JP5422036B1 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】いずれの運転条件においても燃焼室内の混合気温度の局所的な悪化に伴う燃焼状態悪化による燃焼音や燃焼変動を抑制しつつ良好な燃焼効率を得る。
【解決手段】燃焼状態を表す燃焼開始時期と燃焼期間の2種類の指標を検出し、気筒毎に2つ配置してある吸気流路の各吸気温度に関連するそれぞれの指標に応じて各吸気流路の吸気温度を制御する。
【選択図】図3

Description

この発明は、内燃機関の制御装置、特に、燃焼室内に形成される燃料と空気の混合気をピストンによる圧縮作用によって自己着火させる予混合圧縮自己着火内燃機関の制御装置に関するものである。
予混合圧縮自己着火内燃機関では、予め混合された空気と燃料の混合気がピストンで圧縮されることで自己着火温度に達して、燃焼室内の複数の箇所で同時に燃焼が開始される。一般的な火花点火内燃機関では断熱圧縮作用によって混合気の温度を自己着火温度にすることは困難であるので、予混合圧縮自己着火内燃機関では、火花点火内燃機関よりも高圧縮比とすることで断熱圧縮による温度上昇を高めるとともに、加熱器やEGRを利用して吸気温度を高めることで混合気温度を自己着火温度に到達させている。
このようにして高温の混合気が得られるが、内燃機関では燃焼室を形成する壁面やピストンが常に冷却されており、壁面近くやピストンの近くに存在する混合気は熱を奪われ、吸気行程から圧縮行程にかけて混合気の一部は冷却される。
このように壁面やピストン近傍で冷却される混合気が常に存在する一方で、壁面やピストンの近傍を離れた混合気は周囲の未冷却の混合気を冷却することで周辺の混合気と同じ温度になる。このような挙動を繰り返すことで、壁面やピストンに熱を直接奪われない混合気も含めた燃焼室内全体の混合気温度がやがて概ね等しくなる。
内燃機関が比較的低回転数で運転されている場合など、壁面やピストンで冷却された混合気による冷却作用が燃焼室内の全ての混合気に広がる時間的な余裕がある条件では、このような冷却作用が燃焼室全体の混合気にも十分及ぶことから燃焼室内の混合気温度は均質化されやすい。
しかし、内燃機関が比較的高回転数で運転されている場合など、壁面やピストンで冷却された混合気による冷却作用が燃焼室全体に到達する時間的な余裕が無い条件では、燃焼室内の一部の混合気温度がかなり高温となる。
また、内燃機関が比較的低回転数で運転されていても燃焼負荷が高く、より多くの空気を圧縮する場合は、断熱圧縮作用によって混合気の温度が上昇する速度が速くなるため、冷却作用が燃焼室全体の混合気に十分には及ばず、燃焼室内の一部の混合気温度がかなり高温となる。
このように高回転数や高負荷の運転条件では、燃焼室内の一部の混合気が圧縮行程の比較的早い時期にかなり高温となり、その混合気のみが早期に自己着火温度に達して燃焼が開始されるとともに、局所的に燃焼速度が上昇することから燃焼振動に伴う燃焼音の問題が生じる。
一方、高回転数や高負荷の運転条件における一部の混合気の高温化を抑制する方法として、吸気温度を下げて混合気温度を低くすることが考えられるが、この方法では燃焼室全体の混合気温度を低温化することになり、壁面やピストン近傍の混合気温度が低くなりすぎて自己着火しにくく燃焼が不安定となり燃焼変動が発生してしまう。
このように燃焼室に一律の温度の混合気を供給した場合、高回転数や高負荷の運転条件で燃焼室内の混合気温度が局所的に悪化し、燃焼音や燃焼変動が生じてしまう。
そこで、従来、1つの吸気流路を分岐して2つの吸気流路を燃焼室に接続する構造とし、吸気流路の分岐部の上流に分岐後の2つの吸気流路を通過する吸気量に差をつけるための吸気制御弁を設け、分岐後の吸気流路の一方からは排気環流制御弁で流量調整された高温の既燃焼ガスを含んだ混合気を燃焼室に供給し、他方の吸気流路からは新気による低温の混合気を燃焼室に供給する構成として、燃焼期間に応じて吸気制御弁と排気環流制御弁を同時に制御することで燃焼室内の混合気の平均温度と温度不均一度合を適正に制御する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図15は、従来の内燃機関の制御装置の制御ブロック図であり、特許文献1に示された従来の制御装置を示している。図15に示す従来の内燃機関の制御装置は、基準的な使用状態において、良好な燃焼効率となる燃焼期間と着火時期になるように、目標平均温度と目標温度不均一度合の基本値を回転数とアクセル開度から設定し((1)tMTb、(2)tTIb)、外乱に対して、燃焼期間(回転変動△Ne)を指標として燃焼期間が適正よりも長い場合には、目標平均温度を昇温させる((3)MTfb)のと同時に、目標温度不均一度合を小さくし((4)TIfb)、一方、外乱に対して、燃焼期間(回転変動△Ne)を指標として燃焼期間が適正よりも短い場合には、目標平均温度を低下させる((3)MTfb)のと同時に目標温度不均一度合を大きくする((4)TIfb)制御をしている。
なお、目標温度不均一度合の変化代は、目標平均温度の変化代に対して可変設定しており、アクセル開度が大きい時ほどその変化代は大きくなるように設定している((5)k)。即ち、これ等を整理すると、目標平均温度と目標温度不均一度合は、回転数とアクセル開度と燃焼期間で決まる。
ここで、ガソリンの給油により燃料成分が変化した場合に、特許文献1に示された従来の技術を適用した場合を想定する。市販されているガソリンの燃料成分は、ガソリンの種類で異なり、さらに同じ種類でもガソリン製造メーカによって燃料成分は異なっており、それらのガソリンに含まれる成分毎に自己着火温度は異なる。日本の場合を例に挙げると、ガソリンの種類は大きく分けてオクタン価の高いハイオクガソリンとオクタン価の低いレギュラーガソリンとがある。オクタン価は燃焼室内でのノッキングの起こり難さを示す数値であり、オクタン価が高いほど発火点は低く、火花点火による火炎伝播が到達する前に自己着火することで発生するノッキングが起き難い。
オクタン価はJISK2202自動車ガソリンにて制定されており、ハイオクガソリンはオクタン価「96」以上、レギュラーガソリンはオクタン価「89」以上と定められている。ガソリンは原油を蒸留してできるナフサや軽油や重油などを原料に、様々な行程を得て作られるアルキレートガソリン、イソガソリンや分解ガソリンなどのガソリン基材をブレンドして製造される。また、ガソリンを製造するのに重要な要素として可燃混合気形成に影響する留出温度があり、留出温度が高くなると低温環境で可燃混合気が形成されにくく始動や加速等での運転性能が悪化するので季節や地域によってもガソリンの燃料成分は異なる。JISK2202に準じた範囲でブレンドされるガソリン基材の種類やその割合は、ガソリン製造メーカ毎にオクタン価や留出温度を考慮するので種々様々となる。
図16は、ガソリンの燃料成分の違いによる燃焼開始時期と燃焼期間の影響を示す説明図であり、ガソリンの燃料成分の違いによるクランク角度に対する熱発生率から算出した燃焼開始時期と燃焼期間の違いを示している。図16において、熱発生率挙動レギュラーガソリンAは特許文献1による技術を適用し、ガソリン製造メーカA社のレギュラーガソリンAを供試したときに特定の回転数およびアクセル開度の条件において良好な燃焼効率が得られる燃焼開始時期と燃焼期間になるように、平均温度と温度不均一度合が制御された結果の挙動である。
車の所有者が同じ平均温度と温度不均一度合となっているこの制御状態でガソリン製造メーカB社のハイオクガソリンを給油した場合の熱発生率挙動は、ハイオクガソリンBであり、オクタン価が高く発火点が高くなった為にレギュラーガソリンAよりも燃焼開始時期は遅くなり燃焼期間も長くなる挙動となる。一方、ガソリン製造メーカC社の高オクタン価成分を配合することで耐ノッキング性を向上したレギュラーガソリンを給油した時の熱発生率挙動は、レギュラーガソリンCとなり、高オクタン価配合により発火点がレギュラーガソリンAよりも高くなるので燃焼期間が長くなる。また、一般的に給油時にはタンクに残ガソリンがあるので、給油されることで残ガソリンと給油ガソリンがブレンドされる。残ガソリンがレギュラーガソリンAで給油ガソリンがハイオクガソリンBの場合には、低オクタン価から高オクタン価の成分が含まれたガソリン基材がブレンドされることになるので、熱発生率挙動は燃焼期間の長いブレンドガソリンDとなる。
これは、燃焼開始時期が低オクタン価の成分で決まり高オクタン価の成分で燃焼終了時期が決まる為であり、ブレンドガソリンDにはレギュラーガソリンAの低オクタン価成分が含まれているのでレギュラーガソリンAと同じ燃焼開始時期となり、ハイオクガソリンBの高オクタン価成分が含まれているので燃焼終了時期がハイオクガソリンBと同じになり、結果として燃焼開始時期はレギュラーガソリンAと変わらず燃焼期間は長くなる。
ここで、これらの特徴を持つ4種類のガソリンを使用し同一運転条件下(回転数とアクセル開度が同じ)で特許文献1に示された従来の装置による制御を適用する場合について考察する。なお、目標温度不均一度合は不明確な指標であるので、理解しやすいように目標平均温度を基準とした温度差に置き換える。レギュラーガソリンAを使用し特許文献1による従来の装置の制御を適用した場合の目標平均温度と温度差(目標温度不均一度合)を、300℃と±200℃になると仮定する。このとき、高温は500℃、低温は100℃となる。同一運転条件下で良好な燃焼効率が得られる燃焼開始時期と燃焼期間はガソリンの種類によらず決まっているので、レギュラーガソリンA以外の3種類のガソリンを使用したときも特許文献1による従来の装置の制御を適用することで、レギュラーガソリンAと同じ熱発生率挙動(燃焼開始時期A(目標)と燃焼期間A(目標))となるように、平均温度と温度不均一度合を制御できなければならない。
レギュラーガソリンCとブレンドガソリンDは、制御する前からレギュラーガソリンAと同じ燃焼開始時期である。燃焼開始時期は、自己着火しやすい成分の発火温度と高温混合気の温度で決まってくる。つまり、高温混合気の温度が500℃と同じことから、この3種のガソリンの自己着火しやすい成分は同じ低オクタン価を有する成分であることがわかる。言い換えれば、制御によって高温混合気の温度が高くなれば発火温度に到達するタイミングが早くなるので、レギュラーガソリンAよりも燃焼開始時期が早くなるし低くなれば遅くなる。従って、レギュラーガソリンCとブレンドガソリンDについては、高温混合気の温度を変更せずに平均温度と温度不均一度合を制御する必要がある。
レギュラーガソリンCを使用した場合は、燃焼期間が目標となるレギュラーガソリンA使用時の燃焼期間より長いので、特許文献1による従来の装置の制御を適用した場合、平均温度を昇温(図16の(3)MTfb)して温度不均一度合を小さく(図16の(4)TIfb)する制御が働く。高温混合気の温度を固定する必要があるので、低温混合気温度の上昇のみで目標平均温度と温度差(目標不均一度合)が制御されることになり、高温混合気温度500℃で低温混合気温度200℃に制御されたと仮定する。このときの平均温度は350℃、温度不均一度合は±150℃となる。
さらに燃焼期間が長いブレンドガソリンDを使用した場合は、平均温度がさらに昇温されるので400℃、温度不均一度合は±100℃に制御されたと仮定する。この時高温混合気温度は500℃で変わらず燃焼開始時期は変化しない。一方、低温混合気温度は300℃に昇温されるので、燃焼期間は短くなりレギュラーガソリンAを使用した時と同じ良好な燃焼効率が得られる。この仮定は、燃焼期間が燃焼期間Aから燃焼期間Dの間にある場合に平均温度の変化代に対する温度不均一度合の変化代は高温混合気温度が変化しない設定になっていることが前提の下で成り立っている。
特開2002−256925号公報
特許文献1示された従来の内燃機関の制御装置では、ガソリンA、C、Dの3種類のガソリンのように制御開始前から良好な燃焼効率が得られる燃焼開始時期と同じである場合は、高温混合気温度を変化させずに平均温度と温度不均一度合を制御する必要があり、この制御を燃焼開始時期がこれら3種類のガソリンとは異なり遅いハイオクガソリンBに適用すると、ハイオクガソリンB使用時の燃焼期間Bは燃焼期間Aから燃焼期間Dの間にあるので高温混合気温度を昇温させることが出来ず500℃のままとなる。従って、高温混合気温度が昇温できない為に燃焼開始時期は制御する前から変化せず、目標となるレギュラーガソリンAと同じ燃焼開始時期に制御できない。つまり、燃焼開始時期を変えることができない為に良好な燃焼効率が得られないという課題があった。
図17は、燃焼開始時期による燃焼効率への影響を示す説明図である。図1に示すように、燃焼効率は燃焼開始時期に対し単峰曲線を示しており、燃焼開始時期が早すぎても遅すぎても燃焼効率が悪くなることは明らかである。
この発明は、従来の装置に於ける前述のような課題を解決するためになされたもので、何れの運転条件においても燃焼室内の混合気温度の局所的な悪化に伴う燃焼状態悪化による燃焼音を抑制しつつ良好な燃焼効率を得ることができる内燃機関の制御装置を提供することを目的としたものである。
この発明に係る内燃機関の制御装置は、
内燃機関の気筒毎に配置された第1吸気流路と第2吸気流路と、
前記第1吸気流路の吸気温度を検出する第1吸気温度検出手段と、
前記第2吸気流路の吸気温度を検出する第2吸気温度検出手段と、
前記第1吸気流路の吸気温度を制御する第1吸気温度制御手段と、
前記第2吸気流路の吸気温度を制御する第2吸気温度制御手段と、
前記気筒における燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と、
前記検出した燃焼状態と前記各吸気流路の吸気温度を関連付けするために前記各吸気流路の吸気温度を比較する吸気温度比較手段と、
を備え、
前記燃焼状態検出手段は、前記燃焼状態を表す燃焼開始時期と燃焼期間の2種類の指標を抽出し、
前記第1吸気温度制御手段と前記第2吸気温度制御手段は、前記各吸気流路のうち高温である方の吸気流路の吸気温度を燃焼開始時期に応じて制御し、
前記各吸気流路のうち低温である方の吸気流路の吸気温度を燃焼期間に応じて制御する
ことを特徴とするものである。
この発明による内燃機関の制御装置によれば、内燃機関の気筒毎に配置された第1吸気流路と第2吸気流路と、前記第1吸気流路の吸気温度を検出する第1吸気温度検出手段と、前記第2吸気流路の吸気温度を検出する第2吸気温度検出手段と、前記第1吸気流路の吸気温度を制御する第1吸気温度制御手段と、前記第2吸気流路の吸気温度を制御する第2吸気温度制御手段と、前記気筒における燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と、前記検出した燃焼状態と前記各吸気流路の吸気温度を関連付けするために前記各吸気流路の吸気温度を比較する吸気温度比較手段とを備え、前記燃焼状態検出手段は、前記燃焼状態を表す燃焼開始時期と燃焼期間の2種類の指標を抽出し、前記第1吸気温度制御手段と前記第2吸気温度制御手段は、前記各吸気流路のうち高温である方の吸気流路の吸気温度を燃焼開始時期に応じて制御し、前記各吸気流路のうち低温である方の吸気流路の吸気温度を燃焼期間に応じて制御するようにしているので、何れの運転条件においても燃焼室内の混合気温度の局所的な悪化に伴う燃焼状態悪化による燃焼音を抑制しつつ良好な燃焼効率を得ることができる。
この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置を適用する内燃機関の、吸気系、排気系および燃焼室の構成を示す概略図である。 図1における燃焼室に接続している2つある吸気流路と排気流路のうちの、一方の断面図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、ECU内部で実行される制御のブロック図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、メイン制御を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、燃焼状態検出を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、第1吸気流路の吸気温度制御に関するフローチャートである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、機関回転数と負荷に基づいた目標燃焼開始時期を示すマップである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、高温時の吸気温度制御に関するフローチャートである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、機関回転数と負荷に基づいた高温側と低温側の吸気温度の基本目標値を示すマップである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、低温時の吸気温度制御に関するフローチャートである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、機関回転数と負荷に基づいた目標燃焼期間を示すマップである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、第2吸気流路の吸気温度制御に関するフローチャートである。 この発明の実施の形態2による内燃機関の制御装置における、燃焼状態検出を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2による内燃機関の制御装置における、低温時の吸気温度制御に関するフローチャートである。 従来の内燃機関の制御装置の制御ブロック図である。 ガソリンの燃料成分の違いによる燃焼開始時期と燃焼期間の影響を示す説明図である。 燃焼開始時期による燃焼効率への影響を示す説明図である。
図1はこの発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置を適用する内燃機関の、吸気系、排気系および燃焼室の構成を示す概略図である。図2は、図1における燃焼室に接続している2つある吸気流路と排気流路のうちの、一方の断面図である。なお、内燃機関本体1は多気筒エンジンとして構成しているが、図1、図2では内燃機関本体1の1気筒のみを示している。以下、主に図2の断面図を用いて4サイクル内燃機関の基本動作を説明する。
図1および図2において、内燃機関本体1にはクランク角センサ2が取り付けられ、クランク軸が一定角度回転するごとにパルス信号を出力する。クランク角センサ2は、例えばクランク回転角10°ごとに回転角検出用のパルスを出力し、クランク角度や機関回転数の算出に用いられる。ピストン3は、燃焼室4を往復運動し、ピストン3の下降で2つの吸気弁5から燃焼室4へ燃料と空気の混合気を導入し、ピストン3の上昇によって混合気を断熱圧縮し、断熱圧縮により燃焼した際の混合気の燃焼圧力を運動エネルギーに変換し、さらに燃焼後の既燃ガスを2つの排気弁6を介し燃焼室4から排気管7へ排出し、排気管7に配置された図示していない触媒で浄化した排ガスを大気に放出する。
次に、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置を適用する内燃機関の主要な構成を説明する。燃焼室4には第1吸気流路8と第2吸気流路9が接続され、各吸気流路8、9の上流に混合気の温度を調整する吸気温度変更手段としての第1加熱器10と第2加熱器11が夫々配置されている。第1吸気温度センサ12と第2吸気温度センサ13は、第1加熱器10と第2加熱器11の下流側に夫々配置され、第1及び第2吸気流路8、9の吸気温度を夫々検出する。スロットル14と、燃料を噴射する噴霧弁15と、吸気管内の圧力を検出する吸気管圧力センサ18は、第1及び第2加熱器10、11の上流側に夫々設けられている。
混合気は、吸入空気量を調節するためのスロットル14を通過した空気と噴射弁15から噴射した燃料で形成され、第1吸気流路8と第2吸気流路9に分流される。分流された一方の混合気は、第1加熱器10で温度調整され、さらに第1吸気流路8と吸気弁5を通過して燃焼室4に至る。第2吸気流路9に分流されたもう一方の混合気は、第2加熱器11で温度調整され、さらに第2吸気流路9と吸気弁5を通過して燃焼室4に至る。
また、スロットル14の下流には吸気流路の圧力を検出する吸気管圧力センサ18が配置されており、この吸気管圧力センサ18の圧力検出値から内燃機関の負荷が算出される。なお、この実施の形態1では、吸気温度を変更する吸気温度変更手段として第1及び第2加熱器10、11を用いているが、吸気温度変更手段は特にこれらに限定するものではなく、燃焼排気ガスなどの内燃機関の排熱を吸気に熱交換可能な熱交換器やEGRなど吸気温度を変更することが可能な別の手段を用いても良い。
また、車室内等に設けられたECU(エンジンコントロールユニット)16は、吸気温度を制御する吸気温度制御等を実行するマイクロコンピュータシステムであり、燃焼室4に取付けられた燃焼状態を検出する筒内圧力センサ17等の信号が入力され、この入力された信号に基づいて演算処理を実行する。ECU16は、その演算結果に応じて各種アクチュエータ用制御信号を出力し、第1及び第2加熱器10、11などのアクチュエータを制御する。なお、この実施の形態1では、燃焼状態を検出する手段として筒内圧力センサ17を用いているが、特にこれに限定されるものではなく、イオン電流センサやクランク角度センサなど燃焼状態が検出できる別の手段を用いても良い。
図3は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、ECU内部で実行される制御のブロック図である。ECU16は、図3に示すブロック図で構成され、記憶した制御プログラムに基づいて各種の演算処理を行う。ECU16は、機関回転数30と負荷31から目標燃焼開始時期AQstartと目標燃焼期間AQangを算出し(32、33)、それらの目標に内燃機関1を制御する為の基本となる高温側目標吸気温度ATHと低温側目標吸気温度ATLを機関回転数と負荷に基づいて算出する(34)。
また、ECU16は、気筒毎に設けた筒内圧力センサ17の出力信号に基づいて燃焼状態を表す燃焼開始時期Qstartと燃焼期間Qangの2種類の指標を抽出し(35、36)、高温側基本目標吸気温度ATHに燃焼開始時期Qstartに応じた補正を行い(37)、低温側基本目標吸気温度ATLに燃焼期間Qangに応じた補正を行う(38)。その後、ECU16は、2つの吸気流路8、9に取付けてある第1及び第2吸気温度センサ12、13の出力信号に基づいて吸気温度の比較を行い(39)、高温側の吸気流路の吸気温度を燃焼開始時期に応じて演算した高温側の目標吸気温度になるように高温側の加熱器を制御し、低温側の吸気流路の吸気温度を燃焼期間に応じて演算した低温側の目標吸気温度になるように低温側の加熱器を制御する。
予混合圧縮自己着火内燃機関では、予め混合された空気と燃料の混合気がピストン3で圧縮されることにより、燃焼室4内の複数の箇所で自己着火温度に達した混合気から燃焼を開始するので、燃焼開始時期は高温寄りの混合気の温度に依存し、高温の混合気温度が高いほど燃焼開始時期は早まり低いほど遅くなる。ECU16は、良好な燃焼効率が得られる目標燃焼開始時期に対し実燃焼開始時期が早い場合には、吸気温度が高い方の吸気流路の吸気温度を下げ、遅い場合には吸気温度を上げる制御を実行することで実燃焼開始時期を目標燃焼開始時期に制御する。
一方、燃焼期間や燃焼変動は、燃焼開始後に自己着火する混合気の影響を受けるので高温の混合気よりも低温の混合気の温度に依存し、低温の混合気温度が高いほど低温混合気の燃焼する時期が早くなるので燃焼期間が短くなり、低温ほど燃焼する時期が遅くなり燃焼期間が長くなる。また、低温の混合気に温度の低い混合気が存在するときには、自己着火し難い為に燃焼変動が大きくなる。ECU16は、良好な燃焼効率が得られる目標燃焼期間や目標燃焼変動に対し実燃焼期間が長い場合や実燃焼変動が大きい場合には、吸気温度が低い方の吸気流路の吸気温度を上げ、実燃焼期間が短い場合には、吸気温度を下げる制御を実行することで目標燃焼期間や目標燃焼変動に制御する。
このように、燃焼状態を表す燃焼開始時期と燃焼期間の2種類の指標を検出し、気筒毎に2つ配置してある吸気流路の高温側の吸気温度を燃焼開始時期に応じて制御し、低温側の吸気温度を燃焼期間に応じて制御するので良好な燃焼効率を得ることができる。
実施の形態1.
次に、この発明の第1実施の形態1による内燃機関の制御装置について、具体的内容を説明する。まず、図1、図2、及び図3に於いて、筒内圧力センサ17の出力波形から燃焼開始時期と燃焼期間を抽出する。さらに、第1吸気温度センサ12と第2吸気温度センサ13により夫々検出した第1吸気流路8と第2吸気流路9の吸気温度を比較し、吸気温度が高い方と低い方の吸気流路を明確にする。そして燃焼開始時期に応じて吸気温度が高温側の吸気流路の吸気温度を制御し、低温側の吸気流路の吸気温度を燃焼期間に応じて制御する。このように、高温混合気に関連する燃焼開始時期に応じて高温側の吸気温度を制御し、低温混合気に関連する燃焼期間に応じて低温側の吸気温度を制御するので、燃焼開始時期と燃焼期間が適正に制御されて良好な燃焼効率を得ることができる。
ECU16の内部で実行されるこの発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の制御について説明する。図4は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置のメイン制御を示すフローチャートであり、例えば4気筒の内燃機関にこの発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置を適用した場合は、クランク角度180度毎に対応気筒について実行される。図4に於いて、まず、ステップS101で第1吸気流路8と第2吸気流路9の吸気温度T1、T2を検出する。次にステップS102で燃焼状態を検出し、ステップS103とステップS104で吸気温度T1、T2と燃焼状態の情報を基に第1吸気流路8と第2吸気流路9の吸気温度制御を実行する。
図5は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、燃焼状態検出を示すフローチャートである。次に、前述の図4におけるステップS102の燃焼状態検出について、筒内圧力センサ17の出力信号から燃焼開始時期と燃焼期間を抽出する方法を、図5に基づいて説明する。図5に於いて、ステップS201でクランク角度1[deg]毎に記録した筒内圧力を読み込み、ステップS202で次式を用いて熱発生率dQ[J
/deg]を1サイクル毎に下記の式(1)により算出する。

dQ[n]=(V[n]*dP[n]+k*P[n]*dV[n])/(k−1)
・・・・・式(1)
但し、
V:燃焼室容積[m]、dP:筒内圧力上昇率[Pa/deg]
k:比熱比、P:筒内圧力[Pa]、dV:燃焼室容積変化率[m/deg]
次に、ステップS203で熱発生率dQを基に燃焼開始時期を抽出する。熱発生率が最大となるクランク角度から進角側に検索し、熱発生率dQが「0」になったときのクランク角度を燃焼開始時期Qstart[deg]とする。次にステップS204で熱発生率dQを基に燃焼終了時期を抽出する。熱発生率が最大となるクランク角度から遅角側に検索し、熱発生率dQが「0」になったときのクランク角度を燃焼終了時期Qend[deg]とする。次にステップS205で、下記の式(2)に基づいて、燃焼終了時期Qendから燃焼開始時期Qstartの差分をとり燃焼期間Qang[deg]を算出する。

Qang=Qend−Qstart ・・・・・・ 式(2)
次に、前述の図4におけるステップS103の第1吸気流路の第1吸気温度制御について説明する。図6はこの発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、第1吸気流路の吸気温度制御に関するフローチャートである。図7において、ステップS301で吸気流路判別用変数Xに第1吸気流路8の吸気温度制御として「1」を代入する。次にステップS302で高温側の吸気温度に関連のある目標燃焼開始時期AQstartを機関回転数と負荷に基づき予め実験で設定された図7に示すマップから抽出する。即ち図7は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、機関回転数と負荷に基づいた目標燃焼開始時期を示すマップである。
次に、ステップS303で第1吸気流路8と第2吸気流路9の吸気温度の比較を行い、第1吸気流路8が高温側の吸気流路であると判断した場合(Y)にはステップS304に進んで高温時吸気温度制御を実行し、第1吸気流路8が低温側の吸気流路であると判断した場合(N)にはステップS305に進んで低温時吸気温度制御を実行する。
次に、ステップS304で実行される高温時吸気温度制御について説明する。図8は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、高温時の吸気温度制御に関するフローチャートである。図8において、まず、ステップS401で良好な燃焼効率が得られる高温側の吸気温度の基本目標値を、機関回転数と負荷に基づき予め実験で抽出し設定された図9に示すマップから抽出する。
即ち、図9は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、機関回転数と負荷に基づいた高温側と低温側の吸気温度の基本目標値を示すマップであり、横軸は内燃機関の機関回転数および負荷であり、縦軸は吸気温度を示している。また、実線で示す特性線は高温側の基本目標吸気温度を示し、破線で示す特性線は低温側の基本目標吸気温度を示している。内燃機関本体1の壁面やピストン3による冷却作用が及び難い高回転数や、断熱圧縮作用によって混合気の温度が上昇しやすい高負荷ほど基本目標吸気温度は低い設定になる。なお、内燃機関の高回転数や高負荷での確実な自己着火を得るために、高温側の基本目標吸気温度の低温化は、低温側の基本目標吸気温度の低温化よりも緩い設定となる。
内燃機関の回転数や負荷に対する各吸気温度の具体的な温度設定は、内燃機関の特に燃焼室の構造上の違い、例えば燃焼室直径やピストン形状や混合気を冷却する能力の違いによって異なる。そこで、燃焼室構造が異なる内燃機関ごとに回転数や負荷ごとの各吸気温度設定値を導くための回転数や負荷に関する関数や、温度設定値データーテーブルを予め作成しておく。
次に図8のステップS402では、筒内圧力センサ17の出力信号から得た実際の燃焼開始時期Qstartと目標燃焼開始時期AQstartとの偏差に基づいた制御演算を実行して補正量RSを下記の式(3)により算出する。

RS=f1(AQstart−Qstart) ・・・・・ 式(3)

この制御演算には偏差に対する比例制御演算(P制御)や、比例演算に偏差の積分値に比例した積分制御演算(I制御)を加えたPI制御や、さらに比例演算に燃焼開始時期変化に比例した微分制御演算(D制御)を加えたPID制御などを用いる。
次のステップS403で目標燃焼開始時期AQstartと燃焼開始時期Qstartを比較し、目標燃焼開始時期AQstartより燃焼開始時期Qstartが小さく進角と判定された場合(Y)には、吸気温度が高すぎるのでステップS404で目標吸気温度QT(1)を下げる補正を行って吸気温度を下げる。一方、燃焼開始時期Qstartが目標燃焼開始時期AQstartより大きく遅角と判定された場合(N)には、吸気温度が低すぎるのでステップS405で目標吸気温度QT(1)を上げる補正を行って吸気温度を上げる。このように、燃焼開始時期に影響のある高温側の吸気温度を良好な燃焼効率が得られる目標燃焼開始時期AQstartと燃焼開始時期Qstartに応じて制御するので、良好な燃焼効率を得ることができる。
次に、前述の図6のステップS303において低温側の吸気流路である(N)と判断したときに実行されるステップS305の低温時吸気温度制御について説明する。図10は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、低温時の吸気温度制御に関するフローチャートである。図10において、まずステップS501で低温側の吸気温度の基本目標値を機関回転数と負荷に基づき予め実験で設定した前述の図9に示すマップから抽出する。
次にステップS502で燃焼開始時期Qstartと目標燃焼開始時期AQstartの偏差の絶対値が所定値「1」より小さいか否かを判定する。所定値「1」は、燃焼効率の低下が例えば3[%]になる燃焼開始時期と目標燃焼開始時期の偏差の絶対値を予め実験で抽出して設定しておく。ステップS502で所定値[1]より小さく良好な燃焼効率が得られる燃焼開始時期になっている(Y)と判断されると、ステップS503以降で低
温側の吸気温度を燃焼期間に応じて制御する。ステップS503で機関回転数と負荷に基づき予め実験で求めた良好な燃焼効率が得られる目標燃焼期間AQangを図11に示すマップから抽出する。即ち、図11は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、機関回転数と負荷に基づいた目標燃焼期間を示すマップである。
次のステップS504では、筒内圧力センサ17の出力信号から得た実際の燃焼期間Qangと目標燃焼期間AQangとの偏差に基づいた制御演算を次式(4)により実行して補正量RAを算出する。

RA=f2(AQang−Qang) ・・・・・式(4)

式(4)による制御演算には、前述の燃焼開始時期に応じた補正量を演算したときと同様に、PID制御などを用いる。
次にステップS505で目標燃焼期間AQangと燃焼期間Qangを比較し、目標燃焼期間AQangより燃焼期間Qangの方が短いと判定(Y)された場合には、吸気温度が高いのでステップS506で目標吸気温度QT(1)を下げる補正を下記の式(5)により行って吸気温度を下げる。

QT(X)=ATL−RA ・・・・・式(5)
一方、ステップS505で燃焼期間Qangが目標燃焼期間AQangより長いと判定(N)された場合には、吸気温度が低いのでステップS507で目標吸気温度QT(1)を上げる補正を下記の式(6)により行って吸気温度を上げる。

QT(X)=ATL+RA ・・・・・式(6)
前述のステップS502で燃焼開始時期Qstartと目標燃焼開始時期AQstartの偏差の絶対値が第1の所定値(所定値1)以上と判定(N)された場合には、燃焼開始時期が適正近傍となっておらず高温側の吸気温度を積極的に制御中であるので、高温側と低温側の吸気温度制御の相互干渉を避ける為に高温側の吸気温度の制御を優先し、燃焼期間に応じた低温側の吸気温度制御を実行せずにステップS508で目標吸気温度QT(X)をステップS501で算出した低温側の吸気温度の基本目標値ATLとする。
このように、高温側の吸気温度の制御を優先的に行うことで低温側の吸気温度制御との相互干渉を抑制して燃焼状態の制御性を落とすことなく、燃焼期間に影響のある低温側の吸気温度を目標燃焼期間と燃焼期間に応じて制御するので良好な燃焼効率を得ることができる。
以上述べたように、図4のステップS103の第1吸気流路8の吸気温度制御について、第1吸気流路8が高温側と低温側のどちらの吸気流路になっているかを判断し(図6のステップS303)、高温側の場合はステップS304で高温時吸気温度制御を実行し、低温側の場合はステップS305で低温時吸気温度制御を行うものである。
次に、図4のステップS104の第2吸気流路9の吸気温度制御について説明する。図12は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、第2吸気流路の吸気温度制御に関するフローチャートである。図12において、ステップS601で吸気流路判別用変数Xに第2吸気流路9の吸気温度制御を実行することを意味する「2」を代入する。ステップS602以降は、第1吸気流路8の吸気温度制御と同様で、第2吸気流路9が高温側と低温側のどちらの吸気流路になっているかをS603で判断し、高温側の場合はステップS604で高温時吸気温度制御を実行し、低温側の場合はステップS605で低温時吸気温度制御を行う。ステップS604の高温時吸気温度制御とステップS605の低温時吸気温度制御は、第1吸気流路8の吸気温度制御と同様の内容であるので説明を省略する。
以上述べたように、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置燃焼状態を表す指標として高温の吸気温度に関連のある燃焼開始時期と低温の吸気温度に関連のある燃焼期間を抽出し、燃焼開始時期が良好な燃焼効率が得られる目標燃焼開始時期になるよう高温の吸気温度を制御し、燃焼期間が良好な燃焼効率が得られる目標燃焼期間になるよう低温の吸気温度を制御するので、良好な燃焼効率を得ることができる。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2による内燃機関の制御装置は、前述の実施の形態1による内燃機関の制御装置に燃焼変動に応じた低温側の吸気温度制御を加えることで、積極的に燃焼変動を抑制し早期に良好な燃焼効率を得るようにしたものである。
以下述べる実施の形態2のメイン制御は、実施の形態1の場合と同じであり、実施の形態2では、実施の形態1との相違点となる燃焼変動を検出する燃焼状態検出手段と燃焼変動に応じた低温時吸気温度制御のみを説明する。まず燃焼変動を検出する燃焼状態検出手段について説明する。図13は、この発明の実施の形態2による内燃機関の制御装置における、燃焼状態検出を示すフローチャートである。図13において、ステップS701からステップS705は、実施の形態1の燃焼状態検出と同じ内容なので説明を省略する。ステップS705で抽出した燃焼期間をステップS706でメモリーに記録し、ステップS707で記録した燃焼期間Qangを基に次式(7)を用いて燃焼変動QangCOVを算出する。

QangCOV=Qangの標準偏差/Qangの平均値・・・式(7)
次に、算出した燃焼変動QangCOVに応じた低温側の吸気温度制御について説明する。図14は、この発明の実施の形態2による内燃機関の制御装置における、低温時の吸気温度制御に関するフローチャートである。図14において、燃焼変動QangCOVに応じた吸気温度の補正演算と目標吸気温度への燃焼変動補正以外は、前述の実施の形態1と同じ内容である。ステップS802で燃焼開始時期Qstartと目標燃焼開始時期AQstartの偏差の絶対値が第1の所定値(所定値1)より小さい場合には、燃焼開始時期が燃焼効率が良くなる適正な時期に制御されていると判定し(Y)、ステップS803で燃焼変動と第2の所定値(所定値2)を比較する。
第2の所定値は、燃焼変動QangCOVにより燃焼効率が悪化する変動率を予め実験で抽出しておき、例えば5[%]と設定する。ステップS803での判定の結果、燃焼変動が第2の所定値以上と判定(N)されると、ステップS810に進んで燃焼変動に基づいた制御演算を実行して補正量RCを下記の式(8)により算出する。

RC=f3(QangCOV−第3の所定値) ・・・・式(8)
式(8)による制御演算には、燃焼開始時期Qstartや燃焼期間Qangに応じた補正量を演算したときと同様にPID制御などを用い、関数の補正ゲインは燃焼期間に応じた補正演算時よりも大きくすることで、早期に燃焼変動を抑制する。一方、ステップS
803で燃焼変動が第2の所定値より小さいと判定(Y)した場合には、実施の形態1と同じ燃焼期間に応じた補正演算をステップS805で前述の式(4)により行う。
次に、ステップS806で燃焼期間Qangと目標燃焼期間AQangの比較を行い、ステップS807やステップS808により、実施の形態1の燃焼期間に応じた補正に燃焼変動に応じた吸気温度補正を追加することで積極的に燃焼変動を抑制する。
このように、この発明の実施の形態2による内燃機関の制御装置によれば、低温側の吸気温度が大幅に低く燃焼変動が大きいときには、燃焼期間に応じた補正よりも補正ゲインを大きくし燃焼変動に応じた制御とすることで、早期に燃焼変動を抑制することができる。さらに、早期に低温側の吸気温度を適正な温度近傍に制御した後、燃焼期間に応じた補正を行うのでより早く燃焼効率が良好となる吸気温度に制御することができる。
なお、この発明は、その発明の範囲内に於いて、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 内燃機関本体、2 クランク角センサ、4 燃焼室、8 第1吸気流路、9 第2吸気流路、10 第1加熱器、11 第2加熱器、12 第1吸気温度センサ、13 第2吸気温度センサ、16 ECU、17 筒内圧力センサ、18 吸気管圧力センサ。

Claims (3)

  1. 内燃機関の気筒毎に配置された第1吸気流路と第2吸気流路と、
    前記第1吸気流路の吸気温度を検出する第1吸気温度検出手段と、
    前記第2吸気流路の吸気温度を検出する第2吸気温度検出手段と、
    前記第1吸気流路の吸気温度を制御する第1吸気温度制御手段と、
    前記第2吸気流路の吸気温度を制御する第2吸気温度制御手段と、
    前記気筒における燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と、
    前記検出した燃焼状態と前記各吸気流路の吸気温度を関連付けするために前記各吸気流路の吸気温度を比較する吸気温度比較手段と、
    を備え、
    前記燃焼状態検出手段は、前記燃焼状態を表す燃焼開始時期と燃焼期間の2種類の指標を抽出し、
    前記第1吸気温度制御手段と前記第2吸気温度制御手段は、前記各吸気流路のうち高温である方の吸気流路の吸気温度を燃焼開始時期に応じて制御し、
    前記各吸気流路のうち低温である方の吸気流路の吸気温度を燃焼期間に応じて制御する、
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記燃焼状態検出手段は、前記気筒における燃焼変動に関連する状態量を指標として検出し、
    前記第1吸気温度制御手段と前記第2吸気温度制御手段は、前記各吸気流路のうち低温である方の吸気流路の吸気温度を、前記燃焼変動に応じて制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記第1吸気温度制御手段と前記第2吸気温度制御手段は、前記各吸気流路のうち高温である方の吸気流路の吸気温度を、低温である方の吸気流路の吸気温度よりも優先に制御する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
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