本発明を実施するための形態(以下、本実施形態という。)について具体例を示して説明する。本実施形態は、ゲームサーバと通信ネットワークを介して接続された端末にゲームを提供するゲームシステムに関する。具体的には、図1に示すように、本実施形態のゲームシステムGは、ユーザにゲームを提供するゲームサーバ1と、ゲームサーバ1と通信ネットワークであるインターネット2を介して接続された端末3a、3b、3c、・・・、3n(以下、総称して端末3ともいう。)と、を備える。
以下では、まず、実施形態の説明に先立って、本実施形態において用いる用語の定義を明確にし、さらに本実施形態において扱うソーシャルゲームの概要について説明した後、ゲームシステムGの構成及び処理内容について具体的に説明する。
(1)用語の定義
本実施形態において用いる用語の定義は以下の通りである。
「仮想空間」とは、ゲームの内容に基づいてゲーム中に形成される仮想の世界を示し、物理空間とは異なる空間を指す。端末3のディスプレイ(表示部)に表示される「仮想空間」は2次元である。しかし、他の端末3との繋がりも加わって形成される観念的空間は、2次元空間に限られない。
「実ユーザ」とは、端末を操作する実体、すなわち人に当たるものをいう。一方、この実体である「実ユーザ」の端末におけるボタンやタッチ操作によって、仮想空間において、実ユーザに成り代わった、または実ユーザの趣向や好みに応じて形成された仮想実体を「仮想ユーザ」という。この「仮想ユーザ」には、例えば、旧来の将棋ゲームや麻雀ゲームのプレイヤのように、その仮想実体はゲーム上視認できないが、「実ユーザ」に成り代わった存在として仮想空間内で操作される駒や牌も含まれる。「仮想ユーザ」には、また、ロールプレイングゲームや対戦ゲームにおいてゲーム上で表示され、移動やアクションを起こす視認可能な特定のキャラクタも含まれる。さらに「仮想ユーザ」には、SNSにおけるアバターとして表示される仮想実体も含まれる。このように、本実施形態における「仮想ユーザ」は、仮想空間における仮想実体を広く表す用語として用いられる。ゲーム上で具現化された仮想実体であるか、具現化されない影として機能する仮想実体であるかは問わない。
「ポイント」とは、仮想空間内において仮想ユーザに付与される点数であって、この点数を仮想ユーザが仮想空間内で消費することによって対象となるゲームパートを進捗させることができるものである。
「登録」とは、実ユーザが新たにゲームを開始する際に行う手続きである。実ユーザがゲームの「登録」を完了することにより、当該ゲームに仮想ユーザが登録され、実ユーザは当該ゲームをプレイすることができるようになる。
「経験値」とは、仮想ユーザがゲーム内で定められた任務を達成することにより増加するパラメータである。経験値が特定の値に達すると仮想ユーザの「レベル」が上昇する。レベルを1つ上昇させるために必要な経験値は、レベル間で同じでも異なっていてもよい。通常、レベルが増加するにつれて、レベルを1つ上昇させるために必要な経験値は上昇する。経験値の比較は、より単純には、レベルを比較することによって行ってもよい。なお、このレベルは、ゲーム中の一つの部分を構成するクエストパートに固有のものが付されるというよりも、一つのゲーム全体で単一のレベルが付与されるものとする。
(2)ソーシャルゲームの概要
続いて、ゲームサーバ1からインターネット2を介して接続された端末3に提供されるソーシャルゲームについて、その概要を、図2を参照して説明する。
一般にソーシャルゲームは、実ユーザによる端末3の操作に応じた動作を行う仮想ユーザを介して、仮想空間内において、例えば、数百種類など多種類のキャラクタが付された仮想的なカード(以下、単にカードという。)の中から、所定枚数からなるカードのアイテムリスト(以下、デッキともいう。)を作成するゲームである。より具体的には、デッキに搭載したカードのレベルアップやグループの選択を行いつつ、仮想空間上で出現する敵とカード同士で対戦したり、他の仮想ユーザとカードのトレードを行うなどして、カードを強化、収集していくものである。カード同士の対戦では、デッキを構成する各カードの攻撃力や防御力、所定のカードの組合せにより一定の効力を得るスキル(カードゲームや麻雀でいうところの「役」に当たる。)などに基づいて、敵に与えるダメージや勝敗が決する。
このようなソーシャルゲームは、複数のパートが有機的に組み合わさることにより、全体として一つの世界観やストーリー性を持ったゲームとして成立する。例えば、ソーシャルゲーム20は、図2に示すように、クエストパート21と、バトルパート22と、ガチャパート23と、強化パート24と、のゲーム要素としての各部分を備える。
クエストパート21は、「探索、探求、冒険」などの意義を有する「クエスト」という言葉が表す通り、仮想ユーザが仮想空間を探索して、仮想アイテム等を獲得するパートである。クエストパート21では、仮想ユーザに所定のクエスト用ポイントが与えられる。仮想ユーザの移動、仮想アイテムの獲得等は、このクエスト用ポイントを消費することで行われる。
バトルパート22は、仮想ユーザが、他の仮想ユーザ又はゲーム内キャラクタを敵として対戦するパートである。バトルパート22では、仮想ユーザの攻撃力及び防御力に基づいて勝敗が決する。
ガチャパート23は、硬貨を自動販売機に投入してカプセルに包装されたおもちゃであるカプセルトイが出てくる様子を表した「ガチャガチャ」(登録商標)に由来するものである。ガチャパート23では、例えば、仮想ユーザが、ガチャ用ポイントを消費することにより、仮想アイテムをランダムに取得するパートである。
強化パート24は、仮想ユーザが所有している仮想アイテムを強化して、仮想アイテムに表示される強さを表すレベルを上げることで、敵に与える攻撃力や、敵からの攻撃を防御する防御力などを強化するパートである。
以上のような複数のパートから構成されるソーシャルゲーム20は、各パート単体が他のゲームパートから独立したものではなく、上述したように、各パートが互いに関係し合い、組み合わさることで、ゲーム全体としての意義を有するものとなっている。したがって、ソーシャルゲーム20では、仮想ユーザが各ゲームパートを有効に進捗させることで、全体として一つのゲームを進行させることができる。
(3)基本的なハードウェア構成
(3−1)端末の構成
以上のようなソーシャルゲーム20の定義に基づき、以下、本実施形態のゲームシステムGを実現するためのハードウェア構成について説明する。
図1に示すように、端末3は、例えば、無線通信部31と、表示部32と、操作部33と、を備える携帯型無線通信端末により構成される。無線通信部31は、携帯電話回線や無線LAN回線を用いてインターネット2に接続し、ウェブブラウザ上でゲームサーバ1とデータ通信を行う。表示部32は、ゲームサーバ1から受信したウェブブラウザの画面を表示する。操作部33は、例えば、表示部32の画面上の表示に従って実ユーザからの操作入力を受け付けるタッチパネルから構成される。このようにして実ユーザから受け付けられた操作入力は、無線通信部31によりゲームサーバ1に送信される。
このようなハードウェア構成を有する端末3では、例えば、予め登録したユーザIDと所定のパスワードとの組合せにより、端末の個体認証処理を行う。そして、端末3は、ゲームサーバ1との間での認証が完了すると、ゲームサーバ1からゲームを進行するのに必要なデータを受信するとともに、操作部33における操作データをゲームサーバ1に送信する。
なお、端末3は、通信ネットワークであるインターネット2を介してゲームサーバ1と通信可能な通信装置であれば、携帯電話機、PDA、パーソナルコンピュータなどであってもよい。また、操作部33の例としてタッチパネルを挙げたが、もちろん物理的なキー操作によってカーソルなどを移動させて選択操作を行い、情報の入力を行うような構成を採用してもよい。
(3−2)ゲームサーバの概略構成
端末3と通信可能に接続されるゲームサーバ1は、例えば図3に示すような汎用的なハードウェア構成を有するコンピュータにより実現される。すなわち、ゲームサーバ1は、図3に示すように、インターネット2を介して端末3と通信を行う通信インタフェース部11と、キーボードやマウスなどのユーザからの操作入力を受ける操作入力部12とを備える。また、ゲームサーバ1は、各種演算処理を行うCPUなどの演算処理部13と、演算処理データを一時的に記憶するSRAMやDRAMなどのメインメモリ14と、アプリケーションプログラム及び各種データが記憶されたハードディスクなどの記憶装置15と、演算処理結果を表示するディスプレイ16とを備える。
ゲームサーバ1は、このようなソーシャルゲーム20をユーザに提供するためのプログラムを記憶装置15にインストールすることで、図4に示すような機能ブロックが実現される。
すなわち、ゲームサーバ1では、例えば図4に示すような、操作データ受信部11aと、ゲームデータ処理部100と、ゲーム共通管理部110と、ゲームデータを管理するゲームデータ記憶部200とからなる機能が実現される。ゲームデータ処理部100で行われた処理についてのデータは、ゲームデータ記憶部200に記憶される。ゲーム共通管理部110は、ゲームデータ記憶部200に記憶されたデータに基づいて各処理を行う。また、ゲーム共通管理部110で行われた処理についてのデータは、ゲームデータ記憶部200に記憶することができる。
操作データ受信部11aは、通信ネットワーク2を通じて、端末3から送られてくる操作データを受信する手段である。
ゲームデータ処理部100は、ゲームA〜Nごとにゲームデータ処理部100a〜nを有する。図5に示すように、ゲームデータ処理部100aは、クエストパート処理部101aとバトルパート処理部102aとガチャパート処理部103aと強化パート処理部104aとを有する。なお、ゲームデータ処理部100b〜nも、ゲームデータ処理部100aと同様の構成を有する。
ここで、クエストパート処理部101aは、クエストパート21のデータ処理を行う。また、バトルパート処理部102aは、バトルパート22のデータ処理を行う。ガチャパート処理部103aは、ガチャパート23のデータ処理を行う。強化パート処理部104aは、強化パート24のデータ処理を行う。
ゲーム共通管理部110は、回帰誘導処理部111と、アイテム付与判別部112と、アイテム管理部113とを有する。
(3−3)ゲームサーバの具体的構成
以下では、ゲームデータ記憶部200と回帰誘導処理部111とアイテム付与判別部112とアイテム管理部113の具体的な構成について図6を参照して説明する。
(3−3−1)ゲームデータ記憶部の構成
まず、回帰誘導処理部111とアイテム付与判別部112とアイテム管理部113で用いるデータとして、ゲームデータ記憶部200は、図6に示すように、事情変更ゲームデータテーブル201と、ゲームA〜Nごとのゲームデータ記憶部210a〜nを有する。
事情変更ゲームデータテーブル201は、図7に示すように、端末に提供されるゲームにおける事情変更の内容について一覧で管理したものである。図7は、日付「XX/9/1」(××年9月1日を意味する。)において、ゲームA、C、G及びHに事情変更が生じたことを示している。具体的に、図7を参照することにより、ゲームAでは、ゲームA内のランキングに変動があったことが分かる。また、ゲームCでは、クエストパートに新ステージが追加されたことが分かる。また、ゲームGでは、ゲーム内で使用可能な仮想アイテムを獲得できる確率が高いというキャンペーンが開始されたことが分かる。また、ゲームHでは、新たなイベントが開始されたことが分かる。
図6に戻って、ゲームAに係るデータを記憶するゲームデータ記憶部210aは、アイテムデータテーブル211と、ゲームAランキング履歴データテーブル212と、仮想ユーザデータ記憶部220と、を有する。なお、ゲームデータ記憶部210b〜nも、ゲームデータ記憶部210aと同様の構成である。
アイテムデータテーブル211は、図8に示すように、ゲームA内で使用可能な仮想アイテムについて一覧で管理したものである。
図8に示すように、各仮想アイテムには、「アイテムID」として、アイテムごとに固有の数字が与えられている。図8より、ゲームAで使用可能な仮想アイテムは、ID10001〜10010の10種類であることが分かる。
「アイテム画像」とは、仮想アイテムを表した画像データであり、このような画像データが組み込まれた表示処理データが、ゲームサーバ1から端末3に送信される。
ゲームAランキング履歴データテーブル212は、図9に示すように、ゲームAにおけるランキングデータを更新ごとに一覧で管理したものである。図9(A)、(B)は、XX年の月別ランキングであって、図9(A)は、XX年8月終了時点におけるランキング、図9(B)は、XX年12月終了時点におけるランキングを示す。図9を参照することにより、各更新時における1位から最下位までの仮想ユーザの識別情報、及び全仮想ユーザ数が分かる。例えば、図9(A)より、XX年4月の更新時点で全仮想ユーザ数は1329人、7月の更新時点で全仮想ユーザ数は2562人であることが分かる。更新のタイミングは、ゲームごとに異なっていてよい。例えば、ゲームAは、月ごとにランキングが更新されるが、1日ごとにランキングが更新されるゲームがあってもよい。
図6に示すように、仮想ユーザデータ記憶部220は、操作履歴データテーブル221と、ユーザ別ランキング履歴データテーブル222と、アイテム使用データテーブル223と、を有する。
操作履歴データテーブル221は、図10に示すように、ゲームAに登録されている仮想ユーザごとに、操作履歴情報として、1日ごとの相対操作回数と相対レベル値を記憶している。図10は、XX年7月1日(図10では、7/1と表記)からXX年8月31日までの操作履歴情報を示す。例えば、図10の操作履歴データテーブル221を参照することにより、ユーザID30001の仮想ユーザは、XX年7月1日の相対操作回数が120であることが分かる。
相対操作回数は、特定の期間ごとに、アクティブユーザの平均操作回数を基準として、対象仮想ユーザを操作する実ユーザの操作回数を相対的に示した値である。
ここで、アクティブユーザとは、各ゲームにおける利用頻度の高い実ユーザのことをいう。具体的には、特定のゲームで所定の期間内に所定の回数以上操作している実ユーザと定義することができる。例えば、1日に1回以上操作している実ユーザをアクティブユーザとしてもよい。
また、操作回数とは、実ユーザが操作入力を行う回数を表すものである。キー操作であればクリック回数、タッチパネル操作であれば、タップ回数を表す。例えば、図10に示す相対操作回数は、(対象仮想ユーザの操作回数)÷(アクティブユーザの平均操作回数)×100として、1日ごとに算出した値である。すなわち、相対操作回数が100を超えている仮想ユーザを操作する実ユーザは、平均操作回数以上で操作しているということを示す。
相対レベル値は、各ゲームに登録されている仮想ユーザの平均レベルを基準として、対象仮想ユーザのレベルを相対的に示した値である。レベルとは、ゲーム内での仮想ユーザの進捗度を表す数値である。レベル1からゲームを開始すると、ゲームの進捗によりレベル2、レベル3と、この数値が増加する。レベル毎に達成すべき課題が定められており、その課題をクリアすることにより、レベルが上がる。例えば、図10に示す相対レベル値は、(対象仮想ユーザのレベル値)÷(登録されている全仮想ユーザの平均レベル値)×100として、1日ごとに算出した値である。
ユーザ別ランキング履歴データテーブル222は、ゲームAに登録されている仮想ユーザのランキングデータを仮想ユーザ毎に記憶している。すなわち、ユーザ別ランキング履歴データテーブル222は、ゲーム別ランキング履歴データテーブルを、仮想ユーザ別に編集したものである。図11(A)、(B)は、XX年の月別ランキングであって、図11(A)は、XX年8月終了時点におけるランキング、図11(B)は、XX年12月終了時点におけるランキングを示す。図11における網掛け部は、各仮想ユーザの最高ランキングを示す。例えば、図11(A)のユーザ別ランキング履歴データテーブル222より、ユーザID30001の仮想ユーザの最高ランキングは、XX年4月に記録した5位であることが分かる。
アイテム使用データテーブル223は、図12に示すように、ゲームAに登録されている仮想ユーザの仮想アイテム使用回数データを仮想ユーザ毎に記憶している。例えば、ゲームAで使用可能な仮想アイテムは、ID10001〜10010の10種類であって、それぞれの仮想アイテムを仮想ユーザがこれまでに何回使用したかが記憶されている。具体的に、図12のアイテム使用データテーブル223より、ユーザID30001の仮想ユーザは、これまでにゲームAにおいてアイテムID10001を1452回使用したことが分かる。
(3−3−2)回帰誘導処理部の構成
次に、回帰誘導処理部111の具体的構成について説明する。図6に示すように、回帰誘導処理部111は、事情変更ゲーム抽出部51と、回帰誘導判別部52と、回帰誘導画像生成部53と、回帰誘導画像送信部54と、を備える。
事情変更ゲーム抽出部51は、仮想ユーザが登録されている複数のゲームの中から、事情変更が生じたゲームを抽出する手段である。具体的に、事情変更ゲーム抽出部51は、図7の事情変更ゲームデータテーブル201を参照することにより、XX年9月1日において、事情変更が生じたゲームはゲームA、E、J及びKであることが分かる。仮想ユーザがゲームA〜Dに登録されている場合、事情変更ゲーム抽出部51は、ゲームAを抽出する。
回帰誘導判別部52は、事情変更ゲーム抽出部51が抽出したゲームにおいて、仮想ユーザを操作する端末からの操作頻度が低下しているか否かを判別する。具体的に、回帰誘導判別部52は、事情変更が生じたゲームがゲームAであれば、ゲームAデータ記憶部210a内の操作履歴データテーブル221(図10)を参照して、仮想ユーザの相対操作回数と相対レベル値を分析することにより、操作頻度が低下しているか否かを判別する。例えば、回帰誘導判別部52は、図10の操作履歴データテーブル221より、現在から所定時間遡った期間において相対操作回数と相対レベル値の少なくとも一方が減少している場合、操作頻度が低下していると判断する。
また、事情変更がランキングの変動である場合には、回帰誘導判別部52は、事情変更の生じたゲームにおいて、仮想ユーザを操作する端末からの操作頻度が低下しており、さらに、仮想ユーザのランキングが所定のランク以下に低下したか否かを判別してもよい。具体的に、回帰誘導判別部52は、ランキング変動が生じたゲームがゲームAであれば、操作履歴データテーブル221(図10)を参照して、操作頻度が低下しているか否かを判別し、さらにユーザ別ランキング履歴データテーブル222(図11(A))を参照して、ゲームAにおける仮想ユーザのランキングが所定のランク以下に低下したか否かを判別する。所定のランクは、仮想ユーザごとに設定することができる。例えば、仮想ユーザの最高ランキングが高いほど、所定のランクは、最高ランキングからの差が小さくなるように設定することができる。最高ランキングが5位である仮想ユーザについては、所定のランクを10位と設定するのに対して、最高ランキングが550位である仮想ユーザについては、所定のランクを1000位と設定することができる。
回帰誘導画像生成部53は、事情変更が生じたゲームに仮想ユーザを誘導するため、当該仮想ユーザを操作する端末3に表示する回帰誘導画像を生成する手段である。なお、回帰誘導判別部52が、仮想ユーザを操作する端末からの操作頻度が低下していると判断した場合に、回帰誘導画像生成部53は、回帰誘導画像を生成する。また、事情変更がランキングの変動である場合には、回帰誘導判別部52が、仮想ユーザを操作する端末からの操作頻度が低下しており、かつ、仮想ユーザのランキングが所定のランク以下に低下したと判断した場合に、回帰誘導画像生成部53は、回帰誘導画像を生成する。回帰誘導画像には、具体的に、事情変更抽出部51が抽出したゲームを表示する画像や、事情変更抽出部51が抽出したゲームを実ユーザが再びプレイすると仮想アイテムが得られることを表示する画像等が含まれる。回帰誘導画像に表示するゲームを、以下「回帰誘導先ゲーム」として説明する。
回帰誘導画像送信部54は、回帰誘導画像生成部53で生成した回帰誘導画像を端末に表示するため、当該画像に係る表示処理データを、インターネット2を介して接続された各端末3に送信する手段である。なお、回帰誘導画像は、各仮想ユーザが登録されているゲームのうち、回帰誘導先ゲーム以外の全てのゲーム内に表示可能である。例えば、ゲームA〜Dに登録されている仮想ユーザにおいて、回帰誘導先ゲームがゲームAである場合、回帰誘導画像はゲームB〜D内に表示される。
(3−3−3)アイテム付与判別部の説明
アイテム付与判別部112は、仮想ユーザに仮想アイテムを付与するか否かを判別する手段である。具体的に、アイテム付与判別部112は、回帰誘導画像送信部54が回帰誘導画像に係る表示処理データを端末に送信した後に、端末より所定の操作データを受信し、所定の条件を満たしたか否かを判別する。そして、アイテム付与判別部112は、所定の条件を満たしている場合に、仮想ユーザに仮想アイテムを付与することを決定する。所定の条件としては、例えば、回帰誘導先ゲームへログインすること、回帰誘導先ゲームでレベルが所定の値に達すること等が挙げられる。これらの条件は、アイテム付与判別部112が仮想ユーザの操作履歴情報を参照することにより、満たしているか否かを判別することができる。また、ランキングシステムのあるゲームであれば、所定の条件としては、例えば、回帰誘導先ゲームにおける仮想ユーザのランキングが上昇すること等が挙げられる。これらの条件は、アイテム付与判別部112が仮想ユーザのランキング履歴情報を参照することにより、満たしているか否かを判別することができる。
(3−3−4)アイテム管理部の構成
図6に示すように、アイテム管理部113は、アイテム抽出部61と、アイテム付与画像生成部62と、アイテム付与画像送信部63と、アイテム設定部64と、を備える。
アイテム抽出部61は、仮想ユーザに付与する仮想アイテムを抽出する手段である。具体的に、アイテム付与判別部112が仮想ユーザに仮想アイテムを付与することを決定した場合に、アイテム抽出部61は、回帰誘導先ゲームで使用可能な仮想アイテムの中から、仮想ユーザに付与する仮想アイテムを抽出する。
また、回帰誘導画像に、実ユーザが回帰誘導先ゲームを再びプレイした際に仮想アイテムを得られるということを表示する画像を含める場合には、アイテム抽出部61は、回帰誘導画像の生成にあたり、仮想アイテムを抽出する。回帰誘導画像の生成にあたって仮想アイテムを抽出した場合には、アイテム付与判別部112が仮想アイテムを付与することを決定したときに、仮想アイテムを改めて抽出しなくてよい。
アイテム付与画像生成部62は、アイテム抽出部61が抽出した仮想アイテムを仮想ユーザに付与したことを通知するため、当該仮想ユーザの端末3の表示部に表示するアイテム付与画像を生成する手段である。アイテム付与画像には、仮想ユーザに付与する仮想アイテムの画像が含まれる。また、アイテム付与画像には、実ユーザが所定の操作を行って所定の条件を満たしたことにより、仮想ユーザに仮想アイテムを付与することを表示する画像を含めてもよい。
アイテム付与画像送信部63は、アイテム抽出部61が抽出した仮想アイテムを表示するため、当該仮想アイテムに係る表示処理データを、インターネット2を介して接続された端末3に送信する手段である。アイテム抽出部61が抽出した仮想アイテムは、回帰誘導先ゲーム内に表示される。なお、アイテム付与画像送信部63が送信する表示処理データは、画像データを端末3に送信する場合に限られず、端末3側に記憶されている画像データの表示を制御する表示制御データであってもよい。
アイテム設定部64は、仮想ユーザが所有している仮想アイテムとその個数を記憶している所有アイテムデータテーブル(図示せず)のデータを更新する手段である。具体的には、アイテム抽出部61が抽出した仮想アイテムの個数に応じて、対象仮想ユーザの仮想アイテム所有数を増加させる。
(4)ゲームサーバにおける処理
以上のような構成からなる回帰誘導処理部111、アイテム付与判別部112、アイテム管理部113によって実行される処理の具体的な内容について、図13〜20を参照して説明する。
ここで、本実施形態のゲームサーバにおける処理は、仮想ユーザを回帰誘導先ゲームへ誘導する処理である回帰誘導処理のみで成立可能である。発展的な態様として、回帰誘導処理の後に、仮想ユーザへ仮想アイテムを付与する処理であるアイテム付与処理が実行される。本実施形態における対象仮想ユーザは、複数のゲームに登録されている仮想ユーザであるという前提で、以下説明する。端末に提供可能な全てのゲームのいずれかに登録されている仮想ユーザのうち、複数のゲームに登録されている仮想ユーザを抽出する処理については、説明を省略する。なお、以下では、対象仮想ユーザとしてユーザID30001の仮想ユーザを例として説明する。ユーザID30001の仮想ユーザは、複数のゲーム(ゲームA〜D)に登録されているものとする。
(4−1)回帰誘導処理及びアイテム付与処理
仮想ユーザを回帰誘導先ゲームへ誘導する処理(回帰誘導処理)の後に、回帰誘導先ゲームで実ユーザが所定の操作を行い所定の条件を満たしたことに応じて、当該実ユーザが操作する仮想ユーザへ仮想アイテムを付与する処理(アイテム付与処理)について、図13を参照して説明する。
図13に示すように、ステップS1301において、回帰誘導処理部111は、回帰誘導処理を行う。回帰誘導処理の詳細は、後述する。
ステップS1302において、アイテム付与判別部112は、回帰誘導画像送信部111が回帰誘導画像を送信した後に、対象仮想ユーザが所定の条件を満たしたか否かを判別する。アイテム付与判別部112が、所定の条件を満たしたと判断した場合には(ステップS1302:YES)、ステップS1303に進み、所定の条件を満たしていないと判断した場合には(ステップS1302:NO)ステップS1302の処理を繰り返す。
所定の条件としては、例えば、回帰誘導先ゲームへログインすること、回帰誘導先ゲームで対象仮想ユーザのレベルが所定の値に達すること等が挙げられる。これらの条件は、アイテム付与判別部112が対象仮想ユーザの操作履歴情報を参照することにより、満たしているか否かを判別することができる。
また、所定の条件は、回帰誘導先ゲームで対象仮想ユーザのランキングが上昇していることであってもよい。この条件は、アイテム付与判別部112が対象仮想ユーザのランキング履歴情報を参照することにより、満たしているか否かを判別することができる。具体的に、図11(B)のランキング履歴データテーブル222を用いて、ユーザID30001の仮想ユーザについて説明する。回帰誘導画像送信部54が、XX年9月に、端末に回帰誘導画像データを送信したとする。ユーザID30001の仮想ユーザは、XX年10月においてランキングが20位であって、XX年11月においてランキングが33位であることから、XX年11月終了時点では、XX年10月よりもランキングが低下していることが分かる。また、ユーザID30001の仮想ユーザは、XX年12月においてランキングが9位であることから、XX年12月終了時点では、XX年11月よりもランキングが上昇していることが分かる。そこで、アイテム付与判別部112は、XX年12月終了時点で、ユーザID30001の仮想ユーザが所定の条件を満たしたと判断する。
ステップS1303において、アイテム管理部111はアイテム付与処理を行う。アイテム付与処理の詳細は、後述する。
(4−2)回帰誘導処理
図13のステップS1301の処理である、回帰誘導処理の詳細について、図14に示す。図14に示すように、ステップS1401において、事情変更ゲーム抽出部51は、図7の事情変更ゲームデータテーブル201を参照して、対象仮想ユーザが登録されているゲームのうち、事情変更が生じたゲームを抽出する処理を行う。例えば、XX年9月1日であれば、図7の事情変更ゲームデータテーブル201より、ゲームA、E、J及びKにおいて事情変更が生じていることが分かる。ユーザID30001の仮想ユーザは、ゲームA〜Dに登録されている。したがって、事情変更抽出部51は、ゲームAを抽出する。
ステップS1402において、回帰誘導判別部52は、図10の操作履歴データテーブル221を参照して、事情変更抽出部51が抽出したゲームにおいて、仮想ユーザを操作する端末の操作頻度が低下しているか否かを判別する。操作頻度が低下している場合には、回帰誘導判別部52は、回帰誘導画像を生成することを決定する。また、事情変更がランキングの変動である場合には、回帰誘導判別部52は、事情変更の生じたゲームにおいて、仮想ユーザを操作する端末からの操作頻度が低下しており、さらに、仮想ユーザのランキングが所定のランク以下に低下したか否かを判別してもよい。操作頻度が低下しており、かつ、仮想ユーザのランキングが所定のランク以下に低下した場合には、回帰誘導判別部52は、回帰誘導画像を生成することを決定する。回帰誘導画像を生成するか否かを判別する処理の詳細は、後述する。
ステップS1403において、回帰誘導判別部52が、ステップS1402で回帰誘導画像を生成するという決定を行った場合には(ステップS1403:YES)、ステップS1404に進み、回帰誘導判別部52が、ステップS1402で回帰誘導画像を生成するという決定を行っていない場合には(ステップS1403:NO)、本処理を終了する(END)。
ステップS1404において、回帰誘導画像生成部53は、事情変更抽出部51が抽出したゲームへ対象仮想ユーザを誘導するような表示画像(回帰誘導画像)を生成する。回帰誘導画像には、少なくとも、事情変更の具体的な内容を示す画像を含める。さらに、実ユーザが事情変更の生じたゲームを再びプレイした場合に得られる仮想アイテムを示す画像を含めてもよい。また、実ユーザを激励する内容を示す画像を含めてもよい。回帰誘導画像の具体的な表示例については、後述する。
ステップS1405において、回帰誘導画像送信部53は、対象仮想ユーザに対して、ステップS1404で生成した回帰誘導画像を表示する画像データを、インターネット2を介して接続された端末3に送信する。
(4−2−1)回帰誘導判別処理の具体例(ステップS1402)
図14のステップS1402の処理である、仮想ユーザを操作する端末の操作頻度が低下しているか否かを判別する処理の詳細について、図15に示す。なお、事情変更抽出部51が抽出したゲームはゲームAであるとして説明する。
図15に示すように、ステップS1501において、回帰誘導判別部52は、図10の操作履歴データテーブル221に記憶されているデータを参照して、対象仮想ユーザの相対レベル値情報を読み出し、ステップS1502に進む。
ステップS1502において、回帰誘導判別部52は、現在から所定期間遡った期間において、対象仮想ユーザの相対レベル値が減少しているかどうかを判定する。ステップS1502において、相対レベル値が減少していると判定した場合(S1502:YES)には、ステップS1505に進み、回帰誘導画像を生成すると決定し、本処理を終了する(END)。一方、ステップS1502において、相対レベル値が減少していないと判定した場合(S1502:NO)には、ステップS1503に進む。
相対レベル値が減少しているかどうかの判定は、例えば、対象仮想ユーザが登録された初日の相対レベル値と、現在の相対レベル値とを比較することにより行われる。回帰誘導判別部52は、初日の相対レベル値に対する現在の相対レベル値が所定の閾値より小さい場合には、相対レベル値が減少していると判定する。
例えば、図10の操作履歴データテーブル221を参照すると、ユーザID30001の仮想ユーザは、初日(7/1)の相対レベル値は10であって、現在(9/7)の相対レベル値は8である。すなわち、初日の相対レベル値に対する現在の相対レベル値は0.8であることが分かる。回帰誘導判別部52は、この0.8という値が所定の閾値より小さいかどうかを判定する。
また、相対レベル値が減少しているかどうかの判定は、例えば、現在から所定期間遡った日までの期間(近い過去)における相対レベル値の平均値と、当該所定期間遡った日からさらに所定期間遡った日までの期間(遠い過去)における相対レベル値の平均値とを比較することにより行ってもよい。回帰誘導判別部52は、近い過去の期間における相対レベル値の平均値が、遠い過去の期間における相対レベル値の平均値より小さい場合には、相対レベル値が減少していると判定する。
また、相対レベル値が減少しているかどうかの判定は、現在から所定期間遡った日までの期間における相対レベル値について、最小二乗法により回帰式を算出することにより行ってもよい。回帰誘導判別部52は、算出した回帰式を参照し、回帰係数がマイナスである場合には、相対レベル値が減少していると判定する。
ステップS1503において、回帰誘導判別部52は、図10の操作履歴データテーブル221に記憶されているデータを参照して、対象仮想ユーザの相対操作回数情報を読み出し、ステップS1504に進む。
ステップS1504において、回帰誘導判別部52は、現在から所定期間遡った期間において、対象仮想ユーザの相対操作回数が減少しているかどうかを判定する。相対操作回数が減少していると判定した場合(S1504:YES)には、ステップS1505に進み、回帰誘導画像を生成するという決定を行い、本処理を終了する(END)。一方、相対操作回数が減少していないと判定した場合(S1504:NO)には、回帰誘導画像を生成するという決定を行うことなく、本処理を終了する(END)。
以上のように、回帰誘導判別部52は、対象仮想ユーザの相対レベル値と相対操作回数の少なくとも一方が減少している場合に、回帰誘導画像を生成すると決定する。
仮想ユーザの相対レベル値が減少している場合には、実ユーザがゲーム内でレベル値を上げる操作を全く行っていないか、又はあまり行っておらず、ゲームに飽きている状態であると考えられる。また、仮想ユーザの相対レベル値は上昇しているか又は変動していないが、相対操作回数が減少している場合には、実ユーザがレベル値を上げるための必要最低限の操作しか行っておらず、ゲームへの熱中度が低下しつつあると考えられる。また、仮想ユーザの相対レベル値と相対操作回数が共に上昇しているか、又は変動していない場合には、実ユーザがゲームに熱中している状態であると考えられる。回帰誘導処理は、これらの仮定に基づき、ゲームへの熱中度が低下している実ユーザ又はゲームに飽きている実ユーザを、事情変更が生じたゲームへ誘導するものと結論づけるための処理である。
(4−2−2)回帰誘導判別処理の変形例(ステップS1402)
図14のステップS1402の処理である、仮想ユーザを操作する端末の操作頻度が低下しているか否かを判別し、かつ、仮想ユーザのランキングが所定のランク以下に低下したか否かを判別する処理の詳細について、図16に示す。なお、事情変更抽出部51が抽出したゲームはゲームAであるとして説明する。
図16に示すように、ステップS1601〜1604における処理は、ステップS1501〜S1504と同様であるため、説明を省略する。
ステップS1605において、回帰誘導判別部52は、図11(A)のユーザ別ランキング履歴データテーブル222に記憶されているデータを参照して、対象仮想ユーザの最高ランキングを読み出す。図11(A)のユーザ別ランキング履歴データテーブル222より、ユーザID30001の仮想ユーザの最高ランキングは、XX年4月における5位(表11(A)の網掛け部)であることが分かる。
ステップS1606において、回帰誘導判別部52は、対象仮想ユーザの最高ランキングに応じて、許容値を決定する。ここで許容値は、最高ランキングが高いほど、最高ランキングとの差が小さい値とする。例えば、最高ランキングが5位である場合には、許容値を10位と決定するのに対して、最高ランキングが550位である場合には、許容値を1000位と決定することができる。
ステップS1607において、回帰誘導判別部52は、対象仮想ユーザの最高ランキングが許容値より低いか否かを判断する。対象仮想ユーザの最高ランキングが許容値より低い場合には(ステップS1607:YES)、ステップS1608に進み、回帰誘導画像を生成するという決定を行い、本処理を終了する(END)。一方、対象仮想ユーザの最高ランキングが許容値と同じであるか、許容値より高い場合には(ステップS1607:NO)、回帰誘導画像を生成するという決定を行うことなく、本処理を終了する(END)。
図11(A)のユーザ別ランキング履歴データテーブル222より、ユーザID30001の最新ランキングは、XX年8月における15位であることが分かる。最新ランキングが許容値より低いため、回帰誘導判別部52は、回帰誘導画像を生成するという決定を行う。なお、XX年5月、6月及び7月のランキングは8位、6位、9位であり、いずれも許容値より高いため、回帰誘導判別部52は、XX年5月、6月及び7月終了時点では、回帰誘導画像を生成するという決定を行わなかったことが分かる。
(4−2−3)回帰誘導画像の画面例(ステップS1404)
図17を参照して、回帰誘導画像を含む画面例について説明する。図17(A)は、仮想ユーザを、回帰誘導先ゲームへ誘導するときに表示する画面例である。画面上部には、回帰誘導先ゲームをプレイするとお得であることを通知するために、例えば、「カムバックキャンペーン」と記載された表示部410を表示し、その下方に、回帰誘導先ゲームにおける事情変更の内容等を表示するために回帰誘導画像表示部420を表示し、さらにその下方には、「今すぐゲームAで遊ぶ!」というような表示からなるプレイ受付ボタンアイコン430を表示する。
図17(B)に示す回帰誘導画像表示部420a、420b、420cは、図17(A)の回帰誘導画像表示部420の一例である。
回帰誘導画像表示部420aは、対象仮想ユーザが登録されているゲームにおいて事情変更が生じたことを通知するため、事情変更の具体的な内容を表示する事情変更通知部421を備える。
回帰誘導画像表示部420bは、事情変更通知部421と、実ユーザが回帰誘導先ゲームで所定の操作を行い所定の条件を満たした場合に仮想アイテムが得られることを表示する回帰特典表示部422とから構成される。
回帰誘導画像表示部420cは、事情変更通知部421と、回帰特典表示部422と、さらに、実ユーザが回帰誘導先ゲームにおいて過去に活躍していたことを賞賛するため、激励の言葉を表示する激励表示部423とから構成される。回帰誘導画像表示部420cは、回帰誘導先ゲームにおける対象仮想ユーザの最高ランキングが所定の閾値以上である場合に表示される。
図18(A)に示す事情変更通知部421a、421b、421c、421dは、図17(B)の事情変更通知部421の一例である。事情変更通知部421aは、回帰誘導先ゲームにおける対象仮想ユーザのランキングが低下していることを表示する例であり、事情変更通知部421bは、回帰誘導先ゲームで新しいイベントが始まったことを表示する例であり、事情変更通知部421cは、回帰誘導先ゲームでクエストパートに新しいステージが追加されたことを表示する例である。また、事情変更通知部421dは、事情変更通知部421aの変形例であって、回帰誘導先ゲームにおける対象仮想ユーザのランキングが低下していることを表示する際に、対象仮想ユーザのランキングの変動を具体的に表示するランキング変動表示部424を備える。
ランキング変動表示部424には、例えば、ランキングが変動したゲームにおける対象仮想ユーザの最高ランキングと最新ランキングとを組み合わせて、「5位(XX年4月)→15位(XX年8月)」というように表示される。
図18(B)に示す回帰特典表示部422a、422b、422c、422dは、図17(B)の回帰特典表示部422の一例である。回帰特典表示部422aは、回帰誘導先ゲームにおける対象仮想ユーザのランキングが上昇した場合に仮想アイテムが得られることを表示する例である。
また、回帰特典表示部422bは、回帰誘導先ゲームにログインした場合に仮想アイテムが得られることを表示する例である。
また、回帰特典表示部422cは、回帰誘導先ゲームにおいて所定のレベルに達した場合に仮想アイテムが得られることを表示する例である。なお、回帰特典表示部422cは、回帰誘導先ゲームで所定のレベルに達していない仮想ユーザだけでなく、所定のレベルに達している仮想ユーザを操作する端末にも表示される。
また、回帰特典表示部422dは、回帰特典表示部422aの変形例であって、回帰誘導先ゲームにおける対象仮想ユーザのランキングが上昇した場合に対象仮想ユーザに付与する仮想アイテムを具体的に表示するため、アイテム表示部425を備える。対象仮想ユーザに付与する仮想アイテムは、回帰誘導先ゲームで使用可能な仮想アイテムである。アイテム抽出部61は、図8のアイテムデータテーブル211を参照して、仮想アイテムを任意に抽出することができる。なお、アイテム抽出部61は、回帰誘導先ゲームにおけるランキング履歴情報に基づいて仮想アイテムの種類を決定してもよい。また、回帰誘導先ゲームにおける対象仮想ユーザの最高ランキングに基づいて、仮想アイテムの個数を決定してもよい。対象仮想ユーザに付与する仮想アイテムを決定する処理の詳細について、後述する。
図18(C)に示す激励表示部423a、423bは、図17(B)の激励表示部423の一例である。激励表示部423aは、過去に仮想ユーザのランキングが上位であったことを賞賛する表示の例であり、激励表示部423bは、過去にゲームで活躍していたことを賞賛する表示の例である。
以上のとおり、回帰誘導画像表示部420a〜cは、事情変更通知部421a〜d、回帰特典表示部422a〜d、激励表示部423a、bを自由に組み合わせることにより構成される。回帰誘導画像表示部420a〜cのいずれかを採用することができる。
(具体例1)事情変更がランキングの変動である場合
回帰誘導画像表示部420aは、回帰誘導先ゲームにおける対象仮想ユーザのランキングが低下していることを表示する事情変更表示部421a又は421dを備える。また、回帰誘導画像表示部420bは、事情変更表示部421a又は421dと、回帰誘導先ゲームにおける対象仮想ユーザのランキングが上昇した場合に仮想アイテムが得られることを表示する回帰特典表示部422a又は422dとから構成される。また、回帰誘導画像表示部420cは、事情変更表示部421a又は421dと、回帰特典表示部422a又は422dと、激励表示部423a、bとから構成される。回帰誘導画像表示部420a〜cのいずれかを採用することができる。
(具体例2)事情変更が新しいイベントの開始である場合
回帰誘導画像表示部420aは、回帰誘導先ゲームで新しいイベントが始まったことを表示する事情変更表示部421bを備える。また、回帰誘導画像表示部420bは、事情変更表示部421bと、回帰誘導先ゲームにログインした場合に仮想アイテムが得られることを表示する回帰特典表示部422b又は回帰誘導先ゲームにおいて所定のレベルに達した場合に仮想アイテムが得られることを表示する回帰特典表示部422cとから構成される。また、回帰誘導画像表示部420cは、事情変更表示部421bと、回帰特典表示部422cと、激励表示部423bとから構成される。回帰誘導画像表示部420a〜cのいずれかを採用することができる。
(4−2−4)対象仮想ユーザに付与する仮想アイテムを決定する処理
図14のステップS1404において説明した「回帰誘導画像の生成」の処理に当たって、回帰誘導画像生成部53は、実ユーザが回帰誘導先ゲームで所定の操作を行った場合に仮想ユーザに付与する仮想アイテムを表示する画像を生成することが可能である。対象仮想ユーザに付与する仮想アイテムの種類を、回帰誘導先ゲームにランキング履歴情報に基づいて決定し、仮想アイテムの個数を、回帰誘導先ゲームにおける仮想ユーザの最高ランキングに基づいて決定する処理の詳細について、図19に示す。なお、事情変更抽出部51が抽出したゲームはゲームAであるとして説明する。
まず、仮想アイテムの種類を決定する処理について説明する。図19に示すように、ステップS1901において、アイテム抽出部61は、図9(A)のゲームAランキング履歴データテーブル212を参照して、ゲームAにおける最新ランキングが所定の閾値以上である仮想ユーザを抽出する。
ステップS1902において、アイテム抽出部61は、図12のアイテム使用データテーブル223を参照して、ステップS1901で抽出した仮想ユーザがゲームAで最も多く使用している仮想アイテムを抽出する。具体的には、ゲームAの最新ランキングで1位である仮想ユーザから順に、仮想ユーザが最も多く使用している仮想アイテムを抽出する。例えば、ゲームAの最新ランキングで1位であるユーザID30042の仮想ユーザは、図12のアイテム使用データテーブル223より、アイテムID10002を最も多く使用していることが分かる。よって、アイテムID10002を抽出する。同様に、ゲームAの最新ランキングが2位以下である仮想ユーザについても、当該仮想ユーザが最も多く使用している仮想アイテムを抽出する。そして、アイテム抽出部61は、抽出数の最も多い仮想アイテムを、対象仮想ユーザに付与する仮想アイテムと決定する。
次に、仮想アイテムの個数を決定する処理について説明する。ステップS1903において、アイテム抽出部61は、図11のユーザ別ランキング履歴データテーブル222より、対象仮想ユーザのゲームAにおける最高ランキングを参照する。なお、同一の最高ランキングが2つ以上あった場合には、図9のゲームAランキング履歴データテーブルを参照して、ランキングに係る全仮想ユーザ数の最も多い時のランキングを選択する。例えば、ユーザID30001の仮想ユーザのゲームAにおける最高ランキングは、XX年4月での5位である(図11(A))。
ステップS1904において、アイテム抽出部61は、対象仮想ユーザの最高ランキングに基づいて仮想アイテムの個数を決定する。最高ランキングが高いほど、個数を多くする。具体的には、対象仮想ユーザが最高ランキングを取得した時のランキング1位から最下位までを複数の区分に区分けして、それぞれに仮想アイテムの個数を設定する。そして、アイテム抽出部61は、対象仮想ユーザのランキングがどの区分に属するかによって仮想アイテムの個数を決定する。例えば、ユーザID30001の仮想ユーザが最高ランキングを獲得したXX年4月は、図9のゲームAランキング履歴データテーブル212より、全仮想ユーザ数が1329である。そこで、ランキング1位〜10位は10個、11位〜100位は5個、101位以下は1個と設定する。アイテム抽出部61は、ユーザID30001の仮想ユーザについて、付与する仮想アイテムの個数を10個と決定する。
(4−3)アイテム付与処理(ステップS1303)
図13のステップS1303の処理である、対象仮想ユーザに仮想アイテムを付与する処理(アイテム付与処理)の詳細について、図20に示す。
図20に示すように、ステップS2001において、アイテム抽出部61は、対象仮想ユーザへ付与する仮想アイテムを抽出する。抽出する仮想アイテムは、回帰誘導先ゲームで使用可能な仮想アイテムである。対象仮想ユーザに付与する仮想アイテムを回帰誘導画像に表示するために、回帰誘導処理において仮想アイテムを抽出した場合には、仮想アイテムを改めて抽出しない。対象仮想ユーザに付与する仮想アイテムを回帰誘導画像に表示せず、回帰誘導処理において仮想アイテムを抽出していない場合には、アイテム抽出部61は、図8のアイテムデータテーブル211を参照して、仮想ユーザに付与する仮想アイテムを任意に抽出することができる。なお、アイテム抽出部61は、回帰誘導先ゲームにおけるランキング履歴情報に基づいて仮想アイテムの種類を決定してもよい。また、回帰誘導先ゲームにおける対象仮想ユーザの最高ランキングに基づいて、仮想アイテムの個数を決定してもよい。具体的な処理は、ステップ1901〜1904と同様に行うことができる。なお、ステップ1901、1902では、回帰誘導画像を生成する時点におけるランキング履歴データテーブル(図9(A))を参照して、仮想アイテムの種類を決定したが、本処理では、アイテム付与画像を生成する時点におけるランキング履歴データテーブル(図9(B))を参照して、仮想アイテムの種類を決定する。また、ステップS1903、1904では、回帰誘導画像を生成する時点における対象仮想ユーザの最高ランキング(図11(A))を参照して、仮想アイテムの個数を決定したが、本処理では、アイテム付与画像を生成する時点における対象仮想ユーザの最高ランキング(図11(B))を参照して、仮想アイテムの個数を決定する。
ステップS2002において、アイテム付与画像生成部62は、対象仮想ユーザに付与する仮想アイテムを表示する表示画像(アイテム付与画像)を生成する。アイテム付与画像には、仮想アイテムだけでなく、回帰誘導先ゲームにおける対象仮想ユーザの最高ランキングを含めてもよい。
ステップS2003において、アイテム付与画像送信部63は、アイテム付与画像を表示する画像データを、インターネット2を介して接続された端末3に送信する。
ステップS2004において、アイテム設定部64は、対象仮想ユーザの所有アイテムのデータを更新して、本処理を終了する。具体的に、アイテム設定部63は、所有アイテムデータテーブル(図示せず)において、該当する仮想アイテムの個数を書き換える処理を行う。
(5)効果
本実施形態では、事情変更ゲーム通知部は、対象仮想ユーザが登録されている複数のゲームのうち、事情変更の生じたゲームを抽出する。回帰誘導画像送信部は、事情変更の生じたゲームにおいて、対象仮想ユーザを操作する端末からの操作頻度が低下している場合に、回帰誘導画像を表示する画像データを端末へ送信する。本実施形態において、回帰誘導画像表示部420a、420b、420cは、対象仮想ユーザが登録されているゲームにおいて事情変更が生じたことを通知するため、事情変更の具体的な内容を表示する事情変更通知部421を備える。操作頻度が低下しているゲームで事情変更が生じたとしても、実ユーザは当該ゲームで事情変更が生じたことを知らないことが多いが、本実施形態では、事情変更が生じたことを実ユーザに認識させることができる。事情変更が生じたことを認識させることが、回帰誘導先ゲーム、すなわち操作頻度が低下しているゲームへ実ユーザが舞い戻るきっかけとなり得る。
本実施形態では、事情変更がランキング変動であるとき、回帰誘導画像送信部は、事情変更の生じたゲームにおいて、対象仮想ユーザを操作する端末からの操作頻度が低下しており、かつ、対象仮想ユーザのランキングが所定のランク以下に低下した場合に、回帰誘導画像を表示する画像データを端末へ送信する。事情変更がランキングの変動であるとき、事情変更表示部421として、回帰誘導先ゲームにおける対象仮想ユーザのランキングが低下していることを表示する事情変更表示部421a又は421dが採用される。操作頻度が低下しているゲームでランキングが低下していたとしても、実ユーザは当該ゲームでランキングが低下したことを知らないことが多いが、本実施形態では、ランキングの低下を実ユーザに認識させることができる。ランキングの低下は、特に、ランキングの上位をめざす実ユーザの競争心を目覚めさせるきっかけとなる。これにより、回帰誘導先ゲームで再びプレイすることを促すことができる。
また、本実施形態では、所定のランクを「許容値」と定義し、回帰誘導画像送信部は、対象仮想ユーザのランキングが許容値以下に低下している場合に、回帰誘導画像を表示する画像データを端末へ送信する。許容値は、回帰誘導先ゲームにおける対象仮想ユーザの最高ランキングに応じて、決定される。許容値は、最高ランキングが高いほど、最高ランキングとの差が小さい値となる。ランキングが大きく低下してしまった場合には、また元のランキングまで上げるのに相当な操作時間を必要とすることが予想され、実ユーザは、ランキングの低下を認識したとしても、ランキングを上げる意欲を失いかねない。このように、回帰誘導先ゲームにおける対象仮想ユーザの最高ランキングに応じて許容値を決定することにより、実ユーザが、低下したランキングを上げようとする意欲を失わないようにすることができる。
本実施形態において、事情変更通知部421dは、回帰誘導先ゲームにおける対象仮想ユーザのランキングが低下していることを通知する際に、仮想ユーザのランキングの変動を具体的に表示するランキング変動表示部を備える。これにより、実ユーザに対して、ランキングの低下がどの程度であるかをはっきりと認識させることができる。実ユーザの競争心を駆り立てることができ、回帰誘導先ゲームへの誘導効果が高い。
本実施形態において、回帰誘導画像表示部420bは、事情変更通知部と、実ユーザが回帰誘導先ゲームで所定の操作を行い所定の条件を満たした場合に仮想アイテムが得られることを表示する回帰特典表示部422とから構成される。回帰誘導画像表示部420bを表示することにより、実ユーザに、回帰誘導先ゲームで所定の操作を行い所定の条件を満たせば仮想アイテムが得られるということを認識させることができる。仮想アイテムは、通常、使用することによりゲームを優位に進めることができる機能を有しており、実ユーザの獲得欲求が高い。仮想アイテムの獲得を求める実ユーザを、回帰誘導先ゲームでプレイするように誘導することができる。
本実施形態では、事情変更がランキングの変動であるとき、回帰特典表示部422として、回帰誘導先ゲームにおける対象仮想ユーザのランキングが上昇した場合に仮想アイテムが得られることを表示する回帰特典表示部422a又は422dが採用される。回帰誘導先ゲームでランキングが低下していることを認識させることにより、実ユーザをランキングへ注目させつつ、さらに、ランキングの上昇が仮想アイテムの獲得につながることを認識させることにより、回帰誘導先ゲームでランキングを上げる意欲を高める。回帰誘導先ゲームでランキングを上げることは、回帰誘導先ゲームである程度プレイすることにより達成できるため、実ユーザが回帰誘導先ゲームで継続的にプレイすることが期待できる。
本実施形態において、回帰特典表示部422bは、回帰誘導先ゲームにログインした場合に仮想アイテムが得られることを表示する。仮想アイテムを獲得するための条件が、ログインという簡単に達成できるものであるため、実ユーザの興味を大きく引くことができる。実ユーザを回帰誘導先ゲームでプレイするよう誘導しやすい。
本実施形態において、回帰特典表示部422cは、回帰誘導先ゲームにおいて所定のレベルに達した場合に仮想アイテムが得られることを表示する。所定のレベルに達していない仮想ユーザを操作する実ユーザに対しては、回帰誘導先ゲームを所定のレベルに達するまでプレイするよう促すことができる。一方、仮想ユーザが所定のレベルに達している場合には、回帰誘導先ゲームにログインするのみで仮想アイテムが得られるため、実ユーザを回帰誘導先ゲームでプレイするよう誘導しやすい。
本実施形態では、回帰特典表示部422dは、回帰誘導先ゲームにおける対象仮想ユーザのランキングが上昇した場合に対象仮想ユーザに付与する仮想アイテムを具体的に表示するアイテム表示部425を備える。獲得できる仮想アイテムを具体的に表示することにより、仮想アイテムが実ユーザにとって魅力的なものであれば、回帰誘導先ゲームでプレイするよう誘導することができる。
本実施形態において、回帰誘導画像表示部420cは、事情変更通知部と、回帰特典表示部と、実ユーザが回帰誘導先ゲームにおいて過去に活躍していたことを賞賛するため、激励の言葉を表示する激励表示部423とから構成される。激励表示部423を表示することにより、ランキング上位の仮想ユーザを操作する実ユーザの自己顕示欲を刺激し、回帰誘導先へ舞い戻るきっかけを与える。
本実施形態では、回帰誘導データ送信部が回帰誘導画像に係る画像データを送信した後に、実ユーザが回帰誘導先ゲームで所定の操作を行い所定の条件を満たした場合に、対象仮想ユーザに仮想アイテムを付与する。対象仮想ユーザが仮想アイテムを獲得し、当該仮想アイテムを使用したのをきっかけに、回帰誘導先ゲームを将来的に継続してプレイすることが期待できる。
本実施形態では、回帰誘導データ送信部が回帰誘導画像に係る画像データを送信した後に、回帰誘導先ゲームにおける対象仮想ユーザのランキングが上昇した場合に、対象仮想ユーザに仮想アイテムを付与する。通常、ランキングを上昇させるには、ある程度の時間をかけてプレイする必要がある。回帰誘導の対象となった仮想ユーザを操作する実ユーザが、回帰誘導先ゲームでプレイすることにより簡単に仮想アイテムを獲得できるとすれば、当該ゲームでプレイする他の実ユーザの意欲が低下しかねない。回帰誘導の対象となった仮想ユーザを操作する実ユーザが、ある程度の時間をかけてプレイしなければ、仮想アイテムを獲得できないものとすることにより、他の実ユーザのゲームに対するプレイ意欲を維持することができる。
本実施形態では、アイテム抽出部は、対象仮想ユーザに付与する仮想アイテムの種類を、回帰誘導先ゲームにランキング履歴情報に基づいて決定する。アイテム抽出部は、回帰誘導先ゲームにおける最新ランキングが所定の閾値以上である仮想ユーザが最も多く使用している仮想アイテムを、対象仮想ユーザに付与する仮想アイテムとする。このような仮想アイテムを対象仮想ユーザに付与することにより、当該仮想アイテムを使用させランキングの上昇を促すことができる。仮想ユーザのランキングが上昇することにより、実ユーザが、回帰誘導先ゲームをプレイする楽しみを覚え、継続的にプレイすることが期待できる。
本実施形態では、アイテム抽出部は、対象仮想ユーザに付与する仮想アイテムの個数を、回帰誘導先ゲームにおける仮想ユーザの最高ランキングに基づいて決定する。アイテム抽出部は、最高ランキングが高いほど、個数を多くする。ランキング上位の仮想ユーザに多くの仮想アイテムを付与することにより、当該仮想ユーザを操作する実ユーザに優越感を与え、回帰誘導先ゲームで意欲的にプレイすることが期待できる。
(6)他の実施形態
本実施形態では、まず、事情変更抽出部が、複数のゲームに登録されている特定の仮想ユーザについて、複数のゲームの中から、事情変更の生じたゲームを抽出した。次に、回帰誘導判別部が、事情変更の生じたゲームにおいて、仮想ユーザを操作する端末からの操作頻度が低下しているか否かを判別した。回帰誘導判別部が、操作頻度が低下していると判断した場合には、回帰誘導画像生成部は、回帰誘導画像を生成した。そして、回帰誘導データ送信部は、仮想ユーザを操作する端末へ、回帰誘導画像に係る表示処理データを送信した。すなわち、本実施形態は、特定の仮想ユーザに着目して、回帰誘導画像に係る表示処理データを送信する対象とするか否かを判別する処理である。しかし、全ての仮想ユーザに着目して、回帰誘導画像に係る表示処理データを送信する対象とする仮想ユーザを抽出する処理を行ってもよい。具体的に、まず、事情変更ゲーム抽出部が、事情変更が生じたゲームを抽出する。次に、ユーザ抽出部が、事情変更が生じたゲームを含む複数のゲームに登録されている仮想ユーザのうち、事情変更が生じたゲームにおいて操作頻度が低下している仮想ユーザを抽出する。回帰誘導データ送信部は、ユーザ抽出部が抽出した仮想ユーザを操作する端末へ、回帰誘導画像に係る表示処理データを送信する。以下、図21〜24を参照して、詳細に説明する。
(6−1)他の実施形態に係るゲームサーバの具体的構成
他の実施形態に係るゲームサーバの具体的な構成について図21を参照して説明する。図21に示すように、回帰誘導処理部111’は、事情変更ゲーム抽出部51と、ユーザ抽出部55と、回帰誘導画像生成部53と、回帰誘導画像送信部54と、を備える。すなわち、回帰誘導処理部111’は、回帰誘導処理部111における回帰誘導判別部52の代わりに、ユーザ抽出部55を有する。以下、本実施形態と異なる点について、説明する。
(6−2)回帰誘導処理部の具体的構成
事情変更ゲーム抽出部51は、端末に提供可能な複数のゲーム(ゲームデータ記憶部200に記憶されたゲームA〜N)の中から、事情変更が生じたゲームを抽出する。事情変更ゲーム抽出部51は、図7の事情変更ゲームデータテーブル201を参照することにより、事情変更が生じたゲームを抽出することができる。具体的に、図7の事情変更ゲームデータテーブル201を参照することにより、XX年9月1日において、事情変更が生じたゲームはゲームA、E、J及びKであることが分かる。
ユーザ抽出部55は、事情変更が生じたゲームを含む複数のゲームに登録されている仮想ユーザのうち、事情変更が生じたゲームにおいて操作頻度が低下している仮想ユーザを抽出する手段である。具体的に、ユーザ抽出部55は、事情変更が生じたゲームがゲームAであれば、まず、ゲームAを含む複数のゲームに登録されている仮想ユーザを抽出する。そして、図10の操作履歴データテーブル221を参照して、各仮想ユーザの相対操作回数と相対レベル値を分析することにより、ゲームAにおいて操作頻度が低下している仮想ユーザを抽出する処理を行う。
また、事情変更がランキングの変動である場合には、ユーザ抽出部55は、ランキング変動が生じたゲームにおいて操作頻度が低下しており、かつ、当該ゲームでランキングが所定のランク以下に低下した仮想ユーザを抽出する。具体的に、ユーザ抽出部55は、上記のように、ゲームAにおいて操作頻度が低下している仮想ユーザを抽出する処理を行う。さらに、図11のユーザ別ランキング履歴データテーブル222を参照して、ゲームAにおけるランキングが所定のランク以下に低下した仮想ユーザを抽出する処理を行う。
回帰誘導画像生成部53は、ユーザ抽出部55が抽出した仮想ユーザを、事情変更が生じたゲームに誘導するため、当該仮想ユーザの端末3の表示部に表示する回帰誘導画像を生成する。
回帰誘導画像送信部54は、回帰誘導画像生成部53で生成した回帰誘導画像を表示するため、当該画像に係る表示処理データを、インターネット2を介して接続された各端末3に送信する。
(6−3)ゲームサーバにおける処理
他の実施形態では、本実施形態と同様に、図13のフローに従い、回帰誘導処理及びアイテム付与処理が実行される。
(6−3−1)回帰誘導処理
ステップS1301の処理である、回帰誘導処理の詳細について、図22に示す。図22に示すように、ステップS2201において、事情変更ゲーム抽出部51は、図7の事情変更ゲームデータテーブル201を参照して、事情変更が生じたゲームを抽出する処理を行う。具体的に、XX年9月1日であれば、図7の事情変更ゲームデータテーブル201より、事情変更ゲーム抽出部51は、ゲームA、C、G、Hを抽出する。事情変更ゲーム抽出部51が複数のゲームを抽出した場合には、それぞれのゲームについて個別に以下の処理を行う。なお、以下では、事情変更ゲーム抽出部51が抽出した複数のゲームのうち任意に選択した1つのゲームにおける処理について説明する。
ステップS2202において、ユーザ抽出部55は、事情変更抽出部51が抽出したゲームを含む複数のゲームに登録されている仮想ユーザのうち、事情変更抽出部51が抽出したゲームにおいて操作頻度が低下している仮想ユーザを抽出する。また、事情変更がランキングの変動である場合には、ユーザ抽出部55は、さらに、ランキングが所定のランク以下に低下した仮想ユーザを抽出してもよい。仮想ユーザを抽出する処理の詳細は、後述する。
ステップS2203において、回帰誘導画像生成部53は、ステップS2202で抽出した仮想ユーザを事情変更が生じたゲームへ誘導するような表示画像(回帰誘導画像)を生成する。
ステップS2204において、回帰誘導画像送信部53は、仮想ユーザに対して、ステップS2203で生成した回帰誘導画像を表示する画像データを、インターネット2を介して接続された端末3に送信する。
(6−3−2)仮想ユーザを抽出する処理の具体例(ステップS2202)
図22のステップS2202の処理である、事情変更抽出部51が抽出したゲームを含む複数のゲームに登録されている仮想ユーザのうち、事情変更抽出部51が抽出したゲームにおいて操作頻度が低下している仮想ユーザを抽出する処理の詳細について、図23に示す。なお、事情変更が生じたゲームは、ゲームAであるとして説明する。
図23に示すように、ステップS2301において、ユーザ抽出部55は、事情変更が生じたゲームを含む複数のゲームに登録されている仮想ユーザを抽出する。具体的に、ユーザ抽出部55は、各ゲームの操作履歴データテーブル221を参照して、ゲームA及びゲームA以外のゲームに登録されている仮想ユーザを抽出する。
ステップS2302〜2305の処理は、本実施形態におけるステップS1501〜1504と同様に行われる。なお、ステップS1501〜1504では、特定の仮想ユーザを対象として各処理を行うが、ステップS2302〜2305では、ステップS2301で抽出した仮想ユーザのうち、任意に選択した一の仮想ユーザを対象として各処理を行う。
ステップ2302において、ユーザ抽出部55は、図10の操作履歴データテーブル221に記憶されているデータを参照して、ステップS2301で抽出した仮想ユーザのうち、任意に選択した一の仮想ユーザの相対レベル値情報を読み出し、ステップS2303に進む。
ステップS2303において、ユーザ抽出部55は、現在から所定期間遡った期間において、一の仮想ユーザの相対レベル値が減少しているかどうかを判定する。ステップS2303において、相対レベル値が減少していると判定した場合(S2303:YES)には、ステップS2306に進む。ステップS2306において、当該一の仮想ユーザを抽出した後、ステップS2307に進み、当該仮想ユーザを除外する。一方、ステップS2303において、相対レベル値が減少していないと判定した場合(S2303:NO)には、ステップS2304に進む。
ステップS2304において、ユーザ抽出部55は、図10の操作履歴データテーブル221に記憶されているデータを参照して、一の仮想ユーザの相対操作回数情報を読み出し、ステップS2305に進む。
ステップS2305において、ユーザ抽出部55は、現在から所定期間遡った期間において、一の仮想ユーザの相対操作回数が減少しているかどうかを判定する。ステップS2305において、相対操作回数が減少していると判定した場合(S2305:YES)には、ステップS2306に進む。ステップS2306において、当該一の仮想ユーザを抽出した後、ステップS2307に進み、当該仮想ユーザを除外する。一方、ステップS2305において、相対操作回数が減少していないと判定した場合(S2305:NO)には、ステップS2307に進み、当該仮想ユーザを抽出することなく、当該仮想ユーザを除外する。
ステップS2308において、ユーザ抽出部55は、ステップS2301で抽出した仮想ユーザが他に存在するか否か判断する。ユーザ抽出部55は、他の仮想ユーザが存在しない場合(S2308:NO)には、本処理を終了し(END)、他の仮想ユーザが存在する場合(S2308:YES)には、ステップS2302に戻って、S2302以下の処理を繰り返す。
以上のように、ユーザ抽出部55は、相対レベル値が減少している仮想ユーザ、又は、相対レベル値が減少していない場合でも相対操作回数が減少している仮想ユーザを抽出する。
(6−3−3)仮想ユーザを抽出する処理の変形例(ステップS2202)
図22のステップS2202の処理である、事情変更抽出部51が抽出したゲームを含む複数のゲームに登録されている仮想ユーザのうち、事情変更抽出部51が抽出したゲームにおいて操作頻度が低下しており、かつ、ランキングが所定のランク以下に低下した仮想ユーザを抽出する処理の詳細について、図24に示す。
図24に示すように、ステップS2401〜2405における処理は、ステップS2301〜S2305と同様であるため、説明を省略する。
ステップS2406〜2408の処理は、本実施形態におけるステップS1605〜1607と同様に行われる。なお、ステップS1605〜1607では、特定の仮想ユーザを対象として各処理を行うが、ステップS2406〜2408では、ステップS2401で抽出した仮想ユーザのうち、任意に選択した一の仮想ユーザを対象として各処理を行う。
ステップS2406において、ユーザ抽出部55は、図11(A)のユーザ別ランキング履歴データテーブル222に記憶されているデータを参照して、一の仮想ユーザの最高ランキングを読み出す。
ステップS2407において、ユーザ抽出部55は、一の仮想ユーザの最高ランキングに応じて、許容値を決定する。
ステップS2408において、ユーザ抽出部55は、一の仮想ユーザの最高ランキングが許容値より低いか否かを判断する。許容値より低い場合には(ステップS2408:YES)、ステップS2409に進む。ステップS2409において、当該一の仮想ユーザを抽出した後、ステップS2410に進み、当該仮想ユーザを除外する。一方、許容値と同じであるか、許容値より高い場合には(ステップS2408:NO)、ステップS2410に進み、当該仮想ユーザを抽出することなく、当該仮想ユーザを除外する。
ステップS2411において、ユーザ抽出部55は、ステップS2401で抽出した仮想ユーザが他に存在するか否か判断する。ユーザ抽出部55は、他の仮想ユーザが存在しない場合(S2411:NO)には、本処理を終了し(END)、他の仮想ユーザが存在する場合(S2411:YES)には、ステップS2402に戻って、S2402以下の処理を繰り返す。