JP5415042B2 - 除草剤組成物及び除草方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭酸水素ナトリウム及び/または炭酸水素カリウム及び/または酢酸塩及び/またはクエン酸塩と他の除草剤を利用した除草剤組成物に関する。更に詳しくは、炭酸水素ナトリウム及び/または炭酸水素カリウム及び/または酢酸塩及び/またはクエン酸塩と他の除草剤を組み合わせることにより、各々単独で使用するよりも、また混用によって期待される除草活性よりも除草活性が向上し、環境への投下量の低減化による環境負荷を低減した除草剤組成物及びその組成物を使用する除草方法に関する。
これまで種々の除草剤が開発され、使用されてきているが、防除対象となる雑草は種類が多く、発生も長期間にわたるため、市販され使用されている数多くの除草剤の中には、今のところ効力、殺草スペクトラム、人体への安全性、環境への負荷などの点ですべての要求を満たすものは存在しない。
現在、公園、園庭、宅地、駐車場、運動場、道路、のり面等の非農耕地の緑地管理においては除草活性、殺草スペクトラム、残効性、即効性に優れた作用を発揮する除草剤が求められている。特に、最近の環境破壊や人体に対する安全性の問題から、環境と人畜に対して優しい薬剤が求められている。さらに近年では家庭園芸の広まりと農薬使用者のニーズの多様化により、安価で手間無く散布できる等の技術が求められている。
重曹(炭酸水素ナトリウム)は食品や洗浄剤としても利用される無機化合物であるが、環境に優しい除草剤としても利用できることが知られており、例えば、米国特許第5330964公報(特許文献1)では雑草の上に重曹の粉末を1/8〜1/4インチの範囲で敷き詰めることにより除草を達成する方法が開示されている。WO93/22914号公報(特許文献2)には、重曹、シナモン、小麦粉を含む粉状の除草剤組成物が開示されている。WO2004/047535号公報(特許文献3)にはアルカリ金属とアンモニアの炭酸塩と農薬を含む粉体組成物が開示されている。特許第3952788号公報(特許文献4)及び特開2006−0508(特許文献6)には重曹5〜15%溶液を100〜2500kg/cm2でブラストする除草方法が開示されている。特開2003−1007(特許文献5)には高濃度の重曹もしくは炭酸水素カリウムを用いる除草方法が開示されている。しかしながらこれらの方法は環境に優しいとは言え多量の化合物を使用せねばならず、コスト面での問題がある。また、高圧でスプレーする必要があるため大掛かりな装置が必要になり、上記課題は依然として残されていた。
また、酢酸、クエン酸及びその塩は、食品や食品添加物として利用される無機化合物であるが、環境にやさしい除草剤としても利用できることが知られており、例えばドイツ特許4030687公報(特許文献10)では、酢酸を除草剤に利用することが提案されている。WO93/2555号公報(特許文献11)及び特表2000504340(特許文献12)には、酢酸とクエン酸を有効成分とする除草剤が開示されている。特表2003−520187(特許文献13)は、カルシウムイオン又はマグネシウムイオンとの安定した配位化合物を形成できるカルボン酸又はリン酸の塩を使用し望まれない植生を調節する方法が開示されている。しかしながらこれらの方法は、効果が十分ではなく、上記課題は依然として残されていた。
一方、従来除草剤としては主にスルホニルウレア、ピラゾール、ジフェニルエーテル、トリアジン、ウレア、アミド、カーバメート系などの既存の化学農薬が使用されてきたが、これらの薬剤が環境及び人畜に与える負荷が問題となっている。これに対し、環境に優しく、人畜に対しても安全な除草剤として柑橘油、樹木精油等の天然物を除草剤に使用することが提案されてきた。例えば、WO97/16975号公報(特許文献7)には、テルペン及びその誘導体を含む精油を除草剤に用いることが、米国特許第5753593号(特許文献8)には柑橘油、パイン油と活性剤を含む水中の草に対する除草方法が開示されている。WO2006/94126号公報(特許文献9)には、リモネン、乳化剤、濡れ剤及びpH調整剤を含むpH5以上の除草剤が開示されている。しかしながら、天然植物精油は環境及び人畜に対する負担が少ないとは言え、化学農薬に比べ散布面積当たりの精油使用量は多くなる。その結果散布面積あたりのコストは化学農薬に比べ高価であり、上記課題は依然として残されていた。
米国特許第5330964公報 WO93/22914号公報 WO2004/047535号公報 特許第3952788号公報 特開2003−1007 特開2006−0508 WO97/16975号公報 米国特許第5753593号 WO2006/94126号公報 ドイツ特許4030687公報 WO93/2555号公報 特表2000−504340 特表2003−520187
本発明は、このような状況及び緑地管理場面での雑草防除の現状を鑑み、標的の禾本科雑草、広葉雑草のいずれの重要雑草をも即効的でしかも的確にかつ長期にわたり防除でき、環境負荷の小さくかつ安価で手間無く散布できる液体状除草剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、既存の除草剤の活性を高め、環境投下量の低減や散布コストの低減化を目指した除草剤を見出すべく、鋭意研究を続けた結果、炭酸水素ナトリウム及び/または炭酸水素カリウム及び/または酢酸塩及び/またはクエン酸塩と他の除草剤を有効成分として含有させることにより、とりわけ炭酸水素ナトリウム及び/または炭酸水素カリウム及び/または酢酸塩及び/またはクエン酸塩と植物精油を含有させることにより、その相乗効果により、公園、園庭、宅地、駐車場、運動場、道路、のり面等の非農耕地の緑地管理用除草剤として、土壌処理、土壌混和処理、茎葉処理のいずれの処理方法においても幅広い雑草に対して高い除草効果を示し、かつ一回の処理で極めて即効的かつ長期間の残効性を示し、それにより既存農薬の使用量を削減できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記の除草剤組成物及び除草方法に関する。
1.炭酸水素ナトリウム及び/または炭酸水素カリウム及び/または酢酸塩及び/またはクエン酸塩と他の除草剤を有効成分として含有することを特徴とする液体状除草剤組成物。
2.他の除草剤が、植物精油である前項1に記載の液体状除草剤組成物。
3.植物精油が、柑橘油及び樹木精油の1種以上から選ばれる前項2に記載の液体状除草剤組成物。
4.植物精油が、オレンジ油、レモン油、ライム油、ラベンダー油、ペパーミント油、ハッカ油、ベルガモット油、スギ油、ヒバ油、ヒノキ油、ユーカリ油、シダーウッド油、シナモン油、白檀油、パイン油、シプレス油、ベチバー油、丁子油、及びパチュリ油の1種以上から選ばれる前項2または3に記載の液体状除草剤組成物。
5.前項1〜4のいずれか1項に記載の液体状除草剤組成物を、発生後の標的雑草の茎葉部及び/または、発生前の土壌に混和及び/または、発生前の土壌面に施用して標的雑草を防除することを特徴とする除草方法。
本発明の液体状除草剤組成物は、その相乗的効果により、公園、園庭、宅地、駐車場、運動場、道路、のり面等の非農耕地の緑地管理用除草剤として、土壌処理、土壌混和処理、茎葉処理のいずれの処理方法においても幅広い雑草に対して高い除草効果を示し、かつ一回の処理で極めて即効的かつ長期間の残効性を示し、それにより既存農薬の使用量を削減できる。本発明の除草剤組成物は、単子葉類、双子葉類、一年生、多年生の広い範囲に及ぶ殺草スペクトラムを有する。かつ、茎葉処理活性と土壌(土壌混和)処理活性を併せ持ち、即効的かつ長期的に対象とする雑草種を的確に除草できるため、除草剤の散布に要する労力やコストを大きく低減することができる。さらに、主たる成分である炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムは環境及び人畜に与える負荷が極めて低い。以上のごとく、本発明の液体状除草剤組成物は多くの優れた特徴を有しており、実用性の極めて高いものである。
一般に、薬剤化合物を混合することによる除草活性が、個々の化合物による活性の単純な合計(期待される効果)よりも大きくなることを相乗作用という。2種の除草剤の特定の組合せにより期待される活性は、次のようにして算出することができる(Colby S.R. Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations,Weed,15,pp.20〜22,1967を参照)。
Figure 0005415042
実際の抑制評価値が上記計算式による理論値(期待値)より大きいならば、個々の除草活性の単なる和以上の効果が示されたことになる。すなわち組合せによる相乗作用が認められるということができる。後述の通り、本発明の組成物による雑草抑制評価値は種々の雑草に対し理論値よりも大きな値を示しており、広範囲の種の雑草に対し相乗的除草効果が認められる。また、いずれか一方の成分のみの施用では効果が十分でなく、十分な効果を上げるためには多量の薬剤を必要とし、コスト的に不利になるばかりでなく環境及び人畜に負荷を与える。
本発明における炭酸水素ナトリウム(重曹)、炭酸水素カリウム、酢酸塩及びクエン酸塩は、それぞれを主成分として含むものであれば特に限定無く公知のものを使用することができ、本発明の目的から逸脱して環境に悪影響を与えない限り不純物を含んでいても良く、多くの市販されているものを利用することができる。酢酸塩及びクエン酸塩の塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等、特に限定無く使用することができる。
炭酸水素ナトリウム(重曹)及び/または炭酸水素カリウムと共に用い、相乗効果を発揮する除草剤成分としては、スルホニルウレア、ピラゾール、ジフェニルエーテル、トリアジン、ウレア、アミド、カーバメート系などの除草剤が挙げられ、かかる除草剤の例として具体的には以下の化合物が利用できる。
アイオキシニル(ioxynil)、アクロニフェン(aclonifen)、アジプロトリン(aziprotryne)、アシフルオルフェン−ナトリウム塩(acifluorfen-sodium)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、アシュラム(asulam)、アセトクロール(acetochlor)、アトラジン(atrazine)、アニロホス(anilofos)、アザフェニジン(azafenidin)、アミカルバゾン(amicarbazone)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、アミトロール(amitrole)、アミノピラリド(aminopyralid)、アミプロホス−メチル(amiprophos-methyl)、アメトリン(ametryne)、アラクロール(alachlor)、アロキシジム(alloxydim)、イソウロン(isouron)、イソキサクロルトール(isoxachlortole)、イソキサフルトール(isoxaflutole)、イソキサベン(isoxaben)、イソプロツロン(isoproturon)、イマザキン(imazaquin)、イマザピック(imazapic)、イマザピル(imazapyr)、イマザメタベンズ−メチル(imazamethabenz-methyl)、イマザモックスアンモニウム塩(imazamox-ammonium)、イマゼタピル(imazethapyr)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、インダノファン(indanofan)、エグリナジン-エチル(eglinazine-ethyl)、エスプロカルブ(esprocarb)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、エタメトスルフロン−メチル(ethametsulfuron-methyl)、エチジムロン(ethidimuron)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、エトキシフェン−エチル(ethoxyfen-ethyl)、エトフメセート(ethofumesate)、エトベンザニド(etobenzanid)、エンドタール二ナトリウム(endothal)、オキサジアゾン(oxadiazon)、オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、オリザリン(oryzalin)、オルソスルファムロン(orthosulfamuron)、オルソベンカーブ(orthobencarb)、オレイン酸(oleic 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chlorate)、2,3,6−TBA、2,4,5−T、2,4−DB、2,4−PA、DNOC、EPTC、MCPA、MCPB、MCPP、MDBA、TCA−ナトリウム塩(TCA-sodium)及び植物精油。
これらの中で特に望ましくは植物精油が使用される。
植物精油とは、植物の花、果実、枝葉、幹、樹皮などから得られる揮発性の液体である。植物精油の構成成分としては、炭化水素類、エステル類、フェノール類、テルペン類などがあるが、多くの植物精油の主成分はテルペン類で、中でも比較的低分子で揮発性のモノテルペン、セスキテルペン、及びジテルペンが主成分であることが多い。植物精油の採取法はいくつかの方法があり、原料、精油成分の種類などに適した採取方法がとられる。中でも、植物原料に水蒸気をあてて水蒸気と共に揮散してくる精油成分を冷却、凝縮して精油を得る水蒸気蒸留法が好適に使用される。また、容器中に入れた植物原料を熱水で煮沸し、出てくる水蒸気と揮発性物質を冷却・凝縮して精油を得る熱水蒸留法、植物原料をアルコールやヘキサンなどの有機溶媒と共に加熱して抽出する有機溶媒抽出法、柑橘類の果皮を圧搾して精油を得る圧搾法、不揮発性溶剤抽出法、超臨界流体抽出法が利用できる。
植物精油として用いることが出来るものには、以下の精油(カッコ内は、植物科/抽出部位/主な抽出方法)が挙げられる。
アニスシード油(セリ科/種子/水蒸気蒸留法)、アンジェリカルート油(セリ科/根/水蒸気蒸留法)、イニュラ油(キク科/全草/水蒸気蒸留法)、イモーテル油(キク科/花/水蒸気蒸留法)、イランイラン油(バンレイシ科/花/水蒸気蒸留法)、イリス油(オリス)(アヤメ科/根/水蒸気蒸留法)、エレミ油(カンラン科/樹脂/水蒸気蒸留法)、オールスパイス油(フトモモ科/葉/水蒸気蒸留法)、オリバナム油(乳香)(カンラン科/樹脂/水蒸気蒸留法)、カボス油(ミカン科/果皮/圧搾法)、オレンジ油(ミカン科/果皮/圧搾法)、カモミール油(ジャーマン・カモミール)(キク科/花/水蒸気蒸留法)、カモミール油(ローマン・カモミール)(Roman chamomile)(キク科/花/水蒸気蒸留法)、カユプテ油(フトモモ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)、カルダモン油(ショウガ科/種子/水蒸気蒸留法)、カルバナム油(キク科/樹脂/水蒸気蒸留法)、キャロットシード油(セリ科/種子/水蒸気蒸留法)、キンモクセイ油(モクセイ科/花/溶剤抽出法[ヘキサン])、クミン油(セリ科/種子/水蒸気蒸留法)、クラリセージ油(clary sage)(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)、グレープフルーツ油(ミカン科/果皮/圧搾法)、クローブ油(丁子)(フトモモ科/つぼみ/水蒸気蒸留法)、クロモジ油(クスノキ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)、月桃油(ショウガ科/葉/水蒸気蒸留法)、コパイパ油(マメ科/樹脂/水蒸気蒸留法)、コリアンダー油(セリ科/種子/水蒸気蒸留法)、サイプレス油(イトスギ:糸杉)(ヒノキ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)、サンダルウッド油(ビャクダン:白檀)(ビャクダン科/木部/水蒸気蒸留法)、シストローズ油(ハンニチバナ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)、紫蘇油(シソ科/葉/水蒸気蒸留法)、シダーウッド油(マツ科もしくはヒノキ科/木部/水蒸気蒸留法)、シトロネラ油(イネ科/全草/水蒸気蒸留法)、シナモン油(クスノキ科/葉/水蒸気蒸留法)、ジャスミン油(モクセイ科/花/溶剤抽出法[ヘキサン]または[アルコール])、ジュニパーベリー油(ヒノキ科/果実/水蒸気蒸留法)、ジンジャー油(ショウガ科/根/水蒸気蒸留法)、ビター・オレンジ油(ミカン科/果皮/圧搾法)、スイート・オレンジ油(ミカン科/果皮/圧搾法)、スギ油(スギ科/葉または木部/水蒸気蒸留法)、スターアニス油(八角)(モクレン科/果実/水蒸気蒸留法)、スペアミント油(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)、セージ油(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)、ゼラニウム油(ニオイテンジクアオイ)(フウロウソウ科/全草/水蒸気蒸留法)、セロリシード油(セリ科/種子/水蒸気蒸留法)、セントジョーンズワート油(オトギリソウ科/花/水蒸気蒸留法)、タイム油(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)、タジェット油(キク科/花/水蒸気蒸留法)、タラゴン油(キク科/全草/水蒸気蒸留法)、タンジェリン油(ミカン科/果皮/圧搾法)、チュペローズ油(リュウゼツラン科/花/溶剤抽出法[アルコール])、ティートリー油(フトモモ科/葉/水蒸気蒸留法)、ディルシード油(セリ科/種子/水蒸気蒸留法)、ナツメグ油(ニクヅク科/実/水蒸気蒸留法)、ナルデ油(スパイクナード)(オミナエシ科/根/水蒸気蒸留法)、ネロリ油(neroli)(ミカン科/サワーオレンジの花/水蒸気蒸留法)、バイオレット・リーフ油(スミレ科/葉/溶剤抽出法[アルコール])、パイン油(マツ科/球果、葉/水蒸気蒸留法)、バジル油(シソ科/葉・花/水蒸気蒸留法)、パチュリ油(patchouli)(シソ科/葉/水蒸気蒸留法)、薄荷油(ハッカ)(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)、バニラ油(ラン科/鞘/溶剤抽出法[アルコール])、パルマローザ油(イネ科/葉/水蒸気蒸留法)、バレリアン油(オミナエシ科/根/水蒸気蒸留法)、ヒソップ油(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)、ヒノキ油(ヒノキ科/木部/水蒸気蒸留法)、ヒバ油(ヒノキ科/木部/水蒸気蒸留法)、フェンネル油(セリ科/種子/水蒸気蒸留法)、プチグレイン油(ミカン科/ビターオレンジの葉・枝/水蒸気蒸留法)、ブラックペパー油(コショウ科/果実/水蒸気蒸留法)、フランジュパニ油(プルメリア)(キョウチクトウ科/花/溶剤抽出法[アルコール])、フランキンセンス油(フランクインセンス、乳香)(カンラン科/樹脂/水蒸気蒸留法)、ブルーサイプレス油(ヒノキ科/木部/水蒸気蒸留法)、ベイ油(クスノキ科/葉/水蒸気蒸留法)、ベチバー油(vetiver)(イネ科/根/水蒸気蒸留法)、ペパーミント油(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)、ベルガモット油(ミカン科/果皮/圧搾法)、ベンゾイン油(安息香)(エゴノキ科/樹脂/溶剤抽出法[アルコール])、マートル油(フトモモ科/葉/水蒸気蒸留法)、マジョラム油(シソ科/全草/水蒸気蒸留法)、マヌカ油(フトモモ科/葉/水蒸気蒸留法)、マンダリン油(ミカン科/果皮/圧搾法)、ミモザ油(マメ科/花/溶剤抽出法[アルコール])、ミルラ油(没薬)(カンラン科/樹脂/水蒸気蒸留法)、メリッサ油(シソ科/花・葉/水蒸気蒸留法)、モミ油(マツ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)、ブルーヤロウ油(キク科/花/水蒸気蒸留法)、柚子油(ミカン科/果皮/水蒸気蒸留法または圧搾法)、ユーカリ油(フトモモ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)、ライム油(ミカン科/果皮/圧搾法)、ラバンディン油(シソ科/花・葉/水蒸気蒸留法)、ラベンサラ油(クスノキ科/葉/水蒸気蒸留法)、ラベンダー油(シソ科/花・葉/水蒸気蒸留法)、リツエアクベバ油(クスノキ科/果実/水蒸気蒸留法)、リンデン油(セイヨウボダイジュ)(シナノキ科/花・葉/水蒸気蒸留法)、レモン油(ミカン科/果皮/圧搾法)、レモングラス油(イネ科/全草/水蒸気蒸留法)、レモンバーベナ油(クマツヅラ科/葉/水蒸気蒸留法)、レモンバーム油(メリッサ)(シソ科/葉/水蒸気蒸留法)、レモンマートル油(フトモモ科/葉・枝/水蒸気蒸留法)、アルバローズ油(バラ科/白バラの花/水蒸気蒸留法)、ダマスクローズ油(ローズオットー)(バラ科/花/水蒸気蒸留法)、ローズウッド油(Aniba rosaeodora)(クスノキ科/木部/水蒸気蒸留法)、ローズマリー油(シソ科/花・葉/水蒸気蒸留法)、ロータス(蓮)油(スイレン科/花/溶剤抽出法[アルコール])、ロベージ油(セリ科/根/水蒸気蒸留法)。
これらの中で、好ましくは、オレンジ油、レモン油、ハッカ油、スギ油、ヒバ油、ヒノキ油、ユーカリ油、シダーウッド油が用いられる。これらの精油は市場にて販売されているものを利用することができる。
本発明の除草剤組成物は上記有効成分をそのまま、あるいは単に水で希釈するだけでも使用可能であるが、農薬製剤で汎用されている固体担体に含浸、あるいは液体担体を添加しても良い。さらに必要に応じて界面活性剤、分散剤、または補助剤などを配合し、一般の農薬のとりうる形態、すなわち乳剤、懸濁剤、フロアブル剤、ペレット剤、水和剤、粒剤、粉剤、顆粒状水和剤、重合体物質中のマイクロカプセルなどの各種剤型にして使用することができる。
好適な担体としては、例えば、固体担体としては、タルク、クレー、ベントナイト、カオリナイト、パイロフェライト、酸性白土、珪藻土、ホワイトカーボン、バーミキュライト、りん灰石、石膏、雲母、珪砂、炭酸カルシウム、軽石粉などの鉱石粉末、結晶性セルロース、デンプン、木片、コルク片、おがくずなどの植物性粉末・固形物、ポリ塩化ビニル、石油樹脂などの高分子化合物などを挙げることができる。
液体担体としては、メタノール、エタノール、シクロヘキサノール、アミルアルコール、エチレングリコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルナフタレンなどの芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、トリクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸イソプロピル、酢酸ベンジルなどのエステル類、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒類、ケロシン、鉱油、水などが挙げられる。
界面活性剤及び分散剤としては、例えば、アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどが挙げられる。これらの界面活性剤は1種だけを単独で、あるいは2種以上を配合してもよく、混合する場合の混合比も任意に選択できる。
補助剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、コーンスターチ、着色剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤などを挙げることができる。
さらに作用の範囲を拡大するために、他の殺虫剤、殺菌剤、あるいは植物生長調節剤、肥料なども混合することもできる。
本発明の液体状除草剤組成物において、有効成分の配合量は必要に応じて加減し得る。
有効成分である炭酸水素ナトリウム(重曹)、炭酸水素カリウム、酢酸塩及びクエン酸塩の濃度としては、例えば液体状の形態で用いる場合は、0.1〜20質量%、好ましくは1〜10質量%程度であり、一方、植物精油を含む他の除草剤の濃度としては、植物精油の場合、1〜90質量%、好ましくは5〜85質量%程度であり、除草剤AL(applicable liquid)剤としてそのまま散布するか、水で希釈して散布、滴下、塗布処理する。希釈散布あるいは滴下する場合は、通常1m2あたり10〜1000ml、好ましくは50〜400mlの水で希釈して処理する。
本発明の液体状除草剤組成物は、緑地管理用除草剤として、土壌処理、土壌混和処理、茎葉処理のいずれの処理方法に於いても、イヌホウズキ(Solanum nigrum)、チョウセンアサガオ(Datura stramonium)等に代表されるナス科(Solanaceae)雑草、イチビ(Abutilon theophrasti)、アメリカキンゴジカ(Sida spinosa)等に代表されるアオイ科(Malvaceae)雑草、マルバアサガオ(Ipomoea purpurea)等のアサガオ類(Ipomoea spps.)やヒルガオ類(Calystegia spps.)等に代表されるヒルガオ科(Convolvulaceae)雑草、イヌビユ(Amaranthus lividus)、アオビユ(Amaranthus retroflexus)等に代表されるヒユ科(Amaranthaceae)雑草、オナモミ(Xanthium pensylvanicum)、ブタクサ(Ambrosia artemisiaefolia)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、ハキダメギク(Galinsoga ciliata)、セイヨウトゲアザミ(Cirsium arvense)、ノボロギク(Senecio vulgaris)、ヒメジョオン(Erigeron annus)等に代表されるキク科(Compositae)雑草、イヌガラシ(Rorippa indica)、ノハラガラシ(Sinapis arvensis)、ナズナ(Capsella bursapastoris)等に代表されるアブラナ科(Cruciferae)雑草、イヌタデ(Polygonum blumei)、ソバカズラ(Polygonum convolvulus)等に代表されるタデ科(Polygonaceae)雑草、スベリヒユ(Portulaca oleracea)等に代表されるスベリヒユ科(Portulacaceae)雑草、シロザ(Chenopodium album)、コアカザ(Chenopodium ficifolium)、ホウキギ(Kochia scoparia)等に代表されるアカザ科(Chenopodiaceae)雑草、ハコベ(Stellaria media)等に代表されるナデシコ科(Caryophyllaceae)雑草、オオイヌノフグリ(Veronica persica)等に代表されるゴマノハグサ科(Scrophulariaceae)雑草、ツユクサ(Commelina communis)等に代表されるツユクサ科(Commelinaceae)雑草、ホトケノザ(Lamium amplexicaule)、ヒメオドリコソウ(Lamium purpureum)等に代表されるシソ科(Labiatae)雑草、コニシキソウ(Euphorbia supina)、オオニシキソウ(Euphorbia maculata)等に代表されるトウダイグサ科(Euphorbiaceae)雑草、ヤエムグラ(Galium spurium)、アカネ(Rubia akane)等に代表されるアカネ科(Rubiaceae)雑草、スミレ(Viola mandshurica)等に代表されるスミレ科(Violaceae)雑草、アメリカツノクサネム(Sesbania exaltata)、エビスグサ(Cassia obtusifolia)等に代表されるマメ科(Leguminosae)雑草等の広葉雑草、野生ソルガム(Sorghum bicolor)、オオクサキビ(Panicum dichotomiflorum)、ジョンソングラス(Sorghum halepense)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli var. crus-galli)、ヒメイヌビエ(Echinochloa crus-galli var. praticola)、栽培ビエ(Echinochloa utilis)、メヒシバ(Digitaria adscendens)、カラスムギ(Avena fatua)、オヒシバ(Eleusine indica)、エノコログサ(Setaria viridis)、スズメノテッポウ(Alopecurus aegualis)、スズメノカタビラ(Poa annua)等に代表されるイネ科雑草、ハマスゲ(Cyperus rotundus, Cyperus esculentus)等に代表されるカヤツリグサ科雑草等の各種雑草に高い殺草力を有する。
さらに、本発明除草剤組成物は、刈り取り跡、休耕畑、樹園地、牧草地、芝生地、線路端、空き地林業地、あるいは農道、畦畔、その他の非農耕地に発生する広範囲の雑草を除草できる。
次に本発明除草剤組成物の調製例、製剤例及び試験例によって説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、下記の例中、%は質量%を示す。
調製例:
実験材料としては以下のものを使用した。
炭酸水素ナトリウム;和光純薬製、
炭酸水素カリウム;和光純薬製、
オレンジ油(由来植物;Citrus sinensis);有限会社ユーンより入手、
レモン油(由来植物;Citrus limon);株式会社生活の木より入手、
酢酸;和光純薬製
クエン酸;和光純薬製
ハッカ油(由来植物;Mentha arvensis var. piperascens);株式会社生活の木より入手
スギ油(由来植物;Cryptomeria japonica);スギの生材約100kgを加熱温度120℃の条件下で、含水率20%以下になるように乾燥させた。乾燥開始後、スギ由来の成分を含む水蒸気を冷却捕集し、約40kgの凝縮水を得た。この凝縮液を放置し、凝縮液の上部に浮遊した油層約150gをデカンテーションにより分離し、スギ油として使用した。
ヒバ油(由来植物;Thujopsis dolabrata);駒井木材社製、
ヒノキ油(由来植物;Chamaecyparis obtusa);有限会社キセイテック社製、
ユーカリ油(由来植物;Eucalyptus globulus);株式会社生活の木より入手、
シダーウッド油(由来植物;Juniperus mexicana);有限会社ユーンより入手、
以上の材料を以下の製剤例、試験例に用いた。
製剤例:
表1に記載する実施例1〜13及び比較例1〜12の処方を調製し、10分間撹拌後下記試験に用いる散布製剤とした。表1中の数値は処方成分の%を示す。なお、全ての散布製剤のpHは、水酸化ナトリウム、塩酸にてpH8.0に調整した後使用した。
Figure 0005415042
試験例1:畑茎葉処理ポット試験(雑草発生初期処理)
350cm2のプラスチックポットに畑土壌を充填し、ヒエ、メヒシバ、カラスムギ、アオビユ、シロザ、マルバアサガオの種子を播種し、約1cm覆土した。吸水後、播種11日目に、比較例及び実施例の散布製剤を1m2あたり100mlの散布水量で均一に散布した。なお、試験は18〜30℃のガラス温室内で実施し、適宜、下面吸水させた。調査は、処理後3日目に表2に示す基準に従って観察評価した。結果を表3に示す。
Figure 0005415042
Figure 0005415042
試験例2:畑土壌処理ポット試験(雑草発生前処理)
350cm2のプラスチックポットに畑土壌を充填し、ヒエ、メヒシバ、カラスムギ、アオビユ、シロザ、マルバアサガオの種子を播種し、約1cm覆土した。吸水後、播種翌日に、比較例及び実施例の散布製剤を1m2あたり100mlの散布水量で均一に土壌表面に散布した。なお、試験は18〜30℃のガラス温室内で実施し、適宜、下面吸水させた。調査は、処理後15日目に表2に示す基準に従って観察評価した。結果を表4に示す。
















































Figure 0005415042
表3及び4に示されるように、本発明による液体状除草剤組成物の除草効果は、個々の有効成分の活性から予想される混用除草効果(理論値)を明らかに上回っていた。これは、有効成分の組み合わせによる相乗効果を明確に示すものである。さらに、各々単独では実用上不十分な除草効果しか示さない投下量であっても、混用して用いることにより、実用上、十分な除草効果を示し、実質的に環境への投下薬量の低減化に有効な処理法を示すものである。また、本発明による液体状除草剤組成物は、雑草の発生前から生育期までの幅広い範囲で、非農耕地の重要雑草を的確にかつ即効的に防除できた。特に、雑草茎葉処理の枯殺特性は、処理数時間後から薬徴を示し、各々単独で用いるより、極めて即効的に標的雑草を防除できる点で非常に有用と言えるものである。
さらに、土壌処理活性を有する点は、雑草の発生消長が長い適用場面においても、被覆植物が枯死した後、裸地化した土地には雑草の再発生が加速するが、そのような場面においても長期間の雑草防除を可能とすることを示している。

Claims (3)

  1. 炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムとオレンジ油、レモン油、ハッカ油、スギ油、ヒバ油、ヒノキ油、ユーカリ油及びシダーウッド油の1種以上から選ばれる植物精油を有効成分として含有することを特徴とする液体状除草剤組成物。
  2. 炭酸水素ナトリウム、及びオレンジ油、レモン油、ハッカ油、スギ油、ヒバ油、ヒノキ油、ユーカリ油及びシダーウッド油の1種以上から選ばれる植物精油を有効成分として含有する請求項1に記載の液体状除草剤組成物。
  3. 請求項1または2に記載の液体状除草剤組成物を、発生後の標的雑草の茎葉部及び/または、発生前の土壌に混和及び/または、発生前の土壌面に施用して標的雑草を防除することを特徴とする除草方法。
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