JP5409802B2 - 時計ムーブメント用駆動機構体 - Google Patents

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Description

本発明は、計時器ムーブメント用の駆動部材に関する。
機械式計時器ムーブメントでは、駆動部材は、歯車列を作動させるためにムーブメントの残部にエネルギーを提供する部材である。駆動部材は、一般に、香箱ドラム、香箱ドラム内に収容された螺旋駆動ぜんまい又は「香箱ぜんまい(「香箱ばね」と呼ばれることもある)」、香箱真又は心棒及び香箱カバーを有する香箱の形態をしている。香箱ドラムは、香箱真回りに回動し、この香箱ドラムは、その周囲に歯部を有し、この歯部は、歯車列を駆動するよう歯車列と協働する。駆動ぜんまいの内端部は、香箱真に固定され、ラチェット車がこの香箱真にしっかりと取り付けられ、ラチェット車は、時計(手巻き時計の場合)の巻真又はその振動錘(自動巻き時計の場合)によって駆動される。駆動ぜんまいの外端部は、ブレースにより香箱ドラムの内周面に固定され、このブレースは、固定可能であり又は摺動可能である。巻真又は振動錘によるラチェット車の回転により、香箱真が回転し、それにより、駆動ぜんまいが引き締められ、かくして、駆動ぜんまいは、エネルギーを蓄えることができる。次に、駆動ぜんまいは、これが弛むにつれてこのエネルギーを次第に放出し、それにより香箱ドラムが回転する。
機械式計時器ムーブメントの重要な特徴は、その動作持続時間、即ち、ムーブメントが2回の巻き操作相互間で動作することができる持続時間である。動作持続時間を増大させるため、数個の香箱を単一のムーブメント内に直列に配置することが知られている。かかる構成の例が次の特許文献(特許明細書又は特許出願公開明細書)、即ち、欧州特許出願公開第1115040号明細書、スイス国特許第693516号明細書、仏国特許出願公開第1195976号明細書及びスイス国特許第599580号明細書に見られる。
欧州特許出願公開第1115040号明細書 スイス国特許第693516号明細書 仏国特許出願公開第1195976号明細書 スイス国特許第599580号明細書
これら特許文献に記載されている構成の全てには、嵩張っていると共に複雑であるという欠点がある。これら構成は、確かに、欧州特許出願公開第1115040号明細書に記載されている中央部品6′及び香箱カバー9,12、スイス国特許第693516号明細書に記載されているハブ35及び中間香箱ブリッジ14、仏国特許出願公開第1195976号明細書に記載された円板9及びハブ5及びスイス国特許第599580号明細書に記載された歯部1〜4のような部品を必要とする。
本発明の目的は、直列に設けられた重ね合わせ状態の駆動ぜんまいを有し、構造が比較的単純であると共に占有スペースを少なくすることができる計時器ムーブメント用駆動部材を提案することにある。
この目的のため、計時器ムーブメント用の駆動部材であって、駆動部材は、シャフト並びに両方ともシャフトに取り付けられたドラム及び回転部材を有し、ドラム及び回転部材は、互いに対して回転可能であり、各々、それぞれの周囲に歯部を有し、駆動部材は、第1及び第2の重なり合った螺旋ぜんまいを更に有し、螺旋ぜんまいの外端部は、それぞれ、ドラム及び回転部材に固定され、螺旋ぜんまいの内端部は、ぜんまいを直列に連結するよう互いに連結されている、駆動部材において、ドラムと回転部材は、一緒になってぜんまいを収容する密閉収納部を形成する少なくともドラムの周壁の領域で互いに嵌合していることを特徴とする駆動部材が提供される。
したがって、本発明では、ドラムを覆う機能は、回転部材、即ち、駆動部材の動作の際に積極的な役割、例えばラチェット車の役割を果たす部材によって保証される。回転部材のこの二重機能により、駆動部材を形成する部品の数を減少させることができる。また、それにより、通常香箱カバーにより占められるスペースを節約することができ、かくして、駆動部材の垂直方向の嵩を減少させることができる。
好ましくは、シャフトは、回転することができ、ドラム及び回転部材は、シャフトに対して回転することができ、ぜんまいのそれぞれの内端部は、シャフトに固定されている。したがって、駆動部材は、構造が単純であり、ハウジング内におけるぜんまいのための利用スペースが増大し、他方、シャフトは、良好な機械的強度を達成するのに十分な直径を保つことができる。
本発明の第1の実施形態では、回転部材は、歯車である。ドラムのベースに向いた歯車の表面の少なくとも一部分は、ドラム内に完全に収納されるのが良く、シャフトと共にドラムの内周部の実質的に全てを占めるのが良い。第2のぜんまいの外端部は、ブレースにより歯車に固定されるのが良く、ブレースの一方の端部は、ブレースと外面との間に締め付けられた歯車の突出部分により第2のぜんまいの最後のターンの外面に固定され、その他方の端部は、自由状態にある。
本発明の第2の実施形態では、回転部材は、別のドラムである。ドラムのそれぞれの周壁は、ドラムが互いに嵌合することができるようにする相補形段部を有するのが良い。
本発明は更に、上述した駆動部材を有する計時器ムーブメントを提案する。
代表的には、シャフトの端部は、それぞれムーブメントの支持体(底板及びブリッジ)内に設けられた軸受内で回転可能に案内される。
有利な一変形例では、計時器ムーブメントは、シャフトの端部を受け入れる第1及び第2の支持体を有し、シャフトは、第1の環状フェースを有し、ドラムに向いた第1の支持体の表面又は第1の支持体に向いたドラムの表面は、第2の環状フェースを有し、第2の環状フェースの内径は、第1の環状フェースの外径よりも大きく、シャフトは、第3の環状フェースを有し、回転部材は、第3の環状フェースに当接することができ、回転部材に向いた第2の支持体の表面又は第2の支持体に向いた回転部材の表面は、第4の環状フェースを有し、第4の環状フェースの内径は、第3の環状フェースの外径よりも大きい。
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して行なわれる以下の詳細な説明を読むと明らかになろう。
本発明の第1の実施形態としての駆動部材の一観点から見た分解組立て斜視図である。 本発明の第1の実施形態としての駆動部材の別の観点から見た分解組立て斜視図である。 本発明の第1の実施形態としての駆動部材の軸方向断面図である。 本発明の第2の実施形態としての駆動部材の軸方向断面図である。
図1〜図3を参照すると、本発明の第1の実施形態としての計時器ムーブメント用駆動部材は、ドラム1、心棒2及び歯車3を有する香箱(又はバレル)の形態をしている。心棒2のピボット4の2つの端部は、ムーブメントの底板6及び香箱ブリッジ7にそれぞれ設けられた軸受又はストーン5内で案内され、それにより、心棒2は、底板6及び香箱ブリッジ7に対してその想像上の軸線8回りに回転することができ、底板6と香箱ブリッジ7の両方は、固定されている。ドラム1及び歯車3は、心棒2に取り付けられた状態でこれに対して仮想軸線8回りに回転することができる。この目的のため、ドラム1のベース9は、中央穴10を有し、この穴の壁は、心棒2の円筒形部分11を包囲した状態でかかる円筒形部分上でこれに沿って摺動することができる。同様な仕方で、歯車3は、中央穴12を有し、この穴の壁は、心棒2の別の円筒形部分13を包囲した状態でかかる円筒形部分13上でこれに沿って摺動することができる。仮想軸線8に垂直な平面内に配置された心棒2の環状フェース14がベース9の内面、即ち、歯車3に向いたその表面によって構成されたドラム1の中央環状縁部15を支持するために用いられている。底板6の内面に設けられた環状フェース16がドラム1のベース9の外面を支持するために用いられ、この環状フェース16の内径は、環状フェース14の外径よりも大きい。仮想軸線8に垂直な平面内に設けられた心棒2の別の環状フェース17が歯車3の表面によって構成された歯車3の中央環状縁部18を支持するために用いられている。香箱ブリッジ7の内面に設けられた環状フェース19が歯車3の外面を支持するために用いられ、この環状フェース19の内径は、環状フェース17の外径よりも大きい。これらフェース14,17,16,19により、ドラム1及び歯車3を安定した仕方で心棒2上に容易に位置決めすることができる。一変形例では、フェース16,19は、それぞれ、ドラム1のベース9の外面及び歯車3の外面に設けられても良い。
ドラム1と歯車3は、一緒になって密閉収納部を形成するよう少なくともドラム1の周壁22の一領域において互いに嵌合している(オーバーラップしている)。換言すると、歯車3は、ドラム1を閉鎖するカバーとして用いられる。図示の例では、歯車3の内面は、ドラム1内に設けられていて、心棒2の円筒形部分13と一緒になって、ドラム1の内周部の全て又はほぼ全てを占める主要環状部分20を有している。歯車3の薄い周辺部分21が完全にドラム1の外側に位置し、この薄い周辺部分21は、ドラムの周壁22を越えて半径方向に延びている。この周辺部分21は、歯車3の歯部23に当たる。ドラム1の周壁22の円筒形内面30に向いた歯車3の円筒形表面20aが主要表面部分20と周辺部分21との間の移行部のところに配置されている。この表面20aは、表面30に接触しても良く又はドラム1と歯車3との間の摩擦を回避するよう表面30から僅かに離隔して配置されても良い。表面20a,30の相互オーバーラップは、障害部(シケイン、chicane)を形成し、この障害部は、いずれの場合においても、望ましくない要素(汚れ等)がドラム1に入るのを困難にし又はドラム1内で用いられている潤滑剤が漏れるのを困難にする。一変形例では、表面20aに類似した歯車3の表面を壁22の他方の側に設けても良く、即ち、壁22の外面に向いて設けても良い。歯車3のこの表面は、表面20aの代替手段として又はこの表面20aに加えて設けられる。
伝統的な香箱ドラムと同様、ドラム1は、その周囲に、より正確に言えば、ベース9の周囲に歯部24を有する。この歯部24は、ムーブメントの歯車列を駆動するようかかる歯車列と協働するようになっている。歯車3は、カバーとしてのその機能に加えて、ラチェットの機能を有し、即ち、歯車3は、これが単一方向に回転するようにする爪又はこれに類似した部材(図示せず)の作用を受ける。歯車3は、巻き真により駆動されるムーブメントの竜頭歯車と噛み合い又は振動錘のピニオンと噛み合う(間接的に噛み合う)。しかしながら、伝統的なラチェット歯車とは対照的に、歯車3は、上述したように心棒2に回転可能に固定されているわけではない。
ドラム1及び歯車3によって形成された収納部は、軸線8の方向に重ね合わされた第1及び第2の駆動ぜんまい25,26を収容し、これら駆動ぜんまいは各々、螺旋に巻かれた板ばねで形成されている。ドラム1のベース9の最も近くに位置するぜんまい25の内端部27は、「コア」と呼ばれている心棒2の大径中央部分28に固定され、その外端部29は、ドラム1の壁22の内面30に固定されている。歯車3の最も近くに位置するぜんまい26の内端部31は、コア28に固定され、その外端部32は、歯車3に固定されている。「固定され」という用語は、本明細書においては、内端部27,31を心棒2に回転可能に固定すると共に外端部29,32をドラム1及び歯車3の通常の回転方向においてそれぞれドラム1及び歯車3に回転可能に固定する連結方式を意味しているものと理解されたい。図1及び図2で理解されるように、ぜんまい25,26は、互いに逆方向に巻かれている。
ぜんまい25,26の内端部27,31は、例えばコア28に設けられたそれぞれの突起33を用いてコア28に固定され、突起33は、内端部27,31に形成された穴34に嵌まり込む。ぜんまい25の外端部29は、固定又は滑りブレース35を用いてそれ自体公知の仕方でドラム1の壁22の内面30に固定可能である。図示の例では、ブレース35は、滑りブレースであり、即ち、ブレース35は、表面30に形成された1つ又は2つ以上の切欠き36(図2)と協働し、一方の切欠き36から別の切欠きに移って外端部29をドラム1から一時的に離脱させ、かくして、ぜんまい25の張力が所定のしきい値を超えると、ぜんまい25を僅かに弛緩させてぜんまい25の過度の引き締めを回避することができる。
ぜんまい26の外端部32は、例えばぜんまい26の最後のターンの外面38に設けられたブレース37を用いて歯車3に固定されている。ぜんまい26の外端部32の近くに位置するブレース37の下流側端部39は、上述の外面38に固定され、ブレース37の上流側端部40は、ブレース37の弾性変形により外面38から自由に遠ざけられることができるようになっている。歯車3は、その内面に円弧状壁41を有し、この円弧状壁は、中央穴12及び歯部23と同軸である。この壁41は、ブレース37の端部40からブレース37とぜんまい26の最後のターンの外面38との間に配置されるようになると共にブレース37によってもたらされる弾性締め付けによりここに保持され、それによりぜんまい26の外端部32が歯車3に固定される。ぜんまい26の最後のターンの外面38及びブレース37は、ドラム1の内面30に向いているが、これには固定されていない。
かくして、ぜんまい25,26は、直列に連結されている。歯車3をブレース37の上流側端部40から下流側端部39への方向に対応したその唯一の回転方向にのみ回転させると、ぜんまい26の外端部32が同一方向に駆動され、心棒2により互いに連結されたぜんまい25,26が巻かれる。2つのぜんまい25,26は、本発明の駆動部材がぜんまい25,26の各々のサイズの単一のぜんまいのみを備えた伝統的な香箱よりもエネルギーを多く蓄えることができ、かくして、動作持続時間を増大したムーブメントを提供することができるようにする。本発明の駆動部材は、折り重ねられた香箱構造よりも嵩張り度が小さい。というのは、ぜんまい25,26が単一ドラム1内に収容されているからである。ぜんまい25,26の内端部27,31が心棒2それ自体に固定され、心棒2回りに動くことができる部品、例えば中央部品又はハブには固定されていないので、心棒2は、駆動部材の半径方向嵩を増大させないで、十分な機械的強度を持つのに十分なサイズの直径を有することができる。さらに、摩擦がそれにより減少する。最後に、かかる嵩は、単一部品である歯車3がラチェット車とカバーの二重機能を有するということによって一段と減少することが注目されよう。
ワッシャ42が図1及び図2に示されているようにぜんまい25,26の間に配置されるのが良く、その目的は、ぜんまい25,26を互いに隔て、それにより、これらのターンが互いに絡み合った状態にならないようにすることにある。実際には必要不可欠であるというわけではないこのワッシャは、ドラム1内に固定される必要はなく、このワッシャは、浮動状態であっても良い。このワッシャは又、先行技術で用いられた香箱カバーよりも薄いものであって良い。
一変形例では、ラチェット車の機能は、歯車3ではなく、ドラム1によって実行可能である。この場合、竜頭歯車又は振動錘によって駆動され、爪の作用を受けるのは、ドラム1であり、歯車3は、歯車列を駆動し、かかる歯車3は又、ドラム1に取り付けられるカバーとして使用される。また、ドラム1の位置と歯車3の位置は、逆であっても良く、即ち、ドラム1は、ブリッジ7の側に設けられ、歯車3は、底板6の側に設けられても良い。
ぜんまい25,26の内端部が心棒2に固定されることが有利ではあるが、欧州特許出願公開第1115040号明細書に記載されている構成により着想される構成を計画することが可能であり、かかる構成では、心棒2を包囲していて、心棒2、ドラム1及び歯車3に対して自由に回転することができる連結要素がぜんまい25,26の内端部27,31を互いに連結する。この場合、回転シャフト又は心棒2をドラム1又は歯車3にしっかりと取り付けるのが良く、或いは、これに代えて底板6及びブリッジ7に対して固定されたシャフトを用いるのが良い。
図4は、本発明の第2の実施形態としての計時器ムーブメント用駆動部材を示している。この第2の実施形態としての駆動部材は、心棒47に取り付けられていて、この心棒47に対し且つ互いに対して回転することができる2つのドラム45,46を有する。心棒47のピボット48がムーブメントの底板及びブリッジに設けられたそれぞれの軸受内で案内されて心棒47が底板及びブリッジに対してその想像上の軸線49回りに自由に回転することができるようになっており、底板とブリッジの両方は、固定されている。ドラム45,46は、仮想軸線49の方向に対向した仕方で設けられており、その結果、これらのそれぞれの内側スペースは、互いに向かい合うと共に互いに連通するようになっている。ドラム45,46も又、これらの周壁50,51のところで互いに嵌合する。より詳細に説明すると、各壁50,51は、その周囲全体にわたって他方の壁51,50の段部53,52と相補した段部52,53を有し、それにより、壁50,51は、仮想軸線49の方向にオーバーラップすることができる。互いに半径方向に向かい合った壁50,51の表面54,55は、互いに接触しても良く又はドラム45,46が回転する際にこれらドラム相互間の摩擦を回避するよう僅かに離れた状態で設けられていても良く、いずれの場合においても、段部52,54により構成された障害部は、望ましくない要素(汚れ等)がドラム45,46内に入るのを困難にし、又はドラム45,46内で用いられている潤滑剤が漏れるのを困難にしている。
かくして、ドラム45,46は、密閉収納部を形成している。この収納部の内部は、仮想軸線49の方向に重ね合わされていて、各々螺旋に巻かれた板ばねにより形成されている第1及び第2の駆動ぜんまい(図示せず)を収容している。ぜんまいのうちの一方は、ドラム45内に設けられ、他方のぜんまいは、ドラム46内に設けられている。各ぜんまいの外端部は、例えばブレースにより、伝統的な仕方で、それぞれ、ドラム45の壁50の内面及びドラム46の壁51の内面に固定されている。各ぜんまいの内端部は、ぜんまいを直列に接続するよう第1の実施形態と類似した仕方で心棒47に固定されている。ぜんまいのうちの一方を対応のドラム45又は46に連結するブレースは、駆動部材が過度に巻かれた場合にぜんまいの過度の引き締めを回避するよう摺動するのが良い。2つのぜんまいは、ワッシャ56により互いに隔てられるのが良い。
ドラム45,46は各々、それぞれの周囲に歯部57,58を有する。ドラム45,46のうちの一方は、ムーブメントの歯車列を駆動するようかかる歯車列に係合している。他方のドラムは、ラチェット車の機能を有する。この第2の実施形態としての駆動部材は、第1の実施形態の場合と同一な仕方で機能する。
ドラム45は、心棒47の環状フェース59とムーブメントの底板との間に配置されている。ドラム46は、心棒47のもう1つの環状フェース60とムーブメントの上述のブリッジとの間に配置されている。ドラム45,46のベースの外面に設けられたフェース61,62は、それぞれ、底板及びブリッジに当接するのが良い。図4に示されている例では、これらフェース61,62は、心棒47を受け入れるドラム45,46のベースの中央穴から半径方向に延びている。一変形例では、フェース61,62は、摩擦を明確に規定された領域に集中させるよう第1の実施形態の場合と同一の形式のものであるのが良い。
図4に示されている形態以外のドラム45,46の取り付け形態、例えば、心棒47に代えて固定シャフトを用い、このシャフト回りに自由に回転することができる連結要素がばねの内端部を互いに連結する形態を計画することが可能である。
この第2の実施形態としての駆動部材は、構造の単純さ及び嵩張り度の観点において第1の実施形態としての駆動部材の場合と同一の利点を有する。かかる第2の実施形態としての駆動部材は、第1の実施形態と比較して、ぜんまい26とドラム1の壁22との間の摩擦の恐れを回避するという利点を更に有する。

Claims (10)

  1. 計時器ムーブメント用の駆動部材であって、前記駆動部材は、シャフト(2;47)並びに両方とも前記シャフトに取り付けられたドラム(1;45)及び回転部材(3;46)を有し、前記ドラム及び前記回転部材は、互いに対して回転可能であり、各々、それぞれの周囲に歯部(24,23;57,58)を有し、前記駆動部材は、第1及び第2の重なり合った螺旋ぜんまい(25,26)を更に有し、前記螺旋ぜんまいの外端部は、それぞれ、前記ドラム及び前記回転部材に固定され、前記螺旋ぜんまいの内端部は、前記ぜんまいを直列に連結するよう互いに連結されている、駆動部材において、前記ドラムと前記回転部材は、一緒になって前記ぜんまいを収容する密閉収納部を形成する少なくとも前記ドラムの周壁(22,50)の領域で互いに嵌合している、駆動部材。
  2. 前記シャフト(2;47)は、回転することができ、前記ドラム(1;45)及び前記回転部材(3;46)は、前記シャフトに対して回転することができ、前記ぜんまい(25,26)のそれぞれの内端部は、前記シャフトに固定されている、請求項1記載の駆動部材。
  3. 前記回転部材(3)は、歯車である、請求項1又は2記載の駆動部材。
  4. 前記ドラム(1)のベース(9)に向いた前記歯車(3)の表面の少なくとも一部分(20)は、前記ドラム内に完全に収納されていて、前記シャフト(2)と共に前記ドラムの内周部の実質的に全てを占めている、請求項3記載の駆動部材。
  5. 前記第2のぜんまい(26)の前記外端部(32)は、ブレース(37)により前記歯車(3)に固定され、前記ブレースの一方の端部(39)は、前記ブレース(37)と前記外面(38)との間に締め付けられた前記歯車(3)の突出部分(41)により前記第2のぜんまい(26)の最後のターンの外面(38)に固定され、その他方の端部(40)は、自由状態にある、請求項3又は4記載の駆動部材。
  6. 前記回転部材(46)は、別のドラムである、請求項1又は2記載の駆動部材。
  7. 前記ドラム(45,46)のそれぞれの周壁(50,51)は、前記ドラムが互いに嵌合することができるようにする相補形段部(52,53)を有する、請求項6記載の駆動部材。
  8. 請求項1〜7のうちいずれか一に記載の駆動部材を有する計時器ムーブメント。
  9. 前記シャフト(2;47)の前記端部(4;48)は、それぞれ前記ムーブメントの支持体(6,7)内に設けられた軸受(5)内で回転可能に案内される、請求項8記載の計時器ムーブメント。
  10. 前記計時器ムーブメントは、前記シャフト(2;47)の端部(4;48)を受け入れる第1及び第2の支持体(6,7)を有し、前記シャフト(2;47)は、第1の環状フェース(14;59)を有し、前記ドラム(1;45)に向いた前記第1の支持体(6)の表面又は前記第1の支持体に向いた前記ドラム(1;45)の表面は、第2の環状フェース(16)を有し、前記第2の環状フェースの内径は、前記第1の環状フェース(14;59)の外径よりも大きく、前記シャフト(2;47)は、第3の環状フェース(17;60)を有し、前記回転部材(3;46)は、前記第3の環状フェースに当接することができ、前記回転部材(3;46)に向いた前記第2の支持体(7)の表面又は前記第2の支持体に向いた前記回転部材(3;46)の表面は、第4の環状フェース(19)を有し、前記第4の環状フェースの内径は、前記第3の環状フェース(17;60)の外径よりも大きい、請求項8又は9記載の計時器ムーブメント。
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