以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下、携帯テレビジョン装置として携帯電話機を説明するが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されない。例えば、PHS(Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯ゲーム機、ポータブルナビゲーション装置等に対しても本発明を適用できる。また、以下に示す実施形態では、本発明は、テレビジョン放送として、携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス、いわゆるワンセグ放送を受信するものとして説明するが、本発明が受信する放送としては、例えば、12セグメントの地上デジタル放送や、アナログ放送、デジタルラジオ放送でもよい。
(実施形態)
図1は、携帯電話機の表示部側を示す正面図である。図2は、携帯電話機の背面側を示す正面図である。携帯電話機1は、無線通信機能を備えた携帯電話機である。携帯電話機1は、図1及び図2に示すように、各装置が筐体10に設けられる。筐体10は、例えば、第1筐体10aと第2筐体10bとを含んで構成される。第1筐体10aは、第2筐体10bに対して回動できるようにヒンジ機構11で連結される。携帯電話機1は、いわゆる折り畳み式の携帯電話機である。ここで、携帯電話機1は、第1筐体10aが第2筐体10bに対してスライドできるように連結されてもよいし、単一の筐体で構成されてもよい。
図3は、携帯電話機の制御装置の構成を示すブロック図である。携帯電話機1は、図1に示すように、筐体10内に、制御装置12を備える。また、携帯電話機1は、筐体10内に配置されるとともに制御装置12と電気的に接続される装置群として、図3に示すように、画像表示パネル14と、操作部16と、マイク18と、レシーバ20と、スピーカ22と、撮像手段としてのカメラ24と、GPS(Global Positioning System)アンテナ26と、受信部としての地上デジタル放送用受信アンテナ28と、通信用アンテナ29と、地磁気センサ30と、加速度センサ32と、気圧センサ34とを備える。
画像表示パネル14は、例えば、液晶パネルである。画像表示パネル14は、電話番号やメールの内容、待ち受け画面等の画像を表示する。画像表示パネル14は、例えば、図1に示すように第1筐体10aに露出して設けられる。操作部16は、図1に示すように、第2筐体10bにボタン部分が露出して配置される。操作部16は、携帯電話機1のユーザーによって操作される。制御装置12は、操作部16を介してユーザーが入力した情報を取得する。
マイク18は、音声を電気信号に変換する。制御装置12は、電気信号に変換された音声をマイク18から取得する。マイク18は、例えば、図1に示す第2筐体10bの内部に設けられる。レシーバ20は、電気信号を音声に変換する。制御装置12は、音声をレシーバ20から出力する。レシーバ20は、例えば、図1に示す第1筐体10aの内部に設けられる。スピーカ22は、電気信号を音声に変換する。制御装置12は、音声をスピーカ22から出力する。スピーカ22は、例えば、図2に示す第2筐体10bの内部に設けられる。カメラ24は、撮像装置である。制御装置12は、カメラ24の動作を制御するとともに、カメラ24が撮像した画像を取得する。カメラ24は、例えば、図2に示す第1筐体10aに設けられる。
GPSアンテナ26は、地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置の1つである地上デジタル放送用受信アンテナ28の地球上での現在の位置を検出するための装置である。制御装置12は、数あるGPS衛星のうちの複数の衛星からGPSアンテナ26で受信した信号を取得する。制御装置12は、前記信号に基づいて、GPSアンテナ26の現在の水平位置を算出(取得)する。GPSアンテナ26及び地上デジタル放送用受信アンテナ28は、例えば図1に示す第2筐体10bにそれぞれ固定されている。このため、GPSアンテナ26と地上デジタル放送用受信アンテナ28との相対的な位置は変化しない。制御装置12は、GPSアンテナ26の現在の位置を算出することにより、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の地球上での水平位置を算出(取得)する。
地上デジタル放送用受信アンテナ28は、テレビジョン放送の信号を受信するためのアンテナである。制御装置12は、地上デジタル放送用受信アンテナ28で受信したテレビジョン放送の信号を取得する。通信用アンテナ29は、携帯電話機1と他の携帯電話機との通信を実現するためのアンテナである。また、通信用アンテナ29は、携帯電話機1と通信回線とを接続するためのアンテナでもある。
地磁気センサ30は、地上デジタル放送用受信アンテナ28の姿勢の1つである地上デジタル放送用受信アンテナ28の向きを検出するための装置である。具体的には、地磁気センサ30は、地磁気の方向に対する自身(地磁気センサ30)の水平面上での角度を検出する。本実施形態では、地磁気の方向に対する水平面上での角度を単に方向という。制御装置12は、地磁気センサ30から取得した信号に基づいて、地磁気の方向に対する自身(地磁気センサ30)の水平面上での角度を算出する。ここで、地上デジタル放送用受信アンテナ28及び地磁気センサ30は、例えば図1に示す第2筐体10bにそれぞれ固定されている。このため、地上デジタル放送用受信アンテナ28と地磁気センサ30との相対的な位置は変化しない。制御装置12は、地磁気センサ30の方向を算出することにより、地上デジタル放送用受信アンテナ28の方向を算出(取得)する。
加速度センサ32は、地上デジタル放送用受信アンテナ28の姿勢の1つである地上デジタル放送用受信アンテナ28の傾きを検出するための装置である。具体的には、加速度センサ32は、地球の重力加速度を検出し、鉛直方向に対する自身(加速度センサ32)の角度を検出する。本実施形態では、鉛直方向に対する角度を単に傾きという。制御装置12は、加速度センサ32から取得した信号に基づいて、鉛直方向に対する自身(加速度センサ32)の角度を算出する。ここで、地上デジタル放送用受信アンテナ28及び加速度センサ32は、例えば図1に示す第2筐体10bにそれぞれ固定されている。このため、地上デジタル放送用受信アンテナ28と加速度センサ32との相対的な位置は変化しない。制御装置12は、加速度センサ32の傾きを算出することにより、地上デジタル放送用受信アンテナ28の傾きを算出(取得)する。
気圧センサ34は、地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置の1つである地上デジタル放送用受信アンテナ28の鉛直方向での高度を検出するための装置である。具体的には、気圧センサ34は、現在の気圧を検出する。制御装置12は、気圧センサ34から取得した気圧データに基づいて、地上デジタル放送用受信アンテナ28の高度を算出する。ここで、気圧は天候により変化する。よって、気圧は常に一定ではない。従って、制御装置12は、例えば、まず、GPSアンテナ26で検出した地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置、つまり現在地の近くにおける現在の気圧を通信回線から取得する。そして、制御装置12は、通信回線から取得した気圧に基づいて実際の気圧を補正し、気圧センサ34がある位置の現在の高度を算出する。なお、気圧センサ34は、GPSよりも詳細な鉛直方向の位置を検出できる精度を有している。例えば、気圧センサ34は、携帯電話機1が建物内の何階にあるかを判断できる精度を最低限有していればよい。地上デジタル放送用受信アンテナ28及び気圧センサ34は、例えば図1に示す第2筐体10bにそれぞれ固定されている。したがって、地上デジタル放送用受信アンテナ28と気圧センサ34との相対的な位置は変化しない。制御装置12は、気圧センサ34の高度を算出することにより、地上デジタル放送用受信アンテナ28がある位置の高度を算出(取得)する。
次に、制御装置12の構成を説明する。ここで、以下に説明する各部は、本実施形態では1つの装置内にまとめられて構成されるが、例えば、制御装置12は、次に説明する各部がそれぞれ別々の装置で構成されて、それぞれの装置が電気的に接続されることによって構成されてもよい。制御装置12は、図3に示すように、音声処理部12aと、通信部12bと、表示制御部12cと、誘導部12dと、放送信号受信部12eと、信号強度取得部としての信号強度算出部12fと、受信時状態取得部としての受信時状態算出部12gと、主処理部12hと、記憶部12iと、I/Oインターフェイス12jとを含んで構成される。
音声処理部12aは、I/Oインターフェイス12jを介してマイク18と、レシーバ20と、スピーカ22とに電気的に接続される。音声処理部12aは、マイク18から音声を電気信号として取得したり、出力させる音声の電気信号をレシーバ20に送信したり、出力させる音声の電気信号をスピーカ22に送信したりする。通信部12bは、I/Oインターフェイス12jを介して通信用アンテナ29に電気的に接続される。通信部12bは、他の携帯電話機との通信を行う。また、通信部12bは、例えば、通信回線への接続も行う。表示制御部12cは、I/Oインターフェイス12jを介して画像表示パネル14と電気的に接続され、画像表示パネル14の動作を制御する。また、表示制御部12cは、画像表示パネル14に表示させる画像の生成も行う。
誘導部12dは、表示制御部12cと情報をやり取りする。誘導部12dは、後述する案内情報として案内音声をスピーカ22に出力させる。また、誘導部12dは、後述する案内情報として案内画像を表示制御部12cに生成させるとともに、表示制御部12cを介して画像表示パネル14に案内画像を表示させる。放送信号受信部12eは、I/Oインターフェイス12jを介して地上デジタル放送用受信アンテナ28と電気的に接続される。放送信号受信部12eは、地上デジタル放送用受信アンテナ28からテレビジョン放送の信号を取得する。
信号強度算出部12fは、放送信号受信部12eから情報を取得できるように構成される。信号強度算出部12fは、放送信号受信部12eが取得したテレビジョン放送の信号の強度を導き出す。具体的には、信号強度算出部12fは、CN比(Carrier to Noise ratio)を算出する。CN比は、搬送波とノイズとの比であって、数値が大きいほど信号の受信状況が良好な状態を示す。地上デジタル放送では、CN比が所定の視聴可能値よりも大きければ、携帯電話機1は視聴に耐え得るテレビジョン放送をユーザーに提供できる。なお、視聴可能値は、所要CNや、所要CN比と呼ばれる。また、携帯電話機1は、CN比が視聴可能値よりも大きく、CN比と視聴可能値との差が大きくなるほど、視聴に耐え得るテレビジョン放送をより安定してユーザーに提供できる。
受信時状態算出部12gは、I/Oインターフェイス12jを介してカメラ24と、GPSアンテナ26と、地磁気センサ30と、加速度センサ32と、気圧センサ34とに電気的に接続される。受信時状態算出部12gは、GPSアンテナ26から取得した信号に基づいて、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の水平位置を算出(取得)する。また、受信時状態算出部12gは、カメラ24から地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の位置及び姿勢を示す情報として、カメラ24が撮像した案内用撮像画像を取得する。また、受信時状態算出部12gは、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の姿勢を示す情報として、地磁気センサ30から取得した信号に基づいて、地磁気の方向に対する地上デジタル放送用受信アンテナ28の方向を算出(取得)する。
また、受信時状態算出部12gは、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の姿勢を示す情報として、加速度センサ32から取得した信号に基づいて、地上デジタル放送用受信アンテナ28の傾きを算出(取得)する。また、受信時状態算出部12gは、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の姿勢を示す情報として、気圧センサ34から取得した信号に基づいて、地上デジタル放送用受信アンテナ28がある位置の高度を算出(取得)する。
主処理部12hは、音声処理部12aから受信時状態算出部12gまでの各部を統括して制御する。また、主処理部12hは、記憶部12iと電気的に接続され、記憶部12iに記憶されている情報を記憶部12iから取得したり、記憶部12iに情報を格納したりする。また、主処理部12hは、I/Oインターフェイス12jを介して操作部16と電気的に接続されて、ユーザーが操作部16に入力した指令を操作部16から取得する。主処理部12hは、記憶部12iと音声処理部12aから受信時状態算出部12gの各部との間に介在されて、記憶部12iと音声処理部12aから受信時状態算出部12gの各部との情報のやり取りも行う。
記憶部12iは、例えば、オペレーティングシステムプログラムや、アプリケーションプログラム、その他各部の制御に必要なプログラムが記憶されている。また、記憶部12iは、放送信号受信部12eが算出した信号の強度に関する強度情報と、受信時状態算出部12gが算出した地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置に関する位置情報とを互いに関連付けて記憶する。さらに、記憶部12iは、強度情報と、受信時状態算出部12gが算出した地上デジタル放送用受信アンテナ28の姿勢に関する姿勢情報とを互いに関連付けて記憶する。また、記憶部12iは、誘導部12dがユーザーに対する報知を実行する際に用いる音声や画像を記憶する。
次に、テレビジョン放送を視聴する際に要するユーザーの手間を低減するために、制御装置12が実行する一連の手順を説明する。ここで、制御装置12は、2組の一連の手順を実行する。その2組のうち、一方を学習手順といい、他方を案内手順という。まずは、学習手順を説明する。
図4は、制御装置が実行する学習手順を示すフローチャートである。ステップST101で、図3に示す信号強度算出部12fは、CN比を算出する。次にステップST102で、主処理部12hは、携帯電話機1がテレビジョン放送を安定して再生できているか否かを判断する。具体的には、主処理部12hは、まず、テレビジョン放送の再生が開始されてからの経過した時間で、CN比が連続して視聴可能値を超えていた時間Tを計測する。そして、主処理部12hは、時間Tが所定時間Ts以上である場合に、携帯電話機1がテレビジョン放送を安定して再生できていると判断する。
ここで、視聴可能値は、本実施形態の携帯電話機1に限らず、一般的に用いられる値であって、具体的には、ワンセグの場合10dBである。なお、視聴可能値は、ワンセグとフルセグとで異なったり、チューナーによって異なったりする。また、所定時間Tsは、時間Tが所定時間Ts以上である場合に、携帯電話機1がテレビジョン放送を安定して再生できていると判断できる値であり、例えば、10秒である。なお、時間Tが所定時間Ts以上であるという条件下では、所定時間Tsが大きくなればなるほど、携帯電話機1は、テレビジョン放送をより安定して再生できていることになる。
携帯電話機1がテレビジョン放送を安定して再生できていない場合(ステップST102、No)、制御装置12は、ステップST101に戻り、ステップST101以降の各手順を実行しなおす。携帯電話機1がテレビジョン放送を安定して再生できている場合(ステップST102、Yes)、ステップST103で、受信時状態算出部12gは、地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置及び地上デジタル放送用受信アンテナ28の姿勢を算出(取得)する。例えば、受信時状態算出部12gは、GPSアンテナ26から取得した信号に基づいて、地上デジタル放送用受信アンテナ28の水平位置を算出(取得)する。また、受信時状態算出部12gは、気圧センサ34から取得した信号に基づいて、地上デジタル放送用受信アンテナ28の高度を算出(取得)する。また、受信時状態算出部12gは、地磁気センサ30から取得した信号に基づいて、地上デジタル放送用受信アンテナ28の向きを算出(取得)する。また、受信時状態算出部12gは、加速度センサ32から取得した信号に基づいて、地上デジタル放送用受信アンテナ28の傾きを算出(取得)する。また、受信時状態算出部12gは、携帯電話機1の現在の位置及び姿勢で撮像された案内用撮像画像をカメラ24から取得する。
図5は、CN比と、地上デジタル放送用受信アンテナの位置及び姿勢との関係を示す図表である。ステップST104で、主処理部12hは、ステップST103で算出した各値を、ステップST101で算出したCN比と関連付けて記憶部12iに記憶させる。具体的には、主処理部12hは、図5に示すように、強度情報として現在のCN比と、位置情報として地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の水平位置に関する水平位置情報と、姿勢情報として地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の向きに関する方向情報と、姿勢情報として地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の傾きに関する傾き情報と、位置情報として地上デジタル放送用受信アンテナ28の高度に関する高度情報と、位置及び姿勢を示す情報としてカメラ24が撮像した案内用撮像画像とを記憶部12iに記憶させる。また、主処理部12hは、どの程度安定してテレビジョン放送をユーザーに提供できたか否かの指標として、テレビジョン放送の再生時間も現在のCN比に関連付けて、記憶部12iに記憶させる。
次に、制御装置12は、図4に示すステップST105及びステップST106を実行する。ここで、ステップST105は、学習手順の実行を終了するか否かを判断するためのステップである。また、ステップST106は、学習手順を反復させるか否かを判断するためステップである。ステップST105で、主処理部12hは、テレビジョン放送を再生中か否かを判断する。制御装置12は、テレビジョン放送を再生中の場合、放送信号受信部12eが地上デジタル放送用受信アンテナ28からテレビジョン放送の信号を取得し、表示制御部12cが画像表示パネル14にテレビジョン放送の画像を表示し、音声処理部12aがスピーカ22からテレビジョン放送の音声を出力する。主処理部12hは、これらの処理がなされているか否に基づいて、テレビジョン放送を再生中か否かを判断する。
テレビジョン放送が再生されていない場合(ステップST105、No)、制御装置12は、学習手順を終了する。テレビジョン放送が再生されている場合(ステップST105、Yes)、ステップST106で、主処理部12hは、地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置又は姿勢が変化したか否かを判断する。具体的には、主処理部12hは、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の水平位置と、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の向きと、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の傾きと、地上デジタル放送用受信アンテナ28の高度と、位置情報及び姿勢情報としてカメラ24が撮像した現在の案内用撮像画像とを更新する。そして、主処理部12hは、少なくとも1つが前回の値又は案内用撮像画像から変化した場合に、地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置又は姿勢が変化したと判断する。
地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置又は姿勢が変化した場合(ステップST106、Yes)、制御装置12は、ステップST101に戻り、ステップST101以降のステップを再度実行する。地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置又は姿勢が変化していない場合(ステップST106、No)、制御装置12は、ステップST105に戻る。すなわち、制御装置12は、テレビジョン放送の再生が終了するまで、地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置又は姿勢が変化する度に、ステップST101からステップST104までを繰り返し実行する。これにより、主処理部12hは、図5に示すように、地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置情報と、地上デジタル放送用受信アンテナ28の姿勢情報と、CN比とをそれぞれ関連付けた情報を学習データとして記憶部12iに蓄積できる。次に、案内手順について説明する。
図6は、制御装置が実行する案内手順を示すフローチャートである。ステップST201で、図3に示す信号強度算出部12fは、CN比を算出する。次にステップST202で、主処理部12hは、現在のCN比が視聴可能値よりも大きいか否かを判断する。現在のCN比が視聴可能値よりも大きい場合(ステップST202、Yes)、制御装置12は、案内手順を終了する。現在のCN比が視聴可能値以下である場合(ステップST202、No)、ステップST203で、受信時状態算出部12gは、GPSアンテナ26から取得した信号に基づいて、地上デジタル放送用受信アンテナ28の水平位置を算出(取得)する。
次に、ステップST204で、主処理部12hは、記憶部12iに少なくとも1つ以上記憶されている地上デジタル放送用受信アンテナ28の水平位置情報の中に、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の水平位置の近傍に該当する水平位置情報があるか否かを判断する。ここでいう近傍とは、記憶部12iに記憶されている水平位置が算出された際の地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置と、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の位置とが、例えば同一の建物内であると判断できる範囲をいう。本実施形態では、例えば、主処理部12hは、記憶部12iに少なくとも1つ以上記憶されている地上デジタル放送用受信アンテナ28の水平位置情報の中に、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の水平位置から半径5m以内に該当する水平位置情報があるか否かを判断する。
ここで、主処理部12hは、記憶部12iに少なくとも1つ以上記憶されている地上デジタル放送用受信アンテナ28の高度情報の中に、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の高度の近傍に該当する高度情報があるか否かも判断すると好ましい。ここでいう近傍とは、記憶部12iに記憶されている高度情報が算出された際の地上デジタル放送用受信アンテナ28の高度と、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の高度とが、例えば同一階であると判断できる範囲をいう。本実施形態では、例えば、主処理部12hは、記憶部12iに少なくとも1つ以上記憶されている地上デジタル放送用受信アンテナ28の高度情報の中に、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の高度から半径1m以内に該当する高度情報があるか否かを判断する。これにより、制御装置12は、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の位置により近い位置情報を記憶部12iの中から導き出せる。
記憶部12iに少なくとも1つ以上記憶されている地上デジタル放送用受信アンテナ28の水平位置情報の中に、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の水平位置の近傍に該当する水平位置情報がない場合(ステップST204、No)、制御装置12は、図4に示す学習手順を実行する。これにより、制御装置12は、新たな水平位置で、テレビジョン放送を安定して再生できる地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置及び姿勢を記憶部12iに記憶させることができる。記憶部12iに少なくとも1つ以上記憶されている地上デジタル放送用受信アンテナ28の水平位置情報の中に、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の水平位置の近傍に該当する水平位置情報がある場合(ステップST204、Yes)、ステップST205で、誘導部12dは、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の位置及び姿勢が、テレビジョン放送を安定して再生できる地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置及び姿勢になるように、ユーザーに案内情報を提供する。次に、ユーザーに提供する案内情報の一例を説明する。
図7は、画像表示パネルに表示される案内情報としての第1案内画像を示す説明図である。表示制御部12cは、図7に示すように、映像表示領域36と、案内矢印表示領域38と、近傍画像表示領域40とを画像表示パネル14に設ける。映像表示領域36は、テレビジョン放送の映像を表示させるための領域である。案内矢印表示領域38は、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の水平位置から、良好位置に向かう方向を矢印で示す。ここで、良好位置とは、記憶部12iに記憶されている位置情報が示す位置であって、CN比が視聴可能値よりも大きくなる地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置である。
主処理部12hは、まず、現在の水平位置情報と良好位置での水平位置情報とに基づいて、地上デジタル放送用受信アンテナ28を移動させるべき方向を算出する。次に、主処理部12hは、地上デジタル放送用受信アンテナ28を移動させるべき方向と、現在の地上デジタル放送用受信アンテナ28の向きとに基づいて、案内矢印表示領域38に表示させる矢印の方向を決定する。次に、誘導部12dは、表示制御部12cに指令を出して、案内矢印表示領域38に矢印を表示させる。この構成により、ユーザーは、前記矢印が指し示す方向に携帯電話機1を持って移動することで、地上デジタル放送用受信アンテナ28の水平位置を良好位置に近づけることができる。したがって、携帯電話機1は、ユーザーが地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置を調節するのに要する手間を低減できる。
近傍画像表示領域40は、良好位置でカメラ24が過去に撮像した案内用撮像画像を表示させるための領域である。近傍画像表示領域40に表示される案内用撮像画像は、CN比が視聴可能値よりも大きくなる地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置及び姿勢を示す画像である。主処理部12hは、まず、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の水平位置に基づいて、記憶部12iに記憶されている水平位置情報を検索する。地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の水平位置の近傍を示す水平位置情報を見つけ出すと、誘導部12dは、前記水平位置情報に関連付けした案内用撮像画像を近傍画像表示領域40に表示させる。すなわち、誘導部12dは、過去に安定してテレビジョン放送を再生できた際にカメラ24が撮像した案内用撮像画像を、近傍画像表示領域40に表示させる。これにより、ユーザーは、この案内用撮像画像を確認しつつ、この案内用撮像画像を目標として、携帯電話機1の位置及び姿勢を調節できる。結果として、携帯電話機1は、ユーザーが地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置及び姿勢を調節するのに要する手間を低減できる。
図8は、画像表示パネルに表示される案内情報としての第2案内画像を示す説明図である。地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の水平位置と、良好位置との差が所定のモード切替値以下になると、誘導部12dは、ユーザーに提供する案内情報の種類を切り替える。具体的には、誘導部12dは、画像表示パネル14に表示させる案内画像を、図7に示す第1案内画像から、図8に示す第2案内画像に切り替える。ここで、前記モード切替値は、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の水平位置と、良好位置との差がモード切替値以下になった場合に、より詳細な案内画像である第2案内画像をユーザーが希望すると判断できる値である。
誘導部12dは、図8に示すように、映像表示領域36と、三次元モデル表示領域42と、高度案内矢印表示領域44と、回動方向案内画像表示領域46とを画像表示パネル14に設ける。三次元モデル表示領域42は、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の水平位置及び高度を三次元で示す案内画像が表示される領域である。制御装置12は、まず、受信時状態算出部12gが地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の水平位置及び高度を算出(取得)する。次に受信時状態算出部12gは、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の水平位置及び高度を示す現在位置ポイント48を、例えば円や矩形等の画像で三次元モデル表示領域42に表示させる。また、制御装置12は、ユーザーに目標とさせる良好位置を示す目標位置ポイント50を、例えば現在位置ポイント48とは異なる形状や色の案内画像で三次元モデル表示領域42に示す。
ここで、ユーザーが携帯電話機1を移動させると、誘導部12dは、三次元モデル表示領域42に表示させる現在位置ポイント48を更新する。すなわち、誘導部12dは、ユーザーが携帯電話機1を移動させた動きと同様に、三次元モデル表示領域42に表示させる現在位置ポイント48を移動させるように案内画像を三次元モデル表示領域42に表示させる。ここで、例えば、現在位置ポイント48が円である場合、誘導部12dは、現在位置ポイント48が転がって目標位置ポイント50に向かうようなアニメーションを三次元モデル表示領域42に表示させる。上記構成により、ユーザーは、三次元モデル表示領域42に示される現在位置ポイント48を目標位置ポイント50に近づけるように携帯電話機1を移動させることで、地上デジタル放送用受信アンテナ28の水平位置及び高度を調節できる。したがって、携帯電話機1は、ユーザーが地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置を調節するのに要する手間を低減できる。
高度案内矢印表示領域44は、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の高度を示す案内画像が表示される領域である。受信時状態算出部12gは、まず、主処理部12hが地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の高度を算出(取得)する。次に主処理部12hは、ユーザーに目標とさせる良好位置の高度を主処理部12hが記憶部12iから取得する。誘導部12dは、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の高度と、良好位置の高度とに基づいて、鉛直方向の2方向うち、地上デジタル放送用受信アンテナ28を移動させるべき方向の矢印を案内画像として高度案内矢印表示領域44に表示させる。この構成により、ユーザーは、高度案内矢印表示領域44に表示される矢印を確認しながら、携帯電話機1の高度を調節できる。これにより、携帯電話機1は、ユーザーが地上デジタル放送用受信アンテナ28の高度を調節するのに要する手間を低減できる。
ここで、例えば、制御装置12は、高度案内矢印表示領域44に鉛直方向の2方向の矢印を合計2つ表示させ、地上デジタル放送用受信アンテナ28を移動させるべき方向の矢印のみを例えば点滅させるように矢印を案内画像として高度案内矢印表示領域44に表示させてもよい。この構成の場合、誘導部12dは、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の高度と、良好位置の高度との差が小さくなるほど、高度案内矢印表示領域44に表示される矢印を点滅させる速度を速くすると好ましい。この構成の場合、携帯電話機1は、矢印の点滅速度に基づいて、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の高度と、良好位置の高度との差をより直感的にユーザーに把握させることができる。
回動方向案内画像表示領域46は、地上デジタル放送用受信アンテナ28の姿勢を調節するための案内画像が表示される領域である。まず、受信時状態算出部12gは、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の方向及び傾きを算出(取得)する。次に、主処理部12hは、ユーザーに目標とさせる良好姿勢の方向及び傾きを記憶部12iから取得する。ここで、良好姿勢とは、記憶部12iに記憶されている姿勢情報が示す姿勢であって、CN比が視聴可能値よりも大きくなる地上デジタル放送用受信アンテナ28の姿勢である。
制御装置12は、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の方向と、良好姿勢の方向とに基づいて、鉛直方向に沿う軸を中心として携帯電話機1を回動させるべき方向を、案内画像として矢印で回動方向案内画像表示領域46に表示させる。また、制御装置12は、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の傾きと、良好姿勢の傾きとに基づいて、水平面に平行な軸を中心として携帯電話機1を回動させるべき方向を、案内画像として矢印で回動方向案内画像表示領域46に表示させる。この構成により、ユーザーは、回動方向案内画像表示領域46に表示される矢印を確認しながら、携帯電話機1の方向及び傾きを調節できる。これにより、携帯電話機1は、ユーザーが地上デジタル放送用受信アンテナ28の方向及び傾きを調節するのに要する手間を低減できる。
ここで、誘導部12dが画像表示パネル14に表示させる案内画像は、図7及び図8に示すような図形に限定されない。誘導部12dは、ユーザーを導くための文言に対応する画像、いわゆるテキスト画像を画像表示パネル14に表示させてもよい。この場合の案内画像は、例えば、「あと1m直進してください」「あと50cm上にあげてください」「あと10度ほど時計回りに回転させてください」「あと10度ほど傾けてください」等のテキスト画像である。この構成であっても、携帯電話機1は、ユーザーが画像表示パネル14に表示された案内画像を確認することで、ユーザーが地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置及び姿勢を調節できる。
誘導部12dは、案内用画像とともに、スピーカ22から案内用音声を出力させてもよい。この場合の案内音声とは、図7及び図8に示す案内画像の代替となり得る音声ガイドである。案内音声とは、例えば、「あと1m直進してください」「あと50cm上にあげてください」「あと10度ほど時計回りに回転させてください」「あと10度ほど傾けてください」等の音声である。この構成により、携帯電話機1は、ユーザーが画像表示パネル14を確認することなく、ユーザーが地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置及び姿勢を調節できる。
なお、誘導部12dは、例えば、画像表示パネル14に案内画像を表示させずに、スピーカ22から案内音声のみを出力させる構成でもよい。この場合であっても、ユーザーが音声案内に従うことにより、携帯電話機1は、ユーザーが地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置及び姿勢を調節するために要する手間を低減できる。但し、案内画像を用いた方が、携帯電話機1は、目標とする地上デジタル放送用受信アンテナ28の良好位置や、地上デジタル放送用受信アンテナ28の良好姿勢を、視覚を用いてユーザーに伝えることができる。
ここで、案内手順の説明に戻る。図6に示すステップST205を実行すると、ステップST206で、主処理部12hは、現在のCN比が視聴可能値よりも大きいか否かを判断する。現在のCN比が視聴可能値以下である場合(ステップST206、No)、制御装置12は、ステップST205を再度実行する。すなわち、制御装置12は、現在のCN比が視聴可能値よりも大きくなるまで、誘導部12dによる地上デジタル放送用受信アンテナ28の案内を続ける。すなわち、制御装置12は、現在のCN比が視聴可能値よりも大きくなるまで、誘導部12dが画像表示パネル14に案内画像の表示を続ける。現在のCN比が視聴可能値よりも大きい場合(ステップST206、Yes)、制御装置12は、案内手順を終了する。
上記の学習手順及び案内手順を実行することにより、制御装置12は、テレビジョン放送の信号の強度を信号強度算出部12fが算出し、信号の強度が所定の視聴可能値よりも大きい際に、地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置及び姿勢を受信時状態算出部12gが算出する。そして、制御装置12は、強度情報と、地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置情報及び姿勢情報とを関連付けて記憶部12iが記憶する。そして、制御装置12は、地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置が、記憶部12iに記憶されている位置及び姿勢となるように、地上デジタル放送用受信アンテナ28を導かせる情報を、誘導部12dがユーザーに提供する。ユーザーは、誘導部12dから提供された情報に基づいて携帯電話機1を移動させることにより、地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置及び姿勢を調節できる。これによって、携帯電話機1は、ユーザーが地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置及び姿勢を調節するのに要する手間を低減できる。
ここで、本実施形態では、CN比が視聴可能値を超えた際の地上デジタル放送用受信アンテナ28の水平位置情報と、高度情報と、方向情報と、傾き情報と、案内用撮像画像と、信号の強度情報とを関連付けて記憶部12iに記憶させる構成の携帯電話機を説明したが、携帯電話機の構成は上記構成に限定されない。携帯電話機は、少なくとも地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の水平位置と、信号の強度情報とを関連付けて記憶部12iに記憶させる構成であればよい。少なくとも地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の水平位置と、信号の強度情報とを関連付けて記憶部12iに記憶させる構成であれば、携帯電話機1は、CN比が視聴可能値よりも大きくなるように、地上デジタル放送用受信アンテナ28を導くために最低限必要な情報をユーザーに提供できる。
地上デジタル放送用受信アンテナ28を導くためにより有効な情報の順番としては、有効な順に、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の水平位置情報、案内用撮像画像、地上デジタル放送用受信アンテナ28の方向情報、地上デジタル放送用受信アンテナ28の傾き情報、地上デジタル放送用受信アンテナ28の高度情報の順である。携帯電話機1は、これらの情報を学習データとして記憶部12iに蓄積することにより、目標とする良好位置及び良好姿勢へ地上デジタル放送用受信アンテナ28を導くためのより正確な情報をユーザーに提供できる。また、水平位置情報に加えて高度情報を記憶部12iに記憶させることにより、主処理部12hは、地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の位置が、過去にテレビジョン放送を再生したことがある位置であるか否かをより正確に判断できる。結果として、携帯電話機1は、地上デジタル放送用受信アンテナ28を目標とする良好位置及び良好姿勢へ導くためのより正確な情報をユーザーに提供できる。
また、学習データをより多く蓄積するための技術として、例えば、携帯電話機1は、サーバーと情報をやり取りできるように構成されると好ましい。携帯電話機1は、例えば無線でサーバーと情報をやり取りする。この場合、サーバーには、他の携帯電話機や、通信機器を備える携帯テレビジョン装置から取得した学習データ、すなわち、安定してテレビジョン放送を再生できる地上デジタル放送用受信アンテナ28の現在の水平位置情報や、案内用撮像画像や、地上デジタル放送用受信アンテナ28の方向情報や、地上デジタル放送用受信アンテナ28の傾き情報や、地上デジタル放送用受信アンテナ28の高度情報が蓄積される。携帯電話機1は、サーバーからこれらの学習データを取得することにより、例えば、ユーザーの携帯電話機1が過去にその位置でテレビジョン放送を再生したことがない場合であっても、安定してテレビジョン放送を再生できる地上デジタル放送用受信アンテナ28の位置及び姿勢に関する案内情報をユーザーに提供できる。したがって、携帯電話機1は、より好適にテレビジョン放送を再生するために要するユーザーの手間を低減できる。