JP5422274B2 - オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法 Download PDF

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本発明は、オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法に関する。
種々のポリオレフィン材料の中でも、複数の種類のブロック性ポリマー鎖を有する共重合体は、それぞれのポリマー鎖に由来する機能性をあわせ有することが出来るため、産業界において着目されている。従来、この様なブロック共重合体はアニオンリビング重合により製造されているが、工業的に適用可能モノマーは、スチレン、ブタジエン、イソプレンに限定されてしまう。
しかし、ブタジエン、イソプレンを用いた場合、アニオンリビング重合後に得られるブロック共重合体の主鎖には二重結合が残ってしまうため、耐久性、耐候性に優れたブロック共重合体を得るためには、さらにコストがかかる水素添加処理が必要である。
一方、オレフィンおよびスチレンモノマーから直接、類似のブロック共重合体をリビング重合で製造しようとする試みもなされているが、技術的難易度が高い上に、1個の触媒から1個のポリマー分子しか得られないリビング重合故に、複雑な遷移金属化合物であるシングルサイト配位重合触媒(開始剤)のコストが著しく高く現実的ではない。
そのため、オレフィンに対する重合活性が高いシングルサイト配位重合触媒を活用し、非リビングプロセスによりブロック性共重合体を製造しようとする研究が活発になっている。例えば、クロス共重合体製造技術の場合、シングルサイト配位重合触媒を用いて、ジビニルベンゼン含有オレフィン系共重合体を合成し、次にこの共重合体の共存下、ビニル化合物の重合を行い、共重合体中のジビニルベンゼンユニットを共重合してポリオレフィン鎖およびビニル化合物ポリマー鎖の両ブロック鎖を分子構造中に有するクロス共重合体を製造する技術が開示されている(特許文献1、2)。
このクロス共重合体製造のためのジビニルベンゼン含有オレフィン系共重合体の製造のためには、活性が高く、分子量の制御が容易で、ジビニルベンゼンに対して共重合性が高いシングルサイト共重合触媒が望まれている。例えば特許文献3には、公知のシングルサイト重合触媒を用いオレフィン−ジビニルベンゼン共重合体を製造する技術が開示されている。
また、特許文献4〜7には、自己架橋の少ないオレフィン−ジビニルベンゼン共重合体製造方法が開示されている。
再表WO00/037517号公報 国際公開WO2007139116号パンフレット 特許第3267298号 米国特許第6096849号明細書 米国特許第6265493号明細書 米国特許第6414102号明細書 特開平11−199620号公報
しかしながら、上記文献記載の従来技術は、以下の点で改善の余地を有していた。
特許文献1、2では、クロス共重合体製造に用いるオレフィン−スチレン−ジビニルベンゼン共重合体を製造するためのシングルサイト配位重合触媒が開示されている。しかし、特許文献1、2に具体的に示されているオレフィン−スチレン−ジビニルベンゼン共重合体製造用の触媒は、オレフィン−スチレン−ジビニルベンゼン共重合体製造に対しては非常に優れているものの、本発明の目的であるオレフィン−ジビニルベンゼン共重合体製造では、分子量の制御が困難、具体的には低分子量になってしまう欠点があった。
さらに特許文献1には、オレフィン−ジビニルベンゼン共重合体製造用の触媒も示されている。すなわち、オレフィン−ジビニルベンゼン系クロス共重合体を製造するためのオレフィン−ジビニルベンゼン共重合体の製造のために、特許文献1、2に記載の触媒よりも、ジビニルベンゼンに対して共重合性が高いシングルサイト共重合触媒の開発が望まれる。ここにおいて、ジビニルベンゼンに対する共重合性が高いとは、単にジビニルベンゼンに対する共重合能力が高いだけでなく、一旦共重合されたジビニルベンゼンユニットの残留(ペンダント)二重結合がさらに重合されることがなく、自己架橋が少ないことを意味する。すなわち、特許文献1、2に記載の触媒よりも、ジビニルベンゼンモノマーに対する共重合能力とポリマー中のジビニルベンゼンユニットの残留二重結合に対する共重合能力が大きく差別化されているシングルサイト重合触媒が望まれる。
同様に、特許文献3の技術でも、公知のシングルサイト重合触媒を用いオレフィン−ジビニルベンゼン共重合体を製造した場合、得られる共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は著しく大きく、ジビニルベンゼンを介したポリマー同士の自己架橋が起こっていることがわかる。そのため、特許文献3に記載の触媒よりも、ジビニルベンゼンモノマーに対する共重合能力とポリマー中のジビニルベンゼンユニットの残留二重結合に対する共重合能力が大きく差別化されているシングルサイト重合触媒が望まれる。
第二に、特許文献4〜7に記載の技術には、重合活性が著しく低い難点がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、共重合体に対する重合活性が高く、分子量の制御が容易で、芳香族ポリエンに対しての共重合性が高く、かつ共重合体の自己架橋が少ない、シングルサイト共重合触媒を用いたオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、下記一般式(1)に示す遷移金属化合物を含む重合触媒を用いて、オレフィンモノマーと芳香族ポリエンモノマーとを共重合する工程を含む、オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法が提供される。
Figure 0005422274

ここで、一般式(1)中、Fluは、フルオレニル基、または置換フルオレニル基を示し、Cpはシクロペンタジエニル基または置換シクロペンタジエニル基を示す。また、Yは、FluおよびCpに対して結合を有する置換メチレン基であり、メチレン基の置換基は、水素または炭素数1〜10の炭化水素基である。また、Mはジルコニウム、ハフニウム、またはチタンから選ばれる金属である。また、Xは、ハロゲン、炭素数1〜15の炭化水素基、炭素数1〜15のアルコキシド基、炭素数1〜15のアミド基または炭素数3〜15のアルキルシラン基である。nは1または2の整数である。なお、Xが複数の場合、複数のXは互いに結合を有していても良い。

この製造方法によれば、特定の化学構造を有する遷移金属化合物を含む重合触媒を用いるため、共重合体に対する重合活性が高く、適切な分子量範囲での分子量の制御が容易で、芳香族ポリエンに対しての共重合性が高く、かつ共重合体の自己架橋が少ない、シングルサイト共重合触媒を用いたオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法が実現できる。そのため、この製造方法によれば、高い活性で、好適な分子量範囲を有し、かつ共重合体自身の自己架橋が非常に少ないオレフィン−芳香族ポリエン共重合体を製造することができる。また、この製造方法によれば、芳香族ポリエンに対しての共重合性が高いため、芳香族ポリエン含量の多い組成からなる共重合体を製造する場合にも、得られた重合液中に残存する芳香族ポリエン濃度が低い状況を実現することができる。
また、オレフィンモノマーと芳香族ポリエンモノマーとを共重合してオレフィン−芳香族ポリエン共重合体を得る配位重合工程と、次にクロス化工程として、オレフィン−芳香族ポリエン共重合体とビニル化合物モノマーとの共存下、アニオン、ラジカル、カチオン重合開始剤、または配位重合触媒を用いて、クロス共重合体を得るクロス化工程とを含む、クロス共重合体の製造方法において、配位重合工程のオレフィンモノマーと芳香族ポリエンモノマーとを共重合してオレフィン−芳香族ポリエン共重合体を得る好適な方法が提供される。
この製造方法によれば、上記のオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法によって、配位重合工程を行うため、高い活性で、好適な分子量範囲のオレフィン−芳香族ポリエン共重合体を製造することができる。また、上記の配位重合工程では、芳香族ポリエン含量の多い組成からなる共重合体を製造する場合にも、得られた重合液中に残存する未反応の芳香族ポリエン濃度が低い状況を実現することができるので、その後のクロス化工程でも、オレフィン−芳香族ポリエン共重合体を含む重合液をそのままクロス化工程に用いることが可能となり、得られるクロス共重合体の流動性や成形加工性も良好となる。
本発明によれば、特定の化学構造を有する遷移金属化合物を含む重合触媒を用いるため、共重合体に対する重合活性が高く、分子量の制御が容易で、芳香族ポリエンに対しての共重合性が高く、かつ共重合体の自己架橋が少ない、シングルサイト共重合触媒を用いたオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法が実現できる。
[用語の説明]
本明細書および特許請求の範囲において、「〜」という記号は「以上」及び「以下」を意味する。例えば、「A〜B」というのは、A以上でありB以下であるという意味である。
[発明の経緯]
本発明は、上記の従来技術の課題を解決するために、本発明者等が本出願時点で公知の特許文献1(再表WO00/037517号公報)に記載されている類似の化学構造を有する遷移金属触媒について、非置換フルオレニル基または置換フルオレニル基を有する化学構造の遷移金属触媒を偶然に選んで実験を行ったところ、予想外に優れた作用効果を発見し、その予想外の作用効果を活用した製造方法に相当したことを契機として生まれたものである。
すなわち、本出願時点で公知の特許文献1(再表WO00/037517号公報)にも、第24頁〜第28頁には、上記の一般式(1)の化学構造と類似の化学構造において、非置換フルオレニル基または置換フルオレニル基を用いてもよい旨の記載は存在するが、非置換フルオレニル基または置換フルオレニル基を用いた場合の特有の作用効果については何ら説明されていない。また、上記の一般式(1)の化学構造と類似の化学構造において、非置換フルオレニル基または置換フルオレニル基を用いた場合の具体的な遷移金属触媒成分の具体名については列挙されていない。さらには、上記の一般式(1)の化学構造と類似の化学構造において、非置換フルオレニル基または置換フルオレニル基を用いた場合の実施例・実験データ等は一切記載されていない。
そのため、上記の特定の化学構造を有する遷移金属触媒の作用効果については、本出願時点で公知の特許文献1(再表WO00/037517号公報)に記載されている発明のいわゆる選択発明としての作用効果であって、特許文献1(再表WO00/037517号公報)には開示されていない特有の作用効果を実験データに基づいて見出したものであり、特許文献1(再表WO00/037517号公報)に記載されている発明に基づいて当業者が容易に想到可能な作用効果ではないことが明らかである。
そして、本発明者等は、さらにその後も研究開発を継続した結果、特許文献1(再表WO00/037517号公報)に記載されている発明とは異なる目的生成物であるオレフィン−ジビニルベンゼン系クロス共重合体を製造する際に、最初の配位重合工程では、上記の特定の化学構造を有する遷移金属触媒を用いることに想到した。そして、実際に実験を行って試してみたところ、この方法によれば、配位重合工程では、高い活性で、好適な分子量範囲のオレフィン−芳香族ポリエン共重合体を製造することができることにくわえて、さらに芳香族ポリエン含量の多い組成からなる共重合体を製造する場合にも、得られた重合液中に残存する未反応の芳香族ポリエン濃度が低い状況を実現することができるので、その後のクロス化工程でも、オレフィン−芳香族ポリエン共重合体を含む重合液をそのままクロス化工程に用いることが可能となり、得られるクロス共重合体の流動性や成形加工性も良好となることを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法は、特定の化学構造を有する重合触媒を用いて、オレフィンモノマーと芳香族ポリエンモノマーとを共重合する工程を含む。
この製造方法によれば、特定の化学構造を有する遷移金属化合物を含む重合触媒を用いるため、共重合体に対する重合活性が高く、分子量の制御が容易で、芳香族ポリエンに対しての共重合性が高く、かつ共重合体の自己架橋が少ない、シングルサイト共重合触媒を用いたオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法が実現できる。そのため、この製造方法によれば、高い活性で、好適な分子量範囲を有し、かつ共重合体自身の自己架橋が非常に少ないオレフィン−芳香族ポリエン共重合体を製造することができる。また、この製造方法によれば、芳香族ポリエンに対しての共重合性が高いため、芳香族ポリエン含量の多い組成からなる共重合体を製造する場合にも、得られた重合液中に残存する芳香族ポリエン濃度が低い状況を実現することができる。
以下、本製造方法を構成するそれぞれの要素について説明する。
(i)遷移金属化合物
本製造方法に用いる重合触媒は、下記一般式(1)に示す遷移金属化合物を含むことが好ましい。
Figure 0005422274

ここで、一般式(1)中、Fluは、フルオレニル基、または置換フルオレニル基を示し、Cpはシクロペンタジエニル基または置換シクロペンタジエニル基を示す。また、Yは、FluおよびCpに対して結合を有する置換メチレン基であり、メチレン基の置換基は、水素または炭素数1〜10の炭化水素基である。また、Mはジルコニウム、ハフニウム、またはチタンから選ばれる金属である。また、Xは、ハロゲン、炭素数1〜15の炭化水素基、炭素数1〜15のアルコキシド基、炭素数1〜15のアミド基または炭素数3〜15のアルキルシラン基である。nは1または2の整数である。なお、Xが複数の場合、複数のXは互いに結合を有していても良い。
なお、上記の置換フルオレニル基は、置換可能な水素の少なくとも1つ以上が炭素数1〜4の炭化水素基で置き換えられているもので、隣り合う置換基は一体となって4〜8員環の環状構造を有しても良い。また、上記の置換シクロペンタジエニル基は、置換可能な水素の少なくとも1つ以上が炭素数1〜2の炭化水素基で置き換えられているものであり、隣り合う置換基は一体となった環状構造を有さない。
これらの置換フルオレニル基を有する遷移金属化合物を含む重合触媒であれば、後述する実施例において実験データによって優れた触媒活性が実証されている非置換フルオレニル基を有するジフェニルメチレン(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドを含む重合触媒を用いる場合と同様に、共重合体に対する重合活性が高く、分子量の制御が容易で、芳香族ポリエンに対しての共重合性が高く、かつ共重合体の自己架橋が少ない、シングルサイト共重合触媒を用いたオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法が実現できる。
また、このような化学構造の置換フルオレニル基を有する遷移金属化合物を含む重合触媒であれば、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドを含む重合触媒を用いる場合と同様に、共重合体に対する重合活性が高く、分子量の制御が容易で、芳香族ポリエンに対しての共重合性が高く、かつ共重合体の自己架橋が少ない、シングルサイト共重合触媒を用いたオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法が実現できる。
より具体的には、上記のFluが、非置換フルオレニル基の場合には9−フルオレニル基であり、置換フルオレニル基の場合には7−メチル−9フルオレニル基またはベンゾ−9−フルオレニル基であることが好ましい。上記のFluがこれらの非置換フルオレニル基または置換フルオレニル基でれば、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドを含む重合触媒を用いる場合と同様に、共重合体に対する重合活性が高く、分子量の制御が容易で、芳香族ポリエンに対しての共重合性が高く、かつ共重合体の自己架橋が少ない、シングルサイト共重合触媒を用いたオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法が実現できる。
そして、上記の遷移金属化合物は、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドであることが最も好ましい。なぜなら、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドを含む重合触媒を用いる場合には、共重合体に対する重合活性が高く、分子量の制御が容易で、芳香族ポリエンに対しての共重合性が高く、かつ共重合体の自己架橋が少ない、シングルサイト共重合触媒を用いたオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法が実現できることが、後述する実施例において実験データによって実証されている。
(ii)助触媒
本製造方法に用いる重合触媒には、上記の遷移金属化合物に加えてさらに助触媒が含まれていることが好ましい。なぜなら、遷移金属化合物のみでは重合活性を示すことが困難であり、助触媒が含まれていることによって、重合反応を引き起こす活性が好適に形成されるからである。
上記遷移金属化合物と共に用いる助触媒としては、特に限定されず、従来公知の遷移金属化合物と組み合わせて用いられている公知の助触媒を使用することができるが、そのような助触媒として、重合反応に対する高活性の面からは、メチルアルミノキサン(またはメチルアルモキサンまたはMAOと記す)等のアルモキサンまたは硼素化合物が好適に用いられる。
用いられる助触媒の例としては、EP−0872492A2号公報、特開平11−130808号公報、特開平9−309925号公報、WO00/20426号公報、EP0985689A2号公報、特開平6−184179号公報に記載されている助触媒やアルキルアルミニウム化合物が挙げられる。アルモキサン等の助触媒は、遷移金属化合物の金属に対し、アルミニウム原子/遷移金属原子のモル比で0.1〜100000で用いられることが好ましく、特に好ましくは10〜10000の比で用いられる。このモル比が0.1以上または10以上だと有効に遷移金属化合物を活性化でき、このモル比が100000以下または10000以下の場合には助触媒の添加量を抑制することができるので経済的に有利となる。
一方、助触媒として硼素化合物を用いる場合には、硼素原子/遷移金属原子のモル比で0.01〜100の比で用いられることが好ましく、特に好ましくは0.1〜10で用いられ、最も好ましくは1で用いられる。このモル比が0.01以上または0.1以上だと有効に遷移金属化合物を活性化することができ、100以下または10以下の場合には助触媒の添加量を抑制することができるので経済的に有利となる。なお、助触媒としてどのような材料を使う場合であっても、遷移金属化合物と助触媒は、重合設備外で混合、調製しても、重合時に設備内で混合してもよい。
また、この製造方法で得られるオレフィン−芳香族ポリエン共重合体をクロス共重合体製造に用いる場合の用途を考慮した場合、一般式(1)で示される遷移金属化合物と助触媒からなる重合触媒は、オレフィンモノマーと芳香族ポリエンモノマーの共重合においてオレフィン重合に対する活性も高く、オレフィン−芳香族ポリエン共重合体製造にも高い活性を示し好適である。すなわち、この重合触媒は、後述する実施例の実験データで示されているように、重合条件を適切に設定してやれば、約10g−ポリマー/モルZr・hr(10kg−ポリマー/モルZr・hr)以上の高い重合活性を示すことができる。
(iii)オレフィン
本実施形態のオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法で用いられるオレフィンとしては、特に限定されずに、任意の従来公知のオレフィンを使用可能であるが、重合反応促進の面および得られる重合体の種々の物性面からは、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、すなわちプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、ビニルシクロヘキサンや環状オレフィン、すなわちシクロペンテン、ノルボルネンが好ましく挙げられる。とりわけ好ましくは、エチレンとα−オレフィンすなわちプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、または1−オクテン等の混合物が用いられる。
(iv)オレフィン
一方、本実施形態のオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法で芳香族ポリエンは、特に限定されずに、任意の従来公知の芳香族ポリエンを使用可能であるが、重合反応促進の面および得られる重合体の種々の物性面からは、10以上30以下の炭素数を持ち、複数の二重結合(ビニル基)と単数または複数の芳香族基を有し配位重合可能な芳香族ポリエンであり、二重結合(ビニル基)の1つが配位重合に用いられて重合した状態において残された二重結合がアニオン重合またはラジカル重合可能な芳香族ポリエンであることが好ましい。とりわけ好ましくは、オルトジビニルベンゼン、パラジビニルベンゼン及びメタジビニルベンゼンのいずれか1種または2種以上の混合物が好適に用いられる。
(v)重合反応条件
本実施形態のオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法では、上記に例示した各モノマー、遷移金属化合物および助触媒を互いに接触させるが、接触の順番、接触方法は、特に限定されておらず、任意の公知の方法を用いることができる。
以上の共重合の方法としては、例えば、溶媒を用いずに液状モノマー中で重合させる方法、あるいはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、クロロ置換ベンゼン、クロロ置換トルエン、塩化メチレン、クロロホルム等の飽和脂肪族または芳香族炭化水素またはハロゲン化炭化水素の単独または混合溶媒を用いる方法がある。これらの中でも、入手の容易性の面および物性の安定性の面からは、好ましくは混合アルカン系溶媒やシクロヘキサンやトルエン、エチルベンゼンを用いる。
また、共重合を行う際の重合形態は、特に限定されず、溶液重合、スラリー重合いずれでもよい。また、必要に応じ、バッチ重合、連続重合、予備重合、多段式重合等の公知の方法を用いることが出来る。さらに、共重合を行う設備としては、単数や連結された複数のタンク式重合缶やリニアやル−プの単数、連結された複数のパイプ重合設備を用いることも可能である。これらのうち、パイプ状の重合缶を用いる際には、動的、あるいは静的な混合機や除熱を兼ねた静的混合機等の公知の各種混合機、除熱用の細管を備えた冷却器等の公知の各種冷却器を有しても良い。また、バッチタイプの予備重合缶を有していても良い。さらには気相重合等の方法を用いることができる。
また、共重合を行う際の重合温度は、50℃以上200℃以下が適当である。50℃以上の重合温度は工業的に有利であり、200℃以下であると遷移金属化合物の分解が抑制されるので好ましい。さらに工業的に好ましくは、同様の理由から50℃以上160℃以下、特に好ましくは50℃以上120℃以下である。すなわち、一般式(1)で示される遷移金属化合物と助触媒からなる重合触媒は、重合に特に好適な温度範囲、すなわち50℃以上〜120℃以下の温度範囲で、特に好適な後述の分子量範囲の共重合体を与えることができる。
さらに、共重合を行う際の重合時の圧力は、0.1気圧〜100気圧が適当であり、好ましくは1〜30気圧、特に工業的に特に好ましくは、1〜10気圧である。0.1気圧以上または1気圧以上の重合圧力は工業的に有利であり、100気圧以下、30気圧以下または10気圧以下であると遷移金属化合物の分解が抑制されるので好ましい。
(vi)オレフィン−芳香族ポリエン共重合体
本実施形態の製造方法で得られるオレフィン−芳香族ポリエン共重合体は、公知文献、例えば特許文献1(再表00/037517号公報)記載のクロス共重合体製造方法における配位重合工程(主鎖重合工程)で得られるオレフィン−ジエン共重合体と実質的に同じ意味であり、このオレフィン−芳香族ポリエン共重合体またはこれを含む重合液を、引き続くクロス化工程(ラジカル、アニオン重合、または配位重合工程)に用いることで、主鎖にこのオレフィン−芳香族ポリエン共重合体を有するクロス共重合体を製造することができる。さらに本実施形態の製造方法で得られるオレフィン−芳香族ポリエン共重合体は、上記クロス共重合体に限定されず、様々なグラフト共重合体やコンパウンド、修飾の原料として好適に使用できる。
(i)原料となるオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の特性
ここで、本発明の製造方法で得られるオレフィン−芳香族ポリエン共重合体を、クロス共重合体製造に用いる場合の用途を考慮した場合、実施形態の一般式(1)で示される遷移金属化合物と助触媒からなる重合触媒およびそれを用いた製造方法によって得られるオレフィン−芳香族ポリエン共重合体には以下に示すような特性があることが好ましい。
本発明の製造方法でオレフィンモノマーと芳香族ポリエンモノマーを共重合することにより得られる好適なオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の芳香族ポリエンの含量は、0.001モル%以上0.3モル%以下であることが好ましく、特に好ましくは0.01モル%以上0.1モル%以下である。芳香族ポリエン含量が0.001モル%以上または0.01モル%以上の場合には、このオレフィン−芳香族ポリエン共重合体を本実施形態におけるクロス共重合体製造に用いる場合に得られるクロス共重合体の力学物性が向上する。また、芳香族ポリエン含量が0.3モル%以下または0.1モル%以下では、得られるクロス共重合体の流動性が向上し、成形加工性が良好になる利点がある。
本発明の製造方法で得られるオレフィン−芳香族ポリエン共重合体のオレフィンの組成は、特に限定されず、その構成により任意である。例えば、エチレン−αオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の場合、ある程度の柔軟性を確保するためには、好ましいαオレフィン含量は、1〜50モル%である。また、実質アモルファスで、軟質であるためには、約5〜50モル%が好ましい。
すなわち、本発明の方法で得られるオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の重量平均分子量は好ましくは10万以上30万以下、特に好ましくは15万以上30万以下である。この重量平均分子量が10万以上または15以上であれば最終的に得られるクロス共重合体の力学物性(破断点伸び、破断点強度)が高いという利点があり、この重量平均分子量が30万以下であれば最終的に得られるクロス共重合体の流動性(成形加工性)が良好であるという利点があるためである。
より詳しく説明すると、一般式(1)で示される遷移金属化合物と助触媒からなる重合触媒は、オレフィンモノマーと芳香族ポリエンモノマーの共重合において芳香族ポリエンモノマー(ジビニルベンゼン)に対して高い共重合性と活性を示し、さらに上記条件を満たす高分子量のオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法として好適である。
ここで、通常、シングルサイト配位重合触媒を用いたオレフィン系ポリマー製造においては、分子量の制御は連鎖移動剤である水素を用いることが多いが、本実施形態のようなオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造では、重合触媒である遷移金属化合物が水素添加触媒としての働きをするために、芳香族ビニル化合物ユニットの二重結合の水素化や水素化により併発する副反応等を起こしてしまう可能性があり、水素による分子量制御は好ましくはない。
特に、この重合触媒は、芳香族ポリエンモノマーに対して高い共重合性を示すため、重合液の芳香族ポリエン量およびその濃度を著しく低くすることができる。その結果、実施形態の製造方法によれば、上記のようなクロス共重合体の製造に適する芳香族ポリエン含量のオレフィン−芳香族ポリエン共重合体を製造する場合、重合開始前および重合中の重合液の芳香族ポリエン濃度は、後述する実施例で実験データによって示したように好ましくは6mmol/L以下という低濃度で製造することができる。
本実施形態のように芳香族ポリエン含量のオレフィン−芳香族ポリエン共重合体を製造する場合、このように重合液の芳香族ポリエン量およびその濃度を著しく低くすることができることにより、重合液に残留する未反応の芳香族ポリエン量/濃度は非常に低くなり、そのため本実施形態におけるクロス共重合体の製造においては、オレフィン−芳香族ポリエン共重合体を含む重合液をそのままクロス化工程(アニオン重合工程、ラジカル重合工程または配位重合工程)に用いることが可能となり得られるクロス共重合体の流動性や成形加工性も良好となる。
また、実施形態の製造方法によって得られたオレフィン−芳香族ポリエン共重合体を含む重合液からオレフィン−芳香族ポリエン共重合体を回収する際、工業的にはフラッシュ法や脱気押し出し機による直脱法が採用されるが、重合液に高濃度の芳香族ポリエンが含まれると、その際の熱によりラジカル重合を起こしてしまい、回収されるオレフィン−芳香族ポリエン共重合体にゲルを発生させたり、成形加工性を低下させたりする可能性があり好ましくない。この観点からも、重合液に残留する未反応の芳香族ポリエン量/濃度が非常に低い本発明の製造方法は好ましい。
さらに、一般式(1)で示される遷移金属化合物と助触媒からなる重合触媒は、自己架橋が少ないオレフィン−芳香族ポリエン共重合体を製造することができる。一般の遷移金属化合物と助触媒からなる重合触媒を用いて得られたオレフィン−芳香族ポリエン共重合体には、芳香族ポリエンユニットの残留二重結合が同時に重合に使われてしまい、分岐構造や架橋構造を形成しやすい。ところが、一般式(1)で示される遷移金属化合物と助触媒からなる重合触媒を用いて得られるオレフィン−芳香族ポリエン共重合体には、後述する実施例で実験データによって示されているように驚くべき事に芳香族ポリエンユニットの残留二重結合を介した自己架橋が非常に少ないという特徴を示す。得られた共重合体中の自己架橋の程度は、共重合体の分子量分布により評価することが出来るが、実施形態の製造方法では分子量分布が2に近い、単分散の共重合体を製造できるという特徴がある。オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の自己架橋が少なく、芳香族ポリエンユニットの二重結合が高い割合で残留することは、本実施形態においてクロス共重合体の製造するための原料として非常に有用である。
そして本発明の製造方法により得ることが出来る共重合体の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は、重合条件により種々の値を取り得るが、上記一般的な重合条件の下では、1.5以上6以下、好ましくは1.5以上4以下であり、最も好ましくは1.8以上3以下となる。さらに本発明の製造方法によれば、同一条件で比較した場合、一般式(1)で示される遷移金属化合物と助触媒からなる重合触媒を用いた際に、後述の実施例で実験データによって示すように、他の重合触媒と比較し、2に近い分子量分布のオレフィン−芳香族ポリエン共重合体を与えることが出来る。例示的に示すと、理想的な条件下、すなわち実質的に一定温度、一定圧力下で重合を行った場合、分子量分布は1.9以上かつ2.2以下という値を示すことができる。そのため、オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の自己架橋の少なさ、すなわちオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の均一性、有効芳香族ポリエンビニル基量の多さと成形加工性の良好さという理由から、本実施形態においてクロス共重合体の製造するための原料であるオレフィン−芳香族ポリエン共重合体として非常に有用である。本発明のオレフィン−芳香族ポリエン共重合体を用い得ることができるクロス共重合体は、再表WO00/037517号公報に具体的に記載してある。
本発明で得られるオレフィン−芳香族ポリエン共重合体はクロス共重合体の製造以外にも、例えば、様々なグラフト共重合体やコンパウンド、修飾の原料として好適に使用できる。このようにしても、特定の化学構造を有する遷移金属化合物を含む重合触媒を用いるため、共重合体に対する重合活性が高く、分子量の制御が容易で、芳香族ポリエンに対しての共重合性が高く、かつ共重合体の自己架橋が少ない、シングルサイト共重合触媒を用いたオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法が実現できることには変わりがないからである。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[分析方法]
実施例で得られた共重合体の分析は以下の手段によって実施した。
(i)1H−NMRスペクトル
共重合体中のオレフィンユニット含量の決定は、公知の手法により1H−NMRで行い、機器は日本電子社製α−500及びBRUCKER社製AC−250を用いた。重1,1,2,2−テトラクロロエタンに溶解し、測定は80〜100℃で行った。
(ii)ガスクロマトグラフィ分析
ジビニルベンゼンユニット含量は、ガスクロマトグラフィ分析により求めた重合液中の未反応ジビニルベンゼン量と重合に用いたジビニルベンゼン量の差から求めた。
(iv)TUS/DOU値測定
また、表2中にUS6096849号公報に従って、本実施例で得られた共重合体のTUS/DOU値を示した。ここで、TUSは、共重合体に含まれるト−タルのビニル基含量で、芳香族ポリエン(ジビニルベンゼン)ユニットに由来するビニル基とポリマー末端のビニル基の含量の総和であり、1H−NMR測定により求めた。またDOU値は共重合体に含まれるジビニルベンゼンユニット含量である。
(v)分子量測定
分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求めた。測定は以下の条件で行った。
カラム:TSK−GEL MultiporeHXL-M φ7.8×300mm(東ソ−社製)を2本直列に繋いで用いた。
カラム温度:40℃
溶媒:THF
送液流量:1.0ml/min.
室温でTHF溶媒に不溶であるポリマーの分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて標準ポリスチレン換算の重量平均分子量を求めた。東ソー社製HLC−8121GPC/HTを用い、カラムはTSKgelGMHHR−H HT、オルトジクロロベンゼンを溶媒とし145℃で測定した。
(vi)DSC測定
DSC測定は、セイコー電子社製DSC200を用い、窒素気流下で行った。すなわち樹脂組成物10mgを用い、昇温速度10℃/分で−50℃から240℃までDSC測定を行い、融点、結晶融解熱及びガラス転移点を求めた。
[原料の調整]
(i)触媒A
ジフェニルメチレン(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド(下記の一般式(3)を参照)は、J.Am.Chem.Soc.,110,6255(1988)記載の製造方法を参考に、ジフェニルフルベンとシクロペンタジエン(ジシクロペンタジエン)、及びフルオレンを配位子原料として合成した。
Figure 0005422274

(ii)触媒B
ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(ターシャリーブチルアミド)チタニウムジクロライド(下記の一般式(4)を参照)は特開平7−053618号公報記載の製造方法を参考に合成した。
Figure 0005422274

(iii)触媒C
ジメチルメチレンビス(ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライド(下記の一般式(5)を参照)はOrganometallics,13,964(1994)、特開平11−130808号公報、および特開平6−184179号公報記載の製造方法を参考に合成した。
Figure 0005422274

[実施例1](エチレン−1−ヘキセン−ジビニルベンゼン共重合体の製造)
触媒A:ジフェニルメチレン(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドを用い、以下のように実施した。なお、本実施例を含む各実施例、比較例の重合条件は表1に示した。
Figure 0005422274

表1に示した重合条件において容量10L、攪拌機及び加熱冷却用ジャケット付のオートクレーブを用いて重合を行った。トルエン4400ml、1−ヘキセン400ml及びアルドリッチ社製のメタジビニルベンゼン(ジビニルベンゼン含量80質量%、メタパラ混合品、ジビニルベンゼンとして24.6mmol)を仕込み、内温50℃にて加熱攪拌した。乾燥窒素ガスを約100Lバブリングして系内及び重合液の水分をパージした。次いで、トリイソブチルアルミニウム8.4mmol、メチルアルモキサン(東ソーアクゾ社製、MMAO)をAl基準で6.3mmol加え、内温100℃まで加熱後ただちにエチレンを導入し、圧力0.6MPa(5.0Kg/cm2G)で安定した後に、オートクレーブ上に設置した触媒タンクから、触媒Aを4.5μmol、トリイソブチルアルミニウム0.84mmolを溶かしたトルエン溶液約50mlをオートクレーブ中に加えた。内温を100℃、圧力を0.6MPaに維持しながら0.5時間重合を実施した。この段階でのエチレンの消費量は標準状態で約188Lであった。直ちに気相のモノマ−をパ−ジして重合液温度を約40℃まで下げ重合を終了した。得られたポリマー液を、激しく攪拌した大量のメタノール液中に少量ずつ投入して、ポリマーを回収した。このポリマーを、室温で1昼夜風乾した後に80℃、真空中、質量変化が認められなくなるまで乾燥した。385gのポリマーを得た。
[実施例2](エチレン−1−ヘキセン−ジビニルベンゼン共重合体の製造)
実施例1と同様の手順で、ただし、表1に示す条件に変更し重合を行った。420gのポリマ−を得た。
[比較例1](エチレン−1−ヘキセン−ジビニルベンゼン共重合体の製造)
実施例1と同様の手順で、ただし、用いる触媒を触媒Bに変更し、表1に示す条件に変更し重合を行った。484gのポリマーを得た。
[実施例3](エチレン−プロピレン−ジビニルベンゼン共重合体の製造)
触媒Aジフェニルメチレン(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドを用い、以下のように実施した。
実施例1と同じ重合装置を用い、シクロヘキサン4800mlおよびアルドリッチ社製のメタジビニルベンゼン(ジビニルベンゼン含量80質量%、メタパラ混合品、ジビニルベンゼンとして24.6mmol)を仕込み、内温50℃にて加熱攪拌した。乾燥窒素ガスを約100Lバブリングして系内及び重合液の水分をパージした。次いで、トリイソブチルアルミニウム8.4mmol、メチルアルモキサン(東ソーアクゾ社製、MMAO)をAl基準で25.2mmol加え、内温30℃まで冷却し、プロピレンを標準状態ガスとして30L導入した。その後、重合液温度を100℃に加熱してただちにエチレンを導入し、圧力0.8MPa(7.0Kg/cm2G)で安定した後に、オートクレーブ上に設置した触媒タンクから、触媒Aを30μmol、トリイソブチルアルミニウム0.84mmolを溶かしたトルエン溶液約50mlをオートクレーブ中に加えた。エチレンを供給しながら内温を100℃、圧力を0.8MPaに維持して0.2時間重合を実施した。この段階でのエチレンの消費量は標準状態で約188Lであった。直ちに気相のモノマーをパージして重合液温度を約40℃まで下げ重合を終了した。得られたポリマー液を、激しく攪拌した大量のメタノール液中に少量ずつ投入して、ポリマーを回収した。このポリマーを、室温で1昼夜風乾した後に80℃、真空中、質量変化が認められなくなるまで乾燥した。337gのポリマーを得た。
[比較例2](エチレン−プロピレン−ジビニルベンゼン共重合体の製造)
実施例3と同様の手順で、ただし、用いる触媒を触媒Bに変更し、表1に示す条件に変更し重合を行った。252gのポリマーを得た。
[比較例3](エチレン−プロピレン−ジビニルベンゼン共重合体の製造)
実施例3と同様の手順で、ただし、用いる触媒を触媒Cに変更し、表1に示す条件に変更し重合を行った。237gのポリマーを得た。
[分析結果]
実施例1,2,3および比較例1,2,3で得られたポリマーの分析結果を下記の表2に示す。
Figure 0005422274

[考察]
上記の表1および表2を見て明らかなように、実施例1,2,3の触媒Aを用いた製造方法の場合、高い活性(5.0×10g−polymer/mol/h以上)で、好適な分子量範囲(Mw:10万以上30万以下)のオレフィン−芳香族ポリエン共重合体を製造することができている。
さらに、実施例1,2,3の製造方法の場合、重合液中のジビニルベンゼン濃度が10mmol/L以下と低い条件でも、所定のジビニルベンゼン含量(0.04mol%以上)の共重合体を製造することができている。
さらに、実施例1,2,3の製造方法の場合、得られた共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は2に近く、共重合体自身の自己架橋が非常に少ないことがわかる。
これに対して、比較例1,2の触媒Bの場合、活性が低く(5.0×10g−polymer/mol/h未満)かつ分子量分布は広く(Mw/Mn:2.5以上)、一部共重合体の芳香族ポリエンユニットを介して自己架橋が発生している。
一方、比較例3の触媒Cの場合、重合温度100℃で重合を行ったが、得られたエチレン−ヘキセン−ジビニルベンゼン共重合体およびエチレン−プロピレン−ジビニルベンゼン共重合体は、いずれも重量平均分子量で数万程度の低分子量であった(data not shown)ので、分子量を上げるため重合温度を30℃まで下げて重合を行ったが、重合活性は非常に高かったものの得られた共重合体の重量平均分子量は約7万であり低分子量であった。
また、表2中にUS6096849号公報に従って、本実施例・比較例で得られたオレフィン−芳香族ポリエン共重合体のTUS/DOU値を示した。ここで、TUSは、共重合体に含まれるト−タルのビニル基含量で、芳香族ポリエン(ジビニルベンゼン)ユニットに由来するビニル基とポリマー末端のビニル基の含量の総和であり、1H−NMR測定により求めた。またDOU値はオレフィン−芳香族ポリエン共重合体に含まれる芳香族ポリエン(ジビニルベンゼンユニット)含量である。
本実施例1,2,3で得られるオレフィン−芳香族ポリエン共重合体においては、TUS/DOU値は1.1より高い値をとり、概ね1.2以上10以下、好ましくは1.2以上3以下の値をとる。TUS/DOU値がより大きい場合、芳香族ポリエンユニット含量が少なすぎ、本実施例1,2,3のオレフィン−芳香族ポリエン共重合体を用いてクロス共重合体を製造した場合、その物性や機能性が失われてしまう場合がある。また、TUS/DOU値が1.1以下の場合、芳香族ポリエンユニット含量が多すぎて主鎖に由来する機能が失われやすくなり、また得られるクロス共重合体の成形加工性が悪化してしまったり、クロス共重合体中にゲル分が生成してしまったりする場合がある。
以上のように、本実施例1,2,3で得られるオレフィン−芳香族ポリエン共重合体は、特定の構造を有する遷移金属化合物と助触媒からなる重合触媒を用いて、オレフィンモノマーと芳香族ポリエンモノマーを共重合することを特徴とする、オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法であり、本製造方法により、共重合体に対する重合活性が高く、かつ分子量の制御が容易で、ジビニルベンゼンに対する共重合性が高く、得られる共重合体の自己架橋が少ない、オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法が提供できる。
そのため、本実施例1,2,3で得られるオレフィン−芳香族ポリエン共重合体は、各種グラフト共重合体やクロス共重合体等の修飾ポリマー製造や、または架橋ポリマーや動的加硫ポリマー原料として有用なオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の効率的な製造方法に好適に用いることができる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば、上記実施例では、触媒Aとしてジフェニルメチレン(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドを用いたが、特に限定する趣旨ではなく、一般式(1)に示す遷移金属化合物を含む重合触媒であれば任意の触媒を用いることができる。この場合であっても、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドを用いた場合と同様の作用効果を得ることができることは当業者であれば容易に理解できるものである。
なお、比較例3で用いた触媒Cであるジメチルメチレンビス(ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライドは、本出願時点で公知の特許文献1(再表WO00/037517号公報)に記載されている類似の化学構造を有する遷移金属触媒の代表例として実験データが開示されているものである。ここで、表1、表2の結果より、特に、得られる共重合体の分子量が高く、自己架橋が少ないオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法に用いる場合には、触媒C:ジメチルメチレンビス(ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロライドよりも、触媒A:ジフェニルメチレン(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドの方が遥かに優れていることは明らかである。そして、このことは、本出願時点で公知の特許文献1(再表WO00/037517号公報)の記載を参照しても、当業者にとって容易に想到しうるものではないため、触媒A:ジフェニルメチレン(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドを用いるという着想が特許文献1(再表WO00/037517号公報)のいわゆる選択発明として進歩性を有することは明らかである。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)に示す遷移金属化合物を含み、さらにアルモキサンまたは硼素化合物を含む助触媒を含む重合触媒を用いて、オレフィンモノマーと芳香族ポリエンモノマーとを共重合する工程を含む、オレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法。
    Figure 0005422274


    (一般式(1)中、Fluは、フルオレニル基、または置換フルオレニル基を示し、Cpはシクロペンタジエニル基または置換シクロペンタジエニル基を示す。Yは、FluおよびCpに対して結合を有する置換メチレン基であり、メチレン基の置換基は、水素または炭素数1〜10の炭化水素基である。Mはジルコニウム、ハフニウム、またはチタンから選ばれる金属である。Xは、ハロゲン、炭素数1〜15の炭化水素基、炭素数1〜15のアルコキシド基、炭素数1〜15のアミド基または炭素数3〜15のアルキルシラン基である。nは1または2の整数である。Xが複数の場合、複数のXは互いに結合を有していても良い。)
  2. 前記遷移金属化合物が、ジフェニルメチレン(フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドである、請求項1記載のオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法。
  3. 前記助触媒が、アルモキサンを含み、前記助触媒の配合量が、アルミニウム原子/遷移金属原子のモル比として0.01〜100000の範囲内である、請求項1又は2記載のオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法。
  4. 前記オレフィンモノマーが、エチレンまたはエチレンとα-オレフィンとの混合物である、請求項1乃至3いずれかに記載のオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法。
  5. 前記芳香族ポリエンモノマーが、10以上30以下の炭素数を持ち、複数の二重結合と単数または複数の芳香族基を有し配位重合可能な芳香族ポリエンであり、二重結合の1つが配位重合に用いられて重合した状態において残された二重結合がアニオン重合またはラジカル重合可能な化学構造を有する1種または2種以上の混合物である、請求項1乃至4いずれかに記載のオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法。
  6. 前記芳香族ポリエンモノマーが、オルトジビニルベンゼン、パラジビニルベンゼンまたはメタジビニルベンゼンの1種または2種以上の混合物である、請求項5記載のオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法。
  7. 前記共重合する工程が、前記オレフィンモノマーと前記芳香族ポリエンモノマーとを飽和脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素またはハロゲン化炭化水素の単独または混合溶媒中で重合させる工程を含む、請求項1乃至6いずれかに記載のオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法。
  8. 前記共重合する工程が、前記オレフィンモノマーと前記芳香族ポリエンモノマーとを50℃以上200℃以下かつ0.1気圧以上100気圧以下の条件において共重合させる工程を含む、請求項1乃至7いずれかに記載のオレフィン−芳香族ポリエン共重合体の製造方法。

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