JP5421070B2 - 筆ペン用筆穂保持部材及びこれを備えた筆ペン - Google Patents

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Description

本発明は、多数の毛を束ねた筆穂を軸状のペン本体の先端に固定するための筆ペン用筆穂保持部材及びこれを備えた筆ペンに関する。
従来から、図5に示す如く、多数の毛110’を束ねた筆穂11’が軸状のペン本体10’の先端に固定され、該ペン本体10’内のインク又は墨液が筆穂11’に供給されるように構成された筆ペン1’が周知である。
かかる筆ペン1’は、筆穂11’をペン本体10’の先端に固定すべく、筆穂11’を保持する筆穂保持部材12’を備えている。かかる筆穂保持部材12’は、樹脂成形品で構成されており、筆穂11’を挿入するための貫通穴120’を画定した環状保持部121’を備えている。
前記筆穂保持部材12’は、環状保持部121’(貫通穴120’)に筆穂11’を圧入することで、筆穂11’の基端側を環状保持部121’で保持するようになっており、ペン本体10’の先端部に内装された状態で該ペン本体10’に固定されるようになっている。
従って、この種の筆ペン1’は、筆穂11’の基端側がインク又は墨液を収容したペン本体10’内に位置する一方で、筆穂11’の先端側がペン本体10’の先端から延出しており、筆穂11’全体にペン本体10’内のインク又は墨液が供給されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
実開平7−35084号公報
ところで、前記筆穂11’は、同一の太さの毛110’…を束ねて形成すると、硬すぎたり柔らかすぎたりして書きにくくなることがあるため、一般的に、筆者に好まれる硬さ(書きやすい硬さ)になるように、太さの異なる毛110’…を束ねる(混毛する)ことで硬さ(コシの強さ)が調節されている。
そのため、量産される筆穂11’のそれぞれは、毛110’…の太さの違いや、太さの異なる毛110’…の混毛率等の違いで外径(毛110’…の束径)が一定寸法になっていないのが実情であり、加工精度の高い樹脂成形品である筆穂保持部材12’(環状保持部121’)に圧入しても、図6に示す如く、筆穂11’と環状保持部121’との間に隙間Nができることがあり、このような状態になるとインク又は墨液が漏れ易い状態になってしまう。
すなわち、上記構成の筆ペン1’は、ペン本体10’から筆穂11’にインク又は墨液を供給するようになっているため、筆穂11’と環状保持部121’との間に隙間Nが形成されると、ペン本体10’内のインク又は墨液が隙間Nを介して外部に漏れ易い状態になってしまう。また、上述の如く、筆穂11’と環状保持部121’との間に隙間Nが形成されると、筆穂11’を構成する多数の毛110’…の配置が拘束されずに各毛110’…間に隙間ができてしまい、ペン本体10’内のインク又は墨液が筆穂11’と環状保持部121’との間の隙間Nからだけでなく筆穂11’(毛110’…の間)からも漏れ易い状態になってしまう。
このような状態になるのを回避するには、環状保持部121’に対する筆穂11’の圧接を高めることが考えられるが、上述の如く、上記構成の筆ペン1’は、ペン本体10’から筆穂11’にインク又は墨液を供給するようになっているため、筆穂11’を環状保持部121’に対して必要以上に圧接させると、筆穂11’を構成する多数の毛110’…同士が密接してしまい、インク又は墨液が流れにくくなってしまう。
従って、従来の筆ペン1’では、筆穂11’の仕上がり状態(筆穂保持部材12’に対する筆穂11’の圧入状態)によって筆穂11’へのインク又は墨液の供給量が異なり、使用した筆ペン1’によって文字や絵画の仕上がり状態が異なることがあった。また、筆穂11’と環状保持部121’との間に隙間Nが形成されると、インク又は墨液の供給状態に影響を及ぼすだけでなく、筆穂11’が安定した状態で固定されなくなる(筆穂11’にガタツキが生じる)ため、筆記を妨げてしまう(使い心地を悪くする)原因となる。
そこで、本発明は、筆穂の外径のバラツキに関係なく、筆穂を確実に固定できるとともに、筆穂に対してインク又は墨液を適正に供給できる状態にすることができ、安定した筆記が可能となる筆ペン用筆穂保持部材を提供するとともに、筆穂の外径のバラツキに関係なく、筆穂を確実に固定できるとともに、筆穂に対してインク又は墨液を適正に供給でき、安定した筆記が可能となる筆ペンを提供することを課題とする。
本発明に係る筆ペン用筆穂保持部材は、多数の毛を束ねた筆穂を挿入する貫通穴を画定した環状保持部を備え、インク又は墨液が収容された軸状のペン本体の先端に筆穂を固定すべく、環状保持部をペン本体と同心にしてペン本体の先端部に固定される筆ペン用筆穂保持部材であって、環状保持部の内周面上に弾性変形可能な弾性層が形成され、貫通穴に挿入される筆穂の外周が弾性層に圧接するように構成されていることを特徴とする。
上記構成の筆ペン用筆穂保持部材によれば、環状保持部の内周面上に弾性変形可能な弾性層が形成されているため、環状保持部が画定した貫通穴に筆穂を挿入すると、筆穂の外周が弾性層に圧接して該弾性層が筆穂の外周形状(外周回りにある毛)に対応して変形することになる。これにより、弾性層は、外周にある毛の間に嵌り込んだ状態になるため、筆穂と環状保持部の内周との間に隙間が形成されることがなく、また、筆穂を構成する多数の毛の配置が拘束されることになる。従って、筆ペン用筆穂保持部材がペン本体に固定されて筆ペンの一構成となった状態で、インク又は墨液を外部に漏らすことなく、適量のインク又は墨液を筆穂の先端まで供給することができる。また、上述の如く、弾性層が外周にある毛の間に嵌り込んだ状態になると、筆穂全体が拘束される(筆穂が安定した状態で固定される)ため、安定した筆記が可能となる。
また、本発明に係る筆ペン用筆穂保持部材の一態様として、前記弾性層は、ウレタン樹脂(ゴム)で構成されるとともに、内部に連続気泡が形成されていることが好ましい。このようにすれば、弾性層に適度な弾性が付与されることになり、弾性層が筆穂の外形(毛の配置)に対応して適正に変形することになる。これにより、環状保持部と筆穂の外周との間に隙間を形成することなく筆穂を構成する多数の毛を適度に拘束することができるため、インク又は墨液の漏れを確実に防止した上で、適量のインク又は墨液を筆穂の先端にまで供給することができる。また、筆穂を構成する多数の毛を拘束できることで、筆穂全体を確実に固定することができ、より安定した筆記が可能となる。
本発明に係る筆ペンは、インク又は墨液が収容された軸状のペン本体と、多数の毛を束ねた筆穂と、該筆穂をペン本体の先端に固定するための筆穂保持部材とを備え、該筆穂保持部材は、筆穂を挿入する貫通穴を画定した環状保持部を備え、該環状保持部をペン本体と同心にして筆穂保持部材がペン本体の先端部に固定された筆ペンであって、環状保持部の内周面又は筆穂の外周面の少なくとも何れか一方に弾性変形可能な弾性層が形成され、該弾性層が筆穂の外周と環状保持部とに挟まれて環状保持部の内周面に圧接するとともに筆穂の外周形状に対応して変形していることを特徴とする。
上記構成の筆ペンによれば、環状保持部の内周面又は筆穂の外周面の少なくとも何れか一方に弾性変形可能な弾性層が形成されているため、環状保持部が画定した貫通穴に筆穂を挿入すると、筆穂の外周と環状保持部とに弾性層が挟まれ、弾性層が環状保持部の内周面に圧接するとともに筆穂の外周形状(外周回りにある毛)に対応して変形することになる。これにより、弾性層は、外周にある毛の間に嵌り込んだ状態になるため、筆穂と環状保持部の内周との間に隙間が形成されることがなく、また、筆穂を構成する多数の毛の配置が拘束されることになる。従って、上記構成の筆ペンは、インク又は墨液を外部に漏らすことなく、適量のインク又は墨液を筆穂の先端まで供給することができる。また、上述の如く、弾性層が外周にある毛の間に嵌り込んだ状態になると、筆穂全体が拘束される(筆穂が安定した状態で固定される)ため、安定した筆記が可能となる。
また、本発明に係る筆ペンの一態様として、前記弾性層は、ウレタン樹脂(ゴム)で構成されるとともに、内部に連続気泡が形成されていることが好ましい。このようにすれば、弾性層に適度な弾性が付与されることになり、弾性層が筆穂の外形(毛の配置)に対応して適正に変形することになる。これにより、環状保持部と筆穂の外周との間に隙間を形成することなく筆穂を構成する多数の毛を適度に拘束することができるため、インク又は墨液の漏れを確実に防止した上で、適量のインク又は墨液を筆穂の先端にまで供給することができる。また、このように筆穂を構成する多数の毛を拘束できることで、筆穂全体を確実に固定することができ、より安定した筆記が可能となる。
以上のように、本発明に係る筆ペン用筆穂保持部材は、筆穂の外径のバラツキに関係なく、筆穂を確実に固定できるとともに、筆穂に対してインク又は墨液を適正に供給できる状態にすることができ、安定した筆記が可能となるという優れた効果を奏し得る。
また、本発明に係る筆ペンは、筆穂の外径のバラツキに関係なく、筆穂を確実に固定できるとともに、筆穂に対してインク又は墨液を適正に供給でき、安定した筆記が可能となるという優れた効果を奏し得る。
本発明の一実施形態に係る筆ペンの斜視図を示す。 同実施形態に係る筆ペンの分解斜視図を示す。 同実施形態に係る筆ペンの組み立て途中の斜視図を示す。 同実施形態に係る筆穂保持部材の部分断面図であって、(a)は、筆穂保持部材(環状保持部の一部及び弾性層)の部分拡大断面図を示し、(b)は、筆穂を保持した筆穂保持部材の(環状保持部の一部及び弾性層)の部分拡大断面図を示す。 従来の筆ペンの斜視図であって、内部の筆穂保持部材を実線で示す一方で、ペン本体を二点鎖線(仮想線)で示した斜視図を示す。 従来の筆ペンの筆穂及び筆穂保持部材の部分拡大断面図を示す。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る筆ペンは、図1に示す如く、軸状のペン本体10と、多数の毛110…を束ねた筆穂11と、筆穂11をペン本体10の先端に固定するための筆穂保持部材(筆ペン用筆穂保持部材)12とを備えている。
前記ペン本体10は、内部にインク又は墨液(本実施形態においては墨液)が収容されている。より具体的には、ペン本体10は、墨液が収容された中空軸状の胴軸100と、該胴軸100の先端に連結される先軸105とを備えている。前記胴軸100は、図2に示す如く、先端部に雄ネジ101が形成されている。また、前記胴軸100は、先端に後述する導入針131を刺通させる刺針部102が形成されている。
前記先軸105は、筆ペン1のグリップ(握り部分)を構成するもので、両端が開口した筒状に形成されている。そして、該先軸105は、胴軸100の雄ネジ101に螺合させる雌ネジ106が基端部内周に形成されている。これにより、本実施形態に係る筆ペン1は、胴軸100と先軸105とを螺合させることで、一本のペン本体10になるようになっている。先軸105は、先端に向けて先細りに形成されており、基端開口よりも先端開口が小径になっている。そして、該筆ペン1は、ペン本体10の先端側の領域内に筆穂保持部材12が内装されるようになっている。すなわち、本実施形態に係る筆ペン1は、先軸105に筆穂保持部材12が内装されるようになっている。
そして、本実施形態に係る筆ペン1は、上述の如く、ペン本体10を胴軸100及び先軸105で構成し、これらを互いに連結する(螺合する)ように構成されているため、これに伴って、胴軸100内の墨液を先軸105内に導入(供給)するための導入部材13を備えている。かかる導入部材13は、先軸105に対して筆穂保持部材12よりも基端側に内装され、胴軸100内と先軸105内とを流体的に接続するように構成されている。より具体的には、導入部材13は、先軸105の基端側の開口を閉塞する円板状の封止部130と、封止部130の一方の面に延設された導入針131と、封止部130の他方の面に延設された供給針132とを備えている。導入針131と供給針132とは、中空に形成され、内部が互いに連通している。
前記筆穂11は、多数の毛110…を束ねて形成されている。本実施形態に係る筆穂11は、太さの異なる毛110…を束ねて形成されており、使用者の書き心地のよい硬さ(コシの強さ)に調整されている。かかる筆穂11は、束ねた多数の毛110…の基端同士が溶着(例えば、熱溶着)されて形成されている。これにより、筆穂11は、多数の毛110…を束ねた状態で維持できるようになっている。また、上述の如く、多数の毛110…の基端同士を溶着することで、筆穂11の基端部には鍔状部111が形成されている。すなわち、多数の毛110…の基端を溶着すること(熱溶着すること)による、いわゆるダマの集合によって鍔状部111が形成されている。
筆穂保持部材12は、多数の毛110…を束ねた筆穂11を挿入する貫通穴120を画定した環状保持部121を備えている。より具体的には、筆穂保持部材12は、筆穂11を構成する毛束を整える(毛110…の配置を拘束する)ために、筆穂11が圧入される貫通穴120を形成した環状保持部121と、該環状保持部121の基端から延出した延出部122a,112bと、該延出部122a,112bの基端部に連設され、環状保持部121の径方向外方に延出するするフランジ部123とを備えている。
前記環状保持部121の外径は、先軸105の先端開口の内径と略同一或いはやや小径に設定されており、先軸105に内装した状態で、先端側の一部が先軸105の先端から延出するように形成されている。これに対し、環状保持部121の内径は、所定の本数の毛110…(束ねた毛110…)の束径(筆穂11の外形)に対応するように設定されている。
そして、本実施形態に係る筆穂保持部材12は、図2及び図4(a)に示す如く、環状保持部121の内周面上に弾性変形可能な弾性層124が形成されている。すなわち、環状保持部121は、先端側の内周面の全周に弾性層124が形成されている。かかる弾性層124は、ウレタン樹脂で構成されており、内部には無数の気泡(空間)が形成されている。本実施形態に係る弾性層124内の気泡は、連続気泡になっている。
該弾性層124内の連続気泡は、周知の技法によって形成されたもので、例えば、樹脂成形された筆穂保持部材12(環状保持部121)の内周面の全周に、液状(或いは、ゲル状)のウレタン樹脂に微粉状の塩成分を混練したものを所定の厚みになるように塗布して固化させた上で、塩成分を溶出させることで形成されている。これにより、前記弾性層124は、ウレタン樹脂自身の特性(弾性)に加え、内部に形成される連続気泡の存在で弾性変形し易くなっており、筆穂11を環状保持部121に圧入したときに、筆穂11の外周に単に圧接するのではなく、圧接に伴う弾性変形で隆起した部分が筆穂11の外周に位置する毛110…と毛110との間に入り込むようになっている。
図2に戻り、前記延出部122a,112bは、環状保持部121に圧入状態にある筆穂11の基端側を被うように形成されている。より具体的には、本実施形態に係る筆穂保持部材12は、環状保持部121の基端から延出した延出部122a,112bが一対設けられている。そして、一対の延出部122a,112bは、環状保持部121に圧入した筆穂11を介在させるように、互いに間隔をあけて配置されている。これにより、本実施形態に係る筆穂保持部材12は、一対の延出部122a,112b間に環状保持部121側からフランジ部123側に延びる(フランジ部123側から環状保持部121側に延びる)一対のスリット122c,122dが形成されている。
これに伴い、本実施形態に係る筆ペン1は、一対の延出部122a,112bに筒状のスポンジ部材14を外嵌するようになっている。かかるスポンジ部材14は、柔軟な樹脂で形成されており、内部に無数の連続気泡が形成されている。これにより、スポンジ部材14は、筆穂11側に供給されて余剰な墨液を吸収する他に、上述の如く、筆穂保持部材12を先軸105に内装したときに、筆穂保持部材12と先軸105とのクッションとしても機能するようになっている。
前記フランジ部123は、環状保持部121の貫通穴120と同心をなす穴(採番しない)が形成されている。そして、該フランジ部123は、鍔状を呈しており、先軸105に内装したときに該先軸105の内部にある位置決め部(図示しない)と干渉し、先軸105の軸線方向における位置決めをするようになっている。すなわち、フランジ部123は、該筆穂保持部材12を先軸105に内装したときに、上述の如く、環状保持部121の先端部が先口(開口)から所定量延出した状態で維持できるように、筆穂保持部材12全体における先軸105の軸線方向の移動を規制するようになっている。
また、フランジ部123は、外径が先軸105の内径に対応するように設定されており、先軸105に内装したときに、外周が先軸105の内周に当たって径方向における位置決めをするようになっている。すなわち、フランジ部123は、該筆穂保持部材12を先軸105に内装したときに、該筆穂保持部材12の軸線(環状保持部121の中心線)が先軸105の軸線と一致又は略一致した状態で維持できるように、筆穂保持部材12全体における先軸105の径方向の移動を規制するようになっている。
フランジ部123は、筆穂11の基端部(鍔状部111)を係止可能に形成されている。これにより、筆穂保持部材12に筆穂11を挿入(環状保持部121に筆穂11を圧入)した状態で、筆穂11がフランジ部123に位置決め(抜け止め)され、環状保持部121から筆穂11の先端側が所定量延出した状態で維持できるようになっている。
本実施形態に係る筆ペン1は、図3に示す如く、筆穂11を環状保持部121に圧入させた筆穂保持部材12を先軸105に内装した上で、導入部材13の封止部130を先軸105の基端部に内装すると、導入部材13の供給針132が筆穂11の基端部に挿入された状態になるように構成されている。また、筆穂保持部材12及び導入部材13が内装された先軸105に対し、胴軸100を連結(螺合)させることで、導入部材13の導入針131が胴軸100の先端部に設けられた刺針部102に挿入された状態になるように構成されている。これにより、本実施形態に係る筆ペン1は、胴軸100内の墨液が導入部材13を介して筆穂11にまで導かれるようになっている。
そして、本実施形態に係る筆ペン1は、図4(a)に示す如く、筆穂保持部材12(環状保持部121)の内周面全周に弾性層124が設けられているため、上述の如く筆穂11を筆穂保持部材12に組み込んだとき(筆穂11を環状保持部121の圧入したとき)に、図4(b)に示す如く、筆穂11の外周が弾性層124に圧接して該弾性層124が筆穂11の外周形状(外周回りにある毛110…)に対応して変形し、弾性変形した弾性層124が外周にある毛110…の間に嵌り込んだ状態になっている。これにより、筆穂11と環状保持部121の内周との間に隙間が形成されることがなく、また、筆穂11を構成する多数の毛110…が互いに圧接しすぎることなく適正な配置で拘束される結果、ペン本体10内の墨液が外部に漏れ出ることのない適量で筆穂11に供給されることになる。
以上のように、本実施形態に係る筆ペン1は、筆穂11の外径のバラツキに関係なく、筆穂11を確実に固定できるとともに、筆穂11に対して墨液を適正に供給でき、安定した筆記が可能となるという優れた効果を奏することができる。
また、筆穂保持部材12は、筆ペン1に組み込まれた状態で、筆穂11の外径のバラツキに関係なく、筆穂11を確実に固定できるとともに、筆穂11に対して墨液を適正に供給できる状態にすることができるという優れた効果を奏することができる。
そして、弾性層124内に連続気泡を形成することで該弾性層124が変形し易くなるため、弾性層124が筆穂11を構成する毛110の配置に対応した形状(毛110を適度に拘束できる形状)に適正且つ確実に変形でき、また、筆ペン1を用いて文字等を書くときに筆穂11が曲げ作用に追従しやすく、筆穂11をしなやかにすることができる。また、上述の如く、弾性層124内の気泡を連続気泡とすることで、墨液の吸収機能を高めることができ、筆穂11内の墨液の量を適正な状態にすることができる。また、本実施形態に係る筆ペン1(筆穂保持部剤12)は、筆穂11(筆穂11を構成する多数の毛110…)を拘束できるため、筆穂11全体を確実に固定することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
上記実施形態において、筆穂保持部材12を筆ペン1の一構成として説明したが、筆穂保持部材12は、それ独自で部品として構成するものであるため、筆穂保持部材12は筆ペン1に組み込まれたものに限定されるものではなく、本発明において、筆ペン1に加え、独立して流通する部品としての筆穂保持部材12も対象とする。
上記実施形態において、先軸105の内装される筆穂保持部材12について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、筆穂保持部材12全体を筒状に形成し、該筆穂保持部材12で先軸105を構成するようにしてもよい。この場合、筆穂保持部材12(先軸105)の先端部が環状保持部121となるため、弾性層124を先軸105(筆穂保持部材12)の先端部内周に形成すればよい。
また、上記実施形態において、ペン本体10を胴軸100と先軸105とで構成したが、これに限定されるものではなく、ペン本体10を単一な構成としてもよい。この場合、筆穂保持部材12をペン本体10の先端部に内装するようにしてもよいし、筆穂保持部材12を筒状に形成してペン本体10の先端に連結するようにしてもよい。すなわち、ペン本体10に対する筆穂保持部材12の固定方法は、種々選択可能であり、何れの場合においても、筆穂保持部材12が、筆穂11を挿入させる貫通穴120を画定した環状保持部121を少なくとも備え、該環状保持部121の内周面上に弾性層124が形成されれば上記実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
上記実施形態において、弾性層124をウレタン樹脂で構成したが、これに限定されるものではなく、ウレタン樹脂以外のゴム素材で弾性層124を形成するようにしてもよい。また、弾性層124は、液状の素材を環状保持部121の内周に塗布して固化させたものに限定されるものではなく、例えば、弾性層124は、弾性を有する素材を薄肉環状に成型したものを、環状保持部121の内周に接着することで形成してもよい。すなわち、弾性層124は、成型方法に関係なく、圧入した筆穂11との関係で、該筆穂11を構成する毛110…に対応して弾性変形できるものであればよい。
上記実施形態において、ペン本体10内に墨液を収容した、いわゆる毛筆用の筆ペン1について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ペン本体10内の所定の色のインクを収容した絵画用の筆ペン1であっても勿論よい。
上記実施形態において、弾性層124として内部に連続気泡を形成したものを採用したが、これに限定されるものではなく、例えば、内部に多数の独立気泡の形成されたものや、内部が中実に形成されたものであってもよい。すなわち、弾性層124は、筆穂11の圧接で弾性変形できれば、内部に気泡の有無や気泡の形態は適宜選択して適用すればよい。但し、ペン本体10内のインク又は墨液が筆穂11の先端にまで供給されるという筆ペン1独自の構成を鑑みれば、上記実施形態のように弾性層124内に連続気泡を形成することで、弾性層124を変形させやすくできる上に、墨液やインクの吸収機能を付加することができ、筆穂11内の墨液やインクの量を適正な状態にすることができるため、上記実施形態のように弾性層124をウレタン樹脂で構成するとともに、内部に連続気泡を形成することが好ましいことは言うまでもない。
上記実施形態において、筆穂保持部材12(環状保持部121)の内周面のみに弾性層124を形成するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、筆穂11の基端側(筆記に影響を与えない部位)の外周に弾性層124を形成し、その弾性層124が環状保持部121の内周面と対向するように筆穂11を該環状保持部121に挿入(圧入)するようにしてもよい。このようにしても、環状保持部121が画定した貫通穴120に筆穂11を挿入すると、筆穂11の外周と環状保持部121とに弾性層124が挟まれ、弾性層124が環状保持部121の内周面に圧接するとともに筆穂11の外周形状(外周回りにある毛110…)に対応して変形することになる。
これにより、弾性層124は、外周にある毛110の間に嵌り込んだ状態になるため、筆穂11と環状保持部121の内周との間に隙間が形成されることがなく、また、筆穂11を構成する多数の毛110…の配置が拘束されることになる。
従って、この場合においても、インク又は墨液を外部に漏らすことなく、適量のインク又は墨液を筆穂11の先端まで供給することができる。また、筆穂保持部材12(環状保持部121)の内周面と、筆穂11の外周面との両方に弾性層124を形成しても同様の効果を奏することは言うまでもない。但し、筆穂11の外周に弾性層124を形成する場合、毛110を束ねて筆穂11を形成した上で、上記実施形態で説明したように液状又はゲル状の樹脂(弾性素材)を塗布して固化させることが好ましい。このようにすれば、弾性層124が筆穂11(多数の毛110の束)の周囲で固まる結果、該弾性層124で毛110を束ねた状態に維持させることもできる。
1…筆ペン、10…ペン本体、11…筆穂、12…筆穂保持部材(筆ペン用筆穂保持部材)、13…導入部材、14…スポンジ部材、100…胴軸、101…雄ネジ、102…刺針部、105…先軸、106…雌ネジ、110…毛、111…鍔状部、120…貫通穴、121…環状保持部、122a,112b…延出部、122c,122d…スリット、123…フランジ部、124…弾性層、130…封止部、131…導入針、132…供給針

Claims (4)

  1. 多数の毛を束ねた筆穂を挿入する貫通穴を画定した環状保持部を備え、インク又は墨液が収容された軸状のペン本体の先端に筆穂を固定すべく、環状保持部をペン本体と同心にしてペン本体の先端部に固定される筆ペン用筆穂保持部材であって、環状保持部の内周面上に弾性変形可能な弾性層が形成され、貫通穴に挿入される筆穂の外周が弾性層に圧接するように構成されていることを特徴とする筆ペン用筆穂保持部材。
  2. 前記弾性層は、ウレタン樹脂で構成されるとともに、内部に連続気泡が形成されている請求項1に記載の筆ペン用筆穂保持部材。
  3. インク又は墨液が収容された軸状のペン本体と、多数の毛を束ねた筆穂と、該筆穂をペン本体の先端に固定するための筆穂保持部材とを備え、該筆穂保持部材は、筆穂を挿入する貫通穴を画定した環状保持部を備え、該環状保持部をペン本体と同心にして筆穂保持部材がペン本体の先端部に固定された筆ペンであって、環状保持部の内周面又は筆穂の外周面の少なくとも何れか一方に弾性変形可能な弾性層が形成され、該弾性層が筆穂の外周と環状保持部とに挟まれて環状保持部の内周面に圧接するとともに筆穂の外周形状に対応して変形していることを特徴とする筆ペン。
  4. 前記弾性層は、ウレタン樹脂で構成されるとともに、内部に連続気泡が形成されている請求項3に記載の筆ペン。
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