JP5416645B2 - 放電灯点灯装置および車両用前照灯装置 - Google Patents

放電灯点灯装置および車両用前照灯装置 Download PDF

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Description

本発明は、放電灯点灯装置および車両用前照灯装置に関するものである。
従来、バッテリや交流電源を整流平滑して得られる直流電源を、放電灯が必要とする電力に変換し、放電灯を安定に点灯させるための電力制御手法として、特許文献1に記載されたものがある。これは、ランプ電圧の検出値より放電灯に供給するランプ電流の目標電流値を設定し、ランプ電流検出値との誤差演算量から、放電灯点灯回路を構成する電力変換回路の制御量を調整するものである。
また、特許文献2には、高輝度放電灯を低周波交番電力で点灯させる構成が記載されている。本例は、図10に示すように、電力変換部1と、電力供給部2と、制御部3と、電圧検出部4と、電流検出部5とで構成され、放電灯Laを点灯させるものである。
電力変換部1は、直流電源Eの両端間にはトランスTの一次コイルN1とスイッチング素子Q1との直列回路が接続されている。トランスT1の二次コイルN2の両端間にはダイオードD1と平滑用のコンデンサC1との直列回路が接続され、コンデンサC1の両端電圧が、電力変換部1が出力する直流電圧Voとなる。上記のように構成された電力変換部1は、フライバックコンバータを構成しており、スイッチング素子Q1をオン・オフ駆動することで、所望の直流電圧Voおよび直流電流Ioを出力する。
電力供給部2は、インバータ部21と始動回路22とで構成される。
インバータ部21は、電力変換部1の出力端間に、スイッチング素子Q2,Q3の直列回路と、スイッチング素子Q4,Q5の直列回路とを接続して、フルブリッジインバータを構成している。そして、スイッチング素子Q2,Q5とスイッチング素子Q3,Q4を交互にオン・オフ駆動することで、直流電圧Voの極性を交互に反転させた交流電圧Vac(交番電圧)を出力する。
始動回路22は、パルストランスTpの一次コイルNp1にパルス電圧を印加するパルス発生回路22aと、インバータ部21の出力に直列接続されたパルストランスTpの二次コイルNp2とで構成される。放電灯Laは、パルストランスTpの二次コイルNp2を介して、インバータ部21の出力端間に接続されている。そして、放電灯Laの始動時には、パルス発生回路22aが一次コイルNp1にパルス電圧を印加することで、二次コイルNp2に高電圧の始動電圧を発生させ、放電灯Laを始動させる。始動後の放電灯Laは、インバータ部21から交流電力を供給されて、点灯状態を維持する。
制御回路3は、電流指令発生部3a、誤差演算部3b、誤差増幅部3c、PWM信号発生部3d、インバータ駆動部3eと、ホールド回路3f,3gとで構成される。そして、スイッチング素子Q1〜Q5をオン・オフ制御することで、電力変換部1およびインバータ部21の動作を制御している。
本例において、放電灯Laへ供給するランプ電力の調整は、電力変換部1の出力制御によって行われる。まず、インバータ部21は、電力変換部1の直流出力の極性を交互に反転させて放電灯Laに供給しており、放電灯Laを流れるランプ電流Ilaは、電力変換部1が出力する直流電流Ioに略等しいとみなすことができる。また、放電灯Laの両端に印加されるランプ電圧Vlaは、電力変換部1が出力する直流電圧Voに略等しいとみなすことができる。したがって、放電灯Laを流れるランプ電流Ila、放電灯Laの両端に印加されるランプ電圧Vlaは、電力変換部1が出力する直流電流Io、直流電圧Voにて等価的に検出することができる。図10では、電圧検出部4が直流電圧Voを検出し、電流検出部5が直流電流Ioを検出して、各検出値を制御回路3へ出力する。
そして、電流指令発生部3aには、本放電灯点灯装置に設けた調光操作手段(図示無し)や、外部の調光コントローラ(図示無し)から、設定された調光レベルに対応して放電灯Laにて消費されるランプ電力を指示するランプ電力指令値が入力される。電流指令発生部3aは、このランプ電力指令値を直流電圧Voの検出値で除することで、直流電流Ioの目標値(直流電流目標値)を算出する。そして、誤差演算部3bは、直流電流Ioの検出値と直流電流目標値との誤差を導出し、誤差増幅器3cは、この誤差を増幅する。PWM信号発生部3dは、誤差増幅器3cの出力に基づいて、直流電流Ioが直流電流目標値に一致する方向に変化するPWM信号を生成し、当該PWM信号でスイッチング素子Q1のオン・オフを制御する。すなわち、PWM信号によって、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数やデューティ比等のスイッチング条件を調整し、直流電流Ioをフィードバック制御している。
また、インバータ駆動部2eは、インバータ部21のスイッチング素子Q2〜Q5をオン・オフ制御して、インバータ部21が出力する交流電圧Vacの周波数を制御している。スイッチング素子Q2,Q5とスイッチング素子Q3,Q4とは交互にオン・オフ駆動され、インバータ部21が出力する交流電圧Vac、交流電流Iacの各波形は、図11(a)(b)に示すように極性が交互に反転している。
ここで、以降の説明では、電圧検出部4および電流検出部5による直流電圧Voおよび直流電流Ioの検出点から放電灯Laに至る経路を出力経路と称する。
まず、始動回路22は始動用の高電圧を発生する機能を有しており、インバータ部21以降の出力経路に設けたトランスやインダクタ等のインダクタンス要素に高電圧を発生させて、放電灯Laに印加することで始動させている。
しかし、出力経路には、始動回路22に含まれるパルストランスTp等のインダクタンス成分が存在している。このため、電力変換部1が出力する直流電圧Voおよび直流電流Ioには、図11(c)(d)に示すように、インバータ部21の出力が極性反転する度に不連続部が存在している。直流電圧Voは、出力経路のインダクタンス成分によるオーバシュートが、インバータ部21の出力反転毎に発生し、このオーバシュート発生時の直流電流Ioは、一時的に落ち込んでいる。これは、出力経路のインダクタンス成分に蓄積された磁気エネルギーが、極性反転毎に直流電圧Vo側に回生されるためである。同時に、出力経路へ電力が供給され続けるため、オーバシュートはより大きくなる。
制御部3は、直流電流Io、直流電圧Voの各検出値を、等価的にランプ電流Ila、ランプ電圧Vlaとみなしている。したがって、上記直流電流Io、直流電圧Voの不連続部は、ランプ電力の検出精度を低下させ、電力変換部1の出力を必要以上に増加させたり、逆に出力を必要以上に低下させる虞があり、消灯の原因にもなり得る。ランプ電流Ilaが小さいときは回生エネルギーも小さく、ランプ電力の検出精度への影響も小さいが、ランプ電圧が低いときにランプ電流Ilaを増加させた場合には、ランプ電力の検出精度への影響を無視できなくなる。出力経路のインダクタンス成分が大きいほど、またインバータ部21bの出力周波数が高いほど、この影響は大きくなる。
そこで、本例では、インバータ部21の出力反転時に、直流電圧Voおよび直流電流Ioの各検出値を出力反転前の値に保持しておくホールド回路2f,2gを備えることで、不連続な検出値を用いることなく、出力制御の安定化を図っている。
ところで、電圧検出部4および電流検出部5の電圧検出点および電流検出点から放電灯Laに至る出力経路には、導体抵抗等の抵抗成分が存在する。
そして、電力変換部1が出力する直流電圧Voを等価的にランプ電圧Vlaとみなす場合、直流電圧Voは、放電灯Laに実際に印加されているランプ電圧Vlaに対して、出力経路の抵抗成分による電圧降下分、高くなっている。すなわち、出力経路の抵抗成分による電圧降下によって、直流電圧Voは実際のランプ電圧Vlaより高くなる。したがって、直流電圧Voを用いて導出された直流電流目標値は、実際に必要な値より低くなり、ランプ電力が不足して、所望の光出力を得ることができない要因となる。
また、HIDランプでは、低温度時の光出力が小さいため、ランプ温度を早く上昇させて光出力を増加させるために、定格電力より大きいランプ電力を供給する場合がある。このような場合、ランプ電流が定常時に比べて非常に大きくなるので、出力経路での電圧降下がさらに大きくなる。したがって、検出した直流電圧Voと実際のランプ電圧Vlaとの誤差がさらに大きくなり、所望のランプ電力を供給できなくなる。
そこで、特許文献3,4では、出力経路の抵抗成分による電圧降下分を直流電圧Voから減算してランプ電圧Vlaを推定しており、直流電圧Voの検出値を実際のランプ電圧Vlaに近付くように補正している。
特開平08−008087号公報 特開平09−007784号公報 特開2000−357596号公報 特開2005−100948号公報
上記図10の回路構成において、インバータ部21が出力する交流出力の基本周波数を考えた場合に、各部の電流および電圧をベクトル図で表すと図12のようになる。ランプ電圧Vlaはランプ電流Ilaと同相になる。一方、インバータ部21が出力する交流電圧Vacは、出力経路のインダクタンス成分によって、ランプ電流Ilaに対して位相角θ進んだ電圧となる。さらに、電力変換部1が出力する直流電圧Voの大きさを、交流電圧Vacと同相に配置する。
本来、出力経路の抵抗成分による電圧降下Vdは、ランプ電流Ilaと同相である。しかし、上記従来技術では、電力変換部1が出力する直流電圧Voから電圧降下Vdを減ずることによって、ランプ電圧の推定値Vla’(推定ランプ電圧Vla’)を導出するため、推定ランプ電圧Vla’は、実際のランプ電圧Vlaよりα高い値となる。したがって、この推定ランプ電圧Vla’に基づいて直流電流目標値を導出すると、ランプ電流が実際に必要な値より低くなり、ランプ電力が不足して、所望の光出力を得ることができない。
この現象は、ランプ電流Ilaが大きく、また等価的なランプインピーダンスが、出力経路のインダクタンス成分によるリアクタンスに近いほど、ランプ電力指令値と実際のランプ電力との間に発生する誤差が大きくなる。さらに、出力経路のインダクタンス成分が大きいほど、またインバータ部21bの交流出力の周波数が高いほど、この誤差は大きくなる。
すなわち、交流点灯する放電灯Laのランプ電力を、電力変換部1の直流出力を制御することで調整する放電灯点灯装置では、出力経路のインダクタンス等のリアクタンス成分による誤差のため、ランプ電圧を精度よく推定することができなかった。而して、ランプ電力を精度よく調整することが困難であった。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、直流電力を制御することでランプ電力を調整する場合に、出力経路のリアクタンス成分の影響による誤差を抑制して、ランプ電力を精度よく調整できる放電灯点灯装置および車両用前照灯装置を提供することにある。
本発明の放電灯点灯装置は、入力を所望の直流電力に変換する電力変換部と、前記電力変換部が出力する直流電力を交流電力に変換し、当該交流電力をランプに供給する電力供給部と、ランプにおいて消費されるランプ電力の指令値であるランプ電力指令値に基づいて、前記電力変換部が出力する直流電力の目標値を決定し、前記電力変換部が出力する直流電力を当該目標値に一致させる制御部とを備え、前記制御部は、前記電力変換部から前記電力供給部を介してランプに至る電力供給のための出力経路の抵抗成分によって生じる電力損失と、前記出力経路のリアクタンス成分によって生じる前記電力供給部の出力電力の無効成分とを用いたベクトル演算によって、前記目標値を補正し、前記ランプ電力を前記ランプ電力指令値に一致させることを特徴とする。
この発明において、前記制御部は、前記電力変換部の出力電圧に対して、前記出力経路の抵抗成分によって生じる電圧降下と、前記出力経路のリアクタンス成分によって生じる前記電力供給部の出力電圧の無効成分とを用いたベクトル演算を適用することによって、ランプに印加されているランプ電圧を算出し、前記ランプ電力指令値を当該ランプ電圧で除することで、前記電力変換部が出力する直流電流の目標値を決定し、前記電力変換部が出力する直流電流を当該目標値に一致させることが好ましい。
この発明において、前記電力変換部の出力電圧Vo、前記電力変換部の出力電流Io、前記出力経路の抵抗成分によって生じる電圧降下Vd、前記出力経路のリアクタンス成分Xcとした場合、前記制御部は、下記式(1)に基づくベクトル演算によってランプ電圧Vlaを算出することが好ましい。
Vla=Vo×cos{sin−1(Io×Xc/Vo)}−Vd … (1)
この発明において、前記電力変換部の出力電圧Vo、前記電力変換部の出力電流Io、前記出力経路の抵抗成分によって生じる電圧降下Vd、前記出力経路のリアクタンス成分Xcとした場合、前記制御部は、下記式(2)に基づくベクトル演算によってランプ電圧Vlaを算出することが好ましい。
Vla=Vo−(Io×Xc)/(2×Vo)−Vd … (2)
この発明において、前記制御部は、前記ランプ電力指令値に対して、前記出力経路の抵抗成分によって生じる電力損失と、前記出力経路のリアクタンス成分によって生じる前記電力供給部の出力電力の無効成分とを用いたベクトル演算を適用することによって、前記ランプ電力指令値を補正し、当該補正後のランプ電力指令値を前記電力変換部の出力電圧で除することで、前記電力変換部が出力する直流電流の目標値を決定し、前記電力変換部が出力する直流電流を当該目標値に一致させることが好ましい。
この発明において、前記ランプ電力指令値Wla、前記電力変換部の出力電流Io、前記出力経路のリアクタンス成分Xc、前記出力経路の抵抗成分によって生じる電力損失Wlossとした場合、前記制御部は、下記式(3)に基づくベクトル演算によって補正後のランプ電力指令値Woを算出することが好ましい。
Wo=√{(Wla+Wloss)+(Io×Xc)} … (3)
この発明において、前記制御部は、前記電力変換部の出力電流に基づいて、前記出力経路のリアクタンス成分を算出する関数部を備えることが好ましい。
この発明において、前記制御部は、前記電力変換部の出力電流が閾値以下である場合、前記出力経路のリアクタンス成分によって生じる前記電力供給部の出力電力の無効成分を、前記ベクトル演算に用いないことが好ましい。
この発明において、前記電力供給部は、前記電力変換部が出力する直流電圧の極性を交互に反転させた交番電圧を発生するインバータ部と、ランプを始動させるための始動電圧を発生させる始動回路とで構成されることが好ましい。
この発明において、前記制御部は、前記ランプ電力指令値に基づいて、前記電力変換部が出力する直流電流の目標値を決定し、前記電力変換部が出力する直流電流を当該目標値に一致させることが好ましい。
本発明の車両用前照灯装置は、車両の前照灯に用いるランプと、当該ランプを点灯させる放電灯点灯装置とを備え、前記放電灯点灯装置は、入力を所望の直流電力に変換する電力変換部と、前記電力変換部が出力する直流電力を交流電力に変換し、当該交流電力をランプに供給する電力供給部と、ランプにおいて消費されるランプ電力の指令値であるランプ電力指令値に基づいて、前記電力変換部が出力する直流電力の目標値を決定し、前記電力変換部が出力する直流電力を当該目標値に一致させる制御部とを備え、前記制御部は、前記電力変換部から前記電力供給部を介してランプに至る電力供給のための出力経路の抵抗成分によって生じる電力損失と、前記出力経路のリアクタンス成分によって生じる前記電力供給部の出力電力の無効成分とを用いたベクトル演算によって、前記目標値を補正し、前記ランプ電力を前記ランプ電力指令値に一致させることを特徴とする。
以上説明したように、本発明では、直流電力を制御することでランプ電力を調整する場合に、出力経路のリアクタンス成分の影響による誤差を抑制して、ランプ電力を精度よく調整することができるという効果がある。
実施形態1の放電灯点灯装置の構成を示す回路図である。 同上の各電圧を示すベクトル図である。 同上の放電灯点灯装置の別構成を示す回路図である。 実施形態2のベクトル演算部の構成を示すブロック図である。 実施形態3のベクトル演算部の構成を示すブロック図である。 実施形態4の放電灯点灯装置の各電圧を示すベクトル図である。 同上の電流指令発生部の構成を示すブロック図である。 実施形態6の照明装置を示す構成図である。 同上の照明装置を用いた車両用前照灯装置を示す構成図である。 従来の放電灯点灯装置の構成を示す回路図である。 (a)〜(d)同上の各部の波形を示す波形図である。 同上の各電圧を示すベクトル図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態の放電灯点灯装置の構成を示し、図10に示す背景技術の制御部3に、ベクトル演算部6を付加したものである。なお、図10と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
従来の電流指令発生部3aは、直流電圧Voの検出値から出力経路の抵抗成分による電圧降下Vdのみを減じて推定ランプ電圧を導出し、ランプ電力指令値をこの推定ランプ電圧で除することで、直流電流目標値を算出している。しかし、インバータ部21が出力する交流電圧Vacは、出力経路のリアクタンス成分によって、ランプ電圧Vlaに対して位相がずれる。したがって、電力変換部1が出力する直流電圧Voから、出力経路の抵抗成分による電圧降下Vdのみを減じて導出した推定ランプ電圧は、実際のランプ電圧Vlaとの誤差が大きいものになる。而して、ランプ電力指令値に基づいて生成される直流電流目標値の精度は低かった。
そこで本実施形態では、ベクトル演算部6が、出力経路の抵抗成分Rcだけでなく、出力経路のリアクタンス成分Xcも併せて考慮して、直流電圧Voの検出値を補正し、推定ランプ電圧として出力する。まず、インバータ部21が出力する交流電圧Vacは、出力経路のリアクタンス成分Xcによって、ランプ電圧Vla(ランプ電流Ila)に対して位相がずれる。以下、リアクタンス成分Xcとして、始動回路22に含まれるパルストランスTp等のインダクタンス成分が支配的であり、交流電圧Vacはランプ電圧Vlaに対して位相が進むものとして説明する。
まず、インバータ部21が出力する交流電圧Vacは、出力経路のリアクタンス成分Xcによって、ランプ電圧Vlaに対して位相が90度進んだ無効成分Vcを含んでいる。さらに、出力経路の抵抗成分Rcによって、ランプ電圧Vlaと同相の電圧降下Vdが発生している。
そして、電力変換部1が出力する直流電圧Voの大きさを、交流電圧Vacと同相に配置した場合、図2に示すように、実際のランプ電圧Vlaに電圧降下Vdを加算した値に、無効成分Vcをベクトル合成した結果が、直流電圧Voとなる。すなわちベクトル演算部6は、直流電圧Voの検出値に、無効成分Vcと電圧降下Vdとをベクトル合成すれば、ランプ電圧Vlaを精度よく推定できることになる。
具体的に、ベクトル演算部6は、式[数1]を用いてランプ電圧Vlaの推定値を算出している。
Figure 0005416645
出力経路のリアクタンス成分Xcは、始動回路22のパルストランスTpや図示しないフィルタ等のインダクタンス成分Lcと、インバータ部21の出力周波数fsより、Xc=2・π・fs・Lcで求められる。
電圧降下Vdは、始動回路22のパルストランスTp等を含む出力経路の抵抗成分Rcによる電圧降下や、スイッチング素子Q2〜Q5における電圧降下の総和となる。スイッチング素子Q2〜Q5がMOSFETの場合、オン抵抗によって直流電流Ioに比例した電圧降下Vdが生じる。また、スイッチング素子Q2〜Q5がバイポーラトランジスタやIGBTの場合、オン抵抗によって直流電流Ioに比例した電圧に所定のオフセット電圧Voffを加算した電圧降下Vdが生じる。したがって、電圧降下Vdは、Vd=Io・Rc+Voffで求められる。
ベクトル演算部6は、上記のように求められた出力経路のリアクタンス成分Xcと電圧降下Vdとを用いて、式[数1]にしたがってランプ電圧Vlaを算出する。
このように求められた推定ランプ電圧は、出力経路の電圧降下Vdだけでなく、出力経路におけるリアクタンス成分Xcによる電圧の無効成分も考慮しており、実際のランプ電圧に対して精度のよい値となる。そして、電流指令発生部3aは、ランプ電力指令値をこの推定ランプ電圧で除することで、直流電流目標値を精度よく算出できる。すなわち、直流電流目標値(直流電力の目標値)は、出力経路の抵抗成分Rcによって生じる電圧降下Vdと、出力経路のリアクタンス成分Xcによって生じる無効成分とを用いたベクトル演算によって補正されている。而して、ランプ電力指令値に対する直流電流目標値の精度を向上させることができる。
そして、誤差演算部3bは、直流電流Ioの検出値と直流電流目標値との誤差を導出し、誤差増幅器3cは、この誤差を増幅する。PWM信号発生部3dは、誤差増幅器3cの出力に基づいて、直流電流Ioが直流電流目標値に一致する方向に変化するPWM信号を生成し、当該PWM信号でスイッチング素子Q1のオン・オフを制御する。すなわち、PWM信号によって、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数やデューティ比等のスイッチング条件を調整し、直流電流Ioをフィードバック制御している。
したがって、交流点灯する放電灯Laのランプ電力を、電力変換部1の直流出力を制御することで調整する放電灯点灯装置において、出力経路のリアクタンス成分の影響による誤差を抑制して、ランプ電力を精度よく調整できる。
また、図1の構成では、ベクトル演算部6が[数1]によるベクトル演算を行う際に、直流電流Ioの検出値を用いている。しかし、ベクトル演算部6は、図3に示すように、電流指令発生部3aが出力する直流電流目標値を、直流電流Ioとして[数1]に適用してもよい。この構成は、例えば誤差演算部3bが電流検出部5の出力端から直流電流Ioの検出値を直接取得する回路構成のように、ベクトル演算部6が直流電流Ioの検出値を得ることができない回路構成の場合に有効である。
また、ベクトル演算部6は、インバータ部21が出力する交流電圧Vac、交流電流Iacの各検出値を用いて、ランプ電圧Vlaを推定してもよい。この場合、ベクトル演算部6は、式[数2]を用いてランプ電圧Vlaの推定値を算出する。
Figure 0005416645
この場合、交流電圧Vac、交流電流Iacの検出点以降を出力経路として考えるため、リアクタンス成分Xcは、主として始動回路22におけるリアクタンスとなり、電圧降下Vdは、主として始動回路22の抵抗分による電圧降下となる。
(実施形態2)
実施形態1の放電灯点灯装置のベクトル演算部6は、[数1]のベクトル演算を行う際に、逆正弦関数と余弦関数とを用いた計算を行うため、複雑な演算処理が必要となる。
ここで、逆正弦関数sin−1φ、余弦関数cosδをフーリエ級数展開すると、
sin−1φ=φ+(1/2)・(φ/3)+(1/2)・(3/4)・(φ/5)+…
cosδ=1−δ/2!+δ/4!−δ/6!+…
となる。
インバータ部21が出力する交流電圧Vacとランプ電圧Vlaとの間の位相角θが大きくないとし、sin−1φ=φ、cosδ=1−δ/2とすれば、
cos(sin−1φ)=1−φ/2
と近似でき、[数1]は、[数3]のような近似演算式として表すことができる。
Figure 0005416645
したがって、ベクトル演算部6は、図4に示す回路構成で実現可能になる。図4に示すベクトル演算部6は、ゲイン回路6aによって、直流電流Ioの検出値に出力経路のリアクタンス成分Xcを掛け、ゲイン回路6aの出力を乗算器6bで二乗する。また、ゲイン回路6cによって、直流電圧Voを2倍する。そして除算部6dは、乗算器6bの出力[(Io×Xc)]をゲイン回路6cの出力[2×Vo]で除算する。また、ゲイン回路6eによって、直流電流Ioに出力経路の抵抗分Rcを掛け、加算器6fによって、ゲイン回路6eの出力にオフセット電圧Voffを加算する。すなわち、ゲイン回路6eと加算器6fとで、電圧降下Vd(=Io・Rc+Voff)を算出する有効分生成部6gとして動作する。
そして、加算器6hによって、出力電圧Voの検出値から、除算部6dの出力[(Io×Xc)/(2×Vo)]と、加算器6fの出力[Vd(=Io・Rc+Voff)]とを減算し、加算器6hの演算結果を推定ランプ電圧とする。
このようにベクトル演算部6は、[数3]の近似演算式を用いることで、回路構成を簡略化できる。
なお、他の構成は実施形態1と同様であり、説明は省略する。
(実施形態3)
実施形態1,2の放電灯点灯装置において、出力経路におけるリアクタンス成分Xcは、始動回路22のパルストランスTpや図示しないフィルタ等のインダクタンス成分Lcと、インバータ部21の出力周波数fsより、Xc=2・π・fs・Lcで求めている。すなわち、リアクタンス成分Xcを固定値として扱っている。しかし、素子特性によっては、当該素子に流れる電流の値によって磁気飽和が発生し、インダクタンス成分Lcが変化する場合がある。
そこで、図5に示す本実施形態のベクトル演算部6は、実施形態2の構成に無効分生成部6kを設けて、電流値によって変化するインダクタンス成分Lcを含むリアクタンス成分Xcに対応している。なお、実施形態2と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
まず、無効分生成部6kは、関数部6iと乗算器6jとで構成されており、関数部6iは、出力電流Ioの検出値と出力経路におけるリアクタンス成分Xcとの関係を表す関数を保持している。そして、出力電流Ioの検出値を入力とし、当該出力電流Ioの検出値を関数に適用してリアクタンス成分Xcの値を出力する。したがって、出力電流Ioの値に応じてリアクタンス成分Xcが変化する場合でも、関数部6iが出力するリアクタンス成分Xcの値は、実際の値に対して精度が高いものとなる。
そして、乗算器6jは、関数部6iが出力するリアクタンス成分Xcの値を直流電流Ioの検出値に掛け、乗算器6bが、乗算器6jの出力を二乗する。また、ゲイン回路6cによって、直流電圧Voを2倍する。そして除算部6dは、乗算器6bの出力[(Io×Xc)]をゲイン回路6cの出力[2×Vo]で除算する。また、有効分生成部6gでは、ゲイン回路6eが、直流電流Ioに出力経路の抵抗分Rcを掛け、加算器6fが、ゲイン回路6eの出力にオフセット電圧Voffを加算する。すなわち、ゲイン回路6eと加算器6fとで、電圧降下Vd(=Io・Rc+Voff)を算出する有効分生成部6gとして動作する。
そして、加算器6hによって、出力電圧Voの検出値から、除算部6dの出力[(Io×Xc)/(2×Vo)]と、加算器6fの出力[Vd=(Io・Rc+Voff)]とを減算し、加算器6hの演算結果を推定ランプ電圧とする。
また、リアクタンス成分Xcは、インバータ部21の出力周波数fsに比例するため、出力周波数fsが変化する場合、出力周波数fsとリアクタンス成分Xcとの関係を表す関数を保持した関数部を新たに設けてもよい。
(実施形態4)
実施形態1乃至3の放電灯点灯装置では、電流指令発生部3aが、ランプ電力指令値を推定ランプ電圧で除することで、直流電流Ioの目標値(直流電流目標値)を算出している。そして、推定ランプ電圧は、出力経路の電圧降下Vdだけでなく、出力経路におけるリアクタンス成分Xcによる電圧の無効成分も考慮して推定されている。
しかし、本実施形態の放電灯点灯装置は、出力経路の抵抗分Rcによる電力損失と、インバータ部21が出力しなければならない無効電力とを用いたベクトル演算によって、ランプ電力指令値Wlaを補正して、補正後のランプ電力指令値Woを生成する。ここで、補正前のランプ電力指令値Wlaは、放電灯Laにて実消費されるランプ電力を指示する。
まず、インバータ部21が出力する交流電力Wacは、出力経路のリアクタンス成分Xcによって、ランプ電力Wlaに対して位相が90度進んだ無効成分Wcを含んでいる。さらに、出力経路の抵抗成分Rcによって、電力損失Wlossが発生している。
そして、図6に示すように、補正前のランプ電力指令値Wlaは、ランプ電流Ilaと同相になる。出力経路の抵抗成分Rcによって発生する電力損失Wlossは、ランプ電力指令値Wlaと同相になる。出力経路のリアクタンス成分Xcによって発生する無効電力Wcは、ランプ電流Ilaに対して位相が90度進み、その大きさはIla×Xcとなる。
ここで、電力変換部1が電力供給部2を含む出力経路を介して放電灯Laへ供給すべき電力Wo(すなわち、補正後のランプ電力指令値Wo)の大きさを、インバータ部21が出力する交流電力Wacと同相に配置する。すると、補正後のランプ電力指令値Woは、ランプ電力指令値Wlaに、電力損失Wlossと無効電力Wcとをベクトル合成して導出される。
そして、ランプ電流Ilaが直流電流Ioと等価であるとみなすと、式[数4]を用いて補正後のランプ電力指令値Woを算出することができる。すなわち、式[数4]では、無効電力Wc=Io×Xcで表される。
Figure 0005416645
そして、電流指令発生部3aは、式[数4]を用いて求めたランプ電力指令値Woを、直流電圧Voの検出値で除することで、直流電流目標値を精度よく算出できる。すなわち、直流電流目標値(直流電力の目標値)は、出力経路の抵抗成分Rcによって生じる電力損失Wlossと、出力経路のリアクタンス成分Xcによって生じる無効電力Wcとを用いたベクトル演算によって補正されている。而して、ランプ電力指令値に対する直流電流目標値の精度を向上させることができる。
具体的に、本実施形態の放電灯点灯装置は図10の構成を備えており、制御回路部3の電流指令発生部3aの構成を図7に示す。
電流指令発生部3aは、電力指令発生部31と、ベクトル演算部32と、除算部33とで構成される。電力指令発生部31は、本放電灯点灯装置に設けた調光操作手段(図示無し)や、外部の調光コントローラ(図示無し)から、放電灯Laにて実消費されるランプ電力を指示するランプ電力指令値Wlaが入力され、ベクトル演算部32へ出力する。
ベクトル演算部32は、ランプ電力指令値Wlaと、電流指令発生部3aが出力する直流電流目標値(直流電流Ioとみなす)とを入力される。さらには出力経路の電力損失Wlossおよびリアクタンス成分Xcの各値を予め保持しており、式[数4]にしたがってランプ電力指令値Woを算出する。
除算部33は、ベクトル演算部32が出力するランプ電力指令値Wlaを、直流電圧Voの検出値で除算し、当該除算結果を直流電流目標値として出力する。
また、図7の構成では、直流電流目標値を直流電流Ioとして用いているが、直流電流Ioの検出値を用いてもよい。
(実施形態5)
実施形態1乃至4において、出力経路には、始動回路22に含まれるパルストランスTp等のインダクタンス成分が存在している。このため、電力変換部1が出力する直流電圧Voおよび直流電流Ioには、図11(c)(d)に示すように、インバータ部21の出力が極性反転する度に不連続部が存在している。直流電圧Voは、出力経路のインダクタンス成分によるオーバシュートが、インバータ部21の出力反転毎に発生し、このオーバシュート発生時の直流電流Ioは、一時的に落ち込んでいる。
そして、出力経路のリアクタンス成分Xcは、直流電圧Voのオーバシュート等の不連続部の大きさおよび継続時間に影響を及ぼす。しかし、直流電流Ioが小さく、オーバシュート等の不連続部の継続時間が、ホールド回路2f,2gのホールド時間に比べて十分短い場合、出力経路のリアクタンス成分Xcの影響は非常に小さくなる。
したがって、制御部3は、放電灯Laの点灯後、ランプ温度が上昇して定常状態に近付き、直流電流Ioが、ランプ電流の定格値近傍の閾値以下になった場合、以下の動作を行ってもよい。
実施形態1乃至3のベクトル演算部6は、出力経路のリアクタンス成分Xcによる電圧の無効成分Vcを考慮せずに、式[数1]〜[数3]のベクトル合成演算を行う。また、実施形態4のベクトル演算部32は、出力経路のリアクタンス成分Xcによる無効電力Wcを考慮せずに、式[数4]のベクトル合成演算を行う。すなわち、出力経路の抵抗成分Rcによって生じる電圧降下Vdまたは電力損失Wlossのみを考慮して、ベクトル合成演算を行う。
また、点灯後の経過時間を計測し、当該経過時間が所定時間を超えた場合に、定常点灯状態となって、直流電流Ioが閾値以下になったものと判断し、実施形態1乃至3のベクトル演算部6は上記動作を行ってもよい。なお、直流電流Ioが閾値以下になったことを検出する手段は、上記方法に限定されない。
また、直流電流Ioが閾値以下になった場合、式[数1]〜[数3]における無効成分Vcの寄与度、式[数4]における無効電力Wcの寄与度を徐々に減らす機能を有してもよい。
このように、上記実施形態1乃至4の放電灯点灯装置は、出力経路の抵抗成分Rcによって生じる電力損失と、出力経路のリアクタンス成分Xcによって生じる無効電力とを用いたベクトル演算によって、直流電流目標値(直流電力の目標値とみなすことができる)を補正することを特徴としている。そして、放電灯Laにて実消費されるランプ電力を指示するランプ電力指令値に対する直流電流目標値の精度を向上させており、放電灯Laの実ランプ電力を精度よく制御できるものである。この概念を実現可能な構成であれば、上記の各実施形態の構成に限定されるものではない。
また、制御部3の少なくとも一部にマイクロコンピュータを用いて構成してもよく、A/D変換手段によって、直流電圧Vo、直流電流Ioの各検出値をデジタル変換し、マイクロコンピュータがベクトル演算を行ってもよい。
また、制御部3の少なくとも一部を構成するマイクロコンピュータがインバータ部21の極性反転制御を行う場合、制御部3とは別体に設けたホールド回路3f,3gは削除可能となる。すなわち、ホールド時間に相当する間は、マイクロコンピュータが、スイッチング素子Q1のスイッチング条件を固定したり、直流電圧Voおよび直流電流Ioの各検出値を出力反転前の値に保持しておくことで、ホールド機能を実現できる。
(実施形態6)
図8は、実施形態1乃至5いずれかの放電灯点灯装置Aを灯具100内に組み込んだ照明装置Bの構成を示す。照明装置Bの灯具100内では、放電灯Laがソケット101に装着されており、放電灯Laの周囲には反射板102が設けられている。ソケット101は、灯具100の下面に取り付けられた放電灯点灯装置Aの出力に配線103を介して接続しており、放電灯Laは、放電灯点灯装置Aからソケット101を通して交流電力を供給され、点灯する。
放電灯点灯装置Aの入力端子には、ヒューズ111と電源スイッチ112とを介して、バッテリEが接続されている。ヒューズ111は過電流保護に用いられ、電源スイッチ112をオン・オフすることで、点灯装置Aへの入力が導通・遮断されて、放電灯Laの点灯・消灯を切り替える。
この照明装置Bは、図9に示す車両Cに搭載して、車両用前照灯装置として用いてもよく、この場合、放電灯Laが前照灯として機能する。
1 電力変換部
2 電力供給部
21 インバータ部
22 始動回路
3 制御部
6 ベクトル演算部
La 放電灯

Claims (11)

  1. 入力を所望の直流電力に変換する電力変換部と、
    前記電力変換部が出力する直流電力を交流電力に変換し、当該交流電力をランプに供給する電力供給部と、
    ランプにおいて消費されるランプ電力の指令値であるランプ電力指令値に基づいて、前記電力変換部が出力する直流電力の目標値を決定し、前記電力変換部が出力する直流電力を当該目標値に一致させる制御部とを備え、
    前記制御部は、前記電力変換部から前記電力供給部を介してランプに至る電力供給のための出力経路の抵抗成分によって生じる電力損失と、前記出力経路のリアクタンス成分によって生じる前記電力供給部の出力電力の無効成分とを用いたベクトル演算によって、前記目標値を補正し、前記ランプ電力を前記ランプ電力指令値に一致させる
    ことを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. 前記制御部は、前記電力変換部の出力電圧に対して、前記出力経路の抵抗成分によって生じる電圧降下と、前記出力経路のリアクタンス成分によって生じる前記電力供給部の出力電圧の無効成分とを用いたベクトル演算を適用することによって、ランプに印加されているランプ電圧を算出し、前記ランプ電力指令値を当該ランプ電圧で除することで、前記電力変換部が出力する直流電流の目標値を決定し、前記電力変換部が出力する直流電流を当該目標値に一致させることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  3. 前記電力変換部の出力電圧Vo、前記電力変換部の出力電流Io、前記出力経路の抵抗成分によって生じる電圧降下Vd、前記出力経路のリアクタンス成分Xcとした場合、
    前記制御部は、下記式(1)に基づくベクトル演算によってランプ電圧Vlaを算出する
    ことを特徴とする請求項2記載の放電灯点灯装置。
    Vla=Vo×cos{sin−1(Io×Xc/Vo)}−Vd … (1)
  4. 前記電力変換部の出力電圧Vo、前記電力変換部の出力電流Io、前記出力経路の抵抗成分によって生じる電圧降下Vd、前記出力経路のリアクタンス成分Xcとした場合、
    前記制御部は、下記式(2)に基づくベクトル演算によってランプ電圧Vlaを算出する
    ことを特徴とする請求項2記載の放電灯点灯装置。
    Vla=Vo−(Io×Xc)/(2×Vo)−Vd … (2)
  5. 前記制御部は、前記ランプ電力指令値に対して、前記出力経路の抵抗成分によって生じる電力損失と、前記出力経路のリアクタンス成分によって生じる前記電力供給部の出力電力の無効成分とを用いたベクトル演算を適用することによって、前記ランプ電力指令値を補正し、当該補正後のランプ電力指令値を前記電力変換部の出力電圧で除することで、前記電力変換部が出力する直流電流の目標値を決定し、前記電力変換部が出力する直流電流を当該目標値に一致させることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  6. 前記ランプ電力指令値Wla、前記電力変換部の出力電流Io、前記出力経路のリアクタンス成分Xc、前記出力経路の抵抗成分によって生じる電力損失Wlossとした場合、
    前記制御部は、下記式(3)に基づくベクトル演算によって補正後のランプ電力指令値Woを算出する
    ことを特徴とする請求項5記載の放電灯点灯装置。
    Wo=√{(Wla+Wloss)+(Io×Xc)} … (3)
  7. 前記制御部は、前記電力変換部の出力電流に基づいて、前記出力経路のリアクタンス成分を算出する関数部を備えることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の放電灯点灯装置。
  8. 前記制御部は、前記電力変換部の出力電流が閾値以下である場合、前記出力経路のリアクタンス成分によって生じる前記電力供給部の出力電力の無効成分を、前記ベクトル演算に用いないことを特徴とする請求項1乃至7記載いずれか記載の放電灯点灯装置。
  9. 前記電力供給部は、前記電力変換部が出力する直流電圧の極性を交互に反転させた交番電圧を発生するインバータ部と、ランプを始動させるための始動電圧を発生させる始動回路とで構成されることを特徴とする請求項1乃至8いずれか記載の放電灯点灯装置。
  10. 前記制御部は、前記ランプ電力指令値に基づいて、前記電力変換部が出力する直流電流の目標値を決定し、前記電力変換部が出力する直流電流を当該目標値に一致させることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  11. 車両の前照灯に用いるランプと、当該ランプを点灯させる請求項1乃至10のいずれか1項に記載の放電灯点灯装置とを備えることを特徴とする車両用前照灯装置。
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