JP5417934B2 - ポリ乳酸系プラスチック塗料およびこれで塗装した着色筐体 - Google Patents
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Description
(1)L−乳酸とD−乳酸のモル比(L−乳酸/D−乳酸)のモル比が1〜9の範囲にあり、水酸基濃度が300eq/106g〜2000eq/106gの範囲にあり、樹脂還元粘度が0.1gdl/g〜0.3dl/gの範囲にあり、乳酸残基が85重量%以上であるポリ乳酸系樹脂(A)と溶剤(B)と硬化剤(C)と顔料(D)とからなることを特徴とするポリ乳酸系プラスチック塗料。
(2)ポリ乳酸系樹脂(A)において、水酸基導入を行うためにポリグリセリンまたは/およびソルビトールを共重合させたことを特徴とする(1)記載のポリ乳酸系プラスチック塗料。
(3)ポリ乳酸系樹脂(A)において、D−乳酸がメソラクチド由来であることを特徴とする(1)または(2)に記載のポリ乳酸系プラスチック塗料。
(4)メソラクチドがバイオマス由来のL−乳酸水溶液を出発原料とし、L−乳酸オリゴマーを経てL−ラクチドを合成するプロセスにおいて、ラセミ化により副生成され、L−ラクチドと蒸留精製により分離されたメソラクチドであることを特徴とする(3)に記載のポリ乳酸系プラスチック塗料。
(5)溶剤(B)として酢酸プロピルまたは酢酸ブチルを用いることを特徴とする(1)〜(4)いずれかに記載のポリ乳酸系プラスチック塗料。
(6)硬化剤(C)として脂肪族系の多官能イソシアネートを用いることを特徴とする(1)〜(5)いずれかに記載のポリ乳酸系プラスチック塗料。
(7)バイオマス由来樹脂を25重量%以上含有するプラスチック筺体に、(1)〜(6)いずれかに記載のプラスチック塗料を塗装したことを特徴とする着色筺体。
ポリ乳酸系樹脂(I)の重合:
L−ラクチド600g、メソラクチド400g、ソルビトール30g、オクチル酸スズ250mgをフラスコに加え、窒素雰囲気下、180℃に加熱、2時間開環重合をさせ、その後、未反応モノマーを減圧下留去させることにより、ポリ乳酸系樹脂(I)を得た。L−乳酸/D−乳酸(モル比)は旋光光度計により決定した。水酸基濃度はイソシアネート法(滴定法)により決定した。乳酸残基濃度はNMR分析により決定した。分析結果を表1に示す。
上記樹脂1000gと酢酸エチル500g、酢酸ブチル500gをフラスコに加え60℃で5時間加熱撹拌することによりポリ乳酸系樹脂溶解物(I)を得た。
上記ポリ乳酸系樹脂溶解物(I)100gと酸化チタン(白顔料)50g、コロネートHXR(日本ポリウレタン工業(株)社製)8.3gをペイントシェーカーに加え、1時間分散することにより、白塗料(I)を得た。
上記白塗料(I)はポリL−乳酸製テストピースにスプレー塗装を行い、乾燥膜厚を10μmとした。この塗装板に対して、40℃にて24時間エージングを行い、硬化反応を完了させた。
上記硬化塗膜の評価として、顔料分散性はJIS5600−4−7に従い、幾何条件60°としてグロスメーターにて鏡面光沢度を評価した。初期密着性は、JIS5600−5−6において碁盤目を10行10列に変更した剥離試験を行い、剥離せずに残った塗膜の枚数によって評価した。また、耐久性試験は、40℃、80%RH環境に1週間放置後、初期密着性と同様にして密着性を評価した。評価結果を表2に示す。
ポリ乳酸系樹脂(II)の重合:
L−ラクチド500g、メソラクチド400g、ε−カプロラクトン100g、ポリグリセリン(平均重合度10)50g、オクチル酸スズ250mgをフラスコに加え、窒素雰囲気下、180℃に加熱、2時間開環重合をさせ、その後、未反応モノマーを減圧下留去させることにより、ポリ乳酸系樹脂(II)を得た。分析結果を表1に示す。
上記樹脂1000gと酢酸エチル500g、酢酸ブチル500gをフラスコに加え60℃で5時間加熱撹拌することによりポリ乳酸系樹脂溶解物(II)を得た。
上記ポリ乳酸系樹脂溶解物(II)100gと酸化チタン(白顔料)50g、コロネートHXR6.8gをペイントシェーカーに加え、1時間分散することにより、白塗料(II)を得た。
塗装板の作製および塗膜性能評価に関しては、実施例1と同様な評価を実施した。評価結果を表2に示した。
ポリ乳酸系樹脂(III)の重合:
L−ラクチド600g、DL−ラクチド400g、ポリグリセリン100g、オクチル酸スズ250mgをフラスコに加え、窒素雰囲気下、180℃に加熱、2時間開環重合をさせ、その後、未反応モノマーを減圧下留去させることにより、ポリ乳酸系樹脂(III)を得た。分析結果を表1に示す。
上記樹脂1000gと酢酸エチル500g、酢酸ブチル500gをフラスコに加え60℃で5時間加熱撹拌することによりポリ乳酸系樹脂溶解物(III)を得た
上記ポリ乳酸系樹脂溶解物(III)100gと酸化チタン(白顔料)50g、コロネートHXR13.5gをペイントシェーカーに加え、1時間分散することにより、白塗料(III)を得た。
塗装板の作製および塗膜性能評価に関しては、実施例1と同様な評価を実施した。評価結果を表2に示した。
ポリ乳酸系樹脂(IV)の重合:
L−ラクチド600g、DL−ラクチド400g、ポリグリセリン10g、オクチル酸スズ250mgをフラスコに加え、窒素雰囲気下、180℃に加熱、2時間開環重合をさせ、その後、未反応モノマーを減圧下留去させることにより、ポリ乳酸系樹脂(IV)を得た。分析結果を表1に示す。
上記樹脂1000gと酢酸エチル500g、酢酸ブチル500gをフラスコに加え60℃で5時間加熱撹拌することによりポリ乳酸系樹脂溶解物(IV)を得た
上記ポリ乳酸系樹脂溶解物(IV)100gと酸化チタン(白顔料)50g、コロネートHXR1.4gをペイントシェーカーに加え、1時間分散することにより、白塗料(IV)を得た。
塗装板の作製および塗膜性能評価に関しては、実施例1と同様な評価を実施した。評価結果を表2に示した。
ポリ乳酸系樹脂(V)の重合:
L−ラクチド600g、DL−ラクチド400g、ポリグリセリン200g、オクチル酸スズ250mgをフラスコに加え、窒素雰囲気下、180℃に加熱、2時間開環重合をさせ、その後、未反応モノマーを減圧下留去させることにより、ポリ乳酸系樹脂(V)を得た。分析結果を表1に示す。
上記樹脂1000gと酢酸エチル500g、酢酸ブチル500gをフラスコに加え60℃で5時間加熱撹拌することによりポリ乳酸系樹脂溶解物(V)を得た
上記ポリ乳酸系樹脂溶解物(V)100gと酸化チタン(白顔料)50g、コロネートHXR27gをペイントシェーカーに加え、1時間分散することにより、白塗料(III)を得た。
塗装板の作製および塗膜性能評価に関しては、実施例1と同様な評価を実施した。評価結果を表2に示した。
ポリ乳酸系樹脂(VI)の重合:
L−ラクチド500g、メソラクチド300g、ε−カプロラクトン200g、ソルビトール30g、オクチル酸スズ250mgをフラスコに加え、窒素雰囲気下、180℃に加熱、2時間開環重合をさせ、その後、未反応モノマーを減圧下留去させることにより、ポリ乳酸系樹脂(VI)を得た。分析結果を表1に示す。
上記樹脂1000gと酢酸エチル500g、酢酸ブチル500gをフラスコに加え60℃で5時間加熱撹拌することによりポリ乳酸系樹脂溶解物(VI)を得た。
上記ポリ乳酸系樹脂溶解物(VI)100gと酸化チタン(白顔料)50g、コロネートHXR8.3gをペイントシェーカーに加え、1時間分散することにより、白塗料(VI)を得た。
塗装板の作製および塗膜性能評価に関しては、実施例1と同様な評価を実施した。評価結果を表2に示した。
Claims (8)
- L−乳酸とD−乳酸のモル比(L−乳酸/D−乳酸)のモル比が1〜9の範囲にあり、水酸基濃度が800eq/10 6 g〜2000eq/106gの範囲にあり、樹脂還元粘度が0.1dl/g〜0.3dl/gの範囲にあり、乳酸残基が85重量%以上であるポリ乳酸系樹脂(A)と溶剤(B)と硬化剤(C)と顔料(D)とからなることを特徴とするポリ乳酸系プラスチック塗料。
- ポリ乳酸系樹脂(A)の樹脂還元粘度が0.15dl/g〜0.24dl/gの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のポリ乳酸系プラスチック塗料。
- ポリ乳酸系樹脂(A)において、水酸基導入を行うためにポリグリセリンまたは/およびソルビトールを共重合させたことを特徴とする請求項1または2に記載のポリ乳酸系プラスチック塗料。
- ポリ乳酸系樹脂(A)において、D−乳酸がメソラクチド由来であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリ乳酸系プラスチック塗料。
- メソラクチドがバイオマス由来のL−乳酸水溶液を出発原料とし、L−乳酸オリゴマーを経てL−ラクチドを合成するプロセスにおいて、ラセミ化により副生成され、L−ラクチドと蒸留精製により分離されたメソラクチドであることを特徴とする請求項4に記載のポリ乳酸系プラスチック塗料。
- 溶剤(B)として酢酸プロピルまたは酢酸ブチルを用いることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のポリ乳酸系プラスチック塗料。
- 硬化剤(C)として脂肪族系の多官能イソシアネートを用いることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載のポリ乳酸系プラスチック塗料。
- バイオマス由来樹脂を25重量%以上含有するプラスチック筺体に、請求項1〜7いずれかに記載のプラスチック塗料を塗装したことを特徴とする着色筺体。
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