JP5417004B2 - 車両用外装構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の外板部材に対して間隔をおいて装飾部材が設けられた車両用外装構造に関する。
車両用外装構造のなかには、車体の後部開口を開閉するバックドア(以下、「トランクリッド」という)が車体後部に揺動自在に設けられ、トランクリッドの外面にスポイラーが取り付けられたものがある。
このスポイラーは、トランクリッドの左右側に左右の脚部が設けられ、左右の脚部に亘ってウイング部が設けられることで、トランクリッドとウイング部との間に走行風を流す空間が確保される(例えば、特許文献1参照。)。
実公平4−13220号公報
ここで、トランクリッドに対するスポイラーの一体感を高めるために、スポイラー(ウイング部)の両サイド部をトランクリッドの外面に近づけることが好ましい。
しかし、スポイラーの両サイド部をトランクリッドの外面に近づけた場合、スポイラーの中央部から両サイド部に向けて、トランクリッドとスポイラーとの間の空間が徐々に狭くなることが考えられる。
このため、トランクリッドとスポイラーとの間の空間に指を差し込んだ場合、差し込んだ指がトランクリッドとスポイラーとの間に挟み込まれる虞がある。
特に、スポイラーの中央部とトランクリッドとの間の空間に指を差し込んで、差し込んだ指をスポイラーの中央部から両サイド部に向けて移動した場合に指がトランクリッドとスポイラーとの間に挟み込まれる可能性が高いと思われる。
本発明は、トランクリッドとスポイラーとの間に走行風を流す空間を確保し、また、トランクリッドに対するスポイラーの一体感を高め、さらに、トランクリッドとスポイラーとの間に指を挟み込むことを防止できる車両用外装構造を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、車両の外板部材と、前記外板部材の外面に取り付けられるとともに前記外面に対して間隔をおいて設けられた端縁部を有する装飾部材と、を備え、前記端縁部は、前記端縁部の一方から他方に向かうにつれて前記間隔が徐々に狭くなるように設けられ、前記外板部材の外面と前記端縁部とが間隔をおいて離間しており、前記端縁部は、前記外面に対する間隔が指の高さ幅より小さく設定されている領域を有し、前記外板部材のうち前記端縁部の領域に沿った部位に、前記外面から前記装飾部材に向けて、前記端縁部の領域に沿って膨出する膨出部が設けられ、前記膨出部は、前記装飾部材で覆われるように前記装飾部材の内側に設けられ、かつ、前記端縁部の領域より内側に設けられたことを特徴とする。
請求項は、前記装飾部材を前記外板部材に締結部材で締結するために、前記外板部材に前記締結部材を挿通させる取付孔が設けられ、前記取付孔の周囲を囲むように前記膨出部が設けられたことを特徴とする。
請求項3は、前記膨出部の端部である基部から前記端縁部の領域までの水平方向の距離は、指の先端部から第1関節までの距離よりも短く形成されていることを特徴とする。
請求項4は、車両の外板部材と、前記外板部材の外面に取り付けられるとともに前記外面に対して間隔をおいて設けられた端縁部を有するスポイラーと、を備え、前記スポイラーは、前記外板部材に沿って車両幅方向に延びるウイング部と、前記ウイング部の左右端から前記外板部材に沿って車両前方側に向けて延びる左右のサイド部と、を備え、前記端縁部は、前記ウイング部の端縁部から前記サイド部の端縁部に向かうにつれて前記間隔が徐々に狭くなるように設けられ、前記外板部材の外面と前記サイド部の端縁部とが、前記外板部材の外面と前記ウイング部の端縁部との間隔より狭い間隔で離間しており、前記外板部材のうち前記サイド部の端縁部に沿った部位に、前記外面から前記サイド部に向けて、前記サイド部の端縁部に沿って膨出する膨出部が設けられ、前記膨出部は、前記スポイラーで覆われるように前記スポイラーの内側に設けられ、かつ、前記サイド部の端縁部より内側に設けられたことを特徴とする。
請求項5は、前記サイド部の端縁部のうち車両幅方向の端部が前記外板部材に接することを特徴とする。
請求項6は、前記スポイラーを前記外板部材に締結部材で締結するために、前記外板部材に前記締結部材を挿通させる取付孔が設けられ、前記取付孔の周囲を囲むように前記膨出部が設けられたことを特徴とする。
請求項7は、前記膨出部の端部である基部から前記サイド部の端縁部までの水平方向の距離は、指の先端部から第1関節までの距離よりも短く形成されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、外板部材の外面に対して装飾部材の端縁部を間隔をおいて設けた。そして、この間隔を、端縁部の一方から他方に向かうにつれて徐々に狭くなるようにした。
これにより、端縁部の他方側において間隔を狭くすることができるので、外板部材に対する装飾部材の一体感を高めることができる。
ここで、端縁部の他方側において間隔を狭くすることで、端縁部に、外板部材に対する間隔が指の高さ幅より小さく設定されている領域を有し、外板部材および端縁部の領域間に指が挟み込まれることが考えられる。
そこで、外板部材のうち端縁部の領域に沿った部位に膨出部を設け、この膨出部を装飾部材に向けて膨出させた。
これにより、外板部材および端縁部の領域間の間隔に指を差し込むことを膨出部で阻止し、外板部材および端縁部の領域間に指が挟み込まれることを防ぐことができる。
さらに、請求項に係る発明では、膨出部を装飾部材の内側に設けて装飾部材で覆うようにした。
これにより、膨出部を装飾部材で隠して外部から目視し難くでき、外観性の向上を図ることができる。
請求項に係る発明では、取付孔の周囲を囲むように膨出部を設けた。これにより、取付孔周囲の剛性を高めることができ、外板部材に装飾部材を強固に締結することができる。
また、取付孔の周囲を囲むように膨出部を設けることで、取付孔に挿通させた締結部材を膨出部で隠すことができる。
これにより、取付孔に挿通させた締結部材を外部から目視し難くして外観性の向上を図ることができる。
さらに、取付孔の周囲を囲むように膨出部を設けることで、外板部材の外面上の水滴(水)が取付孔まで流れる(伝わる)ことを膨出部で防ぐことができる。
これにより、外板部材の外面上の水滴が取付孔から外板部材の内部に流れ込むことを防止できる。
請求項3に係る発明では、膨出部の端部である基部から端縁部の領域までの水平方向の距離を、指の先端部から第1関節までの距離よりも短く形成した。
これにより、外板部材の外面および端縁部の領域間の間隔に指を差し込むことを膨出部で阻止することができる。したがって、外板部材の外面および端縁部の領域間に指が挟み込まれること防ぐことができる。
請求項4に係る発明では、外板部材の外面に対してスポイラーの端縁部を間隔をおいて設けた。そして、この間隔を、ウイング部の端縁部から左右の端縁部に向かうにつれて徐々に狭くなるようにした。
よって、ウイング部において間隔を広く確保できるので、トランクリッドとスポイラーとの間の空間に走行風を円滑に流すことができる。
さらに、左右のサイド部において間隔を狭く抑えることができるので、左右のサイド部の外面を車両外面(外板部材の外面)に対して面一に(または、左右のサイド部の外面に対して車両外面(外板部材の外面)の段差を少なくする)ことができる。
これにより、車両外面に沿って流れる走行風を左右のサイド部の外面に円滑に流すことができる。
また、間隔を、ウイング部の端縁部から左右のサイド部の端縁部に向かうにつれて徐々に狭くなるようにした。
これにより、左右のサイド部において間隔を狭くすることができるので、外板部材に対するスポイラーの一体感を高めることができる。
ところで、左右のサイド部において間隔を狭くすることで、外板部材および左右のサイド部間に指が挟み込まれることが考えられる。
そこで、外板部材のうち端縁部に沿った部位に膨出部を設け、この膨出部を左右のサイド部に向けて膨出させた。
これにより、外板部材および左右のサイド部間の間隔に指を差し込むことを膨出部で阻止し、外板部材および左右のサイド部間に指が挟み込まれることを防ぐことができる。
また、外板部材およびウイング部間の間隔は広く確保されている。よって、外板部材およびウイング部間の間隔に指を差し込んでも、外板部材およびウイング部間に指が挟み込まれる虞がなく、指の挟み込みを防ぐためにウイング部に膨出部を設ける必要がない。
これにより、トランクリッドとウイング部との間の間隔を走行風が流れる際に、走行風の流れを膨出部で阻害する虞がなく走行風を円滑に流すことができる。
さらに、請求項に係る発明では、膨出部を左右のサイド部の内側に設けてスポイラーで覆うようにした。
これにより、膨出部をスポイラーで隠して外部から目視し難くでき、外観性の向上を図ることができる。
ここで、外板部材の外面に対するスポイラーの端縁部の間隔を、左右のサイド部の前端側において狭くなるようにした。
よって、外板部材と左右のサイド部との間の間隔に車両の前方から流れ込む走行風は少量に抑えられている。これにより、左右のサイド部の内側に設けた膨出部で走行風の流れに影響を与える虞がない。
請求項5に係る発明では、サイド部の端縁部のうち車両幅方向の端部を外板部材に接するようにした。
請求項6に係る発明では、取付孔の周囲を囲むように膨出部を設けた。これにより、取付孔周囲の剛性を高めることができ、外板部材にスポイラーを強固に締結することができる。
また、取付孔の周囲を囲むように膨出部を設けることで、取付孔に挿通させた締結部材を膨出部で隠すことができる。
これにより、取付孔に挿通させた締結部材を外部から目視し難くして外観性の向上を図ることができる。
さらに、取付孔の周囲を囲むように膨出部を設けることで、トランクリッドとスポイラーとの間の間隔を流れる走行風を膨出部に沿わせて円滑に流すことができる。
これにより、トランクリッドとスポイラーとの間の間隔を流れる走行風が、取付孔に挿通させた締結部材で影響をうける虞がない。
加えて、取付孔の周囲を囲むように膨出部を設けることで、外板部材の外面上の水滴(水)が取付孔まで流れる(伝わる)ことを膨出部で防ぐことができる。
これにより、外板部材の外面上の水滴が取付孔から外板部材の内部に流れ込むことを防止できる。
請求項7に係る発明では、膨出部の端部である基部からサイド部の端縁部までの水平方向の距離を、指の先端部から第1関節までの距離よりも短く形成した。
これにより、外板部材の外面およびサイド部の端縁部間の間隔に指を差し込むことを膨出部で阻止することができる。したがって、外板部材の外面およびサイド部の端縁部間に指が挟み込まれること防ぐことができる。
本発明に係る車両用外装構造が備えられた車両を示す斜視図である。 図1の2−2線断面図である。 本発明に係る車両用外装構造を備えた車両を後方から見た状態を示す斜視図である。 図3の車両用外装構造を示す分解斜視図である。 本発明に係る車両用外装構造を車両を前方から見た状態を示す斜視図である。 図5の車両用外装構造を示す分解斜視図である。 図5に示す7−7線断面図である。 図5に示す8−8線断面図である。 図5に示す9−9線断面図である。 本発明に係る車両用外装構造に走行風が流れる例を説明する図である。 本発明に係る車両用外装構造に指を差し込む例を説明する図である。 本発明に係る車両用外装構造の左膨出部に沿って走行風や水滴が流れる例を説明する図である。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」は運転者から見た方向にしたがい、前側をFr、後側をRr、左側をL、右側をRとして示す。
実施例に係る車両用外装構造16について説明する。なお、実施例では車両10として車両後部を例示するが、車両はこれに限定するものではない。
図1に示すように、車両10は、車体11の後部に設けられた左右のリヤピラー12,13と、左右のリヤピラー12,13間に設けられた後部窓ガラス15と、後部窓ガラス15の下方に設けられた車両用外装構造16とを備えている。
左リヤピラー12は、車体幅方向の左側に設けられ、車体後方に向けて下り勾配になるように延出されている。
右リヤピラー13は、左リヤピラー12と左右対称の部材であり、車体幅方向の右側に設けられ、車体後方に向けて下り勾配になるように延出されている。
後部窓ガラス15は、左右のリヤピラー12,13間に設けられるとともに、車体後方に向けて下り勾配に設けられた略矩形状のガラスである。
この後部窓ガラス15は、左右のリヤピラー12,13の後端部12a,13aに対して後端部15aが高さ寸法Hだけ下方に設けられている。
ガラス後端部15aは、図2に示すように、トランクリッド25の外面25aに対して面一になるように配置されている。
図2〜図4に示すように、車両用外装構造16は、トランク(図示せず)を開閉可能なリッドユニット21と、リッドユニット21を開閉可能に支持する左右のヒンジ機構22,23(図3参照)とを備えている。
リッドユニット21は、トランク(図示せず)を開閉可能なトランクリッド(車両の外板部材)25と、トランクリッド25の外面25aに取り付けられたスポイラー(装飾部材)27とで構成されている。
トランクリッド25の外面25aのうち、左側外面25bにスポイラー27の左サイド部36(後述する)が左締結手段31で締結され、かつ、トランクリッド25の右側外面25cにスポイラー27の右サイド部37が右締結手段32で締結されている。
トランクリッド25は、平面視で略矩形状に形成されるとともに、傾斜角θ1(図2参照)で取り付けられた蓋部材である。
スポイラー27は、トランクリッド25の外面25aに沿って車体幅方向にウイング部35が延出され、ウイング部35の左端部35aからトランクリッド25の左側外面25bに沿って左サイド部36が車体前方に向けて延出され、ウイング部35の右端部35bからトランクリッド25の右側外面25cに沿って右サイド部37が車体前方に向けて延出されている。
このスポイラー27は、ウイング部35および左右のサイド部36,37で略コ字状(あるいは、略ウイング状)に形成されるとともに、トランクリッド25の外面25aに傾斜角θ2で取り付けられている。
ここで、トランクリッド25の傾斜角θ1は、スポイラー27の傾斜角θ2に対して大きくなるように(すなわち、θ1>θ2になるように)設定されている。
左締結手段31は、図4に示すように、締結部材としてのスタッドボルト41・ナット42、ボルト43・ナット44およびボルト45・ナット46とを備えている。
スタッドボルト41はトランクリッド25の左取付孔47に挿通され、ナット42にねじ結合されている。
ボルト43はトランクリッド25の左取付孔(取付孔)48に挿通され、ナット44にねじ結合されている。
ボルト45はトランクリッド25の左取付孔49に挿通され、ナット46にねじ結合されている。
これにより、トランクリッド25の左側外面25bにスポイラー27の左サイド部36が左締結手段31で締結される。
ここで、ボルト43が差し込まれる左取付孔48の周囲に左膨出部(膨出部)52が形成されている。左取付孔48の近傍部位54は、左膨出部52の頂部外面52aに対して下方(凹状)に設けられている。
なお、左膨出部52の役割については後で詳しく説明する。
右締結手段32は、左締結手段31と左右対称の手段であり、各構成部材に左締結手段31と同じ符号を付して説明を省略する。
ここで、右締結手段32のボルト43が差し込まれる右取付孔(取付孔)58の周囲に右膨出部(膨出部)62が形成されている。右取付孔58の近傍部位64は、右膨出部62の頂部外面62aに対して下方(凹状)に設けられている。
左サイド部36の前端部36aが左ヒンジ機構22を介して車体左側部に回動自在に取り付けられるとともに、右サイド部37の前端部37aが右ヒンジ機構23を介して車体右側部に回動自在に取り付けられている。
図5、図6に示すように、スポイラー27は、トランクリッド25の外面25aに対して間隔Sをおいて設けられたスポイラー前端縁部(端縁部)66を有する。
スポイラー前端縁部66は、ウイング部35のウイング前端縁部(端縁部、端縁部の一方)67と、左サイド部36の左サイド前端縁部(端縁部、端縁部の他方)68と、右サイド部37の右サイド前端縁部(端縁部、端縁部の他方)69(図4参照)とを備えている。
ここで、図5に示すように、トランクリッド25の傾斜角θ1は、スポイラー27の傾斜角θ2に対して大きくなるように(すなわち、θ1>θ2になるように)設定されている。
よって、スポイラー前端縁部66は、ウイング前端縁部67から左サイド前端縁部68に向かうにつれて間隔Sが徐々に狭くなるように設けられ、かつ、ウイング前端縁部67から右サイド前端縁部69(図4参照)に向かうにつれて間隔Sが徐々に狭くなるように設けられる。
具体的には、図7に示すように、ウイング前端縁部67は、トランクリッド25の外面25aに対する間隔Sが比較的大きなS1に設定されている。
このように、間隔Sを比較的大きなS1に設定することで、間隔S1に指を差し込んでも、指がトランクリッド25の外面25aおよびウイング前端縁部67間に挟み込まれる虞がない。
さらに、間隔Sを比較的大きなS1に設定することで、トランクリッド25の外面25aとスポイラー27との間の空間に走行風を円滑に流すことができる。
一方、図8に示すように、左サイド前端縁部68は、トランクリッド25の外面25aに対する間隔Sが比較的小さなS2に設定されている。
このように、左サイド部36において間隔SをS2と狭く抑えることができるので、図5に示すように、トランクリッド25に対するスポイラー27の一体感を高めることができる。
図6、図9に示すように、トランクリッド25は、左サイド前端縁部68に沿った左部位外面(部位)25dに、その外面25dから左サイド部36に向けて膨出する左膨出部52が設けられ、図4に示す右サイド前端縁部69に沿った右部位外面(部位)25fに、その外面25fから右サイド部37に向けて膨出する右膨出部62が設けられている。
左膨出部52は、トランクリッド25の外面25aと左サイド前端縁部68との間に指74(図11(b)参照)が挟み込まれることを防ぐ部位である。
右膨出部62は、トランクリッド25の外面25aと右サイド前端縁部69との間に指74(図11(b)参照)が挟み込まれることを防ぐ部位である。
左膨出部52は、図5に示すようにスポイラー27で覆われるように左サイド部36の下側(内側)に設けられている。
また、図4に示す右膨出部62は、スポイラー27で覆われるように右サイド部37の下側(内側)に設けられている。
これにより、左右の膨出部52,62をスポイラー27で隠して外部から目視し難くでき、外観性の向上を図ることができる。
左膨出部52は、左取付孔48の周囲を囲むように設けられている。
左取付孔48の周囲(近傍部位54の周囲)を囲むように左膨出部52を設けることで、左取付孔48の周囲の剛性を高めることができる。
図4に示す右膨出部62は、右取付孔58の周囲を囲むように設けられている。
右取付孔58の周囲(近傍部位64の周囲)を囲むように右膨出部62を設けることで、右取付孔58の周囲の剛性を高めることができる。
これにより、トランクリッド25にスポイラー27を強固に締結することができる。
また、左取付孔48の周囲(近傍部位54の周囲)を囲むように左膨出部52を設けることで、図5に示すように、左取付孔48に挿通させたボルト43(締結部材)を左膨出部52で隠すことができる。
これにより、左取付孔48に挿通させたボルト43を外部から目視し難くして外観性の向上を図ることができる。
同様に、図4に示す右膨出部62を設けることで、右取付孔58に挿通させたボルト43を外部から目視し難くして外観性の向上を図ることができる。
つぎに、車両用外装構造16に走行風が流れる例を図10、図2および図3に基づいて説明する。
なお、左サイド部36および右サイド部37は左右対称の部材なので、図10においては左サイド部36のみについて説明して右サイド部37の説明を省略する。
図10に示すように、トランクリッド25の外面25aに対してスポイラー27のスポイラー前端縁部66を間隔Sをおいて設けた。
そして、この間隔Sを、ウイング部35のウイング前端縁部67から左サイド部36の左サイド前端縁部68に向かうにつれて徐々に狭くなるようにした。
これにより、図2、図3に示すように、ウイング部35において間隔SをS1と広く確保できるので、トランクリッド25の外面25aとスポイラー27との間の空間71に走行風を矢印Aの如く円滑に流すことができる。
さらに、図10に示すように、左サイド部36において間隔SをS2と狭く抑えることができる。よって、左サイド部36の外面36bを左リヤピラー12の外面(車両外面)12bに対して面一に設ける(または、外面36bに対して外面12bの段差を少なくする)ことができる。
これにより、左リヤピラー12の外面(車両外面)12bに沿って矢印Bの如く流れる走行風を左サイド部36の外面36bに矢印Cの如く円滑に流すことができる。
さらに、左サイド部36の外面36bを左リヤピラー12の外面(車両外面)12bに対して面一に設ける(または、外面36bに対して外面12bの段差を少なくする)ことで、左リヤピラー12に対して左サイド部36(特に、左サイド部36の前端部36a)の一体感を高めることができる。
ついで、車両用外装構造16に指74を差し込む例を図11に基づいて説明する。
図11(a)に示すように、ウイング前端縁部67は、トランクリッド25の外面25aに対する間隔Sが指74の高さHより大きなS1に設定されている。
これにより、トランクリッド25の外面25aおよびウイング前端縁部67間の間隔S1に指74を差し込んでも、指74がトランクリッド25の外面25aおよびウイング前端縁部67間に挟み込まれる虞がない。
よって、ウイング前端縁部67に沿わせて膨出部を設ける必要がない。
これにより、トランクリッド25の外面25aとスポイラー27との間の空間71に走行風を円滑に流すことができる。
図11(b)に示すように、左サイド前端縁部68は、トランクリッド25の外面25aに対する間隔Sが指74の高さHより小さなS2に設定されている。
このため、トランクリッド25の外面25aおよび左サイド前端縁部68間の間隔S2に指74を差し込んだ場合、トランクリッド25の外面25aおよび左サイド前端縁部68間に指74が挟み込まれることが考えられる。
そこで、トランクリッド25の左部位外面25dに左膨出部52を設けた。
左膨出部52は傾斜壁52bを備えている。傾斜壁52bの基部52cは左サイド前端縁部68から距離L1の部位に形成されている。
距離L1は、指74の先端部から第1関節74aまでの長さL2より短く設定されている。
よって、トランクリッド25の外面25aおよび左サイド前端縁部68間の間隔S2に指74を差し込む際に、指74が左膨出部52の傾斜壁52bに当たる。
これにより、トランクリッド25の外面25aおよび左サイド前端縁部68間の間隔S2に指74を差し込むことを左膨出部52で阻止することができる。
したがって、トランクリッド25の外面25aおよび左サイド前端縁部68間に指74が挟み込まれること防ぐことができる。
ここで、トランクリッド25の外面25aおよび左サイド前端縁部68間の間隔SをS2とすることで、外面25aと左サイド部36との間の空間71に車幅方向から走行風が流れ込むのを抑制できる。
また、左サイド部36の外面36bを左リヤピラー12の外面(車両外面)12bに対して面一に設けることができるので、空間71に車両前方から走行風が流れ込むことも抑制できる。
このように、空間71に車幅方向や車両前方から走行風が流れ込むことを抑制することで、空間71を流れる走行風が少量に抑えられる。
これにより、左サイド部36の内側に左膨出部52を設けても、左膨出部52で走行風の流れに影響を与える虞がない。
つぎに、車両用外装構造16の左膨出部52に沿って走行風や水滴(水)が流れる例を図12に基づいて説明する。
なお、左膨出部52および右膨出部62は左右対称の部材なので、図12においては左膨出部52のみについて説明して右膨出部62の説明を省略する。
図12(a)に示すように、左取付孔48の周囲(近傍部位54の周囲)を囲むように左膨出部52が設けられている。
よって、トランクリッド25とスポイラー27との間の間隔Sを流れる走行風を左膨出部52に沿わせて(ボルト43を回避させて)矢印Dの如く円滑に流すことができる。
これにより、トランクリッド25とスポイラー27との間の空間71(図2参照)を流れる走行風が、左取付孔48に挿通させたボルト43で影響をうける虞がない。
図12(b)に示すように、左取付孔48の周囲(近傍部位54の周囲)を囲むように左膨出部52を設けることで、トランクリッド25(すなわち、外面25a)上の水滴(水)72が左取付孔48まで流れる(伝わる)ことを左膨出部52で防ぐことができる。
すなわち、外面25a上の水滴72を左膨出部52に沿って矢印Eの如く流すことで、外面25a上の水滴72が左取付孔48からトランクリッド25の内部に流れ込むことを防止できる。
なお、本発明に係る車両用外装構造16は、前述した実施例に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施例では、車両10として車両後部を例示するが、車両はこれに限定するものではなく、例えば車両前部などの他の構造とすることも可能である。
また、前記実施例では、車両用外装構造16の外板部材としてトランクリッド25を例示し、さらに装飾部材としてスポイラー27を例示したが、これに限定しないで、本発明を他の外板部材、他の装飾部材に適用することも可能である。
さらに、前記実施例では、スポイラー27のウイング部35、左サイド部36および右サイド部37を一体に構成した例について説明したが、これに限らないで、ウイング部35、左サイド部36および右サイド部37をそれぞれ個別の部材とし、各部材を連結してスポイラー27を構成することも可能である。
また、前記実施例では、締結部材としてボルト43、ナット44を例示したが、これに限らないで、リベットなどの他の締結部材を用いることも可能である。
さらに、前記実施例で示したトランクリッド25、外面25a、左部位外面25d、右部位外面25f、スポイラー27、ウイング部35、左サイド部36、右サイド部37、左取付孔48、左膨出部52、右取付孔58、右膨出部62、スポイラー前端縁部66、ウイング前端縁部67、左サイド前端縁部68および右サイド前端縁部69などの形状は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
本発明は、車両の外板部材に対して間隔をおいて装飾部材が設けられた車両用外装構造を備えた自動車への適用に好適である。
10…車両、16…車両用外装構造、25…トランクリッド(外板部材)、25a…外面、25d…トランクリッドのうち左サイド前端縁部に沿った左部位外面(外板部材のうち端縁部に沿った部位)、25f…トランクリッドのうち右サイド前端縁部に沿った右部位外面(外板部材のうち端縁部に沿った部位)、27…スポイラー(装飾部材)、35…ウイング部、36…左サイド部、37…右サイド部、43…ボルト(締結部材)、44…ナット(締結部材)、48…左取付孔(取付孔)、52…左膨出部(膨出部)、58…右取付孔(取付孔)、62…右膨出部(膨出部)、66…スポイラー前端縁部(端縁部)、67…ウイング前端縁部(端縁部、端縁部の一方)、68…左サイド前端縁部(端縁部、端縁部の他方、端縁部の領域)、69…右サイド前端縁部(端縁部、端縁部の他方、端縁部の領域、74…指、74a…第1関節、S,S1,S2…間隔。

Claims (7)

  1. 車両の外板部材と、前記外板部材の外面に取り付けられるとともに前記外面に対して間隔をおいて設けられた端縁部を有する装飾部材と、を備え、
    前記端縁部は、前記端縁部の一方から他方に向かうにつれて前記間隔が徐々に狭くなるように設けられ、
    前記外板部材の外面と前記端縁部とが間隔をおいて離間しており、
    前記端縁部は、前記外面に対する間隔が指の高さ幅より小さく設定されている領域を有し、
    前記外板部材のうち前記端縁部の領域に沿った部位に、前記外面から前記装飾部材に向けて、前記端縁部の領域に沿って膨出する膨出部が設けられ
    前記膨出部は、前記装飾部材で覆われるように前記装飾部材の内側に設けられ、かつ、前記端縁部の領域より内側に設けられたことを特徴とする車両用外装構造。
  2. 前記装飾部材を前記外板部材に締結部材で締結するために、前記外板部材に前記締結部材を挿通させる取付孔が設けられ、
    前記取付孔の周囲を囲むように前記膨出部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の車両用外装構造。
  3. 前記膨出部の端部である基部から前記端縁部の領域までの水平方向の距離は、指の先端部から第1関節までの距離よりも短く形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用外装構造。
  4. 車両の外板部材と、前記外板部材の外面に取り付けられるとともに前記外面に対して間隔をおいて設けられた端縁部を有するスポイラーと、を備え、
    前記スポイラーは、前記外板部材に沿って車両幅方向に延びるウイング部と、前記ウイング部の左右端から前記外板部材に沿って車両前方側に向けて延びる左右のサイド部と、を備え、
    前記端縁部は、前記ウイング部の端縁部から前記サイド部の端縁部に向かうにつれて前記間隔が徐々に狭くなるように設けられ、
    前記外板部材の外面と前記サイド部の端縁部とが、前記外板部材の外面と前記ウイング部の端縁部との間隔より狭い間隔で離間しており、
    前記外板部材のうち前記サイド部の端縁部に沿った部位に、前記外面から前記サイド部に向けて、前記サイド部の端縁部に沿って膨出する膨出部が設けられ
    前記膨出部は、前記スポイラーで覆われるように前記スポイラーの内側に設けられ、かつ、前記サイド部の端縁部より内側に設けられたことを特徴とする車両用外装構造。
  5. 前記サイド部の端縁部のうち車両幅方向の端部が前記外板部材に接することを特徴とする請求項4記載の車両用外装構造。
  6. 前記スポイラーを前記外板部材に締結部材で締結するために、前記外板部材に前記締結部材を挿通させる取付孔が設けられ、
    前記取付孔の周囲を囲むように前記膨出部が設けられたことを特徴とする請求項4または請求項5記載の車両用外装構造。
  7. 前記膨出部の端部である基部から前記サイド部の端縁部までの水平方向の距離は、指の先端部から第1関節までの距離よりも短く形成されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項記載の車両用外装構造。
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