JP5418355B2 - 角速度センサ - Google Patents

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Description

本発明は角速度センサに関する。
自動車等の車両においては、車両のスピンやピッチングなどの回転発生時にエンジン出力とブレーキ動作を制御してこの回転を解消する車両安定制御(Vehicle Stability Control、VSC)システムと呼ばれる制御システムが採用されている。
車両のスピンやピッチングは車両の急旋回として捉えることができることから、車両の角速度を測定することによりスピンやピッチング等の回転を検知することができる。車両の角速度を測定するため、車両には角速度センサが設けられている。
角速度センサの原理について説明する。図9に示すように、所定方向に運動する物体が、その運動方向に対して垂直な回転軸周りの回転運動を受けたとき、物体には運動方向および回転軸に対して垂直な方向にコリオリ力が働く。角速度センサはこのコリオリ力を測定し、コリオリ力の大きさに基づいて角速度の大きさを求めている。
角速度センサは、所定の質量を有する錘と、錘を振動可能に支持する梁とを備えている。特許文献1における角速度センサ100を図10に示す。角速度センサ100は、直方体の錘110と、錘110に一方の端部を固定されるとともに、固定部112に他方の端部が固定された梁114が設けられている。梁114は差し金状またはΓ字状の形状をしており、錘110の各辺から計4本延びている。梁114はx軸方向、x軸方向に直交するy軸方向、x軸方向及びy軸方向に直交するz軸方向に振動可能になっており、したがって錘110もx軸方向、y軸方向、z軸方向のいずれにも変位可能となっている。
錘110のz軸方向から見て上下方向(紙面手前および奥)には励振電極116が設けられている。励振電極116は錘110に固定された錘側電極と、錘側電極とはz軸方向に離間して対向する固定電極の組から構成される。励振電極116は交流電源に電気的に接続されており、交流電力を励振電極116に印加することにより励振電極116に静電力が働き、交流電力の正負に応じて励振電極116の錘側電極と固定電極とは互いに引き合い、または反発する。この引き合いと反発とが周期的に生じることにより錘110がz軸方向に振動させられる。
また、錘110の周囲には検出電極118が設けられている。検出電極118は、錘110に固定された錘側電極と、錘側電極と離間してx軸方向又はy軸方向に対向し、固定部112側に固定された固定電極の組から構成される。検出電極118は静電容量の変化を捉えることにより錘側電極と固定電極との距離の変動を検知し、これにより錘110のx軸方向またはy軸方向の変位を検知する。
このような構成において、錘110は励振電極116によってz軸方向に励振される。錘110が励振されているときにx軸を回転軸とする回転運動が角速度センサ116に加わると、錘110にはz軸及びx軸と直交するy軸方向にコリオリ力が生じ、錘110はz軸方向に加えてy軸方向にも振動する。このy軸方向の錘110の変位を検出電極118により検出することにより角速度の大きさを求める。また、錘110がz軸方向に励振されているときにy軸を回転軸とする回転運動が角速度センサ116に加わると、錘110にはz軸及びy軸と直交するx軸方向にコリオリ力が生じ、錘110はz軸方向に加えてx軸方向にも振動する。このx軸方向の錘110の変位を検出電極118により検出することにより角速度の大きさを求める。
特開平11−295075号公報
ところで、錘を励振させる際に、励振方向とは異なる方向に錘が振動してしまうことがある。これは錘を支持する梁の断面形状に起因している。梁の断面形状に応じて、梁には撓み易い方向と撓み難い方向とが存在する。図11に示すように、梁が撓み易い方向から荷重を受けた場合、荷重方向(つまり、励振方向)と梁の振動方向は等しくなるが、梁の撓み易い方向と励振方向とが異なる場合、梁は撓み易い方向にも振動し、励振方向と振動方向が異なることになる。その結果、励振方向に直交する方向の振動成分、いわゆる漏れ振動成分が発生する。漏れ振動成分がコリオリ力と同じ検出方向(x軸またはy軸)の成分である場合、漏れ振動成分を検出した際にこれを誤ってコリオリ力と検出してしまうおそれがある。
したがって、漏れ振動の抑制のためには、梁の撓み易い方向と励振方向とを一致させることが望ましい。しかし、近年小型化、微細化が進む角速度センサにおいては梁形状の正確な加工は困難であり、梁の撓み易い方向と励振方向とを一致させることは容易ではない。
近年、角速度センサは半導体ウエハの集積回路技術を基礎にした微細加工技術により製作され、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、またはマイクロマシンと呼ばれる微小機械素子として構成される。このような微細加工技術において半導体ウエハに対するウェット法やドライ法を用いた異方性エッチングにより梁が形成される。
異方性エッチングとはエッチング速度がエッチングの方向によって異なるエッチング処理を指している。例えばアルカリ溶液を用いるウェットエッチング法では、半導体ウエハの結晶のうち、結晶方位(100)面のエッチング速度は(111)面のエッチング速度の約100倍となる。この異方性エッチングにおいて梁の正確な加工を行うには半導体ウエハの結晶構造が所望の構造を採るように半導体ウエハ材料の結晶を成長させる必要がある。しかし、結晶成長の過程で半導体ウエハ材料の実際の結晶構造が理想的な結晶構造とは相違する部分が生じる。また、SF等のガスを用いるドライエッチング法では、ウエハ上の場所や隣接するパターン形状の影響によりエッチング速度にばらつきが生じることがある。その結果、梁を加工する異方性エッチング工程において梁の形状が所望の形状とは異なるものとなる。その結果、梁の撓み易い方向と励振方向とが一致しない場合が生じてしまう。
そこで本発明は、励振時に発生する検出方向の漏れ振動を抑制し、コリオリ力による変位を正確に検出することのできる角速度センサを提供することを目的とする。
本願発明は、錘と、錘を支持する梁と、錘を所定の励振方向に振動させる励振電極と、励振方向に直交する第1の検出方向、および、励振方向及び第1の検出方向に直交する第2の検出方向の錘の変位を検出する検出電極と、を備えた角速度センサに関するものである。梁は、第2の検出方向に沿って延び、励振電極によって励振方向に振動させられる励振梁と、励振方向に沿って延び、第1の検出方向の加振により第1の検出方向に振動させられる第1の検出梁と、励振方向に沿って延び、第2の検出方向の加振により第2の検出方向に振動させられる第2の検出梁と、を備えている。さらに、錘は、第1の検出梁に支持された第1の錘と、第2の検出梁に支持された第2の錘と、を備え、第1の検出梁、および、第2の検出梁の反錘側は励振梁に支持されるプレートに接続されている。検出電極は、第1の錘の第1の検出方向の変位を検出する第1の検出電極と、第2の錘の第2の検出方向の変位を検出する第2の検出電極と、を備え、第1の検出電極によって検知された第1の錘の第1の検出方向の変位に基づいて、第2の検出方向の角速度を求めるとともに、第2の検出電極によって検知された第2の錘の第2の検出方向の変位に基づいて、第1の検出方向の角速度を求める。
また、上記発明において、励振梁は、第1の検出方向の厚さが、励振方向の厚さより厚く、第1の検出梁は、第2の検出方向の厚さが、第1の検出方向の厚さよりも厚く形成され、第2の検出梁は、第1の検出方向の厚さが、第2の検出方向の厚さよりも厚く形成されていることが好適である。
また、上記発明において、第1の検出梁は、第1の検出方向の厚さが、励振梁の第1の検出方向の厚さよりも薄く形成され、第2の検出梁は、第2の検出方向の厚さが、第1の検出梁の第2の検出方向の厚さより薄く形成されていることが好適である。
また、上記発明において、励振梁の第1の検出方向の厚さは、励振方向の厚さの1.5倍以上の厚さであることが好適である。
また、上記発明において、第1の錘の重心と第2の錘の重心と励振梁の中心点が、励振方向に平行な直線上に配置されることが好適である。
また、上記発明において、第1の錘と第2の錘の重心が一致することが好適である。
本発明によれば、励振時に発生する検出方向の漏れ振動を抑制しつつ、コリオリ力による変位を正確に検出することが可能となる。
本実施形態に係る角速度センサを例示する図である。 本実施形態に係る角速度センサを例示する図である。 本実施形態に係る角速度センサを例示する図である。 錘の変位検出について説明する図である。 錘の変位検出について説明する図である。 錘の変位検出について説明する図である。 錘の変位検出について説明する図である。 本実施形態に係る角速度センサを例示する図である。 角速度センサの原理を説明する図である。 従来の角速度センサを例示する図である。 振動方向と梁の断面形状とを示す図である。
図1に、本実施形態に係る角速度センサ10を示す。なお、以下では励振方向をy軸で示し、車両等の横滑り(スピン)による回転の回転軸をy方向に直行するx軸で示す。さらに、スピンにより発生したコリオリ力の方向をx軸及びy軸に直交するz軸で示す。また、車両のピッチングによる回転の回転軸をz軸で示し、ピッチングにより発生したコリオリ力の方向をy軸で示す。
また、以下では図の手前側をz軸の負方向、奥側をz軸の正方向とする。また、図の右側をx軸の正方向、左側をx軸の負方向とする。さらに、図の上側をy軸の正方向、下側を負方向とする。
角速度センサ10は、所定の質量を有する錘と、錘を支持する梁とを備えている。梁は励振梁12および検出梁を備えている。
励振梁12の一方の端部は固定部14に固定されている。励振梁12は固定部14からx軸方向に延び、他方の端部はプレート部16に固定されている。また、励振梁12はy軸方向から見て下方の第1の励振梁12Aと上方の第2の励振梁12Bの2本の梁から構成されている。
励振梁12は平板状の直方体形状をしており、断面が長方形形状をしている。
励振梁12の断面形状は、z軸方向(第1の検出方向)の厚さTがy軸方向(励振方向)の厚さTよりも厚くなるように形成されている。z軸方向を厚くすることによりz軸方向の漏れ振動が抑制される。また、y軸方向の厚さTについてはy軸方向に振動することのできる厚さになるように定めている。具体的には、励振梁12のz軸方向の厚さTは1.5〜100μmとなるように定められている。一方、励振梁12のy軸方向の厚さTは1〜50μmとなるように形成されている。このうち、励振梁12のz軸方向の厚さはy軸方向の厚さの1.5倍以上となるように励振梁12が形成されていることが好適である。
また、プレート部16のz軸方向の厚さは励振梁12とほぼ等しい厚さに形成されている。また、y軸方向の厚さは励振梁12よりも厚く形成されており、y軸方向の撓みが励振梁12よりに比べて抑制されるように形成されている。
また、検出梁はz軸方向に振動可能なz変位検出梁18と、x軸方向に振動可能なx変位検出梁20とを備えている。z変位検出梁18とx変位検出梁20は、プレート部16を介して励振梁12A、12Bに接続されている。また、z変位検出梁18は所定の質量を有する直方体形状のz錘22を支持し、x変位検出梁20は所定の質量を有する直方体形状のx錘24を支持している。図1に示されているように、z変位検出梁18はプレート部16Aまたは16Bに一方(反錘側)の端部を固定されてy軸方向に延び、他方の端部はz錘22に固定されている。また、x変位検出梁20はプレート部16Aまたは16Bに一方(反錘側)の端部を固定されてy軸方向に延び、他方の端部はx錘24に固定されている。z変位検出梁18およびz錘22の組み合わせをz振動子と呼び、またx変位検出梁20およびx錘24の組み合わせをx振動子と呼ぶと、本実施形態においてはz振動子およびx振動子がxy平面上に互いに離間して並列に配置され、さらに両振動子は共通のプレート部16および励振梁12に振動可能に支持されている。すなわち、本実施形態においては励振用の梁とコリオリ力検出用の梁とを分離している。励信用の梁と検出用の梁を分離することで、励振時に生じうる漏れ振動の検出側への伝達を抑制することができる。
z変位検出梁18はy軸方向に延びた平板状の直方体形状をしており、断面が長方形形状をしている。z変位検出梁18の断面形状は、x軸方向(第2の検出方向)の厚さTがz軸方向(第1の検出方向)の厚さTよりも厚くなるように形成されている。x軸方向を厚くすることによりx軸方向の漏れ振動が抑制される。また、z軸方向の厚さTについては励振梁12のz軸方向の厚さTよりも薄くなるように形成され、z変位検出梁18はz軸方向に加振されたときに振動可能となっている。具体的には、z変位検出梁18のx軸方向の厚さTは5〜500μmとなるように定められている。一方、z変位検出梁18のz軸方向の厚さTは1〜100μmとなるように形成されている。
また、x変位検出梁20はy軸方向に延びた平板状の直方体形状をしており、断面が長方形形状をしている。x変位検出梁20の断面形状は、z軸方向(第1の検出方向)の厚さTがx軸方向(第2の検出方向)の厚さTよりも厚くなるように形成されている。z軸方向を厚くすることによりz軸方向の漏れ振動が抑制される。また、x軸方向の厚さTについてはz変位検出梁18のx軸方向の厚さTよりも薄くなるように形成され、x変位検出梁20はx軸方向に加振されたときに振動可能となっている。具体的には、x変位検出梁20のz軸方向の厚さTは1〜100μmとなるように定められている。一方、x変位検出梁20のx軸方向の厚さTは0.5〜50μmとなるように形成されている。
さらに励振梁12Bに接続されたプレート部16には、検出梁が固定されている側とは対向する側に励振電極26が設けられている。励振電極26はプレート部16に固定された梁側電極と固定部14側に固定された固定電極との組からなり、梁側電極と固定電極とはy軸方向に所定の間隔を空けて離間されている。この励振電極26により励振梁12およびプレート部16がy軸方向に励振される。励振梁12の励振に伴って、z振動子(z錘22およびz変位検出梁18)とx振動子(x錘24およびx変位検出梁20)がy軸方向に同一の周期で励振される。
また、励振梁12Aに接続されたプレート部16には、検出梁が固定されている側とは対向する側にy変位検出電極27が設けられている。y変位検出電極27はプレート部16に固定された梁側電極と固定部側に固定された固定電極との組からなり、梁側電極と固定電極とはy軸方向に所定の間隔を空けて離間されている。y変位検出電極27は梁側電極と固定電極との間の静電容量を測定しており、両者の間隔が変動することに伴う静電容量の変化を検知することにより、z振動子およびx振動子のy軸方向の変位を検知する。
また、z錘22にはz変位検出電極28が設けられている。z変位検出電極28はz錘22に固定された梁側電極と固定部側に固定された固定電極との組からなり、梁側電極と固定電極とはz軸方向に所定の間隔を空けて離間されている。z変位検出電極28は梁側電極と固定電極との間の静電容量を測定しており、両者の間隔が変動することに伴う静電容量の変化を検知することにより、z振動子のz軸方向の変位を検知する。
また、x錘24にはx変位検出電極29が設けられている。x変位検出電極29はx錘24に固定された梁側電極と固定部側に固定された固定電極との組からなり、梁側電極と固定電極とはx軸方向に所定の間隔を空けて離間されている。x変位検出電極29は梁側電極と固定電極との間の静電容量を測定しており、両者の間隔が変動することに伴う静電容量の変化を検知することにより、x振動子のx軸方向の変位を検知する。
また、図1に示されているように、励振電極26、y変位検出電極27、x変位検出電極29はいずれも櫛歯電極から構成されている。
なお、本実施形態に係る角速度センサ10はMEMSと呼ばれる微小機械素子であり、半導体等の集積回路技術を基礎にした微細加工技術により製作される。微細加工技術とは例えば等方性エッチングや非等方性エッチングなどのエッチング加工や、CVD、PVD、メッキ等の成膜加工が含まれる。本実施形態に係る角速度センサ10は、シリコン基板上に酸化膜を挟んで積層された多結晶シリコン膜層からなる積層体から構成されている。本願の図面においてはシリコン基板を斜線のハッチングで示し、酸化膜を縦線のハッチングで示し、多結晶シリコン膜層をグレーで示している。また、シリコン基板、酸化膜、多結晶シリコン膜層の3層すべてが除去された領域を白で示している。なお、多結晶シリコン膜層の代わりに、単結晶シリコン膜層を予め酸化膜を介して別のシリコン基板と接合したSOI(Silicon On Insulator)基板を用いても良い。
本実施形態に係る角速度センサ10の各構成と積層体の各層との関係を説明する。固定部14はシリコン基板、酸化膜、多結晶シリコン膜層の3層からなる積層体から構成されている。また、励振梁12、プレート部16は多結晶シリコン膜層のみから形成され、その下層にある酸化膜が除去されている。つまり励振梁12、プレート部16とシリコン基板との間には空隙が設けられている。これにより、励振梁12、プレート部16が振動可能となる。
また、z変位検出梁18およびx変位検出梁20は多結晶シリコン膜層のみから形成され、さらにシリコン膜層の下層である酸化膜は除去されている。つまりz変位検出梁18およびx変位検出梁20とシリコン基板との間には空隙が設けられている。これにより、z変位検出梁18およびx変位検出梁20が振動可能となる。
また、z錘22はシリコン基板、酸化膜、多結晶シリコン膜層の3層からなる積層体から構成されている。また、z錘22の周囲はシリコン基板、酸化膜、多結晶シリコン膜層が除去されており、z錘22の振動時の周囲への接触を防いでいる。このような構成において、z錘22はz変位検出梁18のみによって支持されている。
また、z錘22の一部の多結晶シリコン膜層および酸化膜を除去し、当該部分をz変位検出電極28として形成している。多結晶シリコン膜層および酸化膜が除去され、シリコン基板が露出した部分がz変位検出電極28の梁側電極となる。さらに梁側電極上に位置する多結晶シリコン膜層を固定電極とすることで梁側電極と多結晶シリコン膜層とがz軸方向に関して離間する。多結晶シリコンとシリコン基板との間の酸化膜を除去するため、z変位検出電極28の固定電極には犠牲膜エッチング用のエッチング孔が設けられている。
また、x錘24は多結晶シリコン膜層のみから構成されている。ここで、x錘24の下層にある酸化膜は除去されており、シリコン基板とは離間している。すなわち、x錘24はx変位検出梁20のみによって支持されている。
また、励振電極26の梁側電極および固定電極はともにシリコン基板、酸化膜、多結晶シリコン膜層の3層からなる積層体から構成されている。さらに、y変位検出電極27の梁側電極および固定電極もともにシリコン基板、酸化膜、多結晶シリコン膜層の3層からなる積層体から構成されている。
また、x変位検出電極29の梁側電極はx錘24から延伸した多結晶シリコン膜層の櫛型電極から構成され、また固定電極は多結晶シリコン膜層から構成され、梁側電極の各櫛歯電極と近接する櫛型電極から構成されている。
また、シリコン基板および多結晶シリコン膜層のうち、電極を構成する領域、および当該電極から交流電源(図示せず)、または電圧計(図示せず)までの経路はn型またはp型に予めドープされており、導電性を有している。
次に、角速度センサ10を用いて角速度を算出する過程について説明する。
交流電源から交流電力が励振電極26に供給されると、励振電極26の梁側電極と固定電極との間に静電力が働き、交流電力の正負に応じて励振電極26の梁側電極と固定電極とは互いに引き合い、または反発する。この引き合いと反発とが周期的に生じることにより励振梁12が撓んでy軸方向(励振方向)に振動する。励振梁12に支持されたプレート部16、z振動子(z錘22およびz変位検出梁18)x振動子(x錘24およびx変位検出梁20)も励振梁12の振動に伴ってy軸方向に振動する。
上述したように、励振梁12のz軸方向の厚さTはy軸方向の励振に伴い発生し得るz軸方向の漏れ振動を抑制することのできる厚さになるように定められている。
梁のばね定数は撓み方向の厚さの3乗に比例することが知られている。したがって、上述のように励振梁12のz軸方向の厚さTをy軸方向の厚さTの10倍以上にすることで、z軸方向の剛性はy軸方向の剛性に比べて1000倍程度高くなる。z軸方向の剛性が高くなることで、z軸方向には撓みにくくなる。z軸方向に撓みにくくなることから、z軸方向の振動は抑制される。したがって、y軸方向の励振に伴うz軸方向の漏れ振動を抑制することができる。さらに、励振梁12はx軸方向に撓むことなく直線状に延びており、x軸方向の漏れ振動は抑制されている。このように、本実施形態における角速度センサにおいては、励振梁12が励振方向以外の方向に生じうる漏れ振動を抑制する構造を備えている。
励振梁12の振動に伴い、y変位検出電極27の梁側電極と固定電極の間隔が変動する。この間隔の変動に伴ってy変位検出電極27の静電容量が変化する。この静電容量の変化をy変位検出電極27に接続された電圧センサ(図示せず)により測定し、さらに静電容量の変化に伴う電位変化に応じてz振動子およびx振動子のy軸方向(励振方向)の変位を求めることができる。
z振動子がy軸方向に励振されているときに、x軸を回転軸とする回転運動(車両のスピンに相当)が角速度センサ10に加わると、z軸方向(第1の検出方向)にコリオリ力が生じ、z振動子はy軸方向に加えてz軸方向にも振動する。コリオリ力をFc、錘の質量をm(ただし、梁の質量は無視できるものとする)、錘の励振方向の速度をv、回転による角速度をΩで示すと、角速度Ωは下記数式1のように表すことができる。
錘の励振速度vは、下記数式2で示すように、錘の励振による変位yを微分することにより求めることができる。
ここで、Aはy軸方向の振幅、ωは励振の角速度を示す。なお、錘の励振による変位yは上述したようにy変位検出電極27の電位変化により求めることができる。例えば、y変位検出電極27が検知した電圧変化の成分のうち、励振電極26に印加する交流電圧と周期の一致した成分のみを取り出す同期検波によって錘の変位を求めることができる。
また、z軸方向のコリオリ力Fcはz錘22のz軸方向の変位に基づいて求めることができる。すなわち、z錘22のz軸方向の運動はコリオリ力Fcによる強制振動と捉えることができ、これを解くことによりコリオリ力Fcを求めることができる。強制振動の運動方程式は既知であり、下記数式3のように示される。
ここで、z(t)はz軸方向の変位を示している。さらにωz0は検出梁20のz軸方向の固有振動数、QはQ値を表し、下記数式4で表される。
ここで、ωz1−ωz2は半値幅を示しており、ωz1およびωz2は固有振動数ωz0における振動エネルギーの半値となる振動数を表している。ωz0、ωz1、ωz2はいずれも角速度センサの性能試験等により予め求めることができる。さらにz錘22のz軸方向の変位z(t)はz変位検出電極28に接続された電圧センサ(図示せず)から求めることができる。z軸方向の変位z(t)からZ軸方向の速度および加速度を求めることができる。また、z錘22の質量mは予め求めることができる。これらの値を数式3に代入することによりコリオリ力Fcを求めることができる。
コリオリ力Fcが求められ、z錘22の質量mは既知であり、さらにz錘22のy軸方向(励振方向)の速度vも求めることができることから、数式1にこれらの値を代入することによりx軸周りの角速度Ωを求めることができる。
また、x振動子がy軸方向に励振されているときに、z軸を回転軸とする回転運動(車両のピッチングに相当)が角速度センサ10に加わると、x軸方向(第2の検出方向)にコリオリ力が生じ、x振動子はy軸方向に加えてx軸方向にも振動する。数式3の運動方程式を変位x(t)に変更し、数式1、2、4の各パラメータを求めることにより、z軸周りの角速度Ωを求めることができる。
このように本実施形態においては、励振方向に薄く、検出方向に厚い形状の励振梁12を設けている。このような構成を備えることにより、励振梁12の励振時に生じうる漏れ振動が抑制される。また、z振動子およびx振動子の励振梁を励振梁12に共通させることで、x錘24とz錘22の質量が異なっていても、z振動子およびx振動子を同一周波数の振幅、位相で励振させることができる。2つの振動子の励振周波数および振幅を一致させることで、コリオリ力を発生させるための速度の大きさを同一にすることができ、x振動子とz振動子の感度を一致させ易くなる。
また、コリオリ力がそれぞれ発生した際に、z振動子およびx振動子の変位の位相は励振振動の位相から見て等しい位相関係となる。したがってz変位検出電極28またはx変位検出電極29の電圧波形からz振動子またはx振動子の変位を求める際に、励振振動と同周期の成分を取り出せば良く、位相も共通となるので、z振動子およびx振動子の変位を求める上で共通の同期検波回路を使用することが可能となり、高精度かつ低コストな角速度センサを提供することができる。
なお、図1に係る実施形態においてはz振動子およびx振動子をx軸方向に並列して配置したが、この形態に限られない。例えば、図2に示すように、z振動子およびx振動子をy軸方向に並列して配置しても良い。
図2においては励振梁12A、12Bに加えて中央に励振梁12Cが設けられている。励振梁12A、12Cの間にはx振動子(x錘24、x変位検出梁20)が設けられ、さらにx錘24にはx変位検出電極29が設けられている。また、励振梁12B、12Cの間にはz振動子(z錘22、z変位検出梁18)が設けられ、さらにz錘22にはz変位検出電極28が設けられている。また、励振梁12Cに励振電極26が設けられ、励振梁12Aにy変位検出電極27が設けられている。
図2に示す角速度センサは、z振動子およびx振動子の共振周波数を調整する上で有意な構成を採っている。励振電極26によりz振動子およびx振動子を励振させる際に、励振振幅が最も大きくなる共振周波数を選択して両振動子を励振させる。励振時の共振周波数を数式5に示す。
ここで、fは励振時の共振周波数、kは励振梁12のy軸方向のばね定数、Mはx錘24の質量、Mはz錘22の質量を表わしている。なお、励振梁12、x変位検出梁20、z変位検出梁18の質量は無視できるほど軽量であるものとする。一方、x振動子単体の共振周波数を数式6に示す。
ここで、fはx振動子単体の共振周波数を表わし、kはx変位検出梁20のx軸方向のばね定数を表わしている。また、z振動子単体の共振周波数を数式7に示す。
ここで、fはz振動子単体の共振周波数を表わし、kはz変位検出梁18のz軸方向のばね定数を表わしている。
前述したように、コリオリ力によるx振動子単体およびz振動子単体の変位を求める際には、x変位検出電極29またはz変位検出電極28の検出波形のうち、励振電極26に印加した交流電圧と同周期、つまり励振時の共振周波数の成分を抽出する同期検波を行っている。このとき、数式5〜7から、励振時の共振周波数がx振動子単体およびz振動子単体の共振周波数であるとは限らない。一般的に共振周波数のとき振幅が極値を取り、共振周波数から離れるほど振幅は小さくなる。すなわち、励振時の共振周波数とx振動子またはz振動子の共振周波数との差が大きいほどx振動またはz振動子の変位を検出する感度は低くなる。
x振動子とz振動子の感度を向上させるには、各振動子の共振周波数と励振時の共振周波数を互いに近づければよい。数式5〜7から、各振動子のばね定数およびx錘24およびz錘22の質量を変化させることにより各振動子の共振周波数を励振時の共振周波数に近づけることができる。ここで、x振動子とz振動子が図1に示したようにx軸上に並列されている場合、x錘24とz錘22の質量が相違すると(例えば、z錘22質量がx錘24に比べて大きいと)、錘全体の重心が励振梁12の中心、従って励振運動の中心位置からずれる。励振運動の中心と錘の重心がずれることにより励振方向以外の振動が発生するおそれがある。
そこで図2に係る角速度センサにおいては、x振動子とz振動子とをy軸方向に並べ、励振梁12の中心点と、x錘24の重心、z錘22の重心とがy軸に平行な直線上に配置されるように構成している。このような構成を備えることにより、x錘24とz錘22の質量を異ならせたときに、錘全体の重心位置と励振運動の中心位置がずれることを防止することができる。
また、錘の重心位置と励振運動の中心位置とのずれを防止できる構造を備えた角速度センサの別の実施形態を、図3に示す。図3に示す角速度センサにおいては、ロ字状のx錘24と、x錘24の内側に配置されたz錘22が設けられている。x錘24とz錘22を入れ子状に配置することで、y軸上に延びる図2の角速度センサと比較してy軸方向の長さを短縮することができ、角速度センサの小型化に寄与し得る構造となっている。
ここで、x錘24は多結晶シリコン膜層と、酸化膜とシリコン基板の積層体から構成されている。さらに、x錘24と多結晶シリコン膜層のみからなるz変位検出梁18が交差する位置においてはx錘24から多結晶シリコン層および酸化膜を除去している。これによりx錘24とz変位検出梁18との接触を避けることができる。また、後述する上側検出電極30の多結晶シリコン膜層からなる固定電極と、同じく下側検出電極32の多結晶シリコン膜層からなる梁側電極とx錘24とが交差する位置においても、x錘24から多結晶シリコン層および酸化膜を除去している。これによりx錘24と各電極の接触を避けることができる。さらに、後述する上側制御電極38の多結晶シリコン膜層からなる固定電極と、同じく下側制御電極40の多結晶シリコン膜層からなる梁側電極とx錘24とが交差する位置においても、x錘24から多結晶シリコン層および酸化膜を除去している。これによりx錘24と各電極の接触を避けることができる。
図3に示す実施形態においては、z変位検出電極を2種類備えている。すなわち、z錘22から多結晶シリコン膜層および酸化膜を除去し、シリコン基板が露出した部分を梁側電極とし、これにz軸方向に離間して対向する多結晶シリコン膜層のみからなる固定電極から構成される上側検出電極30と、z錘22から延伸する多結晶シリコン膜層のみからなる梁側電極と、梁側電極にz軸方向に離間して対向するシリコン基板のみからなる固定電極から構成される下側検出電極32を備えている。z振動子のz軸方向の変位z(t)は上側検出電極30の電位(上側電位)と、下側検出電極32の電位(下側電位)から求めることができる。この変位z(t)の求め方について以下に説明する。
まずコリオリ力が働いておらず、励振のみによりz錘22が運動している場合、図4に示すようにz錘22はy軸上を往復運動する。このとき、上側検出電極30および下側検出電極32の梁側電極と固定電極とが重なる面積は、z錘22のy軸上の往復運動により変動する。これにより上側検出電極および下側検出電極が検出する電位(上側電位及び下側電位)は変動する。
例えば変位y=0(つまりωt=0、π)のときに上側電位及び下側電位が最大値VMAXを取るように上側検出電極30および下側検出電極32の梁側電極及び固定電極の配置を定める。具体的には変位y=0のときにそれぞれの梁側電極と固定電極との重なり面積が最も大きくなるように各電極を配置する。このように各電極を配置した場合、図5に示すようにωt=π/2、3π/2のときに上側電位および下側電位は最小値VMINを取り、z錘22の変位に伴う上側電位と下側電位の変化の傾向は一致する。
一方、z軸方向のコリオリ力が働くと、z錘22は図6に示すように菱形の軌跡を描くようにして移動する。これはy軸方向の励振運動にz軸方向のコリオリ力が重畳するためである。なお、コリオリ力を説明した数式1においてはコリオリ力、励振速度、角速度の値をスカラーで表したが、図6の理解を容易にするためにそれぞれの成分をベクトル表記した数式を下記数式8に示す。
数式8より、コリオリ力のベクトルFcは、角速度ベクトルΩと速度ベクトルvの外積であることが理解される。y軸方向の速度ベクトルvは数式2よりωt=0のときにy軸の正方向に向かって最大値を取る。したがってコリオリ力はωt=0(y=0)のときにz軸方向について最小値を取る。また、速度ベクトルvはωt=πのときにx軸の負方向に向かって最大値を取る。したがってコリオリ力はωt=π(x=0)のときにz軸方向について最大値を取る。
コリオリ力によるz軸方向の変位の影響を受け、上側電位と下側電位の波形は図5とは異なるものとなる。上側電位の波形を図7上段に示し、下側電位の波形を図7中段に示す。ωt=0のとき、z錘22はz軸方向の最小値を取り、下側検出電極32の梁側電極が固定電極に近接することから、上側電位の値は図5に比べて低くなり、下側電位は高くなる。また、ωt=πのとき、z錘22はz軸方向の最大値を取り、上側検出電極30の梁側電極は固定電極に近接することから、上側電位の値は図5に比べて高くなり、下側電位は低くなる。ここで、上側電位と下側電位の差分を取ると、z軸方向の変位、すなわちコリオリ力によるz錘22の変位に対応する波形を得ることができることが理解される。図7の下段に上側電位と下側電位の差分の波形を示す。本実施形態における角速度センサ10は上側電位と下側電位の差分を取ることにより、z錘22のz軸方向の変位を求めている。
また、図3に示す角速度センサにおいては、x変位検出電極も2種類設けられている。すなわち、x錘24からx軸方向の正方向(右側)に延伸する右側検出電極34と、x錘24からx軸方向の負方向(左側)に延伸する左側検出電極36が設けられている。右側検出電極34および左側検出電極36はともに多結晶シリコン膜層からなる梁側電極と、梁側電極とx軸方向に離間して近接する多結晶シリコン膜層からなる固定電極との組から構成されている。上側検出電極30と下側検出電極32との電位差からz振動子のz軸方向の変位z(t)を求めたのと同様に、右側検出電極34と左側検出電極36との電位差からx振動子のx軸方向の変位x(t)を求めている。ここで、検出電極34、36はx錘24と電気的に接続するため、貫通電極37により結合されている。
さらに、z振動子およびx振動子には各振動子の振動を調整する制御電極が設けられている。z振動子の制御電極は上側制御電極38と下側制御電極40から構成されている。上側制御電極38の構造は上側検出電極30と等しく、上側検出電極30が電圧計に接続されているのに対して上側制御電極38には交流電源が接続されている。また、下側制御電極40の構造は下側検出電極32に等しく、下側検出電極32が電圧計に接続されているのに対して下側制御電極40には交流電源が接続されている。交流電源から上側制御電極38および下側制御電極40に交流電力が供給されることにより、上側制御電極38および下側制御電極40の梁側電極と固定電極との間に静電力が働き、両者は引き付け合い、または反発する。つまりz振動子は上側制御電極38および下側制御電極40によって強制的に振動させられる。
z変位検出梁18は温度変化や継続的な使用によりばね定数が変化する。
ばね定数が変化すると所定の荷重がかかったときのz錘22の変位が異なってしまい、荷重を正確に求めることが困難になる。そこでばね定数の変化を補償するため、温度変化や使用時間に応じて上側制御電極38および下側制御電極40に電圧を印加することによりz変位検出梁18の撓みを調整している。
また、x振動子の制御電極は右側制御電極42と左側制御電極44から構成されている。右側制御電極42の構造は右側検出電極34と等しく、右側検出電極34が電圧計に接続されているのに対して右側制御電極42には交流電源が接続されている。また、左側制御電極44の構造は左側検出電極36に等しく、左側検出電極36が電圧計に接続されているのに対して左側制御電極44には交流電源が接続されている。右側制御電極42および左側制御電極44に電圧を印加することによりx変位検出梁20の撓みが調整される。
図3においてはロ字状のx錘24の内側にz錘22を配置したが、この配置関係を逆にしても良い。図8にはロ字状のz錘22の内側にx錘24が配置された角速度センサが設けられている。これによってもx錘24とz錘22との総和からなる錘全体の重心と励振運動中心位置とを一致させることができる。
z錘22は多結晶シリコン膜層と酸化膜とシリコン基板の積層体から構成されている。さらに、多結晶シリコン膜層のみからなるx変位検出梁20、および、同じく多結晶シリコン膜層のみからなる右側検出電極34、左側検出電極36、右側制御電極42、左側制御電極44の各梁側電極とz錘22とが交差する位置においてはz錘22から多結晶シリコン層および酸化膜を除去している。これによりz錘22とx変位検出梁20および各電極との接触を避けることができる。さらに、z錘22の上側検出電極30および上側制御電極38の梁側電極についても多結晶シリコン層および酸化膜を除去している。これにより上側検出電極30および上側制御電極38の固定電極とそれぞれの梁側電極との接触を防ぐことができる。
10 角速度センサ、12 励振梁、14 固定部、16 プレート部、18 z変位検出梁、20 x変位検出梁、22 z錘、24 x錘、26 励振電極、27 y変位検出電極、28 z変位検出電極、29 x変位検出電極、30 上側検出電極、32 下側検出電極、34 右側検出電極、36 左側検出電極、38 上側制御電極、40 下側制御電極、42 右側制御電極、44 左側制御電極。

Claims (8)

  1. 錘と、
    前記錘を支持する梁と、
    前記錘を所定の励振方向に振動させる励振電極と、
    前記励振方向に直交する第1の検出方向、および、前記励振方向及び前記第1の検出方向に直交する第2の検出方向の前記錘の変位を検出する検出電極と、
    を備えた角速度センサであって、
    前記梁は、
    前記第2の検出方向に沿って延び、前記励振電極によって前記励振方向に振動させられる励振梁と、
    前記励振方向に沿って延び、前記第1の検出方向の加振により前記第1の検出方向に振動させられる第1の検出梁と、
    前記励振方向に沿って延び、前記第2の検出方向の加振により前記第2の検出方向に振動させられる第2の検出梁と、
    を備え、
    前記錘は、前記第1の検出梁に支持された第1の錘と、前記第2の検出梁に支持された第2の錘と、を備え、
    前記第1の検出梁、および、前記第2の検出梁の反錘側は前記励振梁に支持されるとともに前記励振梁よりも撓みが抑制されるように形成された単一のプレートに接続され、
    前記検出電極は、前記第1の錘の前記第1の検出方向の変位を検出する第1の検出電極と、前記第2の錘の前記第2の検出方向の変位を検出する第2の検出電極と、を備え、
    前記第1の検出電極によって検知された前記第1の錘の前記第1の検出方向の変位に基づいて、前記第2の検出方向の角速度を求めるとともに、前記第2の検出電極によって検知された前記第2の錘の前記第2の検出方向の変位に基づいて、前記第1の検出方向の角速度を求めることを特徴とする、角速度センサ。
  2. 請求項1記載の角速度センサであって、
    前記励振梁は、前記第1の検出方向の厚さが、前記励振方向の厚さより厚く、
    前記第1の検出梁は、前記第2の検出方向の厚さが、前記第1の検出方向の厚さよりも厚く形成され、
    前記第2の検出梁は、前記第1の検出方向の厚さが、前記第2の検出方向の厚さよりも厚く形成されていることを特徴とする、角速度センサ。
  3. 請求項1または2に記載の角速度センサであって、
    前記第1の検出梁は、前記第1の検出方向の厚さが、前記励振梁の前記第1の検出方向の厚さよりも薄く形成され、
    前記第2の検出梁は、前記第2の検出方向の厚さが、前記第1の検出梁の前記第2の検出方向の厚さより薄く形成されていることを特徴とする、角速度センサ。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の角速度センサであって、
    前記励振梁の前記第1の検出方向の厚さは、前記励振方向の厚さの1.5倍以上の厚さであることを特徴とする、角速度センサ。
  5. 請求項1から4のいずれか一つに記載の角速度センサであって、
    前記第1の錘の重心と前記第2の錘の重心と前記励振梁の中心点が、前記励振方向に平行な直線上に配置されることを特徴とする、角速度センサ。
  6. 請求項1から5のいずれか一つに記載の角速度センサであって、
    前記第1の錘と前記第2の錘の重心が一致することを特徴とする、角速度センサ。
  7. 請求項1から6のいずれか一つに記載の角速度センサであって、
    第1の方向から見たときに、前記第1の検出梁が前記第2の錘に重なるように構成されるか、または、前記第2の検出梁が前記第1の錘と重なるように構成されていることを特徴とする、角速度センサ。
  8. 請求項1から7のいずれか一つに記載の角速度センサであって、
    第1の方向から見たときに、前記第1の検出電極の一部が前記第2の錘に重なるように構成されるか、または、前記第2の検出電極の一部が前記第1の錘と重なるように構成されていることを特徴とする、角速度センサ。
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