JP5411748B2 - 茶類エキスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、茶類エキスの製造方法に関し、さらに詳しくは、ナチュラルでフレッシュで豊かな香りを有し、すっきりとした甘味やすっきりとした旨味が強く、かつ、雑味が少なく嫌みのない、爽やかな風味を有する茶類エキスの製造方法に関する。
缶やペットボトルなどに殺菌充填された緑茶、紅茶、烏龍茶、混合茶などの茶類飲料は、健康志向から消費者の高い支持を得ており、生産量は高い伸びを示している。特に、最近は、ナチュラルでフレッシュで豊かな香りを有し、すっきりとした甘味やすっきりとした旨味が強く、かつ、雑味が少なく嫌みのない風味の飲料が好まれる傾向にある。このような状況下、期待される風味の製品を工業的に安定かつ大量に生産するために、使用される茶類原料の選択、原料の品質管理、原料の配合比率および配合方法、抽出方法などにさまざまな工夫がこらされている。
これらの飲料の製造においては、前記のような茶類原料の他、原料の一部として種々の茶類エキスなどの風味改善剤を添加することも一般的に行われている。茶類エキスは茶類から目的に応じた必要成分のみを取り出したものであり、最終製品の形態、風味などに応じた品質のものが調製可能である。茶類エキスの添加は、最終飲料の目的に応じて望ましいタイプのエキスを添加することにより目的とする効果を容易に得ることができるため、茶類飲料製造において簡便で有利な効果をもたらす方法である。
前記のように茶類の香りや味を補強することを目的とした茶類エキスの製造方法として、さまざまな方法が提案がなされており、例えば、茶類原料を、プロテアーゼおよびタンナーゼの存在下に抽出することを特徴とする茶類エキスの製造方法(特許文献1)、嗜好飲料用原料を水蒸気蒸留して得られるフレーバー(A)と、嗜好飲料用原料を気−液向流接触装置に供して得られるフレーバー(B)とを、フレーバー(A)の1重量部あたりフレーバー(B)を0.01〜100重量部の範囲内で含有するフレーバー(特許文献2)、少なくともセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼおよびプロトペクチナーゼを含有する酵素群を用い、茶葉を酵素分解抽出処理することを特徴とする茶葉抽出液の製造方法(特許文献3)、茶類エキス、茶類スラリー及び/又は茶葉に、グリーン様香気化合物を生成する酵素及び/又は酵素群を作用させることを特徴とする酵素処理茶類エキスの製造方法(特許文献4)、抹茶を温水にてスラリーとし、該スラリーを向流接触装置(SCC)にて処理し、フレーバーを回収する第1の工程と、別途茶葉を温水抽出し、固形物を除去後活性炭処理を行い次いで濾過により活性炭を除去して茶抽出液を得る第2の工程と、第1の工程により得られたフレーバーと第2の工程で得られた茶抽出液とを混合する第3の工程とを含むことを特徴とする茶抽出物の調製方法(特許文献5)、茶葉を水蒸気蒸留処理して得られる留出液と、蒸気処理後の茶葉からのカラム抽出液とを混合することにより得られる茶エキスの製造方法(特許文献6)、以下の工程:(1)茶葉を40℃〜100℃の温水で浸漬もしくは湿潤させる工程、(2)工程(1)の茶葉を水蒸気抽出し、溜出液を回収する工程、(3)工程(2)の溜出残渣を水で抽出し、抽出液を回収する工程、(4)工程(2)の溜出液と、工程(3)の抽出液とを混合する工程を経ることを特徴とする茶エキスの製造方法(特許文献7)、茶類原料の抽出時および/または抽出後に糖類分解酵素(グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、インベルターゼおよびα―ガラクトシダーゼから選択される少なくとも1種)を用いて酵素分解処理することを特徴とする茶類エキスの製造方法(特許文献8)などの提案がなされている。しかしながら、これらの方法は、いずれも香りまたは味のいずれかを主目的としたものであり、総合的にナチュラルでフレッシュで豊かな香りを有し、すっきりとした甘味
やすっきりとした旨味が強く、かつ、雑味が少なく嫌みのない、爽やかな風味を有する茶類エキスを得ることは困難である。
特開2003−144049号公報 特開2003−33137号公報 特許第3779212号公報 国際公開パンフレットWO06/062133号公報 特開2007−167005号公報 特開2007−295921号公報 特許第4104018号公報 特開2008−86280号公報
本発明の目的は、茶類原料から、ナチュラルでフレッシュで豊かな香りを有し、すっきりとした甘味やすっきりとした旨味が強く、かつ、雑味が少なく嫌みのない、爽やかな風味を有する茶類エキスを製造する方法を提供することである。
水蒸気蒸留により香気を回収したアロマは、ナチュラル感、フレッシュ感はあるが、風味全体に厚みが不足している。また、水蒸気蒸留により香気を回収したアロマと残渣のエキスとを組み合わせたアロマエキスは、残渣エキスに由来する苦味、渋味が強く、決してバランスの良いものとはいえない。さらに、茶葉を酵素処理して得られるエキスは、呈味的には甘味や旨味が増強され優れているが、香りが不足し、茶のイメージが全くわかないものであるという問題がある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究した結果、今回、茶葉を水蒸気蒸留して回収香を得、他方、蒸留残渣を特定の酵素の組み合わせを用いて処理して酵素処理エキスを得、酵素処理エキスと先に得られた回収香を混合することにより得られる茶類エキスが、ナチュラルでフレッシュで豊かな香りを有し、かつ、すっきりとした甘味やすっきりとした旨味が強く、さらに、雑味が少なく嫌みのない、爽やかな風味を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、(i) 茶類原料から水蒸気蒸留法により香気を回収し、(ii) 蒸留残渣を酵素処理して酵素処理エキスを得、(iii) 工程(ii)で得られた酵素処理エキスと工程(i)で得られた回収香を混合することを特徴とする茶類エキスの製造方法を提供するものである。
本発明により得られる茶類エキスは、ナチュラルでフレッシュで豊かな香りを有し、すっきりとした甘味やすっきりとした旨味が強く、さらに、雑味が少なく嫌みのない、爽やかな風味を有する。また、本発明により得られる茶類エキスを茶類飲料製造時に添加することにより、簡便な方法で飲料にナチュラルでフレッシュで豊かな香りを付与し、かつ、苦味や渋味をマスキングし、すっきりとした甘味、すっきりとした旨味を付与することができる。
本発明で使用される茶類原料としては、ツバキ科の常緑樹であるチャ(学名:Came
llia sinensis(L)O.Kuntze)の芽、葉、茎などから得られる生葉、製茶された不発酵茶、半発酵茶および発酵茶を挙げることができる。不発酵茶としては緑茶(煎茶、玉露、かぶせ茶、番茶、玉緑茶、抹茶、ほうじ茶、釜炒り茶、てん茶など);半発酵茶としてはウーロン茶、包種茶など;発酵茶としては紅茶、プーアール茶などが挙げられる。また、不発酵茶や半発酵茶を花で加香した茶なども使用することができる。これらのうち、特に、フレッシュでナチュラルな香気や甘味、旨味などが必要とされる緑茶、ウーロン茶、ジャスミン茶などが好適である。また、必要に応じて、副原料として、例えば、焙煎大麦(麦茶)、焙煎麦芽、焙煎ハトムギ(ハトムギ茶)、焙煎米、焙煎玄米、焙煎発芽米、焙煎ソバの実(ソバ茶)、焙煎トウモロコシ、炒りごま、焙煎キヌア、焙煎アマランサス、焙煎キビ、焙煎ヒエ、焙煎アワ、焙煎大豆などの穀類;セージ、タイム、マジョラム、オレガノ、バジル、ペパーミント、シソ、レモンバーム、ベルベナ、セイボリー、ローズマリー、レモングラス、ブルーベリーリーフ、ベイリーフ、マテ茶、ユーカリリーフ、サッサフラス、サンダルウッド、ニガヨモギ、センブリ、レッドペッパー、シンナモン、カッシャ、スターアニス、ワサビ、西洋ワサビ(ホースラディッシュ)、ミズガラシ、マスタード、トンカ豆、フェネグリーク、サンショウ、ブラックペッパー、ホワイトペッパー、オールスパイス、ナツメグ、メース、クローブ、セリ、アンゲリカ、チャービル、アニス、フェンネル、タラゴン、コリアンダー、クミン、ディル、キャラウェー、ガランガ、カルダモン、ジンジャー、ガジュツ、ターメリック(ウコン)、バニラ、ジュニパーベリー、ウインターグリーン、ジャーマンカモミール、ローマンカモミール、菊花、ラベンダー、ハイビスカスフラワー、サフラン、マリーゴールド、オレンジフラワー、マローフラワー、ローズヒップ、サンザシ、リュウガン、クコシ、サンデュー(モウセンゴケ)、オレンジピール、レモンピール、マシュマロールート、チョウセンニンジン、デンシチニンジン、エゾウコギ、ギムネマ、ルイボスティー、シイタケ茶、トチュウ、ドクダミ、ケツメイシ、ハブ茶、アマチャヅル茶、オオバコ茶、桜茶、甘茶、柿の葉茶、昆布茶、松葉茶、明日葉茶、グァバ茶、ビワの葉茶、アロエ茶、ウコン茶、スギナ茶、紅花茶、コンフリー茶、クコ茶、ヨモギ茶、イチョウ葉茶、カリン茶、桑の葉茶、ゴボウ茶、タラノキ茶、タンポポ茶、ナタマメ茶、ニワトコ茶、ネズミモチ茶、ビワの葉茶、メグスリノキ茶、羅漢果茶などの各種植物の葉、茎、根などを加えてもよい。
本発明では、まず、第1の工程(i)において、茶類原料から水蒸気蒸留法により香気が回収される。この工程により回収香を得た後、回収香を、その後の工程により得られる酵素処理茶類エキスに添加することにより、フレッシュでナチュラルな香気を有し、かつ、甘味と旨味を有する茶類エキスが得られる。
水蒸気蒸留の方法としては、例えば、茶類原料を適当な粒度に粉砕して水と混合してスラリーとし、そのスラリーを気−液向流接触法により処理して香気回収する方法;茶類原料をそのまま、あるいは粉砕してから、カラムなどの容器に充填し、カラムに水蒸気を送り込み、茶類原料を水蒸気と接触させ、接触後の水蒸気を凝縮させ回収する方法などを採用することができる。とくに、気−液向流接触抽出法が好適である。
気−液向流接触抽出法は、それ自体既知の各種の方法で実施することができ、例えば、特公平7−22646号公報に記載の装置を用いて抽出する方法を採用することができる。この装置を用いて香気を回収する方法を具体的に説明すると、回転円錐と固定円錐が交互に組み合わせられた構造を有する気−液向流接触抽出装置の回転円錐上に、液状またはペースト状の茶類原料を上部から流下させると共に、下部から蒸気を上昇させ、茶類原料が本来的に存在している香気成分を回収する方法を例示することができる。この気−液向流接触抽出装置の操作条件は、該装置の処理能力、原料の種類および濃度、香気の強度その他によって任意に選択することができる。茶類原料スラリーにおける茶類原料と水の比率は、茶類原料スラリーが流動性をもつ状態となる量であればいかなる比率も採用することができるが、茶類原料1質量部に対し通常水5倍量〜30倍量、好ましくは水8倍量〜
20倍量の範囲内を例示することができる。水が、この範囲より下回る場合、流動性が出にくくなり、また、水がこの範囲をはずれて多い場合、得られる留出液の香気が弱くなる傾向がある。
気−液向流接触抽出装置の操作条件の一例を示せば、下記のとおりである。
原料供給速度:300〜700L/hr
蒸気流量:5〜50kg/hr
蒸発量:3〜35kg/hr
カラム底部温度:40〜100℃
カラム上部温度:40〜100℃
真空度:1.3KPa〜大気圧。
他方、カラムによる水蒸気蒸留法は、カラムに充填した茶類原料に水蒸気を通気し、水蒸気に伴われて留出してくる香気成分を水蒸気とともに凝縮させる方法であり、加圧水蒸気蒸留、常圧水蒸気蒸留、減圧水蒸気蒸留のいずれかの蒸留手段を採用することができる。具体的には、例えば、茶類原料を仕込んだ水蒸気蒸留釜の底部から水蒸気を吹き込み、上部の留出側に接続した冷却器で留出蒸気を冷却することにより、凝縮物として揮発性香気成分を含有する留出液を捕集することができる。必要に応じて、この香気捕集装置の先に冷媒を用いたコールドトラップを接続することにより、より低沸点の揮発性香気成分をも確実に捕集することができる。また、香気成分の加熱による劣化を効果的に防止することができるので、窒素ガスなどの不活性ガス及び/又はビタミンCなどの抗酸化剤の存在下で水蒸気蒸留することが好ましい。
本発明に従う第2の工程(ii)は、第1の工程(i)で生じる水蒸気蒸留残渣を酵素処理して酵素処理エキスを得る工程である。酵素処理は、例えば、水蒸気蒸留残渣と水の混合物に酵素を添加して行うことができる。
水蒸気蒸留法として気−液向流接触抽出法により香気を回収する場合には、蒸留残渣がすでに抽出液を含むスラリー状となっているため、酵素処理に適当な温度まで冷却し、そのまま酵素を添加することができる。また、カラム水蒸気蒸留の残渣の場合には、酵素処理に必要な量の水として残渣原料1質量部あたり通常1質量部〜100質量部、好ましくは5質量部〜50質量部の水をカラムに加え、攪拌または静置条件下に酵素反応を行うことができる。
次いで、水と蒸留残渣の混合物に酵素を添加し、酵素処理を行う。本発明では酵素処理を茶類原料自体を含んだ系で行うため、蒸留残渣の組織が分解し、呈味成分が多量に生成し、甘味、旨味などの呈味の強い抽出液を得ることができる。
この酵素処理に使用することのできる酵素としては、特に制限はなく、例えば、糖質分解酵素、プロテアーゼ、リパーゼ、タンナーゼ、クロロゲン酸エステラーゼなどを例示することができる。さらに、糖質分解酵素としては、具体的には、例えば、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プルラナーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、キシラナーゼ、ペクチナーゼ、アラバナーゼ、デキストラナーゼ、グルカナーゼ、マンナナーゼ、α−ガラクトシダーゼなどを例示することができる。これらの酵素は適宜組み合わせて使用することにより、酵素処理エキスの甘味や旨味を増強することができる。特に、旨味増強、甘味増強の観点から、(1)プロテアーゼおよびタンナーゼの組み合わせ、(2)グルコアミラーゼおよびヘミセルラーゼの組み合わせ、(3)グルコアミラーゼおよびペクチナーゼの組み合わせ、または(4)グルコアミラーゼおよびセルラーゼの組み合わせが好適である。
茶葉中には約25%のタンパク質が含まれており(5訂食品成分表参照)、この組成は
水蒸気蒸留残渣においてもそれほど変化せず同程度と推定される。このタンパク質をプロテアーゼで分解すれば、旨味の強い茶類エキスが得られると考えられるが、茶葉中のタンパク質はタンニンと結合しているため、蒸留残渣にプロテアーゼを単独で作用させても、ほとんどアミノ酸は生成しない。しかしながら、蒸留残渣にプロテアーゼおよびタンナーゼを作用させることにより蒸留残渣中のタンパク質の一部が分解し、旨味やコク味が強く、渋味の少ない茶類エキスを得ることができる。
糖質分解酵素の組み合わせのうち、前記の(2)グルコアミラーゼおよびヘミセルラーゼの組み合わせ、(3)グルコアミラーゼおよびペクチナーゼの組み合わせ、または(4)グルコアミラーゼおよびセルラーゼの組み合わせを用いて水蒸気蒸留残渣を処理することにより得られる茶類エキスは、理由は明らかではないが、他の糖質分解酵素の組み合わせを用いて得られる茶類エキスから予想されるよりも、遥かに甘味が強く生成するため、特に好適である。
タンナーゼは、タンニン中の水酸基に没食子酸がエステル結合しているデプシド結合を加水分解する酵素、例えば、エピガロカテキンガレートをエピガロカテキンと没食子酸に加水分解する酵素である。本発明で使用することのできるタンナーゼとしては、具体的には、例えば、アスペルギルス属、ペニシリウム属、リゾプス属、リゾムコール属、ラクトバシラス属、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属、ロネピネラ属などに属するタンナーゼ生産菌を、これら糸状菌の培養に通常用いられる培地で常法に従って固体培養または液体培養し、得られる培養物またはその処理物を常法により精製処理することにより得られるものを挙げることができる。また、市販されているタンナーゼ、例えば、タンナーゼ(500U/g;キッコーマン社製)、タンナーゼ(5,000U/g;キッコーマン社製)、タンナーゼ(500U/g;三菱化学フーズ社製)などを用いることもできる。タンナーゼの使用量は、力価などにより一概には言えないが、通常、蒸留残渣の元の茶類原料の質量を基準として通常約0.1〜約50U/g、好ましくは約0.5〜約20U/gの範囲内を例示することができる。
プロテアーゼは、蛋白質やペプチドのペプチド結合を加水分解する酵素である。本発明で使用可能なプロテアーゼとしては、例えば、プロテアーゼA、プロテアーゼM、プロテアーゼP、ウマミザイム、ペプチダーゼR、ニューラーゼ(登録商標)A、ニューラーゼ(登録商標)F(以上、天野エンザイム社製の麹菌由来プロテアーゼ);スミチーム(登録商標)AP、スミチーム(登録商標)LP、スミチーム(登録商標)MP、スミチーム(登録商標)FP、スミチーム(登録商標)LPL(以上、新日本化学工業社製の麹菌由来プロテアーゼ);プロチン(登録商標)FN(大和化成社製の麹菌由来プロテアーゼ);デナプシン2P、デナチーム(登録商標)AP、XP−415(以上、ナガセケムテックス社製の麹菌由来プロテアーゼ);オリエンターゼ(登録商標)20A、オリエンターゼ(登録商標)ONS、テトラーゼ(登録商標)S(以上、エイチビィアイ社製の麹菌由来プロテアーゼ);モルシン(登録商標)F、PD酵素、IP酵素、AO−プロテアーゼ(以上、キッコーマン社製の麹菌由来プロテアーゼ);サカナーゼ(科研ファルマ社製の麹菌由来プロテアーゼ);パンチダーゼ(登録商標)YP−SS、パンチダーゼ(登録商標)NP−2、パンチダーゼ(登録商標)P(以上、ヤクルト薬品工業社製の麹菌由来プロテアーゼ);フレーバザイム(登録商標)(ノボザイムズジャパン社製の麹菌由来プロテアーゼ);コクラーゼ(登録商標)SS、コクラーゼ(登録商標)P(以上、三共ライフテック社製の麹菌由来プロテアーゼ);VERON PS、COROLASE PN−L(以上、ABエンザイム社製の麹菌由来プロテアーゼ);プロテアーゼN、プロテアーゼNL、プロテアーゼS、プロレザー(登録商標)FG−F(以上、アマノエンザイム社製の細菌由来プロテアーゼ);プロチンP、デスキン、デピレイス、プロチンA、サモアーゼ(登録商標)(以上、大和化成社製の細菌由来プロテアーゼ);ビオプラーゼ(登録商標)XL−416F、ビオプラーゼ(登録商標)SP−4FG、ビオプラーゼ(登録商
標)SP−15FG(以上、ナガセケムテックス社製の細菌由来プロテアーゼ);オリエンターゼ(登録商標)90N、ヌクレイシン(登録商標)、オリエンターゼ(登録商標)10NL、オリエンターゼ(登録商標)22BF(以上、エイチビィアイ社製の細菌由来プロテアーゼ);アロアーゼ(登録商標)AP−10(ヤクルト薬品工業社製の細菌由来プロテアーゼ);プロタメックス(登録商標)、ニュートラーゼ(登録商標)、アルカラーゼ(登録商標)(以上、ノボザイムズ社製の細菌由来プロテアーゼ);COROLASE N、COROLASE 7089、VERON W、VERON P(以上、ABエンザイム社製の細菌由来プロテアーゼ);エンチロンNBS(洛東化成工業社製の細菌由来プロテアーゼ);アルカリプロテアーゼGL440、ピュラフェクト(登録商標)4000L、プロテアーゼ899、プロテックス6L(以上、ジェネコン協和社製の細菌由来プロテアーゼ);アクチナーゼ(登録商標)AS、アクチナーゼ(登録商標)AF(以上、科研ファルマ社製の放線菌由来プロテアーゼ);タシナーゼ(登録商標)(ジェネンコア協和社製の放線菌由来プロテアーゼ);パパインW−40(アマノエンザイム社製の植物由来プロテアーゼ);食品用精製パパイン(ナガセケムテックス社製の植物由来プロテアーゼ);その他、動物由来のペプシン、トリプシンなどを挙げることができる。これらのプロテアーゼの使用量は、力価などにより異なり一概には言えないが、通常、蒸留残渣の元の茶類原料の質量を基準として通常、約0.01U/g〜約100U/g、好ましくは約1U/g〜約80U/gの範囲内を例示することができる。
プロテアーゼおよびタンナーゼの組み合わせによる酵素処理条件としては、例えば、(1)茶類のスラリーを気‐液向流接触処理した後の水蒸気蒸留残渣スラリーに対し、あるいは(2)カラムで水蒸気蒸留した後に生じる蒸留残渣1質量部あたり水を通常8〜50質量部、好ましくは10〜20質量部添加し、約60〜約121℃で約2秒〜約20分間殺菌した後冷却したものに対し、プロテアーゼおよびタンナーゼを添加し、約20〜約60℃で約30分〜約24時間酵素処理を行う。酵素処理後、約60〜約121℃で約2秒〜約20分間加熱して酵素を失活させた後冷却し、固液分離、濾過することにより、酵素処理エキスを得ることができる。
アミラーゼは、グリコシド結合を加水分解することによりデンプン中のアミロースやアミロペクチンをグルコース、マルトースおよびオリゴ糖などに変換する酵素であり、アミラーゼにはα−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼが包含される。
α−アミラーゼは、デンプンやグリコーゲンのα−1,4結合を不規則に切断し、多糖ないしオリゴ糖を生み出す酵素である。β−アミラーゼは、デンプンやグリコーゲンを麦芽糖に分解する酵素である。グルコアミラーゼは、糖鎖の非還元末端のα−1,4結合を分解してブドウ糖を産生する酵素である。
グルコアミラーゼには、市販品として、例えば、グルク(登録商標)SG、グルクザイム(登録商標)AF6、グルクザイム(登録商標)NL4.2、酒造用グルコアミラーゼ「アマノ」SD(以上、天野エンザイム社製);GODO−ANGH(合同酒精社製);コクラーゼ(登録商標)G2、コクラーゼ(登録商標)M(以上、三菱化学フーズ社製);オプチデックスL(ジェネンコア協和社製);スミチーム(登録商標)、スミチーム(登録商標)SG(以上、新日本化学工業社製);グルコチーム(登録商標)#20000(ナガセケムテックス社製);AMG、サンスーパー(以上、ノボザイムズジャパン社製);グルターゼAN(エイチビィアイ社製);ユニアーゼ(登録商標)K、ユニアーゼ(登録商標)2K、ユニアーゼ(登録商標)30、ユニアーゼ(登録商標)60F(以上、ヤクルト薬品工業社製);マグナックス(登録商標)JW−201(洛東化成工業社製);グリンドアミル(登録商標)AG(ダニスコジャパン社製)などが挙げられる。グルコアミラーゼの使用量は、蒸留残渣の元の茶類原料の質量を基準として通常約0.1U/g〜約1,000U/g、好ましくは約1U/g〜約100U/gの範囲内を例示すること
ができる。
ペクチナーゼは、ポリガラクツロナーゼ、ペクチックエンザイム、ポリメチルガラクツロナーゼ、ペクチンデポリメラーゼとも呼ばれ、ペクリニン酸、ペクチン、ペクチン酸などのα−1,4結合を加水分解する酵素である。ペクチナーゼは、細菌、カビ、酵母、高等植物、カタツムリなどに含まれていることが知られており、本発明ではこれらをはじめとする生物から採取したペクチナーゼを広く使用することができる。また、市販のペクチナーゼ製剤を使用することもできる。市販のペクチナーゼ製剤としては、例えば、スクラーゼ(登録商標)A、スクラーゼ(登録商標)N、スクラーゼ(登録商標)S(以上、三菱化学フーズ社製)、ペクチネックスウルトラ(登録商標)SP−L(ノボノルディクスA/S社製)、メイセラーゼ(登録商標)(明治製菓(株)社製)、ウルトラザイム(登録商標)(ノボノルディクスA/S社製)、ニューラーゼF(登録商標)(天野エンザイム(株)社製)などを例示することができる。ペクチナーゼの使用量は、ペクチナーゼ製剤には通常複数種類の酵素が含まれているため活性単位では表しにくく、蒸留残渣の元の茶類原料に対して通常、約0.01質量%〜約5質量%、好ましくは約0.1質量%〜約2質量%の範囲内を例示することができる。
セルラーゼは、β−1,4−グルカン(例えば、セルロース)のグリコシド結合を加水分解する酵素である。セルロースは、D−グルコースがβ−1,4結合で分枝なく連結された多糖類の一種で、グルコースの数はおよそ5,000個であると言われている。セルロースは植物の細胞壁の主要な構成成分で、親水性は強いが水に不溶である。セルラーゼには、セルロースを分子内部から切断するエンドグルカナーゼと、糖鎖の還元末端と非還元末端のいずれかから分解し、セロビオースを遊離するエキソグルカナーゼ(セロビオヒドロラーゼ)が存在する。また、市販のセルラーゼ類には、βーグルコシダーゼが混在し、グルコースを遊離するものも多い。本発明で用いることのできるセルラーゼとしては、セルロースを分解する活性を有するものであれば特に制限はなく、任意のものを使用することができ、市販のセルラーゼ製剤としては、例えば、セルラーゼT「アマノ」、セルラーゼA「アマノ」(以上、天野エンザイム社製);ドリセラーゼ(登録商標)KSM、マルチフェクト(登録商標)A40、セルラーゼGC220(以上、ジェネンコア協和社製);セルラーゼGODO−TCL、セルラーゼGODO TCD−H、ベッセレックス(登録商標)、セルラーゼGODO−ACD(以上、合同酒精社製);Cellulase(東洋紡績社製);セルライザー(登録商標)、セルラーゼXL−522(以上、ナガセケムテックス社製);セルソフト(登録商標)、デニマックス(登録商標)(以上、ノボザイムズ社製);セルロシン(登録商標)AC40、セルロシン(登録商標)AL、セルロシン(登録商標)T2(以上、エイチビィアイ社製);セルラーゼ“オノズカ”3S、セルラーゼY−NC(以上、ヤクルト薬品工業社製);スミチーム(登録商標)AC、スミチーム(登録商標)C(以上、新日本化学工業社製);エンチロンCM、エンチロンMCH、バイオヒット(洛東化成工業社製)などが挙げられる。セルラーゼの使用量は、市販のセルラーゼ製剤には通常複数種類の酵素が含まれているため活性単位では表しにくく、蒸留残渣の元の茶類原料に対して通常、約0.01質量%〜約5質量%、好ましくは約0.1質量%〜約2質量%の範囲内を例示することができる。
ヘミセルラーゼは、ヘミセルロースを分解する酵素である。ヘミセルロースは、陸上植物細胞の細胞壁を構成する多糖類のうち、セルロースおよびペクチン以外のものであり、構成する糖が多様であり、結合様式も複雑である。さらに、セルロースと水素結合、リグニンと共有結合などを形成し、細胞壁を補強する役割をしている。骨格となる主鎖の糖に側鎖の糖などが結合した構造をしており、それを分解するヘミセルラーゼは、非常に種類が多い。ヘミセルラーゼとしては、例えば、グルカナーゼ、マンナナーゼ、α−ガラクトシダーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、アラビナーゼ、ポリガラクツロナーゼなどを挙げることができるが、これらの多種類の糖結合を分解する活性を複数併せもった酵素と
とらえることもできる。市販のヘミセルラーゼとしては、例えば、ヘミセルラーゼ「アマノ」(天野製薬社製)ベイクザイム(登録商標)HS2000、ベイクザイム(登録商標)IConc(以上、日本シイベルヘグナー社製)、エンチロンLQ(洛東化成工業社製)、セルロシン(登録商標)HC100、セルロシン(登録商標)HC、セルロシン(登録商標)TP25、セルロシン(登録商標)B、ヘミセルラーゼM(以上、エイチビィアイ社製)、スミチーム(登録商標)X(新日本化学工業社製)、VERON191、VERON393(以上、レーム・エンザイム社製)などが挙げられる。ヘミセルラーゼの使用量は、市販のヘミセルラーゼ製剤には通常複数種類の酵素が含まれているため活性単位では表しにくく、蒸留残渣の元の茶類原料に対して通常、約0.01質量%〜約5質量%、好ましくは約0.1質量%〜約2質量%の範囲内を例示することができる。
本発明では、さらに、使用する糖質分解酵素の活性中に実質的にインベルターゼ活性を有しないことが好ましい。茶類原料中には一般的にある程度の量のショ糖が含まれていることが多い。また、糖質分解酵素を組み合わせて作用させた場合に多糖から分解してわずかにショ糖が遊離してくる可能性も否定できない。本発明では、前記のとおり、糖質分解酵素の組み合わせにより茶類エキス中にグルコースが多量に増加するが、この際、ショ糖を分解してしまうと、甘味がやや低減し、さらに酸味や雑味が生成してしまうというマイナスの作用があることが見出された。したがって、本発明で使用する酵素は、その活性中に実質的にインベルターゼ活性を有しないことが好ましい。使用する酵素製剤中に実質的にインベルターゼ活性が存在するかどうかは、スクロースを基質として酵素を作用させ、グルコースの生成を確認して判断することができる。なお、グルコースの生成は市販のグルコース試験紙等を用いて確認することができる。
酵素処理の条件としては、使用する酵素に応じた通常の酵素処理条件を採用することができる。例えば、(1)茶類のスラリーを気‐液向流接触処理した後の水蒸気蒸留残渣スラリーに対し、あるいは(2)カラムで水蒸気蒸留した後に生じる蒸留残渣1質量部あたり水を通常8質量部〜50質量部、好ましくは10質量部〜20質量部添加し、約60℃〜約121℃で約2秒〜約20分間殺菌した後冷却したものに対し、必要な酵素を所定量添加し、一般にpH3〜6、好ましくはpH4〜5.5で攪拌しまたは静置することにより酵素反応を行うことができる。酵素反応中の酸化劣化防止のため、アスコルビン酸またはアスコルビン酸ナトリウムをスラリー全量に対して10ppm〜500ppm程度添加してもよい。酵素は、酵素の至適温度で反応させる必要はなく、やや低めで反応させることが好ましい場合もあり、酵素反応の温度は、一般に約20℃〜約70℃、好ましくは約25℃〜約60℃、特に好ましくは約30℃〜約50℃の範囲内を挙げることができる。また、反応時間は通常、5分〜24時間、好ましくは1時間〜20時間、より好ましくは4時間〜18時間とすることができる。本発明では、茶類エキスに雑味を発生させないように酵素をやや低めの温度で反応させているため、反応時間として比較的長時間を要する場合があるが、グルコースの生成量をHPLC分析などにより測定し反応の進行を確認しながら反応時間を決定したり、酵素の追加添加などを行うこともできる。酵素処理後、約60℃〜約121℃で約2秒〜約20分間加熱することにより酵素失活させた後冷却し、さらに固液分離、濾過することにより、酵素処理エキスを得ることができる。
かくして得られる酵素処理エキスは、必要に応じて濃縮することができる。濃縮方法としては、例えば、減圧濃縮、逆浸透膜(RO膜)濃縮、凍結濃縮など適宜な濃縮手段をあげることができ、濃縮することにより、本発明に従う酵素処理エキスの濃縮物を得ることができる。濃縮の程度は特に制限されないが、一般にはBx3°〜Bx80°、好ましくはBx8°〜Bx60°、より好ましくはBx10°〜Bx50°の範囲内とすることができる。
本発明に従う第3の工程(iii)は、第1の工程(i)で得られる回収香と第2の工
程(ii)で得られる酵素処理液とを混合して茶類エキスを得る工程である。その際の回収香と酵素処理液との混合割合は、本発明に従う酵素処理エキスが添加される飲食品の風味や、目標とする風味に合わせて自由に選択することができるが、第1段目の工程(i)で得られる回収香対第2の工程(ii)で得られる酵素処理液の質量比で、一般に1:10〜10:1、好ましくは1:5〜5:1、より好ましくは1:3〜3:1の範囲内とすることができる。回収香の質量比が10:1を超えて多くなると甘味が不足し、反対に第2の工程(ii)で得られる酵素処理抽出液の質量比が1:10を越えて多くなるとフレッシュでナチュラルな香気が不足する。また、甘味や旨味は両者のバランスが適当なときに良好となる傾向がある。
第3の工程(iii)で得られる混合液(茶類エキス)は、このまま製品とすることができるが、さらに、沈殿除去、濾過、殺菌などの工程を行い密閉容器に充填して流通可能な状態としてもよい。
本発明に従う茶類エキスは、緑茶飲料、烏龍茶飲料、紅茶飲料または混合茶飲料などの飲食品に、通常、約0.01質量%〜約2質量%の範囲内で添加することにより、これらの飲食品にナチュラルでフレッシュで豊かな香りを付与し、かつ、苦味や渋味をマスキングし、すっきりとした甘味、すっきりとした旨味を付与することができる。
以下、実施例、比較例および参考例により本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例、比較例および参考例は単なる例示であり、本発明の範囲を制限するものではない。
実施例1(緑茶を気−液向流接触抽出法により香気回収し、蒸留残渣をプロテアーゼおよびタンナーゼ処理した例)
市販の静岡産1番茶40kgをハンマーミル(スクリーン1.2mm)にて粉砕し、アスコルビン酸ナトリウム0.24kgを溶解した水360kgを加えスラリー状態とし、気−液向流接触抽出法により下記条件にて回収香16kg(対緑茶40%)を得た(以下、回収香(a)という)。
装置:SCC Model1000(フレーバーテック社製)
処理条件
原料供給速度:700L/Hr
蒸気流量:55kg/hr
ストリップレート:約4%
カラム底部温度:100℃
カラム上部温度:100℃
真空度:大気圧。
残渣スラリー400kg(緑茶40kg相当)(以下、残渣スラリー(b)という)を45℃まで冷却し、そのうちの2kg(緑茶200g相当)を均一に採取し、90℃達温殺菌後、直ちに40℃まで冷却し、プロテアーゼM(5,500U/g;アマノエンザイム(株))2gおよびタンナーゼ(500U/g;キッコーマン(株))2gを添加し、同温度で30分間攪拌し、酵素をよく混合した後、同温度にて16時間静置反応した。反応時間経過後、アスコルビン酸ナトリウム0.5gを添加しよく混合した後、固液分離し、90℃にて1分間加熱し酵素を失活させ、20℃まで冷却した後、ケイソウ土をプレコートしたヌッチェを用いて濾過を行い、清澄な濾液1721g(Bx7.2°、pH4.6)を得た。濾液をロータリーエバポレータを用いて減圧濃縮し、Bx50.0°の濃縮液247.8gを得た。引き続き、濃縮液に回収香(a)を82.6g(濃縮液のBx換算固形分の2/3の量)およびアスコルビン酸ナトリウム0.46g(濃縮液のBx換算
固形分の0.4%の量)を添加してよく混合した後、水を加え、Bxを35°に調整した。ついで90℃にて1分間加熱し、30℃に冷却し、容器に充填し、Bx35°の緑茶エキス(本発明品1)333.3gを得た(pH4.9、対緑茶収率167.5%)。
比較例1(緑茶を香気回収せず、酵素処理も行わない例)
市販の静岡産1番茶200gをハンマーミル(スクリーン1.2mm)にて粉砕し、アスコルビン酸ナトリウム2.4gを溶解した水3600gを加えスラリー状態とし、90℃に加熱し10分間抽出後、直ちに30℃まで冷却し、固液分離し、90℃にて1分間加熱殺菌し、20℃まで冷却した後、ケイソウ土をプレコートしたヌッチェを用いて濾過を行い、清澄な濾液1688g(Bx4.2°、pH5.3)を得た。濾液をロータリーエバポレータを用いて減圧濃縮し、Bx35°の濃縮液202.5gを得た。ついで90℃にて1分間加熱し、30℃に冷却し、容器に充填し、Bx35°の緑茶エキス(比較品1)202.5gを得た(pH5.3、対緑茶収率101.3%)。
比較例2(緑茶を香気回収せずにプロテアーゼおよびタンナーゼ処理した例)
市販の静岡産1番茶200gをハンマーミル(スクリーン1.2mm)にて粉砕し、アスコルビン酸ナトリウム2.4gを溶解した水3600gを加えスラリー状態とし、90℃達温殺菌後、直ちに40℃まで冷却し、プロテアーゼM(5,500U/g;アマノエンザイム(株))2gおよびタンナーゼ(500U/g;キッコーマン(株))2gを添加し、同温度で30分間攪拌し、酵素をよく混合した後、同温度にて16時間静置反応した。反応時間経過後、アスコルビン酸ナトリウム0.5gを添加しよく混合した後、固液分離し、90℃にて1分間加熱し、20℃まで冷却した後、ケイソウ土をプレコートしたヌッチェを用いて濾過を行い、清澄な濾液1721g(Bx7.2°、pH4.6)を得た。濾液をロータリーエバポレータを用いて減圧濃縮し、Bx35°の濃縮液325.9gを得た。ついで90℃にて1分間加熱し、30℃に冷却し、容器に充填し、Bx35°の緑茶エキス(比較品2)325.9gを得た(pH4.9、対緑茶収率163.0%)。
比較例3(緑茶を気−液向流接触抽出法により香気回収し、蒸留残渣を酵素処理せずに抽出した例)
実施例1で得られた残渣スラリー(b)2kg(緑茶200g相当)を均一に採取し、90℃達温殺菌後、直ちに40℃まで冷却し、アスコルビン酸ナトリウム0.5gを添加しよく混合した後、固液分離し、90℃にて1分間加熱し、20℃まで冷却した後、ケイソウ土をプレコートしたヌッチェを用いて濾過を行い、清澄な濾液1678g(Bx4.1°、pH5.2)を得た。濾液をロータリーエバポレータを用いて減圧濃縮し、Bx50.0°の濃縮液138.0gを得た。引き続き、濃縮液に回収香(a)を46.0g(濃縮液のBx換算固形分の2/3の量)およびアスコルビン酸ナトリウム0.28g(濃縮液のBx換算固形分の0.4%の量)を添加してよく混合した後、水を加え、Bxを35°に調製した。ついで90℃にて1分間加熱し、30℃に冷却し、容器に充填し、Bx35°の緑茶エキス(比較品3)197.1gを得た(pH5.5、対緑茶収率98.5%)。
実施例2(実施例1の酵素をグルコアミラーゼおよびヘミセルラーゼに置き換えた例)
実施例1において、酵素としてスミチーム(グルコアミラーゼ活性2,000U/g;新日本化学工業社製のグルコアミラーゼ)2gおよびスミチームX(新日本化学工業社製のヘミセルラーゼ)2gを使用する以外は実施例1と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品2)325.8gを得た(pH5.3、対緑茶収率162.9%)。
実施例3(実施例1の酵素をグルコアミラーゼおよびペクチナーゼに置き換えた例)
実施例1において、酵素としてスミチーム(グルコアミラーゼ活性2,000U/g;新日本化学工業社製のグルコアミラーゼ)2gおよびスクラーゼN(三菱化学フーズ社製のペクチナーゼ)2gを使用する以外は実施例1と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品3)328.4gを得た(pH5.3、対緑茶収率164.2%)。
実施例4(実施例1の酵素をグルコアミラーゼおよびセルラーゼに置き換えた例)
実施例1において、酵素としてスミチーム(グルコアミラーゼ活性2,000U/g;新日本化学工業社製のグルコアミラーゼ)2gおよびセルラーゼT「アマノ」(天野エンザイム社製のセルラーゼ)2gを使用する以外は実施例1と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品4)318.7gを得た(pH5.3、対緑茶収率159.4%)。
実施例5(実施例1の酵素をタンナーゼのみに置き換えた例)
実施例1において、酵素としてタンナーゼ(500U/g;キッコーマン(株))2gを使用する以外は実施例1と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品5)241.0gを得た(pH5.3、対緑茶収率120.5%)。
実施例6(実施例1の酵素をプロテアーゼのみに置き換えた例)
実施例1において、酵素としてプロテアーゼM(アマノエンザイム(株))2gを使用する以外は実施例1と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品6)321.8gを得た(pH5.3、対緑茶収率160.9%)。
実施例7(実施例1の酵素をグルコアミラーゼのみに置き換えた例)
実施例1において、酵素としてスミチーム(2,000U/g;新日本化学工業社製のグルコアミラーゼ)2gを使用する以外は実施例1と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品7)268.4gを得た(pH5.3、対緑茶収率134.2%)。
実施例8(実施例1の酵素をヘミセルラーゼのみに置き換えた例)
実施例1において、酵素としてスミチームX(新日本化学工業社製のヘミセルラーゼ)2gを使用する以外は実施例1と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品8)322.4gを得た(pH5.3、対緑茶収率131.2%)。
実施例9(実施例1の酵素をペクチナーゼのみに置き換えた例)
実施例1において、酵素としてスクラーゼN(三菱化学フーズ社製のペクチナーゼ)2gを使用する以外は実施例1と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品9)263.8gを得た(pH5.3、対緑茶収率131.8%)。
実施例10(実施例1の酵素をセルラーゼのみに置き換えた例)
実施例1において、酵素としてセルラーゼT「アマノ」4(天野エンザイム社製のセルラーゼ)2gを使用する以外は実施例1と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品10)268.1gを得た(pH5.3、対緑茶収率134.1%)。
実施例11(実施例1の酵素をグルカナーゼのみに置き換えた例)
実施例1において、酵素としてツニカーゼFN(大和化成)2gを使用する以外は実施例1と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品11)264.0gを得た(pH5.3、対緑茶収率132.0%)。
実施例12(実施例1の酵素をマンナナーゼのみに置き換えた例)
実施例1において、酵素としてセルロシンGM5(エイチビイアイ)2gを使用する以
外は実施例1と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品12)259.0gを得た(pH5.3、対緑茶収率129.5%)。
実施例13(実施例1の酵素をα−ガラクトシダーゼのみに置き換えた例)
実施例1において、酵素としてスミチームAGS(新日本化学工業)2gを使用する以外は実施例1と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品13)263.2gを得た(pH5.3、対緑茶収率131.6%)。
実施例14(実施例1の酵素をインベルターゼのみに置き換えた例)
実施例1において、酵素としてスミチームINV(新日本化学工業)2gを使用する以外は実施例1と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品14)252.6gを得た(pH5.3、対緑茶収率126.3%)。
実施例15(実施例1の酵素をセルラーゼおよびヘミセルラーゼに置き換えた例)
実施例1において、酵素としてセルラーゼT「アマノ」4(天野エンザイム社製のセルラーゼ)2gおよびスミチームX(新日本化学工業社製のヘミセルラーゼ)2gを使用する以外は実施例1と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品15)324.3gを得た(pH5.3、対緑茶収率162.2%)。
実施例16(実施例1の酵素をセルラーゼおよびマンナナーゼに置き換えた例)
実施例1において、酵素としてセルラーゼT「アマノ」4(天野エンザイム社製のセルラーゼ)2gおよびセルロシンGM5(エイチビイアイ)2gを使用する以外は実施例1と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品16)327.4gを得た(pH5.3、対緑茶収率163.7%)。
実施例17(実施例1の酵素をセルラーゼおよびα−ガラクトシダーゼに置き換えた例)
実施例1において、酵素としてセルラーゼT「アマノ」4(天野エンザイム社製のセルラーゼ)2gおよびスミチームAGS(新日本化学工業)2gを使用する以外は実施例1と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品17)325.3gを得た(pH5.3、対緑茶収率162.7%)。
実施例18(実施例1の酵素をセルラーゼおよびプロテアーゼに置き換えた例)
実施例1において、酵素としてセルラーゼT「アマノ」4(天野エンザイム社製のセルラーゼ)2gおよびプロテアーゼM(アマノエンザイム(株))2gを使用する以外は実施例1と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品18)321.4gを得た(pH5.3、対緑茶収率160.7%)。
実施例19(実施例1の酵素をヘミセルラーゼおよびグルカナーゼに置き換えた例)
実施例1において、酵素としてスミチームX(新日本化学工業社製のヘミセルラーゼ)2gおよびツニカーゼFN(大和化成)2gを使用する以外は実施例1と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品19)322.9gを得た(pH5.3、対緑茶収率161.5%)。
実施例20(実施例1の酵素をグルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼおよびインベルターゼに置き換えた例)
実施例1において、酵素としてスミチーム(グルコアミラーゼ活性2,000U/g;新日本化学工業社製のグルコアミラーゼ)2g、スミチームX(新日本化学工業社製のヘミセルラーゼ)2gおよびスミチームINV(新日本化学工業)2gを使用する以外は実施例1と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品20)328.1gを得た(pH5.3、対緑茶収率164.1%)。
実施例21(実施例1の酵素をグルコアミラーゼ、セルラーゼおよびプロテアーゼに置き換えた例)
実施例1において、酵素としてスミチーム(グルコアミラーゼ活性2,000U/g;新日本化学工業社製のグルコアミラーゼ)2g、セルラーゼT「アマノ」4(天野エンザイム社製のセルラーゼ)2gおよびプロテアーゼM(5,500U/g;アマノエンザイム(株))2gを使用する以外は実施例1と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品21)324.5gを得た(pH5.3、対緑茶収率162.3%)。
エキスの官能評価
本発明品1〜21および比較品1〜3をそれぞれイオン交換水にて50倍に希釈し、10名のよく訓練されたパネラーにより、ナチュラル感、フレッシュ感、甘味、旨味、雑味、すっきり感について、非常によい:10点、良い:8点、やや良い:6点、やや悪い:4点、悪い:2点、非常に悪い0点として官能評価を行った。
酵素の種類および官能評価を下記表1に示す。
Figure 0005411748
表1に示したとおり、回収香および酵素処理のいずれも使用していない比較品1は、ナチュラル感、フレッシュ感はほとんど感じられず、茶であると認識することがやや困難であるとのパネラーの評価であり、また甘味、旨味も少なく、雑味、すっきり感も乏しいものであった。それに対し、本発明品は、いずれも、ナチュラル感、フレッシュ感、甘味、旨味、雑味、すっきり感のすべてにおいて評価が極めて高かった。
なかでも、プロテアーゼおよびタンナーゼにより処理した本発明品1は、特に旨味が強く、また、甘味も強く、雑味が少なく、すっきり感が良好であった。
また、グルコアミラーゼおよびヘミセルラーゼにより処理した本発明品2、グルコアミ
ラーゼおよびペクチナーゼにより処理した本発明品3およびグルコアミラーゼおよびセルラーゼにより処理した本発明品4は、いずれも、甘味、旨味が非常に強く、雑味が少なく、すっきり感が良好であった。
比較品2は、回収香を使用せずにプロテアーゼおよびタンナーゼ処理を行ったエキスであり、甘味、旨味、雑味、すっきり感については比較品1と比べると改善されているが、ナチュラル感、フレッシュ感はあまり感じられず、いかなる種類の茶であるか認識するのがやや困難であるとの評価も一部のパネラーにあり、本発明品1〜4と比べると評価は低かった。
比較品3は、回収香を使用しているが、酵素処理を行っていないエキスであり、ナチュラル感、フレッシュ感は、比較品1と比べると改善されているが、甘味、旨味が少なく、雑味、すっきり感が乏しく、本発明品1〜4と比べると評価ははるかに劣るものであった。
一方、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、マンナナーゼ、α−ガラクトシダーゼをそれぞれ単独で作用させた本発明品7〜13は、甘味、旨味、雑味、すっきり感が酵素を全く使用していない比較品3と比べて改善されていた。また、タンナーゼ単独、プロテアーゼ単独およびインベルターゼ単独で処理した本発明品5、本発明品6および本発明品14は、いずれも、甘味、旨味、雑味、すっきり感が、酵素を全く使用していない比較品3と比べて多少改善されていた。
また、セルラーゼおよびマンナナーゼ、セルラーゼおよびα−ガラクトシダーゼ、セルラーゼおよびプロテアーゼのそれぞれ2種類の酵素を組み合わせて処理した本発明品16〜18は、本発明品7〜13と同程度の風味であった。
それに対し、セルラーゼおよびヘミセルラーゼ、ヘミセルラーゼとグルカナーゼのそれぞれ2種類の酵素を組み合わせて酵素処理した本発明品15および本発明品19は、本発明品7〜13と比べて、甘味、旨味、雑味、すっきり感がやや良好であった。
また、グルコアミラーゼとヘミセルラーゼに加えて、さらにインベルターゼを加えた、すなわち本発明品2に対しさらにインベルターゼを加えた本発明品20は、本発明品2と比べ、甘味、旨味、雑味、すっきり感がやや低かった。
さらに、グルコアミラーゼとセルラーゼに加えてプロテアーゼを加えた、すなわち本発明品4に対しさらにプロテアーゼを加えた本発明品21では、本発明品4と比べ、甘味、旨味、雑味、すっきり感がやや低かった。
参考例1 インベルターゼ活性の確認
本発明品20および本発明品21は、それぞれ、本発明品2および本発明品4に対し、さらに別の酵素を併用したものであるが、いずれも官能評価において甘味、旨味、雑味、すっきり感のすべてについて、本発明品2および本発明品4と比べやや低下していた。また、表1においても、インベルターゼ単独では、甘味、旨味、雑味、すっきり感の改善作用があまり見られなかった。そこで、インベルターゼ活性が何らかのマイナスの作用をおよぼしている可能性が考えられたため、上記実施例に使用した酵素のインベルターゼ活性の有無を測定した。
インベルターゼ活性の有無の測定方法:
スクロースの0.5%水溶液100mlに酵素0.005gを溶解し、40℃で1昼夜放置し、反応液のグルコースの生成を市販のグルコース試験紙(ウリエース(登録商標)
Ga(テルモ株式会社製)、判定;−:50mg未満/100ml、±:約50mg/100ml、+:約100mg/100ml、++:約500mg/100ml、+++:約2000mg/100ml)にて判定した。結果を下記表2に示す。
Figure 0005411748
上記条件での測定において、セルラーゼT「アマノ」4、スミチームX、スミチームおよびツニカーゼFNにはインベルターゼ活性が見られなかったが、それ以外の酵素にはインベルターゼ活性が見られた。
したがって、表1において、2種類以上の糖質分解酵素を組み合わせて酵素処理した本発明品2〜4および15〜21のうち、特に評価の良好であった本発明品2〜4に使用した酵素は、いずれもインベルターゼ活性を含まないものの組み合わせであることが判明した。
茶類エキスを添加した緑茶飲料の官能評価
80℃に加熱したイオン交換水20kgに静岡県産緑茶葉1kgを投入し、5分間ゆっくり攪拌した後、40メッシュ金網を用いて、茶葉を分離し、分離した液を20℃に冷却し、抽出液14kgを得、アスコルビン酸ナトリウム7.0g(500ppm)を加え、No.2濾紙(ADVANTEC社製:保留粒子径5μ)にて濾過し、緑茶飲料原液を得た(緑茶飲料原液の分析値;Bx:2.22°、pH:6.4、タンニン含量(酒石酸鉄法):0.44%、アミノ酸含量:0.071%)。これを小分けし、イオン交換水にて10倍(質量比)に希釈し、その希釈液に本発明品1〜21および比較品1〜3をそれぞれ0.3%添加したものを調製し、137℃、30秒間加熱殺菌後、88℃まで冷却して500mlペットボトルに充填し、2分間保持後、室温(25℃)まで冷却し、ペットボトル入り緑茶飲料とした。それぞれの緑茶飲料は茶類エキス無添加品をコントロールとして10名のパネラーにて評価した。評価基準は、無添加品を5点とした場合に、ナチュラル感、フレッシュ感、甘味、旨味、雑味、すっきり感について、非常によい:10点、良い:8点、やや良い:6点、やや悪い:4点、悪い:2点、非常に悪い0点とした。
酵素の種類および官能評価を下記表3に示す。
Figure 0005411748
表3に示したとおり、回収香および酵素処理のいずれも使用していない比較品1を添加した緑茶飲料は、甘味、旨味、すっきり感、雑味は改善されるが、ナチュラル感、フレッシュ感にはほとんど寄与していないとのパネラーの評価であった。
また、回収香を使用せずにプロテアーゼおよびタンナーゼ処理を行った比較品2を添加した緑茶飲料は、ナチュラル感、フレッシュ感はほとんど無添加品と変わらず、甘味、旨味、雑味、すっきり感は比較品1と比べると改善されているが、その評価は低いものであった。
また、回収香を添加しているが、酵素を全く使用していない比較品3を添加した緑茶飲料は、特に呈味において旨味、雑味、すっきり感などの評価がいずれも低いものであった。
これらの比較品を添加した緑茶飲料に対し、本発明品を添加した緑茶飲料は、いずれも、ナチュラル感、フレッシュ感、甘味、旨味、すっきり感が増し、雑味が少なくなり、風味が良好であるという評価であった。
本発明品のなかでは、プロテアーゼおよびタンナーゼにより処理した本発明品1を添加した緑茶飲料は特に旨味が強く、また、甘味も強く、雑味が少なく、すっきり感が良好であった。
また、グルコアミラーゼおよびヘミセルラーゼにより処理した本発明品2を添加した緑茶飲料、グルコアミラーゼおよびペクチナーゼにより処理した本発明品3を添加した緑茶飲料およびグルコアミラーゼおよびセルラーゼにより処理した本発明品4を添加した緑茶飲料は、いずれも、非常に甘味、旨味が強く、雑味が少なく、すっきり感が良好であった。
一方、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、マンナナーゼ、α−ガラクトシダーゼをそれぞれ単独で作用させた本発明品7〜13を添加した緑茶飲料は、甘味、旨味、雑味、すっきり感が、酵素を使用していない比較品3を添加した緑茶飲料と比べて多少改善されていた。また、タンナーゼ単独、プロテアーゼ単独およびインベルターゼ単独で処理した本発明品5、本発明品6および本発明品14を添加した緑茶飲料は、いずれも、甘味、旨味、雑味、すっきり感が、酵素を全く使用していない比較品3を添加した緑茶飲料と比べてわずかに改善されていた。
その他の酵素処理品においても、茶類エキスをそのまま希釈したときの評価とほぼ同様に反映されていた。
実施例22(ジャスミン茶を気−液向流接触抽出法により香気回収し、蒸留残渣をプロテアーゼおよびタンナーゼ処理した例)
福建省産ジャスミン茶40kgをハンマーミル(スクリーン1.2mm)にて粉砕し、アスコルビン酸ナトリウム0.24kgを溶解した水360kgを加えスラリー状態とし、気−液向流接触抽出法により下記条件にて回収フレーバー16kg(対ジャスミン茶40%)を得た(以下、回収香(c)とする)。
装置:SCC Model1000(フレーバーテック社製)
処理条件
原料供給速度:700L/Hr
蒸気流量:55kg/hr
ストリップレート:約4%
カラム底部温度:100℃
カラム上部温度:100℃
真空度:大気圧。
残渣スラリー400kg(ジャスミン茶40kg相当)(以下、残渣スラリー(d)という)を45℃まで冷却し、そのうちの2kg(ジャスミン茶200g相当)を均一に採取し、90℃達温殺菌後、直ちに40℃まで冷却し、プロテアーゼM(5,500U/g;アマノエンザイム(株))2gおよびタンナーゼ(500U/g;キッコーマン(株))2gを添加し、同温度で30分間攪拌し、酵素をよく混合した後、同温度にて16時間静置反応した。反応時間経過後、アスコルビン酸ナトリウム0.5gを添加しよく混合し
た後、固液分離し、90℃にて1分間加熱し酵素を失活させ、20℃まで冷却した後、ケイソウ土をプレコートしたヌッチェを用いて濾過を行い、清澄な濾液1724g(Bx7.1°、pH4.6)を得た。濾液をロータリーエバポレータを用いて減圧濃縮し、Bx50.0°の濃縮液244.8gを得た。引き続き、濃縮液に回収香(c)を81.6g(濃縮液のBx換算固形分の2/3の量)およびアスコルビン酸ナトリウム0.49g(濃縮液のBx換算固形分の0.4%の量)を添加してよく混合した後、水22.8gを加え、Bxを35°に調整した。ついで90℃にて1分間加熱し、30℃に冷却し、容器に充填し、Bx35°のジャスミン茶エキス(本発明品22)349.7gを得た(pH5.3、対ジャスミン茶収率174.9%)。
実施例23(実施例22の酵素をグルコアミラーゼおよびヘミセルラーゼに置き換えた例)
実施例22において、酵素としてスミチーム(グルコアミラーゼ活性2,000U/g;新日本化学工業社製のグルコアミラーゼ)2gおよびスミチームX(新日本化学工業社製のヘミセルラーゼ)2gを使用する以外は実施例22と全く同じ操作を行い、Bx35°のジャスミン茶エキス(本発明品23)342.3gを得た(pH5.3、対ジャスミン茶収率171.1%)。
実施例24(実施例22の酵素をグルコアミラーゼおよびペクチナーゼに置き換えた例)
実施例22において、酵素としてスミチーム(グルコアミラーゼ活性2,000U/g;新日本化学工業社製のグルコアミラーゼ)2gおよびスクラーゼN(三菱化学フーズ社製のペクチナーゼ)2gを使用する以外は実施例22と全く同じ操作を行い、Bx35°のジャスミン茶エキス(本発明品24)338.9gを得た(pH5.3、対ジャスミン茶収率169.5%)。
実施例25(実施例22の酵素をグルコアミラーゼおよびセルラーゼに置き換えた例)
実施例22において、酵素としてスミチーム(グルコアミラーゼ活性2,000U/g;新日本化学工業社製のグルコアミラーゼ)2gおよびセルラーゼT「アマノ」(天野エンザイム社製のセルラーゼ)2gを使用する以外は実施例22と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品25)342.6gを得た(pH5.3、対ジャスミン茶収率171.3%)。
比較例4(ジャスミン茶を香気回収せず、酵素処理も行わない例)
実施例22に使用したのと同じジャスミン茶200gをハンマーミル(スクリーン1.2mm)にて粉砕し、アスコルビン酸ナトリウム2.4gを溶解した水3600gを加えスラリー状態とし、90℃に加熱し10分間抽出後、直ちに30℃まで冷却し、固液分離し、90℃にて1分間加熱殺菌し、20℃まで冷却した後、ケイソウ土をプレコートしたヌッチェを用いて濾過を行い、清澄な濾液1685g(Bx4.1°、pH5.2)を得た。濾液をロータリーエバポレータを用いて減圧濃縮し、Bx35°の濃縮液197.2gを得た。ついで90℃にて1分間加熱し、30℃に冷却し、容器に充填し、Bx35°のジャスミン茶エキス(比較品4)197.2gを得た(pH5.3、対ジャスミン茶収率98.6%)。
比較例5(ジャスミン茶を香気回収せずにプロテアーゼおよびタンナーゼ処理した例)
福建省産ジャスミン茶200gをハンマーミル(スクリーン1.2mm)にて粉砕し、アスコルビン酸ナトリウム2.4gを溶解した水3600gを加えスラリー状態とし、90℃達温殺菌後、直ちに40℃まで冷却し、プロテアーゼM(5,500U/g;アマノエンザイム(株))2gおよびタンナーゼ(500U/g;キッコーマン(株))2gを添加し、同温度で30分間攪拌し、酵素をよく混合した後、同温度にて16時間静置反応した。反応時間経過後、アスコルビン酸ナトリウム0.5gを添加しよく混合した後、固
液分離し、90℃にて1分間加熱し酵素を失活させ、20℃まで冷却した後、ケイソウ土をプレコートしたヌッチェを用いて濾過を行い、清澄な濾液1721g(Bx7.2°、pH4.6)を得た。濾液をロータリーエバポレータを用いて減圧濃縮し、Bx35°の濃縮液325.9gを得た。ついで90℃にて1分間加熱し、30℃に冷却し、容器に充填し、Bx35°のジャスミン茶エキス(比較品5)325.9gを得た(pH5.3、対ジャスミン茶収率163.0%)。
比較例6(ジャスミン茶を気−液向流接触抽出法により香気回収し、蒸留残渣を酵素処理せずに抽出した例)
実施例22で得られた、残渣スラリー(d)2kg(ジャスミン茶200g相当)を均一に採取し、90℃達温殺菌後、直ちに40℃まで冷却し、アスコルビン酸ナトリウム0.5gを添加しよく混合した後、固液分離し、90℃にて1分間加熱し、20℃まで冷却した後、ケイソウ土をプレコートしたヌッチェを用いて濾過を行い、清澄な濾液1679g(Bx4.0°、pH5.2)を得た。濾液をロータリーエバポレータを用いて減圧濃縮し、Bx50.0°の濃縮液134.3gを得た。引き続き、濃縮液に回収香(c)を44.8g(濃縮液のBx換算固形分の2/3の量)およびアスコルビン酸ナトリウム0.27g(濃縮液のBx換算固形分の0.4%の量)を添加してよく混合した後、水を加え、Bxを35°に調製した。ついで90℃にて1分間加熱し、30℃に冷却し、容器に充填し、Bx35°のジャスミン茶エキス(比較品6)191.4gを得た(pH5.5、対ジャスミン茶収率95.7%)。
茶類エキスの官能評価
本発明品22〜25および比較品4〜6をそれぞれイオン交換水にて50倍に希釈し、10名のよく訓練されたパネラーにより、ナチュラル感、フレッシュ感、甘味、旨味、雑味、すっきり感について、非常によい:10点、良い:8点、やや良い:6点、やや悪い:4点、悪い:2点、非常に悪い0点として官能評価を行った。
酵素の種類および官能評価を下記表4に示す。
Figure 0005411748
表4に示したとおり、ジャスミン茶においても、緑茶とほぼ同様の結果であった。すなわち、回収香および酵素処理のいずれも使用していない比較品4は、ナチュラル感、フレ
ッシュ感はほとんど感じられないとのパネラーの評価であり、甘味、旨味も少なく、雑味、すっきり感も乏しかったが、本発明品は、いずれも、ナチュラル感、フレッシュ感、甘味、旨味、雑味、すっきり感のすべてにおいて評価が極めて高かった。
プロテアーゼおよびタンナーゼにより処理した本発明品22は、特に旨味が強く、また、甘味も強く、雑味が少なく、すっきり感が良好であった。
また、グルコアミラーゼおよびヘミセルラーゼにより処理した本発明品23、グルコアミラーゼおよびペクチナーゼにより処理した本発明品24およびグルコアミラーゼおよびセルラーゼにより処理した本発明品25は、いずれも、非常に甘味、旨味が強く、雑味が少なく、すっきり感が良好であった。
比較品5は、回収香を使用せずにプロテアーゼおよびタンナーゼ処理を行った茶類エキスであり、甘味、旨味、雑味、すっきり感については比較品4と比べると改善されているが、ナチュラル感、フレッシュ感はあまり感じられず、いかなる種類の茶であるか認識するのがやや困難であるとの評価も一部のパネラーにあり、本発明品22〜25と比べると評価は低かった。
比較品6は、回収香を使用しているが、酵素処理を行っていない茶類エキスであり、ナチュラル感、フレッシュ感は、比較品4と比べると改善されているが、甘味、旨味が少なく、雑味、すっきり感が乏しく、本発明品22〜25と比べると評価ははるかに劣るものであった。
茶類エキスを添加したジャスミン茶飲料の官能評価
80℃に加熱したイオン交換水20kgに福建省産ジャスミン茶葉1kgを投入し、5分間ゆっくり攪拌した後、40メッシュ金網を用いて、茶葉を分離し、分離した液を20℃に冷却し抽出液14kgを得た。得られた抽出液にアスコルビン酸ナトリウム7.0g(500ppm)を加え、No.2濾紙(ADVANTEC社製:保留粒子径5μ)にて濾過し、ジャスミン茶飲料原液を得た(ジャスミン茶飲料原液の分析値;Bx:2.43°、pH:6.3、タンニン含量(酒石酸鉄法):0.38%、アミノ酸含量:0.055%)。これを小分けし、イオン交換水にて10倍(質量比)に希釈し、その希釈液に本発明品22〜25および比較品4〜6をそれぞれ0.3%添加したものを調製し、137℃、30秒間加熱殺菌後、88℃まで冷却し500mlペットボトルに充填し、2分間保持後、室温(25℃)まで冷却し、ペットボトル入りジャスミン茶飲料とした。それぞれのジャスミン茶飲料は茶類エキス無添加品をコントロールとして10名のパネラーにて評価した。評価基準は、無添加品を5点とした場合に、ナチュラル感、フレッシュ感、甘味、旨味、雑味、すっきり感について、非常によい:10点、良い:8点、やや良い:6点、やや悪い:4点、悪い:2点、非常に悪い0点とした。
酵素の種類および官能評価を下記表5に示す。
Figure 0005411748
表5に示したとおり、ジャスミン茶飲料においても、緑茶飲料とほぼ同様の結果であった。すなわち、回収香および酵素処理のいずれも使用していない比較品4を添加したジャスミン茶飲料は、甘味、旨味、すっきり感、雑味は改善されるが、ナチュラル感、フレッシュ感にはほとんど寄与していないとのパネラーの評価であった。
また、回収香を使用せずにプロテアーゼおよびタンナーゼ処理を行った比較品5を添加したジャスミン茶飲料は、ナチュラル感、フレッシュ感はほとんど無添加品と変わらず、甘味、旨味、雑味、すっきり感は比較品4を添加したジャスミン茶飲料と比べると改善されているが、その評価は低いものであった。
また、回収香を添加しているが、酵素を全く使用していない比較品6を添加したジャスミン茶飲料は、特に呈味において旨味、雑味、すっきり感などの評価がいずれも低いものであった。
これらの比較品を添加したジャスミン茶飲料に対し、本発明品を添加したジャスミン茶飲料は、いずれも、ナチュラル感、フレッシュ感、甘味、旨味、すっきり感が増し、雑味が少なくなり、風味が良好であるという評価であった。
プロテアーゼおよびタンナーゼにより処理した本発明品22を添加したジャスミン茶飲料は、特に旨味が強く、また、甘味も強く、雑味が少なく、すっきり感が良好であった。
また、グルコアミラーゼおよびヘミセルラーゼにより処理した本発明品23を添加したジャスミン茶飲料、グルコアミラーゼおよびペクチナーゼにより処理した本発明品24を添加したジャスミン茶飲料およびグルコアミラーゼおよびセルラーゼにより処理した本発明品25を添加したいずれのジャスミン茶飲料も、非常に甘味、旨味が強く、雑味が少なく、すっきり感が良好であった。
実施例26(烏龍茶をカラム水蒸気蒸留法により香気回収し、蒸留残渣をプロテアーゼおよびタンナーゼ処理した例)
烏龍茶として鉄観音(K−103)をハンマーミル(スクリーン1.2mm)にて粉砕
し、その1kgを3リットルカラムに充填し、系内を窒素ガス置換後、大気圧下にてカラム下部より水蒸気を送り込み水蒸気蒸留を行い、カラム上部より得られた香気を含む水蒸気を冷却管にて凝縮させ、香気留出液400g(対烏龍茶40%、以下、回収香(e)とする)を得た。得られた香気留出液は窒素封入後約4℃に冷却して、密封保存した。カラム内の残渣を攪拌釜に移した後、アスコルビン酸ナトリウム6gを溶解した水9kg仕込み、40℃にて30分間攪拌後、プロテアーゼM(5,500U/g;アマノエンザイム(株))10gおよびタンナーゼ(500U/g;キッコーマン(株))10gを添加し、同温度で30分間攪拌し、酵素をよく混合した後、同温度にて16時間静置反応した。反応時間経過後、アスコルビン酸ナトリウム2.5gを添加しよく混合した後、固液分離し、90℃にて1分間加熱し酵素を失活させ、20℃まで冷却した後、ケイソウ土をプレコートしたヌッチェを用いて濾過を行い、清澄な濾液8029g(Bx7.6°、pH4.7)を得た。濾液をロータリーエバポレータを用いて減圧濃縮し、Bx50.0°の濃縮液1097.4gを得た。引き続き、濃縮液に回収香(e)を365.8g(濃縮液のBx換算固形分の2/3の量)およびアスコルビン酸ナトリウム2.2g(濃縮液のBx換算固形分の0.4%の量)を添加してよく混合した後、水を加え、Bxを35°に調整した。ついで90℃にて1分間加熱し、30℃に冷却し、容器に充填し、Bx35°の烏龍茶エキス(本発明品26)1567gを得た(pH5.3、対烏龍茶収率156.7%)。
実施例27(実施例26の酵素をグルコアミラーゼおよびヘミセルラーゼに置き換えた例)
実施例26において、酵素としてスミチーム(グルコアミラーゼ活性2,000U/g;新日本化学工業社製のグルコアミラーゼ)10gおよびスミチームX(新日本化学工業社製のヘミセルラーゼ)10gを使用する以外は実施例26と全く同じ操作を行い、Bx35°の烏龍茶エキス(本発明品27)987.6gを得た(pH5.3、対烏龍茶収率98.8%)。
実施例28(実施例26の酵素をグルコアミラーゼおよびペクチナーゼに置き換えた例)
実施例26において、酵素としてスミチーム(グルコアミラーゼ活性2,000U/g;新日本化学工業社製のグルコアミラーゼ)10gおよびスクラーゼN(三菱化学フーズ社製のペクチナーゼ)10gを使用する以外は実施例26と全く同じ操作を行い、Bx35°の烏龍茶エキス(本発明品28)977.6gを得た(pH5.3、対烏龍茶収率97.8%)。
実施例29(実施例26の酵素をグルコアミラーゼおよびセルラーゼに置き換えた例)
実施例26において、酵素としてスミチーム(グルコアミラーゼ活性2,000U/g;新日本化学工業社製のグルコアミラーゼ)10gおよびセルラーゼT「アマノ」(天野エンザイム社製のセルラーゼ)10gを使用する以外は実施例26と全く同じ操作を行い、Bx35°の緑茶エキス(本発明品29)985.3gを得た(pH5.3、対烏龍茶収率98.5%)。
比較例7(烏龍茶を香気回収せず、酵素処理も行わない例)
実施例26に使用したのと同じ烏龍茶粉砕物1kgを、アスコルビン酸ナトリウム6gを溶解した水9kgに仕込み、90℃に加熱し10分間抽出後、直ちに40℃まで冷却し、固液分離し、90℃にて1分間加熱殺菌し、20℃まで冷却した後、ケイソウ土をプレコートしたヌッチェを用いて濾過を行い、清澄な濾液7835g(Bx3.8°、pH5.2)を得た。濾液をロータリーエバポレータを用いて減圧濃縮し、Bx35°の濃縮液850.7gを得た。ついで90℃にて1分間加熱し、30℃に冷却し、容器に充填し、Bx35°の烏龍茶エキス(比較品7)850.7gを得た(pH5.3、対烏龍茶収率85.1%)。
比較例8(烏龍茶を香気回収せずにプロテアーゼおよびタンナーゼ処理した例)
実施例26に使用したのと同じ烏龍茶粉砕物1kgを、アスコルビン酸ナトリウム6gを溶解した水9kgに仕込み、90℃に加熱し10分間抽出後、直ちに40℃まで冷却し、プロテアーゼM(5,500U/g;アマノエンザイム(株))10gおよびタンナーゼ(500U/g;キッコーマン(株))10gを添加し、同温度で30分間攪拌し、酵素をよく混合した後、同温度にて16時間静置反応した。反応時間経過後、アスコルビン酸ナトリウム2.5gを添加しよく混合した後、固液分離し、90℃にて1分間加熱し酵素を失活させ、20℃まで冷却した後、ケイソウ土をプレコートしたヌッチェを用いて濾過を行い、清澄な濾液7983g(Bx7.6°、pH4.7)を得た。濾液をロータリーエバポレータを用いて減圧濃縮し、Bx35°の濃縮液1733.4gを得た。ついで90℃にて1分間加熱し、30℃に冷却し、容器に充填し、Bx35°の烏龍茶エキス(比較品8)1733.4gを得た(pH5.3、対烏龍茶収率177.3%)。
収率156.7%)。
比較例9(烏龍茶をカラム水蒸気蒸留法により香気回収し、蒸留残渣を酵素処理せずに抽出した例)
実施例26に使用したのと同じ烏龍茶粉砕物1kgを3リットルカラムに充填し、系内を窒素ガス置換後、大気圧下にてカラム下部より水蒸気を送り込み水蒸気蒸留を行い、カラム上部より得られた香気を含む水蒸気を冷却管にて凝縮させ、香気留出液400g(対烏龍茶40%、以下、回収香(e)とする)を得た。得られた香気留出液は窒素封入後約4℃に冷却して、密封保存した。カラム内の残渣を攪拌釜に移した後、アスコルビン酸ナトリウム6gを溶解した水9kg仕込み、90℃に加熱し10分間抽出後、直ちに40℃まで冷却し、固液分離し、90℃にて1分間加熱殺菌し、20℃まで冷却した後、ケイソウ土をプレコートしたヌッチェを用いて濾過を行い、清澄な濾液7923g(Bx3.8°、pH5.2)を得た。濾液をロータリーエバポレータを用いて減圧濃縮し、Bx50°の濃縮液602.1gを得た。引き続き、濃縮液に回収香(e)200.7g(濃縮液のBx換算固形分の2/3の量)およびアスコルビン酸ナトリウム1.2g(濃縮液のBx換算固形分の0.4%の量)を添加してよく混合した後、水を加え、Bxを35°に調製した。ついで90℃にて1分間加熱し、30℃に冷却し、容器に充填し、Bx35°の烏龍茶エキス(比較品9)860.1gを得た(pH5.3、対烏龍茶収率86.0%)。
茶類エキスの官能評価
本発明品26〜29および比較品7〜9をそれぞれイオン交換水にて50倍に希釈し、10名のよく訓練されたパネラーにより、ナチュラル感、フレッシュ感、甘味、旨味、雑味、すっきり感について、非常によい:10点、良い:8点、やや良い:6点、やや悪い:4点、悪い:2点、非常に悪い0点として官能評価を行った。
酵素の種類および官能評価を下記表6に示す。
Figure 0005411748
表6に示したとおり、カラム水蒸気蒸留法により香気を回収した烏龍茶においても、前述の緑茶および烏龍茶とほぼ同様の結果であった。すなわち、回収香および酵素処理のいずれも使用していない比較品7は、ナチュラル感、フレッシュ感はほとんど感じられないとのパネラーの評価であり、甘味、旨味も少なく、雑味、すっきり感も乏しかったが、本発明品はいずれも、ナチュラル感、フレッシュ感、甘味、旨味、雑味、すっきり感のすべてにおいて評価が極めて高かった。
プロテアーゼおよびタンナーゼにより処理した本発明品26は、特に旨味が強く、また、甘味も強く、雑味が少なく、すっきり感が良好であった。
また、グルコアミラーゼおよびヘミセルラーゼにより処理した本発明品27、グルコアミラーゼおよびペクチナーゼにより処理した本発明品28およびグルコアミラーゼおよびセルラーゼにより処理した本発明品29は、いずれも、非常に甘味、旨味が強く、雑味が少なく、すっきり感が良好であった。
比較品8は、回収香を使用せずにプロテアーゼおよびタンナーゼ処理を行った茶類エキスであり、甘味、旨味、雑味、すっきり感については、比較品7と比べると改善されているが、ナチュラル感、フレッシュ感はあまり感じられず、いかなる種類の茶であるか認識するのがやや困難であるとの評価も一部のパネラーにあり、本発明品26〜29と比べると評価は低かった。
比較品9は、回収香を使用しているが、酵素処理を行っていない茶類エキスであり、ナチュラル感、フレッシュ感は、比較品7と比べると改善されているが、甘味、旨味が少なく、雑味、すっきり感が乏しく、本発明品26〜29と比べると評価ははるかに劣るものであった。
茶類エキスを添加した烏龍茶飲料の官能評価
80℃に加熱したイオン交換水20kgに烏龍茶葉(色種 S−103)1kgを投入し、5分間ゆっくり攪拌した後、40メッシュ金網を用いて、茶葉を分離し、分離した液を20℃に冷却し抽出液14kgを得た。得られた抽出液にアスコルビン酸ナトリウム7.0g(500ppm)を加え、No.2濾紙(ADVANTEC社製:保留粒子径5μ
)にて濾過し、烏龍茶飲料原液を得た(烏龍茶原液の分析値;Bx:2.43°、pH:6.2、タンニン含量(酒石酸鉄法):0.41%、アミノ酸含量:0.031%)。これを小分けし、イオン交換水にて10倍(質量比)に希釈し、その希釈液に本発明品26〜29および比較品7〜9をそれぞれ0.3%添加したものを調製し、137℃、30秒間加熱殺菌後、88℃まで冷却し500mlペットボトルに充填し、2分間保持後、室温(25℃)まで冷却し、ペットボトル入り烏龍茶飲料とした。それぞれの烏龍茶飲料はエキス無添加品をコントロールとして10名のパネラーにて評価した。評価基準は、無添加品を5点とした場合に、ナチュラル感、フレッシュ感、甘味、旨味、雑味、すっきり感について、非常によい:10点、良い:8点、やや良い:6点、やや悪い:4点、悪い:2点、非常に悪い0点とした。
酵素の種類および官能評価を下記表7に示す。
Figure 0005411748
表7に示したとおり、烏龍茶飲料においても、緑茶飲料やジャスミン茶飲料とほぼ同様の結果であった。すなわち、回収香および酵素処理のいずれも使用していない比較品7を添加した烏龍茶飲料は、甘味、旨味、すっきり感、雑味は改善されるが、ナチュラル感、フレッシュ感にはほとんど寄与していないとのパネラーの評価であった。
また、回収香を使用せずにプロテアーゼおよびタンナーゼ処理を行った比較品8を添加した烏龍茶飲料は、ナチュラル感、フレッシュ感はほとんど無添加品と変わらず、甘味、旨味、雑味、すっきり感は比較品7を添加した烏龍茶飲料と比べると改善されているが、その評価は低いものであった。
また、回収香を添加しているが、酵素を全く使用していない比較品9を添加した烏龍茶飲料は、特に呈味において旨味、雑味、すっきり感などの評価がいずれも低いものであった。
これらの比較品を添加した烏龍茶飲料に対し、本発明品を添加した烏龍茶飲料は、いずれも、ナチュラル感、フレッシュ感、甘味、旨味、すっきり感が増し、雑味が少なくなり、風味が良好であるという評価であった。
プロテアーゼおよびタンナーゼにより処理した本発明品26を添加した烏龍茶飲料は、特に旨味が強く、また、甘味も強く、雑味が少なく、すっきり感が良好であった。
また、グルコアミラーゼおよびヘミセルラーゼにより処理した本発明品27を添加した烏龍茶飲料、グルコアミラーゼおよびペクチナーゼにより処理した本発明品28を添加した烏龍茶飲料およびグルコアミラーゼおよびセルラーゼにより処理した本発明品29を添加したいずれの烏龍茶飲料も、非常に甘味、旨味が強く、雑味が少なく、すっきり感が良好であった。

Claims (8)

  1. (i) 茶類原料から水蒸気蒸留法により香気を回収し、(ii) スクロースを基質として酵素を作用させ、グルコースの生成の有無をグルコース試験紙で判定することによりインベルターゼ活性を有しないことが確認された、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼおよびペクチナーゼから選ばれる糖質分解酵素製剤で蒸留残渣を処理して酵素処理エキスを得、(iii) 工程(ii)で得られた酵素処理エキスと工程(i)で得られた回収香を混合することを特徴とする茶類エキスの製造方法。
  2. 水蒸気蒸留を気−液向流接触抽出法により行う請求項1に記載の方法。
  3. 糖質分解酵素製剤に加えて、さらにプロテアーゼおよびタンナーゼで処理する請求項1または2に記載の方法。
  4. 糖質分解酵素製剤がグルコアミラーゼおよびヘミセルラーゼを含むものである請求項1または2に記載の方法。
  5. 糖質分解酵素製剤がグルコアミラーゼおよびペクチナーゼを含むものである請求項1または2に記載の方法。
  6. 糖質分解酵素製剤がグルコアミラーゼおよびセルラーゼを含むものである請求項1または2に記載の方法。
  7. 茶類が不発酵茶、半発酵茶および発酵茶から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により得られる茶類エキス。
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