JP5418371B2 - 真空成膜装置 - Google Patents

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Description

本発明は、Roll To Roll方式で基材上に薄膜を成膜するプラズマアシスト付き真空成膜装置に関する。
プラズマアシスト付きの真空成膜装置は、基材上に成膜される薄膜の膜質を向上させる目的で従来から使用されている。従来のプラズマアシスト付きの真空成膜装置は、光学用途の薄膜をレンズなどの基材上に成膜させる際などに頻繁に使用され、この場合基本的にバッチ式である。
バッチ式の真空成膜装置は、Roll To Roll式の真空成膜装置と比較して、薄膜付基材(蒸着フィルム等)の生産性が低い。このため、プラズマアシスト付きの真空成膜装置であり、且つRoll To Roll方式で基材上に薄膜を成膜することが可能な真空成膜装置が開示されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の真空成膜装置は、導電性の膜を形成する装置である。この装置ではプラズマガンが電気的にフローティングされた防着板に囲まれている。そのためプラズマガンから照射された電子がこれら防着板に帯電することによりプラズマ放出源から成膜装置内部への電子の流れが阻害され、プラズマを長時間安定的に照射できない。このようにプラズマの照射が不安定になると、膜質に大きな影響を与える。また防着板が負電子で帯電することによりイオン化した蒸発物の多くが防着板に引き寄せられ積層するため成膜ローラー上のフィルムへの積層効率が低下してしまう上、長時間運転すると防着板上に堆積した膜が剥離して蒸発源やプラズマガンに落下し故障を引き起こす恐れがある。したがって、特許文献1に記載の真空成膜装置は、長時間の薄膜の成膜に使用することはできない。
また、特許文献2には、Roll To Roll方式で基材上に絶縁性の薄膜を成膜するプラズマアシスト付きの真空成膜装置も開示されている(特許文献2参照)。特許文献2に記載の真空成膜装置は、その実施例からもわかるように1m/分未満で基材の搬送速度が非常に遅く、Roll To Roll方式で行うことの利点が小さく現実的でない。この理由として、特許文献2の方法では、真空容器内に蒸発した状態で存在する絶縁性の蒸着材料が、真空容器の壁面に設置されている反射電極に付着し導電性が低下するため、やはりプラズマガンから成膜装置内部への電子の流れが阻害されプラズマの効果が低減する。そのため搬送速度が速くなると、プラズマアシストを行うことの効果が非常に小さくなり、膜質の改善効果がほとんど得られないのである。
このように、Roll To Roll方式で、基材の搬送速度を非常に速い条件に設定しても、基材上に絶縁性の高品質な薄膜を成膜することが可能なプラズマアシスト付きの真空成膜装置は存在しないのが現状である。
特開2009−62597号公報 特開2007−46081号公報
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、Roll To Roll方式で、基材の搬送速度を非常に速い条件に設定しても、基材上に絶縁性の高品質な薄膜を成膜することが可能なプラズマアシスト付きの真空成膜装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、ア−スに接地させた防着板と帰還電極を有するプラズマガンを組み合わせることにより、搬送速度を速い条件に設定することによる膜質改善効果の低下を最小限に抑えられることを見出した。また、薄膜形成前の基材の被成膜面に対してプラズマを照射する前処理、基材に形成された薄膜に対してプラズマを照射する後処理を同一装置、同一工程で行うことで、更に膜質が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 真空容器内の上部に、成膜用ドラムに巻き掛けられた基材がその被成膜面を下向きにして配設され、前記真空容器内の前記成膜用ドラムより下部に、電気的に接地された防着板が略水平に配設されるとともに、前記防着板は、前記防着板の前記被成膜面と対向する位置に開口を備え、前記真空容器内の前記防着板より下部には、蒸着材料を蒸発させる蒸着源と、この蒸着源から蒸発した上記蒸着材料に向けてプラズマを照射するプラズマガンとが、上記被成膜面の下方に配置されており、前記プラズマガンは、帰還電極を備え、前記基材の流れ方向に対して直交する方向から、前記被成膜面に向けて配置されている真空成膜装置。
(2) 前記プラズマガンは、前記成膜用ドラムの中心軸を含んで鉛直方向に伸びる仮想平面に沿って配置される(1)記載の真空成膜装置。
(3) 前記プラズマガンは、前記真空成膜装置の平面視において前記成膜用ドラムの幅より外側に位置するように配置される(1)又は(2)記載の真空成膜装置。
(4) 前記プラズマガンは、圧力勾配型のプラズマ発生装置であり、加速電圧が40Vから200Vの範囲内であり、出力が3KWから12KWの範囲内である(1)から(3)いずれか記載の真空成膜装置。
(5) 前記蒸着源は、誘導加熱装置を有する(1)から(4)いずれか記載の真空成膜装置。
本発明の真空成膜装置によれば、プラズマを安定かつ高効率化することにより基材の搬送速度を速い条件に設定しても、高品質な薄膜を基材上に成膜することができる他、薄膜を形成する前の基材の被成膜面に対してプラズマを照射する前処理を行うことで、基材と蒸着物との密着性を向上させることができ、基材に形成された薄膜に対してプラズマを照射する後処理を行うことで、更なる膜質の改善を行うことができる。
第一実施形態の真空成膜装置のXZ平面方向の断面の模式図である。 第一実施形態の真空成膜装置のXY平面方向の断面の模式図である。 第一実施形態の真空成膜装置のYZ平面方向の断面の模式図である。 薄膜の成膜過程を示す図であり、(a)は前処理工程を示す図であり、(b)は成膜工程を示す図であり、(c)は後処理工程を示す図である。 従来の真空成膜装置を示すXZ平面方向の断面の模式図である。 図1から4に示す形態とは別形態の真空成膜装置を示す図であり、(a)はXY平面方向の断面図であり、(b)はYZ平面方向の断面の模式図である。 図1から4、6に示す形態とは別形態の真空成膜装置のYZ平面方向の断面の模式図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。また、本明細書中に記載する各部材の材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して好適なものを使用することができる。
図1は本発明の第一実施形態の真空成膜装置を示すXZ平面方向の断面の模式図であり、図2は本発明の第一実施形態の真空成膜装置を示すXY平面方向の断面の模式図であり、図3は本発明の第一実施形態の真空成膜装置を示すYZ平面方向の断面の模式図である。図4は、薄膜の成膜過程を示す図であり、(a)は前処理工程を示す図であり、(b)は成膜工程を示す図であり、(c)は後処理工程を示す図である。
本実施形態の真空成膜装置1について説明する。図1から図4に示すように、本実施形態の真空成膜装置1は、真空容器10、基材11、基材巻き出し部12、成膜用ドラム13、基材巻取り部14、搬送ロール15、16、蒸発源17、反応ガス供給部18、防着箱19、蒸着材料2、プラズマガン3を備える。
図1に示すように、真空容器10内の上部に、成膜用ドラム13に巻き掛けられた基材11がその被成膜面を下向きにして配設され、前記真空容器10内の前記成膜用ドラム13より下部に、電気的に接地された防着箱19が配設される。防着箱19は底面に蒸発源17が配置される。蒸発源17の上面と一定の間隔を空けて対向する位置に、成膜用ドラム13に巻き掛けられた基材11の被成膜面が位置するように、真空容器10内に成膜用ドラム13が配置される。また、成膜用ドラム13は基材巻き出し部12と基材巻き取り部14との間に配置され、基材巻き出し部12と成膜用ドラム13との間には搬送ロール15が配置され、成膜用ドラム13と基材巻き取り部14との間には搬送ロール16が配置される。
真空容器10は、真空雰囲気中で成膜するために外部と隔離するための部位であり、その形状は中空の直方体である。真空容器10は、真空成膜装置1の外部にある真空ポンプ(図示せず)と連結している。この真空ポンプにより真空容器10内の真空度を調整することができる。
本実施形態の真空成膜装置1において、真空容器10内の真空度は、1×10−4Pa以上1×10−1Pa以下の範囲に調整する。なお、本発明において、真空容器10内の真空度は、特に限定されず、真空容器10の大きさ、蒸着材料2、反応ガスの種類等に応じて適宜変更できる。
基材11は、薄膜を形成するための長尺のフィルム状の部位である。基材11は被成膜面110を有する。後述する通り、薄膜形成前の基材11は、基材巻き出し部12にロール状に巻かれている。成膜後の基材11は、順次、基材巻き取り部14に巻き取られる。そして、図1に示すように、基材11は、搬送ロール15、16を介して、成膜用ドラム13の周面の一部に巻き掛けられるように保持される。後述する通り、本実施形態の真空成膜装置1は、基材巻き出し部12から巻き出された基材11が、搬送ロール15、成膜用ドラム13、搬送ロール16を経て、基材巻取り部14で巻き取られるように構成されている。
被成膜面110は、基材11において、薄膜が形成される部位である。図1に示すように、被成膜面110を下向きにして、基材11は成膜用ドラム13の周面の一部に巻き掛けられるように配設される。なお、被成膜面110上にはプライマー処理等の加工が施されていてもよいし、平滑化層等の他の層が形成されていてもよい。
本実施形態において、基材11は透明なポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムである。なお、本発明において、基材11は、従来公知の樹脂フィルムからなるものであれば特に限定されない。従来公知の樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ノルボルネン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、ポリアリレート樹脂等からなるフィルムが挙げられる。
また、基材11の厚みは、特に限定されないが、およそ5μm以上500μm以下の範囲で適宜好適なものを使用可能である。
基材巻き出し部12は、基材11を巻き出し、搬送ロール15に基材11を送るための部位である。図1、2に示す通り、基材巻き出し部12は、Y方向に延びる円柱状の形状を有する。基材巻き出し部12は、図1の矢印Aの方向に、基材巻き出し部12の中心軸(Y方向に延びる)を中心に回転するように、真空容器10の側面(図示せず)に軸受け支持される。基材巻き出し部12の周面には基材11がロール状に巻かれており、上記矢印Aの方向の回転により基材11を巻き出すことができる。
成膜用ドラム13は、成膜時に基材11の被成膜面110が蒸発源17の上面と対向するように基材11を保持する部位である。図1、2に示す通り、成膜用ドラム13は、Y方向に延びる円柱状の形状を有する。上記の通り、成膜用ドラム13は、基材巻き出し部12と基材巻取り部14との間に配設される。成膜用ドラム13は、矢印Bの方向に、成膜用ドラム13の中心軸(Y方向に延びる)を中心に回転するように、基材巻き出し部12と同様に真空容器10の側面(図示せず)に軸受け支持される。成膜用ドラム13は、上記回転により、成膜用ドラム13の周面上に巻き掛けられた基材11を、搬送ロール15側から搬送ロール16側へ搬送する。
基材巻取り部14は、成膜後の基材11を巻き取るための部位である。基材巻取り部14は、Y方向に延びる円柱状の形状を有する。基材巻取り部14は、矢印Cの方向に、基材巻取り部14の中心軸(Y方向に延びる)を中心に回転するように、基材巻き出し部12と同様に真空容器10の側面に軸受け支持される。基材巻取り部14は、上記矢印C方向の回転により成膜後の基材11を巻き取る。
搬送ロール15は、基材巻き出し部12から巻き出された基材11を成膜用ドラム13に送るための部位である。図1、2に示す通り、搬送ロール15はY方向に延びる円柱状の形状を有する。上記の通り、搬送ロール15は基材巻き出し部12と成膜ドラム13との間に配設される。搬送ロール15は、矢印Dの方向に、搬送ロール15の中心軸(Y方向に延びる)を中心に回転するように、基材巻き出し部12と同様に真空容器10の側面(図示せず)に軸受け支持される。搬送ロール15は上記矢印D方向の回転により、搬送ロール15の周面上に巻き掛けられた基材11を、基材巻取り部12側から成膜用ドラム13側へ搬送する。
搬送ロール16は、成膜用ドラム13で成膜された基材11を、基材巻き取り部14に送るための部位である。図1、2に示す通り、搬送ロール16はY方向に延びる円柱状の形状を有する。上記の通り、搬送ロール16は、成膜用ドラム13と基材巻き取り部14との間に配設される。搬送ロール16は、矢印Eの方向に、搬送ロール16の中心軸(Y方向に延びる)を中心に回転するように、基材巻き出し部12と同様に真空容器10の側面(図示せず)に軸受け支持される。搬送ロール16は上記矢印E方向の回転により、搬送ロール16の周面上に巻き掛けられた基材11を、成膜用ドラム13側から基材巻取り部14側へ搬送する。
蒸発源17は、蒸着材料2を保持するための部位である。蒸発源17は上面に凹部を有する坩堝170、加熱装置171を有する。図1に示すように、蒸発源17は、蒸発源17の上面(坩堝170の上面)と成膜用ドラム13に巻き掛けられた基材11の被成膜面110とが対向するように、防着箱19の底面に配置される。
坩堝170は、図1に示すように、蒸着材料2を保持するための部位である。図1、2に示すように、坩堝170は、上面に蒸着材料2を保持するための凹部を有し、Z方向に延びる円柱状の形状を有する。
加熱装置171は、蒸着材料2を加熱して蒸発させるための装置である。加熱装置171は、図1に示すように、坩堝170の周面にコイル状に巻かれるように配設される。
本実施形態において、加熱装置171は、誘導加熱装置である。なお、本発明においては、例えば、抵抗加熱装置、電子ビーム加熱装置、イオンプレ−ティング加熱装置等の従来公知の加熱装置を使用することができる。
反応ガス供給部18は、蒸発した蒸着材料2と反応する反応ガスを供給する部位である。図1に示すように、反応ガス供給部18は、被成膜面110に向けて反応ガスが供給されるように、蒸発源17と被成膜面110との間に配置される。
反応ガス供給部18は反応ガスを供給する。なお、本発明において、供給する反応ガスの種類は特に限定されないが、酸素、窒素、ヘリウム等又はこれらの混合ガスが挙げられる。バリア性の非常に高いフィルムを作製するためには、反応ガスとして窒素を使用することが好ましい。バリア性が高く且つ透明なフィルムを得るためには、反応ガスとして酸素を使用することが好ましい。
防着箱19は、真空容器1内に設けられており、防着箱19内部の底面には蒸発源17やプラズマガン3が配置される。防着箱19の上板の蒸発源17に対向する位置には、開口が設けられる。この開口から成膜ドラム13の一部が、被成膜面110で開口を塞ぐように防着箱19内に侵入する。また、防着箱19は電気的にアース(接地)されている。なお、防着箱19の上板が防着板に該当する。
蒸着材料2は、上記反応ガスと反応して、基材11の被成膜面110に形成される薄膜となる原料である。蒸着材料2は、蒸発源17の坩堝170に設けられる。
本実施形態において、蒸着材料2はSiOである。なお、本発明において、蒸着材料2の種類は特に限定されないが、例えば、Si、SiO、SiO、Al、Al、SiN、SiOZn等を挙げることができる。
プラズマガン3は、蒸発した蒸着材料2等をイオン化させたり、被成膜面110に対してプラズマを照射したり、基材11に形成された薄膜にプラズマを照射したりするための部位である。プラズマガン3は、図2、3に示すように、被成膜面110の下方に、成膜用ドラム13の中心軸(破線P)を含んで鉛直方向(Z方向)に伸びる仮想平面に沿って、蒸発源17と同様に防着箱19の底面に配置される。また、プラズマガン3は、図3に示すように、平面視において基材11が搬送される方向(X方向)に直行する方向(Y方向)から、被成膜面110に向けてプラズマが放出するように配置される。また、プラズマガンは、図2に示すように、真空成膜装置1の平面視において成膜ドラム13の幅より外側に位置するように配設される。以下、プラズマガン3の位置についてさらに詳細に説明する。
「被成膜面110の下方に配置」とは、図3に示すように、プラズマガン3が真空容器1の底面側から被成膜面110に向けて照射可能な位置に配置されることを意味する。
「基材11が搬送される方向(X方向)に直行する方向(Y方向)から、被成膜面110に向けて」とは、プラズマガン3のプラズマを放出する部分の所定の点と、被成膜面110の所定の点とを結んだ直線が、Y方向の成分を有することを指す。
「成膜ドラムの中心軸(Y方向)を含んで鉛直方向(Z方向)に伸びる仮想平面に沿って配設される」とは、プラズマガン3の放射方向軸がY成分とZ成分のみを有しておりX成分を含まないことを指す。
「真空成膜装置1の平面視において成膜ドラム13の幅より外側に位置するように配設される」とは、プラズマガン3の位置のY成分が、成膜用ドラム13の幅となるY1とY2とを結んだ線分と重ならないことを意味する。
本実施形態において、プラズマガン3は、Arプラズマを放出する帰還電極を有する圧力勾配型のプラズマ発生装置である。なお、本発明において、プラズマガン3の種類は特に限定されないが、後述する通り、プラズマガン3は、帰還電極を有する圧力勾配型のプラズマ発生装置であることが好ましい。
また、本実施形態において、プラズマガン3の加速電圧、出力の条件については、加速電圧は40V以上200V以下、出力は3KW以上12KW以下の範囲で調整する。なお、本発明において、これらの条件は特に限定されず、基材フィルムの種類等に応じて適宜変更できる。
次いで、本実施形態の真空成膜装置1の使用方法の一例について説明する。
基材巻き出し部12の周面にロール状に巻かれた基材11は、基材巻き出し部12が矢印A方向に、基材巻き出し部12の中心軸を中心に回転することにより、白抜き矢印F(図1に記載)の方向に巻き出される。
基材巻き出し部12から巻き出された基材11は、搬送ロール15が矢印D方向に、搬送ロール15の中心軸を中心に回転することにより、白抜き矢印G(図1に記載)の方向に搬送される。
一方、蒸発源17からは加熱された蒸発材料2が蒸発し成膜用ドラム13下部の基材11の被成膜面110に向けて照射される。また同時にプラズマガン3からも被成膜面110に対してプラズマが照射される。
搬送ロール15の回転により、基材11は成膜用ドラム13まで送られ、基材11と成膜用ドラム13とが接する点Q付近(点Qは被成膜面110が防着箱19内に侵入する点)からArプラズマが基材11の被成膜面110に強く照射される。Arプラズマは、図3に示すように、プラズマガン3から被成膜面110に対して斜めに照射される。Arプラズマが照射される領域は、例えば、図4(a)中の、一点鎖線で挟まれる領域である。なお、この薄膜形成前の被成膜面110へのArプラズマの照射を前処理工程という。
点Qまで搬送された基材11は、被成膜面110がArプラズマによる前処理を受けながら、成膜用ドラム13が矢印B方向(図1に記載)に、成膜用ドラム13の中心軸を中心に回転することにより、白抜き矢印H方向に送られる。
一方、蒸着材料2は、加熱装置171により加熱され、図4(b)に示すように蒸発する。そして、反応ガス(窒素)は、図4(b)に示すように、蒸発した蒸着材料2に混合するように反応ガス供給部18から供給される。蒸発した蒸着材料2と反応ガスとは反応しSiOとなる。SiOは図4(b)中にひし形で表した。なお、図4(b)は、Arプラズマを省略して図示している。
成膜用ドラム13上で基材11を搬送中、前処理工程を受けた被成膜面110上には徐々にSiOが衝突していき薄膜が形成され始める。そして、図2(b)に示すように蒸着材料2を配置するための坩堝170の上面と対向する位置まで基材11が搬送されたときに、薄膜の形成は最も盛んになる。基材11が坩堝170の上面と対向する位置からさらに+X方向に送られると、徐々に形成される薄膜の量が少なくなる。この基材11の被成膜面110に薄膜が形成される工程を成膜工程という。なお、成膜工程においても、被成膜面110には、Arプラズマが衝突しているが、上記の通り、図4(b)にはArプラズマを省略して図示している。
形成される薄膜量が少なくなりながら、成膜用ドラム13上を白抜き矢印H方向に、基材11は搬送される。形成される薄膜量が少なくなっても、図4(c)に示すように、Arプラズマの照射は続く。この薄膜形成直後にArプラズマが照射される工程を後処理工程という。後処理工程においては、被成膜面110に形成された薄膜に対して、Arプラズマが照射される。成膜工程においてもArプラズマは照射され続けているため、後処理工程は、成膜直後から始まり、基材11が成膜用ドラム13と離れる点R付近(点Rは被成膜面110が防着箱19から出る点)まで続く。
成膜用ドラム13から離れた基材11は、搬送ロール16が矢印E方向に、搬送ロール16の中心軸を中心に回転することにより、白抜き矢印I(図1に記載)の方向に搬送される。そして、基材11は、搬送ロール16の周面を沿うように送られる。
搬送ロール16の周面を沿うように搬送された基材11は、基材巻取り部14が矢印C方向に、基材巻取り部14の中心軸を中心に回転することにより、基材巻取り部14の周面にロール状に巻かれるように巻き取られる。
本実施形態の真空成膜装置1によれば以下の効果が奏される。
本実施形態の真空成膜装置1では、プラズマガン3から照射された電子は、電気的にア−ス(接地)された防着箱19に吸収され消滅する。時間の経過とともに防着箱19の表面には蒸発材料2が付着していくが、防着箱19はアースされているためイオン化された蒸発材料2は付着しにくく蒸発材料2が絶縁物であっても長時間に亘って電子を吸収する。また、プラズマガン3自体も電子の帰還電極を有するため電子の流れに問題が生じない。そのためプラズマガン3は安定した稼動を続け十分な量のイオン化エネルギ−を照射することができる。また、防着箱19がアース(接地)され、その電位がゼロに保たれることで、防着箱19の表面への蒸発材料2の堆積を減じる効果があり、堆積物が剥離・落下して蒸発源17やプラズマガン3を故障させる機会を減らす事ができる。一方、絶縁物である基材11の被成膜面110には、電子が帯電しイオン化され活性化された蒸発材料2が引き寄せられるため、プラズマアシスト効果により基材上に高品質な薄膜を成膜することが可能である。
本実施形態の真空成膜装置1は、薄膜が形成される前の被成膜面110にArプラズマが照射される前処理工程と、蒸発した蒸着材料2等をArプラズマで活性化しながら、被成膜面110に薄膜を形成する成膜工程と、形成直後の薄膜に対してArプラズマを照射する後処理工程とを逐次一体的に備えるため、基材11の搬送速度を10m/分以上200m/分以下の非常に速い条件に設定しても、緻密で密着性の高い膜になり、薄膜形成によるバリア性の向上効果を充分に得ることができる。
なお、本発明においてバリア性が高いとは、40℃、100%RHにおける水蒸気透過度がおよそ1.0g/m/day以下になることを指す。
より具体的には、前処理工程においては、図4(a)に示すように、Arプラズマを被成膜面110に照射することにより、成膜工程における被成膜面110と蒸着材料2との密着性が向上する。
成膜工程では、蒸発した蒸着材料2、反応ガス、反応物(SiO)が、Arプラズマにより活性化され、反応物が被成膜面110に衝突することで薄膜が形成される。本工程ではArプラズマが蒸着材料2や反応ガスをイオン化することで、反応物の生成が促進される。この反応物の生成の促進は、素早く被成膜面110に緻密な薄膜が形成されることに寄与する。そして、Arプラズマが反応物を活性化することでも、薄膜の形成が促進される。また、上記前処理工程で、成膜工程における被成膜面110と蒸着材料2との密着性が向上され、さらに、上記の通りArプラズマにより薄膜の形成も促進されていることから、基材11の搬送速度が速い条件であっても、充分な量の緻密な薄膜を形成することができる。
後処理工程では、図4(c)に示すように、被成膜面110に形成された薄膜に対してArプラズマが照射される。Arプラズマが照射されることで、薄膜はさらに改質し、非常に緻密な膜になる。このように1台のプラズマ照射によってプラズマ前処理とプラズマアシストによる成膜とプラズマ後処理が行なえる点に本発明の特徴がある。
上記前処理工程、成膜工程、後処理工程を逐次連続的に経て得られる薄膜付基材(蒸着フィルム)は、基材の搬送速度を速い条件に設定したとしても、充分なバリア性を有する。また、本実施形態の真空成膜装置により製造された蒸着フィルムは柔軟性も充分に高い。
特許文献1に示すような従来の真空成膜装置は、図5(a)に示すように、プラズマガン3と蒸発源17とが、平面視で基材11の流れ方向(Y方向)に並ぶように配置される。特許文献2の場合には、図5(b)に示すように、プラズマガン3が真空容器1の側面に配置され、Arプラズマは薄膜形成後の基材11や、成膜用ドラム13と蒸発源17との間の空間に照射される。
図5(a)に示されるような従来の真空成膜装置の場合には、後処理工程が不十分なため、薄膜を充分緻密にすることができない。その結果、バリア性が充分に高い蒸着フィルムにはならない。
図5(b)に示されるような従来の真空成膜装置の場合には、前処理工程を行うことができない。このため、蒸着材料2と被成膜面110との密着性向上効果が得られなくなる。
また、上述の通り、本実施形態の真空成膜装置1においては、プラズマガン3は、被成膜面110の下方に、基材11が搬送される方向(X方向)に直行する方向(Y方向)から被成膜面110に向けてプラズマを照射できるように配置される。プラズマの照射方向が、図2、3に示すようにY成分を有することで、上記前処理工程、後処理工程を共に行うことができる。
また、上述の通り、本実施形態の真空成膜装置1においては、プラズマガン3が成膜用ドラム13の中心軸を含んで鉛直方向に伸びる仮想平面に沿って配置される。このため、プラズマの照射に偏りが無くなり、前処理工程、後処理工程のそれぞれで、蒸着材料2と被成膜面110との密着性の向上、形成された薄膜の緻密化のために充分なArプラズマを照射することができる。
また、プラズマガン3を上記仮想平面からずらした位置に配置した場合(図2中のプラズマガン3を+x方向又は−x方向に移動させた場合)、前処理工程による効果の程度、後処理工程による効果の程度を調整することができる。即ち、プラズマガン3を+x方向又は−x方向に移動させることで、前処理工程による効果、後処理工程による効果を調整し最適化することができる。
なお、このような最適化は、2台のプラズマガン3、3が、基材11の流れ方向(X方向)に蒸発源17を挟んで並ぶように、防着箱19の底面に配置されることでも行うことができるが、上記のようにして行えば、一台のプラズマガン3で最適化を行うことができる。ただし、成膜用ドラム13の幅(Y方向の長さ)が大きい場合には、上記のような2台のプラズマガン3、3の使用が好ましい。
また、上述の通り、本実施形態の真空成膜装置1においては、プラズマガン3は真空成膜装置1の平面視において、成膜ドラム13の幅よりも外側に位置するように配置される。このため、加熱装置171による熱の影響も少なく、蒸着材料の付着等によるプラズマガン3の汚染も抑制される。この点も本発明の特徴である。
また、上述の通り、本実施形態の真空成膜装置1において、プラズマガン3は、Arプラズマを照射する帰還電極を有する圧力勾配型プラズマガンである。そして、プラズマガン3の放射電源と真空容器10との間の電位を調整することで、プラズマガン3の放射電源と真空容器10との間の電流の値が最適になるように設定する。このため、真空容器10内に蒸着材料等の絶縁物が付着する前(薄膜形成開始直後等)であっても、薄膜形成中に真空容器10内に絶縁物が付着した場合と同様に、プラズマガン3の放射電源と真空容器10との間に電流が流れにくくなる。したがって、薄膜形成の開始から終了までプラズマガン3の帰還電極に安定して電子が戻る構造になる。その結果、真空容器10内部への絶縁物の付着による放射電源に流れ込む電流の変動が非常に小さくなりプラズマの照射が不安定になることが抑えられる。
また、プラズマガン3のArプラズマの照射条件として、加速電圧を40V以上200V以下、出力を3KW以上12KW以下に調整することで、前処理工程により、成膜工程における被成膜面110と蒸着材料2との密着性向上効果が得られ、後処理工程では充分に薄膜の緻密化を行うことができる。そして、上記の範囲であれば、成膜工程において、蒸着材料2や反応ガス等のイオン化も起こりやすく、成膜工程において、薄膜の緻密化が促進される。プラズマ照射の条件のいずれかが下限を下回ると、前処理工程による被成膜面110と蒸着材料2との密着性向上、成膜工程での緻密な薄膜の形成、後処理工程での薄膜の緻密化が不十分になる場合がある。また、プラズマ照射条件のいずれかが上限を超えると、前処理工程、成膜工程、後処理工程において、基材11にプラズマ照射による熱じわが発生することがある。
そして、帰還電極を有する圧力勾配型プラズマガンを用いて、上記の条件で成膜を行えば、安定なプラズマの照射を行うことができるため、形成される薄膜の膜質は非常に優れ且つ膜質むらも非常に少ない。特に、プラズマガン3を、成膜ドラム13の中心軸を含んで鉛直方向に伸びる仮想平面に沿って配置し、プラズマガン3として圧力勾配型プラズマガンを用い、プラズマの照射条件を上記の範囲に調整することにより、熱じわ等の不良の発生を抑えて、緻密な薄膜を安定して形成することができる。
また、上述の通り、本実施形態の真空成膜装置1においては、蒸着材料2としてSiOを使用し、反応ガスとして窒素を使用する。反応ガスとして窒素を使用することでバリア性が高まる傾向にある。反応ガスとして窒素を使用すると、蒸発した蒸着材料2等をさらに活性化することができ、前処理工程及び後処理工程による効果も高まるため非常に緻密な薄膜が被成膜面110上に形成される。また、薄膜が窒素を含有するSiOになればさらに緻密でバリア性の高い膜が得られる。なおSiOの原子数比は、ESCA等の従来公知の分析装置を用いて評価することができる。
また、上述の通り、本実施形態の真空成膜装置1においては、加熱装置171として、誘導加熱装置を使用する。加熱装置として、電子ビーム加熱装置等を使用した場合、加熱装置がプラズマガンに影響を与え、安定したプラズマの照射にならない場合があるが、誘導加熱装置を使用する場合、このような問題は生じない。
また、上述の通り、本実施形態の真空成膜装置1においては、真空容器10内の真空度は、1×10−3Pa以上1×10−1Pa以下の範囲で調整する。真空度が1×10−3Pa以上であれば、前処理、成膜、後処理の各工程において、好適なプラズマ密度のプラズマをプラズマガン3から照射することができる。また、真空度が1×10−1Pa以下であれば、緻密な薄膜を基材11上に形成しやすくなる。
以上、本発明の真空成膜装置について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。図6は、図1から4に示す形態とは別形態の真空成膜装置を示す図であり、(a)はXY平面方向の断面図であり、(b)はYZ平面方向の断面図である。図7は、図1から4、6に示す形態とは別形態の真空成膜装置のYZ平面方向の断面図である。
図6に記載の真空成膜装置は、プラズマガン3を二個備える点が図1から4に記載の真空成膜装置と異なる。一方のプラズマガン3の位置は、図1から4に記載の真空成膜装置と同じである。また、二つのプラズマガン3、3は、基材11の幅方向(Y方向)の中心を貫くX軸に平行な直線に線対称に配置される。
図6に記載された真空成膜装置によれば、図6(b)に示すように両側からプラズマを照射することができるため、より均一に緻密な薄膜を被成膜面上に形成することができる。しかし、図6(b)に示すように、二個のプラズマガン3、3からのプラズマ照射が重なる領域(図6(b)中にΔYで示す領域)では、照射されるプラズマが強過ぎて、熱じわが発生する可能性が高い。このため、図6に示す真空蒸着装置の場合には、図1から4に記載の真空成膜装置と比較して好適な成膜条件の範囲が非常に狭い。
なお、成膜用ドラム13の幅(Y方向の長さ)が大きい場合には、図6(b)に示すような2台のプラズマガン3、3の使用が好ましい。
図7に記載の真空成膜装置は、反応ガス供給部18の位置が、図1から4に記載の真空成膜装置と異なる。本実施形態の真空成膜装置においては、図7に示すように、Y方向に並ぶように反応ガス供給部18とプラズマガン3が配置される。反応ガス供給部18は、プラズマガン3によるプラズマ照射と同様に、基材11が搬送される方向(X方向)に直行する方向(Y方向)から被成膜面110に向けて反応ガスを供給する。
図7に記載された真空成膜装置によれば、予めプラズマ照射によりイオン化された反応ガスを蒸着材料に混合することができるため、被成膜面110に形成される薄膜の膜質が向上しやすくなる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<材料・装置>
プラズマガン:帰還電極を有する圧力勾配型プラズマガン
真空成膜装置:実施例1〜5、比較例1では図1から4に記載の真空成膜装置を使用した。実施例6〜12では図7に記載の真空成膜装置を使用した。
蒸着材料 :SiO
基材 :ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム12μm
<実施例1〜5、比較例1>
実施例1〜5、比較例1のプラズマの照射条件(出力、加速電圧、Arガス流量)、真空度、基材の搬送速度は、表1に記載の通りである。
Figure 0005418371
実施例1〜7において、反応ガスの種類、反応ガスの流量の条件は表2に記載の通りである。また、実施例1〜7について薄膜の膜厚、水蒸気透過度、酸素透過度の測定を以下の方法で行った。測定結果は表2に示した。
薄膜の膜厚の測定は、蛍光X線分析装置RIX2000(株式会社リガク製)を用いて、ケイ素(Si)のピーク強度を測定し、その測定値を薄膜の膜厚として換算することにより行った。
水蒸気透過度の測定は、水蒸気透過率測定装置PERMATRAN3/31(MOCON社製)を用いて、40℃、100%RH雰囲気下で測定した。
酸素透過度の測定は、酸素透過率測定装置OXTRAN2/20(MOCON社製)を用いて、23℃、90%RH雰囲気下で測定することにより行った。
Figure 0005418371
<実施例6〜12>
実施例6〜12のプラズマの照射条件(出力、加速電圧、Arガス流量)、真空度、基材の搬送速度は、表3に記載の通りである。
Figure 0005418371
実施例6〜12において、反応ガスの種類、反応ガスの流量の条件は表4に記載の通りである。また、実施例6〜12について薄膜の膜厚、水蒸気透過度、酸素透過度の測定を上記と同様の方法で行った。実施例6〜11については、酸化度(SiOのxの値)の測定も行った。測定結果は表4に示した。
酸化度は、ESCA(英国 VG Scientific社製、型式:LAB220i−XL)を用いて測定した。X線源としては、Ag−3d−5/2ピーク強度が300Kcps〜1McpsとなるモノクロAlX線源、及び、直径約1mmのスリットを使用した。測定は、測定に供した試料面の法線上に検出器をセットした状態で行い、適正な帯電補正を行った。測定後の解析は、上述のESCA装置に付属されたソフトウエアEclipseバージョン2.1を使用し、Si:2p、N:1s、C:1s、O:1sのバインディングエネルギーに相当するピークを用いて行った。このとき、各ピークに対して、シャーリーのバックグラウンド除去を行い、ピーク面積に各元素の感度係数補正(C=1に対して、N=1.770、Si=0.865、O=2.850)を行い、原子数比を求めた。得られた原子数比について、Si原子数を1とし、他の成分であるOとNの原子数を算出して成分割合とした。
Figure 0005418371
実施例1〜12、比較例1の結果から、本発明によれば、形成される薄膜の水蒸気透過度、酸素透過度が共に低くなることが確認された。
実施例1〜12の結果から、反応ガスとして窒素を使用すると、水蒸気バリア性が向上する傾向にあることが確認された。
実施例12の結果から、搬送速度を速い条件に変更しても、薄膜の水蒸気バリア性は低いことが確認された。
また、実施例2〜4、実施例7〜8の結果から、予めプラズマ照射によりイオン化された反応ガスを蒸着材料に混合することで、より緻密な膜が得られる傾向にあることが確認された。
1 真空成膜装置
10 真空容器
11 基材
110 被成膜面
12 基材巻き出し部
13 成膜用ドラム
14 基材巻き取り部
15、16 搬送ロール
17 蒸発源
170 坩堝
171 加熱装置
18 反応ガス供給部
19 防着箱
2 蒸着材料
3 プラズマガン

Claims (5)

  1. 真空容器内の上部に、成膜用ドラムに巻き掛けられた基材がその被成膜面を下向きにして配設され、前記真空容器内の前記成膜用ドラムより下部に、電気的に接地された防着板が略水平に配設されるとともに、
    前記防着板は、前記防着板の前記被成膜面と対向する位置に開口を備え、
    前記真空容器内の前記防着板より下部には、蒸着材料を蒸発させる蒸発源と、この蒸発源から蒸発した上記蒸着材料に向けてプラズマを照射するプラズマガンとが、上記被成膜面の下方に配置されており、
    前記プラズマガンは、帰還電極を備え、前記基材の流れ方向に対して直交する方向から、前記被成膜面に向けて配置されている真空成膜装置。
  2. 前記プラズマガンは、前記成膜用ドラムの中心軸を含んで鉛直方向に伸びる仮想平面に沿って配置される請求項1に記載の真空成膜装置。
  3. 前記プラズマガンは、前記真空成膜装置の平面視において前記成膜用ドラムの幅より外側に位置するように配置される請求項1又は2に記載の真空成膜装置。
  4. 前記プラズマガンは、圧力勾配型のプラズマ発生装置であり、加速電圧が40Vから200Vの範囲内であり、出力が3KWから12KWの範囲内である請求項1から3のいずれかに記載の真空成膜装置。
  5. 前記蒸発源は、誘導加熱装置を有する請求項1から4のいずれかに記載の真空成膜装置。
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