次に、本発明の実施形態に係る燃料電池について図面を参照して説明する。なお、以下に記載される実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
図1は、本願発明の実施形態である燃料電池を含む燃料電池システムの全体構成を示す概略構成図である。図2は、図1に示す燃料電池モジュールを、カバー部材を外した状態で示す斜視図である。図3は、図2に示す燃料電池モジュールを矢印A方向と垂直な面に沿って切った断面図である。図4は、図2に示す燃料電池モジュールを矢印B方向と垂直な面に沿って切った断面の一部を模式的に示す断面模式図である。図5は、図1に示す燃料電池システムの制御的な構成を示すブロック図である。図6は、図1に示す燃料電池システムの起動時における各部の温度や各部の制御電圧を示すグラフである。なお、前記各図では、説明を判り易くするため、各部材の厚さやサイズ、拡大・縮小率等は、実際のものとは一致させずに記載した。
図1に示すように、本発明に係る燃料電池を含む燃料電池システムFCSは、燃料電池モジュールFCMと、補器ユニットADUと、貯水タンクWP2と、温水製造装置HWとを備えている。
燃料電池モジュールFCMは、図1〜図3及び図5に示すように、燃料電池FCと、改質器RFと、制御ボックスCBと、一酸化炭素検知器CODと、可燃ガス検知器GD1とを備えている。この燃料電池モジュールFCMは、カバー部材100(図3に、その外形を二点鎖線で示す)を有している。このカバー部材100は、正面側の側壁と、長手方向の一対の側壁と、背面側の側壁と、天井とによって直方体状に形成されている。そして、各側壁の下端部には、フランジ部が形成されている。そのフランジ部をベース部材2に当接させることで、カバー部材とベース部材2とによって密閉される空間が形成されている。カバー部材とベース部材2とはボルト101によって固定されている。そのボルト101がカバー部材100に設けられた取り付け穴を貫通し、ベース部材2に設けられた取り付け穴2aを貫通することで固定されている。
カバー部材100とベース部材2とによって形成される内部空間は、仕切り板15によって二つの空間に分離されている。この分離されている空間のうち、上部に位置している空間には、燃料電池FCと及び改質器RFが配設されている。一方、下部に位置している空間は、排気ガス室17である。この仕切り板15は、ベース部材2に設けられた支持部材15aに戴置され、ベース部材2と所定距離を保って保持されている。支持部材15aは、仕切り板15を長手方向の両端において支持するように一対設けられている。従って、一対の支持部材15a、15a間には隙間15b(流入口)が形成されている。カバー部材の壁面に設けられた排気ガス通路を通った排気ガスは、この隙間15bから排気ガス室17へと導入される。排気ガス室17へと導入された排気ガスは、排気口から外部へと排出される。
また、仕切り板15には、ガスタンク3が載置されている。燃料電池FCは、このガスタンク3上に配設されている。燃料電池FCは、固体電解質形燃料電池である。図1〜図3に示すように、燃料電池FCは発電室FC1と燃焼室FC2とを備えている。発電室FC1には、複数本の単セル4が立設配置されてなるセルスタック30が配設されている。具体的には、セルスタック30は、図2に示す矢印B方向に複数本(本実施の形態では、図3に示すように8本)の単セル4が列状に配設されている。この単セル4の列が、図2に示す矢印A方向に複数本(図4では簡易的に8列を示している)配設されている。
単セル4は、中空の円筒形を成している。単セル4は、電解質を挟んで内側に燃料極が設けられ、外側に空気極が設けられているものである。単セル4は、燃料極側に燃料ガスを通し、空気極側に酸化剤ガスとしての空気を通すことで発電反応を起こすことができるように構成されている。なお、本実施形態では、ガスタンク3から燃料ガスが、各々の単セル4の燃料極に供給されるようになっている。後に詳述するように、空気供給穴723aから空気が、各々の空気極に供給されるようになっている。なお、本実施形態では、単セル4の管内(燃料極)を流れるガスは、都市ガス等を改質した改質ガスや水素等の燃料ガスであり、単セル4の管外(空気極)を流れるガスは、酸素を含む空気等の酸化剤ガスである。
本実施形態の燃料電池FCは、固体電解質形燃料電池(SOFC)である。従って、電解質を構成する材料としては、例えば、Y、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニア、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリア、Sr、Mgから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレートといった酸素イオン導電性酸化物を用いている。
燃料極を構成する材料としては、例えば、Niと、CaやY、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニアとの混合体、Niと、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリアとの混合体、Niと、Sr、Mg、Co、Fe、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレートとの混合体といった材料が用いられる。
空気極を構成する材料としては、例えば、Sr、Caから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンマンガナイト、Sr、Co、Ni、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンフェライト、Sr、Fe、Ni、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンコバルタイト、銀といった材料が用いられる。もっとも、電解質や燃料極及び空気極を構成する材料はこれらに限られるものではない。
発電室FC1において発電された電気は、電力取出ラインEP1によって発電電力として取り出されて利用される。燃焼室FC2は、発電室FC1の上部に位置し、発電室FC1に配置された単セル4によって発電反応に利用された残余の燃料ガスを燃焼させる部分である。燃焼室FC2において燃料ガスが燃焼した結果生じる排気ガスは、改質器RFと熱交換をした後に、後述する排気ガス室17に送られ、温水製造装置HWへと供給される。温水製造装置HWへと供給された排気ガスは更に熱交換を行い、水道水を昇温して温水とした後に外部へと排出される。
改質器RFは、被改質ガスを改質して燃料ガスとし、燃料電池FCの発電室FC1へと供給する部分である。被改質ガスの改質態様としては、部分酸化改質反応(POX;Partial Oxidation Reforming)、オートサーマル改質反応(ATR;Auto Thermal Reforming)、水蒸気改質反応(SR;Steam Reforming)があり、運転状況に応じて選択的に実行される。改質器RFは、改質部RF1と、蒸発部RF2とを備えている。
改質部RF1は、補器ユニットADU側から供給される被改質ガスと空気、及び蒸発部RF2から供給される水蒸気を用いて被改質ガスを改質して燃料ガスとする部分である。これらの被改質ガスと空気及び水蒸気は、燃料電池モジュールFCMの長手方向一端部に配設された配管6Cを介して供給される。この改質部RF1には、改質触媒が封入されている。改質触媒としては、アルミナの球体表面にニッケルを付与したもの、アルミナの球体表面にルテニウムを付与したもの、が適宜用いられる。本実施形態の場合、これらの改質触媒は球体である。また、改質部RF1には、改質器RFにおいて改質された燃料ガスをガスタンク3に供給するための配管6Dが連通されている。この配管6Dは、燃料電池モジュールFCMの長手方向他端(配管6Cと対向した位置)に配設されている。
改質部RF1に供給される都市ガス及び空気は、供給管6Aを通って燃料電池モジュールFCM内に導入される。また、蒸発部RF2から供給される水蒸気は、改質部RF1に供給管6Bを通って燃料電池モジュールFCM内に導入される。供給管6A及び供給管6Bは、仕切り板15を挟んで配管6Cとは反対側に設けられている混合室15cに繋がっている。供給管6Aから供給される都市ガス及び空気と、供給管6Bから供給される水蒸気とは、混合室15cにおいて混合され、配管6Cへと供給される。なお、蒸発部RF2は、補器ユニットADU側から供給される純水を蒸発させて水蒸気とし、その水蒸気を改質部RF1に供給する部分である。
改質器RFの上方には、流路部材7が設けられている。流路部材7は、側壁71(第一の側壁)及び側壁72(第一の側壁)と、空気分配室73と、空気集約室74及び75と、空気流路管76a、76b、77a及び77bと、側壁78(第二の側壁)及び側壁79(第二の側壁)を有している。流路部材7は、長手方向に側壁71及び72が、短手方向に側壁78及び79が、それぞれ配置され、それらの部材によって箱状となるように形成されている。流路部材7は、改質器RF及びセルスタック30を覆うように、仕切り板15に立設されている。
空気分配室73は、側壁79の外側上方に取り付けられている。即ち、空気分配室73は、側壁71及び72と側壁78及び79とによって形成される箱状体の外側且つ短手側の上方に取り付けられている。空気分配室73には、ここに空気を供給するための空気供給管7Aが連通されている。また、空気分配室73には、空気流路管76a、76b、77a及び77b連通されている。
空気流路管76a及び76bは、側壁71及び72と側壁78及び79とによって形成される箱状体の内側且つ長手側の上方に、側壁71に沿うように配置されている。空気流路管76aは、側壁71側に、空気流路管76bは、空気流路管76aよりも内側に、それぞれ配置されている。空気流路管76a及び76bの一端は側壁79を貫通して空気分配室73に連通されており、他端は空気集約室74に連通されている。したがって、空気分配室73に流入した空気は、空気流路管76a及び76bを通り、空気集約室74へと流れ込んで再合流する。
空気流路管77a及び77bは、側壁71及び72と、側壁78及び79とによって形成される箱状体の内側且つ長手側の上方に、側壁72に沿うように配置されている。空気流路管77aは、側壁72側に、空気流路管77bは、空気流路管77aよりも内側に、それぞれ配置されている。空気流路管77a及び77bの一端は、側壁79を貫通して空気分配室73に連通されており、他端は、空気集約室75に連通されている。したがって、空気分配室73に流入した空気は、空気流路管77a及び77bを通り、空気集約室75へと流れ込んで再合流する。
空気集約室74及び75は、側壁78の内側上方に取り付けられている。即ち、空気集約室74及び75は、側壁71及び72と、側壁78及び79とによって形成される箱状体の内側且つ短手側の上方に取り付けられている。空気集約室74は、側壁71と密着するように配置されており、空気集約室74に流れ込んだ空気、側壁71へと流れ出すように構成されている。一方、空気集約室75は、側壁72と密着するように配置されており、空気集約室75に流れ込んだ空気は、側壁72へと流れ出すように構成されている。
側壁71及び72は、それぞれが二重壁構造となっていて、各々の内部を空気が流れることができるように構成されている。なお、本実施形態では、側壁71及び72は、互いに対向配置され、互いに対称な構造を有しているため、側壁71の構造を中心として説明し、側壁72については、括弧内に記載した符号をもって、その説明に替えるものとする。
側壁71(72)は、セルスタック30に対向する壁面713(723)を備えている。図4に示されるように、壁面713(723)には、空気を噴出して単セル4に空気を供給するための第一の穴としての空気供給穴713a(723a)、第二の穴としての空気供給穴714a(724a)、及び第三の穴としての空気供給穴715a(725a)が開口されている。このように、空気供給穴713a(723a)、714a(724a)、及び715a(725a)を側壁71(72)に形成しているので、セルスタック30に空気を供給するための部材を側壁71(72)から突出させる必要がない。したがって、単セル4の組み立て時等に、単セル4が空気を供給するための部材に干渉することがない。
空気供給穴713a(723a)は、特に図4に示すように、セルスタック30の下部に相当する位置に、水平方向(図2に示す矢印A方向)に互いに所定の間隔をおいて開口されている。具体的には、空気供給穴713a(723a)は、側壁71(72)に沿って並設されている単セル4同士の間に形成される空間S1に対向する位置、側壁78とセルスタック30の側壁78に最も近い列との間に形成される空間S2に対向する位置、及び、側壁79とセルスタック30の側壁79に最も近い列との間に形成される空間S3に対向する位置に形成されている。なお、本実施形態では、空気供給穴713a(723a)は、壁面713(723)に対し垂直な方向(空気が噴出する方向)に投影した際に、単セル4に干渉しないように形成した。
セルスタック30に第二反応ガスとしての空気を供給するにあたっては、セルスタック30に含まれる複数の単セル4それぞれに発電反応が起きるように、それぞれの単セル4の周囲に空気が行き渡るように供給する必要がある。図4に示した本実施形態では、第二反応ガスとしての空気を供給するためのガス供給ゾーンを、単セル4の一端側(下端側)の下ラインDLから単セル4の他端側(上端側)の上ラインULの間に設定している。セルスタック30を取り囲む方向においては、側壁78のセルスタック30側の壁面における横ラインSL1から側壁79のセルスタック30側の壁面における横ラインSL2の間に設定している。
上述した各空間S1及び各空間S2は、セルスタック30に第二反応ガスとしての空気を供給するガス反応ゾーンの内部に含まれるものである。従って、空間S1は、隣接する単セル4の間の空間であって、その下側が下ラインDLによって画定され、その上側が上ラインULによって画定される空間となっている。また、空間S2は、単セル4と壁面78(79)との間の空間であるから、単セル4と横ラインSL1(SL2)との間の空間であって、その下側が下ラインDLによって画定され、その上側が上ラインULによって画定される空間となっている。
空気供給穴714a(724a)は、特に図4に示すように、空間S2及びS3に各々対向する位置であって、セルスタック30の上部に相当する位置に形成されている。なお、本実施形態では、空気供給穴714a(724a)は、空気供給穴713a(723a)よりも小さい径で形成した。従って、空気供給穴714a(724a)の開口面積は、空気供給穴713a(723a)の開口面積よりも小さくなっている。
空気供給穴715a(725a)は、特に図4に示すように、空間S2及びS3に各々対向し且つセルスタック30の高さ方向中央部に相当する位置、側壁78に最も近い位置に配設されている単セル4と、この単セル4に隣接した単セル4との間に形成される空間S1に対向し且つセルスタック30の高さ方向中央部に相当する位置、及び、側壁79に最も近い位置に配設されている単セル4と、この単セル4に隣接した単セル4との間に形成される空間S1に対向し且つセルスタック30の高さ方向中央部に相当する位置に形成されている。なお、本実施形態では、空気供給穴715a(725a)は、空気供給穴713a(723a)よりも小さい径であり、且つ空気供給穴714a(724a)よりも大きい径となるように形成した。従って、空気供給穴715a(725a)の開口面積は、空気供給穴713a(723a)の開口面積よりは小さく、空気供給穴714a(724a)の開口面積よりは大きくなっている。
このように、側壁71(72)には、図2に示す矢印A方向の端部X(図4に矢印Xで示す領域(第一領域))に、空気供給穴713a(723a)、714a(724a)、及び715a(725a)が形成されている。一方の端部Xは、側壁71(72)の一部であって、図4に示す両矢印Xの一端を通る垂線である横ラインSL1と両矢印Xの他端を通る垂線との間の領域であって、その下側が下ラインDLによって画定され、その上側が上ラインULによって画定される領域となっている。他方の端部Xは、側壁71(72)の一部であって、図4に示す両矢印Xの一端を通る垂線と両矢印Xの他端を通る垂線である横ラインSL2との間の領域であって、その下側が下ラインDLによって画定され、その上側が上ラインULによって画定される領域となっている。
側壁71(72)にはまた、図2に示す中央部Y(図4に矢印Yで示す領域(第二領域))に、空気供給穴713a(723a)が形成されている。中央部Yは、側壁71(72)の一部であって、図4に示す両矢印Yの一端を通る垂線と両矢印Yの他端を通る垂線との間の領域であって、その下側が下ラインDLによって画定され、その上側が上ラインULによって画定される領域となっている。
側壁71(72)は、一方の端部Xに形成されている空気供給穴713a(723a)、714a(724a)、及び715a(725a)の開口面積を合算して得られる合算開口面積が、中央部Yに形成されている空気供給穴713a(723a)の開口面積を合算して得られる合算開口面積よりも大きい。このため、セルスタック30の図4でいう中央部(中央部Y(第二領域)に対向する領域)よりも端部(端部X(第一領域)に対向する領域)に空気を多く供給することができる。したがって、通常、空気不足になり易いセルスタック30の端部に、中央部と同等の空気を供給することができる。
一方の端部X全体の面積に対して、一方の端部X内に形成されている穴の開口面積の比を第一開口率とすると、図4に示す実施形態の第一開口率は式(1)によって求められる。
第一開口率=(空気供給穴713aの開口面積×3+空気供給穴714aの開口面積+空気供給穴715aの開口面積×2)/一方の端部X全体の面積 (1)
中央部Y全体の面積に対して、中央部Y内に形成されている穴の開口面積の比を第二開口率とすると、図4に示す実施形態の第二開口率は式(2)によって求められる。
第二開口率=(空気供給穴713aの開口面積×3)/中央部Y全体の面積 (2)
上述したように第一開口率及び第二開口率を算出すると、第二開口率よりも第一開口率が大きくなるように形成されている。従って、より大きな開口率である第一開口率となるように空気供給穴713a,715a,714aが形成されている一方の端部Xからは、中央部Yよりも多くの空気が供給される。
なお、本実施形態では、図4に示すように、発電室FC1の図2に示す矢印A方向の長さを3等分したうち、両側の領域を端部X,Xとし、一対の端部X,Xに挟まれた領域を中央部Yとした。即ち、図2に示す矢印A方向において、各々の端部Xの長さ=中央部Yの長さとなるように設定した。
さらに、側壁71(72)は、端部Xに形成されている空気供給穴713a(723a)の合算開口面積が、端部Xに形成されている空気供給穴715a(725a)の合算開口面積よりも大きく、この空気供給穴715a(725a)の合算開口面積は、端部Xに形成されている空気供給穴714a(724a)合算開口面積よりも大きくなっている。即ち、端部Xでは、上部に行くほど、空気供給穴の合算開口面積が小さくなっている。このため、空気は、セルスタック30の下部よりも高さ方向中央部、高さ方向中央部よりも上部に速く到達するため、セルスタック30の端部の上部に供給される空気は、下部に供給された空気の流れに左右されることが殆どなく、セルスタック30の端部の上部に確実に到達するため、空気をより効率よく供給することができる。したがって、セルスタック30の全体に空気をさらに均等に供給することができる。
さらにまた、側壁71(72)の中央部Yの上部及び高さ方向の中央部には、空気供給穴が形成されていない。このため、セルスタック30の中央部(中央部Yに対向する領域)に供給された空気が、セルスタック30の端部(端部Xに対向する領域)に供給される空気の進行を妨げることが殆どなく、空気をセルスタック30の端部の上部に確実に到達させることができる。また、セルスタック30の中央部の上部には、セルスタック30の端部の上部に供給された空気が流れ易くなるため、セルスタック30の中央部の上部にも空気を供給することができる。したがって、セルスタック30の全体に空気をさらに均等に供給することができる。
なお、側壁72の燃焼室FC2に対応する部分には、点火装置挿入穴724が設けられ、燃焼ガスと空気との燃焼を開始させるための点火装置が点火装置挿入穴724から燃焼室FC2に突出されている。この点火装置により燃料ガスと空気とが混合して燃焼し、各々の単セル4は、燃焼室FC2によって上方から加熱される。また、空気供給穴713a(723a)、714a(724a)、及び715a(725a)を介して流れ込む空気も、空気流路管76a、76b、77a、77b、側壁71及び72を通る間に、燃焼室FC2における燃焼によって加熱される。
制御ボックスCBは、燃料電池システム制御部をその内部に収納し、操作装置や表示装置、報知装置が設けられているものである。
一酸化炭素検知器CODは、本来排気ガス通路等を経て外部に排出される排気ガス中のCOが、燃料電池モジュールFCM及び補器ユニットADUを覆う外部ハウジング(図示せず)へ漏れたかどうかを検知するためのものである。可燃ガス検知器GD1は、ガス漏れを検知するためのもので、燃料電池モジュールFCM及び補器ユニットADUに取り付けられている。
補器ユニットADUは、燃料電池モジュールFCMに水、被改質ガス、及び空気を供給するための補器を備えるユニットである。補器ユニットADUは、空気供給部として空気ブロワや流量調整弁等を含む流量調整ユニットAP1a及びAP1bと、電磁弁AP2と、燃料供給部として燃料ポンプや流量調整弁等を含む流量調整ユニットFP1と、脱硫器FP2と、ガス遮断弁FP4及びFP5と、水供給部として水ポンプや流量調整弁等を含む流量調整ユニットWP1と、可燃ガス検知器GD2と、を備えている。
外部の空気供給源から供給される空気は、電磁弁AP2が閉じていれば流量調整ユニットAP1a、AP1bに供給されず、電磁弁AP2が開いていれば流量調整ユニットAP1a、AP1bに供給される。流量調整ユニットAP1aによって流量調整された空気は改質用空気として、ヒータAH1によって昇温され、被改質ガスとの混合部MVに供給される。流量調整ユニットAP1bによって流量調整された空気は発電用空気として、ヒータAH2によって昇温され、燃料電池モジュールFCMの発電室FC1に供給される。発電室FC1に供給された発電用空気は、単セル4の空気極に供給される。
外部の燃料供給源から供給される都市ガスは、2連電磁弁であるガス遮断弁FP4及びガス遮断弁FP5によってその流入が制御される。ガス遮断弁FP4、FP5のいずれもが開いていれば、都市ガスは脱硫器FP2に供給され、ガス遮断弁FP4、FP5のいずれかが閉じていれば、都市ガスは遮断される。脱硫器FP2に供給された都市ガスは、硫黄成分を除去されて被改質ガスとなり、流量調整ユニットFP1に供給される。流量調整ユニットFP1によって流量調整された被改質ガスは、改質用空気との混合部MVに供給される。混合部MVにおいて混合された被改質ガスと改質用空気とは、燃料電池モジュールFCMの改質器RFに供給される。
外部の水供給源から供給される水道水は、純水とされてから貯水タンクWP2に貯水される。貯水タンクWP2に貯水されている純水は、流量調整ユニットWP1によって流量が調整されて燃料電池モジュールFCMの改質器RFへと供給される。
可燃ガス検知器GD2は、燃料供給部としての系統であるガス遮断弁FP5、ガス遮断弁FP4、脱硫器FP2、流量調整ユニットFP1において、ガス漏れが発生していわゆる生ガスが外部に放出されないか検知するためのセンサである。
次に、本実施形態に係る燃料電池FCを有する燃料電池システムFCSの制御的な構成について説明する。図5に示すように、燃料電池システムFCSは、燃料電池モジュールFCMと、燃料電池モジュールFCMに空気を供給する空気供給部APと、燃料電池モジュールFCMに燃料ガスとなる被改質ガスを供給する燃料供給部FPと、燃料電池モジュールFCMに水を供給する水供給部WPと、燃料電池モジュールFCMから電力を取り出す電力取出部EPとを備えている。空気供給部AP、燃料供給部FP、水供給部WP、及び電力取出部EPは補器ユニットADUに収められている。
燃料電池モジュールFCM、空気供給部AP、燃料供給部FP、水供給部WP、及び電力取出部EPは、燃料電池システム制御部CSから出力される制御信号に基づいて制御される。燃料電池システム制御部SCは、CPU、ROM及びRAMといったメモリ、及び制御信号やセンサ信号を授受するためのインターフェイスによって構成されている。燃料電池システム制御部SCには、操作装置CS1、表示装置CS2、及び報知装置CS3が取り付けられている。操作装置CS1から入力される操作指示信号は、燃料電池システム制御部CSに出力され、燃料電池システム制御部CSは、その操作指示信号に基づいて、燃料電池モジュールFCM等を制御する。燃料電池システム制御部CSが制御した情報や、所定の警告情報は、表示装置CS2及び報知装置CS3に出力される。燃料電池システム制御部CSは、制御ボックスCBに収められており、操作装置CS1、表示装置CS2、報知装置CS3は、図示しないボックスに収められている。
燃料電池システム制御部CSには、燃料電池システムFCSの各所に設けられたセンサからセンサ信号が出力される。燃料電池システム制御部CSに信号を出力するセンサとしては、改質器温度センサDS1、スタック温度センサDS2、排気温度センサDS3、改質器内圧力センサDS4、水位センサDS5、水流量センサDS6、燃料流量センサDS7、改質用空気流量センサDS8、発電用空気流量センサDS9、電力状態検出部DS10、貯湯状態検出センサDS11、一酸化炭素検出センサDS12、可燃ガス検出センサDS13が設けられている。
改質器温度センサDS1は、改質器RFの温度を測定するためのセンサであって、本実施形態の場合は2つ設けられている。スタック温度センサDS2は、発電室FC1に配置されている単セル4の温度を測定するためのセンサであって、複数の単セル4からなるセルスタックの近傍に配置されている。排気温度センサDS3は、燃焼室FC2から排出される排気ガスの温度を測定するためのセンサであって、燃焼室FC2から改質器RF近傍を通って温水製造装置HWに至る経路に配置されている。改質器内圧力センサDS4は、改質器RF内の圧力を測定するためのセンサである。
水位センサDS5は、貯水タンクWP2の水位を測定するためのセンサであって、本実施形態の場合は4つ設けられている。水流量センサDS6は、補器ユニットADUから燃料電池モジュールFCMへと供給される純水の流量を測定するためのセンサである。燃料流量センサDS7は、補器ユニットADUから燃料電池モジュールFCMへと供給される被改質ガスの流量を測定するためのセンサである。改質用空気流量センサDS8は、補器ユニットADUから燃料電池モジュールFCMの改質器RFへと供給される改質用空気の流量を測定するためのセンサである。発電用空気流量センサDS9は、補器ユニットADUから燃料電池モジュールFCMへと供給される発電用空気の流量を測定するためのセンサである。
電力状態検出部DS10は、センシング手段の集合体であって、燃料電池モジュールFCMから取り出す発電電力の状態を検出する部分である。貯湯状態検出センサDS11は、センシング手段の集合体であって、温水製造装置HWの貯湯状態を検出する部分である。
一酸化炭素検出センサDS12は、一酸化炭素検知器CODに備えられているセンサであって、燃料電池モジュールFCM内における一酸化炭素のハウジング内への漏れを検出するセンサである。可燃ガス検出センサDS13は、可燃ガス検知器GD1、GD2に備えられているセンサであって、燃料電池モジュールFCM及び補器ユニットADU内における可燃ガスの漏洩を検出するセンサである。
続いて、燃料電池システムFCSの起動時(起動モード)における各種改質反応の切り替えについて図6を参照しながら説明する。本実施例における燃料電池システムFCSの起動モードにおいては、燃焼運転と、部分酸化改質反応(POX)と、第1オートサーマル改質反応(ATR1)と、第2オートサーマル改質反応(ATR2)と、水蒸気改質反応(SR)とを順次切り替えながら改質反応を進行している。
部分酸化改質反応(POX)は、改質器SRに被改質ガスと空気とを供給して行う改質反応であって、化学反応式(3)に示す反応が進行する。
CmHn+xO2 → aCO2+bCO+cH2 (3)
この部分酸化改質反応(POX)は発熱反応であるので起動性が高く、燃料電池システムFCSの起動当初において好適な改質反応である。但し、部分酸化改質反応(POX)は、水素収率が理論上少なく、発熱反応を制御するのも難しいことから、燃料電池モジュールFCMへ熱供給が必要な起動当初においてのみ利用されるのが好ましい改質反応である。なお、部分酸化改質反応(POX)のみに着目すれば、空間速度を高く設定するので、例えば改質器RFを分割形成して部分酸化改質反応(POX)専用の改質器を設ける場合には、その専用の改質器を小型化することができる。
水蒸気改質反応(SR)は、改質器SRに被改質ガスと水蒸気とを供給して行う改質反応であって、化学反応式(4)に示す反応が進行する。
CmHn+xH2O → aCO2+bCO+cH2 (4)
水蒸気改質反応(SR)は、水素収率が最も高く、高効率な反応である。ただし、水蒸気改質反応(SR)は、吸熱反応であるので熱源が必要であり、燃料電池システムFCSの起動当初よりはある程度温度が上昇した段階において好適な改質反応である。なお、水蒸気改質反応(SR)のみに着目すれば、空間速度を低く設定するので、改質器RFが大型化する傾向にある。
第1オートサーマル改質反応(ATR1)と第2オートサーマル改質反応(ATR2)とからなるオートサーマル改質反応(ATR)は、部分酸化改質反応(POX)と水蒸気改質反応(SR)とが併用された改質反応であって、改質器RFに被改質ガスと空気と水蒸気とを供給して行われる改質反応であり、化学反応式(5)に示す反応が進行する。
CmHn+xO2+yH2O → aCO2+bCO+cH2 (5)
オートサーマル改質反応(ATR)は、水素収率が部分酸化改質反応(POX)と水蒸気改質反応(SR)との併用であり、反応熱のバランスが取り易く、部分酸化改質反応(POX)と水蒸気改質反応(SR)とを繋ぐ反応として好適な改質反応である。本実施例の場合は、水を少なく供給して部分酸化改質反応(POX)により近い第1オートサーマル改質反応(ATR1)を先に行い、温度が上昇した後に水を増やすように供給して水蒸気改質反応(SR)により近い第2オートサーマル改質反応(ATR2)を後に行っている。
次に、燃料電池システムFCSの起動モードについて説明する。図6は、横軸に起動開始後の経過時間を取り、左縦軸には各部の温度を取っている。制御電圧であるため特段の目盛りは付していないが、各種電圧及び温度は、図中上方に行くほど高くなる(供給量が増える)ように示している。
まず、改質用空気を増やすように流量調整ユニットAP1a、電磁弁AP2、ヒータAH1、及び混合部MVを制御し、改質器RFに空気を供給する。また、被改質ガスの供給を増やすように流量調整ユニットFP1、ガス遮断弁FP4、FP5、及び混合部MVを制御し、改質器RFに被改質ガスを供給する。このように、空気と被改質ガスを供給し、点火装置挿入穴724を介して点火装置によって着火して燃焼運転を実行する。この時、発電室FC1には、前述したように、空気供給穴713a(723a)、714a(724a)、及び715a(725a)から発電用の空気が供給される。
各々の空気供給穴713a(723a)から噴出された空気は、空間S1〜S3のうち、セルスタック30の下部に相当する位置に向けて噴出され、各々の単セル4に均等に供給される。この空気は上昇流となり、単セル4の上方にも供給される。
各々の空気供給穴715a(725a)から噴出された空気は、空間S2及びS3と、側壁78に最も近い位置に配設されている単セル4と、この単セル4に隣接した単セル4との間に形成される空間S1、及び、側壁79に最も近い位置に配設されている単セル4と、この単セル4に隣接した単セル4との間に形成される空間S1のうち、セルスタック30の高さ方向中央部に相当する位置に向けて噴出される。空気供給穴715a(725a)から噴出された空気は、空気供給穴713a(723a)から噴出された空気よりも高速で奥まで流れ、空気供給穴715a(725a)から中央部Yに供給された空気の流れに殆ど影響されることなく、空気不足になり易い端部Xに配設されている単セル4に空気を供給する。また、空気供給穴715a(725a)から噴出された空気は、上昇流となり、単セル4の上方にも供給される。
空気供給穴714a(724a)から噴出された空気は、空間S2及びS3のうち、セルスタック30の上部に相当する位置に向けて噴出される。空気供給穴714a(724a)から噴出された空気は、空気供給穴713a(723a)、715a(725a)から噴出された空気よりも高速で奥まで流れ、中央部Yに供給された空気の流れに殆ど影響されることなく、セルスタック30のうち、特に空気不足になり易い側壁78に最も近い列の上部、及び側壁79に最も近い列の上部に空気を確実に供給する。
このように、本実施形態に係る燃料電池FCでは、側壁71(72)に、空気供給穴713a(723a)、714a(724a)、715a(725a)の各々を、前述したサイズ及びレイアウトで形成したため、空気不足になり易い領域の空気不足を補うことができ、セルスタック30の全体に空気を効率よく均等に供給することができると共に、個々の単セル4の上下方向にも効率よく均等に供給されることになる。したがって、空気を供給するために必要なパワーを削減できると共に、優れた発電性能を発揮することができる。この発電用空気は、後に詳述する部分酸化改質反応運転(POX運転)、第1オートサーマル改質反応(ATR1)、第2オートサーマル改質反応(ATR2)、水蒸気改質反応(SR)の際も同様に均等に供給される。
なお、燃焼運転の実行は、燃焼室FC2の温度を上昇させて、空気と燃料ガスを自然着火させることで行ってもよい。また、発電室FC1上方の燃焼室FC2においては、改質器RFを通過した燃料ガスと発電用空気とが混合して燃焼しており、燃焼室FC2の温度が徐々に上昇する。
続いて、改質器RFの温度が約300℃程度になると、部分酸化改質反応(POX)が進行する。部分酸化改質反応(POX)は発熱反応なので、各部の温度が上昇する。部分酸化改質反応(POX)を開始してから所定時間が経過した後、改質用空気の供給量を更に増やして部分酸化改質反応(POX)をより進行させる。
続いて、改質器RFの温度が約600℃以上になり、且つセルスタック30の温度が約250℃を超えたことを条件として、第1オートサーマル改質反応(ATR1)へと移行させる。第1オートサーマル改質反応(ATR1)では、改質器RFに供給する改質用空気の流量を減らし、改質器RFに供給する被改質ガスの流量はそのまま維持し、極微量な純水を改質器RFに供給する。オートサーマル改質反応(ATR)は、部分酸化改質反応(ATR)と水蒸気改質反応(SR)とを混合した反応であって、熱的に内部バランスが取れるので改質器RF内では熱自立しながら反応が進行する。また、第1オートサーマル改質反応(ATR1)は、空気が比較的多く部分酸化改質反応(POX)に近い反応であり、発熱が支配的な反応となっている。
続いて、改質器RFの温度が600℃以上となり、且つセルスタック30の温度が約400℃を超えたことを条件として、第2オートサーマル改質反応(ATR2)へと移行させる。第2オートサーマル改質反応(ATR2)では、改質器RFに供給する改質用空気の流量を減らし、改質器RFに供給する被改質ガスの流量も減らし、微量な純水を改質器RFに供給する。第2オートサーマル改質反応(ATR2)は、空気が比較的少なく水が多いため水蒸気改質反応(SR)に近い反応であり、吸熱が支配的な反応となっている。しかしながら、発電室FC1内の温度が約400℃を超えているため、吸熱反応が支配的であっても大幅な温度低下を招くことはない。
続いて、改質器RFの温度が650℃以上となり、且つセルスタック30の温度が約600℃を超えたことを条件として、水蒸気改質反応(SR)へと移行させる。水蒸気改質反応(SR)では、改質器RFに供給する改質用空気は遮断し、改質器RFに供給する被改質ガスの流量を減らし、所定量の純水を改質器RFに供給する。この水蒸気改質反応(SR)は、吸熱反応であるので、燃焼室FC2からの燃焼熱による熱バランスをとりながら反応が進行する。この段階では、既に起動の最終段階であるため、発電室FC1内が十分高温に昇温されているので、吸熱反応を主体としても大幅な温度低下を招くことはない。また水蒸気改質反応(SR)が進行しても燃焼室FC2では継続して燃焼反応が持続する。
上述したように着火から燃焼工程の進行に合わせて改質工程を切り替えていくことで、発電室FC1内の温度が徐々に上昇する。発電室FC1の温度が、燃料電池モジュールFCMを安定的に作動させる定格温度(約700℃)よりも低い所定の発電温度に達したら、燃料電池モジュールFCMを含む電気回路を閉じる。それにより、燃料電池モジュールFCMは発電を開始し、回路に電流が流れて外部に電力を供給することができる。単セル4の発電により、単セル4自体も発熱し、更に、単セル4の温度が上昇する。その結果、燃料電池モジュールFCMを作動させる定格温度、例えば700〜800℃になる。
その後、定格温度を維持するために、単セル4で消費される燃料ガス及び空気の量よりも多い量の燃料ガス及び空気を供給し、燃焼室FC2での燃焼を継続させる。なお、発電中は、改質効率の高い水蒸気改質反応(SR)で発電が進行する。水蒸気改質反応(SR)自体は、厳密には400〜800℃程度で行われるが、単セル4との組み合わせにおいては500〜700℃程度で反応が進行する。
また、本発明に係る燃料電池FCは、例えば、図7に示すように、側壁71(72)の、中央部Yの単セル4の下部に相当する位置には、空気供給穴713a(723a)よりも径が小さい空気供給穴713b(723b)を形成してもよい。この構成の場合も、端部Xに形成されている空気供給穴713a(723a)の合算開口面積は、中央部Yに形成されている空気供給穴713b(723b)の合算開口面積よりも大きくなり、前記と同様の効果を得ることができる。
そしてまた、本実施形態では、側壁71(72)の空間S1〜S3に対向する位置に空気供給穴を形成した場合について説明したが、これに限らず、空気供給穴は、端部Xに形成されている空気供給穴の合算開口面積が、中央部Yに形成されている空気供給穴の合算開口面積よりも大きいという条件を満たしていれば、例えば、空気供給穴を空気の噴出方向に投影した際に、単セル4に対向する位置や、一部が単セル4に重なる位置等、任意の位置に形成することができる。
また、本実施形態では、壁面713(723)に対し垂直な方向(側壁78及び79に対し平行な方向)に空気が噴出されるによう、各々の空気供給穴を形成した場合について説明したが、これに限らず、例えば、空気供給穴は、ここから噴出される空気が、壁面713(723)に対し斜め方向に噴出されるよう、空気供給穴を画定する内壁を壁面713(723)に対し斜めに形成してもよい。この場合、各々の単セル4は、空気供給穴から噴出される空気の噴出方向に沿って、壁面713(723)に対し斜めに列状に配設すればよい。
さらにまた、本実施形態では、側壁71及び側壁72の両方に空気供給穴を形成した場合について説明したが、これに限らず、空気供給穴は、所望により、側壁71または側壁72の一方にのみ形成してもよい。
そしてまた、本実施形態では、円筒形状の単セル4を配設した場合について説明したが、これに限らず、単セル4は、例えば、平板型であってもよい。
また、本実施形態では、壁面713(723)に空気供給穴を形成した場合について説明したが、これに限らず、燃料電池FCの構成によっては、壁面713(723)に空気供給穴を形成する代わりに、燃料電池FCのアノード電極に燃料ガスとしての水素ガスを供給するための穴を形成してもよい。