JP5407493B2 - がんもどきの製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、がんもどきの製造法に関する。詳しくは、滑らかでソフトな食感を有する未膨化タイプのがんもどきの製造法である。
大豆蛋白惣菜として、がんもどき、厚揚げ、油揚げ、高野豆腐等がある。その中でも「がんもどき」は伝統的には水気を絞った豆腐を原料としており、やまいもをつなぎとして配合し、にんじん、ごぼう、こんぶ、ごま等の具材を混ぜ合わせ、一定の大きさに成形しフライして製造される場合が多い。がんもどきは日本の関西地方では「ひろうす」(飛龍頭)とも呼ばれているもので、フライ時間を長くして生地の内部組織を膨化させた「膨化タイプ」と、短時間でフライして生地を膨化させることなく密な組織を保持した「未膨化タイプ」に大きく分けられる。
一方で、本出願人は豆腐を主原料とすることなく、食品工業的に粉末状大豆蛋白素材、水、油、副原料をサイレントカッター等で均一に混練して得られた大豆蛋白生地を成型し、フライして膨化させて得られる膨化タイプのがんもどきを開発した(特許文献1)。このがんもどきは、製造過程で豆乳から豆腐を一旦調製する手間を省くことができる簡便で効率の良い方法で製造することができ、簡便な弁当や給食等において広く喫食され馴染みある惣菜としてすでに定着している。
一方、最近の傾向として、がんもどきはキメがより細かく滑らかで絹ごし豆腐的な食感が好まれつつあり、豆腐の揚げ物として代表的な製品である「厚揚げ」も絹ごし豆腐的な食感を有する製品が嗜好される傾向にある。そのため、豆腐を主原料とするがんもどきにおいても未膨化タイプのがんもどきが一部製品化されている。
ただしこの豆腐のがんもどきを大規模な連続製造ラインで製造するには、原料加工用の豆腐をまず大量に自分で製造するか、もしくは他のメーカーから仕入れる必要がある。しかしながら、加工用の豆腐は10kg程度の大容量の容器に充填されているため、この保管状況や輸送状況によって豆腐の水分が非常にばらつきやすい。そして、大規模な連続製造ラインでは製造ロット間、あるいは1回の製造の中で、製品の品質のばらつきが些細な要因によっても大きくなる傾向にある。そのため、大規模製造ラインにおいてがんもどきの原料に豆腐を用いることは、品質のばらつきの原因となり、安定的な製造が困難となる。
特公昭53−46895号公報 特公昭60−44900号公報 特公昭61−58147号公報 特公昭61−52659号公報 特公昭63−45782号公報 特開2004−49166号公報 特開2004−236598号公報
以上の点に鑑み、本出願人は上述した粉末状大豆蛋白素材を主原料としたがんもどきで、未膨化タイプのものを品質良く、安定的に製造できないかを考えた。すなわち本発明は、粉末状大豆蛋白素材を使用したがんもどきであって、未膨化タイプの絹ごし豆腐的な、滑らかでソフトな食感を有するがんもどきを効率良く製造することを課題とする。
本発明者は上記課題を解決すべく種々の研究を行ったが、粉末状大豆蛋白素材を単独で用いても品質的に絹ごし豆腐的な食感のがんもどきを得ることが困難であった。そこでさらに鋭意研究を行ったところ、粉末状大豆蛋白を主体とする生地に予め冷凍豆腐を添加することにより、品質面で滑らかでソフトな絹ごし豆腐的な食感を有し、さらに大規模製造においても品質の振れが少ない、効率的な製造も可能となり、前記課題を解決するに到った。
なお、大豆蛋白原料を主体とするがんもどきの生地に生の豆腐を加えることはこれまでも行われてはいた(特許文献1〜7)が、本発明において添加される豆腐は冷凍豆腐であって生の豆腐ではない。またこれらの特許文献はいずれもフライ時に生地を膨化させたタイプのがんもどきであり、未膨化タイプのがんもどきを得るという本発明の目的とは異にするものであり、品質的に求められる食感も当然に異なるものである。
即ち、本発明は、
(1)粉末状大豆蛋白素材、液体油及び水を含む原料を混練して大豆蛋白生地を調製し、成形後フライしてがんもどきを製造する方法において、大豆蛋白生地の原料として冷凍豆腐を使用し、かつ、フライを生地が膨化しない条件下で行うことを特徴とする、未膨化タイプのがんもどきの製造法、
(2)冷凍豆腐が、生地中5〜30重量%含まれる前記(1)記載の製造法、
(3)粉末状大豆蛋白素材、液体油、水及び冷凍豆腐を混練し、乳化させた後に、固形脂をさらに混合する前記(1)記載の製造法、
(4)魚肉すり身をさらに含む、前記(1)記載の製造法、である。
本発明の製造法に寄れば、粉末状大豆蛋白素材を主体とする大豆蛋白生地を用いて、絹ごし豆腐のようなソフトで滑らかな食感を有する未膨化タイプのがんもどきを、品質の振れなく安定的に効率良く製造することが可能となる。
本発明の未膨化タイプのがんもどきの製造法は、粉末状大豆蛋白素材、液体油及び水を含む原料を混練して大豆蛋白生地を調製し、成形後フライしてがんもどきを製造する方法において、大豆蛋白生地の原料として冷凍豆腐を使用し、かつ、フライを生地が膨化しない条件下で行うことを特徴とする。以下、本発明の製造法について具体的に説明する。
(がんもどき)
本発明のがんもどきは、未膨化タイプのがんもどきである。ここで本発明における「膨化」とは、がんもどきの生地がフライによって膨張し、スポンジ状の組織に変化することをいう。したがって、未膨化か否かは、生地がスポンジ状の組織に変化していないか否かにより区別される。更に詳しくは、生地の膨化度(フライ前の生地の厚みに対するフライ後の生地の厚みの割合)で表すことができ、本発明においては膨化度が100〜110%、好ましくは100〜105%、最も好ましくは100%である。生地の膨化度が100%を超えていても、110%以下の程度であれば生地はスポンジ状の組織にまでは変化していない。
(大豆蛋白生地)
本発明のがんもどきは大豆蛋白生地が主体として構成されるものであり、これを所望の形状・大きさに成形した後、フライ油でフライして得る。ここで大豆蛋白生地とは、粉末状大豆蛋白素材とこれを水和するのに十分な水(大豆蛋白原料のおよそ2.5〜8重量倍)と、さらに適当な重量倍の油脂とを均一に混練し、乳化させた乳化物を主体とするものである。
(粉末状大豆蛋白素材)
大豆蛋白生地に配合する粉末状大豆蛋白素材としては、脱脂大豆から得られ、固形分あたりの蛋白質含量が60%以上である濃縮大豆蛋白や分離大豆蛋白が好ましく、蛋白質含量が85%以上である分離大豆蛋白がより好ましい。
(油脂)
1.液体油
大豆蛋白生地に配合する油脂としては、大豆蛋白と水との乳化状態を形成させるために液体油が必須である。本発明において液体油とは、生地の調製時の温度において液体状態にある油脂を意味するものとする。より詳しくは、該温度においてSFC(Solid Fat Content:固体脂含量)が10%以下の油脂を意味する。したがって、同じ油脂であっても生地温度によって液体油に該当する場合と該当しない場合もある。生地の調製は、製造条件にもよるが通常は5〜30℃の範囲で行われる。このような温度範囲のいずれかで液体状態にある油脂としては、例えば大豆油、コーン油、綿実油、サフラワー油、ヒマワリ油、ナタネ油、オリーブ油、米油、パーム分別油などが挙げられる。
液体油の含有量は粉末状大豆蛋白素材と水を最低限乳化することができ、余剰な油脂により乳化が困難とならない限り限定されない。液体油の含有量が少なすぎると色調が悪く弾力のある硬い食感となる傾向にあるため、生地中3重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましい。生地中の液体油の配合量が多すぎると乳化がしにくくなる傾向にあるため、生地中20重量%以下が好ましく、16重量%以下がより好ましい。
2.固形脂
大豆蛋白生地に含有させる油脂として、さらに固形脂を加えることがより好ましい。これによって生地に適度な硬さを付与しつつ、がんもどきの食感にさらに滑らかさを付与することができる。ここで固形脂とは、生地の調製時の温度(上述)においてSFCが30%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上の油脂を意味する。例えばパーム油、ヤシ油、パーム核油、カカオ脂、牛脂、豚脂などが挙げられ、さらに上記液体油を水素添加により硬化した硬化油や、マーガリンやショートニング等の加工油脂も含まれる。
固形脂の配合量は、生地中1重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましい。固形脂の量が多すぎると粘土質的な重たい食感となるので、25重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。
固形脂の添加時期は特に限定されないが、液体油と同時に入れると固形脂が溶解し、生地の乳化がしにくくなる傾向にあるので、まず粉末状大豆蛋白素材、水及び液体油を均一に混合し、乳化させてから、その後に固形脂を加えることが好ましい。またその際は固形脂を予め冷蔵温度(15℃以下)に冷却したものを加えることが好ましい。
(冷凍豆腐)
本発明では、大豆蛋白生地に冷凍豆腐を用いることが重要である。これによって、大豆蛋白生地から得られるがんもどきに絹ごし豆腐的な密な組織を実現し、ソフトで滑らかな食感を安定的に付与することができる。
ここで「冷凍豆腐」とは、文字通り冷凍されている豆腐を意味し、冷凍された状態もしくはさらに冷凍後乾燥された状態で一般に市販されているものを用いることができる。このような冷凍豆腐は、みそ汁等の具などに生の豆腐の代替品として広く利用されているものであるので、前提として、解凍したときに生の豆腐と同等の組織を維持しているものである。より詳しくは、解凍しても豆腐の組織内に存在する水分(自由水)の離水が抑制されており、豆腐的な組織ができるだけ保持されているものである。したがって、一般に「冷凍豆腐」として市販されているものは当然に該当するが、凍り豆腐のように冷凍によってスポンジ状になったり、「す」が入ったりして蛋白質が変性してしまったものは避けるべきである。
冷凍豆腐の製造方法は様々であるが、多くは原料の豆乳に対し何らかの保水性付与効果のある原料を添加した上で、凝固剤で凝固させて製造される。使用される保水性付与原料としては、例えば加工澱粉、単糖、二糖、オリゴ糖、水溶性多糖類、糖アルコール、ゼラチン、デキストリン、トランスグルタミナーゼ等が用いられている。
仮に冷凍豆腐の代わりに、生の豆腐を使用する場合、豆腐をまず大量に自分で製造するか、あるいは他のメーカーから仕入れる必要があるが、上述したとおり、この豆腐の保管状況、輸送状況や大豆の収穫時期により、豆腐の水分が非常にばらつきやすいことが問題である。
豆腐の水分は大豆蛋白生地の成形性に影響し、水分が多すぎると生地が柔らかくなりすぎ、フライ時に成形した生地が散って得られるがんもどきの形状が欠け、剥がれなどにより不良となる。また水分が少なすぎるとがんもどきの食感が硬いものとなる。
このような豆腐の品質のばらつきは大規模な連続製造ラインにおいては、製造ロット間あるいは1回の製造の過程で製品の品質に大きな影響を与え、品質のばらつきが少ない、安定的な製造が困難となる。また、豆腐は腐りやすく消費期限が短いため、入手した豆腐は長期間貯蔵することができず、すぐに製造に使用する必要があるため、がんもどきの製造が事情によりすぐにできない場合や製造をしたい時にできないという不都合が生じ、生産性が悪い。
これに対して、冷凍豆腐は冷凍された状態で流通、保管され、大量に長期間貯蔵しておくことが可能である。したがって保管条件や輸送条件等により豆腐の水分のばらつきが極めて少なく、また必要な時期に必要な量を使用することができるため、非常に効率良くがんもどきを製造することが可能となる。
さらに、冷凍豆腐は保水性付与原料が通常添加されているためか、生の豆腐の食感とはやや異なる食感をしているが、このことががんもどきの最終的な食感に意外にも良い影響を与えるのか、より滑らかでキメの細かい食感を未膨化タイプのがんもどきに付与する。このような効果は大豆蛋白生地に生の豆腐と保水性付与原料とを別途に添加した場合よりも大きい。
冷凍豆腐の添加は、冷凍状態のままで行っても良いし、予め解凍してから行うことも可能である。いずれの状態でも豆腐の組織は変性が少なく、生の豆腐のような食感を維持しているためである。冷凍豆腐の添加の時期は、粉末状大豆蛋白素材、液体油及び水を混合するときと同時でもよいし、一旦これらの乳化物を調製してから添加してもよい。
大豆蛋白生地中への該豆腐の添加量は、少なすぎると絹ごし豆腐的なソフトで滑らかな食感が付与する効果が現れにくくなるため、5重量以上%が好ましく、10重量%以上がより好ましい。10〜20重量%がさらに好ましい。逆に添加量が多すぎると生地が柔らかくなりすぎ成形性が低下する傾向となるため、30重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましい。
(魚肉すり身)
本発明において、大豆蛋白生地にさらにタラ類やイワシ等の魚肉すり身を配合することがより望ましい。これによって製造されるがんもどきをだし汁等で煮込んだ際の煮込み耐性が強化され、得られるがんもどきを調理時に煮込んだときに、がんもどきの形状が壊される煮崩れが生じにくくなる。
(オカラ)
本発明において、大豆蛋白生地にさらにオカラを配合することがより望ましい。これによって大豆蛋白生地をフライした際に生地が膨化するのをより抑制することができ、未膨化タイプに特徴的な豆腐的な密な食感の実現が容易となる。使用するオカラとしては、丸大豆から豆腐を製造する際に副生するものや、脱脂大豆から分離大豆蛋白を製造する際に副生するものを用いることができる。
生地中へのオカラの配合量は0.5〜2重量%が好ましい。オカラの配合量が多すぎるとぼそつき感、喉通り悪くなり、逆に少なすぎるとフライ中に膨化しやすい傾向である。
(副材料)
大豆蛋白生地中にはその他の副材料としてとろろいも等の芋類、人参やごぼう等の根菜類、ごま、その他の野菜、海藻類、糖類、調味料等を適宜加えることができる。
(混練・成形)
上記原料をサイレントカッター等の混練機で均一に混練し、乳化させて大豆蛋白生地を得る。得られた生地を成形機で所望の大きさと形状に成形した成形物を得る。次いでこれをフライ工程に供する。
(フライ工程)
本発明においては、大豆蛋白生地を膨化させることなくフライすることが重要である。生地を膨化させないことにより、豆腐的な密な組織を有する、未膨化タイプのがんもどきを得ることができる。フライ条件としては生地が膨化しない限り特に限定されず、通常は90〜180℃程度の温度範囲で7〜15分程度行えば良く、適宜製造者が膨化しにくいフライ条件を設定すればよい。
以上により、豆腐的な密な組織を有し、ソフトで滑らかな食感が付与された未膨化タイプのがんもどきを得ることができる。
以下、実施例等により本発明の実施形態をより具体的に記載する。なお、以下特に断りがない限り、「%」や「部」は「重量%」、「重量部」を意味するものとする。
(実施例1)
大豆蛋白原料として分離大豆蛋白「フジプロ」(不二製油(株)製)を15部、液体油としてナタネ油(25℃におけるSFC0%)を15部、市販の冷凍豆腐を凍結状態のままで15部、水40部をサイレントカッターに投入して、約15℃で混練し、均一に乳化させ、乳化物を調製した。この乳化物に調味料0.5部、おから1部、小麦粉1部を加えさらにダイス状のにんじん5部、枝豆6部を加え混合し生地を得た。
生地を成型機で直径58mm、厚み13mm、1個35gに成形した。これを低温部(98°〜135℃)8分、高温部(155〜180℃)30秒のフライ加熱を行い、空冷後、−35℃で急速凍結を行い、冷凍がんもどきを得た(テスト1)。
得られたがんもどきをフライ加熱後、その中心部を切断し、生地の膨化度合いを目視で観察したところ、スポンジ状の組織ではない、密な組織を有しており、全く膨化していなかった。なお、冷凍豆腐としては、市販の「トーフリーズ」(不二製油(株)製)を使用した。この冷凍豆腐は豆乳に保水性付与原料としての加工澱粉と、凝固剤を添加して豆腐を作製し、これを凍結させた製品である。
次に、テスト2として冷凍豆腐の配合量を半分に変更し、テスト1と同様に冷凍がんもどきを得た。
次に、テスト3、4として冷凍豆腐の代わりに市販の木綿豆腐をテスト1、2と同量配合して冷凍がんもどきを得た。
テスト1〜4で得られた冷凍がんもどきを解凍し、これをだし汁で15分間煮込んだ後の食感を評価した。また、解凍したがんもどきの中心部を切断して中心部の厚み(X)を測定し、フライ前の成形生地の厚み(Y)に対する膨化率(X/Y×100)(%)を算出した。結果を表1に示した。
(表1)
Figure 0005407493
テスト1〜4のうち、冷凍豆腐を15%使用したテスト1が最も硬さ・滑らかさ共に食感が優れており、膨化も全くしていなかった。冷凍豆腐を半分に減らしたテスト2では、膨化率が若干上昇し、食感の評価がやや下がったが、組織はスポンジ状とはなっておらず、未膨化の状態であった。また生の豆腐である木綿豆腐を添加したテスト3,4は、硬く滑らかさに欠けるものであった。
(比較例)
テスト3,4で用いた木綿豆腐の水分は87%であったが、この木綿豆腐の水分を乾燥と加水により調整し、水分80%及び92%の豆腐を2点用意し、これらをテスト3と同様の配合でがんもどきをそれぞれ調製した。
その結果、水分80%の豆腐を用いたがんもどきはテスト3よりも硬くぼそついた食感となり好ましくなかった。一方、水分92%の豆腐を用いたがんもどきの場合、逆に食感が柔らかくなったものの、フライ時に生地が散ってしまい、不良な形状となったがんもどきがいくつか見受けられた。
以上のように、豆腐の水分が振れることにより、最終に得られるがんもどきの品質は大きく異なるものであった。豆腐の水分は保管条件や輸送条件等によりかなりばらつきが大きいことに鑑みれば、大規模な製造ラインにおいて安定的な生産が困難であることが懸念された。
(実施例2)
表2の通り、冷凍豆腐の配合量を変更し、水の量を調整する以外は、実施例1のテスト1と同様にして冷凍がんもどきを製造した。
(表2)
Figure 0005407493
冷凍豆腐が少ない系(テスト5)では食感が硬すぎ、滑らかさに欠けた。また多い系(テスト7)では生地が柔らかすぎて保型性がなく、望ましいがんもどきの形状を得ることができなかった。実施例1との比較では、テスト1,2,6の方がテスト5,7と比較して未膨化タイプのがんもどきの品質として優れていた。
(実施例3)−固形脂の添加−
表3の通り、大豆蛋白生地に固形脂としてパーム分別脂「ユニショートMJ」(不二製油(株)製、15℃におけるSFC約60%)を添加量を種々変更して添加する以外は、実施例1のテスト1と同様にして冷凍がんもどきを得た。この際、固形脂は10℃で冷蔵保存していたものを同温度の冷蔵庫内のチョッパーで砕いたものを、実施例1において乳化物を調製した後に、調味料等と同時に加えた。
(表3)
Figure 0005407493
以上の通り、固形脂を大豆蛋白生地に液体油と共に併用すると、食感がよりソフトで滑らかなものとなり、より絹ごし豆腐的な未膨化タイプのがんもどきが得られた。
(実施例4)−魚肉すり身の添加−
実施例1のテスト1の配合に対し、さらにタラ2級すり身を4重量%添加する以外は、実施例1と同様にして未膨化タイプのがんもどきを得た。これを実施例1のテスト1で得たがんもどきとの比較で、だし汁で10分間煮込んだところ、テスト1よりも魚肉すり身を加えた実施例4のがんもどきの方が煮崩れが少なく、煮込み耐性に優れていた。

Claims (5)

  1. 粉末状大豆蛋白素材、液体油及び水を含む原料(ただし鶏卵を除く。)を均一に混練して大豆蛋白生地を調製し、成形後フライしてがんもどきを製造する方法において、大豆蛋白生地の原料として保水性付与原料を含有する冷凍豆腐を使用し、かつ、フライを生地が膨化しない条件下で行うことを特徴とする、未膨化タイプのがんもどきの製造法。
  2. 冷凍豆腐が、生地中10〜30重量%含まれる請求項1記載の製造法。
  3. 粉末状大豆蛋白素材、液体油及び水を混練し、乳化させた後に、固形脂をさらに混合する請求項1又は2に記載の製造法。
  4. 魚肉すり身をさらに含む、請求項1〜3の何れか記載の製造法。
  5. オカラをさらに含む、請求項1〜4の何れか記載の製造法。
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