以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。
[パチスロの機能フロー]
本発明の遊技機に係る実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、本実施の形態における遊技機(以下、パチスロ)1の機能フローについて説明する。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー6が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部当籤役決定手段(後述のメインCPU31)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール3L,3C,3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン7L,7C,7Rが押されると、リール停止制御手段(後述のモータ駆動回路39、後述のステッピングモータ49L,49C,49R)は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ1では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L,3C,3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞ラインに沿って極力表示されるようにリール3L,3C,3Rの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞ラインに沿って表示されることがないようにリール3L,3C,3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L,3C,3Rの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述のメインCPU31)は、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ1における1回の遊技として行われる。
なお、本実施の形態では、全てのリールが回転しているときに最初に行われるリールの停止操作(ストップボタンの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
また、パチスロ1では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置5により行う映像の表示、ランプ14により行う光の出力、スピーカ9L,9Rにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
遊技者によりスタートレバー6が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段(後述のサブCPU81)は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段(後述の液晶表示装置5、後述のスピーカ9L,9R、後述のランプ14)は、リール3L,3C,3Rの回転が開始されるとき、各リール3L,3C,3Rの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロ1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
<遊技状態の移行>
ここで、本実施の形態では、抽出された乱数値が同一であっても、遊技状態が異なる場合には、決定される内部当籤役が異なる場合がある。本実施の形態では、このような遊技状態として一般遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態、RT5遊技状態、RT6遊技状態、RT7遊技状態、RT8遊技状態、RT9遊技状態、BB遊技状態、及びMB遊技状態を設けている(なお、BB遊技状態と等価のRB遊技状態も設けられている)。
一般遊技状態、RT1〜RT9遊技状態では、再遊技の作動といった特典が遊技者に与えられる確率がそれぞれ異なる。すなわち、再遊技の作動といった特典が遊技者に与えられる「リプレイ1A、リプレイ1B、リプレイ1C、リプレイ1D(以下、区別しない場合は「リプレイ1」とする)、リプレイ2、リプレイ3、リプレイ4A、リプレイ4B、リプレイ4C(以下、区別しない場合は「リプレイ4」とする)、リプレイ5A、リプレイ5B、リプレイ5C(以下、区別しない場合は「リプレイ5」とする)、リプレイ6A、リプレイ6B、リプレイ6C(以下、区別しない場合は「リプレイ6」とする)、リプレイ7A、リプレイ7B、リプレイ7C(以下、区別しない場合は「リプレイ7」とする)、リプレイ8A、リプレイ8B、リプレイ8C(以下区別しない場合は「リプレイ8」とする)、又はリプレイ9(以下、リプレイ1〜9を「リプレイ」と総称する)」が内部当籤役として決定される確率がそれぞれ異なる。
本実施の形態では、一般遊技状態及びRT1遊技状態ではリプレイが内部当籤役として決定される確率が相対的に低く、それ以外の遊技状態ではリプレイが内部当籤役として決定される確率が相対的に高い。また、RT1〜RT3遊技状態とRT4〜RT6遊技状態とでは、リプレイが内部当籤役として決定される確率の低い一般遊技状態又はRT1遊技状態に移行する期待度が異なる。すなわち、RT1〜RT3遊技状態のほうが、一般遊技状態又はRT1遊技状態に移行しやすく、RT4〜RT6遊技状態のほうが、一般遊技状態又はRT1遊技状態に移行しにくい。よって、RT4〜RT6遊技状態は、一般遊技状態及びRT1〜RT3遊技状態に比べて遊技者にとって有利な状態である。
また、RB(BB)遊技状態はビッグボーナス又はレギュラーボーナスの作動が行われることにより移行する遊技状態であり、MB遊技状態はミドルボーナスの作動が行われることにより移行する遊技状態である。RB(BB)遊技状態又はMB遊技状態は、1ゲーム(単位遊技)あたりのメダルの払出しが相対的に多い状態であり、当該状態が複数のゲームの間継続する遊技状態である。
BB(BB1〜4)が内部当籤役として決定され入賞するとビッグボーナス又はレギュラーボーナスの作動が行われ、MB(MB1,2)が内部当籤役として決定され入賞するとミドルボーナスの作動が行われる。なお、BB又はMBは、内部当籤役として決定されると入賞するまで持ち越される持越役であり、いわゆるボーナス役に該当する。このようなボーナス役が持ち越されている状態を、以下では「フラグ間」とする場合がある。
図2は、このように複数設けられた遊技状態の移行遷移図を示している。
図2に示すように、RT8遊技状態及びRT9遊技状態はボーナス(BB又はMB)が持ち越されている遊技状態(フラグ間)である。ここで、BB(BB1,2)が持ち越されている状態では、RT8遊技状態となり、MB(BB3,4又はMB1,2)が持ち越されている状態では、RT9遊技状態となる。
そして、持ち越されているボーナスが入賞すると、対応するボーナスの作動が行われる。このボーナスが終了すると、遊技状態は一般遊技状態に移行する。ここで、一般遊技状態への移行条件について説明する。一般遊技状態へは(1)ボーナス終了のほか、(2)リプレイ8,9が入賞すること、(3)RT7遊技状態において2ゲーム消化すること、により移行する。なお、リプレイ8,9は、RT1〜RT3遊技状態において入賞し、これら遊技状態より有利なRT4〜RT6遊技状態では入賞しない。次に、一般遊技状態から他の遊技状態への移行条件について一般遊技状態においてRT作動図柄が表示されると、RT1遊技状態に移行する。
なお、RT作動図柄とは、内部当籤役として「3択小役(後述の小役・リプレイ用データポインタ「36〜62」)」が決定された場合に、第1停止操作の種別が適切でないときに表示され得る図柄である。なお、第1停止操作の種別が適切(3通りのうち、1通り)である場合には、通常役4が入賞するが、詳しくは後述する。
そのため、一般遊技状態において「3択小役」に内部当籤し3択が誤った場合に、一般遊技状態からRT1遊技状態に移行することがある。
なお、一般遊技状態では(1)ボーナスに内部当籤するとボーナスの種別に応じてRT8遊技状態又はRT9遊技状態に移行し、(2)リプレイ7が入賞するとRT7遊技状態に移行する。当該移行条件については、他の遊技状態でも同様である。
次に、RT1遊技状態について説明する。RT1遊技状態へは、RT作動図柄が表示されることにより移行する。ここで、一般遊技状態、RT2遊技状態、及びRT3遊技状態では、基本的に3択小役が内部当籤した場合に適切な第1停止操作の種別が報知されない。一方、RT4〜RT6遊技状態では、常に適切な第1停止操作の種別が報知される。そのため、RT4〜RT6遊技状態では、実質的にはRT作動図柄は表示されず、結果、報知に従う限りRT4〜RT6遊技状態からRT1遊技状態へ移行することはない。次に、RT1遊技状態から他の遊技状態への移行条件について、リプレイ2が入賞すると、RT2遊技状態へ移行する。なお、リプレイ2はRT1遊技状態でのみ入賞可能である。
次に、RT2遊技状態について説明する。RT2遊技状態へは、リプレイ2に入賞すると移行する。なお、リプレイ2はRT1遊技状態でのみ入賞可能である。そのため、RT2遊技状態へはRT1遊技状態からしか移行しない。そして、RT2遊技状態から他の遊技状態へは、RT作動図柄が表示されるとRT1遊技状態へ移行し、リプレイ3が入賞するとRT3遊技状態へ移行する。なお、リプレイ3はRT2遊技状態でのみ入賞可能である。
次に、RT3遊技状態について説明する。RT3遊技状態へは、リプレイ3に入賞すると移行する。なお、リプレイ3はRT2遊技状態でのみ入賞可能である。そのため、RT3遊技状態へはRT2遊技状態からしか移行しない。そして、RT3遊技状態から他の遊技状態へは、RT作動図柄が表示されるとRT1遊技状態へ移行し、リプレイ4が入賞するとRT4遊技状態へ移行し、リプレイ5が入賞するとRT5遊技状態へ移行し、リプレイ6が入賞するとRT6遊技状態へ移行する。
ここで、RT1遊技状態からRT4〜RT6遊技状態へ移行する条件となるリプレイ2〜6の入賞について説明する。リプレイ2〜6は、内部当籤役として決定され、かつ第1停止操作から第3停止操作までの停止操作の順序(6通り)が適切(1通り)である場合に入賞する。よって、リプレイ2〜6を含む内部当籤役を「6択リプレイ」と称する場合がある。本実施の形態では、この「6択リプレイ」に正解することでRT1遊技状態からRT2遊技状態→RT3遊技状態と移行する。そして、RT3遊技状態において、リプレイ4が入賞するとRT4遊技状態へ移行し、リプレイ5が入賞するとRT5遊技状態へ移行し、リプレイ6が入賞するとRT6遊技状態へ移行する。他方、「6択リプレイ」に正解しない場合には、リプレイ8,9が入賞し、一般遊技状態へ移行する。
このように、RT1〜RT3遊技状態は、「6択リプレイ」に正解することで、有利なRT4〜RT6遊技状態へ移行可能な遊技状態であるため、これらRT1〜RT3遊技状態をチャンスゾーン(CZ)と称する場合がある。なお、これらCZでは、「6択リプレイ」や「3択小役」の正解を報知する場合があり、この報知が行われることで、有利なRT4〜RT6遊技状態へ容易に移行することができる。
図2に戻り、RT4遊技状態について説明する。RT4遊技状態へは、リプレイ4に入賞すると移行する。なお、リプレイ4はRT3遊技状態でのみ入賞可能である。そのため、RT4遊技状態へはRT3遊技状態からしか移行しない。そして、RT4遊技状態から他の遊技状態へは、RT作動図柄が表示されるとRT1遊技状態へ移行し、リプレイ7が入賞するとRT7遊技状態へ移行する。なお、前述したように、RT4遊技状態では「3択小役」の正解が報知されるため、報知に従う限りRT作動図柄が表示されることはない。
次に、RT5遊技状態について説明する。RT5遊技状態へは、リプレイ5に入賞すると移行する。なお、リプレイ5はRT3遊技状態でのみ入賞可能である。そのため、RT5遊技状態へはRT3遊技状態からしか移行しない。そして、RT5遊技状態から他の遊技状態へは、RT作動図柄が表示されるとRT1遊技状態へ移行し、リプレイ7が入賞するとRT7遊技状態へ移行する。なお、前述したように、RT5遊技状態では「3択小役」の正解が報知されるため、報知に従う限りRT作動図柄が表示されることはない。
次に、RT6遊技状態について説明する。RT6遊技状態へは、リプレイ6に入賞すると移行する。なお、リプレイ6はRT3遊技状態でのみ入賞可能である。そのため、RT6遊技状態へはRT3遊技状態からしか移行しない。そして、RT6遊技状態から他の遊技状態へは、RT作動図柄が表示されるとRT1遊技状態へ移行し、リプレイ7が入賞するとRT7遊技状態へ移行する。なお、前述したように、RT6遊技状態では「3択小役」の正解が報知されるため、報知に従う限りRT作動図柄が表示されることはない。
ここで、RT4〜RT6遊技状態について説明する。RT4〜RT6遊技状態は、リプレイが内部当籤役として決定される確率が高い状態であり、また、「3択小役」の正解が報知(アシスト)される状態である。そのため、これらRT4〜RT6遊技状態をアシストリプレイタイム(ART)と証する場合がある。なお、ARTはリプレイ7が入賞することで終了(RT7遊技状態に移行)するが、リプレイ7が入賞する確率(すなわち、リプレイ7が内部当籤役として決定される確率)は、RT4〜RT6遊技状態でそれぞれ異なる。本実施の形態では、RT6遊技状態が最もリプレイ7が内部当籤役として決定され難く、RT5遊技状態が次に決定され難く、RT4遊技状態が最も決定されやすい。そのため、ARTの中では、RT6遊技状態が最も有利な状態であるといえる。なお、リプレイ(リプレイ1〜9)は内部当籤役として決定されると、必ず入賞する役である。
図2に戻り、RT7遊技状態について説明する。RT7遊技状態へは、一般遊技状態、RT1〜RT6遊技状態において、リプレイ7に入賞すると移行する。そして、RT7遊技状態において2ゲームが消化すると、一般遊技状態に移行する。
このように、リプレイ7は遊技者にとって有利なARTを終了させる契機となる役である。本実施の形態では、このようなリプレイ7を設けることで、特有の効果を奏することとしている。この点について、以下説明する。
<リプレイ7の特徴>
リプレイ7は、停止操作の順序、停止操作のタイミングに関わらず、内部当籤すると必ず入賞する。そして、リプレイ7が入賞すると、遊技者にとって有利なARTが終了し、RT7遊技状態を介して一般遊技状態に移行する。なお、後述するようにARTにおいてリプレイ7が内部当籤すると、「ナビポイント」を付与する抽籤(図39、図40)が行われる。ここで「ナビポイント」とは、RT1〜RT3遊技状態において「6択リプレイ」及び「3択小役」の正解を報知する権利をいう。「ナビポイント」が1以上である場合には、ARTに移行するまで当該報知がなされる。
このようなリプレイ7を設けることで、遊技者にとって有利なARTが長期間にわたり行われることを防止できる一方で、ARTの終了時においても、ナビポイントの付与抽籤により再度のART移行の期待感を高めることができるため、遊技者の射幸性を制御しつつ、興趣を向上させることの可能な遊技機を提供することができる。
また、後述するように、リプレイ7はボーナスと重複して内部当籤役として決定される場合がある。そのため、ARTの終了時に、ボーナスの期待感を高めることができる。
また、リプレイ7が入賞することで移行するRT7遊技状態は、リプレイが高確率で内部当籤役として決定される(図20参照)。そして、高確率で内部当籤役として決定されるリプレイは、必ず入賞するため、RT7遊技状態において演出実行手段の演出効果を高めることができる。
また、リプレイ7が内部当籤役として決定される確率は、RT4〜RT6遊技状態のそれぞれによって異なる。そのため、遊技者にとって有利なARTについても有利の度合いを変えることができる。
[パチスロの構造]
パチスロ1の機能フローについての説明は以上である。次に、図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1の構造について説明する。
図3は、本実施の形態におけるパチスロ1の外部構造を示す。
パチスロ1は、いわゆる「パチスロ機」である。このパチスロ1は、コイン、メダル、遊技球又はトークン等の他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
パチスロ1の全体を形成している筐体4は、箱状のキャビネット60と、このキャビネット60を開閉する前面ドア2と、を備える。この前面ドア2正面の左右には、複数の色に発光可能なランプ14が設けられている。
このランプ14は、発光ダイオード(LED)や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等、少なくとも緑色、黄色、青色、赤色に発光可能であれば既存の発光素子でよい。
また、前面ドア2の正面の略中央には、縦長矩形の表示窓21L,21C,21Rが設けられる。これらの表示ラインは、後述のベットボタン11を操作すること(以下「BET操作」という)、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより有効化される。
また、左の表示窓4Lを取り囲むように設けられた左のリール表示窓枠ランプ121Lと、中央の表示窓4Cを取り囲むように設けられた中央のリール表示窓枠ランプ121Cと、右の表示窓4Rを取り囲むように設けられた右のリール表示窓枠ランプ121Rとが設けられている。これらのリール表示窓枠ランプ121L,121C,121Rについても、ランプ14と同様に、発光ダイオード(LED)や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等、少なくとも緑色、黄色、青色、赤色に発光可能であれば既存の発光素子でよい。
前面ドア2の裏面には、複数のリール3L,3C,3Rが回転自在に横一列に設けられている。各リール3L,3C,3Rには、それぞれの外周面に、遊技に必要な複数種類の図柄によって構成される識別情報としての図柄列が描かれており、各リール3L,3C,3Rの図柄は表示窓21L,21C,21Rを通して、パチスロ1の外部から視認できるようになっている。また、各リール3L,3C,3Rは、定速回転(例えば80回転/分)で回転し、図柄列を変動表示する。
表示窓21L,21C,21Rの上方には、画像表示手段としての液晶表示装置5及びスピーカ9L,9Rが設けられる。液晶表示装置5は、表示窓21L,21C,21Rよりも大きな表示面を備え、画像表示による演出を行う。また、スピーカ9L,9Rは、効果音や音声等の音による演出を行う。
表示窓21L,21C,21Rの左方には、7セグメントLEDからなる7セグ表示器13が設けられる。7セグ表示器13は、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ1内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
表示窓21L,21C,21Rの下方には、略水平面の台座部10が形成されている。この台座部10の水平面内のうち、右側にはメダル投入口22が設けられ、左側にはベットボタン11が設けられる。
このベットボタン11を押下操作することで、単位遊技(一のゲーム)の用に供される枚数(すなわち、ボーナスが作動していない状態では3枚で、ボーナスが作動している状態では2枚)のメダルが投入され、前述のとおり、所定の表示ラインが有効化される。ベットボタン11の操作及びメダル投入口22にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を、以下「BET操作」という。
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換える精算ボタン12が設けられている。この精算ボタン12の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。精算ボタン12の右側には、遊技者の回動操作により上記リールを回転させ、表示窓21L,21C,21R内での図柄の変動表示を開始するための開始操作手段としてのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
台座部10の前面部の略中央には、遊技者の押下操作により3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための停止操作手段としてのストップボタン7L,7C,7Rが設けられている。なお、実施例では、一のゲーム(単位遊技)は、基本的にスタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L,3C,3Rが停止したときに終了する。
前面ドア2下部の正面には、メダルが払出されるメダル払出口15と、この払出されたメダルを貯留するメダル受け部16とが設けられている。また、前面ドア2下部の正面のうち、ストップボタン7L,7C,7Rとメダル受け部16とに上下を挟まれた面には、機種のモチーフに対応したデザインがあしらわれた腰部パネル20が取り付けられている。
[パチスロが備える回路の構成]
パチスロ1の構造についての説明は以上である。次に、図4及び図5を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ1は、主制御回路71、副制御回路72及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
<主制御回路>
図4は、本実施の形態におけるパチスロ1の主制御回路71の構成を示す。
(マイクロコンピュータ)
主制御回路71は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、CPU(以下、メインCPU)31、ROM(以下、メインROM)32及びRAM(以下、メインRAM)33により構成される。
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム(後述の図41等)、内部抽籤テーブル等のデータテーブル(後述の図6〜図30)、副制御回路72に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域(後述の図31〜図38参照)が設けられる。
(乱数発生器等)
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
(スイッチ等)
マイクロコンピュータ30の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU31は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ49L,49C,49R等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ7Sは、3つのストップボタン7L,7C,7Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
メダルセンサ42Sは、メダル投入口22に受け入れられたメダルが前述のセレクタ42内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ11Sは、ベットボタン11が遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ12Sは、精算ボタン12が遊技者により押されたことを検出する。
(周辺装置及び回路)
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ49L,49C,49R、7セグ表示器13及びホッパー40がある。また、マイクロコンピュータ30の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路39は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられたステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動を制御する。リール位置検出回路50は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L,3C,3Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール3L,3C,3Rに応じて検出する。
ステッピングモータ49L,49C,49Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3L,3C,3Rに伝達される。ステッピングモータ49L,49C,49Rに対して1回のパルスが出力される毎に、リール3L,3C,3Rは一定の角度で回転する。
メインCPU31は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ49L,49C,49Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール3L,3C,3Rの回転角度(主に、リール3L,3C,3Rが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール3L,3C,3Rの表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
表示部駆動回路48は、7セグ表示器13の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路41は、ホッパー40の動作を制御する。また、払出完了信号回路51は、ホッパー40に設けられたメダル検出部40Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー40から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
<副制御回路>
図5は、本実施の形態におけるパチスロ1の副制御回路72の構成を示す。
副制御回路72は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路72は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)81、ROM(以下、サブROM)82、RAM(以下、サブRAM)83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、ドライバ87、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)88、オーディオRAM89、A/D変換器90及びアンプ91を含んで構成されている。
サブCPU81は、主制御回路71から送信されたコマンドに応じて、サブROM82に記憶されている制御プログラム(後述の図59等)に従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路71から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。また、本実施の形態では、サブRAM83には後述のナビポイントカウンタが設けられている。サブROM82は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路71との通信を制御し通信内容に基づいて演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための主基板通信タスクや、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置5による映像の表示を制御するアニメタスク、ランプ14による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ9L,9Rによる音の出力を制御するサウンド制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
また、副制御回路72には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置5、スピーカ9L,9R及びランプ14が接続されている。
サブCPU81、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85(フレームバッファ86を含む)及びドライバ87は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置5により表示する。
また、サブCPU81、DSP88、オーディオRAM89、A/D変換器90及びアンプ91は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ9L,9Rにより出力する。また、サブCPU81は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ14の点灯及び消灯を行う。
[メインROMに記憶されているデータテーブルの構成]
パチスロ1が備える回路の構成についての説明は以上である。次に、図6〜図30を参照して、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
[図柄配置テーブル]
図6を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、各リール3L,3C,3Rの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓21L,21C,21R内の中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール3L,3C,3Rの回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として表示窓21L,21C,21Rの中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
[図柄組合せテーブル]
図7〜図10を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。本実施の形態では、入賞ラインに沿って各リール3L,3C,3Rにより表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に対して与えられる。図7は、再遊技の作動が行われるリプレイに係る図柄の組合せを示す図柄組合せテーブルであり、図8は、メダルの払い出しが行われる小役に係る図柄の組合せを示す図柄組合せテーブルであり、図9は、ボーナスゲームの作動が行われるボーナスに係る図柄の組合せを示す図柄組合せテーブルである。なお、図10は、RT1遊技状態への移行契機となるRT作動図柄に係る図柄の組み合わせを示す図柄組合せテーブルであり、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せがRT作動図柄に該当するか判別する際に用いられる。
図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、表示役と、格納領域種別と、払出枚数を示すデータと、を規定している。表示役は、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するデータである。格納領域種別は、表示役を格納する後述の表示役格納領域をメインCPU64が識別するために設けられたデータである。表示役は、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。
また、払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施の形態では、表示役として通常役1〜4、特殊役1〜27のいずれかが決定されたときメダルの払い出しが行われる。また、払出枚数は、投入枚数に応じて規定されており、予め定められた上限を限度に払い出される。
また、表示役としてリプレイが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。表示役としてBB又はMBが決定されたとき、ボーナスゲームの作動が行われる。また、入賞ラインに沿ってRT作動図柄が表示されたとき、遊技状態がRT1遊技状態に移行する。なお、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。なお、本実施の形態に係る入賞ラインは、図37に示すとおりである。
[ボーナス作動時テーブル]
図11を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。ボーナス作動時テーブルは、ボーナスの作動が行われるときに、メインRAM33に設けられた各種格納領域に格納するデータを規定している。
ボーナス作動時テーブルは、BB遊技状態、RB遊技状態、MB遊技状態が開始する際にオンとする遊技状態フラグと、各遊技状態の終了条件を規定するテーブルである。
BB遊技状態は、規定枚数(本実施の形態では、297枚)を超えるメダルの払い出しが行われた場合に終了する。MB遊技状態は、規定枚数(本実施の形態では、63枚)を超えるメダルの払い出しが行われた場合に終了する。RB遊技状態は、規定回数(本実施の形態では、8回)に達する遊技が行われた場合、規定回数(本実施の形態では、8回)に達する入賞が有った場合、又は、BB遊技状態が終了した場合の何れかによって終了する。ボーナス終了枚数カウンタ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタは、ボーナスの終了契機となる上記規定枚数或いは上記規定回数に達したか否かを管理するためのデータである。
より具体的には、ボーナス作動時テーブルにより規定されている数値が上記各カウンタに格納され、ボーナスの作動を通じてその減算が行われていく。その結果、各カウンタの値が「0」に更新されたことを条件に該当ボーナスの作動が終了する。
[内部抽籤テーブル決定テーブル]
図12を参照して、メインCPU31が内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定するときに用いる内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブル決定テーブルは、遊技状態に対応して、内部抽籤テーブルを示す情報及び抽籤回数を示す情報を規定している。遊技状態は、内部当籤役が決定される内部抽籤処理(後述の図43)において決定される可能性のある内部当籤役の種類、内部抽籤処理において内部当籤役が決定される確率、最大の滑り駒数、及びボーナスゲームの作動が行われているか否か等により区別される状態である。抽籤回数は、サンプリング回路37により抽出された一の乱数値(抽籤用乱数値)から後述の抽籤値をメインCPU31が減算する最大の回数である。
なお、MB遊技状態である場合には、内部抽籤処理において常に小役・リプレイ用データポインタ「63」に対応する内部当籤役が決定されるため(後述の図43のステップS65)、MB遊技状態に対応する内部抽籤テーブルを省略している。
[内部抽籤テーブル]
図13〜図23を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、データポインタと抽籤値とを規定している。データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが設けられている。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。尚、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。なお、図中特に表記しない場合は、抽籤範囲は「0〜65535」、すなわち、確率分母は「65536」である。
本実施の形態では、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。なお、図中省略している当籤番号についての抽籤値及びデータポインタは、一般遊技状態の抽籤値及びデータポインタと同じである。
[内部当籤役決定テーブル]
図24〜図26を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて内部当籤役を規定している。データポインタが決定されると、内部当籤役が一義的に取得される構成となっている。
内部当籤役は、入賞ラインに沿って表示を許可する各リール3L,3C,3Lの図柄の組合せを識別するデータである。内部当籤役は、表示役と同様に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。なお、データポインタが「0」のとき、内部当籤役の内容は「ハズレ」となるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許可されないことを示す。
図24の(1)は、リプレイ用内部当籤役決定テーブルであり、再遊技の作動に係る内部当籤役を規定している。図25の(2)は、小役用内部当籤役決定テーブルであり、メダルの払い出しに係る内部当籤役を規定している。図26の(3)は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す。ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナスの作動に係る内部当籤役を規定している。
なお、図中「左1st」とは、左のストップボタン7Lが第1停止操作として操作されたことをいい、「中1st」とは、中のストップボタン7Cが第1停止操作として操作されたことをいい、「右1st」とは、右のストップボタン7Rが第1停止操作として操作されたことをいう。また、「左→中→右」とは、第1停止操作が左のストップボタン7Lであり、第2停止操作が中のストップボタン7Cであり、第3停止操作が右のストップボタン7Rであることをいう。すなわち、「左→中→右」とは、「第1停止操作→第2停止操作→第3停止操作」を意味する。
<3択小役>
ここで、小役・リプレイ用データポインタ「36」〜「62」に対応する「3択小役」について説明する。前述したように、「3択小役」は第1停止操作の種別が適切である場合に通常役4が入賞し、適切でない場合にRT作動図柄が入賞する「場合がある」。ここで、第1停止操作の種別が適切でない場合について説明する。
「3択小役」が内部当籤役で第1停止操作が適切でない場合の「8/9」ではRT作動図柄が入賞する。他方、「1/9」では特殊役1〜27のいずれかが入賞する。より詳細には、「3択小役」は通常役4と、特殊役1〜27のいずれかのうち3つと、が重複して内部当籤役として決定されているところ、第1停止操作が適切である場合には通常役4を引き込むように制御(又は停止テーブルが構成)される。
他方、第1停止操作が適切でない場合には、3つの特殊役1〜27を引き込むように制御(又は停止テーブルが構成)され、いずれの特殊役も入賞できない場合にRT作動図柄が入賞する。このとき重複して内部当籤する3つの特殊役は各リール3L,3C,3Rのそれぞれにおいて対応する図柄が異なるように構成され、これら図柄は停止タイミングによって各リール3L,3C,3Rのそれぞれにおいて「1/3」で引き込まれる位置に配置されている(例えば、リール3Lにおいて、図柄位置「0」〜「6」では特殊役Aを構成する図柄を引き込み、図柄位置「7」〜「13」では特殊役Bを構成する図柄を引き込み、図柄位置「14」〜「20」では特殊役Cを構成する図柄を引き込む)。
その結果、第1停止操作が適切でない場合には、第1停止時に対応するリールにおいて、3つの特殊役1〜27のいずれかが引き込まれる(この時点では、3つの特殊役のいずれかが必ず引き込まれている)。その後、第2停止操作及び第3停止操作がなされたとき、第1停止操作により引き込まれた特殊役を構成する図柄が、第2停止・第3停止においてそれぞれ「1/3」で、停止操作のタイミングによって、引き込まれる。その結果、第1停止操作が適切でない場合には「1(第1停止)×1/3(第2停止)×1/3(第3停止)=1/9」で3つの特殊役1〜27のいずれかが入賞する。
よって、「3択小役」が内部当籤役である場合には、第1停止操作が適切である場合には必ず通常役4が入賞し、第1停止操作が適切でない場合の「1/9」で特殊役1〜27のいずれかが入賞し、第1停止操作が適切でない場合の「8/9」でRT作動図柄が入賞する。
<リプレイ7>
次に、本実施の形態における特徴の1つであるリプレイ7について説明する。リプレイ7は、小役・リプレイ用データポインタ「33」に対応するところ、小役・リプレイ用データポインタ「33」は当籤番号「5」〜「10」及び「55」において決定される。このとき、当籤番号「55」は、RT4〜RT6遊技状態(ART)においてそれぞれ異なる確率で決定される(当籤番号「5」〜「10」は同じ確率)。前述したようにリプレイ7はARTを終了させる契機となる役であり、RT4〜RT6遊技状態において異なる確率で決定されることで、RT4〜RT6遊技状態の有利度合いが異なるように構成される。
なお、当籤番号「5」〜「10」では、いずれかのボーナスが必ずリプレイ7と重複して内部当籤し、当籤番号「55」はボーナスと重複することがない。そのため、ボーナスと重複しない当籤番号「55」の確率を異ならせることで、ARTが終了したときのボーナスの期待度も変化させることができる。なお、RT6遊技状態では、当籤番号「55」に対応する抽籤値は「0」であるので、RT6遊技状態である場合にはARTが終了した場合には必ずいずれかのボーナスに内部当籤している。
[リール3L,3C,3Rの停止に用いられるテーブル]
図27〜図30を参照して、リール3L,3C,3Rの停止に用いられるテーブルについて説明する。本実施の形態ではこのような各種テーブルを用いることで、停止操作の順序に応じて適切な表示役を成立可能に制御している。
[左第1停止用停止テーブル]
図27は、左第1停止用停止テーブルの構成例である。左第1停止用停止テーブルは、左のストップボタン7Lが第1停止操作された場合には、停止操作された際の図柄位置データ(中段)毎に規定された滑り駒数決定データに基づいて停止制御が行われる。なお、図中のチェンジステータス番号は、第2停止操作時の停止テーブルを変更するか否か判別するために用いられる。
[変更データ検索テーブル]
図28は、変更データ検索テーブルの構成例である。変更データ検索テーブルは、第1停止時の制御変更対象位置及びチェンジステータス番号毎に、Cラインチェックデータ及び左第1停止後停止データテーブル番号の情報が規定されている。
[左第1停止後停止データテーブル]
図29は、左第1停止後停止データテーブルの構成例である。左第1停止後停止データテーブルは8ビットからなり、各ビット毎に図柄位置データに応じた所定の情報が規定されている。
[ランダム用停止データテーブル]
図30は、ランダム用停止データテーブルの構成例である。ランダム用停止データテーブルは8ビットからなり、各ビット毎に図柄位置データに応じた所定の情報が規定されている。ランダム用停止データテーブルは、第1停止操作が左のストップボタン7Lでない場合に参照される。
ここで、本実施の形態における停止制御の概略について説明する。
第1停止操作が左のストップボタン7Lである場合、左第1停止用停止テーブルから、滑り駒数決定データ及びチェンジステータス番号を取得する。続いて、第1停止時の停止予定位置と、チェンジステータス番号に応じて、制御変更が必要か判別し、必要な場合には第2停止・第3停止用の停止データテーブルを選択しなおす。また、Cラインチェックデータ(第3停止時に制御変更が必要かどうか判別するための情報)も選択する。以上の選択・判別は第1停止操作に応じて行われる。
続いて、第2停止操作がなされると、既に選択されている停止データテーブルから、滑り駒数決定データを取得する。また、停止開始位置のライン変更ビットがオン(1)であるか判別し、オンである場合にはBライン用の停止データに変更する。さらに、Cラインチェックデータが「1」であり、第2停止時の停止開始位置のライン変更ビット(図29のビット6or7)がオンである場合には、第3停止用の停止データテーブルを選択しなおす。そして、第3停止操作がなされると、既に選択されている停止データテーブルから、滑り駒数決定データを取得する。
他方、第1停止操作が左のストップボタン7L以外である場合、ランダム用変更ステータス番号(例えば、Aライン:0、Bライン:1)に基づいて、AラインであるかBラインであるかを決定し、ランダム用停止データテーブルから滑り駒数決定データを取得する。なお、Aラインである場合であっても、停止開始位置のライン変更ビットがオンである場合には、Bラインに変更し滑り駒数決定データを取得する。
このようにすることで、本実施の形態では、停止操作の順序に応じて適切な表示役を成立可能に制御している。なお、停止操作の順序に応じて適切な表示役を成立する方法については、これに限られるものではなく、既に周知である別の方法により実現することとしてもよい。
[メインRAMに設けられる格納領域の構成]
次に、図31〜図38を参照して、メインRAM33に設けられている各種格納領域の構成について説明する。なお、各種格納領域は、メインRAM33に設けるとともにサブRAM83にも設けることとしてもよい。
[内部当籤役格納領域・表示役格納領域]
図31は、当たり要求フラグを示すデータが格納される内部当籤役1格納領域〜内部当籤役8格納領域及び表示役に係るデータが格納される表示役1格納領域〜表示役8格納領域を示す。内部抽籤処理において決定された内部当籤役は対応する領域に格納される。
[持越役格納領域]
図32は、持越役に係るデータが格納される持越役格納領域を示す。例えば、内部抽籤処理において内部当籤役としてBB1が決定された場合には、持越役格納領域のビット0に「1」が格納される。ここで、持越役は、後述の内部抽籤処理において決定されたデータポインタに対応する図柄の組合せが入賞ラインに沿って表示されることが一又は複数のゲームにわたり許容される場合に、当該データポインタをメインCPU31が識別するために設けられた情報である。
[RT作動図柄格納領域]
図33は、RT1遊技状態への移行契機となるRT作動図柄が格納されるRT作動図柄格納領域である。例えば、リール3L,3C,3Rの全てが停止し、RT作動図柄に対応する図柄の組合せが表示されたと判断された場合には、RT作動図柄格納領域の対応するビットに「1」が格納される。
[遊技状態フラグ格納領域]
図34は、遊技状態フラグを示すデータが格納される遊技状態フラグ格納領域を示す。例えば、BB遊技状態である場合には、遊技状態フラグ2格納領域のビット2に「1」が格納される。
[作動ストップボタン格納領域]
図35は、今回押されたストップボタン7L,7C,7R、いわゆる作動ストップボタンを示すデータが格納される作動ストップボタン格納領域を示す。なお、作動ストップボタン格納領域には、押す操作が有効なストップボタン7L,7C,7R、いわゆる有効ストップボタンを示すデータも格納される。実施例では、メインCPU31は、作動ストップボタン格納領域のビット0〜2に格納されているデータに基づいて、今回押されたストップボタン7L,7C,7Rを識別する。また、メインCPU31は、作動ストップボタン格納領域のビット4〜6に格納されているデータに基づいて、未だ押されていないストップボタン7L,7C,7Rを識別する。
[押下順序格納領域]
図36は、停止操作の順序を示すデータが格納される押下順序格納領域を示す。例えば、第1停止操作に左のストップボタン7Lが操作された場合には、ビット0及び1に「1」が格納される。その後、第2停止操作として中のストップボタン7Cが操作されると、「1」が格納されているビット0及び1のうち、ビット1を「0」に更新し、ビット0を「1」のまま維持する。
[図柄コード格納領域]
図37は、図柄の識別子が格納される図柄コード格納領域を示す。図柄コード格納領域は、入賞ラインに沿って表示される図柄の組合せ毎に、図柄の識別子を格納する。すなわち、メインCPU31は、図柄コード格納領域に格納される値に基づいて、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せ毎に図柄の識別子を取得することができる。
[引込優先順位データ格納領域]
図38は、各図柄位置データに対応して優先引込順位データが格納される引込優先順位データ格納領域を示す。引込優先順位データ格納領域は、左リール用引込優先順位データ格納領域、中リール用引込優先順位データ格納領域、及び右リール用引込優先順位データ格納領域により構成される。各引込優先順位データ格納領域は、当該引込優先順位データ格納領域に対応するリール3L,3C,3Rの図柄位置データのそれぞれについて、優先引込順位データを格納する。優先引込順位データは、一の図柄位置データに位置する図柄がセンターラインの位置で表示された場合に、何れの表示役に係る図柄の組合せ又はその一部が入賞ラインの何れかに沿って表示されるかを示すデータである(図38の(2))。
[サブROMに設けられるデータテーブル]
次に、図39、図40を参照して、サブROM82に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
[ナビポイント抽籤テーブル]
図39、図40を参照して、リプレイ7当籤時ナビポイント抽籤テーブルについて説明する。ナビポイント抽籤テーブルは、サブモード毎に設けられ、ナビポイント付与値に応じた抽籤値の情報を設定値毎に規定している。サブモードとは、例えば、ナビポイントが付与され易い高確率モードと、ナビポイントが付与され難い低確率モードとを含む。図39は、低確率モード時に参照されるリプレイ7当籤時ナビポイント抽籤テーブルであり、図40は、高確率モード時に参照されるリプレイ7当籤時ナビポイント抽籤テーブルである。なお、ナビポイントとして「1」付与された場合には、RT1〜RT3遊技状態において、「3択小役」及び「6択リプレイ」の正解が報知される。その結果、1以上のナビポイントが付与された場合には、報知に従うことを条件に有利なARTに移行することができる。なお、「3択小役」及び「6択リプレイ」の正解の報知は、例えば、液晶表示装置5において行われる。
[パチスロにおいて実行されるプログラムフロー]
次に、図41〜図58を参照して、主制御回路71のメインCPU31により実行されるプログラムの内容について説明する。
[主制御回路のメインCPUの制御によるメインフローチャート]
図41を参照して、メインCPU31が実行する主たる処理を示したメインフローチャートについて説明する。
初めに、メインCPU31は、初期化処理を行い(ステップS1)、ステップS2に移る。なお、この処理では、メインCPU31は、メインRAM33が正常であるか否かのチェックや入出力ポートの初期化等を行う。
ステップS2では、メインCPU31は、指定格納領域初期化処理を行う。例えば、メインCPU31は、内部当籤役格納領域や表示役予想格納領域等に格納されているデータをクリアする。続いて、メインCPU31は、後で図42を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS3)。なお、この処理では、メインCPU31は、投入枚数に基づいて開始操作が可能であるか否かを判別する。
次に、メインCPU31は、抽籤用乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(ステップS4)。このステップS4の処理で抽出された抽籤用乱数値は、内部抽籤処理(後述の図43)において使用される。続いて、メインCPU31は、後で図43を参照して説明する内部抽籤処理を行う(ステップS5)。なお、この処理では、メインCPU31は、内部当籤役を決定する。
次に、メインCPU31は、後で図44を参照して説明するリール停止初期設定処理を行う(ステップS6)。この処理では、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転を停止する制御に係る領域等の初期化を行う。
次に、メインCPU31は、スタートコマンドデータをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する(ステップS7)。スタートコマンドは、遊技状態、内部当籤役等の情報を含み、後述する割込処理の通信データ送信処理(図58のステップS294)において副制御回路72に送信される。これにより、副制御回路72は、開始操作に応じて演出を行うことができる。
次に、メインCPU31は、遊技時間管理タイマが0であるか否かを判別する(ステップS8)。この判別がNOのときは、メインCPU31は、待ち時間の消化待ちを行い(ステップS9)、ステップS10に移る。ステップS10では、メインCPU31は、遊技時間管理タイマに初期値をセットする。すなわち、ステップS8〜ステップS10は、いわゆるウェイト待ちの処理である。
続いて、メインCPU31は、全リール3L,3C,3Rの回転の開始を要求する(ステップS11)。次に、メインCPU31は、リール回転開始コマンドデータをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する(ステップS12)。格納されたリール回転開始コマンドは、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される。
次に、メインCPU31は、後で図45を参照して説明する引込優先順位格納処理を行う(ステップS13)。続いて、メインCPU31は、後で図46を参照して説明するリール停止制御処理を行う(ステップS14)。
次に、メインCPU31は、後で図52を参照して説明する入賞作動検索処理を行う(ステップS15)。なお、この処理では、メインCPU31は、表示役の決定、及びメダルの払出枚数の決定を行う。次に、メインCPU31は、後で図53を参照して説明する入賞チェック・メダル払出処理を行う(ステップS16)。この処理では、メインCPU31は、ステップS15の処理において決定されるメダルの払出枚数に基づいてメダルを払い出す。
続いて、メインCPU31は、BB遊技状態フラグ、MB遊技状態フラグのいずれかがオンであるか否かを判別する(ステップS17)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、後で図54を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(ステップS18)。この処理では、メインCPU31は、ボーナスゲームを終了する条件を満たした場合にボーナスゲームの作動を終了する。続いて、メインCPU31は、ステップS20の処理を行う。他方、ステップS17の判別がNOのときは、メインCPU31は、ステップS19の処理を行う。
ステップS19では、メインCPU31は、後で図55及び図56を参照して説明するRT制御処理を行い、次に、ステップS20の処理を行う。なお、この処理では、RT遊技数カウンタの更新や、表示役に応じてRT遊技状態フラグの更新を行う。ステップS20では、メインCPU31は、後で図57を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行い、次に、ステップS2の処理を行う。なお、この処理では、メインCPU31は、ボーナスゲームを開始する条件を満たした場合にボーナスゲームの作動を開始し、再遊技の条件を満たした場合には、後述の自動投入カウンタに「3」を格納する。
[メダル受付・スタートチェック処理]
図42を参照して、投入枚数に基づいて開始操作が可能であるか否かをメインCPU31が判別する処理の手順を示したメダル受付・スタートチェック処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、自動投入カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(ステップS31)。このとき、自動投入カウンタの値が「0」である場合には、メインCPU31は、メダル通過許可の処理を行い(ステップS32)、続いて、ステップS35の処理を行う。他方、自動投入カウンタの値が「0」でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS33の処理を行う。自動投入カウンタは、自動的に投入するメダルの枚数をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタである。
ステップS33では、メインCPU31は、自動投入カウンタの値を投入枚数カウンタに複写する。投入枚数カウンタは、投入されたメダルの枚数をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタである。続いて、メインCPU31は、自動投入カウンタをクリアする(ステップS34)。続いて、メインCPU31は、ステップS35の処理を行う。
ステップS35では、メインCPU31は、遊技状態に対応する開始操作が有効となる最大の投入枚数を示す投入最大値として「3」をセットする。続いて、メインCPU31は、有効ラインカウンタに「4」を格納する(ステップS36)。
続いて、メインCPU31は、メダルの通過が検出されたか否かを判別する(ステップS37)。例えば、メインCPU31は、メダルセンサ42Sからの入力のチェックを行い判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS38の処理を行う。他方、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS42の処理を行う。
ステップS38では、メインCPU31は、投入枚数カウンタの値が投入最大値であるか否かを判別する。このとき、投入枚数カウンタの値が投入最大値である場合には、メインCPU31は、クレジットカウンタの値に「1」を加算し(ステップS41)、続いて、ステップS42の処理を行う。他方、投入枚数カウンタの値が投入最大値でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS39の処理を行う。
ステップS39では、メインCPU31は、投入枚数カウンタの値に「1」を加算する。続いて、メインCPU31は、メダル投入コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する(ステップS40)。格納されたメダル投入コマンドは、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される。これにより、副制御回路872は、投入操作を契機として演出を行うことができる。
次に、メインCPU31は、ベットスイッチ11Sのチェックを行う(ステップS42)。この処理では、メインCPU31は、投入枚数カウンタの値と、クレジットカウンタの値と、投入最大値と、に基づいて、投入枚数カウンタの値に加算する値を算出し、投入枚数カウンタの値を更新する。続いて、メインCPU31は、ステップS43の処理を行う。
ステップS43では、メインCPU31は、投入枚数カウンタの値が投入最大値であるか否かを判別する。このとき、投入枚数カウンタの値が投入最大値である場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS44の処理を行う。他方、投入枚数カウンタの値が投入最大値でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS37の処理を行う。
ステップS44では、メインCPU31は、スタートスイッチ6Sがオンであるか否かを判別する。具体的には、メインCPU31は、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する。このとき、スタートスイッチ6Sからの入力がある場合には、メインCPU31は、メダル通過禁止の処理を行う(ステップS45)。
[内部抽籤処理]
図43を参照して、抽籤用乱数値及び遊技状態等に基づいてメインCPU31が内部当籤役を決定する処理の手順を示した内部抽籤処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、遊技状態フラグ格納領域を参照して遊技状態フラグを取得する(ステップS51)。続いて、メインCPU31は、内部抽籤テーブル決定テーブルを参照し、遊技状態フラグの種別に基づいて内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数とを決定する(ステップS52)。
ステップS53では、メインCPU31は、乱数値格納領域に格納されている抽籤用乱数値を取得し、乱数データとしてセットする。続いて、メインCPU31は、抽籤回数と同じ値を当籤番号としてセットし、内部抽籤テーブルを参照して当籤番号に対応する抽籤値を取得する(ステップS54)。続いて、メインCPU31は、乱数データから抽籤値を減算する(ステップS55)。
続いて、メインCPU31は、桁かりが行われたか否かを判別する(ステップS56)。言い換えるならば、ステップS55の演算の結果が負であるか否かを判別する。このとき、桁かりが行われた場合には、メインCPU31は、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得し(ステップS61)、続いて、ステップS62の処理を行う。他方、桁かりが行われていない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS57の処理を行う。
ステップS57では、メインCPU31は、乱数データを更新(ステップS55で減算した後の値に更新)する。続いて、メインCPU31は、抽籤回数を「1」減算する(ステップS58)。続いて、メインCPU31は、抽籤回数が「0」であるか否かを判別する(ステップS59)。このとき、抽籤回数が「0」である場合には、メインCPU31は、小役・リプレイ用データポインタとして「0」をセットし、ボーナス用データポインタとして「0」をセットし(ステップS60)、続いて、ステップS62の処理を行う。他方、抽籤回数が「0」でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS54の処理を行う。
ステップS62では、メインCPU31は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役(当たり要求フラグ)を取得する。続いて、メインCPU31は、取得した当たり内部当籤役(当たり要求フラグ)を対応する内部当籤役格納領域に格納する(ステップS63)。
続いて、メインCPU31は、MB遊技状態であるか否かを判別する(ステップS644)。このとき、MB遊技状態である場合には、メインCPU31は、内部当籤役格納領域に格納されているデータを、小役・リプレイ用データポインタ「63」に対応する内部当籤役に更新し(ステップS65)、続いて、ステップS66の処理を行う。他方、MB遊技状態でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS66の処理を行う。
ステップS66では、メインCPU31は、持越役格納領域に格納されているデータが「0」であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS67の処理を行い、他方、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS73の処理を行う。
ステップS67では、メインCPU31は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役(当たり要求フラグ)を取得する。続いて、メインCPU31は、取得した内部当籤役(当たり要求フラグ)を持越役格納領域に格納する(ステップS68)。
続いて、メインCPU31は、持越役格納領域に格納されているデータが「0」であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS73の処理を行い、他方、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS70の処理を行う。
ステップS70では、メインCPU31は、内部当籤役がBB1又は2であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、遊技状態格納領域のデータを更新することで、遊技状態をRT8遊技状態に更新する(ステップS71)。他方、この判別がNO(内部当籤役がMB1,2)のときは、メインCPU31は、遊技状態格納領域のデータを更新することで、遊技状態をRT9遊技状態に更新する(ステップS72)。続いて、メインCPU31は、持越役格納領域に格納されているデータを取得し、内部当籤役格納領域8と持越役格納領域の論理和を内部当籤役格納領域8に格納する(ステップS73)。
[リール停止初期設定処理]
図44を参照して、リール停止初期設定処理について説明する。リール停止初期設定処理では、第1停止操作の際に用いられる停止テーブルの種別を決定する。
初めに、メインCPU31は、回胴停止用番号選択処理を行う(ステップS81)。この処理では、メインCPU31は、小役・リプレイ用データポインタの値に1対1で対応する回胴停止用番号を選択する。なお、遊技状態がMB遊技状態である場合には、専用の回胴停止用番号が選択される。また、ボーナスが重複して内部当籤している場合には、選択する回胴停止用番号を異ならせることとしてもよく、重複するボーナスの種別に応じてさらに異なることとしてもよい。
続いて、メインCPU31は、回胴停止用番号に基づいて、引込優先順位テーブル番号又は引込優先順位テーブル選択番号を取得する(ステップS82)。この処理では、例えば、3択小役や6択リプレイが内部当籤している場合には、停止操作の順序に応じて停止制御が異なるため、優先順位テーブル選択番号が選択され、停止操作の順序に関係のない役が内部当籤している場合には、優先順位テーブル番号(リプレイ>小役>ボーナスの順に優先)を取得する。
続いて、メインCPU31は、回胴停止用番号に基づいて、第1停止操作が左のストップボタン7Lである場合に用いられる左第1停止用停止テーブル番号を取得する(ステップS83)。次に、メインCPU31は、回胴停止用番号に基づいて、第1停止操作が左のストップボタン7Lである場合の第2・第3停止時に使用される停止データテーブル番号である左第1停止後停止データテーブル番号を取得する(ステップS84)。
続いて、メインCPU31は、回胴停止用番号に基づいて、第1停止操作が左のストップボタン7Lである場合の停止位置によって、制御変更が必要であるか否かを識別するための左第1停止後変更データ検索番号を取得する(ステップS85)。次に、メインCPU31は、回胴停止用番号に基づいて、第1停止操作が左のストップボタン7L以外である場合に用いられる停止データテーブルを示すランダム用停止データテーブル番号を取得する(ステップS86)。
続いて、メインCPU31は、回胴停止用番号に基づいて、第1停止操作が左のストップボタン7L以外である場合にラインステータスを選択するためのランダム用変更ステータス番号を取得する(ステップS87)。次に、メインCPU31は、全図柄コード格納領域に回転中の識別子(0FFH)を格納する(ステップS88)。次に、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタに3を格納し(ステップS89)、リール停止初期設定処理を終了する。
[引込優先順位格納処理]
図45を参照して、引込優先順位格納処理について説明する。引込優先順位格納処理では、図柄コード格納領域毎に表示され得る役の中で最も優先して引き込む役を決定する。
初めに、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタの値を検索回数として格納する(ステップS91)。続いて、メインCPU31は、検索対象リール決定処理を行う(ステップS92)。この処理では、回転中のメインリールのうちより左側のメインリールから順に検索対象リールと決定する。
次に、メインCPU31は、引込優先順位テーブル選択処理を行う(ステップS93)。この処理では、内部当籤役、作動ストップボタンに基づいて、引込み優先順位テーブルを選択する。続いて、メインCPU31は、図柄位置データに「0」、図柄チェック回数に「21」をセットする(ステップS94)。次に、メインCPU31は、検索対象リールの現在の図柄位置データについて、図柄コード格納領域に図柄コードを入賞ライン数分格納する(ステップS95)。
続いて、メインCPU31は、全図柄コード格納領域に格納された図柄コードから表示役格納領域を更新する(ステップS96)。すなわち、表示し得る役(図柄組合せ)のビットをオンにする。次に、メインCPU31は、引込優先順位取得処理を行う(ステップS97)。この処理では、格納した図柄コードについて、内部当籤している役であるか、表示できる役であるか、に基づくとともに、選択されている引込優先順位テーブルを参照して、引込優先順位データを取得する。
続いて、メインCPU31は、取得した引込優先順位データを引込優先順位データ格納領域に格納する(ステップS98)。続いて、メインCPU31は、図柄チェック回数を1減算し、図柄位置データを加算する(ステップS99)。次に、メインCPU31は、図柄チェック回数が「0」であるか否かを判別する(ステップS100)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、ステップS101の処理を行い、NOのときは、ステップS95の処理を行う。すなわち、この処理では図柄位置「0」〜「20」の全ての検索が行われたかを判別している。ステップS101では、メインCPU31は、検索回数分検索したか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、引込優先順位格納処理を終了し、NOのときは、ステップS92の処理を行う。すなわち、この処理では全リールについて検索が行われたかを判別している。
[リール停止制御処理]
図46を参照して、メインCPU31が内部当籤役や遊技者による停止操作のタイミング等に基づいてリール3L,3C,3Rの回転を停止させる処理の手順を示したリール停止制御処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、有効なストップボタン7L,7C,7Rが押されたか否かを判別する(ステップS111)。このとき、有効なストップボタン7L,7C,7Rが押された場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS112の処理を行う。他方、有効なストップボタン7L,7C,7Rが押されていない場合には、メインCPU31は、再び、ステップS111の処理を行う。
ステップS112では、メインCPU31は、押下順序格納領域及び作動ストップボタン格納領域を更新する。続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタの値を「1」減算する(ステップS113)。続いて、メインCPU31は、作動ストップボタンから検索対象リールを決定する(ステップS114)。
続いて、ステップS115において、メインCPU31は、図柄カウンタに基づいて停止開始位置を格納する。次に、メインCPU31は、後で図47を参照して説明する滑り駒数決定処理を行い(ステップS116)、ステップS117の処理を行う。ステップS117では、メインCPU31は、リール停止コマンドデータをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。リール停止コマンドは、作動ストップボタン等についての情報を含み、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される。これにより、副制御回路72は、停止操作に応じて演出を行うことができる。
ステップS118では、メインCPU31は、停止開始位置と滑り駒数決定データとに基づいて、停止予定位置を決定し、格納する。続いて、メインCPU31は、停止予定位置の図柄位置データをセットし(ステップS119)、図柄コード格納処理を行う(ステップS120)。
続いて、メインCPU31は、後で図51を参照して説明する制御変更処理を行い(ステップS121)、続いて、ステップS122の処理を行う。ステップS122では、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」あるか否かを判別する。このとき、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」でない場合には第3停止時でないと判別し、メインCPU31は、図45の引込優先順位格納処理を行い(ステップS123)、次に、ステップS111の処理を行う。このように、パチスロ1では、次のリール3L,3C,3Rの回転を停止する処理が行われる前に、未だ回転しているリール3L,3C,3Rの各図柄位置について引込優先順位データを格納する処理が行われる。他方、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」である場合には、第3停止時の停止制御が終了したと判別し、リール停止制御処理を終了する。
[滑り駒数決定処理]
図47を参照して、メインCPU31が停止データ用滑り駒数を決定する処理の手順を示した滑り駒数決定処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、作動ストップボタンに応じたラインマスクデータをセットする(ステップS131)。続いて、メインCPU31は、第1停止時(ストップボタン未作動カウンタの値が「2」)であるか否かを判別する(ステップS132)。このとき、第1停止時である場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS134の処理を行う。他方、第1停止時でない場合には、メインCPU31は、後で図48を参照して説明する第2・第3停止処理を行い(ステップS133)、続いて、ステップS143の処理を行う。
ステップS134では、メインCPU31は、作動ストップボタンが左のストップボタン7Lであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、ステップS135の処理を行い、NOのときは、ステップS137の処理を行う。
ステップS135では、メインCPU31は、左第1停止用停止テーブル番号に基づいて、左第1停止用停止テーブルを取得する。次に、メインCPU31は、左第1停止用停止テーブルを参照し、停止開始位置に基づいて滑り駒数決定データ及びチェンジステータス番号を取得し(ステップS136)、ステップS143の処理を行う。
ステップS137では、メインCPU31は、作動ストップボタン、ランダム用停止データテーブル番号に基づいて、ランダム用停止データテーブルを取得する。次に、メインCPU31は、Aラインステータスをセットし(ステップS138)、ランダム用変更ステータス番号に基づいてライン変更ビットをオンにセットする(ステップS139)。次に、メインCPU31は、後で図49を参照して説明するライン変更ビットチェック処理を行い(ステップS140)、続いて、後で図50を参照して説明するラインマスクデータ変更処理を行う(ステップS141)。続いて、メインCPU31は、対応する停止データテーブルを参照し、停止開始位置に基づく検索結果に基づいて、滑り駒数決定データを生成する(ステップS142)。
ステップS143では、メインCPU31は、優先引込制御処理を行い、滑り駒数決定処理を終了する。
[第2・第3停止処理]
図48を参照して、第2・第3停止処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、第2停止時であるか否かを判別する(ステップS151)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS152の処理を行い、NOのときは、続いて、ステップS154の処理を行う。ステップS152では、メインCPU31は、第1停止操作が左のストップボタン7Lであったか否かを、押下順序格納領域を参照して判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS153の処理を行い、NOのときは、続いて、ステップS154の処理を行う。
ステップS153では、メインCPU31は、後で図49を参照して説明するライン変更ビットチェック処理を行う。続いて、メインCPU31は、後で図50を参照して説明するラインマスクデータ変更処理を行う(ステップS154)。次に、メインCPU31は、対応する停止データテーブルを参照し、停止開始位置に基づく検索結果に基づいて、滑り駒数決定データを生成し(ステップS155)、第2・第3停止処理を終了する。
[ライン変更ビットチェック処理]
図49を参照して、ライン変更ビットチェック処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、停止開始位置のライン変更ビットがオンであるか否かを判別する(ステップS161)。この判別がYESのときは、Bラインステータスをセットし(ステップS162)、ライン変更ビットチェック処理を終了する。他方、この判別がNOのときは、ライン変更ビットチェック処理を終了する。
[ラインマスクデータ変更処理]
図50を参照して、ラインマスクデータ変更処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、Cラインステータスがセットされているか否かを判別する(ステップS171)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、作動ストップボタンに応じてラインマスクデータをCライン用に変更し(ステップS172)、ラインマスクデータ変更処理を終了する。他方、この判別がNOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS173の処理を行う。
ステップS173では、メインCPU31は、Bラインステータスがセットされているか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、作動ストップボタンに応じてラインマスクデータをBライン用に変更し(ステップS174)、ラインマスクデータ変更処理を終了する。他方、この判別がNOのときは、メインCPU31は、ラインマスクデータ変更処理を終了する。
[制御変更処理]
図51を参照して、制御変更処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、第3停止後であるか否かを判別する(ステップS181)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、制御変更処理を終了する。他方、この判別がNOのときは、メインCPU31は、第2停止後であるか否かを判別する(ステップS182)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いてステップS183の処理を行い、NOのときは、メインCPU31は、続いてステップS188の処理を行う。
ステップS183では、第1停止操作が左のストップボタン7Lであるか否かを判別する(ステップS183)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いてステップS184の処理を行い、NOのときは、メインCPU31は、制御変更処理を終了する。
ステップS185では、メインCPU31は、制御変更対象位置であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、左第1停止後停止データテーブル番号を更新し、Cラインチェックデータを取得するとともに(ステップS186)、第1停止後停止データテーブル番号に基づいて左第1停止後停止データテーブルを取得し(ステップS187)、制御変更処理を終了する。他方、この判別がNOのときは、メインCPU31は、制御変更処理を終了する。
ステップS188では、メインCPU31は、第1停止操作が左のストップボタン7Lであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、ステップS189の処理を行い、NOのときは、制御変更処理を終了する。ステップS189では、Cラインチェックデータが「0」であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、制御変更処理を終了し、NOのときは、ステップS190の処理を行う。
ステップS190では、メインCPU31は、作動ストップボタンの停止開始位置におけるライン変更ビットがオンであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、左第1停止後停止データテーブル番号を更新するとともに、Cラインステータスをセットし(ステップS191)、制御変更処理を終了する。他方、この判別がNOのときは、メインCPU31は、制御変更処理を終了する。
[入賞作動検索処理]
図52を参照して、メインCPU31が表示役及び払出枚数を決定する入賞作動検索処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、表示役格納領域をクリアし、図柄コード格納領域の先頭アドレスをセットする(ステップS201)。続いて、メインCPU31は、図柄組合せテーブルの先頭アドレスをセットし(ステップS202)、ステップS203の処理を行う。
ステップS203では、メインCPU31は、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと、図柄コード格納領域に格納されている図柄コードとを比較し、一致するか否かを判別する(ステップS204)。一致する場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS205の処理を行い、一致しない場合には、続いて、ステップS209の処理を行う。
ステップS205では、メインCPU31は、図柄の組合せがRT作動図柄1〜27のいずれかであるか否かを判別する。このとき、RT作動図柄1〜27のいずれかである場合には、メインCPU31は、続いて、入賞作動フラグをRT作動図柄格納領域に格納し、ステップS211の処理を行う。他方、RT作動図柄1〜27のいずれでもない場合には、メインCPU31は、入賞作動フラグを表示役格納領域に格納し(ステップS207)、対応する払出枚数を取得するとともに払出枚数カウンタに加算し(ステップS208)、ステップS211の処理を行う。
ステップS209では、メインCPU31は、図柄組合せテーブルのアドレスを更新する。続いて、メインCPU31は、エンドコードであるか否かを判別し(ステップS210)、エンドコードである場合には、ステップS211の処理を行う一方で、エンドコードでない場合には、ステップS203の処理を行う。
ステップS211では、メインCPU31は、有効ラインカウンタに応じた回数を実行したか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、入賞作動検索処理を終了し、NOのときは、図柄コード格納領域のアドレスを更新し(ステップS212)、続いて、ステップS202の処理を行う。
[入賞チェック・メダル払出処理]
図53を参照して、入賞チェック・メダル払出処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、表示役格納領域に格納された入賞作動フラグの種別、及び払出枚数カウンタの値を取得する(ステップS221)。続いて、メインCPU31は、払出枚数カウンタが0か否かを判別し(ステップS222)、0である場合には、ステップS229の処理を行い、0でない場合には、ステップS223の処理を行う。
ステップS223では、メインCPU31は、払出枚数カウンタの値は上限枚数以上か判別する。なお、本実施の形態では、上限枚数を「9」としている。この判別がYESのときは、メインCPU31は、払出枚数カウンタの値を上限枚数に補正し(ステップS224)、続いて、ステップS225の処理を行う。他方、この判別がNOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS225の処理を行う。
ステップS225では、メインCPU31は、BB遊技状態フラグ又はMB遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、次に、払出枚数カウンタに基づいてボーナス終了枚数カウンタを更新し(ステップS226)、続いて、ステップS227の処理を行う。他方、この判別がNOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS227の処理を行う。
ステップS227では、メインCPU31は、クレジット加算処理を行う。続いて、メインCPU31は、メダル払出処理を行い(ステップS228)、ステップS229の処理を行う。ステップS229では、メインCPU31は、表示コマンドデータをメインRAM33の通信データ格納領域に格納し、入賞チェック・メダル払出処理を終了する。表示コマンドデータは、表示役、払出枚数等の情報を含み、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される。これにより、副制御回路72は、表示役に応じて演出を行うことができる。
[ボーナス終了チェック処理]
図54を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」より小さいか否かを判別する(ステップS231)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS232の処理を行い、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS234の処理を行う。ステップS232では、メインCPU31は、作動しているボーナスに応じてBB終了時処理又はMB終了時処理を行い、続いて、ステップS233の処理を行う。なお、BB終了時処理では、メインCPU31は、BB遊技状態フラグ及びRB遊技状態フラグをオフにセットする処理を行い、MB終了時処理ではMB遊技状態フラグをオフにセットする処理を行う。ステップS233では、メインCPU31は、ボーナス終了時コマンドデータをメインRAM33の通信データ格納領域に格納し、ボーナス終了チェック処理を終了する。ボーナス終了時コマンドデータは、終了したボーナスの種別等の情報を含み、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される。これにより、副制御回路72は、ボーナスの終了に応じて演出を行うことができる。
ステップS234では、メインCPU31は、BB遊技状態であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS235の処理を行い、NOのときは、ボーナス終了チェック処理を終了する。ステップS235では、メインCPU31は、入賞回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタを1減算する。続いて、メインCPU31は、入賞回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタが「0」か否かを判別する(ステップS236)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、RB終了時処理を行い(ステップS237)、ボーナス終了チェック処理を終了する。なお、RB終了時処理では、メインCPU31は、RB遊技状態フラグをオフにセットする処理を行う。他方、この判別がNOのときは、メインCPU31は、ボーナス終了チェック処理を終了する。
[RT制御処理]
図55及び図56を参照して、RT制御処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、RT8遊技状態フラグ又はRT9遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS241)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、RT制御処理を終了し、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS242の処理を行う。ステップS242では、メインCPU31は、RT7遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS243の処理を行い、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS246の処理を行う。
ステップS243では、メインCPU31は、RT遊技数カウンタを1減算する。続いて、メインCPU31は、RT遊技数カウンタが「0」か否かを判別する(ステップS244)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、RT7遊技状態フラグをオフにセットすることで遊技状態を一般遊技状態に更新し(ステップS245)、RT制御処理を終了する。他方、この判別がNOのときは、メインCPU31は、RT制御処理を終了する。
ステップS246では、メインCPU31は、入賞作動フラグが、リプレイ8又はリプレイ9であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、オンであるRT遊技状態フラグをオフに更新することで遊技状態を一般遊技状態に更新し(ステップS247)、RT制御処理を終了する。他方、この判別がNOのときは、メインCPU31は、続いてステップS248の処理を行う。
ステップS248では、メインCPU31は、入賞作動フラグが、RT作動図柄1〜27のいずれかであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、RT1遊技状態フラグをオンに更新することで遊技状態をRT1遊技状態に更新し(ステップS249)、RT制御処理を終了する。他方、この判別がNOのときは、メインCPU31は、続いてステップS250の処理を行う。
ステップS250では、メインCPU31は、入賞作動フラグが、リプレイ2であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、RT2遊技状態フラグをオンに更新することで遊技状態をRT2遊技状態に更新し(ステップS251)、RT制御処理を終了する。他方、この判別がNOのときは、メインCPU31は、続いてステップS252の処理を行う。
ステップS252では、メインCPU31は、入賞作動フラグが、リプレイ3であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、RT3遊技状態フラグをオンに更新することで遊技状態をRT3遊技状態に更新し(ステップS253)、RT制御処理を終了する。他方、この判別がNOのときは、メインCPU31は、続いてステップS261の処理を行う。
ステップS261では、メインCPU31は、入賞作動フラグが、リプレイ4であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、RT4遊技状態フラグをオンに更新することで遊技状態をRT4遊技状態に更新し(ステップS262)、RT制御処理を終了する。他方、この判別がNOのときは、メインCPU31は、続いてステップS263の処理を行う。
ステップS263では、メインCPU31は、入賞作動フラグが、リプレイ5であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、RT5遊技状態フラグをオンに更新することで遊技状態をRT5遊技状態に更新し(ステップS264)、RT制御処理を終了する。他方、この判別がNOのときは、メインCPU31は、続いてステップS265の処理を行う。
ステップS265では、メインCPU31は、入賞作動フラグが、リプレイ6であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、RT6遊技状態フラグをオンに更新することで遊技状態をRT6遊技状態に更新し(ステップS266)、RT制御処理を終了する。他方、この判別がNOのときは、メインCPU31は、続いてステップS267の処理を行う。
ステップS267では、メインCPU31は、入賞作動フラグが、リプレイ7であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、RT7遊技状態フラグをオンに更新することで遊技状態をRT7遊技状態に更新するとともに、RT遊技数カウンタに「2」をセットし(ステップS268)、RT制御処理を終了する。他方、この判別がNOのときは、メインCPU31は、RT制御処理を終了する。
[ボーナス作動チェック処理]
図57を参照して、決定された表示役の種別等に基づいてメインCPU31がボーナスゲームを作動する処理の手順を示したボーナス作動チェック処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、BB遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS271)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS272の処理を行い、他方、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS274の処理を行う。ステップS272では、メインCPU31は、RB遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する。このときRB遊技状態フラグがオンである場合には、メインCPU31は、ボーナス作動チェック処理を終了する。他方、RB遊技状態フラグがオンでない場合には、メインCPU31は、続いて、ボーナス作動時テーブルに基づいてRB作動時処理を行う(ステップS273)。具体的には、メインCPU31は、遊技状態フラグ格納領域にRB遊技状態フラグを格納し、入賞可能回数カウンタに「8」を格納し、遊技可能回数カウンタに「8」を格納する。その後、メインCPU31は、ボーナス作動チェック処理を終了する。
ステップS274では、メインCPU31は、MB遊技状態フラグがオンであるか否かを判別し、オンである場合には、ボーナス作動チェック処理を終了する。他方、オンでない場合には、メインCPU31は、続いて、入賞作動フラグ(表示役)がBB1〜4又はMB1、2であるか否かを判別する(ステップS275)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ボーナス作動時テーブルに基づいて、BB作動時処理又はMB作動時処理を行う(ステップS276)。続いて、メインCPU31は、RT8又はRT9遊技状態フラグをオフに更新するとともに(ステップS277)、持越役格納領域の値をクリアし(ステップS278)、ボーナス開始コマンドデータをメインRAM33の通信データ格納領域に格納し(ステップS279)、ボーナス作動チェック処理を終了する。格納されたボーナス開始コマンドデータは、開始したボーナスの種別等の情報を含み、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される。これにより、副制御回路72は、ボーナス種別に応じて演出を行うことができる。
他方、入賞作動フラグがBB1又はBB2でない場合には、メインCPU31は、入賞作動フラグがリプレイ1〜9のいずれかであるか否かを判別する(ステップS280)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、投入枚数カウンタを自動投入枚数カウンタに複写し(ステップS281)、ボーナス作動チェック処理を終了する。他方、この判別がNOのときは、メインCPU31は、ボーナス作動チェック処理を終了する。
[メインCPUの制御による割込処理(1.1173msec)]
図58を参照して、メインCPU31が所定の時間(例えば、1.1173ms)毎に実行する割込の処理の手順を示したメインCPU31の制御による割込処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、レジスタの退避を行う(ステップS291)。続いて、メインCPU31は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS292)。この処理では、メインCPU31は、マイクロコンピュータ30へ送信される信号の有無を確認する。例えば、メインCPU31は、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S等のオンエッジ、オフエッジを割込処理毎に格納する。また、メインCPU31は、各種スイッチのオンエッジ、オフエッジの情報を含む入力状態コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。格納された入力状態コマンドは、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される。これにより、スタートレバー6やストップボタン7L,7C,7Rといった操作手段を用いて各種演出を実行することができる。
続いて、メインCPU31は、タイマ更新処理を行う(ステップS293)。次に、メインCPU31は、通信データ送信処理を行う(ステップS293)。この処理では、通信データ格納領域に格納されたコマンドを副制御回路72へ送信する。続いて、メインCPU31は、リール制御処理を行う(ステップS295)。例えば、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転を制御する。より詳細には、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転を開始する旨の要求、すなわち、開始操作に応じて、リール3L,3C,3Rの回転を開始するとともに、一定の速度でリール3L,3C,3Rが回転するように制御を行う。また、停止操作に応じて、停止操作に対応するリール3L,3C,3Rの回転が停止するように制御を行う。
続いて、メインCPU31は、ランプ・7SEG駆動処理を行う(ステップS296)。例えば、メインCPU31は、クレジットされているメダルの数、払出枚数等を各種表示部に表示する。続いて、メインCPU31は、レジスタの復帰を行い(ステップS297)、定期的に発生する割込の処理を終了する。
[副制御回路のサブCPUによって実行されるプログラムフロー]
次に、図59〜図69を参照して、副制御回路72のサブCPU81により実行されるプログラムの内容について説明する。
[電源投入時処理]
図59を参照して、電源投入時の副制御回路72の動作について説明する。
初めに、サブCPU81は、初期化処理を行い(ステップS301)、ステップS302に移る。この処理では、サブCPU81は、サブRAM83等のエラーチェック、タスクシステムの初期化を行う。タスクシステムは、タイマ割込同期のタスクグループであるランプ制御タスク、サウンド制御タスク、及びVSYNC(Vertical Synchronization)割込同期のタスクグループであるマザータスクを含んで構成される。
ステップS302では、ランプ制御タスクを起動し、ステップS303に移る。ランプ制御タスクについては、後に図60を参照して説明するが、サブCPU81に対して2ms毎に送信されるタイマ割込イベントメッセージをサブCPU81が受け取るのを待ち、このタイマ割込イベントメッセージをサブCPU81が受け取ったことに応じて、サブCPU81は、各種ランプの点灯状態を制御する処理を行う。
ステップS303では、サウンド制御タスクを起動し、ステップS304に移る。サウンド制御タスクについては、後に図61を参照して説明するが、サブCPU81は、スピーカ9L,9Rからの出音状態を制御する処理を行う。
ステップS304では、マザータスクを起動し、処理を打ち切る。マザータスクについては、後に図62を参照して説明するが、VSYNC(垂直同期信号)割込同期のタスクグループであり、液晶表示装置5で1フレームの映像が表示されたときに液晶表示装置5から送られる垂直同期信号(VSYNC割込信号)を用いる。
[ランプ制御タスク]
図60を参照して、ランプ制御タスクについて説明する。
初めに、サブCPU81は、タイマ割込初期化処理を行い(ステップS311)、ステップS312に移る。ステップS312では、サブCPU81は、ランプ関連データの初期化処理を行い(ステップS312)、ステップS313に移る。ステップS313では、2msイベント待ちを行い、ステップS314に移る。この処理では、サブCPU81が2ms毎にタイマ割込イベントメッセージを受け取るまでの間、サブCPU81は、タイマ割込同期とは異なるタスクグループを実行する。タイマ割込同期とは異なるタスクグループとして、例えば、コマンド受信割込同期のタスクグループである主基板通信タスクが挙げられる。また、図示は省略するが、電源割込同期のタスクグループや、ドア監視ユニット通信同期のタスクグループが挙げられる。
ステップS314では、後で図61を参照して説明するサウンド制御タスクの実行処理を行い、ステップS315に移る。この処理では、ランプ制御タスクと同一グループであるタイマ割込同期のタスクグループの次の優先順位にあるタスクを実行する。実施例では、タイマ割込同期のタスクグループの優先順位は、基本的に、ランプ制御タスク、サウンド制御タスクの順としている。したがって、ステップS314では、ランプ制御タスクの次の優先順位にあるサウンド制御タスクを実行する。なお、ステップS314では、後述の図61を参照して説明するサウンド制御タスクのうち、ステップS323、ステップS324の処理が行われる。
ステップS315では、サブCPU81は、ランプデータ解析処理を行い、ステップS316に移る。ステップS315では、ランプ点灯制御処理を行い、ステップS313に移る。
[サウンド制御タスク]
図61を参照して、サウンド制御タスクについて説明する。
初めにサブCPU81は、スピーカ9L,9Rからの出音状態に関連するサウンド関連データの初期化処理を行い(ステップS321)、ステップS322に移る。ステップS322では、サウンド制御タスクと同一グループであるタイマ割込同期のタスクグループの次の優先順位にあるタスク、すなわちランプ制御タスクを実行し、ステップS323に移る。このステップS322では、サブリール制御タスクのうち、ステップS315、ステップS316の処理が行われる。
ステップS323では、サウンドデータの解析処理を行い、ステップS324に移る。ステップS324では、音出力制御処理を行い、ステップS432へ移る。
[マザータスク]
図62を参照して、マザータスクについて説明する。
初めに、サブCPU81は、メインタスクの起動を行い(ステップS331)、ステップS332に移る。ステップS332では、主基板通信タスクの起動を行い、ステップS333に移る。ステップS333では、アニメタスクを起動し、処理を打ち切る。
[メインタスク]
次に、図63を参照して、メインタスクについて説明する。
初めに、サブCPU81は、VSYNC割込初期化処理を行い(ステップS341)、ステップS342に移る。ステップS342では、サブCPU81は、VSYNC割込待ちを行う。続いて、サブCPU81は、描画処理を行い(ステップS343)、ステップS342に移る。
[主基板通信タスク]
図64を参照して、サブCPU81により行われる主基板通信タスクについて説明する。
初めに、サブCPU81は、通信メッセンジャーキューの初期化を行い(ステップS351)、ステップS352に移る。ステップS352では、コマンド受信のチェックを行い、ステップS353に移る。ステップS353では、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS354に移り、NOのときは、ステップS352に移る。
ステップS354では、受信したコマンドのパラメータから内部当籤役、遊技状態、設定値、RTゲーム数カウンタの値等の遊技情報を作成、格納し、ステップS355に移る。ステップS355では、後に図65を参照して説明するコマンド解析処理を行い、ステップS352に移る。
[コマンド解析処理]
図65を参照して、サブCPU81により行われるコマンド解析処理について説明する。初めに、サブCPU81は、後で図67を参照して説明する演出内容決定処理を行い(ステップS361)、ステップS362に移る。
ステップS362では、ランプデータ決定処理を行い、ステップS363に移る。ステップS363では、サウンドデータ決定処理を行い、ステップS364に移る。ステップS364では、決定された各データを登録し、コマンド解析処理を終了する。
[アニメタスク]
図66を参照して、サブCPU81により行われるアニメタスクについて説明する。初めに、サブCPU81は、前回の遊技情報との変化をチェックし(ステップS371)、ステップS372に移る。ステップS372では、オブジェクト制御処理を行い、ステップS373に移る。ステップS373では、アニメタスク管理処理を行い、ステップS371に移る。
[演出内容決定処理]
図67を参照して、サブCPU81により行われる演出内容決定処理について説明する。初めに、サブCPU81は、初期化コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS381)。初期化コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、初期化コマンド受信時処理を行い(ステップS382)、演出内容決定処理を終了する。なお、この処理では、例えば、設定値の情報を取得する。また、初期状態で滞在する演出ステージの種別等を決定する。
他方、初期化コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、メダル投入コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS383)。メダル投入コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、メダル投入コマンド受信時処理を行い(ステップS384)、演出内容決定処理を終了する。なお、この処理では、例えば、メダル投入の有無、投入枚数カウンタやクレジットカウンタの値の情報を取得する。
他方、メダル投入コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS385)。スタートコマンド受信時である場合には、サブCPU81は、後で図68を参照して説明するスタートコマンド受信時処理を行い(ステップS386)、演出内容決定処理を終了する。
他方、スタートコマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、リール回転開始コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS387)。リール回転開始コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、リール回転開始コマンド受信時処理を行い(ステップS388)、演出内容決定処理を終了する。なお、この処理では、例えば、リール3L,3C,3Rの回転に伴う演出を行う。
他方、リール回転開始コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS389)。リール停止コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、リール停止コマンド受信時処理を行い(ステップS390)、演出内容決定処理を終了する。なお、この処理では、例えば、停止操作に応じた演出を行う。
他方、リール停止コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS391)。表示コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、表示コマンド受信時処理を行い(ステップS392)、演出内容決定処理を終了する。なお、この処理では、例えば、表示役や払い出し枚数の情報を取得する。
他方、表示コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS393)。ボーナス開始コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、ボーナス開始コマンド受信時処理を行い(ステップS394)、演出内容決定処理を終了する。なお、この処理では、例えば、ボーナス開始時用の演出を行う。
他方、ボーナス開始コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS395)。ボーナス終了コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、ボーナス終了コマンド受信時処理を行い(ステップS396)、演出内容決定処理を終了する。なお、この処理では、例えば、ボーナス終了時用の演出を行う。
他方、ボーナス終了コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、入力状態コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS397)。入力状態コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、入力状態コマンド受信時処理を行い(ステップS398)、演出内容決定処理を終了する。なお、この処理では、例えば、遊技者に操作されたスタートレバー6やストップボタン7L,7C,7Rの種別を取得する。他方、入力状態コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了する。
[スタートコマンド受信時処理]
図68を参照して、サブCPU81により行われるスタートコマンド受信時処理について説明する。
初めにサブCPU81は、BB遊技状態又はMB遊技状態であるか否かを判別する(ステップS401)。この判別がYESのときは、サブCPU81は、ボーナスの種別に応じた演出データを決定し、ステップS412に移る。他方、この判別がNOのときは、サブCPU81は、ステップS403に移る。
ステップS403では、サブCPU81は、内部当籤役がBB1〜4又はMB1,2であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、当籤したボーナスの種別、RT遊技状態、サブモード、ナビポイントカウンタの値に基づいて、ナビポイント抽籤を行い(ステップS404)、ステップS412に移る。他方、この判別がNOのときは、サブCPU81は、ステップS405に移る。
ステップS405では、サブCPU81は、RT8遊技状態又はRT9遊技状態であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、ステップS412に移り、NOのときは、ステップS406に移る。
ステップS406では、サブCPU81は、RT4〜RT6遊技状態であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、ステップS407に移り、NOのときは、ステップS409に移る。ステップS407では、内部当籤役が通常役1〜3(すなわち、小役・リプレイ用データポインタ「34」又は「35」)であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、当籤した通常役の種別、RT遊技状態、サブモード、ナビポイントカウンタの値に基づいてナビポイント抽籤を行い(ステップS408)、ステップS412に移る。他方、この判別がNOのときは、サブCPU81は、ステップS412に移る。
ステップS409では、サブCPU81は、ナビポイントカウンタが「1」以上であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、ステップS412に移り、NOのときは、ステップS410に移る。ステップS410では、サブCPU81は、サブモード抽籤処理を行い、ステップS411に移る。この処理では、サブモードの抽籤(高確率モードと低確率モードとの間の移行抽籤)を行う。なお、サブモードの抽籤は、内部当籤役に基づいて行われる。
ステップS411では、サブCPU81は、後で図69を参照して説明する通常ナビポイント抽籤処理を行い、ステップS412に移る。ステップS412では、内部当籤役の種別、遊技状態、サブモード、ナビポイントカウンタの値、抽籤に基づいて演出データを決定し、スタートコマンド受信時処理を終了する。
[通常時ナビポイント抽籤処理]
図69を参照して、サブCPU81により行われる通常時ナビポイント抽籤処理について説明する。初めにサブCPU81は、内部当籤役がリプレイ7であるか否かを判別する(ステップS421)。この判別がYESのときは、サブCPU81は、ステップS422に移り、NOのときは、通常時ナビポイント抽籤処理を終了する。
ステップS422では、サブCPU81は、ボーナス終了後、又はRT4〜6遊技状態終了後20ゲーム以内であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、ステップS424に移り、NOのときは、ステップS423に移る。ステップS423では、サブCPU81は、サブモードが高確率モードであるか否かを判別する。
続いて、サブCPU81は、ボーナス終了後、又はRT4〜6遊技状態終了後20ゲーム以内である場合か、サブモードが高確率モードである場合には、リプレイ7当籤時用ナビポイント抽籤テーブル2を参照して、ナビポイント付与値を決定し、ナビポイントカウンタの値を更新し(ステップS424)、通常時ナビポイント抽籤処理を終了する。
他方、サブCPU81は、ボーナス終了後、又はRT4〜6遊技状態終了後20ゲーム以内でなく、サブモードが低確率モードである場合には、リプレイ7当籤時用ナビポイント抽籤テーブル1を参照して、ナビポイント付与値を決定し、ナビポイントカウンタの値を更新し(ステップS425)、通常時ナビポイント抽籤処理を終了する。
<パチスロ1による効果>
パチスロ1の構成及びパチスロ1により行われる演出の説明は以上である。以下、本実施のパチスロ1による効果について説明する。
本実施の形態に係るパチスロ1では、遊技者にとって有利なARTを終了させるリプレイ7を設けている。このリプレイ7は、停止操作の順序、停止操作のタイミングに関わらず、内部当籤すると必ず入賞する。そのため、ARTにおいてリプレイ7が内部当籤すると必ずARTが終了する。これにより、遊技者にとって有利なARTが長期間にわたり行われることを防止し遊技者の射幸性を制御することができ、また、遊技店側に思わぬ不利益を与えることがない。
一方、ARTにおいてリプレイ7が内部当籤すると、「ナビポイント」を付与する抽籤が行われる。その結果、ナビポイントが付与された場合には、ART終了後に再度ARTに移行することについて期待感を持つことができる。また、リプレイ7は、ボーナスと重複して内部当籤役として決定される場合がある。そのため、ARTの終了時に、ボーナスの期待感を高めることができる。よって、パチスロ1では、ART終了時にその後の遊技における期待感を遊技者に与えることができる。
また、リプレイ7が入賞することで移行するRT7遊技状態は、リプレイが高確率で内部当籤役として決定される。そして、高確率で内部当籤役として決定されるリプレイは、必ず入賞するため、RT7遊技状態において演出実行手段の演出効果を高めることができる。
また、リプレイ7が内部当籤役として決定される確率は、RT4〜RT6遊技状態のそれぞれによって異なる。そのため、遊技者にとって有利なARTについても有利の度合いを変えることができ、遊技の多様性を図ることができる。
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
本実施の形態では、リール3L,3C,3Rの3つのリールを用いたパチスロ1を例にとって説明したが、リールの数は3つに限られるものではない。例えば、2つ又は4つ以上のリールを用いることとしてもよい。また、リールの数の増減に伴い、6択リプレイ等の択数を変化させることとしてもよい。なお、択数に関しては、リールの数の増減だけでなく、リールの数と図柄の組合せにより変化させることとしてもよい。例えば、リールの数を4つにした場合には、リールの数による択数として最大「24択(4×3×2×1)」設けることができ、さらに1のリールにおける図柄の組合せ「2択」を加えた場合には、「48択(24×2)」とすることができる。
また、本実施の形態では、6択リプレイに3回正解することによりARTに移行することとしているが、6択リプレイに正解する回数についてはこれに限られるものではなく、1回、2回等任意の回数とすることができる。この場合において、1回とした場合にはCZとして1つのRT遊技状態、2回とした場合には2つのRT遊技状態を備えることができる。
また、本実施の形態では、ARTとしてRT4遊技状態、RT5遊技状態、RT6遊技状態の3つの遊技状態を設けることとしているがこれに限られるものではない。ARTとして1つのRT遊技状態のみを設けることとしてもよく、また、ARTとして2以上の任意の数のRT遊技状態を設けることとしてもよい。なお、2以上のRT遊技状態を設ける場合には、それぞれの遊技状態において遊技者に対する有利度合いが異なることが好ましい。有利度合いとしては、例えば、リプレイ7の内部当籤確率の相違や、リプレイ7の内部当籤時におけるナビポイント抽籤の抽籤確率の相違等が考えられる。
さらに、実施例のようなパチスロ1の他、他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述のパチスロ1での動作を家庭用ゲーム機用として疑似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。