JP5412078B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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本発明は皮膚外用剤に関するもので、詳しくは、水素添加リン脂質を含むリポソームを配合し、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成単位とする水溶性の高分子とホスファチジルイノシトールにより膜を形成して保湿剤の効果を高め、さらに保湿剤と形成された膜とが相まって、皮膚への水分保持能を高くし、保湿剤の効果を持続させることで、肌質の改善効果を示す皮膚外用剤を提供するものである。
従来の保湿化粧品は、保湿剤の組み合わせで保湿効果を高める方法やエモリエント剤としての油相を配合して油相成分との相乗作用で保湿効果を高めてきた。また、パックの剤型で保湿成分を皮膚上で閉じ込めて保湿剤の効果を高める方法である。このような技術例としては増粘性多糖類を配合して、パックとしての経時安定性の確保、液のたれ落ちを防ぎ保湿効果を高めた技術(特許文献1)や保湿化粧品独特のベタツキ感を改良した保湿化粧品(特許文献2)などが知られている。2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成単位とする水溶性の高分子に保湿剤を含浸させベタツキの軽減、使用感の改良(特許文献3)が知られている。これらの方法においても保湿効果を高めることが可能であるが、保湿効果を持続的に保つことはむずかしい。またホスファチジルイノシトールを経皮吸収促進剤として、皮膚外用剤に配合する(特許文献4)ことは知られている。しかし、このような例においてホスファチジルイノシトールが経皮収促進剤として皮膚内に浸透させる成分として使用されている。これらの、技術においては、保湿成分を有効に作用させる効果は十分ではない。また、保護膜と類似効果が期待できるパックの剤型においてはパックを使用できる時間、場所が限定される。
特開2003−267833 特開2006−131520 特開2006−8520 特開平8−3073
保湿化粧品に望まれる要件は塗布直後の保湿感とともに保湿効果が持続することが重要である。これは持続的な保湿効果は肌が潤い肌質の改善につながるからである。水素添加リン脂質を高含有するリポソームと皮膚上で保湿膜を形成するホスファチジルイノシトールと2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成単位とする水溶性の高分子を配合することにより、保湿効果と肌荒れ防止効果により肌質改善効果を示す皮膚外用剤を提供する。
本発明者らは上記目的を解決するために、鋭意研究を行った結果、水素添加リン脂質を含むリポソームを配合し、大きな化学構造分子であるイノシトール環を有するリン脂質のホスファチジルイノシトールと皮膚類似成分である2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成単位とする水溶性の高分子による皮膜を形成させることで、持続的な保湿効果と肌質改善効果の高い皮膚外用剤の発明を完成させた。
即ち本発明は、(A)水素添加リン脂質を含むリポソーム、(B)ホスファチジルイノシトール、(C)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成単位とする高分子、(D)保湿剤とを含有することを特徴とする皮膚外用剤である。
水素添加リン脂質を含有するリポソームと皮膚上で保湿膜を形成するホスファチジルイノシトールと2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成単位とする水溶性の高分子を配合することにより、保湿効果と肌荒れ防止効果により肌質改善効果を示す皮膚外用剤が得られる。
本発明に使用される水素添加リン脂質は、大豆から得られる大豆リン脂質や卵黄から得られる卵黄レシチンをエタノールなどの溶剤による分画操作で、リン脂質を構成している成分のなかでも親水性が高く、リポソームの安定化にも寄与する成分であるホスファチジルコリンの含量を50重量%以上に高めたものを用いるのが好ましい。
リン脂質が水素添加されることで、リン脂質を構成しているアルキル基の不飽和結合が少なくなり酸化安定性が向上する。さらに不飽和結合がなくなることで、相転移点も高くなり、外用剤を調製したとき外用剤の温度安定性も向上する。ヨウ素価は10以下が好ましい。
リン脂質の保湿効果を高めるためにリポソーム化し、リン脂質の2分子膜を形成させることで保湿効果を高める。また、この時の二分子膜としての膜表面積の総和はリポソームの粒径が小さく多層膜のほうが、大きくなり、保湿効果が高まる。リポソームを構成するリン脂質の配合量は1〜8重量%をあげることでき、より好ましくは2〜6重量%、更に好ましくは3〜5重量%配合される。
また、リポソームの粒径は小さいほうが好ましく、平均粒径が30から100nmのものが特に好適である。
リン脂質により構成されるリポソームは製造時にリン脂質の分散や生成したリポソームの分散性の向上のために界面活性剤を添加することができる。界面活性剤として非イオン性活性剤、アニオン性活性剤、カチオン性活性剤が使用されるが、特に限定されるものではない。
これにより構成されたリポソームの皮膚外用剤への配合量は0.1〜50重量%を配合でき、より好ましくは1〜40重量%、更に好ましくは5〜30重量%配合される。
本発明に使用されるホスファチジルイノシトールはリン脂質から、エタノールによる分画法などの方法で製造されるものを用いることが出来る。具体的には、NIKKOLレシノールS-PIE(日光ケミカルズ社製)などを用いることができる。
ホスファチジルイノシトールは、分子量の大きいイノシトール骨格を有しており、皮膚
に塗布したとき皮膜形成能が高い。この形成された保護膜により配合されている、リポソーム及び保湿剤がトラップされ皮膚上で徐々に放出され保湿効果が持続する。
本発明のホスファチジルイノシトールは皮膚外用剤中0.01〜5重量%配合が好ましい。含有量が0.01重量%未満の場合形成されるレシチン膜が弱いため保護膜としての効果が少ない。また5重量%より多い場合、形成する膜感が強くなり、化粧品としての感触に悪い影響を与える。さらに好ましい含有量は皮膚外用剤中0.1〜3重量%である。
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(以下、MPCという)を構成単位とする水溶性の高分子はMPCから作られるホモポリマーやMPCと疎水性モノマーを常法に従て重合させて得られるコポリマーである。
疎水性モノマーとしてはMPCと共重合できるモノマーであれば特に限定されないが、好ましくは炭素数2〜6のアルキル基である、アルキルメタクリレート例えば、ブチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のアルキルメタクリレートをあげることが出来る。
本発明のMPCホモポリマーやコポリマーは市販品を用いることができ、市販品の例としてはリピジュア−PMB(日本油脂社製)等が挙げられる。MPCコポリマーの含有量は皮膚外用剤中0.1〜20重量%が好ましい。更に好ましくは皮膚外用剤中1〜12重量%である。
含有量が0.1重量%未満の場合形成された膜が弱く皮膚への水分保持能を高く保つことが出来ない。また皮膚保護膜としての効果も少ない。また20重量%より多い場合、膜が厚くなり皮膚外用剤としての感触が悪くなり、水分保持能および保護膜としての効果も大きくはならない。
本発明に使用される保湿成分は、加水分解酵母エキス、セラミド、フィトスフィンゴシン、アセチルヒドロキシプロリン、加水分解ヒアルロン酸が挙げられ、これらは単独でも2種以上組み合わせて使用することもできる。
ここで加水分解酵母エキスとは既知の皮膚外用剤原料であり、パン酵母、ビール酵母などから得られ、加水分解酵母エキスはアミノ酸やペプチドから構成されており保湿性が高い成分として知られている。加水分解の方法は、自己消化型および化学的に加水分解したものがあるが、いずれの制限もなく使用できる。市販品の例では、チトカタライザー(山川貿易社製)等が挙げられる。
ここでセラミドとは既知の皮膚外用剤原料であり、バイオ技術により合成されるものや、胚芽などから抽出されるものなどいずれのタイプのセラミドでも制限はなく使用できる。例えば、バイオ技術により合成されたものとしてはコスモファーム社製のセラミドI、セラミドIII、セラミドIVや高砂香料工業社製のセラミドTIC-001等を挙げることができる。
ここでフィトスフィンゴシンは、バイオ技術により合成されるフィトスフィンゴシンを用いることが出来る。例えばコスモファーム社製のフィトスフィンゴシンを挙げることができる。
ここでアセチルヒドロキシプロリンはヒドロキシプロリンをアセチル化して得られる。市販品として例えば協和発酵社製のアセチルヒドロキシプロリンを挙げることができる。
ここで加水分解ヒアルロン酸は発酵法により製造されたヒアルロン酸を加水分解して分子量1万以下にしたものを用いることが出来る。例えばキユーピ社製のヒアルオリゴを挙げることができる。
本発明の皮膚外用剤には、上記必須成分の他に加え、必要に応じて通常化粧料に配合される成分を配合してもよい。他に加えてもよい配合成分としては、油相成分、水溶性高分子、界面活性剤、有機および無機顔料、有機粉体、紫外線吸収剤、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、植物抽出物、pH調整剤、アルコール、色素、香料、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、精製水等があげられる。
本発明の皮膚外用剤の形態は特に限定されず、クリーム状、ジェル状等が挙げられるが、特に本来の目的である保湿効果の持続性等の点から、ジェル状とする場合に本発明の効果が顕著である。また、ジェル状とする場合は、水溶性高分子を配合することが好ましい。
前記任意配合成分のうち、油相成分の具体的な例としては、エステル系油相成分としては、例えば、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアラキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、2−エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアラキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル等が挙げられる。
炭化水素系油相成分としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン、α−オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
シリコーン系油相成分としては、例えば、ポリメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、メチルシクロポリシロキサン、環状シリコーン油、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性シリコーン油、アミノ変性シリコーン油等が挙げられる。フッ素系油相成分としては、例えば、パーフルオロポリエーテル等が挙げられる。
動植物油脂としては、例えば、アボカド油、アルモンド油、オリーブ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、ナタネ油、杏仁油、パーム核油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、綿実油、ヤシ油、ククイナッツ油、コメヌカ油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、シアバター、月見草油、マカデミアナッツ油、メドホーム油、卵黄油、牛脂、馬油、ミンク油、オレンジラフィー油、ホホバ油等が挙げられる。
水溶性高分子としては、例えば、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、プルラン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸、キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、PEG等が挙げられ、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ポリビニルピロリドン等が特に好ましい。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POP共重合体、POE・POPアルキルエーテル、ジメチコンコポリオール等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン、α−アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第四級アンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型等が挙げられる。
顔料としては、例えば、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、ベンカラ、クレー、ベントナイト、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化鉄、群青、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン、カーボンブラック、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、及びこれらの無機粉体と有機粉体の複合粉体等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸ホモメンチル、2−シアノ−3,3−ジフェニルプロパ−2−エン酸2−エチルへキシルエステル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、パラアミノ安息香酸及びそのエステル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、4−(2−β−グルコピラノシロキシ)プロポキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、フェルラ酸、サリチル酸オクチル、2,5−ジイソプロピルケイ皮酸メチル、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、シノキサート、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルへキシル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその三水塩、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ドロメトリゾールトリシロキサン、ジメチコジエチルベンザルマロネート、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,2’−メチレンビス(6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノール等が挙げられる。殺菌剤としては、例えば、トリクロサン、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジングルコン酸塩、イソプロピルメチルフェノール、アズレン、サリチル酸等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、エリソルビン酸等が挙げられる。
植物抽出物としては、例えば、アシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバ−エキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セ−ジエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸−水素ナトリウム等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン等が挙げられる。
リポソームの調製例
次に、リポソームの調製例を挙げる。表1に掲げた成分を用いて以下の方法でリポソームを製造した。表1には使用した各成分の割合を重量%(配合量合計100重量%)で示している。
(調製法)
(1)配合全成分をそれぞれ量り込み、撹拌しながら分散させた。
(2)その後、70〜80℃に加温して、ホモミキサーで高速撹拌し、分散を高めた。
(3)次いで、前項(2)の分散液を高圧ミキサー(マイクロフルイダイザー)により微細に分散させてリポソームを形成させた。
(4)次いで、この分散液を室温まで冷却してリポソーム分散液を得た。
得られたリポソームの平均粒径は40〜100nmであり、電子顕微鏡の観察において多層リポソームであることが確認できた。
Figure 0005412078
実施例1〜6、比較例1〜3
表2に示す成分、配合量の処方(配合量合計100重量%)の皮膚外用剤を以下の方法で調製した。
(調製法)
アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマーを水に溶解して水酸化カリウムを加え攪拌して中和する。
スクワランにセラミド及びフィトスフィンゴシンを添加して溶解する。
形成されたゲルに、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、加水分解酵母エキス、スクワランに溶解したセラミドとフィトスフィンゴシン、アセチルヒドロキシプロリン、加水分解ヒアルロン酸を添加撹拌して均一にする。
Figure 0005412078
レシノールS-PI:ホスファチジルイノシトール
MPC:2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成単位とする水溶性の高分子(リピジュアーPMB)
レシチン:水素添加大豆リン脂質
上記実施例1〜6、比較例1〜3の皮膚外用剤につき効果試験を行い、その評価結果を表3に示した。評価は専門パネラー20名(30〜50代、女性)による、使用試験を行い官能評価で判定した。
◎:非常に効果が高い
○:効果が高い
△:変化がない
×:変化がなく、使用感が悪い
Figure 0005412078
水素添加リン脂質をリポソームとして配合し、さらにホシファチジルイノシトール、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成単位とする水溶性の高分子であるMPC、及び保湿成分である、加水分解ヒアルロン酸、加水分解酵母エキス、アセチルヒドロキシプロリン、セラミド、フィトスフィンゴシンが配合されている実施例においては、保湿性、肌理の改善などの皮膚状態の改善に効果を示した。特にリポソームとして配合されたリン脂質の配合量が高く、ホスファチジルイノシトールの配合量が高い、実施例4,5,6においてはより大きな効果を示した。リポソームを配合されていない比較例1は、保湿効果、肌状態の改善は十分ではなく、比較例2は、保湿効果、肌状態の改善は十分ではない上肌のべたつきが認められた。ホスファチジルイノシトール、MPCが配合されていない比較例3は、保湿性においては効果を示したが、肌の改善に関しての効果は十分でない。

Claims (4)

  1. (A)水素添加リン脂質を含むリポソーム、
    (B)ホスファチジルイノシトール、
    (C)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成単位とする高分子
    (D)保湿剤とを含有することを特徴とする皮膚外用剤であって、(A)のリポソームを1〜50重量%、(B)のホスファチジルイノシトールを0.1〜5重量%及び(C)の高分子を1〜20重量%含有する、皮膚外用剤
  2. (A)のリポソームが、水素添加リン脂質を1〜8重量%含有し、平均粒径が30から100nmのものである請求項1の皮膚外用剤。
  3. (A)のリポソームが、ホスファチジルコリン含有量が50重量%以上の水素添加リン脂質を用いたものである請求項1又は2記載の皮膚外用剤。
  4. (D)の保湿剤が、加水分解酵母エキス、セラミド、フィトスフィンゴシン、アセチルヒドロキシプロリン及び加水分解ヒアルロン酸から選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜の何れか1項記載の皮膚外用剤。
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