JP5423135B2 - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

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本発明は、画像形成装置に関し、特にトナー画像部の光沢度の制御方法に関する。
近年では、普通紙をはじめとして、アート紙、コート紙、微コート紙といった、光沢度の小さい用紙から光沢度の大きい用紙にまで対応して、電子写真方式で画像の出力をおこないたい、といった要望が多くなってきている。つまり、さまざまな用紙(当然、その光沢度も広範囲におよぶ)のそれぞれに対して、トナー画像部の光沢度を最適に調整して画像形成を行なうことが求められている。
特に注目すべきは、コート紙であっても普通紙並に光沢度が小さいマットコート紙である。こうした用紙は、マットコート紙、ダルコート紙などと呼ばれるが、本明細書では総じてマットコート紙と称することにする。こうしたマットコート紙の用途は商業印刷分野において拡大してきている点も注目すべき点である。マットコート紙は、紙文書に高級感を持たせることができるとされており、商品カタログ用途などで使用されることが多い。したがって、こうした使用用途および使用量が広がりつつあるマットコート紙にも対応して、好適な光沢度を実現した画像形成を行なうことが、電子写真方式の画像形成装置でも求められている。
発明者の行なった検討によれば、電子写真方式で形成したトナー像(乾式トナー像)の場合、普通紙を用いた場合に好まれる光沢度は5〜20%程度である。さらに好ましくは、普通紙を用いた場合に好まれる光沢度は10〜15%である。(ここでの光沢度とは、入射角度が60°である60°光沢度の値である。本願明細書では以後の文章においては、特に断りがない場合には、60°光沢度の計測値を示すこととする。)一方でコート紙を用いた場合に好まれる光沢度は30〜40%である。
普通紙とはオフィスなどで一般的に使用される用紙であり、用紙表面に紙繊維が露出していることが特徴的な用紙のことである(用紙表面に紙繊維が露出しているため、シャーペンなどでの加筆性がよいことも特徴である)。一方、コート紙(塗工紙)とは用紙表面に、白色顔料などを含有した樹脂を塗工した用紙のことである。コート紙は印刷の分野では広く用いられている用紙であり、用紙表面をコートすることで、印刷インクが用紙内部へ浸透することを防ぐことができるため色再現性や濃度の優れた画像を形成することを可能としている。また、用紙表面のコートの処方を変えることで、用紙の質感(見た目の印象)も変えることができる。
先述したように、電子写真方式で形成したトナー像(乾式トナー像)の場合、コート紙を用いた場合に好まれる光沢度は30〜40%である。ここで注目するべき点は、コート紙である限りは好まれる光沢度は用紙の光沢度に関係しておらず、用紙自体の光沢度が普通紙と同じ程度の光沢度(60°光沢度で5%程度)であるマットコート紙の場合であっても、好まれる光沢度は30〜40%であるということである。
従来は、用紙の光沢度にあわせて画像部の光沢度を設定すれば、好ましい光沢を実現した画像を得ることができると考えられていた。具体的には用紙の光沢度に対して、同程度かそれよりの少し高い光沢度(+5〜+10ポイント程度光沢度を高くする)に画像部の光沢度を設定することが好ましいと考えられていた。したがって、用紙の光沢度を知ることができれば、その用紙に対する好ましい光沢度を決めることができると考えられてきた。しかしながら、発明者の行なった検討によれば、上述したように、普通紙とマットコート紙とでは光沢度は5%程度でほぼ同じ程度であっても、画像部における好ましい光沢度は、普通紙の場合には5〜20%程度で、マットコート紙の場合には30〜40%であるといった具合に、異なる光沢度と設定することがより望ましいことが判明した。このことは、光沢度が同じ程度である用紙であっても、普通紙であるかマットコート紙であるかを識別する必要があることを意味している。
ちなみに、用紙種別を識別する手法は既に知られているが(例えば、従来技術:特許文献1、特許文献2、特許文献3など)、多くは用紙表面の反射光や光沢度から用紙種別を識別している。しかしこれらの従来技術では、用紙表面の反射特性に関する情報しか得られないため光沢度が同程度の用紙の違いを識別することが難しいといった問題がある。このため、このような用紙表面の反射光や光沢度から用紙種別を識別する手法では、用紙光沢度に差が無い、普通紙およびマットコート紙の違いを識別することが困難であり、このため、それぞれの用紙に対して好適な光沢を実現した画像形成を行なうことができずマットコート紙での画像光沢度の最適化はできなかった。
しかしながら、上に挙げた画像形成装置にあっては、普通紙であるかマットコート紙であるかの識別機能は有しておらず、最適光沢度の画像出力を得るためには、顧客は使用する用紙が普通紙であるかマットコート紙であるかといったことに常に気にかけて、画像形成装置の設定値をその都度指定する必要があったが、これは画像形成装置を使用する顧客にとって、大変面倒な作業である。特に、複数の人が1つの画像形成機器を共有するような場合には、使用する用紙を正確に識別して、画像機器の設定についても正しい値を設定することは、顧客にとって著しく利便性を損なう事柄である。このような問題は、用紙を発注してストックしておく人と、画像形成機器が実際用紙切れが発生した際に用紙を補給する人とが、必ずしも一致するわけではない、といった事柄と組み合わさって生じる問題でもある。この他、画像形成装置を使用する顧客の多くが用紙に対して、必ずしも深い知識を有している訳ではない、といった点も、上記の利便性を欠くことの要因の1つとなっている。このような背景のため、顧客が使用する用紙が普通紙であるかマットコート紙であるかといったことを気にかけなくてはならない現状の画像形成装置は、この点においては顧客にとって利便性の高い機器とはなっていないのが現状である。
なお、用紙種別を識別する他の技術として、特許文献4では、画像形成機器が、紙情報の入力手段および紙情報を外部機器から通知・入手する手段と、を備えることで、(イ)制御時の通信データ量を少なくする、(ロ)新規の転写紙に対応する場合等においてもバージョンアップが必要ない、といった特徴を有する画像形成システムが提案されている。但し、特許文献4では、画像の光沢度を制御に結びつける思想やそのための構成についての開示は無く、詳しい用紙情報を取得することができても、先述したような普通紙とマットコート紙のそれぞれにおいて、好ましい光沢度を実現して画像出力を得るようにはなっていない。従って、特許文献4に開示の装置では、外部から紙情報を受け取ることで用紙種別の識別は行なうことができるものの、識別した用紙の種類に応じて、出力画像の光沢度を変更するようなことはできず、依然として顧客が好ましいと感じる光沢を実現して画像出力を行なうことはできない。
本発明は、上記実情を考慮して上記課題を解決すべくなされたものであって、普通紙とマットコート紙との違いを識別し、普通紙とマットコート紙のそれぞれに好適となるトナー画像部の光沢にて画像出力を行なうことが可能な画像形成装置および画像形成方法を新たに提案することを目的としている。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、作像装置を用いて記録シート上にトナー像が記録される画像形成装置であって、前記作像装置による画像形成時に、前記記録シートの紙種に応じて前記記録シート上のトナー画像部の光沢度を決める作像動作条件を設定する条件設定手段と、前記記録シートの品別を特定する品別情報を入力するための入力手段と、入力された品別情報を外部に送信する送信装置と、外部の情報サーバから前記品別情報に対応する少なくとも紙種情報を含む返送情報を受信する受信装置と、前記返送情報にもとづいて、前記作像装置によって形成されるトナー画像部の光沢度を切り替える制御装置と、を備え、前記返送情報が、前記記録シートがマットコート紙であるか普通紙であるかの紙種を示す紙種識別情報を含む情報であり、この紙種識別情報にもとづいて前記作像装置の作像動作条件の切替えを行なう画像形成装置において、前記制御装置は前記作像装置に、前記記録シートが前記返送情報にもとづいてマットコート紙であると認識した場合には、前記記録シート上のトナー画像部の光沢度測定における入射角度が60°の60°光沢度である光沢度を30〜40%範囲の光沢度になる作像を実行させ、前記記録シートが前記返送情報にもとづいて普通紙であると認識した場合には、前記記録シート上のトナー画像部の光沢度測定における入射角度が60°の60°光沢度である光沢度を5〜20%範囲の光沢度になる作像を実行させることを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記品別情報と前記返送情報とを対応付けて記憶する記憶装置を有することを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記作像装置は、乾式トナー(粉体)によって形成されたトナー像を定着手段によって加熱・加圧することで前記記録シート上に定着させる定着手段を備え、前記制御手段が、前記定着手段の定着条件を変更することにより、記録シート上のトナー画像部の光沢を切り替えることを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項に記載の画像形成装置において、前記作像装置は、定着条件が異なる複数の定着手段を有する、作像装置であって、前記制御装置が、前記複数の定着手段から前記記録シートの紙種に応じて当該記録シートを通過させる定着手段を選択して切り替えることで前記定着条件の変更を行なうことを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項またはに記載の画像形成装置において、前記定着手段の定着条件の変更が、定着温度の変更であることを特徴とする。また、請求項の発明は、請求項乃至のいずれか一項画像形成装置において、前記定着手段の定着条件の変更が、当該定着装置を通過させる用紙速度の変更であることを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記記録シート上に形成するトナー像が、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のトナー像を重畳転写することによって形成されるカラートナー像であることを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記入力手段は、前記記録シートの品別情報を入力するための画像入力装置を含み構成されていることを特徴とする。また、請求項の発明は、請求項に記載の画像形成装置において前記画像入力装置が、転写紙の商品名を標示するバーコードを読取るためのバーコードリーダであることを特徴とする。
また、請求項10の発明方法は、制御装置が各部を制御するとともに作像装置を用いて記録シート上にトナー像の形成を行なう画像形成方法において、入力手段により、前記記録シートの品別を特定する品別情報を入力し、入力された品別情報を送信装置により外部に送信し、受信装置により、外部の情報サーバから前記品別情報に対応する少なくとも紙種情報を含む返送情報を受信し、
前記返送情報の、前記記録シートがマットコート紙であるか普通紙であるかの紙種を示す紙種識別情報にもとづいて、条件設定手段が、前記記録シートの前記紙種に応じて前記記録シート上のトナー画像部の光沢度を決める作像動作条件を設定することにより、形成されるトナー画像部の光沢度を切り替え、前記記録シートが前記返送情報にもとづいてマットコート紙であると認識した場合には、前記作像装置によって、前記記録シート上のトナー画像部の光沢度測定における入射角度が60°の60°光沢度である光沢度を30〜40%範囲の光沢度になる作像を実行させ、前記記録シートが前記返送情報にもとづいて普通紙であると認識した場合には、前記作像装置によって、前記記録シート上のトナー画像部の光沢度測定における入射角度が60°の60°光沢度である光沢度を5〜20%範囲の光沢度となる作像を実行させることを特徴とする。
本発明によれば、普通紙とマットコート紙との違いをセンサによって自動的に識別することが困難であるといった問題を解決しつつ、普通紙とマットコート紙のそれぞれに好適となるトナー画像部光沢を確実に実現して画像出力を行なうことが可能な画像形成装置を提供することができる。
本発明による第1実施形態の画像形成装置の内部概略構成図である。 図1に示した画像形成装置に備えられている作像装置の概略構成図である。 同画像形成装置に備えられている定着装置の拡大構成図である。 同画像形成装置が接続されたネットワークシステムの一例を示す模式図である。 同画像形成装置内に設けられた制御部の構成を示すブロック図である。 (a)は送信時の通信パケット、(b)は受信時の通信パケットの形態を夫々示した模式図である。 第2実施形態の画像形成装置内に設けられた制御部の構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係るテーブル記憶手段おける記憶状態を示した概略図である。 第3実施形態における、(a)送信時の通信パケット、(b)受信時の通信パケットを夫々の形態を示した模式図である。 第4実施形態の画像形成装置内に設けられた制御部の構成を示すブロック図である。 第6実施形態の画像形成装置の内部概略構成図である。
[第1実施形態]
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の最良形態につき説明する。図1に、本発明による第1実施形態の画像形成装置400の内部構成の概略図を示す。また、図4に、この画像形成装置400が接続されたネットワークシステムの一例を模式図で示す。図1の構成は、一般的に用いられる典型例であり、以下では簡略に概説する。この画像形成装置400(以下では、符号400は省略)の内部には、下部に、給紙カセット11、12が上下に配置されている。給紙カセット11、12はいずれも、記録シートである用紙を収納している。記録シートとしては、一般的に複写機やプリンタなどに使用されるOA(office automation)用紙(普通紙)とよばれる情報用紙などのほかに、キャストコート紙・アート紙・微塗工紙などの塗工紙、上質紙・中質紙・下級紙などの非塗工紙など、どのようなものであっても構わない。また、PET(polyethylene terephthalate)などのプラスチック素材で形成されるいわゆるOHP(overhead projector)シートなどであっても構わない。
画像形成装置では、特に、マットコート紙と普通紙といった用紙光沢度が5〜6%程度と低い用紙それぞれに対して、好ましい光沢度を実現したものであり、給紙カセット11にはマットコート紙が、給紙カセット12には普通紙が各々ストックされている。
給紙カセット11、12から排出された記録シートは、シート搬送経路13に沿ってレジストローラ18において、進入のタイミングを合せるために停止する。記録シートは所定のタイミングでさらに画像形成装置上部へと搬送されていく。転写装置を兼ねた搬送ベルト14は、記録シートを表面に支持しながら搬送を行なう。タンデム式のカラー画像エンジン部(作像装置)15は、各色の周知の帯電処理部、露光処理部および現像処理部等を含み構成され、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナー像を重ね合わせたカラー画像を形成し、搬送ベルト14上の記録シートへと転写する。トナー像を転写された記録シートは、さらに搬送ベルト14によって画像形成装置上部へと搬送されていく。
記録シートは表面にトナー層を保持した状態で、定着手段としての定着装置16へと搬送され、定着装置16を通過することでトナー像が加熱・加圧され、記録シート上へ定着される。定着装置16の詳細については、後で再度説明を行なう。定着装置16において定着されたトナー像を保持した記録シートは、定着装置16の出口である画像形成装置の上部において向きを左向きに変え、画像形成装置の機外へと排出される。
図2は、第1実施形態の画像形成装置におけるカラー作像エンジン部(作像装置)の概略構成図である。この第1実施形態では、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色の色成分画像を記録シート上で重ね合わせて画像を形成する作像装置である。第1実施形態では、YCMKの各色成分に対応して、4つの画像形成ユニット20が図2のように配置されている。各画像形成ユニット20で形成された各色成分トナー像は、4つの画像形成ユニット20に当接して配置されているベルト状の中間転写体21(中間転写ベルト)へと、順次転写される。中間転写体21は、不図示の駆動手段によって所定のタイミングで回転しているため、中間転写体21上において、各色成分トナー像が所定の位置で重ね合わされるようになっている。中間転写体21上で重ね合された各色成分トナー像は、搬送ベルト14上の記録シートへと一括転写され、記録シート上にトナー画像となる。
第1実施形態では、YCMKの4色の各色画像形成ユニット20は共通の構成となっているため、その1組について説明を行なう。画像形成ユニット20は夫々、感光体ドラム22と、この感光体ドラム22を所望の電位に帯電する帯電器23、所望の電位に帯電された感光体ドラム22に出力用画像データ(後述する画像処理を施した画像データ)に対応して書きこみを行なうレーザ光学ユニット24、レーザ光学ユニット24による書きこみによって感光体ドラム22上に形成された静電潜像を各色成分に対応するトナーによって現像する現像器25、現像器25によって感光体上に現像されたトナー像を上記の中間転写体21上へと転写する転写器(1次転写器)26、中間転写体21へ転写されずに感光体ドラム22上に残った未転写トナーをクリーニングするクリーナー27、とから構成されている。
次に、第1実施形態での画像データ入力から出力用画像データを得るまでの画像処理部を説明する。スキャナ部(コピー機の場合)、またはパーソナルコンピューター(プリンタの場合)などからの入力データは、RGB多値(多くの場合8bit)画像であり、画像処理部28の中の明示してない各処理部で画像処理される。すなわち、MTFフィルタ処理部において強調処理され、次いで色分解処理部によりRGB色空間からCMYK色空間へと分解されたあと、階調補正処理部(γ変換部)によりあらかじめ設定されている階調を実現するための濃度制御がなされる。次いで擬似中間調処理部によりプリンタ特性に合うように擬似中間調処理がほどこされ、出力用画像データ(600dpi、4bitデータ)として、画像出力側(ビデオ信号処理部29)へと引き渡される。
このビデオ信号処理部でのデータの流れの説明を行なうが、ここでは1色分(仮にY色と考える)のデータの流れだけの説明を行なう。他のCMK3色についてもそれぞれ別個のビデオ信号処理部を有し、同様の処理が施されるため、ここでは1色分のデータの流れを説明する。
ビデオ信号処理部29では前述の出力画像用データ(画像処理の結果)を受け取り、発光点(レーザーダイオード)の個数分のデータをラインメモリ上に記憶し、ポリゴンミラーの回転に同期した信号(いわゆる同期信号)に合せて、各画素に対応する上記ラインメモリ状のデータを所定のタイミング(画素クロック)で、PWM(pulse width modulation)制御部へと引き渡す。(なお、第1実施形態では、発光点の数は、各色ともに1つである。)PWM制御部では、このデータがパルス幅変調(PWM)信号へと変換され、LD(laser diode)ドライバへと引き渡される。LDドライバでは、このパルス幅変調信号に対応して所定の光量でLD素子(LDアレイ)を光変調駆動する。第1実施形態では、各色成分の出力用画像データに対応して、パルス幅変調(PWM)制御を行い、レーザの光変調駆動を行なうようになっている。以上の画像処理部およびビデオ信号処理部での処理は、他のCMK3色についても同様に行われる。
LD素子からの発光光は、コリーメートレンズにおいて平行光を形成するようになり、アパーチャーにより所望のビーム径に対応する光束に切り取られる。アパーチャー通過後の光束はシリンドリカルレンズを通過し、ポリゴンミラーへと入射される。ポリゴンミラーで反射された光束は、走査レンズ(f−θレンズ)によって集光されて、折り返しミラーで折り返したあとに、感光体位置上で結像するようになっている。以上で説明をおこなったように、感光体22に対して静電潜像を形成したのち、この静電潜像をトナー像へと現像して、用紙上のトナー像とするまでの工程は先述の通りである。
第1実施形態で使用するトナーについての説明を行なう。第1実施形態で使用するトナーは重合法によって作製をおこなった、いわゆる重合トナーである。また、定着装置16においてオイルレス定着を実現すことができるように、トナー内部に離型剤であるWAXを内包している。第1実施形態ではトナーの粒径は、体積平均粒径は5.5μmとなるように製造した。(トナー粒径の測定は、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTAII」を用い、アパーチャー径400μmで測定した。)ほぼ同一の製法により、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーについて作製をおこなっている。なお、上記内容は本実施形態におけるトナーの仕様を限定するものではなく、上記作製方法のほか、分散重合法、あるいは粉砕法などによって作製したトナーであっても構わない。
次に、第1実施形態の定着手段である定着装置16についての詳細説明を行なう。図3に第1実施形態の定着装置を拡大構成図で示す。第1実施形態の定着装置16は、定着ベルト30に対して、定着ベルト30の裏側からはスポンジローラ31、定着ベルト30の表側からは加圧ローラ32がそれぞれ加圧されて当接された構成になっている。定着ベルト30は、スポンジローラ31、加熱ローラ33、テンションローラ34の間を周回するように配置され、加圧ローラ32のローラ内部には加熱源であるハロゲンヒータ35が配置されている。また加圧ローラ32の内部にも過熱源であるハロゲンヒータ36が配置されている。
定着ベルト30は、導電性カーボンを分散した厚さ70μmのポリイミドフィルムを基材として、厚さ200μmのシリコーンゴムの弾性層を設け、さらにトナー像との接触層として上部に膜厚30μmのPFA層を塗布して形成する。このようにして形成した定着ベルト30の表面性を測定したところ、算術平均粗さRaで、0.03μmであった。また、スポンジローラ31は、発砲シリコーンローラを厚さ10mmで形成してある。この他、加圧ローラ32は、アルミニウム製の芯金の上に1mmのシリコーンゴム層を配置した構成になっている。
先述したカラー作像エンジン部15によってトナー像を形成された記録シートは、シート搬送経路に沿って図3の下部から定着装置16へと搬送される。そして、記録シートは冷却剥離ベルト30と接触すると、ハロゲンヒータ36によって加熱された定着ベルト30とハロゲンヒータ35によって加熱された加圧ローラ32との間の定着ニップに挿入されると、加熱・加圧されて半溶融状態となり、記録シートへと定着される。その後、記録シート上のトナー像は定着ベルト30と分離されて(トナーの大部分は記録シート側に保持される。)、定着装置16から排出される。定着装置16から排出された記録シートは前述したように画像形成装置の外部へと排出されて、出力画像となる。なお、記録シートは、例えば線速150mm/secで搬送されている。
図1にも示されている制御装置410について詳述する。図5のブロック図に、第1実施形態の画像形成装置内に設けられた制御装置410の構成を抜き出して示す。図示の各部は、他の機能(例えばFAX機能等)実行時においても共通に使用されるものであるがここでは触れず、以下では、主としてプロセス制御の観点に立って各部について説明する。制御装置410は、基本制御を行なうCPU:401を有しており、さらにCPU:401が処理を行なうための作業領域となるワークRAM:406、及び起動プログラム等の制御プログラムが書き込まれたROM:405で構成されるメモリユニットを有している。RAM:406の一部領域は、電源がOFFされてもデータが消去されないバックアップRAMとなっている。
記憶装置408は、HDD等の記憶手段によって構成され、画像形成装置400を動作させるOSや、基本アプリケーション機能を実現するためのプログラムや、また後述する設定値データ(テーブル)や、その他の各種データが記憶される。そして記憶装置408には、該記憶装置408に対するデータの入出力を制御する記憶装置制御部(図示なし)が接続され、該記憶装置制御部がCPU:401にバス接続されている。
CPU:401には、公衆回線網やLAN等(必要に応じてはインターネット)に接続するための通信手段として、通信I/F(送受信装置)407が接続されている。また、CPU:401には、装置状態や操作指示を表示するための例えば液晶表示器を用いた表示装置を制御するための表示制御部及び操作ボタンや各種スイッチ等の操作入力装置を制御するための操作入力制御部により構成されている操作部402が接続されている。
CPU:401は操作部402の表示手段、キー入力手段や他の入力手段の制御も行なう。顧客である使用者は、キー入力手段を通して、表示の切替えなどをCPU:401に指示し、CPU:401は操作部402の表示手段に対して、キー入力によって設定された「用紙名称」などの表示を行なう。第1実施形態では、この操作部402を操作することで、顧客が「用紙名称」を入力する構成になっている。操作入力装置にタッチパネル機構を利用して表示部と一体化させてある。
加えて、CPU:401には、入出力ポート403がアドレスバス、データバスにより接続されている。入出力ポート403には、画像形成装置のカラー画像エンジン部15を構成している各色の帯電処理部140と露光処理部150および現像処理部160のほか、転写処理部170や定着処理部、また装置の各部の動作制御を行なうエンジン制御部404等が接続されている。CPU:401は、作像条件の変更などをこのエンジン制御部404を通して行なう。
ところで、第1実施形態に係るネットワークシステム500は、図4に示すように、通信回線300を介して相互に接続されデータの送受信が可能な複数の画像形成装置400と、外部サーバ(管理センター)200とからなる。本例では、画像形成装置(群)400からの状態情報等の各種の通報が通信回線300を経由して外部サーバ200に転送される。また、逆に外部サーバ200からの応答や指令は通信回線300を経由して画像形成装置400の1つまたは複数に転送される。
次に、第1実施形態における、用紙に関する情報の外部への送信と外部から情報の受信との役目を果たす、図5における送・受信装置としての通信I/F:407とその動作についての説明を行なう。第1実施形態では、通信I/F:407は、顧客によって入力された「用紙名称」を外部へ送信する機能を有する。このとき通信I/F:407は、ネットワークを介してこの「用紙名称」の送信を行なう。第1実施形態では、通信I/F:407は、このネットワークを介して外部のサーバ(後に詳述)と通信を行なうようになっている。
図6(a)が、データ送信時における通信パケットの形態を模式的に示したもので、パケットのパケット全体のサイズを示すデータの後に、データ記載領域に、「用紙名称」のデータ等が配列される。ヘッダ等の周知部分の詳細は省略してある。パケット通信技術は、既に確立されている本発明とは独立した技術であるため、詳細はここでは触れない。第1実施形態では、送信データとしては「用紙名称」としているが、このことは本願発明を何ら限定するものではない。送信する用紙に関する情報は、「用紙名称」以外のものであっても良く、「用紙型番」、「用紙コード」、または、これ以外の情報であっても構わない。また、送信する情報は、上に挙げた情報の1つに限定する必要はなく、図示例のようにこれらの用紙に関する情報を複数組み合わせたものを送信情報としても構わない。
本実施形態においては、外部サーバ200は、少なくとも周知のデータサーバ機能を有していて、用紙に関するデータベース(不図示)と接続されており、画像形成装置の通信I/Fから送信される「用紙名称」を受け取った後に、上記のデータベースを参照することにより、当該の用紙がどのような用紙であるかといった特定を行い、特定した結果を画像形成装置へ返信する。第1実施形態の場合、サーバから受信する情報の中には、用紙が普通紙であるかマットコート紙(コート紙)であるかといった情報が含まれるようになっている。このような外部サーバ200は、適宜のコンピュータ装置で容易に実現できる。
図6(b)は、外部サーバ200により返送され、画像形成装置でデータ受信される通信パケットの形態を模式的に示したものである。(b)に示すようにパケット全体のサイズを示すデータの後に、用紙種別である普通紙/マットコート紙(コート紙)の判別情報、坪量、等の情報から成り立っている。送信情報の場合と同じく、第1実施形態では、受信データとしては「用紙種別の判別情報」、「坪量」としているが、このことは本願発明を何ら限定するものではない。受信する用紙に関する情報は、これら以外のもの(紙情報データ3)が含まれていても構わない。
第1実施形態の画像形成装置では、こうした外部サーバ200から返信されてきた用紙に関する情報を、通信I/Fによって受信するような構成になっている。先述したように、第1実施形態では受信情報として、用紙が普通紙であるかマットコート紙(コート紙)であるかといった情報を受信するように構成されており、これにより、用紙が普通紙であるかマットコート紙であるかの識別を確実に行なうことができる。
第1実施形態の画像形成装置では、上記のようにして入手した用紙種別に応じて、図5のROM:405から対応する作像条件を読み出し、入出力ポート403を通してエンジン制御部404を制御することで、作像条件の切替えを行なうような装置構成になっている。第1実施形態の場合、具体的には、作像条件の1つである定着条件を、用紙種別毎に適した定着条件に切り替えて使用用紙に適した光沢度になる画像出力を行なうように制御する。具体的には、定着部の定着条件の変更を定着温度の変更によって行なう。この方法は、可動部分の条件変更を伴わないため、定着条件変更にともなってその他の条件を変更する必要がほとんどない。このため、制御上の観点からはきわめてシンプルな定着条件の変更と言える。
具体例を示すと、定着部での用紙通過速度は150mm/secに一定に保つようにし、(A)マットコート紙用の定着条件としては、上述の定着装置16を使用して、用紙通過速度:150mm/sec、定着ベルト温度185deg、加圧ローラ32の温度170deg、に制御して用紙(マットコート紙)を通過させた。またこのときの用紙上のトナー付着量はCMYK各色0.45mg/cm^2となるように設定した。このような条件下において、マットコート紙上に画像を形成すると、トナー画像部の光沢として35%の光沢度(60°光沢)を得ることができた。ここでのトナー画像部の光沢としては、いわゆるRedパッチとよばれるM(マゼンタ)=100%、Y(イエロー)=100%のベタ画像に対して、入射角が60°の光沢度で測定したものを記載した。なお、このときマットコート紙としては、“OK嵩王”(王子製紙、坪量:110g/m^2、用紙光沢度:6.4%(60°光沢度))を使用した。
一方、(B)普通紙用の定着条件として、定着装置16における用紙通過速度:150mm/sec、定着ベルト30の温度を温度150deg、加圧ローラ温度130deg、として用紙(普通紙)を通過させた。同様に、用紙上のトナー付着量はCMYK各色0.45mg/cm^2となるように設定した。こうした条件下において、普通紙上に画像を形成すると、トナー画像部の光沢として15%の光沢度(60°光沢度)を得ることができた。(トナー画像部の光沢度としては上記と同様にRedバッチの光沢度)なお、このときの普通紙としては“TYPE6200”(リコー製、坪量:70g/m^2、用紙光沢度:5.0%(60°光沢度))を使用した。
上述の定着条件を用紙種毎に切替え設定し使い分けることで、それぞれの用紙に対して、顧客が好ましいと感じる光沢度の画像生成を行なうことができた。ここで注目するべき点は、第1実施形態の構成では、用紙:“OK嵩王”と用紙:“TYPE6200”とが、用紙自体の光沢度は大きくは違わないにもかかわらず、トナー画像部光沢の値は大きく異なる点である。なお、後述するように、マットコート紙でのトナー画像部の光沢度が35%であること、普通紙でのトナー画像部の光沢度が15%であることは、それぞれの用紙に対して顧客が好ましいと感じる光沢度であることが、発明者の行なった主観評価実験(詳細については後述)から明らかになっている。
第1実施形態では上記のような構成により、記録シート(用紙)がマットコート紙と普通紙であるかの違いを、確実に識別することができるようになり、さらに、用紙種別に応じて定着条件を設定することでマットコート紙にはトナー画像部の光沢度を35%に設定した画像を出力し、普通紙にはトナー画像部の光沢度を15%に設定した画像を出力し、マットコート紙と普通紙との両方の用紙において、顧客にとって好ましい光沢を実現して、画像出力を行なうことできるようになる。
<主観評価実験>
(イ)記録シート(用紙):用紙[i]“OKカサブランカX”(王子製紙、坪量:400g/m^2、60°光沢度:45%)、用紙[ii]“OK嵩王”(王子製紙、坪量:110g/m^2、60°光沢度:6%)、用紙[iii]“TYPE6200”(リコー製、坪量:70g/m^2、60°光沢度:5%)、
(ロ)光沢:用紙[i]に対して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、の6水準
用紙[ii]に対して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、の6水準
用紙[iii]に対して、1%、3%、5%、10%、15%、20%、25%、の6水準の光沢度(Redパッチの60°光沢度)に設定した評価対象画像群を準備した。
(ハ)光沢測定箇所(測定サンプル測定):
光沢度の測定は、レッドパッチ(マゼンタ100%、イエロー100%、データとして出力されるパッチ)を対象として測定する。
(ニ)光沢度測定方法:
光沢度計GM−268(コニカミノルタ性)60°光沢度測定
(ホ)画像種: A.写真画像であり、さらに画像領域と紙白領域とが近接するような光沢の違和感に一番厳しい画像。
B.黒文字文章中とイメージ(写真)混在する画像。
(ヘ)評価者:
電子写真方式のプリンタを用いて、日常的に商業用印刷物を出力しているか、14名を集めてこの主観評価実験を実施した。
(ト)その他の画像作成条件:
上記した以外の作像条件(使用トナー、定着装置)は、第1実施形態のものを使用し作成した。
(チ)結果:
一、用紙[i]と用紙[ii]とで、好まれたトナー画像の光沢度はあまり変わらなかった。(若干、用紙[ii]の方が低い光沢を好む人が多い。)用紙[i]、用紙[ii]ともに、光沢度30%〜40%のものが、好ましい光沢度として支持された。光沢度が20%以下となった場合には、光沢が低すぎる(見栄えがしない)として不評であり、光沢度が50%以上となってしまうと、反対に光沢が高すぎる(ギラギラする)との理由で不評であった。
一、画像種(写真であるが、写真入り文字文書であるか)の違いによって、好ましい光沢が大きく変わることはなかった。画像種Aでも画像種Bでも好まれた光沢度は、光沢度30%〜40%であった。
一、一方、用紙[iii]については、光沢度5%〜20%のものが許容され、10%〜15%のものが特に支持された。光沢度が3%以下となった場合には、色再現範囲が著しく低下することで鮮やかさ損なわれたとして不評であり、光沢度が25%以上となってしまうと、反対に光沢が高すぎる(ギラギラする)と不評であった。
(リ)結論:
好ましい光沢(トナー画像部)は、用紙の光沢度にはあまり依存しない。用紙が塗工紙であるか普通紙ではあるかの違いにより、好ましい光沢度(トナー画像部)は大きく異なる。
以上説明したように、第1実施形態の構成によれば、用紙の光沢度がほぼ同じであるために、従来では識別が困難であったマットコート紙と普通紙との違いを判定ミスすることなく識別することができるようになり、マットコート紙と普通紙とにおいてそれぞれ異なる光沢を実現し、それぞれの用紙に対して好ましい光沢を実現して画像出力を行なうことができるようになる、また、このとき、普通紙とコート紙との用紙種別をお客様自身で判別する必要は無く、利便性の高い画像形成装置を実現することができる。特に、定着温度を変更することで用紙毎の光沢度を所望の値にしているため、制御上の観点から極めてシンプル構成によって、定着条件の変更を可能とした画像形成装置を実現することができている。
[第2実施形態]
次に、この発明による画像形成装置の第2の実施形態について説明する。
第2実施形態の画像形成装置自体の構成は、大部分は前実施形態の構成と同じである。前実施形態との相違点は、第実施形態では、外部から受信した用紙種別情報(普通紙/マットコート紙の判別情報)にもとづいて作像条件の変更を行なうのに対して、第2実施形態では第1実施形態の構成に加えて、外部から受信した用紙種別情報を外部へ送信した用紙に関する情報と対応付けて装置内に記憶させる記憶装置を有している点が特徴である。
図7は、第2実施形態における画像形成装置内に設けられた制御部の構成をしめすブロック図である。第1実施形態との相違点は、第2実施形態の場合には対応テーブル記憶手段608が付加されている点である。このための対応テーブル記憶手段608は、既述した記憶装置の一部がバックアップされた不揮発性の領域を用いるようにしているが、もちろん別途の記憶装置を設けるようにしても良い。
第2実施形態では、上述の対応テーブル記憶手段608に、管理センターとの通信によって、外部に送信する情報(用紙名称)と外部から返信されてくる情報(普通紙/コート紙の種別および用紙坪量)とを対応付け、さらに用紙ID(identification)というインデックスをつけて記憶するようにしている。図8がこれらの情報に関するテーブル記憶手段608における記憶状態を示した概略図である。
第2実施形態では、上述のような記憶装置を備えた構成になっており、これにより、ひとたび外部のサーバから受信した用紙識別情報を上記の記憶装置に記憶させている。そして、ふたたび用紙種に応じた用紙識別情報の取得が必要になった場合(しばらく使用することのなかった用紙を、再び使用するようなケース)には、記憶手段に記憶させた情報を読み出すだけで済むようになり、再度のサーバへ用紙に関する情報を送信して用紙識別情報を受信するような繰り返しとなる問合せ工程が不要になる。このことは、外部との通信に要する時間が省略でき処理が速くなるといった利点を、装置利用者にもたらす。また、接続されているネットワークのトラフィックの輻輳を低減することにも繋がる。
第2実施形態では、第1実施形態の場合と同じように、装置利用者が、操作部402を操作することでキー入力によって「用紙名称」を入力することができるように構成される。第2実施形態では、「用紙名称」が入力された後に、対応テーブル記憶手段608を参照して、入力された「用紙名称」と同じものが記憶装置にすでに記憶されていないかを確認する。そして、入力された「用紙名称」と同じものが対応テーブル記憶手段608にすでに記憶されている場合には、対応テーブル記憶手段608から、「用紙識別情報」の読み出しを行い、この「用紙識別情報」にもとづいて、作像装置の作像条件の変更を行なうようになっている。一方で、記憶装置に記憶されていない場合には、第1実施形態の場合と同じように、通信I/F(送・受信装置)407を通して、「用紙名称」を外部に送信し、「用紙識別情報」を受信し、併せて、「用紙識別情報」を対応する「用紙名称」と関連付けて対応テーブル記憶手段608に記憶する。
すなわち、「用紙名称」に該当する「用紙識別情報」がある場合には外部サーバ200から返送があるのでこの返送データを受信して、当該受信信号から分離(抽出した)「用紙識別情報」を取得し、「用紙名称」と対応付けて自機に記憶する(前述記憶部に追加する)とともに、「用紙識別情報」に対応する設定データを現在の用紙用の制御値として設定する。なお、入力された「用紙名称」と同じものが記憶装置に記憶されておらず、外部サーバからも、データが取得できない場合には、工場出荷時設定のまま或は直前の設定のままの従来通りの使用形態で利用することになる。
上述のように、第2実施形態においても第1実施形態と同じく上記「用紙識別情報」に従って定着装置部による光沢制御を行い、マットコート紙にはトナー画像部の光沢度を35%に設定した画像を出力し、普通紙にはトナー画像部の光沢度を15%に設定した画像を出力する。つまり、普通紙とマットコート紙との識別を確実に行なうことができ、それぞれの用紙に対して顧客が好ましいと感じる光沢度を実現することができる。さらに加えて、対応テーブル記憶手段608を有した構成とすることによって、一度受信した情報であれば外部との情報の送受信は必要なく、記憶装置から情報を引き出すだけで済むようになる。つまり、サーバへ用紙に関する情報を送信して用紙識別情報を受信する工程を繰り返して行なうような無駄な処理を省くことができるため、外部との通信に要する時間の短縮といった利点を装置利用者にもたらす。つまり、請求項1では、お客様が待っている時間を低減することができるといった点において、利便性の高い画像形成装置を実現することができる。また、情報の通信データの量を削減できネットワークの混雑防止にも寄与する。
[第3実施形態]
この発明による画像形成装置の第3の実施形態について説明する。この実施形態の画像形成装置の構成は、大部分は第1実施形態の構成(図5参照)と略同じであり、相違点は、受信情報には用紙が普通紙であるかコート紙であるかといった情報が含まれず、作像条件に関する条件変更情報を直接受信する点である。第1実施形態では、外部から受信した用紙種別情報(普通紙/マットコート紙の判別情報)にもとづいて作像条件の変更を行なうのに対して、第3実施形態では、外部から受信する情報が紙種に応じて変更する作像条件(制御データ)そのものとなっており、この作像条件にしたがって画像形成装置の作像条件の変更を行なうことが、特徴である。
第3実施形態でも、第1実施形態の場合と同じように、装置利用者が、操作部402を操作しキー入力によって「用紙名称」を入力することができるように構成される。そして、第1実施形態の場合と同じように、通信I/Fを通して、「用紙名称」を外部に送信する。これを受信したサーバ側では、受信した「用紙名称」に対応した適切な作像条件を備えられている対応テーブルを検索して抽出し、要求元に返信する。要求元の画像形成装置は、受信内容に従って作像条件を変更して画像形成を行なう。第3実施形態の場合、外部から受信する情報が、作像条件にかかわる情報あり、この点において「用紙識別情報」を受信する前述実施形態とは異なっている。
図9は、第3実施形態において外部との送受信を行なう際の、通信パケットの形態を示したものである。図9(a)に示すようにデータ送信時の通信パケットの形態はこれまでの実施形態と同じで、パケット全体のサイズを示すデータの後に、用紙名称のデータが配列される。第3実施形態においても、送信データとしては「用紙名称」としているが、このことは本願発明を何ら限定するものではない。送信する用紙に関する情報は、対象の用紙が特定できれば足り、「用紙名称」以外のものであっても良く、「用紙型番」、「用紙コード」、または、これ以外の情報であっても構わない。また、送信する情報を、上記の情報の1つに限定する必要もなく、これらの用紙に関する情報を複数組み合わせたものであっても構わない。
また、図9(b)が、データ受信時における通信パケットの形態を示したものである。パケット全体のサイズを示すデータと、その後に続くデータ記載領域に配列された、「定着ローラ温度」、「加圧ローラ温度」等の作像条件にかかわる情報から成り立っている。第3実施形態では、受信データとしては「定着ローラ温度」、「加圧ローラ温度」としているが、このことは本願発明を何ら限定するものではない。受信する作像条件としては、転写電流、現像バイアス、帯電電位、など、図9に記載されている以外のものが含まれていても構わない。
第3実施形態においては、上記の作像条件に従ってエンジン制御部404を制御することにより、やはりマットコート紙にはトナー画像部の光沢度を35%に設定した画像を出力し、普通紙にはトナー画像部の光沢度を15%に設定した画像を出力する。つまり、前述実施形態同様に普通紙とマットコート紙とのそれぞれに好ましいトナー画像部光沢度を確実に実現することができる。
そして、第3実施形態の場合には、上述したように作像条件を受信して、その作像条件に応じて作像装置を制御するような構成にすることで、第1実施形態において既に述べた、マットコート紙と普通紙との違いを確実に識別でき、それぞれの用紙に対して好ましい光沢を実現して画像出力を行なうことができるようになり、また、顧客にとっての利便性が向上するという効果に加えて、更に作像条件の制御が簡単になるといった利点を有するようになる。すなわち、第1実施形態の構成にくらべて、用紙種別の判定結果から作像条件を特定するような複雑な処理が不要となり、簡便な制御プログラムによって作像装置の制御が可能となる。このように、第3実施形態では制御装置が簡単な構成で済み低コストの画像形成装置を実現することができる。
なお、第3実施形態の変形例として、第2実施形態のように受信した作像条件にかかわる情報を記憶装置408あるいは別な記憶手段に記憶させて、必要に応じて読み出して活用するような構成としても構わない。この場合、第2実施形態同様に、処理時間の短縮、接続されているネットワークトラフィックの輻輳低減効果が併せて得られる。
なお、これまで述べた各実施形態においては、外部から受信する受信信号が、記録シートがコート紙であるか普通紙であるかの識別情報を含む情報であり、この識別情報にもとづいて作像装置の作像条件の切替えを行なうが、この切替えを適宜の条件切替え装置を介して行なうようにすることができる。この構成の場合には、普通紙であるかコート紙であるかといった情報も含めて作像条件の切替えを行なうことができるようになるため、こまかな作像条件の切替えを行なうことができ、画像形成装置がデフォルトとして設定する作像条件に対して、お客様が光沢度を好みに応じて微調整したい場合に、調整幅(例えば定着温度の幅)を用紙ごと変更するようなことが可能となる。これは、光沢度の視覚的な感度が光沢度の値が大きくなるほど鈍くなるためであり、高い光沢度に設定されるコート紙の方が光沢度を大きく変化させることが望ましいためである。
[第4実施形態]
次に、この発明による画像形成装置の第4の実施形態について説明する。この実施形態の画像形成装置の概略構成は、第1実施形態の構成と略同じであり、相違点は「用紙名称」の入力形態である。図10が第4実施形態の構成を制御部主体に示した要部ブロック図であり、第1実施形態の構成(図5参照)を全て含んでおりバーコードリーダ700およびスキャナI/F(インタフェース)701が付加されている。
第1〜第3実施形態では、使用者である顧客が「用紙名称」を、操作部402(図5等)を通じて入力しており、このようにして入力された「用紙名称」を送・受信装置を通して外部へと送信していた。これに対して、第4実施形態では、転写紙の「用紙名称」等を入力するための「用紙名称」取得手段として、転写紙の「用紙名称」を標示するバーコードを読取るための画像入力装置であるバーコードリーダ(スキャナ)700とそのためのスキャナI/F701を備えていて、用紙に関する情報を、用紙の外装に貼られたバーコード(用紙型番など)をバーコードリーダ700で読取ることによって、用紙に関する情報を入手できるように構成した点が特徴である。なお、操作部402からの入力操作も可能であるものとする。
第4実施形態では、用紙の外装に記載された用紙型番(商品コード)をバーコードリーダ700で読取る。そして、CPU:401は、バーコードリーダ700での読み込み画像データから文字コードへと変換をおこなった後に、自動的に通信I/F407を通して、外部へと「用紙型番」を送信するような構成になっている。「用紙型番」を送信したあとの動作については、第1実施形態と同じであり、説明は省略する。
第4実施形態の構成の場合、前述実施形態とは異なり使用者である顧客がキー入力によって「用紙名称」直接入力するような必要はなく、用紙外装をバーコードリーダ700で読取るだけであるので、前述実施形態にくらべてはるかに少ない操作で、用紙に関する情報の入力を行なうことができるようになる。つまり、請求項では、用紙に関する情報の入力が非常に簡便な利便性が良い画像形成装置を実現することができる。また、自ら外部の装置へ通信する必要がなくなりこの点からも利便性がより向上している。
このように、本実施形態では上述したバーコードリーダ700によって、画像形成装置を使用するお客様が用紙に関する情報を画像形成装置に入力するような構成になっており、誤操作などをすることなく、必要な情報を画像形成装置に入力することができるようになる。このとき、お客様が入力する情報としては、用紙の名称、用紙の型番、用紙のコードなどであり、用紙の種別(普通紙であるかコート紙であるか)やその他の用紙の特性値(坪量、厚み、表面性、など)である必要はない。
本実施形態では、キー入力以外の入力装置の例として、用紙の名称などをバーコード入力するバーコードリーダ装置を上げたが、入力装置としては必ずしもそのような構成に限定されるわけではなく、用紙のパッケージにプリントされている名称や商品コードなどを読取るためのスキャナやセンサなどであっても構わない。また、用紙やパッケージに埋め込まれたICチップやICタグを非接触あるいは無線を通じて読取るような入力装置であっても良く、同じ効果が得られることは言うまでもないことである。
ちなみに、実施形態と異なり発明を適用する画像形成装置が複写機あるいはFAX機能を備えた複合機の場合であれば、原稿読取りのために適宜のスキャナ(画像入力部)を有しているので、これを前述したバーコードリーダの替わりに用い、更には、標記された用紙型番等を画像として読取り、画像処理により読み込み画像データから送信データ(文字コード)コードへの変換を行なうようにすることが考えられ、同様な効果を得ることができる。
なお、第4実施形態の構成においても、第3実施形態同様に作像条件を返送情報として受信するようなシステムとすることができる。また、第2実施形態のように、対応テーブル記憶手段608を参照し用紙識別情報の取得を試み、記憶されていない場合に外部サーバからの用紙識別情報の取得と対応テーブルへの追加処理を行なう構成および制御と組み合わせることもできる。
[第5実施形態]
この発明による画像形成装置の第5の実施形態について説明する。この実施形態の画像形成装置の構成は、第1実施形態の構成と同じ(重複する図示・説明は省略する)で、画像形成時の定着部の制御のみが異なっている。すなわち、第1実施形態との相違点は、第1実施形態では定着条件の変更を定着部材の温度を変更することで行なっているのに対して、第5実施形態では定着装置の温度設定は原則として固定とし、定着装置を通過させる用紙の速度(搬送速度)を変更することで行っている点である。定着条件の変更を用紙速度の変更によって行なうことは、定着機温度の変更がしなくてよい(あるいはわずかな温度変更でよい)ため、温度変更に伴う待機時間(狙いの温度で一定となるまでの時間)がほとんど必要ないといった特長を持つ。つまり、定着条件の変更にともなう待機時間が必要なく、使用者がこうした待機時間を強いられることがないといった画像形成装置を実現することができる。
この第5実施形態では、(B)普通紙上にトナー像を定着させようとした場合には第1実施形態等の普通紙使用時と同じく、用紙通過速度:150mm/sec、として、定着装置16に用紙(普通紙)を通紙させるようにしている。このとき、定着装置16の温度設定は、第1実施形態と同じく、定着ベルト温度150deg、加圧ローラ温度130deg、となるように設定した。一方で、(A)マットコート紙上にトナー像を定着させようとした場合には、用紙通過速度:80mm/sec、として、定着装置16に用紙(マットコート紙)を通紙させるようにしている。また、このとき、定着装置16の温度設定は、(B)普通紙と同じく、定着ベルト温度150deg、加圧ローラ温度130deg、となるように設定した。
第5実施形態ではこのような構成にすることで、マットコート紙上に画像を形成すると、トナー画像部の光沢として35%の光沢度(60°光沢度)を得ることができた。また、普通紙上に画像を形成すると、トナー画像部の光沢として15%の光沢度(60°光沢度)を得ることができた。
このように、第5実施形態では、用紙識別センサに依らずに、用紙がマットコート紙と普通紙であるかを識別することができ、特に定着装置16における定着条件の変更を、定着装置16を通過させる用紙の速度を変更することで行なっている。この結果、第5実施形態では、こうした2つの特徴が組み合わさることで、それぞれの用紙に対して顧客が好ましいと感じる光沢度として、前述した発明者の行なった主観評価実験から明らかになった好ましい光沢度を実現して、画像出力を行なうことがきる。つまり、第5実施形態の画像形成装置は、マットコート紙と普通紙との両方の用紙種において、顧客にとって好ましい光沢を実現して、画像出力を行なうことできる。
[第6実施形態]
この発明による画像形成装置の第6の実施形態について説明する。この画像形成装置の構成は、定着手段(定着装置部)の構成と搬送制御を除いて、大部分はこれまでの各実施形態の構成と同じである。構成上の相違点は、前述各実施形態では定着装置16が1つだけ装備されているのにたいして、画像形成装置内部に定着装置が2つ装備されている点である。
図10が第6実施形態の概略図であるが、定着手段16Bとして、定着条件が異なる2つの定着装置47、48が備えられ、各定着装置47、48それぞれが、図に示すように、スポンジローラ31、熱源を内蔵する加熱ローラ33、テンションローラ34に掛けまわされる定着ベルト30と、熱源を内蔵する加圧ローラ32とで構成されており、記録シートが普通紙であるかマットコート紙であるかの問合せ結果に基づき制御装置によって、トナー画像転写後の記録シート搬送動作が制御され、2つの定着装置47、48のうちの1つを選択的に使用するようになっている。
画像形成時に際しては、これまでの実施形態の場合と同様に、用紙に関する情報による問合せを行っており、トナー像を転写された搬送ベルト3上の用紙は、問合せにより得られた用紙種別情報(用紙種識別結果)にもとづいて、第1の定着装置47または、第2の定着装置48のいずれかに割り当てられるようになっている。
第6実施形態では、問合せの結果から用紙がマットコート紙であると判定された場合には、第1の定着装置47を通過するようになっている。第1の定着装置47の基本構成は前述各実施形態の定着装置16と同じである。第6実施形態ではこの第1の定着装置47を使用して、定着条件をマットコート紙に適合させて、用紙通過速度:150mm/sec、定着ベルト温度185deg、加圧ローラ温度170deg、として用紙を通過させた。一方、問合せ結果から用紙が普通紙であると判定された場合には、第2の定着装置48を通過するようになっている。第2の定着装置48の基本構成も前述各実施形態と同じである。第6実施形態ではこの第2の定着装置48を使用して、定着条件をマットコート紙に適合させて、用紙通過速度:150mm/sec、定着ベルト温度150deg、加圧ローラ温度130deg、として用紙を通過させた。
第6実施形態でも、マットコート紙上に画像を形成すると、トナー画像部の光沢として35%の光沢度(60°光沢度)を得ることができた。また、普通紙上に画像を形成すると、トナー画像部の光沢として15%の光沢度(60°光沢度)を得ることができた。
第6実施形態では、既述したようにサーバに問合せることによって、用紙がマットコート紙と普通紙であるかを識別することができ、且つ、定着手段(装置)における定着条件の変更を、用紙を通紙させる定着装置自体を選択する(変更する)ことで行なっている。この結果、第6実施形態では、こうした2つの特徴が組み合わさることで、それぞれの用紙に対して顧客が好ましいと感じる光沢度として、発明者の行なった主観評価実験から明らかになった光沢を実現して、画像出力を行なうことができる。つまり、第6実施形態の画像形成装置は、マットコート紙と普通紙との両方の用紙において、顧客にとって好ましい光沢を実現して、画像出力を行なうことができる。
上述の効果の他、定着条件の異なる複数の定着手段を有していることから、定着条件の変更は用紙の搬送経路を切り替えることによって、用紙を通過させる定着手段を切り替えれば良く、このため定着温度を変更するための待機時間が必要ない、また、定着装置を通過させる際の用紙速度を切り替える必要もないといった特徴がある。従って、光沢の切替えを行なってもいわゆるプリント速度が低下してしまうようなことがないとの利点がある。
ところで、これまで説明した、各実施形態における画像形成装置は、トナー像が、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、の4色のトナー像によって形成されるタンデム式の装置であるが、モノクロ式あるいは単色式の画像形成装置であってもかまわない。この場合には、像担持体をベルト式の像担持体とすることもできる。また、像担持体に対する帯電手段、現像装置、あるいは転写手段の構成なども上記実施形態の構成に限らず、適宜の方式を採用し得るものである。
なお、定着条件の変更としては、定着温度や用紙速度だけの変更ではなく、これに替えて定着部材の材質などの条件を変更することも可能である。あるいは、これらを付加的に併用しても良い。その場合、定着条件をマットコート紙と普通紙とでそれぞれに好ましい光沢を実現できるように定着条件を変更する際に、変更可能な定着パラメータが(定着条件)多くなり、定着条件変更の際の自由度が大きくなる。
ちなみに、上述した実施形態における作像装置は乾式トナー(粉体)によって形成されたトナー像を定着手段によって過熱・加圧することで記録シート上に定着させる作像装置である。このように作像装置が、乾式トナーによって形成されたトナー像を定着手段によって加熱・加圧することで記録シート上に定着させる方式の場合、トナー画像部の光沢度は用紙の表面性にはそれほど依存せず(印刷方式やインクジェット方式にくらべるとはるかに依存しないが、ある程度は依存するという意味である)、トナー特性や定着条件などで決定される。また、トナーの付着量や定着条件などを調整することで、トナー画像部の光沢度をある程度は調整することができる。このため、用紙種類の識別が精度良く行なうことができれば、トナー画像部を狙いの光沢度に設定しやすいといった利点を有する。つまり、乾式トナーを使用する作像装置は、本発明のような用紙種類を識別して、光沢度を制御するような手法にとても相性のよい、作像装置であると考えられる。
参考までに言及すれば、作像装置がこれとは異なる、印刷方式やインクジェット方式の画像形成装置の場合には、画像光沢度の切替えはあまり容易とはいえない。特に用紙が普通紙の場合には、印刷方式やインクジェット方式では、画像部の光沢度は用紙の光沢度以下となってなることが多く、お客様に好まれる光沢度5〜20(さらに好ましくは10〜15%)の間に設定することができないといった問題がある。印刷方式やインクジェット方式では、画像部の光沢度はインク特性などでもある程度は変えることができるが、このようにインク特性を変える方式では、仮に本発明のように用紙種類の判別を行なっても、判別後にインクの入れ換えが必要となってしまう。用紙種類の判別後にインクの入れ換えを行なっていたのでは、出力速度が著しく低下してしまい、非常に不便である。また、インクの切替えを行なう際には、使用者の手間やインク経路の清掃などの作業がともなうこともあり、使用者にとっては負荷の大きい作業となってしまい実用性に欠ける。
上記のように、実施形態に挙げた如き、乾式トナーを用いた電子写真方式の作像装置を搭載した構成のものは本発明の適用に適しており、トナー画像部を狙い光沢度に設定することが容易であるといった利点を有したうえで、好ましい光沢度を実現して出力することが可能な画像形成装置を実現することができる。
以上説明をおこなった、各実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明を何ら限定するものではない。例えば定着装置に関しては、これ以外の構成であっても構わない。定着ベルトの構成なども、上記で説明した以外のどのような部材であってもよいし、またベルトを使用しない定着装置であってもよい。また、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 ハンドスキャナハウジング
2 入力書面
13 シート搬送経路
14 搬送ベルト
15 カラー画像エンジン部(作像装置)
16 定着装置
18 レジストローラ
30 定着ベルト
31 スポンジローラ
32 加圧ローラ
33 加熱ローラ
34 テンションローラ
47 第1の定着手段
48 第2の定着手段
200 外部サーバ(管理センター)
300 通信回線
400 画像形成装置
401 CPU
402 操作部
403 入出力ポート
404 エンジン制御部
405 ROM
406 RAM
407 通信I/F(送受信装置)
410 制御装置(本体制御部)
500 ネットワークシステム
608 対応テーブル記憶手段
700 バーコードリーダ(スキャナ)
特開平11−249353号公報 特開2003−65741号公報 特開2006−30978号公報 特開2006−35444号公報

Claims (10)

  1. 作像装置を用いて記録シート上にトナー像が記録される画像形成装置であって、
    前記作像装置による画像形成時に、前記記録シートの紙種に応じて前記記録シート上のトナー画像部の光沢度を決める作像動作条件を設定する条件設定手段と、
    前記記録シートの品別を特定する品別情報を入力するための入力手段と、
    入力された品別情報を外部に送信する送信装置と、
    外部の情報サーバから前記品別情報に対応する少なくとも紙種情報を含む返送情報を受信する受信装置と、
    前記返送情報にもとづいて、前記作像装置によって形成されるトナー画像部の光沢度を切り替える制御装置と、を備え、前記返送情報が、前記記録シートがマットコート紙であるか普通紙であるかの紙種を示す紙種識別情報を含む情報であり、この紙種識別情報にもとづいて前記作像装置の作像動作条件の切替えを行なう画像形成装置において、
    前記制御装置は前記作像装置に、前記記録シートが前記返送情報にもとづいてマットコート紙であると認識した場合には、前記記録シート上のトナー画像部の光沢度測定における入射角度が60°の60°光沢度である光沢度を30〜40%範囲の光沢度になる作像を実行させ、前記記録シートが前記返送情報にもとづいて普通紙であると認識した場合には、前記記録シート上のトナー画像部の光沢度測定における入射角度が60°の60°光沢度である光沢度を5〜20%範囲の光沢度になる作像を実行させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記品別情報と前記返送情報とを対応付けて記憶する記憶装置を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記作像装置は、乾式トナー(粉体)によって形成されたトナー像を定着手段によって加熱・加圧することで前記記録シート上に定着させる定着手段を備え、
    前記制御手段が、前記定着手段の定着条件を変更することにより、記録シート上のトナー画像部の光沢度を切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記作像装置は、定着条件が異なる複数の定着手段を有する、作像装置であって、
    前記制御装置が、前記複数の定着手段から前記記録シートの紙種に応じて当該記録シートを通過させる定着手段を選択して切り替えることで前記定着条件の変更を行なうことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記定着手段の定着条件の変更が、定着温度の変更であることを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
  6. 前記定着手段の定着条件の変更が、当該定着装置を通過させる用紙速度の変更であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記記録シート上に形成するトナー像が、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のトナー像を重畳転写することによって形成されるカラートナー像であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記入力手段は、前記記録シートの品別情報を入力するための画像入力装置を含み構成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記画像入力装置が、転写紙の商品名を標示するバーコードを読取るためのバーコードリーダであることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 制御装置が各部を制御するとともに作像装置を用いて記録シート上にトナー像の形成を行なう画像形成方法において、
    入力手段により、前記記録シートの品別を特定する品別情報を入力し、
    入力された品別情報を送信装置により外部に送信し、
    受信装置により、外部の情報サーバから前記品別情報に対応する少なくとも紙種情報を含む返送情報を受信し、
    前記返送情報の、前記記録シートがマットコート紙であるか普通紙であるかの紙種を示す紙種識別情報にもとづいて、条件設定手段が、前記記録シートの前記紙種に応じて前記記録シート上のトナー画像部の光沢度を決める作像動作条件を設定することにより、形成されるトナー画像部の光沢度を切り替え、
    前記記録シートが前記返送情報にもとづいてマットコート紙であると認識した場合には、前記作像装置によって、前記記録シート上のトナー画像部の光沢度測定における入射角度が60°の60°光沢度である光沢度を30〜40%範囲の光沢度になる作像を実行させ、前記記録シートが前記返送情報にもとづいて普通紙であると認識した場合には、前記作像装置によって、前記記録シート上のトナー画像部の光沢度測定における入射角度が60°の60°光沢度である光沢度を5〜20%範囲の光沢度となる作像を実行させることを特徴とする画像形成方法。
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