JP5417546B1 - コネクタ付きケーブル及び光電変換用基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮影した画像に基づく位置合わせ精度を向上させる。
【解決手段】光ファイバ3の端面及び基板30に平行な方向から基板30上に配置された光電変換素子41A、41B及び光ファイバ3を撮影した画像に基づいて、光ファイバ3と前記光電変換素子41A、41Bとの位置合わせを行う工程と、光ファイバ3の端面と光電変換素子41A、41Bとを光結合させる光結合部を形成する工程とを有する光結合方法である。光ファイバ3の端部における光ファイバ3の方向を前後方向とし、前記光ファイバ3から見て端面の側を前とし、逆側を後とするとき、複数の光電変換素子41A、41Bが前後方向の異なる位置に基板30上に配置されており、それぞれの光電変換素子41A、41Bに対して光ファイバ3の端面を光結合させる際に、端面が後側に配置される光ファイバ3TXから先に、光結合部を形成する。
【選択図】図11

Description

本発明は、コネクタ付きケーブル及び光電変換用基板に関する。
特許文献1には、基板上に配置された光電変換素子と、基板に平行に配置される光ファイバの端面とを光結合させる技術が開示されている。
特許文献2、3には、基板上に複数の光電変換素子を列状にレイアウトしたコネクタが開示されている。また、特許文献4には、基板上に複数の光電変換素子を千鳥状にレイアウトすることが開示されている。
国際公開公報WO2011/083812号 特開2012−88570号公報 特開2012−88571号公報 特開2010−191365号公報
基板に実装された光電変換素子に光ファイバの端面を光結合させる際に、光ファイバの被覆と基板との間を接着させることが行われる。このとき、光ファイバの接着強度が小さくならないように、接着対象となる光ファイバに対する接着面積を確保することが望ましい。
本発明は、光ファイバの数が増えても、接着対象となる光ファイバに対する接着面積を確保することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、複数の光ファイバを有するケーブルと、前記光ファイバの端面と光学的に結合された光電変換素子を実装する基板と、前記基板を収容するコネクタと、を備えるコネクタ付きケーブルであって、前記基板は、凹部を有し、前記凹部は、底面を残した状態で前記基板に形成されており、前記光ファイバの端部が前記基板の外側から前記凹部に沿って前記基板の内側に導かれて、前記光ファイバの前記端面と前記光電変換素子とが光結合されており、複数の前記光ファイバの被覆が1つの前記凹部の上に位置しており、前記凹部の前記底面と複数の前記光ファイバの前記被覆との間に接着剤が塗布されて、複数の前記光ファイバの前記被覆と前記基板との間が接着されていることを特徴とするコネクタ付きケーブルである。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、光ファイバの数が増えても、接着対象となる光ファイバに対する凹部の接着面積を確保することができる。
図1は、コネクタ付きケーブル1の斜視図である。 図2は、コネクタ10の分解斜視図である。 図3A及び図3Bは、端末部12の構成を説明するための斜視図である。 図4は、端末部12の親基板20から子基板30を外した状態の斜視図である。 図5は、本実施形態と比較例の光ファイバ3の末端部3Dの説明図である。 図6A及び図6Bは、子基板30の構成を説明するための斜視図である。 図7A及び図7Bは、子基板30に対する光ファイバ3の接着箇所の説明図である。 図8は、光ファイバ3の第1接着部である光結合部51の説明図である。 図9Aは、第3接着部53の断面図である。図9Bは、第1比較例の第3接着部53の断面図である。図9Cは、第2比較例の第3接着部53の断面図である。 図10A〜図10Eは、コネクタ付きケーブル1の製造方法の説明図である。 図11は、自動調心時の撮影方向の説明図である。 図12Aは、第1撮影部61のモニタ画像の説明図である。図12Bは、第2撮影部62のモニタ画像の説明図である。 図13A〜図13Fは、2本の光ファイバ3を子基板30に接着する様子の説明図である。 図14Aは、比較例の説明図である。図14Bは、比較例における第1撮影部61のモニタ画像の説明図である。 図15A及び図15Bは、第2実施形態の説明図である。図15Aは、第1撮影部61が1本目の光ファイバ3の端部を撮影している様子の説明図である。図15Bは、第1撮影部61が2本目の光ファイバ3の端部を撮影している様子の説明図である。 図16A及び図16Bは、第3実施形態の説明図である。
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
光ファイバの端面及び基板に平行な方向から前記基板上に配置された光電変換素子及び前記光ファイバを撮影した画像に基づいて、前記光ファイバと前記光電変換素子との位置合わせを行う工程と、前記光ファイバの端面と前記光電変換素子とを光結合させる光結合部を形成する工程とを有する光結合方法であって、前記光ファイバの端部における前記光ファイバの方向を前後方向とし、前記光ファイバから見て前記端面の側を前とし、逆側を後とするとき、複数の前記光電変換素子が前記前後方向の異なる位置に前記基板上に配置されており、それぞれの前記光電変換素子に対して前記光ファイバの前記端面を光結合させる際に、前記端面が後側に配置される前記光ファイバから先に、前記光結合部を形成することを特徴とする光結合方法が明らかとなる。
このような光結合方法によれば、撮影した画像に基づく光ファイバと光電変換素子との位置合わせの精度が向上する。
前記画像を撮影する撮影部から見て奥側に配置される前記光電変換素子ほど後側に前記光電変換素子が前記基板上に配置されており、前記撮影部から見て奥側に配置される前記光ファイバから先に、前記光結合部が形成されることが望ましい。これにより、後側に配置される光ファイバの奥側に大きなスペースを確保できる。
複数の前記光電変換素子は、発光素子及び受光素子であり、前記発光素子は、前記受光素子よりも、後側に配置されており、前記受光素子の信号を増幅するアンプ素子が、前記発光素子よりも前記受光素子の近くに配置されるとともに、前側から見たときに前記発光素子と前記受光素子との間に配置されることが望ましい。これにより、S/N比が向上するとともに、基板上のスペースを有効活用できる。
前記基板は、凹部を有し、前記光ファイバの端部が前記基板の外側から前記凹部に沿って前記基板の内側に向かって導かれて、前記光ファイバの前記端面と前記光電変換素子とが光結合されるとともに、前記光ファイバの被覆の一部が前記凹部の上に位置しており、前記凹部において、前記光ファイバの前記被覆と前記基板との間が接着されていることが望ましい。これにより、光ファイバの被覆と基板との間の接着が容易になる。
前記凹部は、底面を残した状態で前記基板に形成されており、前記凹部の前記底面と前記光ファイバの前記被覆との間に、接着剤が塗布されていることが望ましい。これにより、接着剤が基板の裏面に流れることを防止できる。
前記光ファイバの前記被覆と前記基板との間に接着剤が塗布された接着部と、前記光結合部との間に、別の接着部が形成されていることが望ましい。これにより、光結合部の損傷を抑制できる。
前記別の接着部において、第1の量で接着剤が塗布された後、その後側に前記第1の量よりも多い第2の量で接着剤が塗布されることが望ましい。これにより、光結合部に接着剤が流れ込むことを抑制できる。
前記別の接着部において、前記光ファイバの径が変化する境界部に接着剤が塗布されることが望ましい。これにより、境界部での応力集中が緩和され、光ファイバの損傷を抑制できる。
光ファイバの端面及び基板に平行な方向から前記基板上に配置された光電変換素子及び前記光ファイバを撮影した画像に基づいて、前記光ファイバと前記光電変換素子との位置合わせを行う工程と、前記光ファイバの端面と前記光電変換素子とを光結合させる光結合部を形成する工程と、前記光ファイバを有するケーブルの端部において、前記基板を収容するコネクタを取り付ける工程とを有するコネクタ付きケーブルの製造方法であって、前記光ファイバの端部における前記光ファイバの方向を前後方向とし、前記光ファイバから見て前記端面の側を前とし、逆側を後とするとき、複数の前記光電変換素子が前記前後方向の異なる位置に前記基板上に配置されており、それぞれの前記光電変換素子に対して前記光ファイバの前記端面を光結合させる際に、前記端面が後側に配置される前記光ファイバから先に、前記光結合部を形成することを特徴とするコネクタ付きケーブルの製造方法が明らかとなる。
このような製造方法によれば、撮影した画像に基づく光ファイバと光電変換素子との位置合わせの精度が向上する。
===第1実施形態===
<構成>
図1は、コネクタ付きケーブル1の斜視図である。図2は、コネクタ10の分解斜視図である。ここでは、一例として、コネクタ付きケーブル1はカメラリンクインターフェースに適合する構成としている。
以下の説明では、図に示すように、ケーブル方向、上下方向、幅方向を定義する。すなわち、コネクタ10から真っ直ぐ延び出たときの複合ケーブル2の方向を「ケーブル方向」とする。また、親基板20(若しくは子基板30)の法線方向を「上下方向」とする。また、ケーブル方向及び上下方向に垂直な方向を「幅方向」とする。
コネクタ付きケーブル1は、複合ケーブル2と、複合ケーブル2の端部に設けられたコネクタ10とを有する。
複合ケーブル2は、2本の光ファイバ3と、複数の信号線5(例えば差動信号線)とを有する。また、複合ケーブル2は、2本の電源線6(図3B参照)も有する。光ファイバ3は、光信号を伝送するためのものである。以下の説明では、光ファイバコード、光ファイバ心線、光ファイバ素線及び光ファイバ裸線等も単に「光ファイバ」と呼ぶことがある。また、後述する送信用光ファイバ及び受信用光ファイバのことを単に「光ファイバ」と呼ぶことがある。信号線5は、電気信号を伝送するメタルケーブルから構成されている。2本の電源線6は、信号線5と比べると太いメタルケーブルから構成されており、一方の電源線6の電位は例えば12Vであり、他方の電源線6の電位はGNDである。
コネクタ10は、ハウジング11と端末部12とを備える。
ハウジング11は、電子部品である端末部12を覆う部材である。ハウジング11は、ケース11Aとカバー11Bとを有する。ケース11Aに端末部12を収容した後、カバー11Bでケース11Aの収容部を覆い、両者をネジ留めすることになる。
図3A及び図3Bは、端末部12の構成を説明するための斜視図である。図4は、端末部12の親基板20から子基板30を外した状態の斜視図である。
端末部12は、親基板20と、子基板30と、端子部14とを備える。親基板20及び子基板30は、プリント回路基板である。親基板20の一端には端子部14が接続されている。端子部14には、例えば26ピンコネクタ端子が設けられている。親基板20の他端側には、複合ケーブル2が配置されている。
親基板20の複合ケーブル2側には、幅方向に並ぶスルーホール21の列が3列ある。これらのスルーホール21は、複合ケーブル2の信号線5を半田付けするための貫通孔である。表面実装ではなく、スルーホール接続を採用した理由は、複合ケーブル2に張力がかかっても親基板20から信号線5を外れにくくするためである。
複合ケーブル2側のスルーホール列のスルーホール21と、残りのスルーホール21とでは、半田付けの方向が逆になっている。これにより、親基板20の両側に信号線5を分散させることができ、狭い領域における信号線5の接続作業が容易になる。また、親基板20の両側から信号線5をスルーホール接続することによって、信号線5に張力がかかっても親基板20から信号線5が外れにくくなる。なお、複合ケーブル2側のスルーホール列のスルーホール21に接続された信号線5の被覆の上に光ファイバ3が配線されている。これにより、光ファイバ3が半田のエッジに接触せず、損傷せずに済む。
親基板20の端子部14の近くには、複合ケーブル2の電源線6を半田付けするための2個のスルーホールが形成されている。この2個のスルーホールを端子部14の近くに形成することにより、電源配線パターンを極力減らすことができる。
親基板20には、2ピンヘッダ用の2個のスルーホールと、10ピンヘッダ用の10個のスルーホールとが、それぞれケーブル方向に並んで形成されている(図4では、親基板20の形状を示すため、ピンヘッダを不図示としている)。親基板20がハウジング11に収納されたときに、ピンヘッダ(不図示)とハウジング11の内面との間に光ファイバ3が配線される。
親基板20の縁には凹所24が形成されている。親基板20がハウジング11に収納されると、親基板20の縁(ケーブル方向に平行な縁、幅方向の端)とハウジング11の内面との間には殆ど隙間が無い状態になるが、凹所24では、ハウジング11の内面との間に隙間が形成される。この隙間に光ファイバ3が配線されることによって、親基板20の上下両側で光ファイバ3の余長処理が可能になる。
光ファイバ3は、ハウジング11内をおよそ2周回されて余長処理されている。このため、光ファイバ3は、ハウジング11内において、ケーブル方向の向きを3回変えるように取り回されている。この結果、ハウジング11内の光ファイバ3には、U字状に湾曲させた湾曲部が3箇所ある。ここでは、3つの湾曲部のことを、複合ケーブル2の口出し部から光ファイバ3の端部に向かって順に、第1湾曲部3A、第2湾曲部3B、第3湾曲部3Cと呼ぶことがある。U字状に湾曲させた湾曲部があるため、複合ケーブル2に張力が加えられても、光ファイバ3の端部の光結合部51まで張力は伝わらず、光ファイバ3や光結合部51の損傷を抑制できる。
3つの湾曲部のうちの2つの湾曲部(第1湾曲部3Aと第3湾曲部3C)は、複合ケーブル2と反対側(端子部14側)に位置する。この2つの湾曲部は、親基板20を挟んで反対側に位置している。これにより、親基板20の一方側で湾曲部が嵩張らずに済むため、光ファイバ3を動かないように保持することが容易になる。
図5は、本実施形態と比較例の光ファイバ3の末端部3Dの説明図である。末端部3Dは、光ファイバ3の第3湾曲部3Cと光結合部51との間の部分である。
狭いハウジング11内において光ファイバ3をU字状に湾曲させる場合、湾曲部の始点と終点は、いずれもハウジング11の内面のごく近くに位置することになる。一方、子基板30に光電変換素子41(発光素子41A又は受光素子41B)を実装するためには、光結合部51は、ハウジング11の内面から離して位置させる必要がある。このため、第3湾曲部3Cよりも先の末端部3Dにおいて、ハウジング11の内面の近くの位置から、ハウジング11の内面から離れた位置まで、光ファイバ3を配線する必要がある。
比較例では、光結合部51での光ファイバ3の方向がケーブル方向と平行になっている。このため、比較例では、第3湾曲部3Cよりも先の末端部3Dにおいて、光ファイバ3を2回曲げる必要があり、この結果、コネクタ10のケーブル方向の寸法が長くなってしまう。
これに対し、本実施形態では、光結合部51での光ファイバ3の方向がケーブル方向に対して角度θだけ斜めになっている(θは、鋭角(0°<θ<90°の範囲内)であり、ここでは45°である)。これにより、本実施形態では、第3湾曲部3Cよりも先の末端部3Dにおいて、光ファイバ3を1回曲げるだけで良い。このため、本実施形態では、末端部3Dのケーブル方向の寸法を短くでき、コネクタ10の小型化を図ることができる。
また、比較例では、末端部3Dにおいて光ファイバ3がS字状に曲げられており、末端部3Dにおける光ファイバ3の2箇所の曲げ方向が異なっている(図に示すように上から見たときに、光ファイバ3の端面に向かう方向について、反時計回りに曲がる箇所と、時計回りに曲がる箇所とがある)。この比較例のように、曲げ方向の異なる部分が隣接していると、光ファイバ3が動きやすくなってしまう。
これに対し、本実施形態では、末端部3Dでは光ファイバ3が1回曲がるだけなので、末端部3Dでは、曲げ方向の異なる部分が隣接することが無い。このため、比較例と比べて、末端部3Dでは光ファイバ3が動き難い状態になる。
更に本実施形態では、末端部3Dでの光ファイバ3の曲げ方向が、第3湾曲部3Cでの光ファイバ3の曲げ方向と、同じ方向になる。図に示すように上から見たときに、光ファイバ3の端面に向かう方向について、光ファイバ3は、第3湾曲部3Cでも末端部3Dでも反時計回りに曲がっている。これにより、光ファイバ3の曲げ弾性力の働きによって、光ファイバ3が極めて動き難い構成になる。
図6A及び図6Bは、子基板30の構成を説明するための斜視図である。ここでは図面の簡略化のため、光ファイバ3を子基板30に接着する接着剤は不図示である。
以下の説明では、図に示すように、前後、上下、左右を定義する。すなわち、光ファイバ3の端部における光ファイバ3の方向(光ファイバ3の光軸方向)を「前後方向」とし、光ファイバ3から見て端部の側を「前」とし、逆側を「後」とする。また、子基板30の法線方向に沿って「上下方向」を定義し、子基板30から見て光電変換素子41(発光素子41A又は受光素子41B)のある側を「上」とし、逆側を「下」とする。また、前後方向及び上下方向と垂直な方向を「左右方向」とし、上下の位置を合わせた状態で前側から見て「右」と「左」を定義する。
子基板30は、2ピンヘッダ及び10ピンヘッダを介して、親基板20の上側に搭載される。このため、子基板30にも、2ピンヘッダ用スルーホールと、10ピンヘッダ用スルーホールとが形成されている。
子基板30には、光電変換素子41である発光素子41A及び受光素子41Bが実装されている。また、子基板30には、光電変換素子以外の素子としてドライバ素子42及びアンプ素子43が実装されている。発光素子41Aは、LD(Laser Diode:レーザダイオード)である。本実施形態では、発光素子41Aとして、基板に垂直な光を出射するVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:垂直共振器面発光レーザ)が採用されている。発光素子41Aは、ドライバ素子42によって発光制御され、光信号を光ファイバ3に出力する。受光素子41Bは、PD(Photo Diode:フォトダイオード)である。本実施形態では、受光素子41Bとして、GaAsのPIN型フォトダイオード(PIN−PD)が採用されている。受光素子41Bは、受信信号をアンプ素子43に出力し、アンプ素子43は、受光素子41Bの受信信号を増幅する。
子基板30の複数の光電変換素子41(発光素子41A及び受光素子41B)は、それぞれ前後方向の異なる位置に配置されている。このため、それぞれの光電変換素子41に光結合される光ファイバ3の端面3Eも、それぞれ前後方向の異なる位置に配置されている。ここでは、右側(後述する第1撮影部61から見て奥側)の発光素子41Aの方が、左側の受光素子41Bよりも後側に配置されている。発光素子の右側(後述する第1撮影部61から見て奥側)には、ドライバ素子42が配置されている。アンプ素子43は、発光素子41Aよりも受光素子41Bの近くに配置されている。これにより、発光制御時のノイズが受信信号に与える影響を軽減させ、S/N比を向上させている。また、アンプ素子43は、前側から見て発光素子41Aと受光素子41Bとの間に配置されている。これにより、アンプ素子43をできるだけ受光素子41Bに近づけつつ、子基板30上のスペースを有効活用している。
子基板30には、凹部35が形成されている。凹部35は、光ファイバ3の端面3Eを光電変換素子41(発光素子41A又は受光素子41B)と光結合させる際に、光ファイバ3の被覆が子基板30と干渉することを回避するために形成された凹状の部位である。凹部35を形成することにより、光ファイバ3の端面3Eから被覆までの長さLを短くでき、光ファイバ3の損傷を抑制できる。また、光ファイバ3の被覆の一部を凹部35の底面35A上に配置でき、子基板30と光ファイバ3の被覆との間を接着固定することができる(後述)。
凹部35の内面として、底面35Aと、側面35Bとが形成されている。
凹部35の底面35Aは、子基板30と平行な面である。凹部35に底面35Aを残すことによって、子基板30と光ファイバ3の被覆との間を接着固定する際に、接着剤が子基板30の裏面に流れることが防止される。上から見ると、子基板30の上側の光ファイバ3の全ての被覆は、凹部35の底面35A上に配置されている。
凹部35の側面35Bは、子基板30と垂直な面である。子基板30の光電変換素子41(発光素子41A及び受光素子41B)から凹部35の側面35Bまでの間の距離がほぼ等しくなるように、凹部35の前側の側面35Bは、対応する光ファイバ3の位置に応じて、前後方向の位置が異なっている。具体的には、凹部35の前側の側面35Bのうち、左側の光ファイバ3に対応する側面35Bは、右側の光ファイバ3に対応する側面35Bよりも、前側に形成されている。このため、左側の光ファイバ3に対応する凹部35の前後方向の長さが、右側の光ファイバ3に対応する凹部35の前後方向の長さよりも長くなる。これにより、2本の光ファイバ3の端面3Eの前後方向の位置を異ならせているにも関わらず、2本の光ファイバ3の端面3Eから被覆までの長さLが同じであっても、光ファイバ3の被覆が子基板30と干渉することを回避できる。したがって2本の光ファイバ3の端面3Eから被覆までの長さLを同じにすることが許容されるため、同じ工具を用いて2本の光ファイバ3を口出し処理することが可能である。
子基板30の側辺近傍の凹部35の側面35Bは、前後方向に沿って形成されており、ケーブル方向に対して斜めに形成されている。ここでは、子基板30の側辺近傍の凹部35の側面35Bは、ケーブル方向に対して45°だけ斜めになっている。これにより、光ファイバ3が、ケーブル方向に対して鋭角をなすように子基板30に接続されることになる(図5参照)。
図7A及び図7Bは、子基板30に対する光ファイバ3の接着箇所の説明図である。ここでは、説明の簡略化のため、光ファイバ3を1本にして図示している。
光ファイバ3は、子基板30に対して、3箇所で接着されている。第1接着部は、光ファイバ3の端面と、子基板30に実装された光電変換素子41(発光素子41A又は受光素子41B)との間の光結合部51である。第2接着部52は、光ファイバ素線(直径0.25mm)と光ファイバ裸線(直径0.125mm)の境界部と、子基板30の上面との間の接着箇所である。第3接着部53は、光ファイバ3の被覆と子基板30の凹部35との間の接着箇所である。
なお、光ファイバ心線(被覆を含む光ファイバ3)は直径0.9mmであり、光ファイバ素線(被覆を除去した光ファイバ3)は直径0.25mmであり、光ファイバ3の端部の光ファイバ裸線(ガラス部)は直径0.125mmである。子基板30に実装された光電変換素子41(発光素子41A又は受光素子41B)の高さは0.2mmである。子基板30の上下方向の寸法(厚さ)は1.0mmである。凹部35の底面35Aと子基板30の上面との間の上下方向の寸法は0.5mmに設定されている(つまり、凹部35における子基板30の厚さは0.5mmである)。
図8は、光ファイバ3の第1接着部である光結合部51の説明図である。光ファイバ3の光軸は子基板30とほぼ平行な前後方向であり、光電変換素子41の光軸は子基板30の面にほぼ垂直な上下方向であるため、互いの光軸はほぼ直交している。また、光ファイバ3の端面3Eは、光ファイバ3の光軸と直交する面である。
第1接着部である光結合部51は、伝送される光に対して透明な樹脂から構成されている。光が伝送される樹脂内の光路が短いため、光結合部51を構成する樹脂は、ある程度の透明性が有れば良い。光結合部51は、光ファイバ3の端面3Eの全面を覆い、光ファイバ3の上部まで付着している。但し、光結合部51は光ファイバ3のコアの全断面を覆っていれば良く、光ファイバ3の端面3Eを完全に覆っていなくても良い。同様に、光結合部51は、光電変換素子41の発光面(又は受光面)を覆っていれば良く、光電変換素子41の上面を完全に覆っていなくても良い。光結合部51の外面は、光結合部51を構成する透明樹脂と外部の気体(空気、窒素など)との界面を形成しており、この界面で光が反射することによって光ファイバ3の端面3Eと光電変換素子41とが光結合することになる。光ファイバ3の端面3Eと光電変換素子41との間が単一の透明樹脂で構成された光結合部51で光結合されるため、極めて低コストに、かつ簡易な工程で光結合部51を作成可能である。なお、第1接着部は光ファイバ3と光電変換素子41とを光結合させるためには、透明樹脂を塗布する際に光ファイバ3の端面3Eと光電変換素子41とを高精度に位置合わせする必要がある(後述)。
第2接着部52は、光結合部51と第3接着部53との間の接着箇所である。
仮に、第2接着部52が無く、光結合部51と第3接着部53の2箇所だけで光ファイバ3を接着する場合、第3接着部53を中心にして光ファイバ3を回転させる外力が加わると(第3湾曲部3Cがあるため、特にこのような力がかかりやすい)、光結合部51に力が伝わりやすい。これに対し、図7Aのように第2接着部52がある場合(接着箇所が3つの場合)、第3接着部53を中心にして光ファイバ3を回転させる外力が加わっても、第2接着部52で光ファイバ3の動きが抑えられるため、光結合部51には力が伝わりにくい。
また、第2接着部52では、光ファイバ素線と光ファイバ裸線との境界部に接着剤が塗布される。光ファイバ素線は直径0.25mmであり、光ファイバ裸線は直径0.125mmであるため、光ファイバ素線と光ファイバ裸線との境界部に段差があり、この段差の周囲に接着剤が塗布される。これにより、境界部での応力集中が緩和され、段差から光ファイバ3が損傷することが抑制される。
また、第2接着部52では、接着剤が小ドット及び大ドットの2つのドットにより塗布される。小ドットは、大ドットよりも光結合部51寄り(前側)に塗布された少量の接着剤である。大ドットは、小ドットよりも後側に塗布された接着剤である。小ドットは、大ドットの接着剤が光結合部51に流れることを堰き止める機能を有する。大ドットは、第2接着部52の主な機能を果たす。
図9Aは、第3接着部53の断面図である。ここでは、2本の光ファイバ3とも被覆がある箇所での断面図が示されている。
第3接着部53は、光ファイバ3の被覆と子基板30の凹部35との間の接着箇所である。第3接着部53で光ファイバ3を強固に固定してしまうと、光ファイバ3に曲げ応力が作用したときに線路損失の増加や光ファイバ3の破断を招くため、第3接着部53の接着剤には、ストレインリリーフとなる弾性樹脂が用いられており、ここではシリコン樹脂が採用されている。なお、第2接着部52で光ファイバ3の動きが抑えられるため、第3接着部53に弾性樹脂が用いられることが許容されている。
図9Bは、第1比較例の第3接着部53の断面図である。ここでは、説明の簡略化のため、光ファイバ3の数を1本にして図示している。
第1比較例では、凹部35に底面35Aが残っておらず、凹部35が切り込みとして子基板30に形成されている。第1比較例のように凹部35に底面35Aが無い場合、そのまま弾性樹脂を塗布すると、子基板30の裏面に弾性樹脂が流れ込んでしまう。このため、凹部35に底面35Aが無い場合には、図示するようにテープ等で凹部35の底をふさぐ必要がある。これに対し、本実施形態の凹部35は、図9Aに示すように底面35Aがあるため、そのまま弾性樹脂を塗布することができる(この効果自体は、光ファイバ3が1本であっても奏することができる)。
図9Cは、第2比較例の第3接着部53の断面図である。
第2比較例においても、凹部35に底面が残っておらず、凹部35が切り込みとして子基板30に形成されている。第2比較例のように底面の無い凹部35に複数本(ここでは2本)の光ファイバ3を接着しようとすると、接着剤の塗布量が多くなってしまい、均一に塗布することが困難になる。また、第2比較例では、凹部35の底のテープは光ファイバ3から離れているため光ファイバ3の固定に寄与しにくく、光ファイバ3の固定に寄与する凹部35は側面35Bだけになり、光ファイバ3の固定に寄与する凹部35の接着面積が少なくなる。特に、光ファイバ3の数が3本以上になった場合、中央に配置される光ファイバ3の固定に寄与する凹部35の接着面積がほとんどなく、中央に配置される光ファイバ3の接着強度が極端に小さくなるおそれがある。これに対し、本実施形態の凹部35は、図9Aに示すように底面35Aが光ファイバ3の固定に寄与するため、仮に光ファイバ3の数が増えても、接着対象となる光ファイバ3に対する凹部35の接着面積を十分に確保できる。
<製造方法>
図10A〜図10Eは、コネクタ付きケーブル1の製造方法の説明図である。
まず、作業者は、複合ケーブル2を用意し(図10A参照)、複合ケーブル2の端部を口出しする(図10B参照)。この口出し処理では、複合ケーブル2の端部のシースが取り除かれて、2本の光ファイバ3(及び信号線5と電源線6)が取り出される。本実施形態では、光ファイバ3がコネクタ10内で2周回させて余長処理できる長さになるように、複合ケーブル2から2本の光ファイバ3がそれぞれ取り出される。
複合ケーブル2の端部で口出し処理が行われた後、作業者は、光ファイバ3の端部に前処理を施す。このとき、作業者は、工具を用いて光ファイバ心線(直径0.9mm)の被覆を除去して光ファイバ素線(直径0.25mm)及び光ファイバ裸線(直径0.125mm)を取り出し、光ファイバ裸線の端部をカットして光ファイバ3を端面処理する。光ファイバ3の端面から心線の被覆までの長さはLである。
次に、作業者は、光ファイバ3の端部を子基板30に取り付ける(図10C参照)。このとき、光ファイバ3と子基板30が自動調心機にセットされ、子基板30に搭載された光電変換素子41(発光素子41A又は受光素子41B)と光ファイバ3の端面とが自動調心され、光結合部51が形成される(図8参照)。
図11は、自動調心時の撮影方向の説明図である。図12Aは、第1撮影部61のモニタ画像の説明図である。図12Bは、第2撮影部62のモニタ画像の説明図である。
図に示すように、自動調心機にセットされた光ファイバ3は、子基板30に平行に配置される。光ファイバ3が子基板30に対して粗く位置合わせされて(粗調整)、光ファイバ3の端面3Eが光電変換素子41とともに第1撮影部61及び第2撮影部62の撮影範囲内に入った後、自動調心機は、第1撮影部61及び第2撮影部62のモニタ画像の解析結果に基づいて、光ファイバ3の端面3Eを光電変換素子41に対して、前後方向、上下方向及び左右方向に高精度に位置合わせし(微調整)、透明樹脂を塗布して光結合部51を形成する。
第1撮影部61は、左側から光ファイバ3の端部及び光電変換素子41を撮影する。自動調心機は、第1撮影部61のモニタ画像を解析し(図12A参照)、光ファイバ3の下縁のライン(前後方向にほぼ平行なライン)と、この画像の光電変換素子41の上面のライン(前後方向にほぼ平行なライン)とに基づいて、光ファイバ3と光電変換素子41との上下方向の相対位置を微調整する。また、自動調心機は、第1撮影部61のモニタ画像を解析し、光ファイバ3の端面3Eのライン(上下方向にほぼ平行なライン)と、光電変換素子41の後端面のライン(上下方向にほぼ平行なライン)とに基づいて、光ファイバ3と光電変換素子41との前後方向の相対位置を微調整する。
図12Aに示すように、左側(光ファイバ3の端面3E及び子基板30に平行な方向)から光ファイバ3を撮影すると、光ファイバ3の下縁のラインを撮影できるため、光ファイバ3の上下方向の位置(若しくは端面3Eの上下方向の位置)を特定しやすくなる。仮に光ファイバ3を前側や上側から撮影した場合には、光ファイバ3の下縁のラインを撮影することができず、光ファイバ3の下縁のラインに基づく位置合わせはできない。なお、光ファイバ3の下縁の代わりに、光ファイバ3の上縁のラインに基づいて、光ファイバ3の上下方向の位置を特定しても良い。
第2撮影部62は、前側から光ファイバ3の端部及び光電変換素子41を撮影する。自動調心機は、第2撮影部62のモニタ画像を解析し(図12B参照)、光ファイバ3の端面3Eのエッジと、この画像の光電変換素子41の左右端面のエッジとに基づいて、光ファイバ3と光電変換素子41との左右方向の相対位置を微調整する。
なお、第2撮影部62は、前側からではなく、上側から光ファイバ3の端部及び光電変換素子41を撮影しても良い。上側から撮影した場合でも、自動調心機は、第2撮影部62のモニタ画像を解析し、光ファイバ3と光電変換素子41との左右方向の相対位置を調整することが可能である。この場合、第1撮影部61のモニタ画像の代わりに、上側から撮影したモニタ画像に基づいて、前後方向の相対位置を微調整しても良い。また、前側から撮影する第2撮影部62を残したまま、更に上側から撮影する第3撮影部が設けられても良い。
図13A〜図13Fは、2本の光ファイバ3を子基板30に接着する様子の説明図である。
本実施形態では、自動調心機は、端面が後側に配置される光ファイバ3から先に光結合部51を形成する。ここでは、右側に配置される送信用光ファイバ3TXの方が、左側に配置される受信用光ファイバ3RXよりも端面が後側に配置されるため、図13Aに示すように、右側に配置される送信用光ファイバ3TXと発光素子41Aとの光結合部51が先に形成される。
送信用光ファイバ3TXと発光素子41Aとの光結合部51の形成後、この光結合部51の損傷を抑制するため、自動調心機は、送信用光ファイバ3TXの第2の接着箇所に接着剤を塗布して、第2接着部52を形成する。このとき、まず光結合部51寄りに少量の接着剤で小ドットが形成され(図13B参照)、次に小ドットの後側に大ドットが形成される(図13C参照)。これにより、第2接着部52に塗布される接着剤(主に大ドットの接着剤)が光結合部51に流れ込むことが抑制され、光結合部51の透明樹脂と外部の気体との界面に第2接着部52の接着剤が付着して光結合部51の機能が損なわれることが防止される。
送信用光ファイバ3TXの光結合部51及び第2接着部52の形成後、第3接着部53が形成される前に、自動調心機は、受信用光ファイバ3RXの光結合部51を形成する。但し、この段階では送信用光ファイバ3TXの第3湾曲部3Cが形成される前であるため、光結合部51を損傷されるほどの外力が光ファイバ3に加わらないので、送信用光ファイバ3TXの第3接着部53を形成する前に受信用光ファイバ3RXの光結合部51を形成することは許容されている。
2本目の光ファイバ3(受信用光ファイバ3RX)の端面は、1本目の光ファイバ3(送信用光ファイバ3TX)の端面よりも前側に配置される。このため、図13Dに示すように、第1撮影部61が受信用光ファイバ3RXの端部を左側から撮影したときに、第1撮影部61のモニタ画像に送信用光ファイバ3TXが入り込まずに済む。この結果、第1撮影部61のモニタ画像に基づく受信用光ファイバ3RXと受光素子41Bとの上下方向の位置合わせ精度が向上する。以下、この理由について説明する。
図14Aは、比較例の説明図である。図14Bは、比較例における第1撮影部61のモニタ画像の説明図である。比較例では、受信用光ファイバ3RXの端面が送信用光ファイバ3TXの端面よりも後側に配置されるにも関わらず、送信用光ファイバ3TXと発光素子41Aとの光結合部51の形成後に、受信用光ファイバ3RXの端面と受光素子41Bとの光結合部51を形成している。
図14Aに示すように、受信用光ファイバ3RXの端部の右側には、送信用光ファイバ3TXが配置されている(比較例では、受信用光ファイバ3RXの端面が送信用光ファイバ3TXの端面よりも後側に配置されるため)。このため、第1撮影部61が左側から受信用光ファイバ3RXの端部を撮影すると、図14Bに示すように、第1撮影部61から見て奥側の送信用光ファイバ3TXがモニタ画像に入り込んでしまう。この段階では、受信用光ファイバ3RXは粗く位置合わせされているため、受信用光ファイバ3RXが目標位置よりも若干上側に位置することがあり、自動調心機は、モニタ画像の送信用光ファイバ3TXの下縁のラインを、受信用光ファイバ3RXの下縁のラインとして誤認識してしまう。若しくは、受信用光ファイバ3RXの端部の右側に送信用光ファイバ3TXの光ファイバ素線(直径0.25mm)があると、自動調心機は、モニタ画像内の送信用光ファイバ3TXの光ファイバ素線の下縁のラインを、受信用光ファイバ3RXの下縁のラインとして誤認識してしまう。この結果、受信用光ファイバ3RXの端面と受光素子41Bとの上下方向の位置合わせ精度が低下してしまう。
なお、2本の光ファイバ3や2個の光電変換素子41(発光素子41A及び受光素子41B)の配置を第1実施形態と同じにしたまま、左側に位置する受信用光ファイバ3RXの光結合部51を先に形成した場合には、2本目の送信用光ファイバ3TXの端部が受信用光ファイバ3RXに隠れてしまい、第1撮影部61が送信用光ファイバ3TXの端部を撮影できなくなる。
上記のような理由から、本実施形態では、端面が後側に配置される送信用光ファイバ3TXから先に、光ファイバ3の端面3Eと光電変換素子41との光結合部51を形成している。これにより、後から光結合部51が形成される受信用光ファイバ3RXを第1撮影部61で撮影したときに、第1撮影部61のモニタ画像に送信用光ファイバ3TXが入り込まずに済むため、第1撮影部61のモニタ画像に基づく受信用光ファイバ3RXの端面と受光素子41Bとの上下方向の位置合わせ精度が向上する。
自動調心機は、第1撮影部61及び第2撮影部62のモニタ画像に基づく受信用光ファイバ3RXの端面と受光素子41Bとの位置合わせ(微調整)の後、受信用光ファイバ3RXの端面と受光素子41Bとの光結合部51を形成し、受信用光ファイバ3RXの第2の接着箇所に接着剤を塗布して第2接着部52を形成する(図13E参照)。受信用光ファイバ3RXの光結合部51と第2接着部52の形成方法は、送信用光ファイバ3TXの場合と同様なので、ここでは説明を省略する。
送信用光ファイバ3TX及び受信用光ファイバ3RXのそれぞれの光結合部51及び第2接着部52の形成後、作業者は、第3の接着箇所に弾性樹脂を塗布して、第3接着部53を形成する(図13F参照)。2本の光ファイバ3の第3接着部53を一緒に形成するため、工程数を減らすことができる。なお、作業者の手で第3接着部53を形成するのではなく、自動調心機で自動的に第3接着部53を形成しても良い。
2本の光ファイバ3の端部を子基板30に取り付けた後(図10C参照)、作業者は、信号線5及び電源線6を親基板20に半田付けする(図10D参照)。なお、親基板20には、予め端子部14が接続されている。本実施形態では、親基板20と子基板30とが分離しているため、親基板20に信号線5や電源線6を半田付けする際に、半田ごてで光ファイバ3を損傷させずに済み、フラックス等の飛散によって光結合部51を汚さずに済む。
次に、作業者は、親基板20と子基板30とを接続する(図10E参照)。このとき、光ファイバ3の配線が行われる。本実施形態では、親基板20と子基板30とが分離しているため、光ファイバ3を2周回させる配線(余長処理)が容易である。光ファイバ3の配線後、作業者は、2ピンヘッダ及び10ピンヘッダを介して親基板20に子基板30を搭載し、2ピンヘッダ及び10ピンヘッダの各ピンを半田付けすることによって、親基板20と子基板30とを電気的に接続し、端末部12を完成させる。このとき、子基板30に保護カバー16(図3A参照)を取り付けておけば、半田ごてで光ファイバ3を損傷させずに済み、フラックス等の飛散によって光結合部51を汚さずに済む。
端末部12の完成後、作業者は、端末部12をハウジング11内に収容する。つまり、光ファイバ3を有する複合ケーブル2の端部において、子基板30(及び親基板20)を収容するコネクタ10を取り付ける。これにより、コネクタ付きケーブル1が完成する。
<小括>
本実施形態によれば、2つの光電変換素子41(発光素子41A及び受光素子41B)が前後方向の異なる位置に子基板30に配置されており、それぞれの光電変換素子41に対して光ファイバ3の端面3Eを光結合させる際に、端面が後側に配置される送信用光ファイバ3TXから先に光結合部51が形成される(図11、図13A〜図13F参照)。これにより、2本目の光ファイバ3(受光用光ファイバ3)の光結合部51の形成の際に第1撮影部61が受信用光ファイバ3RXの端部を左側(光ファイバ3の端面3E及び子基板30に平行な方向)から撮影したときに、第1撮影部61のモニタ画像に送信用光ファイバ3TXが入り込まずに済む(図12A参照、比較例として図14B参照)。この結果、第1撮影部61のモニタ画像に基づく受信用光ファイバ3RXと受光素子41Bとの上下方向の位置合わせ精度が向上する。
また、本実施形態によれば、第1撮影部61から見て奥側(右側)に配置される光電変換素子41ほど後側になるように光電変換素子41が子基板30上に配置されており、第1撮影部61から見て奥側に配置される光ファイバ3から先に光結合部51が形成されている(図11、図13A〜図13F参照)。これにより、後側に配置される送信用光ファイバ3TXの右側の子基板30上に大きなスペースを確保でき、例えばドライバ素子42のような大きな素子を配置できるようになる。
また、本実施形態によれば、発光素子41Aが受光素子41Bよりも後側に配置されており、受光素子41Bの信号を増幅するアンプ素子43が、発光素子41Aよりも受光素子41Bの近くに配置されている。これにより、発光制御時のノイズが受信信号に与える影響を軽減させ、S/N比を向上させることができる。更に、本実施形態では、アンプ素子43を受光素子41Bの近くに配置させる際に、前側から見てアンプ素子43が発光素子41Aと受光素子41Bとの間に配置されている。これにより、子基板30上のスペースを有効に活用できる。また、前側から見てアンプ素子43が発光素子41Aと受光素子41Bとの間に配置されているため、第2撮影部62の撮影の邪魔にならずに済む。
また、本実施形態によれば、子基板30は凹部35を有し、光ファイバ3の端部が子基板30の外側から凹部35に沿って基板の内側に向かって導かれて、光ファイバ3の端面と光電変換素子41とが光結合されている(図11参照)。これにより、凹部35を形成することにより光ファイバ3の被覆が子基板30に干渉することを回避でき、光ファイバ3の端面から被覆までの長さLを短くでき、光ファイバ3の損傷を抑制できる。そして、光ファイバ3の被覆の一部を凹部35の上に位置させて、凹部35において光ファイバ3の被覆と子基板30との間を接着することができる(図7A、図7B及び図9A参照)。
また、本実施形態によれば、凹部35が底面35Aを残した状態で子基板30に形成されており、凹部35の底面35Aと光ファイバ3の被覆との間に接着剤が塗布されている(図9A参照)。これにより、接着剤が子基板30の裏面に流れることが防止されるとともに、接着剤の塗布量を軽減させて、接着剤の均一な塗布が容易になる。加えて、仮に光ファイバ3の数が増えた場合においても、接着対象となる光ファイバ3に対する凹部35の接着面積を十分に確保できる。
また、本実施形態によれば、光結合部51と第3接着部53(光ファイバ3の被覆と子基板30との間に接着剤が塗布された接着部)との間に、別の接着部となる第2接着部52が形成されている。これにより、第3接着部53を中心にして光ファイバ3を回転させる外力が加わっても、第2接着部52で光ファイバ3の動きが抑えられるため、光結合部51には力が伝わりにくくなる。
また、本実施形態によれば、第2接着部52では、小ドット(第1の量)で接着剤が塗布された後、その後側に大ドット(第1の量よりも多い第2の量)で接着剤が塗布される(図7A、図7B、図13B及び図13C参照)。これにより、第2接着部52に塗布される接着剤(主に大ドットの接着剤)が光結合部51に流れ込むことが抑制される。
また、本実施形態によれば、第2接着部52では、光ファイバ素線(直径0.25mm)と光ファイバ裸線(直径0.125mm)との境界部に接着剤が塗布される。このように、光ファイバ3の径が変化する境界部に接着剤が塗布されることによって、境界部での応力集中が緩和され、段差から光ファイバ3が損傷することが抑制される。
===第2実施形態===
図15A及び図15Bは、第2実施形態の説明図である。図15Aは、第1撮影部61が1本目の光ファイバ3の端部を撮影している様子の説明図である。図15Bは、第1撮影部61が2本目の光ファイバ3の端部を撮影している様子の説明図である。第2実施形態では、第1撮影部61が右側から光ファイバ3の端部を撮影する(これに対し、前述の第1実施形態では、左側から第1撮影部61が撮影している)。
第2実施形態においても、自動調心機は、端面が後側に配置される光ファイバ3(右側の送信用光ファイバ3TX)から先に光結合部51を形成している。このため、図15Bに示すように、第1撮影部61が2本目の光ファイバ3(左側の受信用光ファイバ3RX)の端部を右側から撮影したときに、第1撮影部61のモニタ画像に送信用光ファイバ3TXが入り込まずに済む。したがって、第1実施形態と同様に、第1撮影部61のモニタ画像に基づく受信用光ファイバ3RXと受光素子41Bとの上下方向の位置合わせ精度が向上する。
一方、第2実施形態では、第1撮影部61から見て手前側の光ファイバ3(右側の送信用光ファイバ3TX)から先に光結合部51を形成している(これに対し、前述の第1実施形態では、第1撮影部61から見て奥側の光ファイバ3から先に光結合部51を形成している)。したがって、仮に送信用光ファイバ3TXの右側に大きな素子が実装され、その素子が送信用光ファイバ3TXの端部と第1撮影部61との間にあると、第1撮影部61が右側から送信用光ファイバ3TXの端部を撮影できなくなってしまう。
このため、第2実施形態では、送信用光ファイバ3TXの端面が比較的後側に配置されており送信用光ファイバ3TXの右側の子基板30の表面にスペースの余裕ができるにも関わらず、そのスペースに素子を配置できない。これに対し、第1実施形態のように、第1撮影部61から見て奥側の光ファイバ3から先に光結合部51を形成するようにすれば、比較的後側に配置された送信用光ファイバ3TXの右側のスペースに大きな素子(例えばドライバ素子42)を配置できるようになるため、有利である。
===第3実施形態===
図16A及び図16Bは、第3実施形態の説明図である。第3実施形態では、4本の光ファイバ3が子基板30に取り付けられる(これに対し、前述の第1実施形態及び第2実施形態では、光ファイバ3の数が2本である)。
4本の光ファイバ3のうち、右側の2本が送信用光ファイバ3TXであり、左側の2本が受信用光ファイバ3RXである。つまり、4個の光電変換素子41のうち、右側の2個が発光素子41Aであり、左側の2個が受光素子41Bである。発光素子41Aと受光素子41Bを互い違いに配置するのではなく、2個の発光素子41Aを寄せて配置することにより、発光制御時のノイズが受信信号に与える影響を軽減させ、S/N比を向上させている。
第3実施形態では、右側に配置される光ファイバ3から順に光結合部51を形成している。このため、第3実施形態においても、自動調心機は、端面が後側に配置される光ファイバ3から先に光結合部51を形成している。これにより、第1撮影部61が光ファイバ3の端部を左側から撮影したときに、既に光結合部51の形成された光ファイバ3(右側に配置される光ファイバ3)が第1撮影部61のモニタ画像に入り込まずに済む。したがって、第1実施形態と同様に、第1撮影部61のモニタ画像に基づく光ファイバ3と光電変換素子41との上下方向の位置合わせ精度が向上する。
また、第3実施形態では、第1撮影部61から見て奥側の光ファイバ3から先に光結合部51を形成している。奥側の光ファイバ3の端面は比較的後側に配置されているため、奥側に配置された光ファイバ3の近傍のスペースに大きな素子(例えばドライバ素子42)を配置できるようになり、素子の配置の制約が軽減する。
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、例えば以下のように変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
<コネクタ付きケーブル1について>
前述のコネクタ付きケーブル1は、カメラリンクインターフェースに適合する構成であったが、他の用途、他の形状のコネクタ付きケーブル1に、前述の実施形態の構成や方法を採用しても良い。
<複合ケーブル2について>
前述の複合ケーブル2は信号線5や電源線6を備えていたが、これに限られるものではない。例えば、信号線5や電源線6の無い光ケーブルの端部にコネクタ10が設けられたコネクタ付きケーブルであっても良い。
<光ファイバ3の配線について>
前述の実施形態では、光ファイバ3がコネクタ10内で余長処理されていた。但し、光ファイバ3がコネクタ10内において余長処理されていなくても良い。また、光ファイバ3が余長処理されている場合であっても、2周回とは異なる回数で光ファイバ3がコネクタ10内で巻き回されていても良い。
また、前述の実施形態では、光結合部51での光ファイバ3の方向が、ケーブル方向に対して45°斜めになっていた。但し、光結合部51での光ファイバ3の方向は、ケーブル方向と平行でも良いし、幅方向と平行でも良い。
<凹部35について>
前述の実施形態では、子基板30に凹部35が形成されていた。但し、子基板30に凹部35が無くても良い。但し、光ファイバ3の光軸と子基板30の表面との距離が光ファイバ3(心線の被覆を含む)の半径よりも短い場合、光ファイバ3の端面から心線の被覆までの長さLを短くできないため、前述の実施形態と比べると、光ファイバ3が損傷しやすくなってしまう。また、子基板30上に光ファイバ3の被覆を配置できない場合、光ファイバ3の被覆と子基板30とを接着し難くなってしまう。
また、前述の実施形態では、凹部35に底面35Aが残っていた。但し、図9B及び図9Cに示す第1、第2比較例のように、凹部が切り込みとして子基板30に形成されても良い。凹部を切り込みとして形成すれば、子基板30の製造は容易になる。
<接着部について>
前述の実施形態では、第1接着部である光結合部51とは別に、第2接着部52及び第3接着部53が形成されていた。但し、第2接着部52及び第3接着部53のいずれか一方、若しくは両方を形成しなくても良い。また、第2接着部52を小ドット及び大ドットで形成するのではなく、一度の接着剤の塗布で形成しても良い。
1 コネクタ付きケーブル、2 複合ケーブル、3 光ファイバ、
3A 第1湾曲部、3B 第2湾曲部、3C 第3湾曲部、
3D 末端部、3E 端面、
3TX 送信用光ファイバ、3RX 受信用光ファイバ、
5 信号線、6 電源線、10 コネクタ、
11 ハウジング、11A ケース、11B カバー、
12 端末部、14 端子部、16 保護カバー、
20 親基板、21 スルーホール、24 凹所、
30 子基板、35 凹部、35A 底面、35B 側面、
41 光電変換素子、41A 発光素子、41B 受光素子、
42 ドライバ素子、43 アンプ素子、
51 光結合部、52 第2接着部、53 第3接着部、
61 第1撮影部、62 第2撮影部

Claims (6)

  1. 複数の光ファイバを有するケーブルと、
    前記光ファイバの端面と光学的に結合された光電変換素子を実装する基板と、
    前記基板を収容するコネクタと、
    を備えるコネクタ付きケーブルであって、
    前記基板は、凹部を有し、前記凹部は、底面を残した状態で前記基板に形成されており、
    前記光ファイバの端部が前記基板の外側から前記凹部に沿って前記基板の内側に導かれて、前記光ファイバの前記端面と前記光電変換素子とが光結合されており、
    複数の前記光ファイバの被覆が1つの前記凹部の上に位置しており、
    前記凹部の前記底面と複数の前記光ファイバの前記被覆との間に接着剤が塗布されて、複数の前記光ファイバの前記被覆と前記基板との間が接着されている
    ことを特徴とするコネクタ付きケーブル。
  2. 請求項1に記載のコネクタ付きケーブルであって、
    前記ケーブルは3本以上の前記光ファイバを有しており、
    3本以上の前記光ファイバの被覆が1つの前記凹部の上に位置しており、
    前記凹部の前記底面と、3本以上の前記光ファイバの前記被覆との間に、接着剤が塗布されている
    ことを特徴とするコネクタ付きケーブル。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のコネクタ付きケーブルであって、
    前記光ファイバの前記被覆と前記基板との間に接着剤が塗布された接着部と、前記光結合部との間に、別の接着部が形成されている
    ことを特徴とするコネクタ付きケーブル。
  4. 請求項3に記載のコネクタ付きケーブルであって、
    前記別の接着部において、第1の量で接着剤が塗布された後、前記光ファイバの前記端面とは反対側に前記第1の量よりも多い第2の量で接着剤が塗布される
    ことを特徴とするコネクタ付きケーブル。
  5. 請求項3又は請求項4に記載のコネクタ付きケーブルであって、
    前記別の接着部において、前記光ファイバの径が変化する境界部に接着剤が塗布される
    ことを特徴とするコネクタ付きケーブル。
  6. 複数の光ファイバと、
    前記光ファイバの端面と光学的に結合された光電変換素子を実装する基板と、
    を備える光電変換用基板であって、
    前記基板は、凹部を有し、前記凹部は、底面を残した状態で前記基板に形成されており、
    前記光ファイバの端部が前記基板の外側から前記凹部に沿って前記基板の内側に導かれて、前記光ファイバの前記端面と前記光電変換素子とが光結合されており、
    複数の前記光ファイバの被覆が1つの前記凹部の上に位置しており、
    前記凹部の前記底面と複数の前記光ファイバの前記被覆との間に接着剤が塗布されて、複数の前記光ファイバの前記被覆と前記基板との間が接着されている
    ことを特徴とする光電変換用基板。
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