JP2011153589A - 火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高圧縮比、高過給、高温の残留ガスを利用する形式の火花点火式内燃機関に利用できるノック制御方法を確立し、そのようなノック制御方法を実施可能な燃料噴射制御装置を提供し、ノッキングの発生を抑制しつつ、燃料の消費を抑制する。
【解決手段】二種類の燃料を噴射供給する火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置において、二種類の燃料を温度に対するそれぞれの着火遅れ時間が所定の境界温度を境として互い逆転する燃料どうしの組合せとし、火花点火式内燃機関の筒内温度を検知または推定にて求める筒内温度算出手段を設け、制御手段は、二種類の燃料の噴射割合を二種類の燃料の着火遅れ時間が逆転する境界温度に対応する所定の温度と筒内温度算出手段により求められた筒内温度に基づいて制御する。
【選択図】図1

Description

この発明は火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置に係り、特に、ガソリンとエタノールのように二種類の燃料を使用する火花点火式内燃機関において、筒内温度を基準にして各燃料の噴射量を制御してノッキングを適切に抑制できる火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
車両に搭載される火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置には、二種類の燃料を使用し、ノッキング発生が検知された場合に、二種類の燃料のうち第一の燃料を主燃料として利用するとともに、第二の燃料をノッキングを抑制する添加剤として利用するよう制御する制御手段を備えているものがある。
このような火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置としては、特公平3−37029号公報に、吸気ポート内に第一の燃料を主燃料としてガソリンを噴射し、第二の燃料をノッキング抑制添加剤としてエタノールを筒内や吸気ポート内に噴射することで、エタノールの「高いオクタン価」および「ガソリンと比較して高い蒸発潜熱をもつことによる吸入空気の冷却効果」により、火花点火式内燃機関の耐ノック性能を向上することが開示されている。また、「J.B.Heywood他、Direct injection ethanol boosted gasoline engines:Biofuel leveraging for cost effctive reduction of oil dependence and CO emissions、 MIT report、 2005」にも、同様の技術が記載されている。
特公平3−37029号公報
しかしながら、火花点火式内燃機関は、高圧縮比下、高過給下、高回転下や高残留ガス下等の筒内温度が高い条件下において、リサーチオクタン価(以下「RON」と記す。)が80から100程度のガソリンに対してエタノールを添加すると、耐ノック性能が悪化することが明らかになった。なお、RON80は、イソオクタン80:ノルマルオクタン20の混合比であり、RON96以上がハイオクタンガソリン、RON89以上がレギュラーガソリンに分類される。
このため、前記特公平3−37029号公報で示されるようなノッキング発生時にエタノールの噴射量を増加させるという単純な制御ではノッキングを回避できず、逆にノッキングが促進されるという欠点がある。また、エタノールの噴射量を単純に増加させるという制御では、エタノールが必要以上に消費されてしまうため、エタノール積載量の増加や燃費の悪化を招くこととなる。
この発明は、高圧縮比、高過給、高温の残留ガスを利用する形式の火花点火式内燃機関に利用できるノック制御方法を確立し、そのようなノック制御方法を実施可能な燃料噴射制御装置を提供すること、ノッキングの発生を抑制しつつ、燃料の消費を抑制することを目的とする。
この発明は、二種類の燃料を噴射供給する火花点火式内燃機関と、この火花点火式内燃機関に発生するノッキングを検知するノック検知手段を備え、このノック検知手段により所定のノッキング発生が検知された場合に、二種類の燃料のうち第一の燃料を主燃料として利用するとともに、第二の燃料をノッキングを抑制する添加剤として利用するよう制御する制御手段を備えた火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置において、二種類の燃料を温度に対するそれぞれの着火遅れ時間が所定の境界温度を境として互い逆転する燃料どうしの組合せとし、前記火花点火式内燃機関の筒内温度を検知または推定にて求める筒内温度算出手段を設け、前記制御手段は、二種類の燃料の噴射割合を二種類の燃料の着火遅れ時間が逆転する境界温度に対応する所定の温度と前記筒内温度算出手段により求められた筒内温度に基づいて制御することを特徴とする。
この発明の火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置は、幅広い運転領域にわたって、ノッキングを適切に抑制できる。また、この発明の火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置は、高圧縮比、高過給、高温の残留ガスを利用する形式の内燃機関に適用できる。さらに、この発明の火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置は、ノッキングの抑制剤として炭化する第二の燃料の消費量を抑制できる。また、この発明の火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置は、二種類の燃料の組み合わせが異なっても、所定の温度の設定で、多くの組み合わせバリエーションに応用可能である。
火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置の制御フローチャートである。(実施例) 火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置のシステム構成を示すブロック図である。(実施例) ノック限界点火時期を示す図である。(実施例) (A)は初期圧力20atmにおけるエタノール混合ガソリンの着火遅れ時間を示す図、(B)は初期圧力50atmにおけるエタノール混合ガソリンの着火遅れ時間を示す図である。(実施例) (A)は点火時期を進角させたときのクランク角度に対する筒内圧力の変化を示す図、(B)は点火時期を進角させたときのクランク角度に対する未燃ガス温度の変化を示す図である。(実施例) 火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置のシステム構成を示すブロック図である。(変形例1) 火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置のシステム構成を示すブロック図である。(変形例2)
以下、図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。
図1〜図5は、この発明の実施例を示すものである。図2において、1は火花点火式内燃機関、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5はコネクティングロッド、6はクランク軸、7は燃焼室、8は吸気ポート、9は排気ポート、10は吸気通路、11は排気通路、12は吸気弁、13は排気弁、14はスロットルバルブ、15は点火プラグである。火花点火式内燃機関1は、第一の燃料を貯留する第一の燃料タンク16と第二の燃料を貯留する第二の燃料タンク17と備え、第一の燃料タンク16の第一の燃料を吸気ポート8に噴射供給する第一の燃料噴射弁18を備え、第二の燃料タンク19の第二の燃料を吸気ポート8に噴射供給する第二の燃料噴射弁19を備えている。第一の燃料噴射弁18は、スロットルバルブ14下流側の吸気通路10に設けている。第二の燃料噴射弁19は、前記第一の燃料噴射弁18の下流側の吸気通路10に設けている。
前記第一の燃料噴射弁18及び第二の燃料噴射弁19は、燃料噴射制御装置20の制御手段21に接続されている。燃料噴射制御装置20は、ノッキングを検知するノック検知手段22をシリンダブロック2に備え、制御手段21に接続している。制御手段21は、このノック検知手段22により所定のノッキング発生が検知された場合に、二種類の燃料のうち第一の燃料を主燃料として利用するとともに、第二の燃料をノッキングを抑制する添加剤として利用するよう制御する。燃料噴射制御装置20は、第一の燃料である主燃料としてガソリンを利用し、第二の燃料であるノッキング抑制添加剤としてエタノールを利用するよう制御する。
この火花点火式内燃機関1は、第一の燃料噴射弁18及び第二の燃料噴射弁19によって異なる二種類の燃料を噴射供給される。燃料噴射制御装置20は、第一の燃料噴射弁18及び第二の燃料噴射弁19を制御し、二種類の燃料の噴射割合を変化させることができる。二種類の燃料の噴射割合は、筒内温度(あるタイミングの温度や最高到達温度、筒内温度履歴など)をもとに制御する。
ここで、燃料噴射制御装置20において、二種類の燃料の噴射割合を変化させる点について考察する。
例えば、第一の燃料をガソリンとし、第二の燃料をエタノールとし、エタノール混合ガソリンを燃料として利用した火花点火式内燃機関1は、図3に示すように、ノック限界点火時期(ノックの発生しない最進角点火時期)を有している。ここで、図3中のE20は、ガソリンとエタノールとの体積比が80対20の混合燃料を意味する。ガソリンに対するエタノールの混合割合を増加させていくと、点火時期を進角していくことができるが、ある混合割合(E80)を越えると、進角できなくなることがわかる。条件によっては、逆に遅角せざるをえなくなる場合もある。
これは、図4に示すように、ガソリンにエタノールを混合すると、ある温度(境界温度)を境に、低温側は着火遅れ時間(燃料混合気をある温度下において着火するまでの時間を測定したもの)が長くなるが、高温側は着火遅れ時間が短くなることによる。ノックが図4の低温側で生じる場合は、低温側の着火遅れ時間の長いエタノール割合を増加させることでノックが抑制されて点火時期は進角できる。
しかし、エタノールを増加して点火時期を進角していくと、図5(A)に示すように、同時に筒内圧力が最大圧力となる点も圧縮上死点に近いところへ進角していくこととなる。このため、図5(B)に示すように、筒内の未燃ガス圧力および温度は上昇し、ノックは図4の高温側で発生するようになる。図4の高温側では、エタノールの着火遅れ時間がガソリンよりも短いため、エタノール割合の増加はノックを促進させることとなるため、点火時期を遅角せざるを得なくなる。
これにより、エタノール混合割合を増加させていった場合のノック限界点火時期は、図3のような傾向を示すこととなる。また、高圧縮比や高過給、高温の残留ガスを利用する形式の火花点火式内燃機関では、点火時期近傍の筒内温度が図4の高温側に入っている場合もあり、このような条件下でのエタノール増加は耐ノック性能を即座に悪化させることとなる。
以上のことから、二種類の燃料の噴射供給する火花点火式内燃機関1において、ノック発生時に単純にエタノール噴射量を増加させていくという制御には、欠点があることがわかる。
そこで、この火花点火式内燃機関1の燃料噴射制御装置20は、上記を鑑み、ガソリンを主燃料(第一の燃料)とし、エタノールをノッキング抑制添加剤(第二の燃料)とした場合に、筒内温度に基づきエタノールの噴射量を制御する。
火花点火式内燃機関1の燃料噴射制御装置20は、図2に示すように、シリンダブロック2に筒内温度センサ23、筒内圧力センサ24を備え、スロットルバルブ14のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ25を備え、スロットルバルブ14上流側の吸気通路10に吸気流量センサ26を備え、スロットルバルブ14下流側の吸気通路10に吸気温度センサ27、吸気圧力センサ28を備え、排気通路11に排気温度センサ29、空燃比センサ30を備え、クランク軸6のクランク角度を検出するクランク角センサ31を備えている。制御手段21は、これら各センサ23〜31から検出信号を入力し、二種類の燃料を温度に対するそれぞれの着火遅れ時間が所定の境界温度(図4参照)を境として互い逆転する燃料どうしの組合せとし、二種類の燃料噴射量を制御する。
燃料噴射制御装置20は、制御手段21に火花点火式内燃機関1の筒内温度(燃焼室内温度)を検知または推定にて求める筒内温度算出手段32を設けている。筒内温度算出手段32は、火花点火式内燃機関1の筒内温度を直接的に検知する筒内温度センサ23を用いて求める筒内温度検知推定手段、あるいは、同じく筒内温度を筒内温度センサ23以外の検出値を用いて推定演算にて求める筒内温度算出手段のいずれかによって構成する。前記制御手段21は、二種類の燃料の噴射割合を、二種類の燃料の着火遅れ時間が逆転する境界温度に対応する所定の温度と、筒内温度算出手段32により求められた筒内温度に基づいて制御する。
前記筒内温度算出手段32は、筒内温度センサ23により筒内温度測定して求め、もしくは、吸気流量センサ26、吸気温度センサ27、排気温度センサ29の測定値により気体の状態方程式(pv=mRT)や、下記の式1のようなエネルギ保存式をもとにして筒内温度を予測する。
Figure 2011153589
ここで、Cpは定圧比熱、mは質量、Tは温度を示し、添え字のairは空気、fuelは燃料、rgは残留ガスを示す。また添え字のinは、吸入時を意味する。
また、燃料噴射制御装置20は、制御手段21に点火時期制御手段33と、スロットル開度制御手段34とを備えている。点火時期制御手段33とスロットル開度制御手段34とは、二種類の燃料の噴射割合を境界温度と筒内温度に基づいて制御する際に、それぞれ点火プラグ15の点火時期とスロットルバルブ14のスロットル開度とを制御する。
前記二種類の燃料は、図4に示すように、着火遅れ時間の関係が高温側と低温側で逆転する燃料の組み合わせであれば、どのような燃料であってもその交差する温度以上にTmaxを設定する。
二種類の燃料としてガソリンとエタノールの組み合わせの場合は、エンジン諸元や運転条件によってことなるが、図4に示すように、着火遅れ時間が低温側と高温側で逆転する温度は700K〜1200K(図4では約1000K(1200Kは省略))の間となるため、制御で使用する境界温度に対応する所定の温度Tmaxをこの範囲で設定する。
なお、所定の温度Tmaxは、筒内圧力、空燃比などパラメータにより変化するため、これらパラメータ基づく所定の温度Tmaxの補正マップ35を制御手段21に設定している。もしくは、所定の温度Tmaxをそれらの関数として定義しても良い。
前記筒内温度算出手段32による筒内温度の算出については、(1).筒内温度センサ23を利用する場合と、(2).各種センサの検出値により予測する場合とがある。
(1).筒内温度センサ23を利用する場合
筒内にエタノールを噴射する火花点火式内燃機関1の場合は、以下の(a).(b).のような制御方法がある。
(a).筒内にエタノールを噴射するサイクルにおいて、噴射前の筒内温度、例えば吸気閉弁時の筒内温度Tivcを筒内温度センサ23で計測し、既知である吸気弁12閉時の筒内容積Vivc、および任意のタイミングにおける筒内容積Vtrgをもとに、ポリトロープ変化を仮定してTivcVivcN−1=TtrgVtrgN−1の関係から任意の筒内温度Ttrg、例えば現在のサイクルにおける点火時期での筒内温度などを算出する。
その後、Weibe関数(Xb=1−exp[−a((c−c0)/△c)m+1]、ここで、cはクランク角度、c0は燃焼開始時期、△cは燃焼期間、aおよびmは調整パラメータ)などを用いて燃焼割合(既燃ガス質量割合)Xbを予測し、消費された燃料のエンタルピと燃焼室容積の変化から燃焼期間中の既燃ガス温度Tb、未燃ガス温度Tub、および筒内圧力を予測する。この未燃ガス温度Tubを筒内温度Tcylとして、境界温度に対応する所定の温度Tmaxとの比較を行い、本サイクルにおける各燃料の噴射量を制御する。
(b).任意のタイミングにおける筒内温度、例えばノック発生前の未燃ガス温度Tubを筒内温度センサ23で計測し、この未燃ガス温度Tubを筒内温度Tcylとして、所定の温度Tmaxとの比較を行い、次サイクルにおける各燃料の噴射量を制御する。
(2).各種センサにより筒内温度を予測する場合
筒内温度センサ23を利用する場合と制御方法は変わらないが、筒内温度を直接計測しないため、各種センサから得られた情報をもとに算出する。
筒内温度の予測方法として、前記式1のエネルギ保存式を利用して算出するには、新気量m_airと新気定圧比熱Cp_airを算出するために吸気流量センサ26および吸気温度センサ27、筒内残留ガス量m_rgと筒内残留ガス定圧比熱Cp_rgを算出するために排気温度センサ29、燃料量m_fuelと燃料定圧比熱Cp_fuelを算出するために空燃比センサ30を用いる。
新気量m_airは、吸気温度センサ27により計測された吸気温度T_airをもとに算出する新気の密度と、吸気流量センサ26により計測された1サイクル当たりの体積流量との積により求められる。新気定圧比熱Cp_airは、吸気温度T_airから熱力学テーブルにもとづき算出される。
筒内残留ガス量m_rgは、例えば排気弁13閉時の排気温度を残留ガス温度T_rgと仮定し、既知である排気弁13閉時の体積から、気体の状態方程式をもとに算出する。状態方程式で必要な排気弁13閉時の筒内圧力は、筒内圧力センサ24、もしくは、排気圧力センサによる計測をもとにしても良いし、大気圧と仮定して求めるなども考えられる。筒内残留ガス定圧比熱Cp_rgは、排気温度から熱力学テーブルにもとづき算出される。
燃料流量m_fuelは、空燃比センサ30で計測された空燃比と新気量m_airから求められる。また、空燃比センサ30が無い場合は、制御手段21による噴射期間からも算出できる。燃料定圧比熱Cp_fuelは、常温を仮定して熱力学テーブルにもとづき算出するなどが考えられる。また、燃料温度を計測する場合は、その温度にもとづき算出すればよい。
以上により、吸気閉12弁時の筒内温度Tivcが求まり、その後、既知である吸気弁12閉時の筒内容積Vivcおよび任意のタイミングにおける筒内容積Vtrgをもとに、ポリトロープ変化を仮定してTivcVivcN−1=TtrgVtrgN−1の関係から任意の筒内温度Ttrgを求める。なお、壁面からの熱損失をWoschniの式など利用して考慮して、混合気の比熱比をもとに筒内温度を算出する方法などもある。
次に、作用を説明する
火花点火式内燃機関1の燃料噴射制御装置20は、第一の燃料と第二の燃料との二種類の燃料の境界温度に対応する所定の温度と、筒内温度算出手段31により求められた筒内温度に基づいて、図1に示すように、二種類の燃料の噴射割合を制御する。
二種類の各燃料の噴射量は、合計で目標空燃比が理論空燃比(空気過剰率λ=1に調整する)となるように増減制御する。この目標空燃比は、常に理論空燃比(空気過剰率λ=1)に維持しなければならないわけではなく、運転状態に応じてリッチ/リーンへの補正は可能である。すなわち、第一の燃料(ガソリン)の増加分と第二の燃料(エタノール)の減少分を空燃比が等価となるように、また、第一の燃料(ガソリン)の減少分と第二の燃料(エタノール)の増加分を空燃比が等価となるように、対応させた噴射量として、トータルで理論空然比となるように増減制御する。
火花点火式内燃機関1の燃料噴射制御装置20は、図1に示すように、制御がスタートすると(S01)、筒内温度Tcylを計算し(S02)、ノックKI有無を計算し(S03)、ノック強度KIが所定値Aを越えているか(KI>A)を判断する(S04)。
この判断(S04)がYES(ノック強度KIが所定値Aより大きい)の場合は、筒内温度Tcylが境界温度に対応する所定の温度Tmaxを越えているか(Tcyl>Tmax)を判断する(S05)。この判断(S05)がNO(筒内温度Tcylが所定の温度Tmaxより低い)場合は、第二の燃料のエタノール噴射量ti_eが所定値ti_e_max(第二の燃料の上限判定値)未満であるか(ti_e<ti_e_max)を判断する(S06)。
この判断(S06)がYES(エタノール噴射量ti_eが上限判定値i_e_maxより少ない)の場合は、エタノールの噴射量ti_eをステップaで漸増させる(S07)。この処理(S07)においては、エタノールの噴射量ti_eのステップaでの増加に対して、ガソリンの噴射量(噴射期間)ti_gをステップbで減少させ、目標空燃比(空気過剰率λ=1を基本とする)に調整する。
これにより、燃料噴射制御装置20は、ノック検出手段22により検出されたノック強度(頻度)KIが所定値Aより大きく、また、筒内温度Tcylが所定の温度Tmaxより低く、かつ、エタノール噴射量(噴射期間)ti_eが所定値ti_e_max(第二燃料の上限判定値)よりも少ない場合は、エタノールの噴射量ti_eをステップaで増加させる。(case1)
一方、前記判断(S05)がYES(筒内温度Tcylが所定の温度Tmaxより高い)場合は、第二の燃料のエタノール噴射量ti_eが所定値ti_e_min(第二の燃料の下限判定値)未満であるか(ti_e<ti_e_min)を判断する(S08)。
この判断(S08)がNO(エタノール噴射量ti_eが下限判定値ti_e_minより多い)の場合は、エタノールの噴射量ti_eをステップaで漸減させる(S09)。この処理(S09)においては、エタノールの噴射量ti_eのステップaでの減少に対して、ガソリンの噴射量(噴射期間)ti_gをステップbで増加させ、空気過剰率λ=1に調整する。なお、エタノールの噴射量ti_eは、漸減でなく、全量カット(ti_e=0)としても良い。
これにより、燃料噴射制御装置20は、ノック検出手段22により検出されたノック強度KIが所定値Aより大きく、また、筒内温度Tcylが所定の温度Tmaxより高く、かつ、エタノール噴射量ti_eが下限判定値ti_e_minよりも多い場合は、エタノールの噴射量ti_eをステップaで減少せる。(case2)
さらに、前記判断(S05)がYES(筒内温度Tcylが所定の温度Tmaxより高い)場合であって、前記判断(S08)がYES(エタノール噴射量ti_eが下限判定値ti_e_minより少ない)の場合は、点火時期Igtをステップcで漸増させ、あるいは、スロットル開度θをステップdで漸減させる(S10)。
これにより、燃料噴射制御装置20は、ノック検出手段22により検出されたノック強度KIが所定値Aより大きく、また、筒内温度Tcylが所定の温度Tmaxより高く、かつ、エタノール噴射量ti_eが下限判定値tie_minよりも少ない場合は、点火時期Igtをステップcで遅角させるか、スロットル開度θをステップdで減少させるという制御を行う。(case3)
また、前記判断(S05)がNO(筒内温度Tcylが所定の温度Tmaxより低い)場合であって、前記判断(S06)がNO(エタノール噴射量ti_eが上限判定値i_e_maxより多い)の場合は、点火時期Igtをステップcで漸増させ、あるいは、スロットル開度θをステップdで漸減させる(S11)。
これにより、燃料噴射制御装置20は、ノック検出手段22により検出されたノック強度KIが所定値Aより大きく、また、筒内温度Tcylが所定の温度Tmaxより低く、かつ、エタノール噴射量ti_eが上限判定値tie_maxよりも多い場合は、点火時期Igtをステップcで遅角させるか、スロットル開度θをステップdで減少させるという制御を行う。(case4)
さらにまた、前記判断(S04)がNO(ノック強度KIが所定値Aより小さい)の場合は、第二の燃料のエタノール噴射量ti_eが所定値ti_e_min(第二の燃料の下限判定値)未満であるか(ti_e<ti_e_min)を判断する(S12)。
この判断(S12)がNO(エタノール噴射量ti_eが下限判定値ti_e_minより多い)の場合は、エタノールの噴射量ti_eをステップaで漸減させる(S13)。この処理(S13)においては、エタノールの噴射量ti_eのステップaでの減少に対して、ガソリンの噴射量(噴射期間)ti_gをステップbで増加させ、目標空燃比(空気過剰率λ=1を基本とする)に調整する。
これにより、燃料噴射制御装置20は、ノック検出手段22により検出されたノック強度KIが所定値Aより小さく、かつ、エタノール噴射量ti_eが下限判定値ti_e_minよりも多い場合は、エタノール噴射量ti_eをステップaで減少させる。(case5)
また、前記判断(S04)がNO(ノック強度KIが所定値Aより小さい)の場合であって、前記判断(S12)がYES(エタノール噴射量ti_eが下限判定値ti_e_minより少ない)の場合は、点火時期Igtをステップcで漸減(最適点火時期まで)させ、あるいは、スロットル開度θをステップdで漸増(スロットル全開まで)させる(S14)。
これにより、燃料噴射制御装置20は、ノック検出手段22により検出されたノック強度KIが所定値Aより小さく、かつ、エタノール噴射量ti_eが下限判定値ti_e_minよりも少ない場合は、点火時期Igtをステップcで進角させるか、スロットル開度θをステップdで増加させるという制御を行う。(case6)
このように、この燃料噴射制御装置20は、ノッキング発生が検知された場合に、二種類の燃料のうち第一の燃料を主燃料として利用するとともに、第二の燃料をノッキングを抑制する添加剤として利用するよう制御する制御手段21を備え、二種類の燃料を温度に対するそれぞれの着火遅れ時間が所定の境界温度を境として互い逆転する燃料どうしの組合せとし、火花点火式内燃機関の筒内温度を検知または推定にて求める筒内温度算出手段を設け、制御手段21は、二種類の燃料の噴射割合を二種類の燃料の着火遅れ時間が逆転する境界温度に対応する所定の温度と筒内温度算出手段32により求められた筒内温度に基づいて制御するものである。
これにより、この燃料噴射制御装置20は、幅広い運転領域にわたって、ノッキングを適切に抑制でき、高圧縮比、高過給、高温の残留ガスを利用する形式の内燃機関に適用でき、ノッキングの抑制剤として炭化する第二の燃料の消費量を抑制できる。
さらに、この燃料噴射制御装置20は、二種類の燃料の組み合わせが異なっても、所定の温度の設定で、多くの組み合わせバリエーションに応用可能である。
この燃料噴射制御装置20は、制御手段21によって、二種類の燃料の各噴射量を合計で理論空燃比となるように増減制御することで、燃費の悪化を防ぐことができる。
また、この燃料噴射制御装置20は、制御手段21によって、ノック検知手段22により所定値Aより大きなノッキング発生が検知された際に、筒内温度算出手段32により求められた筒内温度Tcylが所定の温度Tmaxより低く、かつ第二の燃料のエタノール噴射量ti_eが上限判定値ti_e_maxより少ない場合に、第二の燃料のエタノール噴射量ti_eを定量aずつ増加し、筒内温度算出手段31により求められた筒内温度Tcylが所定の温度Tmaxより高く、かつ第二の燃料のエタノール噴射量ti_eが下限判定値ti_e_minより多い場合に、第二の燃料のエタノール噴射量ti_eを定量aずつ減少する。
これにより、この燃料噴射制御装置20は、ノッキング抑制制御の判断を大きく左右する所定の温度Tmaxを用いて判断し、この判断を細かく設定することができるので、制御精度を向上し、ノッキング抑制を果たすことができる。また、この燃料噴射制御装置20は、噴射量が適正化できるので、燃費の悪化を防ぐことができる。
この燃料噴射制御装置20は、制御手段21によって、点火時期を進角遅角制御する点火時期制御手段33と、スロットル開度を増減制御するスロットル開度制御手段34のうち1つ以上を有し、ノック検知手段22により所定値Aより大きなノッキング発生が検知された際に、筒内温度算出手段31により求められた筒内温度Tcylが所定の温度Tmaxより高く、かつ第二の燃料のエタノール噴射量ti_eが下限判定値ti_e_minより少ない場合に、点火時期Igtを遅角するように点火時期制御手段33とスロットル開度θを減少するようにスロットル開度制御手段34のうち一つ以上を制御するとともに、筒内温度算出手段32により求められた筒内温度Tcylが所定の温度Tmaxより低く、かつ第二の燃料のエタノール噴射量ti_eが上限判定値ti_e_maxより多い場合に、点火時期Igtを遅角する点火時期制御手段33とスロットル開度θを減少するスロットル開度制御手段34のうち一つ以上を制御する。
これにより、この燃料噴射制御装置20は、ノッキングが大きい場合に点火時期補正および/またはスロットル開度補正を行うことで、第二の燃料のエタノール噴射量補正に傾倒させず、制御精度を高めて、ノッキング抑制を果たすことができる。
この燃料噴射制御装置20は、制御手段21によって、ノック検知手段22により所定値Aより小さなノッキング発生が検知された際に、第二の燃料のエタノール噴射量ti_eが下限判定値ti_e_minより多い場合に、第二の燃料のエタノール噴射量ti_eを定量aずつ減少し、第二の燃料のエタノール噴射量ti_eが下限判定値ti_e_minより少ない場合に、点火時期Tigを進角する点火時期制御手段33とスロットル開度θを増加するスロットル開度制御手段34のうち一つ以上を制御する。
これにより、この燃料噴射制御装置20は、ノッキングが小さい場合に第二の燃料のエタノール補正と、点火時期補正および/またはスロットル開度補正とを行うことで、ノッキング抑制を果たすことができ、燃費の悪化を防ぐことができる。
また、この燃料噴射制御装置20は、第二の燃料のエタノール噴射量ti_eが下限判定値ti_e_minより多い場合に、第二の燃料のエタノール噴射量ti_eを減量することは、ノッキングが大きい場合であって、筒内温度Tcylが所定の温度Tmaxより高く、かつ第二の燃料のエタノール噴射量ti_eが下限判定値ti_e_minより多い場合の制御と同様であるが、第二の燃料のエタノール噴射量ti_eが下限判定値ti_e_minより小さい場合の点火時期制御手段32とスロットル開度制御手段33の制御傾向を逆として、精度を高めている。
この燃料噴射制御装置20は、制御手段21によって、第一の燃料をガソリンとするとともに第二の燃料をエタノールとし、所定の温度Tmaxを二種類の燃料の組み合わせに基づいて700K〜1200Kの範囲で設定し、制御手段21には筒内圧力や空然比を含むパラメータに基づく所定の温度Tmaxの補正マップ35を設けている。
これにより、この燃料噴射制御装置20は、ノッキング抑制制御の判断を大きく左右する所定の温度Tmaxを細かく補正して、制御精度を向上でき、制御手段21の演算負荷を小さくできる。
この燃料噴射制御装置20の筒内温度算出手段31は、筒内温度センサ23を有し、この筒内温度センサ23によって燃料噴射前の筒内温度Tcylを測定し、既知の筒内容積を元に任意のタイミングの筒内温度を算出する。
これにより、この燃料噴射制御装置20は、筒内温度Tcylの推定を行うための演算処理について、制御手段21の演算負荷を小さくして、任意のタイミングの筒内温度Tcylを算出できる。
この燃料噴射制御装置20の筒内温度算出手段32は、吸気流量センサ26と吸気温度センサ27と排気温度センサ29を含む複数のセンサを有し、
式1
Figure 2011153589
によって吸気弁12閉弁時の筒内温度Tcylを算出し、既知の筒内容積を元に任意のタイミングの筒内温度を算出する。
これにより、この燃料噴射制御装置20は、算出方法に応じて空燃比センサ30等を加えれば、筒内温度センサ23を設けることなく、任意のタイミングの筒内温度を算出できる。
なお、燃料噴射制御装置20は、エタノールの噴射量ti_eのステップaでの増加に対してガソリンの噴射量ti_gをステップbで減少させ、(case1)、エタノールの噴射量ti_eのステップaでの減少に対してガソリンの噴射量ti_gをステップbで増加させているが、増加と減少の各ステップは同じ幅にしなくても良い。例えば、増加をaとした場合、減少をa以外の値としても良い。
また、ノック検知手段22は、筒内圧力センサ23やイオンセンサなど、ノックを診断できるものであれば、どのようなものでも構わない。また、ノックの判定方法も、どのような方法でも構わない。
さらに、二種類の燃料は、着火遅れ時間の関係が高温側と低温側で逆転する燃料の組み合わせであれば、どのような燃料であっても良い。組合せ例としては、1:イソオクタンとエタノール、2:ノルマルヘプタンとメチルブタノエート、3:イソオクタンとメチルブタノエート、などがある。
また、上述実施例においては、第一の燃料タンク16・第一の燃料噴射弁18からなる第一の燃料系と、第二の燃料タンク17・第二の燃料噴射弁19からなる第二の燃料系を独立して配置したが、図6・図7に示すように構成することもできる。
図6に示す変形例1の火花点火式内燃機関1は、第一の燃料(例えば、ガソリン)と第二の燃料(例えば、エタノール)との混合燃料を貯留する単一の燃料タンク36を備え、燃料タンク36の混合された第一の燃料・第二の燃料から特定の燃料(例えば、第二の燃料:エタノール)を分離するための分離器(分離膜)37もしくは触媒を備え、特定の燃料を分離されて残った燃料(例えば、第一の燃料:ガソリン)を吸気ポート8に噴射供給する第一の燃料噴射弁38を備え、特定の燃料を吸気ポート8に噴射供給する第二の燃料噴射弁39を備えたものである。
図6に示す変形例1の火花点火式内燃機関1は、さらに、分離器37と第一の燃料噴射弁38との間に第一の燃料を貯留する第一の燃料タンクを設け、分離器37と第二の燃料噴射弁39との間に第二の燃料を貯留する第二の燃料タンクを設けることもできる。
図7に示す変形例2の火花点火式内燃機関1は、第一の燃料(例えば、ガソリン)を貯留する第一の燃料タンク40と第二の燃料(例えば、エタノール)を貯留する第二の燃料タンク41とを備え、第一の燃料タンク40・第二の燃料タンク41にそれぞれ貯留される第一の燃料・第二の燃料の混合割合を自由に変化可能な燃料混合器42を備え、混合された燃料を吸気ポート8に噴射供給する単一の燃料噴射弁43を備えたものである。
図7に示す変形例2の火花点火式内燃機関1は、さらに、第一の燃料タンク40・第二の燃料タンク41の上流側に混合燃料の燃料タンクおよび混合燃料から特定の燃料を分離するための分離器を設け、分離したそれぞれの燃料を第一の燃料タンク40・第二の燃料タンク41に供給することもできる。
さらにまた、スロットル開度の制御に代えて吸気弁12・排気弁13のリフト量や開弁タイミングを変更制御するようにすることもできる。
また、構成各部の詳細位置の変更や省略が可能であり、スロットルバルブ14を省略してもよく、第二の燃料噴射弁19は第一の燃料噴射弁18に対して下流側でなく上流側や並列に設けてもよい。筒内温度センサ23、筒内圧力センサ24をシリンダブロック2ではなくシリンダヘッド3や点火プラグ15に併設しても良い。
この発明は、二種類の燃料を使用する火花点火式内燃機関において、筒内温度を基準にして各燃料の噴射量を制御してノッキングを適切に抑制するものであり、高圧縮比、高過給、高温の残留ガスを利用する形式の内燃機関に適用することができる。
1 火花点火式内燃機関
7 燃焼室
10 吸気通路
11 排気通路
16 第一の燃料タンク
17 第二の燃料タンク
18 第一の燃料噴射弁
19 第二の燃料噴射弁
20 燃料噴射制御装置
21 制御手段
22 ノック検知手段
23 筒内温度センサ
24 筒内圧力センサ
25 スロットル開度センサ
26 吸気流量センサ
27 吸気温度センサ
28 吸気圧力センサ
29 排気温度センサ
30 空燃比センサ
31 クランク角センサ
32 筒内温度算出手段
33 点火時期制御手段
34 スロットル開度制御手段
35 補正マップ

Claims (8)

  1. 二種類の燃料を噴射供給する火花点火式内燃機関と、この火花点火式内燃機関に発生するノッキングを検知するノック検知手段を備え、
    このノック検知手段により所定のノッキング発生が検知された場合に、二種類の燃料のうち第一の燃料を主燃料として利用するとともに、第二の燃料をノッキングを抑制する添加剤として利用するよう制御する制御手段を備えた火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    二種類の燃料を温度に対するそれぞれの着火遅れ時間が所定の境界温度を境として互い逆転する燃料どうしの組合せとし、
    前記火花点火式内燃機関の筒内温度を検知または推定にて求める筒内温度算出手段を設け、
    前記制御手段は、二種類の燃料の噴射割合を二種類の燃料の着火遅れ時間が逆転する境界温度に対応する所定の温度と前記筒内温度算出手段により求められた筒内温度に基づいて制御することを特徴とする火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記制御手段は、二種類の燃料の各噴射量を、合計で理論空燃比となるように増減制御することを特徴とする請求項1に記載の火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記ノック検知手段により所定値より大きなノッキング発生が検知された際に、
    前記筒内温度算出手段により求められた筒内温度が所定の温度より低く、かつ第二の燃料の噴射量が上限判定値より少ない場合に、第二の燃料の噴射量を定量ずつ増加し、
    前記筒内温度算出手段により求められた筒内温度が所定の温度より高く、かつ第二の燃料の噴射量が下限判定値より多い場合に、第二の燃料の噴射量を定量ずつ減少することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記制御手段は、点火時期を進角遅角制御する点火時期制御手段と、スロットル開度を増減制御するスロットル開度制御手段のうち1つ以上を有し、
    前記ノック検知手段により所定値より大きなノッキング発生が検知された際に、
    前記筒内温度算出手段により求められた筒内温度が所定の温度より高く、かつ第二の燃料の噴射量が下限判定値より少ない場合に、点火時期を遅角するように前記点火時期制御手段とスロットル開度を減少するように前記スロットル開度制御手段のうち一つ以上を制御するとともに、
    前記筒内温度算出手段により求められた筒内温度が所定の温度より低く、かつ第二の燃料の噴射量が上限判定値より多い場合に、点火時期を遅角する前記点火時期制御手段とスロットル開度を減少する前記スロットル開度制御手段のうち一つ以上を制御することを特徴とする請求項3に記載の火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記ノック検知手段により所定値より小さなノッキング発生が検知された際に、
    第二の燃料の噴射量が下限判定値より多い場合に、第二の燃料の噴射量を定量ずつ減少し、
    第二の燃料の噴射量が下限判定値より少ない場合に、点火時期を進角する前記点火時期制御手段とスロットル開度を増加する前記スロットル開度制御手段のうち一つ以上を制御することを特徴とする請求項4に記載の火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. 前記第一の燃料をガソリンとするとともに前記第二の燃料をエタノールとし、
    前記所定の温度を、二種類の燃料の組み合わせに基づいて700K〜1200Kの範囲で設定し、
    前記制御手段には筒内圧力や空然比を含むパラメータに基づく前記所定の温度の補正マップを設けることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置。
  7. 前記筒内温度算出手段は、筒内温度センサを有し、
    この筒内温度センサによって燃料噴射前の筒内温度を測定し、既知の筒内容積を元に任意のタイミングの筒内温度を算出することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置。
  8. 前記筒内温度算出手段は、吸気流量センサと吸気温度センサと排気温度センサを含む複数のセンサを有し、
    式1
    Figure 2011153589
    によって吸気弁閉弁時の筒内温度を算出し、既知の筒内容積を元に任意のタイミングの筒内温度を算出することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の火花点火式内燃機関の燃料噴射制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013148057A (ja) * 2012-01-23 2013-08-01 Isuzu Motors Ltd 筒内残留ガス量の推定装置及び、推定方法
CN114491838A (zh) * 2021-12-31 2022-05-13 北京理工大学 一种低温环境下燃油喷雾着火滞燃期的计算方法

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