JP5423333B2 - 工作機械の工具径調整方法および工作機械 - Google Patents
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Description
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の特徴は、
ハウジングと、前記ハウジングに対して回転軸線方向に交差する方向へスライド可能に前記ハウジングに支持されると共に基準部を有する移動体と、を備えるボーリングホルダ本体と、
前記移動体に取り付けられる刃具と、
主軸に装着されていない状態の工具を待機させる工具待機領域に設けられ、前記ハウジングを保持する保持手段と、
前記保持手段に対する相対的な位置を変更可能に設けられ、前記移動体の前記基準部に当接可能に設けられる位置調整用基準部材と、
を備える工作機械の工具径調整方法であって、
前記刃具の位置が前記回転軸線から遠ざかる方向の所定位置となるように、前記移動体を前記ハウジングに対してスライドさせて、前記移動体の前記基準部と前記位置調整用基準部材とを当接させる当接工程と、
前記当接工程の後に、前記保持手段と前記位置調整用基準部材との相対的な位置を近接する方向に変更することにより、前記回転軸線に対する前記刃具の位置を調整する調整工程と、
を備え、
前記工程の全てを前記工具待機領域にて行うことである。
請求項5に係る発明の特徴は、
ハウジングと、前記ハウジングに対して回転軸線方向に交差する方向へスライド可能に前記ハウジングに支持されると共に基準部を有する移動体と、を備えるボーリングホルダ本体と、
前記移動体に取り付けられる刃具と、
主軸に装着されていない状態の工具を待機させる工具待機領域に設けられ、前記ハウジングを保持する保持手段と、
前記保持手段に対する相対的な位置を変更可能に前記工具待機領域に設けられ、前記移動体の前記基準部に当接可能に設けられる位置調整用基準部材と、
前記工具待機領域に設けられ、前記保持手段と前記位置調整用基準部材との相対的な位置を変更可能な駆動手段と、
前記駆動手段を制御して、前記保持手段と前記位置調整用基準部材との相対的な位置を制御する制御装置と、
を備える工作機械であって、
前記制御装置は、前記刃具の位置が前記回転軸線から遠ざかる方向の所定位置となる状態で、かつ、前記移動体の前記基準部と前記位置調整用基準部材とを当接させた状態において、前記駆動手段を制御して前記保持手段と前記位置調整用基準部材との相対的な位置を近接する方向に変更することにより、前記回転軸線に対する前記刃具の位置を調整することである。
請求項3に係る発明によれば、当接工程において、刃具を回転軸線から遠ざかる方向の所定位置に移動させるために流体を用いた場合には、当接工程および調整工程において、供給した流体を移動体とハウジングとの間に形成した隙間から排出している。これにより、当該隙間から切削粉などの侵入を防止するエアパージ機能を有することになる。
(ボーリングホルダの構成)
第一実施形態のボーリングホルダ1の構成について、図1〜図3を参照して説明する。図1に示すように、ボーリングホルダ1は、軸線周りに回転可能な主軸2に保持されて工作物に穴などを加工する工具であって、工具径を調整可能とされている。ここで、各図において、ボーリングホルダ1のうち主軸2側を基端側といい、ボーリングホルダ1のうち刃具70が設けられる側を先端側という。
次に、微動調整機構による工具径の微調整方法について、図1および図4を参照してより詳細に説明する。主軸2側から制御された所定の圧力の空気が供給されるとする。そうすると、この空気圧に応じて空油圧変換部22の第一ピストン24が、ボーリングホルダ1の先端側に向かってスライドする。第一ピストン24の移動に伴って、第二ピストン27も、ボーリングホルダ1の先端側に向かってスライドする。この第二ピストン27の移動によって、作動油空間30に充填される作動油の圧力が高まる。作動油の圧力が高まることで、連通路31および油通路46を介して、弾性変形部41の油圧空間45の油圧が高くなる。その結果、弾性変形部41における先端側の微動部48が、図4に示すように、左側へシフトする。
次に、粗動調整機構50の動作について、図5〜図10を参照して説明する。粗動調整機構50の動作に際して、粗動調整ユニット80を用いるため、まずは、粗動調整ユニット80について説明する。
次に、上述したボーリングホルダ1の粗動調整機構50による工具径の粗調整方法について、マシニングセンタの中でどのように行われるかについて、図11を参照して説明する。図11に示すように、マシニングセンタ100は、横型マシニングセンタを例示しており、主軸2を回転可能に支持する主軸台102がベッド101に固定されているコラム103に対してX軸方向およびY軸方向に移動可能とされている。また、工作物を載置するテーブル104は、ベッド101の上にZ軸方向に移動可能とされている。さらに、複数の工具を保管する工具マガジン105が、正面から見て、コラム103の左側に設けられている。そして、主軸2に装着されている工具と工具マガジン105に保管されている工具との交換を行う工具交換装置106が、工具マガジン105とコラム103の間に設けられている。本実施形態においては、工具交換装置106により交換される次工具は、工具マガジンに保管されている工具を90°旋回させて、次工具交換位置に移動される。そして、粗動調整ユニット80は、工具交換装置106の次工具待機位置(本発明の「工具待機領域」に相当するよりも下方である非加工エリア(本発明の「工具待機領域」に相当する)に固定されている。さらに、調整用専用駆動機構201は、工具交換装置106の次工具待機位置と粗動調整ユニット80が配置される位置との間を、工具がスライドできるように、ボールネジおよびモータなどにより構成されている。そして、制御装置108がコラム103の右側面に設けられている。
以上説明したボーリングホルダ1によれば、主軸2側から先端に向かって、被保持部10、微動調整機構20、粗動調整機構50、刃具70の順に取り付けられている。つまり、粗動調整機構50によって粗動移動体52が径方向に移動したとしても、微動調整機構20は何ら移動しない。つまり、粗動調整機構50によって径方向に移動する部分には、粗動移動体52および刃具70となり、微動調整機構20が含まれない。そして、カウンタウエイト53は、粗動調整機構50に含まれる構成としている。従って、このカウンタウエイト53は、粗動移動体52および刃具70の質量を考慮すれば良く、微動調整機構20の質量は考慮する必要がなくなる。このように、本実施形態のボーリングホルダ1によれば、カウンタウエイト53の質量を小さくすることができる。その結果、回転体としてのボーリングホルダ1全体の質量を小さくすることができる。
第二実施形態のボーリングホルダについて、図12〜図13を参照して説明する。第二実施形態のボーリングホルダは、第一実施形態のボーリングホルダ1に対して、粗動調整機構のみ相違する。そこで、以下に、第二実施形態における粗動調整機構90のみについて説明する。また、粗動調整機構90の構成部品においても、第一実施形態の粗動調整機構50の構成部品と同一のものがあり、これらについては同一符号を付して説明を省略する。
10:被保持部、 11:テーパシャンク部、 12:プルスタッド、 13:空気流路
20:微動調整機構
21:基端ボディ部、 22:空油圧変換部、 23:第一シリンダ
24:第一ピストン、 25:摺動シール、 26:連結ロッド、 27:第二ピストン
28:第二シリンダ、 29:摺動シール、 30:作動油空間、 31:連通路
41:弾性変形部、 42:パワーユニット、 43:凸ブロック、 44:凹ブロック
45:油圧空間、 46:油通路、 47:S字状のスリット、 48:微動部
50:粗動調整機構
51:粗動ハウジング、 51a:円形孔、 51b:空気滞留空間
51c:空気流路、 51d:回転支持部、 51e:円形孔、 51f:作動油空間
51g:連通路
52:粗動移動体、 52a:溝、 52b:移動体側ラック部、 52c:基準部
53:カウンタウエイト、 53a:ウエイト側ラック部
54:ピニオン軸、 55:流体受給ポート
56:空油圧変換部、 56a:段付きシリンダ、 56b:ピストン
57:クランプ部、 57a:支持部、 57b:爪(押圧部)、 57c:係合突起部
58:付勢力発生部、 58a:第二スプリング、 58b:付勢部材
58c:テーパ部
60:第一スプリング、 70:刃具
80:粗動調整ユニット
81:流体供給装置、 82:流体供給スライドポート、 83:位置調整用基準部材
90:粗動調整機構、 92:粗動移動体、 92a:テーパ部
97:クランプ部、 97b:押圧部
Claims (5)
- ハウジングと、前記ハウジングに対して回転軸線方向に交差する方向へスライド可能に前記ハウジングに支持されると共に基準部を有する移動体と、を備えるボーリングホルダ本体と、
前記移動体に取り付けられる刃具と、
主軸に装着されていない状態の工具を待機させる工具待機領域に設けられ、前記保持部を保持する保持手段と、
前記保持手段に対する相対的な位置を変更可能に設けられ、前記移動体の前記基準部に当接可能に設けられる位置調整用基準部材と、
を備える工作機械の工具径調整方法であって、
前記刃具の位置が前記回転軸線から遠ざかる方向の所定位置となるように、前記移動体を前記ハウジングに対してスライドさせて、前記移動体の前記基準部と前記位置調整用基準部材とを当接させる当接工程と、
前記当接工程の後に、前記保持手段と前記位置調整用基準部材との相対的な位置を近接する方向に変更することにより、前記回転軸線に対する前記刃具の位置を調整する調整工程と、
を備え、
前記工程の全てを前記工具待機領域にて行うことを特徴とする工作機械の工具径調整方法。 - 請求項1において、
前記移動体は、流体が供給されることにより前記刃具の位置が前記回転軸線から遠ざかる方向へ前記ハウジングに対してスライドし、
前記当接工程は、前記流体を供給することにより、前記刃具の位置が前記回転軸線から遠ざかる方向の所定位置となるように、前記移動体を前記ハウジングに対してスライドさせることを特徴とする工作機械の工具径調整方法。 - 請求項2において、
前記流体は、空気であって、
前記移動体と前記ハウジングとの間に隙間が形成され、
前記調整工程は、前記回転軸線に対する前記刃具の位置を調整する際に、前記刃具の位置が前記回転軸線から遠ざかる方向へ前記移動体を前記ハウジングに対してスライドさせるために供給された前記流体を、前記隙間から外部へ排出することを特徴とする工作機械の工具径調整方法。 - 請求項2または3において、
前記ハウジングは、前記移動体をスライドするために用いる前記流体を外部から供給されるための流体受給ポートを備え、
前記工作機械は、前記位置調整用基準部材と、前記流体受給ポートに前記流体を供給する流体供給装置と、を備える調整ユニットを備え、
前記工具径調整方法は、前記当接工程の前に、前記流体供給装置を前記ハウジングの前記流体受給ポートに連結する連結工程をさらに備えることを特徴とする工作機械の工具径調整方法。 - ハウジングと、前記ハウジングに対して回転軸線方向に交差する方向へスライド可能に前記ハウジングに支持されると共に基準部を有する移動体と、を備えるボーリングホルダ本体と、
前記移動体に取り付けられる刃具と、
主軸に装着されていない状態の工具を待機させる工具待機領域に設けられ、前記ハウジングを保持する保持手段と、
前記保持手段に対する相対的な位置を変更可能に前記工具待機領域に設けられ、前記移動体の前記基準部に当接可能に設けられる位置調整用基準部材と、
前記工具待機領域に設けられ、前記保持手段と前記位置調整用基準部材との相対的な位置を変更可能な駆動手段と、
前記駆動手段を制御して、前記保持手段と前記位置調整用基準部材との相対的な位置を制御する制御装置と、
を備える工作機械であって、
前記制御装置は、前記刃具の位置が前記回転軸線から遠ざかる方向の所定位置となる状態で、かつ、前記移動体の前記基準部と前記位置調整用基準部材とを当接させた状態において、前記駆動手段を制御して前記保持手段と前記位置調整用基準部材との相対的な位置を近接する方向に変更することにより、前記回転軸線に対する前記刃具の位置を調整することを特徴とする工作機械。
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