JP5412773B2 - 回折格子又はホログラム - Google Patents

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Description

本発明は、主にセキュリティ用途に使用される凹凸構造に関し、詳しくは、回折格子やホログラムなど、セキュリティ用途で使用される各種絵柄の中に、目視では確認困難な情報として組み込まれた凹凸構造による隠し情報を有する回折格子又はホログラムに関する。
(主なる用途)本発明の回折格子又はホログラムの主なる用途としては、偽造防止分野に使用される回折格子又はホログラムであって、具体的には、クレジットカード等の偽造されて使用されると、カード保持者やカード会社等に損害を与え得るもの、運転免許証、社員証、会員証等の身分証明書、入学試験用の受験票、パスポート等、紙幣、商品券、ポイントカード、株券、証券、抽選券、馬券、預金通帳、乗車券、通行券、航空券、種々の催事の入場券、遊戯券、交通機関や公衆電話用のプリペイドカード等がある。
これらはいずれも、経済的、もしくは社会的な価値を有する情報を保持した情報記録体であり、偽造による損害を防止する目的で、記録体そのものの真正性を識別できる機能を有することが望まれる。
また、これら情報記録体以外であっても、高額商品、例えば、高級腕時計、高級皮革製品、貴金属製品、もしくは宝飾品等の、しばしば、高級ブランド品と言われるもの、または、それら高額商品の収納箱やケース等も偽造され得るものである。また、量産品でも有名ブランドのもの、例えば、オーディオ製品、電化製品等、または、それらに吊り下げられるタグも、偽造の対象となりやすい。
さらに、著作物である音楽ソフト、映像ソフト、コンピュータソフト、もしくはゲームソフト等が記録された記憶体、またはそれらのケース等も、やはり偽造の対象となり得る。また、プリンター用のトナー、用紙など、交換する備品を純正材料に限定している製品などにも、偽造による損害を防止する目的で、そのものの真正性を識別できる機能を有することが望まれる。
特に、本発明の回折格子又はホログラムは、同一のものを作成することが物理的にも経済的にも不可能なものが望まれる分野、すなわち、芸術品や、骨董品等の鑑定しなければその価値を証明できない分野、もしくは、非常に貴重なものであって模造品でないことを所有者や関係者のみ知り得る方法により確認する必要がある分野等に最適である。
高額な金券類に着目すると、近年、カラーコピー機による偽造事件が頻発している。
そのために、高額紙幣や商品券等の金券類は、デザインの一部にカラーコピー機のセンサーでは読み取ることができない小さな網点や細線を、同じ反射濃度でデザインされた絵柄の中に組み込んでいる。その結果、これらの高額紙幣や商品券をカラーコピー機によって複写しようとすると、コピー機のスキャナーが小さな網点や細線を読み落とし、その部分が白く抜けることでコピー品であると判別している。
(背景技術)
また、高度な複製技術を必要とするホログラムが、一部の高額紙幣や、その他の金券類に採用されている。
ホログラムは、また、その凹凸面に金属の反射層を形成することにより、ホログラムをコピーした時にホログラム形成部を黒に再現するため、コピー牽制手段として利用されている。
しかしながら、技術の進歩によって、ホログラムに近似の偽造品が出現するようになってきた。そして、このような偽造品をチェックするために、ホログラムの光回折構造即ち回折格子の中に判別困難な隠し情報を組み込んで真偽判別の手段として使用する技術が開示されている。
ところがこれらの技術を使用した製品も、見る角度によって隠し情報が微かに判別されてしまうという課題があった。
このような課題に対して、目視手段による判別が極めて困難な隠し情報を含む回折格子により構成された真贋識別構造及びその作製方法が提供されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1で開示されている技術は、回折格子で構成されたデザインの中に、第一の隠し情報を有し、その第一の隠し情報の中にさらに文字・記号又はこれらの組み合わせによる第ニの隠し情報を凹凸によって形成するものである。この第ニの隠し情報のサイズは、0.5μm〜50μmであり、簡易な顕微鏡を用いても判読が困難である。
また、例え第ニの隠し情報として形成されている凹凸の情報を精密な顕微鏡で判読したとしても、その情報は無秩序(ランダムな)情報であり、且つ、そのサイズも無秩序に形成されているため、偽造を試みる場合は、回折格子デザインの全ての部分の情報及びサイズを判読し尽くして再現しなければ真正なものを作ることは不可能であるため、高い偽造防止効果を有する。
特開2007−292899号公報
特許文献1に開示されている技術は、その無秩序性によって偽造防止効果を高めたものであるが、「無秩序」であることと、凹凸の「周期性」により透過光若しくは反射光の干渉を発生させて光を「強く」回折させるという「回折の原理・原則」とは、相反し、この技術により作成された回折格子又はホログラム全体を目視にて観察した場合、その回折画像やホログラム画像の明るさや色合いに大きなバラツキ・ムラが発生していた。しかも、そのバラツキ・ムラの発生度合いは設計段階では予想がつかず、実際に回折格子又はホログラムを作成してその仕上がり(画像の明るさや色調)を観察し部分的に修正するという手順をとらざるを得ないという欠点があった。
前記課題を解決するために、
本発明の回折格子又はホログラムの1つの態様は、赤外光波長の2倍の長さの周期のレリーフ形状を有する回折格子または、その回折格子で構成されるホログラム、であって、その回折格子線が、所定の文字、記号、図柄の何れか、または、これらの組み合わせ情報(以下所定情報という)を表示する一列の凹凸構造からなる。
基本構造として、回折格子線が平行に複数並んでおり(以下、回折格子線群ともいう。)、この複数の線群の並びに垂直な方向での断面をみると、周期性を有する「回折格子線群のレリーフ形状」を観察できる。
このレリーフ形状は、「完全な周期性」(曲線が、その一周期分を、全く同一形状で繰り返して形成されている。)を有する。
すなわち、回折格子線群の中の一本の回折格子線に垂直な方向での断面は、その格子線のところが、例えば一つの凸で構成され、それに続く格子線間の溝の部分が、一つの凹で構成されている形状となる(この一つずつの凹凸が一周期となる。)。この凹凸形状(一周期分)が、並んでいる他の回折格子線の垂直方向の断面と全て同一となっていることを意味する。
例えるならば、三角関数と同様の周期性を備えている。周期性を持つあらゆる関数(あらゆる凹凸形状)は、必ず「正規三角関数の和」で表わされるが、この場合の「正規三角関数の和」の一周期分が、回折格子線1本の断面とそれに続く回折格子線間の溝1本の断面で形成される一組の凹凸形状に対比される。
ある光源(観察する光ともいう。)でこの回折格子線群を照明した場合、その光源の光の波長と、この凹凸形状及び、その周期の大きさ、凹凸の数との関係から、この回折格子線群の回折光(回折格子線群を透過もしくは反射するときに、この回折格子線群によって回折した光。再生画像もしくは回折画像ともいう。種々の回折格子線群の集合体(その周期や、平行に並べる角度を種々変えた回折格子線群の集まり)である場合は、個々の回折格子線群の再生画像が合わさり、より複雑な再生画像、さらにはホログラム画像となる。)の回折強度及び回折角度(回折方向)等が決定される。
本発明のように観察する光を赤外光とした場合、その波長は、ほぼ800nm〜4μmとなることから、上記した周期は、その2倍すなわち、1.6μm〜8μmとなる。
この範囲の中でどの数値を採用するかは、実際に使用する観察する光の波長もしくは波長域や、回折光により再現する再生画像、すなわち、回折画像やホログラム画像のデザインにより決定される。正規な画像情報は、この所定の光源によって得られる。可視光観察や、他の光源によって観察した場合は画像にボケ・歪みが生じて判読不能であったり別の情報となってしまうことから、高い偽造防止効果を得ることができる。
一組の「回折格子線」と「回折格子線間の溝」(以後、これを併せて「一本の回折格子線」ともいう)の断面の凹凸形状について、その回折格子線に沿った方向にみると、その凹凸形状は所定情報の形状により、様々に形を変えることになるが、「一本の回折格子線」の断面の凹凸形状と、その隣の同様の断面の凹凸形状は、同調して様々に形を変える。その形状の変化は、回折格子線の端から端まで同期している。
すなわち、本発明の複数の回折格子線を俯瞰すると、一本の回折格子線に沿った複雑な
凹凸構造が、それと平行に、全く同じ形状で何本も並んでいることが判る。
本発明において、単純な具体例を示すと、一つの「回折格子線」に沿って、隠し情報としての所定情報(例えば“H“という文字)が、活版印刷における「”H“文字の凸版」のように、凹凸構造で形成されている。これが、その「回折格子線」に沿って「HHHHHHH・・」と形成されている。この「回折格子線」と平行に複数形成されている回折格子線群は、端から端までこの「回折格子線」とまったく同一の立体形状をしており、且つ、上記した垂直な方向にみると、全ての「回折格子線」上の文字が同じ位置にくるように 配置されている。
この配置によって、垂直方向の断面形状が、三角関数のように正確な周期性を持つことになる。この断面形状の周期が、光の回折方向及び色調を決める要素となるため、回折格子線に対して垂直方向に周期性を持たせることが、ホログラム画像等の複雑な再生画像を設計する点で望ましい。但し、垂直方向でなくても、所定の方向(垂直方向から所定の角度ずらした方向)に周期性を持たしたとしても本発明の効果を得ることは可能である。
ただし、上記例示のように所定情報が“H”文字単一であった場合は、回折格子線に平行な方向に同一文字が並ぶため、回折格子線に平行な方向でも「周期性」が発生し、この方向へも強い回折光を生み出す。この場合は、回折格子線に垂直な方向への回折光と、回折格子線へ平行な方向への回折光が強く発生し、さらに対角方向等へも2次的回折光が発生するため、本発明の目的としている(再生画像形成に寄与する)垂直方向への回折光の強度を弱める結果となる。
垂直方向の回折格子線の数は、その周期が赤外波長の2倍であることから(赤外光波長領域は、800nm〜4μmであるから、その周期は、その範囲内で観察する光に応じて設定することになる。)、10本以上存在することが望ましく、且つ、上記した回折格子線に平行な方向への回折を抑えるために、同一文字列とせず、“HOL・・”というように、少なくとも3文字以上(可視光波長の3倍以上)、望ましくは5文字以上(可視光波長の5倍以上)の文字の繰り返しであることが好適である。
以上の条件が揃うことにより、赤外光を観察する光として、本発明の回折格子を照明すると、所定方向に所望の強度を有する回折光を観察することができる。
もちろん、所定情報は上記例に限るものでなく、文字、記号、図柄の何れか、または、これらの組み合わせ情報とすることができ、また周期や角度の異なる回折格子線群を組み合わせて、複数の光源を使用したホログラムを再現することも好適である。複数光源を使用する場合は、その強度、光干渉性等にバラツキがあるため、個々の回折光を測定し、ホログラム画像設計にフィードバックする。
本発明の回折格子を用いることにより、上記した設計通りの回折角度・強度・色調を有する回折光を安定して得ることができ、表現したいホログラム画像を所望のものとすることが容易となる。この画像を赤外線センサーで認識し、判定を行う。もちろん、可視化して目視にて判定することも一方法である。再生情報が立体情報であるときは、その複数の断面画像を認識することにより判定することもできる。
凹凸の形状は、所定情報を表わす凸部と平坦な凹部、所定情報を表わす凸部と点対称となる凹部、もしくはその逆の組み合わせ、さらには、3階層以上の階層を持つ階段構造等、所定情報を読み出せる構造であれば、あらゆる構造を採用することができる。
但し、凹凸形状が複雑になるほど、その繰り返しによる回折光の分布が複雑となり、回折光の強度や色調を想定する(設計する)ことが困難となるため、その場合には、回折光シミュレーション等の手法を用いることで所望の再生画像を設計することができる。また、実際に回折光を測定しその強度分布、色調分布を初期条件とした上で、再生すべき回折格子又はホログラムが持つ強度分布、色調分布を再現可能な構造を設計してもよい。
凹凸形状は、赤外光波長程度の大きさ、すなわち、800nm〜4μmの大きさで所定情報を表わすが、さらに凹凸形状を複雑なものとすることができ、0.01μm以下のサイズで形成した浅く微細な凹凸変化や、凹部から凸部へ変化していく曲線をも所定情報として取り入れることができるため、これらの複雑な変化をも真正性判定の要素とでき、「偽造」することをさらに困難とできる。凹凸形状の高さ、すなわちレリーフ形状深さの最大値は、回折光強度の設計や、上記した形成方法、さらには、形成材料の屈折率等により決定されるが、4μm以下、望ましくは、0.40μm〜2.00μmが好適である。
この凹凸部を形成するため、種々の方法が用いられる。特に電子線リソグラフィーやX線リソグラフィーを用いることにより、高解像度であって、且つ、形成面全体の凹凸形状の安定性(回折格子やホログラムの全面に渡ってその凹凸形状が同一の形状であること。凹凸形状再現性、ひいては、歪みの無い周期性を実現することに寄与する。)に優れるレリーフを得ることができる。特に、可視光対応のものに比べ、その周期が大きくなることから、所定情報のサイズを比例して大きくすると判読性が増加するため、例えば凸部に複数の所定情報を入れることも好適である。
また、これらリソグラフィー手法は、回折格子線の所定情報の位置精度が非常に高いという特性があり、回折格子に垂直な方向での断面形状をみたとき、各回折格子線の同一情報の同一位置(例えば、“H”の左端部)の切断面になり、高い周期性効果をかもし出すことが可能となる。即ち、設計通りのバラツキ・ムラの無いレリーフ構造を得ることができるとともに、設計通りの再現性を有する回折格子又はホログラムを得ることができる。
回折強度を大きくするため、上記凹凸形状が回折格子線に沿った方向にもあまり変化しないよう配慮することはさらに望ましい。このように、所定情報の判読し難さと回折強度という相反するものを両立させることが本発明の特徴である。このレリーフ原盤を用いて、レリーフ回折格子又はホログラムの各種製造方法を採用することにより、高度な偽造防止性を有し、且つ、意匠性に優れる回折格子又はホログラムのシートや、ラベル、転写箔を製造し、セキュリティー性を付与すべき各種媒体へ形成して、各種媒体の真正性を証明する。
本発明の回折格子線群においては、観察する光が可視光ときは、一次回折光がでず、赤外光で観察したときのみ一次回折光が発生するという効果をだすことも可能となる。 例えば、m:回折次数、d:周期、λ:観察する光の波長、θ1:観察する光の入射角、θ2:回折角としたとき、回折を表わす一般式:m×d=λ/(sinθ1+sinθ2)より、θ1を0度(垂直入射)としたときは、θ2をいくら変えても(ぎりぎり15度まで光源に近づけても)、m=1(すなわち一次回折光を意味する。)において、λは800nm以上となり、赤外光に限定される。)
本発明の回折格子又はホログラムのの態様は、400nm以下の周期のレリーフ形状を有する回折格子または、その回折格子で構成されるホログラムであって、回折格子を構成するそれぞれのその回折格子線が、所定の文字、記号、図柄の何れか、または、これら何れかの組み合わせ情報(以下所定情報という)を表示する一列の凹凸構造からなる
本発明のように、400nm以下の周期のレリーフ形状を有する回折格子または、その回折格子で構成されるホログラムとすると、前述した回折を表わす一般式より明らかであるが、可視光による観察においては、θ1及びθ2をいかなる設定としても一次回折光が発生せず、紫外光による観察でのみ一次回折光を得ることができる。
この範囲の中でどの数値を採用するかは、実際に使用する観察する光の波長もしくは波長域や、回折光により再現する再生画像、すなわち、回折画像やホログラム画像のデザインにより決定される。正規な画像情報は、この所定の光源によってのみ得られ、可視光観察や、他の光源によって観察した場合は画像がでない、ボケ・歪みが生じるなど、判読不能であったり別の情報となってしまうことから、高い偽造防止効果を得ることができる。
「一本の回折格子線」の断面の凹凸形状について、その回折格子線に沿った方向にみると、本発明の第1の態様と同様に、その凹凸形状は所定情報の形状により、様々に形を変えることになるが、「一本の回折格子線」の断面の凹凸形状と、その隣の同様の断面の凹凸形状は、一つの回折格子線群の中では、その形状の変化が全て同期している。
すなわち、本発明の複数の回折格子線を俯瞰すると、一本の回折格子線に沿った複雑な凹凸形状が、それと平行に、全く同じ形状で何本も並んでいることが判る。
本発明の第2の態様においても、第1の態様と同様に、1本の回折格子線に沿って「HHHHHHH・・」と形成することができる。この回折格子線と平行に複数形成されている回折格子線群は、端から端までこの回折格子線とまったく同一の立体形状をしており、且つ、上記した垂直な方向にみると、全回折格子線上の文字が同じ位置にくるように配置されている。
この配置によって、垂直方向の断面形状が、三角関数のように正確な周期性を持つことになる。この断面形状の周期が、光の回折方向及び色調を決める要素となるため、格子線に対して垂直方向に周期性を持たせることが、ホログラム画像等の再生画像を設計する点で望ましい。但し、垂直方向でなくても、所定の方向(垂直方向から所定の角度ずらした方向)に周期性を持たしたとしても本発明の効果を得ることは可能である。
また、上記例示のように所定情報が“H”文字単一であった場合は、回折格子線に平行な方向に同一文字が並ぶため、回折格子線に平行な方向でも「周期性」が発生し、この方向へも強い回折光を生み出す。この場合は、回折格子線に垂直な方向への回折光と、回折格子線へ平行な方向への回折光が強く発生し、さらに対角方向等へも2次的回折光が発生するため、本発明の目的としている(再生画像形成に寄与する)垂直方向への回折光の強度を弱める結果となる。
垂直方向の回折格子線の数は、その周期が400nm以下であっても、やはり10本以上存在することが望ましく、且つ、上記した回折格子線に平行な方向への回折を抑えるために、同一文字列とせず、“HOL・・”というように、少なくとも3文字以上(紫外光波長の3倍以上)、望ましくは5文字以上(紫外光波長の5倍以上)の文字の繰り返しであることが好適である。
以上の条件が揃うことにより、紫外光を観察する光として、本発明の回折格子を照明すると、所定方向に所望の強度・色調を有する回折光を観察することができる。
もちろん、所定情報は上記例に限るものでなく、文字、記号、図柄の何れか、または、これらの組み合わせ情報とすることができ、また回折格子周期や回折格子角度を組み合わせて、複数の光源を使用したホログラムを再現することも好適である。複数光源を使用する場合は、その強度、光干渉性等にバラツキがあるため、個々の回折光を測定し、ホログラム画像設計にフィードバックする。
本発明の回折格子を用いることにより、上記した設計通りの回折角度・強度・色調を有する回折光を安定して得ることができ、表現したいホログラム画像を所望のものとすることが容易となる。この画像を紫外線センサーで認識し、判定を行う。もちろん、可視化して目視にて判定することも一方法である。再生情報が立体情報であるときは、その複数の断面画像を認識することにより判定することもできる。
凹凸の形状は、所定情報を表わす凸部と平坦な凹部、所定情報を表わす凸部と点対称となる凹部、もしくはその逆の組み合わせ、さらには、3階層以上の階層を持つ階段構造等、所定情報を読み出せる構造であれば、あらゆる構造を採用することができる。
但し、凹凸形状が複雑になるほど、その繰り返しによる回折光の分布が複雑となり、回折光の強度や色調を想定する(設計する)ことが困難となるため、その場合には、回折光シミュレーション等の手法を用いることで所望の再生画像を設計することができる。また、実際に回折光を測定しその強度分布、色調分布を初期条件とした上で、再生すべき回折格子又はホログラムが持つ強度分布、色調分布を再現可能な構造を設計してもよい。
凹凸形状は、同様の大きさ、すなわち、100nm〜400nmの大きさで所定情報を表わすが、さらに凹凸形状を複雑なものとすることができ、0.01μm以下のサイズでの微細な凹凸変化や、凹部から凸部へ変化していく曲線をも所定情報として取り入れることができるため、これらの微細な変化をも真正性判定の要素とでき、「偽造」することをさらに困難とできる。凹凸形状の高さ、すなわちレリーフ形状深さの最大値は、回折光強度の設計や、上記した形成方法により決定されるが、200nm以下、望ましくは、50nm〜100nmが好適である。
この凹凸部を形成するため、種々の方法が用いられるが、特に電子線リソグラフィーやX線リソグラフィーを用いることにより、高解像度であって、且つ、形成面全体の凹凸形状の安定性(回折格子やホログラムの全面に渡ってその凹凸形状が同一の形状であること。凹凸形状再現性、ひいては、歪みの無い周期性を実現することに寄与する。)に優れるレリーフを得ることができる。特に、その周期が小さくなることから、所定情報として使用できるものが限定されるため(斜め線、曲線の多いものは表現することが難しい)、所定情報をデフォルメした情報(例えば、斜め線は垂線で代用するなど、もしくは所定情報の上部のみを使用するなど)を使用することも好適である。
また、これらリソグラフィー手法は、回折格子線の所定情報の位置精度が非常に高いという特性があり、回折格子に垂直な方向での断面形状をみたとき、各回折格子線の同一情報の同一位置(例えば、“H”の左端部)の切断面になり、高い周期性効果をかもし出すことが可能となる。即ち、設計通りのバラツキ・ムラの無いレリーフ構造を得ることができるとともに、設計通りの再現性を有する回折格子又はホログラムを得ることができる。
回折強度を大きくするため、上記凹凸形状が回折格子線に沿った方向にもあまり変化しないよう配慮することはさらに望ましい。このように、所定情報の判読し難さと回折強度を両立させることが本発明の特徴である。このレリーフ原盤を用いて、レリーフ回折格子又はホログラムの各種製造方法を採用することにより、高度な偽造防止性を有し、且つ、意匠性に優れる回折格子又はホログラムのシートや、ラベル、転写箔を製造し、セキュリティー性を付与すべき各種媒体へ形成して、各種媒体の真正性を証明することができるようになる。
ただし、可視光を含む、観察する光源の波長や、照明角度、回折角度、判定する画像デザイン等を工夫することで、また、2次回折光を利用することで、周期400nm以上800nmの回折格子でも上記と同様の効果を出すこともできる。
本発明の回折格子又はホログラムは、回折格子線断面における所定情報を表す凸部と凹部とが一周期内の中心点を対称点とする点対称性を有することを特徴とするものである。

さらに、上記の態様における回折格子又はホログラムは、可視光にて参照しても、回折効果を有し(1次回折光以外の高次の回折光を利用する場合を含む。)、その再生方向、再生画像の詳細を予め計測若しくは、認識しておくことで、再生画像を目視にて判読可能であり、可視光下における偽造防止方法としても使用することができる。
また、赤外光対応の回折格子はその周期が比較的大きいためより複雑な図形等をその情報として使用でき、隠し情報そのものを複雑なものとして(所定情報を複数行とするか、凹凸のごく一部に設ける等)、さらに偽造防止性を高めることができる。
隠し情報である所定の情報を一列の凹凸形状としてなる一本の回折格子線を、赤外光又は400nm以下の周期で規則正しく平行に配列することで、その回折格子又はホログラムの「透過光」もしくは「反射光」(合わせて「回折光」ともいう)の干渉性を高め、且つ、バラツキやムラのない回折画像を得ることができるという効果がある。さらには、所定情報の判読性と回折強度の両立を図ることができる。
また、目視で観察する画像と、所定の赤外光線―赤外線センサー又は、紫外光線―紫外線センサーによって観察する画像とは異なるものであり、偽造防止効果をさらに高めることができる。さらには、可視光を含む、観察する光源の波長や、照明角度、回折角度、判定する画像デザイン等を工夫することで、また、2次回折光を利用することで、種々の偽造防止効果を設計することができる。
併せて、回折光強度分布が安定しているため、設計段階で期待した通りの再生像を得ることができ、観察しながら仕上がりを部分修正するという手間は不要となる効果がある。
本発明の回折格子又はホログラムの第3の態様によれば、凹凸構造を矩形波形とすることにより、回折光強度を高め、設計段階での再生像予測を容易にする効果がある。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1を参照して、本発明の所定情報を表わす回折格子の一例について説明する。
図1の回折格子線は、所定の文字、記号、図柄の何れか、または、これらの組み合わせ情報(以下所定情報という)を表示する一列の凹凸構造からなる所定情報を表わす、一列の凹凸構造からなる。この所定情報は、任意の文字、記号、図柄の何れか、または、これらの組み合わせ情報とすることができる。凹凸構造形成方法もサブミクロン加工(1μm以下のパターン加工)が可能な微細加工方法のいずれをも採用することができる。
図1の例(回折格子A)では、所定情報として「A○C・・」という文字が設定されており、凸部と凹部は線対称になっている。文字の高さ・幅は、1.2μm×1.2μm(周期2.4μmの回折格子となる)であり、これは、電子線リソグラフィーにより形成できる。電子線レジストの厚さを1.6μmとし、電子線強度を線対称に分布させ、現像処理時間を抑えることで、凹凸が連続的に変化するレリーフ原盤を形成することができる。
このレリーフ原盤のa―a断面をみると、図2のように周期性のあるなだらかな曲線となっており、一周期内の曲線は、その中心点を対称点とする点対称性を有している。
図3は、回折格子Aを上から見た図である。
これと同様に、同一所定情報の配列にて、文字高さ・幅が、1.5μm×1.5μm(周期3.0μmの回折格子となる)、及び1.8μm×1.8μm(周期3.6μmの回折格子となる)の回折格子線群を形成し、それぞれを図4の3つのエリア(B1、B2、B3)に配置して円形の回折格子体Bの原盤を作成できる。
これら回折格子線群のレリーフ周期や、レリーフ深さ(図2における高さ)を調節することにより、観察したときの色調や明るさ(光の強度)を制御することができ、また、各回折格子線群の配置方法等(回折格子線群の占有する形、面積及び点在させる方法等)を工夫することにより、複雑なデザインの回折格子や、複数の光源を使用したホログラムホログラムを形成することができる。すなわち、所定のエリアに、同一のピッチ、同一の角度を持つ回折格子線群を埋めてエリア毎の回折格子線群を形成し、個々のエリアには、所定の面積、所定のピッチ、角度が割り当てられていて、全エリアを複数光源で観察すると、複数の光源を使用したホログラム画像(白色光ホログラムのカラーホログラムに対応するもの)を観察することができる。
次に、上記した回折格子原盤を用いて、シート状の回折格子又はホログラムを作成する方法を述べる。
透明基材として、厚みを薄くすることが可能であって、機械的強度や、回折格子又はホログラムシート、ラベル、及び転写シートを製造する際の加工に耐える耐溶剤性および耐熱性を有するものを使用する。使用目的にもよるので、限定されるものではないが、フィルム状もしくはシート状のプラスチックが好ましい。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、ポリエチレン/ビニルアルコール等の各種のプラスチックフィルムを例示することができる。
透明基材の厚さは、同様の配慮から、5〜50μm、特に5〜15μmとすることが望ましい。転写シートを形成する際、透明基材1に、通常用いられる酢酸セルロース樹脂やメタクリル樹脂等からなる剥離層を設けても良い。
回折格子やホログラムを形成する層(以下ホログラム形成層という。)を構成するための透明な樹脂材料としては、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、もしくはポリスチレン樹脂等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、もしくはフェノール樹脂等が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができる。これらの樹脂の1種もしくは2種以上は、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等を挙げることができ、このような電離放射線硬化性樹脂に架橋構造を導入するか、もしくは粘度を調整する目的で、単官能モノマーもしくは多官能モノマー、またはオリゴマー等を配合して用いてもよい。微細な凹凸を精密に複製するためには、この粘度を0.001〜0.1パスカル秒とすると好適である。
熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱もしくは電離放射線照射により、硬化を行わせ、硬化後に剥離することによって、硬化した透明な樹脂材料からなる層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することができる。この方法によれば、0.01μm程度の微細な凹凸変化も精密に複製することができる。なお、同様な方法によりパターン状に形成して模様状とした回折格子を有する回折格子形成層も光回折構造として使用できる。
このような微細な形状を精密に再現するため、また、複製後の熱収縮などの歪みや変形を最小とするため、低温・高圧下で複製を行うこともできる。
この場合、複製方式は、平板式もしくは、回転式を用い、線圧0.1トン/m〜10トン/m、複製温度は、通常60℃〜200℃とすることが好適である。
さらに、ホログラム形成層のホログラムレリーフ面に、一部または全面に反射性薄膜層を形成する。この薄膜は、入射した光を反射する必要があるため、ホログラム形成層よりも高い屈折率を有する薄膜であれば、特に限定されない。
反射性薄膜としては、真空薄膜法などにより形成される金属薄膜などの金属光沢反射層、又は透明反射層のいずれでもよいが、金属光沢反射層を部分的に設けたり、透明反射層を設けた場合は、その反射層に接して設けたセキュリティ対象物をこの透明反射層を通して確認できるので好ましい。
透明反射層としては、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率がホログラム形成層のそれとは異なることにより、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラムなどの光輝性を視認できることから、透明なホログラムを作製することができる。例えば、ホログラム形成層よりも光屈折率の高い薄膜、例として、ZnS、TiO2、Al23、Sb23、SiO、SnO2、ITOなどがある。
好ましくは、金属酸化物又は窒化物であり、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Ti、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Auなどの酸化物又は窒化物他はそれらを2種以上を混合したものなどが例示できる。またアルミニウムなどの一般的な光反射性の金属薄膜も、厚みが20nm以下になると、透明性が出てきて透明反射層として使用できる。
透明金属化合物の形成は、金属の薄膜と同様、ホログラム形成層のホログラムレリーフ面に、10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD(化学蒸着法)などの真空薄膜法などにより設ければよい。微細な凹凸を忠実に覆うには、特にCVDが好適である。但し、レリーフホログラムに接している面からの反射光だけでなく、反対面での反射光で同様の再生画像を得るためには、薄膜の凹凸をレリーフホログラムと同様の形状にする必要があり、上記薄膜の厚さを10nm程度とする。
回折格子又はホログラムは、転写形態で使用する場合は、上記反射層の上に、感熱接着剤層を形成して転写用フィルムと成し、熱せられた金属の型等によって、接着剤層を含めた極めて薄い樹脂層をセキュリティ対象物上に転写して使用する。
回折格子又はホログラムをラベル形態で使用する場合は、上記反射層の上に粘着剤層を形成し、粘着剤面を剥離紙で被覆して、基材フィルムを剥離紙と一緒に所定の大きさに打ち抜いてラベルとし、剥離紙を剥がしてセキュリティ対象物に貼付して使用する。
もちろん、本発明の回折格子又はホログラムが、その意匠性や、偽造防止性だけでなく、セキュリティ対象物の唯一の真正性証明手段ということであれば、セキュリティ対象物から容易に剥離可能であってはならず、セキュリティ対象物を成形加工する際に本発明の回折格子又はホログラムを一体成形として埋め込んだり、本発明の格子又はホログラムを剥離しようとした時、セキュリティ対象物もしくは、本発明の回折格子又はホログラムそのものが破壊される等、セキュリティ対象物と一体不可分としてさらに偽造防止性を高めることも望ましい。
例えば、1mm板ガラス2枚の間に、50μmのガラス接着シートを介して本ホログラムシートを配し、100℃、3kg/cm2の圧力で接着、固定することができる。また、アクリル樹脂を、120℃で2色成型(2種の樹脂を同時成形し、2層からなる成型品を作る方法。)するときに、その間にホログラムシートを挿入し、樹脂成型品の内部へ埋め込むことも好適である。さらに、証明カードの塩化ビニル製100μmオーバーシートの下に挟み込み、通常のカード加工によりカード内に留めることも好適である。
これらは、素材が透明であるので外部から光学的に所定情報を読み出すことができる。
この回折格子の位置精度が高精度であればあるほど(所定情報幅の±10%以内、望ましくは±1%以内)、回折光強度を高めることができる。
ただし、この垂直方向の同一性を垂直方向でなく、80度方向、70度方向としても(位置精度を維持した上で)、強い回折強度を得ることができるが、垂直方向が最も回折効率が高く望ましい。
凹凸の深さも、400nm〜4μmまで、なだらかな曲線状でも階段状でもよいが、所定情報一つ一つの凹凸形状で想定される回折強度が高いものが望ましく、複数の所定情報の凹凸形状で想定される回折強度さらには、回折格子線群としての回折強度が高いものがさらに望ましい。
そのために、図1の例のように凸部と凹部が可視光波長周期で繰り返す回折格子線の、その垂直な方向での断面形状を見たとき、その凸部断面形状と、その凹部断面形状が、その凸部と凹部の切り替わり点を中心として点対称に形成されているときが回折効率が高くなり好ましい。また、回折格子の形成し易さから、例えば、凸部に所定情報を含めて、凹部は平坦としてもよく、さらには、凹部を平坦として、凸部を階段状にし、回折強度を確保しつつ、回折効率の設計計算を容易とすることもできる。
所定情報は、任意でよく、ランダムなものであっても(ランダム数字発生器により発生したランダム数字など)、同一文字・記号・図柄の繰り返しとしてもよく、(その場合は回折効率の計算が容易となる)、目視では確認困難な情報として組み込む情報であるため、セキュリティ用途として採用された上記ホログラム画像としての各種絵柄に関連する情報や、このカラーホログラム画像が転写もしくは貼付されるセキュリティ対象物に関連する情報もしくは、関連する商品や、その商品を提供する会社の名称、マーク等、本発明の回折格子又はホログラムの真正性を証明できる情報を盛り込むこともできる。
上記例では、所定情報幅を1.2μm等としたが、この幅に制限はなく任意に設定できる。例えば、回折格子線の端から橋まで一つの文字・記号・図柄であってもよく、例えばカラーホログラム画像の端から端まで、途中の回折格子線の途切れに関係なく、つながっているものであってもよい。
この所定情報は、目視や簡易顕微鏡では判別できないため、真正性を確認するためには
倍率の高い精密顕微鏡を用いてその情報を読み出し、「正規な情報」(所定情報を実際に物理的形状として形成した時の、真正であると判定するための情報。所定情報そのものだけでなく、形状等の情報を含めても良い。また、所定情報でなく、その形状を測定したデータ等や、部分的に変形した情報等を用いても良い。)か否かを判定する必要がある。
判定者は、判定を行う時には、「正規な情報」に関する正確な知識を有する必要があるが、上記したようにホログラム画像としての各種絵柄やセキュリティ対象物等に関する情報であれば、特段の照会等を必要とせず、判定者へ「関連情報が隠し文字として入っている。」程度の申し送りを事前にしておくことで、簡易に真正と類推することができる。もしくは、隠し文字の特徴の一部のみを申し送りして置く方法も使用できる。
もちろん、「真正性を鑑定する場合」(偽造品が真正品かの判定を何らかの証拠に用いる場合等、信頼性の高い判定をする場合。)には、「正規な情報」として、例えば、文字、記号、図柄の情報だけでなく、そのサイズ、画線部の太さ、凹凸の高さ等、より多くの情報を設定し、その全てを確認する必要がある。
所定情報の「正規な情報」をデータで残す方法として、高解像度のレーザー顕微鏡による3次元形状情報を取得しておき、このデータと、鑑定のために測定した「真正性を確認するもの」のデータを照合し、「50%以上の一致」あるいは照合項目によっては「100%の一致」等のある程度の一致をもって「真正」と判断する方法を使用することも好適である。
これらの正規な情報は、真正性を鑑定する鍵となる情報であるため、物理的もしくは電子的に、セキュリティレベルの高い場所(物理的もしくは電子的)に保存、保管することが望ましい。もちろん、DES(Data Encryption Standard。暗号化方式の規格)やAES(Advanced Encryption Standard。同左。)等による暗号化を施してもよい。その場合は、共通鍵方式や、さらに秘匿性の高い公開鍵方式等の種々の鍵管理方式を併用し、複数の鑑定者へかぎ情報を秘匿性を維持しつつ提供することも好適である。
単純な例では、所定の用紙に書いて、金庫等に保管してもよいし、電子データとして、アクセス制限(パスワード設定等)されたサーバーの所定のホルダに記録しておき、数人程度に限定した人のみが読み出しできるように、ホルダを読み出す際にも、パスワード入力を要求するシステムとしても良い。いずれにしても、正規な情報の秘匿性のレベルに対応し、且つ、可用性(使いやすさ)を考慮して管理方式を定めることが求められる。
また、所定情報を回折格子線の途中で変更したり、回折格子線群のピッチ、角度を変えた時に変更することも偽造防止性を高めるために好適である。さらには、回折格子線群のピッチ、角度が同一のエリアにある回折格子線は、エリアとエリアの間のブランクに無関係に、「一続き」(ブランクがなく続いていると想定したときの並びを意味する)の所定情報を形成したものであってもよい。
こうすることで、全く同一のものを偽造しようとする者が、本発明の回折格子又はホログラムの全ての回折格子線の全ての所定情報を解読しない限り、「同一のもの」を偽造することができない状況とすることができる。
もちろん、回折格子線群毎に、所定情報を変更してもよいが、この場合は、所定情報毎の回折効率を考慮した配置とする必要がある。
所定情報や、その凹凸形状に関する情報は、実際の絵柄としての情報や、凹凸設計情報、さらには各リソグラフィー形成情報(電子線リソグラフィーでは、電子線描画プログラム等)により真正性証明情報として保有できる。もちろん、回折格子線のピッチ、角度等の情報も同様である。
凹凸構造形成方法としては、上記した電子線リソグラフィー、X線リソグラフィー等の高精度なパターンを形成することができるリソグラフィー法のみならず、金属薄膜形成法等の高精度な均一膜厚さを形成することができる各種薄膜形成方法とそのパターン化方法を組み合わせる方法等を用いることができる。
回折格子Aの回折効率は、図4の回折格子Bのそれぞれのエリア(B1、B2、B3)を、それぞれの光源、周期1.2μmのエリア、周期1.5μmのエリア、周期1.8μmのエリアを、各赤外光源と対応する赤外線カメラで測定したところ、それぞれ、5%、6%、6%であった。回折格子B全体を、全光源で照明したところ、それぞれのエリアが、それぞれの画像に分かれて鮮やかに観察された。
また、隠し文字としての「A○C・・」は、目視ではもちろんのこと、簡易顕微鏡(倍率200倍、400倍)で判読しようとしたが、文字・記号まで読み取ることは出来なかった。しかし、所定の設定調整を施した高解像度レーザー顕微鏡では明確に判読できた。
もちろん、これより解像度の高い顕微鏡、例えば、共焦点レーザー顕微鏡 、電子顕微鏡
透過型電子顕微鏡 、走査型電子顕微鏡、走査型プローブ顕微鏡 、原子間力顕微鏡、走査型トンネル顕微鏡 、走査型近接場光顕微鏡 、X線顕微鏡等、物理的に測定が可能なように対応できる範囲で利用できる。さらに、共焦点法や、位相シフト干渉法等の解像度を向上する手法も利用できる。これらの顕微鏡映像を高解像度CCDカメラ等を用いた画像処理方法により、画像を精密につなぎ合わせて、広範囲のエリアに対する情報とすることもできる。
但し、「真正性」判定(もしくは鑑定)する手法は、上記した「多くの所定情報を読み出す方法」にこだわらず、一つの文字、記号や図柄もしくはさらにその一部に注目し、この一つの文字、記号や図柄もしくはさらにその一部を「精密に測定」して、その立体形状のみを「真正性」判定に使用する方法も用いることができる。
この場合、注目した部分を全て同一のものとせず、少し変形(太さを2倍としたり、欠陥を付加したりする。)しておき、それらの情報を、「真正性」判定用に使用することができる。すなわち、「真正性」判定に使用する情報は、セキュリティ管理をする側が定めることができ(その任意性がさらに偽造防止性を高める。)、偽造者からは到底類推できないものとすることが可能となる。
図5の回折格子線(回折格子C)は、所定情報を“H”とした例である。
1本の回折格子線に沿って「HHHHHHH・・」と形成されている。この回折格子線と平行に複数形成されている回折格子線群は、端から端までこの回折格子線とまったく同一の立体形状をしており、且つ、上記した垂直な方向にみると、全格子線上の文字が同一位置に位置するように配置されている。
回折格子線のa−a断面の形状を図6に、b−b断面の形状を図7示す。いずれも矩形状になっている。
図8は、回折格子Cを上から見た図である。
文字の高さ・幅は、1.2μm×0.7μm(周期2.4μmの回折格子となる。)であり、これは、電子線リソグラフィーにより形成できる。電子線レジストの厚さを0.8μmとし、電子線を十分にあて、現像処理後、電子線をあてた部分の電子線レジストがすべて除かれ、あてていない部分の電子線レジストがほぼ残存する形となり、矩形とすることができた。
この回折格子Cを赤色線光源で照明し、回折効率を測定したところ、8%であり、高い回折効率を得ることができた。
回折格子Cは、回折格子線に垂直な方向での周期性だけでなく、回折格子線に平行な方向にも周期性を有するため、回折光が十字方向へ回折し(1次回折光が4方向へ向かって回折する。)、その対角方向にも回折光が存在する(2次回折光。4方向あり。)ため、回折光が各方向へ分散し、一方向のみの回折効率測定値は、あまり大きくなっていない。
また、回折光方向が多いため、ホログラム画像を構成する(その設計をする)には不向きであった。これは、設定した文字“H”そのものの対照性によるところが大きく、他の文字や、記号例えば、“Q”や、“&”等を採用することにより改善可能である。また、採用するフォントや、文字そのものを変形して、所望の回折光のみの強度を改善することもできる。回折光が所定の方向に集約すればするほど、その方向の回折効率は大きくなる。
隠し文字としての「HHH・・」は、目視ではもちろんのこと、簡易顕微鏡(倍率200倍、400倍)で判読しようとしたが、文字・記号まで読み取ることは出来なかったものの、類推はできた。これも、“H”の単純さに因るところが大きく、他の文字、記号により改善可能である。
次に、図1を参照して、本発明の所定情報を表わす回折格子の別の例について説明する。
図1の例(回折格子A)において、文字の高さ・幅を、120nm×120nm(周期240nmの回折格子となる)とし、電子線リソグラフィーにより形成する。電子線レジストの厚さを0.3μmとし、電子線強度を線対称に分布させ、現像処理時間を抑えることで、凹凸が連続的に変化するレリーフ原盤を形成することができる。
このレリーフ原盤のa―a断面をみると、図2のように周期性のあるなだらかな曲線となっており、一周期内の曲線は、その中心点を対称点とする点対称性を有している。
図3は、回折格子Aを上から見た図である。
これと同様に、同一所定情報の配列にて、文字高さ・幅が、150nm×150nm(周期300nmの回折格子となる)、及び180nm×180nm(周期360nmの回折格子となる)の回折格子線群を形成し、それぞれを図4の3つのエリア(B1、B2、B3)に配置して円形の回折格子体B(上記例とは、凹凸周期が異なる)の原盤を作成できる。
以下、上記の一例と同様に作製し、対応する紫外線光源を使用して、各エリアを紫外用カメラで測定したところ、それぞれ5%、5%、6%であった。回折格子B全体を、全光源で照明したところ、それぞれのエリアが、それぞれの画像に分かれて鮮やかに観察された。
また、回折格子Cも同様に作製したところ、回折効率は、7%と高い回折効率を得た。
(実施例1)
電子線レジストを0.8μm形成したパターン形成基盤に、予め用意した制御データにより、電子ビームの強度を変化させながら所定の回折格子パターンに沿って電子ビームを照射した。まず、1.2μm幅の線上に、所定情報「A○C○E○G○I○・・○Y」、及びその繰り返し」を各文字サイズが、1.2μm×1.2μmとなるように、続いて、その回折格子線に接して、1.2μm幅の線状に、その電子ビーム強度変化を逆にして同様に「A○C○E○G○H○・・○Y」を同様のサイズで、且つ、そのスタート位置を高精度に合わせて照射した。この照射を、図4の半径20mmの円の一つのエリアにそのエリアが埋まるまで実施した。
次に、同様に、1.5μm幅の線上に、同様の所定文字を1.5μm×1.5μmサイズで照射し、同様に図4の円のもう一つのエリアを埋めた。
さらに、図4の残るエリアを、1.8μm幅の線状に、1.8μm×1.8μmサイズの所定文字をそのエリアが埋まるように照射し、図4の円内の全エリアを埋めた。
この基盤を現像処理して、所望の凹凸レリーフ原盤を得た。
この原盤と、16μm厚さのポリエチレンテレフタレート(東レ製「ルミラー」)との間に、電離放射線硬化性樹脂として、
・<電離放射線硬化組成物A>
2−ヒドロキシエチルアクリレート 100重量部
ジブチルチンジラウリレート 0.1重量部
イソシアン酸メチル 50重量部
を反応させて得られた電離放射線硬化組成物Aを用いて、
・<電離放射線硬化組成物B>
電離放射線硬化組成物A 80重量部
ポリウレタン樹脂(デスモコール130、住友バイエルウレタン社製) 20重量部
上記、電離放射線硬化組成物Bを作製し、この電離放射線硬化組成物Bを10μm導入して、フィルムを送り出しながら電子線照射装置「エレクトロカーテン」(アメリカのESI社製)を用い、150KeV、15mAの条件で3Mradの線量を照射して、硬化させた。
この後、原盤と電子線レジストを剥離、除去し、硬化した透明な樹脂材料からなる層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することができた。
この透明樹脂の表面に真空蒸着法によりアルミニウム薄膜100nmを形成し、ホログラムシートとした。このホログラムシートに接着剤を塗工し、パスポートの顔写真を一部覆うように接着した。
このパスポートのホログラム部分をハロゲンランプで照明し、目視で観察すると、円形ホログラムが3色に分かれて鮮明に見えた。さらに、倍率20倍と400倍の顕微鏡で拡大して確認したところ、所定情報を判読することは出来なかった。
このホログラム部分を高解像度レーザー顕微鏡で観察することで、各回折格子の所定情報を判読することができ、予め極秘情報として入手した(パスポートを管理する関係者のみが所定情報のサイズ、並び等の情報(以下、所定情報関連情報という。)を知らされるという意味。)所定情報関連情報と、判読した情報を比較し、パスポートの真正性を確認した。
別途、このホログラムの回折効率を対応する赤外線光源を用いて測定したところ、それぞれ、5%、6%、6%であり、やや高い回折効率を得た。
(実施例2)
電子線レジストを0.3μm形成したパターン形成基盤に、予め用意した制御データにより、電子ビームの強度を変化させながら所定の回折格子パターンに沿って電子ビームを照射した。まず、120nm幅の線上に、所定情報「HHHHHHH・・」を各文字サイズが、120nm×100nmとなるように、続いて、その回折格子線に接して、120nm幅の線状に、全面露光で電子ビームを照射した。この照射を、図4の半径20mmの円の一つのエリアにそのエリアが埋まるまで実施し、実施例1と同様に現像処理した。
次に、再度電子線レジストを、0.3μmとし、150nm幅の線上に、同様の所定文字を150nm×100nmサイズで照射した以外は実施例1と同様に処理し、図4の円のもう一つのエリアを埋めた。
さらに、図4の残るエリアを、電子線レジスト厚さを0.3μm、180nm幅の線状に、180nm×100nmサイズの所定文字をそのエリアが埋まるように照射した以外は実施例1と同様とし、図4の円内の全エリアを埋めた。
この基盤を現像処理することにより、非画線部のレジストを完全に除去し、この位置を凹凸の凹部底面とし、画線部を凸部上面として、所望の矩形状レリーフ原盤を得た。
この後は、実施例1と同様に作成し、実施例2のホログラム形成パスポートを得た。
このパスポートのホログラム部分を複数の紫外線光源で照明し、紫外線カメラで観察すると、円形ホログラムが3部分に分かれて鮮明に見えた。さらに、倍率20倍と400倍の顕微鏡で拡大して確認したところ、所定情報を判読することは出来なかった。
このホログラム部分を高解像度レーザー顕微鏡で観察することで、各回折格子の所定情報を判読することができ、予め極秘情報として入手した所定情報関連情報と、判読した情報を比較し、パスポートの真正性を確認した。
別途、このホログラムの回折効率を各々の紫外線光源を用いて測定したところ、それぞれ、5%、5%、6%となり、高い回折効率を得た。
(実施例3)
電子線レジストを0.4μm形成したパターン形成基盤に、予め用意した制御データにより、電子ビームの強度を変化させながら所定の回折格子パターンに沿って電子ビームを照射した。まず、1.2μm幅の線上に、所定情報「HHH・・」、文字サイズが、1.2μm×1.2μmとなるように、続いて、その回折格子線に接して、1.2μm幅の線状に照射した。この照射を、図4の半径20mmの円の一つのエリアにそのエリアが埋まるまで実施した。
次に、同様に、1.5μm幅の線上に、同様の所定文字を1.5μm×1.5μmサイズで照射し、同様に図4の円のもう一つのエリアを埋めた。
さらに、図4の残るエリアを、1.8μm幅の線状に、1.8μm×1.8μmサイズの所定文字をそのエリアが埋まるように照射し、図4の円内の全エリアを埋めた。
この基盤を電子線照射部が全て除去され、その部分の基盤面が露出するまで現像処理して、矩形状の凹凸レリーフ原盤を得た。
以下、実施例1と同様とし、それぞれ回折効率として、7%、8%、8%を得た。
(比較例)
実施例3の所定情報として、「HHH・・」としたが、その文字のサイズを、文字高さ、文字幅とも0.3μm〜6.0μmの間でランダムに選択したサイズとしたことと、図4の円形エリアを全てこの条件で埋めた意外は、すべて実施例3と同様として、比較例を得た。
このパスポートのホログラム部分を赤外線光源で照明し、赤外対応カメラで観察すると、円形ホログラムが3パターンに分かれておらず、少し虹色を呈しているだけであった。さらに、倍率20倍と400倍の顕微鏡で拡大して確認したところ、ところどころ所定情報を判読することができた。
このホログラム部分を高解像度レーザー顕微鏡で観察することで、各回折格子の所定情報を全て判読することができ、予め極秘情報として入手した所定情報関連情報と、判読した情報を比較し、パスポートの真正性を確認することはできた。
別途、このホログラムの回折効率を各赤外線光源を用いて測定したところ、2〜3%と低い回折効率を得た。これは、光が種々の方向へ回折しており、一方向へ集中していないためと推察された。
(評価試験)ホログラムの再現性の評価は、意匠性については、赤外線又は紫外線光原下各々赤外線又は紫外線対応カメラにて目視判定した。ホログラムの明るさについては、回折格子の回折効率で評価した。
赤外線光源:モリテックス者製赤外ハロゲン光源 MHAB−100W−IR
同上 :トキー社製テクノライトKTX−IR
赤外対応カメラ:モリテックス社製MC−781P0030
紫外線光源:浜松ホトニクス社製UV−LED光源
紫外対応カメラ:同社製C8484−16C
目視判定基準 :○ 再生画像が鮮やかにムラなく見える。隠し情報は見えない。
:× 隠し情報は見えないが、再生画像が判別できない。
回折効率測定:光源:上記各光源
:回折効率:反射光強度/入射光強度*100(%)
:判定基準:◎:回折効率が高い 回折効率 5%以上
:×:回折効率が低い 〃 5%未満
は、本発明の実施形態の一例を示す回折格子Aの俯瞰図である。 は、回折格子Aのa−a線断面について説明するための図である。 は、本発明の実施形態の一例を示す回折格子体Bの図である。 は、回折格子Aを上からみた図である。 は、本発明の実施形態の一例を示す回折格子Cの俯瞰図である。 は、回折格子Cのa−a線断面について説明するための図である。 は、回折格子Cのb−b線断面について説明するための図である。 は、回折格子Cを上からみた図である。
符号の説明
A、C 回折格子(回折格子線群)
B 回折格子体
B1、B2、B3 各回折格子線群

Claims (1)

  1. 赤外光波長の2倍の長さの周期または、400nm以下の周期のレリーフ形状を有する回折格子または、その回折格子で構成されるホログラムであって、
    前記回折格子を構成するそれぞれの回折格子線が、所定の文字、記号、図柄の何れか、または、何れかの組み合わせ情報(以下所定情報という)を表示する一列の凹凸構造からなり、かつ、前記回折格子線の並びに垂直な方向での断面が周期性を有する回折格子線群のレリーフ形状を構成するとともに、前記断面の形状が周期性を備え、
    記所定情報を表す凸部と凹部とが一周期内の中心点を対称点とする点対称性を有することを特徴とする回折格子又はホログラム。
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