図1は、本発明の一実施例の遊技機1の概観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆるパチスロ機である。この遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークン等の他、遊技者に付与された、若しくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
遊技機1の正面には、液晶表示装置131が設けられている。また、液晶表示装置131の背後には、複数種類の図柄が各々の外周面に描かれた3個のリール3L,3C,3Rが、回転自在に横一列に設けられている。各リール3L,3C,3Rは、一定の速度で回転する(例えば、80回転/分)。
液晶表示装置131の下方には略水平面の台座部4が形成されている。台座部4の右側には、メダルを投入するためのメダル投入口10が設けられている。投入されたメダルは、後述のメダルセンサ10Sによって検出され、クレジットされるか、ゲームに賭けられる。
メダル投入口10の左側には、遊技に関する情報を表示する各種の表示部16,18,19が設けられている。各種の表示部16,18,19は、それぞれ7セグメントLEDにより構成される。ボーナス情報表示部16は、後に説明するボーナスが作動したときに、ボーナスが終了するまでに払出されるメダルの残り枚数を示す数値を表示する。払出表示部18は、後に説明する内部当籤役に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示された際に、その内部当籤役に対応するメダルの払出枚数を表示する。クレジット表示部19は、クレジットされたメダルの枚数を表示する。
各種の表示部16,18,19の左側には、押下操作により、クレジットされたメダルを賭ける(BETする)ための1−BETスイッチ11及び最大BETスイッチ13が設けられている。1−BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされたメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。
遊技機1には、リール3L,3C,3Rの回転が停止した際に、停止した図柄に基づいて、所定の役に対応する図柄組合せであるか否かを判定する基準となる表示ラインが設けられている。例えば、所定の役(例えば、後述のBB1)に対応する図柄組合せを構成する図柄(例えば、後述の“赤7(図柄191)”)が何れかの有効ライン8a〜8eに対応する位置に沿って並んで停止表示されることにより、所定の役(例えば、後述のBB1)に対応する図柄組合せであると判定されることとなる。
表示ラインとしては、水平方向にトップライン8b、センターライン8c及びボトムライン8d、並びに、斜め方向にクロスアップライン8a及びクロスダウンライン8eが設けられている。前述のメダル投入口10にメダルを投入すること、又は、BETスイッチ11,13を押下操作することにより、これら5本の表示ラインの全てが有効化される(有効化された表示ラインを、以下「有効ライン」という)。有効ライン8a〜8eは、入賞の成否に関わる。ここで、BETスイッチ11,13の操作及びメダル投入口10にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を、以下「BET操作」という。
また、BETスイッチ11,13の上方には、操作部17が設けられている。操作部17は、液晶表示装置131の表示部2に遊技履歴等の情報を表示するために操作される。
台座部4の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット(Credit)/払出し(Pay)を押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部5に溜められる。
メダル受け部5の上方の左右には、遊技の演出に関する効果音等を出音するスピーカ9L,9Rが設けられている。
C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により3つのリール3L,3C,3Rを回転させ、リール3L,3C,3Rに外周面上に描かれた複数の図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
台座部4の前面部中央で、スタートレバー6の右側には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個のストップボタン7L,7C,7Rが設けられている。なお、実施例では、1回のゲームは、基本的にスタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L,3C,3Rが停止したときに終了する。
ここで、実施例では、全てのリールが回転しているときに最初に行われるリールの停止操作(ストップボタンの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
次に、図2を参照して、液晶表示装置131の表示部2について説明する。
表示部2は、図4で後述する非透過性フィルム211によって、主演出領域251、第1従演出領域252、第2従演出領域253、第3従演出領域254、第4従演出領域255、及び非演出領域271の6つの領域に区分けされる。この表示部2は、例えば、20インチ程度の大きさで構成される。
主演出領域251はリール3L,3C,3Rの下方に位置し、第2従演出領域253はリール3L,3C,3Rの上方に位置する。また、第1従演出領域252はリール3L,3C,3Rの前面に位置し、図柄表示領域21L,21C,21R、窓枠表示領域22L,22C,22Rを含んで構成される。第3従演出領域254は、リール3L,3C,3Rの右方上部に位置し、第4従演出領域255は、第3従演出領域254の下方に位置する。
各演出領域251〜255には、それぞれゲームの興趣を増大するための種々の演出、遊技者がゲームを有利に進めるために必要な情報等が表示される。これらの演出や情報の表示は、各演出領域251〜255の単独で行われるものに限らず、複数の演出領域を用いて行われるものを含む。
主演出領域251は、主となる演出が行われる領域であり、内部当籤役の報知等が行われる。主演出領域251には三次元画像が表示され、三次元座標空間(ワールド座標空間)内に配置されたキャラクタオブジェクトを仮想カメラの視点に基づいて表示することにより演出が行われる。第1従演出領域252は、リール3L,3C,3Rの回転中は透過されることにより図柄の一部を視認可能とし、リール3L,3C,3Rの回転が停止した後に様々の演出が行われる。なお、主演出領域251及び第1従演出領域252で行われる演出には、停止操作を含む遊技者の操作に連動した演出が含まれる。
第2従演出領域253は、基本的に、主演出領域251で行われる演出や停止操作を含む遊技者の操作等とは連動しない演出が行われる領域である。第3従演出領域254は、停止操作を含む遊技者の操作に連動した演出が行われる領域であって、基本的に、主演出領域251で行われる演出とは連動しない演出が行われる領域である。第4従演出領域255は、主演出領域251で行われる演出や遊技の状態に基づいて所定の演出が行われる領域である。
したがって、表示部2は、演出等が表示される領域として主演出領域251、第1従演出領域252、第2従演出領域253、第3従演出領域254、及び第4従演出領域255を設け、演出等が表示されない領域として非演出領域271を設ける。
図柄表示領域21L,21C,21Rは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、基本的に、リール3L,3C,3Rの外周面上に配置された図柄の一部を視認可能とさせるための表示窓としての機能を有する。また、領域内に表示された図柄上で種々の演出表示等を行う。図柄表示領域21L,21C,21Rは、少なくとも、対応するリール3L,3C,3Rが回転中のとき、及び、対応するストップボタン7L,7C,7Rが押下操作可能なとき、遊技者がリール3L,3C,3R上の図柄を視認できるように、透過状態となる。
ここで、各図柄表示領域21L,21C,21Rには、それぞれ縦方向(垂直方向)に3箇所(上段、中段、下段)の図柄停止位置が設けられている。各図柄表示領域21L,21C,21Rにおける図柄の変動表示(移動表示)が停止した場合には、各図柄表示領域21L,21C,21Rに設けられた図柄停止位置の各々に図柄が停止表示される。各表示ラインは、各図柄表示領域21L,21C,21R内の図柄停止位置を結んでいる。
窓枠表示領域22L,22C,22Rは、各図柄表示領域21L,21C,21Rを囲むように設けられ、基本的に、図柄を表示する表示窓の窓枠を表示する。
次に、図3及び図4を参照して、透過型の液晶表示装置131について説明する。図3は、液晶表示装置131の概略構成を示す斜視図である。図4は、液晶表示装置131の一部の構成の展開図である。
液晶表示装置131は、保護ガラス132、リールパネル133、フレーム212、液晶パネル134、導光板135、反射フィルム136、白色光源(例えば全ての波長の光を人の目に特定の色彩が目立たない割合で含む)である蛍光ランプ137a,137b,138a,138b、ランプホルダ139a〜139h、液晶パネル駆動用のICを搭載したテーブルキャリアパッケージからなり液晶パネル134の端子部に接続したフレキシブル基板(図示せず)等により構成される。この液晶表示装置131は、リール3L,3C,3Rの表示領域より正面から見て手前側(すなわち表示面よりも手前側)に設けられている。また、このリール3L,3C,3Rと液晶表示装置131とは、別体で(例えば所定の間隔をあけて)設けられている。
保護ガラス132及びリールパネル133は、透光性(透過性)部材で構成されている。保護ガラス132は、液晶パネル134を保護すること等を目的として設けられている。リールパネル133の領域の裏側には、非透過性フィルム211が貼られている。
フレーム212は、略矩形上の枠体であり、非透過性部材で構成されている。このフレーム212は、リールパネル133と液晶パネル134との間に配置されており、正面側から見た際に、リールパネル133の裏側に配置された非透過性フィルム211と組合せて、表示部2(図2参照)を6つの領域に区分けするように配置されている。
液晶パネル134は、薄膜トランジスタ層が形成されたガラス板等の透明な基板と、これに対向する透明な基板との間隙部に液晶が封入されて形成されている。この液晶パネル134の表示モードは、ノーマリーホワイトに設定されている。ノーマリーホワイトとは、液晶を駆動していない状態(すなわち液晶パネル134に電圧を印加していない状態)で白表示となる構成である。すなわち、表示面側に光が行く、よって透過した光が外部から視認されることとなる。よって、ノーマリーホワイトに構成された液晶パネル134を採用することにより、液晶を駆動できない事態が生じた場合であっても、図柄表示領域21L,21C,21Rを透してリール3L,3C,3R上に配列された図柄を視認することができ、ゲームを継続することができる。つまり、液晶を駆動できない事態が発生した場合にも、リール3L,3C,3Rの回転及びその停止を中心としたゲームを行うことができる。
導光板135は、蛍光ランプ137a,137bからの光を液晶パネル134へ導入する(液晶パネル134を照明する)ために液晶パネル134の裏側に設けられ、例えば2cm程度の厚さを有するアクリル系樹脂等の透光性(透過性)部材(すなわち導光機能を有する部材)で構成されている。
反射フィルム136は、例えば白色のポリエステルフィルムやアルミ薄膜に銀蒸着膜を形成したものが用いられ、導光板135に導入された光を正面側に向けて反射させる。これにより液晶パネル134を照明する。この反射フィルム136は、反射領域136A及び非反射領域(すなわち透過領域)136BL,136BC,136BRにより構成されている。非反射領域136BL,136BC,136BRは、透明な材料で形成され入射した光を反射することなく透過させる光透過部として形成されている。
また、非反射領域136BL,136BC,136BRは、リール3L,3C,3Rの回転が停止した場合に表示させる図柄の各々の前方の位置に設けられている。尚、非反射領域136BL,136BC,136BRの大きさ及び位置は、前述の図柄表示領域21L,21C,21R(図2参照)と一致するように形成されている。また、反射フィルム136では、非反射領域136BL,136BC,136BR以外の領域を反射領域136Aとし、反射領域136Aにより導光板135に導入された光を正面側に向けて反射させる。
蛍光ランプ137a,137bは、導光板135の上端部及び下端部に沿って配置され、両端はランプホルダ139a,139b,139c,139dにより支持されている。この蛍光ランプ137a,137bは、導光板135に導入する光を発生する。
蛍光ランプ138a,138bは、反射フィルム136の裏側の上方位置及び下方位置に配置されている。この蛍光ランプ138a,138bから発せられた光は、リール3L,3C,3Rの表面で反射され、非反射領域136BL,136BC,136BRへ入射する。そして、入射した光は、非反射領域136BL,136BC,136BRを通過して液晶パネル134を照明する。
図5は、各リール3L,3C,3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には“00”〜“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後に説明するメインROM32(図6)に格納(記憶)されている。各リール3L,3C,3R上には、“赤7(図柄191)”、“青7(図柄192)”、“BAR(図柄193)”、“赤チェリー(図柄194)”、“青チェリー(図柄195)”、“桃チェリー(図柄196)”、“スイカ(図柄197)”、“ベル(図柄198)”、及び“リプレイ(図柄199)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図5の矢印方向に移動するように回転駆動される。
図6〜図58を参照し、遊技機1に設けられた主制御回路71の回路構成、この主制御回路71に格納されるテーブル群、及び主制御回路71による遊技処理動作について説明する。
図6は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置131、スピーカ9L,9R、LED類101及びランプ類102を制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムにしたがって制御動作を行うメインCPU31と、記憶手段であるメインROM32及びメインRAM33を含む。
メインCPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。尚、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、すなわちメインCPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、あるいは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
メインROM32は、メインCPU31が実行するプログラム(後述の図41〜図58)や固定的なデータ(後述の図7〜図36)を記憶する。なお、副制御回路72から主制御回路71にコマンドや情報等が送信されることはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。
メインRAM33は、メインCPU31がプログラムを実行する際に一時的にデータを記憶するために使用される。例えば、メインRAM33には、後述の図37〜図40に示す各種格納領域が設けられている。
図6の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、BETランプ(1−BETランプ17a、2−BETランプ17b、最大BETランプ17c)と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出すホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
さらに、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、及びBETランプ17a,17b,17cを駆動制御するランプ駆動回路45がメインCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれメインCPU31から出力される駆動指令等の制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7LS,7CS,7RS、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、メダルセンサ10S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51、リセットスイッチ26、及び設定用鍵型スイッチ27がある。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出し、遊技開始指令信号(ゲームの開始を指令する信号)を出力する。メダルセンサ10Sは、メダル投入口10に投入されたメダルを検出する。ストップスイッチ7LS,7CS,7RSは、対応するストップボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止指令信号(図柄の変動の停止を指令する信号)を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をメインCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
リセットスイッチ26は、選択された設定値を示す信号を発生する。設定用鍵型スイッチ27は、設定値の変更処理が開始したことや終了したことを示す信号を発生する。ここで、設定値は、当籤確率の調整やそれに伴うペイアウト率(遊技者に払出されるメダルの総数(総払出数)と遊技機に投入されたメダルの総数(総BET数)とから算出される値)の調整等に関わり、遊技者と遊技場側の利益に関わる重要な要素である。設定値には、当籤役に当籤する確率やそれに伴うペイアウト率等が対応して定められている。当籤確率やペイアウト率が高いほど、より多くのメダルを獲得することができる可能性が生じるので、遊技者にとっては有利となる。設定した設定値によって、当籤役に当籤する確率やペイアウト率を調整し、遊技者にとっての有利さの度合いを調整することとしている。本実施例では、設定1、設定4、設定6の間でのペイアウト率の平均値が100%になるように設定されている。これにより、特定の遊技機や複数の遊技機について機械割を一定期間や一定時間毎に変更しながら遊技を行なうときに、機械割の管理を容易化することができる。なお、実施例では、3段階の設定値としているがこれに限られず、複数段階の設定値とすることができる。
図6の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数を使用することにより、例えばメインROM32内に格納されている内部抽籤テーブル等に基づいて内部当籤役等が決定される。内部当籤役(内部当籤役データ)は、その内部当籤役に対応する停止制御の態様、あるいは表示役等を介して、対応する図柄組合せと遊技者に付与される利益とが間接的に対応付けられているといえる。
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はメインRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してメインCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、メインRAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、メインRAM33内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
上記のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブルが、メインROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
さらに、メインROM32内には、図柄組合せテーブルが格納されている。この図柄組合せテーブルでは、役の成立(入賞等)となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞(成立)を表わす入賞判定コード(成立判定コード)とが対応づけられている。上記の図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの停止制御時、及び全リール3L,3C,3Rの停止後の入賞確認(表示役の確認)を行う場合に参照される。表示役(表示役データ)は、基本的に、有効ラインに沿って並ぶ図柄組合せに対応する役(成立役)である。遊技者には、表示役に対応する利益が付与される。
上記乱数サンプリングに基づく抽籤処理により内部当籤役を決定した場合には、メインCPU31は、遊技者がストップボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングでストップスイッチ7LS,7CS,7RSから送られる操作信号、及び決定された停止テーブルに基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
当籤した役の入賞を示す停止態様(すなわち入賞態様)となれば、メインCPU31は、払出指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出を行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がメインCPU31に入力される。これにより、メインCPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、メダル払出処理を終了する。
図7を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。
図柄配置テーブルは、リール3L,3C,3Rの図柄位置(コードナンバー)に対応するリール外周面上に描かれた図柄の情報を備えている。図柄配置テーブルと、後述の図柄組合せテーブルとに基づいて、各有効ラインに沿って並ぶ図柄の組合せを把握することができる。
図8を参照して、メインCPU31が、後述の内部抽籤テーブルの種別及び抽籤回数を決定するときに用いる内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブル決定テーブルは、遊技状態に対応して、内部抽籤テーブルの種別の情報及び抽籤回数の情報を規定している。実施例では、遊技状態として、一般遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態、RT5遊技状態、BB遊技状態、RB遊技状態、及びMB遊技状態が設けられている。なお、BB遊技状態である場合には常にRB遊技状態であるため、図8において、BB遊技状態用内部抽籤テーブルを設けていない。以下では、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態、又はRT5遊技状態を「RT遊技状態」と総称する。
遊技状態は、内部抽籤処理(後述の図43)において決定される可能性のある内部当籤役の種類、内部抽籤処理において内部当籤役が決定される確率、最大の滑り駒数(最大滑り駒数)、及びボーナスの作動が行われているか否か等により区別される状態である。なお、実施例では、RB遊技状態(BB遊技状態)及びMB遊技状態がボーナスの作動が行われている状態となる。
ここで、一般遊技状態又はRT1遊技状態〜RT4遊技状態は、後述のリプレイが内部当籤役として決定される確率がそれぞれ異なる状態である。実施例では、リプレイが内部当籤役として決定される確率は、RT2遊技状態及びRT3遊技状態が最も高く、一般遊技状態が次に高く、RT1遊技状態が次に高く、RT4遊技状態が最も低い。
なお、RT5遊技状態は、持越役を有する状態である。持越役は、対応する図柄組合せが有効ラインに沿って並ぶことが一又は複数のゲームにわたり許容(内部当籤役に応じて許容)される役であり、具体的には、後述するBB1、BB2、BB3、又はMBをいう。なお、BB1、BB2、又はBB3を以下「BB」と総称し、BB又はMBを以下「ボーナス」と総称する。したがって、ボーナスが内部当籤役として決定され、持越役を有する状態になると、RT5遊技状態になる(なお、RT5遊技状態は「フラグ間」と称する場合がある)。
RB遊技状態は、一般遊技状態又はRT遊技状態に比べ有利な遊技状態であり、規定数毎の入賞に係る図柄の組合せの数を増加させ、又は規定数毎の入賞に係る確率を上昇させる状態である。RT遊技状態は、予め定められた場合に8回を超えない回数の遊技の結果が得られるまで作動を継続することができる。RB遊技状態は、遊技状態がRB遊技状態であるか否かを識別するために設けられたRB遊技状態フラグのオン又はオフにより識別でき、このRB遊技状態フラグがオンである場合には、遊技状態がRB遊技状態であり、オフである場合には、遊技状態がRB遊技状態とは別の遊技状態である。
RB遊技状態フラグがオンに更新される条件は、後述のBB遊技状態フラグがオンであることである。この場合、RB作動時処理が行われ(後述の図56のステップS263)、遊技可能回数カウンタには、「8」がセットされ、入賞可能回数カウンタには、「8」がセットされる。遊技可能回数カウンタは、RB遊技状態において行うことが可能な残りのゲームの回数を計数する目的でメインRAM33の所定領域に設けられたカウンタである。入賞可能回数カウンタは、RB遊技状態において入賞に係る図柄の組合せが表示されることが可能な残りのゲームの回数を計数する目的でメインRAM33の所定領域に設けられたカウンタである。
RB遊技状態フラグがオフに更新される条件は、基本的に、RB遊技状態フラグがオンに更新されてから8回の単位遊技が行われ、「8」にセットされた遊技可能回数カウンタの値が「0」になること、及びRB遊技状態フラグがオンに更新されてから8回の単位遊技で入賞に係る図柄の組合せが表示され、「8」にセットされた入賞可能回数カウンタの値が「0」になることである(後述の図54のステップS240)。また、BB遊技状態フラグがオフに更新された場合にもオフに更新される。
BB遊技状態フラグは、ビッグボーナス(BB)が作動しているか否かを識別するための情報である。BBは、RB遊技状態を連続して作動させることができる状態であり、特定の図柄組合せが表示された場合に作動し予め定められた場合に作動を終了するものをいう。ビッグボーナスが作動する状態では、遊技を行うために用いた単位遊技価値(一のゲームに投入したメダルの枚数)に対して遊技者に付与される遊技価値の期待値が全ての遊技状態の中で最も高い。
BB遊技状態フラグがオンに更新される条件は、BBに対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示されることである。この場合、BB作動時処理が行われる(後述の図56のステップS265)。BB作動時処理では、ボーナス終了枚数カウンタに「348」がセットされる。ボーナス終了枚数カウンタは、遊技者に対してボーナスの作動中に払い出したメダルの枚数を計数する目的でメインRAM33の所定領域に設けられたカウンタである。BB遊技状態フラグがオフに更新される条件は、セットされたボーナス終了枚数カウンタの値が「0」になることである(後述の図54のステップS233)。
ここで、BB遊技状態フラグがオンに更新されてからオフに更新されるまでのBB遊技状態フラグとRB遊技状態フラグとの関係について説明する。ボーナスに対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示された場合に、そのボーナスに対応するBB遊技状態フラグがオンに更新される。このBB遊技状態フラグがオンに更新されたことを契機にRB遊技状態フラグがオンに更新される。そして、遊技可能回数カウンタが「0」になるか、又は入賞可能回数カウンタが「0」になると、RB遊技状態フラグがオフに更新される。BB遊技状態フラグがオンであれば、再びRB遊技状態フラグがオンに更新される。
BB遊技状態フラグがオフに更新される条件を充足した場合に、BB遊技状態フラグがオフに更新されるが、このBB遊技状態フラグがオフに更新されたことを契機にRB遊技状態フラグがオフに更新される。したがって、BB遊技状態フラグがオンであるときは、RB遊技状態フラグがオンに更新される。
一方、MBが表示役として成立するとMB遊技状態フラグがオンに更新されることによりミドルボーナスが作動し、遊技状態がMB遊技状態に移行する。MB遊技状態は、一般遊技状態又はRT遊技状態に比べ有利な遊技状態であり、内部抽籤の結果にかかわらず入賞が成立することとなる状態である。MB遊技状態は、遊技状態がMB遊技状態であるか否かを識別するために設けられたMB遊技状態フラグのオン又はオフにより識別できる。
MB遊技状態フラグがオンに更新される条件は、MBに対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示されることである。この場合、MB作動時処理が行われる(後述の図56のステップS267)。MB作動時処理では、ボーナス終了枚数カウンタに「104」がセットされる。MB遊技状態フラグがオフに更新される条件は、セットされたボーナス終了枚数カウンタの値が「0」になることである(後述の図54のステップS235)。
滑り駒数は、ストップボタン7L,7C,7Rの押圧操作後に、この押圧操作に対応するリール3L,3C,3Rの回転が停止するまでに、リール3L,3C,3Rが回転する量(言い換えるならば、図柄が変動する量)を図柄の数で示したものである。なお、実施例では、MB遊技状態を除く遊技状態における最大滑り駒数は、4コマである。他方、MB遊技状態では左リール3Lのみ最大の滑り駒数が1コマとなり、中リール3C及び右リール3Rの最大滑り駒数は4コマとなる。
抽籤回数は、サンプリング回路37により抽出された一の乱数値(いわゆる判定用乱数値)から後述の抽籤値をメインCPU31が減算する最大の回数である。
ここで、図9を参照しながら、実施例での各種の遊技状態について説明する。
RT5遊技状態において持越役であるボーナスが表示役として成立すると(対応する図柄組合せが有効ラインに沿って並ぶと)、ボーナスが作動する。具体的には、BBが表示役として成立するとBB遊技状態フラグがオンに更新されることによりビッグボーナスが作動し、遊技状態がBB遊技状態に移行する。そして、このBB遊技状態フラグがオンに更新されることに応じてRB遊技状態フラグがオンに更新され、遊技状態がRB遊技状態に移行する。他方、MBが表示役として成立するとMB遊技状態フラグがオンに更新されることによりミドルボーナスが作動し、遊技状態がMB遊技状態に移行する。
そして、ボーナス終了枚数カウンタが「0」になることによりビッグボーナスが終了した場合には、遊技状態がRT1遊技状態に移行する。同様に、ボーナス終了枚数カウンタが「0」になることによりミドルボーナスが終了した場合には、遊技状態が一般遊技状態に移行する。ここで、実施例では、RT1遊技状態を「CZ」と、一般遊技状態を「SCZ」と、称する場合がある。
RT1遊技状態(CZ)又は一般遊技状態(SCZ)において、RT作動図柄1に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示されると、RT3遊技状態(なお、RT3遊技状態は、「高RT(3チェ)」と称する場合がある)に移行する。また、RT1遊技状態(CZ)又は一般遊技状態(SCZ)では、RT作動図柄2に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示されると、RT4遊技状態(なお、RT4遊技状態は、「低RT」と称する場合がある)に移行する。
RT作動図柄1とは、後述するチェリー1、チェリー2、及びチェリー3(後述する小役・リプレイ用データポインタ「8」)が重複して内部当籤役として決定された場合に、表示役としてチェリー1、チェリー2、又はチェリー3が成立したときに、有効ラインに沿って表示される図柄組合せである。なお、内部当籤役がチェリー1、チェリー2、及びチェリー3である場合を、以下「3重複チェリー」という。
RT作動図柄2とは、後述するチェリー1、チェリー2、又はチェリー3(後述する小役・リプレイ用データポインタ「5」、「6」、「7」)が単独で内部当籤役として決定された場合に、表示役としてチェリー1、チェリー2、又はチェリー3が成立したときに、有効ラインに沿って表示される図柄組合せである。なお、内部当籤役がチェリー1、チェリー2、又はチェリー3である場合を、以下「単チェリー」という。
ここで、内部当籤役が3重複チェリーである場合は、必ず、表示役としてチェリー1、チェリー2、又はチェリー3が成立する。他方、内部当籤役が単チェリーである場合は、遊技者の停止操作のタイミングによっては、表示役としてチェリー1、チェリー2、又はチェリー3が成立しない場合がある。なお、このような場合には、RT作動図柄2に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示されることもない。
RT1遊技状態(CZ)は、RT作動図柄1又はRT作動図柄2に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示されることなく、33ゲーム消化すると、一般遊技状態(SCZ)に移行する。以上より、他の遊技状態からRT1遊技状態(CZ)に移行する条件は、ビッグボーナスが終了することであり、RT1遊技状態(CZ)から他の遊技状態に移行する条件は、RT作動図柄1又はRT作動図柄2に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示されること、RT作動図柄1又はRT作動図柄2に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示されず33ゲーム消化すること、又は内部当籤役としてボーナスが決定されることである。
また、RT3遊技状態(高RT(3チェ))は、20ゲーム継続する遊技状態であり、20ゲーム消化すると、一般遊技状態(SCZ)に移行する。すなわち、RT3遊技状態(高RT(3チェ))は、RT1遊技状態(CZ)又は一般遊技状態(SCZ)においてRT作動図柄1に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示された場合に移行する遊技状態であって、20ゲーム継続する遊技状態である。RT3遊技状態(高RT(3チェ))からは、必ず、一般遊技状態(SCZ)に移行する。以上より、他の遊技状態からRT3遊技状態(高RT(3チェ))に移行する条件は、RT1遊技状態(CZ)又は一般遊技状態(SCZ)においてRT作動図柄1に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示されることであり、RT3遊技状態(高RT(3チェ))から他の遊技状態に移行する条件は、20ゲーム消化すること、又は内部当籤役としてボーナスが決定されることである。
また、一般遊技状態(SCZ)では、後述する特殊リプレイに対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示される場合があり、この場合、遊技状態がRT2遊技状態(なお、RT2遊技状態は、「高RT(リプ)」と称する場合がある)に移行する。このRT2遊技状態(高RT(リプ))は、20ゲーム継続する遊技状態であり、20ゲーム消化すると、一般遊技状態(SCZ)に移行する。すなわち、RT2遊技状態(高RT(リプ))は、一般遊技状態(SCZ)において特殊リプレイに対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示された場合に移行する遊技状態であって、20ゲーム継続する遊技状態である。RT2遊技状態(高RT(リプ))からは、必ず、一般遊技状態(SCZ)に移行する。以上より、他の遊技状態からRT2遊技状態(高RT(リプ))に移行する条件は、一般遊技状態(SCZ)において特殊リプレイに対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示されることであり、RT2遊技状態(高RT(リプ))から他の遊技状態に移行する条件は、20ゲーム消化すること、又は内部当籤役としてボーナスが決定されることである。
また、他の遊技状態から一般遊技状態(SCZ)に移行する条件は、基本的に、ミドルボーナスが終了すること、RT1遊技状態(CZ)において33ゲーム消化すること、RT2遊技状態(高RT(リプ))又はRT3遊技状態(高RT(3チェ))において20ゲーム消化することである。そして、一般遊技状態(SCZ)から他の遊技状態に移行する条件は、RT作動図柄1、RT作動図柄2、又は特殊リプレイに対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示されること、又は内部当籤役としてボーナスが決定されることである。
このように、一度、一般遊技状態(SCZ)に移行した場合には、RT作動図柄2に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示されない限り、遊技状態は、一般遊技状態(SCZ)、RT2遊技状態(高RT(リプ))、又はRT3遊技状態(高RT(3チェ))の間を移行する。そして、これらの一般遊技状態(SCZ)、RT2遊技状態(高RT(リプ))、又はRT3遊技状態(高RT(3チェ))は、リプレイが内部当籤役として決定される確率が高いため(後述の図10、図11の当籤番号30,31参照)、メダルを投入することなくゲームを行うことができるというリプレイに対応する利益を多く得ることができる。その結果、一般遊技状態(SCZ)、RT2遊技状態(高RT(リプ))、又はRT3遊技状態(高RT(3チェ))の間を移行している限り、遊技者はメダルを減らすことなく遊技を行うことができる。
RT4遊技状態(低RT)は、1200ゲーム継続する遊技状態であり、1200ゲーム消化すると、一般遊技状態に移行する。なお、このようにRT4遊技状態(低RT)から移行した一般遊技状態をSCZとは区別して天井という。一般遊技状態(天井)では、一般遊技状態(SCZ)である場合に対して有利な場合がある。具体的には、一般遊技状態(天井)では、RT作動図柄2に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示されることを回避するための報知(以下、係る報知を「アシスト報知」と称する場合がある。)を必ず受けることができるのに対して、一般遊技状態(SCZ)では係る報知を必ず受けることができるわけではない点で、有利となる。
以上より、他の遊技状態からRT4遊技状態(低RT)に移行する条件は、RT1遊技状態(CZ)又は一般遊技状態(SCZ)においてRT作動図柄2に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示されることであり、RT4遊技状態(低RT)から他の遊技状態に移行する条件は、1200ゲーム消化すること、又は内部当籤役としてボーナスが決定されることである。
したがって、RT4遊技状態(低RT)に移行してしまった場合には、ボーナスに内部当籤するか、1200ゲーム消化しないとRT4遊技状態(低RT)から移行することができない。
ここで、ビッグボーナス終了後に移行するRT1遊技状態(CZ)は、リプレイが内部当籤役として決定される確率が比較的低い(後述の図11の当籤番号30,31参照)。そのため、遊技者にとってみれば、RT1遊技状態(CZ)では、RT4遊技状態(低RT)に移行することなく、一般遊技状態(SCZ)に移行したいと望むことになる。その結果、遊技者にとって有利な一般遊技状態(SCZ)に移行する期待度を複数のゲームに亘って段々と高めていくことが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
ところで、RT4遊技状態(RT1200)に移行することになるRT作動図柄2に対応する図柄組合せは、内部当籤役が単チェリーである場合に、単独で決定されたチェリー1、チェリー2、又はチェリー3が表示役として成立した場合に有効ラインに沿って表示される。言い換えると、内部当籤役が単チェリーである場合であっても、表示役としてチェリー1、チェリー2、又はチェリー3が成立しない場合には、表示されない。
ここで、内部当籤役が単チェリーである場合とは、当籤番号26,27,28が決定される場合であるところ(図10、図13参照)、実施例では、5〜6ゲームに1回程度、当籤番号26,27,28が決定される。すると、RT遊技状態(CZ)を33ゲーム消化するまでには、数回、内部当籤役として単チェリーが決定されることとなる可能性が高い。そのため、RT1遊技状態(CZ)において、RT作動図柄2に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示されずに33ゲーム消化することはそれほど容易であるとはいえない。
そこで、実施例では、RT1遊技状態(CZ)から一般遊技状態(SCZ)に移行する際に、RT1遊技状態(CZ)においてRT作動図柄1に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示されることにより、RT1遊技状態(CZ)を33ゲーム消化しなくとも、一般遊技状態(SCZ)に移行することができるようにしている。すなわち、RT作動図柄1に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示され、RT3遊技状態(高RT(3チェ))に移行することにより、その後、ボーナスが内部当籤役として決定されない限り必ず、一般遊技状態(SCZ)に移行することができる。
その結果、一般遊技状態(SCZ)への移行に関して、RT1遊技状態(CZ)で33ゲーム消化するというルートのほか、RT1遊技状態(CZ)からRT3遊技状態(高RT(3チェ))を経由して移行するというルートを設けることができる。特に、RT3遊技状態(高RT(3チェ))に移行した場合には、その後、不利なRT5遊技状態(低RT)に移行するというリスクを背負うことなく、一般遊技状態(SCZ)に移行することができる。したがって、リプレイが内部当籤役として決定される確率の変動の契機を多様化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図10〜図13を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。この内部抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けられたデータポインタをメインCPU31が決定するときに用いられる。
内部抽籤テーブルは、当籤番号に対応して、抽籤値の情報とデータポインタの情報とを規定している。「当籤番号」とは、サンプリング回路37により抽出された一の乱数値に基づいて抽籤を行ったときの結果をメインCPU31が識別するための番号をいう。「抽籤値」とは、抽出した乱数値から減算する値をいい、各抽籤値をとり得る乱数値の数(実施例では「65536」)で除することにより、各当籤番号に当籤する確率(いわゆる当籤確率)を算出できる。
実施例では、乱数値から抽籤値を減算し、その減算した値が負である場合、その抽籤値に対応する数値を当籤番号として決定する。例えば、遊技状態が一般遊技状態であり、この遊技状態に対応する内部抽籤テーブル(図10)を参照する場合において、メインCPU31が乱数発生器36から抽出した乱数値が“50”である場合、初めに、この“50”から当籤番号「35」に対応する抽籤値“45”を減算する。減算した値は、“5”である(正の値である)。次に、この“5”から当籤番号「34」に対応する抽籤値“11”を減算する。減算した値は、負となる。したがって、この抽籤値に対応する「34」が当籤番号として決定される。
「データポインタ」とは、当籤番号に対応する役がどの役であるかをメインCPU31が識別するための番号をいう。実施例では、予め定められた複数種類の役が、入賞に係る役及び再遊技に係る役とボーナスゲームに係る役とに区分され、それぞれの区分に対応して、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが設けられている。
実施例の役には、BB1、BB2、BB3、MB、ベル、チェリー1、チェリー2、チェリー3、スイカ、特殊1、特殊2、リプレイ1、リプレイ2、特殊リプレイ1、特殊リプレイ2、及び特殊リプレイ3が設けられている。
また、実施例では、内部抽籤テーブルとして、図10に示す一般遊技状態用内部抽籤テーブル、図11の(1)に示すRT1遊技状態用内部抽籤テーブル、図11の(2)に示すRT2遊技状態用内部抽籤テーブル、図11の(3)に示すRT2・RT3遊技状態用内部抽籤テーブル、図11の(4)に示すRT4遊技状態用内部抽籤テーブル、図11の(5)に示すRT5遊技状態用内部抽籤テーブル、図12の(1)に示すMB遊技状態用内部抽籤テーブル、及び図12の(2)に示すRB遊技状態用内部抽籤テーブルを設けている。
一般遊技状態用内部抽籤テーブルは、一般遊技状態で参照され、RT1遊技状態用内部抽籤テーブルは、RT1遊技状態で参照される。また、RT2・RT3遊技状態用内部抽籤テーブルは、RT2遊技状態又はRT3遊技状態で参照され、RT4遊技状態用内部抽籤テーブルは、RT4遊技状態で参照され、RT5遊技状態用内部抽籤テーブルは、RT5遊技状態で参照される。また、MB遊技状態用内部抽籤テーブルは、MB遊技状態で参照され、RB遊技状態用内部抽籤テーブルは、RB遊技状態で参照される。
また、実施例では、設定値毎に内部抽籤テーブルを設けているが、設定「6」を最も有利な状態とし、設定「4」をそれに次ぐ有利な状態とし、設定「1」を最も不利な状態としている。すなわち、実施例では、設定「6」が最もペイアウト率が高く、設定「4」が次にペイアウト率が高く、設定「1」が最もペイアウト率が低い。
図13を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。この内部当籤役決定テーブルは、図10〜図12に示した内部抽籤テーブルを参照して決定した当籤番号に対応するデータポインタに基づいて、メインCPU31が内部当籤役を決定するときに用いられる。
内部当籤役決定テーブルは、データポインタに対応して、内部当籤役に応じた当たり要求フラグの情報を規定している。「当たり要求フラグ」とは、各ビットに固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータをいう。実施例では、内部当籤役決定テーブルとして、図13の(1)の小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルと、図13の(2)のボーナス用内部当籤役決定テーブルとが設けられている。小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、小役・リプレイ用データポインタに基づいて入賞に係る役又は再遊技に係る役が内部当籤役であるか否かを決定するためのテーブルである。ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナス用データポインタに基づいてボーナスゲームに係る役が内部当籤役であるか否かを決定するためのテーブルである。
例えば、前述した一般遊技状態用内部抽籤テーブル(図10)を参照して決定した当籤番号が「5」である場合、この当籤番号「5」に対応する小役・リプレイ用データポインタは「3」であり、ボーナス用データポインタは「1」である。図13の(1)に示す小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照すると、小役・リプレイ用データポインタ「3」に対応する当たり要求フラグは「00000100」(データ1)であり、その内容は、特殊1である。また、図13の(2)に示すボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照すると、ボーナス用データポインタ「1」に対応する当たり要求フラグは「00000001」(データ4)であり、その内容は、BB1である。したがって、一般遊技状態用内部抽籤テーブル(図10)を参照して決定した当籤番号が「5」である場合、特殊1+BB1が内部当籤役として決定される。
図14を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。
図柄組合せテーブルは、一の有効ラインにより結ばれる3つの図柄停止位置の各々に停止表示された図柄組合せに対応する表示役のデータ(情報)と、表示役のデータに対応する払出枚数の情報とを備えている。
例えば、有効ラインに沿って「赤チェリー−ANY−ANY」の図柄の組合せが表示されると、図柄組合せテーブルを参照し、格納領域加算データとして「0」、表示役のデータとして「00010000」が決定される。このデータに対応する表示役は、チェリー1である。また、表示役のデータ「00010000」に対応する払出枚数は、「1」である。なお、「ANY」は、任意の図柄を示す。また、格納領域加算データは後述の表示役格納領域を決定する際に用いられ、格納領域加算データが「0」である場合には、対応するデータが表示役1格納領域に格納され、格納領域加算データが「1」である場合には、対応するデータが表示役2格納領域に格納され、格納領域加算データが「2」である場合には、対応するデータが表示役3格納領域に格納され、格納領域加算データが「3」である場合には、対応するデータが表示役4格納領域に格納される。
このように、予め定められた図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、基本的に、メダルが払出される。ただし、BBに係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、メダルが払出されることなく、BB遊技状態フラグがオンになることにより遊技状態がRB遊技状態となる。
同様に、MBに係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、メダルが払出されることなく、MB遊技状態フラグがオンになることにより遊技状態がMB遊技状態となる。また、リプレイに係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、今回の単位遊技に賭けたメダルと同数のメダルの自動投入が行われる。同様に、特殊リプレイに係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、今回の単位遊技に賭けたメダルと同数のメダルの自動投入が行われ、RT2遊技状態フラグがオンになることにより遊技状態がRT2遊技状態(高RT(リプ))となる。
以上のことから、図柄組合せテーブルには、基本的に、遊技者に付与される利益(例えば、メダルの払出し、ボーナスゲームの作動の開始、メダルの自動投入)に対応付けられた情報が規定されている。なお、実施例では、払出枚数の上限を、投入枚数が「2」である場合には「12」とし、投入枚数が「3」である場合には「8」としている。そのため、「ベル−ベル−ベル」と「赤チェリー−ANY−ANY」とが同時に有効ラインに沿って表示された場合であっても、投入枚数毎の上限を超える枚数のメダルが払出されることはない。
ここで、RT作動図柄1及びRT作動図柄2について説明する。図柄組合せテーブルを参照すると、RT作動図柄1及びRT作動図柄2に対応する図柄組合せは、チェリー1〜チェリー3の何れかに対応する図柄組合せに含まれる。例えば、RT作動図柄1の「赤チェリー−ANY−ベル」及びRT作動図柄2の「赤チェリー−ANY−スイカ」は、チェリー1の「赤チェリー−ANY−ANY」に含まれる。すなわち、RT作動図柄1又はRT作動図柄2に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示された場合には、常に、表示役としてチェリー1〜チェリー3の何れかが成立する。なお、RT作動図柄1に対応する図柄組合せは、RT作動図柄2に対応する図柄組合せのうち右リール3Rについての図柄以外と同じ図柄により構成される。
ところで、前述したように、RT作動図柄1に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示された場合には、RT3遊技状態フラグがオンになることにより遊技状態がRT3遊技状態(高RT(3チェ))となる。同様に、RT作動図柄2に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示された場合には、RT4遊技状態フラグがオンになることにより、遊技状態がRT4遊技状態(低RT)となる。そのため、表示役がチェリー1〜チェリー3の何れかである場合には、それがRT作動図柄1であるのか、RT作動図柄2であるのかを判別する必要がある。
そこで、実施例では、RT作動図柄1及びRT作動図柄2を設けるとともに、それぞれ異なる表示役のデータを格納することとしている。これにより、表示役として成立したチェリー1〜チェリー3がRT作動図柄1であるのかRT作動図柄2であるのかを判別することができる。
なお、実施例では、内部当籤役が3重複チェリー(小役・リプレイ用データポインタ「8」)である場合にRT作動図柄1に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示され、内部当籤役が単チェリー(小役・リプレイ用データポインタ「5」〜「7」)である場合にRT作動図柄2に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示されることとしている。
図15を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。このボーナス作動時テーブルは、ボーナスゲームの作動に係る各種カウンタ等をメインCPU31がセットするときに用いられる。
ボーナス作動時テーブルは、作動している遊技状態をメインCPU31が識別するために設けられた遊技状態フラグ格納領域に格納される遊技状態フラグの情報と、ボーナス終了枚数カウンタに格納される値の情報と、遊技可能回数カウンタに格納される値の情報と、入賞可能回数カウンタに格納される値の情報とを規定している。
遊技状態フラグは、作動しているボーナスゲームをメインCPU31が識別するために設けられた情報である。言い換えるならば、メインCPU31は、複数種類のボーナスゲームのうち何れのボーナスゲームが作動しているか否かを遊技状態フラグに基づいて識別することができる。ボーナス終了枚数カウンタは、BB遊技状態フラグがオンに更新されてからオフに更新されるまでの遊技において払出されたメダルの枚数をメインCPU31が計数するカウンタである。
遊技可能回数カウンタは、RB遊技状態において行うことが可能な残りのゲームの回数(すなわち、遊技可能回数)をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタである。入賞可能回数カウンタは、RB遊技状態において入賞に係る図柄の組合せが表示されることが可能な残りのゲームの回数(すなわち、入賞可能回数)をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタである。
図16を参照して、メインCPU31がリール3L,3C,3Rの回転を停止する際に参照する各種テーブルを初期化するときに用いる停止制御番号選択テーブルについて説明する。
停止制御番号選択テーブルは、データポインタに対応して、停止制御番号を示す情報を規定している。停止制御番号は、メインCPU31が第1停止操作に用いる停止テーブル(例えば、後述の「A01」〜「B08」)を選択するときに参照する番号である。なお、遊技状態がMB遊技状態である場合には、小役・リプレイ用データポインタに関わらず停止制御番号が「12」となる。
図17を参照して、回胴停止初期設定テーブルについて説明する。回胴停止初期設定テーブルは、持越役格納領域に格納される情報毎に、停止制御番号に対応して、停止テーブル番号を示す情報を規定している。「停止テーブル番号」は、後述する停止テーブルの種別を判別するための情報であり、遊技者の第1停止操作により操作されたストップボタン7L,7C,7R毎に設けられている。図17中、「順押し時停止テーブル番号」とは、第1停止操作により操作されたストップボタンが左のストップボタン7Lである場合(「順押し」である場合)に決定される停止テーブル番号である。他方、「変則押し時停止テーブル番号」とは、第1停止操作により操作されたストップボタンが左のストップボタン7L以外である場合(「変則押し」である場合)に決定される停止テーブル番号である。
図17を参照して、停止制御番号が「8」であり第1停止操作が左のストップボタン7Lである場合には、停止テーブル番号として「A04」が決定され、停止制御番号が「8」であり第1停止操作が左のストップボタン7L以外である場合には、停止テーブル番号として「B07」が決定される。
なお、「変則押し」には、第1停止操作が中央のストップボタン7Cである場合の「中押し」と、第1停止操作が右のストップボタン7Rである場合の「逆押し」と、が含まれる。ここで、「変則押し」であって、かつ、「逆押し」である場合には、停止テーブル番号に1加算される(後述の図49のステップS169)。そのため、停止制御番号が「8」であり第1停止操作が右のストップボタン7Rである場合には、停止テーブル番号として「B08」が決定される。
図18〜図21を参照して、停止テーブルについて説明する。図18は、順押し時停止テーブル「A01」〜「A03」を示し、図19〜図21は、変則押し時停止テーブル「B01」〜「B08」を示す。
停止テーブルは、第1停止操作が行われたストップボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3R毎に、図柄位置データに対応する滑り駒数決定データ及び停止データテーブル番号の情報を備えている。「滑り駒数決定データ」は、メインCPU31が予め定められた複数の滑り駒数(例えば、0駒〜4駒)のうちから適切な滑り駒数を検索する順序(いわゆる優先順序)を識別するために設けられた情報である。「停止データテーブル番号」は、後述する停止データテーブルの種別を判別するための情報である。なお、停止データテーブルについては、後に図23〜図34を参照して説明する。
図18の(1)を参照して、図柄位置「14」の「リプレイ(図5参照)」がセンターラインの上方に位置した時点で停止操作が行われると、滑り駒数決定データとして「2」が決定される。その結果、左の図柄表示領域21Lの中段の図柄停止位置に図柄位置「16」の「ベル」が表示されるように、左リール3Lが停止する。
図18〜図21の停止テーブルについて、順押し時停止テーブルを例にとって説明する。順押し時停止テーブルが「A01」である場合には、停止操作が行われた際の図柄位置データに応じて左の図柄表示領域21Lの図柄停止位置に赤チェリーが停止する場合があり、青チェリー又は桃チェリーが停止する場合はない。同様に、順押し時停止テーブルが「A02」である場合には、停止操作が行われた際の図柄位置データに応じて左の図柄表示領域21Lの図柄停止位置に青チェリーが停止する場合があり、赤チェリー又は桃チェリーが停止する場合はない。また、順押し時停止テーブルが「A03」である場合には、停止操作が行われた際の図柄位置データに応じて左の図柄表示領域21Lの図柄停止位置に桃チェリーが停止する場合があり、赤チェリー又は青チェリーが停止する場合はない。他方、順押し時停止テーブルが「A04」である場合には、左の図柄表示領域21Lの図柄停止位置に赤チェリー、青チェリー、又は桃チェリーが、必ず停止する。
また、停止データテーブル番号に着目すると、順押し時停止テーブルが「A01」〜「A03」である場合には、停止操作が行われた際の図柄位置データに関わらず停止データテーブル番号は「C01」となる。他方、順押し時停止テーブルが「A04」である場合には、停止操作が行われた際の図柄位置データによって停止データテーブル番号は「C02」又は「C03」となる。なお、「C02」となる場合とは、左の図柄表示領域21Lの上段の図柄停止位置に赤チェリー、青チェリー、又は桃チェリーが停止した場合である。他方、「C03」となる場合とは、左の図柄表示領域21Lの下段の図柄停止位置に赤チェリー、青チェリー、又は桃チェリーが停止した場合である。停止データテーブル番号「C03」である場合には、「C02」である場合には行われないラインデータの変更が行われることになるが、ラインデータの変更については後に図35を参照して説明する。
このように、第1停止操作が行われると、リール3L,3C,3Rのうち、第1停止操作に対応するリールについての回転が停止するが、残りのリールについては依然として回転している。図22〜図34を参照して、残りのリールについての回転の停止について、すなわち、第2停止操作及び第3停止操作に伴う停止制御について説明する。
図22を参照して、ラインマスクデータテーブルについて説明する。図22の(1)は、順押し時ラインマスクデータテーブルであり、順押し時に参照される。図22の(2)は、変則押し時ラインマスクデータテーブルであり、変則押し時に参照される。なお、順押し時ラインマスクデータテーブルが参照されるか、変則押し時ラインマスクデータテーブルが参照されるかは、第1停止操作に伴い決定される(後述の図50参照)。
ラインマスクデータテーブルは、作動ストップボタン(停止操作が行われたストップボタン7L,7C,7R)に対応するラインマスクデータの情報を規定している。「ラインマスクデータ」とは、8ビットのデータからなり、図23〜図34で後述するラインデータを決定する際に用いられる。
例えば、順押し時ラインマスクデータテーブルを参照して、第2停止操作が中央のストップボタン7Cである場合には、第2停止操作用のラインマスクデータとして「00010000」が決定される。その後、第3停止操作が行われると、第3停止操作は右のストップボタン7Rであるため、第3停止操作用のラインマスクデータとして「00000010」が決定される。
以上のように、ラインマスクデータは、基本的には、作動ストップボタンに基づいて決定される。ここで、「基本的には」としているのは、変則押しの第3停止操作である場合には、作動ストップボタンに基づいてラインマスクデータが変更されるためである(後述の図51のステップS193)。
具体的には、停止操作が変則押しで行われている場合であって、第3停止操作が左のストップボタン7Lである場合には、ラインマスクデータは「10000000」ではなく「00000010」と決定される。同様に、停止操作が変則押しで行われている場合であって、第3停止操作が左のストップボタン7L以外である場合には、ラインマスクデータは「00001000」ではなく「00100000」と決定される。
したがって、停止操作が変則押しで行われている場合には、第2停止操作が左のストップボタン7Lである場合には、第2停止操作用のラインマスクデータとして「10000000」が決定される。この場合、第3停止操作は左のストップボタン7L以外であるため、第3停止操作用のラインマスクデータとして「00100000」が決定される。
他方、第2停止操作が中央のストップボタン7C又は右のストップボタン7Rである場合には、第2停止操作用のラインマスクデータとして「00001000」が決定される。この場合、第3停止操作は左のストップボタン7Lであるため、第3停止操作用のラインマスクデータとして「00000010」が決定される。
図23〜図34を参照して、停止データテーブルについて説明する。停止データテーブルは、図柄位置データに伴い決定された停止データテーブル番号毎に設けられている。例えば、図23は、停止制御番号が5である場合の順押し時停止テーブル「A01」により第1停止操作が行われた場合に、図柄位置データに関わらず決定される停止データテーブル番号に対応する停止データテーブルである(図16〜図18参照)。
停止データテーブルは、ラインデータ及びライン変更ビットの情報を備えている。例えば、図23を参照して、ビット1には「右リールBラインデータ」が規定され、ビット2には「右リールAラインデータ」が規定され、ビット3には「右リールライン変更ビット」が規定され、ビット4には「中リールBラインデータ」が規定され、ビット5には「中リールAラインデータ」が規定され、ビット6には「中リールライン変更ビット」が規定され、ビット7には「左リールBラインデータ」が規定され、ビット8には「左リールAラインデータ」が規定される。
停止データテーブルの各ビットに規定されたデータのうち、ラインデータは、図22のラインマスクデータテーブルを参照して作動ストップボタンに基づいて決定されたラインマスクデータに基づいて決定される。具体的には、図23の停止データテーブル「C01」を参照して、ラインマスクデータが「00010000」である場合には、ビット5の「中リールAラインデータ」が参照される。
「ラインデータ」は、停止可能か否かについての情報である停止データを図柄位置に対応して規定している。具体的には、図23の停止データテーブル「C01」の中リールAラインデータを参照して、図柄位置「0」、「5」、「9」、「14」、「17」に対応する停止データの値は「1」であり、それ以外の図柄位置に対応する停止データの値は「0」である。ここで、停止データ「1」は、対応する図柄位置で停止可能であることを意味し、停止データ「0」は、対応する図柄位置で停止可能でないことを意味している。そのため、停止データテーブル「C01」の中リールAラインデータが用いられた場合には、中リール3Cでは、図柄位置「0」、「5」、「9」、「14」、「17」において停止可能となる。
ここで、図23の停止データテーブル「C01」の中リールAラインデータを参照して、図柄位置「12」の「赤チェリー(図5参照)」がセンターラインの上方に位置した時点で停止操作が行われた場合を例にとって説明する。図柄位置「12」の停止データは「0」である。そのため、図柄位置「12」は停止可能ではないことになる。すると、次に図柄位置「13」の停止データを参照する。この停止データも「0」であり、図柄位置「13」も停止可能でないことになる。次に、図柄位置「14」の停止データを参照すると、この停止データは「1」である。そのため、図柄位置「14」は停止可能であることになり、図柄位置「14」の「リプレイ」が中央の図柄表示領域21Cの中段の図柄停止位置に表示されるように、中リール3Cが停止する。
「ライン変更ビット」は、ラインデータの変更を行うか否かを規定する情報であり、図柄位置に対応して規定されている。停止データが「1」でありライン変更ビットが「1」である図柄位置が停止予定位置となった場合にラインデータの変更が行われることになるが、詳しくは後述する(後述の図52のステップS206)。なお、「ラインデータの変更」とは、図22のラインマスクデータテーブルを参照して作動ストップボタンに基づいて決定されたラインマスクデータを変更すること(ラインマスクデータを右にローテートすること)である。例えば、決定されたラインマスクデータが「00010000」である場合に「00001000」と変更することである。
ここで、順押し時の第2停止操作及び第3停止操作について、図23〜図25を参照して、より詳細に検討する。順押し時に第2停止操作の作動ストップボタンが中央のストップボタン7Cである場合には、ラインマスクデータとして「00010000」が決定される(図22の(1)参照)。すると、第2停止操作は中リールAラインデータに基づいて停止制御が行われることになる。
この場合において、図23の停止データテーブル「C01」は停止制御番号が「5」〜「7」である場合に決定される停止データテーブルである。すなわち、小役・リプレイ用データポインタが「5」〜「7」という内部当籤役が単チェリーである場合に決定される停止データテーブルである。他方、図24の停止データテーブル「C02」及び「C03」は停止制御番号が「8」である場合に決定される停止データテーブルである。すなわち、小役・リプレイ用データポインタが「8」という内部当籤役が3重複チェリーである場合に決定される停止データテーブルである。
図23〜図25を参照して、中リールAラインデータは、停止データテーブル「C01」〜「C03」の全てにおいて同一である。そのため、順押しで停止操作が行われ、第2停止操作の作動ストップボタンが中央のストップボタン7Lである場合には、内部当籤役が単チェリーであっても3重複チェリーであっても、中リール3Cについて同じ位置で図柄が停止することになる。
その結果、仮に内部当籤役として単チェリーが決定され、左リールLが停止され、左の図柄表示領域21Lに何れかのチェリーが表示された場合であっても、第2停止操作が行われた時点では、遊技者はRT作動図柄1に対応する図柄組合せが表示されるのか、RT作動図柄2に対応する図柄組合せが表示されるのか分からない。同様に、仮に内部当籤役として3重複チェリーが決定された場合であっても、第2停止操作が行われた時点では、遊技者はRT作動図柄1に対応する図柄組合せが表示されるのか、RT作動図柄2に対応する図柄組合せが表示されるのか分からない。そのため、遊技者は、第2停止操作が行われた時点では、有利なRT3遊技状態(高RT(3チェ))に移行するのか、不利なRT4遊技状態(低RT)に移行するのかを把握できず、遊技者の遊技についての興味を第3停止操作まで継続して維持することができる。
他方、第2停止操作の作動ストップボタンが右のストップボタン7Rである場合には、ラインマスクデータとして「00000010」が決定される(図22の(1)参照)。すると、第2停止操作は右リールAラインデータに基づいて停止制御が行われることになる。
図23〜図25を参照して、右リールAラインデータは、停止データテーブル「C01」と、「C02」及び「C03」と、では異なる。そのため、順押しで停止操作が行われ、第2停止操作の作動ストップボタンが右のストップボタン7Rである場合には、内部当籤役が単チェリーである場合と3重複チェリーである場合とで、右リール3Rについて異なる位置で図柄が停止することになる。
その結果、第2停止操作が行われた時点で、遊技者はRT作動図柄1に対応する図柄組合せが表示されるのか、RT作動図柄2に対応する図柄組合せが表示されるのかを把握することができる。そのため、RT作動図柄1であるかRT作動図柄2であるかについて、第3停止操作まで把握できない遊技性を求めるか、あるいは、第3停止操作前に把握できる遊技性を求めるか、遊技者に選択可能とすることができる。
なお、順押し時を例にとって説明したが、変則押し時であっても基本的には同じである。すなわち、第1停止操作及び第2停止操作の作動ストップボタンが左のストップボタン7L及び中央のストップボタン7Cである場合には、第2停止操作が行われた時点では、遊技者はRT作動図柄1に対応する図柄組合せが表示されるのか、RT作動図柄2に対応する図柄組合せが表示されるのか分からない。
したがって、実施例では、第3停止操作の作動ストップボタンが右のストップボタン7Rである場合には、第2停止操作が行われた時点では、遊技者はRT作動図柄1に対応する図柄組合せが表示されるのか、RT作動図柄2に対応する図柄組合せが表示されるのか分からない。
ここで、図35を参照して、ラインデータの変更の具体例について説明する。
小役・リプレイ用データポインタが「8」である場合に順押しで停止操作が行われ、左の図柄表示領域21Lの下段の図柄停止位置に赤チェリー、青チェリー、又は桃チェリーが表示される場合がある。この場合、停止データテーブル番号として「C03」が決定される(図19の(4)参照)。
ここで、順押しで停止操作が行われ、第2停止操作の作動ストップボタンが中央のストップボタン7Cである場合には、ラインマスクデータとして「00010000」が決定され、第2停止操作は中リールAラインデータに基づいて停止制御が行われる。停止データテーブル「C03」の中リールAラインデータを参照すると、図柄位置「0」、「5」、「9」、「17」で停止データが「1」となる。図5を参照すると、図柄位置が「17」である場合、中央の図柄表示領域21Cの上段の図柄停止位置に「ベル」が停止する。その結果、第2停止操作が中央のストップボタン7Cであり停止予定位置が「17」である場合には、図35の(1)に示すように、トップライン8bに沿って、「ベル−ベル」と停止する。
その後、第3停止操作として右のストップボタン7Rが操作されると、ラインマスクデータとして「00000010」が決定され、右リールAラインデータに基づいて停止制御が行われる。停止データテーブル「C03」の右リールAラインデータを参照すると、図柄位置「3」、「7」、「11」、「16」、「20」で停止データが「1」となる。図5を参照すると、これらの場合、右の図柄表示領域21Rの上段の図柄停止位置に「ベル」が停止する。すると、第2停止操作が中央のストップボタン7Cであり停止予定位置が「17」である場合には、トップライン8bに沿って「ベル−ベル−ベル」と停止し、表示役としてベルが成立する。ここで、小役・リプレイ用データポインタ「8」にはベルが含まれない。そのため、このような場合に、ベルが表示役として成立しないようにする必要がある。ラインデータの変更は、このように内部当籤役として決定されていない役が表示役として成立することを防止するために行われる制御である(図35の(1))。
同様に、順押しで停止操作が行われ、第2停止操作の作動ストップボタンが右のストップボタン7Rである場合には、ラインマスクデータとして「00000010」が決定され、第2停止操作は右リールAラインデータに基づいて停止制御が行われる。その結果、図35の(2)に示すようにトップライン8bに沿って「ベル−回転中−ベル」と停止する。
その後、第3停止操作として中央のストップボタン7Cが操作されると、ラインマスクデータとして「00010000」が決定され、中リールAラインデータに基づいて停止制御が行われる。中リールAラインデータでは、図柄位置「0」、「5」、「9」、「17」で停止データが「1」となり、図柄位置が「17」である場合、中央の図柄表示領域21Cの上段の図柄停止位置に「ベル」が停止する。すると、トップライン8bに沿って「ベル−ベル−ベル」と停止し、表示役としてベルが成立する。ここで、小役・リプレイ用データポインタ「8」にはベルが含まれない。そのため、このような場合に、ベルが表示役として成立しないようにラインデータの変更する必要がある(図35の(2))。
具体的には、作動ストップボタンに基づいて決定されるラインマスクデータを右にローテートすることにより、ラインデータの変更を行う。例えば、図35の(1)のように、第3停止操作が右のストップボタン7Rについての場合には、基本的には第3停止操作のラインマスクデータとして「00000010」が決定されるが、ラインデータの変更を行うことにより「00000001」と決定されるようにする。その結果、停止データテーブル「C03」のうちラインマスクデータに対応するビット1に格納された「右リールBラインデータ」に基づいて停止制御が行われることになる。なお、「右リールBラインデータ」に基づいて停止制御が行われると、ベルが表示役として成立しない。
同様に、図35の(2)のように、第3停止操作が中央のストップボタン7Cについての場合には、基本的には第3停止操作のラインマスクデータとして「00010000」が決定されるが、ラインデータの変更を行うことにより「00001000」と決定されるようにする。その結果、停止データテーブル「C03」のうちラインマスクデータに対応するビット4に格納された「中リールBラインデータ」に基づいて停止制御が行われることになる。なお、「中リールBラインデータ」に基づいて停止制御が行われると、ベルが表示役として成立しない。
そのため、このようなラインデータの変更を行うことにより、内部当籤役として決定されていない「ベル」が表示役として成立することを防止することができる。
図36の(1)を参照して、メインCPU31が滑り駒数を取得するときに用いる優先順序テーブルについて説明する。
優先順序テーブルは、停止データ用滑り駒数と優先順序とに対応して、滑り駒数を示す情報を規定している。例えば、停止データ用滑り駒数が「0」である場合には、メインCPU31は、優先順序テーブルを参照して、停止データ用滑り駒数「0」と優先順序「4」とに対応する滑り駒数として「3」を取得し、これが適切な滑り駒数であるか否かを判別し、次いで、優先順序「3」、優先順序「2」、優先順序「1」の順で、同様に判別する。なお、このように優先順序「4」に対応する滑り駒数が最も先に適切か否かを判別し、優先順序「1」に対応する滑り駒数が適切か否かを最も後に判別するようにしたのは、基本的に、優先順序「1」が最も優先的に滑り駒数として決定されるようにしているからである。
図36の(2)を参照して、メインCPU31が後述の優先引込順位データを決定するときに用いる優先順位テーブルについて説明する。
優先順位テーブルは、内部当籤役に係る図柄の組合せ間の引込みの優先順位を示す引込データを規定している。実施例1では、優先順位テーブルには、リプレイに対して最も高い優先順位、ボーナス及びJACINに対してリプレイに対応する優先順位に次いで高い優先順位、小役に対して最も低い優先順位が規定されている。優先引込順位データは、引込みの優先順位に対応するリプレイ、ボーナス若しくはJACIN、及び小役の各々をメインCPU31が識別するために設けられた情報である。「引込み」あるいは「引込」は、基本的に、最大の滑り駒数の範囲内で内部当籤役に係る図柄の組合せを構成する図柄を有効ラインに沿って表示するように、停止操作が行われたストップボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3Rの回転を停止させることをいう。
図37〜図40を参照して、メインRAM33に設けられる各種領域について説明する。
図37の(1)〜(5)は、当たり要求フラグを示すデータが格納される内部当籤役1格納領域〜内部当籤役4格納領域及び表示役に係るデータが格納される表示役1格納領域〜表示役4格納領域を示す。例えば、内部抽籤処理において内部当籤役としてチェリー1(小役・リプレイ用データポインタ「5」)が決定された場合には、内部当籤役1格納領域のビット4に「1」が格納される。また、内部抽籤処理において内部当籤役としてチェリー1+チェリー2+チェリー3(小役・リプレイ用データポインタ「8」)が決定された場合には、内部当籤役1格納領域のビット4〜6に「1」が格納される。
図37の(6)は、持越役に係るデータが格納される持越役格納領域を示す。例えば、内部抽籤処理において内部当籤役としてBB1が決定された場合には、持越役格納領域のビット0に「1」が格納される。ここで、持越役は、後述の内部抽籤処理において決定されたデータポインタに対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されることが一又は複数のゲームにわたり許容される場合に、当該データポインタをメインCPU31が識別するために設けられた情報である。
図38の(7)は、遊技状態フラグを示すデータが格納される遊技状態フラグ格納領域を示す。図38の(7)に示す内容の欄には、遊技状態フラグ格納領域の各ビットに対応する遊技状態フラグの内容が示されている。例えば、遊技状態フラグ格納領域に格納される値が「00000001」であるときには、BB遊技状態フラグがオンであることを示す。
図38の(8)は、押す操作が有効なストップボタン7L,7C,7R、いわゆる有効ストップボタンを示すデータが格納される有効ストップボタン格納領域を示す。実施例では、メインCPU31は、有効ストップボタン格納領域に格納されているデータに基づいて、未だ押されていないストップボタン7L,7C,7Rを識別する。
図38の(9)は、今回押されたストップボタン7L,7C,7R、いわゆる作動ストップボタンを示すデータが格納される作動ストップボタン格納領域を示す。実施例では、メインCPU31は、作動ストップボタン格納領域に格納されているデータに基づいて、今回押されたストップボタン7L,7C,7Rを識別する。
図39の(1)は、メインCPU31が図柄表示領域21L,21C,21Rに表示される図柄の種別を識別するために設けられたデータ(いわゆる図柄の識別子)とこの図柄の識別子に対応する図柄コードとの関係を表す図柄コード表を示す。例えば、「赤7」に対応するデータは、「00000001」であり、このときの図柄コードは、「1」である。
図39の(2)は、図柄の識別子が格納される図柄格納領域を示す。図柄格納領域は、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せ毎に、図柄の識別子を格納する。すなわち、メインCPU31は、図柄格納領域に格納される値に基づいて、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せ毎に図柄の識別子を取得することができる。
図40は、各図柄位置データに対応して優先引込順位データが格納される表示役予想格納領域を示す。表示役予想格納領域は、左リール用表示役予想格納領域、中リール用表示役予想格納領域、及び右リール用表示役予想格納領域により構成される。各表示役予想格納領域は、当該表示役予想格納領域に対応するリール3L,3C,3Rの図柄位置データのそれぞれについて、優先引込順位データを格納する。優先引込順位データは、一の図柄位置データに位置する図柄がセンターラインの位置で表示された場合に、何れの表示役に係る図柄の組合せ又はその一部が有効ラインの何れかに沿って表示されるかを示すデータである。
図41〜図58に示すフローチャートを参照して、主制御回路71の動作について説明する。
図41を参照して、メインCPU31が実行する主たる処理を示したメインフローチャートについて説明する。
初めに、メインCPU31は、初期化処理を行い(ステップS1)、ステップS2に移る。なお、この処理では、メインCPU31は、メインRAM33が正常であるか否かのチェックや入出力ポートの初期化等を行う。
ステップS2では、メインCPU31は、指定格納領域初期化処理を行う。例えば、メインCPU31は、内部当籤役格納領域、作動ストップボタン格納領域、有効ストップボタン格納領域、図柄格納領域、及び表示役予想格納領域に格納されているデータをクリアする。続いて、メインCPU31は、後で図42を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS3)。なお、この処理では、メインCPU31は、投入枚数に基づいて開始操作が可能であるか否かを判別する。
次に、メインCPU31は、乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(ステップS4)。このステップS4の処理で抽出された乱数値は、内部抽籤処理(後述の図43)において使用される。続いて、メインCPU31は、後で図43を参照して説明する内部抽籤処理を行う(ステップS5)。なお、この処理では、メインCPU31は、内部当籤役を決定する。
次に、メインCPU31は、リール停止初期設定処理を行う(ステップS6)。この処理では、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転を停止する制御に係る領域等の初期化を行う。
次に、メインCPU31は、スタートコマンドデータをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する(ステップS7)。スタートコマンドは、遊技状態、内部当籤役等の情報を含み、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される(後述の図58のステップS294)。これにより、副制御回路72は、開始操作に応じて演出を行うことができる。続いて、メインCPU31は、全リール3L,3C,3Rの回転の開始を要求する(ステップS8)。続いて、メインCPU31は、後で図48を参照して説明するリール停止制御処理を行う(ステップS9)。なお、この処理では、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転の停止に係る命令を実行する。
次に、メインCPU31は、後で図46を参照して説明する表示役検索処理を行う(ステップS10)。なお、この処理では、メインCPU31は、表示役の予想、表示役の決定、及びメダルの払出枚数の決定を行う。
次に、メインCPU31は、第3停止操作後、ストップボタンが押されたままか否かを判別する(ステップS11)。具体的には、後述する割込処理の入力ポートチェック処理において、第3停止操作時のストップスイッチのオンエッジ(ストップボタンが押されているか)、オフエッジ(ストップボタンが離されたか)を検出し、オンエッジのままであれば、以降の処理の許可待ちとなる。
第3停止操作時のストップスイッチがオフエッジとなると、メインCPU31は、表示コマンドデータをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する(ステップS12)。表示コマンドは、遊技状態、表示役等の情報を含み、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される(後述の図58のステップS294)。
次に、メインCPU31は、ステップS10の処理において決定されるメダルの払出枚数に基づいてメダルを払出す(ステップS13)。続いて、メインCPU31は、ステップS10の処理において決定されるメダルの払出枚数を格納した払出枚数カウンタに基づいてボーナス終了枚数カウンタを更新する(ステップS14)。続いて、メインCPU31は、BB1遊技状態フラグ〜BB2遊技状態フラグ、又はMB遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS15)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、後で図54を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(ステップS16)。この処理では、メインCPU31は、ボーナスゲームを終了する条件を満たした場合にボーナスゲームの作動を終了する。続いて、メインCPU31は、ステップS18の処理を行う。他方、ステップS15の判別がNOのときは、メインCPU31は、ステップS17の処理を行う。
ステップS17では、メインCPU31は、後で図55を参照して説明するRT遊技数カウンタ更新処理を行う。この処理では、メインCPU31は、RT遊技数カウンタを減算する処理を行う。続いて、メインCPU31は、ボーナス作動チェック処理を行い(ステップS18)、次に、ステップS2の処理を行う。なお、この処理では、メインCPU31は、ボーナスゲームを開始する条件を満たした場合にボーナスゲームの作動を開始し、再遊技の条件を満たした場合には、後述の自動投入カウンタに「3」を格納する。
図42を参照して、投入枚数に基づいて開始操作が可能であるか否かをメインCPU31が判別する処理の手順を示したメダル受付・スタートチェック処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、自動投入カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(ステップS21)。このとき、自動投入カウンタの値が「0」である場合には、メインCPU31は、メダル通過許可の処理を行い(ステップS22)、続いて、ステップS25の処理を行う。他方、自動投入カウンタの値が「0」でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS23の処理を行う。自動投入カウンタは、自動的に投入するメダルの枚数をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタである。
ステップS23では、メインCPU31は、自動投入カウンタの値を投入枚数カウンタに複写する。投入枚数カウンタは、投入されたメダルの枚数をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタである。続いて、メインCPU31は、自動投入カウンタをクリアする(ステップS24)。続いて、メインCPU31は、ステップS25の処理を行う。
ステップS25では、メインCPU31は、遊技状態に対応する開始操作が有効となる最大の投入枚数を示す投入最大値として「3」をセットする。続いて、メインCPU31は、BB1遊技状態フラグ〜BB3遊技状態フラグの何れかがオンであるか否かを判別する(ステップS26)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、投入最大値を「2」に変更し(ステップS27)、続いて、ステップS28の処理を行う。他方、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS28の処理を行う。
ステップS28では、メインCPU31は、メダルの通過が検出されたか否かを判別する。例えば、メインCPU31は、メダルセンサ22Sからの入力のチェックを行い、メダルセンサ22Sからの入力があるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS29の処理を行う。他方、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS34の処理を行う。
ステップS29では、メインCPU31は、投入枚数カウンタの値が投入最大値であるか否かを判別する。このとき、投入枚数カウンタの値が投入最大値である場合には、メインCPU31は、クレジットカウンタの値に「1」を加算し(ステップS33)、続いて、ステップS34の処理を行う。他方、投入枚数カウンタの値が投入最大値でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS30の処理を行う。
ステップS30では、メインCPU31は、投入枚数カウンタの値に「1」を加算する。続いて、メインCPU31は、有効ラインカウンタに「5」を格納する(ステップS31)。有効ラインカウンタに格納された値は、表示役検索処理で使用される。続いて、メインCPU31は、メダル投入コマンドデータをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する(ステップS32)。メダル投入コマンドは、投入枚数カウンタ、有効ラインカウンタ等の情報を含み、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される(後述の図58のステップS294)。続いて、メインCPU31は、ステップS34の処理を行う。これにより、副制御回路72は、投入操作を契機として演出を行うことができる。
ステップS34では、メインCPU31は、BETスイッチ11のチェックを行う。この処理では、メインCPU31は、投入枚数カウンタの値と、クレジットカウンタの値と、投入最大値と、に基づいて、投入枚数カウンタの値に加算する値を算出し、投入枚数カウンタの値を更新する。続いて、メインCPU31は、ステップS35の処理を行う。
ステップS35では、メインCPU31は、投入枚数カウンタの値が投入最大値であるか否かを判別する。このとき、投入枚数カウンタの値が投入最大値である場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS36の処理を行う。他方、投入枚数カウンタの値が投入最大値でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS28の処理を行う。
ステップS36では、メインCPU31は、スタートスイッチ6Sがオンであるか否かを判別する。具体的には、メインCPU31は、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する。このとき、スタートスイッチ6Sからの入力がある場合には、メインCPU31は、スタートスイッチチェックフラグをオンに更新し(ステップS37)、続いて、次に、ステップS38の処理を行う。ステップS38では、メインCPU31は、メダル通過禁止の処理を行い、次に、図41のステップS4の処理を行う。
図43を参照して、乱数値及び遊技状態等に基づいてメインCPU31が内部当籤役を決定する処理の手順を示した内部抽籤処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、遊技状態フラグ格納領域を参照して遊技状態フラグを取得する(ステップS41)。続いて、メインCPU31は、内部抽籤テーブル決定テーブルを参照し、遊技状態に基づいて内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数とを決定する(ステップS42)。例えば、遊技状態が一般遊技状態である場合は、内部抽籤テーブル決定テーブルに基づいて、一般遊技状態用内部抽籤テーブルが選択され、抽籤回数として「35」が決定される。
ステップS43では、メインCPU31は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得し、乱数データとしてセットし、続いて、ステップS44の処理を行う。
ステップS44では、メインCPU31は、抽籤回数と同じ値を当籤番号としてセットし、内部抽籤テーブルを参照して当籤番号に対応する抽籤値を取得する。続いて、メインCPU31は、乱数データから抽籤値を減算する(ステップS45)。続いて、メインCPU31は、桁かりが行われたか否かを判別する(ステップS46)。言い換えるならば、ステップS45の演算の結果が負であるか否かを判別する。このとき、桁かりが行われた場合には、メインCPU31は、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得し(ステップS50)、続いて、ステップS51の処理を行う。他方、桁かりが行われていない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS47の処理を行う。
ステップS47では、メインCPU31は、抽籤回数を「1」減算する。続いて、メインCPU31は、抽籤回数が「0」であるか否かを判別する(ステップS48)。このとき、抽籤回数が「0」である場合には、メインCPU31は、小役・リプレイ用データポインタとして「0」をセットし、ボーナス用データポインタとして「0」をセットし(ステップS49)、続いて、ステップS51の処理を行う。他方、抽籤回数が「0」でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS44の処理を行う。
ステップS51では、メインCPU31は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役(当たり要求フラグ)を取得する。続いて、メインCPU31は、取得した当たり内部当籤役(当たり要求フラグ)を対応する内部当籤役格納領域に格納する(ステップS52)。続いて、メインCPU31は、持越役格納領域に格納されているデータが「0」であるか否かを判別する(ステップS53)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS54の処理を行い、他方、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS60の処理を行う。
ステップS54では、メインCPU31は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役(当たり要求フラグ)を取得する。続いて、メインCPU31は、取得した内部当籤役(当たり要求フラグ)を持越役格納領域に格納する(ステップS55)。
続いて、メインCPU31は、持越役格納領域に格納されているデータが「0」であるか否かを判別する(ステップS56)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS60の処理を行い、他方、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS57の処理を行う。
ステップS57では、メインCPU31は、RT1遊技状態フラグ〜RT4遊技状態フラグの何れかがオンであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、RT1遊技状態フラグ〜RT4遊技状態フラグをオフに更新し、RT遊技数カウンタをクリアする(ステップS58)。続いて、メインCPU31は、ステップS59の処理を行う。他方、ステップS57の判別がNOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS59の処理を行う。
ステップS59では、メインCPU31は、RT5遊技状態フラグをオンに更新し、続いて、ステップS60の処理を行う。ステップS60では、メインCPU31は、持越役格納領域に格納されているデータを取得し、このデータと内部当籤役格納領域に格納されているデータとの論理和を内部当籤役格納領域に格納する。
続いて、メインCPU31は、MB遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS61)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、内部当籤役1格納領域のビット0〜ビット6をオンに更新し、図41のステップS6の処理を行う。他方、ステップS61の判別がNOのときは、メインCPU31は、続いて図41のステップS6の処理を行う。
図44を参照して、メインCPU31がリール3L,3C,3Rの回転を停止する制御に係る処理の初期化を行う処理の手順を示したリール停止初期設定処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、MB遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS71)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、停止制御番号として12を格納する(ステップS72)。続いて、メインCPU31は、ステップS74の処理を行う。他方、ステップS71の判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、停止制御番号選択テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタの値に基づいて、停止制御番号を選択し、格納する(ステップS73)。続いて、メインCPU31は、ステップS74の処理を行う。
ステップS74では、メインCPU31は、回胴停止初期設定テーブルを参照し、停止制御番号に基づいて、順押し時停止テーブル番号、変則押し時停止テーブル番号を取得する。続いて、メインCPU31は、全図柄格納領域に回転中の識別子(0FFH)を格納する(ステップS75)。続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタに「3」を格納する(ステップS76)。ストップボタン未作動カウンタは、未だ押されていないストップボタン7L,7C,7Rの数をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタである。続いて、メインCPU31は、後で図45を参照して説明する表示役予想格納処理を行い(ステップS77)、次に、図41のステップS7の処理を行う。
図45を参照して、メインCPU31が各図柄位置データに応じて表示役を予想し、予想した表示役に基づいて決定した優先引込順位データを取得する処理の手順を示した表示役予想格納処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタの値を検索回数として、その値を格納する(ステップS81)。続いて、メインCPU31は、ストップボタンチェックデータとして「008H」をセットする(ステップS82)。続いて、メインCPU31は、ストップボタンチェックデータを右へローテートする(ステップS83)。続いて、メインCPU31は、ストップボタンチェックデータと有効ストップボタン格納領域に格納されているデータとの論理積が「0」であるか否かを判別する(ステップS84)。このとき、論理積が「0」である場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS83の処理を行う。他方、論理積が「0」でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS85の処理を行う。
ステップS85では、メインCPU31は、検索回数に応じた回数を実行したか否かを判別する。このとき、検索回数に応じた回数を実行した場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS86の処理を行う。他方、検索回数に応じた回数を実行していない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS83の処理を行う。
ステップS86では、メインCPU31は、ストップボタンチェックデータに基づいて検索を行う対象とするリール3L,3C,3R(以下「検索対象リール」という)を決定し、表示役予想格納領域のアドレスを指定する。すなわち、ステップS83〜ステップS86では、メインCPU31は、回転中のリール3L,3C,3Rであって、検索対象リールとして決定していない、より左に位置するリール3L,3C,3Rを検索対象リールとして決定している。ここで、検索対象リールが左リール3Lである場合には、メインCPU31は、左リール用表示役予想格納領域のアドレスを指定することで、左リール用表示役予想格納領域に格納されるデータを参照することができる。続いて、メインCPU31は、図柄位置データとして「0」をセットし、図柄チェック回数として「21」をセットする(ステップS87)。続いて、メインCPU31は、ステップS88の処理を行う。
ステップS88では、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの外周面に描かれた図柄を識別する図柄コードと図柄位置データとが対応付けられた図柄配置テーブル(図7)を参照し、図柄位置データに基づいて、図柄格納領域に図柄コードを格納する。続いて、メインCPU31は、後で図46を参照して説明する表示役検索処理を行い(ステップS89)、次に、ステップS90の処理を行う。なお、この処理では、メインCPU31は、表示役を検索する。
ステップS90では、メインCPU31は、後で図47を参照して説明する優先引込順位データ取得処理を行う。なお、この処理では、メインCPU31は、優先引込順位データを決定する。続いて、メインCPU31は、ステップS90で取得した優先引込順位データを表示役予想格納領域に格納する(ステップS91)。続いて、メインCPU31は、表示役予想格納領域のアドレス及び図柄位置データをそれぞれ「1」加算し、図柄チェック回数を「1」減算する(ステップS92)。続いて、メインCPU31は、図柄チェック回数が「0」であるか否かを判別する(ステップS93)。このとき、図柄チェック回数が「0」である場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS94の処理を行う。他方、図柄チェック回数が「0」でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS88の処理を行う。
ステップS94では、メインCPU31は、検索回数を「1」減算する。続いて、メインCPU31は、検索回数が「0」であるか否かを判別する(ステップS95)。このとき、検索回数が「0」である場合には、メインCPU31は、表示役予想格納処理を呼び出した処理に応じて、次の処理を行う。他方、検索回数が「0」でない場合には、メインCPU31は、ステップS96の処理を行う。
ステップS96では、メインCPU31は、全図柄格納領域に回転中の識別子を格納する。続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタの値が「3」であるか否かを判別する(ステップS97)。このとき、ストップボタン未作動カウンタの値が「3」である場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS82の処理を行う。他方、ストップボタン未作動カウンタの値が「3」でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS98の処理を行う。
ステップS98では、メインCPU31は、作動ストップボタンに基づいて検索対象リールを決定し、図柄位置データとして停止予定位置をセットする。続いて、メインCPU31は、図柄配置テーブルを参照し、図柄位置データに基づいて、各図柄格納領域に図柄コードを格納する(ステップS99)。続いて、メインCPU31は、ステップS82の処理を行う。
このように、表示役予想格納処理では、メインCPU31は、基本的に、回転中のリール3L,3C,3Rが停止したときに表示される図柄により構成される図柄の組合せが、表示役に係る図柄の組合せとなるか否か、又は何れの表示役に係る図柄の組合せとなるかを予想する。
図46を参照して、メインCPU31が、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せに基づいて表示役等を決定し、これらを各領域の所定の領域に格納する処理の手順を示した表示役検索処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、表示役格納領域をクリアし、図柄格納領域の先頭アドレスを取得する(ステップS101)。ここで、図柄格納領域の先頭アドレスを取得した場合には、メインCPU31は、センターライン8cに対応する3つの図柄格納領域を参照することができる。他方、メインCPU31は、図柄格納領域のアドレスを更新することにより(後述のステップS113)、メインCPU31は、トップライン8b、ボトムライン8dの順に各々のデータを参照することができる。
ステップS102では、メインCPU31は、図柄組合せテーブルの先頭アドレスをセットする。図柄組合せテーブルの先頭アドレスがセットされた場合には、メインCPU31は、図柄の組合せを構成する図柄の種別に対応する図柄コードを表す図柄組合せテーブルに示すベルに対応する図柄の組合せ、入賞作動フラグ、格納領域加算データ、及び払出枚数を参照することができる。他方、メインCPU31は、図柄組合せテーブルのアドレスを更新することにより(後述のステップS110)、スイカ、特殊1の順序に従って図柄組合せテーブルに示す各々のデータを参照することができる。
ステップS103では、メインCPU31は、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せと図柄格納領域に格納されている3つの図柄コードとを比較する。続いて、メインCPU31は、回転中の識別子を除いて一致しているか否かを判別する(ステップS104)。このとき、一致している場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS105の処理を行う。他方、一致していない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS110の処理を行う。
ステップS105では、メインCPU31は、入賞作動フラグと格納領域加算データとを取得する。続いて、メインCPU31は、格納領域加算データに基づいて表示役格納領域のアドレスをセットする(ステップS106)。すなわち、メインCPU31は、表示役1格納領域のアドレスをセットし、格納領域加算データに基づいてアドレスを加算する。続いて、メインCPU31は、入賞作動フラグと指定された表示役格納領域に格納されているデータとの論理和を当該表示役格納領域に格納する(ステップS107)。続いて、メインCPU31は、検索回数が「0」であるか否かを判別する(ステップS108)。このとき、検索回数が「0」である場合には、メインCPU31は、払出枚数を取得し、その値を払出枚数カウンタに加算し(ステップS109)、続いて、ステップS110の処理を行う。他方、検索回数が「0」でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS110の処理を行う。
ステップS110では、メインCPU31は、図柄組合せテーブルのアドレスを更新する。続いて、メインCPU31は、更新したアドレスがエンドコードであるか否かを判別する(ステップS111)。このとき、更新したアドレスがエンドコードである場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS112の処理を行う。他方、更新したアドレスがエンドコードでない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS103の処理を行う。
ステップS112では、メインCPU31は、有効ラインカウンタに応じた回数を実行したか否かを判別する。このとき、有効ラインカウンタに応じた回数を実行した場合には、メインCPU31は、表示役検索処理を呼び出した処理に応じて、次の処理を行う。他方、有効ラインカウンタに応じた回数を実行していない場合には、メインCPU31は、図柄格納領域のアドレスを更新し(ステップS113)、続いて、ステップS102の処理を行う。
このように、メインCPU31は、一の有効ラインに対応する3つの図柄格納領域に格納されている図柄の組合せと図柄組合せテーブルにより規定される各図柄の組合せとを比較した後に、他の有効ラインに対応する3つの図柄格納領域に格納されている図柄の組合せと図柄組合せテーブルにより規定される各図柄の組合せとを比較する。すなわち、メインCPU31は、有効ライン毎に、予め定められた図柄の組合せが図柄表示領域21L,21C,21Rに表示されているか否かを判別し、表示役の決定又は表示役の予想を行うものである。
図47を参照して、優先引込順位データ取得処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、停止禁止チェック処理を行う(ステップS121)。この処理では、まず、メインCPU31は、検索対象リールが中リール3Cである場合には、中リール3Cが「ANY」となっている表示役格納領域の対象ビットをクリアする。次に、メインCPU31は、内部当籤役格納領域と表示役格納領域との排他的論理和をとり、それと表示役格納領域の論理積を取る。そして、その結果が0でない場合に、第3停止操作時、又は各チェリー等に対応するビットがオンの時に、停止禁止とし、誤入賞を防止している。続いて、メインCPU31は、ステップS122の処理を行う。
ステップS122では、メインCPU31は、ステップS121の結果が停止禁止であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、優先引込順位データとして0をセットし、続いて、図45のステップS91の処理を行う。このように、予想した表示役に係る図柄の組合せが、決定された内部当籤役が許容する図柄の組合せに含まれない場合には、優先引込順位データに停止禁止を示すデータがセットされる。したがって、基本的に、決定された内部当籤役が許容する図柄の組合せ以外の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されることはない。
他方、ステップS122の判別がNOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS123の処理を行う。ステップS123では、メインCPU31は、優先順位テーブルの先頭アドレスをセットし、チェック回数として「3」をセットし、優先順位の初期値として「1」をセットする。続いて、メインCPU31は、優先引込順位データの初期値として「0」をセットする(ステップS124)。続いて、メインCPU31は、ステップS125の処理を行う。
ステップS125では、メインCPU31は、内部当籤役格納領域に格納されているデータ、表示役格納領域に格納されているデータ、及び引込データの論理積をとる。続いて、メインCPU31は、上記論理積の結果が「0」であるか否かを判別する(ステップS126)。このとき、上記論理積の結果が「0」である場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS128の処理を行う。他方、上記論理積の結果が「0」でない場合には、メインCPU31は、キャリーフラグをオンにし(ステップS127)、続いて、ステップS128の処理を行う。
ステップS128では、メインCPU31は、キャリーフラグを含めて優先引込順位データのビットパターンを左にローテートする。例えば、優先引込順位データにセットされている値が「00000000」であり、キャリーフラグがオンである場合には、この処理では、メインCPU31は、優先引込順位データの値を「00000001」とする。続いて、メインCPU31は、チェック回数を「1」減算し、優先順位を「1」加算する(ステップS129)。続いて、メインCPU31は、チェック回数が「0」であるか否かを判別する(ステップS130)。このとき、チェック回数が「0」である場合には、メインCPU31は、優先引込順位データを「1」加算し(ステップS131)、次に、図45のステップS91の処理を行う。他方、チェック回数が「0」でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS125の処理を行う。
図46を参照して、リール停止制御処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、有効なストップボタン7L,7C,7Rが押されたか否かを判別する(ステップS141)。このとき、有効なストップボタン7L,7C,7Rが押された場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS142の処理を行う。他方、有効なストップボタン7L,7C,7Rが押されていない場合には、メインCPU31は、再び、ステップS141の処理を行う。
ステップS142では、メインCPU31は、有効ストップボタン格納領域の対応ビットをリセットし、作動ストップボタンを決定する。続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタの値を「1」減算する(ステップS143)。
ステップS144では、メインCPU31は、後で図49を参照して説明する滑り駒数決定処理を行う。次に、メインCPU31は、ステップS145の処理を行う。
ステップS145では、メインCPU31は、リール停止コマンドデータをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。リール停止コマンドは、作動ストップボタン、滑り駒数等の情報を含み、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される(後述の図58のステップS294)。これにより、副制御回路72は、停止操作、図柄の変動を自動的に停止する制御等に応じて、演出を行うことができる。続いて、メインCPU31は、図柄カウンタと滑り駒数とに基づいて、停止予定位置を決定し、格納する(ステップS146)。
続いて、メインCPU31は、作動ストップボタンに基づいて検索対象リールを決定し、図柄位置データとして停止予定位置をセットする(ステップS147)。続いて、メインCPU31は、図柄配置テーブルを参照して図柄位置データに基づいて図柄コードを取得し、図柄格納領域に図柄コードを格納する(ステップS148)。続いて、メインCPU31は、ステップS149の処理を行う。
ステップS149では、メインCPU31は、後で図52を参照して説明する制御変更処理を行い、続いて、ステップS150の処理を行う。この処理では、停止予定位置に基づいてラインデータの変更を行うか否かを決定する。ステップS150では、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。このとき、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」である場合には、メインCPU31は、次に、図41のステップS10の処理を行う。他方、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS151の処理を行う。
ステップS151では、メインCPU31は、図45に示す表示役予想格納処理を行い、次に、ステップS141の処理を行う。このように、遊技機1では、次のリール3L,3C,3Rの回転を停止する処理が行われる前に、未だ回転しているリール3L,3C,3Rが停止したときに決定される可能性のある表示役の予想が行われ、各図柄位置について予想された表示役の情報が対応する表示役予想格納領域に格納される。
図49を参照して、滑り駒数決定処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、後で、図50を参照して説明するラインマスクデータテーブル選択処理を行い(ステップS161)、続いて、ステップS162の処理を行う。この処理では、第1停止操作の作動ストップボタンに基づいて順押し時ラインマスクデータテーブル又は変則押し時ラインマスクデータテーブル(図22)を選択する。
ステップS162では、メインCPU31は、ステップS161の処理で選択されセットされたラインマスクデータテーブルを参照して、作動ストップボタンに基づいて、ラインマスクデータを格納する。具体的には、作動ストップボタンが右のストップボタン7Rである場合には、順押し時ラインマスクデータテーブルがセットされているときは「00000010」が格納され、変則押し時ラインマスクデータテーブルがセットされているときは「00001000」が格納される。
続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタが2であるか否か、すなわち、第1停止操作であるか否かを判別する(ステップS163)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS165の処理を行い、他方、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS164の処理を行う。ステップS164では、メインCPU31は、後で図51を参照して説明する第2・第3停止処理を行う。第2停止操作又は第3停止操作に伴う停止予定位置を決定する。
ステップS165では、メインCPU31は、作動ストップボタンが左ストップボタンであるか否か、すなわち、第1停止操作が左のストップボタン7Lであるか否かを判別する。第1停止操作が左のストップボタン7Lである場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS166の処理を行い、他方、第1停止操作が左のストップボタン7L以外である場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS168の処理を行う。
ステップS166では、メインCPU31は、図44のステップS74の処理で取得した順押し時停止テーブル番号に基づいて、順押し時停止テーブルを取得する。続いて、メインCPU31は、取得した順押し時停止テーブルを参照し、図柄カウンタ(図柄位置データ)に基づいて滑り駒数決定データ、停止データテーブル番号を取得する(ステップS167)。
ステップS168では、メインCPU31は、作動ストップボタンが中央のストップボタン7Cであるか否かを判別する。作動ストップボタンが中央のストップボタン7Cである場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS170の処理を行う。他方、作動ストップボタンが中央のストップボタン7Cでない場合、すなわち、第1停止操作が右のストップボタン7Rである場合には、メインCPU31は、続いて、変則押し時停止テーブル番号を1加算し、続いて、ステップS170の処理を行う。このように、第1停止操作が右のストップボタン7Rである場合には、図44のステップS74の処理で取得した変則押し時停止テーブル番号が1加算される。その結果、例えば、図44のステップS74で、「B01」という変則押し時停止テーブル番号が取得されていた場合には「B02」という変則押し時停止テーブル番号がセットされることになる。
ステップS170では、メインCPU31は、変則押し時停止テーブル番号に基づいて、変則押し時停止テーブルを取得する。続いて、メインCPU31は、取得した変則押し時停止テーブルを参照し、図柄カウンタ(図柄位置データ)に基づいて滑り駒数決定データ、停止データテーブル番号を取得する(ステップS171)。続いて、メインCPU31は、後で図53を参照して説明する優先引込制御処理を行い、続いて、図48のステップS145の処理を行う。
図50を参照して、ラインマスクデータテーブル選択処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタが2であるか否か、すなわち、第1停止操作であるか否かを判別する(ステップS181)。第1停止操作である場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS182の処理を行い、他方、第1停止操作でない場合には、メインCPU31は、続いて、図49のステップS162の処理を行う。
ステップS182では、メインCPU31は、作動ストップボタンが左のストップボタン7Lであるか否かを判別する。この判別がYESのとき、すなわち、順押しである場合には、メインCPU31は、続いて、順押し時ラインマスクデータテーブルをセットし、続いて、図49のステップS162の処理を行う。他方、ステップS182の判別がNOのとき、すなわち、変則押しである場合には、メインCPU31は、続いて、変則押し時ラインマスクデータテーブルをセットし、続いて、図49のステップS162の処理を行う。
図51を参照して、第2・第3停止処理について説明する。
初めに、ストップボタン未作動カウンタが0であるか否か、すなわち、第3停止操作であるか第2停止操作であるかを判別する(ステップS191)。この判別がYESのとき、すなわち、第3停止操作であるときは、メインCPU31は、続いて、ステップS192の処理を行う。他方、第2停止操作であるときは、メインCPU31は、続いて、ステップS196の処理を行う。
ステップS192では、メインCPU31は、順押し時ラインマスクデータテーブルがセットされているか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS194の処理を行い、他方、この判別がNOのときは、メインCPU31は、続いて、作動ストップボタンに基づいてラインマスクデータを変更する(ステップS193)。具体的には、第3停止操作の作動ストップボタンが左のストップボタン7Lである場合には、ラインマスクデータを「00000010」に変更し、左のストップボタン7L以外である場合には、ラインマスクデータを「00100000」に変更する。続いて、メインCPU31は、ステップS194の処理を行う。
ステップS194では、メインCPU31は、ライン変更フラグがオンであるか否かを判別する。なお、ライン変更フラグは、後で図52を参照して説明する制御変更処理においてオンにセットされる(図52のステップS206)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ラインマスクデータを右にローテートし、続いて、ステップS196の処理を行う。
ステップS196では、メインCPU31は、ラインマスクデータと図柄位置に対応する停止データとの論理積を取得し、続いて、ステップS197の処理を行う。ステップS197では、取得した論理積が0であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、停止データのアドレス、すなわち、図柄位置を1加算し(ステップS198)、続いて、ステップS196の処理を行う。他方、この判別がNOのとき、すなわち、取得した論理積が0でないときは、メインCPU31は、続いて滑り駒数決定データ変換処理を行い、続いて、図48のステップS145の処理を行う。具体的には、ステップS198の処理で、図柄位置を加算した回数を滑り駒数決定データに変換する。例えば、停止データテーブルが「C01」であり(図23)、ラインマスクデータが「00000010」である場合を参照して、図柄位置「16」で停止操作が行われた場合、図柄位置「16」に対応する停止データは「0」であり、ラインマスクデータとの論理積を取得しても「0」となる。そこで、図柄位置を1加算し図柄位置「17」に対応する停止データとラインマスクデータとの論理積を取得する。図柄位置「17」に対応する停止データは「00000010」であり、ラインマスクデータとの論理積は「0」ではなく、「00000010」となる。この場合において、図柄位置を1加算した回数は1回であるため、滑り駒数決定データが「1」となる。
図52を参照して、制御変更処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタが1であるか否か、すなわち、第2停止操作であるか否かを判別する(ステップS201)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS202の処理を行い、他方、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS208の処理を行う。
ステップS202では、メインCPU31は、順押し時ラインマスクデータテーブルがセットされているか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ラインマスクデータを左にローテートしたデータと停止予定位置に対応する停止データとの論理積を取得し(ステップS203)、続いて、ステップS205の処理を行う。他方、ステップS202の判別がNOのときは、メインCPU31は、続いて、ラインマスクデータを右にローテートしたデータと停止予定位置に対応する停止データとの論理積を取得し(ステップS204)、続いて、ステップS205の処理を行う。
ステップS205では、メインCPU31は、取得した論理積が「0」であるか否かを判別する。すなわち、メインCPU31は、ライン変更ビットが「1」であるか否かを判別している。具体的には、停止データテーブルが「C03」であり、ラインマスクデータが「00010000」であり、停止予定位置が「17」である場合を参照する(図25)。停止予定位置「17」に対応する停止データは「00110000」である。また、ラインマスクデータを左にローテートすると「00100000」となる。そこで、これらの論理積を取得すると「00100000」となる。このように、論理積が「0」でない場合には、ライン変更ビットが「1」であると判別し、他方、論理積が「0」である場合には、ライン変更ビットが「0」であると判別する。ステップS205の判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS207の処理を行い、他方、NOのときは、すなわち、ライン変更ビットが「1」であるときは、メインCPU31は、続いて、ライン変更フラグをオンにセットし、続いて、図48のステップS150の処理を行う。
ステップS207では、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタが0であるか否か、すなわち、第3停止操作であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS208の処理を行い、他方、NOのときは、メインCPU31は、続いて、図48のステップS150の処理を行う。ステップS208では、メインCPU31は、ライン変更フラグがオンであるか否かを判別し、オンである場合には、続いて、ライン変更フラグをオフにセットし、続いて、図48のステップS150の処理を行う。他方、ライン変更フラグがオフである場合には、メインCPU31は、続いて、図48のステップS150の処理を行う。
図53を参照して、メインCPU31が滑り駒数を決定する処理の手順を示した優先引込制御処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、優先順序テーブルの先頭アドレスをセットし、停止データ用滑り駒数に基づいてアドレスを補正する(ステップS211)。続いて、メインCPU31は、取得している滑り駒数決定データを滑り駒数としてセットし、続いて、ステップS213の処理を行う。ステップS213では、優先順序の初期値として「5」をセットし、チェック回数として「5」をセットする。続いて、メインCPU31は、ステップS214の処理を行う。
ステップS214では、メインCPU31は、MB遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS215の処理を行い、他方、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS217の処理を行う。ステップS215では、メインCPU31は、作動ストップボタンが左のストップボタン7Lであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、優先順序の初期値を「2」に変更し、チェック回数を「2」に変更し(ステップS216)、続いて、ステップS217の処理を行う。他方、ステップS215の判別がNOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS217の処理を行う。
ステップS217では、メインCPU31は、現在の優先順序に応じた滑り駒数を取得する。続いて、メインCPU31は、停止開始時予想アドレスに滑り駒数を加算し、引込優先順位データを取得する(ステップS218)。続いて、メインCPU31は、先に取得した引込優先順位データ以上であるか否かを判別する(ステップS219)。このとき、先に取得した引込優先順位データ以上である場合には、メインCPU31は、滑り駒数を更新し(ステップS220)、続いて、ステップS221の処理を行う。他方、先に取得した引込優先順位データ未満である場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS221の処理を行う。
ステップS221では、メインCPU31は、チェック回数を「1」減算し、優先順序を「1」減算する。続いて、メインCPU31は、チェック回数が「0」であるか否かを判別する(ステップS222)。このとき、チェック回数が「0」である場合には、メインCPU31は、滑り駒数をセットし(ステップS223)、次に、図48のステップS145の処理を行う。他方、チェック回数が「0」でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS217の処理を行う。
このように、優先引込制御処理では、メインCPU31は、複数の種類の滑り駒数の中から、より優先順位の高い引込みを行うべき内部当籤役に係る図柄の組合せが表示される滑り駒数を決定する。
図54を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(ステップS231)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS232の処理を行い、他の、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS237の処理を行う。ステップS232では、メインCPU31は、BB遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する。BB遊技状態フラグがオンである場合には、メインCPU31は、BB終了時処理を行い、続いて、ステップS234の処理を行う。なお、BB終了時処理では、まず、メインCPU31は、BB遊技状態フラグ及びRB遊技状態フラグをオフにセットする処理を行う。他方、BB遊技状態フラグがオンでない場合には、メインCPU31は、続いて、MB終了時処理を行い、続いて、ステップS236の処理を行う。なお、MB終了時処理では、まず、メインCPU31は、MB遊技状態フラグをオフにセットする処理を行う。
ステップS234では、メインCPU31は、RT1遊技状態フラグをオンにセットし、RT遊技数カウンタに33をセットする。続いて、メインCPU31は、ボーナス終了時コマンドデータをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する(ステップS236)。ボーナス終了コマンドは、終了したボーナスの種別等の情報を含み、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される(後述の図58のステップS294)。続いて、メインCPU31は、図41のステップS18の処理を行う。
ステップS237では、メインCPU31は、BB遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS238の処理を行い、他方、NOのときは、メインCPU31は、続いて、図41のステップS18の処理を行う。ステップS238では、メインCPU31は、入賞回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタを1減算し、続いて、ステップS239の処理を行う。
ステップS239では、メインCPU31は、入賞回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタが0であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、RB遊技状態フラグをオフにセットするRB終了時処理を行い、続いて、図41のステップS18の処理を行う。他方、ステップS239の判別がNOのときは、メインCPU31は、続いて、図41のステップS18の処理を行う。
図55を参照して、RT遊技数カウンタ更新処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、RT1遊技状態フラグ〜RT4遊技状態フラグの何れかがオンであるか否かを判別する(ステップS251)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS252の処理を行い、他方、NOのときは、メインCPU31は、続いて、図41のステップS18の処理を行う。
ステップS252では、メインCPU31は、RT遊技数カウンタを1減算し、続いて、ステップS253の処理を行う。ステップS253では、メインCPU31は、RT遊技数カウンタが0であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、RT1遊技状態フラグ〜RT4遊技状態フラグをオフにセットし(ステップS254)、続いて、図41のステップS18の処理を行う。他方、ステップS254の判別がNOのときは、メインCPU31は、続いて、図41のステップS18の処理を行う。
図56を参照して、決定された表示役の種別等に基づいてメインCPU31がボーナスゲームを作動する処理の手順を示したボーナス作動チェック処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、BB遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS261)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS262の処理を行い、他方、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS264の処理を行う。ステップS262では、メインCPU31は、RB遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する。このときRB遊技状態フラグがオンである場合には、メインCPU31は、続いて、図41のステップS2の処理を行う。他方、RB遊技状態フラグがオンでない場合には、メインCPU31は、続いて、ボーナス作動時テーブルに基づいてRB作動時処理を行う(ステップS263)。具体的には、メインCPU31は、遊技状態フラグ格納領域にRB遊技状態フラグを格納し、入賞可能回数カウンタに「8」を格納し、遊技可能回数カウンタに「8」を格納する。続いて、メインCPU31は、図41のステップS2の処理を行う。
ステップS264では、メインCPU31は、表示役がBB1〜BB3の何れかであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ボーナス作動時テーブルに基づいて、BB作動時処理を行う(ステップS265)。具体的には、遊技状態フラグ格納領域にBB遊技状態フラグ及びRB遊技状態フラグを格納し、ボーナス終了枚数カウンタに「348」を格納する。続いて、メインCPU31は、ステップS268の処理を行う。他方、ステップS264の判別がNOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS266の処理を行う。
ステップS266では、メインCPU31は、表示役がMBであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ボーナス作動時テーブルに基づいてMB作動時処理を行う(ステップS267)。具体的には、遊技状態フラグ格納領域にMB遊技状態フラグを格納し、ボーナス終了枚数カウンタに「104」を格納する。続いて、メインCPU31は、ステップS268の処理を行う。他方、ステップS266の判別がNOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS271の処理を行う。
ステップS268では、メインCPU31は、持越役格納領域をクリアし、続いて、RT5遊技状態フラグをオフにセットする(ステップS269)。続いて、メインCPU31は、ボーナス開始コマンドデータをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する(ステップS270)。ボーナス開始コマンドは、開始したボーナスの種別等の情報を含み、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される(後述の図58のステップS294)。続いて、メインCPU31は、図41のステップS2の処理を行う。
ステップS271では、メインCPU31は、表示役がリプレイ1,2,特殊リプレイ1〜3の何れかであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、投入枚数カウンタを自動投入枚数カウンタに複写し(ステップS272)、続いて、ステップS273の処理を行う。他方、ステップS271の判別がNOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS273の処理を行う。
ステップS273では、メインCPU31は、RT2遊技状態フラグ〜RT5遊技状態フラグの何れかがオンであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、図41のステップS2の処理を行い、他方、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS274の処理を行う。ステップS274では、メインCPU31は、後で図57を参照して説明するRT作動チェック処理を行い、続いて、図41のステップS2の処理を行う。この処理では、メインCPU31は、RT作動図柄1、RT作動図柄2、又は特殊リプレイに基づいてRT遊技状態を作動する。なお、ステップS273の判別を行うのは、RT2遊技状態フラグ〜RT5遊技状態フラグの何れかがオンである場合には、RT作動図柄1、RT作動図柄2、又は特殊リプレイに基づくRT遊技状態の作動が行われないためである。
図57を参照して、RT作動チェック処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、表示役が特殊リプレイ1〜3の何れかであるか否かを判別する(ステップS281)。このとき、表示役が特殊リプレイ1〜3の何れかである場合には、メインCPU31は、続いて、RT2遊技状態フラグをオンにセットし、RT遊技数カウンタに20をセットし(ステップS282)、続いて、図41のステップS2の処理を行う。なお、RT1遊技状態フラグがオンである場合には、メインCPU31は、RT1遊技状態フラグをオフにする。
他方、表示役が特殊リプレイ1〜3の何れでもない場合には、メインCPU31は、続いて、表示役がRT作動図柄1であるか否かを判別する(ステップS283)。このとき、表示役がRT作動図柄1である場合には、メインCPU31は、続いて、RT3遊技状態フラグをオンにセットし、RT遊技数カウンタに20をセットし(ステップS284)、続いて、図41のステップS2の処理を行う。なお、RT1遊技状態フラグがオンである場合には、メインCPU31は、RT1遊技状態フラグをオフにする。
他方、表示役がRT作動図柄1でない場合には、メインCPU31は、続いて、表示役がRT作動図柄2であるか否かを判別する(ステップS285)。このとき、表示役がRT作動図柄2である場合には、メインCPU31は、続いて、RT4遊技状態フラグをオンにセットし、RT遊技数カウンタに1200をセットし、続いて、図41のステップS2の処理を行う。他方、表示役がRT作動図柄2でない場合には、メインCPU31は、続いて、図41のステップS2の処理を行う。なお、RT1遊技状態フラグがオンである場合には、メインCPU31は、RT1遊技状態フラグをオフにする。
図58を参照して、メインCPU31が所定の時間(例えば、1.1173ms)毎に実行する割込の処理の手順を示したメインCPU31の制御による割込処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、レジスタの退避を行う(ステップS291)。続いて、メインCPU31は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS292)。この処理では、メインCPU31は、マイクロコンピュータ30へ送信される信号の有無を確認する。例えば、メインCPU31は、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7LS,7CS,7RS等のオンエッジ、オフエッジを割込処理毎に格納する。
続いて、メインCPU31は、オンエッジタイマ更新処理を行う(ステップS293)。この処理では、例えば、入力ポートチェック処理において、第3停止操作の作動ストップボタンに対応するストップスイッチがオンエッジとなっていれば、オンエッジタイマを更新する。なお、オンエッジタイマが更新されると、メインRAM33の通信データ格納領域に格納されたコマンドも更新される。具体的には、格納されたコマンドにオンエッジタイマの値が格納される。
続いて、メインCPU31は、通信データ送信処理を行う(ステップS294)。この処理では、通信データ格納領域に格納されたコマンドを副制御回路72へ送信する。続いて、メインCPU31は、リール制御処理を行う(ステップS295)。例えば、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転を制御する。より詳細には、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転を開始する旨の要求、すなわち、開始操作に応じて、リール3L,3C,3Rの回転を開始するとともに、一定の速度でリール3L,3C,3Rが回転するように制御を行う。また、停止操作に応じて、停止操作に対応するリール3L,3C,3Rの回転が停止するように制御を行う。
続いて、メインCPU31は、ランプ・7SEG駆動処理を行う。例えば、メインCPU31は、クレジットされているメダルの数、払出枚数等を表示部16,18,19に表示する。続いて、メインCPU31は、レジスタの復帰を行い(ステップS297)、定期的に発生する割込の処理を終了する。
図59〜図96を参照し、遊技機1に設けられた副制御回路72の回路構成、この副制御回路72に格納されるテーブル群、並びに副制御回路72による液晶表示装置131、スピーカ9L,9R、LED類101及びランプ類102の処理動作について説明する。
図59は、副制御回路72の構成を示すブロック図である。副制御回路72は、映像、音、光、あるいはこれらを組合せた遊技に関する演出の制御を行うものであり、内部当籤役の決定やリールの制御等一連の遊技の進行を制御する主制御回路71とは各々別の回路基板上に構成されている。
主制御回路71と副制御回路72とは、ハーネス等により電気的に接続されており、副制御回路72は、主制御回路71から送信された各種コマンド(後述のスタートコマンド等)に基づいて、演出内容の決定や実行等の各種処理を行う。このように、主制御回路71と副制御回路72との間の通信は、主制御回路71から副制御回路72への一方向で行われ、副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはない。
副制御回路72は、サブCPU81、サブROM82、サブRAM83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85(フレームバッファ86を含む)、ドライバ87、DSP88、オーディオRAM89、D/A変換器90、及びアンプ91を含んで構成される。
サブCPU81は、主制御回路71から送信された各種コマンドに基づいて、サブROM82内に記憶された制御用プログラム等にしたがい、映像、音、光の出力を制御する。なお、副制御回路72は、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、サブCPU81の制御用プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。
サブROM82は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、後述の図78〜図96に示すサブCPU制御プログラムが記憶される。具体的には、オペレーティングシステム、デバイスドライバ、主制御回路71との通信を制御するための主基板通信タスク、LED類101やランプ類102による光の出力を制御するためのランプ制御タスク、スピーカ9L,9Rによる音の出力を制御するためのサウンド制御タスク、液晶表示装置131での映像の表示を制御するための描画タスク等が含まれている。
データ記憶領域には、各種テーブルが記憶されるテーブル記憶領域、キャラクタオブジェクトデータといったアニメーションデータ等が記憶される描画制御データ記憶領域、アニメーションデータに基づく映像サウンドやスタートレバー6等の操作音といった音データ等が記憶される音声制御データ記憶領域、光の点灯パターン等が記憶されるLED・ランプ制御データ記憶領域等によって構成される。
また、サブRAM83は、サブCPU81が制御用プログラムを実行する場合の、作業用の一時記憶手段として構成される。なお、サブRAM83には、メインRAM33に設けたワークエリア及び格納領域と同様のワークエリア及び格納領域が設けられている。そのため、副制御回路72でも内部当籤役、表示役(停止表示された図柄)、持越役、遊技状態等を判別できる。また、RT遊技数格納領域(後述のCZカウンタ、高RTカウンタ、低RTカウンタ等)も設けられ、副制御回路72でも残りのRT遊技数を判別できる。さらに、サブRAM83には、演出状態を判別するための演出状態格納領域も設けられ、副制御回路72では、現在の演出状態を判別することができる(後述の図60の(2))。
レンダリングプロセッサ84は、サブCPU81と接続されており、サブCPU81により出力されるコマンドに基づき、サブCPU81によって決定された演出内容に応じた映像を生成する。レンダリングプロセッサ84が行うタスクに必要なデータは起動時に描画用RAM85に展開される。生成された映像は、ドライバ87を介して液晶表示装置131によって表示される。
DSP88は、サブCPU81と接続されており、サブCPU81により出力されるコマンドに基づいてサウンドデータ(スピーカ9L,9Rから音を出力するためのデータ)を決定する。ここで決定したサウンドデータは、オーディオRAM89に設けられたサウンド格納領域に格納される。
D/A変換器90は、DSP88と接続されており、デジタルデータとしてサウンド格納領域に格納されているサウンドデータをアナログとしての音声に変換する。アンプ91は増幅器であり、D/A変換器90によってアナログに変換された音声を増幅し、増幅した音声をスピーカ9L,9R等から出力させる。
また、サブCPU81には、LED類101及びランプ類102が接続されており、サブCPU81により送信される出力信号に基づいて光が出力される。
また、サブCPU81には、操作部17が接続されている。実施例では、操作部17が操作されることに応じて、液晶表示装置131に遊技履歴等の情報が表示されるようになっている。
図60を参照して、副制御回路72が管理するRT状態及び演出状態について説明する。
図60の(1)は、RT状態の一覧を示す図である。副制御回路72のサブRAM83には、主制御回路71のメインRAM33と同様に、遊技状態フラグ格納領域が設けられている。これにより、副制御回路72においてもRT状態を管理できるようにしている。なお、副制御回路72が管理するRT状態は、主制御回路71が管理するRT状態と一対一で対応する。
図60の(2)は、演出状態の一覧を示す図である。副制御回路72は液晶表示装置131において行われる演出を制御する演出制御手段としての機能を有するものであり、実施例では、副制御回路72が独自に演出状態を管理できるようにしている。演出状態は、サブRAM83に設けられた演出状態フラグ格納領域(図示せず)に基づき判別される。演出状態は、基本的には、RT状態と対応しているが、RT4遊技状態(低RT)では、後述するモードによって、「通常中」と「高確中」とが設けられている。また、RT2・3遊技状態(高RT(リプ)・高RT(3チェ))においても、後述するAT抽籤状態によって、「AT(低)中」と「AT(高)中」とが設けられている。また、一般遊技状態(SCZ)においても、移行前のRT状態によって、「SCZ中」と「天井中」とが設けられている。なお、RT5遊技状態(フラグ間)では、対応する演出状態を設けず、RT5遊技状態(フラグ間)に移行する前の演出状態に基づいて演出が行われることになる。
図61を参照して、低RT作動時モード移行抽籤テーブルについて説明する。低RT作動時モード移行抽籤テーブルは、RT状態が、CZ又はSCZから低RTに移行した際(すなわち、RT作動図柄2に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示された際)に参照される(後述の図93のステップS494)。
低RT作動時モード移行抽籤テーブルは、設定値毎に移行先モードについての抽籤値の情報を規定している。低RT作動時モード移行抽籤テーブルによると、設定値が高いほど移行先モードとして「高確モード」が決定される確率が高くなる。なお、詳しくは後述するが、移行先モードが「高確モード」である場合には「通常モード」である場合に比べて有利となる。
図62を参照して、通常モード時モード移行抽籤テーブルについて説明する。通常モード時モード移行抽籤テーブルは、演出状態が「通常中」である場合(RT状態が低RTでモードが通常モードである場合)に参照される(後述の図82のステップS352)。通常モード時モード移行抽籤テーブルは、内部当籤役に対応する移行先モードについての抽籤値の情報を、設定値毎に規定している。通常モード時モード移行抽籤テーブルによると、設定値が高いほど通常モードから高確モードへ移行しやすい。
図63を参照して、高確遊技数初期抽籤テーブルについて説明する。高確遊技数初期抽籤テーブルは、演出状態が「高確中」(RT状態が低RTでモードが高確モード)に移行した際に参照される(後述の図86のステップS411)。高確遊技数初期抽籤テーブルは、高確遊技数カウンタ加算値についての抽籤値の情報を規定している。なお、「高確遊技数カウンタ」は、演出状態が高確中であることが可能な遊技数を計数するカウンタであり、サブRAM83の所定領域に設けられている。
演出状態が高確中に移行すると、高確遊技数初期抽籤テーブルに基づいて高確遊技数カウンタ加算値が決定され、決定された値が高確遊技数カウンタに加算される。そして、単位遊技毎に高確遊技数カウンタの値が減算され、高確再遊技数カウンタの値が0になると、(通常モードをセットすることにより)演出状態が通常中に移行する(後述の図87のステップS433〜ステップS436)。
図64を参照して、高確モード時高確遊技数上乗せ抽籤テーブルについて説明する。高確モード時高確遊技数上乗せ抽籤テーブルは、演出状態が「高確中」である場合の単位遊技毎に参照される(後述の図82のステップS356)。高確モード時高確遊技数上乗せ抽籤テーブルは、内部当籤役に対応する高確遊技数カウンタ加算値についての抽籤値の情報を規定している。
図65を参照して、ボーナス当籤時モード移行抽籤テーブルについて説明する。ボーナス当籤時モード移行抽籤テーブルは、RT状態がフラグ間に移行した際に参照される(後述の図85のステップS401)。ボーナス当籤時モード移行抽籤テーブルは、現在のモード及び当籤したボーナスの種別に対応する移行先モードについての抽籤値の情報を、設定値毎に規定している。ボーナス当籤時モード移行抽籤テーブルによると、現在のモードが高確モードである場合には、設定値が低いほど、高確モードへ移行しやすく、設定値が高くなるにつれ、高確モードへ移行しにくい。
図66及び図67を参照して、ボーナス当籤時AT遊技数抽籤テーブルについて説明する。ボーナス当籤時AT遊技数抽籤テーブルは、RT状態がフラグ間に移行した際に参照される(後述の図85のステップS403、ステップS404)。図66は、当籤したボーナスがBB1〜BB3の何れかである場合に参照されるBB当籤時AT遊技数抽籤テーブルであり、図67は、当籤したボーナスがMBである場合に参照されるMB当籤時AT遊技数抽籤テーブルである。
ボーナス当籤時AT遊技数抽籤テーブルは、演出状態に対応するAT遊技数カウンタ加算値についての抽籤値の情報を設定値毎に規定している。「AT遊技数カウンタ」は、RT作動図柄2に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示されることを回避するための報知(アシスト報知)を受けることができる遊技数を計数するカウンタであり、サブRAM83の所定領域に設けられている。なお、アシスト報知とは、具体的には、内部当籤役として決定されている単チェリーを報知することをいう。「AT遊技数カウンタ」は、CZ又はSCZにおいて単位遊技毎に減算され、CZ又はSCZではAT遊技数カウンタが0になるまで係る報知が行われる(後述の図80のステップS335、後述の図81のステップS345)。
図68を参照して、高RT作動時AT抽籤状態抽籤テーブルについて説明する。高RT作動時AT抽籤状態抽籤テーブルは、RT状態が高RT(リプ)又は高RT(3チェ)に移行した際(すなわち、特殊リプレイ1〜3又はRT作動図柄1に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示された際)に参照される(後述の図92のステップS483)。高RT作動時AT抽籤状態抽籤テーブルは、現在のモード毎に作動RT種別に対応するAT抽籤状態についての抽籤値の情報を規定している。
「AT抽籤状態」は、AT遊技数の上乗せを行う際に用いられる情報であり、「低確率」と「高確率」とが設けられている。ここで、AT遊技数の上乗せは、RT状態が高RT(リプ)又は高RT(3チェ)である場合の単位遊技毎に行われる。高RT(リプ)又は高RT(3チェ)においてAT遊技数の上乗せが行われると、RT状態が高RT(リプ)又は高RT(3チェ)からSCZに移行した後においても、RT作動図柄2に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って表示されることを回避することが可能となる。その結果、リプレイが内部当籤役として決定される確率が高いという遊技者にとって有利な遊技状態が連鎖することになり、遊技の興趣を向上することができる。
図69を参照して、高RT作動中AT遊技数上乗せ抽籤テーブルについて説明する。高RT作動中AT遊技数上乗せ抽籤テーブルは、RT状態が高RT(リプ)又は高RT(3チェ)である場合の単位遊技毎に参照される(後述の図81のステップS348)。高RT作動中AT遊技数上乗せ抽籤テーブルは、AT抽籤状態毎に内部当籤役に対応するAT遊技数カウンタ加算値についての抽籤値の情報を規定している。
高RT作動中AT遊技数上乗せ抽籤テーブルを参照する。AT遊技数の上乗せは、AT抽籤状態が「高確率」である場合の方が「低確率」である場合よりも、多く行われる。すなわち、AT抽籤状態が「高確率」である場合にはAT抽籤状態が「低確率」である場合よりも内部当籤役に対応するAT遊技数カウンタ加算値についての期待値が高い。より具体的には、例えば、内部当籤役が小役・リプレイ用データポインタ「0」である場合を参照して、AT抽籤状態が「低確率」である場合には、AT遊技数カウンタ加算値の期待値は88.5(=(100+77)/2)となる。他方、AT抽籤状態が「高確率」である場合には、AT遊技数カウンタ加算値の期待値は100となる。そのため、RT状態が高RT(リプ)又は高RT(3チェ)であり内部当籤役が小役・リプレイ用データポインタ「0」(ハズレ)である場合には、AT抽籤状態が「低確率」であるときは、RT状態がSCZに移行した後において更に88.5ゲームの間アシスト報知を受けることができ、他方、AT抽籤状態が「高確率」であるときは、RT状態がSCZに移行した後において更に100ゲームの間アシスト報知を受けることができる。なお、その他の小役・リプレイ用データポインタについても同様に、AT抽籤状態が「高確率」である場合の方が「低確率」である場合よりも、内部当籤役に対応するAT遊技数カウンタについての期待値が高い。
再び、図68の高RT作動時AT抽籤状態抽籤テーブルを参照する。RT状態が高RT(リプ)に移行した場合(すなわち、作動RT種別が高RT(リプ)である場合)と、RT状態が高RT(3チェ)に移行した場合(すなわち、作動RT種別が高RT(3チェ)である場合)と、では、AT抽籤状態についての抽籤値の情報が異なる。そのため、作動RT種別によって、その後の高RT(リプ)又は高RT(3チェ)においてAT遊技数の上乗せの行われやすさ(AT遊技数の期待値)が異なることになり、その結果、RT状態が高RT(リプ)又は高RT(3チェ)からSCZに移行した後の遊技における遊技性が異なることになる。すなわち、RT状態がSCZに移行した後の遊技において、アシスト報知を受けることができる遊技数についての期待値が作動RT種別により異なることになる。ここで、高RT(リプ)と高RT(3チェ)とでは、継続する遊技数が同一であり、また、リプレイが内部当籤役として決定される確率が同一である(図11の(2)のRT2・3遊技状態用内部抽籤テーブル参照)。したがって、遊技性を異ならせるにあたり内部抽籤テーブルを増やす必要がなく、データ量を抑えつつ遊技性を多様化させることができる。
また、AT抽籤状態についての抽籤値の情報は、作動RT種別だけでなくモードによっても異なる。具体的には、高確モードである場合は通常モードである場合よりもAT抽籤状態が高確率と決定されやすい。すなわち、例えば、作動RT種別が高RT(リプ)である場合を参照して、モードが通常モードである場合にはAT抽籤状態として低確率が決定されやすく、他方、モードが高確モードである場合にはAT抽籤状態として高確率が決定されやすい。そのため、高確モードを通常モードよりも有利な状態とすることができ、作動RT種別が同一であっても、モードによって決定されるAT抽籤状態を異ならせることが可能となり、さらに遊技性を多様化させることができる。
ここで、モードは内部当籤役としてRT状態がフラグ間に移行した場合等に移行する可能性がある。この点について、図65のボーナス当籤時モード移行抽籤テーブルを参照すると、現在のモードが高確モードである場合には、移行先のモードが決定される確率は設定値によって異なる。すなわち、現在のモードが高確モードである場合には、設定値が低いほど、高確モードへ移行しやすく、設定値が高くなるにつれ、高確モードへ移行しにくい。そのため、設定値が低い場合には、一度有利な高確モードに移行するとこの有利な高確モードが継続しやすくなり、遊技者の期待感を高めることができる。
図70を参照して、メーター表示選択テーブルについて説明する。メーター表示選択テーブルは、単位遊技毎に参照される(後述の図89のステップS453)。メーター表示選択テーブルは、ステージに対応するメーター表示データについての情報を規定している。
「ステージ」は演出状態毎に設けられ、演出状態がCZ中、SCZ中、AT(低)中、AT(高)中、及び天井中である場合には、固有のステージ(演出状態と一対一で対応するステージ)が設けられ、演出状態が変更されるとそれに伴いステージがセットされる。また、演出状態が通常中(モードは通常モード)及び高確中(モードは高確モード)である場合には、主演出領域251における演出の背景が現代都市の「摩天楼ステージ」、主演出領域251における演出の背景が旧市街の「ヨーロピアンステージ」、主演出領域251における演出の背景が自然物の「ウェスタンステージ」、主演出領域251においてキャラクタが地図上を移動する「MAPステージ」、及び主演出領域251においてキャラクタが道を走行する「走行ステージ」の5つのステージが設けられ、これら5つのステージから1のステージが選択される。1のステージの選択は、内部当籤役と現在の演出状態(すなわち、現在のモード)とに基づいて行われる。そのため、これら5つのステージでは、モードが高確中であるか否かについての期待度がそれぞれ異なる。例えば、「走行ステージ」はモードが高確中である場合にしか選択されないステージである。
ここで、第3従演出領域254では、スピードメーター等の車のメーターが表示され、表示されたメーターに基づいて演出(メーター演出)が行われる。「メーター表示データ」は、第3従演出領域254に表示されるメーターの種別を決定するためのデータである。例えば、BB中又はMB中、すなわち、ボーナスゲーム中では、他の演出状態では決定されることのないメーター表示データ「8」が決定される。これにより、遊技者は、第3従演出領域254に表示されたメーターの種別に基づいて、現在の演出状態及び現在のステージを把握することができる。
なお、実施例では、メーター表示データとして図70に示した「1」〜「8」の他に、メーター表示データ「9」を設けている。ここで、メーター表示データ「9」は、現在の演出状態及び現在のステージと関係なく、特定の条件を満たすことにより決定されるものであるが、詳しくは後述する。
図71を参照して、メーター演出抽籤テーブルについて説明する。メーター演出抽籤テーブルは、特殊演出データがセットされていない場合に参照される(後述の図89のステップS456)。なお、特殊演出には、例えば、後述の特殊演出(バトル)や特殊演出(ルーレット)が含まれる。
メーター演出抽籤テーブルは、内部当籤役に対応する「演出No.」についての抽籤値の情報を、演出状態毎に規定している。「演出NO.」は、第3従演出領域254で行われる演出を規定する情報であり、遊技者の操作に対応する内容を規定している。すなわち、第3従演出領域254で行われるメーター演出は、遊技者の開始操作(スタートレバー6に対する操作)や停止操作(ストップボタン7L,7C,7Rに対する操作)といった遊技者の操作に連動して行われる演出であるといえる。
図72を参照して、ボーナステンパイデータについて説明する。ボーナステンパイデータは、第2停止操作が行われた時点で、有効ラインに沿ってボーナスに対応する図柄組合せを構成する図柄が表示されているか否かを判別する際に参照される(後述の図90のステップS463)。言い換えると、第2停止操作が行われた時点で、ボーナスに対応する図柄組合せがテンパイしているか否かを判別する際に参照される。
ボーナステンパイデータはボーナスの種別毎にテンパイとなり得る停止位置についての情報を規定している。なお、「停止位置」とは、中段の図柄停止位置に表示された図柄をいい、例えば、左リール3Lの停止位置「1」とは、中段の図柄停止位置に図柄位置「1」の赤7が表示されていることを意味する(図5参照)。このようなボーナステンパイデータを設けることにより、副制御回路72は、第2停止操作が行われた時点で、ボーナスに対応する図柄組合せが入賞ライン(有効ライン)に沿ってテンパイしているかを判別することができる。なお、第2停止操作が行われた時点でボーナスに対応する図柄組合せがテンパイしているか否かを主制御回路71が判別し、その判別結果をリール停止コマンドに含ませることとしてもよい。
図73を参照して、特殊テンパイ音選択テーブルについて説明する。特殊テンパイ音選択テーブルは、高確モードにおいて、ボーナステンパイデータと内部当籤役とが一致する場合に参照される(後述の図90のステップS466)。すなわち、ボーナステンパイデータを参照してテンパイしていると判別されたボーナスが内部当籤役として決定されている場合に参照される。
特殊テンパイ音選択テーブルは、ボーナス種別に対応するテンパイ音についての抽籤値の情報を規定している。テンパイ音は、第2停止操作が行われた時点で、ボーナスに対応する図柄組合せがテンパイしている際にスピーカ9L,9Rから出力される音であり、実施例では、通常テンパイ音、特殊テンパイ音1、特殊テンパイ音2、特殊テンパイ音3、及び特殊テンパイ音4が設けられている。
「通常テンパイ音」は、ボーナスの種別に関わらず決定されることがあり、「特殊テンパイ音1」は、ボーナスの種別がBB1である場合にのみ決定されることがある。同様に、「特殊テンパイ音2」はボーナスの種別がBB2である場合にのみ決定されることがあり、「特殊テンパイ音3」は、ボーナスの種別がBB3である場合にのみ決定されることがあり、「特殊テンパイ音4」は、ボーナスの種別がMBである場合にのみ決定されることがある。
なお、特殊テンパイ音選択テーブルは、高確モードにおいてのみ参照され、通常モードでは参照されない。実施例では、通常モードでボーナスに対応する図柄組合せがテンパイした場合には、ボーナスの種別に関わらず、常に「通常テンパイ音」が決定されることとしている。すなわち、通常モードでは、「特殊テンパイ音1」〜「特殊テンパイ音4」が決定されることはない。
これにより、遊技者にとってみれば、「特殊テンパイ音1」〜「特殊テンパイ音4」が出音されることによりボーナスの種別が把握できるとともに、モードが高確モードであることを把握できる。ここで、実施例では、高確モードである場合には通常モードである場合に比べ有利なAT抽籤状態が決定されやすくすることにより、高確モードを通常モードよりも有利な状態としている。そのため、遊技者は、「特殊テンパイ音1」〜「特殊テンパイ音4」が出音された場合には、容易にボーナスを表示役として成立させることができるとともに、その後の遊技について期待をもって行うことになり、興趣の向上を図ることができる。
図74を参照して、特殊演出(バトル)データテーブルについて説明する。特殊演出(バトル)データテーブルは、「演出No.」に対応する特殊演出(バトル)の演出内容を規定している。図示は省略しているが、「演出No.」は演出状態や内部当籤役に基づいて所定確率で抽籤される。なお、特殊演出(バトル)は、主演出領域251において、遊技者の操作に連動して行われる演出であり、ボーナスが内部当籤役として決定されているか否かを報知する演出である。例えば、第3停止操作時(オンエッジ)の内容がLOSE以外である場合には、ボーナスが内部当籤役として決定されていることになる。
図75〜図77を参照して、特殊演出(ルーレット)データテーブルについて説明する。図75は、特殊演出(ルーレット)データテーブル(非フラグ間)であり、内部当籤役としてボーナスが決定されていない場合に参照される。図76は、特殊演出(ルーレット)データテーブル(MBフラグ間)であり、内部当籤役としてMBが決定されている場合に参照される。図77は、特殊演出(ルーレット)データテーブル(BBフラグ間)であり、内部当籤役としてBBが決定されている場合に参照される。
特殊演出(ルーレット)データテーブルは、内部当籤役に対応する「演出No.」についての抽籤値の情報を規定している。なお、図示は省略しているが、特殊演出(ルーレット)データテーブルは、演出状態毎に設けられている。すなわち、同じ内部当籤役であっても、演出状態によって「演出No.」が決定される確率が異なる。
「演出No.」は、特殊演出(ルーレット)の演出内容を規定している。ここで、特殊演出(ルーレット)の演出内容は、再始動出目及び終了出目からなる。第3停止操作が行われ図柄表示領域21L,21C,21Rの全てに図柄が停止表示されると、リール3L,3C,3Rの前面に位置する第1従演出領域252に図柄が変動する画像が表示される。「再始動出目」とは、変動する画像表示が所定のタイミングで自動的に停止した際に第1従演出領域252に画像表示される図柄から構成される出目である。また、再始動出目が表示されると、第1従演出領域252に画像表示された再始動出目を構成する図柄は変動を開始する。「停止出目」とは、この変動(再始動)が所定のタイミングで自動的に停止した際に、第1従演出領域252に画像表示される図柄から構成される出目である。
なお、特殊演出(ルーレット)は、第1従演出領域252においてボーナスが内部当籤役として決定されているか否かを報知する演出である。例えば、「V−V−V」が一直線に表示される終了出目である場合や、終了出目が「リーチ目」を構成する出目である場合には、ボーナスが内部当籤役として決定されていることになる。
図78〜図96に示すフローチャートを参照して、副制御回路72の動作について説明する。
図78を参照して、主制御回路71を構成するメインCPU31からのコマンドを受信したことに応じて副制御回路72を構成するサブCPU81が行う一連の処理の手順を示した主基板通信タスクについて説明する。
初めに、サブCPU81は、コマンドの受信のチェックを行う(ステップS301)。続いて、サブCPU81は、コマンドの種別を抽出する(ステップS302)。続いて、サブCPU81は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS303)。このとき、前回とは異なるコマンドを受信した場合には、サブCPU81は、メッセージキューにメッセージを格納し(ステップS304)、続いて、ステップS301の処理を行う。他方、前回と同じコマンドを受信した場合には、サブCPU81は、再び、ステップS301の処理を行う。
図79を参照して、メッセージの受信を契機として、サブCPU81が演出を行うためのデータを登録する処理の手順を示した演出登録タスクについて説明する。
初めに、サブCPU81は、メッセージキューからメッセージを取り出す(ステップS311)。続いて、サブCPU81は、メッセージがあるか否かを判別する(ステップS312)。このとき、メッセージがある場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS313の処理を行う。他方、メッセージがない場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS315の処理を行う。
ステップS313では、サブCPU81は、メッセージから遊技情報を複写する。続いて、サブCPU81は、後で図80〜図84を参照して説明する演出内容決定処理を行う(ステップS314)。続いて、サブCPU81は、ステップS315の処理を行う。
ステップS315では、サブCPU81は、ステップS314により決定された演出内容(演出データ)に対応するアニメーションデータの登録を行う。続いて、サブCPU81は、LEDに関するデータ及び音(いわゆるサウンド)に関するデータの登録を行う(ステップS316)。続いて、サブCPU81は、ステップS311の処理を行う。
図80〜図84を参照して、メインCPU31からのコマンドに応じてサブCPU81が演出を行うための処理の手順を示した演出内容決定処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、RT状態及び演出状態を更新する(ステップS321)。続いて、サブCPU81は、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS322)。このとき、スタートコマンド受信時である場合、すなわち、取り出したメッセージがスタートコマンドである場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS323の処理を行い、他方、スタートコマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、図83のステップS361の処理を行う。
ステップS323では、サブCPU81は、演出状態がBB中であるか否かを判別する。このとき、演出状態がBB中である場合には、サブCPU81は、続いて、BB作動中用演出データをセットし(ステップS324)、続いて、後述の図82のステップS358の処理を行う。他方、演出状態がBB中でない場合には、演出状態がMB中であるか否かを判別する(ステップS325)。このとき、演出状態がMB中である場合には、サブCPU81は、続いて、MB作動中用演出データをセットし(ステップS326)、続いて、後述の図82のステップS358の処理を行う。他方、演出状態がMB中でない場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS327の処理を行う。
ステップS327では、サブCPU81は、ステージ移行抽籤処理を行う。この処理では、内部抽籤役と現在の演出状態とに基づいて、ステージを移行するか否かについての抽籤を行う。続いて、サブCPU81は、RT状態がフラグ間であるか否かを判別する(ステップS328)。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS329の処理を行い、他方、NOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS332の処理を行う。
ステップS329では、サブCPU81は、ボーナス当籤時抽籤済みフラグがオンであるか否かを判別する。このとき、ボーナス当籤時抽籤済みフラグがオフである場合には、サブCPU81は、続いて、後に図85を参照して説明するボーナス当籤時抽籤処理を行い、続いて、ステップS331の処理を行う。他方、ボーナス当籤時抽籤済みフラグがオンである場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS331の処理を行う。なお、ボーナス当籤時抽籤済みフラグとは、RT状態がフラグ間に移行した遊技において行われるボーナス当籤時抽籤処理を行ったか否かを判別するための情報である。
ステップS331では、サブCPU81は、演出状態に応じたフラグ間用演出抽籤テーブル(図示せず)を参照し、内部当籤役に基づいて演出データをセットし、続いて、後述の図82のステップS358の処理を行う。
ステップS332では、サブCPU81は、RT状態がCZ(RT2遊技状態)であるか否かを判別する。このとき、RT状態がCZである場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS333の処理を行い、他方、RT状態がCZでない場合には、サブCPU81は、続いて、後述の図81のステップS341の処理を行う。
ステップS333では、サブCPU81は、AT遊技数カウンタが1以上であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、CZ・AT中用演出抽籤テーブル(図示せず)を参照し、内部当籤役に基づいて、演出データをセットし(ステップS334)、続いて、後述の図82のステップS358の処理を行う。他方、AT遊技数カウンタが0である場合には、サブCPU81は、続いて、CZ・非AT中用演出抽籤テーブル(図示せず)を参照し、内部当籤役に基づいて、演出データをセットし(ステップS335)、続いて、後述の図82のステップS358の処理を行う。なお、CZ・AT中用演出抽籤テーブルは、内部当籤役が単チェリーである場合にはアシスト報知を行う演出が抽籤される演出抽籤テーブルであり、CZ・非AT中用演出抽籤テーブルは、内部当籤役が単チェリーである場合にアシスト報知を行う演出が抽籤されることがない演出抽籤テーブルである。
図81を参照して、ステップS341では、サブCPU81は、続いて、RT状態がSCZ(一般遊技状態)であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS342の処理を行い、他方、NOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS347の処理を行う。ステップS342では、サブCPU81は、演出状態が天井中であるか否かを判別する。このとき、演出状態が天井中である場合には、サブCPU81は、続いて、SCZ・AT中用演出抽籤テーブル(図示せず)を参照し、内部当籤役に基づいて、演出データをセットし、続いて、後述の図82のステップS358の処理を行う。他方、演出状態が天井中でない場合(演出状態がSCZ中である場合)には、サブCPU81は、続いて、ステップS344の処理を行う。
ステップS344では、サブCPU81は、AT遊技数カウンタが1以上であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、SCZ・AT中用演出抽籤テーブル(図示せず)を参照し、内部当籤役に基づいて、演出データをセットし(ステップS345)、続いて、後述の図82のステップS358の処理を行う。他方、AT遊技数カウンタが0である場合には、サブCPU81は、続いて、SCZ・非AT中用演出抽籤テーブル(図示せず)を参照し、内部当籤役に基づいて、演出データをセットし(ステップS346)、続いて、後述の図82のステップS358の処理を行う。なお、SCZ・AT中用演出抽籤テーブルは、内部当籤役が単チェリーである場合にはアシスト報知を行う演出が抽籤される演出抽籤テーブルであり、SCZ・非AT中用演出抽籤テーブルは、内部当籤役が単チェリーである場合にアシスト報知を行う演出が抽籤されることがない演出抽籤テーブルである。
ステップS347では、RT状態が、高RT(リプ)、又は高RT(3チェ)であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS348の処理を行い、他方、NOのときは(すなわち、RT状態が低RT(RT4遊技状態)であるときは)、サブCPU81は、続いて、後述の図82のステップS351の処理を行う。
ステップS348では、サブCPU81は、高RT作動中AT遊技数上乗せ抽籤テーブル(図69)を参照し、内部当籤役に基づいて、AT遊技数カウンタ加算値を決定し、AT遊技数カウンタを更新する。続いて、サブCPU81は、高RT中用演出抽籤テーブル(図示せず)を参照し、内部当籤役に基づいて、演出データをセットし(ステップS349)、後述の図82のステップS358の処理を行う。
図82を参照して、RT状態が低RTである場合に行われるステップS351では、サブCPU81は、演出状態が通常中であるか否かを判別する。このとき、演出状態が通常中である場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS352の処理を行い、他方、演出状態が高確中である場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS356の処理を行う。
ステップS352では、サブCPU81は、通常モード時モード移行抽籤テーブル(図62)を参照し、内部当籤役に基づいて、移行先モードを決定する。続いて、サブCPU81は、移行先モードが高確モードであるか否かを判別する(ステップS353)。このとき、移行先モードが高確モードである場合には、サブCPU81は、続いて、後に図86を参照して説明する高確モード移行時抽籤処理を行い(ステップS355)、続いて、ステップS357の処理を行う。他方、移行先モードが高確モードでない場合には、サブCPU81は、続いて、低RT・通常中用演出抽籤テーブル(図示せず)を参照し、内部当籤役に基づいて、演出データをセットし(ステップS354)、続いて、ステップS358の処理を行う。
演出状態が高確中である場合には(ステップS351でNO)、サブCPU81は、高確モード時高確遊技数上乗せ抽籤テーブル(図64)を参照し、内部当籤役に基づいて、高確遊技数カウンタ加算値を決定し、高確遊技数カウンタを更新する(ステップS356)。続いて、サブCPU81、低RT・高確中用演出抽籤テーブル(図示せず)を参照し、内部当籤役に基づいて、演出データをセットし(ステップS357)、続いて、ステップS358の処理を行う。
ステップS358では、サブCPU81は、後に図87及び図88を参照して説明するカウンタ更新処理を行い、続いて、ステップS359の処理を行う。この処理では、AT遊技数カウンタ等の各種カウンタを更新する処理を行う。ステップS359では、サブCPU81は、後に図89を参照して説明するメーター演出処理を行い、続いて、後述の図84のステップS393の処理を行う。この処理では、第3従演出領域254で行われるメーター演出についての演出データをセットする。
図83を参照して、スタートコマンド受信時ではない場合(図80のステップS322でNO)、サブCPU81は、続いて、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS361)。このとき、リール停止コマンド受信時である場合、すなわち、取り出したメッセージがリール停止コマンドである場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS362の処理を行い、他方、リール停止コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS368の処理を行う。
ステップS362では、サブCPU81は、第2停止時であるか否かを判別する。この処理では、サブCPU81は、例えば、リール停止コマンドに含まれるストップボタン未作動カウンタの値に基づいて、第2停止時であるか否かを判別する。このとき、第2停止時である場合には、サブCPU81は、続いて、後に図90を参照して説明するテンパイ音選択処理を行い(ステップS363)、続いて、ステップS367の処理を行う。他方、第2停止時でない場合には、サブCPU81は、続いて、第3停止時であるか否かを判別する(ステップS364)。このとき、第3停止時である場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS365の処理を行い、他方、第3停止時でない場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS367の処理を行う。
ステップS365では、サブCPU81は、演出データが特殊演出(バトル)データであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS366の処理を行い、他方、NOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS367の処理を行う。ステップS366では、サブCPU81は、後に図91を参照して説明する長押し監視処理を行い、続いて、ステップS367の処理を行う。この処理では、仮想カメラの位置(座標)を変更することにより、主演出領域251で行われる演出において視点を切り換える処理を行う。ステップS367では、サブCPU81は、ストップボタンの種別等に基づいて、演出データをセットし、続いて、後述の図84のステップS393の処理を行う。
リール停止コマンド受信時ではない場合(ステップS361でNO)、サブCPU81は、続いて、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS368)。このとき、表示コマンド受信時である場合、すなわち、取り出したメッセージが、表示コマンドである場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS369の処理を行い、他方、表示コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、後述の図84のステップS381の処理を行う。
ステップS369では、サブCPU81は、表示役が特殊リプレイ1〜3又はRT作動図柄1であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS370の処理を行い、他方、NOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS372の処理を行う。ステップS370では、サブCPU81は、RT状態がCZ又はSCZであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、後に図92を参照して説明する高RT作動時抽籤処理を行い、続いて、ステップS375の処理を行う。他方、RT状態がCZ又はSCZでない場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS375の処理を行う。
ステップS372では、サブCPU81は、表示役がRT作動図柄2であるか否かを判別する。このとき、表示役がRT作動図柄2である場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS373の処理を行い、他方、表示役がRT作動図柄2でない場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS375の処理を行う。ステップS373では、サブCPU81は、RT状態がCZ又はSCZであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、後に図93を参照して説明する低RT作動時抽籤処理を行い、続いて、ステップS375の処理を行う。他方、RT状態がCZ又はSCZでない場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS375の処理を行う。
ステップS375では、サブCPU81は、後に図94を参照して説明する表示コマンド受信時特殊演出処理を行う。この処理では、表示役がボーナスである場合に、セットされた演出データを書き換える処理を行う。続いて、サブCPU81は、表示役に基づいて演出データをセットし(ステップS376)、続いて、後述の図84のステップS393の処理を行う。
図84を参照して、表示コマンド受信時ではない場合(図83のステップS368でNO)、サブCPU81は、続いて、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS381)。このとき、ボーナス開始コマンド受信時である場合、すなわち、取り出したメッセージがボーナス開始コマンドである場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS382の処理を行い、他方、ボーナス開始コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS388の処理を行う。
ステップS382では、サブCPU81は、CZカウンタ、高RTカウンタ、及び低RTカウンタをクリアし、続いて、ステップS383の処理を行う。ステップS383では、サブCPU81は、作動したボーナスがBB1〜BB3の何れかであるか否かを判別する。このとき、作動したボーナスがBB1〜BB3の何れかである場合には、サブCPU81は、続いて、演出状態としてBB中をセットする(ステップS384)。続いて、サブCPU81は、BBの種別に応じたボーナス開始用演出データをセットし(ステップS385)、続いて、ステップS393の処理を行う。他方、作動したボーナスがBB1〜BB3の何れでもない場合、すなわち、作動したボーナスがMBで有る場合には、サブCPU81は、続いて、演出状態としてMB中をセットする(ステップS386)。続いて、サブCPU81は、MB作動時ボーナス開始用演出データをセットし(ステップS387)、続いて、ステップS393の処理を行う。
ボーナス開始コマンド受信時ではない場合(ステップS381でNO)、サブCPU81は、続いて、ボーナス終了時コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS388)。このとき、ボーナス終了時コマンド受信時である場合、すなわち、取り出したメッセージが、ボーナス終了時コマンドである場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS389の処理を行い、他方、ボーナス終了時コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS393の処理を行う。
ステップS389では、サブCPU81は、演出状態がBB中であるか否かを判別する。このとき、演出状態がBB中である場合には、サブCPU81は、続いて、演出状態としてCZ中をセットし(ステップS390)、CZカウンタに33をセットし(ステップS391)、続いて、ステップS393の処理を行う。他方、演出状態がBB中でない場合、すなわち、演出状態がMB中である場合には、サブCPU81は、続いて、演出状態としてSCZ中をセットし(ステップS392)、続いて、ステップS393の処理を行う。ステップS393では、サブCPU81は、セットされた演出データの登録を要求し、続いて、図79のステップS315の処理を行う。
図85を参照して、フラグ間に移行した遊技において行われるボーナス当籤時抽籤処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、ボーナス当籤時モード移行抽籤テーブル(図65)を参照し、設定値、現在のモード、当籤ボーナス種別に基づいて、移行先モードを決定する(ステップS401)。続いて、サブCPU81は、当籤したボーナスがBB1〜BB3の何れかであるか否かを判別する(ステップS402)。このとき、当籤したボーナスがBB1〜BB3の何れかである場合には、サブCPU81は、続いて、BB当籤時AT遊技数抽籤テーブル(図66)を参照し、設定値、演出状態に基づいて、AT遊技数カウンタ加算値を決定し(ステップS403)、続いて、ステップS405の処理を行う。他方、当籤したボーナスがBB1〜BB3の何れでもない場合、すなわち、当籤したボーナスがMBである場合には、サブCPU81は、続いて、MB当籤時AT遊技数抽籤テーブル(図67)を参照し、設定値、演出状態に基づいて、AT遊技数カウンタ加算値を決定し(ステップS404)、続いて、ステップS405の処理を行う。
ステップS405では、サブCPU81は、決定されたAT遊技数カウンタ加算値に基づいて、AT遊技数カウンタを更新する。なお、AT遊技数カウンタが1以上である場合に、ステップS405の処理を行う場合、AT遊技数カウンタをクリアしてからAT遊技数カウンタ加算値に基づいて、AT遊技数カウンタを更新(すなわち、AT遊技数カウンタ加算値をAT遊技数カウンタに複写)してもよく、また、1以上の値が計数されるAT遊技数カウンタにそのままAT遊技数カウンタ加算値を加算することとしてもよい。
続いて、サブCPU81は、ボーナス当籤時抽籤済みフラグをオンに更新し(ステップS406)、続いて、ステップS407の処理を行う。なお、図示は省略しているが、オンに更新されたボーナス当籤時抽籤済みフラグは、ボーナス開始コマンド受信時において、オフに更新される。
ステップS407では、サブCPU81は、演出状態がCZ中、SCZ中、AT(低)中、又はAT(高)中であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、特殊メーター表示カウンタを1加算し(ステップS407)、続いて、図80のステップS331の処理を行う。他方、この判別がNOのときは、サブCPU81は、続いて、図80のステップS331の処理を行う。特殊メーター表示カウンタは、ボーナス終了後、RT状態が低RTに移行することなく内部当籤役としてボーナスが決定された回数を計数するカウンタであり、サブRAM83の所定領域に格納される。
図86を参照して、高確モード移行時抽籤処理について説明する。
高確モード移行時抽籤処理では、サブCPU81は、高確遊技数初期抽籤テーブル(図63)を参照し、高確遊技数カウンタ加算値を決定し、高確遊技数カウンタを更新する(ステップS411)。
図87を参照して、カウンタ更新処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、演出状態がCZ中又はSCZ中であるか否かを判別する(ステップS421)。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS422の処理を行い、他方、NOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS428の処理を行う。ステップS422では、サブCPU81は、AT遊技数カウンタが1以上であるか否かを判別する。このとき、AT遊技数カウンタが1以上である場合には、AT遊技数カウンタを1減算し(ステップS423)、続いて、ステップS424の処理を行う。他方、AT遊技数カウンタが0である場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS424の処理を行う。
ステップS424では、サブCPU81は、演出状態がCZ中であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS425の処理を行い、他方、NOのときは、図82のステップS359の処理を行う。ステップS425では、サブCPU81は、CZカウンタを1減算する。続いて、サブCPU81は、CZカウンタが0であるか否かを判別する(ステップS426)。このとき、CZカウンタが0である場合には、サブCPU81は、続いて、演出状態としてSCZ中をセットし(ステップS427)、続いて、図82のステップS359の処理を行う。他方、CZカウンタが0でない場合には、サブCPU81は、続いて、図82のステップS359の処理を行う。
ステップS428では、サブCPU81は、演出状態がAT(低)中、又はAT(高)中であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS429の処理を行い、他方、NOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS433の処理を行う。
ステップS429では、サブCPU81は、高RTカウンタを1減算し、続いて、ステップS430の処理を行う。ステップS430では、サブCPU81は、高RTカウンタが0であるか否かを判別する。このとき、高RTカウンタが0である場合には、サブCPU81は、続いて、演出状態として、SCZ中をセットし(ステップS431)、続いて、AT抽籤状態をクリアする(ステップS432)。続いて、サブCPU81は、図82のステップS359の処理を行う。他方、高RTカウンタが0でない場合には、サブCPU81は、続いて、図82のステップS359の処理を行う。
ステップS433では、サブCPU81は、演出状態が高確中であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、高確遊技数カウンタを1減算し(ステップS434)、続いて、ステップS435の処理を行う。他方、ステップS433の判別がNOのときは、サブCPU81は、続いて、後述の図88のステップS441の処理を行う。
ステップS435では、サブCPU81は、高確遊技数カウンタが0であるか否かを判別する。このとき、高確遊技数カウンタが0である場合には、サブCPU81は、通常モードをセットすることにより演出状態として通常中をセットし(ステップS436)、続いて、後述の図88のステップS441の処理を行う。他方、高確遊技数カウンタが0でない場合には、サブCPU81は、続いて、図88のステップS441の処理を行う。
図88を参照して、ステップS441では、サブCPU81は、演出状態が通常中又は高確中であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS442の処理を行い、他方、NOのときは、サブCPU81は、続いて、図82のステップS359の処理を行う。
ステップS442では、サブCPU81は、低RTカウンタを1減算し、続いて、ステップS443の処理を行う。ステップS443では、サブCPU81は、低RTカウンタが0であるか否かを判別する。このとき、低RTカウンタが0である場合には、サブCPU81は、続いて、演出状態として、天井中をセットし(ステップS444)、続いて、図82のステップS359の処理を行う。他方、低RTカウンタが0でない場合には、サブCPU81は、続いて、図82のステップS359の処理を行う。
図89を参照して、メーター演出処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、特殊メーター表示カウンタが3以上であるか否かを判別する。このとき、特殊メーター表示カウンタが3以上である場合には、サブCPU81は、メーター表示データとして「9」をセットし(ステップS452)、続いて、ステップS454の処理を行う。他方、特殊メーター表示カウンタが3未満である場合には、サブCPU81は、メーター表示選択テーブル(図70)を参照し、演出状態等に基づいてメーター表示データをセットし(ステップS453)、続いて、ステップS454の処理を行う。
ここで、特殊メーター表示カウンタは、ボーナス終了後、RT状態が低RTに移行することなく内部当籤役としてボーナスが決定された場合に1加算され(図85のステップS408)、RT状態が低RTに移行した場合にクリアされる(後述の図93のステップS491)。そのため、メーター表示データ「9」は、低RTに移行することなく、ボーナスが内部当籤役として3回決定された場合にセットされるメーター表示データとなる。すなわち、メーター表示データとして「9」が決定される場合とは、遊技者にとって不利な状態に転落することなく、遊技者にとって有利な状態が連続している場合であるといえる。
ここで、メーター表示データが「9」である場合には、他のメーター表示データの場合と異なり、第3従演出領域254にメーターが金色で表示される。そのため、メーターが金色で表示されることにより、遊技者は低RTという遊技者にとって不利な状態に転落することなく、長時間有利な状態が継続していることを把握できるとともに、このメーターを見た他の遊技者に対して優越感を感じることとなり、遊技の興趣が向上する。
図89を参照して、ステップS454では、サブCPU81は、特殊演出データがセットされているか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、特殊演出データの種別に基づいてメーター演出データをセットし(ステップS455)、続いて、図84のステップS393の処理を行う。他方、ステップS454の判別がNOのときは、サブCPU81は、メーター演出抽籤テーブル(図71)を参照し、内部当籤役等に基づいてメーター演出データをセットし(ステップS456)、続いて、図84のステップS393の処理を行う。
図90を参照して、テンパイ音選択処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、RT状態がフラグ間であるか否かを判別する(ステップS461)。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS462の処理を行い、他方、NOのときは、サブCPU81は、続いて、図83のステップS367の処理を行う。
ステップS462では、サブCPU81は、内部当籤役にリプレイ1,2、特殊リプレイ1〜3の何れかが含まれるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、図83のステップS367の処理を行、他方、NOのときは、ステップS463の処理を行う。ステップS463では、停止位置がボーナステンパイデータ(図72)と一致するか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS464の処理を行い、他方、NOのときは、サブCPU81は、続いて、図83のステップS367の処理を行う。
ステップS464では、サブCPU81は、高確モードであるか否かを判別する。このとき、高確モードである場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS465の処理を行い、他方、高確モードでない場合には、サブCPU81は、通常テンパイ音データをセットし(ステップS467)、続いて、図83のステップS367の処理を行う。
ステップS465では、ボーナステンパイデータと内部当籤役とが一致するか否かを判別する。このとき、ボーナステンパイデータと内部当籤役とが一致する場合(すなわち、内部当籤役として決定されているボーナスがテンパイしている場合)には、サブCPU81は、特殊テンパイ音選択テーブル(図73)を参照し、テンパイ音データを選択、セットし、続いて、図83のステップS367の処理を行う。他方、ボーナステンパイデータと内部当籤役とが一致しない場合には、サブCPU81は、続いて、図83のステップS367の処理を行う。
図91を参照して、長押し監視処理について説明する。長押し監視処理では、ストップボタンが押されている時間(オンエッジタイマが計数する時間)によって、主演出領域251の座標空間(X,Y,Z)における仮想カメラの視点を変更する処理を行う。
初めに、サブCPU81は、リール停止コマンドに含まれるオンエッジタイマの値を取得する(ステップS471)。続いて、サブCPU81は、取得したオンエッジタイマの値に基づいて、仮想カメラの視点を移動する処理を要求し(ステップS472)、続いて、図83のステップS367の処理を行う。なお、この処理では、例えば、1フレームの画像を表示するのに1/30秒を要する場合には、その単位毎に仮想カメラの座標及び方向を変更する処理を要求する。すなわち、オンエッジタイマの値が30となった時に係る処理を要求する。
図92を参照して、高RT作動時抽籤処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、演出状態がCZ中であるか否かを判別する(ステップS481)。このとき、演出状態がCZ中である場合には、サブCPU81は、続いて、CZカウンタをクリアし(ステップS482)、続いて、ステップS483の処理を行う。他方、演出状態がCZ中でない場合、すなわち、演出状態がSCZ中である場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS483の処理を行う。
ステップS483では、サブCPU81は、高RT作動時AT抽籤状態抽籤テーブル(図68)を参照し、現在のモード、作動RT種別に基づいてAT抽籤状態を決定し、セットする。続いて、サブCPU81は、決定されたAT抽籤状態に基づいて、演出状態として、AT(低)中、又はAT(高)中をセットする(ステップS484)。続いて、サブCPU81は、高RTカウンタに20をセットし(ステップS485)、続いて、図83のステップS375の処理を行う。
図93を参照して、低RT作動時抽籤処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、特殊メーター表示カウンタをクリアする(ステップS491)。続いて、サブCPU81は、演出状態がCZ中であるか否かを判別する(ステップS492)。この判別がYESのときは、サブCPU81は、CZカウンタをクリアし(ステップS493)、続いて、ステップS494の処理を行う。他方、NOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS494の処理を行う。
ステップS494では、サブCPU81は、低RT作動時モード移行抽籤テーブル(図61)を参照し、移行先モードを決定する。続いて、サブCPU81は、移行先モードが高確モードであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、図86の高確モード移行時抽籤処理を行い、続いて、ステップS497の処理を行う。他方、NOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS497の処理を行う。
ステップS497では、サブCPU81は、決定された移行先モードに基づいて、演出状態をセットし、続いて、低RTカウンタに1200をセットする(ステップS498)。続いて、サブCPU81は、図83のステップS375の処理を行う。
図94を参照して、表示コマンド受信時特殊演出処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、演出データが特殊演出(ルーレット)データであるか否かを判別する(ステップS501)。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS502の処理を行い、他方、NOのときは、サブCPU81は、続いて、図83のステップS376の処理を行う。
ステップS502では、サブCPU81は、表示役がBB1〜BB3の何れか、又はMBであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS503の処理を行い、他方、NOのときは、サブCPU81は、続いて、図83のステップS376の処理を行う。ステップS503では、サブCPU81は、演出書換処理を行い、続いて、図83のステップS376の処理を行う。この処理では、特殊演出(ルーレット)データがセットされている場合であっても、表示役としてボーナスが成立している場合には、当該演出データをクリアする。すなわち、特殊演出(ルーレット)を行わない。
図95は、画像制御タスクのサブルーチンを示すフローチャートである。初めに、サブCPU81は、1/30秒待ちを行い(ステップS511)、その後に座標の変換を行う(ステップS512)。この処理は、各オブジェクトのローカル座標からワールド座標への変換や、図91のステップS471の視点移動処理による視点座標系の設定等を含む。次に、テクスチャの差し替えを行い(ステップS513)、描画用RAM85への書き込みを行う(ステップS514)。その後、フレームの規定回数待ちを行い(ステップS515)、ステップS511に処理を戻す。その結果、1/30秒の周期で、描画用RAM85から三次元画像データが出力され、液晶表示装置131に三次元画像が表示されることになる。
図96を参照して、三次元画像の生成処理について説明する。
図96は、副制御回路72において行われる三次元画像生成処理のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理は、図95に示したサブルーチンのステップS512〜S513に相当する処理であり、1フレームの三次元画像データを生成する際に行われる処理である。従って、図96に示す処理を繰り返し実行することにより、三次元画像からなる映像を表示することが可能となる。また、以下の処理は、互いにバス接続されたサブCPU81とレンダリングプロセッサ84とによって行われる処理である。すなわち、サブCPU81は、オブジェクトのモデリングとテクスチャマッピングとを行う。その一方で、レンダリングプロセッサ84は、サブCPU81からの指示(コマンド)に応じてレンダリングを行い、またピクセル描画も行う。なお、レンダリングプロセッサ84が実行するタスクに必要なデータ及びプログラムは、起動時に描画用RAM85に展開される。
初めに、サブCPU81は、演出内容決定処理(図80〜図84)により決定された演出データ(演出No.)に基づいて、サブROM82のデータ記憶領域に記憶されるキャラクタオブジェクトデータを読み出し、ワールド座標空間に配置するオブジェクトのモデリング(ステップS521)を行うことで、各オブジェクトの形状を決定する。なお、このとき、各オブジェクトの形状は、それぞれに設定されるローカル座標系により表現される。
続いて、サブCPU81は、ステップS522〜ステップS526によりレンダリングを行う。先ず、サブCPU81は、投影(座標変換)を行い(ステップS522)、各オブジェクトのローカル座標をワールド座標空間に変換する。これにより、各オブジェクトをワールド座標空間内に配置する。なお、このように配置される各オブジェクトは、仮想カメラの座標及び方向に基づいて視点座標系(カメラ空間)に変換される。その結果、配置された各オブジェクトは仮想カメラの視点から見たものとなる。
続いて、サブCPU81は、クリッピング処理(ステップS523)及び隠面処理を行い(ステップS524)、視点から視認されない面を消去する。次に、ピクセル毎に明るさを設定するシェーディングを行い(ステップS525)、テクスチャのマッピングを行い(ステップS526)、本サブルーチンを終了する。
実施例では、単位処理(図96に示す処理)を繰り返し実行する毎に、ワールド座標空間の環境を変更する。この環境としては、例えば、各オブジェクトの配置位置及び形状、視点位置が含まれる。この環境の変化により、三次元画像からなる映像の表示が行われる。特に、図91のステップS471の視点移動処理に伴い、視点位置(座標)が移動することにより、演出効果の高い演出が行われることになる。
以上、遊技機1に設けられた副制御回路72の回路構成、この副制御回路72に格納されるテーブル群、及び副制御回路72による遊技処理動作を図59〜図96に示したような構成とした。このような構成から液晶表示装置131で行われる演出の表示例について、図97,98を参照しながら説明する。
図97を参照して、特殊演出(バトル)について説明する。特殊演出(バトル)は、主演出領域251で行われる演出であって三次元画像により表現される。また、特殊演出(バトル)は、演出状態及び内部当籤役に基づいて所定確率で決定される。ここで、特殊演出(バトル)では、第3停止操作後、ストップスイッチがオンエッジであるか否かに応じて演出における視点が切り換わる。図97は、特殊演出(バトル)における視点の切り換えについて模式的に表した図である。
図97の(1)は、第3停止操作前における表示例である。主演出領域251には、主人公オブジェクト551と敵オブジェクト553とが対向する様子が表示される。図97の(2)は、第3停止操作が行われた際、すなわち、第3停止操作時のストップスイッチがオンエッジになった際の表示例である。第3停止操作時のストップスイッチがオンエッジになると、主人公オブジェクト551と敵オブジェクト553とが衝突し、力くらべする様子が表示される。このような演出は、図74の特殊演出(バトル)データテーブルにおける「演出No.」により規定されている。
図74を参照して、第3停止操作時のストップスイッチがオフエッジになると(ストップボタンに対する押圧が離されると)、特殊演出(バトル)における結果が表示される(図97の(6)、(7))。ここで、前述したように第3停止操作時のストップスイッチがオンエッジのままの状態(ストップボタンに対して押圧されたままの状態(長押し))では、長押し監視処理(図91参照)により、仮想カメラの座標及び方向が変更され、主演出領域251における視点が切り換わる。図97の(3)〜(5)は、主演出領域251における視点の切り換えについての表示例である。
第3停止操作後、ストップボタンを長押ししていると(オンエッジ)、仮想カメラの座標及び方向が変更されることにより、視点が主人公オブジェクト551の後方に移動し(図97の(3))、所定の時間長押しをしていると、主人公オブジェクト551の背面が表示される(図97の(4)、(5))。
ここで、ボーナスが内部当籤役として決定されている場合には、主人公オブジェクト551の背面に「アタリ」と表示され(図97の(4))、ボーナスが内部当籤役として決定されていない場合には、主人公オブジェクト551の背面には何も表示されない(図97の(5))。なお、主人公オブジェクト551の背面についての表示は、特殊演出(バトル)データテーブルにおける「演出No.」により規定されている。すなわち、内部当籤役としてボーナスが決定されている場合に抽籤される「演出NO.」における主人公オブジェクト551では、その背面側を構成する座標位置に「アタリ」と表示されており、それ以外の「演出NO.」における主人公オブジェクト551では、その背面側を構成する座標位置に「アタリ」と表示されていない。
そして、第3停止操作時のストップスイッチがオフエッジになると、特殊演出(バトル)における結果が表示される。例えば、ボーナスが内部当籤役として決定されている場合には、「WIN」と表示され(図97の(6))、ボーナスが内部当籤役として決定されていない場合には「LOSE」と表示される(図97の(7))。
ここで、図97の(6)及び(7)の表示は、第3停止操作時のストップスイッチがオフエッジになった場合に表示されるため、特殊演出(バトル)において、図97の(3)〜(5)のような表示がされない場合もある。そのため、特殊演出(バトル)では、第3停止操作後、ストップボタンを長押しすることで、視点が切り換わることにより演出結果を知ることができるだけでなく、第3停止操作後、ストップボタンの押圧を離すことによっても演出結果を知ることができる。その結果、1つの演出において報知の態様を異ならせることができる。そして、このような複数の報知の態様を遊技者が自由に選択することができるため、演出の享受に関し、遊技者の自由度を高めた遊技機の提供が可能となる。
続いて、図98を参照して、特殊演出(ルーレット)の表示例について説明する。
特殊演出(ルーレット)は、全リールの回転が停止した後に第1従演出領域252で行われる演出であって演出状態及び内部当籤役に基づいて所定確率で決定される。ここで、特殊演出(ルーレット)は、全リールの回転停止に伴い図柄表示領域21L,21C,21Rに表示された図柄と同一の図柄を画像表示した上で、この画像表示された図柄を再度変動表示することにより行われる演出である。
第3停止操作が行われることにより全リールの回転が停止し、図柄表示領域21L,21C,21Rに図柄が停止表示されると、この停止表示された図柄と同一の図柄が第1従演出領域252に画像表示される(図98の(1))。ここで、停止表示された図柄はメインRAM33の図柄格納領域(図39)に格納されるところ、副制御回路72は、リール停止コマンド又は表示コマンドを受信することにより、係る図柄を識別している。
その後、画像表示された図柄は再始動し(図98の(2))、図75〜図77の「演出NO.」によって規定された再始動出目で画像表示される(図98の(3))。その後、この再始動出目が第2の再始動を行い(図98の(4))、最終的に、「演出NO.」によって規定された終了出目が画像表示される(図98の(5)、(6))。
ここで、特殊演出(ルーレット)は、終了出目において、「V」が有効ラインに沿って画像表示された場合には(図98の(6))、内部当籤役としてボーナスが決定されていることを意味し、終了出目において、「V」が有効ラインに沿って画像表示されない場合には(図98の(5))、内部当籤役としてボーナスが決定されていないことを意味している。
このように特殊演出(ルーレット)は、全リールの回転が停止した後に図柄表示領域21L,21C,21Rを含む第1従演出領域252において行われる。そのため、特殊演出(ルーレット)は、リール3L,3C,3Rとの連動感に富んだ演出となり、興趣の高い演出を行うことが可能となる。また、特殊演出(ルーレット)では、図柄表示領域21L,21C,21Rに表示された図柄の全てを画像表示し、再度変動表示する。そのため、一部の図柄のみを画像表示する場合に比べて迫力があり、また、一部でなく全部が回転するリール3L,3C,3Rとの連動感をより富んだものとすることができる。
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
実施例では、RT状態が高RT状態である場合の単位遊技毎に、AT抽籤状態及び内部当籤役に基づいてAT遊技数カウンタに加算する値を決定する(AT遊技数の上乗せ)こととしているが、内部当籤役によらずAT抽籤状態にのみ基づいて決定することとしても良い。この場合において、AT抽籤状態が「高確率」である場合には、「低確率」である場合よりもAT遊技数の上乗せについての期待度を高くすることができる。
実施例では、高確モードにおいて所定の確率で特殊テンパイ音を出力することとしているが、高確モードで内部当籤役に応じた図柄がテンパイした場合には、常に、特殊テンパイ音を出力することとしてもよい。
実施例では、特殊演出(バトル)において、第3停止操作の長押しを例にとって説明したが、第1停止操作又は第2停止操作においても長押しすることにより視点が移動するようにすることもできる。そのため、報知の態様も2つに限られず、複数設けることが可能となる。すなわち、遊技者は、複数の報知の態様を自由に選択することができる。
実施例では、モード(通常モード、高確モード)及びAT抽籤状態(低確率、高確率)をそれぞれ2つ設けることとしているが、これに限られるものではなく、2つ以上の複数設けることができる。また、実施例では、演出抽籤テーブルについては図示を省略しているが、演出抽籤テーブルは演出状態毎に各演出領域について設けることができる。
実施例では、停止テーブル(図18〜図21)や停止データテーブル(図23〜図34)について、小役・リプレイ用データポインタが「5」〜「8」の場合(すなわち、内部当籤役が単チェリー又は3重複チェリーの場合)を例にとって説明したが、停止テーブルや停止データテーブルは、小役・リプレイ用データポインタ(内部当籤役)毎に設けられている。
本実施例のような遊技機1の他、パチロット等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述の遊技機1での動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。