2eに設けられる開口形成構造が、第4の関連技術に係る医療用パウチ1dとは異なる構造とされる点を除き、図15に示す医療用パウチ1dとほぼ同様の構造を有する。以下の説明では、医療用パウチ1eの医療用パウチ1dと対応する構造に同符号を付す。
図16に示すように、医療用パウチ1eでは、本体上部21の2つのシート部材のうち一方のシート部材271(以下、「第1上部シート部材271」という。)は本体下部22aに接続されておらず、取出開口203aが捕捉部3の上方にてパウチ本体2eの周方向の一部に常に形成された状態とされる。また、本体上部21の他方のシート部材274の下端部は、第4の関連技術と同様に、本体下部22aの上端部の内側に接着剤等により接合されている。
パウチ本体2eでは、本体上部21の第1上部シート部材271の下端部2711が、第2の関連技術と同様に、取出開口203aの上側から取出開口203aの内側へと垂れ下がることにより、取出開口203aからの液体の漏出を防止する開口閉塞部2711となっている。また、医療用パウチ1eでは、取出開口203aおよび第1上部シート部材271の開口閉塞部2711が開口形成構造となっている。
第5の関連技術に係る医療用パウチ1eでは、第2の関連技術と同様に、予め形成された取出開口203aを備える開口形成構造がパウチ本体2eに設けられることにより、捕捉部3にて捕捉された固形物を、取出開口203aを介して容易かつ清潔に取り出すことができるとともに、手術中であっても容易に固形物を取り出すことができる。また、第3および第4の関連技術と同様に、本体下部22aが、比較的高い剛性を有する筒状部材とされることにより、受液口201にて受けた液体を確実に捕捉部3へと導くことができ、固形物を捕捉部3にてより確実に捕捉することができる。
以上、本発明の実施の形態および関連技術について説明してきたが、上記医療用パウチおよびドレープは様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態および第1の関連技術に係る医療用パウチでは、保形部材25a,25bは、必ずしも本体下部22に設けられる必要はなく、捕捉部3近傍(すなわち、シート部材により形成された本体下部22および本体上部21の本体下部22近傍の部位のいずれか)に取り付けられていればよい。また、第2の関連技術に係る医療用パウチ1bでは、保形部材25aが本体下部22に取り付けられてもよい。
上記実施の形態に係る医療用パウチ1では、本体下部22に保形部材25a,25bが設けられる代わりに、例えば、本体下部22の2つのシート部材が、本体上部21の2つのシート部材よりも高い剛性を有するとともに塑性変形が比較的生じやすい材料により形成されてもよい。この場合、本体下部22の2つのシート部材が互いに離れる方向に変形して形状が維持されることにより、本体下部22の形状が略筒状に維持される。第および第関連技術に係る医療用パウチでも同様に、例えば、本体下部22の第1下部シート部材272、および、第2シート部材273(の第1下部シート部材272に対向する部位)が、高い剛性を有するとともに塑性変形が比較的生じやすい材料により形成されてもよい。
上記実施の形態に係る医療用パウチ1では、本体上部21と本体下部22とは必ずしも面ファスナ213,223により接続される必要はなく、本体下部22を所望の位置にてパウチ本体2の本体上部21から分離することができる構造により接続されていればよい。例えば、ほぼ同形状の2つのシート部材の左右両側の側縁が接合されてパウチ本体の全体が形成されるとともに捕捉部3の上方において当該パウチ本体の全周に亘るミシン目が形成されており、パウチ本体のミシン目よりも上側の部位と下側の部位とを施術者が把持して下側の部位をミシン目に沿って破り取ることにより、取出開口203が形成されてもよい。ミシン目は、パウチ本体の内部から外部へと液体が漏出しない構造とされる。
また、第1の関連技術に係る医療用パウチ1aでも同様に、パウチ本体2aがミシン目に沿って破られることにより、取出開口203aが形成されてもよい。いずれの場合も、パウチ本体に形成されたミシン目およびパウチ本体のミシン目近傍の部位が開口形成構造となる。上記実施の形態および第1の関連技術に係る医療用パウチでは、上記ミシン目に代えて、パウチ本体を形成する樹脂を周囲の部位よりも薄くした弱化線や、樹脂の配向等によりパウチ本体の破断が左右方向に進展し易くされた弱化領域が設けられてもよい。
第3および第4の関連技術に係る医療用パウチにおいても同様に、比較的高い剛性を有する本体下部22aの上端部の内側に、本体上部21の2つのシート部材が全周に亘って接合され、本体下部22aの上端縁に対応する位置にて、本体上部21のシート部材にミシン目等の弱化線や上述のような弱化領域が設けられてもよい。
および第関連技術に係る医療用パウチでは、本体上部21と本体下部とが分離しない状態でパウチ本体の周方向の一部に取出開口203aが形成されるのであれば、必ずしも本体接続部23のほぼ全幅に亘る取出開口203aが設けられる必要はない。例えば、本体接続部23の左右方向の幅のおよそ半分の長さの左右方向に伸びる取出開口が開口形成構造により形成されてもよく、左右方向に垂直な上下方向に伸びる取出開口が形成されてもよい。また、第および第関連技術に係る医療用パウチにおいても同様に、パウチ本体の周方向の一部に取出開口203aが形成されるのであれば、取出開口203aの形状は様々に変更されてよい。
第3および第5の関連技術に係る医療用パウチでは、本体下部22aは、必ずしもその全体が剛性を有する筒状部材とされる必要はなく、例えば、比較的高い剛性を有する筒状部材の上側に筒状の柔軟なシート部材が接合されて本体下部22aが形成され、当該シート部材と筒状部材の内側が本体下部22aにより形成される流路とされてもよい。換言すれば、本体下部22aは、当該流路の少なくとも一部を形成する剛性を有する筒状部材を備える。
記医療用パウチは、上述のドレープ5とは異なる形状のドレープに固定されて利用されてもよく、ドレープに固定されることなく単体にて利用されてもよい。また、上記医療用パウチを備えるドレープは、泌尿器科手術以外にも、例えば、開頭手術や関節鏡を利用した膝関節の手術に利用されてもよい。いずれの場合も、必要に応じて、弾性部材26の有無や医療用パウチの形状等が適宜変更されてよい。
の実施の形態に係る医療用パウチを示す図である。 医療用パウチを示す断面図である。 医療用パウチの使用時の状態を示す斜視図である。 本体下部を示す斜視図である。 本体下部を示す断面図である。 ドレープを示す図である。 ドレープを示す断面図である。 ドレープの第2ドレープシート近傍を拡大して示す側面図である。 使用状態のドレープの一部を示す図である。 第1の関連技術に係る医療用パウチを示す図である。 医療用パウチを示す断面図である。 医療用パウチを示す断面図である。 第2の関連技術に係る医療用パウチを示す断面図である。 第3の関連技術に係る医療用パウチを示す図である。 医療用パウチを示す断面図である。 第4の関連技術に係る医療用パウチを示す断面図である。 第5の関連技術に係る医療用パウチを示す断面図である。
符号の説明
1,1a〜1e 医療用パウチ
2,2a〜2e パウチ本体
3 捕捉部
5 ドレープ
21 本体上部
22,22a 本体下部
23 本体接続部
25a,25b 保形部材
51 ドレープ本体
201 受液口
202 排液口
203,203a 取出開口
213,223 面ファスナ
2711 開口閉塞部

Claims (5)

  1. 医療用パウチであって、
    上部の受液口にて術野からの液体を受けて前記液体を前記受液口よりも狭い流路を形成する下部へと導く略筒状のパウチ本体と、
    前記パウチ本体の前記下部の内側にて前記液体を下方へと通過させるとともに前記液体と共に流れる固形物を捕捉する捕捉部と、
    を備え、
    前記パウチ本体が、前記捕捉部にて捕捉された固形物を取り出す際に、前記捕捉部の上方に固形物取り出し用の開口を形成する開口形成構造を有し、
    前記開口形成構造が、前記パウチ本体の前記上部と前記下部とを接続する面ファスナを有し、
    前記面ファスナを分離することにより、前記捕捉部の上方にて前記パウチ本体の前記上部から前記下部が分離されて前記捕捉部の上方に前記下部の全周に亘る前記開口が形成されることを特徴とする医療用パウチ。
  2. 請求項1に記載の医療用パウチであって、
    前記開口と前記捕捉部との間の最短距離が1cm以上15cm以下であることを特徴とする医療用パウチ。
  3. 請求項1または2に記載の医療用パウチであって、
    前記パウチ本体の前記下部および前記下部近傍の部位がシート状の部材により形成されており、未使用時に前記下部が平らにされて流路が閉じており、
    使用時に、前記パウチ本体の前記捕捉部近傍に取り付けられた保形部材が変形されて前記下部の形状が略筒状に維持されることを特徴とする医療用パウチ。
  4. 請求項1ないしのいずれかに記載の医療用パウチであって、
    前記パウチ本体の前記下部の下端部に前記液体を排出する排液口が設けられ、
    前記排液口が、前記液体を吸引する吸引機構に接続されることを特徴とする医療用パウチ。
  5. 手術の際に患者を覆うシート状のドレープであって、
    請求項1ないしのいずれかに記載の医療用パウチと、
    前記医療用パウチが固定されるドレープ本体と、
    を備えることを特徴とするドレープ。
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