JP5418293B2 - 反射型フォトマスクおよび反射型フォトマスクブランクならびにその製造方法 - Google Patents

反射型フォトマスクおよび反射型フォトマスクブランクならびにその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5418293B2
JP5418293B2 JP2010039672A JP2010039672A JP5418293B2 JP 5418293 B2 JP5418293 B2 JP 5418293B2 JP 2010039672 A JP2010039672 A JP 2010039672A JP 2010039672 A JP2010039672 A JP 2010039672A JP 5418293 B2 JP5418293 B2 JP 5418293B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
absorption layer
multilayer film
pattern
photomask blank
reflective photomask
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010039672A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011176162A (ja
Inventor
泰史 西山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2010039672A priority Critical patent/JP5418293B2/ja
Publication of JP2011176162A publication Critical patent/JP2011176162A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5418293B2 publication Critical patent/JP5418293B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)

Description

本発明は、半導体デバイス等をリソグラフィ技術により製造する際に使用するフォトマスク、およびこれを製造するために用いるフォトマスクブランク、ならびにこれらの製造方法に関する。より詳しくは、極端紫外領域の波長の光を光源としてパターン転写を行う際に適用可能な反射型フォトマスク、およびこれを製造するために用いる反射型フォトマスクブランク、ならびにこれらの製造方法に関する。
半導体集積回路は性能及び生産性を向上させるために微細化、高集積化が進んでおり、回路パターンを形成するためのリソグラフィ技術についても、より微細なパターンを高精度に形成するための技術開発が進められている。これに伴い、パターン形成に使用される露光装置の光源についても短波長化が進められ、波長13.5ナノメートル(nm)の極端紫外光(Extreme Ultraviolet光。以下、「EUV光」と称する。)を用いた装置及びパターン転写のプロセスが開発されている。
EUV光の波長において、あらゆる物質の屈折率は1に近い値となり、また吸収も大きい。このため波長193nmの紫外光を用いる場合のように透過型の光学系を用いることができない。そこで屈折率の異なる複数の材料を用いて、界面での反射が強めあうように多数の層を積層した反射膜を利用した反射光学系が用いられる。デバイスの回路などの転写パターンを形成したフォトマスクについても、多層反射膜を用いることになる。パターンを形成する方法としては、多層膜自体をパターン加工する方法と多層膜上に吸収パターンを形成する方法とが考えられるが、微細なパターンを高精度で形成する点においては後者のほうが有利であり、一般的になっている。
このようにEUV光によるリソグラフィ技術は従来の紫外光を用いるものとは異なる点が多いことや、紫外光をもちいたリソグラフィ技術が従来は不可能と思われていた微細パターンの形成を可能にするほどに進歩していることから、EUVリソグラフィ技術が本格的に用いられるのは最小寸法が32nm以下のデバイスとなる。
半導体基板上にこのような微細なパターンを正確に形成するためにはフォトマスク上にパターンを精度良く形成する必要があり、そのためにはフォトマスク上のパターンの寸法を精度良く計測することも同様に重要である。フォトマスクパターンの微小領域の計測には走査型電子顕微鏡を寸法計測用に構成したCD−SEMが広く用いられている。
CD−SEMは紫外・可視光を用いるような光学的な計測と比較して解像力が高く、パターンの個別の寸法を高精度で計測するのに適している。一方、電子を用いることから帯電の影響を受けやすい。
帯電の状態はフォトマスクに入射してフォトマスク内部にとどまる電子の数と、後方散乱によってフォトマスクの外側に放出される電子の数、電子の衝突によって発生してマスクの外側に放出される二次電子の数のバランスに影響される。図3はSEM観察時にフォトマスクに入射する電子の加速電圧と放出される電子の数の関係として一般的に知られているものである。加速電圧がE1とE2の場合はフォトマスクに入射する電子の数とフォトマスクから放出される電子の数が等しくなり、全体として電荷のバランスが取れている状態となる。
加速電圧がE1とE2の中間の場合はフォトマスクに入射する電子よりもフォトマスクから放出される電子の数のほうが多いためにフォトマスク表面は正に帯電する。この場合、正の帯電量が増加するとフォトマスクから放出された二次電子が引き戻されて再び試料表面内に入る確率が増加するため、連続的に電子線を照射すると電荷のバランスが取れる方向に変化する。
このことから、CD−SEMによる寸法計測においてはE1とE2の中間の加速電圧に設定し、帯電の影響を小さくすることが行われている。具体的には500Vから2000V程度の範囲内で設定するのが一般的である。
しかしながら、フォトマスクに入る電子とフォトマスクから出る電子の数が同じになるように全体でバランスを取ったとしても、微視的に見た場合には必ずしも帯電が無くなるわけではない。これはフォトマスクから外に放出される二次電子の発生源が表面に近い領域にあるのに対して、フォトマスクに入射する一次電子はこれよりも深い領域に入るためである。
たとえば非特許文献1によると、一次電子の最大侵入深さR[μm]は加速電圧E[kV]を用いて、式(1)で表される。Cは材料によって異なり、密度ρ[g/cm]を用いて0.115/ρで近似できる。また、nの値は1.35程度の値となる。

R=CE (1)
式(1)を用いて反射型フォトマスクの吸収パターンの主材料として多く用いられているタンタルについてバルクの密度を用いてρ=16.65g/cmとして計算すると、Rは12nmとなる。吸収パターンの表面近傍はパターン欠陥検査感度を高める目的で酸化層になっている場合もあるので、酸化タンタルの密度ρを8.2g/cmとして同様に計算するとRは24nmとなる。また、反射多層膜の材料であり、多層膜の最上層であるキャッピング層として用いられる場合もあるシリコンについて密度ρを2.33g/cmとするとRは85nmとなる。
一方、二次電子の脱出深さは例えば非特許文献2によれば、タンタルでは0.7nm、シリコンでは2.7nmである。
測定対象が金属である場合には、このように正負の電荷が異なる位置で生成したとしても速やかに結合して電気的に中和される。しかしながら、前述のように吸収パターン表面近傍にはパターン欠陥検査の感度向上のために酸化物を10〜20nmの厚さに形成する場合がある。また、多層膜表面に設けたキャッピング層についても自然酸化膜や洗浄工程に起因する酸化膜層が2nm程度の厚さに成長することを避けるのは困難である。このようなことから、電子線の照射によって生成した正負の電荷が自由に移動して結合するのが妨げられ、帯電が長時間にわたって持続する場合がある。
図4は上記の説明のように電荷が蓄積された分布をフォトマスクの断面図にして概念的に示したものである。図4に示した電荷の分布の詳細については、電子の運動をモンテカルロ法などの手法を用いた計算によって得ることもできる。このような方法については、例えば非特許文献3に示されている。図5はこのような開示された技術を用いて、電荷分布によって生じる電位分布を本発明者が計算した結果の一例であり、電位を等電位線で表示したものである。
非特許文献3に示されるように、パターン端部の近傍において電位の勾配が大きくなるとパターン端部の近傍から放出された二次電子が基板表面に引き戻される確率が高くなり、パターンの寸法計測に使用するSEMの観察画像において、パターン端部での輝度分布が変動するために寸法計測値が変動してしまう。
寸法計測値の変動の向きは吸収層表面近傍と多層膜表面近傍の電位分布に影響される。図6は電位分布と寸法計測値の変動の向きについて概念的に示したものである。寸法計測は一般にパターン端部で二次電子収率が高くなることを利用して、SEM観察画像の輝度プロファイルから、ピーク高さに対する閾値や傾斜が最大になる位置などを用いて行われる。
以下、寸法計測値の変動について詳細に述べる。
なお、便宜上、吸収層を除去して多層膜表面が露出する部分をスペース部21a、この部分の寸法をスペース寸法と呼び、これに対して吸収層30が残存した部分をライン部31a、この寸法をライン寸法と呼ぶが、パターンが線状になっている場合に限定されるわけではなく、ホールパターンについても同様の説明が適用できる。
図6(A)に示すように、スペース部21aの表面近傍に正電荷が蓄積されていくと、吸収パターン31aの側面から放出された二次電子60がスペース部21a側に引き込まれる傾向が強まり、二次電子信号強度のピーク部分のスペース側の値が減少する傾向となり、スペース寸法が増加して観測されるようになる。
また、一次電子50も表面近傍の電位分布によってスペースの内側に向かって偏向されることになる。これは結果としてスペース寸法が増加して観察される方向に二次電子信号強度が変化することになる。
逆に、図6(B)に示すように、ライン部31aの表面近傍に正電荷が蓄積されていくと、吸収層表面の端部付近から放出された二次電子がより引き戻されやすくなる傾向となる。また、一次電子の偏向の向きも逆になることから、ライン寸法が増加して観測されるようになる。
ここで、電位の変化量は電荷密度と誘電率によって定まる。電荷密度が大きいほど電位の変動は大きくなる。一方、誘電率が高くなると電位の変化は小さくなる。このことはガウスの法則から容易に推定することができる。電荷密度は入射電子1個あたりの放出電子数として定義した二次電子収率によって影響される。二次電子収率は材料と一次電子の照射条件によって変化し、誘電率は材料によって変化する。
したがって、一次電子の照射条件、すなわち加速電圧や電流値を調整することによってライン部31aとスペース部21aの帯電のバランスを取ることができれば、帯電による寸法計測値の変動を抑制することができることになる。
Jacques Cazaux, Journal of Applied Physics, 89, 8265 (2001) Yinghong Lin ら, Surface and Interface Analysis, 37, 895 (2005) Yeung-Uk Ko ら, Scanning, 20, 447 (1998) Isao Yonekura ら, Proceedings of SPIE, 6730, 67305H (2007)
しかしながら、加速電圧と電流値だけで調整できる範囲には限度があり、十分に帯電のバランスがとれずに電子線の照射とともに寸法計測値が変動することを避けることは非常に困難であった。このような現象は非特許文献4に開示されている。
したがって、適正な加速電圧および電流値において十分に帯電のバランスを取るためにはマスク材料の誘電率を調整する必要がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、CD−SEMの適正な加速電圧と電流値の条件でマスク表面の帯電による寸法計測値の変動を最小限に抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、基板と、前記基板上に積層した、露光光を反射する多層膜と、前記多層膜上に積層した、露光光を吸収可能でパターンが形成される吸収層を備える反射型フォトマスクブランクであって、形成された前記吸収層のパターンに対し電子線を照射した際に、前記多層膜と反対に位置する吸収層表面の電位と、前記パターンにより前記吸収層表面側に露出した前記多層膜表面の電位の差が小さくなるように、前記吸収層表面近傍と前記多層膜表面近傍の誘電率が設定されていることを特徴とする反射型フォトマスクブランクである。
また、前記反射型フォトマスクブランクの前記吸収層に対し、パターンを形成して得られることを特徴とする反射型フォトマスクである。
また、基板上に露光光を反射する多層膜を積層する多層膜積層ステップと、前記多層膜上に露光光を吸収可能でパターンが形成される吸収層を積層する吸収層積層ステップを有する反射型フォトマスクブランク製造方法であって、前記多層膜積層ステップ及び前記吸収層積層ステップにおいて、形成された前記吸収層のパターンに対し電子線を照射した際に、前記多層膜と反対に位置する吸収層表面の電位と、前記パターンにより前記吸収層表面側に露出した前記多層膜表面の電位の差が小さくなるように、前記吸収層表面近傍と前記多層膜表面近傍の誘電率を調整して積層することを特徴とする反射型フォトマスクブランク製造方法である。
また、前記反射型フォトマスクブランク製造方法により製造された反射型フォトマスクブランクの前記吸収層に対しパターンを形成するパターン形成ステップを有することを特徴とする反射型フォトマスク製造方法である。
する。
本発明の反射型フォトマスク及び反射型フォトマスクによれば、CD−SEMを用いてパターン寸法を計測する際の帯電による誤差が小さくなり、より高精度のフォトマスクを製造することが可能となり、高精度のパターン転写を行うことができる。
本発明の実施の一形態である反射型フォトマスクブランクの断面図である。 本発明の実施の一形態である反射型フォトマスクの断面図である。 反射型フォトマスク表面に入射する電子の加速電圧と放出される電子の数の関係を表した説明図である。 反射型フォトマスク表面に電子線を照射したときの帯電分布を模式的に表した説明図である。 反射型フォトマスク表面に電子線を照射したときの電位分布を等電位線で表した説明図である。 反射型フォトマスク表面に電子線を照射したときの帯電分布が寸法測定に及ぼす影響を表した説明図である。
以下、本発明の実施の一形態である反射型フォトマスクおよび反射型フォトマスクブランクについて、図を参照して説明する。本実施形態の反射型フォトマスクブランクは基板上に露光波長の光を反射する多層膜20と、その上に形成した吸収層30を有する。また、本実施形態の反射型フォトマスクは前記フォトマスクブランクを構成する吸収層30が転写パターンの形状に加工されている。
図1は本実施形態の反射型フォトマスクブランクを積層方向に平行な面で切断した断面図である。基板10の上にモリブデンとシリコンを交互に積層した多層膜20が形成されている。露光に使用する光の波長が13.5nmの場合、モリブデンの膜厚を2.8nm、シリコンの膜厚を4.2nmとし、40から50対の多層膜とすることによって、60%以上の反射率が得られる。
多層膜20の最上層をキャッピング層21と呼ぶ。
キャッピング層21として、モリブデンとシリコンのいずれかにする場合は、化学的な安定性からシリコンにすることが好ましい。
もちろん、多層膜を保護する目的を達成するために、モリブデン、シリコン以外の材料でキャッピング層21を形成してもよい。
キャッピング層21の上にパターンを形成するための吸収層30が設けられている。図1には示していないが、パターン欠陥を修正する際に多層膜20が損傷するのを防止する目的で吸収層30とキャッピング層21の間にバッファー層と呼ばれる膜を設けてもよい。
図2は本実施形態である反射型フォトマスクを積層方向に平行な面で切断した断面図である。図1の吸収層30が公知のリソグラフィ技術などを用いて加工されてパターン31が形成されている。
なお、図2には示されていないが、露光装置内で静電チャックによってマスクを保持するために、基板10のパターン31と反対側の表面に導電性の膜を形成してもよい。
吸収層30を形成する材料としては露光光の波長において吸収係数の大きいものが望ましい。成膜やエッチング加工の容易性、化学的な安定性などからタンタルを主成分とする材料が好ましい。ただし、純粋なタンタルをスパッタリング等により成膜した場合には結晶粒が成長しやすく、高精度なパターン転写が困難となるため、窒素などを添加してアモルファス構造にすることが望ましい。
また、吸収層30の表面とキャッピング層21の表面がともに金属性の反射特性を有する場合、パターン欠陥検査などにおいてパターン31の視認性が著しく低下してしまうため、吸収層30の基板10と反対側の面30aには可視から紫外光の露光光をある程度透過するように、酸素を含有した反射防止層を設けることが好ましい。
波長200nmから260nm程度の紫外光に対して十分な反射防止効果を得るためには、前記反射防止層の厚さは10乃至20nm程度となる。反射防止層を含む吸収層の厚さは50nm乃至100nmの範囲であることが好ましい。
前記反射防止層をタンタルと酸素を主成分とする材料で構成することは吸収層30本体から連続して形成することができるなどの利点がある。しかしながら、本発明においては誘電率の制御の観点から、タンタル以外の材料を主成分としてもよい。
パターン31のうち吸収層30が残存したライン部31aの表面近傍とキャッピング層表面が露出したスペース部21aの表面近傍の帯電状態のバランスを取るためには、それぞれの部分の二次電子収率、導電性に基づく減衰、誘電率に基づく電位への影響などを勘案して計算によってある程度予測することが可能である。しかしながら、電荷のトラップ密度など、計算で正確に予測するのか困難な特性値もある。
帯電状態のバランスについては、実験によって簡便に調べることが可能である。これは二次電子収率の時間変化によって判断するものであり、形成したパターンのSEM像を繰り返し取得し、輝度の変化量によって帯電状態を判断する方法である。
たとえばライン状のパターン31においてスペース部21a、すなわちキャッピング層表面が露出した部分の輝度が減少する傾向にあれば、キャッピング層表面から放出された電子が正に帯電したキャッピング層表面に引き戻される量が増加していると考えることができる。
このような場合にはキャッピング層21の誘電率を高くして、キャッピング層表面の正電荷の影響を小さくする方向にキャッピング層21の材料を変えても良いし、逆に、吸収層30の誘電率を低くしてバランスを取っても良い。
誘電率を変える方法としては、誘電率の高い金属酸化物に酸化ケイ素を含有させる量を変える方法を好適に用いることができる。酸化ケイ素の比誘電率は約3.8と比較的低く、比誘電率が10以上の高誘電率材料との混合比率を変えれば、広い範囲で誘電率を調整することが可能である。
吸収層表面の誘電率については、タンタルを主成分とする材料を用いる場合には酸化タンタルの誘電率が十分に高いので、これに添加するケイ素の量によって誘電率を調整することができる。吸収層の材料としてはEUVの露光波長において消衰係数が大きいことが好ましいことから、タンタル以外の材料としてハフニウムを用いてもよい。
また、キャッピング層21の材料として酸化ケイ素と組み合わせる高誘電率材料としては、EUVの露光波長において消衰係数が小さく好ましいことから、チタン、ジルコニウム、ニオブ、イットリウム、ランタンの酸化物などをあげることができる。
ライン部31aの表面とスペース部21aの表面の帯電のバランスが取れる条件を探索するには、前記のSEM像の輝度変化を利用して行うことができるが、前記材料の組み合わせにおいてケイ素の添加量をフィードバックして反復しても良いし、組成を変えて複数作製したテストサンプルを用いて最適条件を求めても良い。また、1枚の基板内に組成比を変えて分布を持たせたテストサンプルを作製すれば、基板面内において最も良好な位置の組成を分析することによって、最適な添加量を決定することができる。
吸収層30およびキャッピング層21の組成を決定した後に、この層の露光波長における複素屈折率、すなわち光学定数を計測することで、それぞれに最適な膜厚を決定することができる。また、パターン欠陥検査等のように露光波長以外の光を用いる場合について、それぞれの波長における光学定数から求めることができる反射率などの光学的な特性から最適値を決めることが可能となる。
本発明の実施の形態について実施例を用いてさらに説明する。
石英ガラスの基板10上に厚さ4.2nmのシリコン膜と2.8nmのモリブデン膜を交互に40対積層し、その上に厚さ4nmのシリコン膜、厚さ4nmのケイ酸ジルコニウム膜、タンタルを主成分とする厚さ70nmの吸収層30、酸化タンタルを主成分とする厚さ20nmの反射防止層を形成した反射型フォトマスクブランクを用意した。
前記ケイ酸ジルコニウム膜はスパッタリング法により作製した。ケイ酸ジルコニウムのターゲットを用いて作製することも可能であるが、ケイ素とジルコニウムの含有率を最適化できるようにケイ素を主成分とするターゲットとジルコニウムを主成分とするターゲットの2つに同時に電力を供給する2元スパッタリングとした。また、スパッタリングガスはアルゴンと酸素の混合ガスとし、それぞれの流量によって膜中に含まれる酸素の量を制御した。
前記反射防止層の上にレジストを塗布し、電子線露光装置を用いて露光し、ベーキング後に現像処理を行ってレジストパターンを形成した。ドライエッチングによって上記反射防止層と吸収層をエッチング加工した後に表面に残ったレジストを除去し、反射型フォトマスクを得た。
前記反射型フォトマスクのパターンをCD−SEMで計測したところ、同じ位置に繰り返して電子線を照射することによって、スペース部分の輝度が相対的に低下する傾向がみられ、スペース部分の寸法は計測を繰り返す毎に増加する傾向が認められた。
そこで前記反射型フォトマスクブランクの作製において、ケイ酸ジルコニウム膜を作製する際のスパッタリング条件において、誘電率が高くなるようにジルコニウムを主成分とするターゲットの電力を相対的に増加させたサンプルを複数作製した。そのほかの条件は同様にして、前記と同様の反射型フォトマスクブランクを得た。その後、前記と同様の加工を行い、反射型フォトマスクを得た。
この反射型フォトマスクパターンをCD−SEMで計測したところ、同じ位置に繰り返して電子線を照射することによる輝度の変化および寸法計測値の変動は誘電率を変化させる前のフォトマスクと比較して減少したものが得られた。
そこで、このケイ酸ジルコニウム膜のEUV露光波長における光学定数を計測したところ、多層膜の最も表面に近いケイ素の膜厚を3nm、ケイ酸ジルコニウムの膜厚を4nmとすることによって、EUV露光波長での反射率を60%以上にすることができることを確認した。
このようにして得られた反射型フォトマスクのパターン寸法をCD−SEMで繰り返し計測した場合の1回あたりの変化量は0.3nmであり、十分小さい値となった。
(比較例)
石英ガラスの基板10の上に厚さ4.2nmのケイ素膜と厚さ2.8nmのモリブデン膜を交互に40対積層し、その上に厚さ4nmのシリコン膜、タンタルを主成分とする厚さ70nmの吸収層、酸化タンタルを主成分とする厚さ20nmの反射防止層を形成した反射型フォトマスクブランクを用意した。
この上にレジストを塗布し、電子線露光装置を用いて露光し、ベーキング後に現像処理を行ってレジストパターンを形成した。ドライエッチングによって上記反射防止層と吸収層をエッチング加工した後に表面に残ったレジストを除去し、反射型フォトマスクを得た。
得られた反射型フォトマスクのパターンをCD−SEMを用いて計測したところ、同じ位置に繰り返して電子線を照射することによって、スペース部分の輝度が相対的に低下する傾向がみられ、スペース部分の寸法は計測を繰り返す毎に増加する傾向が認められた。
繰り返しによる寸法変化を直線近似したところ、1回あたりの寸法変化量は0.7nmであり、前記実施例と比較して大きい値であった。
本発明の反射型フォトマスク、反射型フォトマスクブランクを用いることで、帯電の影響を抑えて正確な寸法計測が可能となり、半導体等の製造を精度良く行うことが可能である。
10…基板
20…多層膜
21…キャッピング層
30…吸収層
31…パターン
50…入射電子
60…二次電子

Claims (11)

  1. 基板と、
    前記基板上に積層した、露光光を反射する多層膜と、
    前記多層膜上に積層した、露光光を吸収可能でパターンが形成される吸収層を備える反射型フォトマスクブランクであって、
    形成された前記吸収層のパターンに対し電子線を照射した際に、前記多層膜と反対に位置する吸収層表面の電位と、前記パターンにより前記吸収層表面側に露出した前記多層膜表面の電位の差が小さくなるように、前記吸収層表面近傍と前記多層膜表面近傍の誘電率が設定されている、
    ことを特徴とする反射型フォトマスクブランク。
  2. 前記吸収層及び前記多層膜は、表面近傍に金属と酸素とケイ素を含有し、
    前記誘電率の設定は、前記吸収層及び前記多層膜の表面近傍のケイ素の含有率を変えることによって行われている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の反射型フォトマスクブランク。
  3. 前記吸収層が含有する金属は、タンタル、ハフニウムのうち少なくとも1種類を含有することを特徴とする請求項2に記載の反射型フォトマスクブランク。
  4. 前記多層膜が含有する金属は、ジルコニウム、ニオブ、イットリウム、チタン、ランタンのうち少なくとも1種類を含有することを特徴とする請求項2に記載のフォトマスクブランク。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の反射型フォトマスクブランクの前記吸収層に対し、パターンを形成して得られることを特徴とする反射型フォトマスク。
  6. 基板上に露光光を反射する多層膜を積層する多層膜積層ステップと、
    前記多層膜上に露光光を吸収可能でパターンが形成される吸収層を積層する吸収層積層ステップを有する反射型フォトマスクブランク製造方法であって、
    前記多層膜積層ステップ及び前記吸収層積層ステップにおいて、
    形成された前記吸収層のパターンに対し電子線を照射した際に、前記多層膜と反対に位置する吸収層表面の電位と、前記パターンにより前記吸収層表面側に露出した前記多層膜表面の電位の差が小さくなるように、前記吸収層表面近傍と前記多層膜表面近傍の誘電率を調整して積層する、
    ことを特徴とする反射型フォトマスクブランク製造方法。
  7. 前記吸収層及び前記多層膜は、表面近傍に金属と酸素とケイ素を含有し、
    前記誘電率の調整は、前記吸収層及び前記多層膜の表面近傍のケイ素の含有率を変えることによって行う、
    ことを特徴とする請求項6に記載の反射型フォトマスクブランク製造方法。
  8. 前記誘電率の調整は、前記パターンに前記電子線を照射した際に吸収層から放出される二次電子の検出量の変化を比較することによって行うことを特徴とする請求項6又は7に記載の反射型フォトマスクブランク製造方法。
  9. 前記吸収層が含有する金属は、タンタル、ハフニウムのうち少なくとも1種類を含有することを特徴とする請求項7に記載の反射型フォトマスクブランク製造方法。
  10. 前記多層膜が含有する金属は、ジルコニウム、ニオブ、イットリウム、チタン、ランタンのうち少なくとも1種類を含有することを特徴とする請求項7に記載のフォトマスクブランク製造方法。
  11. 請求項6乃至10のいずれかに記載の方法で製造された反射型フォトマスクブランクの前記吸収層に対しパターンを形成するパターン形成ステップを有することを特徴とする反射型フォトマスク製造方法。
JP2010039672A 2010-02-25 2010-02-25 反射型フォトマスクおよび反射型フォトマスクブランクならびにその製造方法 Active JP5418293B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010039672A JP5418293B2 (ja) 2010-02-25 2010-02-25 反射型フォトマスクおよび反射型フォトマスクブランクならびにその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010039672A JP5418293B2 (ja) 2010-02-25 2010-02-25 反射型フォトマスクおよび反射型フォトマスクブランクならびにその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011176162A JP2011176162A (ja) 2011-09-08
JP5418293B2 true JP5418293B2 (ja) 2014-02-19

Family

ID=44688756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010039672A Active JP5418293B2 (ja) 2010-02-25 2010-02-25 反射型フォトマスクおよび反射型フォトマスクブランクならびにその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5418293B2 (ja)

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9612522B2 (en) * 2014-07-11 2017-04-04 Applied Materials, Inc. Extreme ultraviolet mask blank production system with thin absorber and manufacturing system therefor
TWI774375B (zh) 2016-07-27 2022-08-11 美商應用材料股份有限公司 具多層吸收劑的極紫外遮罩坯料及製造方法
KR102632988B1 (ko) 2017-07-05 2024-02-01 가부시키가이샤 토판 포토마스크 반사형 포토마스크 블랭크 및 반사형 포토마스크
CN110785703B (zh) 2017-07-05 2023-07-21 凸版光掩模有限公司 反射型光掩模坯以及反射型光掩模
TW202028495A (zh) 2018-12-21 2020-08-01 美商應用材料股份有限公司 極紫外線遮罩吸收器及用於製造的方法
JP6919699B2 (ja) 2019-11-28 2021-08-18 凸版印刷株式会社 反射型フォトマスクブランク及び反射型フォトマスク
US11630385B2 (en) 2020-01-24 2023-04-18 Applied Materials, Inc. Extreme ultraviolet mask absorber materials
TW202131087A (zh) 2020-01-27 2021-08-16 美商應用材料股份有限公司 極紫外光遮罩吸收劑材料
TW202141165A (zh) 2020-03-27 2021-11-01 美商應用材料股份有限公司 極紫外光遮罩吸收材料
US11644741B2 (en) 2020-04-17 2023-05-09 Applied Materials, Inc. Extreme ultraviolet mask absorber materials
EP4145222A1 (en) 2020-04-30 2023-03-08 Toppan Photomask Co., Ltd. Reflective photomask blank and reflective photomask
JP7421411B2 (ja) 2020-04-30 2024-01-24 株式会社トッパンフォトマスク 反射型フォトマスクブランク及び反射型フォトマスク
TW202202641A (zh) 2020-07-13 2022-01-16 美商應用材料股份有限公司 極紫外線遮罩吸收劑材料
JP2022054941A (ja) 2020-09-28 2022-04-07 凸版印刷株式会社 反射型フォトマスクブランク及び反射型フォトマスク
US11609490B2 (en) 2020-10-06 2023-03-21 Applied Materials, Inc. Extreme ultraviolet mask absorber materials
JP2022107355A (ja) 2021-01-08 2022-07-21 株式会社トッパンフォトマスク 反射型フォトマスクブランク及び反射型フォトマスク
US11513437B2 (en) 2021-01-11 2022-11-29 Applied Materials, Inc. Extreme ultraviolet mask absorber materials
JP2022108203A (ja) 2021-01-12 2022-07-25 株式会社トッパンフォトマスク 反射型フォトマスクブランク及び反射型フォトマスク
US11592738B2 (en) 2021-01-28 2023-02-28 Applied Materials, Inc. Extreme ultraviolet mask absorber materials
JP2022123773A (ja) 2021-02-12 2022-08-24 株式会社トッパンフォトマスク 反射型フォトマスクブランク及び反射型フォトマスク
JP2022185356A (ja) 2021-06-02 2022-12-14 株式会社トッパンフォトマスク 反射型フォトマスクブランク及び反射型フォトマスク

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5178996B2 (ja) * 2005-06-23 2013-04-10 凸版印刷株式会社 反射型フォトマスクブランク、反射型フォトマスク、ならびにこれを用いたパターン転写方法
JP2007078537A (ja) * 2005-09-14 2007-03-29 Advantest Corp 電子ビーム寸法測定装置及び電子ビーム寸法測定方法
JP2008041740A (ja) * 2006-08-02 2008-02-21 Toppan Printing Co Ltd 反射型フォトマスクブランク、反射型フォトマスク及び極端紫外線の露光方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011176162A (ja) 2011-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5418293B2 (ja) 反射型フォトマスクおよび反射型フォトマスクブランクならびにその製造方法
US8956787B2 (en) Reflective mask blank for EUV lithography and process for producing the same
JP6766676B2 (ja) 反射型マスクブランクおよび反射型マスクブランクの製造方法
TWI438563B (zh) 反射型光罩基板、反射型光罩及該等之製造方法
JP5766393B2 (ja) 反射型露光用マスクおよび半導体装置の製造方法
KR101904560B1 (ko) 다층 기판, 다층 기판의 제조 방법, 다층 기판의 품질 관리 방법
JP4857090B2 (ja) 校正用標準部材およびその作製方法、並びに校正用標準部材を用いた走査電子顕微鏡
JP2008277541A (ja) 光反射型マスクと光反射型マスクの作製方法及び半導体装置の製造方法
US11698580B2 (en) Reflective mask blank for EUV lithography
JP7148467B2 (ja) 荷電粒子線装置
US20220121102A1 (en) Reflective mask blank, reflective mask, method for producing same, and method for producing semiconductor device
TW201530193A (zh) 光柵偏光元件
US20130244141A1 (en) Photomask and pattern forming method
JP6586934B2 (ja) 反射型マスクブランク、及び反射型マスクブランクの製造方法
KR100852574B1 (ko) 샘플링된 화상의 강도 및/또는 검출된 해상도를 향상시키기위한 방법 및 장치
TW201928503A (zh) 附多層反射膜之基板、反射型光罩基底、反射型光罩、及半導體裝置之製造方法
JP2014096397A (ja) 反射型マスク及び反射型マスクの製造方法
US11150561B2 (en) Method and apparatus for collecting information used in image-error compensation
US7862737B2 (en) Planarizing method
CN110785704A (zh) 反射型光掩模坯以及反射型光掩模
JP2017075997A (ja) 反射型マスクブランク、及び反射型マスクブランクの製造方法
CN112740106A (zh) 掩模坯料、转印用掩模及半导体器件的制造方法
US20240019776A1 (en) Reflective mask and method for producing reflective mask
US9946150B2 (en) Light reflection type lithography mask, its manufacturing method, mask data generation method and mask blank
JP2012033608A (ja) Euv露光用反射型マスクの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131022

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131104

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5418293

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250